(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-04
(45)【発行日】2025-02-13
(54)【発明の名称】探査装置、探査方法、および、探査システム
(51)【国際特許分類】
G01V 1/20 20060101AFI20250205BHJP
G01V 1/00 20240101ALI20250205BHJP
【FI】
G01V1/20
G01V1/00 B
(21)【出願番号】P 2021146336
(22)【出願日】2021-09-08
【審査請求日】2024-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000174943
【氏名又は名称】三井住友建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120237
【氏名又は名称】石橋 良規
(72)【発明者】
【氏名】程塚 保行
(72)【発明者】
【氏名】松田 拓
(72)【発明者】
【氏名】戸村 豪治
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 弘明
(72)【発明者】
【氏名】矢野 安則
【審査官】森口 正治
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-279064(JP,A)
【文献】特開2000-178955(JP,A)
【文献】特開2009-186449(JP,A)
【文献】特開2012-042421(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 1/20
G01V 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
起振装置によって地面が起振され、埋設物の大きさより小さい間隔である前記地面における複数の地点からの波形データを取得する取得手段と、
前記起振装置の起振点から前記地点うちの1の受振点までの弾性波の合計走時を算出する合計走時算出手段と、
前記合計走時に応じて、各前記1の受振点での前記波形データの振幅を重合する振幅重合手段と、
前記重合された振幅に応じて、前記埋設物での反射点を特定する反射点特定手段と、
を備え、
異なる複数の位置の前記起振装置に起振されて得られた前記波形データによって算出される複数の前記反射点から前記埋設物の形状を特定
し、
前記合計走時算出手段が、前記埋設物の大きさより小さい間隔で設定された地下の散乱点を経由して、前記起振装置の起振点から前記地点うちの1の受振点までの弾性波の前記合計走時を算出し、
前記振幅重合手段が、前記合計走時における前記1の受振点での前記波形データの振幅を、前記散乱点の振幅として、前記散乱点毎に、各受振点からの前記散乱点の振幅を重合し、
前記反射点特定手段が、前記重合された散乱点の振幅に応じて、前記散乱点から前記反射点を特定することを特徴とする探査装置。
【請求項2】
前記反射点特定手段は、前記重合された振幅が最大である点を、前記反射点として特定することを特徴とする請求項1
に記載の探査装置。
【請求項3】
前記振幅重合手段が重合する波形データは、前記取得した波形データと前記起振装置による起振波形データとの相関データを計算し、前記相関データから所定の周波数範囲の成分の波形を抽出し、前記抽出した波形から前記起振装置による立ち上がり部分の波形をミュートして得られる波形データであることを特徴とする請求項1
または請求項
2に記載の探査装置。
【請求項4】
前記起振装置により起振され振動によって、前記埋設物の大きさ以上の間隔である複数地点からの広域波形データを取得する広域波形データ取得手段と、
前記広域波形データから、前記埋設物の深さおよび地面上の位置を推定する埋設物位置推定手段と、
を更に備えたことを特徴とする請求項1から請求項
3のいずれか1項に記載の探査装置。
【請求項5】
前記起振装置の前記異なる複数の位置において、互いに最も離れた前記起振装置の位置が、前記推定された前記埋設物の深さの2倍以上であることを特徴とする請求項
4に記載の探査装置。
【請求項6】
前記取得手段が、前記地面に設置された受振センサから前記波形データを取得することを特徴とする請求項1から
5のいずれか1項に記載の探査装置。
【請求項7】
前記取得手段が、非接触の光学式の振動計から前記波形データを取得することを特徴とする請求項1から
5のいずれか1項に記載の探査装置。
【請求項8】
取得手段が、起振装置によって地面が起振され、埋設物の大きさより小さい間隔である前記地面における複数の地点からの波形データを取得する取得ステップと、
合計走時算出手段が、前記起振装置の起振点から前記地点うちの1の受振点までの弾性波の合計走時を算出する合計走時算出ステップと、
振幅重合手段が、前記合計走時に応じて、各前記1の受振点での前記波形データの振幅を重合する振幅重合ステップと、
反射点特定手段が、前記重合された振幅に応じて、前記埋設物での反射点を特定する反射点特定ステップと、
を含み、
