(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-06
(45)【発行日】2025-02-17
(54)【発明の名称】歯磨剤組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/44 20060101AFI20250207BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20250207BHJP
A61Q 11/00 20060101ALI20250207BHJP
A61K 8/24 20060101ALI20250207BHJP
【FI】
A61K8/44
A61K8/86
A61Q11/00
A61K8/24
(21)【出願番号】P 2020152154
(22)【出願日】2020-09-10
【審査請求日】2023-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 貴広
(72)【発明者】
【氏名】小倉 あい
【審査官】駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-112650(JP,A)
【文献】国際公開第2013/180019(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Japio-GPG/FX
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)アシルサルコシン又はその塩
(B)ピロリン酸アルカリ金属塩
(C)非イオン界面活性剤、及び
(D)ポリエチレングリコール
を含有する歯磨剤組成物であって、
水、低級1価アルコール、又はこれらの混合溶剤である溶剤をさらに含み、
溶剤の含有量が、歯磨剤組成物全量に対し、20~60質量%であり、
(C)非イオン界面活性剤が
、エチレンオキサイド平均付加モル数が20~60モルであるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及び/又は
エチレンオキサイド平均付加モル数が5モルであるポリオキシエチレンステアリルエーテルであ
って、
(C)成分の含有量が、歯磨剤組成物全量に対し、0.1~5質量%であり、
練歯磨剤であるか、又はジェル状歯磨剤である歯磨剤組成物。
【請求項2】
(A)成分の含有量の(B)成分の含有量に対する比((A)/(B))が0.003~10である、請求項1に記載の歯磨剤組成物。
【請求項3】
(A)成分の含有量の(C)成分の含有量に対する比((A)/(C))が0.002~10である、請求項1又は2に記載の歯磨剤組成物。
【請求項4】
(B)成分の含有量の(C)成分の含有量に対する比((B)/(C))が0.02~30である、請求項1~3のいずれか1項に記載の歯磨剤組成物。
【請求項5】
(A)アシルサルコシン又はその塩
(B)ピロリン酸アルカリ金属塩
(C)非イオン界面活性剤、及び
(D)ポリエチレングリコール
を含有する口腔内のネバつき抑制剤であって、
水、低級1価アルコール、又はこれらの混合溶剤である溶剤をさらに含み、
溶剤の含有量が、口腔内のネバつき抑制剤全量に対し、20~60質量%であり、
(C)非イオン界面活性剤が
、エチレンオキサイド平均付加モル数が20~60モルであるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及び/又は
エチレンオキサイド平均付加モル数が5モルであるポリオキシエチレンステアリルエーテルであ
って、
(C)成分の含有量が、口腔内のネバつき抑制剤全量に対し、0.1~5質量%である、口腔内のネバつき抑制剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯磨剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
これまでにラウロイルサルコシンナトリウム(LSS)等のアシルサルコシン塩や塩化セチルピリジニウム(CPC)などは殺菌効果を有することが報告されている。例えば、特許文献1には、アシルアミノ酸塩、アルキルアミノ酸塩、水溶性ポリリン酸塩及びポリエチレングリコールを所定量配合してなる歯磨剤組成物は、ステイン付着抑制効果、ステイン除去効果、使用感に優れることが記載されている。特許文献2には、N-アシルアミノ酸又はその塩、ピロリン酸又はその塩を所定の比率で含む口腔用組成物が、タンパク汚れ除去、タンパク汚れの歯面への付着防止、清掃効果を実感させることができることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-112654号公報
