(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-04
(45)【発行日】2025-02-13
(54)【発明の名称】Heliosタンパク質の阻害剤として有用な化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 401/14 20060101AFI20250205BHJP
A61K 31/4545 20060101ALI20250205BHJP
A61K 31/496 20060101ALI20250205BHJP
A61K 31/497 20060101ALI20250205BHJP
A61K 31/498 20060101ALI20250205BHJP
A61K 31/506 20060101ALI20250205BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20250205BHJP
A61K 31/5386 20060101ALI20250205BHJP
A61K 31/541 20060101ALI20250205BHJP
A61K 31/55 20060101ALI20250205BHJP
A61K 31/551 20060101ALI20250205BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20250205BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20250205BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20250205BHJP
C07D 405/14 20060101ALI20250205BHJP
C07D 417/14 20060101ALI20250205BHJP
C07D 487/04 20060101ALI20250205BHJP
C07D 491/08 20060101ALI20250205BHJP
C07K 14/47 20060101ALN20250205BHJP
C12N 15/12 20060101ALN20250205BHJP
【FI】
C07D401/14 CSP
A61K31/4545
A61K31/496
A61K31/497
A61K31/498
A61K31/506
A61K31/5377
A61K31/5386
A61K31/541
A61K31/55
A61K31/551
A61P35/00 ZNA
A61P35/02
A61P43/00 111
C07D405/14
C07D417/14
C07D487/04 137
C07D491/08
C07K14/47
C12N15/12
(21)【出願番号】P 2022529017
(86)(22)【出願日】2020-11-18
(86)【国際出願番号】 US2020060937
(87)【国際公開番号】W WO2021101919
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2023-11-06
(32)【優先日】2019-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391015708
【氏名又は名称】ブリストル-マイヤーズ スクイブ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL-MYERS SQUIBB COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100156155
【氏名又は名称】水原 正弘
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【氏名又は名称】呉 英燦
(72)【発明者】
【氏名】デグナン,アンドリュー ピー
(72)【発明者】
【氏名】クミ,ゴッドウィン クワメ
(72)【発明者】
【氏名】ホアン,オードリス
(72)【発明者】
【氏名】バログ,ジェイムズ アーロン
(72)【発明者】
【氏名】プランデア,アショク ビナヤク
(72)【発明者】
【氏名】シャン,ウェイファン
(72)【発明者】
【氏名】グオ,リィ
【審査官】阿久津 江梨子
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-506914(JP,A)
【文献】国際公開第2019/038717(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/079569(WO,A1)
【文献】特表2023-536164(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の構造:
【化1】
[式中、
R
1aは、水素、C
1-6アルキル、-CH
2CH
2CF
3、-CH
2CN、-CH
2CH
2OH、-CH(CH
3)CH
2OH、-CH
2CH
2CH
2CH
2OH、-CH(CH
3)CH
2CH
2OH、-CH
2CH
2OCH
3、-CH
2CH
2C(O)OCH
3、-CH
2CH
2N(CH
3)
2、-CH
2C(O)NH
2、-CH
2C(O)N(CH
3)
2、-CH
2CH
2C(O)NH
2、-CH
2CH
2NHC(O)CH
3、-CH(フェニル)(CH
2CH
2OH)、-CH
2CH(フェニル)
2、R
1c、-CR
xR
xR
1c、-CH
2CH
2R
1c、-CH
2CH
2CH
2R
1c、もしくは-CH
2CH
2OR
1cであり;
R
1b
は、水素、C
1-3
アルキル、または-CH
2
(フェニル)であり;
あるいは、R
1aおよびR
1bはそれらに結合している窒素原子と共に結合して、アザスピロ[2.5]オクタニル、アゼパニル、アゼチジニル、ジアゼパニル、ジオキシドチオモルホリニル、モルホリニル、オクタヒドロシクロペンタ[b]ピロリル、オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロリル、オキサアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ピペラジノニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、およびテトラヒドロイソキノリニルから選択される環基を形成し、ここで各環基は0から1個のR
1dおよび0から1個のR
1eで置換され;
R
1cは、C
3-6シクロアルキル、フェニル、オキセタニル、フラニル、ピロリジニル、ピロリジノニル、イミダゾリル、インダゾリル、チアゾリル、ピペリジニル、ピリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、ベンゾ[d]チアゾリル、ナフタレニル、キノリニル、もしくはキノキサリニルであり、ここで各環基は、F、Cl、-CN、-OH、-CH
3、-CF
3、-OCH
3、-OCF
3、-C(O)OCH
3、-NH(CH
3)、-N(CH
3)
2、-S(O)
2CH
3、-S(O)
2N(CH
3)
2、-CH
2(フェニル)、-NO
2、シクロプロピル、イミダゾリル、およびフェニルから独立して選択される、0から2個の置換基で置換され;
R
1dは、-CH
3、-CH(CH
3)
2、-OCH
3、-OCH
2CH
3、-OCH(CH
3)
2、-N(CH
3)
2、-NHC(O)CH
3、-C(O)CH
3、-C(O)NH
2、-C(O)N(CH
3)
2、-C(O)N(CH
2CH
3)
2、-CH
2(フェニル)、-CH
2(メチルピロリジニル)、-CH
2(ベンゾ[d][1,3]ジオキソリル)、-CH(フェニル)
2、-C(O)(テトラヒドロフラニル)、-C(O)(フラニル)、-S(O)
2(メチルフェニル)、フェニル、メチルフェニル、アミノフェニル、ピペリジニル、ピラジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、もしくはジヒドロベンゾ[d]イミダゾロニルであり;
R
1eは、-CH
3であり;
R
4は、-CH
3であり;
各R
xは、独立して、Hもしくは-CH
3であり;
nは、0、もしくは1である]
を有する化合物、またはその塩。
【請求項2】
R
1aが、水素、C
1-6アルキル、-CH
2CH
2CF
3、-CH
2CN、-CH
2CH
2OH、-CH(CH
3)CH
2OH、-CH
2CH
2CH
2CH
2OH、-CH(CH
3)CH
2CH
2OH、-CH
2CH
2OCH
3、-CH
2CH
2C(O)OCH
3、-CH
2CH
2N(CH
3)
2、-CH
2C(O)NH
2、-CH
2C(O)N(CH
3)
2、-CH
2CH
2C(O)NH
2、-CH
2CH
2NHC(O)CH
3、-CH(フェニル)(CH
2CH
2OH)、-CH
2CH(フェニル)
2、R
1c、-CR
xR
xR
1c、-CH
2CH
2R
1c、-CH
2CH
2CH
2R
1c、もしくは-CH
2CH
2OR
1cであ
り;
R
1b
が、水素、C
1-3
アルキル、または-CH
2
(フェニル)であり;
ここで、R
1c
およびR
x
が、請求項1において定義した通りである、
請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項3】
R
1aおよびR
1bがそれらに結合している窒素原子と共に結合して、アザスピロ[2.5]オクタニル、アゼパニル、アゼチジニル、ジアゼパニル、ジオキシドチオモルホリニル、モルホリニル、オクタヒドロシクロペンタ[b]ピロリル、オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロリル、オキサアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ピペラジノニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、およびテトラヒドロイソキノリニルから選択される環基を形成し、ここで各環基は0から1個のR
1dおよび0から1個のR
1eで置換さ
れ;
ここで、R
1d
およびR
1e
が、請求項1において定義した通りである、
請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項4】
前記化合物が:
3-(5-{4-[(ジメチルアミノ)メチル]ピリジン-2-イル}-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (1);
3-(5-(4-((ベンジルアミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (2);
3-(5-(4-((メチル(プロピル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (3);
3-(5-(4-((エチル(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (4);
3-(5-(4-((イソプロピル(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (5);
3-(5-(4-(((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (7);
3-(5-(4-((ブチル(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (9);
3-(5-(4-(((シクロプロピルメチル)(プロピル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (10);
3-(5-(4-((メチル(2-(ピリジン-2-イル)エチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (16);
3-(5-(4-((ベンジル(イソプロピル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (19);
3-(5-(4-(((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (21);
3-(5-(4-((エチル(ピリジン-4-イルメチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (22);
3-(5-(4-((メチル(1-メチルピロリジン-3-イル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (29);
2-(((2-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)ピリジン-4-イル)メチル)(メチル)アミノ)-N,N-ジメチルアセトアミド (34);
3-(5-(4-((メチル(1-メチルピロリジン-3-イル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (49);
3-(5-(4-((ジエチルアミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (50);
3-(5-(4-(((シクロヘキシルメチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (54);
3-(1-オキソ-5-(4-(((1-フェニルエチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (55);
3-(5-(4-(((2-メチルベンジル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (56);
3-(5-(4-(((3-メチルベンジル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (57);
3-(5-(4-(((4-メチルベンジル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (58);
3-(5-(4-(((シクロヘキシルメチル)(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (59);
3-(5-(4-((ブチルアミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (61);
3-(1-オキソ-5-(4-((プロピルアミノ)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (62);
3-(1-オキソ-5-(4-((フェネチルアミノ)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (63);
3-(5-(4-(((シクロプロピルメチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (64);
3-(5-(4-((ネオペンチルアミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (65);
3-(1-オキソ-5-(4-((((テトラヒドロフラン-2-イル)メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (66);
3-(5-(4-(((4-メトキシベンジル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (67);
3-(5-(4-(((2-メトキシエチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (68);
3-(5-(4-(((1-シクロプロピルシクロブチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (77);
3-(5-(4-(((2-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (80);
3-(1-オキソ-5-(4-((((1R,2R)-2-フェニルシクロペンチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (84);
3-(5-(4-((シクロペンチルアミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (86);
3-(5-(4-((シクロヘキシルアミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (87);
3-(5-(4-(((2-モルホリノエチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (88);
3-(5-(4-((tert-ブチルアミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (89);
3-(5-(4-(((2,2-ジフェニルエチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (90);
N-(2-(((2-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)ピリジン-4-イル)メチル)アミノ)エチル)アセトアミド (91);
3-(5-(4-(((2-ヒドロキシエチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (92);
3-(5-(4-(((2-クロロフェネチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (93);
3-(5-(4-(((4-クロロフェネチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (94);
3-(5-(4-(((4-メトキシフェネチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (95);
3-(5-(4-(((4-ヒドロキシフェネチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (96);
3-(5-(4-((イソペンチルアミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (97);
3-(1-オキソ-5-(4-(((3-フェニルプロピル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (98);
2-(((2-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)ピリジン-4-イル)メチル)アミノ)アセトニトリル (99);
2-(((2-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)ピリジン-4-イル)メチル)アミノ)アセトアミド (100);
3-(5-(4-(((4-ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (101);
3-(5-(4-(((3-クロロフェネチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (102);
3-(1-オキソ-5-(4-(((2-フェノキシエチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (103);
3-(5-(4-(((1-ベンジルピロリジン-3-イル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (104);
3-(((2-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)ピリジン-4-イル)メチル)アミノ)プロパンアミド (105);
3-(5-(4-(((2-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)エチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (106);
3-(5-(4-(((4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (107);
3-(5-(4-((シクロブチルアミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (108);
3-(5-(4-((シクロプロピルアミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (109);
3-(1-オキソ-5-(4-((((2-フェニルチアゾール-4-イル)メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (110);
3-(1-オキソ-5-(4-((((1R,2S)-2-フェニルシクロプロピル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (111);
メチル3-(((2-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)ピリジン-4-イル)メチル)アミノ)プロパノアート (112);
3-(5-(4-(((3-(1H-イミダゾール-1-イル)プロピル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (113);
3-(5-(4-(((3-モルホリノプロピル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (114);
3-(1-オキソ-5-(4-(((3-(2-オキソピロリジン-1-イル)プロピル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (115);
3-(5-(4-((エチルアミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (116);
3-(1-オキソ-5-(4-((((R)-1-フェニルエチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (122);
3-(1-オキソ-5-(4-((((S)-1-フェニルエチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (123);
3-(5-(4-((((1-ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (124);
3-(5-(4-(((2-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (126);
3-(5-(4-(((4-ヒドロキシブチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (128);
3-(5-(4-(((オキセタン-2-イルメチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (129);
3-(5-(4-((((R)-3-ヒドロキシ-1-フェニルプロピル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (131);
3-(5-(4-((メチル((S)-1-フェニルエチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (136);
3-(5-(4-((メチル((R)-1-フェニルエチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (137);
3-(5-(4-((メチル((1R,2R)-2-(メチルアミノ)シクロヘキシル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (140);
3-(5-(4-((メチル(2-フェニルプロパン-2-イル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (142);
3-(1-オキソ-5-(4-((3-フェニルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (144);
3-(5-{4-[(メチルアミノ)メチル]ピリジン-2-イル}-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (145);
4-{[({2-[2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-5-イル]ピリジン-4-イル}メチル)(メチル)アミノ]メチル}-N,N-ジメチルベンゼン-1-スルホンアミド (146);
3-(5-(4-(((4-フルオロベンジル)(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (147);
3-(5-(4-((メチル(3-(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (148);
3-(5-(4-((メチル(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (149);
4-((((2-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)ピリジン-4-イル)メチル)(メチル)アミノ)メチル)ベンゾニトリル (150);
3-(5-(4-((メチル(4-ニトロベンジル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (151);
3-(5-(4-(((3,4-ジフルオロベンジル)(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (152);
メチル4-((((2-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)ピリジン-4-イル)メチル)(メチル)アミノ)メチル)ベンゾアート (153);
3-(5-(4-(((4-クロロベンジル)(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (154);
3-(5-(4-((メチル(キノリン-8-イルメチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (155);
3-(5-(4-((メチル(3-(トリフルオロメトキシ)ベンジル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (156);
3-(5-(4-((メチル(4-(メチルスルホニル)ベンジル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (157);
3-(5-(4-(((3-メトキシベンジル)(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (158);
3-(5-(4-((メチル(ピリジン-3-イルメチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (159);
3-(5-(4-((メチル(ピリジン-4-イルメチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (160);
3-(5-(4-((メチル(4-メチルベンジル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (161);
3-(5-(4-((メチル(ナフタレン-2-イルメチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (162);
3-(5-{4-[(ジベンジルアミノ)メチル]ピリジン-2-イル}-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (163);
3-[5-(4-{[ベンジル(メチル)アミノ]メチル}ピリジン-2-イル)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオン (164);
3-{5-[4-({[(6-メトキシピリジン-3-イル)メチル](メチル)アミノ}メチル)ピリジン-2-イル]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-2-イル}ピペリジン-2,6-ジオン (168);
3-(5-(4-((((1H-インダゾール-4-イル)メチル)(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (169);
3-(5-(4-((メチル(1-メチルピペリジン-4-イル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (170);
3-(5-(4-((メチル(フェネチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (171);
3-(5-(4-(((フラン-3-イルメチル)(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (172);
3-(5-(4-(((シクロプロピルメチル)(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (173);
3-(5-(4-((メチル((1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (174);
3-(5-(4-(((シクロペンチルメチル)(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (175);
3-(5-(4-((メチル(チアゾール-2-イルメチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (176);
3-(5-(4-(((4-(1H-イミダゾール-1-イル)ベンジル)(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (177);
3-(5-(4-(((シクロブチルメチル)(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (178);
3-(5-(4-((イソブチル(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (179);
3-(5-(4-((イソペンチル(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (180);
3-(5-(4-(((1-ヒドロキシプロパン-2-イル)(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (181);
3-(5-(4-((メチル((テトラヒドロフラン-3-イル)メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (182);
3-(5-(4-((メチル(キノキサリン-2-イルメチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (183);
3-(5-(4-((メチル(3,3,3-トリフルオロプロピル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (184);
3-(5-(4-(((4-ヒドロキシブタン-2-イル)(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (185);もしくは
3-(5-(4-((ジメチルアミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-6-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (194)
である、請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項5】
前記化合物が、
3-(1-オキソ-5-(4-ピペリジン-1-イルメチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (6);
3-(1-オキソ-5-(4-(ピロリジン-1-イルメチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (8);
3-(1-オキソ-5-(4-((4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (11);
3-(5-(4-((4-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イルメチル)ピペラジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (12);
1-((2-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)ピリジン-4-イル)メチル)-N,N-ジエチルピペリジン-3-カルボキサミド (13);
3-(5-(4-((4-メチルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (14);
3-(1-オキソ-5-(4-((4-(ピリジン-2-イル)ピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (15);
3-(5-(4-([1,4'-ビピペリジン]-1'-イルメチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (17);
3-(1-オキソ-5-(4-((4-(ピリミジン-2-イル)ピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (18);
3-(5-(4-((2-メチルピロリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (20);
3-(1-オキソ-5-(4-((4-(ピロリジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (23);
3-(5-(4-((4-(フラン-2-カルボニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (24);
3-(1-オキソ-5-(4-((4-(ピリジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (25);
3-(1-オキソ-5-(4-((4-(ピラジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (26);
3-(5-(4-((3-メチル-4-(m-トリル)ピペラジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (27);
3-(5-(4-((4-アセチルピペラジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (28);
3-(5-(4-((2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (30);
N-((3S)-1-((2-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)ピリジン-4-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)アセトアミド (31);
3-(1-オキソ-5-(4-((4-(テトラヒドロフラン-2-カルボニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (32);
3-(5-(4-(((S)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (33);
3-(5-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (35);
3-(5-(4-((4-ベンジルピペラジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (36);
3-(1-オキソ-5-(4-((3-オキソピペラジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (37);
