(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-05
(45)【発行日】2025-02-14
(54)【発明の名称】肌荒れの遺伝的素因の判定方法
(51)【国際特許分類】
C12Q 1/6827 20180101AFI20250206BHJP
C12Q 1/6883 20180101ALI20250206BHJP
C12Q 1/6844 20180101ALI20250206BHJP
A61K 8/00 20060101ALI20250206BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20250206BHJP
A23L 33/10 20160101ALI20250206BHJP
【FI】
C12Q1/6827 Z ZNA
C12Q1/6883 Z
C12Q1/6844 Z
A61K8/00
A61Q19/00
A23L33/10
(21)【出願番号】P 2020200998
(22)【出願日】2020-12-03
【審査請求日】2023-11-01
(73)【特許権者】
【識別番号】592262543
【氏名又は名称】日本メナード化粧品株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 悠
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 敏夫
(72)【発明者】
【氏名】奥野 凌輔
(72)【発明者】
【氏名】長谷部 祐一
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 靖司
【審査官】坂井田 京
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/033169(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00 - 15/90
C12Q 1/68 - 1/6897
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者から採取したDNA含有試料について、以下の(a1)~(a
45)の1種又は2種以上の一塩基多型(SNP)のアレルを検出する工程と、検出されるアレルの塩基の少なくとも一つがリスクアレルである場合に、該被験者が肌荒れの遺伝的素因を有すると判定する工程を含む、肌荒れの遺伝的素因を判定する方法。
(a1) 配列番号1に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs557778で特定されるSNP
、リスクアレルはA)
(a2) 配列番号2に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs555337で特定されるSNP
、リスクアレルはG)
(a3) 配列番号3に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs666003で特定されるSNP
、リスクアレルはG)
(a4) 配列番号4に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs666460で特定されるSNP
、リスクアレルはG)
(a5) 配列番号5に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs666461で特定されるSNP
、リスクアレルはG)
(a6) 配列番号6に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs526733で特定されるSNP
、リスクアレルはA)
(a7) 配列番号7に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs525842で特定されるSNP
、リスクアレルはC)
(a8) 配列番号8に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs4915051で特定されるSNP
、リスクアレルはG)
(a9) 配列番号9に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs680867で特定されるSNP
、リスクアレルはT)
(a10) 配列番号10に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs499513で特定されるSNP
、リスクアレルはA)
(a11) 配列番号11に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs684624で特定されるSNP
、リスクアレルはA)
(a12) 配列番号12に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs494757で特定されるSNP
、リスクアレルはA)
(a13) 配列番号13に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs494696で特定されるSNP
、リスクアレルはC)
(a14) 配列番号14に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs580995で特定されるSNP
、リスクアレルはA)
(a15) 配列番号15に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs515202で特定されるSNP
、リスクアレルはA)
(a16) 配列番号16に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs566923で特定されるSNP
、リスクアレルはA)
(a17) 配列番号17に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs560683で特定されるSNP
、リスクアレルはC)
(a18) 配列番号18に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs560655で特定されるSNP
、リスクアレルはG)
(a19) 配列番号19に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs663391で特定されるSNP
、リスクアレルはT)
(a20) 配列番号20に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs663431で特定されるSNP
、リスクアレルはT)
(a21) 配列番号21に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs12032660で特定されるSNP
、リスクアレルはT)
(a22) 配列番号22に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs12035053で特定されるSNP
、リスクアレルはG)
(a23) 配列番号23に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs11185132で特定されるSNP
、リスクアレルはC)
(a24) 配列番号24に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs6665028で特定されるSNP
、リスクアレルはG)
(a25) 配列番号25に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs6702592で特定されるSNP
、リスクアレルはA)
(a26) 配列番号26に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs534891で特定されるSNP
、リスクアレルはT)
(a27) 配列番号27に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs666070で特定されるSNP
、リスクアレルはG)
(a28) 配列番号28に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs666956で特定されるSNP
、リスクアレルはT)
(a29) 配列番号29に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs1752681で特定されるSNP
、リスクアレルはA)
(a30) 配列番号30に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs505822で特定されるSNP
、リスクアレルはA)
(a31) 配列番号31に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs504881で特定されるSNP
、リスクアレルはA)
(a32) 配列番号32に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs504806で特定されるSNP
、リスクアレルはA)
(a33) 配列番号33に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs501057で特定されるSNP
、リスクアレルはA)
(a34) 配列番号34に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs499227で特定されるSNP
、リスクアレルはT)
(a35) 配列番号35に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs586180で特定されるSNP
、リスクアレルはC)
(a36) 配列番号36に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs476157で特定されるSNP