【文献】特開2014-12655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、いずれの従来技術も、刺激感が生じやすく清掃実感の点でも使用感が必ずしも十分ではないと言う問題点があった。また、ピロリン酸ナトリウム等のアルカリ物質を配合すると、刺激感が生じることがあり、また、製剤が経時的にゲル化し保水力が低下して液分離、肌荒れを生じる等、保存安定性が低下することがある。
【0005】
本発明の課題は、使用感が良好であり、さらに、刺激感が抑制され、保存安定性が良好な歯磨剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、アシルサルコシン類及びピロリン酸アルカリ金属塩の組み合わせが、口腔内のネバつき防止効果を有し清掃実感が高く、かつ長期間発揮でき、使用感が改善されることを見出した。さらに、これらに非イオン界面活性剤とポリエチレングリコールを組み合わせることにより、刺激感が抑制され、保存安定性が良好な歯磨剤組成物を提供することにある。
本発明は、以下の[1]~[7]を提供する。
[1](A)アシルサルコシン又はその塩
(B)ピロリン酸アルカリ金属塩
(C)非イオン界面活性剤、及び
(D)ポリエチレングリコール
を含有する歯磨剤組成物。
[2](A)成分の含有量の(B)成分の含有量に対する比((A)/(B))が0.003~10である、[1]に記載の歯磨剤組成物。
[3](A)成分の含有量の(C)成分の含有量に対する比((A)/(C))が0.002~10である、[1]又は[2]に記載の歯磨剤組成物。
[4](B)成分の含有量の(C)成分の含有量に対する比((B)/(C))が0.02~30である、[1]~[3]のいずれか1項に記載の歯磨剤組成物。
[5](A)アシルサルコシン又はその塩、及び
(B)ピロリン酸アルカリ金属塩
を含有する口腔内のネバつき抑制剤。
[6](C)非イオン界面活性剤を更に含有する、[5]に記載の剤。
[7](D)ポリエチレングリコールを更に含有する、[5]又は[6]に記載の剤。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、口腔内のネバつき防止効果を有しかつ長期間発揮でき、さらに、刺激感が抑制され、保存安定性が良好な歯磨剤組成物を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
[1.歯磨剤組成物]
歯磨剤組成物は、(A)及び(B)成分を含有し、好ましくは(C)及び(D)成分の少なくともいずれかを更に含有し、より好ましくは(A)~(D)成分を含有する。
【0010】
[(A)アシルサルコシン又はその塩]
(A)成分は、アシルサルコシン又はその塩である。(A)成分を含有することにより、口腔内のネバつき除去効果が発揮され得る。
【0011】
-アシルサルコシン及びその塩の例-
アシルサルコシンが有するアシル基の炭素原子数は、通常は10~18、好ましくは10~16である。アシル基は鎖状(直鎖、分岐鎖)、環状のいずれでもよく、飽和及び不飽和のいずれでもよい。好ましくは鎖状である。アシル基としては、例えば、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基が挙げられ、ラウロイル基が好ましい。アシルサルコシンが塩の形態である場合、薬理学的に許容される塩であればよい。薬理学的に許容される塩としては、例えば、塩基付加塩及びアミノ酸塩が挙げられる。その具体例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等の無機塩基塩;トリエチルアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、ピリジニウム塩、ジイソプロピルアンモニウム塩等の有機塩基塩;アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩が挙げられる。中でも、無機塩基塩が好ましく、アルカリ金属塩又はアンモニウム塩がより好ましく、ナトリウム塩が更に好ましい。
【0012】
(A)成分は、アシルサルコシン及びその塩から選ばれる1種単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよいが、少なくともラウロイルサルコシン又はその塩を含むことが好ましく、ラウロイルサルコシンナトリウムを含むことがより好ましい。
【0013】
-(A)成分の含有量-
(A)成分の含有量は、組成物の全量に対し、通常、0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上である。これにより、(A)成分を配合することによる効果を十分に発揮できる。上限は、通常、3質量%以下、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。これにより、刺激感を良好に抑制できる。従って、(A)成分の含有量は、通常、0.01~3質量%、好ましくは0.01~1質量%、より好ましくは0.05~0.5質量%である。
【0014】
本明細書において、各成分の含有量は、組成物を製造する際の各成分の仕込み量を基準とするものである。
