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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-04
(45)【発行日】2025-02-13
(54)【発明の名称】車両用制御装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B60L 9/18 20060101AFI20250205BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20250205BHJP
   B60L 58/10 20190101ALI20250205BHJP
   H02P 27/06 20060101ALI20250205BHJP
【FI】
B60L9/18 J
B60L50/60
B60L58/10
H02P27/06
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021089290
(22)【出願日】2021-05-27
(65)【公開番号】P2022182013
(43)【公開日】2022-12-08
【審査請求日】2024-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(73)【特許権者】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100139480
【弁理士】
【氏名又は名称】日野 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100125575
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100175134
【弁理士】
【氏名又は名称】北 裕介
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼嶋 薫
(72)【発明者】
【氏名】西村 宗世
【審査官】橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-252990(JP,A)
【文献】特開2021-005944(JP,A)
【文献】特開2009-065808(JP,A)
【文献】特開2013-143800(JP,A)
【文献】特開2020-120566(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00-3/12
7/00-13/00
15/00-58/40
H02J 7/00-7/12
7/34-7/36
H02P 21/00-25/03
25/04
25/10-27/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1蓄電部(61)及び第2蓄電部(62)の直列接続体に並列接続される上,下アームスイッチ(QUH,QVH,QWH,QUL,QVL,QWL)を有し、回転電機(20)の巻線(21U,21V,21W)に電気的に接続されるインバータ(50)と、
記回転電機を構成するロータ(22)の回転軸(22a)から動力が伝達されることにより回転する駆動輪(11)と、
を備える車両(10)に適用される車両用制御装置(80)において、
前記巻線は、前記上,下アームスイッチと接続される第1端と、前記第1端とは反対側の端部である第2端と、を有し、
前記第1蓄電部の負極側及び前記第2蓄電部の正極側と、前記第2端とを電気的に接続する配線(71)、前記インバータ及び前記巻線を介して、前記第1蓄電部及び前記第2蓄電部の間に電流が流れるように、前記上,下アームスイッチのスイッチング制御を行うスイッチ制御部と、
前記スイッチング制御により前記巻線に通電された場合において前記回転電機の発生トルクが判定トルク(Tqc)以下となる前記ロータの回転角度位置の範囲を目標角度範囲とする場合、減速中の前記車両が停止する直前から前記車両の停止直後までに、前記ロータの回転角度位置を前記目標角度範囲内にするように前記インバータを制御する位置調整処理を行う処理部と、を備える、車両用制御装置。
【請求項2】
第1蓄電部(61)及び第2蓄電部(62)の直列接続体に並列接続される上,下アームスイッチ(QUH,QVH,QWH,QUL,QVL,QWL)を有し、回転電機(20)の巻線(21U,21V,21W)に電気的に接続されるインバータ(50)と、
記回転電機を構成するロータ(22)の回転軸(22a)から動力が伝達されることにより回転する駆動輪(11)と、
を備える車両(10)に適用される車両用制御装置(80)において、
前記第1蓄電部の負極側及び前記第2蓄電部の正極側と、前記巻線の中性点(O)とを電気的に接続する中性点配線(71)、前記インバータ及び前記巻線を介して、前記第1蓄電部及び前記第2蓄電部の間に電流が流れるように、前記上,下アームスイッチのスイッチング制御を行うスイッチ制御部と、