、リスクアレルはA)
(a37) 配列番号37に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs475072で特定されるSNP
、リスクアレルはC)
(a38) 配列番号38に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs473420で特定されるSNP
、リスクアレルはC)
(a39) 配列番号39に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs472527で特定されるSNP
、リスクアレルはC)
(a40) 配列番号40に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs580075で特定されるSNP
、リスクアレルはA)
(a41) 配列番号41に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs549903で特定されるSNP
、リスクアレルはA)
(a42) 配列番号42に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs10785826で特定されるSNP
、リスクアレルはC)
(a43) 配列番号43に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs494152で特定されるSNP
、リスクアレルはT)
(a44) 配列番号44に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs643908で特定されるSNP
、リスクアレルはC)
(a45) 配列番号45に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs11811454で特定されるSNP
、リスクアレルはC)
【請求項2】
前記方法が、以下の(a46)~(a82)の1種又は2種以上の一塩基多型(SNP)のアレルを検出する工程と、検出されるアレルの塩基の少なくとも一つがリスクアレルである場合に、該被験者が肌荒れの遺伝的素因を有すると判定する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
(a46) 配列番号46に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs61819207で特定されるSNP、リスクアレルはT)
(a47) 配列番号47に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs289852で特定されるSNP、リスクアレルはC)
(a48) 配列番号48に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs1056726で特定されるSNP、リスクアレルはA)
(a49) 配列番号49に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs149819999で特定されるSNP、リスクアレルはG)
(a50) 配列番号50に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs60254106で特定されるSNP、リスクアレルはC)
(a51) 配列番号51に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs2173313で特定されるSNP、リスクアレルはT)
(a52) 配列番号52に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs12209775で特定されるSNP、リスクアレルはC)
(a53) 配列番号53に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs12211110で特定されるSNP、リスクアレルはA)
(a54) 配列番号54に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs7738045で特定されるSNP、リスクアレルはG)
(a55) 配列番号55に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs1937834で特定されるSNP、リスクアレルはT)
(a56) 配列番号56に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs75741813で特定されるSNP、リスクアレルはT)
(a57) 配列番号57に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs74686576で特定されるSNP、リスクアレルはG)
(a58) 配列番号58に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs74415127で特定されるSNP、リスクアレルはA)
(a59) 配列番号59に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs77750385で特定されるSNP、リスクアレルはG)
(a60) 配列番号60に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs76145983で特定されるSNP、リスクアレルはA)
(a61) 配列番号61に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs75155123で特定されるSNP、リスクアレルはG)
(a62) 配列番号62に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs74302809で特定されるSNP、リスクアレルはT)
(a63) 配列番号63に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs111523535で特定されるSNP、リスクアレルはT)
(a64) 配列番号64に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs199627764で特定されるSNP、リスクアレルはA)
(a65) 配列番号65に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs79187933で特定されるSNP、リスクアレルはG)
(a66) 配列番号66に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs77784037で特定されるSNP、リスクアレルはA)
(a67) 配列番号67に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs78530814で特定されるSNP、リスクアレルはC)
(a68) 配列番号68に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs4739577で特定されるSNP、リスクアレルはT)
(a69) 配列番号69に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs78484770で特定されるSNP、リスクアレルはT)
(a70) 配列番号70に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs76611879で特定されるSNP、リスクアレルはT)
(a71) 配列番号71に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs80335309で特定されるSNP、リスクアレルはC)
(a72) 配列番号72に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs75558330で特定されるSNP、リスクアレルはC)
(a73) 配列番号73に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs76151608で特定されるSNP、リスクアレルはG)
(a74) 配列番号74に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs74407439で特定されるSNP、リスクアレルはA)
(a75) 配列番号75に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs112276204で特定されるSNP、リスクアレルはG)
(a76) 配列番号76に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs75023163で特定されるSNP、リスクアレルはG)
(a77) 配列番号77に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs4739578で特定されるSNP、リスクアレルはC)
(a78) 配列番号78に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs4739579で特定されるSNP、リスクアレルはG)
(a79) 配列番号79に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs16882394で特定されるSNP、リスクアレルはG)
(a80) 配列番号80に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs77736544で特定されるSNP、リスクアレルはC)
(a81) 配列番号81に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs78585145で特定されるSNP、リスクアレルはC)
