(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-04
(45)【発行日】2025-02-13
(54)【発明の名称】脱色活性剤としてのローズブッシュ抽出物の使用
(51)【国際特許分類】
A61K 8/9789 20170101AFI20250205BHJP
A61Q 17/04 20060101ALI20250205BHJP
A61Q 19/02 20060101ALI20250205BHJP
【FI】
A61K8/9789
A61Q17/04
A61Q19/02
(21)【出願番号】P 2023536160
(86)(22)【出願日】2021-12-13
(86)【国際出願番号】 EP2021085539
(87)【国際公開番号】W WO2022128943
(87)【国際公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-06-14
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】クロエ・クラボー
【審査官】山田 陸翠
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104173264(CN,A)
【文献】米国植物特許発明第00032265(US,P)
【文献】特表2014-507502(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108030744(CN,A)
【文献】特開2011-236147(JP,A)
【文献】特開2002-029959(JP,A)
【文献】特開2005-281262(JP,A)
【文献】特開2006-273811(JP,A)
【文献】特開2014-240375(JP,A)
【文献】特開2010-195746(JP,A)
【文献】特開2015-218120(JP,A)
【文献】特開2007-261987(JP,A)
【文献】特表2015-505312(JP,A)
【文献】Revitalizing Brightening Velvet Cream SPF 15, Lancome,Mintel GNPD [online],2020年08月,[検索日2024.6.10], インターネット<URL:https://www.gnpd.com>,ID#:7973045
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
品種メイチボン(Meichibon)×デルグラマウエ(Delgramaue)の交配によって得られたハイブリッドローズブッシュの抽出物の
、皮膚を白色化、明色化及び/又は脱色するための薬剤としての非治療的美容的使用
であって、前記抽出物が、前記ローズブッシュの花、花頭及び/又は葉のアルコール性混合物を超臨界CO
2
で抽出することによって得られる、使用。
【請求項2】
顔色を均一にするため、顔色の輝きを改善するため、色素沈着斑点又は老化斑点を除去するため、及び/又は日焼け防止剤としての請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記アルコール性混合物が、アルコール性溶媒を含む少なくとも1つの浴中、50℃未満の温度で、アルコール性混合物を得るために前記ローズブッシュの
花、花頭及び/又は葉を浸出した後に得られることを特徴とする、請求項
1又は2に記載の使用。
【請求項4】
皮膚を脱色、明色化及び/又は白色化するための非治療的美容的方法であって、生理学的に許容される媒体中に品種メイチボン(Meichibon)×デルグラマウエ(Delgramaue)の交配によって得られたハイブリッドローズブッシュの抽出物を含む化粧用組成物を適用することを含む方法
であって、前記抽出物が、前記ローズブッシュの花、花頭及び/又は葉のアルコール性混合物を超臨界CO
2
で抽出することによって得られる、方法。
【請求項5】
前記化粧用組成物が、顔色のくすみ、不均一な顔色、茶色がかった色素沈着によるシミ若しくは肝斑のある個人の皮膚に、又はメラニン形成により生じた茶色がかった色の出現を無くそうとすることを望む個人の皮膚に塗布される、請求項
4に記載の方法
。
【請求項6】
前記ローズブッシュ抽出物が、前記組成物の全質量に対して、0.0001質量%~10質量%の前記抽出
物の濃度で前記組成物中に存在する、請求項
4又は
5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚又は皮膚付属物などのケラチン物質のケアに特化した活性剤の分野に関する。
【0002】
本発明は、品種メイチボン(Meichibon)×デルグラマウエ(Delgramaue)の交配によって得られたハイブリッドローズブッシュの抽出物の、脱色及び/又は明色化及び/又は白色化活性剤としての非治療的美容的使用に関する。