異なる複数の位置の前記起振装置に起振されて得られた前記波形データによって算出される複数の前記反射点から前記埋設物の形状を特定
し、
前記合計走時算出手段が、前記埋設物の大きさより小さい間隔で設定された地下の散乱点を経由して、前記起振装置の起振点から前記地点うちの1の受振点までの弾性波の前記合計走時を算出し、
前記振幅重合手段が、前記合計走時における前記1の受振点での前記波形データの振幅を、前記散乱点の振幅として、前記散乱点毎に、各受振点からの前記散乱点の振幅を重合し、
前記反射点特定手段が、前記重合された散乱点の振幅に応じて、前記散乱点から前記反射点を特定することを特徴とする探査方法。
【請求項9】
地面を起振させる起振装置と、前記起振装置によって地面が起振され振動を受振する受振装置と、探査装置と、を備える探査システムにおいて、
前記探査装置は、
前記起振装置によって地面が起振され、埋設物の大きさより小さい間隔である前記地面における複数の地点からの波形データを、前記受振装置から取得する取得手段と、
前記起振装置の起振点から前記地点うちの1の受振点までの弾性波の合計走時を算出する合計走時算出手段と、
前記合計走時に応じて、各前記1の受振点での前記波形データの振幅を重合する振幅重合手段と、
前記重合された振幅に応じて、前記埋設物での反射点を特定する反射点特定手段と、
を有し、
異なる複数の位置の前記起振装置に起振されて得られた前記波形データによって算出される複数の前記反射点から前記埋設物の形状を特定
し、
前記合計走時算出手段が、前記埋設物の大きさより小さい間隔で設定された地下の散乱点を経由して、前記起振装置の起振点から前記地点うちの1の受振点までの弾性波の前記合計走時を算出し、
前記振幅重合手段が、前記合計走時における前記1の受振点での前記波形データの振幅を、前記散乱点の振幅として、前記散乱点毎に、各受振点からの前記散乱点の振幅を重合し、
前記反射点特定手段が、前記重合された散乱点の振幅に応じて、前記散乱点から前記反射点を特定することを特徴とする探査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設工事における地下埋設物の探査装置、探査方法、および、探査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
都市土木や建築において、工事を始める前に、地下埋設物の探査が行われている。例えば、特許文献1には、地表面に設置し地中に対して圧電素子または磁歪素子による振動を生成する発振器と、地中の埋設物もしくは地層境界で反射し地表に達した反射波を検知する検知器と、検知した反射波によって埋設物もしくは地層境界の位置を推定する位置推定装置と、を備え、位置推定装置は、発振器の振動周波数を高周波から低周波へ変化させたスイープ波を印加し、位置を推定する反射法探査システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記技術では、埋設物を特定するために必要である埋設物の形状まで十分把握することが難しいという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は上記の問題点等に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、地中における埋設物の形状を把握できる探査装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、起振装置によって地面が起振され、埋設物の大きさより小さい間隔である前記地面における複数の地点からの波形データを取得する取得手段と、前記起振装置の起振点から前記地点うちの1の受振点までの弾性波の合計走時を算出する合計走時算出手段と、前記合計走時に応じて、各前記1の受振点での前記波形データの振幅を重合する振幅重合手段と、前記重合された振幅に応じて、前記埋設物での反射点を特定する反射点特定手段と、を備え、異なる複数の位置の前記起振装置に起振されて得られた前記波形データによって算出される複数の前記反射点から前記埋設物の形状を特定し、前記合計走時算出手段が、前記埋設物の大きさより小さい間隔で設定された地下の散乱点を経由して、前記起振装置の起振点から前記地点うちの1の受振点までの弾性波の前記合計走時を算出し、前記振幅重合手段が、前記合計走時における前記1の受振点での前記波形データの振幅を、前記散乱点の振幅として、前記散乱点毎に、各受振点からの前記散乱点の振幅を重合し、前記反射点特定手段が、前記重合された散乱点の振幅に応じて、前記散乱点から前記反射点を特定することを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の探査装置において、前記反射点特定手段は、前記重合された振幅が最大である点を、前記反射点として特定することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の探査装置において、前記振幅重合手段が重合する波形データは、前記取得した波形データと前記起振装置による起振波形データとの相関データを計算し、前記相関