【0015】
[(B)ピロリン酸アルカリ金属塩]
(B)成分は、ピロリン酸アルカリ金属塩である。(B)成分を含有することにより、口内のネバつき除去効果が増強され得る。ピロリン酸の塩を形成するアルカリ金属イオンとしては、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオンが挙げられ、ナトリウムイオンが好ましい。
【0016】
-(B)成分の含有量-
(B)成分の含有量は、組成物の全量に対し、通常、0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上である。これにより、(B)成分を配合することによる効果を十分に発揮できる。上限は、通常、5質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下である。これにより、刺激感を良好に抑制できる。従って、(B)成分の含有量は、通常、0.01~5質量%、好ましくは0.1~3質量%、より好ましくは0.3~1.5質量%である。
【0017】
[(C)ノニオン界面活性剤]
(C)成分は、ノニオン界面活性剤である。(C)成分を含有することにより、刺激低減効果を得ることができる。
【0018】
-ノニオン界面活性剤の例-
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート)、アルキロールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル(例、マルトース脂肪酸エステル)、糖アルコール脂肪酸エステル(例、マルチトール脂肪酸エステル、ラクチトール脂肪酸エステル)、脂肪酸ジエタノールアミド(例、ラウリル酸モノ又はジエタノールアミド)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エステルが挙げられる。ポリオキシエチレンアルキルエーテルのアルキル鎖の炭素原子数は、通常、14~18であり、エチレンオキサイド平均付加モル数は、通常、15~30モルである。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油のエチレンオキサイド平均付加モル数は、通常20~100モル、好ましくは20~60モルである。ソルビタン脂肪酸エステルの脂肪酸の炭素原子数は、通常12~18である。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの脂肪酸の炭素原子数は、通常16~18であり、エチレンオキサイド平均付加モル数は、通常10~40モルである。アルキロールアミドのアルキル鎖の炭素原子数は、通常12~14である。ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。
【0019】
-(C)成分の含有量-
(C)成分の含有量は、組成物の全量に対し、通常、0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上である。これにより、(C)成分の効果を十分発揮できる。上限は、通常、10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。これにより、ノニオン界面活性剤特有の異味の発生が抑制でき、油っぽい風味となり使用感が低下するおそれを抑制できる。従って、(C)成分の含有量は、通常、0.01~10質量%、好ましくは0.1~5質量%、より好ましくは0.2~3質量%である。
【0020】
[(D)ポリエチレングリコール]
(D)成分は、ポリエチレングリコールである。(D)成分を含有することにより、製剤安定性を向上させることができる。
【0021】
ポリエチレングリコールの平均分子量は、650以下、好ましくは600以下であり、より好ましくは150~650、更に好ましくは250~600である。ポリエチレングリコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール200(平均分子量190~210)、ポリエチレングリコール300(平均分子量280~320)、ポリエチレングリコール400(平均分子量380~420)、ポリエチレングリコール600(平均分子量570~630)が挙げられ、市販品でもよい。本明細書において、ポリエチレングリコールの平均分子量は、医薬部外品原料規格2006記載の平均分子量である。
【0022】
-(D)成分の含有量-
(D)成分の含有量は、組成物の全量に対し、通常、0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上である。これを下回ると、練肌が不十分となるおそれがある。上限は、通常、10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。これを上回ると、液分離が発生するおそれがある。従って、(D)成分の含有量は、通常、0.1~10質量%、好ましくは0.5~5質量%、より好ましくは1~3質量%である。