3-(5-(4-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (38);
3-(5-(4-((3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (39);
3-(5-(4-((4-(ジメチルアミノ)ピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (40);
1-((2-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)ピリジン-4-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボキサミド (41);
3-(5-(4-((4-ベンズヒドリルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (42);
3-(5-(4-((4-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (43);
3-(5-(4-((4-イソプロピルピペラジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (44);
3-(5-(4-(((R)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (45);
3-(5-(4-((2-メチルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (46);
3-(5-(4-((3-メチルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (47);
3-(5-(4-(アゼパン-1-イルメチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (48);
3-(5-(4-((3,3-ジメチルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (51);
3-(5-(4-((2,2-ジメチルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (52);
3-(5-(4-((2,6-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (53);
3-(5-(4-((ヘキサヒドロシクロペンタ[b]ピロール-1(2H)-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (60);
3-(5-(4-(((S)-2-メチルピロリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (69);
3-(5-(4-(((R)-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (70);
3-(5-(4-(((R)-2-メチルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (71);
3-(5-(4-(((S)-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (72);
3-(5-(4-(((S)-3-メチルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (73);
3-(5-(4-(((S)-2-メチルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (74);
3-(5-(4-(((R)-3-メチルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (75);
3-(1-オキソ-5-(4-((2-フェニルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (76);
3-(5-(4-(((3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (78);
3-(5-(4-((2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (79);
3-(5-(4-(((3S,5R)-3,5-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (81);
3-(5-(4-((4,4-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (82);
3-(1-オキソ-5-(4-((3-フェニルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (83);
3-(5-(4-((3,3-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (85);
3-(5-(4-((2,2-ジメチルピロリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (117);
3-(5-(4-((3,3-ジメチルピロリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (118);
3-(5-(4-((2,5-ジメチルピロリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (119);
3-(5-(4-(((2R,6S)-2,6-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (120);
3-(5-(4-((4-(4-アミノフェニル)-4-メチルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (121);
3-(5-(4-(((R)-2-メチルピロリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (125);
3-(5-(4-((6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (127);
3-(5-(4-((3-イソプロポキシアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (130);
3-(1-オキソ-5-(4-((4-トシルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (132);
3-(1-オキソ-5-(4-(((S)-2-フェニルピロリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (133);
3-(1-オキソ-5-(4-(((R)-2-フェニルピロリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (134);
3-(1-オキソ-5-(4-(((S)-3-フェニルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (135);
3-(1-オキソ-5-(4-(((R)-3-フェニルピロリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (138);
3-(1-オキソ-5-(4-(((S)-3-フェニルピロリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (139);
3-(1-オキソ-5-(4-((4-フェニルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (141);
3-(1-オキソ-5-(4-((3-フェニルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (143);
3-(5-{4-[(アゼチジン-1-イル)メチル]ピリジン-2-イル}-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (165);
3-(5-{4-[(モルホリン-4-イル)メチル]ピリジン-2-イル}-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (166);
4-({2-[2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-5-イル]ピリジン-4-イル}メチル)-1λ6-チオモルホリン-1,1-ジオン (167);
3-(5-(5-クロロ-4-((3-フェニルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (186);
3-(5-(5-クロロ-4-((2-フェニルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (187);
3-(5-(5-フルオロ-4-((3-フェニルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (188);
3-(5-(5-フルオロ-4-((2-フェニルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (189);
3-(5-(5-フルオロ-4-((3-(ピリジン-3-イル)アゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (190);
3-(5-(3-フルオロ-4-((3-フェニルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (191);
3-(5-(3-フルオロ-4-((3-(ピリジン-3-イル)アゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (192);
3-(5-(3-フルオロ-4-((2-フェニルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (193);
3-(1-オキソ-5-(4-((3-(ピリジン-4-イル)アゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (195);
3-(5-(4-((3-メトキシ-3-メチルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (196);
3-(5-(4-((3-メトキシアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (197);
3-(5-(4-((3-エトキシアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (198);
3-(1-オキソ-5-(4-((4-(p-トリル)ピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (199);
3-(5-(4-(((S)-2-ベンジルアジリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (200);
3-(5-(4-((2-メチルアジリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (201);
1-((2-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)ピリジン-4-イル)メチル)-N,N-ジメチルアゼチジン-3-カルボキサミド (202);
3-(1-オキソ-5-(4-((3-(ピリジン-3-イル)アゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (203);
3-(1-オキソ-5-(4-((2-フェニルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (204-205);
1-((2-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)ピリジン-4-イル)メチル)アゼチジン-2-カルボキサミド (206);
3-(5-(4-((4-メトキシ-3,3-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (207);もしくは
3-(4-フルオロ-1-オキソ-5-(4-((3-フェニルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (208)
の化合物から選択される、請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項6】
請求項1から
5のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩;および薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項7】
がんの治療を目的とする、請求項1から
5のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物。
【請求項8】
前記がんが、結腸癌、胃癌、膵臓癌、乳癌、前立腺癌、肺癌、卵巣癌、子宮頸癌、腎臓癌、頭頚部癌、リンパ腫、白血病、および黒色腫から選択される、請求項
7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
細胞中のHeliosタンパク質レベル、Helios活性レベル、またはHelios発現レベルを減少させるための薬剤であって、請求項1から
5のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、薬剤。
【請求項10】
Heliosタンパク質が、配列番号1、2、3、4、または5によりコードされるアミノ酸配列である、請求項
9に記載の薬剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年11月19日提出の米国仮出願整理番号第62/937,350号の利益を主張し、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般的に、Heliosタンパク質を阻害する化合物に関する。化合物、そのような化合物を含む組成物、およびそれらを使用する方法が、本明細書で提供される。本発明は、がんおよびウイルス感染などの増殖性疾患の治療に有用な本発明に従う少なくとも一つの化合物を含む、医薬組成物にさらに関する。
【背景技術】
【0003】
制御性T細胞(Treg)は、活発な免疫応答および炎症反応に際して、阻害活性およびアネルギーの維持を介して自己免疫寛容および免疫ホメオスタシスを制御する重要な役割を果たす。安定で、アネルギー性かつ抑制性の表現型の保存により、Tregは、過剰な免疫応答を弱め、自己免疫を予防または改善する。ヒト腫瘍組織の内部にTregが存在することが、多数の報告で実証されている。Tregの数と腫瘍へのT細胞浸潤および生存率との間に明白な負の相関があることが、研究で実証され(Curiel et al., 2004, Nat. Med. 10: 942-949; Viguier et al., 2004, J Immuno. 1173:1444-1453; Beyer et al., 2006, Blood 108: 804-811; Zou et al., 2006, Nat. Rev. Immunol. 6: 295-307)、有効な抗腫瘍免疫の発達を妨げる、Tregの潜在的な重要な役割を暗示した。蓄積された証拠は、Foxp3+CD25+CD4+Tregが、齧歯類およびヒトにおいて、腫瘍に顕著に浸潤し、腫瘍細胞に対する免疫応答を明らかに妨げることを示す。特異的抗原により活性化するとすぐに、Tregは、インビトロにおいて、レスポンダーT細胞を抗原非特異的かつバイスタンダー様式で抑制する(Takahashi et al., 1998, Int Immunol. 10:1969-80; Thornton et al., 1998, J Exp. Med. 188:287-96)。Foxp3+CD25+CD4+Tregは、CD4+ヘルパーT細胞、CD8+T細胞、ナチュラルキラー細胞、およびナチュラルキラーT細胞に関わる広範な抗腫瘍免疫応答を明らかに抑制することができる(Tanaka et al., 2017, Cell Research 27:109-118)。腫瘍内のCD25+CD4+Tregの枯渇は、腫瘍部位におけるサイトカイン環境の変化を伴って、定着腫瘍の退縮を誘導した(Yu et al., 2005, J Exp Med. 201: 779-91)。さらに、Treg枯渇CD4+T細胞の移入は、Treg含有T細胞移入と比較して、抗腫瘍免疫応答を顕著に増強させた(Antony et al., 2005, J Immunol 174:2591-601)。腫瘍由来自己抗原または腫瘍関連抗原のいずれかにより活性化した腫瘍浸潤Tregは、特異的抗腫瘍免疫応答を同様に抑制することができる。Treg分化を制御する重要な因子の活性の調節は、がんおよびウイルス感染などの特定の疾患の治療のための潜在的な治療戦略となり得る。
【0004】
FoxP3+CD4Tregは、顕著に安定である。炎症、感染または自己免疫の際の増殖後に、それらの表現型安定性を確実にする遺伝子的機構を理解するために、研究は今もなお発展している。Tregの安定な免疫抑制性表現型の維持に関与する転写因子(TF)は、おそらくこのプロセスに寄与する。TFのIkarosファミリーのメンバーであるHelios(IKZF2)遺伝子は、負の選択を受ける胸腺細胞、並びにCD4およびCD8T細胞の制御性の系譜によるその選択的発現に基づいて他のIkarosファミリーメンバーとは異なる。Heliosは、2つの制御性T細胞株、FoxP3+CD4+およびLy49+CD8+Tregにより発現し、それらは自己免疫寛容を維持するのに必要である(Kim et al., 2015, Science 350:334-339; Sebastian et al., 2016, J Immunol 196:144-155)。興味深いことに、定常状態において、HeliosはTreg活性にとってほとんど必要でないが、炎症の状況における、HeliosによるFoxP3+CD4Tregの遺伝子プログラムの制御は、安定な表現型の維持および抑制機能の増強に必要であることが最近の研究により示唆される(Thornton et al., 2010, J Immunol. 184:3433-3441; Kim et al., 2015)。TregによるHelios発現は、激しい炎症反応に際して、抑制性かつアネルギー性の表現型を維持するTregの能力に重要であることが示された。IL-2Rα-STAT5経路の活性化は、Treg生存および安定性を確実にすることにより重要な寄与体であることが示された(Kim et al., 2015)。Heliosは、FoxP3フォークヘッドドメインを持たないScurfyマウス由来の、高度に活性化された自己反応性T細胞存在下で、自己免疫性疾患を防ぐために優位なリンパ球内因性阻害を発現することにより、FoxP3+CD4Tregの表現型を維持する不可欠な役割を果たす。Helios+/+/Scurfy BM細胞ではなくHelios-/-/Scurfy BM細胞で再構成した骨髄(BM)キメラは、急速に自己免疫を発達させた(Kim et al., 2015)。これらの知見は、自己反応性T細胞選択、分化、および機能に対するHeliosの重要な寄与を示す。Tregにより発現される免疫抑制は、抗腫瘍免疫応答を妨げ得る。FoxP3+CD4TregにおけるHeliosの選択的欠損は、Treg不安定性の増加および腫瘍内CD4TregからエフェクターT細胞(Teff)への変換をもたらす。腫瘍内Tregの不安定性は、Treg変換、およびTregの抑制活性の減少が合わさった結果として、腫瘍内のTeff細胞数を増加させることがある。さらに、欠損IL-2応答は、Helios欠損腫瘍内Tregにおいて観察されたが、それは活性化Tregの数の減少をもたらし、腫瘍内Teff活性の増加に寄与することもある。腫瘍細胞および浸潤免疫細胞間の相互作用は、TNF-α、IL-6、IL-17、IL-1、およびTGF-βなどの炎症性メディエーターの分泌、並びに局所炎症性環境の形成をもたらす(Kim et al., 2015)。
【0005】
Helios欠損Tregの系統不安定性は、FoxP3発現の減少も伴い、炎症性サイトカインの産生によるエフェクター表現型の獲得をもたらす。腫瘍組織微小環境内のHelios欠損Tregのエフェクター細胞変換は、Teff表現型を制御する遺伝子の発現の増加と関連する(Yates et al., 2018, PNAS, 2018, 115: 2162-2167)。Helios欠損による不安定な表現型の獲得は、腫瘍微小環境(TME)内でのみ起こるが、末梢リンパ系臓器では起こらない(Nakagawa et al., 2016, PNAS 113: 6248-6253)。慢性炎症性TMEにおいて、TregのHelios欠損は、Tヘルパー細胞関連TFおよびエフェクターサイトカインの上方制御により、Tヘルパー細胞分化と関連する抑制された遺伝子プログラムを大幅に軽減し得る。これらのHelios欠損Tregの遺伝子変化は、GITR/PD-1発現の増強および自己抗原に対する反応性の増加によって示されるように、自己抗原に対して高い親和性を有するTreg亜集団に最もよく表れている。それらの複合効果は、Tregによる、T細胞受容体(TCR)連結および共刺激受容体発現の増加と共に、TMEにおける、TregからTeffへの表現型変換を促進することがあるが、これは、Treg変換の中心的特徴としての、遺伝子発現の変化は、免疫環境依存的であることを示唆する(Yates et al., 2018)。
【0006】
FoxP3+CD4TregにおけるHelios発現の減少は、メモリーTregから、腫瘍抗原特異的な自己反応性T細胞受容体を発現するTeff細胞への変換を可能にし得る。Tregシグネチャーの変化は、腫瘍が増大する慢性炎症状態において、選択的に誘導されることがある。Helios欠損Tregは、自己ペプチド/MHCに対して高親和性に傾いているTCRレパートリーを示し得、TMEにおいて強い活性化を促進し得る(Yates et al., 2018)。通常のT細胞と比較して、CD4TregにおけるTCRの自己反応性が増加することを考慮すると、Tregの変換は、TMEにおけるTreg媒介抑制の減弱を伴って、極めて強力なエフェクターCD4T細胞を生み出し得る。より効果的な戦略は、全身性のTreg集団に影響を及ぼすことなく、選択的に腫瘍内TregをTeff細胞に変換する手法に依存し得る。Tregサイズ、および多様な免疫学的攪乱に対する応答における機能安定性の維持の中心的存在として、Heliosの薬理学的介入は、現在の腫瘍免疫療法を強化する戦略に関連し得る。TregからTeffへの変換は、炎症性腫瘍内微小環境に限定され得るので、Heliosを標的にする、抗体または小分子に基づく手法は、Treg依存的がん免疫療法の改善をもたらし得る。重要なことに、Helios欠損Tregの変換は、腫瘍の局所炎症性環境においてのみ起こる。この手法は、Tregの全身性の減少と関連する自己免疫性副作用を誘発しない可能性がある。したがって、腫瘍内Treg表現型のHelios依存的な制御を特異的に利用する戦略は、がん免疫療法を改善する重要な見込みとなる。さらに、Foxp3+Tregの除去がワクチン誘導性の抗腫瘍T細胞応答を増強することも報告されたが(Nishikawa et al., 2010, Int. J. Cancer 127: 759-767)、これは、Heliosレベルの減少が、がんワクチンの有効性を高めるのに有益であり得ることを示唆する。
【0007】
抗腫瘍免疫療法に加えて、ウイルス感染の間、Treg細胞は、有効な抗ウイルスT細胞応答を潜在的に阻害し、ウイルス持続を促進するにもかかわらず、過剰な炎症に起因する免疫病理を制限し得る(Schmitz et al., 2013, PLOS Pathogens 9: e1003362)。慢性であるが急性でない、リンパ性脈絡髄膜炎ウイルスによるマウスの感染は、Foxp3+Tregの顕著な増殖をもたらすが、これは、特定の感染性病原体が、Tregの活性化および増殖により、宿主免疫応答を回避し得る潜在的機序を暗示する(Punkosdy et al., 2011, PNAS 108: 3677-3682)。慢性ウイルス感染に関連する文脈において、治療の利益は、活性化TregにおけるHeliosレベルの減少により達成され得る。
【0008】
Heliosタンパク質の阻害剤として有用な化合物が必要である。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、細胞中のHeliosタンパク質レベルの減少、Helios活性レベルの減少、および/またはHelios発現レベルの阻害に有用な、化学式1の化合物またはその塩を提供する。
【0010】
本発明は、化学式1の化合物および/または薬学的に許容されるその塩;および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物も提供する。
【0011】
本発明は、患者に化学式1の化合物および/または薬学的に許容されるその塩を投与することを特徴とする、Heliosタンパク質の活性を減少させることで、疾患または障害を治療する方法も提供する。
【0012】
本発明は、化学式1の化合物および/またはその塩を作成するための工程および中間体も提供する。
【0013】
本発明は、治療における使用を目的とする、化学式1の化合物および/または薬学的に許容されるその塩も提供する。
【0014】
本発明は、細胞中のHeliosタンパク質レベルを減少させる、Helios活性レベルを減少させる、および/またはHelios発現レベルを阻害し、Treg分化を制御する、がんおよびウイルス感染などの特定の疾患の治療を目的とする薬物の製造のための、前記化学式1の化合物および/または薬学的に許容されるその塩の使用も提供する。
【0015】
前記化学式1の化合物および前記化学式1の化合物を含む組成物は、ウイルス感染およびがんなどの様々な増殖性疾患の治療、予防、または治癒に使用されることがある。これらの化合物を含む医薬組成物は、ウイルス感染および癌などの様々な治療領域で、治療、予防、または疾患もしくは障害の、進行の緩徐化に有用である。
【0016】
本発明の、これらおよび他の特徴は、本開示が続くにつれて、拡大された形で説明されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0017】
出願人は、Heliosタンパク質および対応するE3ユビキチンリガーゼ複合体(Cullin4-Cereblon、CUL4-CRBN)の相互作用を促進することによりHeliosタンパク質を阻害する化合物を発見した。これらの化合物は、細胞中のHeliosタンパク質レベルを減少させる、Helios活性レベルを減少させる、および/またはHelios発現レベルを阻害し、Treg分化を制御する。これらの化合物は、がんおよびウイルス感染などの、特定の疾患の治療に有用である。前記化合物は、そのドラッガビリティにとって重要な、望ましい安定性、バイオアベイラビリティ、治療指数、および毒性値を有する医薬品として有用であるため提供される。
【0018】
本発明の第一の態様は、少なくとも一つの下記の化学式1:
【化1】
[式中、
Zは、CR
6R
6もしくはC=Oであり;
環Aは、
【化2】
であり;
R
1は、-(CR
zR
z)
1-2NR
1aR
1bであり;
R
1aは、水素、C
1-6アルキル、C
1-4フルオロアルキル、C
1-3シアノアルキル、C
1-6ヒドロキシアルキル、-(CH
2)
1-3O(C
1-3アルキル)、-(CH
2)
1-3S(O)
2(C
1-3アルキル)、-(CH
2)
1-3C(O)O(C
1-3アルキル)、-(CH
2)
1-3NR
xR
x、-(CH
2)
1-3C(O)NR
xR
x、-(CH
2)
1-3NR
xC(O)(C
1-3アルキル)、-C(O)(C
1-3アルキル)、-CH(フェニル)(C
1-2ヒドロキシアルキル)、-CR
xR
xCR
x(フェニル)
2、R
1c、-(CR
xR
x)
1-3R
1c、-(CR
xR
x)
1-3OR
1c、もしくは-C(O)R
1cであり;
R
1bは、水素、C
1-3アルキル、もしくは-CH
2(フェニル)であり;
あるいは、R
1aおよびR
1bはそれらに結合している窒素原子と共に結合して、アザスピロ[2.5]オクタニル、アゼパニル、アゼチジニル、アゾカニル、ジアゼパニル、ジオキシドチオモルホリニル、イソインドリニル、モルホリニル、オクタヒドロシクロペンタ[b]ピロリル、オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロリル、オキサアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ピペラジノニル、ピペラジニル、ピペリジノニル、ピペリジニル、ピロリジニル、ピロリジノニル、およびテトラヒドロイソキノリニルから選択される環基を形成し、ここで各環基は0から1個のR
1dおよび0から2個のR
1eで置換され;
R
1cは、C
3-7シクロアルキル、フェニル、オキセタニル、アゼチジニル、フラニル、ピラニル、ピロリル、ピロリジニル、ピロリジノニル、ピラゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、チアゾリル、ピペリジニル、ピリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、ジオキソテトラヒドロチオピラニル、ジオキシドテトラヒドロチオフェニル、ベンゾ[d]チアゾリル、ナフタレニル、キノリニル、もしくはキノキサリニルであり、ここで各環基は、F、Cl、-CN、-OH、C
1-3アルキル、C
1-3フルオロアルキル、C
1-3ヒドロキシアルキル、C
1-3アルコキシ、C
1-3フルオロアルコキシ、-C(O)O(C
1-3アルキル)、-NR
yR
y、-S(O)
2(C
1-3アルキル)、-S(O)
2NR
xR
x、-CH
2(フェニル)、-NO
2、C
3-6シクロアルキル、イミダゾリル、およびフェニルから独立して選択される、0から2個の置換基で置換され;
R
1dは、C
1-4アルキル、C
1-2フルオロアルキル、C
1-3アルコキシ、-NR
yR
y、-NR
xC(O)(C
1-3アルキル)、-C(O)(C
1-3アルキル)、-C(O)NR
yR
y、-CH
2(フェニル)、-CH
2(メチルピロリジニル)、-CH
2(ベンゾ[d][1,3]ジオキソリル)、-CH(フェニル)
2、-C(O)(テトラヒドロフラニル)、-C(O)(フラニル)、-S(O)
2(メチルフェニル)、フェニル、メチルフェニル、アミノフェニル、ピペリジニル、ピラジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、もしくはジヒドロベンゾ[d]イミダゾロニルであり;
R
1eは、-CH
3であり;
各R
2は、独立して、ハロゲン、-CN、C
1-3アルキル、C
1-3フルオロアルキル、C
1-3アルコキシ、もしくはC
1-3フルオロアルコキシ;NR
2(R=H、C
1-3アルキル)であり、適宜フェニルで置換されていてよく、適宜ヘテロアリールで置換されていてよく;
R
3はR
1aであり;
各R
4は、独立して、ハロゲン、-CN、C
1-3アルキル、C
1-3フルオロアルキル、C
1-3アルコキシ、もしくはC
1-3フルオロアルコキシであり;
R
5は、水素、F、もしくはC
1-3アルキルであり;
各R
6は、独立して、水素もしくはC
1-3アルキルであり;
各R
xは、独立して、Hもしくは-CH
3であり;
各R
yは、独立して、HもしくはC
1-4アルキルであり;
各R
zは、独立して、Hもしくは-CH
3であるか;あるいは、同じ炭素原子に結合している2つのR
zが、3から6員の炭素環式環もしくは3から6員のヘテロ環式環を形成しており;
mは、0、1、もしくは2であり;
nは、0、1、2、もしくは3である]
の化合物またはその塩を提供する。
【0019】
一つの実施形態は、化学式1:
[式中、
R1aは、水素、C1-6アルキル、C1-3フルオロアルキル、C1-2シアノアルキル、C1-4ヒドロキシアルキル、-(CH2)1-3OCH3、-(CH2)1-3S(O)2(C1-2アルキル)、-(CH2)1-2C(O)O(C1-3アルキル)、-(CH2)1-3NRxRx、-(CH2)1-2C(O)NRxRx、-(CH2)1-3NRxC(O)(C1-3アルキル)、-C(O)(C1-3アルキル)、-CH(フェニル)(C1-2ヒドロキシアルキル)、-CRxRxCRx(フェニル)2、R1c、-(CRxRx)1-3R1c、-(CRxRx)1-3OR1c、もしくは-C(O)R1cであり;
あるいは、R1aおよびR1bはそれらに結合している窒素原子と共に結合して、アザスピロ[2.5]オクタニル、アゼパニル、アゼチジニル、アゾカニル、ジアゼパニル、ジオキシドチオモルホリニル、イソインドリニル、モルホリニル、オクタヒドロシクロペンタ[b]ピロリル、オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロリル、オキサアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ピペラジノニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、およびテトラヒドロイソキノリニルから選択される環基を形成し、ここで各環基は0から1個のR1dおよび0から2個のR1eで置換され;
R1cは、C3-6シクロアルキル、フェニル、オキセタニル、フラニル、ピロリル、ピロリジニル、ピロリジノニル、イミダゾリル、インダゾリル、チアゾリル、ピペリジニル、ピリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、ジオキソテトラヒドロチオピラニル、ジオキシドテトラヒドロチオフェニル、ベンゾ[d]チアゾリル、ナフタレニル、キノリニル、もしくはキノキサリニルであり、ここで各環基は、F、Cl、-CN、-OH、C1-2アルキル、C1-2フルオロアルキル、C1-2ヒドロキシアルキル、C1-2アルコキシ、C1-2フルオロアルコキシ、-C(O)O(C1-2アルキル)、-NRxRy、-S(O)2(C1-2アルキル)、-S(O)2NRxRx、-CH2(フェニル)、-NO2、C3-6シクロアルキル、イミダゾリル、およびフェニルから独立して選択される、0から2個の置換基で置換され;
R1dは、C1-3アルキル、C1-2フルオロアルキル、C1-3アルコキシ、-NRxRy、-NRxC(O)(C1-2アルキル)、-C(O)(C1-2アルキル)、-C(O)NRyRy、-CH2(フェニル)、-CH2(メチルピロリジニル)、-CH2(ベンゾ[d][1,3]ジオキソリル)、-CH(フェニル)2、-C(O)(テトラヒドロフラニル)、-C(O)(フラニル)、-S(O)2(メチルフェニル)、フェニル、メチルフェニル、アミノフェニル、ピペリジニル、ピラジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、もしくはジヒドロベンゾ[d]イミダゾロニルであり;
各R4は、独立して、F、Cl、-CN、-CH3、-CHF2、-CF3、-OCH3、もしくは-OCF3であり;
R5は、水素、F、もしくは-CH3であり;
mは、0もしくは1であり;
nは、0、1、もしくは2である]
の化合物またはその塩を提供する。
【0020】
一つの実施形態は、下記の構造:
【化3】
[式中、
R
1aは、水素、C
1-6アルキル、-CH
2CH
2CF
3、-CH
2CN、-CH
2CH
2OH、-CH(CH
3)CH
2OH、-CH
2CH
2CH
2CH
2OH、-CH(CH
3)CH
2CH
2OH、-CH
2CH
2OCH
3、-CH
2CH
2C(O)OCH
3、-CH
2CH
2N(CH
3)
2、-CH
2C(O)NH
2、-CH
2C(O)N(CH
3)
2、-CH
2CH
2C(O)NH
2、-CH
2CH
2NHC(O)CH
3、-CH(フェニル)(CH
2CH
2OH)、-CH
2CH(フェニル)
2、R
1c、-CR
xR
xR
1c、-CH
2CH
2R
1c、-CH
2CH
2CH
2R
1c、もしくは-CH
2CH
2OR
1cであり;
あるいは、R
1aおよびR