データから所定の周波数範囲の成分の波形を抽出し、前記抽出した波形から前記起振装置による立ち上がり部分の波形をミュートして得られる波形データであることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の探査装置において、前記起振装置により起振され振動によって、前記埋設物の大きさ以上の間隔である複数地点からの広域波形データを取得する広域波形データ取得手段と、前記広域波形データから、前記埋設物の深さおよび地面上の位置を推定する埋設物位置推定手段と、を更に備えたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の探査装置において、前記起振装置の前記異なる複数の位置において、互いに最も離れた前記起振装置の位置が、前記推定された前記埋設物の深さの2倍以上であることを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の探査装置において、前記取得手段が、前記地面に設置された受振センサから前記波形データを取得することを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の探査装置において、前記取得手段が、非接触の光学式の振動計から前記波形データを取得することを特徴とする。
【0014】
また、請求項8に記載の発明は、取得手段が、起振装置によって地面が起振され、埋設物の大きさより小さい間隔である前記地面における複数の地点からの波形データを取得する取得ステップと、合計走時算出手段が、前記起振装置の起振点から前記地点うちの1の受振点までの弾性波の合計走時を算出する合計走時算出ステップと、振幅重合手段が、前記合計走時に応じて、各前記1の受振点での前記波形データの振幅を重合する振幅重合ステップと、反射点特定手段が、前記重合された振幅に応じて、前記埋設物での反射点を特定する反射点特定ステップと、を含み、異なる複数の位置の前記起振装置に起振されて得られた前記波形データによって算出される複数の前記反射点から前記埋設物の形状を特定し、前記合計走時算出手段が、前記埋設物の大きさより小さい間隔で設定された地下の散乱点を経由して、前記起振装置の起振点から前記地点うちの1の受振点までの弾性波の前記合計走時を算出し、前記振幅重合手段が、前記合計走時における前記1の受振点での前記波形データの振幅を、前記散乱点の振幅として、前記散乱点毎に、各受振点からの前記散乱点の振幅を重合し、前記反射点特定手段が、前記重合された散乱点の振幅に応じて、前記散乱点から前記反射点を特定することを特徴とする。
【0015】
また、請求項9に記載の発明は、地面を起振させる起振装置と、前記起振装置によって地面が起振され振動を受振する受振装置と、探査装置と、を備える探査システムにおいて、前記探査装置は、前記起振装置によって地面が起振され、埋設物の大きさより小さい間隔である前記地面における複数の地点からの波形データを、前記受振装置から取得する取得手段と、前記起振装置の起振点から前記地点うちの1の受振点までの弾性波の合計走時を算出する合計走時算出手段と、前記合計走時に応じて、各前記1の受振点での前記波形データの振幅を重合する振幅重合手段と、前記重合された振幅に応じて、前記埋設物での反射点を特定する反射点特定手段と、を有し、異なる複数の位置の前記起振装置に起振されて得られた前記波形データによって算出される複数の前記反射点から前記埋設物の形状を特定し、前記合計走時算出手段が、前記埋設物の大きさより小さい間隔で設定された地下の散乱点を経由して、前記起振装置の起振点から前記地点うちの1の受振点までの弾性波の前記合計走時を算出し、前記振幅重合手段が、前記合計走時における前記1の受振点での前記波形データの振幅を、前記散乱点の振幅として、前記散乱点毎に、各受振点からの前記散乱点の振幅を重合し、前記反射点特定手段が、前記重合された散乱点の振幅に応じて、前記散乱点から前記反射点を特定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、起振装置によって地面が起振され、埋設物の大きさより小さい間隔である地面における複数の地点からの波形データを取得し、起振点から地点うちの1の受振点までの弾性波の合計走時を算出し、合計走時に応じて、各1の受振点での波形データの振幅を重合し、重合された振幅に応じて、埋設物での反射点を特定し、異なる複数の位置の起振装置に起振されて得られた波形データによって算出される複数の反射点によって、地中における埋設物の形状を把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本実施形態に係る探査システムの概略構成の一例を示す模式図である。
【
図2】
図1の情報処理装置の概要構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る探査システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図4】複数の受振センサの波形の一例を示すグラフである。
【
図5】
