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特許7630208ナビゲーション制御装置及びこれを用いた方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-06
(45)【発行日】2025-02-17
(54)【発明の名称】ナビゲーション制御装置及びこれを用いた方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20250207BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20250207BHJP
   H01Q 1/32 20060101ALI20250207BHJP
【FI】
G01C21/26 A
B60R11/02 C
H01Q1/32 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2024144056
(22)【出願日】2024-08-26
【審査請求日】2024-09-02
(31)【優先権主張番号】P 2024063319
(32)【優先日】2024-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513270763
【氏名又は名称】株式会社エンラージ商事
(74)【代理人】
【識別番号】110002295
【氏名又は名称】弁理士法人M&Partners
(72)【発明者】
【氏名】奥山 夕偉
【審査官】武内 俊之
(56)【参考文献】
【文献】特許第7450994(JP,B1)
【文献】特許第7343949(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/32
B60R 11/02
G01C 21/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の位置情報用アンテナと、テレビ視聴機能及びナビゲーション表示機能を具備する車載表示装置との間に電気的に接続され、車両が走行中の前記テレビ視聴機能の制限を解除する機能を有するナビゲーション制御装置であって、
車両の位置情報用アンテナからの正常なアンテナ信号を前記車載表示装置が取得することを阻害可能な位置検知阻害装置と、
前記位置検知阻害装置の動作を切り替える切り替え装置と、
を備え、
前記車載表示装置は、前記テレビ視聴機能の制限を解除する機能を使用した場合であって、車速パルス信号に基づく情報と、位置情報システムに基づく情報との不一致によってエラーが発生し得るものであり、且つ、前記車載表示装置が前記位置情報アンテナの接続を検知できない状況が一定期間続いた場合も、エラーが発生し得るものであり、
前記位置検知阻害装置は、
前記位置情報用アンテナと、前記ナビゲーション制御装置との間に介在する、3つの直列接続されたRFスイッチと、
それぞれの前記RFスイッチの一つの端子に接続されたRF信号アイソレータと、
少なくとも前記RFスイッチと前記車載表示装置との間、及び、前記RFスイッチと前記位置情報用アンテナとの間に設けられたRF信号最適化モジュールと、を備え、
前記切り替え装置は、前記RFスイッチそれぞれの接続を切り替えるRFスイッチ切替装置であり、
前記ナビゲーション制御装置は、前記RFスイッチを介さずに前記車載表示装置に接続されたアンテナ負荷シミュレータを更に備え、
3つの直列接続された前記RFスイッチ、前記車載表示装置側に位置する前記RFスイッチ共通端子が前記車載表示装置側に位置し、残余の2つの前記RFスイッチ共通端子が前記位置情報用アンテナ側に位置するように接続されている、ナビゲーション制御装置。
【請求項2】
前記ナビゲーション制御装置は、前記RFスイッチの相互間にさらなるRF信号最適化モジュールを備える、請求項1記載のナビゲーション制御装置。
【請求項3】
前記RFスイッチは、CMOSスイッチである、請求項1又は2記載のナビゲーション制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載のナビゲーション制御装置を用いた方法であって、
前記車両の位置情報用アンテナからの前記アンテナ信号を、前記車載表示装置に第1の時間取得させるように、つの前記RFスイッチを制御する取得ステップと、
前記アンテナ信号を前記車載表示装置が取得することを第2の時間阻害させるように、つの前記RFスイッチを、いずれもが前記RF信号アイソレータに接続されるように制御する阻害ステップと、
を交互に行う、方法。
【請求項5】
前記第1の時間が90~120秒であり、
前記第2の時間が3~30秒である、請求項4記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両制御の技術分野に関し、特に、車載表示装置のテレビ視聴制限を解除するために用いられるナビゲーション制御装置及び切り替え機能付き位置情報用アンテナ並びにこれらを用いた方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車載表示装置は、ユーザがテレビ(地上波デジタル放送等)を視聴したり、カーナビゲーション情報を表示したりするために使用されている。一部の車載表示装置では、車両が高速走行中にはテレビ視聴機能が制限されるように制御される。テレビが正常に動作する条件は各メーカーで異なるが、例えば、シフト位置がPシフトであり、車速が0であり、且つ、車輪信号線が高い(電圧)レベルを維持することである。これらの情報はいずれも、CAN(コントローラ・エリア・ネットワーク)バスを通じて車載表示装置に与えられる。
【0003】
このような中、走行中にテレビを視聴可能としつつ、バックグラウンドでナビゲーションを可能にするための技術が提案されている(特許文献1,2)。また、このようなテレビ視聴制限の機能を解除する装置を使用している場合には、エラーメッセージが車載表示装置に表示されたり、一部の運転支援機能が使用不能になったりすることがあるが、このようなエラーメッセージの表示解除技術も提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第7313640号
【文献】特許第7343936号
【文献】特許第7343949号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献3の技術は、表示部にメッセージが表示される条件が成立した後にエラーの解除処理を行うものであり、エラーの発生自体を回避できないという問題があった。
【0006】
本発明は、以上に鑑みなされたものであり、車載表示装置のテレビ視聴機能の制限解除機能を使用した場合に、運転支援機能の使用不能などのエラーを未然に回避し得たナビゲーション制御装置及び切り替え機能付き位置情報用アンテナ並びにこれらを用いた方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のナビゲーション制御装置は、車両の位置情報用アンテナと、テレビ視聴機能及びナビゲーション表示機能を具備する車載表示装置との間に電気的に接続され、車両が走行中の前記テレビ視聴機能の制限を解除する機能を有するナビゲーション制御装置であって、
