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特許7629576電力系統の使用情報をプロバイダに提供するための方法及び電子演算装置
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  • 特許-電力系統の使用情報をプロバイダに提供するための方法及び電子演算装置 図1
  • 特許-電力系統の使用情報をプロバイダに提供するための方法及び電子演算装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-04
(45)【発行日】2025-02-13
(54)【発明の名称】電力系統の使用情報をプロバイダに提供するための方法及び電子演算装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20250205BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20250205BHJP
【FI】
H02J13/00 301K
H02J13/00 301A
H02J7/00 P
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2024503415
(86)(22)【出願日】2022-07-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(86)【国際出願番号】 EP2022069187
(87)【国際公開番号】W WO2023001603
(87)【国際公開日】2023-01-26
【審査請求日】2024-01-25
(31)【優先権主張番号】2110320.5
(32)【優先日】2021-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】598051819
【氏名又は名称】メルセデス・ベンツ グループ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Mercedes-Benz Group AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 120,70372 Stuttgart,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100101856
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 日出夫
(72)【発明者】
【氏名】ミラビアン,モハマド
(72)【発明者】
【氏名】クレス,リーン
(72)【発明者】
【氏名】カザン,シナン
【審査官】三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-44808(JP,A)
【文献】国際公開第2014/033944(WO,A1)
【文献】国際公開第2011/132583(WO,A1)
【文献】独国実用新案第202019102368(DE,U1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0023747(US,A1)
【文献】特表2015-510199(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0379486(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0300170(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0298565(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0018007(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 13/00
H02J 7/00-7/12
H02J 7/34-7/36
H02J 3/00-5/00
B60L 1/00-3/12
B60L 7/00-13/00
B60L 15/00-58/40
G06Q 50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力系統(12)の使用情報(10)を電子演算装置(16)によって前記電力系統(12)のプロバイダ(14)に提供するための方法であって、前記方法は、
前記プロバイダ(14)の入力を捕捉する工程であって、前記入力は、前記電力系統(12)において幾何学的マップ(18)を定義する、工程と、
時間フレームにおいて前記幾何学的マップ(18)内の複数の自動車(22a、22b)の少なくとも1つの電力消費(20)を決定する工程と、
前記少なくとも1つの電力消費(20)に対して少なくとも1つのタイムスタンプ(24)を提供する工程と、
