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特許7629442肝臓再生を促進または肝細胞死を縮減もしくは防止するためのヘテロアリール置換ピラゾロ-ピリジンタンパク質キナーゼ阻害剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-04
(45)【発行日】2025-02-13
(54)【発明の名称】肝臓再生を促進または肝細胞死を縮減もしくは防止するためのヘテロアリール置換ピラゾロ-ピリジンタンパク質キナーゼ阻害剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20250205BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20250205BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20250205BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20250205BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20250205BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20250205BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20250205BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20250205BHJP
   A61K 31/444 20060101ALI20250205BHJP
【FI】
C07D471/04 106C
C07D471/04 CSP
A61K31/506
A61P1/16
A61P3/00
A61P25/00
A61P25/28
A61P25/16
A61P29/00 101
A61K31/444
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022506206
(86)(22)【出願日】2020-07-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(86)【国際出願番号】 EP2020071090
(87)【国際公開番号】W WO2021018820
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2023-07-05
(31)【優先権主張番号】19188876.7
(32)【優先日】2019-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】20172253.5
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】519258758
【氏名又は名称】ヘパリジェニックス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファフェンロット,ベント
(72)【発明者】
【氏名】セリーグ,ローランド
(72)【発明者】
【氏名】ラウファー,ステファン
(72)【発明者】
【氏名】アルブレヒト,ヴォルフガング
【審査官】早川 裕之
(56)【参考文献】
【文献】特許第7337813(JP,B2)
【文献】国際公開第2018/134254(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K 31/
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)を有する化合物
【化1】

またはその薬学的に許容される塩溶媒和物または立体異性体。
[式中、式(I)中の変数は次の意味を有する:
であり;
であり;
は、
a)シクロアルキル、アルキル、-COOR10、-OH、アルキルスルファニルテトラゾリル、CN、ハロゲン、およびアルコキシから独立して選択される1または2つの置換基で置換されるピリミジニル、および、
)アルキルおよびハロゲンから独立して選択される1または2つの置換基で置換されるピリジル
から選択され;
であり;
は-NR10SO12であり;
は、であり;
は、であり;
は、HまたはFであり
10は、それぞれ独立して、Hまたはアルキルであり;
12 アルキルまたはフェニルアルキルであ。]
【請求項2】
が、シクロアルキル、アルキル、アルコキシ、-OH、アルキルスルファニル、ハロゲン、CNおよびテトラゾールから独立して選択される1または2つの置換基で置換されるピリミジニルである、請求項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩溶媒和物または光学異性体。
【請求項3】
が、シクロアルキル、アルキル、アルコキシ、-OH、アルキルスルファニル、ハロゲンおよびCNから独立して選択される1または2つの置換基で置換されるピリミジニルである、請求項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩溶媒和物または光学異性体。
【請求項4】
10である、請求項1~のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩溶媒和物または光学異性体。
【請求項5】
12がC-Cアルキルまたはベンジルである、請求項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩溶媒和物または光学異性体。
【請求項6】
式(Ib)を有する、請求項1~のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩溶媒和物および光学異性体。
【化2】
【請求項7】
【化3】
【化4】
から選択される、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩溶媒和物または光学異性体。
【請求項8】
【化5】
から選択される化合物またはその薬学的に許容される塩溶媒和物または光学異性体。
【請求項9】
請求項1~のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩溶媒和物または光学異性体を含む医薬組成物。
【請求項10】
ンパク質キナーゼJNK1およびMKK7よりもタンパク質キナーゼMKK4を選択的に阻害する医薬組成物を調製するための、請求項1~8のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは光学異性体の使用
【請求項11】
肝再生を促進または肝細胞死を縮減もしくは防止する医薬組成物を調製するための、請求項1~8のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは光学異性体の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヘテロアリール置換ピラゾロ-ピリジンタンパク質キナーゼ阻害剤に関し、これらはマイトジェン活性化タンパク質キナーゼキナーゼ4(MKK4)を阻害し、特にタンパク質キナーゼJNK1およびMKK7よりもMKK4を選択的に阻害する。
【背景技術】
【0002】
肝疾患は、感染、傷害、アルコールまたは薬物のような毒性化合物への曝露、自己免疫プロセス、遺伝子欠陥、および他の因子によって引き起こされ得る。肝臓は顕著な再生能を有する。しかしながら、これは疾患状態において損なわれ得、よって、肝細胞および器官機能の損失を補償するには不十分であり得る。
【0003】
特許文献1は、タンパク質キナーゼの異状な活性に関連する疾患および状態を処置するのに有用なタンパク質キナーゼ阻害剤である化合物を記載している。これらの化合物は、Rafタンパク質キナーゼ、特にB-Rafおよびc-Rafならびにそれらの変異の阻害剤であり、よって、癌の処置に有用である。さらに、それらは、他の多種多様なタンパク質キナーゼ、中でもc-Jun N末端キナーゼ(JNK)、特にJNK1を阻害すると言われている。特許文献2は類似の開示を有し、特許文献3および特許文献4は、Rafタンパク質キナーゼ阻害活性を有する改変された化合物を開示している。H.Vinらは、JNKシグナル伝達のオフターゲット阻害を介してアポトーシスを抑制するB-Raf阻害剤として、特許文献1の2つの化合物に言及している。特許文献5は、癌のようなRafタンパク質キナーゼによって媒介される疾患または状態を処置するのに有用なタンパク質キナーゼ阻害剤であるピラゾロ[3,4-b]ピリジン化合物を記載している。さらに、それらは、他の多種多様なタンパク質キナーゼ、中でもc-Jun N末端キナーゼ(JNK)、特にJNK1を阻害すると言われている。特許文献6はいくつかの化合物を開示しており、これらは、アポトーシスからの肝細胞の保護および肝細胞の再生のために、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ4(MKK4)の阻害剤としておよび肝不全の処置に有用であるとして記載されている。非特許文献1および非特許文献2は、肝細胞の再生能を増大させるために活用され得る遺伝子標的の同定のための機能的遺伝学的アプローチを記載している。特に、非特許文献1は、肝臓再生の鍵の制御因子としてタンパク質キナーゼMKK4を同定し、MKK4抑制が、MKK7の補償的な上方制御とATF2およびELK1のJNK1依存的活性化とを介して肝細胞再生を増大させたということを報告している。
従来技術の知見に基づいて、MKK4およびJNK1阻害剤はJNK1によって媒介される疾患を処置するのに有用であり得るということが結論付けられた。しかし、JNK1の阻害が肝疾患の処置に有益であり得るという認識にもかかわらず、臨床研究は行われてはいない。特許文献7は、肝臓再生を促進または肝細胞死を縮減もしくは防止するためのタンパク質キナーゼ阻害剤であるピロロピリジン化合物を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2007/002433号
【文献】国際公開第2007/002325号
【文献】国際公開第2012/109075号
【文献】国際公開第2014/194127号
【文献】国際公開第2010/111527号
【文献】国際公開第2012/136859号
【文献】国際公開第2018/134254号
【非特許文献】
【0005】
【文献】Wuestefeldら著、Cell153:389-401,2013
【文献】Willedureら著、Cell153:283-284
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の根底にある課題は、有用なMKK4阻害剤である化合物、特にMKK7およびJNK1よりもMKK4を選択的に阻害するMKK4阻害剤を提供することであった。さらなる課題は、肝疾患を処置すること、特に肝臓再生を促進または肝細胞死を縮減もしくは防止することに有用である、MKK7およびJNK1よりもMKK4を選択的に阻害するMKK4阻害剤である化合物を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この問題は、式(I)の化合物を提供することによって解決された。
【0008】
それゆえに、本発明は次の実施形態に関する。
1. 式(I)を有する化合物。
【化1】

ならびにその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、生物活性な代謝物、溶媒和物および立体異性体。
[式中、式(I)中の変数は次の意味を有する:
はHまたはアルキルであり;
はHまたはアルキルであり;
は、
a)シクロアルキル、アルキル、-COOR10、-OH、アルキルスルファニル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、テトラゾリル、CN、ハロゲン、アルコキシ、-(NR10=)S(=O)-アルキル[S-アルキルスルホンイミドイル]、および
【化2】

から独立して選択される1または2つの置換基で置換されるピリミジニル、ならびに、
b1)アルキルおよびハロゲンから独立して選択される1または2つの置換基で置換され、任意に-OH、アルコキシ、CN、-COOR10、CF、-(NR10=)S(=O)-アルキル、および
【化3】

から選択される基でさらに置換されるピリジル、ならびに、
b2)-COOR10で置換され、さらに-OH、CN、またはCFで置換されるピリジル、
から選択され;
はHまたはアルキルであり;
は-NR10SO12であり;
は、H、ハロゲンまたはアルキルであり;
は、H、ハロゲンまたはアルキルであり;
は、H、ハロゲンまたはアルキルであり;
、RまたはRのうちの1つまたは2つまたは3つはハロゲンであり、R、RおよびRの他のもの(単数または複数)はHまたはアルキルであり;
10は、それぞれ独立して、Hまたはアルキルであり;
12は、H、アルキルまたはフェニルアルキルであり;
nは1または2である。]
【0009】
2.RがHである、実施形態1の化合物ならびにその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物および光学異性体。
【0010】
3.R、RまたはRの2つまたは3つがハロゲンである、実施形態1または2の化合物ならびにその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物および光学異性体。
【0011】
4.R、RまたはRのハロゲン原子(単数または複数)が独立してFまたはCl、特にFである、実施形態1~3のいずれか1つの化合物ならびにその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物および光学異性体。
【0012】
5.RおよびRがHである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物ならびにその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物および光学異性体。
【0013】
6.Rが、シクロアルキル、アルキル、-COOR10、アルコキシ、OH、アルキルスルファニル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロゲン、CN、およびテトラゾリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されるピリミジニルである、実施形態6の化合物ならびにその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物および光学異性体。
【0014】
7.Rが、シクロアルキル、アルキル、アルコキシ、OH、アルキルスルファニル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロゲン、CN、およびテトラゾリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されるピリミジニルである、実施形態6の化合物ならびにその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物および光学異性体。
【0015】
8.Rが、シクロアルキル、アルコキシ、OH、アルキルスルファニル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロゲン、CN、およびテトラゾリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されるピリミジニルである、実施形態7の化合物ならびにその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物および光学異性体。
【0016】
9.Rが、シクロアルキル、アルコキシ、OH、アルキルスルファニル、ハロゲン、CN、およびテトラゾリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されるピリミジニルである、実施形態8の化合物ならびにその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物および光学異性体。
【0017】
10.Rが、シクロアルキル、アルコキシ、-OH、ハロゲンおよびアルキルスルファニルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されるピリミジニルである、実施形態9の化合物ならびにその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物および光学異性体。
【0018】
11.Rが、シクロアルキル、アルキル、-COOR10、アルコキシ、OH、アルキルスルファニル、アルキルスルフィニルおよびアルキルスルホニルから選択される基で置換され、さらにハロゲン、CN、テトラゾリル、-(NR10=)S(=O)-アルキル、および
【化4】

から選択される基で置換されるピリミジニルである、実施形態1~5のいずれか1つの化合物ならびにその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物および光学異性体。
【0019】
12.Rが、シクロアルキル、アルキル、アルコキシ、-OHおよびアルキルスルファニルから選択される基で置換され、さらにアルキル、アルコキシおよびアルキルスルファニルから選択される基で置換されるピリミジニルである、実施形態7の化合物ならびにその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物および光学異性体。
【0020】
13.Rが、シクロアルキル、アルコキシ、-OHおよびアルキルスルファニルから選択される基で置換され、さらにアルキル、アルコキシおよびアルキルスルファニルから選択される基で置換されるピリミジニルである、実施形態12の化合物ならびにその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物および光学異性体。
【0021】
14.Rが、シクロアルキル基で置換され、任意に、さらに、シクロアルキル、アルキル、-COOR10、-OH、アルキルスルファニル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、テトラゾリル、CN、ハロゲン、アルコキシ、-(NR10=)S(=O)-アルキル[S-アルキルスルホンイミドイル]、および
【化5】

から選択される基で置換されるピリミジニルである、実施形態1~5のいずれか1つの化合物ならびにその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物および光学異性体。
【0022】
15.Rが、シクロアルキル基で置換され、任意に、さらに、シクロアルキル、アルキル、-COOR10、-OH、アルキルスルファニル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、テトラゾリル、CN、ハロゲン、およびアルコキシから選択される基で置換されるピリミジニルである、実施形態14の化合物ならびにその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物および光学異性体。
【0023】
16.Rが、シクロアルキル基で置換され、任意に、さらに、シクロアルキル、アルキル、-COOR10、-OH、アルキルスルファニル、テトラゾリル、CN、ハロゲン、およびアルコキシから選択される基で置換されるピリミジニルである、実施形態15の化合物ならびにその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物および光学異性体。
【0024】
17.Rが、シクロアルキル基で置換され、任意に、さらに、アルキル、-COOR10、-OH、アルキルスルファニル、CN、ハロゲン、およびアルコキシから選択される基で置換されるピリミジニルである、実施形態16の化合物ならびにその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物および光学異性体。
【0025】
18.Rが2位を置換されるピリミジニルである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物ならびにその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物および光学異性体。
【0026】
19.Rが、2位を-COOR10で置換され、さらに-OH、CNまたはCFで置換されるピリド-3-イル(ピリジル基は、ピラゾロピリジン基に3位で結合される)である、実施形態1~5のいずれか1つの化合物ならびにその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物および光学異性体。
【0027】
20.Rが、3位をアルキルまたはハロゲンで置換されるピリジル-4-イル(ピリジル基はピラゾロピリジン基に4位で結合される)である、実施形態1~5のいずれか1つの化合物ならびにその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物および光学異性体。
【0028】
21.R10がHまたはアルキル、特にHである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物ならびにその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物および光学異性体。
【0029】
22.R12がアルキルまたはフェニルアルキルである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物ならびにその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物および光学異性体。
【0030】
23.R12がC-Cアルキルまたはベンジルである、実施形態22の化合物ならびにその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物および光学異性体。
【0031】
24.式(Ia)を有する先行する実施形態のいずれか1つの化合物ならびにその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物および光学異性体。
【化6】

[式中、
はハロゲンであり;
はハロゲンであり;
、R、R、R、およびRは、先行する実施形態のいずれか1つで定義される通りである。]
【0032】
25.式(Ib)を有する実施形態1~23のいずれか1つの化合物ならびにその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物および光学異性体。
【化7】

[式中、
はハロゲンであり;
はハロゲンであり;
、R、R、R、およびRは、実施形態1~15のいずれか1つで定義される通りである。]
【0033】
26.式(Ic)を有する実施形態1~23のいずれか1つの化合物ならびにその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物および光学異性体。
【化8】

