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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-06
(45)【発行日】2025-02-17
(54)【発明の名称】取水装置
(51)【国際特許分類】
   E02B 7/20 20060101AFI20250207BHJP
   E02B 5/08 20060101ALI20250207BHJP
【FI】
E02B7/20 D
E02B5/08 101A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2024071752
(22)【出願日】2024-04-25
【審査請求日】2024-06-14
(31)【優先権主張番号】P 2023186747
(32)【優先日】2023-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501250555
【氏名又は名称】株式会社エコ・プランナー
(74)【代理人】
【識別番号】100085246
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 清一郎
(72)【発明者】
【氏名】安本 悟司
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-034923(JP,A)
【文献】特開2023-164781(JP,A)
【文献】特開2022-038981(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 7/20
E02B 5/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水路に介在されて上下動し得る取水可動堰を具備し、該取水可動堰が下降した状態で水路水を堰上げして取水する取水装置であり、該取水可動堰は、その上端を越流した水路水を流下させ且つ流下水の一部を濾過して下面側で取水可能とする取水スクリーンが、水路下流に向けて下方に傾斜する状態で設けられており、該取水可動堰の下端面部には、該取水スクリーンで取水された水を放出させる下端開放部が設けられており、
前記水路の水路底部には集水凹所が凹設されており、前記取水可動堰が下降して該水路底部に設置された堰止め状態で、前記下端面部が該集水凹所の上端部に被って前記下端開放部が該集水凹所に連通し、該集水凹所と該下端面部との間に、前記取水スクリーンで取水された水を集水する集水部が形成されることを特徴とする取水装置。
【請求項2】
前記取水可動堰は取水箱状体を有して構成され、該取水箱状体は、金属板を以て形成されており、起立板部の上端で、水路下流に向けて水平状態に突出する水平上板部が突設されると共に、該起立板部の下端で、水路下流に向けて水平状態に突出する水平下板部が突設され、該水平下板部の先端に延長水平下板部が水平状態に連結されてなる本体部を有し、
連結状態にある該水平下板部と該延長水平下板部とが前記下端面部を構成しており、
該延長水平下板部に、又は、該延長水平下板部と該水平下板部とに亘って、前記下端開放部が設けられており、
該本体部の左右の開放端が側面板で閉塞されており、前記起立板部の上端を越流した水路水を流下させ且つ流下水の一部を濾過して前記下面側で取水可能とする、水路下流に向けて下方に傾斜する前記取水スクリーンの上下端が、直接的に又は間接的に、前記水平上板部の先端部と前記延長水平下板部の先端部に連結されており、該取水スクリーンで取水された水が前記下端開放部で放出されるように構成されており、
前記水平上板部と、前記起立板部と、前記水平下板部とが、一枚の金属板を折曲して一連に形成されている、ことを特徴とする請求項1記載の取水装置。
【請求項3】
前記下端面部は、前記下端開放部を有する下端面部本体の下流端部にカバー板部が連設されてなり、
前記下端面部が、前記集水凹所の上端部に被ることにより、前記下端開放部が該集水凹所の内の上流側をなす部分に連通し、前記カバー板部が、前記集水凹所の内の下流側をなす部分の上端開放部を閉蓋した状態となり、
該集水凹所と前記下端面部との間に、前記取水された水を集水する集水部が形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の取水装置。
【請求項4】
前記カバー板部を水平状態で見て、該カバー板部は、水路上流側の端部が、前記下端面部本体の前記下流端部に、垂直面内で回動可能に枢着されていることを特徴とする請求項3記載の取水装置。
【請求項5】
前記水路の前記水路底部に凹設された底部凹所が、上下動可能の昇降仕切板で水路幅方向に仕切られることによって、該昇降仕切板よりも水路上流側をなす前記集水凹所が形成されるようになされており、
該昇降仕切板は、前記取水可動堰の前記下端面部の下流端部で下設されており、前記取水可動堰の下降に伴う前記昇降仕切板の下降により該昇降仕切板が前記底部凹所を水路幅方向に仕切ることによって前記集水凹所が形成され、前記取水可動堰の前記下端面部が該集水凹所の前記上端部に被ることにより、前記下端開放部が該集水凹所に連通し、該集水凹所と前記下端面部との間に、前記取水スクリーンで取水された水を集水する前記集水部が形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の取水装置。
【請求項6】
上段の水路底部に段差部を介して下段の水路底部が連なってなる、落差を有する水路底部の該上段の水路底部に底部凹所が凹設され、該底部凹所は、その水路下流側の端部の全体が水路下流側に向けて開放されており、該底部凹所が、上下動可能の昇降仕切板で水路幅方向に仕切られることによって、閉じられた該昇降仕切板よりも水路上流側をなす集水凹所が形成されるようになされており、
該昇降仕切板は、前記取水可動堰の前記下端面部の下流端部で下設されており、前記取水可動堰の下降に伴う該昇降仕切板の下降により該昇降仕切板が前記底部凹所を仕切ることによって前記集水凹所が形成され、前記取水可動堰の前記下端面部が該集水凹所の前記上端部に被ることにより、前記下端開放部が該集水凹所に連通し、該集水凹所と前記下端面部との間に、前記取水された水を集水する集水部が形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の取水装置。
【請求項7】
前記昇降仕切板が、前記下端面部の前記下流端部に、垂直面内で回動可能に枢着されていることを特徴とする請求項5記載の取水装置。
【請求項8】
前記昇降仕切板が、前記下端面部の前記下流端部に、垂直面内で回動可能に枢着されていることを特徴とする請求項6記載の取水装置。
【請求項9】
前記集水凹所は、前記水路の水路底部に凹設された底部凹所の水路上流側に設けられ、該底部凹所は、前記取水可動堰の前記下端面部の下流端部よりも水路下流側に延長しており、
該底部凹所の水路下流側に傾動堰板が設けられ、該傾動堰板は、水路幅方向に延長する板状を呈し、その下端部が前記底部凹所の底部に当接状態となり得ると共に、その両側端部が前記底部凹所の対向する側壁面部に当接状態となるように構成されており、
又前記傾動堰板は、その下端部が前記底部凹所の底部側に枢着されることによって、前記水路下流側における底部に重なる倒状態と、所要角度に立ち上がる立ち上がり状態との角度範囲で傾動可能であり、
該傾動堰板が該立ち上がり状態で保持されることによって、該立ち上がり状態にある該傾動堰板より水路上流側をなす前記集水凹所が形成されるようになされており、
前記取水可動堰の前記下端面部が該集水凹所の上端部分に被ることにより、前記下端開放部が前記集水凹所に連通し、該集水凹所と前記下端面部との間に、前記取水された水を集水する前記集水部が形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の取水装置。
【請求項10】
前記集水凹所は、上段の水路底部に段差部を介して下段の水路底部が連なってなる、落差を有する水路底部の該上段の水路底部に凹設された底部凹所の水路上流側に設けられ、該底部凹所は、前記取水可動堰の前記下端面部の下流端部よりも水路下流側に延長しており、且つ、該底部凹所の下流側の端部の全体が前記水路下流側に向けて開放されており、
又、前記底部凹所の水路下流側に傾動堰板が設けられ、該傾動堰板は、水路幅方向に延長する板状を呈し、その下端部が前記底部凹所の底部に当接状態となり得ると共に、その両側端部が前記底部凹所の対向する側壁面部に当接状態となるように構成されており、
又前記傾動堰板は、その下端部が前記底部凹所の底部側に枢着されることによって、前記水路下流側における底部に重なる倒状態と、所要角度に立ち上がる立ち上がり状態との角度範囲で傾動可能であり、
該傾動堰板が該立ち上がり状態で保持されることによって、該立ち上がり状態にある該傾動堰板より水路上流側をなす前記集水凹所が形成されるようになされており、
前記取水可動堰の前記下端面部が該集水凹所の上端部分に被ることにより、前記下端開放部が前記集水凹所に連通し、該集水凹所と前記下端面部との間に、前記取水された水を集水する前記集水部が形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の取水装置。
【請求項11】
前記集水凹所の、前記水路の延長方向で見た水路下流側の内壁面部は、その下端からその上端に向けて該水路下流側に傾斜していることを特徴とする請求項1又は2記載の取水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は取水装置に関するものである。より詳しくは、河川等の水路に介在されて上下動し得る取水可動堰を具備し、該取水可動堰が下降した状態で水路水を堰上げして取水するように構成された取水装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
河川等の水路の水路水を堰上げして取水するように構成された取水装置の一例として、特許文献1が開示する装置が提供されている。該装置は、例えば河川としての水路に介在され且つ上下動し得る可動堰の水路下流側の面部に取水器が一体に設けられ、該取水器が前記可動堰と一体となって上下動可能となされている。該取水器は、前記可動堰の上端を越流した水路水を流下させ且つ流下水の一部を濾過して下面側で取水可能とする取水スクリーンが、水路下流に向けて下方に傾斜する状態で設けられており、該取水器の底部側は取水槽とされている。該取水槽の上下長さは通常30~40cm程度である。
【0003】
前記可動堰が水路を完全に閉じた状態において前記取水槽の下面部が水路底に当接状態となる。該取水スクリーンの下面側で落水した水は、前記下面部が水路底に当接状態にある前記取水槽に収容され(該取水槽内の水深は通常30~40cm程度)、送水管を介して所定場所に運ばれ、融雪や農業用水、工業用水等として利用される。
【0004】
前記取水槽内の収容水を、融雪等を目的として一時期だけ取水する場合や、夏場等取水を要さない時期においては前記取水器は上昇状態とされる。前記取水器は前記可動堰と一体となって上昇されるのであるが、例えば、ラック駆動装置で構成された持ち上げ装置によって持ち上げられる。
【0005】
かかる構成を有する可動堰一体型取水装置は、前記可動堰の上流側における堆積物の影響を受けないで取水を確実に行うことができる利点を有していたが、以下のような問題点があった。即ち、
【0006】
(1) 特許文献1が開示する前記取水装置は、例えば、融雪等を目的として一時期期だけ取水する場合、夏場等取水を要さない時期においては前記可動堰は上昇状態とされるのであるが、このとき、前記取水器も該可動堰と一体となって上昇状態となる。そして該取水器の上昇(持ち上げ)の際は、前記取水槽に収容されている水も持ち上げられることとなる。取水槽内の水深は通常30~40cm程度であって、収容されている水の重量は、小型の該取水装置であっても300~500kg程度あり、該持ち上げ水量が多い場合は2t~3tにもなる。かかることから、該取水器の持ち上げのために能力の大きい大型の持ち上げ装置を必要として取水装置の価格上昇を招く問題があった。又、このように持ち上げ水量が多いことから該取水器を頑丈に構成しなければならず、そのために構成部材の各部サイズが大きくなる。かかることから取水装置の施工に際して大型のレッカー車を必要とする等、施工性が悪い問題があった。
