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特許7630058情報収集装置、サーバ、および、情報収集方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-06
(45)【発行日】2025-02-17
(54)【発明の名称】情報収集装置、サーバ、および、情報収集方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20250207BHJP
【FI】
H04N7/18 K
H04N7/18 E
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023512620
(86)(22)【出願日】2021-04-09
(86)【国際出願番号】 JP2021015003
(87)【国際公開番号】W WO2022215245
(87)【国際公開日】2022-10-13
【審査請求日】2023-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】324003048
【氏名又は名称】三菱電機モビリティ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河野 卓矢
【審査官】武田 悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-108172(JP,A)
【文献】特開2011-95979(JP,A)
【文献】特開2015-61108(JP,A)
【文献】特開2011-29868(JP,A)
【文献】特開2019-28368(JP,A)
【文献】特開2013-239995(JP,A)
【文献】国際公開第2013/099489(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0396432(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
H04N 19/00 - 21/858
B60R 1/00 - 1/31
B60R 11/00 - 11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両から通信ネットワークを介して外部サーバへ送信するための画像および位置情報を収集する情報収集装置であって、
車両に搭載された撮像装置により車両外部を撮像した画像を取得する画像取得部と、
前記画像取得部により取得された画像の撮像位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
画像に対する加工処理の負荷に関連する資源の状態を示す資源情報を取得する資源状態取得部と、
前記資源状態取得部が取得した資源情報に示された資源の状態に応じて、画像の領域のうちの一部に非圧縮領域を含むように当該画像における領域ごとに圧縮または非圧縮の加工方法を決定する加工方法決定部と、
前記加工方法決定部が決定した加工方法にしたがって、画像を加工する画像加工部と、
前記画像加工部による加工後の画像を解析し、解析結果に応じて画像を出力する画像解析部と、
を備えた情報収集装置。
【請求項2】
前記画像解析部により出力された画像、および、前記位置情報取得部により取得された位置情報を、通信ネットワークを介して外部サーバへ送信させる通信制御部を、さらに備えた、請求項1に記載の情報収集装置。
【請求項3】
前記資源情報は、CPU使用率、メモリ使用率、および、撮像装置の解像度を示す情報を、少なくとも1つ含むことを特徴とする請求項1に記載の情報収集装置。
【請求項4】
前記加工方法決定部は、前記資源情報に基づいて、画像の分割数、および、分割された領域ごとの圧縮方式を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報収集装置。
【請求項5】
前記通信制御部は、前記資源状態取得部が取得した資源情報を外部サーバへ送信し、送信後に、外部サーバから情報収集方法の指令を受信し、
前記加工方法決定部は、前記通信制御部が受信した情報収集方法の指令にしたがって、加工方法を決定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報収集装置。
【請求項6】
車両に搭載された情報収集装置から通信ネットワークを介して画像および位置情報を収集するサーバであって、
前記情報収集装置から、画像に対する加工処理の負荷に関連する資源の状態を示す資源情報を受信すると、前記資源情報を用いて、画像の分割数および画像が分割された複数の領域のうちの一部の領域を圧縮領域または非圧縮領域に決定する指令決定部と、
前記指令決定部により決定された分割数および領域を前記情報収集装置へ通知する通信部と、
を備える、サーバ。
【請求項7】
車両から通信ネットワークを介して外部サーバへ送信するための画像および位置情報を収集する情報収集装置による情報収集方法であって、
画像取得部が、車両に搭載された撮像装置により車両外部を撮像した画像を取得し、
位置情報取得部が、画像が撮像された位置を示す位置情報を取得し、
資源状態取得部が、画像に対する加工処理の負荷に関連する資源の状態を示す資源情報を取得し、
加工方法決定部が、前記資源情報に示された資源の状態に応じて、画像の領域のうちの一部に非圧縮領域を含むように当該画像における領域ごとに圧縮または非圧縮の加工方法を決定し、
画像加工部が、前記加工方法決定部が決定した加工方法により、画像を加工し、
画像解析部が、前記画像加工部による加工後の画像を解析し、解析結果に応じて画像を出力する、
ことを特徴とする情報収集方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両から車両外部を撮像した画像を、撮像対象の異常検出用に収集する情報収集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
異常検出用の画像を収集する従来技術の中には、車両から車両外部を撮像した画像を、通信ネットワークを介して外部のサーバなどへ送信するものがある。このような画像は、一般に、データサイズが大きいため、送信が失敗しないように、圧縮された上で送信される。
ところで、特許文献1には、車両を運転するドライバが注意すべき領域という観点に基づいて、画像を分割するとともに、分割したエリアごとに異なる圧縮処理を行う画像処理装置が開示されている。