1bはそれらに結合している窒素原子と共に結合して、アザスピロ[2.5]オクタニル、アゼパニル、アゼチジニル、ジアゼパニル、ジオキシドチオモルホリニル、モルホリニル、オクタヒドロシクロペンタ[b]ピロリル、オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロリル、オキサアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ピペラジノニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、およびテトラヒドロイソキノリニルから選択される環基を形成し、ここで各環基は0から1個のR
1dおよび0から1個のR
1eで置換され;
R
1cは、C
3-6シクロアルキル、フェニル、オキセタニル、フラニル、ピロリジニル、ピロリジノニル、イミダゾリル、インダゾリル、チアゾリル、ピペリジニル、ピリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、ベンゾ[d]チアゾリル、ナフタレニル、キノリニル、もしくはキノキサリニルであり、ここで各環基は、F、Cl、-CN、-OH、-CH
3、-CF
3、-OCH
3、-OCF
3、-C(O)OCH
3、-NH(CH
3)、-N(CH
3)
2、-S(O)
2CH
3、-S(O)
2N(CH
3)
2、-CH
2(フェニル)、-NO
2、シクロプロピル、イミダゾリル、およびフェニルから独立して選択される、0から2個の置換基で置換され;
R
1dは、-CH
3、-CH(CH
3)
2、-OCH(CH
3)
2、-N(CH
3)
2、-NHC(O)CH
3、-C(O)CH
3、-C(O)NH
2、-C(O)N(CH
2CH
3)
2、-CH
2(フェニル)、-CH
2(メチルピロリジニル)、-CH
2(ベンゾ[d][1,3]ジオキソリル)、-CH(フェニル)
2、-C(O)(テトラヒドロフラニル)、-C(O)(フラニル)、-S(O)
2(メチルフェニル)、フェニル、メチルフェニル、アミノフェニル、ピペリジニル、ピラジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、もしくはジヒドロベンゾ[d]イミダゾロニルであり;
R
1eは、-CH
3である]
を有する、化学式1の化合物またはその塩を提供する。
【0021】
一つの実施形態は、下記の構造:
【化4】
[式中、
R
1aは、水素、C
1-6アルキル、-CH
2CH
2CF
3、-CH
2CN、-CH
2CH
2OH、-CH(CH
3)CH
2OH、-CH
2CH
2CH
2CH
2OH、-CH(CH
3)CH
2CH
2OH、-CH
2CH
2OCH
3、-CH
2CH
2C(O)OCH
3、-CH
2CH
2N(CH
3)
2、-CH
2C(O)NH
2、-CH
2C(O)N(CH
3)
2、-CH
2CH
2C(O)NH
2、-CH
2CH
2NHC(O)CH
3、-CH(フェニル)(CH
2CH
2OH)、-CH
2CH(フェニル)
2、R
1c、-CR
xR
xR
1c、-CH
2CH
2R
1c、-CH
2CH
2CH
2R
1c、もしくは-CH
2CH
2OR
1cであり;
あるいは、R
1aおよびR
1bはそれらに結合している窒素原子と共に結合して、アザスピロ[2.5]オクタニル、アゼパニル、アゼチジニル、ジアゼパニル、ジオキシドチオモルホリニル、モルホリニル、オクタヒドロシクロペンタ[b]ピロリル、オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロリル、オキサアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ピペラジノニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、およびテトラヒドロイソキノリニルから選択される環基を形成し、ここで各環基は0から1個のR
1dおよび0から1個のR
1eで置換され;
R
1cは、C
3-6シクロアルキル、フェニル、オキセタニル、フラニル、ピロリジニル、ピロリジノニル、イミダゾリル、インダゾリル、チアゾリル、ピペリジニル、ピリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、ベンゾ[d]チアゾリル、ナフタレニル、キノリニル、もしくはキノキサリニルであり、ここで各環基は、F、Cl、-CN、-OH、-CH
3、-CF
3、-OCH
3、-OCF
3、-C(O)OCH
3、-NH(CH
3)、-N(CH
3)
2、-S(O)
2CH
3、-S(O)
2N(CH
3)
2、-CH
2(フェニル)、-NO
2、シクロプロピル、イミダゾリル、およびフェニルから独立して選択される、0から2個の置換基で置換され;
R
1dは、-CH
3、-CH(CH
3)
2、-OCH
3、-OCH
2CH
3、-OCH(CH
3)
2、-N(CH
3)
2、-NHC(O)CH
3、-C(O)CH
3、-C(O)NH
2、-C(O)N(CH
3)
2、-C(O)N(CH
2CH
3)
2、-CH
2(フェニル)、-CH
2(メチルピロリジニル)、-CH
2(ベンゾ[d][1,3]ジオキソリル)、-CH(フェニル)
2、-C(O)(テトラヒドロフラニル)、-C(O)(フラニル)、-S(O)
2(メチルフェニル)、フェニル、メチルフェニル、アミノフェニル、ピペリジニル、ピラジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、もしくはジヒドロベンゾ[d]イミダゾロニルであり;
R
1eは、-CH
3であり;
R
4は、-CH
3であり;
nは、0、もしくは1である]
を有する、化学式1の化合物またはその塩を提供する。
【0022】
一つの実施形態は、ZがCR
6R
6である、化学式1の化合物またはその塩を提供する。この実施形態の化合物は、下記の構造:
【化5】
を有する。各R
6が、独立して、水素または-CH
3である化合物は、この実施形態に含まれる。各R
6が水素である化合物も、この実施形態に含まれる。
【0023】
一つの実施形態は、ZがC=Oである、化学式1の化合物またはその塩を提供する。この実施形態の化合物は、下記の構造:
【化6】
を有する。
【0024】
一つの実施形態は、R1aが、水素、C1-6アルキル、C1-4フルオロアルキル、C1-3シアノアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、-(CH2)1-3O(C1-3アルキル)、-(CH2)1-3S(O)2(C1-3アルキル)、-(CH2)1-3C(O)O(C1-3アルキル)、-(CH2)1-3NRxRx、-(CH2)1-3C(O)NRxRx、-(CH2)1-3NRxC(O)(C1-3アルキル)、-C(O)(C1-3アルキル)、-CH(フェニル)(C1-2ヒドロキシアルキル)、-CRxRxCRx(フェニル)2、R1c、-(CRxRx)1-3R1c、-(CRxRx)1-3OR1c、もしくは-C(O)R1cであり;R1bが、水素、C1-3アルキル、もしくは-CH2(フェニル)である、化学式1の化合物またはその塩を提供する。
【0025】
一つの実施形態は、R1aが、水素、C1-6アルキル、C1-3フルオロアルキル、C1-2シアノアルキル、C1-4ヒドロキシアルキル、-(CH2)1-3OCH3、-(CH2)1-3S(O)2(C1-2アルキル)、-(CH2)1-2C(O)O(C1-3アルキル)、-(CH2)1-3NRxRx、-(CH2)1-2C(O)NRxRx、-(CH2)1-3NRxC(O)(C1-3アルキル)、-C(O)(C1-3アルキル)、-CH(フェニル)(C1-2ヒドロキシアルキル)、-CRxRxCRx(フェニル)2、R1c、-(CRxRx)1-3R1c、-(CRxRx)1-3OR1c、もしくは-C(O)R1cであり;R1bが、水素、C1-3アルキル、もしくは-CH2(フェニル)である、化学式1の化合物またはその塩を提供する。
【0026】
一つの実施形態は、R1aが、水素、C1-6アルキル、-CH2CH2CF3、-CH2CN、-CH2CH2OH、-CH(CH3)CH2OH、-CH2CH2CH2CH2OH、-CH(CH3)CH2CH2OH、-CH2CH2OCH3、-CH2CH2C(O)OCH3、-CH2CH2N(CH3)2、-CH2C(O)NH2、-CH2C(O)N(CH3)2、-CH2CH2C(O)NH2、-CH2CH2NHC(O)CH3、-CH(フェニル)(CH2CH2OH)、-CH2CH(フェニル)2、R1c、-CRxRxR1c、-CH2CH2R1c、-CH2CH2CH2R1c、もしくは-CH2CH2OR1cであり;R1bが、水素、C1-3アルキル、もしくは-CH2(フェニル)である、化学式1の化合物またはその塩を提供する。
【0027】
一つの実施形態は、R1aおよびR1bがそれらに結合している窒素原子と共に結合して、アザスピロ[2.5]オクタニル、アゼパニル、アゼチジニル、アゾカニル、ジアゼパニル、ジオキシドチオモルホリニル、イソインドリニル、モルホリニル、オクタヒドロシクロペンタ[b]ピロリル、オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロリル、オキサアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ピペラジノニル、ピペラジニル、ピペリジノニル、ピペリジニル、ピロリジニル、ピロリジノニル、およびテトラヒドロイソキノリニルから選択される環基を形成し、ここで各環基は0から1個のR1dおよび0から2個のR1eで置換される、化学式1の化合物またはその塩を提供する。R1dが、C1-3アルキル、C1-2フルオロアルキル、C1-3アルコキシ、-NRxRy、-NRxC(O)(C1-2アルキル)、-C(O)(C1-2アルキル)、-C(O)NRyRy、-CH2(フェニル)、-CH2(メチルピロリジニル)、-CH2(ベンゾ[d][1,3]ジオキソリル)、-CH(フェニル)2、-C(O)(テトラヒドロフラニル)、-C(O)(フラニル)、-S(O)2(メチルフェニル)、フェニル、メチルフェニル、アミノフェニル、ピペリジニル、ピラジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、もしくはジヒドロベンゾ[d]イミダゾロニルである化合物は、この実施形態に含まれる。R1dが、-CH3、-CH(CH3)2、-OCH(CH3)2、-N(CH3)2、-NHC(O)CH3、-C(O)CH3、-C(O)NH2、-C(O)N(CH2CH3)2、-CH2(フェニル)、-CH2(メチルピロリジニル)、-CH2(ベンゾ[d][1,3]ジオキソリル)、-CH(フェニル)2、-C(O)(テトラヒドロフラニル)、-C(O)(フラニル)、-S(O)2(メチルフェニル)、フェニル、メチルフェニル、アミノフェニル、ピペリジニル、ピラジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、もしくはジヒドロベンゾ[d]イミダゾロニルである化合物も、この実施形態に含まれる。
【0028】
一つの実施形態は、R1aおよびR1bがそれらに結合している窒素原子と共に結合して、アザスピロ[2.5]オクタニル、アゼパニル、アゼチジニル、アゾカニル、ジアゼパニル、ジオキシドチオモルホリニル、イソインドリニル、モルホリニル、オクタヒドロシクロペンタ[b]ピロリル、オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロリル、オキサアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ピペラジノニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、およびテトラヒドロイソキノリニルから選択される環基を形成し、ここで各環基は0から1個のR1dおよび0から2個のR1eで置換される、化学式1の化合物またはその塩を提供する。R1dが、C1-3アルキル、C1-2フルオロアルキル、C1-3アルコキシ、-NRxRy、-NRxC(O)(C1-2アルキル)、-C(O)(C1-2アルキル)、-C(O)NRyRy、-CH2(フェニル)、-CH2(メチルピロリジニル)、-CH2(ベンゾ[d][1,3]ジオキソリル)、-CH(フェニル)2、-C(O)(テトラヒドロフラニル)、-C(O)(フラニル)、-S(O)2(メチルフェニル)、フェニル、メチルフェニル、アミノフェニル、ピペリジニル、ピラジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、もしくはジヒドロベンゾ[d]イミダゾロニルである化合物は、この実施形態に含まれる。R1dが、-CH3、-CH(CH3)2、-OCH(CH3)2、-N(CH3)2、-NHC(O)CH3、-C(O)CH3、-C(O)NH2、-C(O)N(CH2CH3)2、-CH2(フェニル)、-CH2(メチルピロリジニル)、-CH2(ベンゾ[d][1,3]ジオキソリル)、-CH(フェニル)2、-C(O)(テトラヒドロフラニル)、-C(O)(フラニル)、-S(O)2(メチルフェニル)、フェニル、メチルフェニル、アミノフェニル、ピペリジニル、ピラジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、もしくはジヒドロベンゾ[d]イミダゾロニルである化合物も、この実施形態に含まれる。
【0029】
一つの実施形態は、R1aおよびR1bがそれらに結合している窒素原子と共に結合して、アザスピロ[2.5]オクタニル、アゼパニル、アゼチジニル、ジアゼパニル、ジオキシドチオモルホリニル、モルホリニル、オクタヒドロシクロペンタ[b]ピロリル、オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロリル、オキサアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ピペラジノニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、およびテトラヒドロイソキノリニルから選択される環基を形成し、ここで各環基は0から1個のR1dおよび0から1個のR1eで置換される、化学式1の化合物またはその塩を提供する。R1dが、C1-3アルキル、C1-2フルオロアルキル、C1-3アルコキシ、-NRxRy、-NRxC(O)(C1-2アルキル)、-C(O)(C1-2アルキル)、-C(O)NRyRy、-CH2(フェニル)、-CH2(メチルピロリジニル)、-CH2(ベンゾ[d][1,3]ジオキソリル)、-CH(フェニル)2、-C(O)(テトラヒドロフラニル)、-C(O)(フラニル)、-S(O)2(メチルフェニル)、フェニル、メチルフェニル、アミノフェニル、ピペリジニル、ピラジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、もしくはジヒドロベンゾ[d]イミダゾロニルである化合物は、この実施形態に含まれる。R1dが、-CH3、-CH(CH3)2、-OCH(CH3)2、-N(CH3)2、-NHC(O)CH3、-C(O)CH3、-C(O)NH2、-C(O)N(CH2CH3)2、-CH2(フェニル)、-CH2(メチルピロリジニル)、-CH2(ベンゾ[d][1,3]ジオキソリル)、-CH(フェニル)2、-C(O)(テトラヒドロフラニル)、-C(O)(フラニル)、-S(O)2(メチルフェニル)、フェニル、メチルフェニル、アミノフェニル、ピペリジニル、ピラジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、もしくはジヒドロベンゾ[d]イミダゾロニルである化合物も、この実施形態に含まれる。
【0030】
一つの実施形態は、環Aが:
【化7】
である、化学式1の化合物またはその塩を提供する。
【0031】
一つの実施形態は、環Aが:
【化8】
である、化学式1の化合物またはその塩を提供する。
【0032】
一つの実施形態は、環Aが:
【化9】
である、化学式1の化合物またはその塩を提供する。R
1aが、水素、C
1-6アルキル、-CH
2CH
2CF
3、-CH
2CN、-CH
2CH
2OH、-CH(CH
3)CH
2OH、-CH
2CH
2CH
2CH
2OH、-CH(CH
3)CH
2CH
2OH、-CH
2CH
2OCH
3、-CH
2CH
2C(O)OCH
3、-CH
2CH
2N(CH
3)
2、-CH
2C(O)NH
2、-CH
2C(O)N(CH
3)
2、-CH
2CH
2C(O)NH
2、-CH
2CH
2NHC(O)CH
3、-CH(フェニル)(CH
2CH
2OH)、-CH
2CH(フェニル)
2、R
1c、-CR
xR
xR
1c、-CH
2CH
2R
1c、-CH
2CH
2CH
2R
1c、もしくは-CH
2CH
2OR
1cであり;あるいは、R
1aおよびR
1bがそれらに結合している窒素原子と共に結合して、アザスピロ[2.5]オクタニル、アゼパニル、アゼチジニル、ジアゼパニル、ジオキシドチオモルホリニル、モルホリニル、オクタヒドロシクロペンタ[b]ピロリル、オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロリル、オキサアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ピペラジノニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、およびテトラヒドロイソキノリニルから選択される環基を形成し、ここで各環基は0から1個のR
1dおよび0から1個のR
1eで置換され;R
1cが、C
3-6シクロアルキル、フェニル、オキセタニル、フラニル、ピロリジニル、ピロリジノニル、イミダゾリル、インダゾリル、チアゾリル、ピペリジニル、ピリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、ベンゾ[d]チアゾリル、ナフタレニル、キノリニル、もしくはキノキサリニルであり、ここで各環基は、F、Cl、-CN、-OH、-CH
3、-CF
3、-OCH
3、-OCF
3、-C(O)OCH
3、-NH(CH
3)、-N(CH
3)
2、-S(O)
2CH
3、-S(O)
2N(CH
3)
2、-CH
2(フェニル)、-NO
2、シクロプロピル、イミダゾリル、およびフェニルから独立して選択される、0から2個の置換基で置換され;R
1dが、-CH
3、-CH(CH
3)
2、-OCH(CH
3)
2、-N(CH
3)
2、-NHC(O)CH
3、-C(O)CH
3、-C(O)NH
2、-C(O)N(CH
2CH
3)
2、-CH
2(フェニル)、-CH
2(メチルピロリジニル)、-CH
2(ベンゾ[d][1,3]ジオキソリル)、-CH(フェニル)
2、-C(O)(テトラヒドロフラニル)、-C(O)(フラニル)、-S(O)
2(メチルフェニル)、フェニル、メチルフェニル、アミノフェニル、ピペリジニル、ピラジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、もしくはジヒドロベンゾ[d]イミダゾロニルであり;R
1eが、-CH
3である化合物は、この実施形態に含まれる。
【0033】
一つの実施形態は、環Aが:
【化10】
である、化学式1の化合物またはその塩を提供する。
【0034】
一つの実施形態は、環Aが:
【化11】
である、化学式1の化合物またはその塩を提供する。
【0035】
一つの実施形態は、環Aが:
【化12】
である、化学式1の化合物またはその塩を提供する。
【0036】
一つの実施形態は、各R4が、独立して、F、Cl、-CN、C1-2アルキル、C1-2フルオロアルキル、C1-2アルコキシ、もしくはC1-2フルオロアルコキシである、化学式1の化合物またはその塩を提供する。各R4が、独立して、F、Cl、-CN、-CH3、-CF3、-OCH3、もしくは-OCF3である化合物は、この実施形態に含まれる。各R4が、独立して、F、-CN、-CH3、もしくは-CF3である化合物も、この実施形態に含まれる。
【0037】
一つの実施形態は、R5が、水素、重水素、C1-2アルキル、もしくはFである、化学式1の化合物またはその塩を提供する。
【0038】
一つの実施形態は、R5が、水素、重水素、-CH3、もしくはFである、化学式1の化合物またはその塩を提供する。
【0039】
一つの実施形態は、R5が、水素、重水素、もしくは-CH3である、化学式1の化合物またはその塩を提供する。
【0040】
一つの実施形態は、R5が、水素、重水素、もしくはFである、化学式1の化合物またはその塩を提供する。
【0041】
一つの実施形態は、R5がFである、化学式1の化合物またはその塩を提供する。
【0042】
一つの実施形態は、R5が-CH3である、化学式1の化合物またはその塩を提供する。
【0043】
一つの実施形態は、R5が、水素もしくは重水素である、化学式1の化合物またはその塩を提供する。
【0044】
一つの実施形態は、R5が重水素である、化学式1の化合物またはその塩を提供する。
【0045】
一つの実施形態は、各R6が、独立して、水素もしくはC1-2アルキルである、化学式1の化合物またはその塩を提供する。各R6が、独立して、水素もしくは-CH3である化合物は、この実施形態に含まれる。各R6が水素である化合物も、この実施形態に含まれる。
【0046】
一つの実施形態は、mが、0、1、もしくは2である、化学式1の化合物またはその塩を提供する。mが、0もしくは1である化合物は、この実施形態に含まれる。mが0である化合物も、この実施形態に含まれる。
【0047】
一つの実施形態は、nが、0、1、もしくは2である、化学式1の化合物またはその塩を提供する。nが、0もしくは1である化合物は、この実施形態に含まれる。nが0である化合物も、この実施形態に含まれる。
【0048】
一つの実施形態は、前記化合物が、3-(5-{4-[(ジメチルアミノ)メチル]ピリジン-2-イル}-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (1); 3-(5-(4-((ベンジルアミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (2); 3-(5-(4-((メチル(プロピル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (3); 3-(5-(4-((エチル(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (4); 3-(5-(4-((エチル(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (5); 3-(5-(4-(((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (7); 3-(5-(4-((ブチル(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (9); 3-(5-(4-(((シクロプロピルメチル)(プロピル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (10); 3-(5-(4-((メチル(2-(ピリジン-2-イル)エチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (16); 3-(5-(4-((ベンジル(イソプロピル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (19); 3-(5-(4-(((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (21); 3-(5-(4-((エチル(ピリジン-4-イルメチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (22); 3-(5-(4-((メチル(1-メチルピロリジン-3-イル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (29); 2-(((2-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)ピリジン-4-イル)メチル)(メチル)アミノ)-N,N-ジメチルアセトアミド (34); 3-(5-(4-((メチル(1-メチルピロリジン-3-イル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (49); 3-(5-(4-((ジエチルアミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (50); 3-(5-(4-(((シクロヘキシルメチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (54); 3-(1-オキソ-5-(4-(((1-フェニルエチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (55); 3-(5-(4-(((2-メチルベンジル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (56); 3-(5-(4-(((3-メチルベンジル)アミノ)メチル) ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (57); 3-(5-(4-(((4-メチルベンジル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (58); 3-(5-(4-(((シクロヘキシルメチル)(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (59); 3-(5-(4-((ブチルアミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (61); 3-(1-オキソ-5-(4-((プロピルアミノ)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (62); 3-(1-オキソ-5-(4-((フェネチルアミノ)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (63); 3-(5-(4-(((シクロプロピルメチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (64); 3-(5-(4-((ネオペンチルアミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (65); 3-(1-オキソ-5-(4-((((テトラヒドロフラン-2-イル)メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (66); 3-(5-(4-(((4-メトキシベンジル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (67); 3-(5-(4-(((2-メトキシエチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (68); 3-(5-(4-(((1-シクロプロピルシクロブチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (77); 3-(5-(4-(((2-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (80); 3-(1-オキソ-5-(4-((((1R,2R)-2-フェニルシクロペンチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (84); 3-(5-(4-((シクロペンチルアミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (86); 3-(5-(4-((シクロヘキシルアミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (87); 3-(5-(4-(((2-モルホリノエチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (88); 3-(5-(4-((tert-ブチルアミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (89); 3-(5-(4-(((2,2-ジフェニルエチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (90); N-(2-(((2-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)ピリジン-4-イル)メチル)アミノ)エチル)アセトアミド (91); 3-(5-(4-(((2-ヒドロキシエチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (92); 3-(5-(4-(((2-クロロフェネチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (93); 3-(5-(4-(((4-クロロフェネチル)アミノ) メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (94); 3-(5-(4-(((4-メトキシフェネチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (95); 3-(5-(4-(((4-ヒドロキシフェネチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (96); 3-(5-(4-((イソペンチルアミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (97); 3-(1-オキソ-5-(4-(((3-フェニルプロピル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (98); 2-(((2-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)ピリジン-4-イル)メチル)アミノ)アセトニトリル (99); 2-(((2-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)ピリジン-4-イル)メチル)アミノ) アセトアミド (100); 3-(5-(4-(((4-ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (101); 3-(5-(4-(((3-クロロフェネチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (102); 3-(1-オキソ-5-(4-(((2-フェノキシエチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (103); 3-(5-(4-(((1-ベンジルピロリジン-3-イル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (104); 3-(((2-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)ピリジン-4-イル)メチル)アミノ)プロパンアミド (105); 3-(5-(4-(((2-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)エチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (106); 3-(5-(4-(((4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (107); 3-(5-(4-((シクロブチルアミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (108); 3-(5-(4-((シクロプロピルアミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (109); 3-(1-オキソ-5-(4-((((2-フェニルチアゾール-4-イル)メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (110); 3-(1-オキソ-5-(4-((((1R,2S)-2-フェニルシクロプロピル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (111); メチル3-(((2-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)ピリジン-4-イル)メチル)アミノ)プロパノアート (112); 3-(5-(4-(((3-(1H-イミダゾール-1-イル)プロピル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (113); 3-(5-(4-(((3-モルホリノプロピル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (114); 3-(1-オキソ-5-(4-(((3-(2-オキソピロリジン-1-イル)プロピル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (115); 3-(5-(4-((エチルアミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (116); 3-(1-オキソ-5-(4-((((R)-1-フェニルエチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (122); 3-(1-オキソ-5-(4-((((S)-1-フェニルエチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (123); 3-(5-(4-((((1-ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (124); 3-(5-(4-(((2-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (126); 3-(5-(4-(((4-ヒドロキシブチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (128); 3-(5-(4-(((オキセタン-2-イルメチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (129); 3-(5-(4-((((R)-3-ヒドロキシ-1-フェニルプロピル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (131); 3-(5-(4-((メチル((S)-1-フェニルエチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (136); 3-(5-(4-((メチル((R)-1-フェニルエチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (137); 3-(5-(4-((メチル((1R,2R)-2-(メチルアミノ)シクロヘキシル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (140); 3-(5-(4-((メチル(2-フェニルプロパン-2-イル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (142); 3-(1-オキソ-5-(4-((3-フェニルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (144); 3-(5-{4-[(メチルアミノ)メチル]ピリジン-2-イル}-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (145); 4-{[({2-[2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-5-イル]ピリジン-4-イル}メチル)(メチル)アミノ]メチル}-N,N-ジメチルベンゼン-1-スルホンアミド(146); 3-(5-(4-(((4-フルオロベンジル)(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (147); 3-(5-(4-((メチル(3-(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (148); 3-(5-(4