【0007】
(2) 又前記したように前記取水器は、前記可動堰の上端を越流した水路水を前記取水スクリーンの上面で流下させ、流下水の一部を濾過して該取水スクリーンの下面側で取水可能とするものであり、該取水スクリーンは、水路下流に向けて下方に傾斜する状態で設けられている。
【0008】
そして、取水時には前記したように、前記可動堰が水路を閉じ、この状態で前記取水器の下面部(前記取水槽の下面部)が水路底に当接状態となり、前記取水スクリーンで取水されるのであるが、該取水スクリーンの下端位置は、前記取水槽の上端位置に合致させざるを得なかった。そのため、該取水スクリーンによる取水量は、自ずから、前記取水槽の上端位置によって一定量に制約されることとなった。
【0009】
そのため前記取水装置においては、取水量を増大させようとすれば、前記水路の幅方向で見た前記取水器の延長長さを大きくして取水面積を増大させる必要があり、或いは、前記可動堰の高さを高くして前記取水スクリーンの上端をより高い位置に設定する必要があった。しかしながら、前記取水器の延長長さを大きくした場合は、前記取水槽に収容されている水量が一層増えることから、持ち上げる荷重が更に増大し、一層能力の大きい持ち上げ装置を必要とする問題を招来することとなった。又、前記可動堰の高さを高くすることは、河川法上の制約から限界があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2003-34923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は前記従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、水路水を堰上げして取水する取水装置において、下記を課題とする。
(1) 第1の課題
取水可動堰を上昇させる際の持ち上げ荷重を軽減して持ち上げ装置の能力の低減化を図ると共に、取水可動堰の構成の簡易化、軽量化を図ることによって、取水装置の施工性向上及び取水装置の価格低減を達成すること。
(2) 第2の課題
取水量(単位時間当たりの取水量)の増大を図って取水効率を向上させること。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するため本発明は以下の手段を採用する。
即ち、本発明に係る取水装置の第1の態様は、水路に介在されて上下動し得る取水可動堰を具備し、該取水可動堰が下降した状態で水路水を堰上げして取水する取水装置であり、該取水可動堰は、その上端を越流した水路水を流下させ且つ流下水の一部を濾過して下面側で取水可能とする取水スクリーンが、水路下流に向けて下方に傾斜する状態で設けられており、該取水可動堰の下端面部には、該取水スクリーンで取水された水を放出させる下端開放部が設けられている。前記水路の水路底部には集水凹所が凹設されており、前記取水可動堰が下降して該水路底部に設置された堰止め状態で、前記下端面部が該集水凹所の上端部に被って前記下端開放部が該集水凹所に連通し、該集水凹所と該下端面部との間に、前記取水スクリーンで取水された水を集水する集水部が形成されることを特徴とするものである。
【0013】
本発明に係る取水装置の第2の態様は、前記第1の態様において、前記取水可動堰は取水箱状体を有して構成され、該取水箱状体は、金属板を以て形成されており、起立板部の上端で、水路下流に向けて水平状態に突出する水平上板部が突設されると共に、該起立板部の下端で、水路下流に向けて水平状態に突出する水平下板部が突設され、該水平下板部の先端に延長水平下板部が水平状態に連結されてなる本体部を有する。連結状態にある前記水平下板部と前記延長水平下板部とが前記下端面部を構成しており、該延長水平下板部に、又は、該延長水平下板部と該水平下板部とに亘って、前記下端開放部が設けられている。該本体部の左右の開放端が側面板で閉塞されており、前記起立板部の上端を越流した水路水を流下させ且つ流下水の一部を濾過して前記下面側で取水可能とする、水路下流に向けて下方に傾斜する前記取水スクリーンの上下端が、直接的に又は間接的に、前記水平上板部の先端部と前記延長水平下板部の先端部に連結されており、該取水スクリーンで取水された水が前記下端開放部で放出されるように構成されている。そして、前記水平上板部と、前記起立板部と、前記水平下板部とが、一枚の金属板を折曲して一連に形成されていることを特徴とするものである。
【0014】
本発明に係る取水装置の第3の態様は、前記第1の態様又は前記第2の態様において、前記下端面部は、前記下端開放部を有する下端面部本体の下流端部にカバー板部が連設されている。前記下端面部が、前記集水凹所の上端部に被ることにより、前記下端開放部が該集水凹所の内の上流側をなす部分に連通し、前記カバー板部が、前記集水凹所の内の下流側をなす部分の上端開放部を閉蓋した状態となり、該集水凹所と前記下端面部との間に、前記取水された水を集水する集水部が形成されることを特徴とするものである。
【0015】
本発明に係る取水装置の第4の態様は、前記第3の態様において、前記カバー板部を水平状態で見て、該カバー板部は、水路上流側の端部が、前記下端面部本体の前記下流端部に、垂直面内で回動可能に枢着されていることを特徴とするものである。
【0016】
本発明に係る取水装置の第5の態様は、前記第1の態様又は前記第2の態様において、前記水路の前記水路底部に凹設された底部凹所が、上下動可能の昇降仕切板で水路幅方向に仕切られることによって、該昇降仕切板よりも水路上流側をなす前記集水凹所が形成されるようになされている。該昇降仕切板は、前記取水可動堰の前記下端面部の下流端部で下設されており、前記取水可動堰の下降に伴う前記昇降仕切板の下降により該昇降仕切板が前記底部凹所を水路幅方向に仕切ることによって前記集水凹所が形成される。そして、前記取水可動堰の前記下端面部が該集水凹所の前記上端部に被ることにより、前記下端開放部が該集水凹所に連通し、該集水凹所と前記下端面部との間に、前記取水スクリーンで取水された水を集水する前記集水部が形成されることを特徴とするものである。
【0017】
本発明に係る取水装置の第6の態様は、前記第1の態様又は前記第2の態様において、上段の水路底部に段差部を介して下段の水路底部が連なってなる、落差を有する水路底部の該上段の水路底部に底部凹所が凹設されている。該底部凹所は、その水路下流側の端部の全体が水路下流側に向けて開放されており、該底部凹所が、上下動可能の昇降仕切板で水路幅方向に仕切られることによって、閉じられた該昇降仕切板よりも水路上流側をなす集水凹所が形成されるようになされている。該昇降仕切板は、前記取水可動堰の前記下端面部の下流端部で下設されている。前記取水可動堰の下降に伴う該昇降仕切板の下降により該昇降仕切板が前記底部凹所を仕切ることによって前記集水凹所が形成される。そして、前記取水可動堰の前記下端面部が該集水凹所の前記上端部に被ることにより、前記下端開放部が該集水凹所に連通し、該集水凹所と前記下端面部との間に、前記取水された水を集水する集水部が形成されることを特徴とするものである。
【0018】
本発明に係る取水装置の第7の態様は、前記第5の態様において、前記昇降仕切板が、前記下端面部の前記下流端部に、垂直面内で回動可能に枢着されていることを特徴とするものである。
【0019】
本発明に係る取水装置の第8の態様は、前記第6の態様において、前記昇降仕切板が、前記下端面部の前記下流端部に、垂直面内で回動可能に枢着されていることを特徴とするものである。
【0020】
本発明に係る取水装置の第9の態様は、前記第1の態様又は前記第2の態様において、前記集水凹所は、前記水路の水路底部に凹設された底部凹所の水路上流側に設けられ、該底部凹所は、前記取水可動堰の前記下端面部の下流端部よりも水路下流側に延長している。該底部凹所の水路下流側に傾動堰板が設けられ、該傾動堰板は、水路幅方向に延長する板状を呈し、その下端部が前記底部凹所の底部に当接状態となり得ると共に、その両側端部が前記底部凹所の対向する側壁面部に当接状態となるように構成されている。又前記傾動堰板は、その下端部が前記底部凹所の底部側に枢着されることによって、前記水路下流側における底部に重なる倒状態と、所要角度に立ち上がる立ち上がり状態との角度範囲で傾動可能である。該傾動堰板が該立ち上がり状態で保持されることによって、該立ち上がり状態にある該傾動堰板より水路上流側をなす前記集水凹所が形成されるようになされている。そして、前記取水可動堰の前記下端面部が該集水凹所の上端部分に被ることにより、前記下端開放部が前記集水凹所に連通し、該集水凹所と前記下端面部との間に、前記取水された水を集水する前記集水部が形成されることを特徴とするものである。
【0021】
本発明に係る取水装置の第10の態様は、前記第1の態様又は前記第2の態様において、前記集水凹所は、上段の水路底部に段差部を介して下段の水路底部が連なってなる、落差を有する水路底部の該上段の水路底部に凹設された底部凹所の水路上流側に設けられ、該底部凹所は、前記取水可動堰の前記下端面部の下流端部よりも水路下流側に延長しており、且つ、該底部凹所の下流側の端部の全体が前記水路下流側に向けて開放されている。又、前記底部凹所の水路下流側に傾動堰板が設けられ、該傾動堰板は、水路幅方向に延長する板状を呈し、その下端部が前記底部凹所の底部に当接状態となり得ると共に、その両側端部が前記底部凹所の対向する側壁面部に当接状態となるように構成されている。又前記傾動堰板は、その下端部が前記底部凹所の底部側に枢着されることによって、前記水路下流側における底部に重なる倒状態と、所要角度に立ち上がる立ち上がり状態との角度範囲で傾動可能である。該傾動堰板が該立ち上がり状態で保持されることによって、該立ち上がり状態にある該傾動堰板より水路上流側をなす前記集水凹所が形成されるようになされている。そして、前記取水可動堰の前記下端面部が該集水凹所の上端部分に被ることにより、前記下端開放部が前記集水凹所に連通し、該集水凹所と前記下端面部との間に、前記取水された水を集水する前記集水部が形成されることを特徴とするものである。
【0022】
本発明に係る取水装置の第11の態様は、前記第1の態様又は前記第2の態様において、前記集水凹所の、前記水路の延長方向で見た水路下流側の内壁面部が、その下端からその上端に向けて該水路下流側に傾斜していることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る取水装置は、前記取水スクリーンで取水された水を集水する集水部を、水路底部に凹設した前記集水凹所と、前記取水可動堰の前記下端面部との間で形成する基本構成を採用する。
【0024】
従って本発明によるときは、取水可動堰を上昇させる際の持ち上げ荷重を軽減して持ち上げ装置の能力の低減化を図ることができると共に、取水可動堰の構成の簡易化、軽量化を図ることができ、これらによって、取水装置の施工性向上及び取水装置の価格低減を達成できる。又、取水量(単位時間当たりの取水量)の増大を図って取水効率を向上させることができる。
以下、これを具体的に説明する。
【0025】
(1) 本発明に係る取水装置は、取水スクリーンを用いて取水された水を集水する集水部を、水路底部に凹設した前記集水凹所と、前記取水可動堰の前記下端面部との間で形成する構成を採用する。従って該取水装置は、特許文献1に係る取水装置、即ち、取水スクリーンで水路水を取水する取水器の底部側が、該取水された水を収容させる取水槽とされていた特許文献1に係る取水装置とは異なり、前記取水可動堰の持ち上げ時に、多くの水を同時に持ち上げなければならないということがない。それ故、該取水可動堰の持ち上げ荷重を大幅に軽減できる。
かかることから本発明に係る取水装置によるときは、従来のような能力の大きい持ち上げ装置を必要とせず、持ち上げ装置を小型化でき、持ち上げ装置のコスト低減を図ることができる。
【0026】
(2) 本発明に係る取水可動堰は、特許文献1に係る取水装置で必須であった取水槽を具備する必要がない。従って、本発明に係る取水装置によるときは、前記取水スクリーンの下端を、水路底部に近接する状態にまで延長させることができる。これによって、取水量(単位時間当たりの取水量)の増大を図って取水効率の向上を期し得ることとなる。このように取水量増大を図り得ることから、従来は取水量不足で導入できなかった場所においても取水装置を導入可能となる利点がある。