図1の探査システムにおいて、起振装置を移動させた一例を示す模式図である。
【
図9】
図3の散乱波のイメージング処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【
図11】
図9の深度マイグレーションのサブルーチンを示すフローチャートである。
【
図12A】起振点、受振点、および、散乱点との関係を示す模式図である。
【
図12B】起振点、受振点、および、散乱点との関係を示す模式図である。
【
図13】第2実施形態に係る探査システムの概略構成の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、探査システム等に対して本発明を適用した場合の実施形態である。
【0019】
[1.探査システムおよび各装置の構成および機能概要]
(1.1 探査システムの構成および機能概要)
【0020】
まず、本発明の一実施形態に係る探査システムの構成および概要機能について、
図1を用いて説明する。
【0021】
図1は、本実施形態に係る探査システムの概略構成の一例を示す模式図である。
【0022】
図1に示すように、本実施形態に係る探査システム1は、地面Gに振動を与える起振装置10と、地面Gの振動を受振する受振装置20と、埋設物5を探査するめ受振装置20から波形データを解析する探査装置30と、を備える。
【0023】
建設工事における埋設物5は、1[m]以上の対象物で、例えば、下水管、共同溝、地下鉄等のトンネルである。また、埋設物5は、工事後に残置された基礎、スラブ、擁壁、耐圧盤等の躯体である。また、埋設物5は、工残置された杭、H鋼、鋼矢板等である。埋設物5は、例えば、20[m]程度までの深度に存在する。埋設物の深度は、2[m]以上が好ましい。
【0024】
起振装置10は、振動子を有する。起振装置10は、数10[Hz]から数百[Hz]の周波数帯域の変調信号で地表から地中へ弾性波を伝搬させる。起振装置10は、埋設物5の直上だけでなく、十分に離れた位置(例えば、埋設物5の想定深度の2倍以上)にも、移動等して配置される。
【0025】
起振装置10の振動子は、例えば、電動モータである。加振力は、450[N]である。加える振動は、縦波、横波でもよいが、縦波が好ましい。なお、振動子は、圧電素子、磁歪素子でもよい。
【0026】
受振装置20は、複数の受振センサ20aから構成され、地面Gの振動を波形データに変換して探査装置30に出力する。各受振センサ20aは、格子状または測線状に、所定間隔に地面G上に配置される。
図1に示すように、1方向に、所定間隔に配置された受振センサ20aが表示されている。格子状のセンサの代わりに、測線状のセンサを、受振センサ20aの並びの方向と平行でない方向にずらしながら、測定されてもよい。受振センサ20aが、地面に設置された受振センサの一例である。
【0027】
受振センサ20aは、ばね式やMEMS等の機械式のセンサ、コイル式、ジオフォン等の電磁式のセンサ、圧電素子式、加速度ピックアップ等の圧電式のセンサ等の設置型のセンサである。
【0028】
広域測定の場合、受振センサ20aの格子間隔は、例えば、50cmから数mの間隔で、予想される埋設物の大きさの半分ほどが好ましい。
【0029】
詳細測定の場合、受振センサ20aの格子間隔は、埋設物5の大きさより小さい間隔である。例えば、円筒状の埋設物5の直径より小さく、例えば、数cmから数10cmの高密度な間隔である。
【0030】
探査装置30は、起振装置10を所定の周波数で起振させ、受振装置20から波形データを取得する。
【0031】
建設工事として、開削工事、シールド工事等の土木工事が挙げられる。また、建設工事として、山留工事、地盤改良工事、構造物解体工事、地中障害物撤去工事等が挙げられる。
【0032】
(1.2 探査装置30の構成および機能)
次に、探査装置30の構成および機能について、
図2を用いて説明する。
【0033】
図2は、探査装置30の概要構成の一例を示すブロック図である。
【0034】
図2に示すように、コンピュータとして機能する探査装置30は、通信部31と、表示部32と、記憶部33と、操作部34と、入出力インターフェース部35と、制御部36とを有する。そして、制御部36と入出力インターフェース部35とは、システムバス37を介して接続されている。例えば、探査装置30は、パーソナルコンピュータやスマートフォンを含む携帯型無線電話機やPDA等の携帯端末である。
【0035】
通信部31は、起振装置10と接続し、起振装置10に、起振のパターンの変調信号を送信する。通信部31は、受振装置20の各受振センサ20aと接続し、受振センサ20aから、検出した波形データを取得する。
【0036】
表示部32は、例えば、液晶表示素子または有機EL(Electro Luminescence)素子等によって構成されている。表示部32には、イメージング処理された結果が表示される。
【0037】
