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特許7629908データフォーマット変換器、データ変換器、航海システム、データフォーマット変換方法、データ変換方法、データフォーマット変換プログラムおよびデータ変換プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-05
(45)【発行日】2025-02-14
(54)【発明の名称】データフォーマット変換器、データ変換器、航海システム、データフォーマット変換方法、データ変換方法、データフォーマット変換プログラムおよびデータ変換プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 3/00 20060101AFI20250206BHJP
   B63B 79/40 20200101ALI20250206BHJP
【FI】
G08G3/00 A
B63B79/40
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022511675
(86)(22)【出願日】2021-03-01
(86)【国際出願番号】 JP2021007739
(87)【国際公開番号】W WO2021199837
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2024-02-20
(31)【優先権主張番号】P 2020065548
(32)【優先日】2020-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000166247
【氏名又は名称】古野電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000682
【氏名又は名称】弁理士法人ワンディ-IPパ-トナ-ズ
(72)【発明者】
【氏名】岩谷 昌治
(72)【発明者】
【氏名】矯 士龍
(72)【発明者】
【氏名】原田 康平
【審査官】西堀 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-014400(JP,A)
【文献】特開昭60-244882(JP,A)
【文献】特開2007-137270(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
B63B 79/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に用いられるデータフォーマット変換器であって、
第1のフォーマットのデータが入力される入力部と、
前記データを変換することにより変換後データを生成するデータ変換部と、
前記変換後データを前記第1のフォーマットとは異なる第2のフォーマットに格納するフォーマット変換部と、
前記第2のフォーマットに格納された前記変換後データを出力する出力部と、を備え
前記入力部には、前記データとして、前記移動体に搭載された計測機器による計測結果を示す、第1の計測データおよび第2の計測データの少なくともいずれか一方が入力され、
前記第1の計測データは、前記移動体の速度、前記移動体のロール角、前記移動体のピッチ角、風速および潮流速度のうちの少なくともいずれか1つを示し、
前記第2の計測データは、風向および潮流方向の少なくともいずれか一方の方位角を示し、
前記データ変換部は、前記入力部に入力された前記データの種類に応じて、前記変換後データの生成方法を変更し、
前記データ変換部は、前記第1の計測データが前記入力部に入力された場合、前記第1の計測データが示す値の正負を反転することにより前記変換後データを生成し、
前記データ変換部は、前記第2の計測データが前記入力部に入力された場合、前記第2の計測データが示す前記方位角に180°加算した方位角を示す前記変換後データを生成する、データフォーマット変換器。
【請求項2】
前記計測機器は、方位センサ、航法装置、風速計および潮流計のうちの少なくともいずれか1つである、請求項に記載のデータフォーマット変換器。
【請求項3】
前記第2の計測データは、前記風向および前記潮流方向の少なくともいずれか一方の前記方位角に加えて、前記移動体の進行方位を示す、請求項または請求項に記載のデータフォーマット変換器。
【請求項4】
前記データフォーマット変換器は、さらに、
外部から受信した切替信号に応じて、前記データ変換部による前記変換後データの生成が行われるか否かを切り替える切替部を備える、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のデータフォーマット変換器。
【請求項5】
前記切替部は、前記移動体に搭載された機器から前記切替信号を受信する、請求項に記載のデータフォーマット変換器。
【請求項6】
前記移動体は船舶である、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のデータフォーマット変換器。
【請求項7】
前記船舶は両頭船であり、
前記データ変換部は、前記両頭船の進行方向に基づいて、前記変換後データを生成する、請求項6に記載のデータフォーマット変換器。
【請求項8】
前記出力部は、前記第2のフォーマットの前記変換後データを前記船舶に搭載された舶用機器へ出力する、請求項または請求項に記載のデータフォーマット変換器。
【請求項9】
前記舶用機器は、レーダ装置、GPSプロッタ、ECDIS、魚群探知機、ソナー、通信機器およびオートパイロットのうちの少なくともいずれか1つである、請求項に記載のデータフォーマット変換器。
【請求項10】
請求項1から請求項のいずれか1項に記載のデータフォーマット変換器と、
前記移動体に搭載された前記計測機器と、
前記移動体に搭載された舶用機器とを備え、
前記移動体は船舶である、航海システム。
【請求項11】
移動体に用いられるデータ変換器であって、
前記移動体に搭載された計測機器による計測結果を示す計測データが入力される入力部と、
前記計測データを変換することにより変換後データを生成するデータ変換部とを備え、
前記入力部に入力される前記計測データは、第1の前記計測データおよび第2の前記計測データの少なくともいずれか一方を含み、
前記第1の計測データは、前記移動体の速度、前記移動体のロール角、前記移動体のピッチ角、風速および潮流速度のうちの少なくともいずれか1つを示し、
前記第2の計測データは、風向および潮流方向の少なくともいずれか一方の方位角を示し、
前記データ変換部は、前記入力部に入力された前記計測データの種類に応じて、前記変換後データの生成方法を変更し、
