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特許7629872滑らかに直径を減少する自動スタッキング式スパイラルベルトコンベヤ
<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-05
(45)【発行日】2025-02-14
(54)【発明の名称】滑らかに直径を減少する自動スタッキング式スパイラルベルトコンベヤ
(51)【国際特許分類】
   B65G 15/02 20060101AFI20250206BHJP
   B65G 17/06 20060101ALI20250206BHJP
【FI】
B65G15/02
B65G17/06 Z
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021571920
(86)(22)【出願日】2020-05-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-04
(86)【国際出願番号】 US2020032472
(87)【国際公開番号】W WO2020247155
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2023-04-21
(31)【優先権主張番号】62/857,350
(32)【優先日】2019-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508181663
【氏名又は名称】レイトラム,エル.エル.シー.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】タルスマ,キャスパー フェッデ
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-526298(JP,A)
【文献】特表2015-526359(JP,A)
【文献】米国特許第03348659(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 15/02
B65G 17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端から下端までの長さに延びる駆動部材の配列であって、前記駆動部材の配列がその周りを回転可能な垂直軸を有するシリンダを画定する駆動部材の配列と、
前記駆動部材の上又は下へ複数の層でらせん経路を辿るように配置されたコンベヤベルトとを備えるスパイラルコンベヤであって、
前記コンベヤベルトは、厚さが上面から底面まで、幅が前記駆動部材側の内側サイドから外側サイドまで延び、前記らせん経路上の上の層の前記内側サイド及び前記外側サイドで前記コンベヤベルトの前記底面を支持するために、前記内側サイドで前記上面から直立した内側サイド支持体と、前記外側サイドで前記上面から直立した外側サイド支持体とを含み、
前記外側サイド支持体は第1ロック構造を有し、前記コンベヤベルトは、前記底面の前記外側サイドに、下の層の前記第1ロック構造と係合して、それらの層を相互にロックする第2ロック構造を有し、
前記駆動部材は、それに沿って前記コンベヤベルトが前記らせん経路上を走行する外面を有し、前記外面の前記垂直軸からの距離は、前記らせん経路上を上昇するコンベヤベルトの場合は前記駆動部材の下端の第2セグメントで前記第2セグメントから上端に延びる第1セグメントよりも大きく、前記らせん経路上を下降するコンベヤベルトの場合は前記駆動部材の上端の第2セグメントで前記第2セグメントから下端に延びる第1セグメントよりも大きく、
前記垂直軸から前記第1セグメントの外面までの距離は第1の距離で一定であり、
前記駆動部材は前記第1セグメントにのみ隆起部を含み、この隆起部は前記駆動部材の長さの一部に沿って前記第1セグメントの外面から半径方向外側に延び、前記駆動部材は前記らせん経路に沿って前記第1セグメントの前記コンベヤベルトをスリップすることなく確実に駆動する
スパイラルコンベヤ。
【請求項2】
前記第2のセグメントの前記外面から前記垂直軸までの距離が前記第1の距離からより大きな第2の距離まで変化する、請求項1に記載のスパイラルコンベヤ。