前記スイッチング制御により前記巻線に通電された場合において前記回転電機の発生トルクが判定トルク(Tqc)以下となる前記ロータの回転角度位置の範囲を目標角度範囲とする場合、減速中の前記車両が停止する直前から前記車両の停止直後までに、前記ロータの回転角度位置を前記目標角度範囲内にするように前記インバータを制御する位置調整処理を実行する処理部と、を備える車両用制御装置。
【請求項3】
蓄電部(60)から給電され、回転電機(20)の巻線(21U~21W)に電気的に接続されるインバータ(50)と、
記回転電機を構成するロータ(22)の回転軸(22a)から動力が伝達されることにより回転する駆動輪(11)と、
を備える車両(10)に適用される車両用制御装置(80)において、
処理部を備え、
前記巻線に通電された場合において前記回転電機の発生トルクが判定トルク(Tqc)以下となる前記ロータの回転角度位置の範囲を目標角度範囲とし、
前記処理部は、減速中の前記車両が停止する直前から前記車両が停止するまでの期間において、前記ロータの回転角度位置を前記目標角度範囲内にするように回生駆動制御する位置調整処理を行い、
前記回生駆動制御は、前記回転電機で発電される交流電力を直流電力に変換して前記蓄電部に供給するための前記インバータのスイッチング制御である、車両用制御装置。
【請求項4】
前記位置調整処理の実行後、前記車両の停止中において、前記ロータの回転角度位置が前記目標角度範囲内になっているか否かを判定する位置判定部を備え、
前記処理部は、前記ロータの回転角度位置が前記目標角度範囲内になっていないと判定された場合、前記ロータの回転角度位置を前記目標角度範囲内にして前記ロータの回転を停止させるように前記インバータを制御するリトライ処理を行う、請求項1~3のいずれか1項に記載の車両用制御装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記位置調整処理の実行後、前記車両のドライバが降車したと判定するまでに前記リトライ処理を行う、請求項に記載の車両用制御装置。
【請求項6】
前記車両は、ドライバの操作に基づいて、前記車両の車輪に制動力を付与する電動パーキングブレーキ装置(40)を備え、
前記処理部は、前記位置調整処理の実行後、ドライバの操作により前記電動パーキングブレーキ装置の動作指示がなされたと判定した場合に前記リトライ処理を行う、請求項に記載の車両用制御装置。
【請求項7】
前記車両は、少なくとも該車両の停止中において、前記ロータの回転軸から前記駆動輪まで動力伝達可能とされる構成になっており、
前記処理部は、前記電動パーキングブレーキ装置の動作指示がなされたと判定してから前記電動パーキングブレーキ装置が前記車輪に制動力を付与するまでに前記リトライ処理を行う、請求項に記載の車両用制御装置。
【請求項8】
前記車両は、ドライバにより操作されるシフト操作部材(42)を備え、
前記処理部は、前記位置調整処理の実行後、前記シフト操作部材の操作状態が前記車両の駐停車を指示するパーキングシフトにされたと判定した場合に前記リトライ処理を行う、請求項5~7のいずれか1項に記載の車両用制御装置。
【請求項9】
前記車両は、前記シフト操作部材の操作状態が前記パーキングシフトにされた場合に前記ロータの回転を規制するロック装置(43)を備え、
前記車両は、少なくとも該車両の停止中において、前記ロータの回転軸から前記駆動輪まで動力伝達可能とされる構成になっており、
前記処理部は、前記シフト操作部材の操作状態が前記パーキングシフトにされたと判定してから前記ロック装置が前記ロータの回転を規制するまでに前記リトライ処理を行う、請求項に記載の車両用制御装置。
【請求項10】
前記判定トルクは、前記駆動輪を回転させ始めないトルクである、請求項1~のいずれか1項に記載の車両用制御装置。
【請求項11】
第1蓄電部(61)及び第2蓄電部(62)の直列接続体に並列接続される上,下アームスイッチ(QUH,QVH,QWH,QUL,QVL,QWL)を有し、回転電機(20)の巻線(21U,21V,21W)に電気的に接続されるインバータ(50)と、
記回転電機を構成するロータ(22)の回転軸(22a)から動力が伝達されることにより回転する駆動輪(11)と、
コンピュータ(80a)と、
を備える車両(10)に適用されるプログラムであって、
前記巻線は、前記上,下アームスイッチと接続される第1端と、前記第1端とは反対側の端部である第2端と、を有し、
前記コンピュータ
前記第1蓄電部の負極側及び前記第2蓄電部の正極側と、前記第2端とを電気的に接続する配線(71)、前記インバータ及び前記巻線を介して、前記第1蓄電部及び前記第2蓄電部の間に電流が流れるように、前記上,下アームスイッチのスイッチング制御を行う処理と、
前記スイッチング制御により前記巻線に通電された場合において前記回転電機の発生トルクが判定トルク(Tqc)以下となる前記ロータの回転角度位置の範囲を目標角度範囲とする場合、減速中の前記車両が停止する直前から前記車両の停止直後までに、前記ロータの回転角度位置を前記目標角度範囲内にするように前記インバータを制御する位置調整処理と、を実行させるプログラム。
【請求項12】