-((メチル(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (149); 4-((((2-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)ピリジン-4-イル)メチル)(メチル)アミノ)メチル)ベンゾニトリル (150); 3-(5-(4-((メチル(4-ニトロベンジル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (151); 3-(5-(4-(((3,4-ジフルオロベンジル)(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (152); メチル 4-((((2-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)ピリジン-4-イル)メチル)(メチル)アミノ)メチル)ベンゾアート (153); 3-(5-(4-(((4-クロロベンジル)(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (154); 3-(5-(4-((メチル(キノリン-8-イルメチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (155); 3-(5-(4-((メチル(3-(トリフルオロメトキシ)ベンジル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (156); 3-(5-(4-((メチル(4-(メチルスルホニル)ベンジル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (157); 3-(5-(4-(((3-メトキシベンジル)(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (158); 3-(5-(4-((メチル(ピリジン-3-イルメチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (159); 3-(5-(4-((メチル(ピリジン-4-イルメチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (160); 3-(5-(4-((メチル(4-メチルベンジル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (161); 3-(5-(4-((メチル(ナフタレン-2-イルメチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (162); 3-(5-{4-[(ジベンジルアミノ)メチル]ピリジン-2-イル}-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (163); 3-[5-(4-{[ベンジル(メチル)アミノ]メチル}ピリジン-2-イル)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオン (164); 3-{5-[4-({[(6-メトキシピリジン-3-イル)メチル](メチル)アミノ}メチル)ピリジン-2-イル]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-2-イル}ピペリジン-2,6-ジオン (168); 3-(5-(4-((((1H-インダゾール-4-イル)メチル)(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (169); 3-(5-(4-((メチル(1-メチルピペリジン-4-イル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (170); 3-(5-(4-((メチル(フェネチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (171); 3-(5-(4-(((フラン-3-イルメチル)(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (172); 3-(5-(4-(((シクロプロピルメチル)(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (173); 3-(5-(4-((メチル((1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (174); 3-(5-(4-(((シクロペンチルメチル)(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (175); 3-(5-(4-((メチル(チアゾール-2-イルメチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (176); 3-(5-(4-(((4-(1H-イミダゾール-1-イル)ベンジル)(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (177); 3-(5-(4-(((シクロブチルメチル)(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (178); 3-(5-(4-((イソブチル(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (179); 3-(5-(4-((イソペンチル(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (180); 3-(5-(4-(((1-ヒドロキシプロパン-2-イル)(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (181); 3-(5-(4-((メチル((テトラヒドロフラン-3-イル)メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (182); 3-(5-(4-((メチル (キノキサリン-2-イルメチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (183); 3-(5-(4-((メチル(3,3,3-トリフルオロプロピル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (184); 3-(5-(4-(((4-ヒドロキシブタン-2-イル)(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (185);もしくは3-(5-(4-((ジメチルアミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-6-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (194)である、化学式1の化合物またはその塩を提供する。
【0049】
一つの実施形態は、前記化合物が、3-(5-(4-((エチル(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (6); 3-(1-オキソ-5-(4-(ピロリジン-1-イルメチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (8); 3-(1-オキソ-5-(4-((4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (11); 3-(5-(4-((4-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イルメチル)ピペラジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (12); 1-((2-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)ピリジン-4-イル)メチル)-N,N-ジエチルピペリジン-3-カルボキサミド (13); 3-(5-(4-((4-メチルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (14); 3-(1-オキソ-5-(4-((4-(ピリジン-2-イル)ピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (15); 3-(5-(4-([1,4'-ビピペリジン]-1'-イルメチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (17); 3-(1-オキソ-5-(4-((4-(ピリミジン-2-イル)ピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (18); 3-(5-(4-((2-メチルピロリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (20); 3-(1-オキソ-5-(4-((4-(ピロリジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (23); 3-(5-(4-((4-(フラン-2-カルボニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (24); 3-(1-オキソ-5-(4-((4-(ピリジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (25); 3-(1-オキソ-5-(4-((4-(ピラジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (26); 3-(5-(4-((3-メチル-4-(m-トリル)ピペラジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (27); 3-(5-(4-((4-アセチルピペラジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (28); 3-(5-(4-((2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (30); N-((3S)-1-((2-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)ピリジン-4-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)アセトアミド (31); 3-(1-オキソ-5-(4-((4-(テトラヒドロフラン-2-カルボニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (32); 3-(5-(4-(((S)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (33); 3-(5-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (35); 3-(5-(4-((4-ベンジルピペラジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (36); 3-(1-オキソ-5-(4-((3-オキソピペラジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (37); 3-(5-(4-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (38); 3-(5-(4-((3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (39); 3-(5-(4-((4-(ジメチルアミノ)ピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (40); 1-((2-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)ピリジン-4-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボキサミド (41); 3-(5-(4-((4-ベンズヒドリルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (42); 3-(5-(4-((4-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (43); 3-(5-(4-((4-イソプロピルピペラジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (44); 3-(5-(4-(((R)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (45); 3-(5-(4-((2-メチルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (46); 3-(5-(4-((3-メチルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (47); 3-(5-(4-(アゼパン-1-イルメチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (48); 3-(5-(4-((3,3-ジメチルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (51); 3-(5-(4-((2,2-ジメチルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (52); 3-(5-(4-((2,6-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (53); 3-(5-(4-((ヘキサヒドロシクロペンタ[b]ピロール-1(2H)-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (60); 3-(5-(4-(((S)-2-メチルピロリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (69); 3-(5-(4-(((R)-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (70); 3-(5-(4-(((R)-2-メチルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (71); 3-(5-(4-(((S)-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (72); 3-(5-(4-(((S)-3-メチルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (73); 3-(5-(4-(((S)-2-メチルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (74); 3-(5-(4-(((R)-3-メチルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (75); 3-(1-オキソ-5-(4-((2-フェニルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (76); 3-(5-(4-(((3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (78); 3-(5-(4-((2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタn-5-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (79); 3-(5-(4-(((3S,5R)-3,5-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (81); 3-(5-(4-((4,4-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (82); 3-(1-オキソ-5-(4-((3-フェニルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (83); 3-(5-(4-((3,3-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (85); 3-(5-(4-((2,2-ジメチルピロリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (117); 3-(5-(4-((3,3-ジメチルピロリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (118); 3-(5-(4-((2,5-ジメチルピロリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (119); 3-(5-(4-(((2R,6S)-2,6-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (120); 3-(5-(4-((4-(4-アミノフェニル)-4-メチルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (121); 3-(5-(4-(((R)-2-メチルピロリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (125); 3-(5-(4-((6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (127); 3-(5-(4-((3-イソプロポキシアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (130); 3-(1-オキソ-5-(4-((4-トシルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (132); 3-(1-オキソ-5-(4-(((S)-2-フェニルピロリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (133); 3-(1-オキソ-5-(4-(((R)-2-フェニルピロリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (134); 3-(1-オキソ-5-(4-(((S)-3-フェニルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (135); 3-(1-オキソ-5-(4-(((R)-3-フェニルピロリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (138); 3-(1-オキソ-5-(4-(((S)-3-フェニルピロリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (139); 3-(1-オキソ-5-(4-((4-フェニルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (141); 3-(1-オキソ-5-(4-((3-フェニルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (143); 3-(5-{4-[(アゼチジン-1-イル)メチル]ピリジン-2-イル}-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (165); 3-(5-{4-[(モルホリン-4-イル)メチル]ピリジン-2-イル}-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (166); 4-({2-[2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-5-イル]ピリジン-4-イル}メチル)-1λ6-チオモルホリン-1,1-ジオン (167); 3-(5-(5-クロロ-4-((3-フェニルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (186); 3-(5-(5-クロロ-4-((2-フェニルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (187); 3-(5-(5-フルオロ-4-((3-フェニルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (188); 3-(5-(5-フルオロ-4-((2-フェニルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (189); 3-(5-(5-フルオロ-4-((3-(ピリジン-3-イル)アゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (190); 3-(5-(3-フルオロ-4-((3-フェニルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (191); 3-(5-(3-フルオロ-4-((3-(ピリジン-3-イル)アゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン
-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (192); 3-(5-(3-フルオロ-4-((2-フェニルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (193); 3-(1-オキソ-5-(4-((3-(ピリジン-4-イル)アゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (195); 3-(5-(4-((3-メトキシ-3-メチルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (196); 3-(5-(4-((3-メトキシアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (197); 3-(5-(4-((3-エトキシアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (198); 3-(1-オキソ-5-(4-((4-(p-トリル)ピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (199); 3-(5-(4-(((S)-2-ベンジルアジリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (200); 3-(5-(4-((2-メチルアジリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (201); 1-((2-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)ピリジン-4-イル)メチル)-N,N-ジメチルアゼチジン-3-カルボキサミド (202); 3-(1-オキソ-5-(4-((3-(ピリジン-3-イル)アゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (203); 3-(1-オキソ-5-(4-((2-フェニルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (204-205); 1-((2-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)ピリジン-4-イル)メチル)アゼチジン-2-カルボキサミド (206); 3-(5-(4-((4-メトキシ-3,3-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (207);もしくは3-(4-フルオロ-1-オキソ-5-(4-((3-フェニルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン (208)である、化学式1の化合物またはその塩を提供する。
【0050】
本発明は、その意図または本質的な特質から逸脱することなく、他の特定の形態に具体化されることがある。本発明は、本明細書に記載される、本発明の態様および/または実施形態の全ての組み合わせを包含する。本発明の、任意のおよび全ての実施形態は、追加の実施形態を記述するために、任意の他の実施形態と併用され得ることが理解される。実施形態の個々の要素は、追加の実施形態を記述するために、任意の実施形態に由来する、任意のおよび全ての他の要素と組み合わされることを意図していることも理解される。
【0051】
定義
本発明の特徴および利点は、以下の詳細な説明を読めば、当業者によって、より容易に理解され得る。明確にするために、別々の実施形態の文脈で先述および後述される、本発明のある特徴は、単一の実施形態を形成するために組み合わされることもあると認識される。反対に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で記載される、本発明の様々な特徴は、そのサブコンビネーションを形成するために組み合わされることもある。本明細書で例示的または好ましいと見なされる実施形態は、具体例であり、制限しないことを意図する。
【0052】
本明細書で特に断りのない限り、単数形でされる参照は、複数形も含むことがある。例えば、「一つの(a)」および「一つの(an)」は、一つまたは一つ以上のいずれかを指すことがある。
【0053】
本明細書で使用されるとき、「化合物および/またはその塩」という言葉は、少なくとも一つの化合物、少なくとも一つの、前記化合物の塩、またはその組み合わせを指す。例えば、化学式1の化合物および/またはその塩は、一つの化学式1の化合物;二つの化学式1の化合物;一つの化学式1の化合物の塩;一つの化学式1の化合物および一つ以上の、化学式1の化合物の塩;並びに二つ以上の化学式1の化合物の塩を含む。
【0054】
特に断らない限り、原子価を満足しない任意の原子は、原子価を満足するのに十分な数の水素原子を有すると仮定される。
【0055】
本明細書に記載される定義は、参照により本明細書に組み込まれる任意の特許、特許出願、および/または特許出願公報に記載される定義に優先する。
【0056】
本発明を説明するために使用される様々な用語の定義が以下に記載される。これらの定義は、(特定の事例に限定されない限り)本明細書を通じて使用される際に、個々にまたはより大きな群の一部として用語に適用する。
【0057】
本明細書を通じて、基およびその置換基は、安定な成分および化合物を提供するために、当業者により選ばれることがある。
【0058】
当技術分野で使用される慣習に従って、
【化13】
は、部分または置換基からコアまたは骨格構造への結合点である結合を示すために、本明細書における構造式で使用される。
【0059】
「ハロ」および「ハロゲン」という用語は、本明細書で使用されるとき、F、Cl、Br、およびIを指す。
【0060】
「シアノ」という用語は、-CN基を指す。
【0061】
「アミノ」という用語は、-NH2基を指す。
【0062】
「オキソ」という用語は、=O基を指す。
【0063】
「アルキル」という用語は、本明細書で使用されるとき、例えば、1から12個の炭素原子、1から6個の炭素原子、および1から4個の炭素原子を含む、分岐鎖ならびに直鎖飽和脂肪族炭化水素基の両方を指す。アルキル基の例には、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(例えば、n-プロピルおよびi-プロピル)、ブチル(例えば、n-ブチル、i-ブチル、sec-ブチル、およびt-ブチル)、およびペンチル(例えば、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル)、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、2-エチルブチル、3-メチルペンチル、並びに4-メチルペンチルが挙げられるが、これらに限らない。記号「C」の後に数字が下付き文字で示される場合、その下付き文字は、特定の基が含み得る炭素原子の数をより具体的に定義する。例えば、「C1-4アルキル」は、1から4個の炭素原子を有する、直鎖および分岐鎖アルキル基を意味する。
【0064】
「フルオロアルキル」という用語は、本明細書で使用されるとき、1個以上のフッ素原子で置換される、分岐鎖および直鎖飽和脂肪族炭化水素基の両方を含むように意図される。例えば、「C1-4フルオロアルキル」は、1個以上のフッ素原子で置換される、C1、C2、C3、およびC4アルキル基を含むように意図される。フルオロアルキル基の代表的な例には、-CF3および-CH2CF3が挙げられるが、これらに限らない。
【0065】
「アルコキシ」という用語は、本明細書で使用されるとき、酸素原子を介して親分子部分と結合するアルキル基を指し、例えば、メトキシ基(-OCH3)がある。例えば、「C1-3アルコキシ」は、1から3個の炭素原子を有するアルコキシ基を意味する。
【0066】
「フルオロアルコキシ」および「-O(フルオロアルキル)」という用語は、上で定義されるような、酸素結合(-O-)を介して結合するフルオロアルキル基を意味する。例えば、「C1-4フルオロアルコキシ」は、C1、C2、C3、およびC4フルオロアルコキシ基を含むように意図される。
【0067】
「シクロアルキル」という用語は、本明細書で使用されるとき、飽和環炭素原子から1個の水素原子を除去した、非芳香族単環式または多環式炭化水素分子に由来する基を指す。シクロアルキル基の代表的な例には、シクロプロピル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルが挙げられるが、これらに限らない。記号「C」の後に数字が下付き文字で示される場合、その下付き文字は、特定のシクロアルキル基が含み得る炭素原子の数をより具体的に定義する。例えば、「C3-6シクロアルキル」は、3から6個の炭素原子を有するシクロアルキル基を意味する。
【0068】
本発明の化合物は、本化合物に生じる、原子の全ての同位体を含む。同位体は、同一の原子番号を有するが異なる質量数を有するような原子を含む。一般的な例として、これに限定されないが、水素の同位体には、重水素(D)およびトリチウム(T)が挙げられる。炭素の同位体には、13Cおよび14Cが挙げられる。本発明の同位体標識化合物は、当業者に既知の従来の技術または本明細書に記載されるようなものと類似した工程により、他に利用される非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を用いて、一般的に調製され得る。
【0069】
「薬学的に許容される」という言葉は、健全な医学的判断の範囲内にあり、過剰な毒性、炎症、アレルギー反応、または他の問題もしくは厄介な問題を伴わずに、ヒトおよび動物の組織に接触して使用するのに適しており、合理的なリスク・ベネフィット比と等しいような化合物、物質、組成物、および/または剤形を指すために本明細書で使用される。
【0070】
化学式1の化合物は塩を形成し得、その塩も本発明の範囲内にある。特に断らない限り、発明化合物への言及は、一つ以上のその塩への言及を含むように理解される。「塩」という用語は、無機および/または有機酸、並びに塩基と形成される酸性塩および/または塩基性塩を意味する。さらに、「塩」という用語は、双性イオン(分子内塩)を含むことがあり、例えば、化学式1の化合物が、アミンまたはピリジンもしくはイミダゾール環などの塩基性部分、およびカルボン酸などの酸性部分の両方を含む場合がある。薬学的に許容される(すなわち、非毒性の、生理学的に許容される)塩が好ましく、例えば、カチオンが塩の毒性または生物学的活性に対して有意に寄与しない、許容される金属およびアミン塩などがある。しかしながら、他の塩は、例えば、製剤の間に行われ得る単離または精製工程に有用であることがあり、それゆえ、本発明の範囲内に企図される。化学式1の化合物の塩は、前記塩が沈殿する溶媒中で、化学式1の化合物を同量などのある量の酸または塩基と反応させることで、あるいは水性溶媒中で反応させた後に凍結乾燥することで形成され得る。
【0071】
代表的な酸付加塩には、酢酸塩(酢酸またはトリハロ酢酸、例えば、トリフルオロ酢酸と形成されるような塩など)、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩(塩酸と形成される)、臭化水素酸塩(臭化水素と形成される)、ヨウ化水素酸塩、マレイン酸塩(マレイン酸と形成される)、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、メタンスルホン酸塩(メタンスルホン酸と形成される)、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩(硫酸と形成されるような塩など)、スルホン酸塩(本明細書で言及されるような塩など)、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩などのトルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、および同類のものが挙げられる。
【0072】
代表的な塩基性塩には、アンモニウム塩、ナトリウム、リチウム、およびカリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウムおよびマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;バリウム、亜鉛、およびアルミニウム塩;トリエチルアミンといったトリアルキルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N-ベンジル-β-フェネチルアミン、1-エフェナミン、N,N′-ジベンジルエチレン-ジアミン、デヒドロアビエチルアミン、N-エチルピペリジン、ベンジルアミン、ジシクロヘキシルアミンまたは類似の薬学的に許容されるアミンなどの有機塩基(例えば、有機アミン)との塩、並びにアルギニン、リシンおよび同類のものなどのアミノ酸との塩が挙げられる。塩基性窒素含有基は、低級アルキルハライド(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチルクロライド、ブロマイドおよびアイオダイド)、ジアルキル硫酸塩(例えば、ジメチル、ジエチル、ジブチル、およびジアミル硫酸塩)、長鎖ハライド(例えば、デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルクロライド、ブロマイドおよびアイオダイド)、アラルキルハライド(例えば、ベンジルおよびフェネチルブロマイド)などの化学物質で四級化されることがある。好ましい塩には、一塩酸塩、硫酸水素塩、メタンスルホン酸塩、リン酸塩、または硝酸塩が挙げられる。
【0073】
化学式1の化合物は、非晶質固体または結晶性固体として提供され得る。凍結乾燥は、固体として化学式1の化合物を提供するために利用され得る。
【0074】
化学式1の化合物の溶媒和物(例えば、水和物)も本発明の範囲内にあることがさらに理解されるべきである。「溶媒和物」という用語は、有機であろうと無機であろうと、一つ以上の溶媒分子との化学式1の化合物の物理的結合を意味する。この物理的結合には、水素結合が挙げられる。例えば、一つ以上の溶媒分子が、結晶性固体の結晶格子に組み込まれる場合など、場合によっては、溶媒和物は単離できるであろう。「溶媒和物」は、溶液相および単離可能な溶媒和物の両方を包含する。代表的な溶媒和物には、水和物、エタノレート、メタノレート、イソプロパノレート、アセトニトリル溶媒和物、および酢酸エチル溶媒和物が挙げられる。溶媒和の方法は、当技術分野で既知である。
【0075】
様々な種類のプロドラッグは当技術分野で周知であり、下記の文献:
a)The Practice of Medicinal Chemistry, Camille G. Wermuth et al., Ch 31, (Academic Press, 1996);
b)Design of Prodrugs, edited by H. Bundgaard, (Elsevier, 1985);
c)Textbook of Drug Design and Development, P. Krogsgaard-Larson and H. Bundgaard, eds. Ch 5, pgs 113 - 191 (Harwood Academic Publishers, 1991);および
d)Hydrolysis in Drug and Prodrug Metabolism, Bernard Testa and Joachim M. Mayer, (Wiley-VCH, 203);
