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特許7629900情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-05
(45)【発行日】2025-02-14
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20250206BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20250206BHJP
【FI】
G01C21/26 P
G08G1/005
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022203464
(22)【出願日】2022-12-20
(65)【公開番号】P2024088348
(43)【公開日】2024-07-02
【審査請求日】2024-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷口 博基
【審査官】宮地 将斗
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-139551(JP,A)
【文献】特開2016-188776(JP,A)
【文献】特許第7070960(JP,B1)
【文献】特開2008-241416(JP,A)
【文献】国際公開第2014/148223(WO,A1)
【文献】特開2005-030976(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者から移動距離の指定を受け付ける受付部と、
前記受付部によって指定が受け付けられた前記移動距離の移動ルートであって前記利用者の位置を起点とする複数の移動ルートを検索する検索部と、
前記複数の移動ルートの各々に存在する信号機の制御情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記制御情報に基づいて、前記複数の移動ルートのうち停止に関する条件を満たす移動ルートを判定する判定部と、
前記判定部によって判定された前記移動ルートの情報を通知する通知部と、を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記判定部は、
前記利用者の移動の停止を伴わない移動ルート、前記利用者の移動の停止の回数が最も少ない移動ルート、または前記利用者の移動の停止時間が最も短い移動ルートを前記停止に関する条件を満たす移動ルートとして判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記複数の移動ルートの各々は、
ウォーキングルート、ジョギングルート、ランニングルート、またはサイクリングルートである
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判定部は、
前記複数の移動ルートのうち前記停止に関する条件を満たす移動ルートであって一定ペースで移動できる移動ルートを判定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記判定部は、
前記複数の移動ルートのうち前記停止に関する条件を満たす移動ルートであって予め定められたペースで移動できる移動ルートを判定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記利用者の移動のペースを示す情報である移動ペース情報を受け付ける受付部を備え、
前記判定部は、
前記受付部によって受け付けられた前記移動ペース情報に基づいて、前記複数の移動ルートのうち前記停止に関する条件を満たす移動ルートを判定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記判定部は、
前記取得部によって取得された前記制御情報と前記通知部による通知対象となる利用者の移動速度の履歴とに基づいて、前記複数の移動ルートのうち前記停止に関する条件を満たす移動ルートを判定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記取得部は、
前記通知部によって情報が通知された前記移動ルートの移動を開始した前記利用者の移動状態を示す情報である移動状態情報を取得し、
前記判定部は、
前記取得部によって取得された前記移動状態情報に基づいて、リルートの必要性の有無を判定し、
前記取得部は、
前記判定部によって前記リルートが必要であると判定された場合に、前記利用者の現在地を起点とする複数の新たな移動ルートの各々に存在する信号機の制御情報を新たに取得し、
前記判定部は、
前記取得部によって新たに取得された前記制御情報に基づいて、前記複数の新たな移動ルートのうち停止に関する条件を満たす移動ルートを新たな移動ルートとして判定し、
前記通知部は、
前記判定部によって判定された前記新たな移動ルートの情報を通知する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
利用者から移動距離の指定を受け付ける受付工程と、
前記受付工程によって指定が受け付けられた前記移動距離の移動ルートであって前記利用者の位置を起点とする複数の移動ルートを検索する検索工程と、
前記複数の移動ルートの各々に存在する信号機の制御情報を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された前記制御情報に基づいて、前記複数の移動ルートのうち停止に関する条件を満たす移動ルートを判定する判定工程と、
前記判定工程によって判定された前記移動ルートの情報を通知する通知工程と、を含む
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
利用者から移動距離の指定を受け付ける受付手順と、
前記受付手順によって指定が受け付けられた前記移動距離の移動ルートであって前記利用者の位置を起点とする複数の移動ルートを検索する検索手順と、
前記複数の移動ルートの各々に存在する信号機の制御情報を取得する取得手順と、
前記取得手順によって取得された前記制御情報に基づいて、前記複数の移動ルートのうち停止に関する条件を満たす移動ルートを判定する判定手順と、
前記判定手順によって判定された前記移動ルートの情報を通知する通知手順と、をコンピュータに実行させる
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者が目標消費カロリーを消費するウォーキング、ジョギング、ランニング、またはサイクリングなどの移動ルートを地図情報などに基づいて検索し、検索した移動ルートを表示する情報処理装置が知られている。例えば、特許文献1には、距離が同一である移動ルートが複数抽出された場合は、これらの移動ルートの中から信号が少ない移動ルートを1つ抽出して表示する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第7070960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術は、信号が少ない移動ルートを提案することができるものの、利用者の満足度を高めることができる移動ルートを提案する点で、さらなる改善の余地がある。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者の満足度を高める移動ルートの情報を通知することができる情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、取得部と、判定部と、通知部とを備える。取得部は、利用者の位置を起点とする複数の移動ルートの各々に存在する信号機の制御情報を取得する。判定部は、取得部によって取得された制御情報に基づいて、複数の移動ルートのうち停止に関する条件を満たす移動ルートを判定する。通知部は、判定部によって判定された移動ルートの情報を通知する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、利用者の満足度を高める移動ルートの情報を通知することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る情報処理装置の受付部によって表示部に表示される受け付けフォームの一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る情報処理装置の通知部によって表示部に表示された地図の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る情報処理装置の通知部によって表示部に表示された地図の他の例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る情報処理装置の処理部による情報処理の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、実施形態に係る情報処理装置の処理部による移動ルート判定処理の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.情報処理の一例〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図であり、情報処理装置1によって実行される。
【0011】
図1に示す情報処理装置1は、ルート検索サービスを提供するルート検索アプリケーションプログラム(以下、ルート検索アプリと記載する場合がある)がインストールされており、利用者Uは、情報処理装置1を操作することで、利用者Uの移動ルートを提案するルート検索サービスを利用することができる。
【0012】
ルート検索サービスは、利用者Uの移動ルートであり、例えば、ウォーキングルート、ジョギングルート、ランニングルート、またはサイクリングルートを検索するサービスである。ウォーキングルートは、利用者Uがウォーキングする際の利用者Uの移動ルートであり、ジョギングルートは、利用者Uがジョギングする際の利用者Uの移動ルートである。また、ランニングルートは、利用者Uがランニングする際の利用者Uの移動ルートであり、サイクリングルートは、利用者Uがサイクリングする際の利用者Uの移動ルートである。
【0013】
情報処理装置1は、例えば、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、またはウェアラブルデバイスなどの携帯端末であり、利用者Uが携帯する装置である。ウェアラブルデバイスは、例えば、スマートグラス、またはスマートウォッチなどであるが、かかる例に限定されない。
【0014】
まず、情報処理装置1は、利用者Uによって入力または選択された設定情報を受け付ける(ステップS1)。設定情報は、例えば、第1の設定情報と、第2の設定情報と、第3の設定情報とを含む。
【0015】
第1の設定情報は、例えば、利用者Uの身長、体重、年齢、性別などの情報である。第2の設定情報は、移動種別を示す情報であり、例えば、指定移動距離、指定移動時間、指定移動歩数、または指定移動カロリーなどの情報である。
【0016】
指定移動距離は、利用者Uによって指定された移動距離である。指定移動距離の情報は、移動ルートの起点(始点)からの移動距離を示す移動距離情報の一例である。指定移動時間は、利用者Uによって指定された移動時間である。指定移動歩数は、利用者Uによって指定された歩数である。指定移動カロリーは、利用者Uによって指定された消費カロリーである。
【0017】
第3の設定情報は、ウォーキングルート、ジョギングルート、ランニングルート、およびサイクリングルートを含む複数のルート種別のうちの利用者Uが選択した1以上のルート種別を示す情報である。
【0018】
つづいて、情報処理装置1は、ステップS1で受け付けた設定情報に基づいて、複数の移動ルートを検索する(ステップS2)。これらの複数の移動ルートは、利用者Uの位置を起点とする移動ルートであり、終点が互いに異なるが、これらの複数の移動ルートの一部の終点は同じであってもよく、全部の終点が同じであってもよい。