記憶部33は、例えば、シリコンディスクドライブやハードディスクドライブ等からなる。記憶部33は、探査装置30を制御するための各種プログラム等を記憶したりする。各種プログラムは、オペレーティングシステム等が挙げられる。なお、各種プログラムは、例えば、無線通信網等のネットワークを介して取得されるようにしてもよいし、CD、DVD等の記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。
【0038】
記憶部33は、受振装置20から送信されてきた波形データを、各受振センサ20aのチャンネル番号やセンサIDに関連付けて記憶する。記憶部33は、各受振センサ20aの配置情報を、受振センサ20aのチャンネル番号に関連付けて記憶する。
【0039】
操作部34は、例えば、キーボードおよびマウス等によって構成されている。操作部34は、表示部32がタッチパネルのようなタッチスイッチ方式の表示パネルでもよい。
【0040】
入出力インターフェース部35は、通信部31等と制御部36とのインターフェースである。
【0041】
制御部36は、例えば、CPUと、ROMと、RAMと、を有する。制御部36は、CPUが、ROMや、RAMや、記憶部23に記憶された各種プログラムを読み出して実行する。
【0042】
[2.探査システムの動作例]
次に、探査システムの動作例について、
図3から
図12Bを用いて説明する。
【0043】
図3に示すように、探査システム1は、広域測定を行う(ステップS1)。掘削工場等が行われる場所を中心付近に、起振装置10が設置される。起振装置10が設置された場所の脇または周りに、数10[cm]から数[m]の間隔の格子状または測線状に、受振装置20の各受振センサ20aが配置される。受振センサ20aの間隔は、想定される埋設物より大きさより大きいことが好ましい。
【0044】
次に、探査装置30の制御部36は、各受振センサ20aの配置情報を、受振センサ20aのチャンネル番号等に関連付けて記憶部33に記憶する。
【0045】
次に、探査装置30の制御部36は、起振装置10を起振させる。起振装置10が地面Gを起振する。制御部36は、受振装置20の各受振センサ20aから、広域波形データの一例である波形データを取得する。制御部36は、取得した受振の波形データを、受振センサ20aのチャンネル番号等に関連付けて記憶部33に記憶する。制御部36は、起振装置10を起震させた起震の波形データも記憶部33に記憶する。
【0046】
このように、探査装置30が、起振装置により起振され振動によって、前記埋設物の大きさ以上の間隔である複数地点からの広域波形データを取得する広域波形データ取得手段の一例として機能する。
【0047】
次に、探査システム1は、埋設物5の大まかな位置を特定する(ステップS2)。具体的には、探査装置30の制御部36は、取得した波形データから、埋設物5の大まかな位置を特定する。例えば、広い範囲に複数の測線が設定され、
図4に示すように、測定された波形データの散乱波が凸状に並ぶ波形のピークp(最も散乱波が速く到達した測定点)の測定点の位置が埋設物の位置とされる。深度は、散乱波の凸状分布と整合する地盤の速度を推定して埋設物のおおよその深度が求められる。地盤の速度は、
図4に示すように、散乱波線とおおよそ整合する散乱波の時間から推定される。
【0048】
このように、探査装置30が、前記広域波形データから、前記埋設物の深さおよび地面上の位置を推定する埋設物位置推定手段の一例として機能する。
【0049】
次に、探査システム1は、詳細測定を行う(ステップS3)。
図1に示すように、特定された埋設物5の大まかな位置付近に、起振装置10が設置される。起振装置10が設置された場所の近傍である脇または周りに、数[cm]から数10[cm]の間隔の格子状または測線状に、受振装置20の各受振センサ20aが配置される。受振センサ20aの間隔は、想定される埋設物より大きさより小さい。
【0050】
次に、探査装置30の制御部36は、起振装置10の設置情報、および、各受振センサ20aの配置情報を、受振センサ20aのチャンネル番号等に関連付けて記憶部33に記憶する。なお、起振装置10および受振装置20が、GPSセンサを有してもよい。GPSセンサが取得した緯度経度情報が、起振装置10の設置情報および受振センサ20aの配置情報に含まれてもよい。
【0051】
次に、探査装置30の制御部36は、起振装置10を起振させる。起振装置10が地面Gを起振する。制御部36は、受振装置20の各受振センサ20aから波形データを取得する。制御部36は、取得した波形データを、受振センサ20aのチャンネル番号等に関連付けて記憶部33に記憶する。制御部36は、起振装置10を起震させた起震の波形データも記憶部33に記憶する。記憶部33において、受振の波形データと受振センサ20aの配置情報とは、関連付けられている。記憶部33において、起震の波形データと起振装置10の設置情報とは、関連付けられている。
【0052】
このように、探査装置30が、起振装置によって地面が起振され、埋設物の大きさより小さい間隔である前記地面における複数の地点からの波形データを取得する取得手段の一例として機能する。
【0053】
次に、