前記定義された幾何学的マップ(18)に対する前記少なくとも1つのタイムスタンプ(24)を有する前記少なくとも1つの電力消費(20)を前記使用情報(10)として前記プロバイダ(14)に転送する工程と、を含む、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの電力消費(20)は、前記複数の自動車(22a、22b)のそれぞれの自動車(22a、22b)のそれぞれの電力消費(20)に応じて集計されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の自動車(22a、22b)のそれぞれの自動車(22a、22b)は、前記使用情報(10)を前記プロバイダ(14)に転送する前に匿名化されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記時間フレームは、前記プロバイダ(14)によって事前定義されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記幾何学的マップ(18)内の前記複数の自動車(22a、22b)に充電され得る可能なエネルギー量が、前記プロバイダ(14)に転送されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記幾何学的マップにおいて充電モードに依存する応じた可能な平均電力及び/又は最大電力が、前記プロバイダに転送されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
将来の電力消費(20)の予測が、前記電子演算装置(16)によって決定され、前記予測は、前記プロバイダ(14)に追加して転送されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項8】
前記予測は、前記幾何学的マップ(18)における将来の天候及び/又は日付及び/又は前記時間フレーム及び/又は前記複数の自動車(22a、22b)のナビゲーション経路に応じて決定されることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の方法を実行するためのプログラムコード手段を含むコンピュータプログラム製品。
【請求項10】
電力系統(12)の使用情報(10)を前記電力系統(12)のプロバイダ(14)に提供するための電子演算装置(16)であって、前記電子演算装置は、少なくとも、請求項9に記載のコンピュータプログラム製品を含み、前記電子演算装置(16)は、前記方法を実行するように構成されている、電子演算装置(16)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の分野に関する。より具体的には、本発明は、電力系統の使用情報を電子演算装置によって電力系統のプロバイダに提供するための方法、並びに対応するコンピュータプログラム製品及び対応する電子演算装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電力系統プロバイダは、送配電網インフラストラクチャを設置したときにモビリティを考慮していなかった。その結果、充電インフラストラクチャの開発及び改良のための計画及び投資が困難になる可能性がある。更に、ローカルでの充電の需要に対して十分なエネルギー及び電力を提供する能力を有していない送配電網インフラストラクチャに起因して、安全性に関する問題が生じる恐れがある。プロバイダは、エネルギー、電力及び充電の供給を保護するために、少なくとも部分的に電動の自動車、例えば、ハイブリッド自動車又は完全電動の自動車の充電需要を監視及び予測することができる必要がある。
【0003】
特許文献1は、クラウドシステムにユーザアカウントを有するユーザのコネクテッド車両と通信するための方法動作を実行するように構成されたクラウドシステムを開示している。1つの例示的な方法は、ユーザアカウントに関連付けられた電気車両から信号を受信することを含む。電気自動車の信号は、電気自動車が充電ユニットの充電パッド上に駐車したことに応答して受信され、充電ユニットは、様々な地理的位置に配置された複数の充電ユニットのうちの1つである。本方法は、充電ユニットの当該充電パッド上に駐車したときに電気自動車のユーザアカウントが自動充電のために有効化されていることを、クラウドシステムが確認すると、電気自動車のバッテリへの電荷移動の開始を有効化する命令を充電ユニットに送信することを含む。本方法は、電気車両がもはや当該充電パッド上に駐車されていないことを検出したことに応答して、充電パッドによる電荷移動の中断を示すデータを充電ユニットから受信することを含む。
【0004】
特許文献2は、空間的位置の流れ速度に関連して交通密度の監視を管理するための装置及びシステムを開示している。そのシステムは、複数の車両に配置されたAvics iChipsetを備えた認証通信装置を利用して、1つ以上の道路内及び/又は道路に沿って戦略的に配置された固定式及び/若しくは移動式ハブ通信装置並びに/又は他の認証通信装置と通信し、中央サーバにネットワーク接続されたサーバチャネルと通信する、様々な移動式及び/又は固定式送受信通信装置を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第01714955(B2)号明細書
【文献】米国特許出願公開第20160379486(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、電力系統のプロバイダが電力系統マップの計画に関する更なる情報を有することができる方法、コンピュータプログラム製品、及び電子演算装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本課題は、独立請求項に記載の方法、コンピュータプログラム製品、並びに電子演算装置によって解決される。構成の有利な形式は、従属請求項に記載されている。