(a82) 配列番号82に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs16882399で特定されるSNP、リスクアレルはA)
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法により判定された結果に基づいて、被験者の肌荒れの遺伝的素因の程度に応じた肌荒れの予防及び/又は改善作用を有する化粧料及び/又は飲食品を該被験者に提供する、化粧料及び/又は飲食品の提供方法。
【請求項4】
配列番号1~
45のいずれかに示される塩基配列において、101番目の塩基を含む10塩基以上の配列、又はその相補配列を有するプローブ、及び/又は、配列番号1~
45のいずれかに示される塩基配列において、101番目の塩基を含む領域を増幅することのできるプライマーを含む、肌荒れの遺伝的素因を判定するためのキット。
【請求項5】
前記キットが、配列番号46~82のいずれかに示される塩基配列において、101番目の塩基を含む10塩基以上の配列、又はその相補配列を有するプローブ、及び/又は、配列番号46~82のいずれかに示される塩基配列において、101番目の塩基を含む領域を増幅することのできるプライマーをさらに含む、請求項4に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肌荒れの遺伝的素因の判定方法に関する。より詳しくは、肌荒れに関連する一塩基多型(SNP)を検出することによる、肌荒れの遺伝的素因の判定方法、及び該方法に用いるキットに関する。
【背景技術】
【0002】
肌(皮膚)は、ヒトの体全体を包む臓器であり、外側から表皮、真皮、皮下組織の3層から構成されている。最も表面にある表皮層は、さらに基底層、有棘層、顆粒層、角質層という4層に分けられる(非特許文献1)。このうち最外層に存在する角質層は、外部刺激から体を防御すると同時に、皮膚内部の水分を一定に保つバリア機能を有している。肌荒れとは、肌トラブルの一種であり皮膚の表面形態が乱れている状態の総称である。外観的には皮膚角質層の乾燥、剥離、キメ(肌理)の乱れなどを特徴とする。肌荒れには、紫外線、乾燥、気温、精神状態、睡眠の質・量など様々な要因が関与していると考えられている。
【0003】
これまでに、肌荒れ状態の評価方法として、被験者から採取した角層細胞における各種タンパク質を指標とする方法(特許文献1、特許文献2)や肌画像における落屑割合を解析する方法(特許文献3)などが知られている。一方で、これらの手法は、被験者の現在の肌状態を評価するものであり、被験者が本来的に有している肌荒れの起こし易さ(遺伝的素因)を評価するものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】WO2006/098523号公報
【文献】特開2014-41043号公報
【文献】特開2018-196428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、個人の肌荒れの遺伝的素因を正確かつ簡便に判定する手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、年齢・性別が異なるサンプル提供者を対象にゲノムワイド関連解析(GWAS)を用いて一塩基多型(SNP)を網羅的に解析したところ、肌荒れの遺伝的素因(肌荒れの起こし易さ)に関連する一塩基多型(SNP)と遺伝子を見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の発明を包含する。
[1] 被験者から採取したDNA含有試料について、以下の(a1)~(a82)の1種又は2種以上の一塩基多型(SNP)のアレルを検出する工程と、検出されるアレルの塩基の少なくとも一つがリスクアレルである場合に、該被験者が肌荒れの遺伝的素因を有すると判定する工程を含む、肌荒れの遺伝的素因を判定する方法。
(a1) 配列番号1に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs557778で特定されるSNP)
(a2) 配列番号2に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs555337で特定されるSNP)
(a3) 配列番号3に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs666003で特定されるSNP)
(a4) 配列番号4に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs666460で特定されるSNP)
(a5) 配列番号5に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs666461で特定されるSNP)
(a6) 配列番号6に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs526733で特定されるSNP)
(a7) 配列番号7に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs525842で特定されるSNP)
(a8) 配列番号8に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs4915051で特定されるSNP)
(a9) 配列番号9に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs680867で特定されるSNP)
(a10) 配列番号10に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs499513で特定されるSNP)
(a11) 配列番号11に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs684624で特定されるSNP)
(a12) 配列番号12に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs494757で特定されるSNP)
(a13) 配列番号13に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs494696で特定されるSNP)
(a14) 配列番号14に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs580995で特定されるSNP)
(a15) 配列番号15に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs515202で特定されるSNP)
(a16) 配列番号16に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs566923で特定されるSNP)
(a17) 配列番号17に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs560683で特定されるSNP)
(a18) 配列番号18に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs560655で特定されるSNP)
(a19) 配列番号19に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs663391で特定されるSNP)
(a20) 配列番号20に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs663431で特定されるSNP)
(a21) 配列番号21に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs12032660で特定されるSNP)
(a22) 配列番号22に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs12035053で特定されるSNP)
(a23) 配列番号23に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs11185132で特定されるSNP)
(a24) 配列番号24に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs6665028で特定されるSNP)
(a25) 配列番号25に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs6702592で特定されるSNP)
(a26) 配列番号26に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs534891で特定されるSNP)
(a27) 配列番号27に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs666070で特定されるSNP)
(a28) 配列番号28に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs666956で特定されるSNP)
(a29) 配列番号29に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs1752681で特定されるSNP)
(a30) 配列番号30に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs505822で特定されるSNP)
(a31) 配列番号31に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs504881で特定されるSNP)
(a32) 配列番号32に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs504806で特定されるSNP)
