(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-05
(45)【発行日】2025-02-14
(54)【発明の名称】ヒータ
(51)【国際特許分類】
H05B 3/02 20060101AFI20250206BHJP
H05B 3/48 20060101ALI20250206BHJP
【FI】
H05B3/02 A
H05B3/48
(21)【出願番号】P 2023523350
(86)(22)【出願日】2022-04-18
(86)【国際出願番号】 JP2022018056
(87)【国際公開番号】W WO2022249794
(87)【国際公開日】2022-12-01
【審査請求日】2023-11-16
(31)【優先権主張番号】P 2021089387
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 将
【審査官】河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-068254(JP,A)
【文献】特開2017-126523(JP,A)
【文献】特開2006-331936(JP,A)
【文献】特開2018-018671(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03113575(EP,A1)
【文献】特開2019-090567(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 3/02
H05B 3/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端から第2端に向かって延びる円柱状または筒状のセラミック体と、
該セラミック体の内部に位置する発熱抵抗体と、
前記発熱抵抗体に電気的に接続されている電極パッドと、
該電極パッドに電気的に接続されているリード端子と、
前記電極パッドと前記リード端子とを接合する導電性の接合材と
を備え、
前記電極パッドは、前記セラミック体の側面から端面にかけて位置して
おり、
前記セラミック体は、該セラミック体の外周を含む第1部と、該第1部に続いて中心軸の近くに位置する第2部とを有しており、
前記第1部は、前記外周を含む第1側面と、該第1側面に続く第1端面とを有し、
前記第2部は、前記第1端面に続いて前記第2端に向かって延びる第2側面と、該第2側面に続く第2端面とを有している、ヒータ。
【請求項2】
前記電極パッドは、前記第1側面から前記第1端面にかけて位置している、請求項
1に記載のヒータ。
【請求項3】
前記電極パッドは、前記第1端面から前記第2側面にかけて位置している、請求項
2に記載のヒータ。
【請求項4】
前記電極パッドは、前記第1側面から前記第2端面にかけて位置している、請求項
3に記載のヒータ。
【請求項5】
前記発熱抵抗体は、前記第1部と前記第2部との間に位置し、端部が前記第1端面から突出しており、
前記端部と前記電極パッドとが接合されている、請求項
1に記載のヒータ。
【請求項6】
前記接合材は、前記第1端面から前記第2側面にかけてメニスカス状に位置している、請求項
1に記載のヒータ。
【請求項7】
前記接合材は、前記第1端面から前記リード端子にかけてメニスカス状に位置しており、前記第2側面と前記リード端子との間に空間を有する、請求項
1に記載のヒータ。
【請求項8】
前記接合材は、前記第2側面と前記リード端子との間を満たして位置している、請求項
1に記載のヒータ。
【請求項9】
前記リード端子は、前記電極パッドに電気的に接合されている部分と前記セラミック体の長さ方向に伸びている部分とをつなぐ部分において湾曲している、請求項1に記載のヒータ。
【請求項10】
前記接合材は、前記第1側面に沿っているとともに前記第2側面にわたっており、
前記接合材と前記第1端面との間に隙間を有する、請求項
1に記載のヒータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液体加熱用のヒータ、気体加熱用ヒータまたは酸素センサ用ヒータ等に用いられるヒータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体加熱用ヒータに用いられるヒータとして、例えば、特許文献1に記載のセラミックヒーターが知られている。特許文献1に記載されているセラミックヒーターは、内部に発熱部を有する芯材と、芯材の側面に設けられており、発熱部に接続されている接続端子部と、一端部がろう材によって接続端子部に接合されており、他端部がセラミックヒーターの長さ方向に沿って伸びているリード端子と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