【0008】
本発明の一態様は、電力系統の使用情報を電子演算装置によって電力系統のプロバイダに提供する方法に関する。プロバイダの入力が捕捉され、入力は、電力系統における幾何学的マップを定義する。複数の自動車の少なくとも1つの電力消費は、時間フレームにおいて幾何学的マップ内で決定される。少なくとも1つの電力消費に対して少なくとも1つのタイムスタンプが提供される。少なくとも1つの電力消費は、幾何学的マップについての少なくとも1つのタイムスタンプと共に使用情報としてプロバイダに転送される。使用情報は、情報の身元又は起源について結論を引き出すことができないような形式で転送することができる。これは、車両から匿名で使用情報を転送すること、及び/又はプロバイダにおいて使用情報を匿名化することによって達成することができる。代替的又は追加的に、使用情報は、車両識別番号なしで、又は匿名化された車両識別番号と共にそれぞれの車両から転送することができる。
【0009】
これは、電気事業者及び送配電網運用者が、電気インフラストラクチャ改良のためのコストを節約するためにOEM(Original Equipment Manufacturer:受託製造)充電パターンデータを必要とするという利点を有する。プロバイダは、送配電網マップにおいて改良が必要とされる場所にのみ投資し得る。
【0010】
更に、プロバイダ、送配電網運用者、及び充電ステーションメーカであり得る電気事業者は、公衆/商用充電ステーションインフラストラクチャを拡張するためにOEMデータを必要とする。自動車の所有者にとって、ウォールボックス及び/又は低エネルギー料金などの公益事業者からの充電サービスインセンティブが改良されるのは、インフラストラクチャ及び充電電力が改善されるからである。更に、ウォールボックス及び/又は低エネルギー料金などの公益事業者からの充電サービスインセンティブは、電力系統の使用情報に従って、より良好な充電電力及びより良好なステーション適用範囲を提供することができる。これは、電力系統インフラストラクチャを更新するための過度に高いコストの問題を解決し、充電インフラストラクチャステーションの戦略的配置においてプロバイダをサポートし得る。
【0011】
したがって、プロバイダは、タイムスタンプ及び集計された車両位置を含むバッテリ充電状態のデータなど(これらに限定されない)のデータを提供することによって、プロバイダのインフラストラクチャをより効率的に計画及び改良することが可能になる。更に、プロバイダは、自動車の所有者又はユーザに充電サービスのインセンティブ及びバッテリのエネルギー使用の最適化などの新しい機能及びサービスを提供してもよい。OEM充電データを利用することによって、公益事業者、送配電網運用者、及び充電インフラストラクチャプロバイダは、充電パターンを監視、追跡、及び予測することができる。これらの組織は、インフラストラクチャを経済的に提供し、送配電網におけるエネルギー不足又は停電を防止する必要がある。更に、駐車され、ある期間にわたって充電されていない少なくとも部分的に電動化された自動車を監視することによって、公益事業者、送配電網運用者、及び充電ステーションプロバイダは、充電インフラストラクチャを新しい場所に拡張することができる。
【0012】
一実施形態によれば、少なくとも1つの電力消費は、複数の自動車のそれぞれの自動車のそれぞれの電力消費に応じて集計される。特に、自動車は、電動化自動車であってもよい。自動車は、ハイブリッド自動車のように少なくとも部分的に電動化されていてもよい。次いで、エネルギー消費は、幾何学的マップ内のそれぞれの自動車の電力消費を加算することによって集計される。
【0013】
別の実施形態では、複数の自動車のそれぞれの自動車は、使用情報をプロバイダに転送する前に匿名化される。特に、車両識別番号(vehicle identification number:VIN)は、電子演算装置に転送されず、特にプロバイダに転送されない。したがって、それぞれの自動車のエネルギー消費が匿名化され、これにより、それぞれの自動車、したがってそれぞれの自動車のそれぞれの所有者のより高いデータ保護が可能になる。
【0014】
別の実施形態によれば、時間フレームは、プロバイダによって事前定義される。例えば、時間フレームは、特定の時点、例えば、12時であり得るか、又は時間フレームは、例えば、30分の期間であり得る。したがって、プロバイダは、時間フレームのフォーマットを設定し、この時間フレームにおける電力消費を決定することができる。したがって、プロバイダは、将来の投資を計画するために、個々の使用情報を受け取ることができる。
【0015】
別の実施形態によれば、幾何学的マップ内の複数の自動車に充電され得る理論的に可能なエネルギー量は、プロバイダに転送される。したがって、プロバイダは、幾何学的マップ内に十分なエネルギーがあるかどうか、又は現在のエネルギー消費が可能なエネルギー量に近いかどうかを監視することができ、したがって、プロバイダは、幾何学的マップ内の改良に投資することができる。
【0016】
別の実施形態によれば、更に、幾何学的マップ内の充電モードに応じた理論的に可能な平均電力及び/又は最大電力は、プロバイダに転送される。例えば、充電モードは、AC負荷又はDC負荷であってもよい。次いで、プロバイダは、AC充電又はDC充電において新たな投資が行われるべきかどうかを監視することができる。