(a33) 配列番号33に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs501057で特定されるSNP)
(a34) 配列番号34に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs499227で特定されるSNP)
(a35) 配列番号35に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs586180で特定されるSNP)
(a36) 配列番号36に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs476157で特定されるSNP)
(a37) 配列番号37に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs475072で特定されるSNP)
(a38) 配列番号38に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs473420で特定されるSNP)
(a39) 配列番号39に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs472527で特定されるSNP)
(a40) 配列番号40に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs580075で特定されるSNP)
(a41) 配列番号41に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs549903で特定されるSNP)
(a42) 配列番号42に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs10785826で特定されるSNP)
(a43) 配列番号43に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs494152で特定されるSNP)
(a44) 配列番号44に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs643908で特定されるSNP)
(a45) 配列番号45に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs11811454で特定されるSNP)
(a46) 配列番号46に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs61819207で特定されるSNP)
(a47) 配列番号47に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs289852で特定されるSNP)
(a48) 配列番号48に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs1056726で特定されるSNP)
(a49) 配列番号49に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs149819999で特定されるSNP)
(a50) 配列番号50に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs60254106で特定されるSNP)
(a51) 配列番号51に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs2173313で特定されるSNP)
(a52) 配列番号52に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs12209775で特定されるSNP)
(a53) 配列番号53に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs12211110で特定されるSNP)
(a54) 配列番号54に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs7738045で特定されるSNP)
(a55) 配列番号55に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs1937834で特定されるSNP)
(a56) 配列番号56に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs75741813で特定されるSNP)
(a57) 配列番号57に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs74686576で特定されるSNP)
(a58) 配列番号58に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs74415127で特定されるSNP)
(a59) 配列番号59に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs77750385で特定されるSNP)
(a60) 配列番号60に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs76145983で特定されるSNP)
(a61) 配列番号61に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs75155123で特定されるSNP)
(a62) 配列番号62に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs74302809で特定されるSNP)
(a63) 配列番号63に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs111523535で特定されるSNP)
(a64) 配列番号64に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs199627764で特定されるSNP)
(a65) 配列番号65に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs79187933で特定されるSNP)
(a66) 配列番号66に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs77784037で特定されるSNP)
(a67) 配列番号67に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs78530814で特定されるSNP)
(a68) 配列番号68に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs4739577で特定されるSNP)
(a69) 配列番号69に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs78484770で特定されるSNP)
(a70) 配列番号70に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs76611879で特定されるSNP)
(a71) 配列番号71に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs80335309で特定されるSNP)
(a72) 配列番号72に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs75558330で特定されるSNP)
(a73) 配列番号73に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs76151608で特定されるSNP)
(a74) 配列番号74に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs74407439で特定されるSNP)
(a75) 配列番号75に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs112276204で特定されるSNP)
(a76) 配列番号76に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs75023163で特定されるSNP)
(a77) 配列番号77に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs4739578で特定されるSNP)
(a78) 配列番号78に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs4739579で特定されるSNP)
(a79) 配列番号79に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs16882394で特定されるSNP)
(a80) 配列番号80に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs77736544で特定されるSNP)
(a81) 配列番号81に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs78585145で特定されるSNP)
(a82) 配列番号82に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs16882399で特定されるSNP)
[2] 被験者から採取したDNA含有試料について、VAV3、RBM43、NMI、TNFAIP6、及びRNF8からなる群より選択される1種又は2種以上の遺伝子に関連する一塩基多型(SNP)のアレルを検出する工程と、検出されるアレルの塩基の少なくとも一つがリスクアレルである場合に、該被験者が肌荒れの遺伝的素因を有すると判定する工程を含む、肌荒れの遺伝的素因を判定する方法。