具体的には、画像処理装置は、自車のドライバが見落としやすかったり、ドライバにとって注意すべき対象が存在する可能性の高かったりするエリアほど重要度を高く設定し、重要度が低いエリアの撮像画像ほど圧縮の処理を単純化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-47401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術は、画像が圧縮される際に、画像内における対象物の異常を示す情報が失われてしまう場合がある、という課題がある。
特許文献1の画像処理装置は、車両を運転するドライバが注意すべき領域という観点に基づいて、画像を分割したエリアごとに異なる圧縮処理を行うものであり、上記課題を解決できるものではない。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するもので、画像を収集する際に、画像内における対象物の異常を示す情報が失われにくい、情報収集装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の情報収集装置は、車両から通信ネットワークを介して外部サーバへ送信するための画像および位置情報を収集する情報収集装置であって、車両に搭載された撮像装置により車両外部を撮像した画像を取得する画像取得部と、画像取得部により取得された画像の撮像位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、画像に対する加工処理の負荷に関連する資源の状態を示す資源情報を取得する資源状態取得部と、資源状態取得部が取得した資源情報に示された資源の状態に応じて、画像の領域のうちの一部に非圧縮領域を含むように当該画像における領域ごとに圧縮または非圧縮の加工方法を決定する加工方法決定部と、加工方法決定部が決定した加工方法にしたがって、画像を加工する画像加工部と、画像加工部による加工後の画像を解析し、解析結果に応じて画像を出力する画像解析部と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、上記のように構成したので、画像を収集する際に、画像内における対象物の異常を示す情報が失われにくい、情報収集装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る情報収集装置を含む異常検出システムの構成を示す図である。
図2】実施の形態1に係る情報収集装置における加工方法を決定する基準の例を示す図である。
図3】実施の形態1に係る情報収集装置の処理を示すフローチャートである。
図4】情報収集装置の処理のイメージを示す図である。
図5】情報収集装置を含む異常検出システムのハードウェア構成の第1の例を示す図である。
図6】情報収集装置を含む異常検出システムのハードウェア構成の第2の例を示す図である。
図7】実施の形態2に係る情報収集装置およびサーバを含む異常検出システムの構成を示す図である。
図8】実施の形態2に係るサーバの構成を示す図である。
図9】実施の形態2に係るサーバにおける加工方法を決定する基準の例を示す図である。
図10】サーバから情報収集装置への指令内容の第1のイメージ例を示す図である。
図11】サーバから情報収集装置への指令内容の第2のイメージ例を示す図である。
図12】実施の形態2に係る情報収集装置の処理の例を示すフローチャートである。
図13図12におけるステップST220の処理の例を示すフローチャートである。
図14図12におけるステップST230の処理の例を示すフローチャートである。
図15】実施の形態2に係るサーバにおける処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示をより詳細に説明するために、本開示を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る情報収集装置10を含む、異常検出システム1の構成を示す図である。
図1に示す異常検出システム1は、車両から車両外部を撮影した画像内における対象物が異常な状態であるかを検出するシステムである。
異常検出システム1は、車両ごとに搭載された、情報収集装置10、カメラ20および位置センサ30と、車両の外部に設けられたサーバ100と、から構成される。
情報取集装置とサーバ100とは、図示しない通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。
【0011】
図1に示す異常検出システム1は、情報収集装置10が、カメラ20により撮影された画像に対して、簡易な解析処理により画像内の対象物における異常を検出した場合に、画像をサーバ100へ送信し、サーバ100が、収集した画像を用いて、対象物における異常について、より詳細な解析処理を行うものである。
異常検出の対象物は、例えば、道路である。
この場合、例えば、舗装の凹凸などの道路状態の異常を検出する。さらに具体的には、道路上の白線が欠損している状態、道路上のポットホール、および、マンホールの割れやずれ、といった異常がある。
また、異常検出の対象物は、例えば、信号機、および、トンネルの壁面といった道路周辺に設けられた構造物である。
この場合、例えば、信号機の損傷、および、トンネルの壁面におけるひび割れといった道路周辺の異常を検出する。
【0012】
カメラ20は、異常検出システム1における撮影装置の一例であり、複数の異なる車両ごとに搭載されている。
カメラ20は、車両から車両外部を時間的に連続して撮影し、撮影した画像を出力する。
画像は、撮影された時刻が異なる複数のフレームで構成される。
【0013】
位置センサ30は、複数の異なる車両ごとに搭載されている。
位置センサ30は、例えばGPSの技術を用いて所定の時間ごとに車両の位置を計測し、車両の位置を示す位置情報を出力する。
【0014】
情報収集装置10は、複数の異なる車両ごとに搭載され、車両に搭載されたカメラ20および位置センサ30と通信可能に接続される。
また、情報収集装置10は、外部のサーバ100と通信ネットワークを介して通信可能に接続される。
情報収集装置10は、通信ネットワークを介して外部のサーバ100へ送信するための画像、および、画像が撮像された位置を示す位置情報を収集する。