【0023】
[含有比率]
-(A)/(B)-
(A)成分の含有量の(B)成分の含有量に対する比((A)/(B))は、通常、0.001~20、好ましくは0.003~10、より好ましくは0.05~1である。これにより、口腔内のネバつき抑制効果が発揮されかつ長期間持続でき、口腔内刺激感が抑制され、さらに、液分離の抑制、良好なペーストの練肌等の外観が保存後も良好である等、保存安定性効果を得ることができる。
【0024】
-(A)/(C)-
(A)成分の含有量の(C)成分の含有量に対する比((A)/(C))は、通常、0.001~15、好ましくは0.002~10、より好ましくは0.05~1である。これにより、口腔内のネバつき抑制効果が発揮されかつ長期間持続でき、口腔内刺激感が抑制される等の効果を得ることができる。
【0025】
-(B)/(C)-
(B)成分の含有量の(C)成分の含有量に対する比((B)/(C))は、通常、0.01~50、好ましくは0.02~30、より好ましくは0.3~4である。これにより、口腔内のネバつき抑制効果が発揮されかつ長期間持続できる。
【0026】
[任意成分]
歯磨剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、(A)~(D)成分以外の他の成分を含有してもよい。他の成分としては、例えば、研磨剤、粘結剤、界面活性剤、湿潤剤、甘味剤、香料、pH調整剤、防腐剤、薬効成分、着色剤(色素)、溶剤等の歯磨剤組成物に配合され得る成分が挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
-研磨剤-
研磨剤としては、例えば、第2リン酸カルシウム・2水和塩又は無水和物、第1リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、不溶性メタリン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、第4リン酸カルシウム、第8リン酸カルシウム等のリン酸カルシウム系化合物;沈降性シリカ、アルミノシリケート、ジルコノシリケート、チタン結合性シリカ、シリカゲル等のシリカ系研磨剤;炭酸カルシウム(軽質、重質)等の炭酸カルシウム系研磨剤;水酸化アルミニウム、アルミナ等のアルミニウム系研磨剤;炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム等のマグネシウム系研磨剤;無水ケイ酸、ゼオライト、ケイ酸ジルコニウム等のケイ酸系研磨剤;ハイドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、カルシウム欠損アパタイト等のアパタイト系研磨剤;水酸化カルシウム;硫酸カルシウム、ベントナイト;二酸化チタン;結晶性ジルコニウムシリケート;ポリメチルメタアクリレート;合成樹脂系研磨剤が挙げられ、好ましくはシリカ系研磨剤、より好ましくは沈降性シリカ、アルミノシリケート、ジルコノシリケート、チタン結合性シリカ等のケイ酸塩を主成分とするシリカ系研磨剤、更に好ましくは沈降性シリカである。沈降性シリカは、平均粒子径が1~40μm、BET比表面積が1gあたり80~250m2の少なくともいずれかを満たすものが好ましい。研磨剤は、これらの1種でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。平均粒子径は、粒度分布測定装置(日機装(株)製、マイクロトラック粒度分布計、分散媒;水)により測定でき、実施例に示す平均粒子径も同様である。
【0028】
研磨剤は、顆粒剤(例えば、研磨成分である水不溶性粉体を顆粒状に造粒してなる粒子)でもよい。顆粒剤は、研磨成分を粒状化して調製でき、粒状化の際結合剤を用いてもよい。水不溶性粉体としては、例えば、第2リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、水不溶性メタリン酸カルシウム、シリカ、水酸化アルミニウム、リン酸マグネシウム、ベンガラ、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、ゼオライト、アルミノ珪酸塩、炭酸マグネシウム、ジルコノシリケート、硫酸カルシウム等の無機粉体、これらから選ばれる2以上の組み合わせが挙げられ、好ましくは、シリカ、ゼオライトである。顆粒剤の体積平均粒径(メジアン径d50)は、50~500μmが好ましい。本明細書において、体積平均粒径は、粒度分布測定装置(日機装(株)製、マイクロトラック粒度分布計、分散媒;水)による測定値である。顆粒剤の平均崩壊強度は、10~200g/個が好ましい。本明細書において、平均崩壊強度は、レオメーター(サンレオメーターCR-200D、サン科学社製)による、顆粒30個の自動破断強度測定値(顆粒1個を10mm/分の速度で圧縮した時に崩壊する時の荷重)の平均値である。
【0029】