[3] [1]又は[2]に記載の方法により判定された結果に基づいて、被験者の肌荒れの遺伝的素因の程度に応じた肌荒れの予防及び/又は改善作用を有する化粧料及び/又は飲食品を該被験者に提供する、化粧料及び/又は飲食品の提供方法。
[4] 配列番号1~82のいずれかに示される塩基配列において、101番目の塩基を含む10塩基以上の配列、又はその相補配列を有するプローブ、及び/又は、配列番号1~82のいずれかに示される塩基配列において、101番目の塩基を含む領域を増幅することのできるプライマーを含む、肌荒れの遺伝的素因を判定するためのキット。
[5] VAV3、RBM43、NMI、TNFAIP6、及びRNF8からなる群より選択される1種又は2種以上の遺伝子の発現変化を指標とする、肌荒れの予防及び/又は改善剤のスクリーニング方法。
[6] VAV3、RBM43、NMI、TNFAIP6、及びRNF8からなる群より選択される1種又は2種以上の遺伝子の発現を制御する素材を含有する、肌荒れの予防及び/又は改善用組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明の方法によれば、被験者の生体試料に存在するゲノム由来のDNAに含まれる一塩基多型(SNP)のアレルを検出することにより、該被験者が肌荒れになる遺伝的素因を有するか(肌荒れを起こし易いか)を正確かつ簡便に判定することができる。よって、この判定結果に基づき、肌荒れの予防や改善のための対策を早期に講じることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.肌荒れの遺伝的素因の判定方法
本発明の肌荒れの遺伝的素因の判定方法は、被験者から採取したDNA含有試料について、以下の(a1)~(a82)の1種又は2種以上の一塩基多型(SNP)のアレルを検出する工程と、検出されるアレルの塩基の少なくとも一つがリスクアレルである場合に、該被験者が肌荒れの遺伝的素因を有すると判定する工程を含む。
(a1) 配列番号1に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs557778で特定されるSNP)
(a2) 配列番号2に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs555337で特定されるSNP)
(a3) 配列番号3に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs666003で特定されるSNP)
(a4) 配列番号4に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs666460で特定されるSNP)
(a5) 配列番号5に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs666461で特定されるSNP)
(a6) 配列番号6に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs526733で特定されるSNP)
(a7) 配列番号7に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs525842で特定されるSNP)
(a8) 配列番号8に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs4915051で特定されるSNP)
(a9) 配列番号9に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs680867で特定されるSNP)
(a10) 配列番号10に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs499513で特定されるSNP)
(a11) 配列番号11に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs684624で特定されるSNP)
(a12) 配列番号12に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs494757で特定されるSNP)
(a13) 配列番号13に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs494696で特定されるSNP)
(a14) 配列番号14に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs580995で特定されるSNP)
(a15) 配列番号15に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs515202で特定されるSNP)
(a16) 配列番号16に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs566923で特定されるSNP)
(a17) 配列番号17に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs560683で特定されるSNP)
(a18) 配列番号18に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs560655で特定されるSNP)
(a19) 配列番号19に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs663391で特定されるSNP)
(a20) 配列番号20に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs663431で特定されるSNP)
(a21) 配列番号21に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs12032660で特定されるSNP)
(a22) 配列番号22に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs12035053で特定されるSNP)
(a23) 配列番号23に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs11185132で特定されるSNP)
(a24) 配列番号24に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs6665028で特定されるSNP)
(a25) 配列番号25に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs6702592で特定されるSNP)
(a26) 配列番号26に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs534891で特定されるSNP)
(a27) 配列番号27に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs666070で特定されるSNP)
(a28) 配列番号28に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs666956で特定されるSNP)
(a29) 配列番号29に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs1752681で特定されるSNP)
(a30) 配列番号30に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs505822で特定されるSNP)
(a31) 配列番号31に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs504881で特定されるSNP)
(a32) 配列番号32に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs504806で特定されるSNP)
(a33) 配列番号33に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs501057で特定されるSNP)
(a34) 配列番号34に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs499227で特定されるSNP)
(a35) 配列番号35に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs586180で特定されるSNP)
(a36) 配列番号36に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs476157で特定されるSNP)
(a37) 配列番号37に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs475072で特定されるSNP)
(a38) 配列番号38に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs473420で特定されるSNP)
(a39) 配列番号39に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs472527で特定されるSNP)
(a40) 配列番号40に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs580075で特定されるSNP)
(a41) 配列番号41に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs549903で特定されるSNP)
(a42) 配列番号42に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs10785826で特定されるSNP)