[式中、
はハロゲンであり;
はハロゲンであり;
はハロゲンであり;
、R、R、R、およびRは、実施形態1~15のいずれか1つで定義される通りである。]
【0034】
27.R、RおよびR(存在する場合)がFまたはCl、特にFである、実施形態24~26のいずれか1つの化合物ならびにその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物および光学異性体。
【発明を実施するための形態】
【0035】
ある実施形態では、本発明は、式Iの化合物ならびにその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、エステル、溶媒和物および光学異性体に関し、R、RからR、R、R、R、およびRは上で定義される通りいずれかの組合せである。
【0036】
さらなる実施形態において、本発明は、式(Ia)、(Ib)、および(Ic)の化合物ならびにその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、エステル、溶媒和物および光学異性体に関し、変数は、上の実施形態において定義される通りである。
【0037】
さらなる実施形態において、R、RまたはRの少なくとも2つはハロゲンであり、R、RおよびRの他のものはH、ハロゲンまたはアルキル、特にアルキルまたはハロゲンである。ハロゲンは好ましくはFまたはCl、特にFである。
【0038】
さらなる実施形態において、R、RおよびRはHである。
【0039】
さらなる実施形態において、R12はメチル、エチルまたはプロピルである。
【0040】
ある実施形態では、本発明は、式(I)および(Ia)から(Ic)のMKK4阻害剤、ならびにその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物および光学異性体に、特に、タンパク質キナーゼJNK1およびMKK7よりもタンパク質キナーゼMKK4を選択的に阻害するMKK4阻害剤に関する。
【0041】
さらに、本発明は、タンパク質キナーゼMKK4を阻害することへの使用のための、特にタンパク質キナーゼJNK1およびMKK7よりもタンパク質キナーゼMKK4を選択的に阻害することへの使用のための、本発明の化合物にもまた関する。
【0042】
さらに、本発明は、肝臓再生を促進または肝細胞死を縮減もしくは防止することと、同時に肝細胞増殖を増大させることとへの使用のための前記化合物にもまた関する。
【0043】
本発明は上で挙げられている化合物の薬学的に許容される塩をもまた包含する。薬学的に許容される塩は、特に、薬学的に許容される酸または塩基による酸または塩基付加塩である。好適な薬学的に許容される有機および無機酸の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、スルファミン酸、C-Cアルキルスルホン酸、例えばメタンスルホン酸、脂環式スルホン酸、例えばS-(+)-10-カンファースルホン酸、芳香族スルホン酸、例えばベンゼンスルホン酸およびトルエンスルホン酸、2から10個の炭素原子を有するジおよびトリカルボン酸ならびにヒドロキシカルボン酸、例えばシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、グリコール酸、アジピン酸および安息香酸である。他の利用可能な酸は、例えば、Fortschritte der Arzneimittelforschung(薬物研究の進歩),第10巻,224ページ以降,ビルクホイザー・フェアラーク,バーゼルおよびシュトゥットガルト,1966年に記載されている。好適な薬学的に許容される有機および無機塩基の例は、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム、アルカリ土類金属水酸化物、例えば水酸化カルシウムまたはマグネシウム、水酸化アンモニウム、有機窒素塩基、例えばジメチルアミン、トリメチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、コリン、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-プロパン-1,3-ジオール、メグルミン、プロカインなど、L-アルギニン、L-リジン、エチレンジアミン、またはヒドロキシエチルピロリジンである。
【0044】
本発明は、本発明の化合物および塩ならびにそれらの混合物のいずれかの互変異性、結晶ならびに多形の形態をもまた包含する。
【0045】
本発明は水和物などの溶媒和物をもまた包含する。
【0046】
本発明の化合物は、1つ以上のキラル中心を含有し得、異なる光学活性形態、例えば(such)エナンチオマーおよびジアステレオマーで存在し得る。
【0047】
本明細書で用いられる「プロドラッグ」という用語は、何らかの生理学的な化学的プロセスによってインビボで親薬物に変換される薬剤を指す。プロドラッグの例は、限定なしに、エステルの形態の本発明の化合物であろう。
【0048】
プロドラッグは多くの有用な特性を有する。例えば、プロドラッグは最終的な薬物よりも水溶性であり得、それによって薬物の静脈内投与を容易化する。プロドラッグは、最終的な薬物よりも高いレベルの経口バイオアベイラビリティをもまた有し得る。投与後に、プロドラッグは酵素的または化学的に切断されて、血液または組織中に最終的な薬物を送達する。例示的なプロドラッグは、カルボン酸置換基を有する化合物を包含するが、これらに限定されず、自由な水素は、(C-C)アルキル、(C-C12)アルカノイルオキシメチル、(C-C)1-(アルカノイルオキシ)エチル、5から10個の炭素原子を有する1-メチル-1-(アルカノイルオキシ)エチル、3から6つの炭素原子を有するアルコキシカルボニルオキシメチル、4から7つの炭素原子を有する1-(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、5から8つの炭素原子を有する1-メチル-1-(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、3から9つの炭素原子を有するN-(アルコキシカルボニル)アミノメチル、4から10個の炭素原子を有する1-(N-(アルコキシカルボニル)アミノ)エチル、3-フタリジル、4-クロトノ-ラクトニル、ガンマ-ブチロラクトン-4-イル、ジ-N,N-(C-C)アルキルアミノ(C-C)アルキル(例えば、β-ジメチルアミノエチル)、カルバモイル-(C-C)アルキル、N,N-ジ(C-C)-アルキルカルバモイル-(C-C)アルキル、およびピペリジノ、ピロリジノまたはモルホリノ(C-C)アルキルによって置き換えられる。他の例示的なプロドラッグは、式(I)のアルコールを放出し、ヒドロキシル置換基(例えば、R基がヒドロキシルを含有する)の自由な水素が、(C-C)アルカノイルオキシ-メチル、1-((C-C)アルカノイルオキシ)-エチル、1-メチル-1-((C-C)アルカノイルオキシ)エチル、(C-C12)アルコキシ-カルボニルオキシ-メチル、N-(C-C)-アルコキシ-カルボニルアミノメチル、スクシノイル、(C-C)アルカノイル、α-アミノ(C-C)アルカノイル、アリールアクチル、およびα-アミノアシル、またはα-アミノアシル-α-アミノアシルによって置き換えられ、前記のα-アミノアシル部分は、独立して、タンパク質上に見出される天然に存在するL-アミノ酸、P(O)(OH)、-P(O)(O(C-C)アルキル)またはグリコシル(炭水化物のヘミアセタールのヒドロキシルの取り外しからもたらされるラジカル)のいずれかである。
【0049】
MKK4阻害剤という表現は、MKK4のキナーゼ活性が<10μmol/l、好ましくは<1μmol/l、特に<0.5μmol/lのIC50で阻害されるということを意味する。本明細書で使用される「タンパク質キナーゼJNK1およびMKK7よりもタンパク質キナーゼMKK4を選択的に阻害する」という表現は、対照のパーセントまたはKdどちらかとして表現されるMKK4阻害活性に対するMKK7阻害活性の比またはMKK4阻害活性に対するJNK1阻害活性の比が、KINOMEscan(商標)で測定して≧10であるということを意味する。
【0050】
本明細書で用いられる「肝臓再生を促進または肝細胞死を縮減もしくは防止する」という表現は、治療の開始における増殖細胞の数と比較して、増殖肝細胞の相対数の少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%の増大を意味する。特に、表現は、治療の開始時の増殖細胞の数と比較されるときに、≧100%の増大を意味する。この文脈において、実験的決定および定量、例えば細胞増殖と厳密に関連するタンパク質Ki67の定量は、標準的な方法を用いて行われるであろう。組織スライド上の増殖肝細胞の定量のために、いくつかの免疫組織化学的な標準的な方法が利用可能であり、これらは、抗Ki67一次抗体を用い、次に、例えば西洋ワサビペルオキシダーゼコンジュゲート化二次抗体を用いることによる抗Ki67結合の可視化をする。クロモゲン基質の酵素的変換によって可視化されるペルオキシダーゼ活性の量は、Ki67タンパク質の量および増殖細胞の数と相関する。
【0051】
下に記載される実験において、肝細胞増殖は、Abcamからの一次ポリクローナルウサギ抗Ki67抗体(品番ab15580、Abcam、ケンブリッジ、USA)およびインビトロジェンからのフルオロフォアテトラメチルローダミン含有二次ヤギポリクローナル抗体(品番16101、インビトロジェン/サーモフィッシャー)を用いるKi67染色によって定量された。いくつかの前臨床マウスモデルから得られたデータに基づいて、慢性のCCl(四塩化炭素)によって媒介される肝臓損傷マウスモデルにおけるshRNA(短鎖ヘアピンRNA)によって媒介されるMKK4の抑制が、肝細胞増殖を13%から27%(対照shRNAと比較して)増大させ、減少した肝臓損傷(トランスアミナーゼ)および減少した肝線維症と関連するということが見出された。先の章の定義に従うと、増殖細胞の相対的増大は108%であった。アルコール誘導性脂肪性肝炎(ASH)のモデルにおいて、MKK4のshRNAによって媒介されるサイレンシングは、対照shRNAが使用されたときの2%(相対的増大:100%)と比較して、4%の肝細胞増殖率をもたらした。肝細胞増殖の倍化は、減少した脂肪化(脂肪沈着)およびトランスアミナーゼによって測定される減少した肝臓損傷と関連していた。同じ線を辿って、shRNAによって媒介されるMKK4サイレンシングは、部分肝切除のモデルにおいて(肝臓の3分の2の外科的除去の48hr後に)、肝細胞増殖を16%(対照shRNA)から33%に増大させた(相対的増大:106%)。再び、増大した肝細胞増殖は、改善された肝臓再生およびより速い肝臓質量の回復と関連した。結論として、これらの研究は、急性および慢性肝疾患の処置のための治療標的としてのMKK4を立証している。さらにその上、国際公開第2018/134254号パンフレットは、MKK7およびJNK1よりも選択的にMKK4を阻害する新たな化合物を開示している。肝臓再生のインビトロおよびインビボ実験モデルにおいて、これらの化合物は、Jo2抗体の投与によって誘導される急性肝不全の防止に有効であり、単離された初代マウス肝細胞の増殖を誘導した。
【0052】
本願において開示される新たな化合物は、MKK7およびJNK1よりも選択性を有する強力なMKK4阻害剤であり、よって、国際公開第2018/134254号に開示されている化合物と類似に、肝疾患の処置のためにおよび肝臓再生を促進または肝細胞死を縮減もしくは防止するために用いられ得る。
【0053】
変数の上の定義において挙げられている有機部分は、用語ハロゲンのように、個々のグループメンバーの個々のリストの集合的な用語である。接頭語C-Cは、各ケースにおいて、基の炭素原子の可能な数を指示する。
【0054】
ハロゲンという用語は、各ケースにおいて、フッ素、臭素、塩素またはヨウ素、特にフッ素または塩素、好ましくはフッ素を意味する。
【0055】
アルキルは直鎖または分枝アルキル基であり、これは、好ましくはC-Cアルキル基、すなわち1から6つの炭素原子を有するアルキル基、より好ましくはC-Cアルキル基、特にC-Cアルキル基である。アルキル基の例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、2-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、ヘキシル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピルおよび1-エチル-2-メチルプロピルである。
【0056】
同様に、アルキルの定義は、アルキル基を包含するいずれかの基、例えばアルコキシ、アルキルスルフィニル、フェニルアルキルなどに適用可能である。
【0057】
ハロアルキルは上で定義されているハロゲン化アルキル基であり、水素原子の少なくとも1つ、例えば1、2、3、4、または全てが、1、2、3、4、または対応する数の同一のまたは異なるハロゲン原子によって置き換えられる。例えば、トリフルオロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、ジフルオロエチルなどである。特定の例は、定義された通りフッ素化C-Cアルキル基、例えばトリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、またはジフルオロエチルを包含する。
【0058】
シクロアルキルは脂環式ラジカルであり、これは好ましくはC-Cシクロアルキル、すなわち3から8つの炭素原子を有するシクロアルキル基である。特に、3から6つの炭素原子が、環式構造、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルを形成する。環式構造は無置換であり得るか、または1、2、3もしくは4つのC-Cアルキルラジカル、好ましくは1つ以上のメチルラジカルを保有し得る。
【0059】
本発明の化合物は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第2010/111527号に開示される通り、または類似の手続きに従って調製され得る。酸または塩基付加塩は、遊離塩基を対応する酸と混合することによってまたは遊離酸を所望の塩基と混合することによって、通常の様式で調製される。任意に、反応は、有機溶媒、例えば低級アルコール、例えばMeOH、エタノールもしくはプロパノール、エーテル、例えばメチルtert-ブチルエーテルもしくはジイソプロピルエーテル、ケトン、例えばアセトンもしくはメチルエチルケトン、またはエステル、例えばEtOAc中の溶液によって実施される。
【0060】
本発明の化合物は、肝臓再生を促進または肝細胞死を縮減もしくは防止することと、同時に肝細胞増殖を増大させることとに有用である。よって、化合物は、肝臓への急性または慢性の損傷が関わる疾患を処置、調節、改善または防止することに有用であり、これらは感染、傷害、毒性化合物への曝露、血液中の正常物質の異常な蓄積、自己免疫プロセス、遺伝子欠陥または未知の原因によって引き起こされ得る。
【0061】
かかる肝疾患は、増大した肝臓再生および肝細胞死の縮減または防止が、あり得る治療効果、すなわち肝機能の部分的または完全な回復を達成するために役立ち得る全ての疾患を包含する。かかる疾患は、
急性および慢性のまたは急性増悪の肝疾患、例えば、B、C、E型肝炎、エプスタイン・バーウイルス、サイトメガロウイルス、単純ヘルペスウイルス、および他のウイルスによって引き起こされる肝炎のような急性および慢性ウイルス性肝炎、全ての型の自己免疫性肝炎、原発性硬化性肝炎、アルコール性肝炎;
代謝性肝障害、例えばメタボリックシンドローム、非アルコール性脂肪肝(NAFL)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アルコール性脂肪性肝炎(ASH)のような脂肪肝、ウィルソン病、ヘモクロマトーシス、アルファ1-アンチトリプシン欠乏症、糖原病;
全ての型の肝硬変、例えば原発性胆汁性肝硬変、エチル毒性肝硬変、特発性肝硬変;
急性(劇症)または慢性肝不全、例えば、アセトアミノフェン(パラセタモール)誘発性肝不全、アルファアマニチン誘発性肝不全、薬剤誘発性肝毒性のような毒性肝不全、例えば抗生物質、非ステロイド性抗炎症薬、および抗痙攣薬によって引き起こされる肝不全、ハーブサプリメント(カバ、エフェドラ、スカルキャップ、ペニーロイヤルなど)によって誘導される急性肝不全、血管性疾患を原因とする肝疾患および不全、例えばバッド・キアリ症候群、未知の起源の急性肝不全、右心不全を原因とする慢性肝疾患;
ガラクトース血症、嚢胞性線維症、ポルフィリン症、肝虚血灌流傷害、肝移植後の過小グラフト症候群、原発性硬化性胆管炎、または肝性脳症を含む。
【0062】
肝臓再生を促進または肝細胞死を縮減もしくは防止するために、本発明の化合物は、治療上有効量で、それを必要とする患者に投与される。肝疾患の存在を検出するための種々の診断方法が利用可能である。臨床的に許容される正常範囲よりも上のアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)の血中レベルは、進行中の肝臓損傷を示すことが公知である。血中ビリルビンレベルまたは他の肝臓酵素は検出または診断基準として用いられ得る。ALTおよびASTの血中レベルについての肝疾患患者のルーチン的モニタリングは、医学的処置の間における肝疾患の進行を測定するために用いられる。許容される正常範囲内への上昇したALTおよびASTレベルの縮減は、患者の肝臓損傷の重症度の縮減を反映する臨床的証拠と取られる。FibroTest/FibroSURE、HepaScore(登録商標)、FibroMeterまたはCirrhometerなどの市販のアッセイは、肝臓脂肪化、線維症および硬変の検出のための5つ以上の生化学的パラメータの組み合わせ結果を評価する。さらにその上、非侵襲的な革新的な物理的イメージング技術、例えば磁気共鳴イメージング、ソノグラフィー、特にエラストグラフィー技術が、肝疾患の状態および進行を検出およびモニタリングするために利用可能である。
【0063】
さらに、shRNAによって媒介されるMKK4抑制は、変形性関節症におけるTNF-αによって駆動される軟骨マトリックス分解を減弱するということが見出されている(Cell Death and Disease(2017年)第8巻,e3140)。よって、本発明の化合物を用いるMKK4の活性の阻害は、変形性関節症および関節リウマチを処置することにさらに有用である。
【0064】
さらにその上、MKK4阻害剤は、アルツハイマー病およびパーキンソン病などの神経変性疾患の処置にもまた有用であり得る。Grueningerらは、ヒト神経芽細胞腫細胞において、MKK4が、Tau凝集を促進するセリン422のTauタンパク質のリン酸化に鍵の役割を演ずるということを見出した(Mol Cell Biochem(2011年)第357巻:199-207)。Tauの凝集を防止するTauリン酸化の阻害剤は、アルツハイマー病の防止または処置に有用であると考えられている。
【0065】
最近、インビトロおよびインビボの強力な神経保護効果を有するMKK4阻害剤が記載されている。海馬培養物では、MKK4阻害剤とのインキュベーションはグルタミン酸によって誘導される細胞死およびカスパーゼ3活性化を防止し、SH-SY5Y細胞におけるN-メチル-4-フェニルピリジニウムヨージドおよびアミロイドβ1-42によって誘導される細胞死をもまた阻害した。同じ化合物は、マウスの黒質線条体ドーパミン作動性ニューロンの1-メチル-4-フェニル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジンによって誘導される変性をもまた軽減した(Biochemical Pharmacology(2018年),第162巻,2019年4月,109-122;doi:https://doi.org/10.1016/j.bcp.2018.10.008)。
【0066】
本発明の化合物は通常は医薬組成物の形態で投与され、これらは、本発明に従う少なくとも1つの化合物を任意に不活性担体(例えば、薬学的に許容される賦形剤)および適宜他の薬物と一緒に含む。これらの組成物は、例えば、経口、直腸、経皮、皮下、腹腔内、静脈内、筋肉内または鼻腔内投与され得る。
【0067】
好適な医薬組成物の例は、固体医薬形態、例えば粉末、顆粒、錠剤、特にフィルム錠剤、ロゼンジ、分包剤、カシュー、糖衣錠、カプセル、例えば硬ゼラチンカプセルおよび軟ゼラチンカプセル、または坐剤、半固体医薬形態、例えば軟膏、クリーム、ハイドロゲル、ペーストまたはプラスター、ならびに液体医薬形態、例えば溶液、エマルション、特に水中油型エマルション、懸濁液、例えばローション、注射調製物および輸液調製物でもまたある。加えて、リポソームまたはミクロスフェアを用いることもまた可能である。
【0068】
組成物を生成するときには、本発明に従う化合物は任意に1つ以上の担体(賦形剤)と混合またはそれによって希釈される。担体(賦形剤)は、活性化合物のための基剤、担体または媒体としての用をなす固体、半固体または液体材料であり得る。
【0069】
好適な担体(賦形剤)は、専門の医学的モノグラフに列挙されている。加えて、製剤は、薬学的に許容される補助的な物質、例えば、湿潤剤;乳化および懸濁剤;保存料;抗酸化剤;抗刺激剤;キレート剤;コーティング助剤;エマルション安定化剤;フィルム形成剤;ゲル形成剤;臭気マスキング剤;矯味剤;樹脂;ハイドロコロイド;溶媒;可溶化剤;中和剤;拡散促進剤;顔料;第四級アンモニウム化合物;補油および加脂剤;軟膏、クリームまたは油の原料;シリコーン誘導体;展着助剤;安定化剤;滅菌剤;坐剤ベース;錠剤助剤、例えば結合剤、充填剤、滑剤、崩壊剤またはコーティング;プロペラント;乾燥剤;乳白剤;増粘剤;ワックス;可塑剤および白色鉱油を含み得る。この点については、製剤は、例えば、フィードラー(Fiedler),H.P.著,Lexikon der Hilfsstoffe fur Pharmazie,Kosmetik und angrenzende Gebiete(調剤、化粧品および関連分野のための補助剤百科事典),第4版,アウレンドルフ:ECV-エディティオ-カントル-フェアラーク,1996年に記載されている専門知識に基づく。
【0070】
本発明の化合物は他の治療薬剤との組み合わせにもまた好適であり得る。よって、本発明はさらに、特に肝臓再生を促進または肝細胞死を縮減もしくは防止することへの使用のための、本発明の化合物を1つ以上のさらなる治療薬剤と共に含む組み合わせに関する。本発明の組み合わせ治療は併用的に投与され得る。併用的な投与によって、別個の医薬組成物またはデバイスの形態での構成成分のそれぞれの密接したまたはオーバーラップした投与が意味される。2つ以上の治療薬剤の治療投与のこの方式は、一般的に当業者によっておよび本明細書において併用的な治療投与と言われる;それはアドオン治療投与としてもまた公知である。患者が、本発明の化合物および少なくとも1つのさらなる治療薬剤の別個だが密接したまたはオーバーラップした治療投与を受けるいずれかのおよび全ての処置方式は、本発明の範囲内である。本明細書に記載される併用的な治療投与のある実施形態では、患者は、典型的には、時間のある期間に渡って構成成分の1つ以上の治療投与に固定され、それから、別の構成成分の投与を受ける。
また、本発明の組み合わせ治療は同時に投与され得る。同時投与によって、個々の成分が、両方の構成成分を含むかもしくは含有する単一の医薬組成物もしくはデバイスの形態でどちらかで一緒に投与されるか、またはそれぞれが構成成分の1つを含む別個の組成物もしくはデバイスとして同時に投与される処置方式が意味される。同時の組み合わせのための別個の個々の成分のかかる組み合わせは、キット・オブ・パーツの形態で提供され得る。
【0071】
本発明の化合物との組み合わせでの使用のための好適な薬剤は、例えば:
ACC阻害剤、例えばTOFA(5-(テトラデシルオキシ)-2-フロ酸)、フィルソコスタット(以前はGS0976として公知)、PF-05221304、および国際公開第2016/112305号に開示されているACC阻害剤、
アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト、
アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、例えばエナラプリル、
ASK1(アポトーシスシグナル制御キナーゼ1、MAP3K5)阻害剤、例えばセロンセルチブ(以前はGS-4997として公知)またはSRT-015、
カスパーゼ阻害剤、例えばエムリカサン、
カテプシンB阻害剤、例えばVBY-376のような混合されたカテプシンB/C型肝炎ウイルスNS3プロテアーゼ阻害剤、
CCR2ケモカインアンタゴニスト、例えばセニクリビロクのような混合されたCCR2/CCR5ケモカインアンタゴニスト、
CCR5ケモカインアンタゴニスト、
塩化物チャネル刺激薬、例えばコビプロストン、
コレステロール可溶化剤、
銅アミンオキシダーゼ3(AOC3)阻害剤、例えばBI1467335(以前はPXS-4728Aとして公知)、
ジアシルグリセロールO-アシルトランスフェラーゼ1(DGAT1)阻害剤、例えばLCQ908またはGSK-3008356、
ジアシルグリセロールO-アシルトランスフェラーゼ2(DGAT2)阻害剤、例えばPF-06865571、
ジペプチジルペプチダーゼIV(DPPIV)阻害剤、例えばリナグリプチン、
ファルネソイドX受容体(FXR)アゴニスト、例えばINT-747(オベチコール酸)、クリオフェキソール(以前はGS-9674またはPX-102として公知)、トロピフェキソール(以前はLJN452として公知)、EDP-305またはLMB-763、
線維芽細胞増殖因子(FGF)およびそのアナログ、例えば(such)FGF19の持効性アナログ(例えば、以前はNGM-282として公知のアルダフェルミン)またはFGF21の持効性アナログ(例えば、Bio89-100ともまた命名されたTEV-47948、またはARK01もしくはPF-05231023)、
FXR/TGR5二重アゴニスト、例えばINT-767、
ガレクチン-3阻害剤、例えばGR-MD-02、
グルカゴン様ペプチド1(GLP1)アゴニスト、例えばリラグルチドまたはエクセナチド、
グルカゴン様ペプチド1(GLP1)/グルカゴン二重アゴニスト、例えばコタデュチド、
グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)およびグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体二重アゴニスト、例えばチルゼパチド(以前はLY3298176として公知)、
グルタチオン前駆体、
C型肝炎ウイルスNS3プロテアーゼ阻害剤、例えば、VBY-376のような混合されたカテプシンB/C型肝炎ウイルスNS3プロテアーゼ阻害剤、
HMG CoAレダクターゼ阻害剤、例えば、アトルバスタチンのようなスタチン、
11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(11β-HSD1)阻害剤、例えばR05093151、
IL-1βアンタゴニスト、
IL-6アンタゴニスト、例えばBLX-1002のような混合されたIL-6/IL-1β/TNFαリガンド阻害剤、
IL-10アゴニスト、例えばペグイロデカキン、
抗IL-11抗体またはIL-11アンタゴニスト、
IL-17アンタゴニスト、例えばKD-025、
回腸ナトリウム胆汁酸共輸送体阻害剤、例えばボリキシバット(以前はSHP-626として公知)、
インテグリン阻害剤、例えば選択的αvβ1阻害剤(例えば、PLN-1474またはWilkinsonら著,Eur.J.Pharmacol.,842,239-247(2019年)で総説されているもの)、
ケトヘキソキナーゼ阻害剤、例えばPF-06835919、
レプチンアナログ、例えばメトレレプチン、
5-リポキシゲナーゼ阻害剤、例えば、チペルカストのような混合された5-リポキシゲナーゼ/PDE3/PDE4/PLC阻害剤、
LPL遺伝子刺激因子、例えばアリポジーンチパルボベック、
リシルオキシダーゼホモログ2(LOXL2)阻害剤、例えば、シムツズマブ(以前はGS-6624として公知)のような抗LOXL2抗体、または低分子阻害剤、例えば国際公開第2017/136870号に開示されているもの、
nod様受容体ファミリーピリンドメイン含有3(NLRP3)インフラマソーム低分子阻害剤、例えばMCC950、
オメガ-3多価不飽和脂肪酸およびその誘導体、例えばイコサブテートおよび米国特許第8,735,436B2号に開示されている例、
オキシステロールサルフェート、例えば25-ヒドロキシコレステロール3-サルフェートおよび25-ヒドロキシコレステロール3,25-ジサルフェート、
PDE4阻害剤、例えばASP-9831、
PPARαアゴニスト、例えば混合されたPPARα/δアゴニストのエラフィブラノール(以前はGFT-505として公知)、混合されたPPARα/γ/δアゴニストのラニフィブラノール、または混合されたPPARα/γアゴニストのサログリタザール)、
PPARγアゴニスト、例えばピオグリタゾン、
PPARδアゴニスト、例えばセラデルパール、
Rho関連タンパク質キナーゼ2(ROCK2)阻害剤、例えばKD-025、
ナトリウムグルコース輸送体-2(SGLT2)阻害剤、例えばレモグリフロジンエタボネート、
ナトリウムグルコース輸送体-1/2(SGLT1/2)阻害剤、例えばリコグリフロジン、
ステアロイルCoAデサチュラーゼ-1阻害剤、例えばアラムコールまたはCVT-12805、
甲状腺ホルモン受容体βアゴニスト、例えばMGL-3196またはVK2809、
腫瘍壊死因子α(TNFα)リガンド阻害剤、
トランスグルタミナーゼ阻害剤およびトランスグルタミナーゼ阻害剤前駆体、例えばメルカプタミン、
PTPlb阻害剤、例えばA119505、A220435、A321842、CPT633、ISIS-404173、JTT-551、MX-7014、MX-7091、MX-7102、NNC-521246、OTX-001、OTX-002、またはTTP814、ならびに
カンナビノイド1受容体(CB1)を不活性な立体配座で安定化する抗体のナマシズマブ、
を包含する。
【0072】
いくつかの実施形態では、1つ以上のさらなる治療薬剤は、アセチルサリチル酸、アリポジーンチパルベック、アラムコール、アトルバスタチン、BLX-1002、セニクリビロク、コビプロストン、コレセベラム、エムリカサン、エナラプリル、GFT-505、GR-MD-02、ヒドロクロロチアジド、イコサペントエチルエステル(エチルエイコサペンタエン酸)、IMM-124E、KD-025、リナグリプチン、リラグルチド、メルカプタミン、MGL-3196、オベチコール酸、オレソキシム、ペグイロデカキン、ピオグリタゾン、GS-9674、レモグリフロジンエタボネート、SHP-626、ソリスロマイシン、チペルカスト、TRX-318、ウルソデオキシコール酸、およびVBY-376から選択される。
【0073】
いくつかの実施形態では、1つ以上のさらなる治療薬剤の1つは、アセチルサリチル酸、アリポジーンチパルボベック、アラムコール、アトルバスタチン、BLX-1 002、およびセニクリビロクから選択される。
【0074】
ある実施形態では、本発明は、
タンパク質キナーゼMKK4を阻害すること、
タンパク質キナーゼJNK1およびMKK7よりもタンパク質キナーゼMKK4を選択的に阻害し、肝再生を促進または肝細胞死を防止すること、
急性、急性増悪、または慢性肝疾患を処置すること、