シリカ顆粒剤としては、例えば、湿式法のゲル法シリカ、沈降法シリカが好適に用いられ、一次粒子径は3~15nm程度、好ましくは4~10nmが良好である。シリカ加硫剤の製造方法としては、例えば、ゲル法で4~10nm程度まで一次粒子径を成長させたシリカゲルの塊を洗浄、乾燥させた後に粉砕しシリカ顆粒(平均粒径が、例えば50~500μm)に分級する方法、シリカヒドロゾルを空気中に噴霧させゲル化させることで顆粒を調製する方法、沈降法で一次粒子の成長を抑えながら凝集させた後に一次粒子径を成長させる(例えば、一次粒子径が4~10nm程度となるまで成長させる)方法などが知られており、これらの方法でシリカ顆粒剤を調製できる。顆粒剤は着色されていてもよい。研磨剤の含有量は、組成物全体の8~70質量%が好ましい。研磨剤が顆粒剤である場合の含有量は、組成物全体の0.1~20質量%が好ましい。
【0030】
-粘結剤-
粘結剤としては、例えば、セルロース系粘結剤(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カチオン化セルロース等)、カラギーナン、キサンタンガム、グアガム、トラガントガム、カラヤガム、アラビヤガム、ローカストビーンガム、アルギン酸ナトリウム、モンモリロナイト、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー(商品名:カーボポール)、アルギン酸プロピレングリコール等の有機粘結剤;増粘性シリカ、ケイ酸アルミニウム等の無機粘結剤が挙げられる。粘結剤の含有量は、組成物全体の0.1~10質量%が好ましく、1.4~8質量%がより好ましい。
【0031】
-界面活性剤-
界面活性剤としては、例えば、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸塩、(A)成分以外のアシルアミノ酸塩、アシルタウリン塩、α-オレフィンスルホン酸塩、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸塩、ラウリルスルホ酢酸塩が挙げられる。アルキル基、アシル基は直鎖及び分岐鎖のいずれでもよく、飽和及び不飽和のいずれでもよく、その炭素原子数は通常10~20、好ましくは12~18、特に好ましくは12~14である。塩は、薬理学的に許容される塩から選択され得る。薬理学的に許容される塩としては、例えば、塩基付加塩及びアミノ酸塩が挙げられる。その具体例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等の無機塩基塩;トリエチルアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、ピリジニウム塩、ジイソプロピルアンモニウム塩等の有機塩基塩;アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩が挙げられる。中でも、無機塩基塩が好ましく、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩)又はアンモニウム塩がより好ましく、ナトリウム塩が更に好ましい。
【0032】
アルキル硫酸塩としては、例えば、ラウリル硫酸塩、ミリストイル硫酸塩が挙げられる。アシルアミノ酸塩としては、例えば、ラウロイルグルタミン酸塩;ミリストイルグルタミン酸塩、パルミトイルグルタミン酸塩等のアシルグルタミン酸塩;N-ラウロイル-N-メチルグリシン塩、ココイルグリシン塩等のアシルグリシン塩;N-ラウロイル-β-アラニン塩、N-ミリスチル-β-アラニン塩、N-ココイル-β-アラニン塩、N-ラウロイル-N-メチル-β-アラニン塩、N-ミリストイル-N-メチル-β-アラニン塩、N-メチル-N-アシルアラニン塩等のアシルアラニン塩;ラウロイルアスパラギン酸塩等のアシルアスパラギン酸塩が挙げられる。アシルタウリン塩としては、例えば、ラウロイルメチルタウリン塩、N-メチル-N-アシルタウリン塩、N-ココイルメチルタウリン塩が挙げられる。α-オレフィンスルホン酸塩としては、テトラデセンスルホン酸塩等の炭素原子数12~14のα-オレフィンスルホン酸塩が挙げられる。アニオン界面活性剤の他の例としては、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウムが挙げられる。
【0033】
アニオン界面活性剤は、泡立ち、泡質の良さの点で、スルホン酸基を含有することが好ましく、アルキル硫酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩がより好ましい。アニオン界面活性剤の含有量は、好ましくは組成物全体の0.1~2.5質量%、より好ましくは0.6~2.5質量%、更に好ましくは1~2.5質量%である。
【0034】
