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特許7630059運転支援策定装置および運転支援策定方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-06
(45)【発行日】2025-02-17
(54)【発明の名称】運転支援策定装置および運転支援策定方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/32 20060101AFI20250207BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20250207BHJP
【FI】
G01C21/32
G01C21/26 A
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023570500
(86)(22)【出願日】2021-12-27
(86)【国際出願番号】 JP2021048538
(87)【国際公開番号】W WO2023127003
(87)【国際公開日】2023-07-06
【審査請求日】2023-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】324003048
【氏名又は名称】三菱電機モビリティ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】下谷 光生
(72)【発明者】
【氏名】大黒 健太朗
(72)【発明者】
【氏名】池内 智哉
(72)【発明者】
【氏名】安達 佳明
【審査官】田中 将一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/186600(WO,A1)
【文献】特開2018-189594(JP,A)
【文献】特開2004-012391(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路単位の道路形状情報および通常精度ノードを含む通常精度地図を用いて算出された自車両の走行経路における、前記通常精度ノードの通常精度位置を示す通常精度位置情報を含む通常精度ノード情報を取得する通常精度ノード情報取得部と、
車線単位の道路形状情報、高精度ノード、および高精度リンクを含む高精度地図を取得する高精度地図取得部と、
前記通常精度ノード情報取得部が取得した前記通常精度ノード情報と、前記通常精度地図と前記高精度地図との対応関係を示す紐づけ情報とに基づいて、前記通常精度位置が前記高精度ノードまたは前記高精度リンクに紐づいているか否かを判断する紐づけ判断部と、
前記紐づけ判断部の判断結果に基づいて、前記自車両が前記高精度地図に含まれる高精度地図道路を走行するか否かを判断する走行判断部と、
前記自車両が前記高精度地図道路を走行すると前記走行判断部が判断した場合、前記高精度地図を用いて前記自車両の運転支援を策定する運転支援策定部と、
を備える、運転支援策定装置。
【請求項2】
前記紐づけ情報は、特定の前記高精度ノードの位置または特定の前記高精度リンクの位置に対応する位置を示す紐づけ位置情報と、前記紐づけ位置情報に基づいて前記高精度地図に含まれる前記高精度ノードまたは前記高精度リンクを参照するための情報である紐づけ参照情報とを含む、請求項1に記載の運転支援策定装置。
【請求項3】
前記紐づけ位置情報は、特定の前記高精度ノードの位置または特定の前記高精度リンクの位置に対応する位置を含む予め定められたエリアを示す情報を含む、請求項2に記載の運転支援策定装置。
【請求項4】
前記通常精度ノード情報は、前記通常精度ノードに対して流入または流出する通常精度リンクの方位を示す通常精度方位情報を含み、
前記紐づけ情報は、前記高精度ノードに対して流入または流出する前記高精度リンクの方位を示す紐づけ方位情報を含み、
前記紐づけ判断部は、前記通常精度位置情報と前記紐づけ位置情報とが紐づくか否かを判断する第1紐づけ判断と、前記通常精度方位情報と前記紐づけ方位情報とが紐づくか否かを判断する第2紐づけ判断とに基づいて、前記通常精度位置が前記高精度ノードまたは前記高精度リンクに紐づいているか否かを判断する、請求項2に記載の運転支援策定装置。
【請求項5】
前記紐づけ方位情報は、前記高精度ノードに対して流入または流出する前記高精度リンクの方位を含む予め定められた方位範囲を示す情報である、請求項4に記載の運転支援策定装置。
【請求項6】
前記通常精度方位情報は、前記通常精度ノードに対して流入および流出する前記通常精度リンクの方位を含み、
前記紐づけ方位情報は、前記高精度ノードに対して流入および流出する前記高精度リンクの方位を含む、請求項4に記載の運転支援策定装置。
【請求項7】
前記通常精度ノード情報は、前記通常精度ノードに対して流入または流出する通常精度リンクの属性を示す通常精度リンク属性を含み、
前記紐づけ情報は、前記高精度ノードに対して流入または流出する前記高精度リンクの属性を示す紐づけリンク属性を含み、
前記紐づけ判断部は、前記通常精度位置情報と前記紐づけ位置情報とが紐づくか否かを判断する第3紐づけ判断と、前記通常精度リンク属性と前記紐づけリンク属性とが紐づくか否かを判断する第4紐づけ判断とに基づいて、前記通常精度位置が前記高精度ノードまたは前記高精度リンクに紐づいているか否かを判断する、請求項2に記載の運転支援策定装置。
【請求項8】
前記通常精度リンク属性は、道路の合流点または分岐点に相当する前記通常精度ノードに対して流入または流出する前記通常精度リンクの属性を含み、
前記紐づけリンク属性は、道路の合流点または分岐点に相当する前記高精度ノードに対して流入または流出する前記高精度リンクの属性を含む、請求項7に記載の運転支援策定装置。
【請求項9】
前記通常精度ノード情報は、前記通常精度ノードに対して流入または流出する通常精度リンクの方位を示す通常精度方位情報と、前記通常精度ノードに対して流入または流出する前記通常精度リンクの属性を示す通常精度リンク属性とを含み、
前記紐づけ情報は、前記高精度ノードに対して流入または流出する前記高精度リンクの方位を示す紐づけ方位情報と、前記高精度ノードに対して流入または流出する前記高精度リンクの属性を示す紐づけリンク属性とを含み、
前記紐づけ判断部は、前記通常精度位置情報と前記紐づけ位置情報とが紐づくか否かを判断する第5紐づけ判断と、前記通常精度方位情報と前記紐づけ方位情報とが紐づくか否かを判断する第6紐づけ判断と、前記通常精度リンク属性と前記紐づけリンク属性とが紐づくか否かを判断する第7紐づけ判断とに基づいて、前記通常精度位置が前記高精度ノードまたは前記高精度リンクに紐づいているか否かを判断する、請求項2に記載の運転支援策定装置。
【請求項10】
前記紐づけリンク属性は、前記高精度ノードに対して流入または流出する前記高精度リンクのリンク数を含み、
前記紐づけ情報は、前記リンク数に応じて存在する、請求項9に記載の運転支援策定装置。
【請求項11】
前記紐づけ位置情報は、前記通常精度ノードの前記通常精度位置に対応する前記高精度ノードの属性または前記高精度リンクの属性として含まれる、請求項2に記載の運転支援策定装置。
【請求項12】
前記紐づけ位置情報および前記紐づけ方位情報は、前記通常精度ノードの前記通常精度位置に対応する前記高精度ノードの属性または前記高精度リンクの属性として含まれる、請求項に記載の運転支援策定装置。
【請求項13】
前記紐づけ位置情報および前記紐づけリンク属性は、前記通常精度ノードの前記通常精度位置に対応する前記高精度ノードの属性または前記高精度リンクの属性として含まれる、請求項7に記載の運転支援策定装置。
【請求項14】
前記紐づけ情報は、前記高精度地図とは異なる記憶媒体に記憶されている、請求項1に記載の運転支援策定装置。
【請求項15】
前記運転支援策定部は、前記通常精度位置と紐づけられた前記高精度ノードまたは前記高精度リンクを含む前記高精度地図を用いて、前記自車両が走行する車線単位の走行経路を策定する、請求項1に記載の運転支援策定装置。
【請求項16】
前記通常精度ノード情報取得部は、予め定められた条件を満足する複数の前記通常精度ノード情報を取得し、
前記紐づけ判断部は、各前記通常精度ノード情報と前記紐づけ情報とに基づいて、前記通常精度位置ごとに前記高精度ノードまたは前記高精度リンクに紐づいているか否かを判断する、請求項1に記載の運転支援策定装置。
【請求項17】
前記通常精度ノードは、他の道路に流入する通常精度リンクに接続される流入ノードと、他の道路から流出する通常精度リンクに接続される流出ノードとを含む、請求項1に記載の運転支援策定装置。
【請求項18】
一の前記流入ノードまたは前記流出ノードと、当該一の前記流入ノードまたは前記流出ノードと隣り合う他の前記流入ノードまたは前記流出ノードとの位置関係が予め定められた条件を満たす場合、前記通常精度ノード情報は、一の前記流入ノードまたは前記流出ノードと、他の前記流入ノードまたは前記流出ノードとの間に設定された中間ノードに関する情報を含む、請求項17に記載の運転支援策定装置。
【請求項19】
前記自車両の位置を車線単位で測位する測位部をさらに備え、
前記運転支援策定部は、前記測位部が測位した前記自車両の位置に基づいて、前記自車両の運転支援を策定する、請求項1に記載の運転支援策定装置。
【請求項20】
道路単位の道路形状情報および通常精度ノードを含む通常精度地図を用いて算出された自車両の走行経路における、前記通常精度ノードの通常精度位置を示す通常精度位置情報を含む通常精度ノード情報を取得し、
車線単位の道路形状情報、高精度ノード、および高精度リンクを含む高精度地図を取得し、
取得した前記通常精度ノード情報と、前記通常精度地図と前記高精度地図との対応関係を示す紐づけ情報とに基づいて、前記通常精度位置が前記高精度ノードまたは前記高精度リンクに紐づいているか否かを判断し、
前記通常精度位置が前記高精度ノードまたは前記高精度リンクに紐づいているか否かの判断結果に基づいて、前記自車両が前記高精度地図に含まれる高精度地図道路を走行するか否かを判断し、