【0027】
(3) 特に前記取水可動堰が前記取水箱状体を有して構成されるときは、該取水箱状体の本体部が、前記水平上板部と前記起立板部と前記水平下板部とによって剛性の大なるチャンネル状体として構成されることにより、該取水可動堰は、水圧に対する強度を有している。
そのため該取水可動堰は、構造簡素に構成できて軽量化が達成されることとなる。このことは、前記持ち上げ装置の能力の低減化に寄与し、又、取水装置の製造工数の削減による価格低減に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明に係る取水装置を、取水可動堰が最下降の状態と最上昇の状態で説明する斜視図である。
図2】本発明に係る取水装置を説明する平面図である。
図3】本発明に係る取水装置を構成する取水可動堰を説明する斜視図である。
図4】取水可動堰が水路底面部に設置された状態で、水路水を堰上げして取水している状態を示す断面図である。
図5】集水凹所を示す斜視図である。
図6】集水凹所の一方の側面部に設けた取水口を開閉蓋板で閉じた状態を示す側面図である。
図7】チャンネル状を呈する本体部を説明する斜視図と部分側面図である。
図8】取水スクリーンの構成を示す部分斜視図である。
図9】取水スクリーンによる取水作用を説明する断面図である。
図10】流水案内板による流水の整流作用を説明する説明図である。
図11】ヒレ状止水ゴムによる止水作用を説明する説明図である。
図12】楔状の規制突片相互の係合作用を説明する斜視図と断面図である。
図13】カバー板部を具備する取水装置を説明する斜視図である。
図14】カバー板部の作用を説明する説明図である。
図15】取水可動堰が稍上昇した状態における、集水凹所に流入した塵芥の排除状態を説明する断面図である。
図16】上端部が固定された昇降仕切板を具備する取水装置を説明する斜視図である。
図17】その昇降仕切板の作用を説明する説明図である。
図18】上端部が回動可能に枢着された昇降仕切板を具備する取水装置を説明する斜視図である。
図19】その昇降仕切板の作用を説明する説明図である。
図20】上端部が回動可能に枢着された昇降仕切板の下端側の縁部分の保持構成を説明する斜視図と断面図である。
図21】上端部が回動可能に枢着された昇降仕切板を具備する取水可動堰が稍上昇した状態における、集水凹所に流入した塵芥の排除状態を説明する断面図である。
図22】上端部が回動可能に枢着された昇降仕切板を具備する取水装置を落差部に設けた態様を説明する斜視図である。
図23】その断面図である。
図24】上端部が回動可能に枢着された昇降仕切板を具備する取水装置を落差部に設けた態様において、取水可動堰が稍上昇した状態における、集水凹所に流入した塵芥の排除状態を説明する断面図である。
図25】傾動堰板を具備する取水装置を説明する斜視図である。
図26】その傾動堰板の作用を説明する説明図である。
図27】底部凹所に傾動堰板が設けられた取水装置において、取水可動堰が稍上昇した状態における、該底部凹所に流入した塵芥の排除状態を説明する断面図である。
図28】傾動堰板を具備する取水装置を落差部に設けた態様を説明する斜視図である。
図29】その傾動堰板の作用を説明する説明図である。
図30】傾動堰板を具備する取水装置において、取水可動堰が稍上昇した状態における、該底部凹所に流入した塵芥の排除状態を説明する断面図である。
図31】取水装置の他の態様を示す断面図である。
図32】取水箱状体を環状補強部材で補強した状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0029】
図1~4において本発明に係る取水装置1は、水路底部9が平坦状をなす水路2に介在されて上下動し得る取水可動堰3を具備し、該取水可動堰3が下降した状態で水路水を堰上げして取水するように構成されている。該取水可動堰3は、その上端4を越流した水路水を流下させ且つ流下水の一部を濾過して下面側で取水可能とする取水スクリーン5が、水路下流に向けて下方に傾斜する状態で設けられており、該取水可動堰3の下端面部6には、該取水スクリーン5で取水された水を放出させる下端開放部7が設けられている。前記水路2の水路底部9には集水凹所10が凹設されており、前記取水可動堰3が下降して該水路底部9に設置された堰止め状態で、前記下端面部6が該集水凹所10の上端部10aに被って前記下端開放部7が該集水凹所10に連通し、該集水凹所10と該下端面部6との間に、前記取水スクリーン5で取水された水を集水する集水部11が形成されるように構成されている。以下、これを具体的に説明する。
【0030】
前記取水可動堰3は、本実施例においては図3~4に示すように取水箱状体12を有して構成され、該取水箱状体12の水路上流側の端部13の、該水路2の幅方向で見た左右端部15,16に、該幅方向に延長する左右の堰板17,19が左右逆方向に突設されている。そして、該取水可動堰3が水路底部9(図1図4)に設置された状態で、図2に示すように、該取水箱状体12と左右の該堰板17,19とが該水路2を閉じて水路水を堰上げして取水するように構成されている。ここに「左右」とは、水路上流方向で見た左側と右側をいう。
【0031】
前記取水箱状体12は、図3~4、図7に示すように、金属板を以て形成されており、起立板部20の上端21で、水路下流に向けて水平状態に突出する水平上板部22が突設されると共に、該起立板部20の下端23で、水路下流に向けて水平状態に突出する水平下板部25が突設され、該水平下板部25の先端部26に延長水平下板部27が水平状態に連結されてなる本体部29を有する。連結状態にある該水平下板部25と該延長水平下板部27とが前記下端面部6を構成しており、該延長水平下板部27に、又は、該延長水平下板部27と該水平下板部25とに亘って、前記下端開放部7が設けられており、該本体部29の左右の開放端30,31が左右の側面板32,33(図2~3)で閉塞されている。又、前記起立板部20の上端21(前記取水可動堰3の上端)を越流した水路水を流下させ且つ流下水の一部を濾過して下面側35(図4)で取水可能とする、水路下流に向けて下方に傾斜する取水スクリーン35が設けられており、該取水スクリーン35の上下端37,39は、直接的に又は間接的に、前記水平上板部22の先端部28と前記延長水平下板部27の先端部40に連結されている。
【0032】
そして図4図7に示すように、前記水平上板部22と、前記起立板部20と、前記水平下板部25とが、一枚の金属板を折曲して一連に形成されており、前記延長水平下板部27の基端部42と前記水平下板部25の先端部26とが溶接により一体化状態に連結されている。
【0033】
該金属板は、例えば肉厚が6mmのステンレス鋼板を以てなる。前記本体部29は、前記水平上板部22と前記起立板部20と、前記水平下板部25と、前記延長水平下板部27とを、一枚の金属板を折曲して一連に形成してもよいのであるが、本実施例においては該本体部29が大型のものであることに鑑み、製造の容易化を図るために、前記のように、前記水平下板部25の先端部26に前記延長水平下板部27の基端部42を溶接している。
【0034】
前記起立板部20の高さは、例えば1000mmであり、前記水平上板部22の幅寸法は、150~300mmに、例えば200mmに設定されている。又、前記水平下板部27の幅寸法は、本実施においては前記水平上板部22の幅寸法と略等しく形成されており、150~300mmに、例えば200mmに設定されている。
【0035】
このように構成された本体部29は、前記水平上板部22と前記起立板部20と前記水平下板部25とによって、剛性の大なる、横断面チャンネル状をなすチャンネル状体43(図4図7)として形成されている。そして、かかる構成を有する前記本体部29の左右の開放端30,31(図4図7)は、図2図3に示すように、左右の前記側面板32,33で閉塞され、前記取水スクリーン5の上下端37,39が、前記したように、直接的に又は間接的に、前記水平上板部22の先端部28と前記延長水平下板部27の先端部40に連結されることによって前記取水箱状体12が構成されている。
【0036】
前記取水箱状体12は、その本体部29が、前記チャンネル状体43を有して構成されているため、それ自体、剛性が高い。且つ、該本体部29の左右の開放端30, 31が左右の側面板32,33で閉塞されているため、左右の該側面板32,33が該本体部29の補強リブとしても機能し、該取水箱状体5の剛性が更に向上されている。これによって、該取水箱状体12の水圧に対する強度が確保されている。
【0037】
前記取水箱状体12を構成する前記取水スクリーン5は、流水に含まれている落ち葉等の異物を遮断してその下面側35(図4)での取水を可能とするものであればよい。該取水スクリーン5は、例えば図8~10に示すように、裏側に向けて細くなる断面V字状をなし、且つ左右方向に延長するステンレス製のスクリーンバー45を、左右方向に所要間隔を隔てて傾斜状態に配設されてなる上下方向の支持桟46(図8)上に上下多段に配置し、全体を一体化した簀の子状に構成している。該スクリーンバー45は、その幅広の外面47の幅が5mm程度に設定されている。該スクリーンバー45を、該外面47を図9に示すように前記取水スクリーン36の傾斜線49に対し若干下向きに下流側に傾斜させて、前記支持桟46上に、1mm程度の間隔を置いて多段に配置することにより、水を流入させるスリット50を具えた前記取水スクリーン5を形成する。
【0038】
前記取水スクリーン36の傾斜角度(前記傾斜線49(図9)の角度)は、該取水スクリーン5の上面(以下スクリーン面という)51を流下する水に含まれている落ち葉等の異物が引っ掛かりにくいように、垂直線に対して30~35度に、例えば30度程度に設定されており、前記取水スクリーン5の下側部分は、図4に示すように空洞に形成されている。
【0039】
前記したように、前記取水スクリーン5の上端37は、直接的に又は間接的に、前記水平上板部22の先端部28に連結されている。本実施例においては図3~4に示すように、前記取水スクリーン36の上端が、流水案内板52を介して間接的に、前記水平上板部22の前記先端部28に連結されている。該流水案内板52は、図3~4に示すように、その水路下流側の部分が上に凸の円弧状板部53として構成されると共に、その水路上流側の部分は水平板部55として構成されている。
【0040】
該円弧状板部53の下端56は、図4に示すように、前記取水スクリーン5の上端37に連結されており、該水平板部55の先端54は前記水平上板部22の前記先端部28に連結されている。又前記取水スクリーン5の下端39は、前記延長水平下板部27の先端に溶接された例えばL字状連結部材57を介して間接的に連結されている。
【0041】
前記水平上板部22は、堰上げされた水路水の流速を上げて水路水中のゴミを下流側に流しやすくし、又前記流水案内板52は、流速を整えて前記取水スクリーン5に水が円滑に流れやすくするためのものである。そして、前記取水スクリーン5の下面側35で落下した濾過水は、前記下端開放部7で放出されて前記集水部11に収容される。
【0042】
前記本体部29の左右の前記開放端30,31を閉塞する前記側面板32,33は、図3に示すように、前記水平上板部22の左側縁と前記取水スクリーン5の左側縁とに亘る一連の左の側縁59と、前記水平上板部22の右側縁と前記取水スクリーン5の右側縁とに亘る一連の右の側縁60においては、堰上げされた水路水を前記取水スクリーン5に確実に誘導するための左右のガイド立壁61,62が一連に立設されている。左右の該ガイド立壁61,62の高さは例えば100mm程度に設定される。該ガイド立壁61,62は、左右の前記側面板32,33の上端側の部分を以て構成されている。
【0043】
左右の前記堰板17,19は、厚さが例えば6mmの金属板(例えばステンレス鋼板)を以て形成されており、前記取水箱状体12を構成する左右の前記側面板32,33の水路上流側の端部分の、水路幅方向で見た左右端部15,16に、該水路幅方向に延長するように左右逆方向で溶接によって突設されている。左右の該堰板17,19の先端17a,19aは、図2に示すように、左右の堰堤65,66の内側面90,91に近接している。