【請求項3】
前記駆動部材が、前記外面の前記垂直軸からの距離が前記第2の距離で一定である第3のセグメントを含み、前記第2セグメントは前記第1セグメントから前記第3セグメントまで延びる、請求項2に記載のスパイラルコンベヤ。
【請求項4】
前記第2ロック構造が、前記コンベヤベルトの前記底面で前記外側サイド支持体に形成される、請求項1に記載のスパイラルコンベヤ。
【請求項5】
前記外側サイド支持体上の前記第1ロック構造が、前記コンベヤベルトの長さに沿って内側と外側に交互に面している、請求項1に記載のスパイラルコンベヤ。
【請求項6】
前記第2ロック構造が、隙間を挟んだ横向きの2列の歯と、前記横向きの2列の歯の間の前記隙間に突出して、下の層の前記第1ロック構造を横方向に押して前記第2ロック構造とインターロック係合させるくさびとを含む、請求項5に記載のスパイラルコンベヤ。
【請求項7】
幅が第1のサイドから第2のサイドまで延びるコンベヤベルトであって、前記第1のサイドから直立する第1のサイド支持体、及び、前記第2のサイドから直立し、ロック構造を含む第2のサイド支持体を含むコンベヤベルトと、
それぞれが第1のセグメント及び第2のセグメントを含み、概ね垂直方向に長さが延び、垂直軸を中心に回転可能である複数の駆動部材とを含み、
前記複数の駆動部材のうちの少なくともいくつかが、前記第1のセグメントにおいてのみ前記コンベヤベルトと確実に係合し、前記ロック構造によって相互にロックされた複数の層において、前記コンベヤベルトをらせん経路でスリップすることなく駆動するように構成され、
前記複数の駆動部材が、前記垂直軸からの前記コンベヤベルトの距離が前記駆動部材の長さに沿って変化するように、前記垂直軸から前記コンベヤベルトを離すように構成される、
スパイラルコンベヤ。
【請求項8】
前記第1及び第2のセグメントが、前記垂直軸から前記コンベヤベルトを離す外面を有し、前記第1のセグメントが、前記垂直軸から半径方向外方に延びて前記コンベヤベルトに係合する隆起部を有し、前記第2のセグメントには前記コンベヤベルトに係合する隆起部がない、請求項7に記載のスパイラルコンベヤ。
【請求項9】
前記第2のセグメントが、前記垂直軸からの距離が第1の距離で一定である外面を有する第1の部分と、前記垂直軸からの距離が前記第1の距離からより小さい第2の距離まで変化する外面を有する第2の部分とを含む、請求項7に記載のスパイラルコンベヤ。
【請求項10】
スパイラルスタッカーベルトであって、前記スタッカーベルトの第1のサイド及び第2のサイドに複数の第1及び第2の支持体を有し、前記ベルトが、間隔を空けて配置された前記スタッカーベルトの複数の層からなるらせん経路を上又は下に移動可能であり、下の層の前記第1及び第2の支持体によって支持される、スパイラルスタッカーベルトと、
概ね垂直方向に長さが延び、垂直軸を中心に回転可能である複数の駆動部材であって、その少なくともいくつかがそれぞれ、
駆動隆起部を有する確実駆動セグメント、及び
駆動隆起部のない入口セグメントであって、上昇型スパイラルスタッカーベルトでは前記確実駆動セグメントの下にあり、下降型スパイラルスタッカーベルトでは前記確実駆動セグメントの上にある入口セグメント、
を含む複数の駆動部材とを含み、
前記スパイラルスタッカーベルトが、前記入口セグメントに沿って前記複数の駆動部材の周りのらせん経路に入り、前記確実駆動セグメントの前記駆動隆起部によって前記らせん経路を上又は下にスリップすることなく確実に駆動され、
前記スパイラルスタッカーベルトの複数の層が、前記確実駆動セグメントに係合する前に前記入口セグメントの周りに巻き付く、
スパイラルコンベヤ。
【請求項11】
前記確実駆動セグメントの長さが、前記入口セグメントの長さよりも長い、請求項10に記載のスパイラルコンベヤ。
【請求項12】
前記確実駆動セグメントが、前記垂直軸からの距離が前記駆動部材に沿って一定である外面を有する、請求項11に記載のスパイラルコンベヤ。
【請求項13】
前記入口セグメントが第1及び第2の部分と、前記垂直軸からの距離が前記入口セグメントの前記第1の部分では第1の距離で一定であり、前記垂直軸からの距離が前記第2の部分では前記第1の距離からより小さい第2の距離まで変化する外面とを含む、請求項11に記載のスパイラルコンベヤ。