第1蓄電部(61)及び第2蓄電部(62)の直列接続体に並列接続される上,下アームスイッチ(QUH,QVH,QWH,QUL,QVL,QWL)を有し、回転電機(20)の巻線(21U,21V,21W)に電気的に接続されるインバータ(50)と、
前記回転電機を構成するロータ(22)の回転軸(22a)から動力が伝達されることにより回転する駆動輪(11)と、
コンピュータ(80a)と、
を備える車両(10)に適用されるプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記第1蓄電部の負極側及び前記第2蓄電部の正極側と、前記巻線の中性点(O)とを電気的に接続する中性点配線(71)、前記インバータ及び前記巻線を介して、前記第1蓄電部及び前記第2蓄電部の間に電流が流れるように、前記上,下アームスイッチのスイッチング制御を行う処理と、
前記スイッチング制御により前記巻線に通電された場合において前記回転電機の発生トルクが判定トルク(Tqc)以下となる前記ロータの回転角度位置の範囲を目標角度範囲とする場合、減速中の前記車両が停止する直前から前記車両の停止直後までに、前記ロータの回転角度位置を前記目標角度範囲内にするように前記インバータを制御する位置調整処理と、を実行させるプログラム。
【請求項13】
蓄電部(60)から給電され、回転電機(20)の巻線(21U~21W)に電気的に接続されるインバータ(50)と、
前記回転電機を構成するロータ(22)の回転軸(22a)から動力が伝達されることにより回転する駆動輪(11)と、
コンピュータ(80a)と、
を備える車両(10)に適用されるプログラムであって、
前記巻線に通電された場合において前記回転電機の発生トルクが判定トルク(Tqc)以下となる前記ロータの回転角度位置の範囲を目標角度範囲とし、
前記コンピュータに、減速中の前記車両が停止する直前から前記車両が停止するまでの期間において、前記ロータの回転角度位置を前記目標角度範囲内にするように回生駆動制御する位置調整処理を実行させ、
前記回生駆動制御は、前記回転電機で発電される交流電力を直流電力に変換して前記蓄電部に供給するための前記インバータのスイッチング制御である、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用制御装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載されているように、蓄電部と、蓄電部から給電されるインバータと、インバータに電気的に接続された巻線を有する回転電機とを備える車両に適用される車両用制御装置が知られている。この制御装置は、インバータの制御によって蓄電部からインバータを介して巻線に電流を流すことにより、回転電機を構成するロータを回転させる。その結果、ロータの回転軸から車両の駆動輪に動力が伝達され、駆動輪が回転する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-120566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
停止中の車両からユーザ(ドライバ)が降車した後、車両の停止中にインバータを介して蓄電部と巻線との間に電流を流す制御が行われることがある。例えば、低温環境下にある蓄電部を昇温させるために、車両の停止中にインバータを介して蓄電部と巻線との間に電流が流されることがある。この場合、回転電機がトルクを発生し、車両が振動し得る。ドライバが降車した後に車両が振動すると、ドライバに不安感を与えてしまう懸念がある。
【0005】
本発明は、車両の停止中においてインバータを介して蓄電部と巻線との間に電流が流される場合であっても、ドライバに不安感を与える事象の発生を抑制できる車両用制御装置及びプログラムを提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、蓄電部と、
前記蓄電部から給電されるインバータと、
前記インバータに電気的に接続された巻線を有する回転電機と、
前記回転電機を構成するロータの回転軸から動力が伝達されることにより回転する駆動輪と、
を備える車両に適用される車両用制御装置において、
前記巻線に通電された場合において前記回転電機の発生トルクが判定トルク以下となる前記ロータの回転角度位置の範囲を目標角度範囲とする場合、減速中の前記車両が停止する直前から前記車両の停止直後までに、前記ロータの回転角度位置を前記目標角度範囲内にするように前記インバータを制御する位置調整処理を行う処理部を備える。
【0007】
本発明では、減速中の車両が停止する直前から車両の停止直後までに、ロータの回転角度位置を上記目標角度範囲内にするようにインバータが制御される。このため、その後車両からユーザが降車した後に、インバータを介して蓄電部と巻線との間に電流を流す制御が行われる場合であっても、回転電機の発生トルクが判定トルク以下になる。これにより、ユーザに不安感を与えないレベルまで車両の振動を低減できる。つまり、インバータを介して蓄電部と巻線との間に電流が流される場合であっても、ドライバに不安感を与える事象の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】車載システムの全体構成図。