前記自車両が前記高精度地図道路を走行すると判断した場合、前記高精度地図を用いて前記自車両の運転支援を策定する、運転支援策定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、運転者に対する運転支援を策定する運転支援策定装置および運転支援策定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車線単位の道路形状情報を含む高精度地図を記憶した高精度地図DB(database)を備え、高精度地図に基づいて運転支援情報を生成する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。運転支援情報は、自動運転またはADAS(Advanced Driver-Assistance Systems)などの運転支援システムで用いられる。
【0003】
現在、高精度地図DBでは、高速道路および主要道路から順に地図データの整備が進んでいるが、一般道路の地図データまで整備が進むには時間がかかると考えられる。このように、全ての道路が高精度地図に含まれていない状況で運転支援情報を利用する際には、自車両が高精度地図に含まれる高精度地図道路を走行するのか、または高精度地図に含まれない通常精度地図道路を走行するのかを判断することが重要となる。ここで、通常精度地図道路とは、道路単位の道路形状情報を含む通常精度地図に含まれる道路のことをいう。
【0004】
自車両が高精度地図に含まれる高精度地図道路を走行するか否かを判断する方法としては、例えば、特許文献1のように通常精度地図DBおよび高精度地図DBを備え、通常精度地図を用いて自車両の走行軌跡を求め、求めた走行軌跡に基づいて自車両が高精度地図道路を走行するか否かを判断する方法が考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2006-266865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記の方法で判断するためには、高精度地図DBと、全国レベルの通常精度地図を記憶した通常精度地図DBとの両方を備える必要があり、データの記憶容量が増大してコストがかかるという問題がある。
【0007】
一方、カーナビゲーションシステムに代表される車載情報システムであるIVI(In-Vehicle Infotainment)システムが普及している。IVIシステムは、全国レベルの通常精度地図を記憶した通常精度地図DBを備えているため、IVIシステムから地図情報および自車両の位置情報を取得して、自車両が高精度地図道路を走行するのか、または通常精度地図道路を走行するのかを判断する方法が考えられる。IVIシステムが備える通常精度地図DBに含まれる通常精度地図道路の位置と、高精度地図DBに含まれる高精度地図道路の位置またはその車線位置とを対応付けるためには、通常精度地図DBと高精度地図DBとの間で情報を照合する必要がある。しかし、このような照合を行うためにIVIシステムが備える通常精度地図DBにアクセスするためには、IVIシステムのソフトウェアを変更する必要があり、IVIシステムの開発コストがかかるという新たな問題が生じることになる。
【0008】
本開示は、このような問題を解決するためになされたものであり、IVIシステムの開発コストの増大を抑えつつ、少ないデータ量の情報で自車両が高精度地図道路を走行中であるか否かを判断することが可能な運転支援策定装置および運転支援策定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本開示による運転支援策定装置は、道路単位の道路形状情報および通常精度ノードを含む通常精度地図を用いて算出された自車両の走行経路における、通常精度ノードの通常精度位置を示す通常精度位置情報を含む通常精度ノード情報を取得する通常精度ノード情報取得部と、車線単位の道路形状情報、高精度ノード、および高精度リンクを含む高精度地図を取得する高精度地図取得部と、通常精度ノード情報取得部が取得した通常精度ノード情報と、通常精度地図と高精度地図との対応関係を示す紐づけ情報とに基づいて、通常精度位置が高精度ノードまたは高精度リンクに紐づいているか否かを判断する紐づけ判断部と、紐づけ判断部の判断結果に基づいて、自車両が高精度地図に含まれる高精度地図道路を走行するか否かを判断する走行判断部と、自車両が高精度地図道路を走行すると走行判断部が判断した場合、高精度地図を用いて自車両の運転支援を策定する運転支援策定部とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、IVIシステムの開発コストの増大を抑えつつ、少ないデータ量の情報で自車両が高精度地図道路を走行中であるか否かを判断することが可能となる。
【0011】
本開示の目的、特徴、態様、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態1による運転支援策定装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2】実施の形態1による運転支援策定装置を含む車載装置の構成の一例を示すブロック図である。
図3】実施の形態1による運転支援策定装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図4】実施の形態1による走行経路上の通常精度ノードの一例を示す図である。
図5】実施の形態1による高精度地図道路における高精度ノードの一例を示す図である。
図6】実施の形態1による紐づけ情報の一例を示す図である。
図7】実施の形態1による通常精度ノードと紐づけ位置情報との関係の一例を示す図である。
図8】実施の形態1による通常精度ノードに紐づけられた高精度ノードの一例を示す図である。
図9】実施の形態2による運転支援策定装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図10】実施の形態2による走行経路上の通常精度ノードの一例を示す図である。
図11】実施の形態2による紐づけ情報の一例を示す図である。
図12】実施の形態2による通常精度ノードに紐づけられた高精度ノードの一例を示す図である。
図13】実施の形態2による中間ノードの一例を示す図である。
図14】実施の形態2による紐づけ情報の一例を示す図である。
図15】実施の形態3による運転支援策定装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図16】実施の形態3による走行経路上の通常精度ノードの一例を示す図である。
図17】実施の形態3による紐づけ情報の一例を示す図である。
図18】実施の形態4による運転支援策定装置を含む車載装置の構成の一例を示すブロック図である。
図19】実施の形態4による運転支援策定装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図20】実施の形態4による高精度ノードアクセスデータレコードの一例を示す図である。
図21】実施の形態4による高精度ノードデータレコードの一例を示す図である。
図22】実施の形態4による通常精度ノードに紐づけられた高精度ノードの一例を示す図である。
図23】実施の形態4による通常精度ノードに紐づけられた高精度ノードの一例を示す図である。
図24】実施の形態4による通常精度ノードに紐づけられた高精度ノードの一例を示す図である。
図25】実施の形態4による通常精度ノードに紐づけられた高精度ノードの一例を示す図である。
図26】実施の形態4による通常精度ノードに紐づけられた高精度ノードの一例を示す図である。
図27】実施の形態4による通常精度ノードに紐づけられた高精度ノードの一例を示す図である。
図28】実施の形態4による通常精度ノードに紐づけられた高精度ノードの一例を示す図である。
図29】実施の形態4による通常精度ノードに紐づけられた高精度ノードの一例を示す図である。
図30】実施の形態4による通常精度ノードに紐づけられた高精度ノードの一例を示す図である。
図31】実施の形態5による高精度リンクアクセスデータレコードの一例を示す図である。
図32】実施の形態5による高精度リンクデータレコードの一例を示す図である。
図33】実施の形態6による運転支援策定装置を含む車載装置の構成の一例を示すブロック図である。
図34】実施の形態1~6による運転支援策定装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図35】実施の形態1~6による運転支援策定装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施の形態1>
<構成>
図1は、実施の形態1による運転支援策定装置1の構成の一例を示すブロック図である。なお、図1では、実施の形態1による運転支援策定装置を構成する必要最小限の構成を示している。
【0014】
運転支援策定装置1は、通常精度ノード情報取得部2と、高精度地図取得部3と、紐づけ判断部4と、走行判断部5と、運転支援策定部6とを備えている。運転支援策定装置1は、車両(以下では「自車両」ともいう)に搭載されている。
【0015】
通常精度ノード情報取得部2は、道路単位の道路形状情報および通常精度ノードを含む通常精度地図を用いて算出された自車両の走行経路における、通常精度ノードの通常精度位置を示す通常精度位置情報を含む通常精度ノード情報を取得する。
【0016】
高精度地図取得部3は、車線単位の道路形状情報、高精度ノード、および高精度リンクを含む高精度地図を取得する。
【0017】
紐づけ判断部4は、通常精度ノード情報取得部2が取得した通常精度ノード情報と、通常精度地図と高精度地図との対応関係を示す紐づけ情報とに基づいて、通常精度位置が高精度ノードまたは高精度リンクに紐づいているか否かを判断する。
【0018】
走行判断部5は、紐づけ判断部4の判断結果に基づいて、自車両が高精度地図に含まれる高精度地図道路を走行するか否かを判断する。
【0019】