前記データ変換部は、前記第1の計測データが前記入力部に入力された場合、前記第1の計測データが示す値の正負を反転することにより前記変換後データを生成し、
前記データ変換部は、前記第2の計測データが前記入力部に入力された場合、前記第2の計測データが示す前記方位角に180°加算した方位角を示す前記変換後データを生成する、データ変換器。
【請求項12】
データフォーマット変換器におけるデータフォーマット変換方法であって、
入力された第1のフォーマットのデータを変換することにより変換後データを生成するステップと
生成した前記変換後データを前記第1のフォーマットとは異なる第2のフォーマットに格納するステップとを含み、
入力された前記データは、前記データフォーマット変換器を用いる移動体に搭載された計測機器による計測結果を示す、第1の計測データおよび第2の計測データの少なくともいずれか一方を含み、
前記第1の計測データは、前記移動体の速度、前記移動体のロール角、前記移動体のピッチ角、風速および潮流速度のうちの少なくともいずれか1つを示し、
前記第2の計測データは、風向および潮流方向の少なくともいずれか一方の方位角を示し、
前記変換後データを生成するステップにおいては、入力された前記データの種類に応じて、前記変換後データの生成方法を変更し、
前記変換後データは、入力された前記データが前記第1の計測データである場合、前記第1の計測データが示す値を反転することにより生成されたデータであり、
前記変換後データは、入力された前記データが前記第2の計測データである場合、前記第2の計測データが示す前記方位角に180°加算することにより生成されたデータである、データフォーマット変換方法。
【請求項13】
データ変換器におけるデータ変換方法であって、
入力された計測データであって、前記データ変換器を用いる移動体に搭載された計測機器による計測結果を示す前記計測データを変換することにより変換後データを生成するステップを含み、
入力された前記計測データは、第1の前記計測データおよび第2の前記計測データの少なくともいずれか一方を含み、
前記第1の計測データは、前記移動体の速度、前記移動体のロール角、前記移動体のピッチ角、風速および潮流速度のうちの少なくともいずれか1つを示し、
前記第2の計測データは、風向および潮流方向の少なくともいずれか一方の方位角を示し、
前記変換後データを生成するステップにおいては、入力された前記計測データの種類に応じて、前記変換後データの生成方法を変更し、
前記変換後データは、入力された前記計測データが前記第1の計測データである場合、前記第1の計測データが示す値を反転することにより生成されたデータであり、
前記変換後データは、入力された前記計測データが前記第2の計測データである場合、前記第2の計測データが示す前記方位角に180°加算することにより生成されたデータである、データ変換方法。
【請求項14】
データフォーマット変換器において用いられるデータフォーマット変換プログラムであって、
入力された第1のフォーマットのデータを変換することにより変換後データを生成する処理と、
生成した前記変換後データを前記第1のフォーマットとは異なる第2のフォーマットに格納する処理、
を実行し、
入力された前記データは、前記データフォーマット変換器を用いる移動体に搭載された計測機器による計測結果を示す、第1の計測データおよび第2の計測データの少なくともいずれか一方であり、
前記第1の計測データは、前記移動体の速度、前記移動体のロール角、前記移動体のピッチ角、風速および潮流速度のうちの少なくともいずれか1つを示し、
前記第2の計測データは、風向および潮流方向の少なくともいずれか一方の方位角を示し、
前記変換後データを生成する処理においては、入力された前記データの種類に応じて、前記変換後データの生成方法を変更し、
前記変換後データは、入力された前記データが前記第1の計測データである場合、前記第1の計測データが示す値を反転することにより生成されたデータであり、
前記変換後データは、入力された前記データが前記第2の計測データである場合、前記第2の計測データが示す前記方位角に180°加算することにより生成されたデータである、データフォーマット変換プログラム。
【請求項15】
データ変換器において用いられるデータ変換プログラムであって、
入力された計測データであって、前記データ変換器を用いる移動体に搭載された計測機器による計測結果を示す前記計測データを変換することにより変換後データを生成する処理を実行し、
入力された前記計測データは、第1の前記計測データおよび第2の前記計測データの少なくともいずれか一方を含み、
前記第1の計測データは、前記移動体の速度、前記移動体のロール角、前記移動体のピッチ角、風速および潮流速度のうちの少なくともいずれか1つを示し、
前記第2の計測データは、風向および潮流方向の少なくともいずれか一方の方位角を示し、
前記変換後データを生成する処理においては、入力された前記計測データの種類に応じて、前記変換後データの生成方法を変更し、
前記変換後データは、入力された前記計測データが前記第1の計測データである場合、前記第1の計測データが示す値を反転することにより生成されたデータであり、
前記変換後データは、入力された前記計測データが前記第2の計測データである場合、前記第2の計測データが示す前記方位角に180°加算することにより生成されたデータである、データ変換プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データフォーマット変換器、データフォーマット変換方法およびデータフォーマット変換プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば近距離に位置する島間を往復する船舶として、船体の両端側に推進装置を備える両頭船が用いられている。たとえば、特許文献1(特開2007-137270号公報)には、以下のような両頭船が開示されている。すなわち、両頭船は、船体の前後両端側にそれぞれ旋回可能な推進装置を装備した両頭船であって、両頭船の推進方向に対して同方向に推力を発生させるように前側の推進装置を反転させる反転装置と前側の推進装置の推力を後側の推進装置の推力に対しあらかじめ決められた割合の推力となるように演算する推力演算装置を設け、それに基づいて前後推進装置を制御することを特徴とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-137270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
たとえば、両頭船等の移動体において、各種計測機器による計測結果を示す計測データに基づいて、周辺状況の確認および自動運転制御等を行う技術が開発されている。このような用途を一例として、移動体におけるデータ処理に関する優れた技術が望まれる。