図2】インバータ及び回転電機等の回路構成を示す図。
図3】ロータの構成及び電気角の定義を示す図。
図4】制御装置が実行する処理の手順を示すフローチャート。
図5】回転電機の発生トルクと電気角との関係を示す図。
図6】目標角度範囲の概要を示す図。
図7】目標角度範囲の概要を示す図。
図8】電圧均等化制御及び昇温制御が行われた場合における発生トルクの推移の一例を示すタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る車両用制御装置を具体化した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態の制御装置は、走行動力源として回転電機を備える電動化車両に搭載される。
【0010】
図1に示すように、車両10は、回転電機20及び変速機30を備えている。回転電機20は、車載主機であり、そのロータ22(図3参照)が駆動輪11と動力伝達可能とされている。詳しくは、ロータ22の回転軸22aは、変速機30を介して駆動輪11に機械的に接続されている。変速機30は、例えば減速機である。回転電機20が電動機として機能することにより発生するトルクが、回転軸22aから変速機30を介して駆動輪11に伝達される。これにより、駆動輪11が回転する。
【0011】
車両10は、電動パーキングブレーキ装置40(以下、EPB装置40)と、パーキングスイッチ41とを備えている。EPB装置40は、例えばドラムブレーキ装置であり、EPBアクチュエータを備えている。EPBアクチュエータに通電されることにより、ワイヤが巻き取られ、車両10の車輪に制動力が付与される。これにより、車輪の回転が規制される。EPB装置40は、例えばドライバが車両10を駐車する場合に車輪に制動力を付与する。
【0012】
パーキングスイッチ41は、ドライバにより操作される部材である。パーキングスイッチ41の操作状態は、車両10が備える制御装置80に入力される。制御装置80は、パーキングスイッチ41の操作状態に基づいて、車輪に対する制動力の付与指令、又は制動力の解除指令をEPB装置40に対して出力する。
【0013】
車両10は、シフトレバー42を備えている。シフトレバー42は、ドライバにより操作されるシフト操作部材である。本実施形態では、シフトレバー42の操作により、車両10の駐停車を指示するパーキングシフトレンジ(Pレンジ)、車両10の後退を指示するリバースレンジ(Rレンジ)、ニュートラルレンジ(Nレンジ)又は車両10の前進を指示するドライブレンジ(Dレンジ)のいずれかが選択される。シフトレバー42の操作状態は、制御装置80に入力される。なお、シフト操作部材として、シフトレバー42に代えて、例えば、各レンジを選択可能な押しボタン式のスイッチが用いられてもよい。
【0014】
車両10は、パーキングロック装置43を備えている。パーキングロック装置43は、シフトレバー42の操作によりPレンジが選択された場合、変速機30を構成する歯車に当接することにより、歯車の回転を規制する。これにより、ロータ22の回転も規制される。
【0015】
車両10は、インバータ50、蓄電池60及び監視ユニット70を備えている。図2に示すように、回転電機20は、3相の同期機であり、星形結線されたU,V,W相巻線21U,21V,21Wを備えている。各相巻線21U,21V,21Wは、電気角で120°ずつずれて配置されている。本実施形態において、回転電機20は、図3に示すように、ロータ22に永久磁石23を備える永久磁石同期機である。
【0016】
インバータ50は、上アームスイッチQUH,QVH,QWHと下アームスイッチQUL,QVL,QWLとの直列接続体を3相分備えている。本実施形態では、各スイッチQUH,QVH,QWH,QUL,QVL,QWLとして、電圧制御形の半導体スイッチング素子が用いられており、具体的にはIGBTが用いられている。このため、各スイッチQUH,QVH,QWH,QUL,QVL,QWLの高電位側端子はコレクタであり、低電位側端子はエミッタである。各スイッチQUH,QVH,QWH,QUL,QVL,QWLには、フリーホイールダイオードとしての各ダイオードDUH,DVH,DWH,DUL,DVL,DWLが逆並列に接続されている。
【0017】
U相上アームスイッチQUHのエミッタと、U相下アームスイッチQULのコレクタとには、U相巻線21Uの第1端が接続されている。V相上アームスイッチQVHのエミッタと、V相下アームスイッチQVLのコレクタとには、V相巻線21Vの第1端が接続されている。W相上アームスイッチQWHのエミッタと、W相下アームスイッチQWLのコレクタとには、W相巻線21Wの第1端が接続されている。U,V,W相巻線21U,21V,21Wの第2端同士は、中性点Oで接続されている。なお、本実施形態において、各相巻線21U,21V,21Wは、ターン数が同じに設定されている。これにより、各相巻線21U,21V,21Wは、例えばインダクタンスが同じに設定されている。
