(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-05
(45)【発行日】2025-02-14
(54)【発明の名称】多軸ポジショナ
(51)【国際特許分類】
G12B 5/00 20060101AFI20250206BHJP
B23Q 1/44 20060101ALI20250206BHJP
【FI】
G12B5/00 A
B23Q1/44 A
(21)【出願番号】P 2023518540
(86)(22)【出願日】2021-09-21
(86)【国際出願番号】 US2021051234
(87)【国際公開番号】W WO2022066610
(87)【国際公開日】2022-03-31
【審査請求日】2023-05-30
(32)【優先日】2020-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509223830
【氏名又は名称】3エスエーイー テクノロジーズ インク
【住所又は居所原語表記】416 Mary Lindsay Polk Dr.,Suite 511 Franklin TN U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワイリー ロバート
(72)【発明者】
【氏名】クラーク ブレット
【審査官】吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-536989(JP,A)
【文献】特開平10-260277(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0221376(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G12B 5/00
B23Q 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を好ましい位置に維持するように構成される溝またはチャネルを有する構造体(304)と、
少なくとも1つのベース(302)と、
前記少なくとも1つのベース上にわたって前記構造体を支持し、1つ以上のアクチュエータの伸長または収縮に応じて前記少なくとも1つのベースに対して前記構造体を移動させるように構成される複数のアクチュエータ(306、308、310、312)であって、前記構造体を傾けて回転させるように構成される複数のアクチュエータ(306、308、310、312)と、
を備え、
3つ以上の前記アクチュエータは、少なくとも4自由度(DOF)を有するジョイントを介して前記構造体との接触を維持するスライダを備える端部を含
み、
前記3つ以上のアクチュエータは、4DOFを有するジョイントを介して前記構造体との接触を維持する少なくとも2つのアクチュエータを含むことを特徴とするポジショナ(300)。
【請求項2】
請求項1に記載のポジショナであって、前記3つ以上のアクチュエータは、5DOFを有するジョイントを介して前記構造体との接触を維持する少なくとも2つのアクチュエータを含むことを特徴とするポジショナ。
【請求項3】
請求項1に記載のポジショナであって、4DOFを有する少なくとも1つのジョイントが磁気ジョイントであることを特徴とするポジショナ。
【請求項4】
請求項1に記載のポジショナであって、5DOFを有する少なくとも1つのジョイントが磁気ジョイントであることを特徴とするポジショナ。
【請求項5】
請求項1に記載のポジショナであって、前記3つ以上のアクチュエータの端部に設けられたスライダのそれぞれが、前記構造体との磁気ジョイントを有することを特徴とするポジショナ。
【請求項6】
請求項1に記載のポジショナであって、前記構造体との4DOFジョイントを有するアクチュエータは、前記構造体と接触する円柱状の端部を有することを特徴とするポジショナ。
【請求項7】
請求項1に記載のポジショナであって、前記構造体との5DOFジョイントを有するアクチュエータは、前記構造体と接触する半球状の端部を有することを特徴とするポジショナ。
【請求項8】
請求項1に記載のポジショナであって、前記構造体は、長手方向に延びる溝、くぼみ、またはチャネルを含むことを特徴とするポジショナ。
【請求項9】
請求項
8に記載のポジショナであって、長手方向に延びる前記溝、くぼみ、またはチャネルは、少なくとも1つの光ファイバを保持するように構成されることを特徴とするポジショナ。
【請求項10】
請求項
8に記載のポジショナであって、前記構造体は、少なくとも1本の光ファイバを保持するように構成されるV溝を含むことを特徴とするポジショナ。
【請求項11】
請求項1に記載のポジショナであって、
前記構造体がトッププレートを備え、前記少なくとも1つのベースが少なくとも1つのベースプレートを含み、
前記トッププレートを支持する前記3つ以上のアクチュエータが前記少なくとも1つのベースプレートに結合されることを特徴とするポジショナ。
【請求項12】
請求項
11に記載のポジショナであって、前記トッププレートは、前記3つ以上のアクチュエータによって係合される傾斜側面を含み、前記少なくとも1つのベースプレートは、前記3つ以上のアクチュエータが結合される傾斜側面ピースを含み、前記トッププレートの前記傾斜側面および前記少なくとも1つのベースプレートの前記傾斜側面ピースは、鉛直面または鉛直軸に対して同じ角度を成すことを特徴とするポジショナ。
【請求項13】
請求項
12に記載のポジショナであって、前記少なくとも1つのベースは、前記トッププレート(304)の端部に対するカップリング(319)を含むエンドプレート(317)を含むことを特徴とするポジショナ。
【請求項14】
請求項
13に記載のポジショナであって、前記カップリングが磁気カップリングであることを特徴とするポジショナ。
【請求項15】
請求項1
~14のいずれか1項に記載のポジショナであって、前記3つ以上のアクチュエータは、5DOFを有するジョイントを介して前記構造体との接触を維持する少なくとも2つのアクチュエータを含むことを特徴とするポジショナ。
【請求項16】
請求項1
~14のいずれか1項に記載のポジショナであって、4DOFを有する少なくとも1つのジョイントが磁気ジョイントであることを特徴とするポジショナ。
【請求項17】
請求項
1~14のいずれか1項に記載のポジショナであって、5DOFを有する少なくとも1つのジョイントが磁気ジョイントであることを特徴とするポジショナ。
【請求項18】
請求項1
~14のいずれか1項に記載のポジショナであって、前記3つ以上のアクチュエータのそれぞれが前記構造体との磁気ジョイントを有することを特徴とするポジショナ。
【請求項19】
請求項1
~14のいずれか1項に記載のポジショナであって、前記構造体との4DOFジョイントを有するアクチュエータが、前記構造体と接触する円柱状の端部を有することを特徴とするポジショナ。
【請求項20】
請求項1
~14のいずれか1項に記載のポジショナであって、前記構造体との5DOFジョイントを有するアクチュエータが、前記構造体と接触する半球状の端部を有することを特徴とするポジショナ。
【請求項21】
請求項1
~14のいずれか1項に記載のポジショナであって、前記構造体は、長手方向に延びる溝、くぼみ、またはチャネルを含むことを特徴とするポジショナ。
【請求項22】
請求項
21に記載のポジショナであって、長手方向に延びる前記溝、くぼみ、またはチャネルは、少なくとも1本の光ファイバを保持するように構成されることを特徴とするポジショナ。
【請求項23】
請求項
21に記載のポジショナであって、前記構造体は、少なくとも1本の光ファイバを保持するように構成されるV溝を含むことを特徴とするポジショナ。
【請求項24】
請求項1
~14のいずれか1項に記載のポジショナであって、
前記構造体がトッププレートを備え、前記少なくとも1つのベースが少なくとも1つのベースプレートを含み、
前記トッププレートを支持する前記3つ以上のアクチュエータが前記少なくとも1つのベースプレートに結合されることを特徴とするポジショナ。
【請求項25】
請求項
24に記載のポジショナであって、前記トッププレートは、前記3つ以上のアクチュエータによって係合される傾斜側面を含み、前記少なくとも1つのベースプレートは、前記3つ以上のアクチュエータが結合される傾斜側面ピースを含み、前記トッププレートの前記傾斜側面および前記少なくとも1つのベースプレートの前記傾斜側面ピースは、鉛直面または鉛直軸に対して同じ角度を成すことを特徴とするポジショナ。
【請求項26】
請求項1
~14のいずれか1項に記載のポジショナであって、前記構造体の端部に対するカップリングを含むエンドプレートを更に備えることを特徴とするポジショナ。
【請求項27】
請求項
26に記載のポジショナであって、前記カップリングが磁気カップリングであることを特徴とするポジショナ。
【請求項28】
物体を好ましい位置に維持するように構成される溝またはチャネルを有するトッププレート(304)と、
ベースプレート(302)と、
前記ベースプレート上にわたって前記トッププレートを支持し、1つ以上のアクチュエータの伸長または収縮に応じて前記トッププレートを移動させるように構成される3つ以上のアクチュエータ(306、308、310、312)であって、前記アクチュエータのそれぞれが、少なくとも4自由度(DOF)を有するジョイントを介して前記トッププレートとの接触を維持するスライダを備える端部を含み、前記アクチュエータが前記トッププレートを傾けて回転させるように構成される、3つ以上のアクチュエータ(306、308、310、312)と、
を備え
、
前記3つ以上のアクチュエータは、4DOFを有するジョイントを介して前記トッププレートとの接触を維持する少なくとも2つのアクチュエータと、5DOFを有するジョイントを介して前記トッププレートとの接触を維持する少なくとも1つのアクチュエータとを含むことを特徴とするポジショナ(300)。
【請求項29】
請求項
28に記載のポジショナであって、前記トッププレートは、前記3つ以上のアクチュエータによって係合される傾斜側面を含み、前記ベースプレートは、前記3つ以上のアクチュエータが結合される傾斜側面ピースを含み、前記トッププレートの前記傾斜側面および前記ベースプレートの前記傾斜側面ピースは、鉛直面または鉛直軸に対して同じ角度を成すことを特徴とするポジショナ。