【0003】
本発明はまた、ケラチン物質、特に皮膚を脱色、明色化及び/又は白色化するための非治療的美容的方法であって、生理学的に許容される媒体中に、品種メイチボン(Meichibon)×デルグラマウエ(Delgramaue)の交配によって得られたハイブリッドローズブッシュの抽出物を含む化粧用組成物を適用することを含む方法に関する。
【背景技術】
【0004】
人生の様々な時期において、一部の人々の皮膚の上で、より具体的には手の上で、皮膚に異質性をもたらす、より暗い及び/又はより着色した斑点が出現することがある。これらのシミは、特に皮膚の表面に所在するケラチン生成細胞中の高濃度のメラニンに起因する。
【0005】
色素沈着性のシミを治療する目的で、非常に効果的で不快感のない局所的脱色物質の使用が最も特に求められている。
【0006】
皮膚の色素沈着の形成の機構、すなわちメラニンの形成の機構は特に複雑であり、図式的に以下の主なステップを含む:
チロシン--->ドーパ--->ドーパキノン--->ドーパクロム--->メラニン
【0007】
チロシナーゼ(モノフェノールジヒドロキシルフェニルアラニン:酸素オキシドレダクターゼEC1.14.18.1)は、この一連の反応に包含される必須酵素である。それは、特に、そのヒドロキシラーゼ活性によりチロシンの変換反応を触媒してドーパ(ジヒドロキシフェニルアラニン)を与え、そのオキシダーゼ活性によりドーパの変換反応を触媒してドーパキノンを与える。このチロシナーゼは、それが成熟型である場合のみ、特定の生物学的因子の影響下で作用する。
【0008】
ある物質が、メラノジェネシスが起こる表皮のメラノサイトの活力に直接作用し、且つ/又はメラノジェネシスに関与する酵素の1つを阻害するか、若しくは一連のメラニン合成反応に含まれる化合物のうち1つの構造類似体を介入させ、したがってこの一連の反応を遮断することができるか、のいずれかにより、メラニンが生合成される段階の1つを妨げ、それによって脱色を確実に行うことができる場合、その物質は、脱色を行うものとして承認される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
皮膚脱色剤としてルシノールが知られている。
【0010】
したがって、効率的な脱色作用、特にルシノールと少なくとも同等又はそれ以上の脱色作用を有する物質が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0011】
これに関して、本出願人は、驚くべきことに、そして予想外に、品種メイチボン(Meichibon)×デルグラマウエ(Delgramaue)の交配により得られたハイブリッドローズブッシュの抽出物が、良好な脱色作用を示すことを発見した。
【0012】
本発明の主題は、したがって、ケラチン物質、特に皮膚を脱色、明色化及び/又は白色化するための非治療的美容的方法であって、生理学的に許容される媒体中に、下記に定義される品種メイチボン(Meichibon)×デルグラマウエ(Delgramaue)の交配によって得られたハイブリッドローズブッシュの抽出物を含む化粧用組成物を適用することを含む方法である。
【0013】
本発明は、さらにケラチン物質、特に皮膚を白色化、明色化及び/又は脱色するための薬剤としての品種メイチボン(Meichibon)×デルグラマウエ(Delgramaue)の交配によって得られたハイブリッドローズブッシュの抽出物の非治療的美容的使用に関する。
【0014】
本発明に従って使用される品種メイチボン(Meichibon)×デルグラマウエ(Delgramaue)の交配によって得られたハイブリッドローズブッシュの抽出物は、ヒトの皮膚を効率的に脱色及び/又は明色化、さらには白色化することが可能である。それは、特に、顔色のくすみ、不均一な顔色、茶色がかった色素沈着によるシミ若しくは肝斑のある個人の皮膚に、又はメラニン形成により生じた茶色がかった色の出現を無くすことを望む個人の皮膚に塗布されることが意図される。
【0015】
前記抽出物は、また、体毛、まつ毛、頭髪、並びに唇及び/又は爪を脱色及び/又は明色化することも可能にし得る。
【0016】
本発明の主題は、さらに皮膚、体毛、まつ毛又は頭髪並びに唇及び/又は爪、好ましくは皮膚を白色化及び/又は明色化及び/又は脱色するため、特に顔色を均一にするため、顔色の輝きを改善するため、色素沈着斑点又は老化斑点を除去するための薬剤としての、及び/又は日焼け防止剤としての上記の品種メイチボン(Meichibon)×デルグラマウエ(Delgramaue)の交配によって得られたハイブリッドローズブッシュの抽出物の非治療的美容的使用である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施例1による、超臨界CO
