(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-06
(45)【発行日】2025-02-17
(54)【発明の名称】乗員検知装置および撮像装置
(51)【国際特許分類】
B60R 11/04 20060101AFI20250207BHJP
【FI】
B60R11/04
(21)【出願番号】P 2023552468
(86)(22)【出願日】2021-10-06
(86)【国際出願番号】 JP2021036939
(87)【国際公開番号】W WO2023058145
(87)【国際公開日】2023-04-13
【審査請求日】2023-10-05
(73)【特許権者】
【識別番号】324003048
【氏名又は名称】三菱電機モビリティ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】煤孫 雄城
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 太郎
(72)【発明者】
【氏名】朴 東錫
(72)【発明者】
【氏名】春日 敬
【審査官】久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-312360(JP,A)
【文献】特開2019-077283(JP,A)
【文献】特開2009-265842(JP,A)
【文献】特開2021-993(JP,A)
【文献】再公表特許第2020/158602(JP,A1)
【文献】特開2000-71356(JP,A)
【文献】特開平10-232135(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/3571(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、
前記車両内に設けられる表示部と、
前記表示部に着脱可能に取り付けられ、前記車両内における乗員の少なくとも顔が存在すべき範囲を撮像する撮像部とを備え、
前記撮像部の前面は第1のパネルで覆われ、
前記表示部の前面は第2のパネルで覆わ
れ、
前記撮像部が前記表示部に取り付けられて固定された状態で、前記第1のパネルと前記第2のパネルとが同一面となる
ことを特徴とする乗員検知装置。
【請求項2】
前記第1のパネルと前記第2のパネルとは同材質で構成される
ことを特徴とする請求項1記載の乗員検知装置。
【請求項3】
前記撮像部は、当該撮像部が設けられる前記車両の仕様に応じた画角を有する
ことを特徴とする請求項1記載の乗員検知装置。
【請求項4】
前記撮像部の光軸の向きは、当該撮像部が設けられる前記車両の仕様に応じた向きである
ことを特徴とする請求項1記載の乗員検知装置。
【請求項5】
前記車両の前記仕様は、
車種、前記車両のグレード、または、前記表示部が前記車両に設けられた状態での前記表示部の向きを含む
ことを特徴とする請求項3または請求項4記載の乗員検知装置。
【請求項6】
前記撮像部は、前記撮像部が設けられる前記車両内を照射するための照明部を有する
ことを特徴とする請求項1記載の乗員検知装置。
【請求項7】
前記撮像部が前記表示部に取り付けられた状態で、前記撮像部の前記表示部に取り付けられる側の一辺と前記表示部の前記撮像部が取り付けられる側の一辺との距離は、
前記撮像部と前記表示部との一体感を損なわない程度の距離として設定された距離以下である
ことを特徴とする請求項1記載の乗員検知装置。
【請求項8】
前記撮像部は、前面に表示領域を有する
ことを特徴とする請求項1記載の乗員検知装置。
【請求項9】
前記表示領域には、前記乗員に注意を促すための通知情報が表示される
ことを特徴とする請求項8記載の乗員検知装置。
【請求項10】
前記表示部に前記撮像部が取り付けられた状態で、前記表示部と前記撮像部の全周を覆うフレームを備えた
ことを特徴とする請求項1記載の乗員検知装置。
【請求項11】
前記撮像部は、前記表示部の上面側、前記表示部の左側面側、前記表示部の右側面側、または、前記表示部の底面側から、前記表示部に取り付けられる
ことを特徴とする請求項1記載の乗員検知装置。
【請求項12】
表示装置が設けられる車両において、当該車両内の乗員の少なくとも顔が存在すべき範囲を撮像する撮像装置であって、
前記表示装置に着脱可能に連結され、
前記撮像装置の前面は第1のパネルで覆われ、
前記表示装置の前面は第2のパネルで覆わ
れ、
前記撮像装置が前記表示装置に取り付けられて固定された状態で、前記第1のパネルと前記第2のパネルとが同一面となる
ことを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両において乗員の状態を検知するための乗員検知装置および撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両において、撮像装置を搭載し、撮像装置が撮像した撮像画像に基づいて乗員を検知する技術が知られている。撮像装置は、車両内の乗員を精度よく撮像可能な位置、言い換えれば、車両内の乗員の少なくとも顔を撮像可能な位置に設けられることが好ましい。一方、車両の大半において、上述したような、撮像装置の設置位置として好ましい位置には、乗員が視認しやすいよう、表示装置が設けられる。そこで、車両において、撮像装置を表示装置に隣接した位置に設置する技術が知られている。