【0018】
各上アームスイッチQUH,QVH,QWHのコレクタと、蓄電池60の正極端子とは、正極側母線Lpにより接続されている。各下アームスイッチQUL,QVL,QWLのエミッタと、蓄電池60の負極端子とは、負極側母線Lnにより接続されている。
【0019】
インバータ50は、正極側母線Lpと負極側母線Lnとを接続するコンデンサ51を備えている。なお、コンデンサ51は、インバータ50の外部に設けられていてもよい。
【0020】
蓄電池60は、単電池である電池セルの直列接続体を備える組電池である。本実施形態では、蓄電池60を構成する各電池セルの端子電圧(例えば定格電圧)が互いに同じに設定されている。電池セルとしては、例えば、リチウムイオン電池等の2次電池を用いることができる。
【0021】
本実施形態では、蓄電池60を構成する電池セルのうち、高電位側の複数の電池セルの直列接続体が第1蓄電池61(「第1蓄電部」に相当)を構成し、低電位側の複数の電池セルの直列接続体が第2蓄電池62(「第2蓄電部」に相当)を構成している。つまり、蓄電池60が2つのブロックに分けられている。本実施形態では、第1蓄電池61を構成する電池セル数と、第2蓄電池62を構成する電池セル数とが同じである。このため、第1蓄電池61の端子電圧(例えば定格電圧)と、第2蓄電池62の端子電圧(例えば定格電圧)とが同じである。本実施形態において、第1蓄電池61及び第2蓄電池62それぞれの定格電圧は400Vとされている。このため、蓄電池60の定格電圧は800Vとされている。蓄電池60において、第1蓄電池61の負極端子と第2蓄電池62の正極端子とには中間端子Bが接続されている。
【0022】
監視ユニット70は、蓄電池60を構成する各電池セルの端子電圧、SOC、SOH及び温度等を監視する。監視ユニット70の監視情報は、制御装置80に入力される。
【0023】
車両10は、中性点配線71と、中性点スイッチ72とを備えている。中性点配線71は、蓄電池60の中間端子Bと中性点Oとを電気的に接続する。中性点スイッチ72は、中性点配線71上に設けられている。本実施形態では、中性点スイッチ72としてリレーが用いられている。中性点スイッチ72がオンされることにより、中間端子Bと中性点Oとが電気的に接続される。一方、中性点スイッチ72がオフされることにより、中間端子Bと中性点Oとの間が電気的に遮断される。
【0024】
第2蓄電池62は、車両10の外部に設けられた充電器100に接続可能とされている。充電器100は、急速充電(例えば400V急速充電)に対応している。中間端子Bには、充電器100の正極側が接続可能とされ、第2蓄電池62の負極側は、充電器100の負極側が接続可能とされている。充電器100は、3相の系統電源110から供給される3相交流電圧を直流電圧に変換して第2蓄電池62に供給する。これにより、第2蓄電池62が充電される。なお、充電器100に対する電力供給源としては、3相の系統電源110に限らず、単相の系統電源であってもよい。また、充電器としては、交流のAC充電器に限らず、直流のDC充電器(例えば、DC急速充電器)であってもよい。
【0025】
車両10は、電流センサ73を備えている。電流センサ73は、中性点配線71に流れる電流を検出する。電流センサ73の検出値は、制御装置80に入力される。
【0026】
車両10は、角度センサ81を備えている。角度センサ81は、例えばレゾルバである。角度センサ81は、ロータ22の回転角(電気角)を検出する。角度センサ81の検出値は、制御装置80に入力される。
【0027】
車両10は、ブレーキセンサ82を備えている。ブレーキセンサ82は、ドライバのブレーキ操作部材(ブレーキペダル)の操作量(ブレーキストローク)を検出する。ブレーキセンサ82の検出値は、制御装置80に入力される。
【0028】
制御装置80は、マイコン80aを主体として構成され、マイコン80aは、CPUを備えている。マイコン80aが提供する機能は、実体的なメモリ装置に記録されたソフトウェアおよびそれを実行するコンピュータ、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供することができる。例えば、マイコン80aがハードウェアである電子回路によって提供される場合、それは多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路によって提供することができる。例えば、マイコン80aは、自身が備える記憶部としての非遷移的実体的記録媒体(non-transitory tangible storage medium)に格納されたプログラムを実行する。プログラムには、例えば、後述する電圧均等化制御、昇温制御及び図4に示す制御のプログラムが含まれる。プログラムが実行されることにより、プログラムに対応する方法が実行される。記憶部は、例えば不揮発性メモリである。なお、記憶部に記憶されたプログラムは、例えば、インターネット等のネットワークを介して更新可能である。
【0029】