図5に示すように、起振装置10を移動させ、起振装置10が設置された場所の近傍である脇または周りに、数[cm]から数10[cm]の間隔の格子状または測線状に、受振装置20の各受振センサ20aが配置される。
【0054】
次に、探査装置30の制御部36は、記憶部33に、起振装置10の設置情報、および、各受振センサ20aの配置情報を、受振センサ20aのチャンネル番号等に関連付けて記憶する。
【0055】
次に、探査装置30の制御部36は、起振装置10を起振させる。起振装置10が地面Gを起振する。制御部36は、受振装置20の各受振センサ20aから波形データを取得する。制御部36は、取得した受振の波形データを、受振センサ20aのチャンネル番号等に関連付けて記憶する。
【0056】
このように、起振装置10を数回移動させて、詳細測定を繰り返す。起振装置10の移動のさせ方は、埋設物5を横断するような配置が好ましい。さらに、起振装置10の前記異なる複数の位置において、互いに最も離れた起振装置10の位置が、推定された埋設物5の深さの2倍以上である。
【0057】
次に、探査システム1は、散乱波のイメージング処理する(ステップS4)。具体的には、探査装置30の制御部36は、記憶部33から、受振の波形データおよび起震の波形データを読み出し、後述の散乱波のイメージング処理のサブルーチンにて、イメージング処理を行い、
図6Aおよび
図6Bに示すように、埋設物5の散乱波のイメージング処理の画像40を求める。画像40において、横軸が地面Gでの距離、縦軸が深度である。画像40は、散乱波をイメージングした図であり、重合された振幅の一例である。なお、
図6Aおよび
図6Bは、起振装置10を移動させた異なる起振点での画像40である。
【0058】
次に、探査システム1は、反射点を抽出する(ステップS5)。具体的には、探査装置30の制御部36は、
図7Aおよび
図7Bに示すように、起振装置10を移動させた異なる起振点での各画像40において、振幅が最大である反射点41をそれぞれ抽出する。このように、制御部36は、イメージングされた散乱波のピークを反射点として抽出する。なお、画像40の各点が、深度マイグレーションの計算時に設定された散乱点である。
【0059】
このように、探査装置30が、重合された振幅に応じて、前記埋設物での反射点を特定する反射点特定手段の一例として機能する。探査装置30が、前記重合された散乱点の振幅に応じて、前記散乱点から前記反射点を特定する反射点特定手段の一例として機能する。探査装置30が、前記重合された振幅が最大である点を、前記反射点として特定する反射点特定手段の一例として機能する。
【0060】
次に、探査システム1は、反射点の点群データを作成する(ステップS6)。具体的には、探査装置30の制御部36は、
図8に示すように、抽出した反射点41を集めて、反射点41の点群データ42を作成する。埋設物5の上面の形状が点群データ42により表される。このように、起振点分の散乱点を2次元断面上にプロットして、
図8のような埋設管探査結果を作成する。
【0061】
このように、探査装置30が、異なる複数の位置の前記起振装置に起振されて得られた前記波形データによって算出される複数の前記反射点から前記埋設物の形状を特定する。
【0062】
次に、探査システム1は、埋設物探査の結果を表示する(ステップS7)。具体的には、探査装置30の制御部36は、表示部32に、埋設物探査の結果として、点群データ42を表示する。
【0063】
(2.1 散乱波のイメージング処理のサブルーチン)
次に、散乱波のイメージング処理のサブルーチンについて、
図9から
図10Dを用いて説明する。
【0064】
図9に示すように、探査システム1は、起振の波形データと受振の波形データとの相互相関の波形を求める(ステップS10)。探査装置30の制御部36は、例えば、
図10Aに示すような受振の波形データと、起振波形データとの相互相関を計算して、
図10Bに示すように、相互相関の波形データを求める。相互相関の波形データが、取得した波形データと起振装置による起振波形データとの相関データの一例である。起振装置の変調信号と測定したデータの相互相関を計算することで、ノイズ軽減と距離分解能が向上し、地下の埋設物5からの散乱波とそれ以外の波とを分離する。
【0065】
次に、探査システム1は、バンドパスフィルタ処理を行う(ステップS11)。具体的には、制御部36は、相互相関の波形データから、所定値以下の低周波成分と、所定値以の高周波成分を除去し、
図10Cに示すような波形データを求める。バンドパスフィルタ処理が、相関データから所定の周波数範囲の成分の波形を抽出する一例である。
【0066】
次に、探査システム1は、ミュート処理を行う(ステップS12)。具体的には、制御部36は、
図10Dに示すように、起振装置10からの直接波に対応する立ち上がり部分の波形を取り除くため、ミュート関数を掛けることにより、ミュート処理を行う。なお、
図10Dにおいて、ミュートされた箇所が示されている。このように、制御部36は、抽出した波形から起振装置による立ち上がり部分の波形をミュートする。
【0067】
