(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-06
(45)【発行日】2025-02-17
(54)【発明の名称】撮像機器
(51)【国際特許分類】
B60R 11/02 20060101AFI20250207BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20250207BHJP
G03B 17/56 20210101ALI20250207BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20250207BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20250207BHJP
【FI】
B60R11/02 Z
G03B15/00 V
G03B17/56 A
G03B30/00
H04N5/222 100
(21)【出願番号】P 2024520138
(86)(22)【出願日】2022-05-11
(86)【国際出願番号】 JP2022019921
(87)【国際公開番号】W WO2023218552
(87)【国際公開日】2023-11-16
【審査請求日】2024-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】324003048
【氏名又は名称】三菱電機モビリティ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】廣田 秀行
【審査官】池田 晃一
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第112009391(CN,A)
【文献】特開2001-88623(JP,A)
【文献】特開2009-280195(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109151282(CN,A)
【文献】特開2012-111390(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 11/00 - 11/06
B60R 1/00 - 1/31
G03B 1/00 - 43/02
H04N 5/222- 5/257
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の室内を撮像する撮像部と、
前記撮像部と基板を介して接続され、嵌合部を有するホルダーと、
前記車両の前記室内に取り付け可能であり、被嵌合部を有する
複数のシャーシと
を備え、
前記嵌合部を
一の前記シャーシの前記被嵌合部に嵌合することによって、前記ホルダー
と前記
一のシャーシの回転軸を中心とする回転が規制され、
前記嵌合部の数と、
前記複数のシャーシのそれぞれの前記被嵌合部の数とが同じであ
り、
前記複数のシャーシにおいて、前記回転軸の周方向における前記被嵌合部の位置が互いに異なる、撮像機器。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像機器であって、
前記撮像部は、
レンズと、
前記レンズからの光に基づいて画像を生成するイメージセンサーと
を含み、
前記基板と、前記撮像部と、前記ホルダーと、前記シャーシの一部とを収容する収容部をさらに備える、撮像機器。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の撮像機器であって、
前記嵌合部は凸部であり、
前記被嵌合部は穴または切り欠きである、撮像機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像機器に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像機器について様々な技術が提案されている。例えば特許文献1には、カメラとブラケットとの間の連結部に複数の穴を設け、カメラ側の凸部を複数の穴のいずれかに嵌合することによって、ブラケットに対するカメラの角度を固定する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、穴の数が複数であるため、どの穴を用いて固定すべきかが分かり難いという問題があった。
【0005】
そこで、本開示は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、被嵌合部への嵌合部の嵌合を容易に行うことが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る撮像機器は、車両の室内を撮像する撮像部と、撮像部と基板を介して接続され、嵌合部を有するホルダーと、車両の室内に取り付け可能であり、被嵌合部を有する複数のシャーシとを備え、嵌合部を一のシャーシの被嵌合部に嵌合することによって、ホルダーと一のシャーシの回転軸を中心とする回転が規制され、嵌合部の数と、複数のシャーシのそれぞれの被嵌合部の数とが同じであり、複数のシャーシにおいて、回転軸の周方向における被嵌合部の位置が互いに異なる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、嵌合部の数と、被嵌合部の数とが同じであるため、被嵌合部への嵌合部の嵌合を容易に行うことができる。
【0008】
本開示の目的、特徴、局面及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る撮像機器の内部構成を示す斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係る撮像機器の外部構成を示す斜視図である。
【
図3】実施の形態1に係る撮像機器の一部の構成を示す斜視図である。
【
図4】実施の形態1に係る撮像機器の一部の構成を示す斜視図である。
【
図5】実施の形態1に係る複数のシャーシの構成を示す斜視図である。
【