【0005】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、移動体におけるデータ処理に関する優れた機能を実現することが可能なデータフォーマット変換器、データフォーマット変換方法およびデータフォーマット変換プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係るデータフォーマット変換器は、移動体に用いられるデータフォーマット変換器であって、第1のフォーマットのデータが入力される入力部と、前記データを変換することにより変換後データを生成するデータ変換部と、前記変換後データを前記第1のフォーマットとは異なる第2のフォーマットに格納するフォーマット変換部と、前記第2のフォーマットに格納された前記変換後データを出力する出力部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
このように、入力データを変換する機能を有するとともに、変換後データを第2のフォーマットに格納して出力する構成および方法により、たとえば、第2のフォーマットに格納された変換後データを複数の機器へ統括的に提供することができる。したがって、移動体におけるデータ処理に関する優れた技術を実現することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、移動体におけるデータ処理に関する優れた機能を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る航海システムの構成を示す図である。
図2図2は、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器の構成を示す図である。
図3図3は、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器が方位センサから受信する方位データが示す船舶の方位角の一例を示す図である。
図4図4は、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器におけるデータ変換部により生成された変換後データが示す船舶の方位角の一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器が方位センサから受信する角度データが示す船舶のロール角の一例を示す図である。
図6図6は、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器が方位センサから受信する角度データが示す船舶のピッチ角の一例を示す図である。
図7図7は、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器におけるデータ変換部により生成された変換後データが示すロール角の一例を示す図である。
図8図8は、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器におけるデータ変換部により生成された変換後データが示すピッチ角の一例を示す図である。
図9図9は、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器が航法装置から受信する船速データが示す船舶の長手方向船速および幅方向船速の一例を示す図である。
図10図10は、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器におけるデータ変換部により生成された変換後データが示す長手方向船速および幅方向船速の一例を示す図である。
図11図11は、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器が風速計から受信する風向風速データが示す風向および風速の一例を示す図である。
図12図12は、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器におけるデータ変換部により生成された変換後データが示す風向および風速の一例を示す図である。
図13図13は、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器がセンテンスデータを舶用機器へ送信する際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0011】
図1は、本発明の実施の形態に係る航海システムの構成を示す図である。
【0012】
図1を参照して、航海システム200は、データフォーマット変換器100と、方位センサ111と、航法装置112と、風速計113と、潮流計114と、GPS(Global Positioning System)受信機115と、レーダ装置121と、GPSプロッタ122と、ECDIS(Electronic Chart Display and Information System)123と、オートパイロット124と、制御装置131とを備える。
【0013】
たとえば、航海システム200は、船舶1に搭載される。船舶1は、移動体の一例である。たとえば、船舶1は、船首側および船尾側に推進装置を備える両頭船である。両頭船は、船首側の推進装置および船尾側の推進装置を制御することにより、船首方向への推力を発生して船首側へ進むことができ、また、船尾方向への推力を発生して船尾側へ進むことができる。
【0014】
方位センサ111、航法装置112、風速計113、潮流計114およびGPS受信機115と、データフォーマット変換器100とは、たとえばシリアルケーブルを介して接続されている。方位センサ111、航法装置112、風速計113、潮流計114およびGPS受信機115は、計測機器の一例である。
【0015】
レーダ装置121、GPSプロッタ122、ECDIS123およびオートパイロット124と、データフォーマット変換器100とは、たとえばシリアルケーブルを介して接続されている。レーダ装置121、GPSプロッタ122、ECDIS123およびオートパイロット124は、舶用機器の一例である。なお、航海システム200は、舶用機器として、魚群探知機、ソナーおよび通信機器のうちの少なくともいずれか1つをさらに備える構成であってもよい。
【0016】
制御装置131とデータフォーマット変換器100とは、たとえばUSBケーブルを介して接続されている。制御装置131は、たとえばパーソナルコンピュータである。
【0017】