【請求項30】
請求項
28に記載のポジショナであって、前記トッププレートとの4DOFジョイントを有する前記アクチュエータは、円柱状の端部を有することを特徴とするポジショナ。
【請求項31】
請求項
30に記載のポジショナであって、前記トッププレートは、前記3つ以上のアクチュエータによって係合される傾斜側面を含み、前記ベースプレートは、前記3つ以上のアクチュエータが結合される傾斜側面ピースを含み、前記トッププレートの前記傾斜側面および前記ベースプレートの前記傾斜側面ピースは、鉛直面または鉛直軸に対して同じ角度を成すことを特徴とするポジショナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の概念は、位置決めステージに関し、特に、多軸相対位置決めステージに関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願
本出願は、2020年9月23日に出願されて多軸ポジショナと題される米国特許出願第17/029,908号の利益を主張し、この米国特許出願第17/029,908号は、2020年7月16日に出願されて多軸ポジショナと題される米国特許出願第16/930,638号の一部継続出願であり、米国特許出願第16/930,638号は、2019年2月14日に出願されて多軸位置決め方法と題される、現在米国特許第10,746,928号である米国特許出願第16/275,601号の継続出願であり、米国特許第10,746,928号は、2017年9月29日に出願されて多軸相対位置決めステージと題される、現在米国特許第10,429,587号である米国特許出願第15/720,006号の分割出願であり、米国特許第10,429,587号は、2016年9月30日に出願されて多軸相対位置決めステージと題される米国仮出願第62/402,674号の利益を主張し、これらの出願のそれぞれは、引用によりその全体が本願に組み入れられる。
【0003】
位置マニピュレータは、様々な精度で物体、ツール、または器具を位置決めするために、膨大な数の用途で使用される。剛体(不動)、プリズム、回転、平行円柱、円柱、球面、平面、エッジスライダ、円柱スライダ、点スライダ、球面スライダ、および交差円柱を含む、位置マニピュレータで使用され得るキネマティックジョイント、またはキネマティックペアの概要が
図1に示される。
【0004】
スチュワートプラットフォーム(本明細書ではヘキサポッドとも呼ばれる)は、例えば、各アクチュエータの両端に球状、ボール、またはユニバーサルジョイントを伴う6つのアクチュエータから構成される多軸位置決めステージである。ヘキサポッドは、殆どの用途で世界クラスの多軸位置決めステージ形態と見なされるが、多くの場合、法外なコストがかかる。ヘキサポッドの1つの問題は、それがアクチュエータどうしの相互作用による相乗的なモーションプラットフォームだということである。すなわち、アクチュエータどうしの相互作用により、どのアクチュエータも独立して動かすことはできず、所与の移動では、アクチュエータの多くまたは全てが、ステージが拘束されるのを防ぐために、異なる特定の量をかつ異なる速度プロファイルで移動する必要がある。更に、これらの動きと速度のプロファイルは、所定の開始点と終了点が変更されると、連続的に変化する。このため、短距離の単軸移動が必要な場合でも、各アクチュエータがステージのトッププレートをポイントAからポイントBに到達させるために必要な移動距離と速度プロファイルを個別に計算するには、非常に複雑なコンピュータアルゴリズムが必要である。その結果、人間のオペレータは、この単純な動きでさえ、ステージを拘束せずに手動で実行することはできない。
【0005】
ヘキサポッドに伴う他の重大な欠点は、ジョイントの剛性(軸外動作に対する)が「スロップ」または「遊び」を決定し、したがってステージの分解能を決定することである。益々厳しい公差で球状ジョイント(ヘキサポッドで採用される)を形成することは指数関数的に困難になるため、これは設計上の矛盾である。すなわち、設計者が世界クラスの球面ベアリングを形成してステージの分解能を最大化し、傾斜を最小限に抑える場合、デフォルトで2つの固有の問題が悪化する。第1に、球面ジョイントの剛性により、拘束を防止するために、各アクチュエータの動作および速度プロファイル要件の精度が指数関数的に向上する。第2に、必要な正確な動作と速度プロファイルを実現するために、アクチュエータの機能要件が指数関数的に増大する。その結果、ヘキサポッドの分解能を向上させるには、動きと速度のプロファイルを決定するための計算能力の指数関数的な増大、アクチュエータの性能能力の指数関数的な増大、および12個の高品質球面ベアリングが必要である。これら全ての要因により、ヘキサポッドのコストが大幅に上昇する。
【0006】
ヘキサポッドは、一般に、対応するキネマティックチェーンの3倍~10倍の費用がかかるが、公差スタックアップの問題に悩まされないため、しばしば好まれる。10ミクロンの精度は、多くの用途でポジショナの要件として珍しくはなく、例えば、フォトニクス業界では、サブミクロンの精度が必要になることがよくある。現在、ヘキサポッドの価格は、一般に、物理的なサイズ、負荷制限、および精度のそれぞれの要件に応じて、60,000ドルから120,000ドルを超える。別の正確な位置マニピュレータが非常に望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の概念の原理によれば、平行位置マニピュレータは、トッププレート、ベースプレート(本明細書ではボトムプレートまたはベースプレートとも呼ばれる)、および3つ、4つ、5つ、または6つのプリズムジョイントアクチュエータを含む。各アクチュエータは、ベースプレートまたはトッププレートのいずれかに5自由度(DOF)を持つアクチュエータジョイントを含む。動作時、アクチュエータの1つ以上が伸長または収縮すると、残りのアクチュエータの回動点、例えば5DOFアクチュエータジョイントがそのアクチュエータの動作軸(すなわち、アクチュエータの伸長および収縮によって規定される軸)以外の任意の軸でシフトできる。例示的な実施形態では、磁力、重力、および/またはシリコーンなどの柔軟なポリマーを使用して、プリズムアクチュエータが伸長または収縮するときに最大5つのDOF回動点を接触領域内のそれぞれの(すなわち、トップまたはボトム)プレートと接触させ続けることができる。例示的な実施形態では、プリズムアクチュエータのうちの少なくとも2つは、少なくとも2つの他のプリズムアクチュエータに対して垂直である。第5の軸が追加されると、その関連するプリズムアクチュエータは、他の4つのプリズムアクチュエータに対して垂直に配置される。
【0008】
例示的な実施形態では、アクチュエータは、圧電アクチュエータ、手動マイクロメータねじ、磁気アクチュエータ、リニアアクチュエータを伴うステッピングモータ(一体型または別個のいずれか)、油圧シリンダ、空気圧シリンダ、または例えば、偏心カムを伴う移転モータなどの幾つかのタイプのうちのいずれかであってもよい。本発明の概念の原理に係る例示的な実施形態では、平行位置マニピュレータは、各アクチュエータによって及ぼされる押し引き力が、組み合わされた他の全てのアクチュエータの剪断摩擦よりも大きくなるように構成される。例示的な実施形態では、これは、保持力は高いが剪断力は低い材料、例えば、硬質で平坦な金属表面と磁気的に接触して保持される硬質金属の球状表面などを使用することによって達成される。そのような実施形態では、側面の一方のみ(すなわち、硬質金属の球状表面または硬質で平坦な金属表面のいずれか)が磁化される。これは、両側面が磁性体の場合、それらが、スライド軸で半拘束され、したがって球状の3DOFジョイントのように振る舞うからである。
【0009】
本発明の概念の原理によれば、位置決めステージは、複数の磁気プリズムジョイントアクチュエータ、ベースプレート、およびトッププレートを含む。トッププレートは、装置を正確に位置決めするために装置を支持することができる。トッププレートは、複数の磁気プリズムジョイントアクチュエータによって支持されてもよく、これらの磁気プリズムジョイントアクチュエータは、更には、ベースプレートによって支持される。例示的な実施形態において、各アクチュエータは、垂直軸または平面に対してある角度で各アクチュエータを位置決めするベースプレートの一部分に固定される。例示的な実施形態では、角度が45度であり、これにより、アクチュエータがベースプレートの反対側の端部またはエンドピースに互いに90度に位置決めされる。例示的な実施形態において、トッププレートの側面は、垂直軸または平面に対してベースプレートの側面と同じ角度で形成されるが、他の形態が本発明の概念の範囲内で考えられる。トッププレートの傾斜側面に磁石が設けられる。各アクチュエータは、その遠位端に、例えば鉄金属であってもよい磁性材料を含む。例示的な実施形態では、磁性材料が半球の形状であるが、本発明の概念の範囲内で他の形状および組合せが考えられる。好ましい実施形態では、各磁性材料の端部は、トッププレートの側面で磁石と接触するように構成され、それによってベースプレートの上にトッププレートを支持する。
【0010】
動作時、アクチュエータの遠位端は、磁石の力によってトッププレートの側面にある磁石と接触して保持される。アクチュエータが作動する(すなわち、伸長または収縮する)と、トッププレートは、アクチュエータの動きによって決定される動作方向に直線的に移動する。トッププレートの反対側で磁石と接触しているアクチュエータの遠位端は、アクチュエータの遠位端の磁性材料に作用する磁石の磁力によって、磁石と接触したままである。同時に、このアクチュエータの遠位端により、作動されたアクチュエータの動きによって決定される方向に磁石(およびトッププレート)をスライドさせることができる。
【0011】
本発明の概念によれば、トッププレート、ベースプレート、およびトッププレートをベースプレート上にわたって支持して1つ以上のアクチュエータの伸長または収縮に応じてトッププレートを動かすように構成された3つ以上のアクチュエータを備える平行ポジショナが提供され、アクチュエータのそれぞれは5自由度を有するジョイントを含む。
【0012】