運転支援策定部6は、自車両が高精度地図道路を走行すると走行判断部5が判断した場合、高精度地図を用いて自車両の運転支援を策定する。
【0020】
次に、図1に示す運転支援策定装置1を含む運転支援策定装置の他の構成について説明する。
【0021】
図2は、他の構成に係る運転支援策定装置9を含む車載装置7の構成の一例を示すブロック図である。
【0022】
車載装置7は、情報処理装置8と、運転支援策定装置9と、運転支援装置10と、測位装置11とを備えている。車載装置7は、車両に搭載されている。
【0023】
なお、運転支援策定装置9は、車載装置7だけでなく、車両に搭載可能なPND(Portable Navigation Device)、および車両の外部に設けられたサーバなどを適宜に組み合わせてシステムとして構築される装置にも適用することができる。この場合、運転支援策定装置9の各機能または各構成要素は、上記システムを構築する各機能に分散して配置される。
【0024】
また、図2では、情報処理装置8、運転支援策定装置9、運転支援装置10、および測位装置11が別個に設けられている場合を示しているが、各装置を任意に組み合わせて一体の装置として構成してもよい。例えば、運転支援策定装置9と運転支援装置10とを一体に構成してもよい。
【0025】
情報処理装置8は、上述で説明したIVIシステムに相当し、例えばナビゲーション装置などである。情報処理装置8は、通常精度地図DB12およびアプリケーション実行部13を備えている。なお、情報処理装置8は、自車両外に設けてもよい。
【0026】
通常精度地図DB12は、メモリまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶媒体であり、道路単位の道路形状情報を含む通常精度地図を記憶している。通常精度地図は、少なくとも道路を表現する通常精度ノードおよび通常精度リンクを含む。
【0027】
アプリケーション実行部13は、例えばナビゲーション機能などを実行する。また、アプリケーション実行部13は、走行経路探索または走行経路予測の結果として得られた走行経路に沿った通常精度ノード情報を、運転支援策定装置9に出力する。通常精度ノード情報は、走行経路に沿った通常精度ノードの位置(通常精度位置)を示す通常精度位置情報を含む。なお、アプリケーション実行部13は、情報処理装置8が備える図示しない測位部が測位した自車両位置、または測位装置11が測位した自車両位置を用いて、走行経路探索または走行経路予測を行う。
【0028】
運転支援策定装置9は、通常精度ノード情報取得部2と、紐づけ判断部4と、走行判断部5と、運転支援策定部6と、高精度地図DB14と、紐づけ情報テーブル15とを備えている。
【0029】
通常精度ノード情報取得部2は、情報処理装置8から通常精度ノード情報を取得する。
【0030】
高精度地図DB14は、メモリまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶媒体であり、車線単位の道路形状情報を含む高精度地図を記憶している。高精度地図は、少なくとも道路を車線単位で表現する高精度ノードおよび高精度リンクを含む。なお、運転支援策定装置9は、高精度地図DB14を備えているが、高精度地図DB14に代えて図1に示す高精度地図取得部3を備えてもよい。この場合、高精度地図DB14は、運転支援策定装置9とは別個に車載装置7に含めてもよく、自車両外に設けてもよい。
【0031】
紐づけ情報テーブル15は、メモリまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶媒体であり、通常精度地図と高精度地図との対応関係を示す紐づけ情報を記憶している。なお、紐づけ情報テーブル15は、自車両外に設けてもよい。紐づけ情報の詳細については後述する。
【0032】
紐づけ判断部4は、通常精度ノード情報取得部2が取得した通常精度ノード情報と、紐づけ情報テーブル15に記憶された紐づけ情報とに基づいて、通常精度ノード情報に含まれる通常精度ノードが、高精度地図DB14に記憶された高精度ノードまたは高精度リンクに紐づいているか否かを判断し、通常精度ノードに紐づく高精度ノードまたは高精度リンクを特定する。
【0033】
走行判断部5は、紐づけ判断部4の判断結果に基づいて、自車両が高精度地図道路を走行するか否かを判断する。
【0034】
運転支援策定部6は、自車両が高精度地図道路を走行すると走行判断部5が判断した場合、高精度地図DB14に記憶されている高精度地図を用いて自車両の運転者に対する運転支援を策定する。運転支援策定部6は、策定した運転支援に関する情報(運転支援情報)を、運転支援装置10に出力する。
【0035】
測位装置11は、GNSS(Global Navigation Satellite System)を用いて、現在の自車両位置を測位する。また、測位装置11は、自車両に設けられた図示しないジャイロセンサおよび車速センサなどから取得した検出結果も考慮して、現在の自車両位置を測位してもよい。
【0036】
運転支援装置10は、運転支援策定装置9から取得した運転支援情報に基づいて、自車両の運転者に対する運転支援を実行する。運転支援としては、例えば、自動運転、ADAS、および報知アシストなどが挙げられる。
【0037】
<動作>
図3は、運転支援策定装置の動作の一例を示すフローチャートである。図3に示す動作の前提として、情報処理装置8のアプリケーション実行部13は、通常精度地図DB12に記憶された通常精度地図を用いて経路探索または経路予測を実行して、自車両の走行経路における予め定められた範囲内の通常精度ノード情報を生成しているものとする。なお、情報処理装置8は、アプリケーション実行部13が経路探索または経路予測を実行した後に、1回だけ通常精度ノード情報を出力してもよく、複数回に亘って通常精度ノード情報を出力してもよい。
【0038】
ステップS11において、通常精度ノード情報取得部2は、情報処理装置8から、自車両の走行経路上の1つまたは複数の通常精度ノード情報を取得する。なお、通常精度ノード情報取得部2は、情報処理装置8が1回だけ通常精度ノード情報を出力した場合は当該通常精度ノード情報を取得し、情報処理装置8が複数回に亘って通常精度ノード情報を出力した場合は最初の1回しか通常精度ノード情報を取得しないようにしてもよい。
【0039】
図4は、走行経路上の通常精度ノードの一例を示す図である。通常精度ノード情報取得部2が取得した通常精度ノード情報には、自車両の走行経路において道路が流入または流出する地点のノード情報が含まれているものとする。すなわち、通常精度ノードは、他の道路の流入する通常精度リンクに接続される流入ノードと、他の道路から流出する通常精度リンクに接続される流出ノードとを含む。
【0040】
図4において、N(1)、N(2)、N(3)、N(6)、N(8)、N(10)、およびN(11)は、自車両の走行経路上の通常精度ノードであり、当該通常精度ノードの通常精度地図における位置を示す。自車両は、N(1)、N(2)、N(3)、N(6)、N(8)、N(10)、およびN(11)の順に走行する。通常精度ノード情報には、各通常精度ノードの通常精度位置情報(座標値)が含まれている。
【0041】
図4中の太線で示されている道路は、高精度地図に含まれる高精度地図道路に相当する。すなわち、図4に示す高速道路本線は、通常精度地図および高精度地図の両方に含まれている。通常精度ノードN(3)は、高精度地図道路に流入する流入リンクに接続されている。通常精度ノードN(6)およびN(8)は、高精度地図道路から流出する流出リンクに接続されている。
【0042】
図5は、高精度地図道路における高精度ノードの一例を示す図である。なお、図5では、説明容易のために片側方向の道路のみを示している。また、図5では、図4に示す通常精度ノードN(1)、N(2)、N(3)、N(6)、N(8)、N(10)、およびN(11)を併記している。
【0043】
図5に示すように、高精度地図道路(高速道路本線)は、3つの車線(図中の上段車線、中段車線、下段車線)を有している。各車線は、高精度ノード列、または高精度ノード間を結ぶ高精度リンク列で構成される。
【0044】
ノード列HN1で表現される車線(上段車線)の高精度ノード列は、HN1(1)、HN1(2)、・・・、HN1(N1)である。
【0045】
ノード列HN2で表現される車線(中段車線)の高精度ノード列は、HN2(1)、HN2(2)、・・・、HN2(N2)である。
【0046】
ノード列HN3で表現される車線(下段車線)の高精度ノード列は、HN3(1)、HN3(2)、・・・、HN3(N3)である。
【0047】
なお、図5において、HN1(n)、HN2(n)、およびHN3(n)は、縦一列に揃えて表現しているが、必ずしも揃わなくてもよい。
【0048】
高精度ノードHN3(3)は、流入リンクに接続されている。また、流入リンクの一部は高精度地図に含まれている(図4参照)。
【0049】
図5中の破線で囲まれた範囲は、自車両が走行する高精度地図道路の範囲を示している。図5に示すように、通常精度ノードN(3)は高精度ノードHN1(3)、HN2(3)、およびHN3(3)に対応し、通常精度ノードN(8)は高精度ノードHN1(8)、HN2(8)、およびHN3(8)に対応する。従って、通常精度ノードN(3)~N(8)に相当する高精度ノードHN1(3)、HN2(3)、およびHN3(3)~HN1(8)、HN2(8)、およびHN3(8)の範囲が、自車両が走行する高精度地図道路の範囲となる。
【0050】
ステップS12において、紐づけ判断部4は、通常精度ノード情報取得部2が取得した通常精度ノード情報と、紐づけ情報テーブル15に記憶された紐づけ情報とに基づいて、通常精度ノード情報に含まれる通常精度ノードが、高精度地図DB14に記憶された高精度ノードまたは高精度リンクに紐づいているか否かを判断し、通常精度ノードに紐づく高精度ノードまたは高精度リンクを特定する。
【0051】
図6は、紐づけ情報テーブル15に記憶されている紐づけ情報の一例を示す図である。図6に示すように、紐づけ情報は、ID、紐づけ位置情報、および紐づけ参照情報を含む。
【0052】