慢性および急性のまたは急性増悪の肝疾患、例えば、B、C、E型肝炎、エプスタイン・バーウイルス、サイトメガロウイルス、単純ヘルペスウイルス、および他のウイルスによって引き起こされる肝炎のような急性および慢性ウイルス性肝炎、全ての型の自己免疫性肝炎、原発性硬化性肝炎、アルコール性肝炎を処置すること;
代謝性肝疾患、例えばメタボリックシンドローム、脂肪肝様非アルコール性脂肪肝(NAFL)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アルコール性脂肪性肝炎(ASH)、ウィルソン病、ヘモクロマトーシス、アルファ1-アンチトリプシン欠乏症、糖原病を処置すること;
全ての型の肝硬変、例えば原発性胆汁性肝硬変、エチル毒性肝硬変、特発性肝硬変を処置すること;
急性(劇症)または慢性肝不全、例えば、アセトアミノフェン(パラセタモール)誘発性肝不全、アルファアマニチン誘発性肝不全、薬剤誘発性肝毒性のような毒性肝不全、および例えば抗生物質、非ステロイド性抗炎症薬、抗痙攣薬によって引き起こされる肝不全、ハーブサプリメント(カバ、エフェドラ、スカルキャップ、ペニーロイヤルなど)によって誘導される急性肝不全、血管性疾患を原因とする肝疾患および不全、例えばバッド・キアリ症候群、未知の起源の急性肝不全、右心不全を原因とする慢性肝疾患を処置すること;
ガラクトース血症、嚢胞性線維症、ポルフィリン症、肝虚血灌流傷害、肝移植後の過小グラフト症候群、原発性硬化性胆管炎、または肝性脳症を処置すること、
変形性関節症、関節リウマチ、またはCNS関連疾患、例えばアルツハイマー病およびパーキンソン病を処置すること、
の方法に関し、
これは、上で定義した化合物または組成物の有効量をそれを必要とする対象に投与することを含む。
【0075】
ある実施形態では、本発明の化合物は、処置されようとする対象の0.2から15mg/kgまたは0.5から12mg/kgの用量で投与される。化合物は1日に1回または数回投与され得る。化合物は4から12週間に渡って投与される。
【0076】
次の例は、それを限定することなしに本発明を例解する。
【実施例
【0077】
略語:
BocO ジ-tert-ブチルオキシカーボネート
CPME シクロペンチルメチルエーテル
DCM ジクロロメタン
4-DMAP 4-ジメチルアミノピリジン
DME ジメチルエーテル
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EtOAc 酢酸エチル
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
KOH 水酸化カリウム
LDA リチウムジイソプロピルアミド
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
NaHCO 炭酸水素ナトリウム
NHCl 塩化アンモニウム
NaSO 硫酸ナトリウム
O/N 一晩
PdCl(PPh ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド
Pd(dppf)Cl DCM 1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)、DCM錯体
Pd(dba) トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
pTSA パラトルエンスルホン酸
PE 石油エーテル
RT 室温
TEA トリエチルアミン
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
キサントホス 4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン
【0078】
例1:N-(3-(5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル)-1-フェニルメタンスルホンアミドの合成
【化9】
【0079】
ステップ1-1:5-ブロモ-3-ヨード-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(II)
5-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン((I)、6.81g、34.4mmol)および水酸化カリウム(KOH、6.75g、120.4mmol)のDMF(45ml)中の撹拌混合物に、ヨウ素(9.60g、37.8mmol)をRTにおいて一度に追加した。短い誘導期間の後に、発熱反応が開始した。1h後に、ヨウ素の追加の1g分を追加し、混合物を45℃で1hに渡って撹拌した。混合物をNaSOの300mLの希溶液に注加し、2N HClで酸性化した。固体を吸引濾過によって集め、水で洗浄し、110℃のオーブンで乾燥させた。収量:10.92g、
分析データ:
HPLC純度:95%、
H NMR(200MHz,DMSO)δ 14.29(s,1H),8.62(s,1H),8.17(s,1H);13C NMR(50MHz,DMSO)δ150.53,150.17,131.86,120.58,112.43,91.95;
MS(ESI):m/z 322.0/324.0[M-H]
【0080】
ステップ1-2:5-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボン酸(III)
5-ブロモ-3-ヨード-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン((II)、10.44g、32.2mmol)をDMF、MeOHおよびトリエチルアミン(TEA、各75ml)と組み合わせた。容器を排気し、アルゴンでフラッシュした(4×)。キサントホス(1.12g、1.93mmol)およびPd(OAc)(217mg、0.97mmol)を追加し、60℃まで加熱しながら一酸化炭素(ギ酸および硫酸から発生した)を溶液中にバブリングした。混合物を一酸化炭素(バルーン)雰囲気下で8hに渡って撹拌した。1.5h毎に、5分間に渡って一酸化炭素を溶液中にバブリングした。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を2N HClでトリチュレーションした。固体を約100mLの1N NaOH中で95℃で一晩(O/N)加熱した。RTに冷却した後に、混合物を濃HClで酸性化し、沈殿物を吸引濾過によって集め、水で洗浄した。固体を110℃のオーブンで一定の質量になるまで乾燥させた。固体を100mLのトルエン中で5分間に渡って超音波処理し、30分間に渡って撹拌した。生成物を濾過し、追加の20mLのトルエンで洗浄し、110℃で乾燥させた。収量:7.92g。
分析データ:
HPLC純度:>99%、
H NMR(200MHz,DMSO)δ 8.64(d,J=7.9Hz,2H),5.69(bs,1H);13C NMR(50MHz,DMSO)δ 163.27,150.97,149.67,136.69,132.65,115.73,113.6;
MS(ESI):m/z 239.9/241.9[M-H]
【0081】
ステップ1-3:5-ブロモ-N-メトキシ-N-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボキサミド(IV)
5-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボン酸((III)、7.91g、32.7mmol)および1,1’-カルボニルジイミダゾール(5.83g、35.9mmol)を200mlのDMF中で60℃において45分間に渡って撹拌した。もたらされた懸濁液にN,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(3.51g、35.9mmol)を追加し、混合物を65℃で4hに渡って撹拌した。溶媒のほとんどを真空下で除去し、残渣に半飽和NaHCO溶液を追加した。固体を吸引濾過によって集め、水で洗浄し、110℃で乾燥させた。収量:7.94g、
分析データ:
HPLC純度:96%、
H NMR(200MHz,DMSO)δ 14.46(s,1H),8.62(d,J=20.4Hz,2H),3.76(s,3H),3.44(s,3H)、
MS(ESI):m/z 283.0/285.0[M-H]
【0082】
ステップ1-4:(3-アミノ-2,6-ジフルオロフェニル)(5-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)メタノン(V)の合成
2,4-ジフルオロアニリン(6.25g、48.4mmol)を50mLの乾燥THFに溶解し、アルゴン雰囲気下で-78℃に冷却した。ヘキサン中の2.5M n-ブチルリチウム(19.4mL、48.4mmol)を滴下した。15分後に、15mLの乾燥THF中の1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタン(10.9g、49.5mmol)を滴下し、混合物を30分間に渡って撹拌した。ヘキサン中の2.5M n-ブチルリチウム(19.4mL、48.4mmol)を滴下し、混合物が1h以内にRTに到達することを許した。-78℃に冷却した後に、ヘキサン中の2.5M n-ブチルリチウム(19.4mL、48.4mmol)を滴下し、-78℃で1hに渡って撹拌した(=溶液A)。
5-ブロモ-N-メトキシ-N-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボキサミド((IV)、6.00g、21.1mmol)を50ml乾燥THFに懸濁し、アルゴン雰囲気下で0℃に冷却した。NaH(鉱油中に60%、0.88g、22.1mmol)を分割して追加し、溶液をRTで1hに渡って撹拌した(=溶液B)。
【0083】
溶液Bを-78℃で溶液Aに滴下した。完全な追加後に、混合物を30分以内にRTに温めた。12mL濃HClを慎重に追加し、混合物を30分間に渡って撹拌した。固体のNaHCOを追加して溶液を中和し、固体を濾別し、THFで洗浄した。濾液を蒸発させ、残渣をMeOHおよび水でトリチュレーションし、110℃で乾燥させた。収量:4.03g;
分析データ:
HPLC純度:97%、
H NMR(200MHz,DMSO-d)δ 14.91(s,1H),8.77(dd,J=5.4,2.1Hz,2H),7.18-6.59(m,2H),5.25(s,2H);13C NMR(50MHz,DMSO)δ 183.95,151.04,150.79,150.27(dd,J=161.0,6.8Hz),145.50(dd,J=167.3,6.8Hz),141.34,133.35(dd,J=12.8,2.6Hz),132.28,117.45(dd,J=8.4,6.5Hz),116.24(dd,J=22.7,19.1Hz),115.55,114.81,111.26(dd,J=21.7,3.5Hz);MS(ESI):m/z 351.1/353.1[M-H]
【0084】
ステップ1-5:N-(3-(5-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(VI)
(3-アミノ-2,6-ジフルオロフェニル)-(5-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)メタノン(579mg、1.64mmol)および4-ジメチルアミノピリジン(4-DMAP、0.401g、3.28mmol)を加熱しながらピリジン(3.31mL、41.0mmol)に溶解した。-10℃に冷却した後に、形成された懸濁液に塩化フェニルメタンスルホニル(406mg、2.13mmol)を追加した。混合物を-10℃で10分間に渡って、RTでもう10分間に渡って撹拌し、次に50℃に温めることおよび30分間に渡る撹拌をした。混合物を減圧下で濃縮し、2N NaOH(2.46mL、4.92mmol)によって戻し、RTで10分間に渡って撹拌した。混合物を水で希釈し、撹拌しながら25mLの2N HClにゆっくり追加した。10分後に、形成された固体を吸引濾過によって集め、水で洗浄し、75℃で乾燥させた(0.590g、1.16mmol、71%収量)。
分析データ:
H NMR(200MHz,CDCl)δ 14.22(s,1H),8.96(s,1H),8.79(d,J=2.2Hz,1H),8.59(d,J=2.1Hz,1H),7.52-7.25(m,6H),6.87(td,J=9.1,1.6Hz,1H),4.32(s,2H);
MS(ESI):m/z 504.7[M-1]
【0085】
ステップ1-6:N-[3-[5-ブロモ-1-(オキサン-2-イル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル]-1-フェニルメタンスルホンアミド(VII)
N-[3-(5-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル]-1-フェニルメタンスルホンアミド(0.419g、0.826mmol)、p-トルエンスルホン酸(p-TSA)一水和物(15.7mg、0.0826mmol)およびジヒドロピラン(0.0904mL、0.991mmol)を4.13mlのDCMに溶解し、1.5hに渡って還流した。冷却後に、混合物をDCMで希釈し、飽和NaHCO溶液で洗浄し、乾燥させ、濾過した。n-ヘプタンを追加し、DCMを除去した。氷浴で冷却した後に、生成物を吸引濾過によって集めた(0.393g、0.6650mmol、80%収量)。
分析データ:
H NMR(200MHz,CDCl)δ 8.88(d,J=1.8Hz,1H),8.68(d,J=1.8Hz,1H),7.62(td,J=9.0,5.6Hz,1H),7.34(s,5H),6.96(t,J=8.1Hz,1H),6.48(s,1H),6.14(dd,J=9.8,2.0Hz,1H),4.39(s,2H),4.03(d,J=11.1Hz,1H),3.90-3.56(m,1H),2.56-2.36(m,1H),2.09-1.46(m,5H);
MS(ESI-):m/z 591.3/589.4[M-H]
【0086】
ステップ1-7:N-[2,4-ジフルオロ-3-[1-(オキサン-2-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]フェニル]-1-フェニルメタンスルホンアミド(VIII)
容器に、N-[3-[5-ブロモ-1-(オキサン-2-イル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル]-1-フェニルメタンスルホンアミド(0.365g、0.617mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(0.313g、1.23mmol)、酢酸カリウム(0.182g、1.85mmol)およびDMF(3.09mL)を仕込んだ。混合物を90℃に加熱し、容器を排気し、アルゴンで満たした(3×)。ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(PdCl(PPh)2、4.33mg、0.00617mmol)を追加し、反応を90℃で4hに渡って撹拌した。冷却後に、反応を濃縮し、EtOAc中に取り、水、半飽和ブラインおよびブラインで洗浄し、乾燥させ、濾過した。濾液に活性炭を追加し、混合物を15分間に渡って還流した。冷却後に、混合物をセライトで濾過し、溶媒を除去した。残渣を小量のDCM中に取り、n-ヘプタンを追加し、DCMを減圧下で除去した。固体を吸引濾過によって集め、n-ヘキサンで洗浄し、生成物を灰白色の固体として乾燥させた(0.298g、0.4670mmol、収量76%)。これはさらなる精製なしに用いた。
分析データ:
H NMR(200MHz,CDCl)δ 9.16(s,1H),8.97(s,1H),7.63(td,J=9.1,5.7Hz,1H),7.34(s,5H),6.96(t,J=8.6Hz,1H),6.45(s,1H),6.23(d,J=8.8Hz,1H),4.39(s,2H),4.12-3.94(m,1H),3.80(t,J=9.9Hz,1H),2.60-2.31(m,1H),2.09-1.55(m,5H),1.39(s,12H)。
【0087】
ステップ1-8:N-(3-(5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル)-1-フェニルメタンスルホンアミド(IX)
容器にN-[2,4-ジフルオロ-3-[1-(オキサン-2-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]フェニル]-1-フェニルメタンスルホンアミド(0.275g、0.431mmol)、5-ブロモ-2-シクロプロピルピリミジン(0.111g、0.560mmol)、PdCl(PPh)(3.02mg、0.00431mmol)および1,4-ジオキサン(1.44mL)を仕込んだ。容器を排気し、アルゴンで満たした(3×)。脱気した3M KCO水溶液(0.431mL、1.29mmol)を追加し、混合物を60℃で1hに渡って撹拌した。冷却後に、反応をEtOAcで希釈し、NHCl溶液で中和した。有機相を乾燥させ、蒸発させ、主生成物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/EtOAc、10から50%)によって単離した。THP保護基を除去するために、単離した生成物を2.5N HCl(3mL)によって1hに渡って還流した。
分析データ:
H NMR(200MHz,DMSO-d)δ 15.01(s,1H),9.86(s,1H),9.12(s,2H),9.08(d,J=2.0Hz,1H),8.90(d,J=2.0Hz,1H),7.60-7.16(m,7H),4.54(s,2H),2.39-2.19(m,1H),1.27-1.04(m,4H)。
MS(ESI):m/z 545.5[M-H]
【0088】
例2:N-(3-(5-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,6-ジフルオロフェニル)メタンスルホンアミドの合成
【化10】
【0089】
ステップ2-1:N-[3-(5-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,6-ジフルオロフェニル]メタンスルホンアミド
(3-アミノ-2,4-ジフルオロフェニル)(5-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)メタノン(1.29g、3.65mmol)を18mlのTHFおよび5.09mlのTEA(36.5mmol、10eq.)に溶解した。混合物を温めて完全な溶解を達成した。それから、溶液を0℃に冷却し、次に0.99mlの塩化メシル(12.8mmol、3.5eq.)の追加をした。10min後に、混合物がRTまで温まることを許し、12mlの2N KOHを追加し、混合物を10minに渡って撹拌した。3NのHClによる酸性化後に、THFを減圧下で除去し、固体を吸引濾過によって集め、3N HCl/MeOH(1+1)で洗浄し、乾燥させた(1.46g、93%)。
分析データ:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 14.87(s,1H),9.75(s,1H),8.71(d,J=13.9Hz,2H),7.85(d,J=6.6Hz,1H),7.39(t,J=8.5Hz,1H),3.12(s,3H)。
MS(ESI):m/z 431.1/429.1[M-H],411.1/409.1[M-H-HF]
【0090】
ステップ2-2:N-[3-[5-ブロモ-1-(オキサン-2-イル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]-2,6-ジフルオロフェニル]メタンスルホンアミド
ジヒドロピラン(0.614mL、6.73mmol)およびN-[3-(5-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,6-ジフルオロフェニル]メタンスルホンアミド(1.45g、3.36mmol)の16.8mL DCM中の懸濁液に、p-TSA一水和物(64.0mg、0.336mmol)を追加し、混合物を1hに渡って還流した。混合物をDCMで希釈し、飽和NaHCO溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣を小量のアセトン中に取り、撹拌しながらジエチルエーテル中に移した。生成物を吸引濾過によって集め、ジエチルエーテルで洗浄して、生成物を白色粉末として生じた(1.07g、2.08mmol、62%収量)。
分析データ:
H NMR(200MHz,DMSO-d)δ 9.78(s,1H),8.80(dd,J=13.4,1.6Hz,2H),7.88(dd,J=14.6,7.8Hz,1H),7.43(t,J=9.0Hz,1H),6.14(d,J=8.6Hz,1H),3.94(d,J=11.6Hz,1H),3.72(dd,J=14.6,9.1Hz,1H),3.13(s,3H),2.46-2.19(m,1H),2.00-1.18(m,5H);
MS(ESI):m/z 515.2/513.2[M-H]
【0091】
ステップ2-3:N-[3-[5-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]-2,6-ジフルオロフェニル]メタンスルホンアミド
容器にN-[3-[5-ブロモ-1-(オキサン-2-イル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]-2,6-ジフルオロフェニル]メタンスルホンアミド(119mg、0.231mmol)、(4-クロロフェニル)ボロン酸(36.1mg、0.231mmol)、PdCl(PPh)(3.24mg、0.00462mmol)を仕込み、アルゴンでパージした。脱気した1,4-ジオキサン(0.770mL)および脱気したフッ化カリウム(95.7mg、0.693mmol)を追加し、反応を60℃で15分間に渡って撹拌した。冷却後に、EtOAcおよびNHCl溶液を追加し、水相を捨てた。有機相をNaSOで乾燥させ、濃縮し、残渣をEtOH中の2.5N HCl(3mL)中に取り、60℃でO/N撹拌した。3mlのイソプロパノールを追加し、固体を遠心によって集め、溶媒を捨てた。固体をTHF/NaHCO溶液中に取り、振盪した。有機相を乾燥させ、溶媒を蒸発させ、残渣をDCMによってトリチュレーションした(収量:44.0mg、0.0941mmol、41%)。
分析データ:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ14.82(s,1H),9.75(s,1H),9.00(d,J=2.2Hz,1H),8.76(d,J=2.2Hz,1H),7.90-7.81(m,3H),7.61-7.57(m,2H),7.40(t,J=8.4Hz,1H),3.11(s,3H);
計算精密質量:462.04,MS(ESI):m/z:461.0[M-1]
【0092】
例3:N-(3-(5-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,6-ジフルオロフェニル)エタンスルホンアミドの合成
例2と類似に、N-(3-(5-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,6-ジフルオロフェニル)エタンスルホンアミドを調製した。
分析データ:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 9.00(d,J=2.2Hz,1H),8.76(d,J=2.2Hz,1H),7.84(dd,J=13.4,8.4Hz,3H),7.60(d,J=8.6Hz,2H),7.38(t,J=8.6Hz,1H),3.17(q,J=7.3Hz,2H),1.32(t,J=7.3Hz,3H)
計算精密質量:476.05、MS(ESI);m/z:474.9[M-1]
【0093】
例4:エチル4-(3-(2,4-ジフルオロ-3-(メチルスルホンアミド)ベンゾイル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル)ベンゾエートの合成
【化11】
【0094】
ステップ4-1:4-[3-[2,4-ジフルオロ-3-(メタンスルホンアミド)ベンゾイル]-1-(オキサン-2-イル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル]安息香酸
N-[3-[5-ブロモ-1-(オキサン-2-イル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]-2,6-ジフルオロフェニル]メタンスルホンアミド((I)、355mg、0.689mmol)および4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)安息香酸(188mg、0.758mmol)XPhos Pd G3((2-ジシクロ-ヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホネート、アルドリッチから市販、17.5mg、0.0207mmol)を、脱気した1,4-ジオキサン(2.30mL)および1.5M炭酸カリウム(2.07mL、3.10mmol)中で組み合わせた。反応を排気し、アルゴンでフラッシュした(3×)。XPhos Pd G3(17.5mg、0.0207mmol)を追加し、反応を60℃(油浴温度)で3hに渡って撹拌した。冷却後に、混合物を2N HClで酸性化し、EtOAcで抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム(NaSO)で乾燥させ、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM+MeOH、3%から25%)によって精製し、n-ヘキサンによってトリチュレーションした(276mg、0.4960mmol、72%収量)。
【0095】
ステップ4-2:エチル5-(3-(2,4-ジフルオロ-3-(メチルスルホンアミド)ベンゾイル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル)ベンゾアート
50mg(II)(0.09mmol)を300μlのHSOおよび800μlのEtOHの混合物に溶解し、75℃で16hに渡って撹拌した。混合物がRTまで冷却することを許した後に、それをNaHCO水溶液に注加し、遠心によって沈殿を集め、水およびジエチルエーテルで洗浄した(22mg、46%、化学純度(HPLC/UV):95%)。
分析データ:
H NMR(400MHz,DMSO)δ 14.86(s,1H),9.76(s,1H),9.06(s,1H),8.83(s,1H),8.10(d,J=7.8Hz,2H),8.04-7.94(m,2H),7.87(dd,J=14.5,7.6Hz,1H),7.40(t,J=8.8Hz,1H),4.35(q,J=7.0Hz,2H),3.11(s,3H),1.35(t,J=7.1Hz,3H);
計算精密質量:500.10、MS(ESI):m/z:499.4[M-1]
【0096】
例5:メチル5-(3-(2,4-ジフルオロ-3-(メチルスルホンアミド)ベンゾイル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル)ピコリネートの合成
【化12】
【0097】
ステップ5-1:N-[2,6-ジフルオロ-3-[1-(オキサン-2-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]フェニル]メタンスルホンアミド
容器にN-[3-[5-ブロモ-1-(オキサン-2-イル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]-2,6-ジフルオロフェニル]メタンスルホンアミド((I)、0.630g、1.22mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(341mg、1.34mmol)、無水酢酸カリウム(360mg、3.67mmol)、および乾燥1,4-ジオキサン(4.08mL)を仕込んだ。容器を排気し、アルゴンで満たした(3×)。1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-フェロセン-ジクロロパラジウム(DCMとの1:1錯体)(Pd(dppf)Cl、17.9mg、0.0245mmol)を追加し、反応を80℃でO/N撹拌した。冷却後に、EtOAcを追加し、懸濁液を30分間に渡って撹拌し、セライトで濾過した。溶媒を濃縮し、n-ヘプタンを追加し、固体を吸引濾過によって集め、ヘキサンで洗浄し、乾燥させた(0.690g、1.23mmol、100%収量)。
【0098】
ステップ5-2:メチル5-(3-(2,4-ジフルオロ-3-(メチルスルホンアミド)ベンゾイル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル)ピコリネート
容器にN-[2,6-ジフルオロ-3-[1-(オキサン-2-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]フェニル]メタンスルホンアミド((II)、116mg、0.206mmol)、メチル5-ブロモピリジン-2-カルボキシレート(49.0mg、0.227mmol)、フッ化カリウム(36.0mg、0.619mmol)、Pd(dppf)Cl DCM(8.42mg、0.0103mmol)および脱気した1,4-ジオキサン/水(4+1)(0.6mL)を仕込み、容器を排気し、アルゴンで満たした(3x)。混合物を50℃でO/N撹拌し、それからEtOAcで希釈し、ブラインで洗浄し、溶媒を除去した。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM+EtOAc、0%から20%)によって単離した;81.0mgの白色固体(0.1420mmol、69%収量)。
【0099】
ステップ5-3:メチル5-(3-(2,4-ジフルオロ-3-(メチルスルホンアミド)ベンゾイル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル)ピコリネート
メチル5-[3-[2,4-ジフルオロ-3-(メタンスルホンアミド)ベンゾイル]-1-(オキサン-2-イル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル]ピリジン-2-カルボキシレート((III)、60.0mg、0.105mmol)のメタノール(0.525mL)中の溶液に、メタンスルホン酸(0.0273mL、0.420mmol)を追加し、混合物を65℃で1.5hに渡って撹拌した。混合物をRTに冷却し、ジエチルエーテル(15mL)にゆっくり追加した。固体を吸引濾過によって集め、ジエチルエーテルで洗浄し、真空中で乾燥させた;36.0mgの白色固体(0.0739mmol、70%収量)。
分析データ:
H NMR(200MHz,CDCl)δ 14.90(s,1H),9.74(s,1H),9.16(dd,J=12.4,1.9Hz,2H),8.93(d,J=2.0Hz,1H),8.47(dd,J=8.2,2.3Hz,1H),8.19(d,J=8.3Hz,1H),7.88(dd,J=14.8,7.7Hz,1H),7.41(t,J=8.7Hz,1H),3.93(s,3H),3.12(s,3H);
計算精密質量:487.08;MS(ESI):m/z:510.4[M+Na
【0100】
例6:N-(2,6-ジフルオロ-3-(5-(ピリミジン-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)フェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