車両の位置情報用アンテナからの正常なアンテナ信号を前記車載表示装置が取得することを阻害可能な位置検知阻害装置と、
前記位置検知阻害装置の動作を切り替える切り替え装置と、を備える。
【0008】
本発明者は、車速パルス信号に基づく車速などの情報と、GPS(Global Positioning System)やGNSS(Global Navigation Satellite System)等の位置情報システムに基づく情報との不一致によって、このようなエラーが発生し得ることを知った。そして、上記のように、車載表示装置が正常なアンテナ信号を取得することを阻害可能な位置検知阻害装置を備えることで、位置情報システムに基づく正確な情報の取得が阻害され、車速パルス信号に基づく情報と、位置情報システムに基づく情報との不一致の発生を未然に回避できる。正常なアンテナ信号とは、GNSSアンテナなどの位置情報用アンテナが、GNSSの電波が十分に届く(測位可能な)状態で送信する信号を意味し、正常なアンテナ信号の取得の阻害とは、車載表示装置がアンテナ信号を取得できない、あるいは正常なアンテナ信号ではない信号を車載表示装置が受信することを意味する。正常なアンテナ信号ではない信号(正常ではないアンテナ信号)は、電波が十分に届かない(測位不可能な)状態で位置情報用アンテナが送信する信号や信号線内でのトラブルなどによって変化などを受けたアンテナ信号等を含む。
【0009】
ナビゲーション制御装置は、切り替え装置の動作を制御する制御装置を備えるものであってよい。
【0010】
位置検知阻害装置は、車両の位置情報用アンテナとは別個の、正常に機能しない位置情報用アンテナを備え、切り替え装置は、車載表示装置に接続されるアンテナを、車両の位置情報用アンテナと、正常に機能しない位置情報用アンテナと、の間で切り替えるものであってよい。
【0011】
正常に機能しない位置情報用アンテナは、正常に機能する位置情報用アンテナと、当該アンテナに伝わる電波を遮蔽する遮蔽部材と、を備えるものであってよい。
【0012】
正常に機能しない位置情報用アンテナは、アンテナ機能が低下させられた位置情報用アンテナであってよい。
【0013】
位置検知阻害装置は、アンテナ信号に干渉するアンテナ信号干渉装置を備え、切り替え装置は、アンテナ信号干渉装置のオンオフを切り替えるものであってよい。
【0014】
上記のナビゲーション制御装置を用いた方法は、車両の位置情報用アンテナからの正常なアンテナ信号を、車載表示装置に第1の時間取得させるように、切り替え装置を制御する取得ステップと、正常なアンテナ信号を車載表示装置が取得することを第2の時間阻害させるように、切り替え装置を制御する阻害ステップと、を交互に行う方法である。
【0015】
第1の時間及び第2の時間は機種に依存し得る値であり、適宜設定すればよい事項であるが、一例として、第1の時間が90~180秒、第2の時間が0秒より大きく30秒以下、とすることができる。この時間範囲は例示であって、第1の時間、第2の時間の一方または双方について、この範囲の外の値を用いてもよい。
【0016】
前記車載表示装置は、前記テレビ視聴機能の制限を解除する機能を使用した場合であって、車速パルス信号に基づく情報と、位置情報システムに基づく情報との不一致によってエラーが発生し得るものであり、且つ、前記車載表示装置が位置情報アンテナの接続を検知できない状況が一定期間続いた場合も、エラーが発生し得るものとすることができる。
【0017】
前記位置検知阻害装置は、
前記位置情報用アンテナと、前記ナビゲーション制御装置との間に介在する、3つの直列接続されたRFスイッチと、
それぞれの前記RFスイッチの一つの端子に接続されたRF信号アイソレータと、
少なくともと、前記RFスイッチと前記車載表示装置との間、及び、前記RFスイッチと前記位置情報用アンテナとの間に設けられたRF信号最適化モジュールと、を備え、
前記切り替え装置は、前記RFスイッチそれぞれの接続を切り替えるRFスイッチ切替装置であり、
前記ナビゲーション制御装置は、前記RFスイッチを介さずに前記車載表示装置に接続されたアンテナ負荷シミュレータを更に備え、
3つの直列接続された前記RFスイッチのうち、前記車載表示装置側に位置する前記RFスイッチは、その共通端子が前記車載表示装置側に位置し、残余の2つの前記RFスイッチは、その共通端子が前記位置情報用アンテナ側に位置するように接続されている構成とすることができる。
【0018】
ところで、一般に位置情報用アンテナは、セラミックアンテナと、LNA(Low Noise Amplifier)と、SAW(Surface Acoustic Wave)フィルタとを備えている。LNAにはセラミックアンテナとは別個に直流電源が供給される。
【0019】
本発明者は、位置情報用アンテナからの信号を遮断しつつも、その間アンテナの負荷(消費電力)をシミュレートする装置が車載表示装置に接続された構成とすることで、車速パルス信号に基づく情報と位置情報システムに基づく情報との間のエラーが生じるような不一致の発生を未然に回避できることを知った。上記構成ではLNAなどのアンテナの負荷による消費電力をシミュレートして、これによる電流を発生させるアンテナ負荷シミュレータを備えており、位置情報用アンテナからの信号が遮断されていても、アンテナ負荷シミュレータが車載表示装置に接続されていれば位置情報用アンテナが車載表示装置に接続されていると車載表示装置に認識させることができるので、車載表示装置が位置情報アンテナの接続を検知できない状況が一定期間続くことがなく、エラー発生を未然に防ぐことができる。
【0020】
ここで、本発明では、RF(Radio Frequency:高周波)スイッチとしては、SPDT(Single Pole Double Throw)またはSPMT(Single Pole Multi Throw)のものを用いるものとする。また、特に説明を行わない場合、RFスイッチとしてはSPDTのものを用いた場合の例を用いた場合を意味する。
【0021】
RFスイッチを用いて、位置情報用アンテナから車載表示装置への信号を遮断するようにする場合、RFスイッチを1つだけ使用する場合には本発明の目的上アイソレーションが十分ではなく、漏れ出した信号が本発明の機能に悪影響を及ぼしてしまう。このため、RFスイッチを3つ用い、且つ、それぞれのRFスイッチの1つの端子には、RF信号アイソレータを設けて、この端子からの信号の漏れ出しを抑制する。さらに、3つのRFスイッチの向きを全て同じとするのではなく、車載表示装置側のRFスイッチだけが、共通端子が車載表示装置側となるように配置する。このように接続することで、RFスイッチを3つとした場合でも、漏れ出した信号を確実にRF信号アイソレータに吸収させることができ、絶縁度を高めて位置情報用アンテナからの不要な信号が車載表示装置に伝わることを防止できる。
【0022】
なお、3つのRFアンテナを全て同じ向きで接続したり、真ん中に位置するRFアンテナを上記とは逆向きに接続したりした場合には、信号の漏れ出しに起因するエラーを十分に防止できず、十分な絶縁度を得るためには4つ目のRFスイッチが必要となってしまい、挿入損失(Insertion Loss)の増大につながるほか、コスト高、設置スペースの増大などを招いてしまう。
【0023】