【0019】
移動ルートの起点となる利用者Uの位置は、現在位置または利用者Uが設定した将来の位置である。情報処理装置1は、例えば、道路管理情報を有しており、かかる道路管理情報に基づいて、複数の移動ルートを検索する。
【0020】
道路管理情報は、道路の情報であり、例えば、交差点やT字路などのノードの情報と、ノード間を接続する歩道や車道であるリンクの情報とを各々複数含む。道路は、人や車両の交通のために設けられた地上の通路である。ノードの情報には、例えば、信号機の情報やノードの距離を示す情報などが含まる。ノードの距離は、ノードの端部間の位置であり、例えば、交差点の距離またはT字路の距離などである。
【0021】
リンクの情報には、例えば、リンクで示される歩道や車道の走行方向の情報、リンクで示される歩道や車道の距離を示す情報、リンクで示される歩道や車道に設けられた交通標識の情報などが含まれる。リンクで示される歩道や車道の距離は、リンクで示される歩道や車道の端部間の距離である。リンクで示される歩道や車道の端部の一端部は、例えば、リンクで示される歩道や車道の起点位置であり、リンクで示される歩道や車道の端部の他端部は、例えば、リンクで示される歩道や車道の終点位置である。
【0022】
交通標識は、例えば、案内標識、警戒標識、規制標識、指示標識などの道路標識などである。規制標識は、例えば、通行止め、速度規制、Uターン禁止、重量規制などを示す標識である。
【0023】
情報処理装置1は、例えば、第2の設定情報に含まれる情報が指定移動距離の情報であるとする。この場合、情報処理装置1は、利用者Uの位置から指定移動距離にある複数の移動ルートを検索する。
【0024】
また、情報処理装置1は、第2の設定情報に含まれる情報が指定移動時間の情報であるとする。この場合、情報処理装置1は、利用者Uが指定移動時間で移動できる距離を指定移動距離とし、利用者Uの位置から指定移動距離にある複数の移動ルートを検索する。
【0025】
利用者Uが指定移動時間で移動できる距離は、例えば、利用者Uの過去の移動履歴に基づいて予測される利用者Uの移動速度と指定移動時間との乗算によって得られる距離である。利用者Uの過去の移動履歴は、例えば、利用者Uの過去の移動距離および移動速度の履歴などを含む。
【0026】
情報処理装置1によって予測される移動速度は、第3の設定情報で示されるルート種別がウォーキングルート、ジョギングルート、ランニングルート、およびサイクリングルートのいずれであるかによって異なる。
【0027】
例えば、情報処理装置1は、第3の設定情報で示されるルート種別がウォーキングルートである場合、利用者Uのウォーキング時の過去の歩道の移動履歴に基づいて利用者Uの移動速度を予測する。また、情報処理装置1は、例えば、第3の設定情報で示されるルート種別がジョギングルートである場合、利用者Uのジョギング時の過去の移動履歴に基づいて利用者Uの歩道の移動速度を予測する。
【0028】
また、情報処理装置1は、例えば、第3の設定情報で示されるルート種別がランニングルートである場合、利用者Uのランニング時の過去の歩道の移動履歴に基づいて利用者Uの移動速度を予測する。また、情報処理装置1は、例えば、第3の設定情報で示されるルート種別がサイクリングルートである場合、利用者Uのサイクリング時の過去の移動履歴に基づいて利用者Uの車道の移動速度を予測する。
【0029】
また、利用者Uが指定移動時間で移動できる距離は、第2の設定情報に指定移動時間に加えて指定移動速度の情報が含まれている場合、指定移動時間と指定移動速度との乗算によって得られる距離である。指定移動速度は、起点から終点までの間での一定の移動速度であるが、起点から終点までの間の単位距離毎の一定の移動速度であってもよく、移動距離に応じて曲線的に変化する移動速度であってもよい。
【0030】
また、情報処理装置1は、第2の設定情報に含まれる情報が指定移動歩数の情報である場合、利用者Uが指定移動歩数で移動できる距離を指定移動距離として算出し、利用者Uの位置から指定移動距離にある移動ルートであって互いに異なる複数の終点までの複数の移動ルートを検索する。
【0031】
利用者Uが指定移動歩数で移動できる距離は、例えば、利用者Uの過去の移動履歴に基づいて予測される利用者Uの歩幅と指定移動歩数との乗算によって得られる距離である。利用者Uの歩幅は、第3の設定情報で示されるルート種別がウォーキングルート、ジョギングルート、およびランニングルートのいずれであるかによって異なる。
【0032】
例えば、情報処理装置1は、第3の設定情報で示されるルート種別がウォーキングルートである場合、利用者Uのウォーキング時の過去の歩道の移動履歴に基づいて利用者Uの歩幅を予測する。また、情報処理装置1は、例えば、第3の設定情報で示されるルート種別がジョギングルートである場合、利用者Uのジョギング時の過去の歩道の移動履歴に基づいて利用者Uの歩幅を予測する。
【0033】
また、情報処理装置1は、例えば、第3の設定情報で示されるルート種別がランニングルートである場合、利用者Uのランニング時の過去の歩道の移動履歴に基づいて利用者Uの歩幅を予測する。
【0034】
また、情報処理装置1は、第2の設定情報に含まれる情報が指定移動カロリーである場合、利用者Uが指定移動カロリーで移動できる距離を指定移動距離とし、利用者Uの位置から指定移動距離にある移動ルートであって互いに異なる複数の終点までの複数の移動ルートを検索する。
【0035】
利用者Uが指定移動カロリーで移動できる距離は、例えば、第1の設定情報で示される利用者Uの体重で特定される単位距離(例えば、1km)当たりの消費カロリーである単位消費カロリーで指定移動カロリーを除算して得られる距離である。
【0036】
単位消費カロリーは、第3の設定情報で示されるルート種別がウォーキングルート、ジョギングルート、およびランニングルートのいずれであるかによって異なる。また、単位消費カロリーは、利用者Uの体重に加えて、利用者Uの身長および性別のうちの1つに応じた消費カロリーであってもよい。
【0037】
情報処理装置1は、例えば、起点から終点までのノードとリンクとを繋いでいくことで、起点から終点までの移動ルートを特定し、移動ルートを検索する。情報処理装置1によって検索される移動ルートの情報には、起点から終点までのリンクの情報とノードの情報とが含まれる。
【0038】
第3の設定情報で示されるルート種別がウォーキングルート、ジョギングルート、またはランニングルートであるとする。この場合、情報処理装置1は、起点から終点までの歩道のノードとリンクとを繋いでいくことで、起点から終点までの移動ルートを特定する。
【0039】
また、第3の設定情報で示されるルート種別がサイクリングルートであるとする。この場合、情報処理装置1は、起点から終点までの車道のノードとリンクとを繋いでいくことで、起点から終点までの移動ルートを特定する。
【0040】
つづいて、情報処理装置1は、ステップS2で検索された複数の移動ルートの各々の制御情報および交通量情報を交通情報提供装置2から取得する(ステップS3)。ステップS3において、情報処理装置1は、複数の移動ルートの各々の制御情報および交通量情報を内部の記憶部または交通情報提供装置2などから取得する。
【0041】
制御情報は、移動ルートに存在する信号機の制御情報であり、例えば、移動ルートに存在する信号機の信号制御パターンの情報と移動ルートに存在する信号機の信号制御タイミングの情報を含む。信号制御パターンの情報は、例えば、信号機で示される信号が青信号である期間を示す情報、信号機で示される信号が黄色信号である期間を示す情報、および信号機で示される信号が赤信号である期間を示す情報などを含む。
【0042】
信号制御タイミングの情報は、信号機で示される信号が変化するタイミングであり、例えば、信号機で示される信号が最後に青信号に切り替わったタイミングを示す情報であるが、信号機で示される信号が最後に赤信号に切り替わったタイミングを示す情報であってもよく、それ以外の情報であってもよい。
【0043】
移動ルートに存在する上述した信号機は、定周期式信号機であるが、感応式信号機を含んでいてもよい。移動ルートに存在する信号機が感応式信号機である場合、制御情報は、例えば、過去の信号変化の履歴に基づいて交通情報提供装置2または情報処理装置1によって予測される制御情報である。交通情報提供装置2または情報処理装置1によって予測される制御情報は、例えば、曜日毎および時間帯毎の制御情報であるが、かかる例に限定されない。
【0044】
交通量情報は、移動ルートの交通量に関する情報であり、例えば、移動ルートに含まれる各リンクや各ノードの車両の数を示す情報を含む。各リンクや各ノードにおける車両の数は、リアルタイムの車両の数、または過去の交通量履歴に基づいて予測される車両の数である。
【0045】
なお、交通量は、車両の数に代えてまたは加えて、平均移動速度で示されてもよい。平均移動速度は、リアルタイムの平均移動速度または過去の交通量履歴に基づいて予測される平均移動速度である。予測される車両の数や平均移動速度は、例えば、曜日毎および時間帯毎の情報であるが、かかる例に限定されない。
【0046】
情報処理装置1は、移動ルートの情報に基づいて、交通情報提供装置2から制御情報を取得する。例えば、情報処理装置1は、移動ルートの情報で示される各ノードの情報および各リンクの情報を含む情報送信要求を交通情報提供装置2に送信する(ステップS3-1)ことによって、交通情報提供装置2から交通量情報および制御情報を取得する(ステップS3-2)。
【0047】
交通情報提供装置2は、情報送信要求で示される各ノードの信号機の制御情報と情報送信要求で示される各リンクや各ノードの交通量情報とを情報処理装置1に送信する。情報処理装置1は、交通情報提供装置2から送信される各ノードの信号機の制御情報と情報送信要求で示される各リンクや各ノードの交通量情報とを取得する。なお、情報処理装置1は、ステップS3の処理の前に、交通情報提供装置2からすべてのノードの制御情報を予め取得することもできる。
【0048】
つづいて、情報処理装置1は、ステップS3で取得した制御情報および交通量情報に基づいて、ステップS2で検索した複数の移動ルートのうち予め定められた条件を満たす移動ルートを判定する(ステップS4)。
【0049】
例えば、情報処理装置1は、ステップS3で取得した制御情報に基づいて、ステップS2で検索した複数の移動ルートのうち停止に関する条件である停止関連条件を満たす移動ルートを判定する。停止関連条件を満たす移動ルートは、利用者Uの移動の停止を伴わない移動ルート、利用者Uの移動の停止の回数が最も少ない移動ルート、または利用者Uの移動の停止時間が最も短い移動ルートである。
【0050】
以下において、利用者Uの移動の停止を伴わない移動ルートを非停止ルートと記載し、利用者Uの移動の停止の回数が最も少ない移動ルートを最小停止回数ルートと記載し、利用者Uの移動の停止時間が最も短い移動ルートを最短停止時間ルートと記載する場合がある。
【0051】
情報処理装置1は、ステップS3で取得した交通量情報および制御情報に基づいて、各特定ノードでの停止の有無、および各特定ノードでの停止時間などを予測する。特定ノードは、信号機が配置されているノードである。
【0052】
そして、情報処理装置1は、各特定ノードでの停止の有無、および各特定ノードでの停止時間などに基づいて、ステップS2で検索した複数の移動ルートのうち停止関連条件を満たす移動ルートを判定する。
【0053】
例えば、情報処理装置1は、ステップS2で検索した複数の移動ルートのうち停止関連条件を満たす移動ルートとして、非停止ルート、最短停止時間ルート、および最小停止回数ルートのうちの少なくとも1つを判定する。
【0054】
情報処理装置1は、ステップS4において、ステップS2で検索した複数の移動ルートのうち停止関連条件を満たす移動ルートであって一定ペースで移動できる移動ルートを判定することができる。
【0055】
例えば、情報処理装置1は、ステップS2で検索した複数の移動ルートのうち非停止ルートを一定ペースで移動できる移動ルートとして判定する。一定ペースとは、例えば、予め定められた速度範囲のペースであり、例えば、平均移動速度を中央値として予め定められた範囲の速度である。