【請求項14】
前記入口セグメントの前記第2の部分が前記確実駆動セグメントに隣接している、請求項13に記載のスパイラルコンベヤ。
【請求項15】
前記スパイラルスタッカーベルトが、前記駆動部材の前記確実駆動セグメントの前記駆動隆起部によって係合される被駆動突出部を前記第1のサイドに含む、請求項10に記載のスパイラルコンベヤベルト。
【請求項16】
前記第2のサイドの前記第2の支持体が、前記らせん経路上で前記スパイラルスタッカーベルトの層を上の層にロックするロック構造を含む、請求項10に記載のスパイラルコンベヤ。
【請求項17】
コンベヤベルトモジュールであって、
第1の端部から第2の端部まで長手方向に延び、第1のサイドから第2のサイドまで横方向に延び、上面から底面まで厚さ方向に延びる中央部と、
前記第2のサイドにおいて前記上面から直立するサイド支持体であって、前記サイド支持体の遠位端が、内側又は外側に向かう歯の列の形式の横向きのロック構造を有するサイド支持体と、
下にある別のそのようなコンベヤベルトモジュールの前記サイド支持体の前記ロック構造と係合するための、前記第2のサイドの前記底面にある歯の列の形式の横向きのロック構造と
を含むコンベヤベルトモジュール。
【請求項18】
前記サイド支持体が、前記コンベヤベルトモジュールの前記第2のサイドから上方に延びる2本の脚部であって、前記脚部の遠位端を橋渡しするブリッジまで延びる2本の脚部を含み、前記ロック構造が前記ブリッジの横面に形成されている、請求項17に記載のコンベヤベルトモジュール。
【請求項19】
前記サイド支持体が、前記第2のサイドに取り外し可能に取り付けられる基部を含み、前記基部から前記2本の脚部が上方に延びる、請求項18に記載のコンベヤベルトモジュール。
【請求項20】
前記底面の前記横向きのロック構造が、前記サイド支持体の前記基部に形成されている、請求項19に記載のコンベヤベルトモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して動力駆動式コンベヤに関し、詳細には、スパイラルベルトコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
コンベヤベルトは一般に、冷却又は冷蔵された環境の中で運ぶ必要のある、食品又は他の材料などのバルク材料を搬送するために使用される。典型的なコンベヤベルトは、水平面を横切ってバルク材料を運ぶために比較的少ないエネルギーを必要とする、という利点を有する。しかしながら、バルク材料の搬送は、そのようなシステムによって、水平な経路又は比較的小さい傾斜だけを有する経路に制限される。より大きい高さ又は傾斜を克服するために、バルク材料を別のコンベヤシステム、例えばバケットチェーンコンベヤに移すことが必要である。冷蔵すべき材料を運ぶ際、冷却された環境内での運搬時間を最大化することがしばしば望まれる。延長された経路に沿って品物を運ぶコンベヤベルトシステムを提供することが望ましい。
【0003】
コンベヤベルトがらせん経路を辿るスパイラルベルトコンベヤは、最小の床面積で延長された経路を実現するために、特定用途で使用される。例えば、スパイラルベルトコンベヤは、小さな設置面積で長い搬送経路を実現するために、冷凍室及び乾燥炉で使用されることが多い。
【0004】
自動スタッキング式スパイラルベルトは、最小の枠組みでらせん経路を形成するために使用される。自動スタッキング式コンベヤベルトは、自立型スタックを形成するために、コンベヤベルトの側縁部に結合されたサイドプレート又はサイドガードを使用する。ベルトは、接線送込み地点でスパイラル又はらせん構造に入るまで直線経路を移動する。らせん構造内で整列されるとき、ベルトの最下層はフレーム又は駆動システムによって支持され、上側層は下側層によって支持される。隣接層間の界面は、ベルトが支持され且つ横方向に整列され続けるように設計される。層は、下側サイドガードの上縁部を、上の層のベルトの底部側縁部にもたれ掛かるように配置することによって、横方向に整列される。
【0005】