このようにRFスイッチを用いる場合、少なくとも、3つのRFスイッチの上流側及び下流側に、それぞれRF信号最適化モジュールを設けることが必要となる。また、RFスイッチを用いる場合、LNAなどの電圧信号(直流電圧信号)はRFスイッチを超えて伝達されなくなるので、アンテナ負荷シミュレータはRFスイッチを介さずに車載表示装置に接続する。
【0024】
ところで、高周波リレーを用いて位置情報用アンテナからの信号を遮断する方式は、スイッチング速度が遅いという問題があるために、採用しない。
【0025】
このSPDTのRFスイッチにおいては、図7に示すように3つの端子が存在し、そのうち一つが共通端子(RF1)であり、残り二つの端子が切り替え端子(RF2及びRF3)である。RF2、RF3の一方が、位置情報用アンテナと車載表示装置との接続に使用され、他方がRF信号アイソレータに接続される。SPMTのRFスイッチを用いる場合、RFスイッチのそれぞれに少なくとも1つのRF信号アイソレータが接続される必要があり、残余の端子にもRF信号アイソレータが接続されることが好ましい。
【0026】
前記位置検知阻害装置は、前記RFスイッチの相互間にさらなるRF信号最適化モジュールを備える構成とすることができる。
【0027】
前記RFスイッチは、電子式のスイッチ、例えばCMOSスイッチとすることができる。
【0028】
上記のナビゲーション制御装置を用いた方法は、
前記車両の位置情報用アンテナからの前記アンテナ信号を、前記車載表示装置に第1の時間取得させるように、前記3つのRFスイッチを制御する取得ステップと、
前記アンテナ信号を前記車載表示装置が取得することを第2の時間阻害させるように、前記3つのRFスイッチを、いずれもが前記RF信号アイソレータに接続されるように制御する阻害ステップと、を交互に行う、方法である。
【0029】
第1の時間及び第2の時間は機種に依存し得る値であり、適宜設定すればよい事項であるが、一例として、第1の時間が90~180秒、第2の時間が0秒より大きく30秒以下、とすることができる。この時間範囲は例示であって、第1の時間、第2の時間の一方または双方について、この範囲の外の値を用いてもよい。
【0030】
本発明の切り替え機能付き位置情報用アンテナは、アンテナ信号の送信が可能な状態と、アンテナ信号の送信が不可能な状態と、を電気的に切り替え可能に構成され、テレビ視聴機能及びナビゲーション表示機能を具備する車載表示装置に電気的に接続される。
【0031】
上記の切り替え機能付き位置情報用アンテナを用いた方法は、
アンテナ信号の送信が可能な状態を送信可能時間維持する送信可能ステップと、
アンテナ信号の送信が不可能な状態を送信停止時間維持する送信停止ステップと、
を、電気的に交互に切り替える、方法である。
【0032】
送信が可能な状態の時間及び停止する状態の時間もまた、機種に依存し得る値であり、適宜設定すればよい事項であるが、一例として、送信が可能な状態の時間が90~180秒、送信が不可能な状態の時間が0秒を超え5秒以下となるように交互に切り替えを繰り返すものとすることができる。この時間範囲は例示であって、送信が可能な状態の時間、送信が不可能な状態の時間の一方または双方について、この範囲の外の値を用いてもよい。
【発明の効果】
【0033】
上記のナビゲーション制御装置や切り替え機能付き位置情報用アンテナにより、エラーが生じるような情報の不一致の発生を未然に回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の一実施形態であるテレビ視聴制限解除機能とエラー回避機能とを含むナビゲーション制御装置を備えるシステムのシステム構成図である。
図2】本発明の一実施形態における時分割制御信号を模式的に示す概略図である。
図3】本発明の一実施形態にかかるエラー回避方法の一例のフローチャートである。
図4】本発明の一実施形態にかかるエラー回避方法の他の一例のフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態である切り替え機能付き位置情報用アンテナと、公知のテレビ視聴機能制限解除装置及び車載表示装置を備えるシステムのシステム構成図である。
図6】本発明の一実施形態にかかる、切り替え機能付き位置情報用アンテナを用いたエラー回避方法の一例のフローチャートである。
図7】本発明の別の実施形態であるテレビ視聴制限解除機能とエラー回避機能とを含むナビゲーション制御装置を備えるシステムのシステム構成図である。
図8】本発明の別の実施形態にかかるエラー回避方法の一例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の実施形態について、図を参照して説明する。
なお、本明細書の記載は、本発明を説明するための例示に過ぎず、本明細書において説明された各実施形態の詳細な構成、構造及び添付の図面に限定されない。本明細書で使用される用語「含む」、「備える」、「有する」および同様の表現は、その後に列挙される項目、それらの同等物、および他の追加項目を含み得ることを意味する。特に、「ある要素」と記載する場合、本発明は、必ずしもその要素のみ限定されるものではなく、複数の他の要素を含み得る。
【0036】
本実施形態のナビゲーション制御装置30は、車両の位置情報用アンテナ(純正車両のGNSSアンテナ)70と車載表示装置20との間に、GNSSアンテナケーブルによって接続されている。また、ナビゲーション制御装置30は、車両ECU1(インストルメントアセンブリ10)と車載表示装置20との間に、車速信号線によって接続されている。さらに、ナビゲーション制御装置30は、車両ECU1とは別個の(符号11で示される)車両ECU2と、CAN1受信送信機を介してCANバスにより接続され、車載表示装置20にCAN2受信送信機を介してCANバスにより接続されている。車速信号線での接続は、リレーモジュール(スイッチ)K1によって、車両ECU1からの信号がナビゲーション制御装置30を経由可能に構成されている。
【0037】
本実施形態のナビゲーション制御装置30の、車速信号線を介した車両ECU1との接続、CAN1受信送信機(CANバス)を介した車両ECU2との接続、車速信号線を介した車載表示装置20との接続、CAN2受信送信機(CANバス)を介した車載表示装置との接続は、テレビ視聴機能の制限解除方法に応じて適宜設定すればよい事項であり、本発明のナビゲーション制御装置30に必要不可欠の構成ではないが、これらを設けておくことが好ましい。また、ナビゲーション制御装置30は、電源モジュール(図示せず)をさらに備えるものとしてもよい。ここで、ECUとはEngine Control Unitであり、CANとは、Controller Area Networkである。
【0038】
テレビ視聴機能の制限解除方法としては、例えば、車速信号線で送信される車速パルス信号を利用する方法、CANバスで送信される信号を利用する方法、GNSS(位置情報用)アンテナからの信号を利用する方法、これらの2以上を組み合わせた方法など、適宜設定することができ、これに応じて必要な装置構成を採用すればよい。なお、本実施形態では、車速信号線上の情報(車速パルス信号)を用いてテレビ視聴機能の制限解除を行うものであり、車速信号線を介した車両ECU1及び車載表示装置20との接続は必須なものである一方、CANバスを介したこれらとの接続は必須ではないものとなっている。