2を用いた抽出物の抽出プロセスのスキーム。
【
図2】実施例1により得られたホワイトローズの超臨界CO
2抽出物の脱色効果の評価。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ローズブッシュ抽出物
好ましくは、前記ローズブッシュ抽出物は、前記ローズブッシュの花、花頭及び/又は葉から得られ得る。
【0019】
好ましくは、前記ローズブッシュ抽出物は、前記ローズブッシュの全部又は一部のアルコール性混合物を超臨界CO2で抽出することにより得られ得る。
【0020】
好ましくは、前記ローズブッシュ抽出物は、アルコール性混合物を得るために、50℃未満の温度で、アルコール性溶媒を含む少なくとも1つの浴中で、前記ローズブッシュの全部又は一部を浸出した後にアルコール性混合物が得られることを特徴とし得る。
【0021】
品種名メイチボン(Meichibon)は、バラ(Rosaceae)科ロサ(Rosa)属に属するローズブッシュを指す。これは、商業的にTchaikovski(登録商標)、又はTchaikovski(登録商標)Meichibon、ローズブッシュ、又はMeillandローズブッシュとも呼ばれるハイブリッドティーローズである。
【0022】
品種名デルグラマウエ(Delgramaue)は、商業的に「rose synactif by Shisheido(登録商標)」(Delbard)、又は「La Rose du Petit Prince」とも呼ばれる、バラ(Rosaceae)科、ロサ(Rosa)属、フロリバンダ(Floribunda)種に属するローズブッシュを指す。
【0023】
そのようなハイブリッドローズブッシュは、その先端がピンク色を示し得る豊富な白色の二重咲き(double leaves)を呈し得、すなわち、1本の茎に平均5つの花が咲き、また、(i)グレープフルーツ及びシトラスローズのトップノート、(ii)アプリコット及びライチのハートノート、並びに(iii)グリーンベースノートを含む様々なノートを呈する香りを呈し得る。平均で、約70~80cmの高さ、約40~50cmの幅に達し得、枝は約8~10mmの直径を有する。
【0024】
特に、そのようなハイブリッドローズブッシュは、品種名デルグラマウエ(Delgramaue)の「雄」品種と、品種名メイチボン(Meichibon)の「雌」品種との交雑によって得られ得る。
【0025】
特に、そのようなハイブリッドローズブッシュは、「雄」の花、特に品種名デルグラマウエ(Delgramaue)に属する花の雄しべからの花粉を、「雌」の花、特に品種名メイチボン(Meichibon)に属する花の雌しべに受粉、すなわち、適用することにより得られ得る。
【0026】
このハイブリッドローズブッシュは、以下の特徴の組み合わせにより、先に定義した品種メイチボン(Meichibon)及びデルグラマウエ(Delgramaue)と顕著に区別され得る:
- 花弁の数が一般にメイチボン(Meichibon)品種とは異なり、この種のローズブッシュは、花弁の数が多く、大きさがより大きく、前述のようにグレープフルーツの特徴的なノートを有する、香りがより強い花を有する;
- 花弁の色が、デルグラマウエ(Delgramaue)品種とは一般に異なり、デルグラマウエ(Delgramaue)品種はライラック色の花弁を有するのに対して、一般に白色である;より強健であり、「バラの黒点病」と呼ばれる病気に対する耐性を有する。
【0027】
超臨界CO2抽出物は、一般に、「超臨界」状態、すなわち、高圧レベル(一般に50barより高いか、又はさらには70barより高い)且つ低温(一般に30℃より高く50℃未満)のCO2ガスを用いたプロセスによって得られる抽出物を指す。
【0028】
一実施形態によれば、抽出は、超臨界状態、すなわち、少なくとも31.1℃の温度及び少なくとも74.5barの圧力下、CO2ガスの存在下で行われる。
【0029】
前記超臨界CO2抽出物は、特に、国際公開第2012/085366号パンフレットに記載され、以下に詳述されるプロトコルに従って得られ得る。
【0030】
「ケラチン物質」という用語は、皮膚及びその付属物、特に頭皮、毛包及びケラチン繊維、特に頭髪、眉毛、まつ毛、並びに髭及び口髭の毛を示すことを意図している。
【0031】
「皮膚」という語は、頭皮、粘膜、半粘膜及び皮膚付属器を含む身体のあらゆる皮膚を意味する。
【0032】
「皮膚外皮」という用語は、体毛、まつ毛、頭髪、及び爪を意味する。より詳細には、本発明では、頭髪、襟足、首及び顔の皮膚、まつ毛及び眉毛が考慮される。
【0033】
「予防する」という用語は、「現象の発生又は再発の確率を減少させる」ことも意味する。
【0034】