例えば、特許文献1には、インストルメントパネルに設けられているディスプレイの外部に、当該ディスプレイの車両前後方向後方に隣接してインストルメントパネルに配置されたカメラを備え、このカメラによってドライバを撮影する乗員撮影装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているような乗員撮影装置の技術に代表される従来技術では、表示装置と撮像装置とは分離した構造となっており、車両において、表示装置と撮像装置が、それぞれ、インストルメントパネル等の車両の構成部に設けられる。すなわち、従来技術では、車両において、表示装置を設置するためのスペースと撮像装置を設置するためのスペースとをそれぞれ確保する必要があるという課題があった。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、車両において、表示装置を設置するためのスペースと撮像装置を設置するためのスペースとをそれぞれ必要とすることなく、撮像装置が設置位置として好ましい位置に設けられるようにした乗員検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る乗員検知装置は、車両に搭載され、車両内に設けられる表示部と、表示部に着脱可能に取り付けられ、車両内における乗員の少なくとも顔が存在すべき範囲を撮像する撮像部とを備え、撮像部の前面は第1のパネルで覆われ、表示部の前面は第2のパネルで覆われ、撮像部が表示部に取り付けられて固定された状態で、第1のパネルと第2のパネルとが同一面となることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、車両において、表示装置を設置するためのスペースと撮像装置を設置するためのスペースとをそれぞれ必要とすることなく、撮像装置が設置位置として好ましい位置に設けられるようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る乗員検知装置の車両における設置例について説明するための図である。
【
図2】実施の形態1に係る乗員検知装置の概要について説明するための図である。
【
図3】実施の形態1に係る乗員検知装置における、表示部への、異なる仕様を有する撮像部の取り付けの一例について説明するための図である。
【
図4】
図4Aおよび
図4Bは、実施の形態1に係る乗員検知装置において、撮像部が有する表示領域、および、当該表示領域に表示された通知情報の一例を説明するための図である。
【
図5】実施の形態1において、フレームを装着した乗員検知装置の一例について説明するための図であって、
図5Aは、乗員検知装置が車両に搭載された状態の乗員検知装置を前面側からみた斜視図であり、
図5Bは、車両に搭載された状態の乗員検知装置を背面側からみた斜視図である。
【
図6】実施の形態1に係る乗員検知装置における、表示部に対する撮像部の取り付け例について説明するための図であって、
図6Aは、撮像部が表示部の上面側から取り付けられる例を示す図であり、
図6Bは、撮像部が表示部の右側面側から取り付ける例を示す図であり、
図6Cは、撮像部が表示部の左側面側から取り付けられる例を示す図であり、
図6Dは、撮像部が表示部の底面側から取り付けられる例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
実施の形態1に係る乗員検知装置は、車両に搭載され、いわゆる「ドライバモニタリングシステム(Driver Monitoring System,DMS)」において、乗員の状態を監視するために用いられる。ドライバモニタリングシステムにおいて状態を監視する対象となる乗員(以下「監視対象乗員」という。)は、運転席のドライバ、助手席の乗員(以下「助手席乗員」という。)、または、後部座席の乗員(以下「後部座席乗員」という。)を含む。
【0010】
図1は、実施の形態1に係る乗員検知装置1の車両における設置例について説明するための図である。
図2は、実施の形態1に係る乗員検知装置1の概要について説明するための図である。
【0011】
図1は、車両100内から見たインストルメントパネル(以下「インパネ」という。)3の全体の正面図である。なお、
図1に示す車両100は右ハンドル車としているが、これは一例に過ぎない。車両100は、左ハンドル車であってもよい。
図1では、説明の簡単のため、乗員検知装置1の概要については図示を省略している。乗員検知装置1の概要は、
図2を用いて後述する。
【0012】
図1に示すように、車室の前部には、フロントガラス(図示省略)の下方において車幅方向に延びるインパネ3が設けられている。そして、乗員検知装置1は、インパネ3の車幅方向の中央部に設けられる。なお、実施の形態1において、車幅方向の中央とは、厳密に中央である必要はなく、略中央を含む。乗員検知装置1は、例えば、インパネ3の車幅方向の中央部に立設される。
例えば、監視対象乗員がドライバおよび助手席乗員である場合、通常、
図1に示すような乗員検知装置1の位置が、車両100において乗員検知装置1の設置位置として好ましい位置と想定される。表示部20(
図2参照)がドライバにとっても助手席乗員にとっても視認しやすい位置にあり、かつ、撮像部10(