【0044】
本実施例においては、図2に示すように、該堰板17,19の水路上流側の面67,69が前記取水箱状体12の水路上流側の面(前記起立板部20の外面)70と面一とされ、該堰板17,19の上端17a,19aは、図3に示すように、前記ガイド立壁61,62の上端61a,62aに合致している。従って、前記取水箱状体12が前記水路底部9に設置された状態(図1)で、前記ガイド立壁の61,62の上端高さを限度として堰上げされた水路水が、図3に矢印で示すように、左右の前記ガイド立壁61,62間に集められて前記取水スクリーン5に供給される。
【0045】
又、図2~3に示すように、前記取水箱状体12の水路幅方向で見た左右の側面部(左右の前記側面板32,33によって形成されている)の夫々に、後述のラック棒73の下端部分75を軸支する支持部材76を取り付けるための突出部77,78が突設されている。該突出部77,78は、本実施例においては、強度のある集合管体79として構成されている。
【0046】
該集合管体79は、前記側面板32,33の下側において水路延長方向に稍長く形成された下管体80の基端部分81が該側面板32,33に溶接されており、該下管体80の稍上側であって且つ、水路上流側と水路下流側に位置させて、水路延長方向に稍長く形成された矩形状の上管体82,82の基端部83,83が該側面板32,33に溶接されている。又、該上管体82,82相互及び、該上管体82と該下管体80とが、補強板等の補強材85で溶接により連結されている。
【0047】
又本実施例においては、左右の前記堰板17,19の水圧抵抗力を増大させるために補強手段86を採用している。該補強手段86は、本実施例においては図2に示すように、左右の前記堰板17,19と前記突出部77,78の水路上流側の面部87とを溶接により、連結板89で連結する手段として構成されている。
【0048】
前記取水可動堰3は、前記水路2に介在されて上下動できるように構成されている。本実施例においては図1~2に示すように、左右の前記堰堤65,66の対向する内側面90,91に上下方向に連続して設けられた左右のガイド溝92,93に、前記突出部77,78の外端側の部分95,96が嵌め入れられることによって、該取水可動堰3が該ガイド溝92,93に沿って上下動可能に構成されている。
【0049】
左右の前記突出部77,78の左右の前記外端側の部分95,96を、対向する前記ガイド溝92,93に嵌め入れた状態で、図2図11に示すように、両前記堰板17,19の先端17a,19aは前記堰堤65,66の内側面90,91に近接した状態にある。そこで図2図11に示すように、該先端17a,19aと該内側面90,91との間の隙間を通して水路水が漏出するのを防止するために、前記堰板17,19の先端側の水路上流側の面部100,100に、上下に長いヒレ状の止水ゴム101をボルト固定し、該止水ゴム101の先端縁部分102を、前記堰堤65,66の前記内側面90,91に弾性圧接状態としている。
【0050】
対向する左右の前記ガイド溝92,93は図1~2に示すように、上下に長い柱状の左右の溝形鋼103,105を、左右の前記ガイド溝92,93の開口を向き合わせて配設して形成されている。左右の柱状の該溝形鋼103,105は、図1に示すように、堰堤65,66の上方に延長されており、その上端相互が横架材106で連結されている。
【0051】
又、前記突出部77,78の下流側の面部107,109には、図2~3、図12に示すように、前記ガイド溝92,93の上流側に向く内側面110,111に突設した楔状の規制突片112と係合し得る楔状の規制突片113が突設されており、前記取水型可動堰3が下降したときに、両該規制突片112,113の当接係合によって、前記取水可動堰3が、図1図4に示す最下降状態で安定するようになされている。
【0052】
前記取水可動堰3の上下動は、本実施例においては図1に示すように、ラック棒73とラック駆動装置121を具備してなる持ち上げ装置116を用いて行われる。該ラック棒73は、図1~3に示すように、左右に配置されている前記突出部77,78の夫々の上面117,119に溶接されてなる支持部材76,76(図1~3)に軸支されて上方に延長し、上下方向に連続してラックが設けられている。該ラック棒73は、前記横架材106に設けた図示しない上下方向の挿通孔に挿通せしめられ、該横架材106(図1)の上方に突出されると共に該横架材106の上面部の左右端側には、前記ラック駆動装置121,121が設けられている。
【0053】
左右の前記ラック駆動装置121,121は、回転連結軸122で連結されており、一方のラック駆動装置121aに設けられた減速電動機123にて正逆駆動操作されることによって、前記回転連結軸122の両端に設けられた図示しないピニオンが回転せしめられ、これにより左右のラック棒73,73が上下動し、これに伴って前記取水可動堰3が上下動するように構成されている。
【0054】
前記取水可動堰3の下端面部6には、前記のように、前記取水スクリーン5で取水された水を放出させる前記下端開放部7が設けられている(図4)。該下端開放部7は、本実施例においては図7に示すように、前記延長水平下板部27に、前記水路の延長方向に長い長方形状を呈する下端開放部7を、水路幅方向に所要間隔を置いて例えば3本並列して構成されている。
【0055】
又前記集水凹所10は、本実施例においては図4~5に示すように、前記水路2の水路底部を掘り下げて設けられており、平面視で、前記水路2の延長方向に長い矩形状を呈し、上端が開放されている。該集水凹所10は本実施例においては、コンクリートを打設して形成されており、その内壁面部126及びその上端周縁部分127が、ステンレス板等の鋼板で被覆されている。これによって、水路増水時に水路を流れてきた大きな石や流木によって該集水凹所10が損傷されるのを防止できる。
【0056】
該集水凹所10は、本実施例においては図4~5に示すように、前記水路2の延長方向で見た水路上流側の内壁面部129及び、対向する両側壁面部130,130が垂直面部として形成され、水路下流側の内壁面部131は、その下端からその上端に向けて水路下流側に上向きに傾斜する傾斜面部131aとされ、前記集水凹所10の底面部134は水平面部とされている。該傾斜面部131aの水平面に対する傾斜角度は40度程度に設定されている。
【0057】
そして図4に示すように、前記取水可動堰3が下降して該取水可動堰3が前記水路2の水路底部9に設置された堰止め状態で、前記下端面部6が該集水凹所10の前記上端部10aに被って前記下端開放部7が該集水凹所10に連通し、該集水凹所10と前記下端面部6との間に、前記取水スクリーンで取水された水を集水する前記集水部11が形成される。
【0058】
該堰止め状態を得るために、本実施例においては図4(A)(C)に示すように、前記取水箱状体12の水路上流側の面の下端部分132と前記堰板17,19の水路上流側の面の下端部分とに亘って連続状態で止水ゴム133を配置し、該止水ゴム133をボルト固定している。該止水ゴム133は、前記取水箱状体12の下端面から下方向に20mm程度突出させる。そして、前記取水可動堰3が前記水路底部9に設置された状態で該止水ゴム133の下端縁部135が該水路底部9に圧接されるように構成されており、該圧接によって、前記堰止め状態が得られるようになされている。
【0059】
又前記のように、前記下端面部6が前記集水凹所10の上端部10aに被った状態は、本実施例においては図4(A)に示すように、前記集水凹所10の前記上端周縁部分127と前記下端面部6の周縁部分136とが当接した当接状態で行われている。該当接状態は、相互が隙間なく接する当接状態とされることの他、相互間に僅かな隙間を形成する当接状態とされることもある。該僅かな隙間は、該上端周縁部分127の不陸によって自ずから形成される他、例えば、該上端周縁部分127と前記下端面部6の前記周縁部分136との間に所要間隔で介在された介在片間の隙間として形成される。本実施例においては、該上端周縁部分127の不陸によって相互間に僅かな隙間を形成する当接状態とされている。
【0060】
かかる当接状態とされることにより、前記下端面部6が前記集水凹所10の上端部10aに被って、図4に示すように、前記下端開放部7が該集水凹所10に連通した状態となり、前記取水可動堰3の前記下端面部6と前記集水凹所10との間に、前記取水された水を集水する集水部(該集水部の深さは例えば30~40cm程度)11が形成される。
【0061】
そして、前記集水凹所10の一方の側面部130aには、図6に示すように、前記集水部11に収容されている水を融雪等に利用するための取水口139が設けられている。該取水口139は例えば矩形状の開口部140として構成されており、該開口部140は、開閉蓋板141で開閉可能となされている。該開閉蓋板141は、その上端縁部分142が該取水口139の上縁部分143に蝶番機構145を介して開閉可能に装着され、保持具を介して開状態で保持可能とされるように構成されている。そして前記取水時には、該開閉蓋板141が開状態で保持され、この状態で前記取水口139が、前記堰堤側で埋設状態に設けられている図示しない導水管の流入口に連通する。本実施例においては、該導水管が、前記堰堤66に設けた貯水槽146に連通されており、該貯水槽146内に水中ポンプ147が納設されている(図1~2)。
【0062】
然して、かかる構成を有する取水装置1を用いて取水を行うには、前記取水可動堰3を下降させ、該取水可動堰3が前記水路底部9に設置された堰止め状態とする(図1図4)。該堰止め状態で、該取水可動堰3の上端4で所要の越流水深(前記ガイド立壁61,62によって得られる3~10cm程度の水深)が得られ、且つ、前記取水可動堰3の前記下端面部6の周縁部分136が、前記集水凹所10の上端周縁部分127に、前記当接状態となる。前記取水可動堰3の上端4を越流した水路水は、図9に示すように、傾斜した前記スクリーン面51をその下流側に流れる。
【0063】
水路水が前記流水案内板52及び前記スクリーン面51を流下する際に、落ち葉等の塵芥が遮断され、流下水の一部が、前記取水スクリーン5の前記スリット50(図9)を通してその下面側35で落下する。このように落下した濾過水は前記集水部11に収容されて後、前記導水管を介して、前記堰堤に設けた前記貯水槽146に流入する。該流入水は、該貯水槽146内に納設された前記水中ポンプ147の稼働により、送水管148を介して所定場所に運ばれ、融雪や農業用水、工業用水等として利用される。
【0064】
本実施例においては、前記上端周縁部分127に対する前記周縁部分136の当接が、相互間に僅かな隙間がある当接状態であるため、前記集水部11に流入した水の一部は、該隙間を通して前記水路2に流出するが、この流出作用によって、水路水中の塵芥が前記集水部11に流入するのが防止される。
【0065】
ここで、本実施例に係る取水装置1による単位時間当たりの取水量と特許文献1に係る取水装置による単位時間当たりの取水量とを対比すると、本実施例に係る取水装置による取水量の方が多い。
【0066】
その理由は、特許文献1に係る取水装置にあっては、取水器の底部側が取水槽とされていたために、前記取水スクリーンの下端縁を該取水槽の下流端の上端縁に設定せざるを得なかったのに対して、本実施例に係る取水装置にあっては、特許文献1に係る取水スクリーンの下端縁を水路底部に近接させることができる(図4)。これにより、前記取水槽の略高さの分( 30~40cm程度分)だけ該取水スクリーンを下方向へ傾斜状態で延長できることとなって、前記取水スクリーンの取水面積の増大を図り得るからである。
【0067】
そして、融雪等を目的として一時期だけ取水する場合や、夏場等集水を要しない時期、或いは、大水で水路の水位が異常に上昇した場合においては、図1に一点鎖線で示すように、前記取水可動堰3を上昇状態とする。このようにして取水可動堰3を上昇させると、該取水可動堰3で堰き止められていた塵芥が流水に乗って前記集水凹所10に流入することになる。しかし、このように塵芥が流入しても、前記水路下流側の内壁面部131が上向きの傾斜面部131aとされていることから、前記集水凹所10に流入した塵芥を、水路水の流速を利用して排除させ易い。なお本実施例においては、前記集水凹所10の内面部がステンレス板等の鋼板で被覆されているため、前記塵芥の排除を、摩擦を軽減してより円滑に行うことができる。