紐づけ位置情報は、高精度地図道路において流入リンクまたは流出リンクを有する代表的な位置を示す情報である。すなわち、紐づけ情報は、特定の高精度ノードの位置または特定の高精度リンクの位置に対応する位置を示す。図6の例では、通常精度ノードN(3)、N(6)、およびN(8)に対応する紐づけ位置情報U(3)、U(6)、およびU(8)が示されている。例えば、位置情報U(3)は、通常精度ノードN(2)とN(3)とを結ぶ道路の中心線と、高精度ノードHN3で表現される車線の中心線との交点である。高精度地図の作成規則によるが、位置情報U(3)は高精度ノードHN3(3)と一致するのが一般的である。
【0053】
紐づけ参照情報は、紐づけ位置情報に対応する高精度ノードまたは高精度リンクにアクセスするための、高精度地図DB14の参照場所を示す情報である。すなわち、紐づけ参照情報は、紐づけ位置情報に基づいて高精度地図に含まれる高精度ノードまたは高精度リンクを参照するための情報である。参照場所は、例えばURL(Uniform Resource Locator)で表現してもよい。
【0054】
紐づけ判断部4は、通常精度ノードN(1)、N(2)、N(3)、N(6)、N(8)、N(10)、およびN(11)の各位置と、紐づけ位置情報とがマッチングしているか否かを判断するためのマッチング計算を行う。例えば、紐づけ判断部4は、各通常精度ノードの位置と紐づけ位置情報が示す位置との距離が、予め定められた閾値DISth以内であればマッチングしていると判断し、予め定められた閾値DISthよりも遠い場合はマッチングしていないと判断する。すなわち、紐づけ判断部4は、距離Dis{N(n)、U(u)}≦DISthであればマッチングしていると判断し、距離Dis{N(n)、U(u)}>DISthであればマッチングしていないと判断する。ここで、DISthは、例えば20mである。
【0055】
図3の例において、通常精度ノードN(1)、N(2)、N(10)、およびN(11)は、紐づけ位置情報が示す位置から離れているためマッチングしていないと判断される。
【0056】
図7は、通常精度ノードと紐づけ位置情報との関係の一例を示す図であり、通常精度地図に紐づけ位置情報を重畳している。図7において、U3、U6、およびU8は、紐づけ位置情報を示している。
【0057】
ステップS13において、紐づけ判断部4は、紐づけ位置情報とマッチングした通常精度ノードがあるか否かを判断する。マッチングした通常精度ノードがある場合は、ステップS14に移行する。一方、マッチングした通常精度ノードがない場合は、ステップS16に移行する。図4~7の例では、通常精度ノードN(3)は紐づけ位置情報U(3)とマッチングし、通常精度ノードN(6)は紐づけ位置情報U(6)とマッチングし、通常精度ノードN(8)は紐づけ位置情報U(8)とマッチングする。また、通常精度ノードN(3)とマッチングする紐づけ位置情報U(3)は、ID3-1、ID3-2、およびID3-3に対応する。すなわち、高精度ノードHN1(3)、HN2(3)、およびHN3(3)は、通常精度ノードN(3)の紐づけ対象の候補となる。通常精度ノードN(6)およびN(8)も同様である。
【0058】
ステップS14において、走行判断部5は、自車両が高精度地図道路を走行すると判断する。
【0059】
ステップS15において、運転支援策定部6は、マッチングした通常精度ノード情報に対応する紐づけ参照情報に基づいて高精度地図DB14にアクセスし、通常精度ノードに紐づけられた高精度ノードを取得する。このとき、運転支援策定部6は、マッチングした通常精度ノード情報に対応する紐づけ参照情報を、紐づけ判断部4から直接または走行判断部5を経由して取得する。そして、運転支援策定部6は、取得した高精度ノードを用いて運転支援を策定する。
【0060】
図4~7の例では、マッチングしたID3-1、ID3-2、およびID3-3のそれぞれに対応する紐づけ参照情報に基づいて、高精度ノードHN1(3)、HN2(3)、およびHN3(3)にアクセス可能となる。ID6-iおよびID8-iも同様である。
【0061】
上記の処理によって、運転支援策定部6は、自車両が、高精度地図道路における高精度ノードHN1(3)、HN2(3)、HN3(3)、HN1(6)、HN2(6)、HN3(6)、HN1(8)、HN2(8)、およびHN3(8)を走行することができると判断する。
【0062】
次に、運転支援策定部6は、自車両が高精度地図道路以外から通常精度ノードN(3)を通過して高精度地図道路に進入し、通常精度ノードN(8)を通過して高精度地図道路から退出することから、流入リンクに接続していない高精度ノードHN1(3)およびHN2(3)と、流出リンクに接続していない高精度ノードHN2(8)およびHN3(8)とを、自車両が走行する高精度ノードの候補から除くことができる。
【0063】
従って、運転支援策定部6は、自車両が走行する高精度ノードの候補は、HN3(3)、HN1(6)、HN2(6)、HN3(6)、HN1(8)であると判断する。
【0064】
図8は、通常精度ノードに紐づけられた高精度ノードの一例を示す図である。図8中の矢印は、高精度地図道路において自車両が走行可能な車線を示している。また、図8中の破線で囲まれた範囲は、自車両が走行する高精度地図道路の範囲を示している。
【0065】
運転支援策定部6は、高精度ノード、または高精度ノード間を結ぶ高精度リンクを用いて運転支援を策定する。具体的には、運転支援策定部6は、通常精度ノードの通常精度位置と紐づけられた高精度ノードまたは高精度リンクを含む高精度地図を用いて、自車両が走行する車線単位の走行経路を策定する。例えば、運転支援策定部6は、車線単位の経路探索を行うことによって運転支援を策定する。
【0066】
その後、運転支援策定部6は、運転支援情報を運転支援装置10に出力する。運転支援装置10は、運転支援策定部6から取得した運転支援情報と、測位装置11から取得した自車両位置とに基づいて、自車両の走行制御、または運転者への案内情報の報知などの運転支援を実行する。
【0067】
ステップS16において、走行判断部5は、自車両が高精度地図道路を走行しないと判断する。
【0068】
上記の処理を行うことによって、情報処理装置8(IVIシステム)の開発コストの増大を抑えつつ、少ないデータ量の情報で自車両が高精度地図道路を走行中であるか否かを判断することが可能となる。
【0069】
<変形例1>
実施の形態1では、紐づけ位置情報が点座標である場合について説明したが、これに限るものではない。紐づけ位置情報は、特定のエリアで表現してもよい。
【0070】
例えば、紐づけ位置情報は、図6に示す紐づけ位置情報が示す位置を中心とした半径10mの円のエリアでもよく、緯度経度で表現された20m四方の区画であってもよい。紐づけ位置情報を特定のエリアで表現した場合、紐づけ判断部4は、通常精度ノードの通常精度位置が紐づけ位置情報で示される特定のエリアの範囲内にあるときにマッチングしたと判断する。
【0071】
<変形例2>
実施の形態1では、紐づけ参照情報が高精度ノードにアクセスする情報である場合について説明したが、これに限るものではない。紐づけ参照情報は、高精度ノードに接続される高精度リンクにアクセスする情報であってもよい。
【0072】
<変形例3>
実施の形態1では、通常精度ノード情報取得部2が、情報処理装置8が1回だけ通常精度ノード情報を出力した場合は当該通常精度ノード情報を取得し、情報処理装置8が複数回に亘って通常精度ノード情報を出力した場合は最初の1回のみ通常精度ノード情報を取得する場合について説明したが、これに限るものではない。通常精度ノード情報取得部2は、通常精度ノード情報を複数回取得してもよい。
【0073】
例えば、情報処理装置8が経路の再探索を行うたびに通常精度ノード情報を出力する場合、通常精度ノード情報取得部2は情報処理装置8から出力されるたびに通常精度ノード情報を取得し、紐づけ判断部4はその都度マッチングを行うようにしてもよい。
【0074】
<変形例4>
情報処理装置8は、予め定められた時間間隔、または何らかのイベントごとに通常精度ノード情報を出力し、運転支援策定装置9は、そのたびにマッチング処理および運転支援策定処理を実行するようにしてもよい。すなわち、通常精度ノード情報取得部2は、予め定められたタイミングで繰り返して通常精度ノード情報を取得する。ここで、予め定められた時間間隔とは、例えば10分間隔である。また、マッチング処理とは、上記で説明したマッチング計算と同義である。
【0075】
<変形例5>
情報処理装置8から出力される通常精度ノード情報は、走行経路全体ではなく、例えば自車両位置を中心に後方500mかつ前方2kmの範囲であってもよい。すなわち、情報処理装置8は、自車両を基点とした予め定められた範囲における各通常精度ノード情報を出力する。運転支援策定装置9の通常精度ノード情報取得部2は、自車両を基点とした予め定められた範囲における各通常精度ノード情報を取得する。
【0076】
運転支援策定装置9は、情報処理装置8から取得した全ての通常精度ノード情報についてマッチング処理を行うのではなく、自車両位置から一定範囲内の通常精度ノード情報だけを用いてマッチング処理を行うようにしてもよい。このように、運転支援策定装置9で計算する際に用いられる通常精度ノード情報を限定してもよい。ここで、自車両位置は、情報処理装置8から取得してもよく、他の装置から取得してもよい。情報処理装置8から自車両位置を取得する場合、情報処理装置8は図示しない測位部を備えている。また、自車両位置を他の装置から取得する場合、当該他の装置としては、例えばスマートフォン、ドライブレコーダ、またはイベントレコーダなどが挙げられる。
【0077】
自車両が走行を開始してから最初に通常精度ノード情報を取得したときにマッチング処理の対象とする通常精度ノードの範囲を第1マッチング範囲とし、次回から通常精度ノード情報を取得したときにマッチング処理の対象とする通常精度ノードの範囲を第2マッチング範囲とした場合において、第1マッチング範囲よりも第2マッチング範囲の方を広くしてもよい。2回目以降は前回のマッチング処理の結果を流用することができるため、長い距離における通常精度ノード情報であってもマッチング処理が可能となる。