図2参照)がドライバの顔も助手席乗員の顔も撮像しやすい位置にあるためである。
【0013】
図2に示すように、乗員検知装置1は、撮像部10および表示部20を備える。なお、撮像部10は、単体では、撮像装置として機能する。表示部20は、単体では、表示装置として機能する。
図2においてCで示す箇所については、後述する。
図2は、乗員検知装置1の正面図である。つまり、
図2では、撮像部10および表示部20の前面が示されている。
撮像部10は、前面、背面、上面、底面、右側面、左側面を有する。実施の形態1において、撮像部10の前面とは、撮像部10が車両100に設けられた状態で、乗員の顔が存在すべき側の一面である。撮像部10の背面とは、撮像部10の前面と対向する面、すなわち、撮像部10が車両100に設けられた状態で、乗員の顔が存在すべき側とは反対側の一面である。撮像部10の上面とは、撮像部10が車両100に設けられた状態での上面である。撮像部10の底面とは、撮像部10の上面と対向する面、すなわち、撮像部10が車両100に設けられた状態での底面である。撮像部10の右側面とは、撮像部10が車両100に設けられた状態で車室内からみた撮像部10の右側の側面である。撮像部10の左側面とは、撮像部10が車両100に設けられた状態で車室内からみた撮像部10の左側の側面である。
表示部20は、前面、背面、上面、底面、右側面、左側面を有する。実施の形態1において、表示部20の前面とは、表示部20が車両100に設けられた状態で、乗員の顔が存在すべき側の一面である。表示部20の背面とは、表示部20の前面と対向する面、すなわち、表示部20が車両100に設けられた状態で、乗員の顔が存在すべき側とは反対側の一面である。表示部20の上面とは、表示部20が車両100に設けられた状態での上面である。表示部20の底面とは、表示部20の上面と対向する面、すなわち、表示部20が車両100に設けられた状態での底面である。表示部20の右側面とは、表示部20が車両100に設けられた状態で車室内からみた表示部20の右側の側面である。表示部20の左側面とは、表示部20が車両100に設けられた状態で車室内からみた表示部20の左側の側面である。
【0014】
撮像部10は、車両100内における乗員の顔が存在すべき範囲を撮像する。
より詳細には、撮像部10は、カメラレンズ11と照明部12を有しており、照明部12により、被写体、言い換えれば、乗員、に光を照射し、カメラレンズ11を通して撮像を行う。照明部12は、例えば、LED(Light Emitting Diode)で構成される。照明部12は、撮像部10が設けられる車両100内を照射するために設けられる。
【0015】
撮像部10が撮像した撮像画像は、制御部(図示省略)に出力される。制御部は、例えば、撮像部10に備えられ、撮像部10が撮像した撮像画像に基づいて、当該撮像画像にて撮像されている乗員の状態を検知する。具体的には、制御部は、乗員が脇見状態であるか否か、または、居眠り状態であるか否か等を検知する。なお、制御部は、既知の画像認識技術を用いて、顔向き、視線、または、目の開閉度合い等の乗員の顔の状態を検知することで、乗員の状態を検知すればよい。なお、制御部は、撮像部10に備えられることに限らない。例えば、制御部は、表示部20に備えられてもよいし、ドライバモニタリングシステムが備えるサーバ(図示省略)に備えらえてもよい。
【0016】
表示部20は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイ等の平板型ディスプレイの前面にタッチスクリーンを設けたタッチパネル式ディスプレイを有する。
表示部20は、種々の情報を表示する。例えば、表示部20は、制御部が検知した乗員の状態に基づく情報を表示する。乗員の状態に基づく情報とは、例えば、乗員が脇見状態であることを警告するメッセージ、または、居眠り状態であることを警告するメッセージである。また、表示部20は、地図情報、経路情報、または、オーディオ情報等、種々の情報を表示してもよい。表示部20は、例えば、カーナビゲーション装置(図示省略)と共用のものであってもよい。
【0017】
なお、
図1では、乗員検知装置1は、インパネ3の車幅方向の中央部に立設されるものとしたが、これは一例に過ぎない。乗員検知装置1は、例えば、インパネ3の車幅方向の中央部であって、かつ、インパネ3において車両100の前後方向後側の面に形成された開口に嵌め込まれてもよい。
【0018】
また、車両100において乗員検知装置1が設けられる場所は、インパネ3の車幅方向の中央部に限らない。
乗員検知装置1は、例えば、メータパネル(図示省略)に設けられてもよい。例えば、検知対象乗員がドライバに限られる場合もある。この場合、乗員検知装置1がメータパネルに設けられることで、当該乗員検知装置1、より詳細には、撮像部10および表示部20が、撮像部10はドライバの顔を撮像しやすく、表示部20はドライバから視認されやすい、ドライバのほぼ正面に位置するようになる。つまり、撮像部10および表示部20が、好ましい位置に設けられることになる。
【0019】
また、乗員検知装置1は、例えば、オーバヘッドコンソール(図示省略)等、ヘッドレスト(図示省略)よりも上方に設けられてもよい。