方位センサ111は、定期的または不定期に、船舶1の進行方位たとえば船首方向の方位角を計測し、計測した船首方向の方位角を示す方位データを生成する。方位センサ111は、生成した方位データを所定フォーマットのフレームF1に格納し、当該フレームF1をデータフォーマット変換器100へ送信する。方位データは、たとえば真北または磁北を基準とする、船舶1の進行方位を示すデータである。
【0018】
また、方位センサ111は、定期的または不定期に、船舶1のロール角および船舶1のピッチ角を計測し、計測したロール角およびピッチ角を示す角度データを生成する。方位センサ111は、生成した角度データを所定フォーマットのフレームF2に格納し、当該フレームF2をデータフォーマット変換器100へ送信する。角度データは、船舶1の姿勢角を示すデータである。
【0019】
たとえば、方位センサ111は、船舶1に固定されたサテライトコンパス、または船舶1に固定されたジャイロコンパスである。
【0020】
航法装置112は、定期的または不定期に、船舶1の船速を計測し、計測した船速を示す船速データを生成する。たとえば、航法装置112は、船舶1の長手方向における船速である長手方向船速、および船舶1の幅方向における船速である幅方向船速を含む船速データを生成する。航法装置112は、生成した船速データを所定フォーマットのフレームF3に格納し、当該フレームF3をデータフォーマット変換器100へ送信する。船速データは、たとえば船舶1の船首方向を基準とする、船舶1の速度を示すデータである。
【0021】
風速計113は、定期的または不定期に、風向および風速を計測し、計測した風向および風速を示す風向風速データを生成する。風速計113は、生成した風向風速データを所定フォーマットのフレームF4に格納し、当該フレームF4をデータフォーマット変換器100へ送信する。風向風速データは、たとえば船舶1の船首方向を基準とする風向、および風速を示すデータである。
【0022】
潮流計114は、定期的または不定期に、潮流の方向および潮流の速度を計測し、計測した潮流方向および潮流速度を示す潮流データを生成する。潮流計114は、生成した潮流データを所定フォーマットのフレームF5に格納し、当該フレームF5をデータフォーマット変換器100へ送信する。潮流データは、たとえば船舶1の船首方向を基準とする潮流方向、および潮流速度を示すデータである。
【0023】
GPS受信機115は、定期的または不定期に、船舶1の現在位置を検出し、検出した現在位置を示す位置データを生成する。GPS受信機115は、生成した位置データを所定フォーマットのフレームF6に格納し、当該フレームF6をデータフォーマット変換器100へ送信する。
【0024】
方位データ、角度データ、船速データ、風向風速データ、潮流データおよび位置データは、計測機器による計測結果を示す計測データの一例である。
【0025】
データフォーマット変換器100は、定期的または不定期に、方位センサ111、航法装置112、風速計113、潮流計114およびGPS受信機115から受信したフレームに格納された各種計測データをNMEA0183の規格に従うフォーマットに格納することによりセンテンスデータを生成し、生成したセンテンスデータをレーダ装置121、GPSプロッタ122、ECDIS123およびオートパイロット124へ送信する。なお、データフォーマット変換器100は、生成したセンテンスデータを計測機器のうちの少なくともいずれか1つに送信する構成であってもよい。また、データフォーマット変換器100は、計測機器から受信した計測データを当該計測機器以外の他の計測機器へ送信する構成であってもよい。具体的には、データフォーマット変換器100は、GPS受信機115から受信した位置データを航法装置112、風速計113および潮流計114へ送信する構成であってもよい。
【0026】
データフォーマット変換器100は、方位センサ111、航法装置112、風速計113および潮流計114からの各種計測データを変換することにより対応の変換後データを生成し、生成した各変換後データをNMEA0183の規格に従うフォーマットに格納することによりセンテンスデータを生成することが可能である。
【0027】
より詳細には、制御装置131は、データフォーマット変換器100において変換後データを生成するか否かを制御するための切替信号をデータフォーマット変換器100へ送信する。たとえば、制御装置131は、船舶1における推力の方向が船首方向である場合、変換後データを生成すべきでない旨を示す切替信号をデータフォーマット変換器100へ送信する一方、船舶1における推力の方向が船尾方向である場合、変換後データを生成すべき旨を示す切替信号をデータフォーマット変換器100へ送信する。
【0028】
データフォーマット変換器100は、変換後データを生成すべき旨を示す切替信号を制御装置131から受信すると、方位センサ111、航法装置112、風速計113および潮流計114からの各種計測データを変換することにより対応の変換後データを生成し、生成した各変換後データをNMEA0183の規格に従うフォーマットに格納することによりセンテンスデータを生成する。データフォーマット変換器100は、生成したセンテンスデータをレーダ装置121等へ送信する。
【0029】
レーダ装置121は、図示しないレーダアンテナを介して電波を送受信することにより、船舶1の周囲に位置する他船等の物標の様子を示すレーダ映像を生成し、生成したレーダ映像を図示しないモニタに表示する。
【0030】
GPSプロッタ122は、データフォーマット変換器100からセンテンスデータを受信すると、受信したセンテンスデータに格納された位置データ等に基づいて、図示しないモニタにおける地図上に船舶1の位置を表示する。
【0031】
ECDIS123は、データフォーマット変換器100からセンテンスデータを受信すると、受信したセンテンスデータに格納された各種計測データに基づいて、船舶1の方位および船速等の情報を電子海図とともに図示しないモニタに表示する。
【0032】
オートパイロット124は、データフォーマット変換器100からセンテンスデータを受信すると、受信したセンテンスデータに格納された各種計測データに基づいて、予め設定された航行ルートに従って船舶1が航行するように舵の操作を自動的に行う。
【0033】
[データフォーマット変換器]
図2は、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器の構成を示す図である。
【0034】
図2を参照して、データフォーマット変換器100は、入力部10と、データ変換部20と、フォーマット変換部30と、出力部40と、切替部50とを備える。データフォーマット変換器100は、船舶1等の移動体に用いられる。入力部10、データ変換部20、フォーマット変換部30、出力部40および切替部50は、CPU(Central Processing Unit)およびDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサによって実現される。