具体的には、情報収集装置10は、カメラ20から画像を取得するとともに、位置センサ30から位置情報を取得する。取得した位置情報は、画像が撮影された地点の位置を示す。
情報収集装置10は、画像および位置情報を用いて解析し、画像内の対象物に異常を検出すると、画像および位置情報を、サーバ100へ送信する。
図1においては、情報収集装置10-1、情報収集装置10-2、情報収集装置10-3、・・・、情報収集装置10-N(Nは、1以上の整数)をそれぞれ別に示している。ただし、説明において、特に分けて示す必要がない場合は、単に情報収集装置10と記載する。
情報収集装置10の詳細な構成は、後述する。
【0015】
サーバ100は、通信ネットワークを介して複数の情報収集装置10と通信可能に接続される。
サーバ100は、情報収集装置10それぞれから、画像内の対象物の異常を解析するための画像を収集する。
また、サーバ100は、収集した画像を解析し、画像内の対象物における異常の詳細を検出する。
具体的には、サーバ100は、複数の異なる情報収集装置10それぞれから画像および位置情報を受け取り、画像および位置情報を記憶する。
そして、例えば、位置情報が示す位置が同じ複数の画像から、画像および位置情報を用いて、画像を解析し、解析処理によって、画像に撮像された対象物における異常の詳細を検出する。
なお、サーバ100は、例えば、クラウドサーバで実現されるものであってもよく、これにより、物理的なサーバを備えなくてもよい。また、解析対象とする範囲に応じた適当な規模の異常検出システム1を構築できる。
【0016】
情報収集装置10の詳細な構成を説明する。
情報収集装置10は、画像取得部11、位置情報取得部12、資源状態取得部13、加工方法決定部14、画像加工部15、画像解析部16、通信制御部17、および、送信部18を備える。
また、情報収集装置10は、図示しない記憶部102、および、制御部を備えている。
【0017】
画像取得部11は、車両に搭載された撮像装置により車両の外部を撮像した画像を取得する。
【0018】
位置情報取得部12は、画像取得部11により取得された画像の撮像位置(撮像地点)を示す位置情報を取得する。
具体的には、位置情報取得部12は、画像取得部11が撮像装置から画像を取得すると、位置センサ30から位置情報を取得する。
【0019】
資源状態取得部13は、画像に対する加工処理の負荷に関連する資源の状態を示す資源情報を取得する。
資源情報に示される資源の状態とは、加工処理を行う計算資源の状態、および、画像の解像度といった、画像に対する加工処理の負荷に関連するものである。例えば、情報収集装置10に係るCPUの使用率(以下、「CPU使用率」ともいう。)、情報収集装置10に係るメモリの使用率(以下、「メモリ使用率」ともいう。)、および、カメラ20の解像度(以下、単に「解像度」ともいう。)のうちの少なくとも一つである。
資源状態取得部13は、資源情報を加工方法決定部14へ送る。
【0020】
加工方法決定部14は、資源情報に示された資源の状態に応じて画像に対する加工方法を決定する。
加工方法は、画像ごとに分割する分割数、および、分割された領域ごとの圧縮方式である。
圧縮方式は、圧縮率が異なる複数の圧縮方式であり、例えば、単に非圧縮または圧縮であってもよい。
説明においては、非圧縮に決定された領域を「非圧縮領域」と記載し、圧縮に決定された領域を「圧縮領域」と記載する。
具体的には、加工方法決定部14は、CPU使用率、メモリ使用率および解像度のうちのそれぞれまたは組み合わせごとに、分割数および圧縮方式をあらかじめ記憶している。
加工方法決定部14は、CPU使用率、メモリ使用率および解像度のうちの少なくとも一つに応じて分割数を決定する。
また、加工方法決定部14は、分割された領域ごとに圧縮方式を決定することによって、非圧縮領域および圧縮領域を決定する。
非圧縮領域に対する圧縮方式とは、圧縮処理を行わず、カメラ20により撮像された画像が含む情報量のまま、情報損失が無いように処理する方式である。
ただし、非圧縮領域に対する圧縮方式は、圧縮領域に対する圧縮方式に比べて、情報損失が少なく、データサイズが大きくなる圧縮方式であればよい。
圧縮領域に対する圧縮方式は、非圧縮領域に対する圧縮方式に比べて、情報損失が多く、データサイズが小さくなる圧縮方式である。
【0021】
図2は、実施の形態1に係る情報収集装置10における加工方法を決定する基準の例を示す図である。
図2には、CPU使用率およびメモリ使用率の組み合わせと、分割数および非圧縮領域を一つ決定する場合の基準の例が示されている。
図2における、Mod(rand,(分割数))は、ランダムに抽出した自然数(rand)の値を、分割数で除した場合の剰余を示す。
【0022】
加工方法決定部14は、図2に示すような基準を参照し、資源情報に基づき、分割数および非圧縮領域を決定する。
加工方法決定部14は、例えば、CPU使用率が40%未満、かつ、メモリ使用率が50%未満であると判定した場合、分割数を4に決定し、分割後の4つの領域のうちのいずれか一つの領域を示す識別番号を算出して決定する。
加工方法決定部14は、例えば、CPU使用率が40%未満、かつ、メモリ使用率が50%以上であると判定した場合、分割数を9に決定し、分割後の9つの領域のうちのいずれか一つの領域を示す識別番号を算出して決定する。
加工方法決定部14は、例えば、CPU使用率が40%以上80%以下、かつ、メモリ使用率が50%未満であると判定した場合、分割数を9に決定し、分割後の9つの領域のうちのいずれか一つの領域を示す識別番号を算出して決定する。
加工方法決定部14は、例えば、CPU使用率が40%以上80%以下、かつ、メモリ使用率が50%以上であると判定した場合、分割数を16に決定し、分割後の16つの領域のうちのいずれか一つの領域を示す識別番号を算出して決定する。
加工方法決定部14は、例えば、CPU使用率が80%を超え、かつ、メモリ使用率が50%未満であると判定した場合、分割数を16に決定し、分割後の16つの領域のうちのいずれか一つの領域を示す識別番号を算出して決定する。
加工方法決定部14は、例えば、CPU使用率が80%を超え、かつ、メモリ使用率が50%以上であると判定した場合、分割数を25に決定し、分割後の25つの領域のうちのいずれか一つの領域を示す識別番号を算出して決定する。
【0023】
画像加工部15は、加工方法決定部14が決定した加工方法にしたがって、画像を加工する。
具体的には、画像加工部15は、加工方法決定部14が決定した分割数、および、分割した領域ごとの圧縮方式を示す情報を受け取る。