例えば、検知対象乗員には、ドライバ、助手席乗員、および、後部座席乗員が含まれる場合もある。この場合、乗員検知装置1がヘッドレストよりも上方に設けられることで、当該乗員検知装置1、より詳細には、撮像部10および表示部20が、撮像部10はドライバ、助手席乗員、および、後部座席乗員の顔を撮像しやすく、表示部20はドライバ、助手席乗員、および、後部座席乗員から視認されやすい場所に位置するようになる。つまり、撮像部10および表示部20が、好ましい位置に設けられることになる。
【0020】
また、乗員検知装置1は、例えば、ダッシュボード(図示省略)に設けられてもよい。
例えば、検知対象乗員は、助手席乗員に限られてもよい。この場合、乗員検知装置1、より詳細には、撮像部10および表示部20が、ダッシュボードに設けられることで、当該乗員検知装置1、より詳細には、撮像部10および表示部20が、撮像部10は助手席乗員の顔を撮像しやすく、表示部20は助手席乗員から視認されやすい、助手席乗員のほぼ正面に位置するようになる。つまり、撮像部10および表示部20が、好ましい位置に設けられることになる。
【0021】
撮像部10は、表示部20とは物理的に別体であり、表示部20に着脱可能に取り付けられる。
なお、
図1および
図2に示す乗員検知装置1は、撮像部10が表示部20に取り付けられた状態、言い換えれば、撮像部10と表示部20とが連結された状態の、乗員検知装置1である。乗員検知装置1は、撮像部10が表示部20に取り付けられて一体構成となる。
乗員検知装置1は、撮像部10が表示部20に取り付けられた状態で車両100に搭載される。例えば、撮像部10が表示部20に取り付けられた後、車両100に搭載されて、表示部20と撮像部10とが、言い換えれば、乗員検知装置1が車両100に設けられる。また、例えば、車両100に表示部20が設けられた後、撮像部10が車両100に設けられている表示部20に取り付けられることで、表示部20と撮像部10とが、言い換えれば、乗員検知装置1が車両に設けられてもよい。
【0022】
乗員検知装置1は、撮像部10が表示部20に取り付けられて一体構成となることで、撮像部10にとって設置位置として好ましい位置には表示部20が設けられているという問題を解決し、撮像部10および表示部20が、撮像部10にとっても、表示部20にとっても、設置位置として好ましい位置に設けられる。
そして、乗員検知装置1は、車両100に搭載されるのに、車両100において、表示部20を設置するためのスペースと撮像部10を設置するためのスペースとがそれぞれ確保されている必要がない。例えば、
図1に示す乗員検知装置1でいうと、車両100のインパネ3に、表示部20を設置するためのスペースが確保されていればよい。
【0023】
ここで、仮に、乗員検知装置1を、撮像部10と表示部20とが取り外し不可の一体構成としても、車両100において、表示部20を設置するためのスペースと撮像部10を設置するためのスペースとをそれぞれ確保する必要があるという問題は解決できる。
しかし、乗員検知装置1において、撮像部10と表示部20とを単純に取り外し不可の一体構成とすると、撮像部10が、乗員の状態検知に最適な撮像画像を撮像することができない可能性があるという問題が生じる。
【0024】
一般に、表示部20は、車両100内の設置位置として好ましいと想定される位置に設けられるが、当該好ましいと想定される位置は、例えば、車両100の仕様によって様々である。実施の形態1において、車両100の仕様とは、例えば、車種、車両100のグレード、または、表示部20が車両100に設けられた状態での表示部20の向きを想定している。
具体例を挙げると、例えば、検知対象乗員がドライバおよび助手席乗員である場合、車両100における表示部20の設置位置として最適な位置は、通常、インパネ3の車幅方向の中央部と想定される。しかし、車種によっては、インパネ3のデザイン等の制約により、当該最適な位置が、上記中央部よりも運転席側または助手席側に大きく寄った位置となることもあり得る。
仮に、インパネ3の車幅方向の中央部に設置される表示部20に取り付けられる撮像部10と、ダッシュボードに設置される表示部20に取り付けられる撮像部10とを同じ撮像範囲を有するものとすると、いずれかの撮像部10が撮像した撮像画像には、検知対象乗員であるドライバまたは助手席乗員が撮像されていないことになり得る。例えば、撮像画像において検知対象乗員の顔が見切れている、または、検知対象乗員の目が認識できない等の事象が生じ得る。したがって、この場合、例えば、製造業者等は、車種に応じて、車両100に搭載された場合にインパネ3の車幅方向の中央部からドライバおよび助手席乗員を撮像可能に構成された撮像部10と当該インパネ3に設置される表示部20とが一体となった乗員検知装置1と、車両100に搭載された場合にダッシュボードからドライバおよび助手席乗員を撮像可能に構成された撮像部10と当該ダッシュボードに搭載される表示部20とが一体となった乗員検知装置1とを製造する必要がある。なお、製造業者等は、表示部20は、各乗員検知装置1で共通のものとできる。
【0025】
また、例えば、同じ車種であっても、車両100のグレードによって、検知対象乗員を、ドライバおよび助手席乗員とする、または、ドライバに限定する、というように切り替えることもあり得る。