【0068】
前記集水凹所10の塵芥を排除して後、塵芥の進入を防止するために前記取水口139(図6)を前記開閉蓋板141で閉じる。
【0069】
又本実施例に係る取水装置1は、前記取水可動堰3の下端面部6に前記下端開放部7が設けられることによって前記取水可動堰3の下端が開放されており、特許文献1におけるような取水槽は具えておらず、水路底部9を掘り下げて凹設された集水凹所10と前記下端面部6との間に前記集水部11が形成されるように構成されている。そのため本実施例に係る取水装置1によるときは、特許文献1に係る取水装置におけるように、前記可動堰の上昇時に多くの水( 多い場合は2~3t )を同時に持ち上げなければならないといったことがない。かかることから、本実施例に係る取水装置1によるときは、該取水可動堰3の持ち上げ荷重が小さくて済む。それ故、本実施例に係る取水装置1にあっては、従来のような能力の大きい持ち上げ装置を必要とせず、持ち上げ装置116(図1)の小型化によって取水装置のコスト低減を図り得る経済性がある。
【0070】
又該取水装置1は、前記集水部11を、前記集水凹所10と前記下端面部6との間で形成するため、特許文献1で必須とした取水槽を必要としない。そのため、本実施例に係る取水装置1によるときは、該取水可動堰3の構成部材のサイズをより小さくでき、又、該取水可動堰3の構成を簡易化できて該取水可動堰3の軽量化を図ることができる。従って本実施例に係る取水装置1によるときは、該取水装置1を施工現場で組み立てる際の施工性向上及び取水装置1の価格低減を図り得る経済性がある。
【0071】
特に本実施例に係る取水装置は、前記したように、前記取水可動堰3が前記取水箱状体12(図4)を有して構成されているので、以下、該取水箱状体を有してなる該取水装置1の特有の作用効果について言及する。
【0072】
前記取水可動堰3は、前記したように(図2等)、前記取水箱状体12の水路上流側の端部分13の、該水路の幅方向で見た左右端部15,16に、該幅方向に延長する左右の堰板17,19が左右逆方向に突設されており、該取水可動堰3が水路底部9に設置された状態で、該取水箱状体12と左右の該堰板17,19とが該水路2を閉じて水路水を堰上げして取水するように構成されている。該取水箱状体12は、金属板を以て形成されており、起立板部20の上端21で、水路下流側に向けて水平状態に突出する水平上板部22が突設されると共に、該起立板部20の下端23で前記水平下板部25が突設され、該水平下板部25の先端部26に前記延長水平下板部27が一体化状態で連結されてなる本体部29を有する。そして、該本体部29の左右の開放端30,31が左右の側面板32,33で閉塞され、水路下流に向けて下方に傾斜する取水スクリーン36の上下端37,39が、直接的又は間接的に、前記水平上板部22の先端部28と前記延長水平下板部27の先端部40に連結されることによって前記取水箱状体12が構成されている。
【0073】
そして、前記本体部29を構成する前記水平上板部22と前記起立板部20と前記水平下板部25とは、金属板の一連折曲によって剛性の高いチャンネル状体43として構成されている。且つ、前記本体部29の左右の開放端30,31は左右の側面板32,33で閉塞され、左右の該側面板32,33が該本体部29の補強リブとしても機能している。かかることから前記取水箱状体12は、剛性の高い構造体となっている。
【0074】
そのため、該取水箱状体12は、内部空間の全体が取水槽として機能できながら、水圧に対する強度が確保されている。
【0075】
然して、該取水箱状体12の前記左右端部に左右の堰板17,19が突設されてなる前記取水可動堰3が前記水路底部9に設置された状態で、前記水路2を閉じて水路水を堰上げできる。
【0076】
この点についてより詳しく説明すれば、水路2を閉じた該取水可動堰3に作用する水圧による曲げモーメントは、該水路2の幅方向の中央側程大きく作用することから、水路底部9に設置状態にある前記取水箱状体12に大きな曲げモーメントが作用することになるが、該取水箱状体12は、前記のようにその剛性が高いことから、該曲げモーメントに抵抗できる。該取水箱状体12は前記したように、多数の連結材や多数の補強材を用いて補強された構成ものでないにも関わらず前記したように剛性の高い構造体とされており、水圧に対する強度が確保されているからである。
【0077】
具体的には、第1に、前記本体部29が、前記水平上板部22と前記起立板部20と前記水平下板部25とによって、剛性の大なる前記チャンネル状体43(図4)が形成されているためである。第2に、特許文献1の前記可動堰は取水器とは独立しており、堰として機能できるのは該可動堰単体のみであったのに対して、本発明においては、内部空間の全体が取水槽ともなり得る剛性の大なる前記取水箱状体12の全体が堰として機能できるからである。
【実施例2】
【0078】
図13~15は、本発明に係る取水装置1の他の実施例を示すものであり、その基本的構成は、実施例1におけると同様であって、水路底部9が平坦状をなす水路2に介在されて上下動し得る取水可動堰3を具備し、該取水可動堰3は、その上端4を越流した水路水を流下させ且つ流下水の一部を濾過して下面側35で取水可能とする取水スクリーン5が、水路下流に向けて下方に傾斜する状態(その傾斜角度は、実施例1における場合と同様で、垂直線に対して30~35度)で設けられており、該取水可動堰3の下端面部6には、該取水スクリーン5で取水された水を放出させる、実施例1におけると同様構成の下端開放部7が設けられている。前記水路2の水路底部9には集水凹所10が凹設されており、前記取水可動堰3が下降して該水路底部9に設置された堰止め状態で、前記下端面部6が該集水凹所10の上端部分10aに被って前記下端開放部7が該集水凹所10に連通し、該集水凹所10と前記下端面部6との間に、前記取水スクリーン5で取水された水を集水する集水部11が形成されるように構成されている。本実施例において、前記取水可動堰3が前記取水箱状体12を有して構成されている点、及び該取水可動堰3を上下動させる構成は、実施例1におけると同様であるため、その説明を省略する。
【0079】
本実施例に係る取水装置1が実施例1に係る取水装置1と相違するのは、前記取水可動堰3の前記下端面部6が、前記下端開放部7を有する下端面部本体150の下流側の端部(以下、下流端部という)151にカバー板部152が連設されてなる点である。該下端面部6が、前記集水凹所10の上端部分10aに被ることにより、前記下端開放部7が該集水凹所10の内の上流側をなす部分153に連通し、前記カバー板部152が、前記集水凹所10の内の下流側をなす部分155の上端開放部156を閉蓋した状態となる。これにより、前記集水凹所10と前記下端面部6との間に、前記取水された水を集水する前記集水部11が形成されるようになされている。
【0080】
前記下端面部本体150は、本実施例においては、例えば実施例1におけると同様に、開口部からなる前記下端開放部7が形成されている。前記取水可動堰3が下降してこれが前記水路2の水路底部9に設置された前記堰止め状態で、前記下端面部6の周縁部分136の全周が該集水凹所10の上端周縁部分127(図13~15)の全周に亘って当接状態となることにより(図13~14)、前記のように、前記下端面部6が前記集水凹所10の上端部分10aに被った状態となる。このように被った状態で、前記下端開放部7が、該集水凹所10の内の前記上流側をなす部分153に連通し、前記カバー板部152が、前記集水凹所10の内の前記下流側をなす部分155の上端開放部156を、前記水路2の延長方向である水平状態を呈して閉蓋した状態となる。これにより、前記取水可動堰3の前記下端面部6と前記集水凹所10との間に、前記取水された水を集水する前記集水部(該集水部の深さは例えば30~40cm程度)11が形成される。
【0081】
ここに、前記堰止め状態は、実施例1におけると同様にして止水ゴム133(図14)を付設して行われている。又、前記水路底部9に対する前記取水可動堰3の前記下端面部6の当接状態は、相互が略隙間なく接する当接状態とされることの他、相互間に僅かな隙間を形成する当接状態とされることもある。該僅かな隙間は、前記上端周縁部分127の不陸によって自ずから形成されることの他、例えば、該上端周縁部分127と前記下端面部6の前記周縁部分136との間に所要間隔で介在された介在片間の隙間として形成される。本実施例においては、相互間に僅かな隙間を形成する当接状態とされている。
【0082】
水平状態を呈して閉蓋状態にある前記カバー板部152は、水路水に含まれている塵芥が前記集水凹所10に流入するのを防止する。該カバー板部152は、例えばステンレス製の板体を以て構成されており、その厚さは6mm、前記水平状態で見ての水平方向長さ(前記水路の延長方向で見た長さ)は400~500mmに設定されている。
【0083】
本実施例において該カバー板部152は、図14に示すように、これを前記水平状態で見て、水路上流側の端部157が、前記下端面部6の前記下流端部151に、蝶番機構159を介して、前記水路2の幅方向軸線回りに、垂直面内で回動可能に枢着されており、図13~14に示す前記閉蓋した状態から図14に一点鎖線で示す傾斜した跳ね上げ状態を呈することができ、又、上昇状態では垂下状態を呈し得る。
【0084】
前記集水凹所10は、本実施例においては図13~14に示すように、前記水路2の水路底部9を掘り下げて凹設されており、平面視で、前記水路2の延長方向に長い矩形状を呈して上端が開放されている。
【0085】
該集水凹所10はコンクリートを打設して形成されており、実施例1におけると同様に、その内面部及び前記上端周縁部分がステンレス板等の鋼板で被覆されて保護されている。
【0086】
該集水凹所10は、図13~14に示すように、前記水路2の延長方向で見た水路上流側の内壁面部129及び、対向する両側壁面部130,130が垂直面部として形成され、水路下流側の内壁面部131は、その下端からその上端に向けて水路下流側に上向きに傾斜する傾斜面部131aとされ、前記集水凹所10の底面部134は水平面部とされている。該傾斜面部131aの水平面に対する傾斜角度は40度程度に設定されている。
【0087】
そして、一方の前記側壁面部130aの水路上流側の部分には、前記集水部11に収容されている水を融雪等に利用するための取水口139が設けられている。該取水口139は例えば矩形状の開口部として構成されており、該取水口139は、開閉蓋板141で開閉可能となされている。該開閉蓋板141は、本実施例においては、図13~14に示すように、123、その上縁部分142が該取水口139の上縁部分143に蝶番機構145を介して開閉可能に装着され、保持具を介して開状態で保持可能とされている。そして前記取水時には、前記開閉蓋板141が、図13に太い一点鎖線で示すように開状態で保持され、この状態で前記取水口139が、例えば、実施例1で説明したと同様にして前記堰堤に設けられた貯水槽(図示せず)に導水管144を介して連通する。
【0088】
然して、かかる構成を有する取水装置1を用いて取水を行うには、図13~14に示すように、前記取水可動堰3を下降させ、前記取水可動堰3の前記下端面部6の周縁部分136が前記集水凹所10の上端周縁部分127の全周に亘って当接した状態とする。即ち、前記取水可動堰3が前記水路底部9に設置された堰止め状態とする。該堰止め状態における該取水可動堰3の上端4での越流水深は30~50mm程度とされる。
【0089】
前記取水可動堰3の上端4を越流した水路水は、傾斜した前記スクリーン面51をその下流側に流れる。該スクリーン面51を流下する際に、落ち葉等の塵芥が遮断され、流下水の一部が取水スクリーン5の前記スリット50(図8)を通してその下面側で落下する。このように落下した水は前記集水部11に収容されて後、前記導水管144を介して前記貯水槽に流入し該貯水槽に納設されている水中ポンプの稼働によって、送水管を介して所定場所に運ばれ、融雪や農業用水、工業用水等として利用される。
【0090】
前記上端周縁部分127に対する前記下端面部6の周縁部分136の当接状態が、本実施例においては前記したように、該周縁部分136の全周と前記上端周縁部分127との間に僅かな隙間を形成する当接状態とされている。そのため、前記集水部11に流入した水の一部は、該僅かな隙間を通して前記水路に流出する。この流出作用によって、水路水中の塵芥が前記集水部11に流入するのが防止される。