【化13】
【0101】
ステップ6-1:N-[3-(5-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,6-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド
(3-アミノ-2,4-ジフルオロフェニル)-(5-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)メタノン((I)、65.0g、184mmol)およびTEA(282mL、2020mmol)のTHF(614mL)中の懸濁液に、1-プロパンスルホニルクロリド(68.4mL、607mmol)およびDCMの1:1(v/v)混合物を-10℃で滴下した。温度は-5℃よりも下に保った。完全な追加後に、混合物を0℃で1hに渡って撹拌した。2N NaOH(736mL、1470mmol)を追加し、混合物を室温でもう30分間に渡って撹拌した。THFおよびTEAを減圧下において45℃で混合物から蒸発させた。溶液を20℃に冷却し、旋回させながら(振盪なし)EtOAc(4×300mL)で慎重に洗浄した。残留EtOAcを減圧下で除去し、効率的な撹拌をしながら、溶液を3N HCl(736mL、2210mmol)にゆっくり追加した。固体を吸引濾過によって集め、多量の水で洗浄し、100℃で乾燥させて、N-[3-(5-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,6-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド(73.9g、161mmol、87%収量)を灰白色固体として生じた。
【0102】
ステップ6-2:N-[3-[5-ブロモ-1-(オキサン-2-イル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]-2,6-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド
(II)(70.7g、154mmol)のDCM(440mL)中の懸濁液にp-TSA一水和物(2.93g、15.4mmol)およびジヒドロピラン(15.5mL、169mmol)を追加し、混合物を1hに渡って還流した。冷却後に、混合物を200mLのDCMで希釈し、飽和NaHCO溶液およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、蒸発させた。油状残渣を温かい(45℃)MeOH(150mL)中に取り、先の合成からの種結晶を追加し、混合物をRTで撹拌した。観察された沈殿の後に、混合物を冷MeOHで希釈し、懸濁液を2hに渡って-20℃に冷却し、固体を吸引濾過によって集め、-20℃で50mLのMeOHで洗浄した。生成物を真空オーブンによって50℃で乾燥させて、N-[3-[5-ブロモ-1-(オキサン-2-イル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]-2,6-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド(73.4g、135mmol、収量88%)を生じた。
【0103】
ステップ6-3:N-[2,6-ジフルオロ-3-[1-(オキサン-2-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]フェニル]プロパン-1-スルホンアミド
容器にN-[3-[5-ブロモ-1-(オキサン-2-イル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]-2,6-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド((III)、4.74g、8.72mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(4.65g、18.3mmol)および無水酢酸カリウム(2.57g、26.2mmol)を仕込んだ。容器を排気し、アルゴンで満たした(3×)。乾燥DMF(29.1mL)を追加し、混合物を90℃に加熱した。容器を排気し、再びアルゴン(3×)で満たした。PdCl(PPh(30.6mg、0.0436mmol)をアルゴン流下で追加し、容器を密閉し、反応を90℃で4hに渡って撹拌した。冷却後に、反応を減圧下で濃縮し、残渣をおよそ50mlのEtOAc中に取り、水、半飽和NaCl溶液およびブラインで洗浄した。乾燥後に、抽出物を濾過し、活性炭を追加し、混合物を15分間に渡って還流温度に加熱した。冷却後に、混合物をセライトで濾過し、n-ヘプタン(50mL)を濾液に追加し、溶媒を除去した。固体をn-ヘキサン(100mL)中で30分間に渡って撹拌し、生成物を吸引濾過によって集めた。乾燥後に、N-[2,6-ジフルオロ-3-[1-(オキサン-2-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]フェニル]プロパン-1-スルホンアミド(4.37g、7.4mmol、85%収量)を無色固体として得た。
【0104】
ステップ6-4:N-[2,6-ジフルオロ-3-(5-ピリミジン-5-イル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)フェニル]プロパン-1-スルホンアミド
容器に、N-[2,6-ジフルオロ-3-[1-(オキサン-2-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]フェニル]プロパン-1-スルホンアミド((IV)、120mg、0.203mmol)、5-ブロモピリミジン(35.5mg、0.224mmol)、フッ化カリウム(35.4mg、0.610mmol)、PdCl(PPh(3.32mg、0.00406mmol)、および脱気した1,4-ジオキサン/水(0.5mL、(4+1))を仕込んだ。容器を排気し、アルゴン(3×)で満たし、2hに渡って60℃に加熱した。反応を濃HCl(0.3mL)で酸性化し、MeOH(0.2mL)で希釈し、60℃にO/N加熱した。もう0.3mLの濃HClを追加し、撹拌を4hに渡って続けた。冷却後に、混合物を水で希釈し、NaHCO溶液で中和し、THFで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH、2%から8%)によって精製し、アセトンでトリチュレーションして、N-[2,6-ジフルオロ-3-(5-ピリミジン-5-イル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)フェニル]プロパン-1-スルホンアミド(35.0mg、0.0741mmol、36%収量)を生じた。
分析データ:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 14.87(s,1H),9.71(s,1H),9.28(d,J=10.4Hz,3H),9.10(d,J=2.2Hz,1H),8.94(d,J=2.2Hz,1H),7.87(dd,J=14.7,7.6Hz,1H),7.40(t,J=8.6Hz,1H),3.20-3.07(m,2H),1.89-1.71(m,2H),0.99(t,J=7.4Hz,3H);
計算精密質量:C2016Sとして458.10(分子量:458.44);
MS(ESI):m/z:456.9[M-1]
【0105】
例7:N-(2,6-ジフルオロ-3-(5-(2-メチルピリミジン-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)フェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
【化14】
【0106】
容器にN-[2,6-ジフルオロ-3-[1-(オキサン-2-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]フェニル]プロパン-1-スルホンアミド(120mg、0.203mmol)、5-ブロモ-2-メチルピリミジン(38.7mg、0.224mmol)、フッ化カリウム(35.4mg、0.610mmol)、Pd(dppf)Cl・DCM(3.32mg、0.00406mmol)、および脱気した1,4-ジオキサン/水(0.5mL、(4+1))を仕込んだ。容器を排気し、アルゴン(3×)で満たし、2hに渡って60℃に加熱した。混合物を濃HCl(0.3mL))で酸性化し、MeOH(0.2mL)で希釈し、60℃にO/N加熱した。もう0.3mLの濃HClを追加し、撹拌を3hに渡って続けた。冷却後に、混合物をEtOAcおよび水で希釈した。有機相を蒸発させ、生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
分析データ:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 14.82(s,1H),9.66(s,1H),9.16(s,2H),9.06(d,J=2.1Hz,1H),8.89(d,J=2.2Hz,1H),7.86(dd,J=14.6,7.6Hz,1H),7.40(t,J=8.7Hz,1H),3.15(dd,J=8.7,6.5Hz,2H),2.70(s,3H),1.81(dq,J=14.9,7.4Hz,2H),0.99(t,J=7.5Hz,3H);
計算精密質量:C2118Sとして472.11(分子量:472.47)。
MS(ESI):m/z:471.0[M-1]
【0107】
例8:5-(3-(2,4-ジフルオロ-3-(プロピルスルホンアミド)ベンゾイル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル)ピリミジン-2-カルボン酸の合成
【化15】
【0108】
ステップ8-1:メチル5-(3-(2,4-ジフルオロ-3-(プロピルスルホンアミド)ベンゾイル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル)ピリミジン-2-カルボキシレート
容器にN-[2,6-ジフルオロ-3-[1-(オキサン-2-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]フェニル]プロパン-1-スルホンアミド((I)、134mg、0.227mmol)、メチル5-ブロモピリミジン-2-カルボキシレート(54.2mg、0.250mmol)、フッ化カリウム(39.6mg、0.681mmol)、Pd(dppf)Cl DCM(3.71mg、0.00454mmol)、および脱気した1,4-ジオキサン/水(0.5mL、(4+1))を仕込んだ。容器を排気し、アルゴン(3×)で満たし、2hに渡って60℃に加熱した。NHCl溶液およびEtOAcを追加し、混合物をセライトで蒸発させた。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/EtOAc、30%から100%)によって単離した;121mg固体(0.2010mmol、89%収量)。
【0109】
ステップ8-2:5-(3-(2,4-ジフルオロ-3-(プロピルスルホンアミド)ベンゾイル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル)ピリミジン-2-カルボン酸
メチル5-[3-[2,4-ジフルオロ-3-(プロピルスルホニルアミノ)ベンゾイル]-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル]ピリミジン-2-カルボキシレート((II)、87.0mg、0.1640mmol、82%収量)を3mLのEtOH中の2.5M HCl中に取り、1hに渡って還流した。溶媒を真空下で除去し、残渣を2mLのMeOHおよび2mLの2N NaOH中に取り、1hに渡って還流した。冷却後に、混合物を1NのHClでpH3に酸性化し、ブラインを追加し、混合物をTHFおよびTHF/EtOAc(1:1)で抽出した。抽出物をブライン(いくらかの1N塩酸で酸性化された)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過した。溶媒を除去して、5-[3-[2,4-ジフルオロ-3-(プロピルスルホニルアミノ)ベンゾイル]-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル]ピリミジン-2-カルボン酸(87.0mg、0.1640mmol、82%収量)を生じた。
分析データ:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 14.94(s,1H),9.68(d,J=4.6Hz,1H),9.45(s,2H),9.16(d,J=1.7Hz,1H),9.04(s,1H),7.88(dd,J=14.5,7.9Hz,1H),7.41(t,J=8.9Hz,1H),3.15(dd,J=8.7,6.6Hz,3H),1.87-1.77(m,2H),1.00(t,J=7.5Hz,3H);
計算精密質量:C2116Sとして502.09(分子量:502.45)。
MS(ESI):m/z:501.0[M-1]
【0110】
例9:N-(3-(5-(2-シアノピリミジン-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,6-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
【化16】
【0111】
ステップ9-1:N-[3-[5-(2-シアノピリミジン-5-イル)-1-(オキサン-2-イル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]-2,6-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド
容器にN-[2,6-ジフルオロ-3-[1-(オキサン-2-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]フェニル]プロパン-1-スルホンアミド((I)、398mg、0.674mmol)、5-ブロモピリミジン-2-カルボニトリル(136mg、0.741mmol)、フッ化カリウム(117mg、2.02mmol)、PdCl(PPh(11.8mg、0.0169mmol)および脱気したジオキサン/水(4+1、2.5mL)を仕込んだ。容器を排気し、アルゴン(3×)で満たし、2hに渡って60℃に加熱した。冷却後に、反応混合物をNHCl溶液で希釈し、EtOAcで抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/EtOAc、5%から30%)によって精製して、N-[3-[5-(2-シアノピリミジン-5-イル)-1-(オキサン-2-イル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]-2,6-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド(270mg、0.4760mmol、71%収量)を生じた。
【0112】
ステップ9-2:N-[3-[5-(2-シアノピリミジン-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]-2,6-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド
N-[3-[5-(2-シアノピリミジン-5-イル)-1-(オキサン-2-イル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]-2,6-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド((II)、50.0mg、0.0881mmol)を1mLのTFA中でRTにおいて5hに渡って撹拌した。混合物を濃縮し、水中に取り、1NのNaOHを用いてpHを4に調整した。水相をEtOAcで抽出し、抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、蒸発させた。残渣をジエチルエーテルでトリチュレーションして、N-[3-[5-(2-シアノピリミジン-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]-2,6-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド(27.0mg、0.0542mmol、61%収量)を生じた。
分析データ:
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ 14.98(s,1H),9.68(s,1H),9.55(s,2H),9.31(s,1H),9.17(d,J=2.2Hz,1H),9.08(d,J=2.1Hz,1H),7.88(dd,J=14.5,7.8Hz,1H),7.41(t,J=8.8Hz,1H),3.19-3.10(m,2H),1.86-1.74(m,2H),1.00(t,J=7.5Hz,3H);
計算精密質量:C2115Sとして483.09(分子量:483.45)。
MS(ESI):m/z:482.0[M-1]
【0113】
例10:N-(3-(5-(2-(1H-テトラゾール-5-イル)ピリミジン-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,6-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
【化17】
【0114】
Vorona,S.ら(Synthesis-Stuttgart第46巻(6):781-786(2014年))から改変し、N-[3-[5-(2-シアノピリミジン-5-イル)-1-(オキサン-2-イル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]-2,6-ジフルオロフェニル]-プロパン-1-スルホンアミド(75.0mg、0.132mmol)、臭化亜鉛(29.8mg、0.132mmol)およびアジ化ナトリウム(9.45mg、0.145mmol)を1-プロパノール(0.661mL)中で2hに渡って95℃に加熱した。反応を冷却し、0.25NのNaOH(2.64mL、0.661mmol)を追加し、n-プロパノールを減圧下で除去し、懸濁液をRTで15分間に渡って撹拌した。混合物を濾過し、フィルターを0.25N NaOH(2.64mL、0.661mmol)で洗浄した。濾液を2N HClで酸性化し、EtOAcで抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、蒸発させた。残渣をEtOH中の2.5NのHCl(2mL)中に取り、2hに渡って70℃に加熱した。反応を濃縮し、ジエチルエーテルで希釈し、固体を吸引濾過によって集めて、N-[2,6-ジフルオロ-3-[5-[2-(1H-テトラゾール-5-イル)ピリミジン-5-イル]-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]フェニル]プロパン-1-スルホンアミド塩酸塩(44.0mg、0.0782mmol、59%収量)を生じた。
分析データ:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 14.96(s,1H),9.68(s,1H),9.57(s,2H),9.22(d,J=2.1Hz,1H),9.08(d,J=2.1Hz,1H),7.88(dd,J=14.8,7.6Hz,1H),7.41(t,J=8.5Hz,1H),3.21-3.09(m,2H),1.89-1.72(m,2H),1.00(t,J=7.4Hz,3H);
計算精密質量:C211610Sとして526.11(分子量:526.48);
MS(ESI-):m/z:525.0[M-1]
【0115】
例11:N-(3-(5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,6-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
【化18】
【0116】
容器にN-[2,6-ジフルオロ-3-[1-(オキサン-2-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]フェニル]プロパン-1-スルホンアミド(176mg、0.298mmol)、5-ブロモ-2-シクロプロピルピリミジン(65.3mg、0.328mmol)、フッ化カリウム(52.0mg、0.894mmol)、PdCl(PPh(4.18mg、0.00596mmol)、および脱気した1,4-ジオキサン/水(1mL、(4+1))を仕込んだ。容器を排気し、アルゴン(3×)で満たし、2hに渡って60℃に加熱した。冷却後に、混合物を飽和NHCl溶液およびEtOAcの間で分配し、有機相をNaSOで乾燥し、蒸発させた。最大の生成物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/EtOAc、20%から80%)によって単離し、2mLのEtOH中の2.5NのHCl中に取り、2hに渡って還流した。反応混合物を濃縮し、固体をEtOAcでトリチュレーションして、N-[3-[5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]-2,6-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド塩酸塩(55.0mg、0.1030mmol、34%収量)を生じた。
分析データ:
H NMR(400MHz,DMSO)δ 14.90(s,1H),9.68(s,1H),9.11(s,2H),9.04(d,J=2.2Hz,1H),8.87(d,J=2.2Hz,1H),7.86(dd,J=14.9,7.6Hz,1H),7.40(t,J=8.5Hz,1H),3.20-3.10(m,2H),2.35-2.26(m,1H),1.86-1.74(m,2H),1.16-1.04(m,4H),0.99(t,J=7.5Hz,3H);
計算精密質量:498.13;C2320Sとして(分子量:498.51);
MS(ESI):m/z:497.0[M-1]
【0117】
例12:N-(3-(5-(2-クロロピリミジン-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,6-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
【化19】
【0118】
容器にN-[2,6-ジフルオロ-3-[1-(オキサン-2-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]フェニル]プロパン-1-スルホンアミド(120mg、0.203mmol)、5-ブロモ-2-クロロピリミジン(43.2mg、0.224mmol)、フッ化カリウム(35.4mg、0.610mmol)、Pd(dppf)Cl DCM(3.32mg、0.00406mmol)、および脱気した1,4-ジオキサン/水(0.5mL、(4+1))を仕込んだ。容器を排気し、アルゴン(3×)で満たし、2hに渡って60℃に加熱した。冷却後に、混合物を飽和NHCl溶液およびEtOAcの間で分配し、有機相をNaSOで乾燥し、蒸発させた。残渣を1mLのDCMおよび1mLのTFA中に取り、O/N撹拌した。混合物を水に注加し、EtOAcで抽出し、抽出物をNHCl溶液で洗浄し、NaSOで乾燥し、蒸発させた。生成物をフラッシュクロマトグラフィーで精製した(溶媒:MeOH;溶媒系としてDCM/EtOAc、20%から80%による。生成物はカラムから溶出しなかった)。生成物を含有する画分を蒸発させて乾燥し、残渣をトルエンおよびMeOHでトリチュレーションした。HPLCは87%のみの純度を明らかにした。固体をDCM、MeCNおよびジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させた(33.0mg、0.0596mmol、29%収量)。
分析データ:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 14.92(s,1H),9.67(s,1H),9.28(s,2H),9.09(d,J=2.1Hz,1H),8.98(d,J=2.2Hz,1H),7.87(dd,J=14.9,7.6Hz,1H),7.40(t,J=8.7Hz,1H),3.22-3.10(m,2H),1.86-1.74(m,2H),1.00(t,J=7.5Hz,3H);
計算精密質量:C2015ClFSとして492.06(分子量:492.89)。
MS(ESI):m/z:490.9[M-1]
【0119】
例13:N-(3-(5-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,4,6-トリフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
【化20】
【0120】
ステップ13-1:(3-アミノ-2,4,6-トリフルオロフェニル)-(5-ブロモ -1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)メタノン
2,4,6-トリフルオロアニリン(941mg、6.40mmol)およびクロロトリメチルシラン(1.62mL,12.8mmol)のTHF(5.82mL)中の溶液を-78℃に冷却し、THF/ヘプタン/エチルベンゼン中の2Mリチウムジイソプロピルアミド(6.40mL、12.8mmol)を滴下した。混合物をRTに温め、30分間に渡って撹拌した。5-ブロモ-N-メトキシ-N-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボキサミド(829mg、2.91mmol)を追加し、混合物を-30℃に冷却した。THF/ヘプタン/エチルベンゼン中のリチウムジイソプロピルアミド(4.65mL、9.30mmol)を滴下し、混合物を-15℃で20分間に渡って撹拌した。濃HCl(3mL)を追加し、混合物をRTで10分間に渡って撹拌した。反応を2NのNaOHで中和し、水相を分離し、THFで抽出した。組み合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/EtOAc、0%~25%)で精製し、小量のDCMでトリチュレーションして、(3-アミノ-2,4,6-トリフルオロフェニル)-(5-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)メタノン(0.423g、1.14mmol、39%収量)を明黄色固体として生じた。
分析データ:
H-NMR(200MHz,CDCl)δ 14.96(s,1H),8.77(d,J=2.8Hz,3H),7.21(t,J=10Hz,2H),5.33(s,4H)。
MS(ESI):m/z=370.8/368.8[M-H],350.8/348.8[M-H-HF]
【0121】
ステップ13-2:N-[3-(5-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,4,6-トリフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド
(3-アミノ-2,4,6-トリフルオロフェニル)-(5-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)メタノン(0.378g、1.02mmol)およびTEA(1.56mL、11.2mmol)のTHF(5.09mL)中の溶液に、1mLのTHF中の1-プロパンスルホニルクロリド(0.378mL、3.36mmol)を-10℃でゆっくり追加した。反応を0℃で30分間に渡って撹拌し、2NのNaOH(4.07mL、8.15mmol)を追加した。RTで10分間に渡って撹拌した後に、THFを混合物から蒸発させ、水溶液をEtOAcで洗浄した。溶液を2NのHClで酸性化し、EtOAcで抽出した。抽出物をNaSOで乾燥させ、蒸発させ、残渣をn-ヘキサンでトリチュレーションして、N-[3-(5-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,4,6-トリフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド(0.344g、0.7210mmol、71%収量)を生じた。
分析データ:
H NMR(200MHz,DMSO-d)δ 8.78(dd,J=5.7,2.2Hz,2H),7.57(td,J=9.8,2.0Hz,1H),3.18-3.05(m,3H),1.90-1.68(m,2H),0.98(t,J=7.4Hz,3H);
MS(ESI):476.8/474.8[M-H],456.9/454.9[M-H-HF]
【0122】
ステップ13-3:N-[3-[5-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4 -b]ピリジン-3-カルボニル]-2,4,6-トリフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド
マイクロ波容器にN-[3-(5-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,4,6-トリフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド(78.0mg、0.163mmol)、(4-クロロフェニル)ボロン酸(26.8mg、0.172mmol)を仕込み、アルゴンでパージした。脱気した1,4-ジオキサン(0.545mL)および脱気した1.5M炭酸カリウム水溶液(0.327mL、0.490mmol)を追加し、反応を1hに渡ってマイクロ波照射下で110℃に加熱した。反応をNHCl溶液およびEtOAcの間で分配し、有機相を蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/EtOAc、5%から35%)で精製し、DCMおよびn-ヘキサンの混合物でトリチュレーションして、N-[3-(5-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]-2,4,6-トリフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド(44.0mg、0.0865mmol、53%収量)を生じた。
分析データ:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 14.97(s,1H),9.66(s,1H),9.04(d,J=2.2Hz,1H),8.77(d,J=2.2Hz,1H),8.05-7.69(m,2H),7.71-7.44(m,3H),3.21-3.02(m,2H),1.92-1.62(m,2H),0.99(t,J=7.4Hz,3H);
計算精密質量:C2216ClFSとして508.06(分子量:508.90);
MS(ESI):m/z:507.0[M-1]
【0123】
例14:N-(3-(5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,6-ジフルオロフェニル)-1-フェニルメタンスルホンアミドの合成
例14は例11と類似に合成した。
【化21】