この場合、同じ車種の車両100であっても、表示部20に取り付けられる撮像部10に求められる撮像範囲が、グレードによって異なる。例えば、車両100のグレードが、検知対象乗員をドライバおよび助手席乗員とするグレードであれば、乗員検知装置1、より詳細には撮像部10および表示部20の設置位置として好ましい位置は車幅方向の中央部であり、撮像部10は当該中央部から検知対象乗員であるドライバおよび助手席乗員を撮像範囲に含めることが必要となる。一方、例えば、車両100のグレードが、検知対象乗員をドライバに限定するグレードであれば、乗員検知装置1の設置位置として好ましい位置はメータパネル等、ドライバと対向する位置であり、撮像部10は当該位置からドライバを撮像範囲に含めることができればよい。
したがって、製造業者等は、車両100のグレードに応じて、表示部20と、求められる撮像範囲、言い換えれば、求められる画角を有する撮像部10とが一体となった乗員検知装置1を製造する必要がある。なお、製造業者等は、表示部20は、各乗員検知装置1で共通のものとできる。
【0026】
また、一般に、表示部20は、車両100内の設置位置として好ましいと想定される位置の他、車両100内の設置角度として好ましい設置角度についても、車両100の仕様によって様々である。
具体例を挙げると、例えば、車種によっては、インパネ3のデザイン等の制約により、車両100における表示部20の最適な位置とされる設置位置の、乗員の顔が存在すべき範囲に対する高さが異なることもあり得る。
この場合、表示部20に取り付けられる撮像部10の向きが、当該撮像部10が取り付けられる表示部20の、乗員の顔が存在すべき範囲に対する高さによらず一律であると、当該撮像部10が撮像した撮像画像には、検知対象乗員が撮像されていないことになり得る。したがって、この場合、製造業者等は、車種に応じて、表示部20と、当該表示部20の、乗員の顔が存在すべき範囲に対する高さを考慮して光軸が設定された撮像部10とが一体となった乗員検知装置1を製造する必要がある。製造業者等は、照明部12についても、表示部20が車両100に設置される際の設置角度を考慮した照射範囲が設定されるようにする必要がある。なお、製造業者等は、表示部20は、各乗員検知装置1で共通のものとできる。
【0027】
また、例えば、車種によっては、表示部20の最適な設置角度が異なることもあり得る。
この場合、表示部20に取り付けられる撮像部10の向きが、当該撮像部10が取り付けられる表示部20の設置角度によらず一律であると、当該撮像部10が撮像した撮像画像には、検知対象乗員が撮像されていないことになり得る。したがって、この場合、製造業者等は、車種に応じて、表示部20と、当該表示部20が車両100に設置される際の設置角度を考慮して光軸が設定された撮像部10とが一体となった乗員検知装置1を製造する必要がある。製造業者等は、照明部12についても、表示部20が車両100に設置される際の設置角度を考慮した照射範囲が設定されるようにする必要がある。なお、製造業者等は、表示部20は、各乗員検知装置1で共通のものとできる。
【0028】
仮に、乗員検知装置1が、撮像部10と表示部20を単純に一体構成にした装置とすると、上述の具体例のように、製造業者等は、表示部20は共通のものとできるにもかかわらず、車両100の仕様にあわせて、乗員検知装置1が車両100に搭載された状態における撮像部10が求められる撮像部10となるよう、乗員検知装置1ごと、設計または製造しなければならないという問題が生じる。つまり、表示部20を含む乗員検知装置1の種類が増え、製造業者等は、乗員検知装置1の設計または製造に労力等を要する。
【0029】
これに対し、実施の形態1に係る乗員検知装置1は、上述のとおり、表示部20に対して、撮像部10が、着脱可能に取り付けられるようにした。
これにより、製造業者等は、車両100の仕様に応じた撮像部10を製造しておき、共通の表示部20に対して、自由に撮像部10を組み合わせた乗員検知装置1を提供できる。表示部20は車両100の仕様によらず共用できることから、製造業者等は、乗員検知装置1の設計または製造にかかる労力等を抑制することが可能となる。
【0030】
実施の形態1に係る乗員検知装置1において、撮像部10は、表示部20に、適宜の方法によって取り付けられる。例えば、撮像部10と表示部20とは、表示部20の背面側にてネジ止めされることで取り付けられてもよいし、プラグとジャックとによってお互いが連結されてもよい。
【0031】
図3は、実施の形態1に係る乗員検知装置1における、表示部20への、異なる仕様を有する撮像部10の取り付けの一例について説明するための図である。なお、実施の形態1において、撮像部10の仕様とは、撮像部10の撮像範囲、言い換えれば画角、撮像部10の光軸の向き、表示領域の有無、または、表示領域に表示させる情報の種類等を想定している。撮像部10が有し得る表示領域の詳細については、後述する。
【0032】
図3では、一例として、画角の異なる2つの撮像部10(撮像部10aまたは撮像部10b)の表示部20への取り付けを説明する図としている。
撮像部10aは、カメラレンズ11aと照明部12aを有しており、照明部12aにより被写体に光を照射し、カメラレンズ11aを通して撮像を行う。撮像部10aの画角は水平60°である。撮像部10aは、例えば、検知対象乗員がドライバに限る場合に、乗員検知装置1が備える撮像部10を想定している。