ミュート関数として、シグモイド関数、ステップ関数等が挙げられる。ミュート関数は、起振装置10からの直接波の影響を受けている時間部分のところの振幅が低くなるような関数ならばよい。以上、相互相関からミュート処理までが、前処理である。
【0068】
次に、探査システム1は、深度マイグレーション処理を行う(ステップS13)。具体的には、探査装置30の制御部36は、ミュート処理された各波形データに対して、後述の深度マイグレーション処理のサブルーチンにて、深度マイグレーション処理を行い、
図6Aおよび
図6Bに示すように、埋設物5の散乱波のイメージング処理の画像40を計算する。
【0069】
次に、探査システム1は、イメージング処理結果を出力する(ステップS14)。具体的には、探査装置30の制御部36は、深度マイグレーション処理結果の画像40を出力する。
【0070】
(2.2 深度マイグレーション処理のサブルーチン)
次に、深度マイグレーション処理のサブルーチンについて、
図11から
図12Bを用いて説明する。
【0071】
図11に示すように、探査システム1は、地盤の弾性波速度を決定する(ステップS20)。具体的には、探査装置30の制御部36は、受振の波形データ、または、上記のように前処理された波形データ対して、残差ムービングアウト法や、コヒーレンシーインバージョン法等を適用して、速度モデルを構築し、地面Gの地盤の弾性波速度を決定する。このように、取得データを用いた弾性波速度解析を実施して、地下の弾性波速度を得ることで、時系列データから空間データに変換する。
【0072】
次に、探査システム1は、起振点から地下の散乱点への走時と、散乱点から受振点への走時とを計算する(ステップS21)。具体的には、探査装置30の制御部36は、
図12Aに示すように、決定された弾性波速度に基づき、起振点Aから地下の散乱点Pへの走時T1と、散乱点Pから受振点Bへの走時T2とを計算する。
【0073】
次に、探査システム1は、合計走時を算出する(ステップS22)。具体的には、探査装置30の制御部36は、走時T1と走時T2との合計走時T1+T2を算出する。
【0074】
このように、探査装置30が、前記起振装置の起振点から前記地点うちの1の受振点までの弾性波の合計走時を算出する合計走時算出手段の一例として機能する。探査装置30が、前記埋設物の大きさより小さい間隔で設定された地下の散乱点を経由して、前記起振装置の起振点から前記地点うちの1の受振点までの弾性波の前記合計走時を算出る合計走時算出手段の一例として機能する。
【0075】
次に、探査システム1は、起振点で起振して受振点で受振した波形の合計走時の振幅を、散乱点の振幅とする(ステップS23)。具体的には、探査装置30の制御部36は、受信点Bで測定された
図10Dに示すようなミュート処理された波形データに対して、合計走時T1+T2での振幅を、散乱点Pの振幅とする。
【0076】
次に、探査システム1は、全ての地下の点と、起振点に対する全ての受振点に対して、ステップS20からステップS23の処理が行われたか判定する(ステップS24)。具体的には、探査装置30の制御部36は、
図12Bのように、起振装置10が設置された起振点に対して、受振センサ20aが設置された全ての受振点と、所定の深度および所定の地面Gの距離の範囲にある全ての散乱点P1、P2等に対して、ステップS20からステップS23の処理が行われたか判定する。
【0077】
所定の深度および所定の地面Gの距離の範囲は、
図6Aおよび
図6Bの画像40に示すように、所定の深度、所定の距離の間である。所定の深度および所定の地面Gの距離の範囲に設定される、散乱点Pの計算上のメッシュは、散乱点Pの間隔は埋設物5の大きさより小さいことが好ましく、例えば、数cmから数10cmが好ましい。
【0078】
次に、探査システム1は、全ての振幅を足し合わせる(ステップS25)。具体的には、探査装置30の制御部36は、全ての地下の散乱点での振幅を足し合わせることで重合させて、
図6Aおよび
図6Bのような、散乱波のイメージング処理の画像40を求める。
【0079】
このように、探査装置30が、前記合計走時に応じて、各前記1の受振点での前記波形データの振幅を重合する振幅重合手段の一例として機能する。探査装置30が、前記合計走時における前記1の受振点での前記波形データの振幅を、前記散乱点の振幅として、前記散乱点毎に、各受振点からの前記散乱点の振幅を重合する振幅重合手段の一例として機能する。
【0080】
上記、重合前深度マイグレーションの他に、重合前時間マイグレーション、重合後深度マイグレーション、重合後時間マイグレーションのアルゴリズムでもよい。
【0081】
実施形態に係る探査装置30によれば、起振装置10によって地面Gが起振され、埋設物5の大きさより小さい間隔である地面Gにおける複数の地点からの波形データを取得し、起振点から地点うちの1の受振点までの弾性波の合計走時を算出し、合計走時に応じて、各1の受振点での波形データの振幅を重合し、重合された振幅に応じて、埋設物5での反射点を特定し、異なる複数の位置の起振装置10に起振されて得られた波形データによって算出される複数の反射点41によって、地中における埋設物の形状を把握できる。