両性界面活性剤としては、例えば、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン(例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン)、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン(例えば、コカミドプロピルベタイン)等のベタイン型両性界面活性剤;N-脂肪酸アシル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルエチレンジアミン塩(例えば、N-ヤシ油脂肪酸アシル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン)、ヤシ油脂肪酸イミダゾリニウムベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリン型両性界面活性剤;ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタインが挙げられる。カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアンモニウム塩、アルキルベンジルアンモニウム塩が挙げられる。両性界面活性剤、カチオン界面活性剤を含む場合、それぞれの含有量は、組成物の全量に対し好ましくは、0.1~3質量%である。
【0035】
-甘味料-
組成物が甘味剤を含むことにより、使用感をより向上させることができる。甘味剤としては、例えば、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、サッカリン、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ペリラルチン、グリチルリチン、ソーマチン、アスパラチルフェニルアラニンメチルエステル等が挙げられる。甘味剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0036】
-湿潤剤-
組成物が湿潤剤を含むことにより、使用感をより向上させることができる。湿潤剤としては、(C)成分以外の多価アルコールが好ましく、例えば、ソルビトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトール等の糖アルコール;グリセリン;プロピレングリコール、エチレングリコール等のグリコール;還元でんぷん糖化物が挙げられる。湿潤剤の含有量は、通常、5~50質量%、好ましくは20~45質量%である。
【0037】
-香料-
組成物が香料を含むことにより、使用感をより向上させることができる。香料としては、例えば、ペパーミント油、スペアミント油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、クローブ油、タイム油、セージ油、カルダモン油、ローズマリー油、マジョラム油、レモン油、オレンジ油、ナツメグ油、ラベンダー油、パラクレス油、桂皮油、ピメント油、桂葉油、シソ油、冬緑油等の天然精油;メントール、カルボン、シンナミックアルデヒド、アネトール、1,8-シネオール、メチルサリシレート、オイゲノール、チモール、リナロール、リモネン、メントン、メンチルアセテート、シトラール、カンファー、ボルネオール、ピネン、スピラントール、n-デシルアルコール、シトロネロール、α-テルピネオール、シトロネリルアセテート、シネオール、エチルリナロール、ワニリン等の上記天然精油中に含まれる香料成分;エチルアセテート、エチルブチレート、イソアミルアセテート、ヘキサナール、ヘキセナール、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、ベンズアルデヒド、バニリン、エチルバニリン、フラネオール、N-エチル-p-メンタン-3-カルボキサミド、メンチルラクテート、エチレングリコール-l-メンチルカーボネート等の香料成分;及びいくつかの香料成分や天然精油を組み合わせてなるミント系、フルーツ系、ハーブ系等の各種調合フレーバーが挙げられる。香料は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0038】
-pH調整剤-
組成物がpH調整剤を含むことにより、製剤のpH安定性を確保できる。pH調整剤としては、例えば、フタル酸、クエン酸、コハク酸、酢酸、フマル酸、リンゴ酸、及び乳酸等の有機酸又はそれらの塩、リン酸(オルトリン酸)等の無機酸又はそれらの塩(例えば、カリウム塩、ナトリウム塩及びアンモニウム塩)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化物が挙げられる。無機酸塩としては、例えば、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムが挙げられる。pH調整剤の含有量は、通常、添加後の組成物のpHが5~9、好ましくは6~8.5になる量である。本明細書において、pH値は、通常、測定開始から25℃、3分後の値であり、東亜電波工業社製のpHメーター(型番Hm-30S)を用いて測定できる。