本開示のヒータは、ヒータは、第1端から第2端に向かって延びる円柱状または筒状のセラミック体と、セラミック体の内部に位置する発熱抵抗体と、発熱抵抗体に電気的に接続されている電極パッドと、電極パッドに電気的に接続されているリード端子と、電極パッドとリード端子とを接合する導電性の接合材とを備え、電極パッドは、セラミック体の側面から端面にかけて位置している。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図4】
図4は、ヒータの他の例を示す拡大断面図である。
【
図5】
図5は、ヒータの他の例を示す拡大断面図である。
【
図6】
図6は、ヒータの他の例を示す拡大断面図である。
【
図7】
図7は、ヒータの他の例を示す拡大断面図である。
【
図8】
図8は、ヒータの他の例を示す拡大断面図である。
【
図9】
図9は、ヒータの他の例を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
このようなセラミックヒーターに対して、芯材のうちの1つの面に端子接続部が設けられている。これにより、芯材と端子接続部との離れる方向に振動が生じたときに、端子接続部の接合強度を保持できないおそれがあった。これにより、長時間使用したときに、端子接続部が芯材から剥離してしまうおそれがあった。その結果、セラミックヒーターの長期信頼性を高めることが困難であった。
【0007】
本開示の一形態のヒータは、電極パッドがセラミック体の側面から端面にかけて位置している。これにより、セラミック体のうち複数の面に電極パッドを設けることができる。これにより、セラミック体と電極パッドとの離れる方向に振動が生じても、電極パッドの接合強度を保持できる。これにより、長時間使用した場合でも、電極パッドがセラミック体から剥離してしまうおそれを低減できる。その結果、ヒータの長期信頼性を高めることができる。
【0008】
ヒータ100について詳細に説明する。
【0009】
図1Aは、ヒータ100の一例を示す斜視図である。
図1Bは、
図1Aに示すヒータの一部を透過した概略斜視図である。
図1Aおよび
図1Bに示すように、ヒータ100は、第1端101から第2端102に向かって延びる円柱状または筒状のセラミック体1と、セラミック体1の内部に位置する発熱抵抗体2と、発熱抵抗体2に電気的に接続されている電極パッド3と、電極パッド3に電気的に接続されているリード端子と、電極パッド3とリード端子4とを接合する導電性の接合材5とを備え、電極パッド3は、セラミック体1の側面から端面にかけて位置している。
【0010】
なお、
図1Aおよび
図1Bにおいて、ヒータ100の左下が第1端101であり、右上が第2端102である。また、
図3において、上方が第1端101であり、下方が第2端102である。また、以下の記載において、「第1端101側」および「第2端102側」と記載する場合があるが、セラミック体1が延びる方向である長手方向の中心を基準に、第1端101に近い部分が「第1端101側」であり、第2端102に近い部分が「第2端102側」である。「第1端101側」は第1端101の近傍、「第2端102側」は第2端102の近傍ともいうことができる。
【0011】
セラミック体1は、発熱抵抗体2を保護するために設けられる部材である。セラミック体1の形状は、長手方向を有する円柱状または筒状である。
図1に示すヒータ100においては、セラミック体1は円筒状である。
【0012】
セラミック体1は、絶縁性のセラミック材料を有する。セラミック体1は、例えばアルミナ、窒化珪素または窒化アルミニウム等の絶縁性のセラミック材料を有する。セラミック体1の寸法は、セラミック体1が円柱状の場合には、例えば長さを10~400mmに、外径を5~60mmにすることができる。また、セラミック体1の寸法は、セラミック体1が円筒状の場合には、例えば長さを10~400mmに、外径を5~60mmに、内径を3~50mmにすることができる。
【0013】
また、セラミック体1は、
図1Aおよび
図1Bに示すように、外周面に第1端101から第2端102に向かって伸びているスリット状の凹部を有していてもよい。
【0014】
発熱抵抗体2は、電流が流れることによって発熱するための部材である。発熱抵抗体2は、
図1B、
図2Aおよび