(a43) 配列番号43に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs494152で特定されるSNP)
(a44) 配列番号44に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs643908で特定されるSNP)
(a45) 配列番号45に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs11811454で特定されるSNP)
(a46) 配列番号46に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs61819207で特定されるSNP)
(a47) 配列番号47に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs289852で特定されるSNP)
(a48) 配列番号48に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs1056726で特定されるSNP)
(a49) 配列番号49に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs149819999で特定されるSNP)
(a50) 配列番号50に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs60254106で特定されるSNP)
(a51) 配列番号51に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs2173313で特定されるSNP)
(a52) 配列番号52に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs12209775で特定されるSNP)
(a53) 配列番号53に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs12211110で特定されるSNP)
(a54) 配列番号54に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs7738045で特定されるSNP)
(a55) 配列番号55に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs1937834で特定されるSNP)
(a56) 配列番号56に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs75741813で特定されるSNP)
(a57) 配列番号57に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs74686576で特定されるSNP)
(a58) 配列番号58に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs74415127で特定されるSNP)
(a59) 配列番号59に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs77750385で特定されるSNP)
(a60) 配列番号60に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs76145983で特定されるSNP)
(a61) 配列番号61に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs75155123で特定されるSNP)
(a62) 配列番号62に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs74302809で特定されるSNP)
(a63) 配列番号63に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs111523535で特定されるSNP)
(a64) 配列番号64に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs199627764で特定されるSNP)
(a65) 配列番号65に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs79187933で特定されるSNP)
(a66) 配列番号66に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs77784037で特定されるSNP)
(a67) 配列番号67に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs78530814で特定されるSNP)
(a68) 配列番号68に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs4739577で特定されるSNP)
(a69) 配列番号69に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs78484770で特定されるSNP)
(a70) 配列番号70に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs76611879で特定されるSNP)
(a71) 配列番号71に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs80335309で特定されるSNP)
(a72) 配列番号72に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs75558330で特定されるSNP)
(a73) 配列番号73に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs76151608で特定されるSNP)
(a74) 配列番号74に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs74407439で特定されるSNP)
(a75) 配列番号75に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:IDrs112276204で特定されるSNP)
(a76) 配列番号76に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs75023163で特定されるSNP)
(a77) 配列番号77に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs4739578で特定されるSNP)
(a78) 配列番号78に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs4739579で特定されるSNP)
(a79) 配列番号79に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs16882394で特定されるSNP)
(a80) 配列番号80に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs77736544で特定されるSNP)
(a81) 配列番号81に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs78585145で特定されるSNP)
(a82) 配列番号82に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs16882399で特定されるSNP)
【0010】
上記の(a1)~(a82)のSNPを含む塩基配列([]内はSNPを表す)を表1に示す。
【0011】
【0012】
後述の実施例のゲノムワイド関連解析(GWAS)結果に示すように、上記(a1)~(a82)のSNPは、p値が1×10-5未満となるものであり、肌荒れの遺伝的素因と統計学的に関連が示唆されたものである。また、本発明において特定された上記の(a1)~(a82)のSNPが、近傍(100kb以内)に存在するか、当該SNPにより発現が変動することが文献的に知られている遺伝子として、下記表2に示すVAV3、RBM43、NMI、TNFAIP6、及びRNF8が同定された。よって、本発明によれば、被験者から採取したDNA含有試料について、VAV3、RBM43、NMI、TNFAIP6、及びRNF8からなる群より選択される1種又は2種以上の遺伝子に関連する一塩基多型(SNP)のアレルを検出する工程と、検出されるアレルの塩基の少なくとも一つがリスクアレルである場合に、該被験者が肌荒れの遺伝的素因を有すると判定する工程を含む、肌荒れの遺伝的素因の判定方法が提供される。
【0013】
【0014】
一塩基多型(single nucleotide polymorphism:SNP、以下、「SNP」と記載する場合がある)とは、一般的には、遺伝子の塩基配列が1箇所だけ異なる状態及びその部位をいう。また、多型とは、一般的には、母集団中1%以上の頻度で存在する2以上の対立遺伝子(アレル)をいう。本発明における「SNP」は、当業者が自由に利用可能な公開されたデータベースである米国国立生物工学情報センター(National Center for Biotechnology Information :NCBI)のSNPデータベース(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/SNP/)に登録されたSNPであって、そのリファレンス番号であるrs番号により特定できる。
【0015】