撮像部10bは、カメラレンズ11bと照明部12bを有しており、照明部12bにより被写体に光を照射し、カメラレンズ11bを通して撮像を行う。撮像部10bの画角は水平120°である。撮像部10bは、例えば、検知対象乗員がドライバおよび助手席乗員とした場合に、乗員検知装置1が備える撮像部10を想定している。
【0033】
なお、
図3では、表示部20に対して、画角の異なる撮像部10(撮像部10aまたは撮像部10b)を取り付け可能な例を示したが、これは一例に過ぎない。
例えば、表示部20に対して、光軸の向きが異なる撮像部10を取り付けることもできる。
【0034】
このように、実施の形態1に係る乗員検知装置1は、表示部20に、当該表示部20に着脱可能な、搭載される車両100の仕様に応じた撮像部10が取り付けられ一体構成となる。
ここで、撮像部10の前面はパネル(以下「第1のパネル」という。)で覆われる。表示部20の前面はパネル(以下「第2のパネル」という。)で覆われる。そして、第1のパネルと第2のパネルとは同材質で構成される。第1のパネルおよび第2パネルの材質は、例えば、ポリカーボネート、または、ガラスである。
乗員検知装置1において、第1のパネルと第2のパネルとが同材質で構成されることで、乗員検知装置1は、撮像部10と表示部20の一体感を出すことができる。
【0035】
また、乗員検知装置1において、撮像部10が表示部20に取り付けられた状態で、撮像部10の表示部20に取り付けられる側の一辺と表示部20の撮像部10が取り付けられる側の一辺との距離(
図2のC参照)は、設定された距離以下である。設定された距離は、例えば、1mm以下程度等、撮像部10と表示部20との一体感を損なわない程度の距離であればよい。これにより、乗員検知装置1は、撮像部10と表示部20の一体感を出すことができる。
【0036】
また、乗員検知装置1において、撮像部10は、前面に表示領域を有することもできる。撮像部10が有する表示領域には、乗員に注意を促すための情報(以下「通知情報」という。)が表示される。
図4Aおよび
図4Bは、実施の形態1に係る乗員検知装置1において、撮像部10が有する表示領域101a、102a、101b、102b、および、当該表示領域に表示された通知情報の一例を説明するための図である。
【0037】
なお、
図4Aに示す撮像部10aは、
図3に示した撮像部10aを想定しており、
図4Bに示す撮像部10bは、
図3に示した撮像部10bを想定している。
図4Aに示す撮像部10aは、例えば、時計を表示する表示領域101aと、テルテールを表示する表示領域102aを有している。
図4Aでは、テルテールとして、シートベルト非着用サインが表示されている。撮像部10aは、例えば、乗員検知装置1を利用して状態を検知する対象となる乗員がドライバに限定されている場合の撮像部10を想定しているので、シートベルト非着用サインは、ドライバに、シートベルト着用を促すテルテールである。
【0038】
図4Bに示す撮像部10bは、例えば、テルテールを表示する表示領域101bと、時計を表示する表示領域102bを有している。
図4Bでは、テルテールとして、シートベルト非着用サインが表示されている。撮像部10bは、例えば、乗員検知装置1を利用して状態を検知する対象となる乗員がドライバおよび助手席乗員である場合の撮像部10を想定しているので、シートベルト非着用サインは、ドライバまたは助手席乗員に対して、シートベルト着用を促すテルテールである。
【0039】
なお、
図4Aに示す撮像部10aと
図4Bに示す撮像部10bは、それぞれ、2つの表示領域を有するものとしたが、これは一例に過ぎない。撮像部10は、表示領域を1つ有してもよいし、3つ以上の表示領域を有してもよい。また、撮像部10が有する表示領域に表示される通知情報の内容は、適宜設定可能である。
撮像部10が有する表示領域への通知情報の表示の制御は、例えば、制御部が行えばよい。
【0040】
撮像部10が表示領域を有し、当該表示領域に通知情報を表示可能とすることで、乗員に対して、必要な表示を認識させることができる。
乗員検知装置1が車両100に搭載された際、撮像部10は、表示部20に取り付けられることで、検知対象乗員と対向する位置、言い換えれば、撮像部10の設置位置として好ましい位置に設けられる。つまり、撮像部10は、乗員の顔を最適に撮像できるような位置に設けられることになる。乗員から見ると、当該乗員と対向し、顔を向けやすい位置に撮像部10が設けられているといえる。乗員にとって表示領域は視認しやすい位置にあり、乗員は通知情報を認識しやすい。
【0041】
また、実施の形態1に係る乗員検知装置1は、例えば、表示部20に撮像部10が取り付けられた状態で、表示部20と撮像部10の全周を覆うフレームを備えることもできる。具体的には、乗員検知装置1は、表示部20に撮像部10が取り付けられた状態で、表示部20と撮像部10の全周のうち、表示部20と撮像部10それぞれの両側面、表示部20の底面、および、撮像部10の上面を覆うフレームを備えることができる。
また、例えば、乗員検知装置1は、表示部20に撮像部10が取り付けられた状態で、表示部20と撮像部10の全周のうち底面以外を覆うフレームを備えてもよい。具体的には、乗員検知装置1は、表示部20に撮像部10が取り付けられた状態で、表示部20と撮像部10の全周のうち、表示部20と撮像部10それぞれの両側面および撮像部10の上面を覆うフレームを備えてもよい。