【0078】
情報処理装置8は、最初の通常精度ノード情報の範囲と、次回以降の通常精度ノード情報の範囲とを変化させてもよい。この場合、運転支援策定装置9は、情報処理装置8から取得した全ての通常精度ノード情報に対してマッチング処理を行うようにしてもよい。
【0079】
上記では、通常精度ノード情報取得部2が自車両を基点とした予め定められた範囲における各通常精度ノード情報を取得する場合について説明したが、これに限るものではない。通常精度ノード情報取得部2は、予め定められた条件を満足する複数の通常精度ノード情報を取得すればよい。
【0080】
<実施の形態2>
実施の形態1では、位置情報を用いてマッチング処理を行う場合について説明した。実施の形態2では、位置情報に加えて方位情報を用いてマッチング処理を行う場合について説明する。
【0081】
<構成>
実施の形態2による運転支援策定装置を含む車載装置の構成は、実施の形態1と基本的に同様である。従って、以下では、実施の形態2による運転支援策定装置は、図2に示す運転支援策定装置9であるものとして説明する。
【0082】
実施の形態2において、情報処理装置8が出力する通常精度ノード情報は、通常精度位置情報および通常精度方位情報を含む。通常精度方位情報は、通常精度ノードに対して流入または流出する通常精度リンクの方位を示す情報である。また、紐づけ情報テーブル15に記憶される紐づけ情報は、紐づけ位置情報および紐づけ方位情報を含む。紐づけ方位情報は、高精度ノードに対して流入または流出する高精度リンクの方位を示す情報である。
【0083】
<動作>
図9は、運転支援策定装置9の動作の一例を示すフローチャートである。図9に示す動作の前提として、情報処理装置8のアプリケーション実行部13は、通常精度地図DB12に記憶された通常精度地図を用いて経路探索または経路予測を実行して、自車両の走行経路における予め定められた範囲内の通常精度ノード情報を生成しているものとする。
【0084】
なお、ステップS23、ステップS24、およびステップS26の各処理は、実施の形態1で説明した図3のステップS13、ステップS14、およびステップS16と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0085】
ステップS21において、通常精度ノード情報取得部2は、情報処理装置8から、自車両の走行経路上の1つまたは複数の通常精度ノード情報を取得する。
【0086】
図10は、走行経路上の通常精度ノードの一例を示す図である。通常精度ノード情報取得部2が取得した通常精度ノード情報には、通常精度ノードN(n)の位置と、通常精度ノードN(n)における方位Θ(n)とが含まれている。通常精度ノードN(n)は、通常精度位置情報が示す位置に相当する。方位Θ(n)は、通常精度方位情報が示す方位に相当する。図10中の矢印は、方位Θ(n)のイメージを示している。
【0087】
図10に示すように、走行経路において、通常精度ノードN(3)は高速道路本線に流入(合流)するノードであるため、方位Θ(3)は通常精度ノードN(3)に流入するリンクの方位である。方位Θ(1)、Θ(2)、Θ(6)、Θ(8)、Θ(10)、およびΘ(11)は走行経路の道なり、または高速道路本線から流出(分離)する(リンクN(n)から退出する)方位である。
【0088】
ステップS22において、紐づけ判断部4は、通常精度ノード情報取得部2が取得した通常精度ノード情報と、紐づけ情報テーブル15に記憶された紐づけ情報とに基づいて、通常精度ノード情報に含まれる通常精度ノードが、高精度地図DB14に記憶された高精度ノードまたは高精度リンクに紐づいているか否かを判断し、通常精度ノードに紐づく高精度ノードまたは高精度リンクを特定する。
【0089】
具体的には、紐づけ判断部4は、第1マッチング計算および第2マッチング計算を行う。第1マッチング計算(第1紐づけ判断)では、紐づけ情報テーブル15に記憶された紐づけ位置情報と、通常精度ノード情報取得部2が取得した通常精度ノード情報に含まれる通常精度位置とに基づいて、紐づけ位置情報が示す位置の近傍に通常精度位置が存在するか否かのマッチングを行う。第2マッチング計算(第2紐づけ判断)では、紐づけ情報テーブル15に記憶された紐づけ方位情報と、通常精度ノード情報取得部2が取得した通常精度ノード情報に含まれる通常精度方位情報とに基づいて、紐づけ方位情報が示す方位と通常精度方位情報が示す通常精度方位とのマッチングを行う。
【0090】
図11は、紐づけ情報テーブル15に記憶されている紐づけ情報の一例を示す図である。図11に示す紐づけ情報は、実施の形態1で説明した図6に示す紐づけ情報と比べて、紐づけ方位情報が追加されている。また、紐づけ参照情報は、高精度リンクにアクセスするための、高精度地図DB14の参照場所を示している。
【0091】
また、高精度ノードHN1(3)およびHN2(3)には流入リンクはないがHN3(3)には流入リンクが存在するため、当該流入リンク用のID3-3inが加わり、紐づけ参照情報は流入リンクを参照するように設定されている。同様に、流出リンクを有する高精度ノードHN3(6)およびHN1(8)には、流出リンク用のID6-3outおよびID8-1outが加わる。流入車線および流出車線が複数存在する場合は、IDn-inおよびIDn-outも複数存在する。
【0092】
ここで、紐づけ判断部4による第1マッチング計算および第2マッチング計算について説明する。
【0093】
<第1マッチング計算>
第1マッチング計算では、下記の式(1)に示すように、通常精度ノードの位置(通常精度位置N(n))と紐づけ位置情報が示す位置U(u)との距離を計算する。U(u)は、位置として定義されてもよく、予め定められたエリアとして定義されてもよい。U(u)が予め定められたエリアとして定義された場合において、予め定められたエリア内に通常精度位置が存在するとき、紐づけ判断部4は通常精度位置と紐づけ位置情報が示す位置との距離は0と判断する。
f1=DIS{N(n)、U(u)}・・・(1)
【0094】
<第2マッチング計算>
第2マッチング計算では、下記の式(2)に示すように、通常精度ノードの方位(通常精度方位Θ(n))と紐づけ方位情報が示す方位ΘU(u)との差異を計算する。ΘU(u)は、特定の方位として定義されてもよく、予め定められた方位範囲として定義されてもよい。ΘU(u)が予め定められた方位範囲として定義された場合において、予め定められた方位範囲内に通常精度方位が存在するとき、紐づけ判断部4通常精度方位と紐づけ方位情報が示す方位との差異は0と判断する。
f2=DIS{Θ(n)、ΘU(u)}・・・(2)
【0095】
次に、紐づけ判断部4が、第1マッチング計算および第2マッチング計算の各結果を踏まえて、通常精度ノード情報と紐づけ情報とがマッチングしているか否かの判断例1~3について説明する。
【0096】
<マッチングの判断例1>
紐づけ判断部4は、f1が予め定められた条件を満足し、かつf2が予め定められた条件を満足する場合にマッチングしたと判断する。
【0097】
例えば、紐づけ判断部4は、f1≦DISth、かつ、f2≦DISΘthの場合にマッチングしたと判断する。
【0098】
<マッチングの判断例2>
紐づけ位置情報U(u)が予め定められたエリアとして定義され、紐づけ方位情報ΘU(u)が予め定められた方位範囲として定義された場合、紐づけ判断部4は、例えばf1=0かつf2=0のときにマッチングしたと判断する。
【0099】
<マッチングの判断例3>
紐づけ判断部4は、f1およびf2の両方を総合的に考慮してマッチングしたか否かを判断してもよい。
【0100】
例えば、紐づけ判断部4は、f1・α1+f2・α2が予め定められた値以下の場合にマッチングしたと判断してもよい。ここで、α1およびα2は、重み付け係数である。
【0101】
上記の判断例1~3のいずれかを用いて、紐づけ判断部4は、通常精度ノード情報と紐づけ情報とがマッチングしているか否かの判断を行う。
【0102】
上記の通り、ステップS22において、紐づけ判断部4は、図10に示す通常精度ノード情報と、図11に示す紐づけ情報とのマッチングを行う。このとき、方位情報を用いているため、実施の形態1とは結果が異なる。
【0103】
図10,11の例では、上記の判断を行うことによって、ID3-3in、ID6-1、ID6-2、ID6-3、ID8-1outのそれぞれがマッチングしたと判断される。そして、各IDに対応する紐づけ参照情報に基づいて、通常精度ノードN(3)は高精度ノードHN3(3)に接続する流入リンクHL3in3に紐づけられ、通常精度ノードN(6)は高精度リンクHL1(6)、HL2(6)、HL3(6)に紐づけられ、通常精度ノードN(8)は流出リンクHL1out(8)に紐づけられる。図12は、通常精度ノードに紐づけられた高精度ノードの一例を示す図である。
【0104】
図9の説明に戻り、ステップS25において、運転支援策定部6は、マッチングした通常精度ノード情報に対応する紐づけ参照情報に基づいて高精度地図DB14にアクセスし、通常精度ノード情報に紐づけられた高精度リンクを取得する。そして、取得した高精度リンクを用いて運転支援を策定する。
【0105】
実施の形態1では、自車両が高精度ノードを通過するか否かについて、高精度地図道路外から高精度地図道路に進入すること、高精度地図道路を走行し続けること、および高精度地図道路から高精度地図道路外に退出することを推定した。一方、実施の形態2では、自車両が流入リンクまたは流出リンクを走行するか否かがマッチング処理によって明確になっているため、実施の形態1のような上記推定は不要である。
【0106】
<変形例1>
実施の形態2では、紐づけ参照情報が高精度リンクにアクセスする情報である場合について説明したが、これに限るものではない。紐づけ参照情報は、実施の形態1と同様、高精度ノードにアクセスする情報であってもよい。
【0107】
<変形例2>