画像加工部15は、分割数にしたがって画像を分割し、領域ごとの圧縮方式を示す情報(非圧縮領域または圧縮領域)にしたがって、非圧縮領域に対し情報損失がないように処理し、圧縮領域に対しデータサイズが小さくなるように圧縮処理する。
画像加工部15は、画像を分割する際に、分割された領域それぞれに対して識別番号を付与する。例えば、画像における左上の領域に識別番号(0)を付与し、この右隣の領域に識別番号(1)を付与し、以下同様に右上の領域まで識別番号を付与する。次に、左上の領域の直下の領域に識別番号を付与し、以下同様に右上の領域の直下の領域まで識別番号を付与する。これを繰り返して、右下の領域までのすべての領域に識別番号を付与する。分割数が9である場合、識別番号は(0)から(8)までであり、分割数が16である場合(後述する図4を参照)、識別番号は(0)から(15)である。以下、説明において、識別番号(n)を付した領域を領域(n)とも記載する。
【0024】
画像解析部16は、異常検出システム1における第1の画像解析部である。
画像解析部16は、画像加工部15による加工後の画像を解析し、解析結果に応じて画像を出力する。
具体的には、画像解析部16は、画像加工部15から加工後の画像を受け取り、画像に対し、画像内の対象物の異常を検出するための解析処理を行う。
画像から異常を検出するための解析処理自体は、既知の技術であり、その詳細な説明は省略する。
画像解析部16は、解析処理の結果として、領域ごとに異常を含むか否かを示す状態情報を生成し、異常を含む領域の画像および状態情報を出力する。
【0025】
通信制御部17は、画像解析部16により出力された画像、および、位置情報取得部12により取得された位置情報を、送信部18および通信ネットワークを介して外部のサーバ100へ送信させる。
具体的には、通信制御部17は、画像および位置情報に、外部のサーバ100を指定する情報を付加して、送信部18へ出力する。
【0026】
送信部18は、通信制御部17からの指令を受けて、画像および状態情報を、通信ネットワークを介してサーバ100へ送る。
送信部18は、例えば、通信モデムである。
【0027】
図示しない制御部は、情報収集装置10内の制御を行う。
図示しない記憶部は、例えば、一時的に画像および位置情報を記憶する。
【0028】
情報収集装置10の処理を説明する。説明においては、図2に示す基準を用いた場合であって、CPU使用率が60%、かつ、メモリ使用率が60%とする。
図3は、実施の形態1に係る情報収集装置10の処理を示すフローチャートである。
図4は、情報収集装置10の処理のイメージを示す図である。
【0029】
情報収集装置10は、起動またはユーザからの開始操作に基づいて、処理を開始する。
情報収集装置10は、画像を取得するとともに、位置情報を取得する(ステップST101)。
具体的には、情報収集装置10における画像取得部11がカメラ20から画像を取得し、画像取得部11が画像を取得すると、位置情報取得部12が位置センサ30から位置情報を取得する。
画像取得部11は、取得した画像を出力する。出力された画像は、画像加工部15へ送られる。
位置情報取得部12は、取得した位置情報を出力する。出力された位置情報は、通信制御部17へ送られる。
【0030】
資源状態取得部は、情報収集装置10内のCPUおよびメモリを確認し、CPU使用率およびメモリ使用率を含む資源情報を取得する(ステップST102)。
資源状態取得部は、資源情報を出力する。
出力された資源情報は、加工方法決定部14へ送られる。
【0031】
加工方法決定部14は、資源情報を用いて加工方法を決定する(ステップST103)。
具体的には、加工方法決定部14は、資源情報に基づき、CPU使用率が60%であり、かつ、メモリ使用率が60%であると認識する。次に、加工方法決定部14は、図2に示す基準を参照し、分割数を16に決定する。次に、加工方法決定部14は、16の領域の中から1の領域を選択し、非圧縮領域に決定する。ここでは、図4に示す領域(7)を決定したものとする。
加工方法決定部14は、分割数「16」および非圧縮領域「(7)」を示す加工方法情報を出力する。
出力された加工方法情報は、画像加工部15へ送られる。
【0032】
画像加工部15は、加工方法決定部14が決定した加工方法により画像を加工する(ステップST104)。
具体的には、画像加工部15は、加工方法情報を受け取り、加工方法情報に基づいて、分割数「16」および非圧縮領域「(7)」を取得する。続いて、画像加工部15は、図4に示すように、画像取得部11から受け取った画像1000に対し、分割数「16」等分に分割する。続いて、画像加工部15は、分割した領域に対し、左上の領域から右下の領域まで順に(0)から(15)の識別番号を付与する。各領域の識別番号は、例えば、領域単位のデータのヘッダに付加される。続いて、画像加工部15は、非圧縮領域「(7)」に基づいて、図4に示すように、領域(7)に対して非圧縮領域1001として処理するとともに、領域(0)、領域(1)、領域(2)、領域(3)、領域(4)、領域(5)、領域(6)、領域(8)、領域(9)、領域(10)、領域(11)、領域(12)、領域(13)、領域(14)および領域(15)に対して圧縮領域1002として圧縮処理する。
画像加工部15は、加工後の画像1000を出力する。
出力された画像1000は、画像解析部16に送られる。

画像解析部16は、加工後の画像を解析する(ステップST105)。
画像解析部16は、画像内の対象物に異常があるかを解析し、画像内の対象物に異常があるかを判定する(ステップST106)。
画像解析部16は、異常があると判定した場合(ステップST106“YES”)、画像を通信制御部17へ送る。
通信制御部17は、画像および位置情報を、送信部18を介してサーバ100へ送信する(ステップST107)。
【0033】
画像解析部16は、異常がないと判定した場合(ステップST106“NO”)、画像を、図示しない記憶部に記憶させる(ステップST108)。
なお、記憶部に記憶させた画像は、所定時間後に破棄するようにしてもよい。
【0034】
ステップST107またはステップST108の処理が終了すると、情報収集装置10における図示しない制御部は、車両が所定距離を走行したかを判定する(ステップST109)。
【0035】
図示しない制御部は、車両が所定距離を走行するまでステップST109を繰り返し、車両が所定距離を走行したと判定すると(ステップST109“YES”)、ステップST101からの処理を繰り返すよう制御する。