【0035】
[入力部]
入力部10には、第1のフォーマットのデータが入力される。より詳細には、入力部には、第1のフォーマットのデータとして、方位センサ111、航法装置112、風速計113、潮流計114およびGPS受信機115から送信される所定フォーマットの各種計測データが入力される。
【0036】
入力部10は、受信部11と、バッファ12A,12B,12C,12D,12Eとを含む。以下、バッファ12A,12B,12C,12D,12Eの各々をバッファ12とも称する。
【0037】
受信部11は、方位センサ111からフレームF1を受信すると、受信したフレームF1から方位データを取得してバッファ12Aに格納する。また、受信部11は、方位センサ111からフレームF2を受信すると、受信したフレームF2から角度データを取得してバッファ12Bに格納する。また、受信部11は、航法装置112からフレームF3を受信すると、受信したフレームF3から船速データを取得してバッファ12Cに格納する。また、受信部11は、風速計113からフレームF4を受信すると、受信したフレームF4から風向風速データを取得してバッファ12Dに格納する。また、受信部11は、潮流計114からフレームF5を受信すると、受信したフレームF5から潮流データを取得してバッファ12Dに格納する。また、受信部11は、GPS受信機115からフレームF6を受信すると、受信したフレームF6から位置データを取得してバッファ12Eに格納する。
【0038】
[データ変換部]
データ変換部20は、入力部10に入力されたデータを変換することにより変換後データを生成することが可能である。より詳細には、データ変換部20は、入力部10に入力された計測データを変換することにより変換後データを生成することが可能である。
【0039】
たとえば、データ変換部20は、上記計測データが示す値の正負を反転することにより変換後データを生成する。あるいは、データ変換部20は、上記計測データが示す方位角に180°加算した方位角を示す変換後データを生成する。
【0040】
データ変換部20は、変換処理部21A,21B,21C,21D,21Eを含む。以下、変換処理部21A,21B,21C,21D,21Eの各々を変換処理部21とも称する。
【0041】
たとえば、切替部50は、データフォーマット変換器10の外部たとえば制御装置131から受信した切替信号に応じて、データ変換部20による変換後データの生成が行われるか否かを切り替える切替制御を行う。より詳細には、切替部50は、変換後データの生成オンまたは変換後データの生成オフを示す切替信号を制御信号131から受信し、受信した切替信号に応じて切替制御を行う。
【0042】
変換処理部21は、変換後データの生成を行わないように切替部50に制御された状態において、定期的または不定期に、入力部10における対応のバッファ12から計測データを取得し、取得した計測データをフォーマット変換部30へ出力する。
【0043】
一方、データ変換部20における変換処理部21は、変換後データの生成を行うように切替部50に制御された状態において、定期的または不定期に、入力部10における対応のバッファ12から計測データを取得し、取得した計測データを変換することにより変換後データを生成し、生成した変換後データをフォーマット変換部30へ出力する。
【0044】
(変換例1)
図3は、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器が方位センサから受信する方位データが示す船舶の方位角の一例を示す図である。
【0045】
図3を参照して、たとえば、データフォーマット変換器100における入力部10には、真北を基準とする対地方位角a1、および磁北を基準とする対磁方位角b1を示す方位データが方位センサ111から入力される。図3では特に、船首方向の方位角を示す、船首基準の対地方位角a1及び船首基準の対磁方位角b1を示している。
【0046】
図4は、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器におけるデータ変換部により生成された変換後データが示す船舶の方位角の一例を示す図である。
【0047】
図4を参照して、データ変換部20における変換処理部21Aは、変換後データの生成を行うように切替部50に制御された状態において、入力部10におけるバッファ12Aから方位データを取得すると、取得した方位データが示す船首方向の方位角に180°加算した方位角を示す変換後データD1を生成する。
【0048】
より詳細には、変換処理部21Aは、方位データが示す対地方位角a1に180°加算した角度である対地方位角a2、および方位データが示す対磁方位角b1に180°加算した角度である対磁方位角b2を示す変換後データD1を生成する。ここで、対地方位角a2および対磁方位角b1は、0°以上かつ360°未満の方位角である。すなわち、変換処理部21Aは、対地方位角a1に180°加算した値が360°を超える場合、当該値から360°を減算した値を対地方位角a2として算出し、対磁方位角b1に180°加算した値が360°を超える場合、当該値から360°を減算した値を対磁方位角b2として算出する。
【0049】
変換処理部21Aは、生成した変換後データD1をフォーマット変換部30へ出力する。
【0050】
(変換例2)
図5は、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器が方位センサから受信する角度データが示す船舶のロール角の一例を示す図である。図6は、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器が方位センサから受信する角度データが示す船舶のピッチ角の一例を示す図である。
【0051】
図5および図6を参照して、たとえば、データフォーマット変換器100における入力部10には、ロール角c1およびピッチ角d1を示す角度データが方位センサ111から入力される。
【0052】
図7は、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器におけるデータ変換部により生成された変換後データが示すロール角の一例を示す図である。図8は、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器におけるデータ変換部により生成された変換後データが示すピッチ角の一例を示す図である。
【0053】