様々な実施形態において、アクチュエータのそれぞれは、5自由度ジョイントとして磁気ジョイントを含む。
【0013】
様々な実施形態において、トッププレートは傾斜側面を含み、アクチュエータは、ベースプレートからトッププレートまで伸長するとともに、トッププレートの傾斜側面に沿ってトッププレートを支持するように構成される。
【0014】
様々な実施形態において、中立位置において、トッププレートの傾斜側面は、垂直軸または平面に対して、ベースプレートの傾斜側面と同じ角度である。
【0015】
様々な実施形態において、各磁気ジョイントは、半球状の磁性材料で形成されたアクチュエータの端部と、プレートの接触領域内の磁石とを含む。
【0016】
様々な実施形態において、各磁気ジョイントはトッププレートの側面に形成され、ジョイントを形成する各それぞれのアクチュエータ端部は、トッププレートの側面で磁石と接触するように構成され、アクチュエータの各それぞれの反対側の端部は、ベースプレートに取り付け固定されるように構成される。
【0017】
様々な実施形態において、平行ポジショナは、トッププレートの側面との磁気ジョイントをそれぞれが形成する4つのプリズムアクチュエータ、側面ごとに2つのアクチュエータ、および他端でベースプレートに固定される各プリズムアクチュエータを含み、ベースプレートのエンドピースおよびトッププレートの側面は、中立位置にあるときに、垂直軸または平面に対して同じ角度で形成される。
【0018】
様々な実施形態において、アクチュエータは、アクチュエータの任意の対の同じ伸長量または収縮量が単一の軸に沿ってのみトッププレートの動きをもたらすように構成され、前記伸長または収縮が電子コントローラの制御下で実行される。
【0019】
本発明の概念の他の態様によれば、装置を位置決めする方法が提供され、この方法は、装置が置かれるトッププレートを用意するステップと、トッププレートを支持するためのベースプレートを用意するステップと、トッププレートとベースプレートとの間に3つ以上のアクチュエータを設けるステップとを含み、アクチュエータは、ベースプレート上にわたってトッププレートを支持し、1つ以上のアクチュエータの伸長または収縮によってトッププレートを動かすように構成され、アクチュエータのそれぞれは、5自由度を有するジョイントを含む。
【0020】
様々な実施形態において、アクチュエータのそれぞれは、5自由度ジョイントとして磁気ジョイントを含む。
【0021】
様々な実施形態において、トッププレートは傾斜側面を含み、アクチュエータは、ベースプレートからトッププレートまで伸長するとともにトッププレートの傾斜側面に沿ってトッププレートを支持するように構成される。
【0022】
様々な実施形態において、中立位置において、トッププレートの傾斜側面は、垂直軸または平面に対して、ベースプレートの傾斜側面と同じ角度である。
【0023】
様々な実施形態において、各磁気ジョイントは、半球状の磁性材料で形成されたアクチュエータの端部と、プレートの接触領域内の磁石とを含む。
【0024】
様々な実施形態において、各磁気ジョイントがトッププレートの側面に形成され、ジョイントの各それぞれのアクチュエータ端部はトッププレートの側面で磁石と接触するように構成され、アクチュエータの各それぞれの反対側の端部はベースプレートに取り付け固定されるように構成される。
【0025】
様々な実施形態において、位置決めの方法は、トッププレートの側面との磁気ジョイントをそれぞれが形成する4つのプリズムアクチュエータ、側面ごとに2つのアクチュエータ、および他端部でベースプレートに固定される各プリズムアクチュエータを用意するステップを含み、ベースプレートのエンドピースおよびトッププレートの側面は、中立位置にあるときに、垂直軸または平面に対して同じ角度で形成される。
【0026】
様々な実施形態において、アクチュエータは、アクチュエータの任意の対の同じ伸長量または収縮量が単一の軸に沿ってのみトッププレートの動きをもたらし、前記伸長または収縮が電子コントローラの制御下で実行されるように構成される。
【0027】
本発明の概念の他の態様によれば、フォトニック装置と、フォトニック装置を支持するトッププレートと、ベースプレートと、ベースプレート上にわたってトッププレートを支持するとともに1つ以上のアクチュエータの伸長または収縮に応じてトッププレートを移動させるように構成される3つ以上のアクチュエータとを備える、フォトニック位置決め装置が提供され、アクチュエータのそれぞれは5自由度を有するジョイントを含む。
【0028】
様々な実施形態において、フォトニック装置が光ファイバスプライサである。
【0029】
様々な実施形態において、フォトニック位置決め装置は、それぞれがトッププレートの側面との磁気ジョイントを形成する4つのプリズムアクチュエータ、側面ごとに2つのアクチュエータ、および他端部でベースプレートに固定された各プリズムアクチュエータを更に備え、ベースプレートのエンドピースおよびトッププレートの側面は、中立位置にあるときに、垂直軸または平面に対して同じ角度で形成される。
【0030】
様々な実施形態において、アクチュエータは、アクチュエータの任意の対の同じ伸長量または収縮量が単一の軸に沿ってのみトッププレートの動きをもたらすように構成され、前記伸長または収縮が電子コントローラの制御下で実行される。
【0031】
本発明の概念の他の態様によれば、トッププレート、ベースプレート、およびトッププレートをベースプレート上にわたって支持するとともに1つ以上のアクチュエータの伸長または収縮に応じてトッププレートを動かすように構成された少なくとも4つのアクチュエータを備える平行ポジショナが提供され、アクチュエータの少なくとも幾つかは、5自由度を有するジョイントを含む。
【0032】
様々な実施形態において、アクチュエータのそれぞれは、5自由度を有するジョイントを含む。
【0033】
様々な実施形態において、アクチュエータの全部が5自由度を有するジョイントを含むわけではない。
【0034】
様々な実施形態において、アクチュエータのうちの少なくとも1つは、4自由度を有するジョイントを含む。
【0035】
様々な実施形態において、トッププレートは、第1の傾斜側面および第2の傾斜側面を含み、ベースプレートは、第1の傾斜側面に対応して第1の傾斜側面と平行な第1の傾斜側面ピースと、第2の傾斜側面に対応して第2の傾斜側面と平行な第2の傾斜側面ピースとを含む。
【0036】
様々な実施形態において、ベースプレートが中間部分を含み、この中間部分から側面ピースが延びる。
【0037】
幾つかの実施形態では、中間部分が平面である。
【0038】
本発明の概念の他の態様によれば、構造体と、少なくとも1つのベースと、少なくとも1つのベース上にわたって構造体を支持するとともに1つ以上のアクチュエータの伸長または収縮に応じて構造体を移動させるように構成される複数のアクチュエータとを備えるポジショナが提供される。アクチュエータのうちの3つ以上が、少なくとも4自由度(DOF)を有するジョイントを介して構造体との接触を維持する。
【0039】
様々な実施形態において、アクチュエータのうちの3つ以上は、5DOFを有するジョイントを介して構造体との接触を維持する少なくとも2つのアクチュエータを含む。
【0040】
様々な実施形態において、3つ以上のアクチュエータは、4DOFを有するジョイントを介して構造体との接触を維持する少なくとも2つのアクチュエータを含む。
【0041】
様々な実施形態において、4DOFを有する少なくとも1つのジョイントは磁気ジョイントである。
【0042】
様々な実施形態において、5DOFを有する少なくとも1つのジョイントは磁気ジョイントである。
【0043】
様々な実施形態において、3つ以上のアクチュエータのそれぞれは、構造体との磁気ジョイントを有する。
【0044】
様々な実施形態において、構造体との4DOFジョイントを有するアクチュエータは、構造体と接触する円柱状の端部を有する。
【0045】
様々な実施形態において、構造体との5DOFジョイントを有するアクチュエータは、構造体と接触する半球状の端部を有する。
【0046】
様々な実施形態において、構造体は、長手方向に延びる溝、くぼみ、またはチャネルを含む。
【0047】
様々な実施形態において、長手方向に延びる溝、くぼみ、またはチャネルは、少なくとも1本の光ファイバを保持するように構成される。
【0048】
様々な実施形態において、構造体は、少なくとも1本の光ファイバを保持するように構成されるV溝を含む。
【0049】
様々な実施形態において、ポジショナがトッププレートを更に備え、少なくとも1つのベースが少なくとも1つのベースプレートを備え、トッププレートを支持する3つ以上のアクチュエータが少なくとも1つのベースプレートに結合される。
【0050】
様々な実施形態において、トッププレートは、複数のアクチュエータによって係合される傾斜側面を含み、少なくとも1つのベースプレートは、3つ以上のアクチュエータが結合される傾斜側面ピースを含み、トッププレートの傾斜側面および少なくとも1つのベースプレートの傾斜側面ピースは、垂直面または軸に対して同じ角度を有する。
【0051】
様々な実施形態において、このポジショナは、構造体の端部に対するカップリングを含むエンドプレートを更に備える。
【0052】
様々な実施形態において、カップリングが磁気カップリングである。
【0053】
本発明の概念の他の態様によれば、トッププレート、ベースプレート、およびトッププレートをベースプレート上にわたって支持するとともに1つ以上のアクチュエータの伸長または収縮に応じてトッププレートを動かすように構成される3つ以上のアクチュエータを備えるポジショナが提供され、アクチュエータのそれぞれは、少なくとも4自由度(DOF)を有するジョイントを介してトッププレートとの接触を維持する。
【0054】
様々な実施形態において、3つ以上のアクチュエータは、4DOFを有するジョイントを介してトッププレートとの接触を維持する少なくとも2つのアクチュエータと、5DOFを有するジョイントを介してトッププレートとの接触を維持する少なくとも1つのアクチュエータとを含む。
【0055】
様々な実施形態において、トッププレートは、3つ以上のアクチュエータによって係合される傾斜側面を含み、ベースプレートは、3つ以上のアクチュエータが結合される傾斜側面ピースを含み、トッププレートの傾斜側面およびベースプレートの傾斜側面ピースは、垂直面または軸に対して同じ角度を有する。