本明細書において「アレル」とは、あるSNP部位において取りうる、互いに異なる塩基を有するそれぞれの型をいう。また、本明細書において「遺伝型」とは、あるSNP部位において、対立するアレルの組み合わせをいう。あるSNP部位において、前記組み合わせである遺伝型には3つの型があり、同じアレルの組み合わせをホモ型とよび、異なるアレルの組み合わせをヘテロ型という。例えば、(a1)のrs557778で特定されるSNPにおいて対立するアレルの組み合わせである遺伝型には、A/A型、A/G型、G/G型の3つの型が存在する。
【0016】
本発明の判定方法において、「一塩基多型(SNP)のアレルを検出する」とは、そのSNPのアレルの塩基の種類を同定することを意味し、「一塩基多型(SNP)のアレルを検出する」の態様には、当該SNPの一方のアレルを検出すること、当該SNPの両方のアレルを検出すること、当該SNPの遺伝型を同定することを含むものとする。
【0017】
本発明の判定方法においては、検出されるアレルの塩基の少なくとも一つがリスクアレルである場合に、該被験者が肌荒れの遺伝的素因を有する(肌荒れを起こし易い)と判定する。具体的には、(a1)~(a82)の一塩基多型(SNP)において、下記表3に示すリスクアレルが、少なくとも一方のアレルにおいて検出されれば、該リスクアレルが検出されない場合と比較して、肌荒れの遺伝的素因を有する(肌荒れを起こし易い)と判定できる。
【0018】
例えば、(a1)のrs557778で特定されるSNPの場合は、その遺伝型がA/A型であることが、A/G型又はG/G型である場合よりも肌荒れを起こし易いことを示し、その遺伝型がA/G型であることが、G/G型である場合よりも肌荒れを起こし易いことを示す。すなわち、A/A型、A/G型、G/G型の順で、肌荒れの起こし易さが高いことを示す。
【0019】
【0020】
本発明の判定方法において、被験者の人種は、特に限定はされないが、好ましくは東アジア人、より好ましくは日本人である。ここで、東アジア人とは、日本、朝鮮、中国、台湾及びモンゴルの人々のいずれかを起源に持つ人をいう。
【0021】
本発明の判定方法において用いるDNA含有試料としては、被験者より採取されたDNAを含有する生体試料であれば、特に限定されない。DNA含有試料に含まれるDNAは、ゲノムDNAであることが好ましいが、検出するSNPが、プロモーター等の非転写領域や、イントロン等のRNAスプライシングにより除かれる領域以外の、mRNA中に存在する領域に位置するSNPである場合には、ゲノムDNAの代わりにmRNAやtotal RNAを含む生体試料を使用してもよい。DNA含有試料としては、例えば、ゲノムDNAを採取可能な任意の体液、分泌液、組織、細胞、組織や細胞の培養物等を使用することができ、具体的には、被験者の唾液、血液、尿、喀痰、咽頭ぬぐい液、鼻腔ぬぐい液、口腔(内頬)粘膜ぬぐい液、涙腺分泌液、汗、毛髪、爪、皮膚、粘膜、皮膚付着後に剥がしたテープストリップ等が挙げられるが、容易性及び低侵襲性の点から、唾液が好ましい。当該試料は、一般的な臨床検査で行われている方法に従って採取し、公知の抽出方法、精製方法を用いて調製することができる。その際、市販のゲノムDNA抽出キットを使用することができる。
【0022】
SNPの検出及びSNPの型の判定(SNPタイピング)の方法は、特に制限されず、例えばアレル特異的プライマー(及びプローブ)を用い、PCR法等により増幅し、増幅産物の多型を蛍光又は発光によって検出する方法など、公知の方法により行うことできる。例えば、PCR-RFLP (restriction fragment length polymorphism)法、PCR-SSCP(single-strand conformation polymorphism)法、PCR-SSO (sequence specific oligonucleotide)法、ダイレクトシークエンス(direct sequencing)法、ASO(Allele Specific Oligonucleotide)ハイブリダイゼーション法、ASP-PCR(Allele Specific Primer-PCR)法、Snapshot法、ARMS(Amplification Refracting Mutation System)法、TaqMan PCR法、インベーダー法、MALDI-TOF/MS法、RNase A切断法、DOL(Dye-labeled Oligonucleotide Ligation)法、TDI(Template-directed Dye-terminator Incorporation)等が挙げられる。上記方法はいずれも当業者に周知の方法であり、また、SNPの型の判定のための試薬やキットも市販されており、例えば、TaqMan SNP Genotyping Assays (Thermo Fisher Scientific社製)等を用いることができる。
【0023】
上記の判定方法により得られた結果は、被験者が肌荒れの予防及び/又は改善作用を有する化粧料及び/又は飲食品を選択する上で有用な指標となり、例えば、肌荒れの遺伝的素因を有する(肌荒れを起こし易い)と判定された被験者は、肌荒れを予防する対策を推奨できる。よって、本発明の別の側面によれば、上記の判定方法により得られた結果に基づいて、被験者の肌荒れの遺伝的素因(肌荒れの起こし易さ)の程度に応じた肌荒れの予防及び/又は改善作用を有する化粧料及び/又は飲食品を該被験者に提供する、化粧料及び/又は飲食品の提供方法もまた提供される。
【0024】
2.肌荒れの遺伝的素因の判定用キット
上記のSNPの検出及びタイピング方法では、各方法に応じたプローブやプライマーが使用される。このようなプローブやプライマーもまた本発明の範囲に包含され、キットとして提供できる。
【0025】
プローブとしては、上記のSNP部位を含み、ハイブリダイズの有無によってSNP部位の塩基の種類を判別できるプローブが挙げられる。具体的には、配列番号1~82のいずれかに示される塩基配列の101番目の塩基を含む連続する少なくとも10塩基以上、好ましくは15塩基以上の配列又はその相補配列を有するプローブが挙げられる。プローブの長さは好ましくは15~40塩基、より好ましくは20~35塩基である。また、プローブは、適当な標識物質で標識されていてもよく、標識物質としては、例えば、酵素(ペルオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、アルカリフォスファターゼ等)、蛍光物質(FITC、RITC、Cy3、Cy5等)、発光物質(ルミノール、ルミノール誘導体、ルシフェリン、ルシゲニン等)、放射性同位元素(3H、14C、32P、125I、131I等)、ビオチン、ジゴキシゲニン、タグ配列を含むポリペプチド等が挙げられる。あるいは、蛍光物質の近傍に該蛍光物質の発する蛍光エネルギーを吸収するクエンチャー(消光物質)がさらに結合されていてもよい。
【0026】
また、プローブは固相に固定されていてもよい(DNAアレイ)。DNAアレイは、同一平面上に配置した多数のプローブに対してサンプルDNAをハイブリダイズさせ、当該平面をスキャンすることによって、各プローブに対するハイブリダイズを同時に検出することが可能である。よって、多数のSNP部位を同時に解析するには、DNAアレイは有用である。アレイに搭載するプローブとなるオリゴヌクレオチドは、通常in situで合成される。例えば、リソグラフィー方式(Thermo Fisher Scientific社)、インクジェット方式(Agilent社)、ビーズアレイ方式(Illumina社)等によるオリゴヌクレオチドのin situ合成法が知られている。
【0027】
また、プライマーとしては、上記SNP部位を増幅するためのPCRに用いることのできるプライマー、又は上記SNP部位を配列解析(シークエンシング)するために用いることのできるプライマーが挙げられる。具体的には、配列番号1~82のいずれかに示される塩基配列の101番目の塩基を含む領域を増幅したり、シークエンシングしたりすることのできるプライマーが挙げられる。上記SNP部位を増幅するためのPCRに用いることのできるプライマーは、該SNP部位を含む領域のDNAを鋳型として、該SNP部位に向かって相補鎖合成を開示することができるオリゴヌクレオチドであればよく、このようなプライマーの長さは10~30塩基が好ましく、15~25塩基がより好ましい。プライマーは、配列番号1~82のいずれかに示される塩基配列において、SNP部位の上流または下流の位置に設定することができる。
【0028】
当業者であれば、SNP部位を含む周辺DNA領域の塩基配列情報を基に、解析手法に応じたプローブ及びプライマーを設計することができる。また、プローブ及びプライマーとなるオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの合成法として当技術分野で公知の方法、例えば、ホスホロアミダイト法、H-ホスホネート法等により、通常用いられるDNA自動合成装置を利用して合成することが可能である。
【0029】
本発明のキットには、上記のプローブ及びプライマーとして用いるオリゴヌクレオチドを少なくとも含んでいればよい。また、当該キットには、必要に応じて、DNA抽出用試薬、PCR用緩衝液やDNAポリメラーゼ等のPCR用試薬、染色剤や電気泳動用ゲル等の検出用試薬、固定化担体、標識物質、標識の検出に用いられる基質化合物、陽性や陰性の標準試料、キットの使用方法を記載した指示書等を含めることもできる。なお、キット中の試薬は溶液でも凍結乾燥物でもよい。
【0030】
3.肌荒れの予防及び/又は改善剤のスクリーニング方法
上述のとおり、VAV3、RBM43、NMI、TNFAIP6、及びRNF8は、上記の(a1)~(a82)のSNPが、その近傍(100kb以内)に存在するか、SNPにより発現が変動することが文献的に知られている遺伝子である。
【0031】
よって、本発明の別の側面によれば、VAV3、RBM43、NMI、TNFAIP6、及びRNF8からなる群より選択される1種又は2種以上の遺伝子(以下、「肌荒れ感受性遺伝子」という)の発現変化を指標とする、肌荒れの予防及び/又は改善剤のスクリーニング方法が提供される。
【0032】