実施の形態1および実施の形態2では、特定のノードに対して1つの流入リンクまたは1つの流出リンクが存在する場合を一例として説明したが、これに限るものではない。特定のノードに対して複数の流入リンクが存在し、特定のノードに対して複数の流出リンクが存在し、または特定のノードに対して1つ以上の流入リンクおよび1つ以上の流出リンクが存在してもよい。
【0108】
図10~12に示す例において、通常精度ノードN(3)に2つの流入リンクが存在する場合、紐づけ情報はID3-3in1およびID3-3in2のような2つの流入用のIDを有することになる。実施の形態2では、方位情報を用いるため、どの流入リンクから高精度地図道路に進入するのかといった判断が可能である。
【0109】
また、通常精度ノードN(3)に対して、高精度地図道路における複数の車線に対して流入リンクが存在してもよい。例えば、高精度ノードHN3(3)だけでなく、高精度ノードHN1(3)への流入リンクが存在してもよい。流出に関しても同様に、高精度ノードHN1(6)およびHN3(8)に流出リンクが存在してもよい。
【0110】
高精度ノードHN1(6)には流入リンクが、高精度ノードHN3(6)には流出リンクが存在するなど、1つの通常精度ノードが流入および流出が異なる複数の高精度ノードに対応してもよい。
【0111】
<変形例3>
実施の形態2では、通常精度方位情報は、流入、流出、または道なりに対応する1つの方位のみを含む場合について説明したが、これに限るものではない。走行経路上に存在する通常精度ノードに結合する通常精度リンクの方位情報と、当該通常精度ノードから出発する通常精度リンクの方位情報との2つを通常精度方位情報とし、これと同様に、紐づけ方位情報も2つの方位を含んでもよい。
【0112】
ここで、「走行経路上に存在する通常精度ノードに結合する通常精度リンクの方位情報」とは、例えば図10において、経路上に存在する通常精度ノードN(3)に結合する2つのリンク(N(2)-N(3)間のリンク、N(3)-N(6)間のリンク)の方位情報のことをいう。また、「当該通常精度ノードから出発する通常精度リンクの方位情報」とは、例えば図10において、通常精度ノードN(3)に結合するN(3)-N(6)間のリンクのことをいう。
【0113】
このように、2つの方位情報を用いるため、マッチング精度が向上する。
【0114】
<変形例4>
実施の形態1および実施の形態2では、運転支援策定装置9が、走行経路上の流入ノードおよび流出ノードに関する通常精度ノード情報を取得する場合について説明したが、これに限るものではない。情報処理装置8は、特定のノードと次のノードとの間において予め定められたノード追加条件を満たした場合に中間ノードを設定し、中間ノードに対応する通常精度ノード情報を出力してもよい。この場合、運転支援策定装置9は、中間ノードを含む通常精度ノード情報を取得する。
【0115】
ここで、ノード追加条件とは、例えば、特定ノードと次のノードとの間が予め定められた距離(例えば3km)以上離れている場合にそれらのノード間に中間ノードを追加する。また、中間ノード間、または元のノードと中間ノードとの距離が予め定められた距離(例えば3km)以内に収まるように、1つまたは複数の中間ノードを設定する。
【0116】
例えば、特定ノードと次のノードとの間の距離が3kmを超えて6km以内である場合は、2つのノード間の中心位置に1つの中間ノードを設定する。また、特定ノードと次のノードとの間の距離が6kmを超えて9km以内である場合は、等間隔に2つの中間ノードを設定する。中間ノードの位置は、2つのノード間の中心位置に限らず、特定ノードから予め定められた距離(例えば3km)の地点に設定してもよい。
【0117】
上記のように設定された中間ノードに対して、紐づけ情報が設定される。例えば、通常精度ノードN(3)とN(6)との間の距離が8.7kmであり、N(6)とN(8)との間の距離が5kmである場合において、中間ノードN(4)およびN(5)がN(3)およびN(6)から等間隔(2.9km)の地点に設定される。同様に、中間ノードN(7)がN(6)とN(8)との間の2.5kmの位置に設定される。このように設定された中間ノードN(4)、N(5)、およびN(7)を図13に示す。
【0118】
図12では、中間ノードと高精度ノードとがほぼ同一の位置である場合を示しているが、一般的に、高精度地図における中間ノードに対応する位置と、通常精度地図における中間ノードに対応する位置とは、同一の位置にならない。従って、図11に示す紐づけ情報のように、通常精度ノードは、高精度ノードではなく高精度リンクに紐づける方が望ましい。
【0119】
変形例4では、流入ノードまたは流出ノード間は、1つの高精度リンクで接続されているものとする。この場合、紐づけ情報は、図14に示す内容となる。図14に示すように、ID3-1、ID4-1、およびID5-1は、同一の高精度リンクを参照する。なお、流入ノード間または流出ノード間が複数の高精度リンクで表現されてもよい。
【0120】
ここで、例えば、情報処理装置8が自車両位置から20km前方までの高精度ノード情報を出力する場合について説明する。通常精度ノードN(6)が自車両から21km前方に存在する場合、N(3)とN(6)とは8.7km離れているため、N(3)は自車両位置から12.3km(21km-8.7km=12.3km)前方となる。この場合、実施の形態2では自車両位置から前方12.3km~20kmにおいて自車両が高精度地図道路を走行するか否かを正確に把握することができない。一方、変形例4では、N(5)までの情報を有するため、N(5)の位置、すなわち12.3km+2.9km×2=18.1kmまで、自車両が高精度地図道路を走行するか否かを判断することができる。
【0121】
通常、高精度地図道路の走行中は、次の流出リンク(例えばインターチェンジ)が存在するまでは高精度地図道路を走行すると判断することができるが、情報処理装置8の通常精度地図DBに記憶された地図バージョンと、運転支援策定装置9の高精度地図DB14に記憶された地図バージョンとが異なり、一方に新設のインターチェンジ情報がない場合などに有効である。
【0122】
<実施の形態3>
実施の形態1では、位置情報を用いてマッチング処理を行う場合について説明した。実施の形態3では、位置情報に加えてリンク属性を用いてマッチング処理を行う場合について説明する。
【0123】
<構成>
実施の形態3による運転支援策定装置を含む車載装置の構成は、実施の形態1と基本的に同様である。従って、以下では、実施の形態3による運転支援策定装置は、図2に示す運転支援策定装置9であるものとして説明する。
【0124】
実施の形態3において、情報処理装置8が出力する通常精度ノード情報は、通常精度位置情報および通常精度リンク属性を含む。通常精度リンク属性は、通常精度ノードに対して流入または流出する通常精度リンクの属性である。また、紐づけ情報テーブル15に記憶される紐づけ情報は、紐づけ位置情報および紐づけリンク属性を含む。紐づけリンク属性は、高精度ノードに対して流入または流出する高精度リンクの属性を示す。
【0125】
<動作>
図15は、運転支援策定装置9の動作の一例を示すフローチャートである。図15に示す動作の前提として、情報処理装置8のアプリケーション実行部13は、通常精度地図DB12に記憶された通常精度地図を用いて経路探索または経路予測を実行して、自車両の走行経路における予め定められた範囲内の通常精度ノード情報を生成しているものとする。
【0126】
なお、ステップS33、ステップS34、およびステップS36の各処理は、実施の形態1で説明した図3のステップS13、ステップS14、およびステップS16と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0127】
ステップS31において、通常精度ノード情報取得部2は、情報処理装置8から、自車両の走行経路上の1つまたは複数の通常精度ノード情報を取得する。
【0128】
図16は、走行経路上の通常精度ノードの一例を示す図である。図16に示すように、自車両の走行経路において、道なりである通常精度ノードN(1)およびN(6)のそれぞれに対応する通常精度リンク属性A(1)およびA(6)は「道なり」である。分岐する通常精度ノードN(2)、N(8)、N(10)、およびN(11)のそれぞれに対応する通常精度リンク属性A(2)、A(8)、A(10)、およびA(11)は「流出」である。流入する通常精度ノードN(3)に対応する通常精度リンク属性A(3)は「流入」である。
【0129】
ステップS32において、紐づけ判断部4は、通常精度ノード情報取得部2が取得した通常精度ノード情報と、紐づけ情報テーブル15に記憶された紐づけ情報とに基づいて、通常精度ノード情報に含まれる通常精度ノードが、高精度地図DB14に記憶された高精度ノードまたは高精度リンクに紐づいているか否かを判断し、通常精度ノードに紐づく高精度ノードまたは高精度リンクを特定する。
【0130】
具体的には、紐づけ判断部4は、第3マッチング計算および第4マッチング計算を行う。第3マッチング計算(第3紐づけ判断)では、紐づけ情報テーブル15に記憶された紐づけ位置情報と、通常精度ノード情報取得部2が取得した通常精度ノード情報に含まれる通常精度位置とに基づいて、紐づけ位置情報が示す位置の近傍に通常精度位置が存在するか否かのマッチングを行う。ここで、第3マッチング計算は、上記で説明した第1マッチング計算に相当する。第4マッチング計算(第4紐づけ判断)では、紐づけ情報テーブル15に記憶された紐づけリンク属性と、通常精度ノード情報取得部2が取得した通常精度ノード情報に含まれる通常精度リンク属性とが一致するか否かのマッチングを行う。
【0131】
図17は、紐づけ情報テーブル15に記憶されている紐づけ情報の一例を示す図である。図17に示す紐づけ情報は、実施の形態1で説明した図6に示す紐づけ情報と比べて、紐づけ方位情報が追加されている。また、紐づけ参照情報は、実施の形態2で説明した図14に示す紐づけ参照情報と同様、高精度リンクにアクセスするための、高精度地図DB14の参照場所を示している。
【0132】