フレームの材質は、適宜の材質とできる。フレームの厚さは、撮像部10と表示部20の厚さよりも薄い。これにより、乗員検知装置1は、乗員等に対して、結合された撮像部10および表示部20の厚みを薄く見せることができる。
【0042】
図5は、実施の形態1において、フレーム4を装着した乗員検知装置1の一例について説明するための図である。
図5Aは、乗員検知装置1を前面側からみた斜視図であり、
図5Bは、乗員検知装置1を背面側からみた斜視図である。
図5では、フレーム4は、表示部20に撮像部10が取り付けられた状態で、表示部20と撮像部10の全周を覆うフレームとしている。より詳細には、
図5では、フレーム4は、表示部20の上面に撮像部10が結合した状態で、撮像部10の左側面、上面、および、右側面と、表示部20の右側面、底面、および、左側面とを覆うフレームとしている。
【0043】
なお、撮像部10の厚さと表示部20の厚さは同じである必要はない。ただし、乗員検知装置1において、撮像部10と表示部20とが結合されて、撮像部10の第1のパネルと表示部20の第2のパネルとが同一面となる。
【0044】
なお、以上の実施の形態1では、乗員検知装置1において、撮像部10は、車両100に設けられる表示部20の上面側から表示部20に取り付けられることを前提としたが、これは一例に過ぎない。乗員検知装置1において、撮像部10は、車両100に設けられる表示部20の上面側、表示部20の左側面側、表示部20の右側面側、または、表示部20の底面側から、表示部20に取り付けられる。これにより、乗員検知装置1は、表示部20に対する撮像部10の位置が、乗員検知装置1が搭載される車両100の仕様に応じて最適な撮像画像が得られる位置となるようにできる。
【0045】
図6は、実施の形態1に係る乗員検知装置1における、表示部20に対する撮像部10の取り付け例について説明するための図である。
図6Aは、撮像部10が表示部20の上面側から取り付けられる例を示す図であり、
図6Bは、撮像部10が表示部20の右側面側から取り付ける例を示す図であり、
図6Cは、撮像部10が表示部20の左側面側から取り付けられる例を示す図であり、
図6Dは、撮像部10が表示部20の底面側から取り付けられる例を示す図である。
なお、
図6に示す乗員検知装置1は、当該乗員検知装置1を、正面から見たものとしている。
【0046】
なお、
図6Dに示すように、撮像部10が表示部20の底面側から当該表示部20に取り付けられる場合、乗員検知装置1は、撮像部10が表示部20に底面側から取り付けられ一体となった状態で、車両100に搭載される。または、車両100内にはまず撮像部10が設けられ、乗員検知装置1は、車両100内に設けられている撮像部10に対して表示部20が取り付けられて一体となるようにしてもよい。
【0047】
例えば、
図1に示すように車両100が右ハンドル車である場合、表示部20の右側面側から取り付けられた撮像部10(
図6B参照)は、ハンドルによって乗員の顔が遮られ、当該乗員の顔を撮像できない可能性がある。したがって、この場合、乗員検知装置1において、撮像部10は、表示部20の右側面側以外の方向から表示部20に取り付けられた方が、表示部20の右側面側から表示部20に取り付けられるよりも、より精度高く乗員の顔を撮像できる。
逆に、車両100が左ハンドル車である場合、乗員検知装置1において、撮像部10は、表示部20の左側面側以外の方向から表示部20に取り付けられた方が、表示部20の左側面側から表示部20に取り付けられるよりも、より精度高く乗員の顔を撮像できる。
【0048】
また、例えば、表示部20の下部にエアコン等の操作パネルが設けられている場合、乗員が当該操作パネルを操作するために手をのばすことがある。そうすると、操作パネルを操作する乗員の手によって、乗員の顔が遮られる可能性がある。したがって、この場合、乗員検知装置1において、撮像部10は、表示部20の底面側以外の方向から表示部20に取り付けられた方が、表示部20の底面側から表示部20に取り付けられるよりも、より精度高く乗員の顔を撮像できる。
【0049】
また、以上の実施の形態1では、撮像部10は照明部12を1つ有するものとしたが(
図2参照)、これは一例に過ぎない。撮像部10は、例えば、複数の照明部12を有していてもよい。また、例えば、照明部12が、撮像部10の外部に備えられてもよい。ただし、照明部12は、撮像部10が乗員を撮像する際の撮像輝度を確保するためのものであることから、照明部12の設置位置と撮像部10の設置位置とが大きく離れていないことが好ましい。照明部12の設置位置と撮像部10の設置位置とか大きく離れていると、例えば、撮像部10の撮像対象となる乗員に影ができ、撮像画像の精度が低下する。よって、照明部12と撮像部10とは、大きく離れることがないように設置される必要がある。実施の形態1に係る乗員検知装置1は、撮像部10が照明部12を有することで、照明部12と撮像部10とが大きく離れることなく設けられ、撮像部10は、照明部12によって適切に光が照射された乗員を精度よく撮像することができる。また、実施の形態1に係る乗員検知装置1は、撮像部10が照明部12を有することで、乗員の撮像に必要な機器を撮像部10に集約し、小型化できる。
【0050】
また、以上の実施の形態1では、乗員検知装置1が車両100に搭載された状態で、撮像部10は、車両100内における乗員の顔が存在すべき範囲を撮像するものとしたが、これは一例に過ぎない。