本発明によるローズブッシュ抽出物は、植物全体又は植物の一部から得られる植物材料、例えば、インビボ又はインビトロで培養した葉、茎、花、花頭、花弁、萼又は根から得られる植物材料から得られ得る。
【0035】
「インビボ培養」という用語は、従来の種類のいずれかの培養、すなわち、戸外若しくはグリーンハウス中の土壌中、或いは土壌外での培養を意味する。
【0036】
「インビトロ培養」という用語は、植物又は植物の一部を人為的に得ることを可能にする、当業者に知られた全ての技術を意味する。課された選択圧により、インビボ培養された植物とは逆に、標準化され、一年中入手可能な植物材料を得ることが可能になる。
【0037】
特に、前記ローズブッシュ抽出物は、花、花頭、及び/又は葉から得られ得る。
【0038】
製剤
本発明による抽出物は、特に皮膚、爪又は粘膜に適用するための任意の化粧用組成物中に配合され得る。保持される投与方法に応じて、本発明の組成物は、通常使用される提示形態のいずれであってもよい。
【0039】
本発明による組成物は、生理学的に許容可能な媒体を含む。
【0040】
「生理学的に許容可能な媒体」という用語は、ケラチン物質、特に皮膚と適合性を有する媒体を意味する。一実施形態によれば、本発明による抽出物は、局所的経路を介して投与され得る。
【0041】
好ましい一実施形態によれば、本発明によるローズブッシュ抽出物は、前記組成物中、組成物の全質量に対して、0.0001質量%~10質量%の前記抽出物、好ましくは0.001質量%~5質量%の前記抽出物、さらに好ましくは0.01質量%~2質量%の前記抽出物の濃度で存在し得る。
【0042】
有利には、本発明による抽出物は、水若しくは水溶性有機溶媒、又はそれらの混合物に配合又は溶解され得る。
【0043】
本発明での使用に適切な水溶性有機溶媒は、2~8個の原子を含む低級モノアルコール、及び2~6個のヒドロキシル基、好ましくは3~5個のヒドロキシル基を含むC2~C8、好ましくはC3~C6炭化水素ベースの化合物及びそれらの混合物から選択され得る。
【0044】
本発明での使用に適切な水溶性有機溶媒の中で、特に、2~8個の炭素原子を含むグリコール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール又は1,3-プロパンジオール、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、ソルビトール、及びこれらの混合物が挙げられてよい。好ましくは、プロピレングリコール又は1,3-プロパンジオールが、本発明における使用に最も特に適切である。
【0045】
低級モノアルコールの中で、特に2~6個の炭素原子を含むもの、例えば、エタノール、イソプロパノール、プロパノール又はブタノールが挙げられてよい。
【0046】
好ましい実施形態において、水溶性有機溶媒はエタノールである。
【0047】
水溶性有機溶媒は、それを含む組成物の20質量%~90質量%、好ましくは30質量%~80質量%、より好ましくは40質量%~70質量%、さらに好ましくは50質量%~60質量%を構成し得る。
【0048】
本発明での使用に適切な水は、湧水及び/又はミネラルウォーターであり得、特にVittel水、Vichy盆地の水、及びLa Roche Posay水から選択される。本発明での使用に適切な水は、ローズウォーターなどのフローラルウォーターであり得る。
【0049】
水は、それを含む組成物の20質量%~90質量%、好ましくは30質量%~80質量%、より好ましくは40質量%~70質量%、さらに好ましくは50質量%~60質量%を構成し得る。有利には、水は、それを含む組成物の50質量%までを構成する。
【0050】
ケラチン物質、特に皮膚又はその外皮に局所適用するための組成物は、特に、ローション若しくは美容液タイプの水性若しくは油性溶液の形態又は分散液の形態、脂肪性相を水性相中に分散させる(O/W)か若しくはその逆(W/O)により得られる、液状若しくは半液状の粘稠性を有する乳液タイプのエマルジョンの形態、又は軟らかい粘稠性を有する水性若しくは無水ゲル若しくはクリームタイプの懸濁物若しくはエマルジョンの形態であるか、或いはマイクロカプセル若しくは微粒子の形態、又はイオン性及び/若しくは非イオン性タイプのベシクル分散物の形態であり得る。これらの組成物は、通常の方法に従って調製される。
【0051】
これらの組成物は、顔、手、足、主要な解剖学的ヒダ部(anatomical fold)又は身体のためのクレンジング、保護、処理又はケアクリーム(例えば、デイクリーム、ナイトクリーム、メイクアップクリーム、メイク落としクリーム、ファンデーションクリーム又は日焼け止めクリーム)、液体ファンデーション、メイクアップ組成物、例えば、メイク落としミルク、保護又はケアボディミルク、日焼け止めミルク、スキンケアローション、ゲル又はフォーム、例えば、クレンジングローション、日焼け止めローション、人工日焼けローション、バス組成物、殺菌剤を含むデオドラント組成物、アフターシェーブゲル又はローション、又は除毛クリームを構成し得る。これらの組成物は、石鹸又はクレンジングバーを構成する固形製剤を構成してもよく、また、加圧促進剤を含むエアゾール組成物の形態でパッケージ化されてもよい。