【0039】
また、ナビゲーション制御装置30は、時分割制御信号生成装置35と、位置検知阻害装置39と、位置検知阻害装置39の動作を切り替える切り替え装置(GNSSアンテナ干渉切替装置)36と、時分割制御信号生成装置35及びGNSSアンテナ干渉切替装置36の動作を制御する主制御装置(メインコントローラーモジュール)31と、を備えている。
【0040】
この時分割制御信号生成装置35は、車両が走行中のテレビ視聴機能の制限を解除する機能を有するものであって、車速パルス信号を受信する車速信号パルス検出モジュール34と、テレビアナログ信号モジュール33と、車速アナログパルス信号モジュール32と、を含んで構成されている。なお、この時分割制御信号生成装置35は、テレビ視聴機能の制限を解除する機能を有する装置の一例であって、同様の機能を有していればさまざまに変更可能である。
【0041】
位置検知阻害装置39は、アンテナ信号干渉装置38と、純正車両のGNSSアンテナ70とは別個の、正常に機能しない位置情報用アンテナ(第二のGNSSアンテナ)37と、を含んで構成されている。
【0042】
これらはナビゲーション制御装置の一例であって、一部の装置が削除されたり、付加されたりしてもよく、2以上の装置の機能を有する装置がいられてもよく、2以上の装置で1の機能を発揮するものであってもよい。
【0043】
まず、図1、2を参照して本実施形態の適用対象である車載表示装置20の本来の機能及び動作である「オリジナルモード」について説明する。このモードは、図1のスイッチ(リレーモジュール)K1が端子1に接続された状態であり、インストルメントアセンブリ10で生成された車速パルス信号が、本実施形態のナビゲーション制御装置30を経由しないで直接車載表示装置20に送信されて動作する場合に相当する。
【0044】
車両が備えるインストルメントアセンブリ10は、車両が走行中は車輪の回転速度に比例したパルス信号(車速パルス信号)を生成し、停止状態又は低速(例えば時速5km/h以下)走行中はON信号(ハイレベル信号)を生成し、車速信号線に出力する。すなわち、車両ECU1は、車速に応じて車速パルス信号又はハイレベル信号のいずれかを出力する装置である。
【0045】
図2は車速パルス信号、車速アナログパルス信号の電圧波形を模式的に示しており、横軸は時間、縦軸は電圧を表す。車両が走行中すなわち車輪が回転しているときの電圧波形は、図2(上側の波形)に示すような連続したパルス波形となる。このパルス波形の周波数から、車速を算出することができる。なお、上側の波形では、パルス周期は全て同じとなっており、等速で移動している状態を示す。なお、車速に変化がある場合には、加速している場合には高周波に、減速している場合には低周波になるように変化していく。この一方、停止状態又は低速走行中(例えば車速が5km/h未満)に出力されるハイレベル信号は、パルス信号の高電位の状態がそのまま維持される。
【0046】
端子1に車速パルス信号が入力されている間は車両が走行中であると認識し、ナビゲーション装置の使用を許可して車載表示装置20の画面上に走行中の車両の位置情報等を表示し、同時にテレビの視聴を禁止する。逆に、端子1にハイレベル信号が入力されている間はテレビの視聴を許可し、ナビゲーション装置の使用を禁止する。なお、車載表示装置20によっては、テレビの視聴を許可する追加的な条件として、ハイレベル信号に加えて、車両にパーキングブレーキがかかっている(又はシフト位置がPシフトである)状態を表す信号が別途印加されている必要がある場合は、当該信号を必要な信号線に出力する。
【0047】
次に、「テレビ視聴制限解除モード」、すなわち、走行中にテレビの視聴を許可し、且つ、バックグラウンドでナビゲーションも利用可能なモードについて説明する。このモードは、図1のスイッチ(リレーモジュール)K1が端子2に接続された状態であり、本実施形態のナビゲーション制御装置を経由して車載表示装置に信号が送信されて動作する場合に相当する。
【0048】
このテレビ視聴制限解除モードの動作に関わる要素は、図1に示す本実施形態のナビゲーション制御装置30のうち、時分割制御信号生成装置35と、時分割制御信号生成装置35の動作を制御するメインコントローラーモジュール31と、である。スイッチK1を端子2に接続すると車両ECU1の出力信号(車速パルス信号又はハイレベル信号)が車速信号パルス検出モジュール34に入力される。メインコントローラの制御命令に従って、テレビアナログ信号モジュール33が出力するテレビアナログ信号(ハイレベル信号)と、車速アナログパルス信号モジュール32が生成する車速アナログパルス信号(車速パルス信号に基づいて生成される信号)とを時分割で重畳(合成)した時分割制御信号を、車載表示装置20に出力する。
即ち、端子1に接続された状態がオリジナルモードであり、端子2に接続された状態がテレビ機能制限解除モードとなる。
【0049】
図2(下側の波形)は、ナビゲーション制御装置30から端子2に出力される時分割制御信号の電圧波形を示している。時分割制御信号の電圧波形は、車速アナログパルス信号とテレビアナログ信号とを合成した電圧信号波形であり、車速アナログパルス信号は図2(上側の波形)のオリジナルモードの車速パルス信号よりも、「T2期間+T1期間」÷「T2期間」の分だけ、高周波になっている。T2[s]の時間はナビゲーション装置に車速アナログパルス信号が送信され、その後T1[s]の時間はテレビアナログ信号が送信される。
【0050】
ナビゲーション制御装置30が時分割制御信号を車載表示装置20に出力することにより、車載表示装置20は、テレビ信号時間(T1)中テレビアナログ信号を受信し、ナビゲーション信号時間(T2)中は車速アナログパルス信号を受信する。これにより、車両が走行中でもテレビ視聴が可能となり、かつ、テレビ視聴中であっても、バックグラウンドでナビゲーション装置が正しく機能している状態となる。
【0051】
なお、現在の車速が速いほど、「T2期間」の車速アナログパルス信号に含まれるパルス数が増加することになる。このため、現在の車速が速いほど、「T2期間」の時間が長くなるようにメインコントローラーモジュール31が制御する構成を採用することが好ましい。
【0052】
車載ナビゲーションシステムは、スイッチK1を端子2に接続することにより、車載表示装置20と車両ECU1とを、ナビゲーション制御装置30を介して接続した場合には、上述のとおり、ナビゲーション機能とテレビ視聴機能とを同時に使用可能なテレビ機能制限解除モードで動作する。一方、車載ナビゲーションシステムは、スイッチK1を端子1に切り替えることにより、車両ECU1を車載表示装置20に直接接続させた場合には、ナビゲーション機能とテレビ視聴機能とが択一的に機能するオリジナルモードで動作する。
【0053】
オリジナルモードでは、車両停車中に車載表示装置20をテレビ視聴からナビゲーションに切り替えても車速パルス信号を受信してから一定時間(例えば数十秒の待ち時間)経過するまでナビゲーション画面が再開しない。
【0054】