図17に示す紐づけ情報は、実施の形態1で説明した図6に示す紐づけ情報と比べて、実施の形態2で説明した図14に示す紐づけ情報と同様に、ID3-3in、ID6-3out、およびID8-1outが加わる。
【0133】
通常精度ノード情報取得部2が取得した通常精度ノード情報には、図16に示すように、N(n)、A(n)(n=1,2,3,6,8,10,11)が含まれている。紐づけ判断部4は、第3マッチング計算および第4マッチング計算を行うことによって、ID3-3in、ID6-1、ID6-2、ID6-3、およびID8-1outがマッチングすると判断する。当該判断により、通常精度ノードN(3)は、流入リンクHL3in(3)に紐づけられる。通常精度ノードN(6)は、高精度リンクHL1(6)、HL2(6)、およびHL3(6)に紐づけられる。通常精度ノードN(8)は、流出リンクHL1out(8)に紐づけられる。
【0134】
マッチング結果によって通常精度ノードに紐づけられた高精度リンクは、実施の形態2で説明した図12と同様である。
【0135】
図15の説明に戻り、ステップS35において、運転支援策定部6は、マッチングした通常精度ノード情報に対応する紐づけ参照情報に基づいて高精度地図DB14にアクセスし、通常精度ノード情報に紐づけられた高精度リンクを取得する。そして、取得した高精度リンクを用いて運転支援を策定する。
【0136】
実施の形態1では、自車両が高精度ノードを通過するか否かについて、高精度地図道路外から高精度地図道路に進入すること、高精度地図道路を走行し続けること、および高精度地図道路から高精度地図道路外に退出することを推定した。一方、実施の形態3では、自車両が流入リンクまたは流出リンクを走行するか否かがマッチング処理によって明確になっているため、実施の形態1のような上記推定は不要である。
【0137】
<変形例1>
実施の形態3では、紐づけ参照情報が高精度リンクにアクセスする情報である場合について説明したが、これに限るものではない。紐づけ参照情報は、実施の形態1と同様、高精度ノードにアクセスする情報であってもよい。
【0138】
<変形例2>
実施の形態3では、流入または流出に係るリンク属性を定義する場合について説明したが、これに限るものではない。
【0139】
例えば、リンク属性は、高速道路、一般道路、または細街路などの道路種別であってもよい。
【0140】
<変形例3>
リンク属性は、ノードから流出する流出リンクの数を示す流出リンク数、またはノードに流入する流入リンクの数を示す流入リンク数を含んでもよい。この場合、流出リンク数分の流出リンク、流入リンク数分の流入リンク、および道なりのリンクのそれぞれに対応する紐づけ情報を設定する。
【0141】
<変形例4>
高精度地図道路の進行方向を「1」として複数の流出リンクが存在する場合、リンク属性は、進行方向を始点(1番目)として時計回りに何番目の流出リンクであるかを示す情報であってもよい。複数の流出リンクが存在する場合とは、例えば、1か所のIC(interchange)から複数の出口が存在する場合が挙げられる。
【0142】
通常精度地図DBに記憶される通常精度地図が複数の流出リンクのリンク属性を含む場合、運転支援策定装置9は、何番目のリンクを経路とするかを示すリンク属性を含む通常精度ノード情報を取得することによって、マッチングすることが可能となる。
【0143】
<変形例5>
実施の形態3では、位置情報およびリンク属性を用いてマッチングを行う場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、実施の形態2で説明した方位情報を追加して、位置情報、方位情報、およびリンク属性を用いてマッチングを行ってもよい。
【0144】
具体的には、通常精度ノード情報は、通常精度ノードに対して流入または流出する通常精度リンクの方位を示す通常精度方位情報と、通常精度ノードに対して流入または流出する通常精度リンクの属性を示す通常精度リンク属性とを含む。紐づけ情報は、高精度ノードに対して流入または流出する高精度リンクの方位を示す紐づけ方位情報と、高精度ノードに対して流入または流出する高精度リンクの属性を示す紐づけリンク属性とを含む。紐づけ判断部4は、通常精度位置情報と紐づけ位置情報とが紐づくか否かを判断する第5マッチング計算(第5紐づけ判断)と、通常精度方位情報と紐づけ方位情報とが紐づくか否かを判断する第6マッチング計算(第6紐づけ判断)と、通常精度リンク属性と紐づけリンク属性とが紐づくか否かを判断する第7マッチング計算(第7紐づけ判断)とに基づいて、通常精度位置が高精度ノードまたは高精度リンクに紐づいているか否かを判断する。ここで、第5マッチング計算は、上記で説明した第1,3マッチング計算に相当する。第6マッチング計算は、上記で説明した第2マッチング計算に相当する。第7マッチング計算は、上記で説明した第4マッチング計算に相当する。
【0145】
通常精度ノードN(n)の近傍に多数のノードが混在する場合において、実施の形態2,3よりも紐づけの精度が向上する。
【0146】
<実施の形態4>
実施の形態1~3では、高精度地図DB14とは別個に紐づけ情報テーブル15を設ける場合について説明した。実施の形態4では、高精度地図DB14に紐づけ情報が記憶されている場合について説明する。
【0147】
<構成>
図18は、実施の形態4による運転支援策定装置17を含む車載装置16の構成の一例を示すブロック図である。
【0148】
図18に示すように、運転支援策定装置17は、高精度地図DB14が紐づけ情報を記憶していることを特徴としている。その他の構成および基本的な動作は、実施の形態1で説明した図2に示す運転支援策定装置9と同様である。
【0149】
高精度地図DB14において、紐づけ情報に含まれる紐づけ位置情報は、高精度ノードまたは高精度リンクの属性情報に含まれている。また、紐づけ情報に含まれる紐づけ参照情報は、高精度地図DB14に元から備わっている高精度ノードまたは高精度リンクにアクセスするためのデータレコードを利用する。
【0150】
<動作>
図19は、運転支援策定装置17の動作の一例を示すフローチャートである。図19に示す動作の前提として、情報処理装置8のアプリケーション実行部13は、通常精度地図DB12に記憶された通常精度地図を用いて経路探索または経路予測を実行して、自車両の走行経路における予め定められた範囲内の通常精度ノード情報を生成しているものとする。以下では、実施の形態1で説明した図4,5の状況であるものとして説明する。
【0151】
なお、ステップS43、ステップS44、およびステップS46の各処理は、実施の形態1で説明した図3のステップS13、ステップS14、およびステップS16と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0152】
ステップS41において、通常精度ノード情報取得部2は、情報処理装置8から、自車両の走行経路上の1つまたは複数の通常精度ノード情報を取得する。
【0153】
図4の例では、通常精度ノード情報取得部2は、通常精度ノードN(1)、N(2)、N(3)、N(6)、N(8)、N(10)、およびN(11)の通常精度ノード情報を取得する。
【0154】
ステップS42において、紐づけ判断部4は、通常精度ノード情報取得部2が取得した通常精度ノード情報と、紐づけ情報テーブル15に記憶された紐づけ情報とに基づいて、通常精度ノード情報に含まれる通常精度ノードが、高精度地図DB14に記憶された高精度ノードまたは高精度リンクに紐づいているか否かを判断し、通常精度ノードに紐づく高精度ノードまたは高精度リンクを特定する。
【0155】
具体的には、紐づけ判断部4は、通常精度ノードN(1)から順にマッチング計算を行うが、高精度地図に含まれる全ての高精度ノードと通常精度ノードN(1)とのマッチングを行うと演算時間が増大するため、予めマッチングを行う高精度ノードの絞り込みを行う。
【0156】
例えば、通常精度ノードN(n)の近傍にある高精度ノードを第1次候補として絞り込む。ここで、近傍とは、例えば、同一メッシュ、隣接メッシュ、または予め定められた距離(例えば400m)以内などである。
【0157】
図20は、高精度ノードアクセスデータレコードの一例を示す図である。高精度ノードアクセスデータレコードは、紐づけ情報とは関係なく高精度地図DB14に元から備わっている情報である。高精度ノードアクセスデータレコードには、高精度ノードのデータを格納した高精度ノードデータレコードにアクセスするためのポインタ情報群が格納されている。図20では図示していないが、各ポインタ情報は、高精度ノードが存在するメッシュIDとの対応がとれているものとする。
【0158】
図21は、高精度ノードデータレコードの一例を示す図である。図21に示すように、高精度ノードHNi(n)のデータは、高精度地図DB14に元から存在している高精度ノード座標(位置情報)と、道路種別などの属性1と、紐づけ位置情報を格納する属性2とを有する。実施の形態4では、高精度ノードデータレコードが属性2を有することを特徴としている。なお、属性2には、実施の形態1と同様に、紐づけIDを格納してもよい。
【0159】
紐づけ判断部4は、高精度ノードアクセスデータレコードを用いて、通常精度位置N(n)の近傍に存在する全ての高精度ノードデータレコードにアクセスし、N(n)にマッチングする紐づけ位置情報を有する全ての高精度ノードをピックアップする。
【0160】
図4,5の例では、図22~24に示すように、紐づけ位置情報U(3)が格納された属性2を有する高精度ノードHN1(3)、HN2(3)、およびHN3(3)が、通常精度ノードN(3)にマッチングする。図25~27に示すように、紐づけ位置情報U(6)が格納された属性2を有する高精度ノードHN1(6)、HN2(6)、およびHN3(6)が、通常精度ノードN(6)にマッチングする。図28~30に示すように、紐づけ位置情報U(8)が格納された属性2を有する高精度ノードHN1(8)、HN2(8)、およびHN3(8)が、通常精度ノードN(8)にマッチングする。
【0161】