【0052】
一実施形態によれば、本発明による組成物は:
- 少なくとも1種の油、例えば、揮発性油、特に揮発性炭化水素ベースの油;及び/又は
- 少なくとも1種の脂肪物質、例えば25℃で固体である脂肪物質
を含み得る。
【0053】
本発明による組成物中の種々の成分の量は、考慮される分野で従来から使用されているものである。
【0054】
組成物がエマルジョンである場合、脂肪性相の割合は、組成物の全質量に対し5質量%~80質量%、好ましくは5質量%~50質量%の範囲であり得る。エマルジョンの形態の組成物中に使用される油、ワックス、乳化剤及び共乳化剤は、化粧品分野において慣例通りに使用されるものから選択される。乳化剤及び共乳化剤は、組成物の全質量に対して0.3質量%~30質量%、好ましくは0.5質量%~20質量%の範囲の割合で組成物中に存在し得る。
【0055】
組成物が油性溶液又はゲルである場合、脂肪性相は、組成物の全質量の90%超を占め得る。
【0056】
本発明の化粧用組成物は、公知の様式で、化粧品分野で慣用である補助剤、例えば、親水性又は親油性のゲル化剤、親水性又は親油性の添加剤、保存剤、酸化防止剤、溶媒、香料、充填剤、スクリーニング剤、臭気吸収剤、及び着色剤を含み得る。これらの様々な補助剤の量は、化粧品分野に従来使用されているものであり、例えば組成物の総質量の0.01質量%~10質量%の範囲である。これらの補助剤は、その性質に応じて、脂肪性相、水性相及び/又は脂質小球に導入され得る。
【0057】
本発明で使用され得る油又はワックスとしては、鉱物油(流動ワセリン)、植物油(シアバター液分、ヒマワリ油)、動物油(ペルヒドロスクアレン)、合成油(パーセリン(purcellin)油)、シリコーン油又はワックス(シクロメチコン)、及びフルオロ油(ペルフルオロポリエーテル)、ミツロウ、カルナバロウ、又はパラフィンワックスが挙げられてよい。これらの油には、脂肪アルコール、脂肪酸(ステアリン酸)が添加されてもよい。
【0058】
本発明で使用され得る乳化剤としては、例えば、グリセリルステアレート、ポリソルベート60、及びGattefosse社からTefose(登録商標)63の名称で販売されているPEG-6/PEG-32/グリコールステアレート混合物が挙げられてよい。
【0059】
本発明で使用され得る溶媒としては、低級アルコール、特にエタノール、イソプロパノール及びプロピレングリコールが挙げられてよい。
【0060】
本発明で使用され得る親水性ゲル化剤としては、カルボキシビニルポリマー(カルボマー)、アクリルコポリマー、例えば、アクリレート/アルキルアクリレートコポリマー、ポリアクリルアミド、ポリサッカライド、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、天然ガム、好ましくはキサンタンガム、及びクレーが挙げられてよく、親油性ゲル化剤としては、変性クレー、例えば、ベントン、脂肪酸の金属塩、例えばステアリン酸アルミニウム、及び疎水性シリカ、エチルセルロース及びポリエチレンが挙げられてよい。
【0061】
品種メイチボン(Meichibon)×デルグラマウエ(Delgramaue)を交配することによって得られる本発明によるハイブリッドローズブッシュ抽出物は、任意の公知の手段で得られ得る。
【0062】
例えば、本発明による抽出物は、ヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、石油エーテル、プロパン又はブタンなどの石油化学から誘導される無極性揮発性溶媒で抽出することによって得られ得る。その後、植物からの水を沈殿させ、香料を含む溶媒を真空下で濃縮して、抽出された香料エッセンスが得られる。本発明による抽出物はまた、水蒸気蒸留又は水素化蒸留によって得られ得る。
【0063】
前記抽出物は、アルコール性溶媒を含む少なくとも1つの浴中で前記ローズブッシュの全部又は一部を浸出することによって得られるアルコール性混合物であってもよい。
【0064】
製造プロセス
超臨界CO2を用いる抽出の一般的プロセスは知られている。超臨界状態、すなわち、74barより高い(特に74.4barより高い)且つ31℃より高い(特に31.1℃より高い)状態で、CO2は非常に特殊な特性を有し、天然抽出溶媒として使用され得る。得られる流体は、拡散に関する良好な能力を与える(気体のオーダーの)高い拡散率、並びに輸送及び抽出に関する高い能力を与える高い密度を特徴とする。
【0065】