制御装置80は、EPB装置40の制御を行う。詳しくは、制御装置80は、パーキングスイッチ41の操作状態に基づいて、車輪に対する制動力の付与指令、又は制動力の解除指令のいずれがなされているかを判定する。制御装置80は、付与指令がなされていると判定した場合、EPB装置40を制御することにより、車輪に制動力を付与する。一方、制御装置80は、解除指令がなされていると判定した場合、EPB装置40を制御することにより、車輪に対する制動力の付与を停止する。
【0030】
制御装置80は、シフトレバー42の操作状態に基づいて、現在のシフト位置がDレンジ又はRレンジであると判定した場合、回転軸22aと駆動輪11とが変速機30を介して動力伝達されるように変速機30を制御する。一方、制御装置80は、現在のシフト位置がNレンジであると判定した場合、回転軸22aと駆動輪11との間の動力伝達経路を遮断するように変速機30を制御する。
【0031】
制御装置80は、現在のシフト位置がDレンジ、Rレンジ又はNレンジであると判定した場合、変速機30を構成する歯車の回転が規制されないようにパーキングロック装置43を制御する。一方、制御装置80は、現在のシフト位置がPレンジであると判定した場合、変速機30を構成する歯車の回転が規制されるようにパーキングロック装置43を制御する。これにより、ロータ22の回転も規制される。
【0032】
ちなみに、インバータ50及びEPB装置40等は、実際には、個別の制御装置により制御される。ただし、個別の制御装置により制御されることは要部ではないため、本実施形態では、各制御装置をまとめて1つの制御装置80として示している。
【0033】
制御装置80は、回転電機20の制御量をその指令値にフィードバック制御すべく、インバータ50を構成する各スイッチのスイッチング制御を行う。本実施形態において、制御量はトルクである。各相において、上アームスイッチと下アームスイッチとは交互にオンされる。制御装置80は、力行駆動制御を行う。力行駆動制御は、蓄電池60から出力される直流電力を交流電力に変換して巻線に供給するためのインバータ50のスイッチング制御である。この制御が行われる場合、回転電機20は、電動機として機能し、力行トルクを発生する。また、制御装置80は、回生駆動制御を行う。回生駆動制御は、回転電機20で発電される交流電力を直流電力に変換して蓄電池60に供給するためのインバータ50のスイッチング制御である。この制御が行われる場合、回転電機20は、発電機として機能し、回生トルクを発生する。
【0034】
制御装置80は、中性点スイッチ72をオン又はオフし、また、監視ユニット70と通信可能とされている。
【0035】
制御装置80は、中性点スイッチ72をオンした状態で昇温制御及び電圧均等化制御を行う。昇温制御は、中性点配線71を介して、第1蓄電池61と第2蓄電池62との間に交流電流を流すためのインバータ50のスイッチング制御である。この制御により、蓄電池60を昇温させる。電圧均等化制御は、中性点配線71を介して、第1蓄電池61と第2蓄電池62のうち、一方から他方へと直流電流を流すためのインバータ50のスイッチング制御である。この制御により、第1蓄電池61及び第2蓄電池62のうち、一方から他方へとエネルギが供給され、第1蓄電池61及び第2蓄電池62の電圧が均等化される。
【0036】
制御装置80は、昇温制御又は電圧均等化制御のための中性点指令電流を算出する。制御装置80は、電流センサ73により検出された電流を中性点指令電流に制御する。なお、制御装置80は、昇温制御及び電圧均等化制御を同時に行うことも可能である。また、制御装置80は、昇温制御又は電圧均等化制御を行わず、回転電機20の制御量の制御を行う場合、中性点スイッチ72をオフにする。また、制御装置80が行う処理のうち、昇温制御及び電圧均等化制御に対応する処理が「スイッチ制御部」に相当する。
【0037】
ドライバが車両10を例えば所定の駐車スペースに停止させ、ドライバが車両10から降車する。その後、ドライバは、駐車中の車両10に搭載された蓄電池60に充電器100を接続して充電する作業を行うことがある。この場合、制御装置80は、充電器100から第2蓄電池62への充電制御を行いつつ、電圧均等化制御により、第2蓄電池62から第1蓄電池61へと給電する。これにより、第2蓄電池62とともに第1蓄電池61を充電できる。この際、制御装置80は、昇温制御を合わせて行うこともできる。
【0038】
電圧均等化制御や昇温制御が行われる場合、各相巻線21U,21V,21W、インバータ50及び中性点配線71を介して、第1蓄電池61及び第2蓄電池62の間に電流が流れる。これに伴い、回転電機20のトルクが発生し得る。詳しくは、電圧均等化制御や昇温制御により各相巻線21U,21V,21Wに電流が流れる場合、電気角に応じたq軸電流が少なくとも流れる。これにより、ロータ22のトルクが発生する。ロータ22で発生したトルクが変速機30を介して駆動輪11に伝達され、駆動輪11が回転しようとする。その結果、車両10が振動し、ドライバに不安感を与える懸念がある。
【0039】