【0036】
情報収集装置10のハードウェア構成を説明する。
情報収集装置10は、情報収集装置10における上記構成部の機能を実現するための処理回路を備えるものを想定している。処理回路は、専用のハードウェアとしての処理回路であってもよいし、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサであってもよい。
図5は、情報収集装置10を含む情報収集システムのハードウェア構成の第1の例を示す図である。
図5に示されるように、処理回路がプロセッサ2001である場合、情報収集装置10における上記構成部の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、または、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ2002に格納される。プロセッサ2001は、メモリ2002に格納されたプログラムを読みだして実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、情報収集装置10は、プロセッサ2001により実行されるときに、図3等に示すフローチャートで示されるステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ2002を備える。また、このプログラムは、情報収集装置10における上記構成部の手順または方法をコンピュータに実行させるものであるとも言える。
【0037】
ここで、プロセッサ2001とは、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、またはマイクロプロセッサ等のことである。
メモリ2002は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、またはフラッシュメモリ等の不揮発性もしくは揮発性の半導体メモリであってもよいし、ハードディスクまたはフレキシブルディスク等の磁気ディスクであってもよいし、CD(Compact Disc)またはDVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスクであってもよい。
【0038】
なお、情報収集装置10における上記構成部の各機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。このように、情報収集装置10における上記構成部は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述の機能を実現することができる。
【0039】
図6は、情報収集装置10を含む情報収集システムのハードウェア構成の第2の例を示す図である。
図6に示されるように、処理回路が専用のハードウェアである場合、処理回路2003は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、SoC(System―on―a―chip)、または、これらを組み合わせたものが該当する。情報収集装置10における上記構成部の各機能を複数の処理回路2003で実現してもよいし、各部の機能をまとめて1つの処理回路2003で実現してもよい。
【0040】
以上のとおり、実施の形態1に係る情報収集装置は、車両から通信ネットワークを介して外部サーバへ送信するための画像および位置情報を収集する情報収集装置であって、車両に搭載された撮像装置により車両外部を撮像した画像を取得する画像取得部と、画像取得部により取得された画像の撮像位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、画像に対する加工処理の負荷に関連する資源の状態を示す資源情報を取得する資源状態取得部と、資源状態取得部が取得した資源情報に示された資源の状態に応じて画像に対する加工方法を決定する加工方法決定部と、加工方法決定部が決定した加工方法にしたがって、画像を加工する画像加工部と、画像加工部による加工後の画像を解析し、解析結果に応じて画像を出力する画像解析部と、を備えるよう構成した。
これにより、画像を収集する際に、画像内における対象物の異常を示す情報が失われにくい、情報収集装置を提供できる、という効果を奏する。
【0041】
また、情報収集装置において、画像解析部により出力された画像、および、位置情報取得部により取得された位置情報を、通信ネットワークを介して外部サーバへ送信させる通信制御部を、さらに備えるよう構成した。
これにより、情報収集装置からサーバへの情報収集を効率よく実現する、情報収集装置を提供できる、という効果を奏する。
【0042】
また、情報収集装置において、資源情報は、CPUの性能、メモリ容量、および、撮像装置の解像度を示す情報を、少なくとも1つ含むように、構成した。
これにより、情報収集装置の処理能力に応じて、画像内における対象物の異常を示す情報を失われにくくする、情報収集装置を提供できる、という効果を奏する。
【0043】
また、情報収集装置において、加工方法決定部は、資源情報に基づいて、画像の分割数、および、分割された領域ごとの圧縮方式を決定する、ように構成した。
これにより、効率よく画像のデータサイズを抑制しつつ、情報収集装置の処理能力に応じて、画像内における対象物の異常を示す情報を失われにくくする、情報収集装置を提供できる、という効果を奏する。
【0044】
実施の形態1に係る情報収集方法は、車両から通信ネットワークを介して外部サーバへ送信するための画像および位置情報を収集する情報収集装置による情報収集方法であって、画像取得部が、車両に搭載された撮像装置により車両外部を撮像した画像を取得し、位置情報取得部が、画像が撮像された位置を示す位置情報を取得し、資源状態取得部が、画像に対する加工処理の負荷に関連する資源の状態を示す資源情報を取得し、加工方法決定部が、資源情報に示された資源の状態に応じて画像に対する加工方法を決定し、画像加工部が、加工方法決定部が決定した加工方法により、画像を加工し、画像解析部が、画像加工部による加工後の画像を解析し、解析結果に応じて画像を出力する、方法にした。
これにより、画像を収集する際に、画像内における対象物の異常を示す情報が失われにくい、情報収集方法およびこの方法を用いた情報収集装置を提供できる、という効果を奏する。
【0045】
実施の形態2.