【0056】
様々な実施形態において、トッププレートとの4DOFジョイントを有するアクチュエータは、円柱状の端部を有する。
【0057】
本発明は、添付図面および付随する発明を実施するための形態を考慮することにより、より明らかになるだろう。そこに示されている実施形態は、限定ではなく例として提供されており、同様の参照番号は同じまたは同様の要素を指す。図面は必ずしも原寸に比例しておらず、代わりに本発明の態様を示すことに重点が置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【
図1】様々な従来のキネマティックジョイントを示す図である。
【
図2】第3のアクチュエータ(図示せず)が第1のアクチュエータの後ろにあり、第4のアクチュエータ(図示せず)が第2のアクチュエータの後ろにある、全てのアクチュエータが収縮された4軸位置決めステージまたはポジショナの実施形態の正面端面図である。
【
図3】第1のアクチュエータおよび第3のアクチュエータが軸(「X軸」)に沿って伸長される、
図2の4軸ステージの同じ正面端面図である。
【
図4】第2のアクチュエータおよび第4のアクチュエータが軸(「Y軸」)に沿って伸長される、
図2の4軸ステージの同じ端面図である。
【
図5】第2のアクチュエータ(図示せず)が第1のアクチュエータの後ろにあり、第4のアクチュエータ(図示せず)が第3のアクチュエータの後ろにある、第1および第3のアクチュエータが「X軸」に沿って伸長された、
図2の4軸ステージの第1の図である。
【
図6】第1のアクチュエータ(図示せず)が第2のアクチュエータの後ろにあり、第3のアクチュエータ(図示せず)が第4のアクチュエータの後ろにある、第2および第4のアクチュエータが「Y軸」に沿って伸長された、
図2の4軸ステージの第1の図とは反対側の第2の図である。
【
図7】第2のアクチュエータ(図示せず)が第1のアクチュエータの後ろにあり、第4のアクチュエータ(図示せず)が第2のアクチュエータの後ろにある、トッププレートのピッチングを行うべく第1のアクチュエータが収縮されて第3のアクチュエータが伸長される、
図2および
図5の4軸ステージの第1の図である。
【
図8】第1のアクチュエータ(図示せず)が第2のアクチュエータの後ろにあり、第3のアクチュエータ(図示せず)が第4のアクチュエータの後ろにある、トッププレートのヨーイングを行うべく第2のアクチュエータが伸長されて第4のアクチュエータが収縮される、
図2および
図6の4軸ステージの第2の図である。
【
図9】明確にするためにベースプレートが省かれた、
図2の4軸ステージの図である。
【
図10】本発明の概念の原理に係る、4軸ステージに適用できる単軸/デュアルアクチュエータ移動のテーブルである。
【
図11】本発明の概念の原理に係る、5軸ステージに適用できる単軸/単一アクチュエータ移動のテーブルである。
【
図12】本発明の概念の原理に係る、5軸位置決めステージの上面図の一実施形態を示す図である。
【
図13】本発明の概念の原理に係る、トッププレートの「ローリング」動作を達成することができる多軸位置決めステージの他の実施形態を示す図である。
【
図14A】本発明の概念の原理に係る、1桁ミクロンの精度が可能な手動アクチュエータを使用する4軸ステージの他の実施形態の図である。
【
図14B】本発明の概念の原理に係る、1桁ミクロンの精度が可能な手動アクチュエータを使用する4軸ステージの他の実施形態の図である。
【
図14C】本発明の概念の原理に係る、1桁ミクロンの精度が可能な手動アクチュエータを使用する4軸ステージの他の実施形態の図である。
【
図15】本発明の概念の原理に係る、ジョイントにおいて円柱磁石を使用する5軸位置決めステージの一実施形態の図である。
【
図16】本発明の概念の原理に係る、電子コントローラを含むフォトニックポジショナの一実施形態のブロック図である。
【
図17A】本発明の概念の原理に係る、4軸位置決めステージを使用するフォトニックポジショナシステムの一実施形態の図である。
【
図18】本発明の概念の態様に係る、多軸位置決めステージの他の実施形態の正面端面図である。
【
図19】第1および第3のアクチュエータが伸長された、
図18の多軸位置決めステージの正面端面図である。
【
図20】第2および第4のアクチュエータが伸長された、
図18の多軸位置決めステージの正面端面図である。
【
図21】第1、第2、第3、および第4のアクチュエータが伸長された、
図18の多軸位置決めステージの正面端面図である。
【
図22】トッププレートが傾けられた、
図18の多軸位置決めステージの正面端面図である。
【
図23】トッププレートが傾けられた、
図18の多軸位置決めステージの斜視図である。
【
図24】トッププレートが傾けられた、
図18の多軸位置決めステージの側面図である。
【
図25】本発明の概念の態様に係る、多軸位置決めステージの他の実施形態の斜視図である。
【
図26】第1および第3のアクチュエータが伸長された、
図25の多軸位置決めステージの斜視図である。
【
図27】第1および第3のアクチュエータが伸長された、
図25の多軸位置決めステージの正面端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
本発明の概念の様々な態様は、幾つかの例示的な実施形態が示される添付図面を参照して、以下により完全に説明されることになる。しかしながら、本発明の概念は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書に記載された例示的な実施形態に限定されると解釈されるべきではない。
【0060】
本明細書では第1、第2などの用語を使用して様々な要素を説明することがあるが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するために使用されるが、必要な要素の順序を意味するものではない。例えば、本発明の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶことができ、同様に、第2の要素を第1の要素と呼ぶことができる。本明細書で使用されるように、「および/または」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つ以上のいずれかおよび全ての組合せを含む。「または」という用語は、排他的なまたはの意味で使用されず、包括的なまたはの意味で使用される。
【0061】
ある要素が他の要素の「上にある」または他の要素に「接続されている」または「結合されている」と言及される場合、その要素は、他の要素の上に直接にあるまたは他の要素に接続もしくは結合され得る、あるいは介在要素が存在し得ることが理解されるであろう。これに対し、ある要素が他の要素の「上に直接にある」または他の要素に「直接に接続される」もしくは「直接に結合される」と言及される場合、介在要素は存在しない。要素間の関係を説明するために使用される他の言葉は、同様の方法で解釈されるべきである(例えば、「間に」と「直接の間に」、「隣接する」と「直接に隣接する」など)。
【0062】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することだけを目的としており、本発明を限定することを意図していない。本明細書で使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈が明らかにそうでないと示さない限り、複数形も含むことを意図している。「備える」、「備えている」、「含む」、および/または「含んでいる」は、本明細書で使用される場合、記載された特徴、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではないことが更に理解されるであろう。
【0063】
「真下」、「下方」、「下側」、「上方」、および「上側」などの空間的に相対的な用語を使用して、例えば図に示されるようなある要素および/または特徴の他の要素および/または特徴との関係を説明することができる。空間的に相対的な用語は、図に示される方向に加えて、使用時および/または動作時の装置の異なる方向を包含することを意図していることが理解されるだろう。例えば、図中の装置をひっくり返すと、他の要素または特徴の「下方」および/または「真下」と記載された要素は、他の要素または特徴の「上方」に向けられることになる。装置は別の方向に向けられてもよく(例えば、90度回転または他の方向に)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子はそれに応じて解釈されてもよい。
【0064】
例示的な実施形態は、理想化された例示的な実施形態(および中間構造体)の概略図である断面図を参照して、本明細書で説明される。したがって、例えば、製造技術および/または公差の結果としての図の形状からの変動が予想されるべきである。したがって、例示的な実施形態は、本明細書に示される領域の特定の形状に限定されると解釈されるべきではなく、例えば製造に起因する形状の偏差を含むべきである。
【0065】
機能的特徴、動作、および/またはステップが本明細書に記載されているか、またはそうでなければ本発明の概念の様々な実施形態に含まれると理解される限りにおいて、そのような機能的特徴、動作、および/またはステップは、機能ブロック、ユニット、モジュール、動作、および/または方法で具現化することができる。そして、そのような機能ブロック、ユニット、モジュール、動作、および/または方法がコンピュータプログラムコードを含む限りにおいて、そのようなコンピュータプログラムコードは、例えば、少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって実行可能な非一時的メモリおよび媒体などのコンピュータ可読媒体に格納することができる。
【0066】