いくつかの自動スタッキング式スパイラルベルトは、ベルトの張力を低減するために、接線送込み地点で直径が最大となる駆動ドラムの周囲に設けられた垂直駆動バーによって、スリップすることなく確実に駆動される。駆動バーの下端は、接線送込み地点のレベルより上でわずかに凹んでいる。しかし、ベルトが駆動バーのレベルに到達するまで、ベルトはベルトの引っ張り力と、ベルトの内縁及び駆動ドラムの間の摩擦接触とによってのみ引っ張られる。ベルトの張力をできるだけ低く保つために、接線送込み地点と駆動バーの下端のレベルの間の距離を小さくする必要がある。
【発明の概要】
【0006】
本発明の特徴を具現化したスパイラルコンベヤの1つのバージョンは、上端から下端までの長さに延びる駆動部材の配列であって、駆動部材の配列がその周りを回転可能な垂直軸を有するシリンダを画定する駆動部材の配列と、駆動部材の上又は下へ複数の層でらせん経路を辿るように配置されたコンベヤベルトとを備える。コンベヤベルトは、厚さが上面から底面まで、幅が駆動部材側の内側サイドから外側サイドまで延び、らせん経路上の上の層の内側サイド及び外側サイドでコンベヤベルトの底面を支持するために、内側サイドで上面から直立した内側サイド支持体と、外側サイドで上面から直立した外側サイド支持体とを含む。外側サイド支持体は第1ロック構造を有し、コンベヤベルトは、底面の外側サイドに、下の層の第1ロック構造と係合して、それらの層を相互にロックする第2ロック構造を有する。駆動部材は、それに沿ってコンベヤベルトがらせん経路上を走行する外面を有し、外面の垂直軸からの距離は、らせん経路上を上昇するコンベヤベルトの場合は駆動部材の下端で上端よりも大きく、らせん経路上を下降するコンベヤベルトの場合は駆動部材の上端で下端よりも大きい。駆動部材は、らせん経路に沿ってコンベヤベルトをスリップすることなく確実に駆動するために、駆動部材の長さの一部に沿って外面から半径方向外側に延びる隆起部を含む。
【0007】
スパイラルコンベヤの別のバージョンは、幅が第1のサイドから第2のサイドへ延びるコンベヤベルトであって、第1のサイドから直立する第1のサイド支持体と、第2のサイドから直立し、ロック構造を含む第2のサイド支持体とを含むコンベヤベルトを備える。駆動部材はそれぞれ、第1のセグメントと第2のセグメントとを含み、概ね垂直方向に長さが延び、垂直軸を中心に回転可能である。複数の駆動部材のうちの少なくともいくつかは、第1のセグメントにおいてのみコンベヤベルトと確実に係合し、ロック構造によって相互にロックされた複数の層において、コンベヤベルトをらせん経路でスリップすることなく駆動するように構成されている。駆動部材は、垂直軸からのコンベヤベルトの距離が駆動部材の長さに沿って変化するように、垂直軸からコンベヤベルトを離すように構成されている。
【0008】
スパイラルコンベヤのさらに別のバージョンは、スパイラルスタッカーベルトであって、スタッカーベルトの第1及び第2のサイドに複数の第1及び第2の支持体を有し、間隔を空けて配置された複数の層からなるらせん経路を上又は下に移動可能であり、下の層の第1及び第2の支持体によって支持されるスパイラルスタッカーベルトを備える。概ね垂直方向に長さが延びる駆動部材は、垂直軸を中心に回転可能である。駆動部材の少なくともいくつかは、それぞれ、駆動隆起部を有する確実駆動セグメントと、駆動隆起部のない入口セグメントとを含む。入口セグメントは、上昇型スパイラルスタッカーベルトでは確実駆動セグメントの下にあり、下降型スパイラルスタッカーベルトでは確実駆動セグメントの上にある。スパイラルスタッカーベルトは、入口セグメントに沿って複数の駆動部材の周りのらせん経路に入り、確実駆動セグメントの駆動隆起部によってらせん経路を上下にスリップすることなく確実に駆動される。スパイラルスタッカーベルトの複数の層は、確実駆動セグメントに係合する前に入口セグメントの周りに巻き付く。
【0009】
別の態様では、本発明の特徴を具現化したコンベヤベルトモジュールは、第1の端部から第2の端部まで長手方向に延び、第1のサイドから第2のサイドまで横方向に延び、上面から底面まで厚さがある中央部を備える。サイド支持体は、第2のサイドにおいて上面から直立する。サイド支持体の遠位端は、内側又は外側のいずれかに横向きのロック構造を有する。第2のサイドの底面の横向きのロック構造は、下方の別のそのようなコンベヤモジュールのサイド支持体のロック構造と係合する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の特徴を具現化した自動スタッキング式スパイラルコンベヤの等角図である。