こうした問題に対処すべく、制御装置80は、駐車させた車両10からドライバが降車する前に、図4に示す処理を行う。この処理において、ステップS10では、減速中の車両10が停止するまでの期間、又は車両10の停止直後において、角度センサ81により検出された電気角θeを目標角度範囲Rtgt内にするようにインバータ50を制御する位置調整処理を行う。目標角度範囲Rtgtは、ロータ22が回転していない状況で電圧均等化制御及び昇温制御の少なくとも1つが行われた場合において、回転電機20の発生トルクが判定トルクTqc以下となる電気角範囲のことである。判定トルクTqcは、駆動輪11を回転させ始めないトルクに設定されている。詳しくは、判定トルクTqcは、駆動輪11を回転させ始めないトルクとして想定される範囲の上限値に設定されている。判定トルクTqcは、例えば実験や計算により適合されればよい。
【0040】
巻線においてインバータ50側から中性点O側へと電流が流れる場合、図5に実線にて示すように、電気角に対応して、回転電機20のトルクが正側に発生する。この場合、正側のトルク相対的に小さい第1電気角範囲と、正側のトルクが第1電気角範囲よりも大きい傾向にある第2電気角範囲とが交互に存在する。なお、巻線において中性点O側からインバータ50側へと電流が流れる場合、図5に破線にて示すように、電気角に対応して、回転電機20のトルクが負側に発生する。
【0041】
電気角が増加して0°,60°,120°,180°,240°又は300°を超えると、第1電気角範囲から第2電気角範囲に移行する。電気角が0°,60°,120°,180°,240°又は300°になる場合、トルクが最小(0)となる。このため、図6に示すように、発生トルクが判定トルクTqc以下となって、かつ、0°,60°,120°,180°,240°及び300°それぞれを基準とした所定範囲が目標角度範囲Rtgtに設定される。
【0042】
また、電気角が増加して30°,90°,150°,210°,270°又は330°を超えると、第2電気角範囲から第1電気角範囲に移行する。電気角が30°,90°,150°,210°,270°又は330°になる場合、トルクが最小(0)となる。このため、図7に示すように、発生トルクが判定トルクTqc以下となって、かつ、30°,90°,150°,210°,270°及び330°それぞれを基準とした所定範囲が目標角度範囲Rtgtに設定される。
【0043】
位置調整処理により電気角θeが目標角度範囲Rtgtにされる場合、図8に示すように、ドライバの降車後に電圧均等化制御や昇温制御が行われる場合におけるトルクを判定トルクTqc以下にできる。その結果、ドライバに不安感を与えないレベルまで車両10の振動を低減でき、ドライバに不安感を与える事象の発生を抑制できる。なお、図8に示す比較例は、位置調整処理が行われず、電気角θeが目標角度範囲Rtgtから外れてしまう場合を示す。
【0044】
ちなみに、ステップS10の位置調整処理は、例えば以下(A)又は(B)のように行うことができる。
【0045】
(A)ブレーキセンサ82の検出値に基づいてドライバがブレーキ操作を行っていると判定して、かつ、車両10の走行速度Vsが速度閾値以下であると判定している場合において、減速中の車両10において回生駆動制御を行うことにより、車両10が停止するまでに電気角θeを目標角度範囲Rtgt内にする。ここで、速度閾値は、走行速度が極低速度であることを判定可能な値に設定され、例えば、5km/h又は2km/hである。また、走行速度Vsは、例えば、角度センサ81の検出値に基づいて算出されればよい。
【0046】
(B)走行速度Vsが0になって車両10が停止したと判定した直後において、電気角θeを目標角度範囲Rtgt内にするようにインバータ50を制御する。
【0047】
車両10の停車後、ステップS11において、降車前のドライバによりパーキングスイッチ41が操作されることにより、EPB装置40に対する制動力の付与指令がなされているか否かを判定する。
【0048】
ステップS11において肯定判定した場合には、ステップS12に進み、電気角θeが目標角度範囲Rtgtから外れているか否かを判定する。この処理は、ステップS10の位置調整処理が失敗した場合に備えたものである。なお、ステップS12の処理が「位置判定部」に相当する。
【0049】
ステップS12において電気角θeが目標角度範囲Rtgt内になっていると判定した場合には、ステップS13に進み、EPB装置40の制御により車輪に制動力を付与する。
【0050】
一方、ステップS12において電気角θeが目標角度範囲Rtgtから外れていると判定した場合には、ステップS14に進み、電気角θeを目標角度範囲Rtgt内にしてロータ22の回転を停止させるようにインバータ50を制御するリトライ処理を行う。その後、ステップS13に進む。
【0051】