【0056】
また、情報処理装置1は、複数の非停止ルートのうち、過去に利用者Uが移動したペースが一定ペースである非停止ルートを一定ペースで移動できる移動ルートとして判定することもできる。また、情報処理装置1は、複数の非停止ルートのうち歩道の幅や自転車レーンの幅が閾値以上である移動ルートを一定ペースで移動できる移動ルートとして判定することもできる。
【0057】
また、情報処理装置1は、ステップS5において、ステップS2で検索した複数の移動ルートのうち停止関連条件を満たす移動ルートであって予め定められたペースで移動できる移動ルートを判定することができる。
【0058】
予め定められたペースは、利用者Uによって設定されたペースであり、例えば、一定の移動速度、段階的に速くなる移動速度、または特定のパターンで変化する移動速度などであるが、かかる例に限定されない。
【0059】
また、情報処理装置1は、起点からの出発時刻毎に、複数の移動ルートの各々の移動時間、各特定ノードでの停止の有無、および各特定ノードでの停止時間などを予測することもできる。例えば、情報処理装置1は、現時刻、現時刻から単位時間(例えば、5分や10分)刻みの将来の各時刻をそれぞれ出発時刻として、複数の移動ルートの各々の移動時間、各特定ノードでの停止の有無、および各特定ノードでの停止時間などを予測する。
【0060】
この場合、情報処理装置1は、起点からの出発時刻毎に、非停止ルート、最短停止時間ルート、および最小停止回数ルートなどを判定することができる。そして、情報処理装置1は、出発時刻毎の非停止ルートのうち最も移動時間が短い非停止ルートを選択非停止ルートとして判定する。
【0061】
また、情報処理装置1は、出発時刻毎の最短停止時間ルートのうち最も停止時間が短い最短停止時間ルートを選択最短停止時間ルートとして判定する。また、情報処理装置1は、出発時刻毎の最小停止回数ルートのうち最も停止回数が少ない最小停止回数ルートを選択最小停止回数ルートとして判定する。
【0062】
また、予め定められた条件を満たす移動ルートは、例えば、停止関連条件を満たす移動ルートに代えてまたは加えて、停止関連条件を満たし且つ交通量に関する条件を満たす移動ルートであってもよい。
【0063】
停止関連条件を満たし且つ交通量に関する条件を満たす移動ルートは、例えば、停止関連条件を満たす移動ルートのうち交通量に関する条件を満たす移動ルートである。交通量に関する条件を満たす移動ルートは、例えば、平均的な交通量が最も少ない移動ルート、最も交通量が多いリンクの交通量が最も少ない移動ルート、または交通量が閾値以下であるリンクの数が最も少ない移動ルートである。利用者Uは、交通量が少ないルートを移動することで、より安心して移動することができる。
【0064】
つづいて、情報処理装置1は、ステップS4で判定した移動ルートの情報を利用者Uに通知する(ステップS5)。例えば、情報処理装置1は、ステップS4で判定した移動ルートを地図上で強調表示した地図情報を表示部に表示したり、ステップS4で判定した移動ルートの情報をスピーカから出力したりすることによって、ステップS4で判定した移動ルートの情報を通知する。
【0065】
例えば、ステップS4で判定された移動ルートが、非停止ルート、最短停止時間ルート、および最小停止回数ルートであるとする。この場合、情報処理装置1は、例えば、最短停止時間ルート、および最小停止回数ルートの各々を地図上で互いに異なる態様(例えば、色や線の太さなど)で強調表示した地図情報を表示部に表示する。
【0066】
図1に示す例では、情報処理装置1において、最短停止時間ルート、および最小停止回数ルートの各々が地図上で互いに異なる態様(線の太さなど)で強調表示した地図情報が表示されている。
【0067】
また、ステップS4で判定された移動ルートが、選択非停止ルート、選択最短停止時間ルート、および選択最小停止回数ルートであるとする。この場合、情報処理装置1は、例えば、選択非停止ルート、選択最短停止時間ルート、および選択最小停止回数ルートの各々を地図上で互いに異なる態様(例えば、色や線の太さなど)で強調表示した地図情報を表示部に表示する。
【0068】
加えて、情報処理装置1は、選択非停止ルート、選択最短停止時間ルート、および選択最小停止回数ルートの各々の出発時刻を示す情報をさらに含む上述した地図情報を表示部に表示する。
【0069】
つづいて、情報処理装置1は、ステップS5において移動ルートの情報を通知した利用者Uが、ステップS4で判定した移動ルートの移動を開始した場合、新たな移動ルートの通知が必要であるか否かを判定する(ステップS6)。
【0070】
例えば、情報処理装置1は、ステップS4で判定した移動ルートの利用者Uの移動状態を示す情報である移動状態情報を不図示のセンサ群などから取得する。移動状態情報は、例えば、利用者Uの移動位置を示す情報と利用者U移動速度を示す情報とを含む。
【0071】
情報処理装置1は、取得した移動状態情報に基づいて、利用者Uの移動状態が、ステップS4で判定した移動ルートで想定される利用者Uの移動状態と異なるか否かを判定する。情報処理装置1は、利用者Uの移動状態が、ステップS4で判定した移動ルートで想定される利用者Uの移動状態と異なると判定した場合に、新たな移動ルートの通知が必要であると判定することができる。
【0072】
利用者Uの移動状態は、例えば、利用者Uの移動位置および移動速度などであり、利用者Uの経過時間毎の移動位置(例えば、緯度経度、リンク、またはノード)や利用者Uの各区間(ノードやリンク)における平均移動速度などであるが、かかる限定されない。
【0073】
また、情報処理装置1は、利用者Uの現在地を起点として、ステップS4で判定した移動ルートが停止関連条件を満たすか否かを判定し、ステップS4で判定した移動ルートが停止関連条件を満たさない場合に、新たな移動ルートの通知が必要であると判定することもできる。ステップS6においてステップS4で判定した移動ルートが停止関連条件を満たすか否かの判定方法は、ステップS4での判定方法と同様である。
【0074】
つづいて、情報処理装置1は、ステップS6において新たな移動ルートの通知が必要であると判定した場合、新たな移動ルートを判定する(ステップS7)。ステップS7における移動ルートの判定方法は、ステップS4における移動ルートの判定方法と同様である。
【0075】
例えば、ステップS7において、情報処理装置1は、利用者Uの現在地を起点とする複数の新たな移動ルートを検索し、検索した複数の新たな移動ルートの各々の交通量情報や検索した複数の新たな移動ルートの各々に存在する信号機の制御情報などを交通情報提供装置2から取得する。ステップS7における移動ルートの検索方法は、ステップS2における移動ルートの検索方法と同様であり、ステップS7における交通量情報や制御情報の取得方法は、ステップS3における制御情報の取得方法と同じである。
【0076】
情報処理装置1は、上述のように取得した交通量情報および制御情報などに基づいて、ステップS4における判定方法と同様の方法で、複数の新たな移動ルートのうち停止関連条件などを満たす移動ルートを通知対象となる新たな移動ルートとして判定する。
【0077】
つづいて、情報処理装置1は、ステップS7で判定した新たな移動ルートの情報を利用者Uに通知する(ステップS8)。新たな移動ルートの情報の通知方法は、ステップS5での通知方法と同様である。
【0078】
情報処理装置1は、利用者Uの移動状態が、ステップS4で判定した移動ルートで想定される利用者Uの移動状態と異なると判定した場合において、ステップS4で判定した移動ルートで想定される利用者Uの移動状態になるように、利用者Uに通知を行うこともできる。
【0079】
例えば、情報処理装置1は、利用者Uの移動状態とステップS4で判定した移動ルートで想定される利用者Uの移動状態との差を算出し、当該差を無くすために必要な利用者Uの移動速度を通知用の移動速度として判定する。
【0080】
そして、情報処理装置1は、通知用の移動速度に関する情報を利用者Uに通知する。通知用の移動速度に関する情報は、例えば、「ピッチをあと2段階(例えば、2km/h)上げて下さい」、「次の特定ノードに20秒後に到着するようにピッチを上げて下さい」などである。
【0081】
このように、情報処理装置1は、利用者Uの位置を起点とする複数の移動ルートの各々に存在する信号機の制御情報に基づいて、複数の移動ルートのうち停止関連条件を満たす移動ルートを判定し、判定した移動ルートの情報を通知する。これにより、情報処理装置1は、利用者Uの満足度を高める移動ルートの情報を通知することができる。
【0082】
以下、このような処理を行う情報処理装置1および交通情報提供装置2を含む情報処理システムの構成などについて、詳細に説明する。
【0083】
〔2.情報処理システムの構成〕
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。図2に示すように、実施形態に係る情報処理システム100は、情報処理装置1と、交通情報提供装置2とを含む。
【0084】
情報処理装置1は、互いに異なる利用者Uによって用いられる。情報処理装置1は、例えば、スマートフォン、タブレットPC、またはウェアラブルデバイスである。ウェアラブルデバイスは、例えば、スマートグラス、またはスマートウォッチなどであるが、かかる例に限定されない。例えば、情報処理装置1は、自転車に設けられる装置であってもよい。
【0085】
情報処理装置1および交通情報提供装置2は、ネットワークNを介して、有線または無線により互いに通信可能に接続される。なお、図2に示す情報処理システム100には、情報処理装置1や交通情報提供装置2などが複数含まれてもよい。
【0086】
ネットワークNは、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)およびLTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)などの移動体通信網などを含む。
【0087】
情報処理装置1は、移動体通信網や、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)などの近距離無線通信を介してネットワークNに接続し、交通情報提供装置2と通信することができる。
【0088】
〔3.情報処理装置1〕
図3は、実施形態に係る情報処理装置1の構成の一例を示す図である。図3に示すように、実施形態に係る情報処理装置1は、通信部10と、表示部11と、操作部12と、センサ群13と、記憶部14と、処理部15とを備える。
【0089】
〔3.1.通信部10〕
通信部10は、例えば、NIC(Network Interface Card)などによって実現される。通信部10は、ネットワークNと有線または無線で接続され、ネットワークNを介して、交通情報提供装置2との間で情報の送受信を行う。
【0090】
〔3.2.表示部11〕
表示部11は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)または有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどである。
【0091】
〔3.3.操作部12〕
操作部12は、例えば、文字、数字、およびスペースを入力するためのキー、エンターキーおよび矢印キーなどを含むキーボード、マウス、および電源ボタンなどを含む。表示部11は、タッチパネル対応ディスプレイである場合、操作部12はタッチパネルを含む。
【0092】
〔3.4.センサ群13〕
センサ群13は、例えば、温度センサ、湿度センサ、照度センサ、測位センサ、マイク、加速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ、およびイメージセンサなどを含む。測位センサは、情報処理装置1の位置を検出する位置センサである。
【0093】
温度センサは、情報処理装置1の周囲の温度を検出するセンサである。湿度センサは、情報処理装置1の周囲の湿度を検出するセンサである。照度センサは、情報処理装置1の周囲の照度を検出するセンサである。マイクは、情報処理装置1の周囲の音を検出するセンサである。