本発明の概念の原理に係る例示的な実施形態では、多軸ポジショナまたは位置決めステージは、1つ以上のプリズムジョイントアクチュエータなどの複数のアクチュエータによって支持される支持プレートを含む。好ましい実施形態では、アクチュエータのうちの1つ以上は、支持プレートに対して5自由度(DOF)を有するアクチュエータジョイントを含む。様々な実施形態において、1つ以上のアクチュエータは、支持プレートに対して4DOFを有するアクチュエータジョイントを含む。動作時、アクチュエータのうちの1つ以上が伸長または収縮すると、5DOFアクチュエータの回動点は、そのアクチュエータの動作軸(すなわち、アクチュエータの伸長および収縮によって規定される軸)以外の任意の軸でシフトできる。
【0067】
様々な実施形態において、支持プレートは、物体を支持する上面と、少なくとも幾つかのアクチュエータの可動端部によって係合される下面とを含むことができる。トッププレートと1つ以上の構造体との間に1つ以上のアクチュエータを配置することができる。幾つかの実施形態では、アクチュエータのうちの少なくとも幾つかは、ベースプレートまたはベース構造体に固定または結合される第1の端部と、支持(またはトップ)プレートに係合して移動する第2の端部とを有することができる。
【0068】
例示的な実施形態では、プリズムアクチュエータが収縮されるときに磁力、重力、および/またはシリコーンなどの柔軟なポリマーを使用して5つのDOF回動点をそれらのそれぞれの(すなわち、トップまたはボトム)プレートと接触した状態に保つことができる。
【0069】
幾つかの例示的な実施形態では、プリズムアクチュエータのうちの少なくとも2つは、少なくとも2つの他のプリズムアクチュエータに対して垂直であり得る。
【0070】
幾つかの実施形態では、第5の移動軸を含めることができる。第5の軸が含まれる場合、幾つかの実施形態では、その関連するプリズムアクチュエータを他の4つのプリズムアクチュエータに対して垂直に配置することができる。
【0071】
例示的な実施形態において、アクチュエータは、例えば、圧電アクチュエータ、手動マイクロメータねじ、磁気アクチュエータ、リニアアクチュエータを伴うステッピングモータ(一体型または別個のいずれか)、油圧シリンダ、空気圧シリンダ、または例えば偏心カムを伴う回転モータなどの幾つかのタイプのうちのいずれかであり得る。本発明の概念の原理に係る例示的な実施形態では、位置は、各アクチュエータによって及ぼされる押し引き力が、組み合わされた他の全てのアクチュエータの剪断摩擦よりも大きくなるように設定される。例示的な実施形態では、これは、保持力は高いが剪断力は低い材料、例えば、支持プレートの硬くて平らな金属面に磁気的に結合されてこの金属面と接触した状態に保持される球面、平坦面、または尖った表面を有する硬質金属アクチュエータ端部などの材料を使用することによって達成することができる。そのような実施形態では、接触面の一方(すなわち、硬質金属アクチュエータ端面または硬質で平坦な金属面のいずれか)のみが磁化される。これは、両側面が磁性体の場合、それらが、スライド軸で半拘束され、したがって球状の3DOFジョイントのように振る舞うからである。
【0072】
本発明の概念の原理に係る例示的な実施形態において、位置決めステージは、複数のプリズムジョイントアクチュエータ、ベースプレート(または構造体)、およびトッププレートを含む。トッププレートは、装置を正確に位置決めするために装置を支持することができ、支持プレートである。トッププレートは、複数のプリズムアクチュエータによって支持されてもよく、これらのプリズムアクチュエータは、更には、ベースプレートまたは他の構造体によって支持される。例示的な実施形態において、1つ以上のアクチュエータは、垂直軸または平面に対してある角度で各アクチュエータを位置決めするベースプレートの一部分に固定される。例示的な実施形態において、トッププレートの側面は、垂直軸または平面に対してベースプレートの側面と同じ角度で形成されるが、他の形態が本発明の概念の範囲内で考えられる。例えば、垂直面は、トッププレートとベースプレートの中心の長さを垂直に延びる面とすることができる。様々な実施形態において、例えばアクチュエータが等しい長さを有する場合、トッププレートの1つ以上の側面は、トッププレートの少なくとも1つの位置においてベースプレートの1つ以上の側面と平行であり得る。
【0073】
様々な実施形態において、支持アクチュエータ端部とトッププレートの側面との間に磁場を確立することができ、これにより、少なくとも1つのアクチュエータについて、トッププレート表面の一部分とアクチュエータ端部との間に磁気ジョイントが形成される。様々な実施形態において、トッププレートのアクチュエータ端部または傾斜側面のいずれかが、例えば磁石などの磁場発生材料を含むか、またはそれから形成され、他方は、例えば鉄金属などの磁性材料を含むか、またはそれから作られる。例示的な実施形態では、アクチュエータの端部が半球の形状であり得るが、円柱などの他の形状および組合せが、本発明の概念の範囲内で考えられる。様々な実施形態において、アクチュエータ端部は、磁性材料を含むか、または磁性材料から形成され、各磁性材料端部は、トッププレートの側面の磁石または磁性面と接触するように構成され、それによってトッププレートをベースプレートの上に移動可能に支持する。
【0074】
幾つかの実施形態において、トッププレートの側面の磁石は、トッププレートの外面に適合する。トッププレートの内面は、磁石である必要もなく、磁石を含む必要もない。幾つかの実施形態では、トッププレートは、平面形状、V字形状、半円柱形状、または別の形状の断面を有することができる。
【0075】
動作時、好ましい実施形態では、アクチュエータの遠位端は、磁石の力によってトッププレートの外面または側面上の磁石と接触した状態に維持される。アクチュエータが作動すると、例えば伸長または収縮すると、トッププレートは、アクチュエータの動きによって決定される動作方向に応じて動く。したがって、アクチュエータは軸に沿って伸長および収縮可能である。トッププレートの反対側の磁石と接触しているアクチュエータの遠位端は、アクチュエータの遠位端の磁性材料に作用する磁石の磁力によって、磁石と接触したままである。同時に、そのようなアクチュエータの遠位端は、磁石(およびトッププレート)が作動したアクチュエータの動きによって決定される方向にスライドできるようにする。作動に関して、この反対側のアクチュエータは、様々な実施形態において、受動的とする、すなわち、作動しない、または異なる方向および/または異なる範囲で作動することができる。
【0076】
本発明の概念の原理に係る多軸ポジショナまたは位置決めステージは、平行ポジショナの形態をとることができる。平行位置として、この装置は、キネマティックチェーンと呼ばれることがあるもので互いの上に積み重ねられた複数の単軸ステージに関連する機械的な積み重ねの問題に悩まされることはない。更に、ヘキサポッドとは異なり、本発明の概念の原理に係る位置決めステージは、ステージの拘束を伴うことなく、4つのアクチュエータの任意の組合せが任意の速度で任意の量だけ伸長または収縮できるようにする。各アクチュエータは、ステージのトッププレートの2つの異なる軸の動きに影響を与えるように配置され得る。単軸の動作を実施するために、2つのアクチュエータは、それらが所望の軸において互いに補完し合い、望ましくない軸において互いに打ち消し合うように動かされ得る。その結果、本発明の概念の原理に係る例示的な実施形態では、単軸ステージ移動は、デュアルアクチュエータ移動を採用することができる。単軸ステージの動き、および関連するアクチュエータの動作は、
図10および
図11のテーブルに示される。
【0077】
平行アクチュエータであることに加えて、本発明の概念の原理に係る位置決めステージは、幾つかの他の利点を有することができる。例えば、本発明の概念の原理に係る位置決めステージは、段階的に4軸から6軸に拡張可能であるが、スチュワートプラットフォームは常に3軸または6軸を有する。キネマティックチェーンとは異なり、本発明の概念の原理に係る位置決めステージは、個々のステージの公差の積み重ねを呈さない。本発明の概念の原理に係る位置決めステージは、回転ベアリングまたはリニアベアリングを必要としないのに対し、キネマティックチェーンは、それぞれの自由軸ごとに1つ必要である。本発明の概念の原理に係る位置決めステージでは、各動作軸は、固定された直感的な比率で動く2つのアクチュエータのみを必要とし、したがって、所望の動作を達成するのは比較的容易である。前に示したように、これはスチュワートプラットフォームには当てはまらない。更に、スチュワートプラットフォームとは異なり、ステージの拘束を防ぐために作動速度を制御する必要がなく、ステージを拘束することなく個々のアクチュエータを動かすことができる。例示的な実施形態では、アクチュエータとトッププレートとの間の磁気インタフェースなどのインタフェースを分離するだけで、位置決めステージのトッププレートを容易に取り外して交換することができる。
【0078】
例示的な実施形態において、位置決めステージの分解能および剛性は、アクチュエータの品質、半球形、円柱形、またはその他を問わずスライダ構成要素の滑らかさ、およびアクチュエータとトッププレートの間に形成されたジョイントを一緒に保持する磁力(またはその他の力)の強度に依存し得る。これら全ての態様を最適化して、同様の精密ヘキサポッドの僅かなコストでサブミクロンの精密位置決めステージを作成できる。多くの場合、本発明の概念の原理に係る位置決めステージは、標準的なキネマティックチェーンよりも優れた性能を発揮すると同時に、より費用対効果が高くなる。例示的な実施形態では、アクチュエータスライダ(または5つのDOF接続のうちの他の4つ)の保持力(例えば、磁気保持力)は、他の全てのアクチュエータジョイントの摩擦係数よりも大きい。これが当てはまる場合、トッププレートは、4つ(またはそれ以上)の接続が必要に応じてスライドまたは回動できるようにする平衡状態に落ち着いて、全ての接触点が維持されるようになる。
【0079】
他の自由度が干渉されない拘束されたZ軸を伴う4軸位置決めステージは、本発明の概念の原理に従って、剛性ビームを使用してそのようなZ軸の動きを拘束もしくは制限することによって、または4つの5DOFアクチュエータジョイントのうちの1つを
図15に示すようにZ軸の動きを制限する4DOFジョイントと置き換えることによって実装され得る。
【0080】
図2~
図9は、組み合わせて、本発明の概念の原理に係る4軸位置決めステージの例示的な実施形態の図を与える。