図7および図8を参照して、データ変換部20における変換処理部21Bは、変換後データの生成を行うように切替部50に制御された状態において、入力部10におけるバッファ12Bから角度データを取得すると、取得した角度データが示す値の正負を反転することにより変換後データD2を生成する。
【0054】
より詳細には、変換処理部21Bは、角度データが示すロール角c1の正負を反転した値であるロール角c2、および角度データが示すピッチ角d1の正負を反転した値であるピッチ角d2を示す変換後データD2を生成する。
【0055】
変換処理部21Bは、生成した変換後データD2をフォーマット変換部30へ出力する。
【0056】
(変換例3)
図9は、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器が航法装置から受信する船速データが示す船舶の長手方向船速および幅方向船速の一例を示す図である。
【0057】
図9を参照して、たとえば、データフォーマット変換器100における入力部10には、長手方向船速e1および幅方向船速f1を示す船速データが航法装置112から入力される。
【0058】
図10は、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器におけるデータ変換部により生成された変換後データが示す長手方向船速および幅方向船速の一例を示す図である。
【0059】
図10を参照して、データ変換部20における変換処理部21Cは、変換後データの生成を行うように切替部50に制御された状態において、入力部10におけるバッファ12Cから船速データを取得すると、取得した船速データが示す値の正負を反転することにより変換後データD3を生成する。
【0060】
より詳細には、変換処理部21Cは、船速データが示す長手方向船速e1の正負を反転した値である長手方向船速e2、および船速データが示す幅方向船速f1の正負を反転した値である幅方向船速f2を示す変換後データD3を生成する。
【0061】
変換処理部21Cは、生成した変換後データD3をフォーマット変換部30へ出力する。
【0062】
(変換例4)
図11は、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器が風速計から受信する風向風速データが示す風向および風速の一例を示す図である。
【0063】
図11を参照して、たとえば、データフォーマット変換器100における入力部10には、風向の方位角である風向g1、および風速を示す風向風速データが風速計113から入力される。図11では特に、船舶1の船首方向から見た風の来る方向である風向g1を示している。
【0064】
図12は、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器におけるデータ変換部により生成された変換後データが示す風向および風速の一例を示す図である。
【0065】
図12を参照して、データ変換部20における変換処理部21Dは、変換後データの生成を行うように切替部50に制御された状態において、入力部10におけるバッファ12Dから風向風速データを取得すると、取得した風向風速データが示す風向の方位角に180°加算した方位角を示す変換後データD4を生成する。
【0066】
より詳細には、変換処理部21Dは、風向風速データが示す風向g1に180°加算した角度である風向g2、および風速を示す変換後データD4を生成する。ここで、風向g2は、0°以上かつ360°未満の方位角である。すなわち、変換処理部21Dは、風向g1に180°加算した値が360°を超える場合、当該値から360°を減算した値を風向g2として算出する。
【0067】
変換処理部21Dは、生成した変換後データD4をフォーマット変換部30へ出力する。
【0068】
なお、風速計113から入力部10に入力されるデータは、上述の風向風速データに限定されない。風速計113から入力部10に入力されるデータは、船の動きを差し引いた風速、および北基準の風の来る方向である風向ga1を示す真データであってもよいし、風速計113から入力部10に入力されるデータは、船の動きを差し引いた風速、および船首方向から見たその風の来る方向である風向gb1を示す理論的なデータであってもよいし、風速計113から入力部10に入力されるデータは、船が動いているときの見かけ上の風速、および船首方向から見たその風の来る方向である風向gc1を示す相対データであってもよい。風向ga1,gb1,gc1は、風向g1の一例である。すなわち、変換処理部21Dは、風向g1に180°加算して風向g2を算出するのと同様に、風向ga1,gb1,gc1に180°加算して風向ga2,gb2,gc2をそれぞれ算出することができる。
【0069】
(変換例5)
たとえば、データフォーマット変換器100における入力部10には、船舶1の船首方向を基準とする方位角である潮流方向j1、および潮流速度を示す潮流データが潮流計114から入力される。
【0070】
データ変換部20における変換処理部21Eは、変換後データの生成を行うように切替部50に制御された状態において、入力部10におけるバッファ12Eから潮流データを取得すると、取得した潮流データが示す方位角に180°加算した方位角を示す変換後データD5を生成する。
【0071】
より詳細には、変換処理部21Eは、潮流データが示す潮流方向j1に180°加算した角度である潮流方向j2、および潮流速度を示す変換後データD5を生成する。ここで、潮流方向j2は、0°以上かつ360°未満の方位角である。すなわち、変換処理部21Eは、潮流方向j1に180°加算した値が360°を超える場合、当該値から360°を減算した値を潮流方向j2として算出する。
【0072】
変換処理部21Eは、生成した変換後データD5をフォーマット変換部30へ出力する。
【0073】
[フォーマット変換部]
フォーマット変換部30は、データ変換部20により生成された変換後データを第1のフォーマットとは異なる第2のフォーマットに格納する。
【0074】
より詳細には、フォーマット変換部30は、データ変換部20における各変換処理部21から対応の計測データまたは対応の変換後データを受けると、バッファ12Eから位置データを取得する。
【0075】
そして、フォーマット変換部30は、各計測データまたは各変換後データと、取得した位置データとを多重化する。より詳細には、フォーマット変換部30は、各計測データまたは各変換後データと、取得した位置データとを、NMEA0183の規格に従うフォーマットに格納することにより、各計測データまたは各変換後データと、位置データとを含むセンテンスデータを生成する。NMEA0183の規格に従うフォーマットは、第2のフォーマットの一例である。
【0076】
フォーマット変換部30は、生成したセンテンスデータを出力部40へ出力する。