【0094】
加速度センサは、情報処理装置1の加速度を検出するセンサである。ジャイロセンサは、情報処理装置1の傾きおよび回転などの姿勢を検出するセンサである。地磁気センサは、地磁気を検出するセンサである。イメージセンサは、情報処理装置1の周囲を撮像するセンサである。
【0095】
〔3.5.記憶部14〕
記憶部14は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。
【0096】
記憶部14には、例えば、交通情報提供装置2から送信されネットワークNおよび通信部10を介して処理部15によって取得された情報およびセンサ群13によって検出された情報である検出情報などが記憶される。
【0097】
記憶部14は、道路情報記憶部20と、利用者情報記憶部21と、設定情報記憶部22とを備える。
【0098】
〔3.5.1.道路情報記憶部20〕
道路情報記憶部20は、道路管理情報および交通量情報などを記憶する。道路管理情報は、例えば、交差点やT字路などのノードの情報と、ノード間を接続する歩道や車道であるリンクの情報とを各々複数含む。
【0099】
ノードの情報には、例えば、信号機の情報やノードの距離を示す情報などが含まる。信号機の情報は、例えば、信号機を特定するための情報を含む。信号機を特定するための情報は、例えば、信号機の識別情報である。ノードの距離は、ノードの端部間の位置であり、例えば、交差点の距離を示す情報またはT字路の距離を示す情報である。
【0100】
リンクの情報には、例えば、リンクで示される歩道や車道の移動方向の情報、リンクで示される歩道や車道の距離を示す情報、リンクで示される歩道や車道に設けられた交通標識の情報などが含まれる。
【0101】
リンクで示される歩道や車道の距離は、リンクで示される歩道や車道の端部間の距離である。リンクで示される歩道や車道の端部の一端部は、例えば、リンクで示される歩道や車道の起点位置であり、リンクで示される歩道や車道の端部の他端部は、例えば、リンクで示される歩道や車道の終点位置である。
【0102】
交通標識は、例えば、案内標識、警戒標識、規制標識、指示標識などの道路標識などである。規制標識は、例えば、通行止め、速度規制、Uターン禁止、重量規制などを示す標識である。
【0103】
また、道路管理情報には、制御情報および規制情報などが含まれている。制御情報は、移動ルートに存在する信号機の制御情報であり、例えば、移動ルートに存在する信号機の信号制御パターンの情報と移動ルートに存在する信号機の信号制御タイミングの情報を含む。
【0104】
信号制御パターンの情報は、例えば、信号機で示される信号が青信号である期間を示す情報、信号機で示される信号が黄色信号である期間を示す情報、および信号機で示される信号が赤信号である期間を示す情報を含む。
【0105】
信号制御タイミングの情報は、例えば、信号機で示される信号が最後に青信号に切り替わったタイミングを示す情報であるが、信号機で示される信号が最後に赤信号に切り替わったタイミングを示す情報であってもよく、それ以外の情報であってもよい。
【0106】
移動ルートに存在する上述した信号機は、定周期式信号機であるが、感応式信号機を含んでいてもよい。移動ルートに存在する信号機が感応式信号機である場合、制御情報は、例えば、過去の信号変化の履歴に基づいて交通情報提供装置2または処理部15によって予測される制御情報である。交通情報提供装置2または処理部15によって予測される制御情報は、例えば、曜日毎および時間帯毎の制御情報であるが、かかる例に限定されない。
【0107】
規制情報は、例えば、リンクやノードにおける特定の移動規制の箇所を示す情報とリンクやノードにおける特定の移動規制の種別を示す情報などを含む。特定の移動規制は、利用者Uの移動が規制(例えば、禁止)される移動規制であり、一時的な通行禁止、一時的な通行止め、または一時的な一方通行などであるが、これらの移動規制に限定されず、利用者Uの移動に規制が加わる種別であればよい。
【0108】
交通量情報は、移動ルートの交通量に関する情報であり、例えば、移動ルートに含まれる各リンクや各ノードの車両の数を示す情報を含む。各リンクや各ノードにおける車両の数は、リアルタイムの車両の数、または過去の交通量履歴に基づいて処理部15によって予測される車両の数である。
【0109】
なお、交通量は、車両の数に代えてまたは加えて、平均移動速度で示されてもよい。平均移動速度は、リアルタイムの平均移動速度または過去の交通量履歴に基づいて処理部15によって予測される平均移動速度である。予測される車両の数や平均移動速度は、例えば、曜日毎および時間帯毎の情報であるが、かかる例に限定されない。
【0110】
〔3.5.2.利用者情報記憶部21〕
利用者情報記憶部21は、利用者Uに関する情報である利用者情報を含む。利用者情報は、利用者Uの属性を示す情報である属性情報、利用者Uによって過去に選択された移動ルートに関する情報である移動履歴情報などを含む。
【0111】
利用者Uの属性は、例えば、デモグラフィック属性、サイコグラフィック属性などである。デモグラフィック属性は、人口統計学的属性であり、例えば、年齢、性別、職業、居住地、年収、家族構成などの複数の属性項目を含む。
【0112】
サイコグラフィック属性は、心理学的属性であり、例えば、ライフスタイル、価値観、興味関心などに関する複数の属性項目を含む。例えば、サイコグラフィック属性における複数の属性項目の各々は、車、服、旅行、ゲーム、キャンプ、バイク、電車、家電、またはパソコンなどといった利用者Uの興味関心を有する対象である。
【0113】
移動履歴情報は、利用者Uによって過去に選択された移動ルートを示す情報、利用者Uによって過去に選択された移動ルートに対する利用者Uの過去の移動状態を示す情報などを含む。移動ルートを示す情報は、例えば、移動ルートの起点および終点を示す情報、移動ルートに含まれるリンクおよびノードの各々を示す情報などを含む。
【0114】
利用者Uの過去の移動状態は、例えば、利用者Uによって過去に選択されたルート種別を示す情報、利用者Uの過去の移動位置、利用者Uの過去の移動速度などの情報を含む。利用者Uの移動位置や移動速度は、センサ群から出力される検出情報に含まれる位置情報で示される位置や、かかる位置情報に基づいて算出される速度であるが、かかる例に限定されない。
【0115】
利用者Uの移動速度は、例えば、各リンクの移動速度の情報および各ノードの移動速度の情報などを含む。ルート種別は、上述したように、ウォーキングルート、ジョギングルート、ランニングルート、またはサイクリングルートである。
【0116】
〔3.5.3.設定情報記憶部22〕
設定情報記憶部22は、利用者Uによって予め設定された情報である設定情報を記憶する。設定情報は、例えば、利用者Uが設定した移動ルートの情報、利用者Uが設定した起点の情報などが含まれる。
【0117】
また、設定情報は、例えば、非停止ルート、最短停止時間ルート、および最小停止回数ルートのうち利用者Uに優先して通知する移動ルートの種別を示す情報を含む。
【0118】
〔3.6.処理部15〕
処理部15は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)などによって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。
【0119】
処理部15は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により一部または全部が実現されてもよい。処理部15は、OS(Operating System)上での上述のルート検索アプリの実行などによって、取得部30と、受付部31と、検索部32と、判定部33と、通知部34とを含む機能部として機能する。
【0120】
〔3.6.1.取得部30〕
取得部30は、交通情報提供装置2や外部の情報処理装置などから通信部10を介して種々の情報を取得し、取得した種々の情報を記憶部14に記憶させる。
【0121】
例えば、取得部30は、交通情報提供装置2や外部の情報処理装置などから通信部10を介して、交通量情報、制御情報、および規制情報などを取得し、取得した交通量情報、制御情報、および規制情報などを道路情報記憶部20に記憶させる。
【0122】
また、取得部30は、外部の情報処理装置などから通信部10を介して利用者Uの属性を示す情報を取得し、取得した利用者Uの属性を示す情報を利用者情報記憶部21に記憶させることもできる。
【0123】
また、取得部30は、記憶部14から各種の情報を取得する。例えば、取得部30は、道路管理情報および交通量情報などを道路情報記憶部20から取得する。また、取得部30は、利用者Uの情報である利用者情報を利用者情報記憶部21から取得する。また、取得部30は、利用者Uによって設定された設定情報を設定情報記憶部22から取得する。
【0124】
取得部30は、例えば、受付部31によってルート検索要求が受け付けられた場合に、受付部31によって受け付けられた設定情報などに基づいて、距離情報および規制情報などを道路情報記憶部20から取得する。その後、取得部30は、検索部32によって検索された複数の移動ルートの各々の交通量情報および制御情報を道路情報記憶部20から取得する。制御情報は、上述したように、移動ルートに存在する信号機の制御情報である。
【0125】
検索部32によって検索される複数の移動ルートは、利用者Uの位置を起点とする異なる複数の移動ルートであり、例えば、ウォーキングルート、ジョギングルート、ランニングルート、サイクリングルートなどである。
【0126】
なお、取得部30は、受付部31によってルート検索要求が受け付けられた場合などに、検索部32によって検索された複数の移動ルートの距離情報、規制情報、交通量情報、および制御情報などが記憶部14に記憶されていなければ、交通情報提供装置2から、移動ルートにおける距離情報、規制情報、交通量情報、および制御情報などを取得することもできる。
【0127】
取得部30は、通知部34によって情報が通知された移動ルートの移動を開始した利用者Uの移動状態を示す情報である移動状態情報を繰り返し取得する。例えば、取得部30は、利用者Uによる移動状態を示す情報である移動状態情報を利用者情報記憶部21またはセンサ群13などから繰り返し取得する。
【0128】
また、取得部30は、判定部33によってリルート(新たな移動ルートの検索)が必要であると判定した場合に、利用者Uの現在地を起点とする複数の新たな移動ルートの各々情報を新たに取得する。例えば、取得部30は、複数の新たな移動ルートの距離情報、規制情報、交通量情報、および制御情報などを含むルート再判定用情報を道路情報記憶部20または交通情報提供装置2から取得する。
【0129】
〔3.6.2.受付部31〕
受付部31は、利用者Uによる操作部12の操作によって利用者Uによって入力または選択された種々の情報や要求を受け付ける。
【0130】
例えば、受付部31は、利用者Uによって入力または選択された設定情報を受け付け、受け付けた設定情報を利用者情報記憶部21に記憶させる。設定情報は、上述したように、例えば、第1の設定情報と、第2の設定情報と、第3の設定情報とを含む。
【0131】
第1の設定情報は、例えば、利用者Uの身長、体重、年齢、性別などの情報である。第2の設定情報は、指定移動距離、指定移動時間、指定移動歩数、または指定移動カロリーなどの情報である。
【0132】
指定移動距離は、利用者Uによって指定された移動距離である。指定移動距離の情報は、移動ルートの起点からの移動距離を示す移動距離情報の一例である。指定移動時間は、利用者Uによって指定された移動時間である。指定移動歩数は、利用者Uによって指定された歩数である。指定移動カロリーは、利用者Uによって指定された消費カロリーである。
【0133】
第3の設定情報は、ウォーキングルート、ジョギングルート、ランニングルート、およびサイクリングルートを含む複数のルート種別のうちの利用者Uが選択したルート種別を示す情報である。
【0134】