【0081】
図2は、全てのアクチュエータが収縮された、多軸位置決めステージまたはポジショナの実施形態の正面端面図を示し、第3のアクチュエータ(図示せず)が第1のアクチュエータの後ろにあり、第4のアクチュエータ(図示せず)が第2のアクチュエータの後ろにある。
図5~
図9は、第3および第4のアクチュエータを示す。例えば、
図9から分かるように、第3のアクチュエータは第1のアクチュエータの後ろにあり、第4のアクチュエータは第2のアクチュエータの後ろにある。
【0082】
図2に関し、この図では全てのアクチュエータが収縮される。この例示的な実施形態において、位置決めステージは、ベースプレート102、トッププレート104、およびプリズムアクチュエータとすることができる複数のアクチュエータを含む4軸位置決めステージ100である。複数のアクチュエータは、第1のアクチュエータ106(すなわち、プリズムアクチュエータ1)、第2のアクチュエータ108(すなわち、プリズムアクチュエータ2)、第3のアクチュエータ110(すなわち、プリズムアクチュエータ3)、および第4のアクチュエータ112(すなわち、プリズムアクチュエータ4)を含む。
【0083】
例示的な実施形態において、ベースプレート102は、傾斜側面ピース118、120を含む。この実施形態では、θ1およびθ2はそれぞれ、鉛直軸および/または鉛直面に対する側面ピース118および120の内面の角度を表す。ベースプレートの傾斜側面ピースはまた、水平面に対して角度θを成して形成されてもよく、ここでは、この実施形態ではθ=θ1=θ2である。他の実施形態では、θ≠θ1、θ≠θ2および/またはθ1≠θ2が想定し得る。他の実施形態では、θは無関係であってもよく、θ1=θ2は依然として成り立つことができる。この実施形態では、トッププレート104の外側面122、124は、鉛直軸および/または鉛直面に対して同じ角度θ1、θ2で形成される。したがって、ベースプレート102の側面ピース118の内面は、トッププレート104の外側面122と平行にすることができ、ベースプレート102の側面ピース120の内面は、トッププレートの外側面124と平行にすることができる。鉛直面は、トッププレート104およびベースプレート102の中心を通り鉛直方向に延びる平面であり得る。
【0084】
図2の実施形態において、ベースプレート102は、サイドプレート118および120が伸長する中間部分を含む。中間部分は、水平面内にある平面ピースとすることができるが、中間部分は全ての実施形態において平面である必要はない。また、側面ピース118、120は、接続されているか、または同じ構造体の一部として示されているが、全ての実施形態においてそうである必要はない。他の実施形態では、側面ピース118、120は、異なる構造体の一部であってもよく、または1つ以上の他の構造体に取り付けられた別個のプレートであってもよい。
【0085】
この実施形態において、アクチュエータ106、108、110、および112のそれぞれは、ベースプレート102の側面ピース118、120のうちの1つから、トッププレート104に向かう方向に伸長する。例えば、この実施形態において、各アクチュエータは、ベースプレート102の側面ピースに固定または結合され、対応する側面ピース118または120に対して90度の角度でトッププレート104の対応する側面122または124に向かって伸長する。
【0086】
各アクチュエータ106、108、110、および112の遠位端は、磁性材料を含む。この実施形態において、アクチュエータ106、108、110、および112のそれぞれは、鉄金属半球状端部134、136、138、および140を含む。磁石126、128、130、および132が、それぞれのアクチュエータ106、108、110、および112の鉄金属半球状端部134、136、138、および140に対応する位置でトッププレート104の側面122、124上にまたは側面122、124内に配置される。
【0087】
図3は、
図2の4軸位置決めステージの同じ正面端面図を示し、この場合、第1のアクチュエータおよび第3のアクチュエータが軸(「X軸」)に沿って伸長する。
図3において、第1のアクチュエータ106および第3のアクチュエータ110は、「X軸矢印」によって示されるように、トッププレート104をX軸の方向に移動させるために伸長される。既に示したように、第3のアクチュエータ110(アクチュエータ3)は第1のアクチュエータ106(アクチュエータ1)の後ろにあり、第4のアクチュエータ112(アクチュエータ4)は第2のアクチュエータ108(アクチュエータ2)の後ろにある。例示的な実施形態において、アクチュエータ1 106およびアクチュエータ3 110は、純粋にX軸の動きを与えるために同じ量だけ伸長される。破線は、トッププレート104および磁石126、128の元の位置を示しており、これは、
図2のトッププレートの位置である。
【0088】
図4は、
図2の4軸位置決めステージの同じ端面図を示し、この場合、第2のアクチュエータおよび第4のアクチュエータは軸(「Y軸」)に沿って伸長する。
図4の例示的な実施形態では、アクチュエータ1 106および3 110(X軸)ならびにアクチュエータ2 108および4 112(Y軸)が伸長される。既に示したように、第3のアクチュエータ110は第1のアクチュエータ106の後ろにあり、第4のアクチュエータ112は第2のアクチュエータ108の後ろにある。例示的な実施形態では、第1のアクチュエータ106および第3のアクチュエータ110は、X軸移動をもたらすために同じ量だけ伸長される。第2のアクチュエータ108および第4のアクチュエータ112は、Y軸移動をもたらすために同じ量だけ伸長される。破線は、トッププレート104および磁石126、128の元の位置を示す。
【0089】
図5は、
図2の4軸位置決めステージの第1および第3のアクチュエータが「X軸」に沿って伸長される図を示し、第2のアクチュエータ(図示せず)は第1のアクチュエータの後ろにあり、第4のアクチュエータ(図示せず)は第3のアクチュエータの後ろにある。
図5の例示的な実施形態において、第1のアクチュエータ106および第3のアクチュエータ110は、X軸の方向のみの移動をもたらすために同じ量だけ伸長される。この観点から、第2のアクチュエータ108は第1のアクチュエータ106の後ろにあり、第4のアクチュエータ112は第3のアクチュエータ110の後ろにある。破線は、トッププレート104および磁石126、130の元の位置を示す。
【0090】
図6は、
図2の4軸位置決めステージの第2および第4のアクチュエータが「Y軸」に沿って伸長される図を示し、第1のアクチュエータ(図示せず)は第2のアクチュエータの後ろにあり、第3のアクチュエータ(図示せず)は第4のアクチュエータの後ろにある。
図6の実施形態において、第2のアクチュエータ108および第4のアクチュエータ112は、Y軸の方向のみの移動をもたらすために同じ量だけ伸長される。この観点から、第1のアクチュエータ106は第2のアクチュエータ108の後ろにあり、第3のアクチュエータ110は第4のアクチュエータ112の後ろにある。破線は、トッププレート104および磁石128、132の元の位置を示す。
【0091】
図7は、トッププレート104のピッチングを行うために第1のアクチュエータ106が収縮されて第3のアクチュエータ110が伸長された図を示し、第2のアクチュエータ108(図示せず)は第1のアクチュエータの後ろにあり、第4のアクチュエータ112(図示せず)は第2のアクチュエータの後ろにある。
【0092】
図8は、トッププレート104のヨーイングを行うために第2のアクチュエータ108が伸長されて第4のアクチュエータ112が収縮された4軸位置決めステージの図を示し、第1のアクチュエータ106(図示せず)は第2のアクチュエータの後ろにあり、第3のアクチュエータ110(図示せず)は第4のアクチュエータの後ろにある。
【0093】
図9は、明確にするためにベースプレート102が省かれた、
図2の4軸位置決めステージの図を示す。
図9の例示的な実施形態では、4軸位置決めステージのこの図は、それぞれの関連する磁石126、128、130、および132、ならびにトッププレート104とともに、第1、第2、第3、および第4のアクチュエータ106、108、110、および112の相対位置を示す。
【0094】
図10は、本発明の概念の原理に係る、4軸位置決めステージに適用できる単軸/デュアルアクチュエータ移動のテーブルを示す。
図10のテーブルは、本発明の概念の原理に従ってトッププレートの動きを実現するデュアルアクチュエータ移動の組合せを示す。例えば、トッププレートを正のX軸方向のみに伸長させるためには、第2のアクチュエータ108と第4のアクチュエータ112とを所定の位置に残したまま、第1のアクチュエータ106と第3のアクチュエータ110とが伸長され、また、トッププレートを正のY軸方向のみに伸長させるためには、第1のアクチュエータ106と第3のアクチュエータ110とを所定の位置に残したまま、第2のアクチュエータ108と第4のアクチュエータ112とが伸長される。
【0095】
図11は、本発明の概念の原理に係る、5軸位置決めステージに適用できる単軸/単一アクチュエータ移動のテーブルを示す。例えば、
図12は、水平面にあるZ軸でトッププレート4の動きに影響を与えるために追加された第5のアクチュエータ113を示す。他の実施形態では、第5のアクチュエータの反対側に第6のアクチュエータを設けることができる。
【0096】
図11のテーブルは、一例として、アクチュエータ106、108、110、および112に追加された場合の第5のアクチュエータ113の単軸、単一のアクチュエータの動きを示す。すなわち、
図11のテーブルは、5つのアクチュエータが使用された場合、
図10のテーブルに付け加えることができる。したがって、
図12に示すような5軸位置決めステージには、第5のアクチュエータ113の伸長によってもたらされる正のZ軸方向の動きと、第5のアクチュエータ113の収縮によってもたらされる負のZ軸方向の動きとを与えることができる。4軸位置決めステージが使用される例示的な実施形態において、Z軸が拘束された状態で、第5のアクチュエータ113は、例えば剛性ビームに置き換えられてもよい。