好ましい様式において、本発明によるローズブッシュ抽出物は、前記ローズブッシュの全部又は一部の超臨界CO2による抽出プロセスによって得られ、特に、その内容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2012/085366号パンフレットに記載の変形のいずれか1つに従って得られる。
【0066】
この好ましい実施形態によれば、前記ローズブッシュ抽出物は、したがって、前記ローズブッシュの全部又は一部のアルコール性混合物の超臨界CO2による抽出によって得られ得る。前記アルコール性混合物は、前記ローズブッシュの全部又は一部を、アルコール性溶媒を含む少なくとも1つの浴中で浸出することによっても得られ得る。
【0067】
本発明による超臨界CO2による抽出ステップは、静的モード又は動的モードで実施され得る。
【0068】
本発明によれば、CO2は、130~200barの圧力、及び35~55℃の温度、さらに優先的には150bar及び45℃において向流モードで好ましく使用され、透明且つ安定しており、糖、着色料及び水分をほとんど含まず、少なくとも75%のアルコール価を有する新鮮な花及び/又は葉の抽出物を得るために特に適切である。
【0069】
有利には、本発明によるプロセスは、超臨界CO2による抽出後に得られた抽出物を、得られたまま、60℃未満の温度で穏やかに加熱しながら真空下で濃縮するか、又は天然油、シアバター、天然グリセロール、又は天然酢酸ベンジル、天然ゲラニオール、若しくは天然ネロリドールなどの天然の香り分子などの担体上で濃縮するステップも含む。
【0070】
本発明によるアルコール溶媒の例として、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、ブタノール、イソブタノール、ペンタノール及びイソアミルアルコールから選択される天然アルコール、好ましくはエタノールが用いられ、これは沸点が(メタノールを除き)より低く、特にメタノールよりも毒性が低い。アルコール性溶媒は、エタノール性溶媒であり得る。
【0071】
最も特に、前記アルコール性混合物は、アルコール性若しくは水性-アルコール性混合物、又は香りのあるアルコール性若しくは水性-アルコール性混合物を得るために、花、花頭、及び/又は葉を50℃未満の温度でアルコール性溶媒を含む少なくとも1つの浴中で浸出した後に得られ得る。
【0072】
本発明によれば、花、花頭及び/又は葉は、優先的に、周囲温度、すなわち15~35℃の温度でアルコール性溶媒中に浸出される。
【0073】
したがって、アルコール性混合物は、アルコール性溶媒を含む少なくとも1つの浴中で前記ローズブッシュの全部又は一部を浸出することによって得られ得る。
【0074】
本発明によるローズブッシュ抽出物は、特に揮発性化合物、特に以下から選択される少なくとも1種の化合物を含み得る:シス-3-ヘキセノール、トランス-2-ヘキセノール、C6アルコール、ジエトキシエタノール、メチルヘプテノン、アセチン又は関連化合物、シス-3-ヘキセニルアセテート、ヘキシルアセテート、フェニルアセトアルデヒド、ベンジルアルコール、リナノール、フェニルエチルアルコール、ジアセチン又は関連化合物、ベンジルアセテート、ジエチルスクシネート、テルピネン-4-オール、ネロール、シトロネロール、ゲラニオール、ゲラニアル、システアスピラン、デルタ-エレメン、シトロネリルアセテート、ゲラニルアセテート、アルファ-コパエン、ベータ-エレメン、クマリン、ヒドロキシエデュラン又は異性体、β-カリオフィレン、ジヒドロ-β-イオニン、ジヒドロ-β-イオノール、α-ジュムレン、γ-ムウロレン、ゲルマクレンD、α-カジネン、β-ビサボレン、γ-カジネン、γ-オイデスモール、β-オイデスモール、α-カジノール、4-オキソ-ジヒドロ-β-イオノール、安息香酸ベンジル、ミリスチン酸エチル、C19アルケン、C19アルカン、パルミチン酸、パルミチン酸エチル、C20アルカン、C21アルカン、リノール酸、リノレン酸、リノレン酸エチル、リノレン酸エチル、ステアリン酸エチル、トリコセン、トリコサン、ジヒドロ-β-イオノールエステル。
【0075】
特に、本発明によるローズブッシュ抽出物は、以下から選択される複数の化合物を含み得る:シス-3-ヘキセノール、トランス-2-ヘキセノール、C6アルコール、ジエトキシエタノール、メチルヘプテノン、アセチン又は関連化合物、シス-3-ヘキセニルアセテート、ヘキシルアセテート、フェニルアセトアルデヒド、ベンジルアルコール、リナノール、フェニルエチルアルコール、ジアセチン又は関連化合物、ベンジルアセテート、ジエチルスクシネート、テルピネン-4-オール、ネロール、シトロネロール、ゲラニオール、ゲラニアル、システアスピラン、デルタ-エレメン、シトロネリルアセテート、ゲラニルアセテート、アルファ-コパエン、ベータ-エレメン、クマリン、ヒドロキシエデュラン又は異性体、β-カリオフィレン、ジヒドロ-β-イオニン、ジヒドロ-β-イオノール、α-ジュムレン、γ-ムウロレン、ゲルマクレンD、α-カジネン、β-ビサボレン、γ-カジネン、γ-オイデスモール、β-オイデスモール、α-カジノール、4-オキソ-ジヒドロ-β-イオノール、安息香酸ベンジル、ミリスチン酸エチル、C19アルケン、C19アルカン、パルミチン酸、パルミチン酸エチル、C20アルカン、C21アルカン、リノール酸、リノレン酸、リノレン酸エチル、リノレン酸エチル、ステアリン酸エチル、トリコセン、トリコサン、ジヒドロ-β-イオノールエステル。