また、受付部31は、利用者Uによって入力または選択された移動ペース情報を受け付ける。移動ペース情報は、通知部34によって情報が通知される移動ルートを利用者Uの移動のペースを示す情報である。移動ペース情報は、上述した指定移動速度を示す情報であり、例えば、第2の設定情報に含まれるが、第2の設定情報とは別に受付部31によって受け付けられる情報であってもよい。
【0135】
移動ペース情報で示される移動ペースは、移動ルートにおける起点から終点までの間での一定の移動速度であるが、移動ルートにおける起点から終点までの間の単位距離毎の一定の移動速度であってもよく、移動ルートにおける移動距離に応じて曲線的に変化する移動速度であってもよい。
【0136】
また、受付部31は、ルート検索要求やルート案内要求を受け付ける。ルート検索要求は、例えば、利用者Uによる操作部12の操作によってルート検索ボタンが選択された場合に生じ、ルート案内要求は、例えば、利用者Uによる操作部12の操作によってルート案内ボタンが選択された場合に生じる。
【0137】
また、受付部31は、利用者Uによって入力または選択された移動ルートの起点の情報を受け付ける。移動ルートの起点は、例えば、上述した設定情報に第4の設定情報として含まれてもよい。受付部31は、移動ルートの起点が利用者Uによって入力または選択されていない状態において、ルート検索要求を受け付けた場合、利用者Uの現在地を移動ルートの起点として受け付ける。
【0138】
図4は、実施形態に係る情報処理装置1の受付部31によって表示部11に表示される受け付けフォームの一例を示す図である。図4に示す受け付けフォーム50には、起点入力枠51と、ルート種別選択枠52と、移動種別選択枠53と、指定値入力枠54と、ルート検索ボタン55と、ルート案内ボタン56と、出発時刻選択領域57と、地図60とを含む。地図60では、利用者Uによってルート検索ボタン55が選択(押下)された場合に検索部32によって検索された移動ルートが示される。
【0139】
起点入力枠51は、移動ルートの起点を示す情報を入力するための入力枠であり、利用者Uは、操作部12への操作によって起点入力枠51に起点を示す情報を入力したり、地図60上の位置を選択することによって起点入力枠51に起点を示す情報を入力したりすることができる。なお、利用者Uによって起点が入力されない場合、起点入力枠51には、利用者Uの現在地を示す情報が設定される。
【0140】
ルート種別選択枠52は、移動ルートのルート種別を選択するための選択枠であり、例えば、コンボボックスやリストボックスで示される。ルート種別は、例えば、上述したウォーキングルート、ジョギングルート、ランニングルート、サイクリングルートなどである。
【0141】
移動種別選択枠53は、移動ルートの移動種別を選択するための選択枠であり、例えば、コンボボックスやリストボックスで示される。移動種別は、例えば、指定移動距離、指定移動時間、指定移動歩数、または指定移動カロリーなどである。
【0142】
指定値入力枠54は、指定値を入力するための入力枠である。指定値は、例えば、移動種別が指定移動距離である場合、指定移動距離を示す情報であり、移動種別が指定移動時間である場合、指定移動時間を示す情報である。また、指定値は、例えば、移動種別が指定移動歩数である場合、指定移動歩数を示す情報であり、移動種別が指定移動カロリーである場合、指定移動カロリーを示す情報である。
【0143】
ルート検索ボタン55は、移動ルートの検索をルート検索アプリに要求するためのボタンである。ルート案内ボタン56は、ルート検索ボタン55の押下によってルート検索アプリによって検索された移動ルートであって地図60上に示され且つ利用者Uによって選択された移動ルートの案内をルート検索アプリに要求するためのボタンである。
【0144】
出発時刻選択領域57は、出発時刻を現時刻にするのか最適時刻にするのかを選択するための領域である。最適時刻は、例えば、上述した選択最短停止時間ルート、選択非停止ルート、および選択最小停止回数ルートなどの出発時刻である。
【0145】
受付部31は、起点入力枠51に入力された起点を示す情報、ルート種別選択枠52に設定されたルート種別を示す情報、移動種別選択枠53に設定された移動種別を示す情報、指定値入力枠54に入力された指定値の情報、および出発時刻選択領域57で指定された出発時刻の情報などを受け付ける。
【0146】
また、受付部31は、利用者Uのルート検索ボタン55の選択(押下)によるルート検索要求を受け付け、利用者Uのルート案内ボタン56選択(押下)によるルート案内要求を受け付ける。
【0147】
〔3.6.3.検索部32〕
検索部32は、受付部31によってルート検索要求が受け付けられた場合などに、受付部31によって受け付けられた設定情報と取得部30によって取得された情報とに基づいて、複数の移動ルートを検索する。
【0148】
検索部32によって検索される複数の移動ルートは、互いに起点が同一の移動ルートであり、少なくとも一部のノードやリンクが互いに異なり、終点が互いに異なるが、一部または全部の移動ルートは、終点が同じであってもよい。また、検索部32によって検索される複数の移動ルートは、一部または全部の起点が異なっていてもよい。
【0149】
また、検索部32によって検索される移動ルートは、起点と終点とを結ぶ直線の距離が閾値以内であるが、かかる例に限定されない。閾値は、例えば、移動距離の1/nの値である。nは、例えば、2以上の整数であり、例えば、10である。
【0150】
移動ルートの起点となる利用者Uの位置は、現在位置または利用者Uが設定した将来の位置である。検索部32は、例えば、取得部30によって取得された道路管理情報に基づいて、複数の移動ルートを検索する。また、検索部32は、取得部30によって取得された道路管理情報と交通量情報とに基づいて、複数の移動ルートを検索することもできる。
【0151】
検索部32は、例えば、受付部31によって受け付けられた移動種別が指定移動距離である場合、利用者Uの位置から指定移動距離にある複数の移動ルートを検索する。
【0152】
また、検索部32は、受付部31によって受け付けられた移動種別が指定移動時間の情である場合、利用者Uが指定移動時間で移動できる距離を指定移動距離とし、利用者Uの位置から指定移動距離にある複数の移動ルートを検索する。
【0153】
利用者Uが指定移動時間で移動できる距離は、例えば、利用者Uの過去の移動履歴に基づいて予測される利用者Uの移動速度と指定移動時間との乗算によって得られる距離である。利用者Uの過去の移動履歴は、例えば、利用者Uの過去の移動距離および移動速度の履歴などを含む。検索部32は、利用者Uの移動速度を予測する予測部としての機能を有する。
【0154】
検索部32によって予測される移動速度は、受付部31によって受け付けられたルート種別がウォーキングルート、ジョギングルート、ランニングルート、およびサイクリングルートのいずれであるかによって異なる。
【0155】
例えば、検索部32は、受付部31によって受け付けられたルート種別がウォーキングルートである場合、利用者Uのウォーキング時の過去の歩道の移動履歴に基づいて利用者Uの移動速度を予測する。また、検索部32は、例えば、受付部31によって受け付けられたルート種別がジョギングルートである場合、利用者Uのジョギング時の過去の移動履歴に基づいて利用者Uの歩道の移動速度を予測する。
【0156】
また、検索部32は、例えば、受付部31によって受け付けられたルート種別がランニングルートである場合、利用者Uのランニング時の過去の歩道の移動履歴に基づいて利用者Uの移動速度を予測する。また、検索部32は、例えば、受付部31によって受け付けられたサイクリングルートである場合、利用者Uのサイクリング時の過去の移動履歴に基づいて利用者Uの車道の移動速度を予測する。
【0157】
また、検索部32は、利用者Uの過去の移動履歴と、利用者Uが移動したときの過去の交通量情報の履歴とに基づいて、交通量の範囲毎の利用者Uの移動速度を予測することもできる。この場合、検索部32は、例えば、取得部30によって取得された交通量情報と、利用者Uの過去の移動履歴とに基づいて、利用者Uの移動速度を予測する。
【0158】
また、利用者Uが指定移動時間で移動できる距離は、受付部31によって指定移動時間に加えて指定移動速度が移動種別として受け付けられた場合、指定移動時間と指定移動速度との乗算によって得られる距離である。指定移動速度は、起点から終点までの間での一定の移動速度であるが、起点から終点までの間の単位距離毎の一定の移動速度であってもよく、移動距離に応じて曲線的に変化する移動速度であってもよい。
【0159】
また、検索部32は、受付部31によって受け付けられた移動種別が指定移動歩数である場合、利用者Uが指定移動歩数で移動できる距離を指定移動距離として算出し、利用者Uの位置から指定移動距離にある移動ルートであって互いに異なる複数の終点までの複数の移動ルートを検索する。
【0160】
利用者Uが指定移動歩数で移動できる距離は、例えば、利用者Uの過去の移動履歴に基づいて予測される利用者Uの歩幅と指定移動歩数との乗算によって得られる距離である。利用者Uの歩幅は、受付部31によって受け付けられたルート種別がウォーキングルート、ジョギングルート、およびランニングルートのいずれであるかによって異なる。
【0161】
例えば、検索部32は、受付部31によって受け付けられたルート種別がウォーキングルートである場合、利用者Uのウォーキング時の過去の歩道の移動履歴に基づいて利用者Uの歩幅を予測する。また、検索部32は、例えば、受付部31によって受け付けられたルート種別がジョギングルートである場合、利用者Uのジョギング時の過去の歩道の移動履歴に基づいて利用者Uの歩幅を予測する。
【0162】
また、検索部32は、受付部31によって受け付けられたルート種別がランニングルートである場合、利用者Uのランニング時の過去の歩道の移動履歴に基づいて利用者Uの歩幅を予測する。
【0163】
また、検索部32は、受付部31によって受け付けられた移動種別が指定移動カロリーである場合、利用者Uが指定移動カロリーで移動できる距離を指定移動距離とし、利用者Uの位置から指定移動距離にある移動ルートであって互いに異なる複数の終点までの複数の移動ルートを検索する。
【0164】
利用者Uが指定移動カロリーで移動できる距離は、例えば、受付部31によって受け付けられた利用者Uの体重で特定される単位距離(例えば、1km)当たりの消費カロリーである単位消費カロリーで指定移動カロリーを除算して得られる距離である。
【0165】
単位消費カロリーは、受付部31によって受け付けられルート種別がウォーキングルート、ジョギングルート、およびランニングルートのいずれであるかによって異なる。また、単位消費カロリーは、利用者Uの体重に加えて、利用者Uの身長および性別のうちの1つに応じた消費カロリーであってもよい。
【0166】
検索部32は、例えば、起点から終点までのノードとリンクとを繋いでいくことで、起点から終点までの移動ルートを特定し、移動ルートを検索する。検索部32によって検索される移動ルートの情報には、起点から終点までのリンクの情報とノードの情報とが含まれる。
【0167】
検索部32は、受付部31によって受け付けられルート種別がウォーキングルート、ジョギングルート、またはランニングルートである場合、起点から終点までの歩道のノードとリンクとを繋いでいくことで、起点から終点までの移動ルートを特定する。
【0168】
また、検索部32は、受付部31によって受け付けられルート種別がサイクリングルートである場合、起点から終点までの車道のノードとリンクとを繋いでいくことで、起点から終点までの移動ルートを特定する。
【0169】
〔3.6.4.判定部33〕
判定部33は、取得部30によって取得された情報に基づいて、検索部32によって検索された複数の移動ルートのうち予め定められた条件を満たす移動ルートを判定する。
【0170】
予め定められた条件を満たす移動ルートは、例えば、停止に関する条件である停止関連条件を満たす移動ルートである。停止関連条件を満たす移動ルートは、利用者Uの移動の停止を伴わない移動ルートである非停止ルート、利用者Uの移動の停止の回数が最も少ない移動ルートである最小停止回数ルート、または利用者Uの移動の停止時間が最も短い移動ルートである最短停止時間ルートなどである。