実施の形態1においては、情報収集装置10それぞれが単独で画像の加工方法を決定する形態を説明した。
実施の形態2においては、情報収集装置10´とサーバ100´とが連携する形態を説明する。
なお、実施の形態2に係る構成のうち、実施の形態1と同様の構成については、実施の形態1で用いた図面と同じ符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0046】
図7は、実施の形態2に係る情報収集装置10´およびサーバ100´を含む異常検出システム1´の構成を示す図である。
図7に示す異常検出システム1´は、車両ごとに搭載された、情報収集装置10´、カメラおよび位置センサ30と、車両の外部に設けられたサーバ100´と、から構成される。
異常検出システム1´において、カメラ、および、位置センサ30は、実施の形態1の異常検出システム1におけるカメラおよび位置センサ30と同様であり、その説明は省略する。
【0047】
情報収集装置10´は、画像取得部11、位置情報取得部12、資源状態取得部13´、加工方法決定部14´、画像加工部15、画像解析部16、通信制御部17´、および、送信部18、を備える。
画像取得部11、位置情報取得部12、画像加工部15、画像解析部16、および、送信部18、は、それぞれ、実施の形態1の情報収集装置10における画像取得部11、位置情報取得部12、画像加工部15、画像解析部16、および、送信部18、と同様であるため、その説明は省略する。
【0048】
資源状態取得部13´は、実施の形態1の資源状態取得部13の機能と同様の機能に加え、資源情報を通信制御部17´へ送る機能を有する。
【0049】
加工方法決定部14´は、実施の形態1の加工方法決定部14の機能と同様の機能を有する。
また、加工方法決定部14´は、外部のサーバ100´からの指令情報にしたがって、加工方法を決定する機能を有する。
具体的には、加工方法決定部14´は、通知制御部´から指令情報を受け取り、指令情報の内容に応じて異なる加工方法を決定する。
【0050】
通信制御部17´は、実施の形態1の通信制御部17の機能と同様の機能を有する。
また、通信制御部17´は、資源状態取得部13´から資源情報を受け取り、送信部18および通信ネットワークを介してサーバ100´へ送る機能を有する。
また、通信制御部17´は、サーバ100´から通信ネットワークおよび送信部18を介して指令情報を受け取り、受け取った指令情報を加工方法決定部14´へ送る機能を有する。
【0051】
サーバ100´は、実施の形態1のサーバ100の機能と同様の機能を有する。
これに加え、サーバ100´は、情報収集装置10´から資源情報が通知されると、資源情報を用いて、情報収集装置10´における画像の加工方法に関して指令する機能を有する。
サーバ100´の構成を説明する。
図8は、実施の形態2に係るサーバ100´の構成を示す図である。
図9は、実施の形態2に係るサーバ100´における加工方法を決定する基準の例を示す図である。
サーバ100´は、図8に示すように、通信部101、記憶部102、指令決定部103、および、画像解析部106、を備える。
【0052】
通信部101は、情報収集装置10´から、画像および位置情報を受信する。
また、通信部101は、情報収集装置10´から、情報収集装置10´ごとに資源情報を受信する。
また、通信部101は、サーバ100´内で決定した指令を示す指令情報を情報収集装置10´へ送信する。
【0053】
記憶部102は、情報収集装置10´から受信した画像および位置情報を記憶する。
また、記憶部102は、加工方法を決定する基準および収集履歴を記憶する。
図9は、実施の形態2に係るサーバ100´における加工方法を決定する基準および収集履歴の例を示す図である。
図9に示すように、例えば、地点A、地点Bおよび地点Cといった位置情報ごとに、第1の分割数、第2の分割数、第3の分割数および収集履歴情報が、記憶部102にあらかじめ記憶されている。第1の分割数は、情報収集装置10´の処理性能が低いと判定した場合の分割数であり、第2の分割数は、情報収集装置10´の処理性能が標準であると判定した場合の分割数であり、第3の分割数は、情報収集装置10´の処理性能が高いと判定した場合の分割数である。
【0054】
指令決定部103は、予め設定された指令の形式にしたがって、「指令する」、「加工方法を全て指定する」、「指令しない」といった内容の指令を決定する。
指令決定部103は、情報収集装置10´における画像に対する加工処理の負荷に関連する資源の状態を示す資源情報を用いて、画像の分割数および分割された複数の領域のうちの一部の領域を圧縮領域または非圧縮領域に決定する。
具体的には、指令決定部103は、分割方法判断部104と、指定領域選択部105とを備える。
【0055】
分割方法判断部104は、情報収集装置10´から位置情報および資源情報を受け取ると、位置情報および資源情報を用いて、記憶部102に記憶された基準を参照して、画像の分割数を決定する。
具体的には、分割方法判断部104は、位置情報を用いて撮像地点を特定する。分割方法判断部104は、資源情報を用いて情報収集装置10´の処理性能を判定する。分割方法判断部104は、位置情報および処理性能を用いて、図9に示すような基準に基づき、分割数を決定する。
指定領域選択部105は、分割方法判断部104が画像の分割数を決定すると、収集履歴を用いて、圧縮領域または非圧縮領域を選択する。
具体的には、指定領域選択部105は、収集履歴に、同じ位置の画像において収集済みの領域を圧縮領域に選択する。
また、指定領域選択部105は、予め決められた領域を圧縮領域として加えてもよい。
【0056】
画像解析部106は、異常検出システム1´における第2の画像解析部である。
画像解析部106は、複数の情報収集装置10´からそれぞれ収集した画像を用いて、画像内の対象物の異常を検出する解析処理を行う。
画像解析部106は、情報収集装置10´における画像解析部16よりも詳細な解析を行う。
【0057】
ここで、情報収集装置10´に対するサーバ100´の指令内容の例について説明する。