【0076】
特に超臨界CO2による抽出によって得られる本発明によるローズブッシュ抽出物は、例えば、以下から選択される少なくとも1種の化合物を含み得る:ゲラニオール、ゲラニアル、ネロール及びシトロネロール。
【0077】
一実施形態によれば、本発明によるローズブッシュ抽出物は、以下から選択される少なくとも1種の化合物も含み得る:シス-又はトランス-テアスピラン、ジヒドロ-ベータ-イオノン、ジヒドロ-ベータ-イオノール、4-オクソジヒドロネタイオノール。
【0078】
浸出の間、花、花頭、及び/又は葉は、アルコール性溶媒中に浸漬され、穏やかに旋回されてもよい。
【0079】
有利には、浸出は、閉回路での溶媒循環を使用して行われる。すなわち、溶媒は、特に花弁を壊すことなく、抽出器内で動きを生じさせ、花弁の周りの溶媒の飽和領域を避けるように、花、花頭及び/又は葉の上で循環する。このように旋回させることで、飽和状態が低く、したがって、抽出を行うことができる溶媒が得られる。或いは、処理される花及び/又は葉の量に応じて、同時に、又は連続して浴中での浸出が実行されてもよい。
【0080】
例えば、花-葉/アルコール性溶媒の最終質量/質量比が1:1~1:10、優先的には1:1~1:3であるように、単一の浴を調製し、次いで新鮮な抽出溶媒を用いてすすぐか、又は同一の花及び/又は葉を用いていくつかの浴を調製するか、或いはエタノールの低飽和のため同一浴中での花及び/又は葉の数回の処理も可能である。
【0081】
例えば、有利なことに、花及び/又は葉の数回の再処理を同一のアルコール性浴で実行し、それを飽和させてもよく、例えば5回まで再処理してもよく、これにより、一次アルコール性抽出物を濃縮することができる。これは、前記抽出物を得るためのプロセスが超臨界CO2による抽出ステップを含む場合、輸送及び処理される量の点でより経済的であることが証明される。
【0082】
次に、本プロセスによれば、花、花頭及び/又は葉は、一般に、過度の破砕を避けて水切りされ、そのようにして得られたアルコール性混合物は、約4~10℃の温度で1日~数ヶ月間冷却保存するのに適切なアルコール性花浸出液を回収するように濾過される。
【0083】
したがって、ローズブッシュ抽出物を得るためのプロセスは、以下のステップを含むことができる:
a)品種メイチボン(Meichibon)及びデルグラマウエ(Delgramaue)の交配によって得られたハイブリッドローズブッシュの全部又は一部を、アルコール性溶媒、特にエタノール溶媒を含む少なくとも1つの浴中で50℃未満の温度で浸出し、アルコール性混合物を得ること;
b)任意選択的に、前記アルコール性混合物を濾過して、アルコール性花浸出液を回収すること;及び
c)前記アルコール性混合物又は前記アルコール性花浸出液の超臨界CO2による抽出を行い、前記抽出物を得ること。
【0084】
ローズブッシュ抽出物を得るためのプロセスは、以下のステップを含むことができる:
a)品種メイチボン(Meichibon)×デルグラマウエ(Delgramaue)の交配によって得られたハイブリッドローズブッシュの花、花頭及び/又は葉を摘むこと;
b)ステップa)で提供された花、花の頭及び/又は葉を、アルコール性溶媒、特にエタノール溶媒を含む少なくとも1つの浴中で50℃未満の温度で浸出し、アルコール混合物を得ること;
c)任意選択的に、前記アルコール性混合物を濾過して、アルコール性花浸出液を回収すること;及び
d)前記アルコール性混合物又は前記アルコール性花浸出液の超臨界CO2による抽出を行い、前記抽出物を得ること。
【0085】
特許請求の範囲を含む本記載全体を通して、「含む」という語は、別段の指定がない限り、「少なくとも1つを含む」と同義であると理解されるべきである。
【0086】
また、「少なくとも1つ」という用語は、別段の指定がない限り、「1つ又は複数」と同義であると理解されるべきである。
【0087】
「より多い」、「...~...」及び「...~...の範囲」という表現は、別段の指定がない限り、端点を包含すると理解されるべきである。
【0088】