【0171】
判定部33は、取得部30によって取得された複数の移動ルートの各々の制御情報に基づいて、複数の移動ルートの各々における移動時間、複数の移動ルートの各々における各特定ノードでの停止の有無、および各特定ノードでの停止時間などを予測する。特定ノードは、信号機が配置されているノードである。
【0172】
そして、判定部33は、複数の移動ルートの各々における移動時間、複数の移動ルートの各々における各特定ノードでの停止の有無、および各特定ノードでの停止時間などに基づいて、検索部32によって検索された複数の移動ルートのうち停止関連条件を満たす移動ルートを判定する。
【0173】
例えば、判定部33は、移動ルートにおける各特定ノードでの停止時間に基づいて、移動ルートの停止時間を予測し、移動ルートにおける特定ノードでの停止の有無に基づいて、移動ルートの停止回数を予測する。そして、判定部33は、移動ルートの停止時間および移動ルートの停止回数に基づいて、検索部32によって検索された複数の移動ルートのうち予め定められた条件を満たす移動ルートとして、非停止ルート、最短停止時間ルート、および最小停止回数ルートのうちの少なくとも1つを判定する。
【0174】
また、判定部33は、検索部32によって検索された複数の移動ルートのうち予め定められた条件を満たす移動ルートであって一定ペースで移動できる移動ルートを判定することができる。また、判定部33は、検索部32によって検索された複数の移動ルートのうち予め定められた条件を満たす移動ルートであって予め定められた一定ペースで移動できる移動ルートを判定することができる。
【0175】
判定部33は、各特定ノードでの停止の有無および各特定ノードでの停止時間などを予測する。判定部33は、移動ルートにおける各特定ノードでの停止時間に基づいて、移動ルートの停止時間を予測し、移動ルートにおける特定ノードでの停止の有無に基づいて、移動ルートの停止回数を予測する。
【0176】
そして、判定部33は、移動ルートの停止時間および移動ルートの停止回数に基づいて、検索部32によって検索された複数の移動ルートのうち予め定められた条件を満たす移動ルートを判定する。
【0177】
例えば、判定部33は、検索部32によって検索された複数の非停止ルートのうち予測した移動時間が最も短い移動ルートを通知対象の非停止ルートとして判定する。また、判定部33は、検索部32によって検索された複数の移動ルートのうち予測した停止時間が最も短い移動ルートを上述した最短停止時間ルートとして判定する。また、判定部33は、検索部32によって検索された複数の移動ルートのうち予測した停止回数が最も少ない移動ルートを上述した最小停止回数ルートとして判定する。
【0178】
また、判定部33は、検索部32によって検索された複数の移動ルートのうち停止関連条件を満たす移動ルートであって一定ペースで移動できる移動ルートを判定することができる。一定ペースとは、例えば、予め定められた速度範囲のペースであり、例えば、平均移動速度を中央値として予め定められた範囲の速度である。
【0179】
停止関連条件を満たす移動ルートであって一定ペースで移動できる移動ルートは、例えば、予測される利用者Uの移動速度で停止せずに移動できる移動ルートである。判定部33は、利用者Uの過去の移動の履歴に基づいて、利用者Uの移動速度を予測する。予測される移動速度は、ルート種別がウォーキングルート、ジョギングルート、ランニングルート、およびサイクリングルートのいずれであるかによって異なる。
【0180】
例えば、判定部33は、検索部32によって検索された複数の移動ルートのうち非停止ルートを一定ペースで移動できる移動ルートとして判定する。
【0181】
また、判定部33は、複数の非停止ルートのうち、過去に利用者Uが移動したペースが一定ペースである非停止ルートを一定ペースで移動できる移動ルートとして判定することもできる。また、判定部33は、複数の非停止ルートのうち歩道の幅や自転車レーンの幅が閾値以上である移動ルートを一定ペースで移動できる移動ルートとして判定することもできる。
【0182】
予め定められた一定ペースは、例えば、利用者Uによって設定された移動速度の範囲であり、例えば、指定移動速度で示される移動速度中央値として予め定められた範囲の速度であってもよい。指定移動速度は、例えば、第2の設定情報で示される移動速度であり、移動ペース情報で示される移動ペースの一例である。
【0183】
また、判定部33は、検索部32によって検索された複数の移動ルートのうち停止関連条件を満たす移動ルートであって予め定められたペースで移動できる移動ルートを判定することもできる。
【0184】
予め定められたペースは、利用者Uによって設定されたペースであり、例えば、一定の移動速度、段階的に速くなる移動速度、または特定のパターンで変化する移動速度などであるが、かかる例に限定されない。
【0185】
また、判定部33は、取得部30によって取得された制御情報と受付部31によって受け付けられた移動距離情報および移動ペース情報とに基づいて、検索部32によって検索された複数の移動ルートのうち予め定められた条件を満たす移動ルートを判定する。上述した指定移動距離を示す情報は、移動距離情報の一例である。上述した指定移動速度を示す情報は、移動ペース情報の一例である。
【0186】
また、判定部33は、取得部30によって取得された移動状態情報に基づいて、リルートの必要性の有無を判定する。取得部30によって取得された移動状態情報は、通知部34によって情報が通知された移動ルートの移動を開始した利用者Uの移動状態を示す情報である。リルートは、通知部34によって情報が通知された移動ルートとは異なる移動ルートに切り替えることを意味する。
【0187】
そして、判定部33は、リルートの必要性があるとの判定に伴って取得部30によって新たに取得された上述したルート再判定用情報などに基づいて、複数の新たな移動ルートのうち停止に関する条件を満たす移動ルートを新たな移動ルートとして判定する。取得部30によって新たに取得される制御情報は、リルートの必要性があるとの判定に伴って検索部32によって検索された複数の新たな移動ルートの各々に存在する信号機の制御情報である。
【0188】
また、判定部33は、起点からの出発時刻毎に、各特定ノードでの停止の有無および各特定ノードでの停止時間などを予測することもできる。例えば、判定部33は、現時刻、現時刻から単位時間(例えば、5分や10分)刻みの将来の各時刻をそれぞれ出発時刻として、各特定ノードでの停止の有無および各特定ノードでの停止時間などを予測する。
【0189】
この場合、判定部33は、起点からの出発時刻毎に、非停止ルート、最短停止時間ルート、および最小停止回数ルートなどを判定することができる。そして、判定部33は、出発時刻毎の非停止ルートのうち最も移動時間が短い非停止ルートを選択非停止ルートとして判定し、選択非停止ルートの出発時刻を判定することができる。
【0190】
また、判定部33は、出発時刻毎の最短停止時間ルートのうち最も停止時間が短い最短停止時間ルートを選択最短停止時間ルートとして判定し、選択最短停止時間ルートの出発時刻を判定することができる。また、判定部33は、出発時刻毎の最小停止回数ルートのうち最も停止回数が少ない最小停止回数ルートを選択最小停止回数ルートとして判定し、選択最小停止回数ルートの出発時刻を判定することができる。
【0191】
また、予め定められた条件を満たす移動ルートは、例えば、停止関連条件を満たす移動ルートに代えてまたは加えて、停止関連条件を満たし且つ交通量に関する条件を満たす移動ルートであってもよい。この場合、判定部33は、取得部30によって取得された交通量情報および制御情報などに基づいて、停止関連条件を満たし且つ交通量に関する条件を満たす移動ルートを判定する。
【0192】
停止関連条件を満たし且つ交通量に関する条件を満たす移動ルートは、例えば、停止関連条件を満たす移動ルートのうち交通量に関する条件を満たす移動ルートである。交通量に関する条件を満たす移動ルートは、例えば、平均的な交通量が最も少ない移動ルート、最も交通量が多いリンクの交通量が最も少ない移動ルート、または交通量が閾値以下であるリンクの数が最も少ない移動ルートである。
【0193】
ここで、各特定ノードでの停止の有無および各特定ノードでの停止時間などの予測方法の一例について説明する。
【0194】
判定部33は、例えば、第1区間を通過するために必要な通過時間、各第2区間を通過するために必要な通過時間、第3区間を通過するために必要な通過時間などを移動ルート毎に予測する。第1区間は、移動ルートの起点から移動ルートの最初のリンクの終点位置までの区間である。第2区間は、移動ルートにおけるリンクの区間またはノードの区間である。第3区間は、移動ルートにおける最後のリンクの起点位置から移動ルートの終点までの区間である。
【0195】
判定部33は、例えば、各リンクや各ノードの交通量と各リンクや各ノードの制限速度の情報に基づいて、上述した各区間の通過時間を予測する。リンクの情報やノードの情報には、リンクの制限速度の情報やノードの制限速度の情報などが交通標識の情報として含まれており、判定部33は、交通量情報と道路管理情報とに基づいて、上述した各区間の通過時間を予測する。
【0196】
また、判定部33は、例えば、利用者Uの過去の移動履歴に基づいて、利用者Uの移動速度を予測し、予測した移動速度に基づいて、上述した各区間の通過時間を予測することもできる。利用者Uの移動速度は、例えば、上述した各区間における移動速度である。例えば、判定部33は、利用者Uの過去の移動履歴に基づいて、利用者Uの各リンクおよび各ノードの移動速度を予測し、予測した各リンクおよび各ノードの移動速度に基づいて、上述した各区間の通過時間を予測する。
【0197】
また、判定部33は、交通量情報と道路管理情報と利用者Uの過去の移動履歴とに基づいて、上述した各区間における利用者Uの移動速度を予測し、予測した移動速度に基づいて、上述した各区間の通過時間を予測することもできる。
【0198】
判定部33によって予測される各区間の移動速度には、区間内で停止する場合の区間の移動速度である停止区間移動速度と、手前の区間内で停止する場合の区間の移動速度である停止区間後移動速度と、区間内で停止しない場合の区間の移動速度である非停止区間移動速度とが含まれる。判定部33は、予測した停止区間移動速度に基づいて、上述した各区間の通過時間を予測し、予測した停止区間後移動速度に基づいて、上述した各区間の通過時間を予測し、予測した非停止区間移動速度に基づいて、上述した各区間の通過時間を予測する。
【0199】
判定部33は、検索部32によって検索された移動ルート毎に、移動ルートに含まれる複数の特定ノードのうちi番目の特定ノードを選択する。特定ノードは、信号機が配置されているノードである。iは、1からNまでの整数であり、Nは、移動ルートに含まれる特定ノードの数である。
【0200】
判定部33は、上述した各区間の通過時間に基づいて、起点位置からi番目の特定ノードに到達するまでに要する時間である移動時間を予測し、予測した移動時間に基づいて、i番目の特定ノードへの到達時刻を予測する。起点位置は、例えば、i=1である場合、移動ノードの起点位置であり、i=jである場合、j番目の特定ノードの起点位置である。jは、2からNまでの整数である。ノードの始点位置は、かかるノードに接続されたリンクの終点位置と同じである。
【0201】
判定部33は、取得部30によって取得された制御情報に基づいて、i番目の特定ノードの起点位置への予測到達時刻において、i番目の特定ノードの信号機の信号状態を判定し、i番目の特定ノードで移動の停止が必要となるか否かを予測する。
【0202】
判定部33は、i番目の特定ノードの起点位置で移動の停止が必要となると予測される場合、取得部30によって取得された制御情報に基づいて、i番目の特定ノードの起点位置における停止時間を予測する。
【0203】
そして、判定部33は、i番目の特定ノードの起点位置における停止時間とi番目の特定ノードを通過するための通過時間とに基づいて、i番目の特定ノードを通過する時刻である通過時刻を予測する。
【0204】