しかし、本実施形態のナビゲーション制御装置30を使用した場合には、車載表示装置20は、車両が走行中でもテレビ視聴が可能となり、かつ、テレビ視聴中であっても、時分割制御信号の車速アナログパルス信号が、間欠的に車載表示装置20に付与されているため、バックグラウンドでナビゲーション装置が正しく機能している状態となり、例えば音声案内機能なども正常に動作する。したがって、テレビ視聴状態からナビゲーション機能へ画面を切り替えても、直ちにナビゲーションの画面が表示される。
【0055】
なお、テレビ機能制限解除モードでは、車速パルス信号(車速アナログパルス信号)が間欠的に与えられるため、ナビ画面上の自車車両の走行位置は間欠的に表示され(自車車両の背景となる地図が間欠的に移動する)、音声案内はオリジナルモードで使用するよりもやや早めに流れる。つまり、ナビ画面上の自車車両は、停止と、オリジナルモードよりも高速な移動と、を繰り返すように表示される。このとき、停止と、高速な移動と、の合計時間での移動量は、オリジナルモードにほぼ等しくなるようになっている。
【0056】
テレビ視聴についてはデータ放送の仕様上、データの遅延があるため途切れなく視聴できる。但し、車載表示装置20の構成やテレビ視聴データの仕様等にも影響するが、テレビ信号時間T1が短いほど、また、次にテレビ信号を受信するまでの間隔(すなわちナビゲーション信号時間T2)が長いほど、テレビ視聴画面が途切れやすくなる。テレビ信号時間T1の好ましい値は車載表示装置20の仕様により異なるが、テレビ信号時間T1は例えば1.4秒~1.8秒間隔程度、好ましくは1.6秒程度以上、より好ましくは1.65秒以上確保することが好ましい。
【0057】
本実施形態では、リレーモジュールなどの電気的なスイッチK1を用いて、メインコントローラーモジュールの制御によって、オリジルモードとテレビ視聴制限解除モードとを相互に切り替え可能に構成されているが、手動操作で切り替え可能な構成としてもよい。その他、ナビゲーション制御装置30を介した車載表示装置の動作が不安定になる場合又は何らかの事情でナビゲーション制御装置30が停止した場合等には、車両ECU1から車速パルス信号を車載表示装置20に直接出力するオリジナルモードに自動的に復帰する(切り替わる)ように構成してもよい。手動切り替えのための、ボタンなどの物理的なスイッチ等を設ける構成としてもよい。
【0058】
例えば、ナビゲーション制御装置30は、リアルタイムで最新の車速を確定(算出)し、時分割制御信号のうちナビゲーション信号時間に出力する信号として、リアルタイムの最新の車速情報に基づいて将来移動する距離を、時間T2という短時間で送信するための車速アナログパルス信号を生成するものとすることができる。これに代えて、実際の車速パルス信号を記憶し、これを高速で送信したり高周波となるように加工したりして、車速アナログパルス信号を得てもよい。
【0059】
次に、位置検知システムの機能を阻害することにより、テレビ視聴制限解除モード使用中に発生し得るエラーが生じるような情報の不一致を、未然に回避する構成を、図1を参照して説明する。カーナビゲーション使用中には、車両の車速の情報だけでなく、GPSを含むGNSSなどの位置検知システムからの情報も利用される。このようなGNSSなどに基づく情報と、テレビ機能制限解除モードでの車速アナログパルス信号に基づく情報などのズレ(不一致)があると、一部の運転支援機能を無効にするエラーコードが送信され得る。このようなエラーは、トンネル走行中など車載表示装置が位置情報を正確に取得できない場合には発生しないため、通常走行中も車載表示装置が位置情報を正確に取得できないように処理することで、エラーが発生するような情報の不一致の発生を回避できることになる。しかしながら、車載表示装置が位置情報を全く取得できない場合も、エラーが発生し得る。
【0060】
そこで、本発明にかかるナビゲーション制御装置30は、車載表示装置20が正常な(純正の)アンテナ信号の取得を阻害可能にするために、位置検知阻害装置39と、位置検知阻害装置39の動作を切り替える、切り替え装置(GNSSアンテナ干渉切替装置)36と、を備えている。さらに、GNSSアンテナ干渉切替装置36の動作を制御する主制御装置(メインコントローラーモジュール)31を備えるものとしてもよい。
【0061】
位置検知阻害装置39としては、第二のGNSSアンテナ37を、純正車両のGNSSアンテナ70とは別個に設ける構成とすることができる。この場合、GNSSアンテナ干渉切替装置36は、例えばRFスイッチを備え、車載表示装置20に接続されるアンテナを、車両の位置情報用アンテナ70と第二のGNSSアンテナ37との間で切り替えて、位置検知阻害装置39の動作を切り替える。なお、RFスイッチは例示であり、他の公知の切り替え(スイッチング)手段により切り替えを行ってもよい。
【0062】
第二のGNSSアンテナ37は、正常機能する位置情報用アンテナに、当該位置情報用アンテナに伝わる電波を遮蔽する部材を設けたものとすることができる。遮蔽する部材は特に限定されず、公知の電波(電磁波)の遮蔽(シールド)材を使用できる。
【0063】
また、第二のGNSSアンテナ37は、利得(Gain)、定在波(VSWR)、雑音指数(NF)、軸比(AR)などの少なくとも一つのパラメーターやインジケーターの設計を変更して、アンテナ機能が低下させられた位置情報用アンテナとすることができる。なお、これらのパラメーター、インジケーターが適切に設計された場合にのみ、位置情報用アンテナは衛星からの信号を適切に(高感度で)受信できるため、パラメーター、インジケーターの変更により容易に正常に機能しない(測位が不可能な状態でのアンテナ信号を車載表示装置20に送信可能な)位置情報用アンテナとすることができる。なお、上記のパラメーター、インジケーターは例示であって、これらに加えて、又はこれらに代えて、他のパラメーター及び/又は他のインジケーターの設計を変更してもよい。
【0064】
このような第二のGNSSアンテナ37からの信号は、トンネル走行時などと同様に、車載表示装置20で正常に用いることのできないもの(測位が不可能な状態でのアンテナ信号)であり、これにより正常な(純正の)アンテナ信号の取得が阻害される。
【0065】
パラメーター等を設定変更した位置情報用アンテナは、遮蔽部材が不要で低コストな点で優れている。また、遮蔽を行った位置情報用アンテナは、車種ごとに設定を見直す必要がない点で優れている。このような第二のGNSSアンテナは、メインコントローラーモジュール31などと同じ基盤に設ける構成とすると、ナビゲーション制御装置全体の設計・製造などが容易となる。第二のGNSSアンテナは、市販の位置情報用アンテナにシールド材を設けたり、パラメーター等を変更したりして得ることができる。
【0066】
また、上記第二のGNSSアンテナ37に代えて、又は加えて、車両の位置情報用アンテナ70から車載表示装置20に送信されるアンテナ信号に干渉する(信号を弱め、減衰させ、またはアンテナ信号の送信を遮断(無信号状態と)し、あるいはアンテナ信号の送信を遮断(ブロック)するとともにダミーのアンテナ信号を車載表示装置20に受信させる)アンテナ信号干渉装置38を備える構成としてもよい。これによっても、車載表示装置20が正常な(純正の)アンテナ信号を取得(受信)できないようにできる。この場合、GNSSアンテナ干渉切替装置36は、アンテナ信号干渉装置38のオンオフを切り替えて、純正のアンテナ信号の受信とその阻害とを切り替える。なお、ダミーのアンテナ信号は、第二のGNSSアンテナ37からの信号と同様に、車載表示装置20で正常に用いることのできないものであればよく、例えば図示しない記憶装置に格納しておくことができる。ダミーのアンテナ信号の切り替え方法も、第二のGNSSアンテナ37と同様に行うことができる。