【0017】
別の実施形態によれば、将来の電力消費の予測は、電子演算装置によって決定され、予測は、プロバイダに追加して転送される。プロバイダは、将来の予測を監視し、例えば、電力消費が単に特定の日の現在の状況に依存するのか、又は電力消費がより長い期間にわたる平均電力消費であるのかを知ることができる。したがって、プロバイダは、行われるべき更なる投資があるかどうかを決定することができる。
【0018】
更に、予測は、幾何学的マップにおける将来の天候及び/又は日付及び/又は時間フレーム及び/又は複数の自動車のナビゲーション経路に応じて決定される。したがって、プロバイダは、プロバイダの投資をより詳細に計画するために、非常に有益な価値のある使用情報を得る。
【0019】
特に、本方法は、コンピュータ実装方法である。したがって、本発明の別の態様は、前述の態様による方法を実行するためのプログラムコード手段を含むコンピュータプログラム製品に関する。更に、本発明は、コンピュータプログラム製品を含むコンピュータ可読記憶媒体に関する。
【0020】
本発明の別の態様は、電力系統の使用情報を電力系統のプロバイダに提供するための電子演算装置であって、前述の態様によるコンピュータプログラム製品を少なくとも含み、電子演算装置は、前述の態様による方法を実行するように構成された、電子演算装置に関する。特に、本方法は、電子演算装置によって実行される。
【0021】
電子演算装置は、例えば、方法を実行するためのプロセッサ及び回路、例えば、集積回路を含む。
【0022】
本発明の更なる利点、特徴、及び詳細は、好適な実施形態の以下の説明並びに図面から明らかになる。上記において説明した特徴及び特徴の組合せ、並びに以下の図面の説明において説明する、及び/又は図面にのみ図示された特徴及び特徴の組合せは、それぞれ示された組合せだけでなく、本発明の範囲を逸脱することなく、任意の他の組合せ又は単独でも使用することができる。
【0023】
本開示の新規の特徴及び特性は、独立請求項に記載されている。本開示に組み込まれ、また本開示の一部を構成する添付の図面は、例示的な実施形態を示し、またその説明と共に、開示された原理の説明に役立つ。同様の特徴及び構成要素を参照するために、図面全体を通して同じ番号が使用される。次に、本発明の主題の実施形態に係るシステム及び/又は方法のいくつかの実施形態を、単なる例示のために、添付の図面を参照しながら以下において説明する。
【0024】
各図には以下が図示されている:
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本方法の一実施形態による概略フロー図である。
図2】本方法の別の実施形態による別の概略フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図中、同一の要素又は同一の機能を有する要素は、同一の参照符号によって示されている。
【0027】
本明細書においては、「例示的」という単語は、「例、事例、又は例示として役立つ」ことを意味するために本明細書で用いられている。本明細書において「例示的」として説明される本発明の主題の任意の実施形態又は実現形態は、必ずしも他の実施形態よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではない。
【0028】
本開示は、様々な修正形態及び代替形態の余地があるが、それらの形態の特定の実施形態が、例として図面に図示されており、また以下において詳細に説明される。しかしながら、開示した特定の形態に本開示を限定することは意図されておらず、むしろ本開示は、本開示の範囲に含まれるあらゆる修正形態、等価形態、及び代替形態も対象としていると理解されたい。
【0029】
「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」という用語、又はそれらの用語の任意の他の変形形態は、構成要素又はステップのリストを含むセットアップ、装置又は方法が、それらの構成要素又はステップのみを含むのではなく、明示的に列挙されていない他の構成要素若しくはステップ、又はそのようなセットアップ若しくは装置若しくは方法に固有の他の構成要素若しくはステップを含んでもよいように、非排他的な包含を対象とすることが意図されている。換言すれば、「含む(comprises)」又は「含む(comprise)」の前に置かれたシステム又は装置における1つ以上の要素は、より多くの制約を受けることなく、そのシステム又は方法における他の要素又は追加の要素の存在を排除しない。
【0030】
本開示の実施形態の以下の詳細な説明では、本明細書の一部を成し、かつ本開示が実施され得る特定の実施形態が例示のために図示されている添付の図面を参照する。この実施形態は、当業者が本開示を実施することができるように十分に詳細に説明されており、また他の実施形態が利用されてもよく、かつ本開示の範囲から逸脱することなく変更がなされてもよいと理解されたい。したがって、以下の説明は、限定的な意味で解釈されるべきではない。
【0031】