【0077】
[出力部]
出力部40は、フォーマット変換部30により第2のフォーマットに格納された変換後データを出力する。より詳細には、出力部40は、フォーマット変換部30からセンテンスデータを受けると、受けたセンテンスデータを船舶1に搭載された舶用機器へ出力する。
【0078】
[動作の流れ]
本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器100は、メモリを含むコンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のフローチャートおよびシーケンスの各ステップの一部または全部を含むプログラムを当該メモリから読み出して実行する。このプログラムは、外部からインストールすることができる。このプログラムは、記録媒体に格納された状態で流通する。
【0079】
図13は、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器がセンテンスデータを舶用機器へ送信する際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
【0080】
図13を参照して、まず、データフォーマット変換器100は、方位センサ111等の計測機器から各種計測データを受信し、受信した計測データをバッファ12に格納する(ステップS102)。
【0081】
次に、データフォーマット変換器100は、制御装置131から受信した切替信号が生成オフを示す場合(ステップS104でNO)、たとえば定期的にバッファ12から各種計測データを取得し、取得した各種計測データをNMEA0183の規格に従うフォーマットに格納することにより、各種計測データを含むセンテンスデータを生成する(ステップS106)。
【0082】
次に、データフォーマット変換器100は、生成したセンテンスデータをオートパイロット124等の舶用機器へ出力する(ステップS112)。
【0083】
一方、データフォーマット変換器100は、制御装置131から受信した切替信号が生成オンを示す場合(ステップS104でYES)、たとえば定期的にバッファ12から各種計測データを取得し、取得した各種計測データを変換することにより各種変換後データを生成する(ステップS108)。
【0084】
次に、データフォーマット変換器100は、生成した各種変換後データをNMEA0183の規格に従うフォーマットに格納することにより、各種変換後データを含むセンテンスデータを生成する(ステップS110)。
【0085】
次に、データフォーマット変換器100は、生成したセンテンスデータをオートパイロット124等の舶用機器へ出力する(ステップS112)。
【0086】
なお、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器100では、切替部50は、制御装置131から受信する切替信号に応じて切替制御を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。切替部50は、ディップスイッチ等の手動でオン/オフ可能なスイッチから受信する切替信号に応じて切替制御を行う構成であってもよい。この場合、たとえば、船舶1の乗組員は、船舶1における推力の方向が船首方向から船尾方向に、または船尾方向から船首方向に切り替わると、当該スイッチを操作することにより、切替部50へ送信される切替信号の内容を切り替える。
【0087】
また、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器100では、フォーマット変換部30は、各変換処理部21から受けた対応の計測データまたは対応の変換後データと、バッファ12Eから取得した位置データとをNMEA0183の規格に従うフォーマットに格納することにより、各計測データまたは各変換後データと、位置データとを含むセンテンスデータを生成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、フォーマット変換部30は、出力部40によるセンテンスデータの送信先に応じて、NMEA0183の規格に従うフォーマットに格納する計測データまたは変換後データを変更する構成であってもよい。
【0088】
ところで、移動体におけるデータ処理に関する優れた技術が望まれる。
【0089】
たとえば、両頭船等の移動体において、各種計測機器による計測結果を示す計測データに基づいて、周辺状況の確認および自動運転制御等を行う技術が開発されている。
【0090】
このような技術において、自動運転制御装置等の舶用機器は、両頭船が船首方向への推力を発生して船首側へ進む状態において、船首方向を基準として表された計測データを用いた処理および制御を行う必要がある一方で、両頭船が船尾方向への推力を発生して船尾側へ進む状態において、船尾方向を基準として表された計測データを用いた処理および制御を行う必要がある。そこで、各舶用機器において、自船が船尾方向への推力を発生して船尾側へ進む状態において、計測機器から受信した計測データを船尾方向基準のデータに変換処理し、変換処理後のデータを用いた処理および制御を行うことが考えられる。
【0091】
しかしながら、各舶用機器において計測データの変換処理を行う構成では、たとえば一部の舶用機器のみが計測データの変換処理を行った場合、航海システムにおいて、計測データの変換処理を行った舶用機器、および計測データの変換処理を行わなかった舶用機器の間においてデータの不一致等の不都合が生じる場合がある。
【0092】
そこで、両頭船の推力方向に応じて変換処理した計測データを、すべての舶用機器へ統括的に提供することが望まれる。
【0093】
これに対して、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器100では、入力部10は、第1のフォーマットのデータが入力される。データ変換部20は、入力部10に入力されたデータを変換することにより変換後データを生成する。フォーマット変換部30は、データ変換部20により生成された変換後データを第1のフォーマットとは異なる第2のフォーマットに格納する。出力部40は、フォーマット変換部30により第2のフォーマットに格納された変換後データを出力する。
【0094】
また、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換方法では、入力された第1のフォーマットのデータを変換することにより変換後データを生成し、生成した変換後データを第1のフォーマットとは異なる第2のフォーマットに格納する。
【0095】