【0067】
アンテナ信号干渉装置は、メインコントローラーモジュールなどと同じ基盤に設ける構成とすると、ナビゲーション制御装置全体の設計・製造などが容易となる。
【0068】
第二のGNSSアンテナやアンテナ信号干渉装置は、一方のみを設けることで、低コストな装置を得ることができる。また、両方を用いることでより確実なエラー回避を行うことができる。
【0069】
GNSSアンテナ干渉切替装置としては、オンオフの操作や接続先のアンテナを、電気的に、及び/又は物理的に切り替え(スイッチング)操作が可能な装置を使用できる。また、メインコントローラーモジュールは、必要に応じてメモリなどを備えていてもよく、公知のマイクロコントローラやSoC(System on Chip)を使用できる。
【0070】
第二のGNSSアンテナを用いて、エラーが生じるような情報の不一致の発生を回避する方法について、図3を参照して説明する。テレビ視聴制限解除モードでの動作が開始すると、メインコントローラーモジュール31は、必要に応じてGNSSアンテナ干渉切替装置36を制御して、純正車両のGNSSアンテナ70からの正常な信号を、車載表示装置20が第1の時間受信(取得)できるようにする(取得ステップS301)。なお、エンジン始動などの車両起動直後は、装置の安定化などのために、第1の時間のカウントを所定の時間行わずに待機するものとしてもよい。
【0071】
次いで、メインコントローラーモジュール31は、GNSSアンテナ干渉切替装置36のRFスイッチを制御して、第二のGNSSアンテナ37からの信号を車載表示装置20が第2の時間受信できるように(純正車両のGNSSアンテナ70からの正常な信号を車載表示装置20が受信できないように)する(阻害ステップS302)。
【0072】
このようなS301とS302の処理を繰り返し行うことにより、車載表示装置20が正常な(純正の)アンテナ信号を取得しつつも、時分割制御信号生成装置35からの信号に基づく情報とアンテナ信号に基づく情報との間のエラーが生じるような不一致の発生を防止できる。なお、このような繰り返し処理は、オリジナルモードへの切り替え、エンジン停止などによって終了する。オリジナルモードへの切り替え後は、純正車両のGNSSアンテナ70からの信号を車載表示装置20が受信するようにする。
【0073】
アンテナ信号干渉装置を用いてエラーが生じるような情報の不一致の発生を回避する方法について、図4を参照して説明する。テレビ視聴制限解除モードでの動作が開始すると、メインコントローラーモジュール31は、必要に応じてGNSSアンテナ干渉切替装置36を動作しないように制御して、純正車両のGNSSアンテナ70からの正常な(純正の)アンテナ信号を、車載表示装置20が第1の時間受信できるようにする(取得ステップS401)。なお、S301と同様に、車両起動直後は、第1の時間のカウントを所定の時間行わずに待機するものとしてもよい。
【0074】
次いで、メインコントローラーモジュール31は、GNSSアンテナ干渉切替装置36を制御して、アンテナ信号干渉装置38がアンテナ信号に干渉して、車載表示装置20が正常な(純正の)アンテナ信号を取得することを阻害する(阻害ステップS402)。オリジナルモードへの切り替え後は、GNSSアンテナ干渉切替装置36の動作をオフに切り替えて、純正車両のGNSSアンテナ70からの正常な信号を車載表示装置20が受信するようにする。
【0075】
アンテナ信号干渉装置38は、純正車両のGNSSアンテナ70から車載表示装置20へ送信されるアンテナ信号の遮断と非遮断とを切り替えるものであってもよい。この場合、S401ではアンテナ信号干渉装置38をオフにして正常な(純正の)アンテナ信号の車載表示装置の受信を遮断せず、S402ではアンテナ信号干渉装置38をオンにして正常な(純正の)アンテナ信号を車載表示装置20が受信することを遮断(ブロック)する。さらに、アンテナ信号の遮断とともに、車載表示装置20で正常に用いることのできないダミーのアンテナ信号を車載表示装置20が受信するようにしてもよい。
【0076】
このようなS401とS402の処理を繰り返し行うことにより、車載表示装置20が正常な(純正の)アンテナ信号を受信しつつも、車速パルス信号に基づく情報とアンテナ信号に基づく情報との間のエラーが生じるような不一致の発生を防止でき、これによるエラーの発生を未然に回避できる。
【0077】
位置検知阻害装置39は、第二のGNSSアンテナと、アンテナ信号干渉装置と、の一方のみを備える構成としてもよく、両方を備える構成としてもよい。また、第二のGNSSアンテナだけでなく、第三以上のGNSSアンテナを備えるものであってもよく、この場合の純正車両以外のGNSSアンテナは、同じものでも異なるものであってもよい。
【0078】
一例として、第1の時間は、90~180秒、95~150秒、100~120秒などとすることができ、第2の時間は0秒より大きく30秒以下、3~20秒、5~10秒などとすることができる。アンテナ信号の送信の遮断非遮断を切り替える場合、S401の第1の時間は上記と同様でよいが、S402の第2の時間は、0秒を超え10秒以下、1~5秒、1.5~3秒などにすることができる。このように、比較的長い時間、純正車両のGNSSアンテナからのアンテナ信号を受信することにより、正確な位置情報の取得を可能にしつつも、第1の時間の1/3以下、好ましくは1/10以下の時間、純正車両のGNSSアンテナからの正常な(純正の)アンテナ信号の受信を阻害し、または10秒以下の短時間GNSSアンテナからの正常な(純正の)アンテナ信号の受信を完全にブロックすることで、ナビゲーション制御装置からの信号に基づく情報と位置情報システムに基づく情報とのエラーが生じるような不一致の発生を防止することができる。これにより、エラー発生を未然に回避し得たナビゲーション制御装置が実現できる。
【0079】
また、第1の時間及び第2の時間は、全ての繰り返し処理で同一の時間としてもよく、処理ごとに異なる時間を設定してもよい。たとえば、100秒と5秒の固定値での処理を繰り返し行ってもよく、電波状況などによって第1の時間や第2の時間を適宜変更しつつ処理を行ってもよい。
【0080】
位置検知システムの機能を阻害する処理は、テレビ視聴制限解除モード使用中には常に行われることが好ましい。なお、オリジナルモード中は位置検知システムの機能を阻害する必要はない。
【0081】
このナビゲーション制御装置30は、車両ECU1の信号線及び車両の位置情報用アンテナ70からの信号線と、車載表示装置20のコネクターとの間に接続する物理的に独立したハードウェアとして構成されていてもよい。
【0082】
次に、切り替え機能付き位置情報用アンテナを用いた実施形態のシステム構成を、図5を参照して説明する。同様の装置については同様の符号を付し、その説明は省略される。本実施形態の切り替え機能付き位置情報用アンテナ50は、図1の純正車両のGNSSアンテナ70に置き換えられて設けられている。
【0083】