分析データ:
H NMR(400MHz,dmso)δ 15.02-14.46(m,1H),9.77(s,1H),9.10(s,2H),9.05(d,J=2.1Hz,1H),8.88(d,J=2.1Hz,1H),7.86(dd,J=14.3,7.5Hz,1H),7.46-7.34(m,6H),4.51(s,2H),2.35-2.24(m,1H),1.15-1.06(m,4H)。
計算精密質量:C2720Sとして546.13(分子量:546.55)
MS(ESI):m/z 546.0[M+H]
【0124】
例15:N-(2,6-ジフルオロ-3-(5-(2-メトキシピリミジン-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)フェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
例15は例7と類似に合成した。
【化22】

分析データ:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 14.87(s,1H),9.67(s,1H),9.09(s,2H),9.04(d,J=1.7Hz,1H),8.86(d,J=1.6Hz,1H),7.86(dd,J=14.3,7.6Hz,1H),7.40(t,J=8.8Hz,1H),4.00(s,3H),3.19-3.09(m,2H),1.81(td,J=14.8,7.3Hz,2H),0.99(t,J=7.3Hz,3H)。
計算精密質量:C2118Sとして488.11(分子量:488.47)
MS(ESI):m/z 489.05[M+H]
【0125】
例16:N-(2,6-ジフルオロ-3-(5-(2-ヒドロキシピリミジン-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)フェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
例16は例7と類似に合成した。
【化23】