このように、入力データを変換する機能を有するとともに、変換後データを第2のフォーマットに格納する構成および方法により、たとえば、第2のフォーマットに格納された変換後データを複数の機器へ統括的に提供することができる。
【0096】
したがって、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器およびデータフォーマット変換方法では、移動体におけるデータ処理に関する優れた技術を実現することができる。
【0097】
また、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器では、入力部10には、データとして、移動体に搭載された計測機器による計測結果を示す計測データが入力される。データ変換部20は、入力部10に入力された計測データを変換することにより変換後データを生成する。
【0098】
このような構成により、計測データを変換することにより生成される変換後データを複数の機器へ統括的に提供し、当該機器において計測データを用いた処理および制御を行うことができる。
【0099】
また、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器では、計測機器は、方位センサ、航法装置、風速計および潮流計のうちの少なくともいずれか1つである。
【0100】
このような構成により、各種計測機器による計測結果を示す計測データを変換することにより生成される変換後データを複数の機器へ統括的に提供し、当該機器においてこれらの変換後データを用いた処理および制御を行うことができる。
【0101】
また、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器では、計測データは、移動体の進行方位、移動体の速度、移動体の姿勢角、風向、風速、潮流方向および潮流速度のうちの少なくともいずれか1つを示す。
【0102】
このような構成により、各種計測データを変換することにより生成される変換後データを複数の機器へ統括的に提供し、当該機器においてこれらの変換後データを用いた自動運転制御等の処理および制御を行うことができる。
【0103】
また、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器では、データ変換部は、データが示す値の正負を反転することにより変換後データを生成する。
【0104】
このような構成により、たとえば、船舶の船首方向を基準として表されたデータを、船舶の船尾方向を基準として表されたデータに変換した変換後データを生成することができる。
【0105】
また、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器では、データ変換部は、データが示す方位角に180°加算した方位角を示す変換後データを生成する。
【0106】
このような構成により、たとえば、船舶の船首方向の方位角を示すデータを、船舶の船尾方向の方位角を示すデータに変換した変換後データを生成することができる。
【0107】
また、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器では、切替部50は、データフォーマット変換器100の外部から受信した切替信号に応じて、データ変換部20による変換後データの生成が行われるか否かを切り替える。
【0108】
このような構成により、たとえば、船舶の推力方向に応じた切替信号をデータフォーマット変換器100の外部における制御装置130から受信し、受信した切替信号に従って、データの生成を行うか否かを船舶の推力方向に応じて切り替えることができる。
【0109】
また、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器では、切替部50は、移動体に搭載された機器から切替信号を受信する。
【0110】
このような構成により、たとえば、移動体の推力方向を認識可能な機器から船舶の推力方向に応じた切替信号を受信し、受信した切替信号に従って、変換後データの生成を行うか否かを船舶の推力方向に応じて切り替えることができる。
【0111】
また、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器では、移動体は船舶である。
【0112】
このような構成により、船舶におけるデータ処理に関する優れた技術を実現することができる。
【0113】
また、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器では、船舶は両頭船である。
【0114】
このような構成により、たとえば、船首方向への推力を発生して船首側へ進む状態と、船尾方向への推力を発生して船尾側へ進む状態とで、変換後データの生成を行うか否かを切り替えることができる。
【0115】
また、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器では、出力部40は、第2のフォーマットの変換後データを船舶1に搭載された舶用機器へ出力する。
【0116】
このような構成により、第2のフォーマットに格納された変換後データをたとえば複数の舶用機器へ統括的に提供することができる。
【0117】
また、本発明の実施の形態に係るデータフォーマット変換器では、舶用機器は、レーダ装置、GPSプロッタ、ECDIS、魚群探知機、ソナー、通信機器およびオートパイロットのうちの少なくともいずれか1つである。
【0118】
このような構成により、変換後データを各種舶用機器へ統括的に提供し、これらの舶用機器において変換後データを用いた処理および制御を行うことができる。
【0119】
また、本発明の実施の形態に係る航海システム200は、上記データフォーマット変換器100と、移動体に搭載された計測機器と、移動体に搭載された舶用機器とを備える。上記移動体は船舶である。
【0120】
このような構成により、船舶に搭載された航海システムおけるデータ処理に関する優れた技術を実現することができる。
【0121】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0122】
1 船舶
10 入力部
11 受信部
12 バッファ
20 データ変換部
21 変換処理部
30 フォーマット変換部
40 出力部
50 切替部
100 データフォーマット変換器
111 方位センサ
112 航法装置
113 風速計
114 潮流計
115 GPS受信機
121 レーダ装置
122 GPSプロッタ
123 ECDIS
124 オートパイロット
131 制御装置
200 航海システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13