図2Bに示すように、セラミック体1の内部に設けられている。発熱抵抗体2は、セラミック体1の第2端102側で最も発熱するように配置されていてもよい。発熱抵抗体2は、例えば、セラミック体1の第1端101側から第2端102側に向かって伸びており、第2端102側に到達すると、第2端102側からもう一方の第1端101側に向かって伸びていてもよい。また、発熱抵抗体2は、
図1Bに示すように、例えば、セラミック体1の第2端102側において長さ方向に繰り返して折り返しながら周方向に沿って設けられた折返し部を有していてもよい。また、発熱抵抗体2は、折返し部の第2端102側においては一対の直線状部となっていてもよい。発熱抵抗体2は、繰り返して折り返す折返し部が第2端102側だけにあるパターンではなく、第1端101側と第2端102側との間を繰り返して往復するパターンであってもよい。
【0015】
発熱抵抗体2は、金属材料を有している。金属材料は、例えばタングステン、モリブデンまたはレニウムを有する。発熱抵抗体2は、絶縁性の部材を有していてもよい。これにより、発熱抵抗体2の抵抗値を調整することができる。発熱抵抗体2の寸法は、例えば幅を0.2~5mmに、全長を5~1000mmに、厚みを0.05~0.5mmに設定することができる。
【0016】
電極パッド3は、リード端子4と発熱抵抗体2とを接続するための部材である。電極パッド3は、セラミック体1の側面から端面にかけて設けられている。電極パッド3は、発熱抵抗体2に電気的に接続されている。電極パッド3は、金属材料を有している。金属材料は、例えばタングステン、モリブデン、レニウムを有する。さらにはその表面に、ニッケルやクロム、金などの金属の層を施しても良い。電極パッド3のセラミック体1の側面に設けられている部分の寸法は、長さを0.5~15mm、幅を0.5~5mmに、厚みを0.2~1.5mmにすることができる。また、電極パッド3のセラミック体1の端面に設けられている部分の寸法は、長さを0.1~20mm、幅を0.1~20mmに、厚みを0.2~1.5mmにすることができる。
図1に示すように、電極パッド3およびリード端子4は、発熱抵抗体2の両端にそれぞれ設けられていてもよい。
【0017】
電極パッド3および発熱抵抗体2は、
図2Bに示すように、例えばスルーホール導体を介して電気的に接続されていてもよい。これにより、セラミック体1の外周部に設けられているリード端子4とセラミック体1の内部に設けられている発熱抵抗体2とを電気的に接続することができる。
【0018】
リード端子4は、発熱抵抗体2に電力を供給するための部材である。リード端子4は外部の電源に電気的に接続されている。リード端子4は、電極パッド3に電気的に接合されており、セラミック体1の長さ方向に伸びている。リード端子4は、例えば線状、棒状、円柱状、帯状または紐状の部材である。リード端子4の断面の形状としては、例えば、円形状、楕円形状、三角形状や矩形状のような多角形状、またはこれらの形状でかつ中空状であってもよい。
図1に示すリード端子4においては、リード端子4は円柱状である。リード端子4の寸法は、例えば円柱状であるときは、径の長さを0.5~5~mmに、長さを10~300mmにすることができる。リード端子4としては、ニッケルまたは銅の金属からなる線材または板材を用いることができる。
【0019】
接合材5は、リード端子4と電極パッド3とを強固に固定するための部材である。接合材5は、電極パッド3の上に位置している。接合材5は、例えば銀、銅またはスズ等の導電性の金属材料であってもよい。
【0020】
本実施形態の試料保持具においては、
図1A、
図1B、
図2Aおよび
図2Bに示すように、ヒータ100は、第1端101から第2端102に向かって延びる円柱状または筒状のセラミック体1と、セラミック体1の内部に位置する発熱抵抗体2と、発熱抵抗体2に電気的に接続されている電極パッド3と、電極パッド3に電気的に接続されているリード端子4と、電極パッド3とリード端子4とを接合する導電性の接合材5とを備え、電極パッド3は、セラミック体1の側面から端面にかけて位置している。これにより、セラミック体1のうち複数の面に電極パッド3を設けることができる。これにより、セラミック体1と電極パッド3との離れる方向に振動が生じても、電極パッド3の接合強度を保持できる。これにより、長時間使用した場合でも、電極パッド3がセラミック体1から剥離してしまうおそれを低減できる。その結果、ヒータ100の長期信頼性を高めることができる。
【0021】
また、
図3に示すように、セラミック体1は、セラミック体1の外周を含む第1部11と、第1部11に続いて中心軸の近くに位置する第2部12とを有しており、第1部11は、外周を含む第1側面111と、第1側面111に続く第1端面112とを有し、第2部12は、第1端面112に続いて第2端102に向かって延びる第2側面121と、第2側面121に続く第2端面122とを有していてもよい。