以下の実施例及び図面は、本発明の非限定的な説明として提示される。化合物は、場合により、化学名として、又はCTFA(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook)名として引用される。
【実施例】
【0089】
実施例1-ホワイトローズの超臨界CO2抽出物の製造
バラのハイブリッド品種は、2品種:母系品種(Tchaikovsky(登録商標)Meichibon)及び父系品種(La Rose du Petit Prince/Rose Synactif(Shiseido(登録商標)Delgramaueによる))を制御交配することにより得られる。
【0090】
母系は、植物名:メイチボン(Meichibon)とも呼ばれる。父系は、植物名:デルグラマウエ(Delgramau)とも呼ばれる。
【0091】
「超臨界CO2」抽出物を得るために実施されるプロトコルは、国際公開第2012/085366号パンフレットに記載されているプロトコルである。
【0092】
簡単に言うと、前記プロトコルは、本発明に従って新鮮な及び/又はわずかに枯れたバラの花、花頭及び/又は葉から抽出物を得ることからなり、それに従って以下のステップを含む:
a)バラの花、花頭及び/又は葉を摘むステップ;
b)前記新鮮な摘みたての花、花頭及び/又は葉を、エタノール性溶媒を含む少なくとも1つの浴中、50℃未満の温度、例えば周囲温度で浸出し、アルコール性混合物(ここではエタノール混合物)を得るステップ;
c)前記アルコール性混合物を濾過して、アルコール性花浸出液を回収するステップ;及び
d)前記アルコール性花浸出液の超臨界CO
2による抽出(
図1ではCO
2sc抽出と記載する)を45℃及び150barの圧力で実行し、前記抽出物を得るステップ;及び
e)前記抽出物を中程度の真空(100~500mbar)下、60℃を超えない温度で濃縮するステップ。
【0093】
実施例2-実施例1に従って得られたホワイトローズの超臨界CO2抽出物の脱色効果の評価
A)材料及び方法
DMSO中に溶解した実施例1に従って得られた抽出物を、乾燥インキュベーター内で再構成された色素沈着Episkinモデルに20μg/ml及び100μg/mlで局所適用することによって評価した。
【0094】
評価結果を、溶媒(DMSO)対照及び参照の白色化活性剤(ルシノール)の評価結果と比較する。
【0095】
表皮に対する処理の効果を判定するために、HES染色した組織切片上で処理後の表皮の組織学的品質を評価した。
【0096】
また、メラノサイト細胞毒性を検出するために、メラノサイトの生理機能も評価した。
【0097】
試験された活性剤がメラノサイトに関して組織学的又は細胞毒性の点でいずれの変性も示さない場合、色素沈着は、画像解析によって組織切片上のメラニン含有量を定量化すること(Fontana-Masson染色)によって定量化される。
【0098】
メラニンの顕微鏡による定量化:
PRE中に存在するメラニンを組織スライド上で染色し(Fontana-Masson染色)、次いで画像解析により定量化する。
【0099】
Nanozoomer(登録商標)を用いて、各表皮のスライドをデジタル化する。
【0100】
各表皮について、約10~15枚の画像を抽出する(白色光、倍率20倍)。
【0101】
Histolab(登録商標)ソフトウェアを用いて、メラニンが占有する面積を定量化する。
【0102】
統計法:
統計結果の解釈には、グラフィック比較(ボックス-プロット)及びp値有意性(Mann-Whitney U検定)の2つのパラメータを適用した。
【0103】
各処理群について、最大6回の反復計算を行った。
【0104】
試験群と対応する溶媒対照との間の統計的有意性は、ノンパラメトリックなMann-Whitney U検定(n=6)を用いて決定した。
【0105】
統計的有意性は、p値が0.05未満である場合に定義される。
【0106】
SPSS(登録商標)ソフトウェアによって、全てのボックス-プロット及びMann-Whitney U検定を実施した。
【0107】
B)結果
結果は以下の表1及び
図2に示す通りである。
【0108】
【0109】
Histolab(登録商標)ソフトウェアを用いてメラニンが占有する面積を定量化し、1画像あたりの平均画素数によって表す。したがって、1画像あたりの平均画素数が高いほど、メラニンが占有する面積が大きい。
【0110】
結論:DMSOネガティブ対照と比較して、実施例1による抽出物では、1画像あたりの平均画素数の減少が観察され、これはメラニンによって占有される面積の減少を反映している。この減少は、研究のポジティブ対照であるルシノールによって観察された減少と同様であるか、又はそれ以上である。
【0111】
実施例3-脱色エマルジョン
以下の組成を有する脱色エマルジョンを調製した。
【0112】
【0113】
表示されたパーセント値は、組成物の全質量に対する質量パーセントに対応する。