e)Rautio, J. et al., Nature Review Drug Discovery, 17, 559-587, (2018)
に記載される。
【0076】
さらに、化学式1の化合物は、その調製後、重量99%以上の量の化学式1の化合物(実質的に純粋な)を含む組成物を得るために単離および精製され得、前記組成物は、本明細書に記載されるように、その後使用または製剤化される。そのような「実質的に純粋な」化学式1の化合物も、本発明の一部として本明細書に企図される。
【0077】
「安定化合物」および「安定構造」は、反応混合物、および製剤から有効な治療剤への、有用な純度への単離を乗り切るのに十分頑強である化合物を示すように意図される。本発明は、安定化合物を具体化するように意図される。
【0078】
「Helios阻害剤」という用語は、細胞中のHeliosタンパク質レベルを減少、Helios活性レベルを減少および/またはHelios発現レベルを阻害し、Treg分化を制御することができる薬剤を指す。Helios阻害剤は、可逆的または不可逆的阻害剤であり得る。
【0079】
本明細書で使用されるとき、「Helios」タンパク質は、ジンクフィンガータンパク質のIkarosファミリーのメンバーであるタンパク質を指す。ヒトにおいて、Heliosは、IKZF2遺伝子によりコードされる。Heliosは、IKAROSファミリージンクフィンガー2、ANF1A2、ZNF1A2、ZNFN1A2、ジンクフィンガータンパク質、サブファミリー1A、2、およびIkarosファミリージンクフィンガータンパク質2としても知られる。このタンパク質ファミリーのメンバーには、Ikaros、Helios、Aiolos、Eos、およびPegasusが挙げられる。本明細書で使用されるとき、Heliosタンパク質は、以下に示されるアイソフォーム1-5を含む、様々なアイソフォームを含む。
アイソフォーム1(UniProt Q9UKS7-1)
METEAIDGYITCDNELSPEREHSNMAIDLTSSTPNGQHASPSHMTSTNSVKLEMQSDEECDRKPLSREDEIRGHDEGSSLEEPLIESSEVADNRKVQELQGEGGIRLPNGKLKCDVCGMVCIGPNVLMVHKRSHTGERPFHCNQCGASFTQKGNLLRHIKLHSGEKPFKCPFCSYACRRRDALTGHLRTHSVGKPHKCNYCGRSYKQRSSLEEHKERCHNYLQNVSMEAAGQVMSHHVPPMEDCKEQEPIMDNNISLVPFERPAVIEKLTGNMGKRKSSTPQKFVGEKLMRFSYPDIHFDMNLTYEKEAELMQSHMMDQAINNAITYLGAEALHPLMQHPPSTIAEVAPVISSAYSQVYHPNRIERPISRETADSHENNMDGPISLIRPKSRPQEREASPSNSCLDSTDSESSHDDHQSYQGHPALNPKRKQSPAYMKEDVKALDTTKAPKGSLKDIYKVFNGEGEQIRAFKCEHCRVLFLDHVMYTIHMGCHGYRDPLECNICGYRSQDRYEFSSHIVRGEHTFH(配列番号1)
アイソフォーム2(UniProt Q9UKS7-2)
METEAIDGYITCDNELSPEREHSNMAIDLTSSTPNGQHASPSHMTSTNSVKLEMQSDEECDRKPLSREDEIRGHDEGSSLEEPLIESSEVADNRKVQELQGEGGIRLPNGERPFHCNQCGASFTQKGNLLRHIKLHSGEKPFKCPFCSYACRRRDALTGHLRTHSVGKPHKCNYCGRSYKQRSSLEEHKERCHNYLQNVSMEAAGQVMSHHVPPMEDCKEQEPIMDNNISLVPFERPAVIEKLTGNMGKRKSSTPQKFVGEKLMRFSYPDIHFDMNLTYEKEAELMQSHMMDQAINNAITYLGAEALHPLMQHPPSTIAEVAPVISSAYSQVYHPNRIERPISRETADSHENNMDGPISLIRPKSRPQEREASPSNSCLDSTDSESSHDDHQSYQGHPALNPKRKQSPAYMKEDVKALDTTKAPKGSLKDIYKVFNGEGEQIRAFKCEHCRVLFLDHVMYTIHMGCHGYRDPLECNICGYRSQDRYEFSSHIVRGEHTFH(配列番号2)
アイソフォーム4(UniProt Q9UKS7-4)
METEAIDGYITCDNELSPEREHSNMAIDLTSSTPNGQHASPSHMTSTNSVKLEMQSDEECDRKPLSREDEIRGHDEGSSLEEPLIESSEVADNRKVQELQGEGGIRLPNGERPFHCNQCGASFTQKGNLLRHIKLHSGEKPFKCPFCSYACRRRDALTGHLRTHSVGKPHKCNYCGRSYKQRSSLEEHKERCHNYLQNVSMEAAGQVMSHHGEKLMRFSYPDIHFDMNLTYEKEAELMQSHMMDQAINNAITYLGAEALHPLMQHPPSTIAEVAPVISSAYSQVYHPNRIERPISRETADSHENNMDGPISLIRPKSRPQEREASPSNSCLDSTDSESSHDDHQSYQGHPALNPKRKQSPAYMKEDVKALDTTKAPKGSLKDIYKVFNGEGEQIRAFKCEHCRVLFLDHVMYTIHMGCHGYRDPLECNICGYRSQDRYEFSSHIVRGEHTFH(配列番号3)
アイソフォーム6(UniProt Q9UKS7-6)
METEAIDGYITCDNELSPEREHSNMAIDLTSSTPNGQHASPSHMTSTNSVKLEMQSDEECDRKPLSREDEIRGHDEGSSLEEPLIESSEVADNRKVQELQGEGGIRLPNGKLKCDVCGMVCIGPNVLMVHKRSHTGERPFHCNQCGASFTQKGNLLRHIKLHSGEKPFKCPFCSYACRRRDALTGHLRTHSVGKPHKCNYCGRSYKQRSSLEEHKERCHNYLQNVSMEAAGQVMSHHDS(配列番号4)
アイソフォーム7(UniProt Q9UKS7-7)
METEAIDGYITCDNELSPEREHSNMAIDLTSSTPNGQHASPSHMTSTNSVKLEMQSDEECDRKPLSREDEIRGHDEGSSLEEPLIESSEVADNRKVQELQGEGGIRLPNGERPFHCNQCGASFTQKGNLLRHIKLHSGEKPFKCPFCSYACRRRDALTGHLRTHSVPPMEDCKEQEPIMDNNISLVPFERPAVIEKLTGNMGKRKSSTPQKFVGEKLMRFSYPDIHFDMNLTYEKEAELMQSHMMDQAINNAITYLGAEALHPLMQHPPSTIAEVAPVISSAYSQVYHPNRIERPISRETADSHENNMDGPISLIRPKSRPQEREASPSNSCLDSTDSESSHDDHQSYQGHPALNPKRKQSPAYMKEDVKALDTTKAPKGSLKDIYKVFNGEGEQIRAFKCEHCRVLFLDHVMYTIHMGCHGYRDPLECNICGYRSQDRYEFSSHIVRGEHTFH(配列番号5)
上記の「Helios」アイソフォーム1、2、4、6、および7は、デグロンFHCNQCGASFTQKGNLLRHIKLH(配列番号6)(下線付き)を含む。デグロンは、タンパク質分解速度を制御する役割を果たす、タンパク質の一部である。
【0080】
本明細書で使用されるとき、「Eos」タンパク質は、IKZF4遺伝子によりコードされ、IKAROSファミリージンクフィンガー4、ZNFN1A4、ジンクフィンガータンパク質、サブファミリー1A、4、Ikarosファミリージンクフィンガータンパク質4、およびKIAA1782としても知られる。「Eos」タンパク質は、以下の2つのヒトアイソフォーム1(Q9H2S9-1)および2(Q9H2S9-2):
アイソフォーム1(UniProt Q9H2S9-1)
MHTPPALPRRFQGGGRVRTPGSHRQGKDNLERDPSGGCVPDFLPQAQDSNHFIMESLFCESSGDSSLEKEFLGAPVGPSVSTPNSQHSSPSRSLSANSIKVEMYSDEESSRLLGPDERLLEKDDSVIVEDSLSEPLGYCDGSGPEPHSPGGIRLPNGKLKCDVCGMVCIGPNVLMVHKRSHTGERPFHCNQCGASFTQKGNLLRHIKLHSGEKPFKCPFCNYACRRRDALTGHLRTHSVSSPTVGKPYKCNYCGRSYKQQSTLEEHKERCHNYLQSLSTEAQALAGQPGDEIRDLEMVPDSMLHSSSERPTFIDRLANSLTKRKRSTPQKFVGEKQMRFSLSDLPYDVNSGGYEKDVELVAHHSLEPGFGSSLAFVGAEHLRPLRLPPTNCISELTPVISSVYTQMQPLPGRLELPGSREAGEGPEDLADGGPLLYRPRGPLTDPGASPSNGCQDSTDTESNHEDRVAGVVSLPQGPPPQPPPTIVVGRHSPAYAKEDPKPQEGLLRGTPGPSKEVLRVVGESGEPVKAFKCEHCRILFLDHVMFTIHMGCHGFRDPFECNICGYHSQDRYEFSSHIVRGEHKVG(配列番号7)
アイソフォーム2(UniProt Q9H2S9-2)
MDSRYLQLQLYLPSCSLLQGSGDSSLEKEFLGAPVGPSVSTPNSQHSSPSRSLSANSIKVEMYSDEESSRLLGPDERLLEKDDSVIVEDSLSEPLGYCDGSGPEPHSPGGIRLPNGKLKCDVCGMVCIGPNVLMVHKRSHTGERPFHCNQCGASFTQKGNLLRHIKLHSGEKPFKCPFCNYACRRRDALTGHLRTHSVSSPTVGKPYKCNYCGRSYKQQSTLEEHKERCHNYLQSLSTEAQALAGQPGDEIRDLEMVPDSMLHSSSERPTFIDRLANSLTKRKRSTPQKFVGEKQMRFSLSDLPYDVNSGGYEKDVELVAHHSLEPGFGSSLAFVGAEHLRPLRLPPTNCISELTPVISSVYTQMQPLPGRLELPGSREAGEGPEDLADGGPLLYRPRGPLTDPGASPSNGCQDSTDTESNHEDRVAGVVSLPQGPPPQPPPTIVVGRHSPAYAKEDPKPQEGLLRGTPGPSKEVLRVVGESGEPVKAFKCEHCRILFLDHVMFTIHMGCHGFRDPFECNICGYHSQDRYEFSSHIVRGEHKVG(配列番号8)
によりコードされるアイソフォームを含む。
上記の「Eos」タンパク質アイソフォーム1および2は、「Helios」タンパク質のデグロンと同一の、デグロンFHCNQCGASFTQKGNLLRHIKLH(配列番号6)(下線付き)を含む。
【0081】
本明細書で使用されるとき、「Ikaros」タンパク質は、IKZF1遺伝子によりコードされる。Ikarosは、IKAROSファミリージンクフィンガー1、ZNFN1A1、ジンクフィンガータンパク質、サブファミリー1A、1、Ikarosファミリージンクフィンガータンパク質1、IK1、リンパ系転写因子LyF-1、Hs.54452、PPP1R92、タンパク質ホスファターゼ1、調節サブユニット92、PRO0758、CVID13、およびCLL関連抗原KW-6としても知られる。Ikarosタンパク質は、アミノ酸配列Q13422-1、Q13422-2、Q13422-3、Q13422-4、Q13422-7、およびQ13422-8によりコードされるアイソフォームを含む。Ikarosタンパク質は、アミノ酸配列Q13422-5およびQ13422-6によりコードされるアイソフォームも含む。
【0082】
本明細書で使用されるとき、「Aiolos」タンパク質は、IKZF3遺伝子によりコードされる。Aiolosタンパク質は、IKAROSファミリージンクフィンガー3、ZNFN1A3、ジンクフィンガータンパク質、サブファミリー1A、3、Ikarosファミリージンクフィンガータンパク質3、およびAIOとしても知られる。Aiolosタンパク質は、アミノ酸配列Q9UKT9-1、Q9UKT9-3、Q9UKT9-4、Q9UKT9-6、Q9UKT9-7、Q9UKT9-8、Q9UKT9-9、およびQ9UKT9-14によりコードされるアイソフォームを含む。Aiolosタンパク質は、アミノ酸配列Q9UKT9-2、Q9UKT9-5、Q9UKT9-10、Q9UKT9-11、Q9UKT9-12、およびQ9UKT9-13、Q9UKT9-15、並びにQ9UKT9-16によりコードされるアイソフォームも含む。
【0083】
本明細書で使用されるとき、「Pegasus」タンパク質は、IKAROSファミリージンクフィンガー5、ZNFN1A5、ジンクフィンガータンパク質、サブファミリー1A、5、およびIkarosファミリージンクフィンガータンパク質5としても知られる。Pegasusは、IKZF5遺伝子によりコードされる。
【0084】
本明細書で使用されるとき、「接触させる」という用語は、インビトロ系またはインビボ系において、指示される成分をくっつけることを指す。例えば、Heliosタンパク質を化学式1の化合物と「接触させる」は、Heliosタンパク質を有するヒトなどの個体または患者に本発明の化合物を投与すること、並びに、例えば、Heliosタンパク質を含有する細胞製剤または精製製剤を含むサンプルに、化学式1の化合物を導入することを含む。
【0085】
「治療する(treat)」、「治療する(treating)」、および「治療」という用語は、本明細書で使用されるとき、疾患と関連する症状、合併症、状態、または生化学的兆候の、進行、発達、重症度、または再発を、逆転させる、軽減する、寛解させる、阻害する、または遅延させる、あるいは予防するために、行われる、または活性薬剤を患者に投与する、任意の種類の治療介入または過程を指す。「治療する(treat)」、「治療する(treating)」、および「治療」は、予防(prophylaxis)または予防(prevention)を包含しない。
【0086】
「治療有効量」は、細胞中のHeliosタンパク質レベルを減少させる、Helios活性レベルを減少させる、および/またはHelios発現レベルを阻害するのに有効な、またはウイルス感染およびがんなどの増殖性疾患を予防するのに有効な量の、本発明の化合物単体、または請求される化合物の組み合わせ、あるいは他の活性成分と組み合わせた本発明の化合物を含むように意図される。
【0087】
本明細書で使用されるとき、「細胞」という用語は、インビトロ、エクスビボまたはインビボにおける細胞を指すように意図される。いくつかの実施形態において、エクスビボ細胞は、哺乳動物などの生物から切除された組織サンプルの一部であり得る。いくつかの実施形態において、インビトロ細胞は、細胞培養における細胞であり得る。いくつかの実施形態において、インビボ細胞は、哺乳動物などの生物中の生細胞である。
【0088】
「患者(patient)」という用語は、治療または予防的治療のいずれかを受ける、ヒトおよび他の哺乳動物の患者を含む。
【0089】
「患者(subject)」という用語は、任意のヒトまたは非ヒト動物を含む。例えば、本明細書に開示される方法および組成物は、がんを有する患者を治療するために使用され得る。非ヒト動物は、全ての脊椎動物、例えば、非ヒト霊長類、ヒツジ、イヌ、ウシ、ニワトリ、両生動物、爬虫動物などの、哺乳動物および非哺乳動物を含む。一つの実施形態において、前記患者は、ヒト患者である。
【0090】
「薬学的に許容される担体」という言葉は、本明細書で使用されるとき、液体もしくは固体増量剤、希釈剤、添加剤、製造補助剤(例えば、滑沢剤、タルクマグネシウム、ステアリン酸カルシウムもしくは亜鉛、またはステアリン酸)、または溶媒封入物質などの、薬学的に許容される物質、組成物、またはビークルを意味し、ある臓器または身体の部分から、別の臓器または身体の部分へと、対象化合物を運搬または輸送するのに関わる。それぞれの担体は、製剤の他の成分、すなわち、希釈剤、防腐剤、充填剤、流動性調節剤、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、甘味剤、風味剤、香料剤、抗細菌剤、抗真菌剤、滑沢剤および分配剤(dispensing agents)などの、アジュバント、添加剤、またはビークルといった成分と適合するという意味で「許容される」必要があり、投与方法および剤形の性質に依存し;患者に有害であってはならない。
【0091】
「医薬組成物」という用語は、少なくとも一つの、追加の薬学的に許容される担体と一緒に、本発明の化合物を含む組成物を意味する。
【0092】
有用性
化学式1の化合物は、がんの治療に有用である。
【0093】
一つの実施形態において、本発明は、Heliosタンパク質の活性と関連する様々な疾患または障害の治療および/または予防において、同時に、個別にまたは連続で使用するための、化学式1の化合物、および/または薬学的に許容されるその塩、その立体異性体もしくはその互変異性体、および追加の治療剤の複合製剤を提供する。前記複合製剤は、細胞中のHeliosタンパク質レベル、Helios活性レベル、および/またはHelios発現レベルを減少させ、Treg分化を制御するために使用され得る。
【0094】
化学式1の化合物、および少なくとも一つの化学式1の化合物を含む医薬組成物は、Heliosタンパク質の活性と関連する任意の疾患または状態の、治療または予防に有用である。これらには、ウイルスおよび他の感染症(例えば、皮膚感染症、GI感染症、尿路感染症、泌尿生殖器感染症、全身性感染症)、並びに増殖性疾患(例えば、がん)が挙げられる。化学式1の化合物、および少なくとも一つの化学式1の化合物を含む医薬組成物は、動物、好ましくは哺乳動物(例えば、家畜化された動物、ネコ、イヌ、マウス、ラット)、より好ましくはヒトに投与されることがある。任意の投与方法は、化合物または医薬組成物を患者に送達するために使用され得る。ある実施形態において、化学式1の化合物、または少なくとも一つの化学式1の化合物を含む医薬組成物は、経口投与される。他の実施形態において、化学式1の化合物、または少なくとも一つの化学式1の化合物を含む医薬組成物は、非経口投与される。
【0095】
化学式1の化合物は、選択的に、細胞中のHeliosタンパク質レベルを減少させる、Helios活性レベルを減少させる、および/またはHelios発現レベルを阻害し、Treg分化を制御することができる。例えば、化学式1の化合物は、阻害量の化学式1の化合物またはその塩を投与することにより、選択的に、細胞中のHelios活性レベルを減少させる、および/またはHelios発現レベルを阻害し、Heliosタンパク質レベルの減少、Helios活性レベルの減少、および/またはHelios発現レベルの阻害を必要とする、細胞中のまたは個体中のTreg分化を制御するために使用され得る。
【0096】
一つの態様において、化学式1の化合物は、免疫抗がん剤の投与に先立って連続的に投与される。もう一つの態様において、化学式1の化合物は、免疫抗がん剤と同時に投与される。さらにもう一つの態様において、化学式1の化合物は、免疫抗がん剤の投与後に連続的に投与される。
【0097】
もう一つの態様において、化学式1の化合物は、免疫抗がん剤と共に製剤化されることがある。
【0098】
免疫抗がん剤には、例えば、小分子薬物、抗体、または他の生体分子もしくは小分子が挙げられる。生物学的免疫抗がん剤の例には、がんワクチン、抗体、およびサイトカインが挙げられるが、これらに限らない。一つの態様において、前記抗体はモノクローナル抗体である。もう一つの態様において、前記モノクローナル抗体は、ヒト化抗体またはヒト抗体である。
【0099】
一つの態様において、前記免疫抗がん剤は、(i)刺激(共刺激を含む)受容体のアゴニストまたは(ii)T細胞上の抑制(共抑制を含む)シグナルのアンタゴニストであり、その両方が抗原特異的T細胞応答(しばしば免疫チェックポイント調節因子と呼ばれる)の増強をもたらす。
【0100】
ある特定の刺激および抑制分子は、免疫グロブリンスーパーファミリー(IgSF)のメンバーである。共刺激または共抑制受容体に結合する膜結合リガンドの、ある重要なファミリーは、B7ファミリーであり、B7-1、B7-2、B7-H1(PD-L1)、B7-DC(PD-L2)、B7-H2(ICOS-L)、B7-H3、B7-H4、B7-H5(VISTA)、およびB7-H6が挙げられる。共刺激または共抑制受容体に結合する膜結合リガンドの、別のファミリーは、同種のTNF受容体ファミリーメンバーに結合する分子のTNFファミリーであり、CD40およびCD40L、OX-40、OX-40L、CD70、CD27L、CD30、CD30L、4-1BBL、CD137 (4-1BB)、TRAIL/Apo2-L、TRAILR1/DR4、TRAILR2/DR5、TRAILR3、TRAILR4、OPG、RANK、RANKL、TWEAKR/Fn14、TWEAK、BAFFR、EDAR、XEDAR、TACI、APRIL、BCMA、LTβR、LIGHT、DcR3、HVEM、VEGI/TL1A、TRAMP/DR3、EDAR、EDA1、XEDAR、EDA2、TNFR1、リンホトキシンα/TNFβ、TNFR2、TNFα、LTβR、リンホトキシンα1β2、FAS、FASL、RELT、DR6、TROY、NGFRが挙げられる。
【0101】
一つの態様において、T細胞応答は、化学式1の化合物および一つ以上の(i)CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、LAG-3、TIM-3、ガレクチン9、CEACAM-1、BTLA、CD69、ガレクチン-1、TIGIT、CD113、GPR56、VISTA、2B4、CD48、GARP、PD1H、LAIR1、TIM-1、およびTIM-4などのT細胞活性化を阻害するタンパク質のアンタゴニスト(例えば、免疫チェックポイント阻害剤)、並びに(ii)B7-1、B7-2、CD28、4-1BB(CD137)、4-1BBL、ICOS、ICOS-L、OX40、OX40L、GITR、GITRL、CD70、CD27、CD40、DR3およびCD28HなどのT細胞活性化を刺激するタンパク質のアゴニストの組み合わせにより刺激され得る。
【0102】
がんの治療のために化学式1の化合物と併用され得る他の薬剤には、NK細胞上の抑制受容体のアンタゴニストまたはNK細胞上の活性化受容体のアゴニストが挙げられる。例えば、化学式1の化合物は、リリルマブなどの、KIRのアンタゴニストと併用され得る。
【0103】
併用療法のための、さらに他の薬剤には、マクロファージまたは単球を阻害するまたは枯渇させる薬剤が挙げられ、例として、RG7155(WO11/70024、WO11/107553、WO11/131407、WO13/87699、WO13/119716、WO13/132044)またはFPA-008(WO11/140249;WO13169264;WO14/036357)を含むCSF-1Rアンタゴニスト抗体などの、CSF-1Rアンタゴニストがあるが、これに限らない。
【0104】
もう一つの態様において、化学式1の化合物は、一つ以上の、正の共刺激受容体を結合するアゴニスト剤、抑制受容体を介してシグナル伝達を弱める遮断剤、アンタゴニスト、および一つ以上の、抗腫瘍T細胞の頻度を全身的に上昇させる薬剤、腫瘍微小環境における異なる免疫抑制経路を克服する薬剤(例えば、抑制受容体結合(例えば、PD-L1/PD-1相互作用)を遮断する、(例えば、抗CD25モノクローナル抗体(例えば、ダクリズマブ)を用いて、またはエクスビボ抗CD25ビーズ枯渇により)Tregを枯渇させるもしくは阻害する、IDOなどの代謝酵素を阻害する、またはT細胞アネルギーもしくは疲弊を逆転させる/予防する)、並びに自然免疫活性化および/または腫瘍部位における炎症を作動させる薬剤と併用され得る。
【0105】
一つの態様において、前記免疫抗がん剤は、アンタゴニストCTLA-4抗体などのCTLA-4アンタゴニストである。適当なCTLA-4抗体には、例えば、YERVOY(イピリムマブ)またはトレメリムマブが挙げられる。
【0106】
もう一つの態様において、前記免疫抗がん剤は、アンタゴニストPD-1抗体などのPD-1アンタゴニストである。適当なPD-1抗体には、例えば、OPDIVO(ニボルマブ)、KEYTRUDA(ペムブロリズマブ)、またはMEDI-0680(AMP-514;WO2012/145493)が挙げられる。PD-1結合に対するその特異性が疑問視されているが、前記免疫抗がん剤は、ピディリズマブ(CT-011)も含むことがある。PD-1受容体を標的にするもう一つの手法は、AMP-224と呼ばれる、IgG1のFc部位と融合するPD-L2(B7-DC)の細胞外ドメインで構成される組み換えタンパク質である。
【0107】
もう一つの態様において、前記免疫抗がん剤は、アンタゴニストPD-L1抗体などのPD-L1アンタゴニストである。適当なPD-L1抗体には、例えば、MPDL3280A(RG7446;WO2010/077634)、デュルバルマブ(MEDI4736)、BMS-936559(WO207/005874)、およびMSB0010718C(WO2013/79174)が挙げられる。
【0108】
もう一つの態様において、前記免疫抗がん剤は、アンタゴニストLAG-3抗体などのLAG-3アンタゴニストである。適当なLAG3抗体には、例えば、BMS-986016(WO10/19570、WO14/08218)、またはIMP-731あるいはIMP-321(WO08/132601、WO09/44273)が挙げられる。
【0109】
もう一つの態様において、前記免疫抗がん剤は、アゴニストCD137抗体などのCD137(4-1BB)アゴニストである。適当なCD137抗体には、例えば、ウレルマブおよびPF-05082566(WO12/32433)が挙げられる。
【0110】
もう一つの態様において、前記免疫抗がん剤は、アゴニストGITR抗体などのGITRアゴニストである。適当なGITR抗体には、例えば、BMS-986153、BMS-986156、TRX-518(WO06/105021、WO09/009116)およびMK-4166(WO11/028683)が挙げられる。
【0111】
もう一つの態様において、前記免疫抗がん剤は、IDOアンタゴニストである。適当なIDOアンタゴニストには、例えば、INCB-024360(WO206/122150、WO07/75598、WO08/36653、WO08/36642)、インドキシモド、またはNLG-919(WO09/73620、WO09/1156652、WO11/56652、WO12/142237)が挙げられる。
【0112】
もう一つの態様において、前記免疫抗がん剤は、アゴニストOX40抗体などのOX40アゴニストである。適当なOX40抗体には、例えば、MEDI-6383またはMEDI-6469が挙げられる。
【0113】
もう一つの態様において、前記免疫抗がん剤は、アンタゴニストOX40抗体などのOX40Lアンタゴニストである。適当なOX40Lアンタゴニストには、例えば、RG-7888(WO06/029879)が挙げられる。
【0114】
もう一つの態様において、前記免疫抗がん剤は、アゴニストCD40抗体などのCD40アゴニストである。さらにもう一つの実施形態において、前記免疫抗がん剤は、アンタゴニストCD40抗体などのCD40アンタゴニストである。適当なCD40抗体には、例えば、ルカツムマブまたはダセツズマブが挙げられる。
【0115】
もう一つの態様において、前記免疫抗がん剤は、アゴニストCD27抗体などのCD27アゴニストである。適当なCD27抗体には、例えば、バルリルマブが挙げられる。
【0116】
もう一つの態様において、前記免疫抗がん剤は、MGA271(抗B7H3)(WO11/109400)である。
【0117】
併用療法は、これらの治療剤の連続投与、すなわち、各治療剤は、異なる時間に投与される、並びにこれらの治療剤、または治療剤のうちの少なくとも2つの、実質的同時投与を包含するように意図される。実質的同時投与は、例えば、各治療剤を一定比率で有する単一の剤形を患者に投与することにより、または、治療剤のそれぞれの単一の剤形を複数で投与することにより達成され得る。各治療剤の連続投与または実質的同時投与は、任意の適切な経路により達成され得、適切な経路には経口経路、静脈内経路、筋肉内経路、および粘膜組織を介する直接吸収が挙げられるが、これらに限らない。治療剤は、同一の経路または異なる経路により投与され得る。例えば、選択される組み合わせの第一の治療剤は、静脈内注射により投与されることがある一方、組み合わせの他の治療剤は、経口投与されることがある。あるいは、例えば、全ての治療剤は経口投与されてもよく、全ての治療剤は静脈内注射されてもよい。併用療法は、他の生物学的活性成分および非薬物療法(例えば、手術または放射線療法)とさらに併用して、上記のとおりに治療剤を投与することも包含し得る。併用療法が、非薬物治療をさらに含む場合、非薬物治療は、治療剤および非薬物療法の組み合わせの相互作用による有益な効果が達成される限り、任意の適当な時間に行われることがある。例えば、適切と思われた場合には、有益な効果は、非薬物治療が、おそらく数日間または数週間もの間、治療剤の投与から一時的に取り除かれる場合であっても達成される。
【0118】
化学式1の化合物で治療され得るがんの種類には、脳癌、皮膚癌、膀胱癌、卵巣癌、乳癌、胃癌、膵臓癌、前立腺癌、結腸癌、血液癌、肺癌および骨癌が挙げられるが、これらに限らない。そのようながんの種類の例には、神経芽腫、直腸癌、結腸癌、家族性大腸腺腫症癌および遺伝性非ポリポーシス大腸癌などの腸癌、食道癌、陰唇癌、喉頭癌、下咽頭癌、舌癌、唾液腺癌、胃癌、腺癌、髄様甲状腺癌、乳頭様甲状腺癌、腎癌、腎実質癌、卵巣癌、子宮頸癌、子宮体癌、子宮内膜癌、絨毛癌、膵臓癌、前立腺癌、精巣癌、乳癌、泌尿器癌、黒色腫、神経膠芽腫、星状細胞腫、髄膜腫、髄芽腫および末梢性神経外胚葉性腫瘍などの脳腫瘍、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性骨髄白血病(AML)、慢性骨髄白血病(CML)、成人T細胞白血病リンパ腫、汎発性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、肝細胞癌、胆嚢癌、気管支癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、多発性骨髄腫、基底細胞腫、奇形腫、網膜芽細胞腫、脈絡膜黒色腫、精上皮腫、横紋筋肉腫、頭蓋咽頭腫、骨肉腫、軟骨肉腫、筋肉腫、脂肪肉腫、線維肉腫、ユーイング肉腫並びに形質細胞腫が挙げられる。
【0119】
例えば、抗ウイルス剤、化学療法薬もしくは他の抗がん剤、免疫増強剤、免疫抑制剤、放射線、抗腫瘍および抗ウイルスワクチン、サイトカイン療法(例えば、IL2およびGM-CSF)、並びに/またはチロシンキナーゼ阻害剤などの、一つ以上の追加の医薬剤または治療方法は、Heliosタンパク質関連疾患、障害または状態の治療のための化学式1の化合物と適宜、併用されてもよい。薬剤は、単一の剤形で本化合物と併用されてもよく、薬剤は、別々の剤形として同時にまたは連続的に投与されてもよい。
【0120】
適当な化学療法剤または他の抗がん剤には、例えば、ウラシルマスタード、クロルメチン、シクロホスファミド(CYTOXAN(登録商標))、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホルアミン、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン、およびテモゾロミドなどのアルキル化剤(ナイトロジェンマスタード、エチレンイミン誘導体、アルキルスルホン酸塩、ニトロソウレア類およびトリアゼンを含むが、これらに限定されない)が挙げられる。
【0121】
黒色腫の治療において、化学式1の化合物と併用される適当な薬剤には:カルムスチン(BCNU)およびシスプラチンなどの他の化学療法薬と随意に併用されるダカルバジン(DTIC);DTIC、BCNU、シスプラチンおよびタモキシフェンからなる「ダートマスレジメン」;シスプラチン、ビンブラスチン、およびDTIC、テモゾロミドまたはYERVOY(商標)の組み合わせが挙げられる。化学式1の化合物は、免疫療法薬と併用されることもあり、免疫療法薬には、インターフェロンアルファ、インターロイキン2、および黒色腫の治療における腫瘍壊死因子(TNF)などのサイトカインが挙げられる。
【0122】
化学式1の化合物は、黒色腫の治療におけるワクチン療法と併用されることもある。抗黒色腫ワクチンは、ある点で、ポリオ、麻疹、およびムンプスなどのウイルスによる疾患を予防するために使用される抗ウイルスワクチンと類似している。抗原と呼ばれる弱毒化黒色腫細胞または黒色腫細胞の一部は、黒色腫細胞を破壊する体の免疫系を刺激するために、患者に注射されることがある。
【0123】
腕または脚に限定される黒色腫は、温熱単離四肢灌流療法を用いて、一つ以上の化学式1の化合物を含む薬剤の組み合わせで治療されることもある。この治療プロトコルは、一時的に、関連する四肢の血液循環を体の残りの部分から分離し、四肢を栄養する動脈に高用量の化学療法薬を注射し、それゆえ、さもなければ重度の副作用を引き起こす恐れがあるような用量に内臓をさらすことなく、腫瘍部に高用量を提供する。通常、灌流液は、38.9℃から40℃に温められる。メルファランは、この化学療法に最もよく使われる薬である。これは、腫瘍壊死因子(TNF)と呼ばれるもう一つの薬剤と共に投与されることがある。
【0124】
適当な化学療法剤または他の抗がん剤には、例えば、メトトレキサート、5-フルオロウラシル、フロクスウリジン、シタラビン、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、フルダラビンホスフェート、ペントスタチン、およびゲムシタビンなどの代謝拮抗剤(葉酸アンタゴニスト、ピリミジン類似体、プリン類似体およびアデノシンデアミナーゼ阻害剤を含むが、これらに限定されない)が挙げられる。
【0125】
適当な化学療法剤または他の抗がん剤には、例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ara-C、パクリタキセル(タキソール)、ミトラマイシン、デオキシコホルマイシン、マイトマイシン-C、L-アスパラギナーゼ、インターフェロン(特にIFN-a)、エトポシド、およびテニポシドなどの、特定の天然物およびそれらの誘導体(例えば、ビンカアルカロイド、抗腫瘍抗生物質、酵素、リンホカインおよびエピポドフィロトキシン)が挙げられる。
【0126】
他の細胞毒性剤には、ナベルベン(navelbene)、CPT-11、アナストラゾール(anastrazole)、レトラゾール(letrazole)、カペシタビン、レロキサフイン(reloxafine)、およびドロロキサファイン(droloxafine)が挙げられる。
【0127】
エピドフィロトキシン(epidophyllotoxin);抗悪性腫瘍性酵素;トポイソメラーゼ阻害剤;プロカルバジン;ミトキサントロン;シスプラチンおよびカルボプラチンなどの白金配位錯体;生物学的応答調節物質;増殖阻害剤;抗ホルモン治療剤;ロイコボリン;テガフール;並びに造血成長因子などの細胞毒性剤も適当である。
【0128】
他の抗がん剤には、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))などの抗体治療薬、CTLA-4、4-1BBおよびPD-1などの共刺激分子に対する抗体、またはサイトカイン(IL-10またはTGF-β)に対する抗体が挙げられる。
【0129】
他の抗がん剤には、CCR2およびCCR4といったケモカイン受容体に対するアンタゴニストなどの、免疫細胞遊走を遮断するような抗がん剤も挙げられる。
【0130】
他の抗がん剤には、アジュバントまたは養子T細胞移入などの、免疫系を増強するような抗がん剤も挙げられる。
【0131】
抗がんワクチンには、樹状細胞、合成ペプチド、DNAワクチンおよび組み換えウイルスが挙げられる。
【0132】