【0022】
また、
図1に示す「側面」は、第1側面111および第2側面121を含んでおり、「端面」は、第1端面112および第2端面122を含んでいる。このとき、第2部12は、第1端面112に続いて第2端102に向かって延びる第2側面121と第2側面121に続く第2端面122とを有していることで、第2部12と第1部11との間に段差を設けることができる。これにより、リード端子4と第1端面112と第2側面121との間に、接合材5を溜める空間を設けることができる。これにより、接合材5をより多く加えることができる。これにより、リード端子4とセラミック体1との接合強度を高めることができる。その結果、ヒータ100の長期信頼性を高めることができる。
【0023】
また、
図3に示すように、電極パッド3は、第1側面111から第1端面112にかけて位置していてもよい。このとき、第2側面121および第2端面122は、電極パッド3を設けていない部分を有してもよい。また、第2側面121および第2端面122は、接合材5を設けていない部分を有してもよい。電極パッド3が、第1側面111から第1端面112にかけて位置していることで、セラミック体1が1つの面に、電極パッド3が有する場合と比較してセラミック体1と電極パッド3との離れる方向に振動が生じても、電極パッド3の接合強度を保持できる。これにより、長時間使用した場合でも、電極パッド3がセラミック体1から剥離してしまうおそれを低減できる。その結果、ヒータ100の長期信頼性を高めることができる。
【0024】
また、
図4に示すように、電極パッド3は、第1端面112から第2側面121にかけて位置していてもよい。このとき、第2端面122は、電極パッド3を設けていない部分を有してもよい。また、第2端面122は、接合材5を設けていない部分を有してもよい。電極パッド3が、第1端面112から第2側面121にかけて位置していることで、電極パッド3が第1部11と第2部12との境界である第1端面112と第2側面121との間を覆うことができる。そのため、セラミック体1の第1端面112と第2側面121との間にクラックが生じるおそれを低減できる。その結果、ヒータ100の長期信頼性を向上できる。第1部11は表層部ということができる部位であり、第2部12は芯部ということができる部位である。
【0025】
また、
図5に示すように、電極パッド3は、第2側面121から第2端面122にかけて位置していてもよい。このとき、第1端面112および第2側面121は、電極パッド3および接合材5が設けられていてもよい。電極パッド3が、第2側面121から第2端102面122にかけて位置していることで、これにより、電極パッド3をセラミック体1のより多くの面に設けることができる。これにより、セラミック体1と電極パッド3との離れる方向に振動が生じても、電極パッド3の接合強度を保持できる。これにより、長時間使用した場合でも、電極パッド3がセラミック体1から剥離してしまうおそれを低減できる。その結果、ヒータ100の長期信頼性を高めることができる。
【0026】
また、
図6に示すように、発熱抵抗体2は、第1部11と第2部12との間に位置し、端部が第1端101面112から突出しており、端部と電極パッド3とが接合されていてもよい。これにより、リード端子4から発熱抵抗体2まで電流が流れる経路を増やすことができる。これにより、リード端子4と発熱抵抗体2とが電気的に接続されなくなるおそれを低減できる。その結果、ヒータ100の長期信頼性を高めることができる。
【0027】
また、
図7に示すように、接合材5は、第1端面112から第2側面121にかけてメニスカス状に設けられていてもよい。これにより、第1端面112と第2側面121との界面を接合材5が覆うことができるため、クラックがセラミック体1の第1端面112と第2側面121との界面に生じるおそれを低減できる。その結果、ヒータ100の長期信頼性を高めることができる。
【0028】
また、
図7に示すように、接合材5は、第1端面112からリード端子4にかけてメニスカス状に設けられており、第2側面121とリード端子4との間に空間を有していてもよい。これにより、リード端子4とセラミック体1とを接合材によって強固に固定しつつ、第2側面121とリード端子4との間に有する空間によって接合材5が熱膨張できる領域を形成することができる。これにより、接合材5の熱膨張によってリード端子4と接合材5との間において熱応力が生じるおそれを低減できる。これにより、リード端子4と接合材5との間にクラックが生じるおそれを低減できる。その結果、ヒータ100の長期信頼性を高めることができる。