【0091】
ここで、本実施例に係る取水装置1による単位時間当りの取水量と特許文献1に係る取水装置による単位時間当たりの取水量とを対比すると、本実施例に係る取水装置による取水量の方が多い。
【0092】
その理由は、実施例1で述べたところと同様であり、本実施例に係る取水装置によるときは、特許文献1に係る前記取水槽の略高さの分( 30~40cm程度分)だけ前記取水スクリーン5を、下方向へ前記傾斜角度のまま傾斜状態で延長できることとなり、その結果、該取水スクリーン5の取水面積の増大を図り得るからである。
【0093】
そして、融雪等を目的として一時期だけ取水する場合や、夏場等集水を要しない時期、或いは、大水で水路の水位が異常に上昇した場合においては、前記取水可動堰3を図15に示すように上昇状態とし、前記水路2に存する前記取水口139は、塵芥の進入を防ぐために前記開閉蓋板141で閉じる。
【0094】
又、本実施例に係る取水装置1は、前記下端面部6に前記下端開放部7(図14)が設けられることによって、前記取水可動堰3の下端が開放されており、特許文献1におけるような取水槽は備えておらず、水路底部9を掘り下げて凹設された集水凹所10と前記下端面部6との間に、前記集水部11が形成されるように構成されている。そのため、本実施例に係る取水装置1によるときは、前記取水可動堰3の持ち上げ時に、多くの水( 多い場合は2~3t )を同時に持ち上げなければならないということがない。従って、該取水可動堰3の持ち上げ荷重は小さくて済む。かかることから、本実施例に係る取水装置1によるときは、従来のような能力の大きい持ち上げ装置を必要とせず、持ち上げ装置116(図1)の小型化によって前記取水装置のコスト低減を図り得る経済性がある。又該取水可動堰3は、特許文献1におけるような取水槽を備えていないことから、該取水可動堰3の構成部材のサイズをより小さくできると共に、その構成を簡易化でき、それ故、該取水可動堰3の軽量化を図ることができる。従って本実施例に係る取水装置1によるときは、前記取水装置1を施工現場で組み立てる際の施工性向上及び該取水装置の価格低減を図り得る経済性がある。
【0095】
前記取水可動堰3を持ち上げた状態で前記カバー板部152は、前記下端面部本体150の前記下流端部151(図14)で垂下状態となる。該垂下状態にある該カバー板部152は、強風で煽られると危険であるため、適宜、固定手段を介して前記取水可動堰3に固定するのがよい。
【0096】
なお、前記カバー板部152の前記水路延長方向の長さが例えば100~200mm程度の短い場合は、それ自体の剛性が大きいために、該カバー板部152を前記下流端部151に水平突出状態に一体に連結してもよい。この場合は、前記取水可動堰3が上昇状態において該カバー板部152は、前記取水可動堰3の前記下流端部151で水平突出状態とされる。
【0097】
このようにして取水装置1を持ち上げ始めると、図15に示すように、前記取水可動堰3で堰き止められていた塵芥が流水に乗って該集水凹所10に流入することになる。しかし、このように塵芥が流入しても、前記カバー板部152が、図15に示すように水流で持ち上げられて跳ね上げ状態となり且つ、前記水路下流側の内壁面部131が上向きの傾斜面部131aとされていることから、前記集水凹所10に流入した塵芥は水路水の流速によって良好に排除されることとなる。しかも、該カバー板部152の跳ね上げに伴う該塵芥の排除が、前記取水可動堰3の前記下端面部本体150の前記下流端部151よりも下流側に離れた場所で行われるため、該集水凹所10に流入した塵芥が舞い上がって前記取水スクリーン5に付着するのを抑制でき、該取水スクリーン5の清掃を容易化できて取水装置1の維持管理の容易化を期し得る。
【0098】
なお本実施例においては、前記集水凹所10の内面部がステンレス板等の鋼板で被覆されているため、前記塵芥の排除を、摩擦を軽減してより円滑に行うことができる。
【実施例3】
【0099】
図16~17、図18~19は、本発明に係る取水装置1の他の実施例を示すものであり、その基本的構成は、実施例1におけると同様であって、水路底部9が平坦状をなす水路に介在されて上下動し得る取水可動堰3を具備する。該取水可動堰3は、その上端4を越流した水路水を流下させ且つ流下水の一部を濾過して下面側35で取水可能とする取水スクリーン5が、水路下流に向けて下方に傾斜する状態で設けられており、該取水可動堰3の下端面部6には、該取水スクリーン5で取水された水を放出させる、実施例1におけると同様構成の下端開放部7が設けられている。前記水路2の水路底部9には集水凹所10が凹設されており、該取水可動堰3が下降して該水路底部9に設置された堰止め状態で、前記下端面部6が該集水凹所10の上端部10aに被って前記下端開放部7が該集水凹所10に連通し、該集水凹所10と前記下端面部6との間に、前記取水スクリーン5で取水された水を集水する集水部11が形成されるように構成されている。そして本実施例において、前記取水可動堰3が前記取水箱状体12を有して構成されている点、及び該取水可動堰3を上下動させる構成は、実施例1におけると同様であるため、その説明を省略する。
【0100】
本実施例に係る取水装置1が実施例1、2に係る取水装置1と相違するのは、実施例1、2で説明した集水部11とは異なる下記構成の集水部11を具える点にある。
【0101】
即ち、前記水路2の前記水路底部9に凹設された底部凹所160が、上下動可能の昇降仕切板161で水路幅方向に仕切られることによって、該昇降仕切板161よりも水路上流側をなす前記集水凹所10が形成されるようになされている。該昇降仕切板161は、前記取水可動堰3の前記下端面部6の下流端部151で下設されており、前記取水可動堰3の下降に伴う前記昇降仕切板161の下降により前記集水凹所10が形成され、前記取水可動堰3の前記下端面部6が該集水凹所10の上端部10aに被る。且つ、該下端面部6の周縁部分136の全周が前記集水凹所10の上端周縁部分127(図16)の全周に亘って当接状態となることにより、前記のように、前記下端開放部7が該集水凹所10に連通し、該集水凹所10と前記下端面部6との間に、前記取水スクリーン5で取水された水を集水する前記集水部11が形成されるものである。該集水凹所10と該集水部11は同時的に形成される。
【0102】
前記底部凹所160は、図16~17、図18~19に示すように、前記水路2の水路底部9を掘り下げて凹設されており、平面視で、前記水路2の延長方向に長い矩形状を呈して、上端が開放されている。該底部凹所160はコンクリートを打設して形成されており、実施例1におけると同様に、その内面部及び前記上端周縁部分がステンレス板等の鋼板で被覆されて保護されている。該底部凹所160は、前記水路2の延長方向で見た水路上流側の内壁面部129及び、対向する両側壁面部130,130が垂直面部として形成され、水路下流側の内壁面部131は、その下端からその上端に向けて水路下流側に上向きに傾斜する傾斜面部131aとされ、前記底部凹所160の底面部134は水平面部とされている。該傾斜面部131aの水平面に対する傾斜角度は40度程度に設定されている。そして、図16図18に示すように、一方の前記側壁面部130aの水路上流側の部分には、前記集水部11に収容されている水を融雪等に利用するための取水口139が設けられている。該取水口139は例えば矩形状の開口部として構成され、該取水口139は、開閉蓋板141で開閉可能となされている。該開閉蓋板141は、その上端縁部分142が該取水口139の上縁部分143に蝶番機構145を介して開閉可能に装着され、保持具を介して開状態で保持可能とされている。そして、前記取水可動堰3が図16~17、図18~19に示すように水路2を完全に閉じた状態で行われる前記取水時には、該開閉蓋板141が開状態で保持され、この状態で前記取水口139が、例えば、実施例1で説明したと同様にして前記堰堤に設けられた貯水槽(図示せず)に、導水管144を介して連通する。
【0103】
前記昇降仕切板161は、図17図19に示すように、前記取水可動堰3の前記下端面部6の前記下流端部151で垂下状態に下設されており、前記取水可動堰3の下降に伴う該昇降仕切板161の下降によって、該取水可動堰3の前記下端面部6が該集水凹所10の上端部10aに被る。前記下端面部6の周縁部分136の全周が前記集水凹所10の上端周縁部分127(図16図18)の全周に亘って当接状態となることにより、該被った状態(前記取水可動堰3が前記水路底部9に設置された状態)が得られている。このように被った状態で、前記下端開放部7が該集水凹所10に連通し、該取水可動堰3の前記下端面部6と該集水凹所10との間に、前記取水スクリーン5で取水された水を集水する前記集水部(該集水部の深さは、例えば30~40cm程度)11が形成される。
【0104】
ここに、前記堰止め状態は、実施例1におけると同様にして止水ゴム133(図17図19)を配設して行われている。又、前記水路底部9に対する前記取水可動堰3の前記下端面部6の当接状態は、相互が略隙間なく接する当接状態とされることの他、相互間に僅かな隙間を形成する当接状態とされることもある。該僅かな隙間は、前記上端周縁部分127の不陸によって自ずから形成される他、例えば、前記上端周縁部分127と前記下端面部6の前記周縁部分136との間に所要間隔で介在された介在片間の隙間として形成される。本実施例においては、相互間に僅かな隙間を形成する当接状態とされている。
【0105】
前記昇降仕切板161は、前記水路2の延長方向と直交する方向に延長するステンレス製の矩形板体を以て構成されており、その厚さは例えば20mmである。該昇降仕切板161が下降状態においては、図16~17、図18~19に示すように、その下端部162が前記底部凹所160の底部163に当接状態となり、その直交する方向で見た両端側部165,165は、図16図18に示すように、その全長に亘って、前記底部凹所160の対向する前記側壁面部164に当接状態となり、該下降状態が保持されることによって、該底部凹所160の、該昇降仕切板161より上流側の部分によって前記集水凹所10が形成される。
【0106】
該昇降仕切板161は、前記のように、前記取水可動堰3の前記下端面部6の前記下流端部151で垂下状態に吊下されているが、該吊下構成には2種類がある。
【0107】
その第1構成は、図16~17に示すように、該昇降仕切板161が垂下状態で、その上端部166が前記下流端部151に固定状態に連結された吊下構成のものである。その第2構成は、該昇降仕切板161が垂下状態で、その上端部166が前記下流端部に151に、例えば蝶番機構168(図19)を介して、垂直面内で回動可能(前記水路2の延長方向と直交する軸線回りで回動可能)に枢着された吊下構成のものである。
【0108】
ところで、前記集水部11は、前記取水可動堰3の前記下端面部6が前記集水凹所10の前記上端部分10aに被ることによって形成される。前記下端面部6の周縁部分136の(図17図19)の全周が前記集水凹所10の上端周縁部分127(図16図18)の全周に亘って当接状態となることによって、該被った状態が得られているが、本実施例においては、前記第1構成における「前記昇降仕切板161の前記上端部166と前記下端面部6の前記下流端部151とが固定状態に連結されている連結状態」にある場合も前記第2構成における「前記昇降仕切板161の前記上端部166と前記下流端部151とが枢着された連結状態」にある場合も、前記下端面部6の前記周縁部分136が前記昇降仕切板161の上端に当接状態にあるとする。
【0109】
そして、前記第1構成による場合は、前記昇降仕切板161がその垂下状態で、その形態が固定されているため、該昇降仕切板161を前記底部凹所160で下降状態とすれば、自ずから、その下端部162が前記底部凹所160の前記底部163に当接状態となり、且つ、その両側端部165,165が前記底部凹所160の対向する前記側壁面部164,164に当接状態となり、これによって、前記集水された水の水圧に耐える前記集水凹所10が形成されることとなる。
【0110】