図2図1のようなスパイラルコンベヤの自動スタッキング式ベルトを構築するために使用されるベルトモジュールの等角図である。
図3図2のベルトモジュールのためのロック構造を有する外側サイド支持体の拡大された不等角投影図である。
図4】サイド支持体を取り外した状態の、図2のベルトモジュールの外側サイドの拡大等角図である。
図5図3のサイド支持体を取り付けた状態の、図2のベルトモジュールの外側サイドの拡大底面等角図である。
図6】相互にロックされた図3のような2つの外側サイド支持体の不等角投影図である。
図7】ベルトの外側サイドで相互にロックされた、図2のようなベルトモジュールで作られた自動スタッキング式ベルトの2つの層の一部の等角図である。
図8図1の自動スタッキング式スパイラルコンベヤで使用可能なスパイラル駆動ドラムの一部の不等角投影図である。
図9図8の駆動ドラムの入口部分の拡大した垂直立面図である。
図10】コンベヤベルトの下の方の層と駆動ドラムとの係合を示す、図8の駆動ドラムの入口部分の垂直立面図である。
図11図2のようなベルトモジュールのためのロック式外側サイド支持体の別のバージョンの不等角投影図である。
図12】層から層へとインターロックされて示された図11のような外側サイド支持体の不等角投影図である。
図13】インターロック係合の直前及び直後の図12の外側サイド支持体の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
自動スタッキング式スパイラルコンベヤシステムが、図1に概略的に示されている。スパイラルベルトコンベヤ10は、実質的にらせん状の経路に沿って垂直方向に物品を搬送する。スパイラルベルトコンベヤは、連続的且つ互いに直接的にスタッキングされたベルトの層13を含む、らせんスタック11状に配置されたコンベヤベルト12-スパイラル自動スタッキング式、すなわちスタッカー、ベルト-を含む。ベルトは、スタック頂部の出口から底部の入口まで戻って進むとき、多様なテークアップ、アイドル及びフィードスプロケット22の周りを移動する。或いは、ベルトはスタックの頂部から進入し、底部から退出してもよい。スパイラルベルトコンベヤ10は、例えば物品が冷却のため延長された経路で搬送される場合、冷蔵庫、又は冷却機内で使用可能であり、又は、製品を焼く、補強する、又は加熱するために加熱システム内で使用可能である。
【0012】
コンベヤベルト12は一連の列から構成され、それぞれの列は図2のベルトモジュールのような1つ又は複数のベルトモジュール14を含む。列は、ベルトの幅にわたって広がる単一モジュール、又は複数の横並びモジュールを含んでもよい。例示的なベルトモジュール14は中央部分16を含み、中央部分16は、ベルト移動方向15において第1端部18から第2端部19まで長手方向に、内側サイド20から外側サイド21まで横方向に、及び上面側22から底面側23までの厚さに延在する。ヒンジ要素の第1組24がモジュールの第1端部18に沿って、第2組26が第2端部19に沿って形成される。ヒンジ要素のロッド開口28、29が、ヒンジ要素の第1組及び第2組を貫く横方向通路を形成するように整列する。通路はヒンジロッド(不図示)の進入を許容し、ヒンジロッドは、類似の横並びモジュールの列を隣接モジュール列に接続してコンベヤベルトを形成する。モジュール列に沿ったヒンジ要素24の第1組は、長手方向に隣接する列のヒンジ要素26の第2組と交互に配置され、ヒンジロッドと一緒にヒンジを形成する。先行及び追従ヒンジ要素の一方又は両方を貫くロッド開口28、29は、外側縁部が広がる一方でベルトが回転の内側でつぶれることができるように、ベルト移動方向に細長くてもよい。
【0013】
ベルトモジュール14は、ポリエチレン、ポリプロピレン、アセタール、ナイロン又は複合樹脂などの熱可塑性材料から射出成形されると好ましい。ベルトモジュールは任意の適切な構造を有してもよく、この例示的な実施形態に制限されない。
【0014】