【0097】
図13は、本発明の概念の原理に係る、トッププレートの「ローリング」動作を達成することができる多軸位置決めステージの別の実施形態を示す。本発明の概念の原理に係る例示的な実施形態では、第6のローリング動作軸が、
図13に示されるように導入され得る。この例示的実施形態では、トッププレート104は磁石133と同様に半円柱形である。そのような例示的実施形態では、第6の軸の動作は他の5軸の動作を妨げない。ローリングは、アクチュエータ106、108、110、および112の選択的な伸長および/または収縮によって達成することができる。第5のアクチュエータ113は、Z軸の動きが意図された場合、再度任意選択的であり、提供され得る。
【0098】
図14A、
図14B、および
図14Cは、本発明の概念の原理に係る例示的なポジショナの端面図、斜視図、および分解図をそれぞれ提供する。この例示的な実施形態では、トッププレート104およびベースプレート102はV字形であり、この場合、側面は鉛直軸に対して同じ角度θを有し、ここで、この実施形態ではθ=θ
1=θ
2である。他の実施形態では、θ
1≠θ
2が想定し得る。この例示的な実施形態では、第1~第4のアクチュエータ106、108、110、および112がベースプレート102を貫通して、トッププレート104の側面に位置された磁石135、137と接触する。
【0099】
磁石135および137は、それぞれのアクチュエータ106、108、110、および112の遠位端にある鉄金属半球端部134、136、138、および140に対応する位置で、トッププレート104の側面122、124の上または中に配置される。
【0100】
例示的な実施形態では、アクチュエータ106、108、110、および112は、1桁のミクロン精度調整を可能にするマイクロメータねじ106a、108a、110a、112aなどの精密調整機構であってもよい。
【0101】
図15は、本発明の概念の原理に係る、ジョイント内に円柱磁石を使用する5軸位置決めステージの一実施形態の図である。
図15の例示的な実施形態に示されるように、この例示的な実施形態ではトッププレート104に取り付けられた磁石139のうちの1つは、例えば、Z軸の動作が制限されたポジショナをもたらす4DOFジョイントを与える円柱磁石の形態であってもよい。円柱磁石は、例えば、ローリングの第6の軸をもたらすように曲げることによって構成することができる。
【0102】
図16は、本発明の概念の原理に係る、電子コントローラを含むフォトニックポジショナの一実施形態のブロック図である。
図16のブロック図は、本発明の概念の原理に係るポジショナ100と関連して、ファイバスプライサまたはアライメント装置などのその構成要素などのフォトニック装置101を使用するフォトニックシステム200を示す。例示的な実施形態では、ポジショナ100はコントローラ103によって制御され、コントローラ103は、フォトニック装置101を正確に移動させるために、前述の態様でこのポジショナのアクチュエータを操作する。そのような動きは、例えば、光ファイバ端部の位置合わせを可能にし得る。コントローラ103は、例えば、コントローラがポジショナ100を調整するために使用するフォトニック機器101からフィードバックを受信することができる。フォトニック機器101がスプライサである例示的な実施形態では、例えば、ファイバ間の位置合わせの質を示す表示をセンサがコントローラ103に与えることができ、コントローラ103は、例えば、光ファイバの正確な位置合わせのためにポジショナを調整するべくそのような表示を使用する。
【0103】
図17Aおよび
図17Bは、本発明の概念の原理に係るポジショナを使用するフォトニックポジショナシステム105の側面図である。この例示的な実施形態では、一対のポジショナ100がそれぞれ、スプライシングのために光ファイバ端部F1、F2を支持する。ポジショナ100のそれぞれは、前述のように、例えば電子コントローラ103を使用して、ポジショナ100を使用して位置合わせされた時点でファイバ端部を加熱するように構成されるプラズマヒータ(図示せず)などの加熱要素を含む光ファイバスプライサによるスプライシングのためにファイバF1、F2の端部を位置合わせするべく操作され得る。例示的な実施形態では、ポジショナ100のトッププレートは、ファイバホルダ107を含むまたは支持することができる。そのようなファイバホルダは、既知であり、1つ以上のファイバを位置決めおよびスプライシングのために所定位置に保持するために2つの平坦な上面に溝を設けることができる。
【0104】
図18~
図27を参照すると、本発明の概念の態様に係る、多軸ポジショナまたは位置決めステージの代替実施形態が記載される。特に明記しない限り、上記の説明は、これらの実施形態またはそれらの態様に同様に適用される。上記のように、本明細書では平行ポジショナまたは位置決めステージとも呼ばれる多軸ポジショナは、支持プレートとの複数のジョイントを形成する複数のアクチュエータを使用することができる。これらの実施形態では、複数のジョイントは、他の2つのジョイントと組み合わせた少なくとも2つの4自由度(4DOF)ジョイントを含み、ここで、他のジョイントのそれぞれは、4DOFジョイントまたは5DOFジョイントとすることができる。様々な実施形態において、このポジショナは、2つの4DOFジョイントと、2つの5DOFジョイント、1つの4DOFジョイントと1つの5DOFジョイント、または2つの4DOFジョイントのいずれかを含む。したがって、アクチュエータの位置決め端部と支持プレートとの間のインタフェースは4DOFジョイントまたは5DOFジョイントである。他の実施形態は、支持プレートとの4DOFおよび/または5DOFジョイントの異なる組合せを含むことができる。支持プレートは、好ましくは高い精度で位置決めされるべき1つ以上の物体を支持するように構成され得る。
【0105】
様々な実施形態において、システムは、4または5自由度(DOF)を有するジョイントを介して構造体との接触を維持する3つ以上のアクチュエータを含む。また、任意選択的に、システムは、3以下のDOFを有するジョイントを介して構造体との接触を維持するアクチュエータを含まないこともできる。
【0106】
例示的な実施形態において、このポジショナは、少なくとも1つのボトムプレート(または構造体)を含むこともでき、アクチュエータは、少なくとも1つのボトムプレートとトッププレートとの間に配置され、少なくとも1つのボトムプレート(または構造体)に固定され得る。
【0107】
動作時、アクチュエータのうちの1つ以上が伸長または収縮するとき、残りのアクチュエータと支持プレートとのインタフェースの回動点(例えば、4DOFおよび/または5DOFジョイント)は、少なくともそのアクチュエータの動作軸以外の4つの軸のうちのいずれかでシフトできる。既に示したように、支持プレートとの4DOFジョイントは、例としてエッジスライダまたは円柱スライダを備える端部を有するアクチュエータによって形成され得る。好ましい実施形態では、前述の5DOFジョイントの実施形態と同様に、プリズムアクチュエータのうちの少なくとも2つは、少なくとも2つの他のプリズムアクチュエータに対して垂直にすることができ、第5または第6の軸が追加される場合、それらに関連するプリズムアクチュエータは、様々な実施形態において、他の4つのプリズムアクチュエータに対して垂直に配置され得る。
【0108】
前述の5DOFの実施形態と同様に、アクチュエータの端部は、支持(またはトップ)プレートに磁気的に結合することができる。動作時、アクチュエータのうちの1つ以上が伸長または収縮すると、残りのアクチュエータの回動点は、支持(またはトップ)プレートに磁気的に移動可能に結合されたまま、トッププレートに対してシフトおよび移動することができる。
【0109】
前述のように、例示的な実施形態では、アクチュエータは、圧電アクチュエータ、手動マイクロメータねじ、磁気アクチュエータ、リニアアクチュエータを伴うステッピングモータ(一体型または別個のいずれか)、油圧シリンダ、空気圧シリンダ、または例えば偏心カムを伴う回転モータなどの幾つかのタイプのうちのいずれかであってもよい。本発明の概念の原理に係る例示的な実施形態では、このポジショナは、各アクチュエータによって及ぼされる押し引き力が組み合わされた他の全てのアクチュエータの剪断摩擦よりも大きくなるように構成される。例示的な実施形態では、これは、保持力は高いが剪断力は比較的低い材料、例えば、トッププレートの硬質で平坦な金属表面と磁気的に接触して保持されるアクチュエータの硬質金属端面を使用することによって達成することができる。
【0110】
図18~
図27は、本発明の概念の原理に係る、支持プレートとの4DOFジョイントを形成するために円柱状のスライダ端部を有する少なくとも2つのアクチュエータを使用する多軸ポジショナまたは位置決めステージの例示的な実施形態の図を提供する。このポジショナは、4または5DOFジョイントを有する支持プレートと係合する2つ以上のアクチュエータを含むことができる。
【0111】
支持プレートは、位置決めされるべき物体を保持するように構成することができる。幾つかの実施形態では、物体は、少なくとも1本の光ファイバであり得る。幾つかの実施形態では、支持プレートは、物体を好ましい位置に維持するように構成された溝またはチャネルを含むことができる。幾つかの実施形態では、支持プレートは、物体を好ましい位置に維持するように構成されたV字形の溝を含むことができる。幾つかの実施形態では、このポジショナまたは位置決めステージは、一例として、光ファイバスプライサなどのファイバ加工機の一部を形成することができ、溝は、少なくとも1本の光ファイバを保持または支持するように構成することができる。
【0112】
図18は、支持(またはトップ)プレート304を支持する少なくとも4つのアクチュエータ306、308、310、312を有する多軸位置決めステージまたはポジショナ300の実施形態の正面端面図を示す。この図では第1のアクチュエータ306および第2のアクチュエータ308が見えるが、第3のアクチュエータ310(図示せず)は第1のアクチュエータ306の後ろにあり、第4のアクチュエータ312(図示せず)は第2のアクチュエータ308の後ろにある。
【0113】