サーバ100´は、例えば、次の(1)から(5)までの5種類の指令を行う。
【0058】
(1) サーバ100で収集した過去の情報に基づいて、圧縮領域のみを指定
図10は、サーバ100´から情報収集装置10´への指令内容の第1のイメージ例を示す図である。
サーバ100´において、指令決定部103は、同じ地点において、領域(7)および領域(1)について非圧縮の画像を収集している場合、領域(1)および領域(7)を圧縮領域に指定するよう指令を決定する。
【0059】
(2) 静的な圧縮領域のみを指定
図11は、サーバ100´から情報収集装置10´への指令内容の第2のイメージ例を示す図である。
図11において、領域(1)、領域(2)、領域(5)、領域(6)、領域(9)、領域(10)、領域(13)、領域(14)は、あらかじめ圧縮領域に固定されている領域である。
サーバ100´において、指令決定部103は、所定の地点において、圧縮領域が固定されている場合、固定されている領域を圧縮領域に指定するよう指令を決定する。
この指令を受けた情報収集装置10´は、指定された圧縮領域以外を非圧縮領域に決定できる。
【0060】
(3) (1)と(2)の組み合わせ
サーバ100´は、静的に指定した圧縮領域の他に、情報収集装置10´から収集した情報に基づいて決定した圧縮領域を追加して、指令を行う。
【0061】
(4) 分割数および圧縮領域の指定なし
サーバ100´から指定を行わない。
これにより、情報収集装置10´においては、資源情報に応じて決定された加工方法で画像が加工される。
【0062】
(5) 分割数および非圧縮領域を指定
サーバ100´から分割数および非圧縮領域を指定する指令を行う。
これにより、情報収集装置10´においては、分割数および非圧縮領域を決定する処理を行われない。
【0063】
情報収集装置10´における処理を説明する。
図12は、実施の形態2に係る情報収集装置10´の処理の例を示すフローチャートである。
情報収集装置10´は、起動またはユーザからの開始操作に基づいて、処理を開始する。
情報収集装置10´は、画像を取得するとともに、位置情報を取得する(ステップST101)。
具体的には、情報収集装置10´における画像取得部11がカメラから画像を取得し、画像取得部11が画像を取得すると、位置情報取得部12が位置センサ30から位置情報を取得する。
画像取得部11は、取得した画像を出力する。出力された画像は、画像加工部15へ送られる。
位置情報取得部12は、取得した位置情報を出力する。出力された位置情報は、通信制御部17´へ送られる。
【0064】
資源状態取得部13´は、情報収集装置10´内のCPUおよびメモリを確認し、CPU使用率およびメモリ使用率を含む資源情報を取得する(ステップST102)。
資源状態取得部13´は、資源情報を出力する。
【0065】
通信制御部17´は、通信ネットワークを介した外部のサーバ100´との通信が可能であるかを判定する(ステップST201)。
通信可能でない場合(ステップST201“NO”)、通信制御部17´は、サーバ100´からの指令情報の受信を待機する。
【0066】
通信可能である場合(ステップST201“YES”)、通信制御部17´は、位置情報取得部12から位置情報を取得するとともに、資源状態取得部13´から資源情報を取得する。
通信制御部17´は、位置情報および資源情報を、送信部18および通信ネットワークを介してサーバ100´へ送信する(ステップST202)。
ステップST202の処理を実行すると、通信制御部17´は、サーバ100´からの指令情報の受信を待機する。
【0067】
通信制御部17´は、サーバ100´から指令情報を受信する(ステップST203)と、指令情報を加工方法決定部14´へ送る。
加工方法決定部14´は、指令情報を解析して指令内容を判定する(ステップST204)。
【0068】
加工方法決定部14´は、指令内容が「指令なし」または「領域の指定なし」であると判定した場合、第1の加工方法決定処理(ステップST210)へ進む。
第1の加工方法決定処理の例については、後述する。
【0069】
加工方法決定部14´は、指令内容が「圧縮領域のみ指定あり」の場合、第2の加工方法決定処理(ステップST220)へ進む。
第2の加工方法決定処理の例については、後述する。
【0070】
加工方法決定部14´は、指令内容が「分割数および圧縮領域指定あり」の場合、第3の加工方法決定処理(ステップST230)へ進む。
第3の加工方法決定処理の例については、後述する。
【0071】
加工方法決定部14´において、ステップST210、ステップST220、または、ステップST230の処理を経て、ステップST104の処理に移行する。
ステップST104からステップST109までの各処理は、実施の形態1と同様であるため、その詳細な説明は、省略する。
【0072】
第1の加工方法決定処理(ステップST210)の例を説明する。
ステップST210において、加工方法決定部14´は、実施の形態1に説明したステップST103と同様に、資源情報を用いて加工方法を決定する。
加工方法決定部14´は、加工方法を示す加工方法情報を出力する。
続いて、情報収集装置10´においては、ステップST104の処理に移行する。
【0073】
第2の加工方法決定処理(ステップST220)の例を説明する。
図13は、図12におけるステップST220の処理の例を示すフローチャートである。
加工方法決定部14´は、まず、資源情報を用いて加工方法を決定する(ステップST221)。
具体的には、資源情報に応じて分割数を決定し、分割された領域のうち、指定された圧縮領域以外の領域の中から非圧縮領域を決定する。
選択した非圧縮領域が指定された圧縮領域と重複するかを判定する(ステップST222)。
加工方法決定部14´は、ステップST222において、重複すると判定した場合(ステップST222“YES”)、重複回数をインクリメントする(ステップST223)。
加工方法決定部14´は、重複回数が、決定した加工方法における分割数と同じ数であるか(重複回数=分割数?)を判定する(ステップST224)。