サイド支持体30、32はコンベヤベルト列の各側縁部に結合される。図2の実施形態では、単一のモジュール14が列全体にわたって広がり、サイド支持体30、32はモジュールの各側から直立している。或いは、コンベヤベルトの列は、横並びに配置された複数のモジュールを含んでもよく、ここで内側サイド支持体32は内側モジュールの内側サイド20に結合され、外側サイド支持体30は外側モジュールの外側サイド21に結合されている。サイド支持体は、モジュールと一体的に形成されてもよく、又は、ねじ、ボルト、超音波溶接、スナップ嵌め又は他の適切な締結手段を用いてモジュールに結合されてもよい。サイド支持体によりベルトがらせん構造にスタッキングすることが促される。各モジュールが下側層のサイド支持体に載るためである。
【0015】
図3に示すように、外側サイド支持体30は、上縁にロック構造34を有し、下縁に相補的なロック構造36を有する。外側支持体30は、基部35を有し、そこから2つの脚部38、39が上向きに延びて頂部でブリッジ40に至る。相補的なロック構造36は、ガイド42とともに、基部35の底部に形成される。図4及び図5に示すように、外側サイド支持体30は、ベルトモジュール14の外側サイド21に設けられた開口部44の所定の位置にスナップ嵌めされる。外側支持体30の相補的なロック構造36は、モジュールから下方に延びて、下の層の頂部ロック構造と係合する。この例で示されているロック構造は、丸みを帯びた歯の形をしているが、鋸歯、三角形、又はその他の適切なインターロック形状など、異なるインターロック形状で実現することができる。
【0016】
図3に示す外側サイド支持体30は、基部35、2つの脚部38、39、及びブリッジ40によって囲まれた大きな開口部46を有している。しかし、強度のために、外側サイド支持体30は、図2のものなど斜めの支柱48を含んでいてもよく、或いは、外側サイド支持体は、開口部を欠いたプレートであってもよい。外側サイド支持体30がモジュール14と一体である場合、代わりに下側ロック構造36とガイド42はモジュールの底面23に形成され得る。
【0017】
図6は、下の層の外側支持体30の頂部ロック構造34と、上の層の補完的なロック構造36との係合を示している。2つの層がかみ合っていると、図7に示すように、ベルト移動方向15に相対的に滑らない。さらに、上側のロック構造34は、ベルトの底側で長手方向に延びる横方向に間隔を空けた従属ガイド50、52によって横方向のふらつきに対しても拘束される。図5に示すように、ガイド52と外側サイド支持体30の底部に設けられたガイド42とが一緒になって両側ガイドを形成する。
【0018】
図8~10には、自動スタッキング式スパイラルコンベヤの駆動ドラム54が示されている。ドラム54は、上端58から下端59まで概ね垂直に長さが延び、シリンダを画定する平行な駆動部材56の配列を有する。ドラム54は、モータ及びギアトレイン(図示せず)を含むドラム駆動装置によって従来通り回転される。ドラム54及びその周囲の駆動部材56は、(図1にも示されているような)垂直軸60を中心に回転する。垂直回転軸60は、直径が変化するシリンダの対称軸でもある。駆動部材56は、垂直軸とスタッカーベルト12との間の距離を設定するために、内側サイドから垂直軸に向かって半径方向内側に突出した駆動ラグ64(図2)などの被駆動突出部の先端でベルトの内側サイド20に接触する外面62を有する。
【0019】
駆動部材56は、入口セグメント74と、外面62の半径方向外側に延びる隆起部68を有する確実駆動セグメント66とに分割される。隆起部68は、スタッカーベルト12の内側サイドで被駆動突出部と係合し、それをスリップすることなくらせん経路上で駆動する駆動面70を有している。図8~10の例では、隆起部68は、外面62が垂直軸60から一定の距離にある駆動部材56の確実駆動セグメント72に形成されている。ベルト入口セグメント74は、隆起部がなく、スタッカーベルト12の内側サイド20に接触する平坦な外面62を提供する。ベルト12は、入口セグメント74の接線送込み地点76で、駆動ドラム54と最初に接触する。ベルト12が、接線方向に入口部分に入り、そのらせん経路に向かっていくと、最下層78は第2層80の底部に係合する。最下層の内側及び外側の支持体30、32は、上の層の底面と支持接触するように移動する。そして、最下層の外側支持体32の上部ロック構造は、上の層の下部ロック構造とインターロックする。インターロックのため、下の層が確実駆動セグメント72の隆起部68によって確実に駆動されなくても、上の層は入口セグメント74において下の層の駆動を助ける。これにより、複数のベルト層が、らせん経路に沿って徐々に前進して隆起部68と確実に係合する前に、入口部分と接触することができる。