【0029】
また、
図8に示すように、接合材5は、第2側面121とリード端子4との間に満たして位置していてもよい。これにより、接合材5によってリード端子4とセラミック体1とを強固に固定することができる。これにより、リード端子4とセラミック体1とが剥離するおそれを低減できる。その結果、ヒータ100の長期信頼性を高めることができる。ここでいう、第2側面121とリード端子4との間とは、第1側面111の仮想延長線と第2端102面122の仮想延長線との囲まれた部分のことである。
【0030】
また、
図9に示すように、リード端子4が湾曲していてもよい。ここでいう「湾曲している」とは、
図9に示すように、電極パッド3に電気的に接合されている部分と第1端101に向かって伸びている部分とをつなぐ部分において、湾曲していることを意味している。これにより、生じた振動を分散することができる。これにより、リード端子4と接合材5との接合強度を保持することができる。これにより、リード端子4と接合材5とが剥離するおそれを低減できる。その結果、ヒータ100の長期信頼性を高めることができる。電極パッド3に電気的に接合されている部分と第1端101に向かって伸びている部分とからなる角度が90度に近いほど、つなぐ部分の湾曲による効果は大きくなる。
【0031】
また、
図10に示すように、接合材5は、第1側面に沿っているとともに第2側面にわたっており、接合材5と第1端101面121との間に隙間を有していてもよい。これにより、第1部11が露出している部位まで接合材5が熱膨張することができる。これにより、接合材5の熱膨張によってリード端子4と接合材5との間において熱応力が生じるおそれを低減できる。これにより、リード端子4と接合材5との間にクラックが生じるおそれを低減できる。その結果、ヒータ100の長期信頼性を高めることができる。
【0032】
また、
図11に示すように、電極パッド3は、セラミック体1の第2端102側より第1端101側のほうが細くてもよい。ここでいう「細い」とは、セラミック体1の第1端101側の電極パッド3の長さがセラミック体1の周方向において第2端102側よりも短いことを意味している。これにより、セラミック体1の第1端101にリード端子4が2つありそれぞれに対応する電極パッド3がある場合において、2つの電極パッド3の距離を遠ざけることができる。これにより、2つの電極パッド3が接続してしまうおそれを低減でき、短絡が生じるおそれを低減できる。その結果、ヒータ100の長期信頼性を高めることができる。電極パッド3において、セラミック体1の第2端102側より第1端101側のほうが細い形状として段状であってもよいが、セラミック体1の第1端101側が先細り形状であれば、段状であるよりも応力をより低減できる。
【0033】
また、
図12に示すように、電極パッド3は、セラミック体1の第1端101側から見たときに、第2部12の中心に向かうにつれて先細り形状であってもよい。これにより、セラミック体1の端面に設けられている2つの電極パッド3を遠ざけることができる。これにより、セラミック体1の端面で短絡が生じるおそれを低減できる。その結果、ヒータ100の長期信頼性を高めることができる。
【0034】
また、
図13に示すように、セラミック体1の第1端101側から見たときに、2つの電極パッド3の外周の長さは、それぞれ異なっていてもよい。これにより、他の部品とヒータ100とを接合する際に、陽極と陰極とを区別することができる。これにより、ヒータ100を他の部材と正確に接続することができる。
【0035】
また、
図13に示すように、セラミック体1の第1端101側から見たときに、2つの電極パッド3の内周の長さは、それぞれ異なっていてもよい。これにより、他の部品とヒータ100とを接合する際に、陽極と陰極とを区別することができる。これにより、ヒータ100を他の部材と正確に接続することができる。
【0036】
特に、陰極の電極パッド3の外周を陽極よりも長くすることや、内周の長さを長くすることで、陰極の電極パッド3に取り付けるリード端子4の径や数を陽極よりも陰極の方を大きくすることが出来るので、陰極のリード端子4をグランドに接地しながら、ヒータ100を固定することにも用いることができる。
【符号の説明】
【0037】
1:セラミック体
101:第1端
102:第2端
11:第1部
111:第1側面
112:第1端面
12:第2部
121:第2側面
122:第2端面
2:発熱抵抗体
3:電極パッド
4:リード端子
5:接合材
100:ヒータ