分析データ:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 14.78(s,1H),12.38(s,1H),9.66(s,1H),8.95(s,1H),8.77(s,1H),8.49(s,2H),7.85(dd,J=14.7,7.7Hz,1H),7.39(t,J=9.0Hz,1H),3.18-3.11(m,2H),1.81(td,J=14.8,7.3Hz,2H),1.00(t,J=7.4Hz,3H)。
計算精密質量:C2016Sとして474.09(分子量:474.44)
MS(ESI):m/z 475.00[M+H]
【0126】
例17:N-(3-(5-(3-クロロピリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,6-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
例17は例7と類似に合成した。
【化24】

分析データ:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 15.05-14.58(m,1H),9.66(s,1H),8.83(s,2H),8.76(d,J=1.6Hz,1H),8.68(d,J=4.8Hz,1H),7.87(dd,J=14.3,8.0Hz,1H),7.70(d,J=4.9Hz,1H),7.40(t,J=8.9Hz,1H),3.19-3.10(m,2H),1.81(dq,J=14.8,7.3Hz,2H),1.00(t,J=7.4Hz,3H)。
計算精密質量:C2116ClFSとして491.06(分子量:491.90)
MS(ESI):m/z 491.95[M+H]
【0127】
例18:N-(2,6-ジフルオロ-3-(5-(3-メチルピリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)フェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
例18は例7と類似に合成した。
【化25】

分析データ:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 14.82(s,1H),9.88-9.37(m,1H),8.75(d,J=1.9Hz,1H),8.56(d,J=1.6Hz,1H),8.55(d,J=0.9Hz,1H),7.85(dd,J=14.7,7.5Hz,1H),7.78(d,J=7.6Hz,1H),7.39(dd,J=10.8,5.9Hz,2H),3.17-3.11(m,2H),2.48(s,3H),1.81(dq,J=14.9,7.4Hz,2H),1.00(t,J=7.4Hz,3H)。
計算精密質量:C2219Sとして471.12(分子量:471.48)
MS(ESI):m/z 471.9[M+H]
【0128】
例19:N-(3-(5-(4-(tert-ブチル)フェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,6-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
例19は例7と類似に合成した。
【化26】