【0020】
ベルト張力を低減するために、入口セグメント74は移行部分、又はセグメント82を有し、ここで、垂直軸60からの外面62の距離は、確実駆動セグメント72に対する下部遠位端86での最大距離から、近位端87でのより小さい最小距離まで変化する。また、入口セグメント74は、その外面62が垂直軸60から一定の距離である、すなわち移行部分82の最大距離である下部入口部分88を含み得る。円筒ドラムの有効直径、すなわち、入口セグメント74における垂直軸60からスタッカーベルト12の内側サイド20までの距離が徐々に小さくなることで、確実駆動セグメント72に入り、駆動隆起部68に最初に係合する際にベルト張力を下げることができる。入口セグメント74が複数の層に接触する場合でさえ、それはドラムの周りのより多くの層に係合する確実駆動セグメント72よりもまだ短い。
【0021】
図2のようなベルトモジュールで使用可能なロック式外側サイド支持体の別のバージョンが、図11に示されている。支持体90は、そのロック構造が上向きでないという点で、図3の支持体30とは異なる。むしろ、図12に示すように、そのロック構造92は、基部98から上に延びる2つの脚部96、97の端部の上側ブリッジ94上で横向きになっている。ロック構造92は、偶数(又は奇数)のベルト列では支持体90の内側を向き、奇数(又は偶数)のベルト列では支持体90’の外側を向いている。基部98から下に延びているのは、2つの従属ガイド100、101である。ガイド100、101は、この例では、ブリッジ上の上部ロック構造92上の三角形の歯と一致する三角形の歯の列として示される横方向を向いたロック構造102、103を有する。図3の外側サイド支持体30と同様に、サイド支持体は、交換可能なピースとすることができ、或いは、モジュール本体と一体的に形成することができる。或いは、基部をモジュール本体と一体的に形成し、脚部とブリッジをモジュール本体に固定するようにしてもよい。また、基部98には、対面するロック構造102、103の間の隙間106に下向きに突出するプラウ104が形成されている。プラウ104は、基部98の長さを延長する角度のついた面を有する細長い三角形のくさびとして示されている。
【0022】
図13Aは、上のベルト層の横方向に面したロック構造102、103とロック係合する直前の2つの隣接する外側支持体90、90’を示している。ガイド100、101上の面取りされた面108、109は、サイド支持体90、90’のブリッジ94を隙間106内に向ける。ブリッジ94がプラウ104の頂点に到達すると、外向きのロック構造を有するサイド支持体90’のブリッジは、図13Bに示すように、プラウ104の外側の角度のついた面によって外向きに押されて、上の層の内向きの面にある相補的なロック構造103と係合する。そして、内向きのロック構造を有するサイド支持体90のブリッジは、プラウ104の内側の角度のついた面によって内側に押され、上の層の外向きの面にある相補的なロック構造102と係合する。そのようにして、プラウ104は、2つの連続したサイド支持体90、90’に割り込んで、上の層とインターロック係合させる。層の横方向のインターロック係合により、外側サイド支持体90、90’は、図6のサイド支持体の場合よりも少ない垂直方向の変位で移動することができる。
【0023】
詳細に記載した本発明の特徴は、上昇型スパイラルスタッカーベルト向けのものであるが、下降型スパイラルでも同じ特徴を使用することができる。下降型スパイラルの場合、入口セグメントは反転され、反転された確実駆動セグメントより上で駆動ドラム上に存在し、反転された確実駆動セグメントからスタッカーベルトはその下端で出ることになる。また、上昇又は下降型スパイラルコンベヤの入口部分に隆起部が延びることも可能であろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B