一方、前記第2構成による場合は、前記昇降仕切板161がその垂下状態で、その上端部166が前記下流端部151に回動可能に枢着されているため、前記第1構成におけるように前記昇降仕切板161を前記底部凹所160で単に下降状態としただけでは、該昇降仕切板161は前記取水された水の水圧に耐えられず、水圧で水路下流側に跳ね上がった状態となり、所要の集水凹所10を形成できないことになる。
【0111】
そこで該第2構成を採用する場合は、図19~20に示すように、前記対向側壁面部164,164に、該昇降仕切板161の両側の縁部分167,167の内の夫々の下端側の縁部分169,169を嵌入させるための嵌入溝部170,170(図20(B))を設けている。該嵌入溝部170,170は、該下端側の縁部分169,169を挟む一対の保持片171,171を該対向側壁面部164の夫々に固設することによって構成できる。本実施例においては、前記嵌入溝部170を形成する該一対の保持片171,171を、前記底部凹所160の前記底部163にも、所要間隔で配置している。これにより、前記昇降仕切板161を前記底部凹所160で下降させて、両側の該下端側の縁部分169,169を、両側の該嵌入溝部170,170及び、前記底部163に設けられている前記嵌入溝部170,170に嵌入させると、前記取水された水の水圧に耐える前記集水凹所10を形成でき、前記集水部11を形成できることとなる。
【0112】
該集水部11の収容水は、実施例1で説明したと同様に、前記集水凹所10の側面部に設けた取水口139から、前記導水管144を介して貯水槽内に流入し、該貯水槽内に納設されている水中ポンプの稼働によって送水管を介して所定場所に運ばれ、融雪や農業用水、工業用水等として利用される。
【0113】
特に該第2構成に係る吊下構成を採用する場合は、昇降仕切板161の両側の縁部分167,167の上下方向全体を嵌入させるための溝部を設けることとはせず、該昇降仕切板161の両側の縁部分167,167の内の下端側の縁部分169,169を嵌入させるための前記嵌入溝部170,170(図20(B))を設けている。そのため、例えば取水を要しない時期において前記取水可動堰3を持ち上げ状態とする際、前記昇降仕切板161が前記取水可動堰3の上昇に伴って上昇することになるが、前記両側の縁部分167,167の下端側の縁部分169,169が前記両側の嵌入溝部170,170から外れると、前記昇降仕切板161は自ずから図21に示すように、水流の勢いで水路下流側に向けて斜めに開いた状態となる。この開いた状態は、前記取水可動堰3が多少持ち上げられた直後に生ずるため、この直後に、該取水可動堰3で堰き止められていた塵芥が流水に乗って前記底部凹所160に流入することとなる。このように流入した塵芥は、斜めに開いた前記昇降仕切板161の下側に間隙172が生じ且つ前記水路下流側の内壁面部131が上向きの傾斜面部131aとされていることから、前記底部凹所160に流入した塵芥は、該間隙172を通して、水路水の流速によって良好に排除されることとなる。
【0114】
これによって、該底部凹所160に流入した塵芥が舞い上がって前記取水スクリーン5の下面側173に付着するのを抑制でき、該取水スクリーン5の清掃を容易化できて取水装置1の維持管理の容易化を期し得ることとなる。
【0115】
なお本実施例においては、前記底部凹所160の内面部がステンレス板等の鋼板で被覆されているため、該塵芥排除を、摩擦を軽減してより円滑に行うことができる。
【0116】
図22~24は、前記水路2の前記水路底部9に凹設された前記底部凹所160を、上下動可能の昇降仕切板161で閉じることによって、該昇降仕切板161よりも水路上流側をなす集水凹所10を形成し、前記取水可動堰3の前記下端面部6と該集水凹所10との間に、前記取水された水を集水する集水部11を形成する取水装置1の他の実施例を示すものであり、前記底部凹所160、前記集水凹所10、前記集水部11が、落差を有する水路底部9に設けられている。
【0117】
即ち該取水装置1は、上段の水路底部9aに段差部175を介して下段の水路底部9bが連なってなる、落差を有する水路底部9Aの該上段の水路底部9aに前記底部凹所160が凹設され、該底部凹所160は、水路下流側の端部176の全体が水路下流側に向けて開放されている。そして、該底部凹所160が、上下動可能の前記昇降仕切板161で閉じられることによって、該昇降仕切板161よりも水路上流側をなす集水凹所10が形成されるようになされている。
【0118】
この場合、該昇降仕切板161の下端部162と前記底部凹所160の底面部163との当接部177(図23)、及び、該昇降仕切板161の両側の縁部179,179と前記底部凹所160の対向する側壁面部180,180との当接部184(図22)は、パッキンを介して水密状態とされる。
【0119】
該昇降仕切板161は、前記と同様にして前記取水可動堰3の前記下端面部6の下流端部151で下設されており、前記取水可動堰3の下降に伴う前記昇降仕切板161の下降により前記集水凹所10が形成される。
【0120】
そして、前記取水可動堰3の前記下端面部6の周縁部分136(図23)の全周が、前記集水凹所10の上端周縁部分127(図22)の全周に亘って当接状態128となることによって、該下端面部6が該集水凹所10の上端部分10aに被った状態が得られている。このように被った状態で、前記下端開放部7が前記集水凹所10に連通し、該取水可動堰3の前記下端面部6と該集水凹所10との間に、前記取水された水を集水する前記集水部11が形成される。
【0121】
ここに、前記堰止め状態は、実施例1におけると同様にして止水ゴム133を配設して行われている。この場合、前記当接状態128は、パッキンを介して隙間なく接する当接状態とされている。
【0122】
該構成を有する取水装置1によるときは、前記水路底部9に段差部175が存することにより、前記底部凹所160の前記水路下流側の端部176の全体が水路下流側に向けて開放されている。そのため、前記第1構成及び前記第2構成の何れにあっても、前記取水可動堰3の上昇によって、堰き止められていた塵芥が流水に乗って前記底部凹所160に流入した場合、該塵芥を、全体が開放状態にある前記水路下流側の端部182を通して水路下流に向けて確実に排出させることができる。
【0123】
図23には、前記第2構成による場合が示されているが、この場合は、例えば取水を要しない時期において前記取水可動堰3を持ち上げ状態とする際、前記昇降仕切板161が前記取水可動堰3の上昇に伴って上昇することになる。この上昇において図20(B)に示すように、前記両側の縁部分167,167の下端側の縁部分169,169が前記両側の嵌入溝部170,170及び、前記底部163に設けられている前記嵌入溝部170から外れると、前記昇降仕切板161は自ずから図21に示すように、水流の勢いで水路下流側に向けて斜めに開いた状態となる。そのため、塵芥が前記底部凹所160に流入した場合、該塵芥は、より速やかに水路下端に向けて排出されることとなる。
【実施例4】
【0124】
図25~27は、本発明に係る取水装置1の他の実施例を示すものであり、その基本的構成は、実施例1におけると同様であって、水路底部9が平坦状をなす水路2に介在され且つ上下動し得る取水可動堰3を具備し、該取水可動堰3が下降した状態で水路水を堰上げして取水するように構成されている。該取水可動堰3は、その上端4を越流した水路水を流下させ且つ流下水の一部を濾過して下面側で取水可能とする取水スクリーン5が、水路下流に向けて下方に傾斜する状態で設けられており、該取水可動堰3の下端面部6には、該取水スクリーン5で取水された水を放出させる、実施例1におけると同様構成の下端開放部7が設けられている。前記水路2の水路底部9には集水凹所10が凹設されており、前記取水可動堰3が下降して該水路底部9に設置された堰止め状態で、前記下端面部6が該集水凹所10の上端部分10aに被って前記下端開放部7が該集水凹所10に連通し、該集水凹所10と前記下端面部6との間に、前記取水された水を集水する集水部11が形成されるように構成されている。
【0125】
そして本実施例において、前記取水可動堰3が前記取水箱状体12を有して構成されている点、及び該取水可動堰3を上下動させる構成は、実施例1におけると同様であるため、その説明を省略する。
【0126】
本実施例に係る取水装置1が実施例1、2、3に係る取水装置と相違するのは、実施例1、2、3で説明した集水部11とは異なる下記構成の集水部11を具える点にある。
【0127】
即ち、前記集水凹所10は、前記水路2の水路底部9に凹設された底部凹所160の水路上流側に設けられ、該底部凹所160は、前記取水可動堰3の前記下端面部6の下流端部151よりも水路下流側に延長しており、該底部凹所160の水路下流側をなす下流側底部凹所183に傾動堰板185が設けられている。該傾動堰板185は、水路幅方向に延長する板状を呈し、その下端面部186が該底部凹所183の底部187に当接状態となり得ると共に、その両側端部189,189が前記底部凹所160の対向する側壁面部190,190に当接状態となるように構成されている。又前記傾動堰板185は、その下端部188が前記底部凹所183の底部側に、例えば蝶番機構192で枢着されることによって、前記水路下流側における底部193に重なる倒状態195Aと、所要角度に立ち上がる立ち上がり状態195Bとの角度範囲で傾動可能であり、該傾動堰板185が該立ち上がり状態195Bで保持されることによって、該立ち上がり状態にある該傾動堰板185より水路上流側をなす前記集水凹所10が形成されるようになされている。そして、前記下端面部6の周縁部分136(図26)の全周が該集水凹所10の上端周縁部分127(図25)にその全周に亘って当接状態となることによって、前記取水可動堰3の前記下端面部6が該集水凹所10の上端部分10aに被り、前記下端開放部7が前記集水凹所10に連通し、該取水可動堰3の前記下端面部6と該集水凹所10との間に、前記取水された水を集水する集水部11が形成されるように構成されている。
【0128】
前記底部凹所160の構成及び、前記傾動堰板185の構成とその設置についてより具体的に説明すれば次のようである。前記底部凹所160は、本実施例においては図25~26に示すように、前記水路の水路底部9を掘り下げて凹設されており、平面視で、前記水路2の延長方向に長い矩形状を呈して、上端が開放されている。該底部凹所160はコンクリートを打設して形成されており、実施例1におけると同様に、その内面部及び前記上端周縁部分がステンレス板等の鋼板で被覆されて保護されている。
【0129】
該底部凹所160は、前記水路2の延長方向で見た水路上流側の内壁面部129及び、対向する両側壁面部130,130が垂直面部として形成され、水路下流側の内壁面部131は、その下端からその上端に向けて水路下流側に斜め上方に傾斜する傾斜面部131aとされている。又、前記底部凹所160の前記底面部の水路上流側の部分は上流側水平面部196とされると共に、水路下流側の部分は、該上流側水平面部196に段差部175を介して連設された下流側水平面部199とされ、該下流側水平面部199を底部200とする収容凹部201が形成されている。そして、前記傾動堰板185が該底部200に重なった倒状態で、該傾動堰板185は該収容凹部201に収容状態となる。前記傾斜面部131aの水平面に対する傾斜角度は40度程度に設定されている。
【0130】
前記傾動堰板185は、水路幅方向に延長し且つ両側端部189,189(図25)が前記底部凹所160の対向する前記側壁面部130,130に当接状態となり得る例えばステンレス製でその厚さが例えば100mmの矩形板状を呈している。
【0131】
前記傾動堰板185は、その前記下端面部186が前記底部187に当接状態となるように該下端部188が前記下端側底部凹所183の前記段差部175に前記蝶番機構192により枢着されており、図26に示すように、該底部193に重なる倒状態と、水路下流側から水路上流側に向けて所要角度に立ち上がる、実線で示されている上がり状態との角度範囲で傾動可能である。該立ち上がりの角度は例えば70度に設定されており、傾斜した該立ち上がり状態で、該傾動堰板185の上端縁部203は、前記底部凹所160の上端に近接状態にある。
【0132】