このように、本実施形態では、ステップS11においてEPB装置40に対する制動力の付与指示がなされたと判定してから、ステップS13においてEPB装置40が車輪に制動力を付与し始めるまでにリトライ処理を行う。パーキングスイッチ41の操作から降車までのドライバの一連の動作において、リトライ処理によりロータ22が回転して軽微な振動が発生したとしても、ドライバに不安感を与えにくい。また、リトライ処理により軽微な振動が発生したとしても、その振動がパーキングスイッチ41の操作に起因して発生したとドライバが認識する可能性が高いため、その意味でもドライバに不安感を与えにくい。
【0052】
EPB装置40により制動力が付与されると、ロータ22が回転できなくなる。このため、EPB装置40により制動力が付与される前にリトライ処理を行う。
【0053】
ステップS11において否定判定した場合には、ステップS15に進み、ドライバのシフトレバー42の操作により、シフト位置がPレンジに切り替えられたか否かを判定する。
【0054】
ステップS15において肯定判定した場合には、ステップS12に進む。そして、ステップS12において電気角θeが目標角度範囲Rtgt内になっていると判定した場合には、ステップS13に進み、変速機30を構成する歯車の回転が規制されるようにパーキングロック装置43を制御する。
【0055】
一方、ステップS12において電気角θeが目標角度範囲Rtgtから外れていると判定した場合には、ステップS14に進み、リトライ処理を行う。その後、ステップS13に進む。
【0056】
このように、本実施形態では、ステップS15においてPレンジに切り替えられたと判定してから、ステップS13においてパーキングロック装置43によって変速機30を構成する歯車の回転が規制されるまでにリトライ処理を行う。歯車の回転を規制する場合、わずかではあるが歯車が回転し、それに起因して軽微な振動が発生する。シフトレバー42の操作から降車までのドライバの一連の動作において、リトライ処理によりロータ22が回転して軽微な振動が発生したとしても、ドライバに不安感を与えにくい。また、リトライ処理により軽微な振動が発生したとしても、その振動がパーキングロック装置43の制御に起因して発生したとドライバが認識する可能性が高いため、その意味でもドライバに不安感を与えにくい。
【0057】
パーキングロック装置43によって変速機30を構成する歯車の回転が規制されると、ロータ22が回転できなくなる。このため、パーキングロック装置43によって歯車の回転が規制される前にリトライ処理を行う。
【0058】
このように、位置調整処理により電気角θeを目標角度範囲Rtgt内にすることができない場合であっても、リトライ処理により、電気角θeを目標角度範囲Rtgt内にすることができる。
【0059】
<その他の実施形態>
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
【0060】
・リトライ処理は、例えば、車両10の停止後、ドライバが降車したと判定されるまでに行われてもよい。ここで、ドライバが降車したか否かは、例えば、車両10のドアの開閉を検出するセンサの検出値、又は車両10の運転席にドライバが着座していることを検出するシートセンサの検出値に基づいて判定されればよい。
【0061】
・判定トルクTqcが0に設定されていてもよい。
【0062】
図4に示す処理のうち、ステップS10の位置調整処理が行われなくてもよい。
【0063】
・中性点スイッチ72としては、リレーに限らない。中性点スイッチ72として、例えば、ソース同士が接続された一対のNチャネルMOSFETや、IGBTが用いられてもよい。
【0064】
・中性点スイッチ72は必須ではない。この場合、中間端子Bと中性点Oが常時電気的に接続されることとなる。
【0065】
・中性点配線71がなくてもよい。この場合、車両10の停止中において、蓄電池60を昇温させるためにインバータ50を介して蓄電池60と巻線との間に電流が流されることがある。これに伴い、車両10に振動が発生する可能性があるため、位置調整処理及びリトライ処理の適用が有効である。
【0066】
図4のステップS10,S12,S14において、電気角θeに代えて、ロータ22の機械角が用いられてもよい。この場合、目標角度範囲は、機械角に対応したものとなる。
【0067】
・パーキングロック装置43としては、変速機30を構成する歯車の回転を規制するものに限らず、例えば、ロータ22の回転軸22aに当接して回転軸22aの回転を拘束することにより、ロータ22の回転を規制するものであってもよい。
【0068】
・回転電機及びインバータとしては、5相又は7相等、3相以外のものであってもよい。
【0069】
・インバータを構成する上,下アームスイッチとしては、IGBTに限らず、例えばNチャネルMOSFETであってもよい。
【0070】
・蓄電池60に代えて、例えば電気二重層キャパシタが用いられてもよい。
【0071】
・ユーザが車両操作を行うことなく駐停車可能な自動運転機能を備える車両に対して、位置調整処理やリトライ処理を適用してもよい。
【符号の説明】
【0072】
10…車両、11…駆動輪、20…回転電機、50…インバータ、60…蓄電池、80…制御装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8