撮像部10は、車両100内における乗員の顔だけでなく、頭部または体が存在すべき範囲を撮像するものでもよい。この場合、乗員検知装置1は、例えば、撮像部10が撮像した撮像画像に基づき、乗員の姿勢または頭部位置を検知し、ドライバが運転に適した姿勢をとっている状態であるか否かを検知する、または、乗員の急な体調変化を検知することができる。
実施の形態1において、乗員検知装置1が車両100に搭載された状態で、撮像部10は、車両100内における乗員の少なくとも顔が存在すべき範囲を撮像可能になっていればよい。
【0051】
以上のように、実施の形態1に係る乗員検知装置1は、車両100に搭載され、車両100内に設けられる表示部20と、表示部20に着脱可能に取り付けられ、車両100内における乗員の少なくとも顔が存在すべき範囲を撮像する撮像部10とを備えるように構成した。そのため、乗員検知装置1は、車両100において、表示部20(表示装置)を設置するためのスペースと撮像部10(撮像装置)を設置するためのスペースとをそれぞれ必要とすることなく、撮像部10(撮像装置)が設置位置として好ましい位置に設けられるようにできる。
また、表示部20に対して撮像部10が着脱可能に取り付けられて構成されることで、製造業者等は、車両100の仕様に応じた撮像部10を設計または製造しておき、共通の表示部20に対して、自由に撮像部10を組み合わせた乗員検知装置1を提供できる。表示部20は車両100の仕様によらず共用できることから、製造業者等は、乗員検知装置1の設計または製造にかかる労力等を抑制することが可能となる。
【0052】
また、実施の形態1に係る乗員検知装置1において、撮像部10は、当該撮像部10が設けられる車両100の仕様に応じた画角を有するように構成される。そのため、製造業者等は、車両100の仕様に応じた撮像部10を設計または製造しておき、共通の表示部20に対して、自由に撮像部10を組み合わせた乗員検知装置1を提供できる。表示部20は車両100の仕様によらず共用できることから、製造業者等は、乗員検知装置1の設計または製造にかかる労力等を抑制することが可能となる。
【0053】
また、実施の形態1に係る乗員検知装置1において、撮像部10の光軸の向きは、当該撮像部10が設けられる車両100の仕様に応じた向きを有するように構成される。そのため、製造業者等は、車両100の仕様に応じた撮像部10を設計または製造しておき、共通の表示部20に対して、自由に撮像部10を組み合わせた乗員検知装置1を提供できる。表示部20は車両100の仕様によらず共用できることから、製造業者等は、乗員検知装置1の設計または製造にかかる労力等を抑制することが可能となる。
【0054】
また、実施の形態1に係る乗員検知装置1において、撮像部10は、撮像部10が設けられる車両100内を照射するための照明部12を有するように構成される。そのため、乗員検知装置1は、乗員の撮像に必要な機器を撮像部10に集約し、小型化できる。
【0055】
また、実施の形態1に係る乗員検知装置1において、撮像部10の前面は第1のパネルで覆われ、表示部20の前面は第2のパネルで覆われ、第1のパネルと第2のパネルとは同材質で構成される。そのため、乗員検知装置1は、撮像部10と表示部20の一体感を出すことができる。
【0056】
また、実施の形態1に係る乗員検知装置1において、撮像部10が表示部20に取り付けられた状態で、撮像部10の表示部20に取り付けられる側の一辺と表示部20の撮像部10が取り付けられる側の一辺との距離は、設定された距離以下である。そのため、乗員検知装置1は、撮像部10と表示部20の一体感を出すことができる。
【0057】
また、実施の形態1に係る乗員検知装置1において、撮像部10は、前面に表示領域を有するように構成される。そのため、乗員検知装置1は、乗員に対して、必要な表示を認識させることができる。
【0058】
また、実施の形態1に係る乗員検知装置1は、表示部20に撮像部10が取り付けられた状態で、表示部20と撮像部10の全周を覆うフレームを備えるように構成される。そのため、乗員検知装置1は、乗員等に対して、結合された撮像部10および表示部20の厚みを薄く見せることができる。
【0059】
また、実施の形態1に係る乗員検知装置1において、撮像部10は、表示部20の上面側、表示部20の左側面側、表示部20の右側面側、または、表示部20の底面側から、表示部20に取り付けられる。そのため、乗員検知装置1は、表示部20に対する撮像部10の位置が、乗員検知装置1が搭載される車両100の仕様に応じて最適な撮像画像が得られる位置となるようにできる。
【0060】
なお、本開示は、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本開示に係る乗員検知装置は、車両において、表示装置を設置するためのスペースと撮像装置を設置するためのスペースとをそれぞれ必要とすることなく、撮像装置が設置位置として好ましい位置に設けられるようにできる。
【符号の説明】
【0062】
100 車両、1 乗員検知装置、10,10a,10b 撮像部、20 表示部、11,11a,11b カメラレンズ、12,12a,12b 照明部、3 インストルメントパネル、4 フレーム、101a,101b,102a,102b 表示領域。