該傾動堰板185の該立ち上がり状態は、例えば、該傾動堰板185の上端縁部に設けた第1の係合部材を前記下端面部6の前記下流端部151に設けた第2の係合部材に着脱可能に係合させて保持される。該保持状態で、該傾動堰板185より水路上流側をなす前記集水凹所10が形成される。
【0133】
そして、前記取水可動堰3の前記下端面部6の周縁部分136(図26)の全周が、前記集水凹所10の上端周縁部分127(図25)の全周に亘って当接状態となることによって、該下端面部6が該集水凹所10の上端部分10aに被った状態が得られている。本実施例において、前記「当接状態となる」とは、立上がり状態の前記傾動堰板185が存する部分において、前記周縁部分136が、該立ち上がり状態にある該傾動堰板185の前記上端縁部203に当接した状態となる場合の他、図26に示すように、前記周縁部分136が該上端縁部203に近接した状態となる場合も含む。
このように被った状態で、前記下端開放部7が前記集水凹所10に連通し、該取水可動堰3の前記下端面部6と該集水凹所10との間に、前記取水された水を集水する集水部11が形成されるようになされている。
【0134】
ここに、前記堰止め状態は、実施例1におけると同様にして止水ゴム133を配設して行われている。又、前記水路底部9に対する前記取水可動堰3の前記下端面部6の当接状態は、相互が略隙間なく接する当接状態とされることの他、相互間に僅かな隙間を形成する当接状態とされることもある。該僅かな隙間は、該上端周縁部分127の不陸によって自ずから形成される他、例えば、該上端周縁部分127と前記下端面部6の前記周縁部分136との間に所要間隔で介在された介在片間の隙間として形成される。本実施例においては、相互間に僅かな隙間を形成する当接状態とされている。
【0135】
融雪等を目的として一時期だけ取水する場合や、夏場等集水を要しない時期においては、図1に一点鎖線で示すと同様にして、前記取水可動堰3を上昇状態にするのであるが、このとき、前記第1の係合部材と前記第2の係合部材との前記係合が自動的に解除される。このように係合が解除されると、前記傾動堰板185は、その自重と水流、水圧の作用によって自動的に傾倒し、前記収容凹部201の前記底部200に重なった倒状態となる。このように傾倒させる際、前記収容凹部201に塵芥が堆積されているときは予め取り除いておく。
【0136】
該集水部11の収容水は、例えば実施例1で説明したと同様に、前記集水凹所10の一方の側壁面部130aに設けた取水口139から導水管144を介して貯水槽内に流入し、該貯水槽内に納設されている水中ポンプの稼働によって送水管を介して所定場所に運ばれ、融雪や農業用水、工業用水等として利用される。
【0137】
図27は、例えば取水を要しない時期において前記取水可動堰3が多少持ち上げられた状態を示すものであり、前記係合堰板185は、前記底部200に重なった状態にある。
【0138】
該状態で、前記取水可動堰3で堰き止められていた塵芥が流水に乗って前記集水凹所10に流入することになるが、該流入した塵芥は、水路水の流速によって良好に排除されることとなる。
【0139】
この場合、流水の流れ状態を整えるために、例えば図27に一点鎖線で示すように、前記傾動堰板185を、前記における立ち上がり状態よりも立ち上がりの角度が稍小さい傾斜状態で保持することもできる。
【0140】
図28~30は、前記水路底部9に凹設された底部凹所160で、前記傾動堰板185を所要角度の立ち上がり状態で保持させることによって前記集水凹所10を形成し、該集水凹所10と前記下端面部6との間に、前記取水された水を集水する集水部11を形成する取水装置1の他の実施例を示すものであり、前記底部凹所160、前記集水凹所10、前記集水部11が、落差を有する水路底部9A に設けられている。
【0141】
即ち、該取水装置1を構成する前記集水凹所10は、上段の水路底部9aに段差部175を介して下段の水路底部9bが連なってなる、落差を有する水路底部9Aの該上段の水路底部9aに凹設された底部凹所160の水路上流側に設けられている。該底部凹所160は、前記下端面部6の前記下流端部151 よりも水路下流側に延長しており、且つ、該底部凹所160の前記水路2の下流側の端部176の全体が前記水路の下流側に向けて開放されている。又、前記底部凹所160の水路下流側をなす下流側底部凹所183に前記傾動堰板185が設けられている。該傾動堰板185は、水路幅方向に延長し且つ両端部206,206が前記底部凹所160の対向側壁面部207,207に当接状態となり得る板状を呈する。
【0142】
該傾動堰板185は、その下端部188が前記底部凹所183の底部側に蝶番機構192で枢着されることによって前記水路下流側における底部200に重なる倒状態と、所要角度に立ち上がる立ち上がり状態との角度範囲で傾動可能である。
【0143】
該立ち上がりの角度は、例えば70度に設定されている。図29に示すように、該傾動堰板185が該立ち上がり状態で保持されることによって、該立ち上がり状態にある該傾動堰板185より水路上流側をなす前記集水凹所10が形成されるようになされている。
【0144】
この場合、該傾動堰板185の下端部188と前記底部凹所160の底部187との当接部211、及び、該傾動堰板185の両端部206,206と対向する前記側壁面部207,207との当接部213は、パッキンを介して水密状態とされている。
【0145】
そして、前記下端面部6の周縁部分136(図29)の全周が、前記集水凹所10の上端周縁部分127(図28)の全周に亘って当接状態となることによって、該下端面部6が該集水凹部10の上端部分10aに被った状態が得られている。該被った状態で、前記下端開放部7が前記集水凹所10に連通し、該取水可動堰3の前記下端面部6と該集水凹所10との間に、前記取水された水を集水する集水部11が形成される構成を有している。
【0146】
該構成を有する取水装置1の利点は、前記水路底部に段差部175が存することを利用して、底部凹所160の前記水路下流側の端部176の全体を水路下流側に向けて開放させることができる点である。
【0147】
このため図30に示すように、前記傾動堰板185を、前記底部187に重なる倒状態にすると、前記取水可動堰3の上昇によって、堰き止められていた塵芥が流水に乗って前記底部凹所160に流入したとき、該塵芥を、全体が開放状態にある前記底部凹所160の前記水路下流側の端部176を通して水路下流に確実に排出できる利点がある。なお本実施例においては、前記底部凹所160の内面部がステンレス板等の鋼板で被覆されているため、該塵芥排除を、摩擦を軽減してより円滑に行うことができる。
【実施例5】
【0148】
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
【0149】
(1) 前記各実施例において、前記集水部11への塵芥の流入をより確実に防止するため、前記下端面部6の周縁部分136に柔らかいブチルゴム等からなるゴム板(厚さは10~20mm)が貼着することがある。これにより、前記下端面部6の前記周縁部分136の全周が、前記ゴム板を介して前記集水凹所10の上端部分の全周に亘って当接することとなる。このように構成することによって、前記取水可動堰3の前記下端面部6が前記集水凹所10の前記上端部10aに被った状態は、該周縁部分136と前記集水凹所10の上端周縁部分127との当接状態が、相互が隙間なく接する当接状態となる。
【0150】
(2) 前記取水可動堰3の前記下端面部6に設ける前記下端開放部7、又、前記下端面部本体150に設ける前記下端開放部7の大きさや配置状態は、前記下端面部6や前記下端面部本体150の強度を所要に確保しつつ、前記取水スクリーン36で取水された水を前記集水部11に放出させることができるものであればよい。
【0151】
(3) 前記チャンネル状体として構成されている前記本体部29の強度をそれ程損なわない限り、前記下端開放部7を、例えば図7に一点鎖線で延長して示しているように、前記延長水平下板部27と前記水平下板部25とに亘って設けてもよい。
【0152】
(4) 前記持ち上げ装置116は、前記取水可動堰3の上端に下端が連結されたスピンドルを用いるスピンドル方式等、公知の各種手段を用いて構成できる。
【0153】
(5) 前記集水凹所10の、前記水路2の延長方向で見た水路下流側の内壁面部及び、前記底部凹所160の、前記水路の延長方向で見た水路下流側の内壁面部は、垂直面であってもよい。
【0154】
(6) 前記集水部11の収容水を、融雪や農業用水、工業用水等として利用するために所定場所に送給する手段は、前記取水口からの自然流下によって供給する手段や、前記集水凹所10に設置した水中ポンプによって、該収容水を所定場所に送給する手段を採用してもよい。このように集水凹所10に水中ポンプを配置する場合、該水中ポンプを、前記取水可動堰の上昇時に該取水可動堰と共に上昇するように構成してもよい。
【0155】
(7) 図31は、本発明に係る取水装置1の他の実施例を示すものである。該取水装置1は、特許文献1におけると同様に構成された、水路に介在され且つ上下動し得る可動堰部216の水路下流側の面部217に、取水器部219を一体に設けて構成されている。そして、該可動堰部216と該取水器部219とによって前記取水可動堰3が構成され、該取水器部219の底面部220が前記下端面部6となり、該下端面部6に、前記集水凹所10に連通する、例えば、前記と同様構成の下端開放部7が設けられ、該集水凹所10と該下端面部6との間に前記集水部11が設けられている。
【0156】
(8) 前記取水可動堰3が、前記取水箱状体12を有して構成される場合は、次のように構成することもできる。
【0157】
1)前記取水箱状体3を構成する前記本体部29は、前記水平上板部22と前記起立板部20と、前記水平下板部25と、前記延長水平下板部27とを、一枚の金属板を折曲して一連に形成する構成であってもよい。
2)前記取水箱状体12の容積は、水路の幅や水路の計画高水位、要求される取水量等を考慮して所要に設定される。
3)本発明の取水装置1の設置状況により、前記取水箱状体12の水圧に対する強度を更に向上させる必要のある場合は、図32に示すように、環状補強部材221を、前記取水箱状体12の内部に、その長さ方向(水路幅方向)で見た中間部に1個、乃至、該取水箱状体12に要求される剛性を考慮して、該長さ方向に所要間隔(例えば1m間隔)を置いて複数個配置し、環状補強部221を形成することがある。該環状補強部材221は、該取水箱状体12の内面部に溶接により固定する。該環状補強部材221をこのように配置する場合、前記スクリーン面51が存する部分においては、該環状補強部材221の先端面222は前記スクリーン面51に沿った傾斜端面225として形成される。そして、このように環状補強部材221を配置する場合における前記取水スクリーン5の配置状態は、該スクリーン面51と該傾斜端面225とが面一状態となるように、前記取水スクリーン5が該環状補強部材221で途切れた状態とするのがよい。
4)前記取水スクリーン5の上下端は、前記水平上板部22の先端部及び前記延長水平下板部27の先端部に、直接的に連結されてもよい。
【符号の説明】
【0158】
1 取水装置
2 水路
3 取水可動堰
5 取水スクリーン
6 下端面部
7 下端開放部
9 水路底部
10 集水凹所
11 集水部
12 取水箱状体
17 堰板
19 堰板
20 起立板部
22 水平上板部
25 水平下板部
27 延長水平下板部
29 本体部
32 側面板
33 側面部
43 チャンネル状体
61 ガイド立壁
62 ガイド立壁
116 持ち上げ装置
152 カバー板部
160 底部凹所
161 昇降仕切板
175 段差部
185 傾動堰板
【要約】
【課題】構成の簡易化、軽量化を図りつつ取水効率の向上を期し得る取水装置を提供する。
【解決手段】水路2に介在されて上下動し得る取水可動堰3を具備する。取水可動堰3が下降して水路底部9に設置された堰止め状態で、取水可動堰3の下端面部6が、水路底部9に凹設された集水凹所10の上端部分10aに被る。取水可動堰3は、その上端を越流した水路水を、傾斜した取水スクリーン5で流下させ、その一部を濾過取水する。取水された水は、取水可動堰3の下端面部6に設けられた下端開放部7から集水凹所10に流入する。
【選択図】図4
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