分析データ:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 14.78(s,1H),9.67(s,1H),9.00(d,J=2.1Hz,1H),8.73(d,J=2.1Hz,1H),7.86(dd,J=14.7,7.6Hz,1H),7.75(d,J=8.3Hz,2H),7.57(d,J=8.4Hz,2H),7.40(t,J=8.8Hz,1H),3.18-3.12(m,2H),1.81(td,J=15.0,7.4Hz,2H),1.34(s,9H),1.00(t,J=7.4Hz,3H)。
計算精密質量:C2626Sとして512.17(分子量:512.56)
MS(ESI):m/z 513.0[M+H]
【0129】
例20:N-(3-(5-(2-クロロ-4-メトキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,6-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
例20は例7と類似に合成した。
【化27】

分析データ:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 14.82(s,1H),9.66(s,1H),8.72(d,J=1.8Hz,1H),8.57(d,J=1.8Hz,1H),7.86(dd,J=15.0,7.4Hz,1H),7.53(d,J=8.6Hz,1H),7.39(t,J=8.7Hz,1H),7.25(d,J=2.3Hz,1H),7.10(dd,J=8.6,2.4Hz,1H),3.86(s,3H),3.15(t,J=7.6Hz,2H),1.81(dq,J=15.0,7.5Hz,2H),1.00(t,J=7.4Hz,3H)。
計算精密質量:C2319ClFSとして520.08(分子量:520.94)
MS(ESI):m/z 521.0[M+H]
【0130】
例21:N-(3-(5-(2-(tert-ブチル)ピリミジン-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,6-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
例21は例7と類似に合成した。
【化28】

分析データ:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 14.88(s,1H),9.66(s,1H),9.22(s,2H),9.08(s,1H),8.91(s,1H),7.86(dd,J=14.7,7.3Hz,1H),7.40(t,J=8.7Hz,1H),3.18-3.11(m,2H),1.87-1.74(m,2H),1.43(s,9H),1.00(t,J=7.2Hz,3H)。
計算精密質量:C2424Sとして514.16(分子量:514.55)
MS(ESI):m/z 515.15[M+H]
【0131】
例22:N-(2,6-ジフルオロ-3-(5-(2-(メチルチオ)ピリミジン-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)フェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
例22は例7と類似に合成した。
【化29】

分析データ:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 14.87(s,1H),9.67(s,1H),9.13(s,2H),9.06(d,J=1.9Hz,1H),8.90(d,J=1.9Hz,1H),7.86(dd,J=14.3,7.5Hz,1H),7.40(t,J=8.8Hz,1H),3.19-3.12(m,2H),2.60(s,3H),1.87-1.75(m,2H),1.00(t,J=7.4Hz,3H)。
計算精密質量:C2118として504.08(分子量:504.53)
MS(ESI):m/z 505.05[M+H]
【0132】
例23:N-(2,6-ジフルオロ-3-(5-(2-イソプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)フェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
例23は例7と類似に合成した。
【化30】

分析データ:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 14.87(s,1H),9.67(s,1H),9.13(s,2H),9.06(d,J=1.9Hz,1H),8.90(d,J=1.9Hz,1H),7.86(dd,J=14.3,7.5Hz,1H),7.40(t,J=8.8Hz,1H),3.19-3.12(m,2H),2.60(s,3H),1.87-1.75(m,2H),1.00(t,J=7.4Hz,3H)。
計算精密質量:C2322Sとして500.14(分子量:500.52)
MS(ESI):m/z 501.05[M+H]
【0133】
例24:N-(2,6-ジフルオロ-3-(5-(4-フルオロ-2-メチルフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)フェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
例24は例7と類似に合成した。
【化31】

分析データ:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 14.82(s,1H),9.67(s,1H),8.68(d,J=2.1Hz,1H),8.48(d,J=2.1Hz,1H),7.86(dd,J=14.8,7.6Hz,1H),7.42-7.36(m,2H),7.26(dd,J=10.1,2.5Hz,1H),7.17(td,J=8.5,2.6Hz,1H),3.18-3.11(m,2H),2.28(s,3H),1.81(dq,J=15.0,7.4Hz,2H),1.00(t,J=7.4Hz,3H)。
計算精密質量:C2319Sとして488.11(分子量:488.49)
MS(ESI):m/z 489.05[M+H]
【0134】
例25および26:N-(2,6-ジフルオロ-3-(5-(4-メトキシ-2-メチルピリミジン-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド(例25)およびN-(2,6-ジフルオロ-3-(5-(4-ヒドロキシ-2-メチルピリミジン-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド(例26)の合成
【0135】
ステップ1: 5-ブロモ-4-クロロ-2-メチルピリミジンによるN-(2,6-ジフルオロ-3-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)フェニル)プロパン-1-スルホンアミドの変換を、例9ステップ9-1と類似に行った。
脱保護のための2つの異なる手続きは例25または例26どちらかに至った。
【化32】
【0136】
N-(2,6-ジフルオロ-3-(5-(4-メトキシ-2-メチルピリミジン-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)フェニル)プロパン-1-スルホンアミドの分析データ:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 14.84(s,1H),9.66(s,1H),8.86(d,J=2.0Hz,1H),8.75(d,J=2.0Hz,1H),8.64(s,1H),7.85(dd,J=15.4,7.4Hz,1H),7.39(t,J=8.7Hz,1H),3.99(s,3H),3.18-3.10(m,2H),2.62(s,3H),1.81(td,J=15.3,7.7Hz,2H),1.00(t,J=7.5Hz,3H)。
計算精密質量:C2220Sとして502.12(分子量:502.50)
MS(ESI):m/z 502.95[M+H]
【0137】
N-(2,6-ジフルオロ-3-(5-(4-ヒドロキシ-2-メチルピリミジン-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)フェニル)プロパン-1-スルホンアミドの分析データ:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 14.84(s,1H),9.66(s,1H),8.86(d,J=2.0Hz,1H),8.75(d,J=2.0Hz,1H),8.64(s,1H),7.85(dd,J=15.4,7.4Hz,1H),7.39(t,J=8.7Hz,1H),3.99(s,3H),3.18-3.10(m,2H),2.62(s,3H),1.81(td,J=15.3,7.7Hz,2H),1.00(t,J=7.5Hz,3H)。
計算精密質量:C2118Sとして488.11(分子量:488.47)
MS(ESI):m/z 489.15[M+H]
【0138】
例27:N-(2,6-ジフルオロ-3-(5-(ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)フェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
例27は例11と類似に合成した。
【化33】

分析データ:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 14.86(s,1H),9.67(s,1H),9.05(dd,J=10.7,2.0Hz,2H),8.83(d,J=2.2Hz,1H),8.66(dd,J=4.8,1.5Hz,1H),8.30-8.23(m,1H),7.87(dd,J=14.9,7.5Hz,1H),7.57(dd,J=7.5,4.8Hz,1H),7.40(t,J=8.5Hz,1H),3.17-3.12(m,2H),1.86-1.75(m,2H),1.00(t,J=7.5Hz,3H);
計算精密質量:C2117Sとして457.10(分子量:457.46)
MS(ESI):m/z:455.9[M-1]
【0139】
例28:5-(3-(2,4-ジフルオロ-3-(プロピルスルホンアミド)ベンゾイル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル)ピコリン酸の合成
例28は例11と類似に合成した。
【化34】

分析データ:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 14.92(s,1H),9.68(s,1H),9.15(dd,J=16.8,2.0Hz,2H),8.93(d,J=2.0Hz,1H),8.45(dd,J=8.1,2.3Hz,1H),8.18(d,J=8.1Hz,1H),7.88(dd,J=14.5,7.7Hz,1H),7.41(t,J=8.7Hz,1H),3.19-3.10(m,2H),1.86-1.75(m,2H),1.00(t,J=7.5Hz,3H);
計算精密質量:C2217Sとして501.09(分子量:501.46);
MS(ESI):m/z:500.1[M-1]
【0140】
例29:N-[2,6-ジフルオロ-3-[5-(4-メチルピリミジン-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]フェニル]プロパン-1-スルホンアミドの合成
例29は例7と類似に合成した。
【化35】

分析データ:
H NMR (400MHz,DMSO-d)δ 14.90(s,1H),9.66(s,1H),9.12(s,1H),8.80(d,J=2.1Hz,1H),8.76(s,1H),8.68(d,J=2.1Hz,1H),7.90-7.82(m,1H),7.43-7.36(m,1H),3.30(s,3H),3.19-3.11(m,3H),1.88-1.73(m,3H),1.00(t,J=7.4Hz,3H);
計算精密質量:C2118Sとして472.11(分子量:472.47);
MS(ESI):m/z:473.55[M+H]
【0141】
例30:N-[3-[5-(2,4-ジメチルピリミジン-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]-2,6-ジフルオロ-フェニル]プロパン-1-スルホンアミドの合成
例30は例7と類似に合成した。
【化36】

分析データ:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 14.88(s,1H),9.67(s,1H),8.77(d,J=1.6Hz,1H),8.67-8.59(m,2H),7.86(dd,J=14.6,7.5Hz,1H),7.40(t,J=8.8Hz,1H),3.20-3.10(m,2H),2.66(s,3H),2.45(s,3H),1.87-1.74(m,2H),0.99(t,J=7.4Hz,3H)。
計算精密質量:C2220Sとして486.13(分子量:486.49);
MS(ESI):m/z:486.9[M+H]
【0142】
例31:N-(3-(5-(2-シクロプロピル-4-メチルピリミジン-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3カルボニル)-2,6-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
【化37】
【0143】
ステップ1:N-(3-(5-(2-シクロプロピル-4-メチルピリミジン-5-イル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,6-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(C)の合成
1,4-ジオキサン/HO(10mL)中のN-(2,6-ジフルオロ-3-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド(300mg、0.51mmol)、化合物B(119mg、0.56mmol)およびKF(144mg、1.53mmol)を室温で撹拌し、それからアルゴンで5minに渡ってパージした。PdCl(dppf)・CHCl(42mg、0.051mmol)を追加し、混合物を再びアルゴンで5minに渡ってパージした。それから、反応を加熱して8hに渡って還流させた。反応の進行は(ヘキサン中の20% EtOAc、v/v)を用いるTLCによってモニタリングした。完了後に、反応混合物を室温まで徐々に冷却し、酢酸エチル(20mL)で希釈し、セライトのパッドで濾過し、減圧下で濃縮して、クルードな化合物を与えた。クルードを最後にFCCによって精製して、135mg(45%)の所望の化合物Cを与えた。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:9.69(s,1H),8.81(d,1H,J=2.0Hz),8.64(d,1H,J=2.0Hz),8.56(s,1H),7.93-7.85(m,1H),7.43(t,1H,J=8.8Hz),6.21(d,1H,J=9.6Hz),3.93-3.97(m,1H),3.71-3.80(m,1H),3.14(t,2H,J=7.6Hz),2.43(br s,3H),2.21-2.27(m,1H),1.95-2.01(m,2H),1.67-1.75(m,3H),1.55-1.62(m,3H),1.10-1.20(m,4H),0.99(t,3H,J=7.2Hz)。
MS(ESI):m/z 597.1(M+H)。
【0144】
ステップ2:N-(3-(5-(2-シクロプロピル-4-メチルピリミジン-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,6-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
化合物C(135mg、0.22mmol)のMeOH(10mL)中の溶液に、室温において、p-TSA(28mg、0.24mmol)を追加し、反応混合物を6hに渡って50℃に加熱した。反応の進行は(DCM中の5%MeOH、v/v)を用いるTLCによってモニタリングした。反応の完了後に、溶媒を真空中で蒸発させ、水(5mL)を追加し、混合物を飽和NaHCO水溶液を用いて中和し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。組み合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、クルードな化合物を与えた。これはトリチュレーションによって55mg(48%)の所望の化合物を灰白色固体として与えた。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:9.67(br s,1H),8.76(d,1H,J=2.0Hz),8.61(d,1H,J=2.0Hz),8.55(s,1H),7.82-7.88(m,1H),7.39(t,1H,J=8.80Hz),3.14(t,2H,J=7.60Hz),2.42(s,3H),2.20-2.28(m,1H),1.80(q,2H,J=7.60Hz),1.05-1.11(m,4H),0.99(t,3H,J=7.20Hz)。
計算精密質量:C2422Sとして512.14(分子量:512.53);
MS(ESI):m/z 513.60[M+H]
【0145】
例32:N-(3-(5-(2-シクロプロピル-4-(メチルチオ)ピリミジン-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3カルボニル)-2,6-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
【0146】
パートA.5-ブロモ-2-シクロプロピル-4-(メチルチオ)ピリミジン(D)の合成
【化38】
【0147】
ステップ-1:5-ブロモ-4-クロロ-2-(メチルスルホニル)ピリミジン(B)
THF(25mL)中の5-ブロモ-4-クロロ-2-(メチルチオ)ピリミジン(3g、12.6mol)の撹拌溶液に、室温において、水(15mL)に溶解したオキソン(1.16g、37.8mmol)を追加した。それから、混合物が4hに渡って撹拌することを許した。溶媒としてEtOAc/n-ヘキサン(30/70%、v/v)を用いるTLCによって見られる反応の完了後に、反応を水(50mL)で希釈し、EtOAc(3×25mL)で抽出した。組み合わせた分離した有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で蒸発させて、3.2g(94%)の化合物Bを灰白色の固体として与えた。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:9.38(s,1H),3.41(s,3H)
MS(ESI):m/z 272.80[M+H]
【0148】
ステップ-2:5-ブロモ-4-クロロ-2-シクロプロピルピリミジン(C)
化合物B(1.5g、5.55mmol)の乾燥THF(20mL)中の撹拌溶液に、0℃において、1Mシクロプロピルマグネシウムブロミド(6.66mL、6.66mmol)をゆっくり追加した。それから、混合物を徐々にRTに温め、2hに渡って撹拌した。溶媒としてEtOAc/n-ヘキサン(20/80%、v/v)を用いるTLCによって見られる反応の完了後に、それをNHCl水溶液の追加によってクエンチし、EtOAc(2×25mL)を用いて抽出した。分離した組み合わせた有機層をブライン(15ml)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で蒸発させて、クルードな化合物を与えた。最後に、クルードをFCCによって精製して、600mg(52%)の所望の化合物Cを灰白色の固体として与えた。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:8.59(s,1H),2.05-2.25(m,1H),1.05-1.10(m,4H)
MS(ESI):m/z 234.8[M+H]
【0149】
ステップ-3:5-ブロモ-2-シクロプロピル-4-(メチルチオ)ピリミジン(D)
化合物C(1.2g、5.17mmol)のDMF(10mL)中の撹拌溶液に、RTにおいて、NaSMe(544mg、7.75mol)を追加し、混合物をRTで16hに渡って撹拌した。EtOAc/n-ヘキサン(10/90%、v/v)を用いるTLCによって見られる反応の完了後に、水(30mL)を追加し、EtOAc(2×25mL)で抽出し、分離した有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で蒸発させて、800mg(80%)の化合物Dを黄色液体として与えた。
H NMR(400MHz,CDCl)δ:8.25(s,1H),2.52(s,3H),4.10-4.23(m,1H),1.10-1.20(m,4H)
MS(ESI):m/z246.8[M+H]
【0150】
パートB:N-(3-(5-(2-シクロプロピル-4-(メチルチオ)ピリミジン-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3カルボニル)-2,6-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
【化39】
【0151】
ステップ-1:N-(3-(5-(2-シクロプロピル-4-(メチルチオ)ピリミジン-5-イル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,6-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(C)
5mlの1,4-ジオキサン/HO(75/25%、v/v)中のN-(2,6-ジフルオロ-3-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド(400mg、0.67mmol)および化合物D(182mg、0.74mmol)の撹拌溶液に、1mLの水に溶解した118mg(2.03mmol)のKFを追加した。もたらされた混合物をアルゴンで5minに渡ってパージし、それからPd(dppf)Cl DCM(0.1eq.、55mg、0.067mmol)を追加し、混合物を再びアルゴンで5minに渡ってパージした。それから、反応を6hに渡って90℃で加熱した。反応の完了後に、水(10mL)を追加し、1N HClでpHを6に調整した。混合物をEtOAc(3×15mL)で抽出し、有機層を分離し、乾燥させ、濃縮して、クルードな残渣を与えた。クルードな材料を逆相分取HPLCによって精製して、60mg(収量14%)の化合物Cを与えた。
MS(ESI):m/z 629.20[M+H]
【0152】
ステップ2:N-(3-(5-(2-シクロプロピル-4-(メチルチオ)ピリミジン-5-イル)-1Hピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3カルボニル)-2,6-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド
MeOH(2mL)中の化合物C(90mg、0.143mmol)の撹拌溶液にpTSA(74mg、0.42mmol)をRTで追加し、反応混合物を16hに渡って65℃に加熱した。反応の進行はEtOAc/n-ヘキサン(70/30%、v/v)を用いるTLCによってモニタリングした。反応の完了後に、溶媒を真空中で蒸発させ、水(5mL)を追加し、それからNaHCO水溶液で中和し(pH=7)、EtOAc(3×5mL)で抽出した。分離した有機層を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、クルードな生成物を与えた。これをSFCで精製して、25mg(32%)の所望の化合物を与えた。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:9.66(s,1H),8.72(s,1H),8.69(s,1H),8.37(s,1H),7.86(q,1H,J=6.8Hz),7.39(t,1H,J=8.8Hz),3.14(t,2H,J=8.0Hz),2.20-2.30(m,1H),1.70-1.86(m,2H),1.10-1.15(br s,4H),0.99(t,3H,J=7.2Hz)。
計算精密質量:C2422Sとして512.14(分子量:512.53);
MS(ESI):m/z 545.10[M+H]
【0153】
例33:N-[2,6-ジフルオロ-3-[5-(4-メチル-2-メチルスルファニル-ピリミジン-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]フェニル]プロパン-1-スルホンアミドの合成
例33は例7と類似に合成した。
【化40】