図1は、電力系統12の使用情報10を電子演算装置16によって電力系統12のプロバイダ14に提供するための方法の一実施形態による概略フロー図を示す。第1の工程S1において、プロバイダ14の入力が捕捉され、それによって、入力は、電力系統12における幾何学的マップ18を定義する。例えば、いわゆるサードパーティであり得るプロバイダ14は、地図18又は位置データ、例えば、関心地点の周りの多角形を提供する。これは特に第1の工程S1で行われる。第2の工程S2において、幾何学的マップ18内の複数の自動車22a、22bの少なくとも1つの電力消費20は、時間フレームにおいて決定される。第3の工程S3において、少なくとも1つの電力消費20に対する少なくとも1つのタイムスタンプ24は、特に電子演算装置16に提供される。定義された幾何学的マップ18に対する少なくとも1つのタイムスタンプ24を有する少なくとも1つの電力消費20は、第4の工程S4において、使用情報10としてプロバイダ14に転送される。
【0032】
図1は更に、一実施形態によれば、少なくとも1つの電力消費20が、複数の自動車22a、22bのそれぞれの自動車22a、22bのそれぞれの電力消費に応じて集計されることを示す。更に、複数の自動車22a、22bのそれぞれの自動車22a、22bは、使用情報10をプロバイダ14に転送する前に匿名化される。時間フレームは、プロバイダ14によって事前定義されてもよい。
【0033】
別の実施形態によれば、更に、幾何学的マップ18内の複数の自動車22a、22bに充電することができるであろう理論的に可能なエネルギー量は、プロバイダ14に転送される。更に、幾何学的マップ18内の充電モードに応じた理論的に可能な平均電力及び/又は最大電力は、プロバイダ14に転送される。
【0034】
例えば、電力消費20であり得るエネルギー使用パターンは、タイムバケットごとの使用事例ごとのAPI応答であり、例えば、タイムバケットは、30分であってもよい。タイムバケットは、時間フレームに相当する。プロバイダ14がコストを節約することができる第1の使用事例では、自動車22a、22bのクラスタ化された範囲番号は、第2の工程S2において転送され、個々の車両識別番号(VIN)は、プロバイダ14に転送されない。例えば、キロワット時単位で充電されるエネルギー量は、電子演算装置16に転送される。更に、平均電力及び/又は最大電力のレベル又はモードは、特にAC/DC電力のキロワット時単位で、第2の工程S2において電子演算装置16に転送される。特に、第2の工程S2において、それぞれの幾何学的マップ18についてのデータ、例えば、それぞれの多角形についてのデータが計算される。第3の工程S3において、データは、例えば、30分のタイムバケットであってもよい時間フレームにおいて、それぞれの多角形について計算されている。第4の工程S4において、使用情報10は、要求された時間フレームについてプロバイダ14に返される。
【0035】
第1の使用事例によれば、プロバイダ14は、例えば、変圧器、インバータ若しくはコンバータ、発電所、充電ステーション、駐車場所、店舗駐車場、公共輸送スペース、又は他の電力系統若しくは充電インフラストラクチャ要素を用いて、電力系統12を更新又は改良することに関心があり得る。この幾何学的マップ18について、電力消費20が計算され、集計されたデータは、プロバイダ14と共有される。第1の使用事例によれば、例えば、ナビゲーション情報に基づく予測充電容量又は必要性は、翌日又は複数日に同時に充電挙動が予想される使用可能性に依存する。したがって、別の実施形態によれば、将来の電力消費20の予測は、電子演算装置16によって決定され、予測は、プロバイダ14に追加して転送される。予測は、幾何学的マップ18における将来の天候及び/又は日付及び/又は時間フレーム及び/又は複数の自動車22a、22bのナビゲーション経路に応じて決定されてもよい。
【0036】
プロバイダ14が充電インフラストラクチャ要素の戦略的配置を計画し得る第2の使用事例によれば、第2の工程S2において、個別の車両識別番号を有さない自動車22a、22bのクラスタ化された範囲番号は、電子演算装置16に転送される。更に、キロワット時単位で充電することができるであろう可能なエネルギー量もまた、電子演算装置16に転送される。更に、AC/DCのキロワット時単位での理論的に可能な平均電力及び/又は最大電力のレベル又はモードは、電子演算装置16に転送される。特に、第1の工程S1において、幾何学的マップ18、特に多角形データは、プロバイダ14によって提供される。第2の工程S2において、電力消費20は、それぞれの幾何学的マップ18について計算又は決定される。第3の工程S3において、データは、時間フレーム内でそれぞれの多角形について計算される。第4の工程S4において、使用情報10は、時間フレーム24における要求に対してプロバイダ14に返される。
【0037】
図2は、本発明による方法の一実施形態による別のフロー図を示す。自動車22a、22bのユーザは、第5の工程S5において、電力消費量20に関するデータログに同意する。第6の工程S6において、生のエネルギーデータ、例えば、自動車22a、22bのバッテリの充電状態、自動車22a、22bの位置、及び車両識別番号は、例えば、バックエンドであってもよい電子演算装置16に送信される。第7の工程S7において、電力消費20は、複数の自動車22a、22bにわたって決定され、データは、匿名化される。第8の工程S8において、使用情報10として示される集計データは、プロバイダ14と共有される。第9の工程S9では、既存のインフラストラクチャ要素の戦略的改良及び新しい送配電網インフラストラクチャの設置を計画することができる。
図1
図2