【0039】
-防腐剤-
組成物が防腐剤を含むことにより、製剤の防腐力を確保できる。防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル(例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル)、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。防腐剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0040】
-薬用成分-
薬用成分としては、例えば、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、イソプロピルメチルフェノール、グルコン酸亜鉛、クエン酸亜鉛、トリクロサン、チモール、ヒノキチオール、塩化リゾチーム等の殺菌又は抗菌剤;デキストラナーゼ、ムタナーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、リテックエンザイム等の酵素;フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化スズ等のフッ化物;ε-アミノカプロン酸、アラントイン、トラネキサム酸、グリチルリチン酸塩(例えば、グリチルリチン2カリウム塩)、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アズレン、ジヒドロコレステロール等の抗炎症剤;亜鉛、銅塩、スズ塩等の金属塩;縮合リン酸塩、エタンヒドロキシジホスフォネート等の歯石予防剤;ビタミンE(例えば、酢酸トコフェロール)等の血流促進剤;硝酸カリウム、乳酸アルミニウム、塩化ストロンチウム等の知覚過敏抑制剤;ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド等のコーティング剤;ビタミンC(例えば、アスコルビン酸またはその塩)、塩化リゾチーム、塩化ナトリウム等の収斂剤;銅クロロフィル、グルコン酸銅等の水溶性銅化合物;ゼオライト等の歯石予防剤、アラニン、グリシン、プロリン等のアミノ酸類、タイム、オウゴン、チョウジ、ハマメリス等の植物エキス;カロペプタイド、ポリビニルピロリドンを挙げることができる。薬用成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記他の有効成分の含有量は、有効量を適宜設定できる。
【0041】
-溶剤-
溶剤としては、例えば、水、低級1価アルコール(例、エタノール)、これらの混合溶剤が挙げられる。溶剤の配合量は、組成物全量に対し、通常1~90質量%、好ましくは15~80質量%、より好ましくは20~60質量%である。混合溶剤の場合、低級一価アルコールの添加量は、通常組成物中1~30質量%、好ましくは1~20質量%である。
【0042】
-他の任意成分-
上記以外の任意成分の例としては、例えば、雲母チタン、酸化チタン、ベントナイト等の無機化合物;カルナバワックス、ロジン、ライスワックス、マイクロクリスタリンワックス、ミツロウ、パラフィンワックス等のワックス類;セタノール、ステアリルアルコール等の高級アルコール;ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ウレタン、シリコン、天然ゴムが挙げられる。これらの成分の含有量は、本発明の効果を妨げない範囲で適宜設定できる。
【0043】
本発明の組成物は、練歯磨剤、ジェル状歯磨剤、液状歯磨剤、液体歯磨剤、潤製歯磨剤、粉歯磨剤等の歯磨剤として利用でき、好ましくは練歯磨剤、ジェル状歯磨剤である。
【0044】
歯磨剤組成物の剤形は、利用形態に応じて適宜選択することができ、特に限定されない。剤形としては、例えば、ゲル状、ペースト状が挙げられる。
【0045】
〔組成物の製造方法〕
歯磨剤組成物の製造方法は特に限定されず、剤形に応じて、それぞれの通常の方法で調製され得る。例えば練歯磨剤として利用する場合、水溶性成分を調製した後、それ以外の成分を混合し、必要に応じて脱泡(例えば、減圧等)を行う方法が挙げられる。得られる練歯磨は、容器に収容して製品とすることができる。容器は、形状、材質は特に制限されず、通常の練歯磨用組成物に使用される容器を使用でき、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンなどのプラスチック容器等が挙げられる。
【0046】
[2.口腔内のネバつき抑制剤]
ネバつき抑制剤は、(A)及び(B)成分を含有し、好ましくは(C)及び(D)成分の少なくともいずれかを更に含有し、より好ましくは(A)~(D)成分を含有する。各成分の例、含有量、含有比については前段で述べたのと同様である。
ネバつき抑制剤は、口腔内のネバつきを抑制でき、抑制効果を長期間持続できる。ネバつき抑制剤は、口腔用組成物、好ましくは歯磨剤組成物へ添加されることにより上記効果を効率よく発揮できる。