判定部33は、iを1から1つずつインクリメントして上述した処理を実行することによって、各特定ノードの起点位置への到達時刻、各特定ノードの起点位置での停止の有無、各特定ノードの起点位置での停止時間、各特定ノードの通過時刻などを予測する。なお、i番目の特定ノードの通過時刻は、例えば、i+1番目の特定ノードの起点位置への到達時刻を予測するために用いられる。
【0205】
判定部33は、各特定ノードでの停止の有無および各特定ノードでの停止時間などに基づいて、移動ルートでの停止時間や停止回数を予測する。例えば、判定部33は、移動ルートにおける特定ノードでの停止の回数を移動ルートでの停止回数として予測し、移動ルートにおける特定ノードでの停止時間の総計を移動ルートでの停止時間として予測する。このように、判定部33は、取得部30によって取得された制御情報に基づいて、複数の移動ルートの各々での停止時間や停止回数を予測する。
【0206】
また、判定部33は、例えば、移動ルートの出発時刻と、N番目の特定ノードの通過時刻と、N番目の特定ノードの終点位置から移動ルートの終点位置までの移動時間とに基づいて、移動ルートの移動時間を予測する。このように、判定部33は、移動ルートの移動時間を予測することができる。
【0207】
判定部33によって予測される移動速度は、例えば、各区間の移動速度であるが、移動ルートの起点から終点までの平均移動速度であってもよい。判定部33によって予測される移動時間は、移動ルートの移動時間であるが、移動ルートに含まれる各リンクの移動時間や各ノードの移動時間などであってもよい。
【0208】
また、判定部33は、起点からの出発時刻毎に、複数の移動ルートの各々の移動ルートの停止時間および移動ルートの停止回数を予測することもできる。例えば、判定部33は、現時刻、現時刻から単位時間(例えば、5分や10分)刻みの将来の各時刻をそれぞれ出発時刻として、複数の移動ルートの各々の移動時間、移動ルートの停止時間、および移動ルートの停止回数を予測することができる。
【0209】
判定部33は、検索部32による移動ルートの移動時間の予測方法と同様で、移動ルートの移動時間を予測することができる。また、判定部33は、受付部31で受け付けた設定情報で指定される移動種別が移動時間である場合において、上述した移動ルートの移動時間の予測結果に基づいて、検索部32によって検索された移動ルートの長さを調整することもできる。
【0210】
〔3.6.5.通知部34〕
通知部34は、種々の情報を利用者Uに通知する。例えば、通知部34は、判定部33によって判定された移動ルートの情報を提案ルートの情報として利用者Uに通知する。また、通知部34は、判定部33によって判定された新たな移動ルートの情報を提案するリルートの情報として利用者Uに通知する。
【0211】
例えば、通知部34は、判定部33によって判定された移動ルートを地図上で強調表示した地図情報を表示部11に表示したり、判定部33によって判定された移動ルートの情報を不図示のスピーカ(音声出力部)から出力したりすることによって、判定部33によって判定された移動ルートの情報を通知する。
【0212】
例えば、判定部33によって判定された移動ルートが、非停止ルート、最短停止時間ルート、および最小停止回数ルートであるとする。この場合、通知部34は、例えば、非停止ルート、の各々を地図上で互いに異なる態様(例えば、色や線の太さなど)で強調表示した地図情報を表示部11に表示する。
【0213】
また、判定部33によって判定された移動ルートが、選択非停止ルート、選択最短停止時間ルート、および選択最小停止回数ルートであるとする。この場合、通知部34は、例えば、選択非停止ルート、選択最短停止時間ルート、および選択最小停止回数ルートの各々を地図上で互いに異なる態様(例えば、色や線の太さなど)で強調表示した地図情報を表示部11に表示する。
【0214】
また、通知部34は、例えば、非停止ルートまたは選択非停止ルートが複数ある場合、判定部33によって移動時間が最も短いと判定された非停止ルートまたは選択非停止ルートの情報を通知する。この場合、通知部34は、判定部33によって移動時間が最も短いと判定された非停止ルートまたは選択非停止ルートの出発時刻の情報を通知する。
【0215】
また、通知部34は、判定部33によって予め定められた条件を満たすと判定された移動ルートの移動速度を示す情報を通知する。かかる移動速度は、上述したように予測された移動速度であり、例えば、各区間の移動速度であるが、移動ルートの起点から終点までの平均移動速度であってもよい。
【0216】
図5は、実施形態に係る情報処理装置1の通知部34によって表示部11に表示された地図60の一例を示す図である。図5に示す例は、例えば、ルート種別がランニングルートであり、移動種別が指定移動距離、指定移動時間、指定移動歩数、または指定移動カロリーの場合の例である。
【0217】
図5に示す例では、情報処理装置1において、非停止ルート、最短停止時間ルート、および最小停止回数ルートの各々が地図上で互いに異なる態様(線の太さなど)で強調表示した地図情報が表示されている。
【0218】
図5に示す地図60では、非停止ルートを示す強調線には、非停止ルートの情報として、移動速度が10km/hであることを示す移動速度情報が含まれ、最短停止時間ルートを示す強調線には、最短停止時間ルートの情報として、移動速度が9.5km/hであることを示す移動速度情報が含まれる。
【0219】
また、図5に示す地図60では、最短停止回数ルートを示す強調線には、最短停止回数ルートの情報として、移動速度が9km/hであることを示す移動速度情報が含まれる。移動速度情報は、移動ルートの平均移動速度を示す情報であるが、区間毎の移動速度を示す情報であってもよい。
【0220】
また、図5に示す地図60では、最短停止時間ルートの情報として、予測される停止時間が2分であることを示す情報が含まれ、最短停止回数ルートの情報として、予測される停止回数が3回であることを示す情報が含まれる。
【0221】
図6は、実施形態に係る情報処理装置1の通知部34によって表示部11に表示された地図60の他の例を示す図である。図6に示す例では、情報処理装置1において、選択非停止ルート、選択最短停止時間ルート、および選択最小停止回数ルートの各々が地図上で互いに異なる態様(線の太さなど)で強調表示した地図情報が表示されている。
【0222】
図6に示す選択非停止ルートを示す強調線には、移動速度情報などに加えて、出発時刻の情報として、文字列「8時5分」の情報が関連付けられている。また、図6に示す選択最短停止時間ルートを示す強調線には、移動速度情報などに加えて、文字列「8時15分」の情報が出発時刻の情報として関連付けられている。また、図6に示す選択最小停止回数ルートを示す強調線には、移動速度情報などに加えて、文字列「8時20分」の情報が出発時刻の情報として関連付けられている。
【0223】
また、通知部34または判定部33は、利用者Uの移動状態と判定部33によって判定された移動ルートで想定される利用者Uの移動状態との差を算出し、当該差を無くすために必要な利用者Uの移動速度を通知用の移動速度として判定する。
【0224】
そして通知部34は、通知用の移動速度に関する情報を利用者Uに通知する。通知用の移動速度に関する情報は、例えば、「ピッチをあと2段階(例えば、2km/h)上げて下さい」、「次の特定ノードに20秒後に到着するようにピッチを上げて下さい」などである。
【0225】
〔4.処理手順〕
次に、実施形態に係る情報処理装置1の処理部15による情報処理の手順について説明する。図7は、実施形態に係る情報処理装置1の処理部15による情報処理の一例を示すフローチャートである。
【0226】
図8に示すように、情報処理装置1の処理部15は、ルート検索要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS10)。処理部15は、ルート検索要求を受け付けたと判定した場合(ステップS10:Yes)、移動ルート判定処理を行う(ステップS11)。ステップS11の移動ルート判定処理は、図8に示すステップS20~S25の処理であり、後で詳述する。処理部15は、ステップS11の処理を終了した場合、移動ルートを利用者Uに通知する(ステップS12)。
【0227】
処理部15は、ステップS12の処理が終了した場合、またはルート検索要求を受け付けていないと判定した場合(ステップS10:No)、ルート案内要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS13)。処理部15は、ルート案内要求を受け付けたと(ステップS13:Yes)、ルート案内を開始する(ステップS14)。ルート案内は、利用者Uによって選択された移動ルートに沿った利用者Uの車両の移動をガイドすることによって行われる。ルート案内の処理は、周知の技術を用いることによって行われる。
【0228】
処理部15は、ステップS14の処理が終了した場合、またはルート案内要求を受け付けていないと判定した場合(ステップS13:No)、ルート再検索契機になったか否かを判定する(ステップS15)。ルート再検索契機は、例えば、ステップS11で判定した移動ルートのルート案内が開始された後に、利用者Uの車両の移動が、ステップS11で判定した移動ルートから逸れたタイミングであるが、利用者Uによる再検索要求があるタイミングであってもよい。
【0229】
処理部15は、ルート再検索契機になったと判定した場合(ステップS15:Yes)、移動ルート再判定処理を行う(ステップS16)。ルート再検索契機は、上述したリルートのための新たな検索ルートの景気である。ステップS16における移動ルート再判定処理は、ステップS11の移動ルート判定処理と同様の処理であり、起点が移動ルートにおける途中位置(移動ルートの終点への到着前の位置)である点で、ステップS11の移動ルート判定処理と異なる。処理部15は、ステップS16の処理を終了した場合、ステップS16で再判定した移動ルートを利用者Uに通知する(ステップS17)。
【0230】
処理部15は、ステップS17の処理が終了した場合、またはルート再検索契機になっていないと判定した場合(ステップS15:No)、動作終了タイミングになったか否かを判定する(ステップS18)。処理部15は、例えば、情報処理装置1の電源がオフにされた場合などに動作終了タイミングになったと判定する。
【0231】
処理部15は、動作終了タイミングになっていないと判定した場合(ステップS18:No)、処理をステップS10へ移行し、動作終了タイミングになったと判定した場合(ステップS18:Yes)、図7に示す処理を終了する。
【0232】
図8は、実施形態に係る情報処理装置1の処理部15による移動ルート判定処理の一例を示すフローチャートである。図8に示すように、処理部15は、複数の移動ルートを検索する(ステップS20)。
【0233】
つづいて、処理部15は、ステップS20で検索した各移動ルートの交通量情報および制御情報などを記憶部14から取得する(ステップS21)。そして、処理部15は、ステップS21で取得した情報に基づいて、各移動ルートの移動時間を予測する(ステップS22)。また、処理部15は、ステップS21で取得した情報に基づいて、各移動ルートの停止時間を予測する(ステップS23)。処理部15は、ステップS21で取得した情報に基づいて、各移動ルートの停止回数を予測する(ステップS24)。
【0234】
処理部15は、ステップS22~S24によって予測した各移動ルートの移動時間、停止時間、および停止回数などに基づいて、複数の移動ルートのうち予め定められた条件を満たす移動ルートを判定し(ステップS25)、図8に示す処理を終了する。
【0235】
〔5.その他〕
判定部33は、停止回数および停止時間の各々の重み付けして加算して得られるスコアが閾値以上である移動ルートを予め定められた条件を満たす移動ルートして判定することもできる。この場合、通知部34は、判定部33によって算出されたスコアが高い移動ルートほど提案順位(推奨順位)を高くして利用者Uに通知することができる。通知部34は、提案順位が高い移動ルートほど強調度合いを高めた強調表示を行って利用者Uに通知することができる。
【0236】