図6】実施の形態1に係る撮像機器の一部の構成を示す斜視図である。
【
図7】実施の形態1に係る撮像機器の取り付け例を示す上面図である。
【
図8】実施の形態1に係る撮像機器の取り付け例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態1に係る撮像機器10の内部構成を示す斜視図であり、
図2は、本実施の形態1に係る撮像機器10の外部構成を示す斜視図である。
図1及び
図2に示すように、撮像機器10は、基板1と、撮像部2と、ホルダー3と、シャーシ4と、筐体5とを備える。撮像機器10は車両に搭載され、車両の室内を撮像する。
【0011】
図1及び
図2に示すように、収容部である筐体5は、基板1と、撮像部2と、ホルダー3と、シャーシ4の一部とを収容する。なお、収容部は、直方体の筐体5でなくてもよい。
【0012】
図1に示す基板1は、例えばプリント基板である。基板1の上面には撮像部2が搭載される。
【0013】
撮像部2は、車両の室内を撮像する。撮像部2は、レンズ2aと、イメージセンサー2bとを含む。イメージセンサー2bは、レンズ2aから離間して設けられており、レンズ2aからの光に基づいて画像を生成する。
【0014】
ホルダー3は、撮像部2と基板1を介して接続されている。ホルダー3は、基板1に関して撮像部2と逆側に設けられる。
図3及び
図4に示すように、基板1の凸部がホルダー3の穴に嵌合され、ホルダー3の凸部が基板1の穴に嵌合された状態で、基板1とホルダー3とが、ねじ6aで互いに固定される。
【0015】
図3及び
図4に示すように、ホルダー3は、本体3aと、突出板3bと、嵌合部である凸部3cと、ねじ穴3dとを有する。本体3aは、基板1の配線がショートしないように、基板1の一部から離間されている。突出板3bは、本体3aから撮像部2と逆側に突出する。
図4に示す凸部3cは、突出板3bから突出板3bの面外方向に突出する。ねじ穴3dは、突出板3bの中央部分に設けられる。
【0016】
ホルダー3に固定されるシャーシ4は、複数のシャーシ4から選択的に使用される。
図5は、複数のシャーシ4の構成を示す斜視図である。各シャーシ4は、車両の室内に取り付け可能となっている。本実施の形態1では、各シャーシ4は、
図1に示す固定穴4eがねじ止めされることによって、車両の室内に取り付け可能となっている。ただし、各シャーシ4の車両の室内への取り付け構造は、これに限ったものではない。
【0017】
各シャーシ4は、本体4aと、突出板4bと、被嵌合部である穴4cと、ねじ穴4dとを有する。突出板4bは、本体4aから突出する。穴4cは、突出板4bに設けられる。なお、穴4cは、貫通穴であってもよいし、非貫通穴であってもよいし、被嵌合部は、穴ではなく切り欠きであってもよい。ねじ穴4dは、突出板4bの中央部分に設けられる。
【0018】
図4のホルダー3の突出板3bのねじ穴3dと、
図5の一のシャーシ4の突出板4bのねじ穴4dとに、
図1のねじ6bが通される。このため、ホルダー3の凸部3cを一のシャーシ4の穴4cに嵌合しなければ、ホルダー3と一のシャーシ4とは、ねじ6bを回転軸として回転可能となっている。一方、
図6に示すように、ホルダー3の凸部3cを一のシャーシ4の穴4cに嵌合することによって、ホルダー3と一のシャーシ4の回転軸を中心とする回転は規制され、ホルダー3と一のシャーシ4との位置関係は固定される。
【0019】
図4及び
図5に示すように、ホルダー3の凸部3cの数と、各シャーシ4の穴4cの数とは同じである。本実施の形態1では、ホルダー3の凸部3cの数は2つであり、各シャーシ4の穴4cの数は2つであるが、これらの数は2つに限ったものではない。また
図5に示すように、複数のシャーシ4において、回転軸(つまりねじ穴4d)の周方向における穴4cの位置は互いに異なる。
【0020】
<実施の形態1のまとめ>
本実施の形態1に係る撮像機器10では、ホルダー3の凸部3cの数と、各シャーシ4の穴4cの数とは同じである。したがって、ユーザは、ホルダー3の凸部3cを嵌合すべき、各シャーシ4の穴4cを容易に理解することができるので、穴4cへの凸部3cの嵌合を容易に行うことができる。
【0021】
また本実施の形態1に係る撮像機器10の製造方法では、
図5のように複数のシャーシ4において、回転軸の周方向における穴4cの位置は互いに異なり、
図6のようにホルダー3の凸部3cが、いずれかのシャーシ4の穴4cに嵌合される。このような構成によれば、ホルダー3に固定されるシャーシ4を変更することによって、固定部分においてホルダー3とシャーシ4とがなす角度を変更することができる。これにより
図7及び
図8に示すように、ホルダー3に固定されるシャーシ4を適切に選択することで、シャーシ4以外の部分を変更しなくても、撮像部2の撮像方向を車両の運転者などの乗員に向けることができる。これにより、撮像機器10の低コスト化が期待できる。また、撮像機器10を適用するDMS(Driver Monitoring System)において、乗員から適切な画像を撮像することができる。
【0022】
<変形例>
以上の説明では、
図5に示したように、複数のシャーシ4のそれぞれにおいて、本体4aと突出板4bとがなす角度は概ね垂直であったが、これに限ったものではない。例えば、複数のシャーシ4において、本体4aと突出板4bとがなす角度が互いに異なってもよい。このような構成によれば、ホルダー3に固定されるシャーシ4を適切に選択することで、上記回転軸と異なる回転軸に沿った、ホルダー3とシャーシ4とがなす角度を変更することができる。
【0023】
なお、実施の形態の内容を適宜、変形、省略することが可能である。
【0024】
上記した説明は、すべての局面において、例示であって、限定的なものではない。例示されていない無数の変形例が、想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0025】
1 基板、2 撮像部、2a レンズ、2b イメージセンサー、3 ホルダー、3c 凸部、4 シャーシ、4c 穴、5 筐体、10 撮像機器。