【0082】
抽出した反射点41の点群データ42の分布から埋設物の形状を把握できる。また、深度2[m]から20[m]の埋設物5を数10[cm]の分解能で位置と深度、形状を把握することにより、工事費用の削減や工期短縮が期待できる。
【0083】
埋設物5の大きさより小さい間隔で設定された地下の散乱点Pを経由して、起振装置10の起振点Aから地点うちの1の受振点Bまでの弾性波の合計走時T1+T2を算出し、合計走時における1の受振点での波形データの振幅を、散乱点Pの振幅として、散乱点毎に、各受振点からの散乱点の振幅を重合し、重合された散乱点の振幅に応じて、散乱点から反射点41を特定する場合、起振装置10によって地面が起振され、埋設物5の大きさより小さい間隔である地面Gにおける複数の地点からの波形データを取得し、埋設物5の大きさより小さい間隔で設定された地下の散乱点Pを経由して、起振点Aから地点うちの1の受振点Bまでの弾性波の合計走時T1+T2を算出し、合計走時T1+T2における1の受振点Bでの波形データの振幅を散乱点Pの振幅として、散乱点P毎に各受振点からの散乱点Pの振幅を重合し、重合された散乱点Pの振幅に応じて散乱点Pから埋設物5の反射点41を特定し、異なる複数の位置の起振装置10から得られた波形データによって算出される複数の反射点41によって、地中における埋設物の形状を把握できる。
【0084】
重合された振幅が最大である点を、反射点41として特定する場合、反射点41が精度良く特定できる。
【0085】
重合する波形データは、取得した波形データと起振装置10による起振波形データとの相関データを計算し、相関データから所定の周波数範囲の成分の波形を抽出し、抽出した波形から起振装置10による立ち上がり部分の波形をミュートして得られる波形データである場合、起振装置10による直接の波形が除かれるため、反射点41が精度良く特定できる。
【0086】
起振装置10により起振され振動によって、埋設物5の大きさ以上の間隔である複数地点からの広域波形データを取得し、広域波形データから、埋設物5の深さおよび地面上の位置を推定する場合、詳細測定の際、高密度に測定する場所を絞れるので、効率よく測定ができて、測定の時間短縮を図ることができる。
【0087】
起振装置10の異なる複数の位置において、互いに最も離れた起振装置10の位置が、推定された埋設物5の深さの2倍以上である場合、埋設物5の位置に応じて、地下の局所的に分布する埋設物5を対象に絞って、埋設物5から散乱する弾性波を起振点付近で高密度に測定できる。そのため、効率よく測定ができて、測定の時間短縮を図ることができる。埋設物5から散乱する弾性波を起振点付近で高密度に測定したデータにイメージング処理を適用することにより、深度2[m]から20[m]の埋設物5を数10[cm]の分解能で位置と深度、形状を把握することができる。
【0088】
地面Gに設置された受振センサ20aから波形データを取得する場合、受振センサ20aを起振点周辺に高密度に配置することで、埋設物5の形状をイメージするための散乱波データが取得できる。
【0089】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について
図13を用いて説明する。なお、前記第1実施形態と同一または対応する部分には、同一の符号を用いて異なる構成および動作のみを説明する。その他の実施形態および変形例も同様とする。
【0090】
本実施形態では、
図13に示すように、設置型の受振装置20の代わりに、非接触の受振装置21を用いる。
【0091】
受振装置21は、レーザ式、レーザドップラ等の光学式、または、レーダ式等の電磁波式の非接触の振動計である。
【0092】
例えば、受振装置21をクレーン車のクレーンの先に設置して高所から、広域測定が行われる。
【0093】
詳細測定では、受振装置21の高さを、広域測定を低くして、詳細測定が行われる。第1実施形態のように、起振装置10を移動させて、詳細測定が行われる。受振装置21の画像の解像度に応じて波形データが得られるが、数cmから数10cmの間隔で、波形データが取得されてもよい。
【0094】
このように、探査装置30が、非接触の光学式の振動計から前記波形データを取得する前記波形データを取得する取得手段の一例として機能する。
【0095】
非接触の光学式の振動計から波形データを取得する場合、受振センサ20aの設置作業を省くことができる。
【0096】
なお、測定レイアウトを鉛直から水平にして、トンネルの前方探査に利用することができる。例えば、トンネルの掘削の掘削面に起振装置10を設置し、受振装置20または受振装置21から波形データを取得することで、掘削先の埋設物を探査する。
【0097】
さらに、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。上記各実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【符号の説明】
【0098】
1:探査システム
5:埋設物
10: 起振装置
20、21:受振装置
30:探査装置
41:反射点
G:地面