上述した重み付けは、例えば、利用者Uの属性に基づいて決定される。例えば、判定部33は、停止回数および停止時間の各々の重み付け値が利用者Uの属性の種別毎に関連付けられた重み付け情報を有しており、かかる重み付け情報を用いて、上述したスコアを算出することができる。利用者Uの属性の種別は、例えば、性別、年齢、職業、居住地などの組み合わせで示されるが、かかる例に限定されない。
【0237】
上述した重み付け値は、例えば、利用者Uの属性に加えて、移動ルートの範囲、時間帯、曜日、季節などの組み合わせに応じた値であってもよい。
【0238】
また、通知部34は、判定部33によって判定された移動ルートが、最短移動時間ルート、最短停止時間ルート、非停止ルート、および最小停止回数ルートである場合、過去に利用者Uが選択した頻度が高い移動ルートほど提案順位(推奨順位)を高くして利用者Uに通知することができる。
【0239】
また、通知部34は、判定部33によって判定された移動ルートが、選択最短移動時間ルート、選択最短停止時間ルート、選択非停止ルート、および選択最小停止回数ルートである場合、過去に利用者Uが選択した頻度が高い移動ルートほど提案順位(推奨順位)を高くして利用者Uに通知することもできる。
【0240】
また、判定部33は、利用者Uの過去の移動履歴に基づいて、利用者Uの好みの移動ルートを判定することもできる。判定部33は、検索部32によって検索された複数の移動ルートのうち利用者Uの好みの移動ルートの中から予め定められた条件を満たす移動ルートを判定することもできる。
【0241】
また、判定部33は、検索部32に含まれる構成であってもよく、この場合、判定部33の機能によって判定される移動ルートの情報が検索部32によって検索される移動ルートの情報として通知部34によって通知される。
【0242】
また、受付部31は、利用者Uから希望到着時刻を示す情報を受け付けることもでき、判定部33は、検索部32によって検索された複数の移動ルートの各々の到着時刻を予測することができる。例えば、判定部33は、移動ルートの出発時刻と、N番目の特定ノードの通過時刻と、N番目の特定ノードの終点から移動ルートの終点までの移動時間とに基づいて、移動ルートの到着時刻を予測することができる。
【0243】
この場合、判定部33は、検索部32によって検索された複数の移動ルートのうち予測された到着時刻が到着希望時刻に最も近い移動ルートを予め定められた条件を満たす移動ルートとして判定することもできる。
【0244】
また、判定部33は、上述した最短移動時間ルート、最短停止時間ルート、非停止ルート、および最小停止回数ルートのうち予測した到着時刻が到着希望時刻に最も近い移動ルートを予め定められた条件を満たす移動ルートとして判定することもできる。
【0245】
また、判定部33は、上述した出発時刻毎の最短移動時間ルート、出発時刻毎の最短停止時間ルート、出発時刻毎の非停止ルート、および出発時刻毎の最小停止回数ルートのうち予測した到着時刻が到着希望時刻に最も近い移動ルートを予め定められた条件を満たす移動ルートとして判定することもできる。
【0246】
〔6.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る情報処理装置1は、例えば図9に示すような構成のコンピュータ200によって実現される。図9は、実施形態に係る情報処理装置1の機能を実現するコンピュータ200の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ200は、CPU201、RAM202、ROM(Read Only Memory)203、HDD(Hard Disk Drive)204、通信インターフェイス(I/F)205、入出力インターフェイス(I/F)206、およびメディアインターフェイス(I/F)207を有する。
【0247】
CPU201は、ROM203またはHDD204に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM203は、コンピュータ200の起動時にCPU201によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ200のハードウェアに依存するプログラムなどを記憶する。
【0248】
HDD204は、CPU201によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータなどを記憶する。通信インターフェイス205は、ネットワークN(図2参照)を介して他の機器からデータを受信してCPU201へ送り、CPU201が生成したデータを、ネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0249】
CPU201は、入出力インターフェイス206を介して、ディスプレイやプリンタなどの出力装置、および、キーボードまたはマウスなどの入力装置を制御する。CPU201は、入出力インターフェイス206を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU201は、入出力インターフェイス206を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0250】
メディアインターフェイス207は、記録媒体208に記憶されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM202を介してCPU201に提供する。CPU201は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス207を介して記録媒体208からRAM202上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体208は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)などの光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)などの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリなどである。
【0251】
例えば、コンピュータ200が実施形態に係る情報処理装置1として機能する場合、コンピュータ200のCPU201は、RAM202上にロードされたプログラムを実行することにより、処理部15の機能を実現する。また、HDD204には、記憶部14内のデータが記憶される。コンピュータ200のCPU201は、これらのプログラムを記録媒体208から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0252】
〔7.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0253】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0254】
例えば、上述した情報処理装置1は、端末装置とサーバコンピュータとで実現してもよく、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットホームなどをAPIやネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0255】
また、上述してきた実施形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0256】
〔8.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置1は、取得部30と、判定部33と、通知部34とを備える。取得部30は、利用者Uの位置を起点とする複数の移動ルートの各々に存在する信号機の制御情報を取得する。判定部33は、取得部30によって取得された制御情報に基づいて、複数の移動ルートのうち停止に関する条件を満たす移動ルートを判定する。通知部34は、判定部33によって判定された移動ルートの情報を通知する。これにより、情報処理装置1は、利用者Uの満足度を高める移動ルートの情報を通知することができる。
【0257】
また、判定部33は、利用者Uの移動の停止を伴わない移動ルート、利用者Uの移動の停止の回数が最も少ない移動ルート、または利用者Uの移動の停止時間が最も短い移動ルートを停止に関する条件を満たす移動ルートとして判定する。これにより、情報処理装置1は、利用者Uの満足度を高める移動ルートの情報を通知することができる。
【0258】
また、複数の移動ルートの各々は、ウォーキングルート、ジョギングルート、ランニングルート、またはサイクリングルートである。これにより、情報処理装置1は、利用者Uの満足度を高めるウォーキングルート、ジョギングルート、ランニングルート、またはサイクリングルートの情報を通知することができる。
【0259】
また、判定部33は、複数の移動ルートのうち停止に関する条件を満たす移動ルートであって一定ペースで移動できる移動ルートを判定する。これにより、情報処理装置1は、利用者Uの満足度を高める移動ルートの情報を通知することができる。
【0260】
また、判定部33は、複数の移動ルートのうち停止に関する条件を満たす移動ルートであって予め定められたペースで移動できる移動ルートを判定する。予め定められたペースは、例えば、利用者Uによって指定されたペースである。これにより、情報処理装置1は、利用者Uの満足度を高める移動ルートの情報を通知することができる。
【0261】
また、情報処理装置1は、利用者Uの移動のペースを示す情報である移動ペース情報を受け付ける受付部31を備え、判定部33は、受付部31によって受け付けられた移動ペース情報に基づいて、複数の移動ルートのうち停止に関する条件を満たす移動ルートを判定する。これにより、情報処理装置1は、利用者Uの満足度を高める移動ルートの情報を通知することができる。
【0262】
また、判定部33は、取得部30によって取得された制御情報と通知部34による通知対象となる利用者Uの過去の移動距離および移動速度の履歴とに基づいて、複数の移動ルートのうち停止に関する条件を満たす移動ルートを判定する。これにより、情報処理装置1は、利用者Uの満足度を高める移動ルートの情報を通知することができる。
【0263】
また、取得部30は、通知部34によって情報が通知された移動ルートの移動を開始した利用者Uの移動状態を示す情報である移動状態情報を取得し、判定部33は、取得部30によって取得された移動状態情報に基づいて、リルートの必要性の有無を判定し、取得部30は、判定部33によってリルートが必要であると判定された場合に、利用者Uの現在地を起点とする複数の新たな移動ルートの各々に存在する信号機の制御情報を新たに取得し、判定部33は、取得部30によって新たに取得された制御情報に基づいて、複数の新たな移動ルートのうち停止に関する条件を満たす移動ルートを新たな移動ルートとして判定し、通知部34は、判定部33によって判定された新たな移動ルートの情報を通知する。これにより、情報処理装置1は、利用者Uの満足度を高める移動ルートの情報を通知することができる。
【0264】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0265】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0266】
1 情報処理装置
2 交通情報提供装置
10 通信部
11 表示部
12 操作部
13 センサ群
14 記憶部
15 処理部
20 道路情報記憶部
21 利用者情報記憶部
22 設定情報記憶部
30 取得部
31 受付部
32 検索部
33 判定部
34 通知部
50 受け付けフォーム
51 起点入力枠
52 ルート種別選択枠
53 移動種別選択枠
54 指定値入力枠
55 ルート検索ボタン
56 ルート案内ボタン
57 出発時刻選択領域
60 地図
100 情報処理システム
U 利用者
図1
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