重複回数が、ステップST221において決定した加工方法における分割数と同じ数でない場合(ステップST224“NO”)、ステップST221に戻る。
重複回数が、ステップST221において決定した加工方法における分割数と同じ数である場合(ステップST224“YES”)、分割数を変更する(ステップST225)。
続いて、重複回数をリセットし(ステップST226)、ステップST221に戻る。
情報収集装置10´においては、ステップST222重複しないと判定した場合(ステップST222“NO”)、ステップST104の処理に移行する。
【0074】
第3の加工方法決定処理(ステップST230)の例を説明する。
図14は、図12におけるステップST230の処理の例を示すフローチャートである。
加工方法決定部14´は、指令内容にしたがって加工方法を決定する(ステップST231)。
加工方法を決定すると、情報収集装置10´は、ステップST104の処理に移行する。
【0075】
サーバ100´における処理を説明する。ここでは、図9に示す基準および収集履歴を用いた処理を説明する。
図15は、実施の形態2に係るサーバ100´における処理を示すフローチャートである。
サーバ100´は、情報収集装置10´からの通知を待つ(ステップST301)。
情報収集装置10´から位置情報および資源情報を受信する(ステップST302)と、指令決定部103は、現在の設定内容を判定する(ステップST303)。
【0076】
現在の設定内容が「指令しない」である場合、ステップST301へ戻る。
【0077】
現在の設定内容が「指令する」である場合、指定領域選択部は、収集履歴と予め定められた領域情報とを用いて圧縮指定領域を決定する(ステップST304)。続いて、ステップST310の処理へ移行する。
【0078】
現在の設定内容が「加工方法を全て指定する」である場合、分割方法判断部は、資源情報に基づき情報収集装置10´における処理性能を判定する(ステップST305)。
ステップST305において、処理性能が「高い」と判定された場合、分割方法判断部は、第3の分割数に決定する(ステップST306)。
ステップST305において、処理性能が「標準」と判定された場合、分割方法判断部は、第2の分割数に決定する(ステップST307)。
ステップST305において、処理性能が「低い」と判定された場合、分割方法判断部は、第1の分割数に決定する(ステップST308)。
続いて、指定領域選択部は、収集履歴を用いて、分割数に応じて、まだ収集されていない領域の中から未収集領域を決定する(ステップST309)。
続いて、ステップST310の処理へ移行する。
【0079】
ステップST310においては、通信部101が指令決定部103から指令情報を受け取り、指令情報を情報収集装置10´へ送信する。
【0080】
これに伴い、情報収集装置10´において、指令情報に基づく処理がなされ、画像が送信される。
そして、サーバ100´は、情報収集装置10´から位置情報および画像を受信する(ステップST311)。
【0081】
続いて、現在の設定を確認する(ステップST312)。
現在の設定が「履歴に反映する」である場合、指令決定部103は、収集履歴に反映する(ステップST313)。
【0082】
現在の設定が「履歴に反映しない」である場合、収集履歴を変更することなくステップST301の処理に戻る。
【0083】
なお、実施の形態2に係る情報収集装置10´およびサーバ100´のハードウェア構成は、実施の形態1と同様のハードウェア構成であるため、説明を省略する。
【0084】
以上の実施の形態2に係る情報収集装置は、実施の形態1に加え、さらに、通信制御部は、資源状態取得部が取得した資源情報を外部サーバへ送信し、送信後に、外部サーバから情報収集方法の指令を受信し、加工方法決定部は、通信制御部が受信した情報収集方法の指令にしたがって、加工方法を決定する、ように構成した。
これにより、サーバとの間で、効率的に情報を収集する、情報収集装置が提供できる。
【0085】
以上の実施の形態2に係るサーバは、車両に搭載された情報収集装置から通信ネットワークを介して画像および位置情報を収集するサーバであって、情報収集装置から、画像に対する加工処理の負荷に関連する資源の状態を示す資源情報を受信すると、資源情報を用いて、画像の分割数および画像が分割された複数の領域のうちの一部の領域を圧縮領域または非圧縮領域に決定する指令決定部と、指令決定部により決定された分割数および領域を情報収集装置へ通知する通信部と、を備える、よう構成した。
これにより、画像を収集する際に、画像内における対象物の異常を示す情報が失われにくい、サーバを提供できる、という効果を奏する。
【0086】
なお、本開示は、その開示の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、各実施の形態の任意の構成要素の変形、または各実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本開示に係る情報収集装置は、車両から車両外部を撮像した画像を収集する異常検出システム等に用いるのに適している。
【符号の説明】
【0088】
1,1´ 異常検出システム、10,10-1,10-2,10-3,10-N,10´,10´-1,10´-2,10´-3,10´-N 情報収集装置、11 画像取得部、12 位置情報取得部、13,13´ 資源状態取得部、14,14´ 加工方法決定部、15 画像加工部、16 画像解析部、17,17´ 通信制御部、18 送信部、20 カメラ(撮像装置)、30 位置センサ、100,100´ サーバ、101 通信部、102 記憶部、103 指令決定部、104 分割方法判断部、105 指定領域選択部、106 画像解析部、1000 画像、1001 非圧縮領域、1002 圧縮領域、2001 プロセッサ、2002 メモリ、2003 処理回路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15