本発明の医薬組成物は、適宜、少なくとも一つのシグナル伝達阻害剤(STI)を含んでもよい。「シグナル伝達阻害剤」は、がん細胞の正常機能における、シグナル伝達経路中の一つ以上の重要な段階を選択的に阻害し、それゆえアポトーシスをもたらす薬剤である。適当なSTIには:(i)例えば、STI 571(GLEEVEC(登録商標))などのbcr/ablキナーゼ阻害剤;(ii)例えば、キナーゼ阻害剤(IRESSA(登録商標)、SSI-774)および抗体(Imclone:C225 [Goldstein et al., Clin. Cancer Res., 1:1311-1318 (1995)]、およびAbgenix:ABX-EGF)などの上皮細胞増殖因子(EGF)受容体阻害剤;(iii)例えば、L-744,832 (Kohl et al., Nat. Med., 1(8):792-797 (1995))といった、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(FTI)などのher-2/neu受容体阻害剤;(iv)例えば、ラパマイシン(例えば、Sekulic et al., Cancer Res., 60:3504-3513 (200)を参照されたい)などのAktファミリーキナーゼまたはAkt経路の阻害剤;(v)例えば、フラボピリドールおよびUCN-01(例えば、Sausville, Curr. Med. Chem. Anti-Canc. Agents, 3:47-56 (203)を参照されたい)などの細胞周期キナーゼ阻害剤;並びに(vi)例えば、LY294002(例えば、Vlahos et al., J. Biol. Chem., 269:5241-5248 (1994)を参照されたい)などのホスファチジルイノシトールキナーゼ阻害剤が挙げられるが、これらに限らない。あるいは、少なくとも一つのSTIおよび少なくとも一つの化学式1の化合物は、別々の医薬組成物にあることがある。本発明の特定の実施形態において、少なくとも一つの化学式1の化合物および少なくとも一つのSTIは、同時にまたは連続して患者に投与されることがある。言い換えれば、少なくとも一つの化学式1の化合物が最初に投与されてもよく、少なくとも一つのSTIが最初に投与されてもよく、少なくとも一つの化学式1の化合物および少なくとも一つのSTIが同時に投与されてもよい。さらに、2つ以上の化学式1の化合物および/またはSTIが使用される場合、化合物は、任意の順番で投与されてよい。
【0133】
本発明は、薬学的に許容される担体中に、少なくとも一つの化学式1の化合物を含み、少なくとも一つの化学療法薬を随意に含む、および少なくとも一つの抗ウイルス剤を随意に含む、患者における慢性ウイルス感染の治療のための医薬組成物をさらに提供する。
【0134】
有効量の前記医薬組成物を投与することにより、患者における慢性ウイルス感染を治療する方法も提供される。
【0135】
本発明の特定の実施形態において、少なくとも一つの化学式1の化合物および少なくとも一つの化学療法薬は、同時にまたは連続して患者に投与される。言い換えれば、少なくとも一つの化学式1の化合物が最初に投与されてもよく、少なくとも一つの化学療法薬が最初に投与されてもよく、少なくとも一つの化学式1の化合物および少なくとも一つのSTIが同時に投与されてもよい。さらに、2つ以上の化学式1の化合物および/または化学療法薬が使用される場合、化合物は、任意の順番で投与されてよい。同様に、任意の抗ウイルス剤またはSTIも、化学式1の化合物の投与と比較して任意の時点で投与されてよい。
【0136】
本組み合わせ治療を用いて治療され得る慢性ウイルス感染には:C型肝炎ウイルス(HCV)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、サイトメガロウイルス(CMV)、単純ヘルペスウイルス(HSV)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、水痘帯状疱疹ウイルス、コクサッキーウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)により引き起こされる疾患が挙げられるが、これらに限らない。
【0137】
化学式1の化合物との併用が企図される適当な抗ウイルス剤は、ヌクレオシドおよびヌクレオチド逆転写酵素阻害剤(NRTIs)、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTIs)、プロテアーゼ阻害剤および他の抗ウイルス薬を含み得る。
【0138】
適当なNRTIsの例には、ジドブジン(AZT);ジダノシン(ddl);ザルシタビン(ddC);スタブジン(d4T);ラミブジン(3TC);アバカビル(1592U89);アデフォビルジピボキシル[ビス(POM)-PMEA];ロブカビル(BMS-180194);BCH-10652;エミトリシタビン(emitricitabine)[(-)-FTC];ベータ-L-FD4(ベータ-L-D4Cとも呼ばれ、ベータ-L-2′,3′-ジデオキシ-5-フルオロ-シチジンと命名される);DAPD、((-)-ベータ-D-2,6-ジアミノ-プリンジオキソラン);およびロデノシン(FddA)が挙げられる。典型的な適当なNNRTIsには、ネビラピン(BI-RG-587);デラビラジン(delaviradine)(BHAP、U-90152);エファビレンツ(DMP-266);PNU-142721;AG-1549;MKC-442(1-(エトキシ-メチル)-5-(1-メチルエチル)-6-(フェニルメチル)-(2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン);および(+)-カラノリドA(NSC-675451)およびBが挙げられる。典型的な適当なプロテアーゼ阻害剤には、サキナビル(Ro 31-8959);リトナビル(ABT-538);インジナビル(MK-639);ネルフナビル(nelfnavir)(AG-1343);アンプレナビル(141W94);ラシナビル(BMS-234475);DMP-450;BMS-2322623;ABT-378;およびAG-1549が挙げられる。他の抗ウイルス剤には、ヒドロキシ尿素、リバビリン、IL-2、IL-12、ペンタフシド(pentafuside)およびYissum Project No.11607が挙げられる。
【0139】
併用療法は、これらの治療剤の連続投与、すなわち、各治療剤は、異なる時間に投与される、並びにこれらの治療剤、または治療剤のうちの少なくとも2つの、実質的同時投与を包含するように意図される。実質的同時投与は、例えば、各治療剤を一定比率で有する単一の剤形を患者に投与することにより、または、治療剤のそれぞれの単一の剤形を複数で投与することにより達成され得る。各治療剤の連続投与または実質的同時投与は、任意の適切な経路により達成され得、適切な経路には経口経路、静脈内経路、筋肉内経路、および粘膜組織を介する直接吸収が挙げられるが、これらに限らない。治療剤は、同一の経路または異なる経路により投与され得る。例えば、選択される組み合わせの第一の治療剤は、静脈内注射により投与されることがある一方、組み合わせの他の治療剤は、経口投与されることがある。あるいは、例えば、全ての治療剤は経口投与されてもよく、全ての治療剤は静脈内注射されてもよい。併用療法は、他の生物学的活性成分および非薬物療法(例えば、手術または放射線療法)とさらに併用して、上記のとおりに治療剤を投与することも包含し得る。併用療法が、非薬物治療をさらに含む場合、非薬物治療は、治療剤および非薬物療法の組み合わせの相互作用による有益な効果が達成される限り、任意の適当な時間に行われることがある。例えば、適切と思われた場合には、有益な効果は、非薬物治療が、おそらく数日間または数週間もの間、治療剤の投与から一時的に取り除かれる場合であっても達成される。
【0140】
医薬組成物
本発明は、一つ以上の薬学的に許容される担体(添加剤)および/または希釈剤、および随意に、一つ以上の上に記載される追加の治療剤と共に製剤化される、治療有効量の、一つ以上の化学式1の化合物を含む薬学的組成物も提供する。
【0141】
化学式1の化合物は、任意の適当な経路で、好ましくは、そのような経路に適合させた医薬組成物の形で、および意図される治療に有効な用量で投与されることがある。化合物および化学式1の化合物の組成物は、本明細書に記載される使用のいずれかのために、任意の適当な手段により投与され得、そのような手段には、例えば、錠剤、カプセル(それぞれが、徐放性または持続放出性製剤を含む)、丸剤、散剤、顆粒、エリキシル、チンキ剤、懸濁液(ナノ懸濁液、マイクロ懸濁液、噴霧乾燥分散系を含む)、シロップ、およびエマルジョンなどの経口投与;舌下投与;頬側投与;皮下、静脈内、筋肉内、または胸骨内注射または注入法(例えば、滅菌注射水溶液または非水溶液あるいは懸濁液として)などの非経口投与;吸入スプレーによるものなどの、鼻粘膜への投与といった経鼻投与;クリームまたは軟膏の形によるものなどの局所投与;または坐薬の形によるものなどの直腸投与がある。それらは、単独で投与され得るが、一般的に、選択された投与経路および標準的な薬務に基づいて選択される医薬担体と共に投与されるであろう。
【0142】
経口投与のために、医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル、液体カプセル、懸濁液、または液体の形であることがある。医薬組成物は、好ましくは特定量の活性成分を含有する用量単位の形で作成される。例えば、医薬組成物は、約0.1から1000mg、好ましくは約0.25から250mg、より好ましくは約0.5から100mgの範囲の量の活性成分を含む、錠剤またはカプセルとして提供されることがある。ヒトまたは他の哺乳動物にとって適当な1日用量は、患者の状態および他の因子によって大きく異なることがあるが、常法を用いて決定され得る。
【0143】
本明細書に企図される任意の医薬組成物は、例えば、任意の許容される適当な経口製剤により経口で送達され得る。代表的な経口製剤には、例えば、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性および油性懸濁液、分散性粉末または顆粒、エマルジョン、硬および軟カプセル、液体カプセル、シロップ、並びにエリキシルが挙げられるが、これらに限らない。経口投与用の医薬組成物は、当技術分野で既知の、経口投与用の医薬組成物を製造する任意の方法に従って調製され得る。薬学的に口当たりのよい製剤を提供するために、本発明に従う医薬組成物は、甘味剤、風味剤、着色剤、粘滑剤、抗酸化剤、および防腐剤から選択される、少なくとも一つの薬剤を含み得る。
【0144】
錠剤は、例えば、少なくとも一つの化学式1の化合物および/または少なくとも一つの薬学的に許容されるその塩を、少なくとも一つの、錠剤の製造に適する非毒性の薬学的に許容される添加剤と混合することにより調製され得る。代表的な添加剤には、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、およびリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;例えば、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、コーンスターチ、およびアルギン酸などの造粒および崩壊剤;例えば、デンプン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、およびアカシアなどの結合剤;並びに、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、およびタルクなどの滑沢剤が挙げられるが、これらに限らない。さらに、錠剤は、コーティングされなくてもよく、不快な味のする薬の嫌な味をマスクするためか、または消化管における崩壊および活性成分の吸収を遅延させ、それによって活性成分の効果をより長時間の間維持するためのいずれかの目的で、既知の技術によりコーティングされてもよい。代表的な水溶性の味マスキング物質には、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースが挙げられるが、これらに限らない。代表的な時間遅延物質には、エチルセルロースおよびセルロースアセテートブチレートが挙げられるが、これらに限らない。
【0145】
硬ゼラチンカプセルは、例えば、少なくとも一つの化学式1の化合物および/または少なくとも一つのその塩を、例えば、炭酸カルシウム;リン酸カルシウム;およびカオリンなどの少なくとも一つの不活性固体希釈剤と混合することにより調製され得る。
【0146】
軟ゼラチンカプセルは、例えば、少なくとも一つの化学式1の化合物および/または少なくとも一つの薬学的に許容されるその塩を、例えば、ポリエチレングリコールなどの少なくとも一つの水溶性担体;並びに、例えば、ピーナツ油、液体パラフィン、およびオリーブ油などの少なくとも一つの油媒体と混合することにより調製され得る。
【0147】
水性懸濁液は、例えば、少なくとも一つの化学式1の化合物および/または少なくとも一つの薬学的に許容されるその塩を、少なくとも一つの、水性懸濁液の製造に適する添加剤と混合することにより調製され得る。水性懸濁液の製造に適する代表的な添加剤には、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、ポリビニルピロリドン、トラガカントガム、およびアカシアガムなどの懸濁化剤;例えば、天然に存在するリン脂質、例として、レシチンなどの分散または湿潤剤;例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレンなどのアルキレンオキシドと脂肪酸の縮合物;例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノールなどの、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合物;例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトールなどの、エチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールに由来する部分エステルの縮合物;並びに、例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレエートなどの、エチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来する部分エステルの縮合物が挙げられるが、これらに限らない。水性懸濁液は、例えば、エチルおよびn-プロピルp-ヒドロキシベンゾアートなどの、少なくとも一つの防腐剤;少なくとも一つの着色剤;少なくとも一つの風味剤;並びに/または、これらに限らないが、例えば、スクロース、サッカリン、およびアスパルテームなどの少なくとも一つの甘味剤も含み得る。
【0148】
油性懸濁液は、例えば、少なくとも一つの化学式1の化合物および/または少なくとも一つの薬学的に許容されるその塩を、例えば、落花生油;オリーブ油;ゴマ油;およびヤシ油などの植物油の中か;または、例えば、液体パラフィンなどの鉱油の中のいずれかで懸濁させることにより調製され得る。油性懸濁液は、例えば、蜜蝋;固形パラフィン;およびセチルアルコールなどの、少なくとも一つの増粘剤も含み得る。口当たりのよい油性懸濁液を提供するために、本明細書で既に上に記載した少なくとも一つの甘味剤、および/または少なくとも一つの風味剤は、油性懸濁液に添加され得る。油性懸濁液は、これに限らないが、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール、およびアルファ-トコフェロールなどの抗酸化剤といった、少なくとも一つの防腐剤をさらに含み得る。
【0149】
分散性粉末および顆粒は、例えば、少なくとも一つの化学式1の化合物および/または少なくとも一つの薬学的に許容されるその塩を、少なくとも一つの分散および/または湿潤剤;少なくとも一つの懸濁化剤;および/または少なくとも一つの防腐剤と混合することにより調製され得る。適当な分散剤、湿潤剤、および懸濁化剤は、既に上に記載したとおりである。代表的な防腐剤には、例えば、抗酸化剤、例として、アスコルビン酸が挙げられるが、これに限らない。さらに、分散性粉末および顆粒は、これらに限らないが、例えば、甘味剤;風味剤;および着色剤などの、少なくとも一つの添加剤も含み得る。
【0150】
少なくとも一つの化学式1の化合物および/または少なくとも一つの薬学的に許容されるその塩のエマルジョンは、例えば、水中油型エマルジョンとして調製され得る。化学式1の化合物を含むエマルジョンの油性相は、既知の方法で、既知の成分から構成されることがある。油相は、例えば、オリーブ油および落花生油などの植物油;例えば、液体パラフィンなどの鉱油;およびそれらの混合物により提供され得るが、これらに限らない。相は、単なる乳化剤を含み得る一方で、相は、少なくとも一つの乳化剤の、脂肪もしくは油との、または脂肪および油の両方との混合物を含み得る。適当な乳化剤には、例えば、天然に存在するリン脂質、例として、大豆レシチン;例えば、ソルビタンモノオレエートなどの、脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来するエステルまたは部分エステル;並びに、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートなどの、部分エステルとエチレンオキシドの縮合物が挙げられるが、これらに限らない。好ましくは、親水性乳化剤は、安定剤として作用する親油性乳化剤と共に含まれる。油および脂肪の両方を含むのも好ましい。合わせると、乳化剤は、安定剤の有無にかかわらず、いわゆる乳化ワックスを構成し、そのワックスは、油および脂肪と共に、クリーム製剤の油性分散相を形成する、いわゆる乳化軟膏基剤を構成する。エマルジョンは、甘味剤、風味剤、防腐剤、および/または抗酸化剤も含み得る。本発明の製剤における使用に適する乳化剤およびエマルジョン安定化剤には、Tween 60、Span 80、セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、ラウリル硫酸ナトリウム、ジステアリン酸グリセリル単独またはワックスと合わせたもの、あるいは当技術分野で周知の他の物質が挙げられる。
【0151】
化学式1の化合物および/または少なくとも一つの薬学的に許容されるその塩も、例えば、任意の薬学的に許容される適当な注射剤型により、静脈内に、皮下に、および/または筋肉内に送達され得る。代表的な注射剤型には、例えば、水、リンガー溶液、および等張塩化ナトリウム溶液などの許容されるビークルおよび溶媒を含む滅菌水溶液;滅菌水中油型マイクロエマルジョン;並びに、水性または油性懸濁液が挙げられるが、これらに限らない。
【0152】
非経口投与用の製剤は、水性または非水性等張滅菌注射溶液または懸濁液の形であることがある。これらの溶液および懸濁液は、経口投与用の製剤における使用について言及された一つ以上の担体または希釈剤を用いて、滅菌粉末または顆粒から調製されてもよく、あるいは他の適当な分散または湿潤剤および懸濁化剤を用いることにより調製されてもよい。化合物は、水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール、トウモロコシ油、綿実油、ピーナツ油、ゴマ油、ベンジルアルコール、塩化ナトリウム、トラガカントガム、および/または様々な緩衝液の中に溶解されることがある。他のアジュバントおよび投与方法は、当医薬技術分野で周知である。活性成分も、食塩水、デキストロース、もしくは水といった適当な担体との、またはシクロデキストリン(すなわち、Captisol)、共溶媒可溶化剤(すなわち、プロピレングリコール)もしくはミセル可溶化剤(すなわち、Tween 80)との組成物として、注射により投与されることがある。
【0153】
滅菌注射用製剤も、例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液のように、非毒性、非経口の許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射液または懸濁液であることがある。利用され得る、許容されるビークルおよび溶媒には、水、リンガー溶液、および等張塩化ナトリウム溶液が挙げられる。さらに、滅菌固定油は、溶媒または懸濁化剤として慣例的に利用される。このために、任意の無菌性の固定油は利用され得、例として合成モノ-またはジグリセリドが挙げられる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸は、注射剤の調製に使用される。
【0154】
滅菌注射用水中油型マイクロエマルジョンは、例えば、1)例えば、ダイズ油およびレシチンの混合物などの油性相中に、少なくとも一つの化学式1の化合物を溶解させることにより;2)油相を含む化学式1の化合物に水およびグリセロールの混合物を組み合わせることにより;並びに3)その組み合わせを処理してマイクロエマルジョンを形成することにより、調製され得る。
【0155】
滅菌水性または油性懸濁液は、当技術分野で既知の方法に従って調製され得る。例えば、滅菌水溶液または懸濁液は、例えば、1,3-ブタンジオールなどの非毒性、非経口の許容される希釈剤または溶媒と共に調製され得;滅菌油性懸濁液は、例えば、滅菌固定油、例として、合成モノ-またはジグリセリド;例えば、オレイン酸などのおよび脂肪酸といった、滅菌非毒性の許容される溶媒または懸濁化剤と共に調製され得る。
【0156】
薬学的に許容される担体は、十分当業者の範囲内にある多数の因子に従って製剤化される。これらの因子には:製剤化されている活性薬剤の種類および性質;薬剤含有組成物が投与されるべき患者;意図される組成物の投与経路;並びに、目標にされている治療指標が挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に許容される担体には、水性および非水性液体媒質の両方、並びに、様々な固体および半固体剤形が挙げられる。そのような担体は、活性薬剤に加えて、多数の異なる成分および添加剤を含み得、そのような追加の成分は、様々な理由で製剤中に含まれており、例として、活性薬剤の安定化剤、結合剤などがあり、当業者に周知である。適当な薬学的に許容される担体、およびそれらの選択に関わる因子の説明は、例えば、Allen, L. V. Jr. et al. Remington:The Science and Practice of Pharmacy(2巻),第22版(2012), Pharmaceutical Pressなどの、すぐに入手可能な様々な情報源で見ることができる。
【0157】
本発明の医薬組成物に使用され得る、薬学的に許容される担体、アジュバント、およびビークルには、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、d-アルファ-トコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネートなどの自己乳化型ドラッグデリバリーシステム(SEDDS)、Tweenなどの医薬剤形に使用される界面活性剤、CREMOPHOR界面活性剤(BASF)などのポリエトキシ化ヒマシ油、または他の類似の高分子送達マトリックス、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、ホスフェートなどの緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、プロタミン硫酸塩、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩などの、塩または電解質、コロイダルシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸塩、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が挙げられるが、これらに限らない。アルファ-、ベータ-、およびガンマ-シクロデキストリンなどのシクロデキストリン、または2-および3-ヒドロキシプロピル-シクロデキストリンといったヒドロキシアルキルシクロデキストリンなどの化学修飾誘導体、あるいは他の可溶化誘導体も、本明細書に記載される化学式1の化合物の送達を増強するために、有利に使用され得る。
【0158】
本発明の薬学的活性化合物は、ヒトおよび他の哺乳動物などの患者への投与を目的とする薬剤を製造するために、薬学の従来の方法に従って加工され得る。医薬組成物は、滅菌などの従来の製薬工程に従う、および/または防腐剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝液などの従来のアジュバントを含むことがある。錠剤および丸剤は、腸溶コーティングと共に、さらに調製され得る。そのような組成物も、湿潤剤、甘味剤、風味剤、および香料剤などのアジュバントを含むことがある。
【0159】
治療を目的として、本発明の活性化合物は、通常、指示された投与経路に適合している一つ以上のアジュバントと組み合わされる。経口投与の場合、化合物は、ラクトース、スクロース、デンプン粉末、アルカン酸のセルロースエステル、セルロースアルキルエステル、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸および硫酸のナトリウムおよびカルシウム塩、ゼラチン、アカシアガム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、および/またはポリビニルアルコールと混合され、その後、簡便な投与のために、錠剤化またはカプセル化されることがある。そのようなカプセルまたは錠剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース中に活性化合物が分散している状態で提供され得るような、放出制御製剤を含むことがある。
【0160】
投与される化合物の量、並びに本発明の化合物および/または組成物で病状を治療するための投与計画は、様々な因子によって決定されるが、因子には、年齢、体重、性別、患者の医学的状態、疾患の種類、疾患の重症度、投与経路および投与回数、並びに利用される特定の化合物が挙げられる。それゆえ、投与計画は、大きく異なることがあるが、標準的な方法を用いてルーチン的に決定され得る。約0.001から100mg/kg 体重、好ましくは約0.0025および約50mg/kg 体重の間、最も好ましくは約0.005から10mg/kg 体重の間の1日用量が適切であることがある。1日用量は、1日あたり1から4回に分けて投与され得る。他の投薬スケジュールには、1週間に1回の投与および2日サイクルに1回の投与が挙げられる。
【0161】
本発明の医薬組成物は、少なくとも一つの化学式1の化合物および/または少なくとも一つの薬学的に許容されるその塩を含み、任意の薬学的に許容される担体、アジュバント、およびビークルから選択される追加の薬剤を随意に含む。本発明の代替組成物は、本明細書に記載される化学式1の化合物、またはそのプロドラッグ、および薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビークルを含む。
【0162】
本発明は、例えば、治療有効量の化学式1の化合物を含む医薬組成物を含有する、一つ以上のコンテナを含む、Heliosタンパク質関連疾患または障害、および本明細書で言及される他の疾患の治療または予防に有用な医薬キットも含む。そのようなキットは、例えば、一つ以上の薬学的に許容される担体を有するコンテナ、追加のコンテナなどの、当業者にとってすぐに分かるであろうような、一つ以上の、従来の様々な医薬キット構成要素を必要に応じてさらに含み得る。添付文書またはラベルのいずれかとしての、投与されるべき構成成分の量、投与のガイドライン、および/または構成成分の混合のガイドラインを表示する説明書もキットに含まれ得る。
【0163】
本発明の化合物の投与計画は、当然、特定の薬剤の薬力学的特性、並びにその投与方法および投与経路;服用者の種、年齢、性別、健康、医学的状態、および体重;症状の性質および程度;併用療法の種類;治療頻度;投与経路などの既知の因子、患者の腎機能および肝機能、並びに望ましい効果によって異なるであろう。
【0164】
一般的なガイダンスによって、それぞれの活性成分の1日経口用量は、指示される効果のために使用される場合、1日あたり約0.001から約5000mgの間、好ましくは1日あたり約0.01から約1000mgの間、最も好ましくは1日あたり約0.1から約250mgの間に及ぶであろう。静脈内投与の場合、最も好ましい用量は、定速注入の間、約0.01から約10mg/kg/分に及ぶであろう。化学式1の化合物は、単一の1日用量で投与されてもよく、1日用量の総量を2、3、または4回に分割して1日に投与されてもよい。
【0165】
化合物は、意図される投与形態、例えば、経口錠剤、カプセル、エリキシル、およびシロップに関して、並びに従来の薬務に従って適切に選択される、適当な医薬希釈剤、添加剤、または担体(本明細書で医薬担体としてまとめて言及される)との混合物で通常投与される。
【0166】
投与に適する剤形(医薬組成物)は、用量単位ごとに約1ミリグラムから約200ミリグラムの活性成分を含み得る。これらの医薬組成物において、活性成分は、通常、組成物の総重量を基準にして重量約0.1-95%の量で存在するであろう。
【0167】
経口投与用の典型的なカプセルは、少なくとも一つの化学式1の化合物(250mg)、ラクトース(75mg)、およびステアリン酸マグネシウム(15mg)を含む。混合物は、60メッシュの篩を通過し、1号ゼラチンカプセルに詰められる。
【0168】
典型的な注射用製剤は、少なくとも一つの化学式1の化合物(250mg)をバイアル中に無菌で入れて、無菌で凍結乾燥し、密閉することにより製造される。使用に際して、バイアルの内容物は、2mLの生理食塩水と混合されて注射用製剤となる。
【0169】
本発明は、活性成分として、治療有効量の少なくとも一つの化学式1の化合物を単独で、または医薬担体と組み合わせて含有する医薬組成物をその範囲内で含む。適宜、化学式1の化合物は、単独で使用されてもよく、他の化学式1の化合物と併用されてもよく、あるいは、一つ以上の他の治療剤、例えば、抗がん剤、または他の薬学的活性物質と併用されてもよい。
【0170】
選択される投与経路にかかわらず、本発明の、適当な水和物の形で使用され得る化学式1の化合物、および/または医薬組成物は、当業者に既知の、従来の方法により、薬学的に許容される剤形に製剤化される。
【0171】
本発明の医薬組成物中の活性成分の、実際の用量レベルは、特定の患者、組成物、および投与方法にとって望ましい治療効果を達成するのに有効であり、患者に対して毒性がないような量の活性成分を得る限り、異なることがある。
【0172】
選択される用量レベルは、様々な因子によって決定されるであろうが、因子には、利用される特定の化学式1の化合物、またはそのエステル、塩もしくはアミドの活性、投与経路、投与時間、利用されている特定の化合物の排出または代謝速度、吸収速度および吸収量、治療期間、利用される特定の化合物と組み合わせて使用される他の薬物、化合物および/または物質、治療を受けている患者の年齢、性別、体重、状態、全体的な健康および既往歴、並びに、当医学技術分野で周知の同様の因子が挙げられる。
【0173】
当該技術分野における通常の技術を有する医師または獣医師は、有効量の必要な医薬組成物を容易に決定し、処方し得る。例えば、医師または獣医師は、医薬組成物中に利用される化学式1の化合物の用量を、望ましい治療効果を達成するために必要なレベルよりも低いレベルで開始し、望ましい効果が達成されるまで用量を徐々に増やし得る。
【0174】
一般に、化学式1の化合物の適当な1日用量は、治療効果をもたらすのに有効な最低用量である化合物の量であろう。そのような有効量は、一般に上記の因子によって決定されるであろう。一般に、化学式1の化合物の、患者に対する経口、静脈内、脳室内および皮下用量は、体重1キログラムにつき、1日あたり約0.01から約50mgに及ぶであろう。
【0175】
必要に応じて、有効な1日用量の活性化合物は、随意に単位剤形で、適切な間隔で1日中別々に投与される、2、3、4、5、6またはそれ以上のサブ用量として投与されることがある。本発明のある態様において、投薬は、1日1回の投与である。
【0176】
化学式1の化合物を単独で投与することは可能であるが、医薬製剤(組成物)として化合物を投与することがより好ましい。
【0177】
上記の他の治療剤は、化学式1の化合物と組み合わせて利用される場合、例えば、医師用卓上参考書(PDR)で指示されるような量で、またはそうでなければ当業者により決定されるような量で使用されることがある。本発明の方法において、そのような他の治療剤は、発明化合物の投与に先立って、それと同時に、またはその後に投与されることがある。
【0178】
調製方法
本発明の化合物は、有機合成の当業者に周知の多数の方法で調製され得る。本発明の化合物は、有機合成化学の当業者に既知の合成法、または当業者により認識されるような、わずかにそれを変化させた合成法と共に、以下に記載する方法を用いて合成され得る。好ましい方法には、以下に記載されるような方法が挙げられるが、これらに限らない。本明細書に引用される全ての参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0179】
本発明の化合物は、本セクションに記載される反応および技術を用いて調製されることがある。反応は、利用される試薬および物質にとって適切な溶媒中で行われ、もたらされている変換に適する。また、以下に記載される合成法の説明において、溶媒の選択、反応雰囲気、反応温度、実験時間およびワークアップ方法などの、全ての提案される反応条件は、その反応にとって標準的な条件となるように選択され、それは当業者により容易に認識されるべきであるということが理解されるべきである。分子の様々な部分に存在する官能性は、提案される試薬および反応と適合する必要があるということが、有機合成の当業者により理解される。反応条件と適合する置換基に対するそのような制限は、当業者にとって容易に明らかであり、その場合、別法が使用される必要がある。このことは、望ましい本発明の化合物を得るために、合成段階の順番を変更する判断、またはある特定のプロセススキームを別のものに代えて選択する判断を時には必要とするだろう。本分野において任意の合成経路を計画するにあたって、主に考慮すべきもう一つの点は、本発明に記載される化合物中に存在する反応性官能基の保護のために使用される保護基を賢明に選択することであるということが認識されるであろう。熟練の専門家に対して多数の選択肢を記載する、信頼できる記述は、Greene and Wuts (Protective Groups In Organic Synthesis, 第4版, Wiley and Sons, 207)である。
【0180】
化学式1の化合物は、以下のスキームに説明される方法を参照することにより調製されることがある。その中に示されるように、最終生成物は、化学式1と同じ構造式を有する化合物である。任意の化学式1の化合物は、適切な置換基を有する試薬の適当な選択によるスキームにより製造されることがあることが理解されるであろう。溶媒、温度、圧力、および他の反応条件は、当業者により容易に選択されることがある。出発物質は、市販されているか、あるいは当業者により容易に調製される。化合物の構成要素は、本明細書のここまたは他の箇所に定義されるとおりである。
【0181】
本発明に記載される化合物への一般的な経路は、スキーム1-9で説明され、そこでは、R
4、R
5、R
6、Z、およびA置換基は、本文中で予め定義されるか、あるいは望ましい最終置換基に変換され得る官能基である。置換基Lは、ハライド(好ましくはI、Br、またはCl)またはスルホン酸塩などの脱離基である。置換基Mは、ボロン酸、ボロン酸エステルまたはスタンナンなどの、適当なカップリングパートナーである。置換基Rは、tert-ブチル、メチル、エチル、またはベンジルなどの、カルボン酸保護基である。スキーム1に示されるように、本発明の化合物を調製するための一般的な手順は、適当に置換されたヘテロ環1から開始することを含む。1の脱離基Lは、当業者に周知の条件または本明細書に記載される方法を用いて、適当なカップリングパートナーMに変換され、中間体2が得られる。Mがボロン酸またはボロン酸エステルの場合、2は、適当なパラジウム触媒(例えば、Pd(PPh
3)
4または[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)または[1,1′-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II))を、適当な塩基(例えば、炭酸セシウム、リン酸カリウム、または重炭酸ナトリウム)の存在下で用いて、Suzuki-Miyauraカップリング反応で、適当に置換されたヘテロ環3と結合し、4が得られる。Mがスタンナンの場合、2は、適当な触媒系(例えば、Pd(PPh
3)
4またはビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(II)/CuI)を用いて、Stilleカップリング反応で、適当に置換されたヘテロ環3と結合し、4が得られる。Rがtert-ブチルの場合、中間体4は、ベンゼンスルホン酸などのプロトン酸で処理することにより、5に変換され得る。場合によっては、酸保護基Rの選択に応じて、4は、塩基(例えば、K
2CO
3、K
3PO
4、またはLiHMDS)で処理することにより、5に変換され得る。場合によっては、中間体4は、それを調製するために利用されるSuzuki-MiyauraカップリングまたはStilleカップリング条件下で、自然発生的に5に環化することがある。
【化14】
【0182】
場合によっては、合成順序の早期にヘテロ環Aを結合させることが有利なことがある。そのような場合、6の脱離基Lは、当業者に周知の条件または本明細書に記載される方法を用いて、適当なカップリングパートナーMに変換され、中間体7が得られる。Mがボロン酸またはボロン酸エステルの場合、7は、適当なパラジウム触媒(例えば、Pd(PPh