図18に関し、この図では、全てのアクチュエータが収縮される。この例示的な実施形態では、位置決めステージ300は、ベースプレート302、トッププレート304、および複数のアクチュエータ306、308、310、312を含み、複数のアクチュエータのうちの1つ以上はプリズムアクチュエータとすることができる。様々な実施形態において、位置決めステージ300またはそのベースプレートは、
図23および
図24に関して説明したように、エンドプレート317を任意選択的に含むことができる。
【0114】
例示的な実施形態では、前述の実施形態と同様に、ベースプレート302は、それぞれが鉛直軸または鉛直面「A」に対してある角度で形成された内部傾斜側面を有する側面ピース318、320を含む。これについては、例えば、この実施形態に適用することができる上記のθ
1およびθ
2を参照されたい。例えば、鉛直面Aは、トッププレート304およびベースプレート302の中心を通り鉛直方向に延びる面であり得る。他の実施形態では、θ
1≠θ
2を想定し得る。トッププレート304の側面322、324は、鉛直軸または鉛直面Aに対して同じ角度で形成される。したがって、ベースプレート302の側面ピース318は、トッププレート304の側面322と平行であり、ベースプレートの側面ピース320は、トッププレート304の側面324と平行である。
図18の実施形態において、ベースプレート302は、側面ピース318および320が伸長する中間部分を含む。中間部分は、水平面内にある実質的に平面のピースであり得るが、中間部分は、全ての実施形態において平面または平坦である必要はなく、例として、
図18に示されるように凹部を含んでもよい。
【0115】
この実施形態では、アクチュエータ306、308、310、および312のそれぞれは、ベースプレート302の側面ピース318、320のうちの1つから、トッププレート304に向かう方向に伸長する。例えば、この実施形態において、各アクチュエータは、ベースプレート302の側面ピースに固定または結合され、反対側の側面ピース318または320上の対応するアクチュエータに対して90度の角度で方向付けられる。
【0116】
各アクチュエータ306、308、310、および312の遠位端は、磁性材料を含み得る。
図18~
図24の実施形態において、アクチュエータ306、308、310、および312のそれぞれは、鉄金属円柱端部334、336、338、および340を含むが、他の実施形態では他のリニア端部を使用することができる。前述の磁石126、128、130、および132などの磁石は、それぞれのアクチュエータ306、308、310、および312の鉄金属円柱端部334、336、338、および340に対応する位置で、トッププレート304の側面322、324の上または中に配置され得る。
【0117】
図19は、
図18の位置決めステージ300の同じ正面端面図を示し、この場合、第1のアクチュエータ306および第3のアクチュエータ(第1のアクチュエータの後ろ)は、軸(「X軸」)に沿って伸長される。第2のアクチュエータ308および第4のアクチュエータ(第2のアクチュエータの後ろ)は、収縮したままである(または伸長されない)。
図19において、第1のアクチュエータ306および第3のアクチュエータ310は、X軸矢印(
図3参照)によって示されるように、トッププレート304をX軸の方向に移動させるために伸長される。例示的な実施形態では、第1のアクチュエータ306および第3のアクチュエータ310は、純粋にX軸の動きをもたらすために同じ量だけ伸長される。
【0118】
図20は、
図18の位置決めステージ300の同じ正面端面図を示し、この場合、第2のアクチュエータ308および第4のアクチュエータ(第2のアクチュエータの後ろ)は、軸(「Y軸」)に沿って伸長される。第1のアクチュエータ306および第3のアクチュエータ(第1のアクチュエータの後ろ)は、収縮したままである(または伸長されない)。
図20において、第2のアクチュエータ308および第4のアクチュエータ312は、Y軸矢印(
図4参照)によって示されるように、トッププレート304をY軸の方向に移動させるために伸長される。例示的な実施形態では、第2のアクチュエータ308および第4のアクチュエータ312は、純粋にY軸の動きをもたらすために同じ量だけ伸長される。
【0119】
図21は、Z方向の動きをもたらすために全てのアクチュエータが同じ量だけ伸長された、同じ正面端面図を示す。
図21では、アクチュエータ306および310(X軸)ならびにアクチュエータ308および312(Y軸)が伸長される。既に示したように、第3のアクチュエータ310は第1のアクチュエータ306の後ろにあり、第4のアクチュエータ312は第2のアクチュエータ308の後ろにある。例示的な実施形態では、第1のアクチュエータ306および第3のアクチュエータ310は、X軸の動きをもたらすために同じ量だけ伸長され、第2のアクチュエータ308および第4のアクチュエータ312は、Y軸の動きをもたらすために同じ量だけ伸長される。
【0120】
図22は、
図18の位置決めステージ300の左斜視図を示し、この場合、第1のアクチュエータ306が第3のアクチュエータ310よりも長い距離だけ伸長され、第2のアクチュエータ308が同様に第4のアクチュエータ312よりも長い距離だけ伸長され、その結果、トッププレート304が上向きに傾斜することになる。
【0121】
同様に、第3のアクチュエータ310は、第1のアクチュエータ306よりも長い距離だけ伸長させることができ、第4のアクチュエータ312は、同様に、第2のアクチュエータ308よりも長い距離だけ伸長させることができ、その結果、トッププレート304が下向きに傾斜することになる。
【0122】
図23は、第1のアクチュエータ306が第3のアクチュエータ310よりも長く伸長され、第4のアクチュエータ312が第2のアクチュエータ308よりも長く伸長されて、トッププレート304の上向きの傾斜と部分的な回転の両方をもたらす、側面斜視図を示す。
図23では、エンドプレート317が部分的に見える。エンドプレートは、図示のように、ベースプレート302に固定されるまたはベースプレート302の一部とすることができる。他の実施形態では、エンドプレート317は、ベースプレートと接触する必要も、ベースプレートの一部である必要もない。すなわち、様々な実施形態において、エンドプレート317は、ベースプレート302から取り外され、および/または独立している。
【0123】
図24は、ベースプレートが省略されているがトッププレート304が示されている位置決めステージ300の側面図を示す。4つのアクチュエータ306、308、310、および312のうち、第1および第3のアクチュエータ306、310のみがこの図から見える。第1のアクチュエータの円柱状の端部334および第3のアクチュエータ310の円柱状の端部338は、直接位置決めするためにトップ(または支持)プレート304と直接接触している。エンドプレート317は、トッププレート304の一端と係合するための磁気ボール319を含む。前述のジョイントと同様に、様々な実施形態において、磁気ボール319は、トッププレート304の上または中に位置された磁石(図示せず)と係合するように位置決めされ得る。
【0124】
図18~
図24の実施形態は、トッププレートとの4DOFジョイントを形成する摺動シリンダ端部を有する4つのアクチュエータを伴って示されるが、上記のように、4DOFおよび5DOFアクチュエータの組合せは、前述のように、円柱状の端部およびボール端部を伴うアクチュエータの組合せを有する
図25~
図27の例示的な実施形態に示されるように、本発明の概念の範囲内で考えられる。
【0125】
図25の実施形態には、多軸位置決めステージまたはポジショナ400が示されている。位置決めステージ400は、2つの4DOFアクチュエータ310、312および2つの5DOFアクチュエータ406、408、ならびにベースプレート302、トッププレート304、および磁気ボール319を伴うエンドプレート317を含む。
【0126】
アクチュエータの伸長と収縮の任意の組合せを達成することができるが、この例では、第1および第2のアクチュエータ406、408は、第3および第4のアクチュエータ310、312よりも長い距離だけ伸長され、その結果、トッププレート304の前部で上向きに傾斜することになる。
【0127】
図26は、第1のアクチュエータ406および第3のアクチュエータ410が同じ量だけ伸長され、その結果トッププレート404がX軸方向に動く、位置決めステージ400の斜視図である。
図26は、同じアクチュエータ伸長配置を伴う、
図25の位置決めステージ400の正面図である。
図27は、一例として、同じアクチュエータ構成の正面端面図を示す。本開示の利益を享受する当業者であれば分かるように、本発明の概念の範囲内で、アクチュエータの伸長および収縮の他の組合せを達成できる。この実施形態において、各アクチュエータは、コントローラ103などの少なくとも1つのコントローラによって制御することができる、アクチュエータの伸長および収縮をもたらす、アクチュエータの一部を形成する電気機械構成要素を含む。そのようなコントローラは、アクチュエータを駆動するコンピュータ命令を実行する少なくとも1つのプロセッサを含むことができる。
【0128】
上記は、最良の形態および/または他の好ましい実施形態であると考えられるものを説明したが、そこに様々な変更を加えることができ、本発明または複数の発明を様々な形態および実施形態で実施でき、それらは多数の用途に適用することができ、そのうちの幾つかのみが本明細書に記載されていることが理解される。以下の特許請求の範囲は、文字どおりに記載されたもの、および各特許請求の範囲内に含まれる全ての修正および変更を含む、その全ての均等物を請求することを意図している。
【0129】
明確にするために、別個の実施形態の文脈で説明される本発明の特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明される本発明の様々な特徴は、別個に、または任意の適切なサブコンビネーションで提供されてもよい。
【0130】
例えば、特許請求の範囲のいずれかに記載された全ての特徴(独立であろうと従属であろうと)は、任意の所与の方法で組み合わせることができることを理解されたい。