図19の説明に戻り、ステップS45において、運転支援策定部6は、マッチングした通常精度ノード情報に対応する紐づけ位置情報に基づいて高精度ノードをピックアップする。そして、ピックアップした高精度ノードを用いて運転支援を策定する。
【0162】
実施の形態1と同様に、通常精度ノードN(3)の位置で通常精度地図道路から高精度地図道路に進入するため、通常精度ノードN(3)に紐づく高精度ノードはHN3(3)のみとなる。通常精度ノードN(8)の位置で高精度地図道路から通常精度地図道路に退出するため、通常精度ノードN(8)に紐づく高精度ノードはHN1(8)のみとなる。通常精度ノードN(6)に紐づく高精度ノードはHN1(6)、HN2(6)、およびHN3(6)のままである。従って、自車両が走行する可能性があるノードおよびリンクは、実施の形態1で説明した図8と同様である。
【0163】
実施の形態1とは異なり、既に高精度ノードのデータにアクセスしているため、アクセスした高精度ノードの情報、または当該高精度ノードに接続する高精度リンクの情報を用いて運転支援を策定する。すなわち、実施の形態1よりも、運転支援策定装置17における処理負荷が軽減するとともに、処理時間を短縮することができる。
【0164】
<変形例1>
実施の形態4では、高精度ノードの属性2に紐づけ位置情報を格納する場合について説明したが、これに限るものではない。高精度リンクの属性2に紐づけ位置情報を格納してもよい。この場合、流入リンクおよび流出リンクにも紐づけ情報を格納するため、例えば、通常精度ノードN(3)に紐づけられる高精度リンクHL1(3)、HL2(3)、HL3(3)、および流入リンクHL3in(3)の属性2に、紐づけ位置情報U(3)が格納される。紐づけ位置情報U(3)は、通常精度ノードN(3)とマッチングする。
【0165】
通常精度ノードN(6)に紐づけられる高精度リンクHL1(6)、HL2(6)、HL3(6)、および流出リンクHL3out(6)の属性2に、紐づけ位置情報U(6)が格納される。紐づけ位置情報U(6)は、通常精度ノードN(6)とマッチングする。
【0166】
通常精度ノードN(8)に紐づけられる高精度リンクHL1(8)、HL2(8)、HL3(8)、および流出リンクHL3out(8)の属性2に、紐づけ位置情報U(8)が格納される。紐づけ位置情報U(8)は、通常精度ノードN(8)とマッチングする。
【0167】
<実施の形態5>
実施の形態4では高精度ノードの属性2に紐づけ位置情報を格納する場合について説明し、実施の形態4の変形例1では高精度リンクの属性2に紐づけ位置情報を格納する場合について説明した。実施の形態5では、実施の形態2と実施の形態4との組み合わせ、すなわち高精度リンクの属性2に紐づけ位置情報および紐づけ方位情報を格納する場合について説明する。
【0168】
<構成>
実施の形態5による運転支援策定装置を含む車載装置の構成は、実施の形態4と基本的には同様である。従って、以下では、実施の形態5による運転支援策定装置は、図18に示す運転支援策定装置17であるものとして説明する。
【0169】
図31は、高精度リンクアクセスデータレコードの一例を示す図である。図32は、高精度リンクデータレコードの一例を示す図である。
【0170】
図32に示すように、高精度地図DB14に記憶される高精度リンクの属性2には、紐づけ位置情報および紐づけ方位情報が格納されている。
【0171】
<動作>
運転支援策定装置17の動作は、実施の形態2で説明した図9に示す動作と、実施の形態4の変形例1の動作とを組み合わせた動作である。また、マッチングの結果および運転支援策定の結果は、実施の形態2と同様である。
【0172】
<変形例1>
実施の形態3と実施の形態4とを組み合わせた構成としてもよい。この場合、情報処理装置8は、リンク属性を含む通常精度ノード情報を出力する。高精度地図DB14に記憶される高精度リンクまたは高精度ノードの属性2には、紐づけ位置情報および紐づけリンク属性が格納されている。マッチング処理は、実施の形態3と同様であってもよい。
【0173】
<実施の形態6>
図33は、実施の形態6による運転支援策定装置19を含む車載装置18の構成の一例を示すブロック図である。
【0174】
図33に示すように、運転支援策定装置19は、高精度測位部20を備えることを特徴としている。その他の構成は、実施の形態1~3のいずれかと同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。なお、高精度測位部20は、実施の形態4で説明した図18に示す運転支援策定装置17に備えてもよい。
【0175】
高精度測位部20は、十数センチメートルオーダーの自車両の走行位置を測位する機能と、自車両の走行車線を検出する機能とを有する。
【0176】
<動作>
運転支援策定装置19は、自車両が現在走行している走行車線と走行位置とに応じた運転支援を策定することができる。
【0177】
例えば、実施の形態1で説明した図3のステップS15において、走行位置に応じて、流出リンクから退出するために走行すべき適切な走行車線を誘導する情報を出力することができる。
【0178】
例えば、走行位置が流出ノードHN1(8)から予め定められた距離以内に近づいた場合、流出ノードHN1(8)につながらない車線、すなわち自車両が高精度ノードHN2(6)またはHN3(6)につながる車線に存在している場合において、高精度ノードHN1(6)に繋がる車線を走行するような誘導情報を出力することができる。
【0179】
<ハードウェア構成>
実施の形態1で説明した運転支援策定装置9における通常精度ノード情報取得部2、紐づけ判断部4、走行判断部5、および運転支援策定部6の各機能は、処理回路により実現される。すなわち、運転支援策定装置9は、通常精度ノード情報を取得し、通常精度ノードが高精度ノードまたは高精度リンクに紐づいているか否かを判断して、通常精度ノードに紐づく高精度ノードまたは高精度リンクを特定し、自車両が高精度地図道路を走行すると判断し、通常精度ノード情報に紐づけられた高精度ノードを用いて運転支援を策定するための処理回路を備える。処理回路は、専用のハードウェアであってもよく、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサ(CPU、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)ともいう)であってもよい。
【0180】
処理回路が専用のハードウェアである場合、図34に示すように、処理回路21は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。通常精度ノード情報取得部2、紐づけ判断部4、走行判断部5、および運転支援策定部6の各機能をそれぞれ処理回路21で実現してもよく、各機能をまとめて1つの処理回路21で実現してもよい。
【0181】
処理回路21が図35に示すプロセッサ22である場合、通常精度ノード情報取得部2、紐づけ判断部4、走行判断部5、および運転支援策定部6の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ23に格納される。プロセッサ22は、メモリ23に記録されたプログラムを読み出して実行することにより、各機能を実現する。すなわち、運転支援策定装置9は、通常精度ノード情報を取得するステップ、通常精度ノードが高精度ノードまたは高精度リンクに紐づいているか否かを判断して、通常精度ノードに紐づく高精度ノードまたは高精度リンクを特定するステップ、自車両が高精度地図道路を走行すると判断するステップ、通常精度ノード情報に紐づけられた高精度ノードを用いて運転支援を策定するステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ23を備える。また、これらのプログラムは、通常精度ノード情報取得部2、紐づけ判断部4、走行判断部5、および運転支援策定部6の手順または方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリとは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、DVD(Digital Versatile Disc)等、または、今後使用されるあらゆる記憶媒体であってもよい。
【0182】
なお、通常精度ノード情報取得部2、紐づけ判断部4、走行判断部5、および運転支援策定部6の各機能について、一部の機能を専用のハードウェアで実現し、他の機能をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。
【0183】
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
【0184】
なお、上記では、実施の形態1で説明した運転支援策定装置9のハードウェア構成について説明したが、実施の形態2~6で説明した運転支援策定装置のハードウェア構成についても同様である。
【0185】
なお、本開示の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
【0186】
本開示は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての態様において、例示であって、限定的なものではない。例示されていない無数の変形例が想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0187】
1 運転支援策定装置、2 通常精度ノード情報取得部、3 高精度地図取得部、4 紐づけ判断部、5 走行判断部、6 運転支援策定部、7 車載装置、8 情報処理装置、9 運転支援策定装置、10 運転支援装置、11 測位装置、12 通常精度地図DB、13 アプリケーション実行部、14 高精度地図DB、15 紐づけ情報テーブル、16 車載装置、17 運転支援策定装置、18 車載装置、19 運転支援策定装置、20 高精度測位部、21 処理回路、22 プロセッサ、23 メモリ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35