3)
4または[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)または[1,1′-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II))を、適当な塩基(例えば、炭酸セシウム、リン酸カリウム、または重炭酸ナトリウム)の存在下で用いて、Suzuki-Miyauraカップリング反応で、適当に置換されたヘテロ環3と結合し、8が得られる。Mがスタンナンの場合、7は、適当な触媒系(例えば、Pd(PPh
3)
4またはビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(II)/CuI)を用いて、Stilleカップリング反応で、適当に置換されたヘテロ環3と結合し、8が得られる。ベンジル位は、NBSの作用を介して、AIBN、ベンゾイルペルオキシド、または光などのラジカル開始剤の存在下で臭素化され、臭化物9が得られる。臭化物9は、塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミンまたはトリエチルアミン)の存在下で、3-アミノピペリジン-2,6-ジオン(10)と縮合し、11が得られる。
【化15】
【0183】
代わりに、臭化物9(スキーム2)または化合物12(Lはハライドまたはスルホン酸塩などの脱離基、スキーム3)は、スキーム3に示されるように、塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミンまたはトリエチルアミン)の存在下で、13(Rはtert-ブチル、メチル、エチル、またはベンジルなどのカルボン酸保護基)と縮合し、中間体14が得られる。
【化16】
【0184】
中間体4における酸保護基Rの特定の選択によって、それを化合物5(スキーム4)に変換するために異なる条件が必要であることがある。例えば、Rが、メチル、エチル、またはベンジルの場合、4の塩基誘導環化は、適当な塩基(例えば、LiHMDS)を、適当な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)中で用いて、4から5に直接変換するのに好ましいことがある。Rが、tert-ブチルの場合、4の酸誘導環化は、適当な酸(例えば、ベンゼンスルホン酸)を、適当な溶媒(例えば、アセトニトリル)中で用いて、4から5に直接変換するのに好ましいことがある。場合によっては、特定の酸保護基Rにとって適切な条件を用いて、遊離カルボン酸15を最初に遊離させる、2段階の手順を用いることがより好ましいことがある。そのような方法は、有機合成の当業者に周知である。例えば、Rが、tert-ブチルの場合、適当な酸(例えば、トリフルオロ酢酸または塩酸)を用いる酸加水分解が好ましいことがある。Rが、メチル、エチル、またはベンジルの場合、適当な塩基(例えば、LiOH)を用いる塩基性加水分解が好ましいことがある。他の事例では、Rがベンジルの場合、パラジウム触媒水素化分解の作用により脱保護することが有利なことがある。一度遊離すれば、15のカルボン酸は活性化され、塩化チオニル/ジメチルホルムアミドまたはカルボニルジイミダゾール/ジメチルアミノピリジンの作用により、ペンダント第一級アミドによる分子内攻撃が起こり、5が得られる。
【化17】
【0185】
スキーム1に示されるように、適当な脱離基Lで置換されるヘテロ環(化合物1など)は、化学式1の化合物の合成に有用な中間体である。場合によっては、それらは、Lがハライドなどの脱離基であるスキーム5に示されるように調製されることがある。はじめに、中間体6のベンジル位は、NBSの作用を介して、AIBN、ベンゾイルペルオキシド、または光などのラジカル開始剤の存在下で臭素化され、臭化物16が得られる。臭化物16は、塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミンまたはトリエチルアミン)の存在下で、3-アミノピペリジン-2,6-ジオン(10)と縮合し、17が得られる。代わりに、臭化物16は、塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミンまたはトリエチルアミン)の存在下で、13と縮合し、18が得られる。
【化18】
【0186】
適当な脱離基Lで置換されるヘテロ環を得る別法は、スキーム6に示される。はじめに、19の脱水は、無水酢酸の作用により達成され、無水物20が得られる。場合によっては、この過程は、ピリジンの添加により促進され得る。無水物20は、酢酸および酢酸カリウムの組み合わせを用いて、3-アミノピペリジン-2,6-ジオン(10)と縮合し、21が得られる。代わりに、無水物20は、酢酸および酢酸カリウムの組み合わせを用いて、13と縮合し、22が得られる。
【化19】
【0187】
場合によっては、合成順序の早期にヘテロ環Aを結合させることが有利なことがある。そのような場合、19の脱離基Lは、当業者に周知の条件または本明細書に記載される方法を用いて、適当なカップリングパートナーMに変換され、中間体23が得られる。Mがボロン酸またはボロン酸エステルの場合、23は、適当なパラジウム触媒(例えば、Pd(PPh
3)
4または[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)または[1,1′-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II))を、適当な塩基(例えば、炭酸セシウム、リン酸カリウム、または重炭酸ナトリウム)の存在下で用いて、Suzuki-Miyauraカップリング反応で、適当に置換されたヘテロ環3と結合し、24が得られる。Mがスタンナンの場合、23は、適当な触媒系(例えば、Pd(PPh
3)
4またはビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(II)/CuI)を用いて、Stilleカップリング反応で、適当に置換されたヘテロ環3と結合し、24が得られる。24の脱水は、無水酢酸の作用により達成され、無水物25が得られる。場合によっては、この過程は、ピリジンの添加により促進され得る。無水物25は、スキーム7に示されるように、酢酸および酢酸カリウムの組み合わせを用いて、3-アミノピペリジン-2,6-ジオン(10)と縮合し、26が得られる。
【化20】
【0188】
これまでのスキームに示されるように、27の脱離基Lを、28における適当なカップリングパートナーM(ボロン酸、ボロン酸エステルまたはスタンナンなど)に変換することが、しばしば簡便かつ有利である。これは、次に、置換ヘテロ環3と結合し、5が得られる。場合によっては、カップリングパートナーを逆転させて、27を置換ヘテロ環29と結合させ、5を直接得ることがより好ましいことがある。29のカップリングパートナーMが、ボロン酸またはボロン酸エステルの場合、銅介在Suzuki-Miyauraカップリング反応が好ましいことがある(Crowley, et. al. Tetrahedron Letters, 2011, 5055を参照されたい)。これは、スキーム8に示される。同様に、中間体1(スキーム9)は、ヘテロ環29と結合し、中間体4が直接得られる。さらに上記の方法で精緻化して、別に化学式1の化合物が生じ得る。
【化21】
【化22】
【実施例】
【0189】
以下の実施例は、本発明の特定の実施形態を説明し、本発明の範囲を制限しない。化学的な略語および記号、並びに科学的な略語および記号は、特に断らない限り、それらの通常の慣習的な意味を有する。実施例および本出願の他の箇所に利用される追加の略語は、上に定義される。共通の中間体は、一般的に、2つ以上の実施例の調製に有用である。場合によっては、中間体または実施例の代替の調製法が記載される。しばしば、合成の技術分野における通常の知識を有する化学者は、例えば、反応時間の短縮、より安価な出発物質、操作または単離の容易性、収率の向上、触媒に対する適合性、毒性試薬の回避、特殊な器具の利用可能性、および直線工程数の減少などの、一つ以上の検討事項に基づいて望ましいことがある代替の調製法を構築することがある。代替の調製法を記載する意図は、本発明の実施例の調製をさらに可能にするためである。場合によっては、示される実施例および請求項におけるいくつかの官能基は、当技術分野で周知の生物学的に等価な置換、例えば、カルボン酸基の、テトラゾールまたはリン酸部分との置換により置換されることがある。
略語
AIBN アゾビスイソブチロニトリル
Boc tert-ブトキシカルボニル
DCM ジクロロメタン
DIEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
ESI エレクトロスプレーイオン化
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
h 時間
Hex ヘキサン
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
Hunig’s base N,N-ジイソプロピルエチルアミン
LCMS 液体クロマトグラフィー質量分析
min 分
mL ミリリットル
MS 質量分析
NBS N-ブロモスクシンイミド
Pd(dppf)Cl2 [1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)
Pd(dtbpf)Cl2 [1,1′-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)
TEA トリエチルアミン
分析HPLC条件
方法A:カラム:Waters XBridge C18,2.1 mm x 50 mm,1.7 μm 粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;移動相B:95:5 アセトニトリル: 0.1%トリフルオロ酢酸含有水;温度:50℃;グラジエント:3分かけて0%Bから100%B、次に0.50分間100%Bで保持;流速:1mL/min;検出:MSおよびUV(220 nm)
方法B:カラム:Waters XBridge C18,2.1 mm x 50 mm,1.7 μm 粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:10 mM 酢酸アンモニウム含有水;移動相B:95:5 アセトニトリル:10 mM 酢酸アンモニウム含有水;温度:50℃;グラジエント:3分かけて0%Bから100%B、次に0.50分間100%Bで保持;流速:1mL/min;検出:MSおよびUV(220 nm)
【0190】
実施例1
【化23】
ステップ1:tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(5-ブロモ-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート
アセトニトリル(231 mL)中、tert-ブチル(S)-4,5-ジアミノ-5-オキソペンタノエートヒドロクロライド(14.46 g,60.6 mmol)の懸濁液に、DIEA(20.2 mL,115 mmol)を0℃で添加した。15分間撹拌した後、5分かけて、固体のままのメチル4-ブロモ-2-(ブロモメチル)ベンゾアート(22 g,57.7 mmol)で何回かに分けて反応混合物を処理した。反応混合物を0℃で30分間攪拌し、その後、室温に終夜置いた。還流冷却器の下で、油浴で反応混合物を60℃に温め、終夜その温度で保持した。攪拌しながら、反応混合物を室温に冷却させた。室温に冷却後、沈殿物が生じた。攪拌しながら、フラスコを0℃の浴槽中に置いた。30分後、濾過により固体を回収し、最低限の冷アセトニトリルで洗浄し、風乾させると、20.13 g(収率88%)を白色固体として得た。キラルHPLC分析は、その物質が、>98%eeであることを示した。MS(ES):m/z = 397.1 [M+H]
+ 1H NMR(400 MHz,CDCl
3) δ 7.76-7.71 (m,1H),7.68-7.62 (m,2H),6.22 (br s,1H),5.31 (br s,1H),4.91 (dd,J=8.7,6.3 Hz,1H),4.62-4.53 (m,1H),4.51-4.40 (m,1H),2.47-2.10 (m,4H),1.44 (s,9H)
【0191】
ステップ2:tert-ブチル(S)-5-アミノ-5-オキソ-4-(1-オキソ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ペンタノエート
乾燥フラスコに、tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(5-ブロモ-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(10.0 g,25.2 mmol)、4,4,4',4',5,5,5',5'-オクタメチル-2,2'-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(7.67 g,30.2 mmol)、および酢酸カリウム(7.41 g,76 mmol)を加え、窒素を流した。固体をジオキサン(100 mL)中で懸濁し、5分間攪拌しながら窒素気流で脱気した。反応混合物を[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II) (0.737 g,1.007 mmol)で処理し、5分間脱気し、密閉し、18時間60℃に加熱した。反応混合物をEtOAcで希釈し、セライトの詰め物に通して濾過し、追加のEtOAcで洗浄した。濾液を濃縮し、ISCOの220グラムシリカゲルカラムを用いて精製(0%→20% B/DCM、B=15% EtOH/EtOAc+0.1% TEA)し、9.9 g(収率89%)を白色固体として得た。MS(ES):m/z = 445.3 [M+H]+ 1H NMR (400 MHz,CDCl3) δ 7.99-7.90 (m,2H),7.88-7.83 (m,1H),6.32 (br s,1H),5.36 (br s,1H),4.97-4.88 (m,1H),4.58-4.41 (m,2H),2.48-2.13 (m,4H),1.44 (s,9H),1.39 (s,12H)
【0192】
ステップ3:tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(5-(4-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート
フラスコに、(2-クロロピリジン-4-イル)メタノール(1.00 g,6.97 mmol)、tert-ブチル(S)-5-アミノ-5-オキソ-4-(1-オキソ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ペンタノエート(3.87 g,8.71 mmol)、Pd(dtbpf)Cl2(0.136 g,0.209 mmol)、ジオキサン(50 mL)およびK3PO4水溶液(3M,11.61 mL,34.8 mmol)を加えた。容器を密閉し、空気を窒素で置換した。反応混合物を終夜70℃で加熱した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAcで希釈し、ブラインで洗浄し、分液処理した。有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。120グラムISCOカラムを用い、0-100% B/DCM[B=15% EtOH/EtOAc+0.1% トリエチルアミン]で溶離し、得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、1.38 g(47%)を得た。MS(ES):m/z = 426.4 [M+H]+
【0193】
ステップ4:3-(5-(4-(クロロメチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩
DCM(15 mL)中、tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(5-(4-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(1.00 g,2.35 mmol)の溶液に、塩化チオニル(0.511 mL,7.05 mmol)を液滴で、0℃で添加した。5分後、氷浴を取り除き、反応混合物を室温に温めた。30分後、反応混合物を濃縮した。得られた残留物をアセトニトリル(15 mL)中に溶解させた。これにベンゼンスルホン酸(0.818 g,5.17 mmol)を添加した。反応混合物をマイクロ波で30分間、130℃で加熱した。反応混合物を乾燥するまで濃縮した。これに20 mLのジエチルエーテル中2M HClを添加し、得られた混合物を30分間攪拌した。母液をデカンテーションにより除去し、廃棄した。残存固体を真空下で乾燥させ、708 mg(81%)の塩酸塩を得た。MS(ES):m/z = 370.2 [M+H]+
【0194】
ステップ5:3-(5-{4-[(ジメチルアミノ)メチル]ピリジン-2-イル}-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
バイアルに、3-(5-(4-(クロロメチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンヒドロクロライド(71 mg,0.175 mmol)、ジメチルアミンヒドロクロライド(42.8 mg,0.524 mmol)、およびDMF(1 mL)を加えた。これにN-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン(0.304 mL,1.748 mmol)を加えた。反応混合物を3時間、70℃で加熱した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸(0.5 mL)で処理した。生成物をプレパラティブHPLCにより精製し、40 mg(52%)を得た。1H NMR (400 MHz,DMSO-d6) δ 11.37-10.73 (m,1H),8.66 (d,J=5.0 Hz,1H),8.33 (s,1H),8.25 (dd,J=8.0,1.4 Hz,1H),7.98 (s,1H),7.84 (d,J=8.1 Hz,1H),7.36 (dd,J=5.3,1.0 Hz,1H),5.21-5.11 (m,1H),4.61-4.39 (m,2H),3.02-2.87 (m,1H),2.71-2.59 (m,1H),2.53 (m,2H),2.47-2.38 (m,1H),2.22 (s,6H),2.12-2.00 (m,1H) LCMS(方法B):保持時間 1.09 min,[M+H]+ 379.3
【0195】
実施例2-143
ジメチルアミンを適切な第一級または第二級アミンに置換して、実施例1に記載の手順に従って、表1の化合物を調製した:
【化24】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【0196】
実施例144
【化25】
ステップ1:tert-ブチル((2-クロロピリジン-4-イル)メチル)カルバメート
バイアルに、(2-クロロピリジン-4-イル)メタンアミン,2HCl(300 mg,1.39 mmol)、DCM(8 mL)、および二炭酸ジ-tert-ブチル(365 mg,1.670 mmol)を加えた。5分間室温で攪拌後、トリエチルアミン(0.775 mL,5.57 mmol)を添加し、反応混合物を3時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、24 g シリカゲルグラムカラムを用い、5-100% EtOAc/ヘキサンで溶離し、ISCOにより精製し、325 mg(96%)を得た。MS(ES):m/z = 243.1 [M+H]
+
【0197】
ステップ2:3-{5-[4-(アミノメチル)ピリジン-2-イル]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-2-イル}ピペリジン-2,6-ジオン
2 mLマイクロ波バイアルに、tert-ブチル((2-クロロピリジン-4-イル)メチル)カルバメート(24 mg,0.099 mmol)、tert-ブチル(S)-5-アミノ-5-オキソ-4-(1-オキソ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ペンタノエート(54.9 mg,0.124 mmol)、Pd(dtbpf)Cl2(1.933 mg,2.97 μmol)、1,4-ジオキサン(1 mL)およびK3PO4水溶液(0.165 mL、0.494 mmol)を加えた。反応バイアルを密閉し、空気を窒素で置換した。反応混合物をマイクロ波で10分間、120℃で加熱した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAcで希釈し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。MeCN中、PhSO3H溶液の溶液(40 mL中、0.5 mL,1.44 g)中に粗生成物を溶解させ、マイクロ波で30分間、130℃で加熱した。反応混合物を乾燥するまで濃縮した。得られた残留物をプレパラティブHPLCにより精製し、34.6 mg(30%)を得た。1H NMR (500 MHz,DMSO-d6) δ 11.02 (s,1H),8.75 (d,J=4.9 Hz,1H),8.42 (br s,2H),8.31 (s,1H),8.22 (br d,J=8.1 Hz,1H),8.14 (br s,1H),7.90 (d,J=8.1 Hz,1H),7.48 (br d,J=4.7 Hz,1H),5.17-5.07 (m,1H),4.63-4.53 (m,1H),4.49-4.39 (m,1H),4.19 (br s,2H),2.97-2.86 (m,1H),2.64 (br d,J=16.7 Hz,1H),2.49-2.36 (m,1H),2.11-2.01 (m,1H) LCMS(方法A):保持時間 0.74 min,[M+H]+ 351.1
【0198】
実施例145
【化26】
ステップ1:tert-ブチル((2-クロロピリジン-4-イル)メチル)(メチル)カルバメート
バイアルに、tert-ブチル((2-クロロピリジン-4-イル)メチル)カルバメート(40 mg,0.165 mmol)、DMF(1.5 mL)、およびヨードメタン(35.1 mg,0.247 mmol)を加えた。5分間室温で攪拌後、水素化ナトリウム(26.4 mg,0.659 mmol)を添加し、反応混合物を3時間攪拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、ブラインで洗浄した。混合物を濃縮し、プレパラティブHPLCにより精製し、29 mg(69%)を得た。MS(ES):m/z = 257.1 [M+H]
+
【0199】
ステップ2:3-(5-{4-[(メチルアミノ)メチル]ピリジン-2-イル}-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
マイクロ波バイアルに、tert-ブチル((2-クロロピリジン-4-イル)メチル)(メチル)カルバメート(25 mg,0.097 mmol)、tert-ブチル(S)-5-アミノ-5-オキソ-4-(1-オキソ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ペンタノエート(54.1 mg,0.122 mmol)、Pd(dtbpf)Cl2(1.90 mg,2.92 μmol)、1,4-ジオキサン(1 mL)およびK3PO4水溶液(0.162 mL,0.487 mmol)を加えた。バイアルを密閉し、空気を窒素で置換した。反応混合物をマイクロ波で10分間、120℃で加熱した。反応混合物をEtOAcで希釈し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。MeCN中、PhSO3H溶液の溶液(40 mL中、0.5 mL,1.44 g)中に得られた残留物を溶解させ、マイクロ波で10分間、120℃で加熱した。混合物をプレパラティブHPLCにより精製し、生成物(15.1 mg,43%)を得た。1H NMR (500 MHz,DMSO-d6) δ 8.64 (d,J=4.9 Hz,1H),8.32 (s,1H),8.24 (d,J=7.9 Hz,1H),8.03 (s,1H),7.86 (d,J=7.9 Hz,1H),7.39 (br d,J=4.9 Hz,1H),5.14 (dd,J=13.3,5.3 Hz,1H),4.61-4.51 (m,1H),4.49-4.39 (m,1H),3.80 (s,2H),2.98-2.87 (m,1H),2.69-2.60 (m,1H),2.49-2.39 (m,1H),2.33 (s,3H),2.07 (br d,J=5.5 Hz,1H) LCMS(方法A):保持時間 0.55 min,[M+H]+ 365.5
【0200】
実施例146
【化27】
ステップ1:3-(5-(4-((メチルアミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンビス塩酸塩
フラスコに、tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(5-(4-(((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(2.0 g,3.71 mmol)、ベンゼンスルホン酸(1.762 g,11.14 mmol)、およびアセトニトリル(60 mL)を加えた。得られた混合物を加熱還流し、その温度で4時間保持した。反応混合物を濃縮した。得られた残留物を50 mLのジエチルエーテル中2M HClで処理し、15分間攪拌した。得られた固体を濾過により回収し、ジエチルエーテルで洗浄し、風乾し、ビス-HCl塩の生成物(1.4 g,78%)を得た。MS(ES):m/z = 365.2 [M+H]
+
【0201】
ステップ2:4-{[({2-[2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-5-イル]ピリジン-4-イル}メチル)(メチル)アミノ]メチル}-N,N-ジメチルベンゼン-1-スルホンアミド
バイアルに、3-(5-(4-((メチルアミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンビス塩酸塩(20 mg,0.046 mmol)、4-(ブロモメチル)-N,N-ジメチルベンゼンスルホンアミド(25.4 mg,0.091 mmol)、およびDMF(1 mL)を加えた。これにN-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン(35.5 mg,0.274 mmol)を添加した。反応混合物を50℃に温め、その温度で4時間保持した。反応混合物を酢酸(0.2 mL)の添加によりクエンチした。反応混合物をHPLCにより精製し、生成物(12.1 mg,46%)を得た。1H NMR (500 MHz,DMSO-d6) δ 11.02 (s,1H),8.66 (d,J=4.9 Hz,1H),8.30 (s,1H),8.22 (br d,J=7.9 Hz,1H),8.01 (s,1H),7.86 (d,J=7.9 Hz,1H),7.75-7.69 (m,2H),7.69-7.63 (m,2H),7.45 (d,J=4.3 Hz,1H),5.12 (br dd,J=13.1,4.9 Hz,1H),4.62-4.52 (m,1H),4.49-4.39 (m,1H),3.61 (br s,4H),2.98-2.85 (m,1H),2.65 (br d,J=16.2 Hz,1H),2.52 (br s,6H),2.44 (qd,J=13.1,4.4 Hz,1H),2.19 (s,3H),2.11-2.00 (m,1H) LCMS(方法A):保持時間 1.10 min,[M+H]+ 562.1
【0202】
実施例147-162
4-(ブロモメチル)-N,N-ジメチルベンゼンスルホンアミドを適切な臭化物に置換して、実施例146に記載の手順に従って、表2の化合物を調製した:
【化28】
【表13】
【0203】
実施例163
【化29】
ステップ1:N,N-ジベンジル-1-(2-クロロピリジン-4-イル)メタンアミン
DMF(1 mL)中に溶解した、(2-クロロピリジン-4-イル)メタンアミン,2HCl(40 mg,0.186 mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(29.7 mg,0.742 mmol)および(ブロモメチル)ベンゼン(69.8 mg,0.408 mmol)を添加した。得られた混合物を室温で16時間攪拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、ブラインで洗浄した。有機物を濃縮し、プレパラティブHPLCにより精製し、生成物(31 mg,52%)を得た。MS(ES):m/z = 323.2 [M+H]
+
【0204】
ステップ2:3-(5-{4-[(ジベンジルアミノ)メチル]ピリジン-2-イル}-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
3-(5-{4-[(メチルアミノ)メチル]ピリジン-2-イル}-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンを調製するために使用される一般的な方法に従って、実施例163を調製した。1H NMR (500 MHz,DMSO-d6) δ 11.02 (br d,J=4.0 Hz,1H),8.67 (d,J=4.9 Hz,1H),8.28 (s,1H),8.21 (br d,J=7.9 Hz,1H),8.00 (s,1H),7.86 (d,J=7.9 Hz,1H),7.49 (br d,J=4.6 Hz,1H),7.47-7.42 (m,4H),7.38 (t,J=7.5 Hz,4H),7.31-7.24 (m,2H),5.17 (br dd,J=13.3,5.0 Hz,1H),4.63-4.53 (m,1H),4.51-4.39 (m,1H),3.67 (s,2H),3.61 (s,4H),3.00-2.89 (m,1H),2.71-2.60 (m,1H),2.46 (td,J=13.3,9.2 Hz,1H),2.07 (br dd,J=10.8,5.6 Hz,1H) LCMS(方法B):保持時間 2.36 min,[M+H]+ 531.2
【0205】
実施例164
【化30】
ステップ1:N-ベンジル-1-(2-クロロピリジン-4-イル)-N-メチルメタンアミン
DMF(1 mL)中、(2-クロロピリジン-4-イル)メタンアミン,2HCl(43.4 mg,0.201 mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(32.2 mg,0.805 mmol)および(ブロモメチル)ベンゼン(36.1 mg,0.211 mmol)を添加した。得られた混合物を室温で1時間攪拌した。これにヨードメタン(30 mg,0.211 mmol)を添加した。反応混合物を終夜攪拌した。生成物をプレパラティブHPLCにより単離し、23 mg(46%)を得た。MS(ES):m/z = 247.1 [M+H]
+
【0206】
ステップ2:3-[5-(4-{[ベンジル(メチル)アミノ]メチル}ピリジン-2-イル)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオン
3-(5-{4-[(メチルアミノ)メチル]ピリジン-2-イル}-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンを調製するために使用される一般的な方法に従って、実施例164を調製した。1H NMR (500 MHz,DMSO-d6) δ 11.03 (s,1H),8.81 (d,J=4.9 Hz,1H),8.32 (s,1H),8.24 (d,J=8.2 Hz,1H),8.21 (s,1H),7.90 (d,J=7.9 Hz,1H),7.60-7.53 (m,3H),7.51-7.45 (m,3H),5.14 (dd,J=13.4,5.2 Hz,1H),4.63-4.54 (m,1H),4.50-4.35 (m,4H),3.62-3.48 (m,1H),2.98-2.87 (m,1H),2.68-2.61 (m,4H),2.49-2.37 (m,1H),2.13-2.02 (m,1H) LCMS(方法B):保持時間 1.66 min,[M+H]+ 455.1
【0207】
実施例165
【化31】
ステップ1:4-(アゼチジン-1-イルメチル)-2-クロロピリジン
バイアルに、2-クロロ-4-(クロロメチル)ピリジン(44 mg,0.187 mmol)、THF(1.5 mL)およびアゼチジン(13.44 mg,0.234 mmol)を加えた。5分間攪拌後、N-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン(0.130 mL,0.749 mmol)を添加した。反応混合物を40℃に温め、その温度で3時間保持した。反応混合物をEtOAcで希釈し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、生成物(31 mg,91%)を得た。MS(ES):m/z = 182.9 [M+H]
+
【0208】
ステップ2:3-(5-{4-[(アゼチジン-1-イル)メチル]ピリジン-2-イル}-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
マイクロ波バイアルに、4-(アゼチジン-1-イルメチル)-2-クロロピリジン(17.4 mg,0.095 mmol)、tert-ブチル(S)-5-アミノ-5-オキソ-4-(1-オキソ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ペンタノエート(52.9 mg,0.119 mmol)、Pd(dtbpf)Cl2(1.863 mg,2.86 μmol)、1,4-ジオキサン(1 mL)、およびK3PO4水溶液(0.159 mL,0.476 mmol)を加えた。バイアルを密閉し、空気を窒素で置換した。反応混合物をマイクロ波で10分間、120℃で加熱した。反応混合物を冷却し、EtOAcで希釈し、ブラインで洗浄した。有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。アセトニトリル中、PhSO3H溶液の溶液(40 mL中、0.5 mL,1.44 g)中に得られた残留物を溶解させ、マイクロ波で10分間、120℃で加熱した。反応混合物を濃縮し、プレパラティブHPLCにより精製し、実施例165(8.1 mg,18%)を得た。1H NMR (500 MHz,DMSO-d6) δ 8.61 (d,J=4.9 Hz,1H),8.29 (s,1H),8.21 (br d,J=7.6 Hz,1H),7.90 (s,1H),7.84 (d,J=8.1 Hz,1H),7.31 (br d,J=4.9 Hz,1H),5.17-5.08 (m,1H),4.60-4.39 (m,2H),3.65 (br s,2H),3.20 (t,J=7.0 Hz,3H),2.96-2.85 (m,1H),2.68-2.60 (m,1H),2.48-2.35 (m,2H),2.11-1.96 (m,3H) LCMS(方法A):保持時間 0.91 min,[M+H]+ 390.9
【0209】
実施例166
【化32】
3-(5-{4-[(アゼチジン-1-イル)メチル]ピリジン-2-イル}-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンを調製するために使用される一般的な手順に従って、実施例166を調製した。
1H NMR (500 MHz,DMSO-d
6) δ 11.01 (s,1H),8.64 (d,J=5.0 Hz,1H),8.30 (s,1H),8.22 (br d,J=8.0 Hz,1H),7.97 (s,1H),7.84 (d,J=8.0 Hz,1H),7.38 (d,J=4.5 Hz,1H),5.19-5.05 (m,1H),4.62-4.35 (m,2H),3.56-3.54 (m,6H),2.97-2.84 (m,1H),2.67-2.59 (m,1H),2.46-2.34 (m,5H),2.12-1.99 (m,1H) LCMS(方法B):保持時間 1.23 min,[M+H]
+ 421.1
【0210】
実施例167
【化33】
3-(5-{4-[(アゼチジン-1-イル)メチル]ピリジン-2-イル}-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンを調製するために使用される一般的な手順に従って、実施例167を調製した。