分析データ:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 14.79(s,1H),9.73(s,1H),8.77(d,J=2.0Hz,1H),8.65(d,J=2.0Hz,1H),8.58(s,1H),7.86(dd,J=14.6,7.8Hz,1H),7.39(t,J=9.0Hz,1H),3.21-3.05(m,2H),2.57(s,3H),2.44(s,3H),1.91-1.68(m,2H),0.99(t,J=7.4Hz,3H)。
計算精密質量:C2220として518.10(分子量:518.56);MS(ESI)):m/z:517.5[M-1]
【0154】
例34:N-[3-[5-(2,4-ジメトキシピリミジン-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]-2,6-ジフルオロ-フェニル]プロパン-1-スルホンアミドの合成
例34は例7と類似に合成した。
【化41】

分析データ:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 14.80(s,1H),9.66(s,1H),8.81(d,J=2.1Hz,1H),8.69(d,J=2.1Hz,1H),8.54(s,1H),7.84(dd,J=14.5,7.7Hz,1H),7.38(t,J=8.8Hz,1H),4.05-3.89(m,6H),3.18-3.09(m,2H),1.86-1.72(m,2H),0.98(t,J=7.4Hz,3H)。
計算精密質量:C2220Sとして518.12(分子量:518.49)。
MS(ESI):m/z 519.15[M+H]
【0155】
例35:N-(3-(5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,4,6-トリフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
【化42】
【0156】
ステップ1:(3-アミノ-2,4,6-トリフルオロフェニル)(5-ブロモ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)メタノン(B)の合成
溶液A:乾燥THF(24mL)中の化合物A(4.22g、18.68mmol)に、温度を10℃よりも下に保ちながら、THF中の2Mイソプロピルマグネシウムクロリド(9.33mL、1eq.、18.68mmol)を-10℃で滴下した。25℃での20分間の攪拌後に、反応を0℃に冷却し、クロロトリメチルシラン(2.02g、1eq.、18.68mmol)をゆっくり追加した。混合物を25℃に温め、30分間に渡って撹拌した。溶液を再び-10℃に冷却し、温度を10℃よりも下に保ちながら、THF中の2Mイソプロピルマグネシウムクロリド(9.33mL、1eq.、18.68mmol)を滴下した。25℃での20分間の攪拌後に、反応を0℃に冷却し、クロロトリメチルシラン(2.02g、1eq.、18.68mmol)をゆっくり追加した。混合物を25℃に温め、30分間に渡って撹拌した。反応を-10℃に冷却し、THF中の2Mイソプロピルマグネシウムクロリド(9.33mL、1eq.、18.68mmol)を滴下した。完全な追加後に、混合物を0℃で20分間に渡って撹拌した。
溶液B:第2のフラスコにおいて、THF中の2Mイソプロピルマグネシウムクロリド(9.33mL、1eq.、18.68mmol)を、5-ブロモ-N-メトキシ-N-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボキサミド(3g、8.12mmol)のTHF(30mL)中の懸濁液に-10℃で滴下した。温度は0℃よりも下に保った。完全な追加後に、混合物を0℃で10分間に渡って撹拌した。
【0157】
溶液Bを溶液Aに追加し、反応を25℃で2hに渡って撹拌した。それから、全てのマグネシウム塩が溶解するまで、4NのHCl水溶液を慎重に追加した。水溶液を30%NaOH水溶液でpH5に調整し、NaClで飽和させ、層を分離した。水層をTHFおよびEtOAcの混合物で抽出した(層を分離するためにEtOAcの追加が必要であった)。抽出物を蒸発させ、THFに再溶解し、有機相と組み合わせた。濃HCl水溶液(5ml)を追加し、混合物をRTで10minに渡って撹拌した。混合物を固体NaHCOによって中和し、下側の水層を捨て、有機層をNaSOで乾燥させた。溶媒の蒸発後に、残渣をジエチルエーテル(15mL)に懸濁し、DCM(20mL)でトリチュレーションし、固体を吸引濾過によって集めた。濾液を蒸発させ、残渣を(20mL)ジエチルエーテル中に取り、固体を吸引濾過によって集めた。組み合わせた固体を、DCM中の0~5%MeOHを用いるFCCによって精製して、灰白色の固体として所望の900mg(38%)を与えた。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:8.86(d,1H,J=2.0Hz),8.80(d,1H,J=2.0Hz),7.25-7.35(m,1H),6.14(d,1H,J=10Hz),5.36(br s,2H),3.90-3.95(m,1H),3.70-3.85(m,1H),2.25-2.33(m,1H),1.65-1.85(m,1H),1.50-1.62(m,2H),1.10-1.15(m,2H)。
MS(ESI):m/z 455.18[M+H]
【0158】
ステップ2:N-(3-(5-ブロモ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,4,6-トリフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(C)の合成
化合物B(900mg、1.98mmol)およびトリエチルアミン(13.7mL、10mmol)のTHF(20mL)中の溶液に、等体積のTHF中の1-プロパンスルホニルクロリド(0.8mL、7mmol)を-10℃でゆっくり追加し、反応を-10℃で30分間に渡って撹拌した。2NのNaOH(3.75mL、12mmol)を追加し、THFを減圧下において45℃で蒸発させた。水溶液をEtOAc(2×20mL)およびジエチルエーテルで洗浄した。残留有機物を蒸発させ、溶液を2N HClで酸性化し、30分間に渡って激しく撹拌して、より大きな塊を壊した。固体を吸引濾過によって集め、水で洗浄し、100℃で乾燥させて、化合物Cを灰白色固体として生じた(960mg、87%収量)。H NMRは、モノおよびジスルホンアミドの混合物を明らかにした。これをそのまま次のステップに用いた。
【0159】
ステップ3:N-(2,4,6-トリフルオロ-3-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド(D)の合成
1,4-ジオキサン(15mL)中の化合物C(900mg、1.60mmol)の撹拌溶液に、ビス(ピナコラート)ジボロン(612mg、2.41mmol)およびKF(278mg、4.8mmol)を追加し、もたらされた混合物をアルゴンで10minに渡って脱気した。Pd(dppf)Cl DCM(65mg、0.08mmol)を追加し、混合物をさらに5minに渡ってアルゴンで脱気し、85℃で8hに渡って撹拌した。反応の進行は、溶媒としてEtOAc/n-ヘキサン(60/40%、v/v)を用いるTLCによってモニタリングした。完了後に、反応混合物をRTまで冷却し、EtOAc(20mL)で希釈し、セライトパッドで濾過し、有機層を減圧下で濃縮してクルードな化合物を与えた。これをFCCで精製して、(960mg、87%)の化合物Dを与えた。
MS(ESI):m/z 609.0[M+H]
【0160】
ステップ4:N-(3-(5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,4,6-トリフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(F)の合成
化合物D(950mg、1.56mmol)および化合物E(342mg、1.71mmol)の1,4-ジオキサン/HO(10mL)中の撹拌溶液に、KF(271mg、4.68mmol)を追加し、もたらされた混合物を10minに渡ってアルゴンで脱気した。Pd(dppf)Cl DCM(64mg、0.078mmol)を追加し、反応混合物をさらにアルゴンで5minに渡って脱気し、90℃で8hに渡って撹拌した。反応の進行は溶媒としてEtOAc/n-ヘキサン(40/60%、v/v)を用いるTLCによってモニタリングした。完了後に、反応混合物をRTに冷却し、EtOAc(20mL)で希釈し、セライトパッドで濾過し、有機層を減圧下で濃縮してクルードな化合物を与えた。これはジエチルエーテルを用いるトリチュレーションによって(650mg、61%)の化合物Fを与えた。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:9.10-9.15(m,3H),8.89(d,1H,J=2.4Hz),7.80(t,1H,J=8.8Hz),6.66(dd,1H,J=2.4 & 10.4Hz),3.60-3.80(m,4H),2.22-2.38(m,3H),1.95-2.00(m,2H),1.72-1.93(m,3H),1.55-1.60(m,2H),1.06-1.09(m,2H),0.95-1.05(m,5H)
【0161】
ステップ-5:N-(3-(5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,4,6-トリフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
化合物F(650mg、1.08mmol)にTFA(10mL)をRTで追加し、混合物を一晩撹拌した。(MeOH/DCM、5/95%、v/v)を用いるTLCによって見られる反応の完了後に、反応混合物をN流を用いてRTで蒸発させて、クルードな化合物を与えた。このクルードな材料を飽和NaHCO水溶液を用いてpH8に中和し、次に、DCMによる抽出をし(2×20mL)、有機層を分離し、無水NaSOで乾燥させ、溶媒の蒸発がクルードな材料を与えた。最後に、DCM中の0~5%MeOH(v/v)を用いるFCCによってクルードを精製して、灰白色固体として175mg(32%)の所望の化合物を与えた。
H NMR(400MHz,DMSO-d):13.05(br s,1H),9.66(br s,1H),9.11(s,2H),9.07(s,1H),8.88(s,1H),7.59(t,1H,J=8.0Hz),3.13(t,1H,J=8.0Hz),2.25-3.35(m,1H),1.70-1.85(m,2H),1.05-1.15(m,4H),0.98(t,3H,J=7.60Hz)
MS(ESI):m/z 517.06[M+H]
【0162】
例36:N-[3-[5-(3-エチル-4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]-2,6-ジフルオロ-フェニル]プロパン-1-スルホンアミドの合成
例36は例7と類似に合成した。
【化43】

分析データ:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 14.90(s,1H),9.67(s,1H),8.72(d,J=1.9Hz,1H),8.64(s,1H),8.59-8.50(m,2H),7.87(dd,J=14.7,7.6Hz,1H),7.39(dd,J=14.1,6.6Hz,2H),3.21-3.06(m,2H),2.66(q,J=7.5Hz,2H),1.88-1.73(m,2H),1.06(t,J=7.5Hz,3H),1.00(t,J=7.4Hz,3H)。
計算精密質量:C2321Sとして485.13(分子量:485.51);
MS(ESI):m/z:484.2[M+H]
【0163】
例37:N-[3-[5-(3-シアノ-4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニル]-2,6-ジフルオロ-フェニル]プロパン-1-スルホンアミドの合成
例37は例7と類似に合成した。
【化44】

分析データ:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 9.19(s,1H),9.04-8.91(m,3H),7.95-7.84(m,2H),7.41(t,J=8.8Hz,1H),3.19-3.10(m,2H),1.81(dq,J=15.0,7.5Hz,2H),1.00(t,J=7.4Hz,3H)。
計算精密質量:C2216Sとして482.10(分子量:482.47)。
MS(ESI):m/z:481.3[M+H]
【0164】
例38:生物学的活性-機能的酵素アッセイにおける阻害力価および選択性
本発明の化合物のキナーゼ活性を、ProQinase社、フライブルク、ドイツによって提供される33PanQinase(登録商標)アッセイサービスを用いて測定した。アッセイ条件の詳細はProQinaseのウェブサイトに開示されている(https://www.proqinase.com/products-services-biochemical-assay-services/kinase-assays)。手短には、全てのキナーゼアッセイはパーキンエルマー(ボストン、MA、USA)からの96ウェルFlashPlate(商標)上で50μLの反応体積で行った。反応カクテルを次の順序で4ステップでピペット秤取した:
・20μlのアッセイ緩衝液(標準緩衝液)
・5μlのATP溶液(HO中)
・5μlの試験化合物(10%DMSO中)
・20μlの酵素/基質ミックス
【0165】
全てのタンパク質キナーゼのアッセイは、70mM HEPES-NaOH pH7.5、3mM MgCl、3μM MnCl、3μM オルトバナジン酸Na、1.2mM DTT、50μg/ml PEG20000、ATP(それぞれのキナーゼの見かけ上のATP-Kmに対応する可変濃度)、[γ-33P]-ATP(ウェルあたりおよそ8×1005cpm)、タンパク質キナーゼおよび基質を含有した。
反応カクテルを30℃で60分間に渡ってインキュベーションした。50μlの2%(v/v)HPOで反応を停止させ、プレートをアスピレーションし、200μlの0.9%(w/v)NaClで2回洗浄した。33Piの取り込みをマイクロプレートシンチレーションカウンター(Microbeta、Wallac)によって決定した。
全てのアッセイはベックマン・コールター/SAGIAN(商標)コアシステムによって行った。
単一濃度アッセイのケースでは、試験化合物の力価は%残留活性として表現される。IC50値の決定のために、100μMおよび3nMの間の最終濃度範囲の連続希釈(10個の濃度)を試験した。IC50決定のための当てはめモデルは、「シグモイド応答(可変勾配)」であり、パラメータ「トップ」は100%に、「ボトム」は0%に固定された。用いた当てはめ方法は最小二乗当てはめであった。
【0166】
MKK4の力価:
MKK4に対する阻害力価は次の通りカテゴリー化される。
IC50値の測定によるアッセイ:
カテゴリー
IC50<100nM: +++
100nM<IC50<1μM: ++
1μM<IC50<10μM: +
IC50>10μM: o
【0167】
オフターゲットと総称されるBRaf、JNK1およびMKK7に対する試験化合物の選択性を、IC50(オフターゲット)/IC50(MKK4)の比によって計算し、次の通りカテゴリー化した:
カテゴリー
IC50(オフターゲット)/IC50(MKK4)>100 +++
100≧IC50(オフターゲット)/IC50(MKK4)>10 ++
10≧IC50(オフターゲット)/IC50(MKK4)>3 +
3≧IC50(オフターゲット)/IC50(MKK4) o
【0168】
【表1】