【実施例】
【0047】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、表中の%は特に断らない限り質量%を示す。
【0048】
[実施例及び比較例に使用した主な原料]
実施例及び比較例において用いた主な原料を下記にまとめて記載する。
(A)ラウロイルサルコシンナトリウム:
日光ケミカルズ(株)製、NIKKOL サルコシネートLN
(B)ピロリン酸ナトリウム:
太平化学産業(株)製
(C)ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油:
日本エマルジョン(株)製、HC-20
ポリオキシエチレン(5)ステアリルエーテル:
日本エマルジョン(株)製、605
(D)ポリエチレングリコール:
三洋化成工業(株)製、ポリエチレングリコール400
その他の成分については医薬部外品原料規格2006に適合したものを用いた。
【0049】
実施例1~27及び比較例1~2(歯磨剤)
上述の成分を用いて、下記の調製方法に従って、表1~4に示す配合組成(質量部)を有する歯磨用組成物を調製した。
【0050】
[歯磨用組成物の調製方法]
精製水に水溶性成分(粘結剤、プロピレングリコール、ソルビットを除く)を溶解させた後、ソルビット液及び増粘性シリカを添加混合し、I液を得た。別途、プロピレングリコールに粘結剤を分散させてII液を得た。次いで、得られたI液にII液を加えて撹拌し、III液を得た。得られたIII液に、香料、研磨剤、界面活性剤等の水溶性成分以外の成分を加え、1.5Lニーダー(石山工作所社製)を用い常温で混合し、減圧(圧力4kPa)による脱泡を行い、歯磨用組成物を得た。
【0051】
得られた歯磨用組成物を下記の手順で評価した。評価結果を表1~4に示す。
【0052】
<口腔内のネバつき感及び刺激感の評価>
パネラー4名(n=4)による使用感評価を行った。歯ブラシ(クリニカアドバンテージ歯ブラシ、4列コンパクトふつう、ライオン社製)にサンプル1gを乗せ、3分間歯みがきを行ったのち、10mLの水で1回洗口した。口内のネバつき感の有無(使用直後及び2時間後の口腔内のネバつき)、口腔内刺激感(使用直後の口腔内での刺激感)の有無を下記評価基準によって判定し、4名の平均点を求め、下記の評価基準で評価した。
【0053】
-口内のネバつき感の評価(直後及び2時間後)-
・評点基準
1点:強く感じる
2点:感じる
3点:あまり感じない
4点:ほとんど感じない
5点:全く感じない
・評価基準
◎:4人の平均点が4点以上
○:4人の平均点が3点以上4点未満
×:4人の平均点が3点未満
【0054】
-口腔内刺激感-
・評点基準
1点:非常に感じる
2点:感じる
3点:あまり感じない
4点:ほとんど感じない
5点:全く感じない
・評価基準
◎:4人の平均点が4点以上
○:4人の平均点が3点以上4点未満
×:4人の平均点が3点未満
【0055】
<製剤の保存安定性の評価>
-液分離安定性-
歯磨剤組成物をチューブ容器に収容したものを3本ずつ40℃条件下に1ヶ月保存した後、下記の評点基準で判定し、下記基準で評価した。
・評価基準
◎:液分離が認められない
○:液分離の兆候がごくわずかに認められる(表面に分離の兆候である艶が認められる)が品質上問題ないレベルである
×:液分離が認められる
【0056】
-練肌-
歯磨剤組成物をチューブ容器に収容したものを3本ずつ-5℃で1ヶ月間保存した後、下記の評価基準で判定した。
・評価基準
◎:対象品と同等であり、歯磨剤組成物の表面にしわがなく、つやに変化が認められない
○:対象品と比べて、歯磨剤組成物の表面にわずかなしわや表面のつやにわずかな劣化が認められるが、品質上問題ないレベルである
×:対象品と比べて、歯磨剤組成物の表面にしわが認められ、表面につやがなくなり品質上問題であるレベルである
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
〔表1~4の脚注〕
研磨性シリカ:平均粒子径約20μm
【0062】
ラウロイルサルコシンナトリウムを配合しない比較例1、ピロリン酸ナトリウムを配合しない比較例2では口腔内のネバつき感(直後、2時間後)の評価が低かったのに対し、ラウロイルサルコシンナトリウム、ピロリン酸ナトリウムを配合した実施例1~27は、いずれも良好な評価であり、優れた口腔内のネバつき抑制機能を有していた。また、歯磨剤組成物としては、アニオン界面活性剤、ポリエチレングリコールを配合した実施例1~24の歯磨剤組成物では、これらのいずれも、またはいずれかを配合しない実施例25~27の歯磨剤組成物と比較して、刺激感が十分に抑制され、練肌も良好であった。
これらの結果は、本発明が口腔内のネバつき抑制剤として有効に機能し、また本発明の歯磨剤組成物が、口腔内のネバつき防止効果を有しかつ長期間発揮できるので清掃実感が良好であり、さらに好ましい態様では、刺激感が抑制され、良好な外観安定性を有することを示している。