1H NMR (500 MHz,DMSO-d
6) δ 11.01 (s,1H),8.66 (d,J=5.0 Hz,1H),8.32 (br s,1H),8.24 (br d,J=8.0 Hz,1H),8.02 (br s,1H),7.85 (d,J=8.0 Hz,1H),7.41 (d,J=4.8 Hz,1H),5.18-5.07 (m,1H),4.60-4.38 (m,2H),3.17 (br s,3H),2.94 (br s,4H),2.63 (br d,J=15.3 Hz,1H),2.51 (br s,4H),2.48-2.36 (m,1H),2.12-1.99 (m,1H) LCMS(方法B):保持時間 1.13 min,[M+H]
+ 469.0
【0211】
実施例168
【化34】
バイアルに、3-(5-(4-((メチルアミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンビス塩酸塩(20 mg,0.046 mmol)、6-メトキシニコチンアルデヒド(18.8 mg,0.137 mmol)、およびDMF(1 mL)を加えた。10分間室温で攪拌後、ナトリウムトリアセトキシボロハイドライド(29.1 mg,0.137 mmol)を添加した。反応混合物を50℃に温め、終夜その温度で保持した。反応混合物を濾過し、プレパラティブHPLCにより精製し、2.5 mg(11%)を得た。
1H NMR (500 MHz,DMSO-d
6) δ 11.00 (s,1H),8.73 (d,J=4.8 Hz,1H),8.27 (s,1H),8.22 (s,1H),8.19 (d,J=8.0 Hz,1H),8.08 (s,1H),7.87 (d,J=8.0 Hz,1H),7.79 (dd,J=8.6,2.3 Hz,1H),7.49 (d,J=4.6 Hz,1H),6.86 (d,J=8.6 Hz,1H),5.09 (br dd,J=13.1,5.1 Hz,1H),4.56 (d,J=17.6 Hz,1H),4.48-4.37 (m,1H),3.80-3.78 (m,7H),2.88 (ddd,J=18.0,13.3,5.1 Hz,1H),2.69-2.61 (m,1H),2.49 (br s,3H),2.42 (br dd,J=12.7,4.1 Hz,1H),2.11-2.01 (m,1H) LCMS(方法A):保持時間 1.02 min、[M+H]
+ 486.3
【0212】
実施例169-185
6-メトキシニコチンアルデヒドを適切なアルデヒドまたはケトンに置換して、実施例168に記載の一般的な手順に従って、表3の化合物を調製した:
【化35】
【表14】
【表15】
【0213】
実施例186
【化36】
ステップ1:tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(5-(5-クロロ-4-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート
20 mLバイアルに、(2,5-ジクロロピリジン-4-イル)メタノール(0.2 g,1.124 mmol)、tert-ブチル(S)-5-アミノ-5-オキソ-4-(1-オキソ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ペンタノエート(0.749 g,1.685 mmol)、Pd(dtbpf)Cl
2(0.022 g,0.034 mmol)、1,4-ジオキサン(5.62 mL)および3M K3PO4水溶液(1.873 mL,5.62 mmol)を加えた。バイアルを密閉し、空気を窒素で置換した。それを60℃で16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(25 mL)で希釈し、ブラインで洗浄し、分液処理した。有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルカラムを用いて、ISCOカラムクロマトグラフィー(40 g Goldカラム、0-100%の、DCM-DCM中、20%メタノール性アンモニアで溶離する)により、粗生成物を精製し、tert-ブチル-5-アミノ-4-(5-(5-クロロ-4-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(320 mg,0.668 mmol,収率59.4%)を薄茶色固体として得た。この物質およびそれに続く中間体のエナンチオマー過剰率は、割り出されなかった。MS(ES):m/z = 460.05 [M+H]
+
【0214】
ステップ2:3-(5-(5-クロロ-4-(クロロメチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
DCM(3.00 mL)中、tert-ブチル-5-アミノ-4-(5-(5-クロロ-4-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(0.280 g,0.609 mmol)の冷却した(0℃)溶液に、塩化チオニル(0.132 mL,1.826 mmol)を液滴で添加した。10分後、氷浴を取り除き、反応混合物を室温に温めた。30分後、反応混合物を乾燥するまで濃縮した。残留物を酢酸(3 mL)中に溶解させ、ベンゼンスルホン酸(0.212 g,1.339 mmol)を添加し、反応混合物を電子レンジ内で25分間、120℃で加熱した。反応混合物を乾燥するまで濃縮し、2 mLのMeOH中3M HClを添加し、完全に溶解するまで0℃(氷水浴)で攪拌した。次に、8 mLのEtOAcを添加し、攪拌した。5分後、反応混合物を氷水浴中で30分間静置した。沈殿物を濾過し、EtOAcで洗浄し、その後風乾し、3-(5-(5-クロロ-4-(クロロメチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(180 mg,0.401 mmol,収率65.8 %)をHCl塩として得た。MS(ES):m/z = 404.3、406.3 [M+H]+
【0215】
ステップ3:3-(5-(5-クロロ-4-((3-フェニルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
DMF(0.5 mL)中、3-(5-(5-クロロ-4-(クロロメチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン,HCl(40 mg,0.091 mmol)の溶液に、3-フェニルアゼチジン,HCl(17.71 mg,0.104 mmol)、続いてHunig's base(95 μL,0.545 mmol)を添加した。得られた混合物を3時間攪拌しながら80℃に加熱した。それを次に冷却し、DMF(0.5 mL)でさらに希釈した。プレパラティブLC/MSにより、以下の条件:カラム:XBridge C18,200 mm x 19 mm,5-μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:酢酸アンモニウム含有水;移動相B:95:5 アセトニトリル:酢酸アンモニウム含有水;グラジエント:35%Bで0分保持、22分かけて35-75%B、次に100%Bで0分保持;流速:20 mL/min;カラム温度:25℃で粗製物質を精製した。フラクション収集は、MSシグナルにより作動された。望ましい生成物を含むフラクションを混ぜ合わせ、遠心蒸発により乾燥させ、3-(5-(5-クロロ-4-((3-フェニルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(15.5 mg,0.030 mmol,収率33.1%)を得た。LCMS(方法A):保持時間 1.28 min;MS(ES):m/z = 501.17 [M+H]+;1H NMR (400 MHz,DMSO-d6) δ 8.89 (s,1H),8.82 (s,1H),8.33 (s,1H),8.24 (m,m 1H),7.99 (s,1H),7.84 (d,J=8.0 Hz,1H),7.41-7.31 (m,5H),7.26-7.20 (m,1H),5.16 (m,1H),4.56 (d,J=17.4 Hz,1H),4.44 (d,J=17.4 Hz,1H),3.80-3.66 (m,5H),3.26-3.18 (m,2H),3.00-2.88 (m,1H),2.49-2.37 (m,1H),2.10-2.01 (m,1H)
【0216】
実施例187
3-フェニルアゼチジンを適切なアミンに置換して、実施例186に記載の一般的な手順に従って、表4の化合物を調製した。
【化37】
【表16】
【0217】
実施例188
【化38】
ステップ1:tert-ブチル5-アミノ-4-(5-(5-フルオロ-4-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート
20 mLバイアルに、(2-クロロ-5-フルオロピリジン-4-イル)メタノール(0.4 g,2.476 mmol)、tert-ブチル(S)-5-アミノ-5-オキソ-4-(1-オキソ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ペンタノエート(1.650 g,3.71 mmol)、Pd(dtbpf)Cl
2(0.048 g,0.074 mmol),1,4-ジオキサン(12.38 mL)および3MのK
3PO
4水溶液(4.13 mL,12.38 mmol)を加えた。バイアルを密閉し、空気を窒素で置換した。それを60℃で16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(25 mL)で希釈し、ブラインで洗浄し、分液処理した。有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルカラムを用いて、ISCOカラムクロマトグラフィー(40 g Goldカラム、0-100%の、DCM-DCM中、20%メタノール性アンモニアで溶離する)により、粗生成物を精製し、tert-ブチル-5-アミノ-4-(5-(5-フルオロ-4-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(650 mg,1.466 mmol,収率59.2%)を薄茶色固体として得た。この物質およびそれに続く中間体のエナンチオマー過剰率は、割り出されなかった。MS(ES):m/z = 444.04 [M+H]
+
【0218】
ステップ2:3-(5-(5-フルオロ-4-(クロロメチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
DCM(7.5 mL)中、tert-ブチル5-アミノ-4-(5-(5-フルオロ-4-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(0.65 g,1.466 mmol)の冷却した(0℃)溶液に、塩化チオニル(0.319 mL,4.40 mmol)を液滴で添加した。10分後、氷浴を取り除き、反応混合物を室温に温めた。30分後、反応混合物を乾燥するまで濃縮した。残留物を酢酸(3 mL)中に溶解させ、ベンゼンスルホン酸(0.510 g,3.22 mmol)を添加し、反応混合物を電子レンジ内で25分間、120℃で加熱した。反応混合物を乾燥するまで濃縮し、4 mLのMeOH中3M HClを添加し、完全に溶解するまで0℃(氷水浴)で攪拌した。次に、12 mLのEtOAcを添加し、攪拌した。5分後、反応混合物を氷水浴中で30分間静置した。沈殿物を濾過し、EtOAcで洗浄し、その後風乾し、3-(5-(4-(クロロメチル)-5-フルオロピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(480 mg,1.238 mmol,収率84%)をHCl塩として得た。MS(ES):m/z = 388.2 [M+H]+
【0219】
ステップ3:3-(5-(5-フルオロ-4-((3-フェニルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
DMF(650 μL)中に溶解した3-(5-(3-(クロロメチル)-4-フルオロフェニル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン,HCl(55 mg,0.130 mmol)に、3-フェニルアゼチジン,HCl(25.4 mg,0.149 mmol)、続いてHunig's base(136 μL,0.780 mmol)を添加した。得られた混合物を3時間攪拌しながら80℃に加熱した。それを次に冷却し、DMF(0.5 mL)でさらに希釈した。プレパラティブLC/MSにより、以下の条件:カラム:XBridge C18,200 mm x 19 mm,5-μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:酢酸アンモニウム含有水;移動相B:95:5 アセトニトリル:酢酸アンモニウム含有水;グラジエント:35%Bで0分保持、22分かけて35-75%B、次に100%Bで0分保持;流速:20 mL/min;カラム温度:25℃で粗製物質を精製した。フラクション収集は、MSシグナルにより作動された。望ましい生成物を含むフラクションを混ぜ合わせ、遠心蒸発により乾燥させ、3-(5-(5-フルオロ-4-((3-フェニルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(7.1 mg,0.015 mmol,収率11.28%)を得た。LCMS(方法A):保持時間 1.78 min;MS(ES):m/z = 485.3 [M+H]+;1H NMR (400 MHz,DMSO-d6) δ 9.1 (s,1H),8.9 (s,1H),8.43 (s,1H),8.30 (m,m 1H),8.01 (s,1H),7.81 (d,J=8.0 Hz,1H),7.5-7.38 (m,5H),7.26-7.20 (m,1H),5.3 (m,1H),4.61 (d,J=17.4 Hz,1H),4.51(d,J=17.4 Hz,1H),3.80-3.66 (m,5H),3.26-3.18 (m,2H),3.00-2.88 (m,1H),2.49-2.37 (m,1H),2.10-2.01 (m,1H)
【0220】
実施例189-190
3-フェニルアゼチジンを適切なアミンに置換して、本明細書に記載の手順に従って、表5の化合物を調製した:
【化39】
【表17】
【0221】
実施例191
【化40】
ステップ1:tert-ブチル5-アミノ-4-(5-(3-フルオロ-4-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート
20 mLバイアルに、2-クロロ-3-フルオロピリジン-4-イル)メタノール(400 mg,2.476 mmol)、tert-ブチル(S)-5-アミノ-5-オキソ-4-(1-オキソ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ペンタノエート(1.650 g,3.71 mmol)、Pd(dtbpf)Cl
2(0.048 g,0.074 mmol)、1,4-ジオキサン(12.38 mL)およびK
3PO
4の3M水溶液(4.13 mL,12.38 mmol)を加えた。バイアルを密閉し、空気を窒素で置換した。それを60℃で16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(40 mL)で希釈し、ブラインで洗浄し、分液処理した。有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルカラムを用いて、ISCOカラムクロマトグラフィー(40 g Gold、0-100%の、DCM-DCM中、20%メタノール性アンモニアで溶離する)により、粗生成物を精製し、tert-ブチル5-アミノ-4-(5-(3-フルオロ-4-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(630 mg,1.421 mmol,収率57.4%)を褐色固体として得た。この物質およびそれに続く中間体のエナンチオマー過剰率は、割り出されなかった。MS(ES):m/z = 444.4 [M+H]
+
【0222】
ステップ2:3-(5-(4-(クロロメチル)-3-フルオロピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
DCM(7.5 mL)中、tert-ブチル5-アミノ-4-(5-(3-フルオロ-4-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(0.62 g,1.398 mmol)の冷却した(0℃)溶液に、塩化チオニル(0.304 mL,4.19 mmol)を液滴で添加した。10分後、氷浴を取り除き、反応混合物を室温に温めた。30分後、反応混合物を乾燥するまで濃縮した。残留物を酢酸(4 mL)中に溶解させ、ベンゼンスルホン酸(0.486 g,3.08 mmol)を添加し、反応混合物を電子レンジ内で30分間、120℃で加熱した。反応混合物を乾燥するまで濃縮し、4 mLのMeOH中3M HClを添加し、完全に溶解するまで0℃(氷水浴)で攪拌した。次に、12 mLのEtOAcを添加し、攪拌した。5分後、反応混合物を氷水浴中で30分間静置した。沈殿物を濾過し、EtOAcで洗浄し、その後風乾し、3-(5-(4-(クロロメチル)-3-フルオロピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(465 mg,1.199 mmol,収率86%)をHCl塩として得た。MS(ES):m/z = 388.2 [M+H]+
【0223】
ステップ3:3-(5-(3-フルオロ-4-((3-フェニルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
DMF(30 mL)中に溶解した3-(5-(4-(クロロメチル)-3-フルオロピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン,HCl(35 mg,0.082 mmol)に、3-フェニルアゼチジン,HCl(16.10 mg,0.095 mmol)、続いてHunig's base(0.086 mL、0.495 mmol)を添加した。得られた混合物を3時間攪拌しながら80℃に加熱した。それを次に冷却し、DMF(0.5 mL)でさらに希釈した。プレパラティブLC/MSにより、以下の条件:カラム:XBridge C18,200 mm x 19 mm,5-μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:酢酸アンモニウム含有水;移動相B:95:5 アセトニトリル:酢酸アンモニウム含有水;グラジエント:35%Bで0分保持、22分かけて35-75%B、次に100%Bで0分保持;流速:20 mL/min;カラム温度:25℃で粗製物質を精製した。フラクション収集は、MSシグナルにより作動された。望ましい生成物を含むフラクションを混ぜ合わせ、遠心蒸発により乾燥させ、3-(5-(3-フルオロ-4-((3-フェニルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(15.4 mg,0.032 mmol,収率38.5%)を得た。LCMS(方法A):保持時間 1.12 min;MS(ES):m/z = 485.1 [M+H]+;1H NMR (400 MHz,DMSO-d6) δ 8.6 (s,1H),8.3 (s,1H),8.21 (m,1H),8.11 (m,1H),7.81 (s,1H),7.6 (m,1H),7.5-7.38 (m,5H),7.26-7.20 (m,1H),5.2 (m,1H),4.51 (d,J=17.4 Hz,1H),4.34(d,J=17.4 Hz,1H),3.80-3.66 (m,5H),3.26-3.18 (m,2H),3.00-2.88 (m,1H),2.49-2.37 (m,1H),2.10-2.01 (m,1H)
【0224】
実施例192-193
3-フェニルアゼチジンを適切なアミンに置換して、実施例196に記載の一般的な手順に従って、表6の化合物を調製した:
【化41】
【表18】
【0225】
実施例194
【化42】
ステップ1:tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(6-メチル-1-オキソ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート
40 mL圧力バイアルに、tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(5-ブロモ-6-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(300 mg,0.729 mmol)、4,4,4',4',5,5,5',5'-オクタメチル-2,2'-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(278 mg,1.094 mmol)、および酢酸カリウム(215 mg,2.188 mmol)を加え、窒素を流した。固体をジオキサン(10 mL)中で懸濁し、約5分間攪拌しながら窒素気流で脱気した。反応混合物をPdCl
2(dppf)
2(16.01 mg,0.022 mmol)で処理し、5分間再び脱気し、3時間窒素下で95℃に加熱した。反応混合物をEtOAcで希釈し、ブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。濾液を濃縮し、ISCOの24グラムシリカゲルカラムにより精製し、0-40% B/DCM(B=15% EtOH/EtOAc+0.1% TEA)を用いて溶離し、表題化合物を収率95%で得た。
【0226】
ステップ2:3-(5-(4-((ジメチルアミノ)メチル)ピリジン-2-イル)-6-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
2 mLマイクロ波バイアルに、1-(2-クロロピリジン-4-イル)-N,N-ジメチルメタンアミン(13 mg,0.076 mmol)、tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(6-メチル-1-オキソ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(38.4 mg,0.084 mmol)、PdCl2(dtbpf)(1.490 mg,2.286 μmol)、ジオキサン(1.5 mL)および3M K3PO4水溶液(0.102 mL,0.305 mmol)を加えた。それを密閉し、空気を窒素で置換し、その後10分間、120℃で、電子レンジで加熱した。反応混合物をEtOAcで希釈し、ブラインで洗浄し、分液処理し、有機物を濃縮した。プレパラティブHPLC 方法1を用いて粗製物質を精製し、4.1 mgの表題化合物を得た。分析HPLC 方法B:保持時間 0.89 min;[M+H]+ 393.3;1H NMR (500 MHz,DMSO-d6) δ 8.62 (d,J=5.0 Hz,1H),7.68 (s,1H),7.60 (s,1H),7.47 (s,1H),7.35 (d,J=4.8 Hz,1H),5.13 (dd,J=13.2,5.0 Hz,1H),4.47 (d,J=17.2 Hz,1H),4.35 (d,J=17.1 Hz,1H),3.51 (s,1H),3.46-3.42 (m,1H),2.97-2.88 (m,1H),2.62 (br d,J=16.4 Hz,1H),2.45-2.40 (m,1H),2.39 (s,3H),2.20 (s,6H),2.13 (s,1H),2.07-1.99 (m,1H)
【0227】
実施例195
市販されているアミンを用いて、本明細書に記載の一般的な手順に従って、表7の化合物を調製した:
【化43】
【表19】
【0228】
実施例196-201
tert-ブチル(4-((7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)オキシ)フェニル)カルバメートを適切な第一級または第二級アミンに置換して、本明細書に記載の手順に従って、表8の化合物を調製した:
【化44】
【表20】
【0229】
実施例202-207
本明細書に記載の一般的な手順に従って、表9の化合物を調製した:
【化45】
【表21】
分析HPLC条件
方法A:ACQUITY UPLC(商標登録)BEH C18 (3.0 x 50 mm) 1.7 μm;移動相A:95:5 水:2.5 mM NH
4OAc含有アセトニトリル;移動相B:5:95 水:2.5 mM NH
4OAc含有アセトニトリル;温度:40℃;グラジエント:2分かけて20%Bから100%B;流速:0.7 mL/min;検出:MSおよびUV(220 nm)
方法B:カラム:XBridge BEH XP C18 (50 x 2.1) mm,2.5 μm;移動相A:95:5 水:10 mM NH
4OAc含有アセトニトリル;移動相B:5:95 水:10 mM NH
4OAc含有アセトニトリル;温度:50℃;グラジエント:3分かけて0%Bから100%B;流速:1.1 mL/min;検出:MSおよびUV(220 nm)
方法C:XBridge BEH XP C18 (50 x 2.1) mm,2.5 μm;移動相A:95:5 水:0.1%トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル;移動相B:5:95 水:0.1%トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル;温度:50℃;グラジエント:3分かけて0%Bから100%B;流速:1.1 mL/min;検出:MSおよびUV(220 nm)
方法D:カラム-Kinetex XB-C18 (75 X 3 mm-2.6 μm);移動相A:5 mM NH
4COOH水溶液;移動相B:アセトニトリル;グラジエント:3分かけて10%Bから50%B、流速:1.0 mL/min;4.1分に至るまで50%Bから100%B、流速:1.0 mL/min;4.5分まで保持;4.5分から5.0分まで90%B、流速:1.5 mL/min;検出:MSおよびUV(220 nm)
方法E:カラム-Kinetex XB-C18 (75 X 3 mm-2.6 μm);移動相A:0.1%TFA水溶液;移動相B:アセトニトリル;グラジエント:4.6分かけて20%Bから100%B;流速:1.0 mL/min;検出:MSおよびUV(220 nm)
方法F:カラム-Kinetex XB-C18 (75 X 3 mm-2.6μm);移動相A:0.1%TFA水溶液;移動相B:アセトニトリル;グラジエント:4分かけて5%Bから40%B、流速:1.0 mL/min;4.6分に至るまで40%Bから100%B、流速:1.5 mL/min;4.7分まで保持;4.7分から5.0分まで5%B、流速:1.5 mL/min;検出:MSおよびUV(220 nm)
方法G:カラム-Kinetex XB-C18 (75 X 3 mm-2.6 μm);移動相A:10 mM NH
4COOH水溶液;移動相B:アセトニトリル;グラジエント:4分かけて20%Bから100%B、流速:1.0 mL/min;4.6分まで保持し、次に4.7分から5.0分まで20%B、流速:0.7 mL/min;検出:MSおよびUV(220 nm)
【0230】
実施例208
【化46】
【化47】
ステップ1:(2-(トリメチルスタンニル)ピリジン-4-イル)メタノール
トルエン(10 mL)中、(2-クロロピリジン-4-イル)メタノール(200 mg,1.393 mmol)およびヘキサメチルジチン(0.433 mL,2.090 mmol)の攪拌した溶液を5分間アルゴンでパージし、次に[1,1’-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(45.4 mg,0.070 mmol)を添加した。反応混合物を2時間100℃で攪拌し、室温に冷却し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、(2-(トリメチルスタンニル)ピリジン-4-イル)メタノール(350 mg,収率74%)を得た。LCMS(方法A):保持時間 1.72 min;[M+H]
+ 274.2
【0231】
ステップ2:tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(4-フルオロ-5-(4-(ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート
【化48】
ジオキサン(20 mL)中、tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(5-ブロモ-4-フルオロ-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(229 mg,0.552 mmol)および(2-(トリメチルスタンニル)ピリジン-4-イル)メタノール(150 mg,0.552 mmol)の攪拌した溶液を5分間アルゴンでパージし、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロライド(38.7 mg,0.055 mmol)を添加した。反応混合物を100℃に加熱し、16時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、粗生成物を得、フラッシュクロマトグラフィー(SiO
2,80 g カラム,0-100%B(B=EtOAc中15%EtOH,0.5%TEA)/クロロホルム)により精製し、tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(4-フルオロ-5-(4-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(180 mg,収率66%)を得た。LCMS(方法A):保持時間 1.04 min;[M+H]
+ 444.3
【0232】
ステップ3:tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(5-(4-(クロロメチル)ピリジン-2-イル)-4-フルオロ-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート
【化49】
ジクロロメタン(10 mL)中、tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(4-フルオロ-5-(4-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(0.180 g,0.406 mmol)の攪拌した溶液に、SOCl
2(0.089 mL,1.218 mmol)を0℃で添加した。反応混合物を25℃で1時間攪拌し、減圧下で濃縮し、tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(5-(4-(クロロメチル)ピリジン-2-イル)-4-フルオロ-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(0.175 g,収率74.7%)を得た。LCMS(方法A):保持時間 1.48 min;[M+H]
+ 462.3
【0233】
ステップ4:3-(5-(4-(クロロメチル)ピリジン-2-イル)-4-フルオロ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
【化50】
酢酸(2 mL)中、tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(5-(4-(クロロメチル)ピリジン-2-イル)-4-フルオロ-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(175 mg,0.379 mmol)の攪拌した溶液に、ベンゼンスルホン酸(120 mg,0.758 mmol)を添加した。反応混合物を120℃に加熱し、2時間攪拌した。揮発性物質を減圧下で除去し、3-(5-(4-(クロロメチル)ピリジン-2-イル)-4-フルオロ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(130 mg,収率66%)を得た。LCMS(方法A):保持時間 1.12 min;[M+H]
+ 388.3
【0234】
ステップ5:3-(4-フルオロ-1-オキソ-5-(4-((3-フェニルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
DMF(2 mL)中、3-(5-(4-(クロロメチル)ピリジン-2-イル)-4-フルオロ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(0.080 g,0.206 mmol)および3-フェニルアゼチジンHCl(0.082 g,0.619 mmol)の攪拌した溶液に、DIPEA(0.216 mL,1.238 mmol)を25℃で添加した。反応混合物を80℃に加熱し、3時間攪拌した。揮発性物質を減圧下で除去し、得られた粗生成物をプレパラティブHPLCにより、以下の条件:カラム:Gemini NX C18(250 mm x 21 mm ID,5 μm);移動相A=10 mM酢酸アンモニウム水溶液 pH 4.5;移動相B=アセトニトリル:MeOH (1:1);流速:19 mL/min;グラジエント時間:20分かけて20-70%のBで精製した。フラクションを凍結乾燥し、3-(4-フルオロ-1-オキソ-5-(4-((3-フェニルアゼチジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(23 mg,収率22%)を得た。LCMS(方法G):保持時間 1.60 min;[M+H]+ 485.1; 1H NMR (400 MHz,DMSO-d6) δ 11.03 (br s,1H),8.69 (d,J = 5.0 Hz,1H),8.09 (t,J = 7.3 Hz,1H),7.83 (s,1H),7.71 (d,J = 8.0 Hz,1H),7.44-7.28 (m,5H),7.25-7.20 (m,1H),5.16 (dd,J = 13.1,5.0 Hz,1H),4.76-4.38 (m,2H),3.79 (s,2H),3.75-3.63 (m,3H),3.22 (br t,J = 5.3 Hz,2H),3.02-2.90 (m,1H),2.66-2.60 (m,1H),2.43 (br d,J = 4.5 Hz,1H),2.11-2.02 (m,1H)
【0235】
生物学的アッセイ
本発明の化合物の薬理学的特性は、多数の生物学的アッセイにより確認されることがある。以下に例示される生物学的アッセイは、本発明の化合物を用いて行われている。
【0236】
Helios細胞分解アッセイ
40μL RPMI+10%FBS中80,000細胞数/ウェルで、384ウェル細胞培養プレートにJurkat細胞を播種し、次に超音波分注技術を用いて興味の対象となる化合物を添加した。細胞培養物を37℃および5%CO
2で72時間インキュベートした。分析を容易にするために、細胞培養物を5分間200rpmでスピンダウンし、上清を破棄した。プレートを振盪して細胞ペレットを除去した後、50μLのFixation Buffer(eBioScience FoxP3バッファーセット 00-5523-00)中で、室温で60分間、細胞を再懸濁した。遠心分離し、上清を破棄した後、50μLのPermeabilization buffer(eBioScience FoxP3バッファーセット 00-5523-00)で、室温で10分間、細胞を透過処理した。透過処理の次に、細胞をスピンダウンし、1x Permeabilization buffer中、HeliosおよびIkarosに対する蛍光標識抗体または対応するアイソタイプコントロール(Ikaros-Alexa488[Biolegend,カタログ番号 #368408,1:50],Helios-PE[CST,カタログ番号 #29360,1:50])20μLで上清を置換し、室温で1時間;遮光して染色反応をインキュベートした。その後、30μLの1x Permeabilization bufferを添加し、次に細胞を遠心分離し、上清を破棄した。25μLのフローサイトメトリー染色バッファー(PBS+0.2%BSA)中で染色した細胞を再懸濁し、Intellicyt Ique Plusフローサイトメーターを用いて解析した。
【表22】
【表23】
【表24】
【表25】
【表26】
【表27】
【表28】
【表29】
【配列表】