切り替え機能付き位置情報用アンテナ(切り替え機能付きGNSSアンテナ)50は車載表示装置20に直接、GNSSアンテナケーブルによって接続されている。このような、切り替え機能付き位置情報用アンテナ50と車載表示装置20との間接的な接続は一例であり、切り替え機能付き位置情報用アンテナ50と車載表示装置20との間に、テレビ視聴制限解除装置60が介在する構成であってもよい。
【0084】
本実施形態の切り替え機能付き位置情報用アンテナ50は、アンテナ本体51と、スイッチ52とを備えている。このスイッチは、リレーモジュールなどの電気的に、アンテナ信号の送信が可能な状態と、アンテナ信号の送信が不可能な状態と、を切り替え可能となっている。リレーモジュール以外の公知のスイッチを適宜採用してもよい。このような切り替え機能付き位置情報用アンテナ50を用いることで、車載表示装置20にアンテナ信号が送信される時間と、アンテナ信号の送信停止の時間とが、交互に繰り返すように切り替えを行うことができる。これによっても、テレビ視聴制限解除装置60に基づく情報と、切り替え機能付き位置情報用アンテナ50に基づく情報とのエラーが生じるような不一致の発生を防止できる。
【0085】
本実施形態の切り替え機能付き位置情報用アンテナ50は、このスイッチ52は、タイミングスイッチなどを用いて、設定したタイミングで2つの状態を交互に切り替えるものとすることができる。また、タイマを別個に備える構成としたり、スイッチの動作を制御する制御装置やメモリなどをさらに備える構成としたりしてもよい。さらに、本実施形態の切り替え機能付き位置情報用アンテナ50は、常に送信可能な状態を維持することができるような装置を備えていてもよい。
【0086】
本実施形態の切り替え機能付き位置情報用アンテナ50と同時に用いるテレビ視聴制限解除装置60は、車速信号線を介して車両ECU1および車載表示装置20と接続され、CAN1受信送信機を介して車両ECU2と接続され、CAN2受信送信機を介して車載表示装置20と接続されている。このような接続は、テレビ視聴制限解除装置60のテレビ視聴機能の制限解除方法に応じて適宜設定すればよい事項である。また、テレビ視聴制限解除装置60は、電源モジュール(図示せず)をさらに備えるものとしてもよい。
【0087】
また、テレビ視聴制限解除装置60は、時分割制御信号生成装置65と、時分割制御信号生成装置65の動作を制御する主制御装置(メインコントローラーモジュール)61と、を備えている。
【0088】
この時分割制御信号生成装置65は、車両が走行中のテレビ視聴機能の制限を解除する機能を有するものであって、車速パルス信号を受信する車速信号パルス検出モジュール64と、テレビアナログ信号モジュール63と、車速アナログパルス信号モジュール62と、を含んで構成されている。なお、この時分割制御信号生成装置65は、上記本発明の実施形態のナビゲーション制御装置30の時分割制御信号生成装置35と同様であり、その説明は繰り返さない。また、この時分割制御信号生成装置65は、テレビ視聴機能の制限を解除する機能を有する装置の一例であって、同様の機能を有していればさまざまなテレビ視聴制限解除装置60を使用できる。
【0089】
なお、テレビ視聴機能の制限解除方法としては、ナビゲーション制御装置にかかる実施形態で説明したように、車速信号線で送信される車速パルス信号を利用する方法、CANバスで送信される信号を利用する方法、GNSS(位置情報用)アンテナからの信号を利用する方法、これらを組み合わせた方法など、適宜設定することができ、これに応じて必要な装置構成を採用すればよい。
【0090】
切り替え機能付き位置情報用アンテナ50を用いてエラーが生じるような情報の不一致の回避を行う方法について、図6を参照して説明する。車両起動などによって動作が開始すると、必要に応じてスイッチ52を制御して、アンテナ信号の送信が可能な状態を送信可能時間維持することで、切り替え機能付き位置情報用アンテナ50から車載表示装置20に、アンテナ信号を送信できるようにする(送信可能ステップS601)。なお、S301と同様に車両起動直後は、送信可能時間のカウントを所定の時間行わずに待機するものとしてもよい。
【0091】
送信可能時間経過後、切り替え機能付き位置情報用アンテナ50は、電気的なスイッチ52の動作により、アンテナ信号の送信が不可能な状態に切り替え、この状態を送信停止時間維持し、切り替え機能付き位置情報用アンテナ50からの、アンテナ信号の送信を停止する(送信停止ステップS602)。
【0092】
このようなS601、S602の処理を繰り返し行うことにより、送信可能時間には車載表示装置20がアンテナ信号を受信しつつも、テレビ視聴機能制限解除装置による情報とアンテナ信号による情報との間のエラーが生じるような不一致の発生を防止でき、エラーの発生を未然に回避できる。なお、位置情報用アンテナ50のオンオフを切り替えるようなものとする場合、起動から位置情報用アンテナ50が正常に動作するまでのタイムラグによって、車載表示装置20がアンテナ信号を受信できない時間が長くなってしまうため、好ましくない。
【0093】
一例として、送信可能時間は、90~180秒、95~150秒、100~120秒などとすることができ、送信停止時間は0秒より大きく5秒以下、1~4秒、1.5~3秒などとすることができる。
【0094】
また、送信可能時間及び送信停止時間は、全ての繰り返し処理で同一の時間としてもよく、処理ごとに異なる時間を設定してもよい。たとえば、100秒と5秒の固定値での処理を繰り返し行ってもよく、電波状況などによって送信時間や送信停止時間を適宜変更しつつ処理を行ってもよい。
【0095】
本実施形態の別の実施形態を、図7を用いて説明する。ナビゲーション制御装置30は、図1の車両のナビゲーション制御装置30と同様であり、同様の構成についての説明は繰り返さない。
【0096】
また、ナビゲーション制御装置30は、時分割制御信号生成装置(符号無し)と、位置検知阻害装置39と、位置検知阻害装置39の動作を切り替える切り替え装置(RFスイッチ切替装置)36と、時分割制御信号生成装置35及びRFスイッチ切替装置36の動作を制御する主制御装置(メインコントローラーモジュール)31と、車載表示装置に接続されたアンテナ負荷シミュレータ89と、を備えている。また、ナビゲーション制御装置30は、車両ECU10とナビゲーション制御装置30を切り替え可能に車載表示装置20に接続するスイッチ(リレーモジュール)K1を備えている、
【0097】
この位置検知阻害装置39は、直列につながれた3つのSPDTのRFスイッチ81~83を備えている。車載表示装置20側のRFスイッチ81は、その共通端子RF1が車載表示装置20側となるように接続され、その他の2つのRFスイッチ82、83は、その共通端子RF1がGNSSアンテナ70側となるように接続されている。直列接続において、それぞれのRFスイッチのRF2が直列接続に使用され、残りのRF3には、RF信号アイソレータ84~86がそれぞれ接続されている。なお、RF2とRF3は等価であり、接続先を相互に変更してもかまわない。
【0098】
また、車載表示装置20とRFスイッチ81の間、RFスイッチ81とRFスイッチ82の間、RFスイッチ82とRFスイッチ83の間、RFスイッチ83とGNSSアンテナ70の間にはそれぞれ、RF信号最適化モジュール91~94が配されている。RF信号最適化モジュールは、インピーダンスを合わせるなどの目的で使用されるものであり、少なくとも車載表示装置20とRFスイッチ81の間、及び、RFスイッチ83とGNSSアンテナ70の間には設けることが好ましく、更に好ましくは図7のように4つ設ける。