本発明のスクリーニング方法は、肌荒れ感受性遺伝子の発現の評価に適切な細胞を用いる方法であれば、特に限定はされないが、典型的には、細胞における肌荒れ感受性遺伝子の発現量を測定する方法が挙げられる。より具体的には、本発明のスクリーニング方法は、被験物質の存在下で上記肌荒れ感受性遺伝子を発現する細胞を培養し、同細胞における肌荒れ感受性遺伝子の発現量を測定する工程、被験物質の非存在下(対照)における同細胞における肌荒れ感受性遺伝子の発現量を測定する工程、被験物質の存在下で測定した発現量が、被験物質の非存在下で測定した発現量に比べて有意に増加又は減少した場合に、当該被験物質を肌荒れの予防及び/又は改善剤の候補物質として選択する工程を行うことにより、行うことができる。
【0033】
本発明において、被験試料及び対照試料における肌荒れ感受性遺伝子の発現量は、当業者に公知の任意の方法により測定することができ、また、測定は、各方法の常法に従って実施すればよい。遺伝子の発現量とは、遺伝子の転写産物であるmRNA量をいう。mRNA量の測定は、所望のmRNA量を測定できる方法であれば特に限定されず、公知の方法から適宜選択して用いることができる。例えば、肌荒れ感受性遺伝子にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドをプライマーとした遺伝子増幅法、又は、肌荒れ感受性遺伝子にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドをプローブとしたハイブリダイゼーション法を利用することができる。具体的には、RT-PCR法、リアルタイムRT-PCR法、マイクロアレイ法、ノーザンプロット法、ドットブロット法、RNアーゼプロテクションアッセイ法などが挙げられる。上記の方法に用いるプライマーやプローブは、標識し、当該標識のシグナル強度を調べることによりmRNA量を測定することができる。なかでも、リアルタイムRT-PCR法はRNAを直接サンプルに使用でき、遺伝子増幅過程を光学的に測定することで増幅に必要な温度サイクルの回数から遺伝子定量が可能である上で好ましい。なお、上記の方法に用いるプライマー及びプローブは肌荒れ感受性遺伝子の塩基配列をGenBank等のデータベースより取得し、当該塩基配列に基づいて当業者であれば適宜設計し、調製することができる。各方法について様々なプロトコルが報告されており、当業者であれば公知のプロトコルに従い、又は公知のプロトコルを適宜修正や変更を行い実施することができる。
【0034】
また、本発明のスクリーニング方法の別の態様として、肌荒れ感受性遺伝子を発現する細胞として、レポーター遺伝子を肌荒れ感受性遺伝子の転写調節領域に作動可能に連結したプラスミドを導入した細胞を用い、レポーター遺伝子の発現量を測定してもよい。レポーター遺伝子としては、例えばGFP遺伝子、GUS遺伝子、LUS遺伝子等が挙げられる。
【0035】
スクリーニングに用いる被験物質は、主に医薬品及び/又は飲食品に利用できる成分を対象とし、例えば、動・植物組織の抽出物もしくは微生物培養物等の複数の化合物を含む混合物、またそれらから精製された標品;天然に生じる分子(例えば、アミノ酸、ペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質、核酸、脂質、ステロイド、糖タンパク質、プロテオグリカンなど);あるいは天然に生じる分子の合成アナログ又は誘導体(例えば、ペプチド擬態物など);及び天然に生じない分子(例えば、コンビナトリアルケミストリー技術等を用いて作製した低分子有機化合物);ならびにそれらの混合物などを挙げることができる。また、被験物質としては単一の被験物質を独立に試験しても、いくつかの候補となる被験物質の混合物(ライブラリーなどを含む)について試験をしてもよい。複数の被験物質を含むライブラリーとしては、合成化合物ライブラリー、ペプチドライブラリーなどが挙げられる。
【0036】
上記スクリーニング方法により選択される肌荒れの予防及び/又は改善物質は、化粧品、医薬品、医薬部外品、飲食品等の肌荒れの予防及び/又は改善用組成物への配合成分として使用できる。よって、本発明のさらなる別の側面によれば、VAV3、RBM43、NMI、TNFAIP6、及びRNF8からなる群より選択される1種又は2種以上の遺伝子の発現を制御する素材を含有する、肌荒れの予防及び/又は改善用組成物が提供される。
【実施例】
【0037】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0038】
(実施例1)肌荒れの遺伝的素因(肌荒れの起こし易さ)に関連する一塩基多型(SNP)の同定
本試験を実施するにあたり、同意書、遺伝型判定等について、自社における倫理審査委員会によって承認を受けた。同意書のサインにて同意を受けたサンプル提供者よりサンプル採取を行い、遺伝型判定及びゲノムワイド関連解析(GWAS)を行った。
【0039】
(1) DNAサンプル
1206人の女性被験者から唾液を採取し、Maxwell RSC Stabilized Saliva DNA Kit(プロメガ社製)を使用してゲノムDNAを抽出し、DNAサンプルを得た。
【0040】
(2) 遺伝型の決定及びクオリティコントロール
得られたDNAサンプルについて、イルミナ社のAsian Screening Array(ASA)を用いて遺伝型の決定を行った。その結果、約65万個のSNPが検出された。遺伝統計解析ソフトPLINK(www.cog-genomics.org/plink/1.9/)を利用して、上記1206人の被験者とSNPから、コールレートが0.95未満の被験者と、コールレートが0.95未満のSNPを除外した。また、ハーディー・ワインベルク平衡の正確検定のp値が1×10-3未満、マイナーアレル頻度(MAF)が5%未満のSNPも除外した。遺伝型データから未確認血縁性を除去するために、PI_HAT=0.25以上の個体ペアを検出し、それぞれのペアについて、個体コールレートの低い個体を解析対象から除外した。さらに、遺伝型データから多次元尺度構成法によるクラスタリングを実施し、日本人由来の個体を選択した。クオリティコントロールにより解析対象として選択した個体数は1108人、SNP数は305180個であった。
【0041】
(3) ジェノタイプ・インピュテーション
ジェノタイプ・インピュテーションとは、リファレンスパネルと呼ばれる標準的なSNPのコレクションの情報を参照して、SNPアレイで設計されていない部位の遺伝型情報を統計的に推定する手法である。本実施例において、ジェノタイプ・インピュテーションは、1000 Genome Progect Phase3参照パネルに基づき、Eagle及びMinimac3を用いて行った。インピュテーション後、コールレートが0.95未満のSNP、ハーディー・ワインベルク平衡の正確検定のp値が1×10-3未満のSNP、インピュテーション結果の精度を表す指標Rsqの値が0.3未満のSNP、マイナーアレル頻度(MAF)が5%未満のSNPを除外し、最終的に6258233個のSNPが推定された。
【0042】
(4) 表現型データ(肌荒れの起こし易さ)
肌荒れの起こし易さに関するアンケート項目は、「ストレス、睡眠不足、又は季節の変わり目などで肌荒れを起こし易いですか?」という質問に対して、「1.ほとんど肌荒れを起こさない」、「2.まれに肌荒れを起こす」、「3.時々肌荒れを起こす」、「4.よく肌荒れを起こす」の4つの選択肢から1つを回答するものであり、間隔尺度として扱った。
【0043】
(5) 関連解析
上記の通り、決定又は推定された遺伝型データと肌荒れの起こし易さとの関連性について、PLINKを利用して、表現型データを目的変数、遺伝型データのマイナーアレルの本数、及び年齢を説明変数とした重回帰分析を行い、前記マイナーアレルの本数の回帰係数のp値を評価した。前記重回帰分析により算出したp値が1×10-5未満となるSNP82個を表現型との関連性があるものとして抽出した。
【0044】
肌荒れの起こし易さとの関連が示唆されたSNPについて、HaploReg v4.1(https://pubs.broadinstitute.org/mammals/haploreg/haploreg.php)を利用して、SNPの近傍の遺伝子(100kb以内)、及び当該SNPにより発現が変動することが文献的に知られている遺伝子のアノテーションを行った。
【0045】
(6) 結果
以上の解析から、肌荒れの起こし易さの遺伝的素因と関連性があり、肌荒れの起こし易さを判定できるSNPとして82個のSNPを特定した(表4)。特定した各SNPのSNP ID(NCBI dsSNP)、当該SNPが存在する染色体番号及び物理位置、アレル及びマイナーアレルの塩基、リスクアレルの塩基、マイナーアレルの効果量(β値)、遺伝型のp値を示す。p値の欄において、それぞれのp値は10を底とする指数形式で表示され、符号Eの前後に記載された数値はそれぞれp値を指数形式で表示した際の仮数部と指数部を示す。β値が正の値である場合は、マイナーアレルがリスク(肌荒れの起こし易さ)を増加させることを意味する。反対に、β値が負の値である場合は、マイナーアレルがリスクを減少させることを意味する。「Imputed or Direct Typing」は、各SNPがダイレクト(Direct)に遺伝子型特定(Genotyped)されたか、もしくはインピュテーションにより推定(Imputed)されたかを示す。
【0046】
また、当該SNPの近傍の遺伝子(100kb以内)(表4、遺伝子(I))、及び当該SNPにより発現が変動することが文献的に知られている遺伝子(表4、遺伝子(II))としてVAV3、RBM43、NMI、TNFAIP6、RNF8を見出した。
【0047】
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の方法により、サンプル提供者が肌荒れを起こし易い遺伝的素因を有するかどうかを正確かつ簡便に判定することができる。よって、その判定結果に基づき、サンプル提供者にカスタマイズした肌荒れ予防や改善のための化粧品やサプリメントを提供すること、また肌荒れ改善のためのケア方法に関するカウンセリングやアドバイスを行うことが可能となる。
【配列表】