【0099】
さらに、アンテナ負荷シミュレータ89を備え、アンテナ負荷シミュレータ89が車載表示装置20にRFスイッチ81~83を介さずに接続されるように構成されている。また、アンテナ負荷シミュレータ89には、車載表示装置20から電源が供給される構成とすることができる。
【0100】
そのほか、メインコントローラーモジュール31と車両ECU11との間、及びメインコントローラーモジュール31と車載表示装置20との間にそれぞれ設けられたCAN受信送信機(符号無し)、メインコントローラーモジュール31とGNSSアンテナ70との間のLNA電源信号制御モジュール(符号無し)及びLNA電源モジュール(符号無し)を備えている。これらの要素は任意の要素であって、必ず設けなければいけないわけではない。
【0101】
以下に3つのRFスイッチを用いて、エラーが生じるような情報の不一致の発生を回避する方法について、図8を参照して説明する。テレビ視聴制限解除モードでの動作が開始すると、メインコントローラーモジュール31は、必要に応じてRFスイッチ切替装置36を制御して、3つのRFスイッチ81~83を備えた位置検知阻害装置39の動作を制御し、純正車両のGNSSアンテナ70からの正常な信号を、車載表示装置20が第1の時間受信(取得)できるようにする(取得ステップS801)。なお、エンジン始動などの車両起動直後は、装置の安定化などのために、第1の時間のカウントを所定の時間行わずに待機するものとしてもよい。
【0102】
次いで、メインコントローラーモジュール31は、RFスイッチ切替装置36を制御して、3つのRFスイッチ81~83のそれぞれを、RF2との接続からRF3との接続(RF信号アイソレータ84~86との接続)に切り替えて、GNSSアンテナ70からの信号を車載表示装置20が第2の時間受信できないようにする(阻害ステップS802)。第1の時間及び2の時間では、車載表示装置20はアンテナ負荷シミュレータ89と接続され、アンテナの負荷の電圧信号は車載表示装置20が取得できる状態となっている。
【0103】
このようなS801とS802の処理を繰り返し行うことにより、車載表示装置20が正常な(純正の)アンテナ信号を取得しつつも、時分割制御信号生成装置35からの信号に基づく情報とアンテナ信号に基づく情報との間のエラーが生じるような不一致の発生を防止できる。なお、このような繰り返し処理は、オリジナルモードへの切り替え、エンジン停止などによって終了する。オリジナルモードへの切り替え後は、RFスイッチ81~83はRF2と接続されるようになり、純正車両のGNSSアンテナ70からの信号を車載表示装置20が受信するようにする。
【0104】
本明細書では、「含む」、「備える」、またはそれらの他の変形という用語は、非排他的な包含をカバーすることを意図しているため、一連の要素を含むプロセス、方法、物品、または装置は、それらの要素を含むだけではなく、また、明示的にリストされていない他の要素、またはプロセス、方法、物品、または装置に固有の要素も含まれることに留意されたい。これ以上の制限ない場合、「1つの...を含む」という文で限定される要素は、その要素を含むプロセス、方法、物品、または装置内の他の同一の要素の存在を除外しない。
【0105】
上記の実施形態の説明を通じて、当業者は、上記の実施形態の方法が、ソフトウェアに必要な汎用的なハードウェアプラットフォームを加えることによって実施できることを明確に理解することができる。もちろん、ハードウェアによっても実施できるが、多くの場合、前者の方が優れている実施形態である。このような理解に基づいて、本開示の技術案は、本質的に、または従来の技術に寄与する部分をソフトウェア製品の形で具体化することができ、当該コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体(ROM/RAM、磁気ディスク、光ディスクなど)に格納され、端末(車載コントローラ、車載端末、コンピュータ、サーバー、またはネットワーク装置などであってもよい)に、本開示の各実施形態に記載される方法を実行させるためのいくつかの命令を含む。
【0106】
当業界の一般の技術者は、上記の実施例の方法のすべてまたは一部のフローを実現することは、コンピュータプログラムによって関連するハードウェアを指示することによって遂行可能であり、上記のプログラムは、不揮発性のコンピュータ読取可能記憶媒体に記憶されてもよく、実行時には、上記の各方法の実施例のプロセスを含むことができることを理解することができる。ここで、本願の様々な実施形態で使用されるメモリ、ストレージ、データベースまたは他の媒体への言及は、不揮発性および/または揮発性メモリを含み得る。
【0107】
本明細書で説明する概念は、その精神および特徴から逸脱することなく、他の形で実装することができる。開示された特定の実施形態は、限定的ではなく例示的であると見なされるべきである。従って、本発明の範囲は、これらの前述の説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって決定されるべきである。特許請求の範囲の文言内および同等の範囲内での変更はすべて、特許請求の範囲に属するものとする。
【符号の説明】
【0108】
1 端子
2 端子
10 インストルメントアセンブリ(車両ECU1)
11 車両ECU2
20 車載表示装置
30 ナビゲーション制御装置
31 メインコントローラーモジュール
32 車速アナログパルス信号モジュール
33 テレビアナログ信号モジュール
34 車速信号パルス検出モジュール
35 時分割制御信号生成装置
36 GNSSアンテナ干渉切替装置(切り替え装置)
37 第二のGNSSアンテナ(正常に機能しない位置情報用アンテナ)
38 アンテナ信号干渉装置
39 位置検知阻害装置
50 切り替え機能付き位置情報用アンテナ
51 アンテナ本体
52 スイッチ
60 テレビ視聴機能制限解除装置
61 メインコントローラーモジュール
62 車速アナログパルス信号モジュール
63 テレビアナログ信号モジュール
64 車速信号パルス検出モジュール
70 純正車両のGNSSアンテナ(車両の位置情報用アンテナ)
81~83 RFスイッチ
84~86 RF信号アイソレータ
89 アンテナ負荷シミュレータ
91~94 RF信号最適化モジュール
K1 スイッチ
【要約】      (修正有)
【課題】車載表示装置のテレビ視聴機能の制限解除機能を使用した場合に生じうるエラーを未然に回避するナビゲーション制御装置及び方法を提供する。
【解決手段】車両の位置情報用アンテナ37、70と、テレビ視聴機能及びナビゲーション表示機能を具備する車載表示装置20との間に電気的に接続され、車両が走行中のテレビ視聴機能の制限を解除する機能を有するナビゲーション制御装置30であって、車両の位置情報用アンテナからの正常なアンテナ信号を車載表示装置が取得することを阻害可能な位置検知阻害装置39と、位置検知阻害装置の動作を切り替える切り替え装置36と、を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8