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特許7630348判定装置、判定方法及びコンピュータープログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-06
(45)【発行日】2025-02-17
(54)【発明の名称】判定装置、判定方法及びコンピュータープログラム
(51)【国際特許分類】
   B65G 61/00 20060101AFI20250207BHJP
【FI】
B65G61/00 540
B65G61/00 426
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021081467
(22)【出願日】2021-05-13
(65)【公開番号】P2022175231
(43)【公開日】2022-11-25
【審査請求日】2024-02-27
(73)【特許権者】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新関 智明
(72)【発明者】
【氏名】田中 望
(72)【発明者】
【氏名】田邉 圭佑
(72)【発明者】
【氏名】伴 泰洋
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-347941(JP,A)
【文献】特開2019-194822(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 61/00
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の容器について、前記容器に格納される所定の物体の残量に関する情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部によって取得された各容器の残量と、前記容器の位置と、に基づいて、前記物体の配送先となる1又は複数の容器を示す情報を含む配送計画を判定する計画判定部と、
前記計画判定部によって判定された前記配送計画を、配送を行う者の装置である配送端末装置へ送信する情報提供部と、
を備え
前記計画判定部は、前記物体の残量が所定の第一閾値以下の容器を配送先として判定し、
前記計画判定部は、残量が前記第一閾値以下の容器として判定された各容器への配送量の総量に加えて、配送に使用される配送車においてさらに積載可能な量に基づいて、さらに配送先となる新たな容器を判定する、判定装置。
【請求項2】
複数の容器について、前記容器に格納される所定の物体の残量に関する情報を取得する情報取得ステップと、
前記情報取得ステップにおいて取得された各容器の残量と、前記容器の位置と、に基づいて、前記物体の配送先となる1又は複数の容器を示す情報を含む配送計画を判定する計画判定ステップと、
前記計画判定ステップにおいて判定された前記配送計画を、配送を行う者の装置である配送端末装置へ送信する情報提供ステップと、
を有し、
前記計画判定ステップにおいて、前記物体の残量が所定の第一閾値以下の容器を配送先として判定し、
前記計画判定ステップにおいて、残量が前記第一閾値以下の容器として判定された各容器への配送量の総量に加えて、配送に使用される配送車においてさらに積載可能な量に基づいて、さらに配送先となる新たな容器を判定する、判定方法。
【請求項3】
請求項1に記載の判定装置としてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器内に備蓄される物体を補充するために物体を効率的に配送するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
牧場は、比較的広大な地域に点在していることが多い。各牧場では、家畜向けの飼料を保管する飼料タンクを設置し、ある程度の期間にわたって利用可能な程度の量の飼料を備蓄している。例えば特許文献1に示されるように、飼料タンクの残量の管理などにおいてセンサーを用いたツールも提供されている。複数の牧場に対して飼料を配送するサービスを行う業者も存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-71201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような配送事業では、牧場運営が行われる地域性に依存する人員不足、環境起因によるデジタル化の遅れ等による運営課題が多い。また、消費ペースの把握や飼料生産コントロール等、サプライチェーンの多くは人手の経験と勘に頼っている部分が多い。そのため、効率的な配送が容易ではなく、運営が困難になってしまうことも少なくなかった。このような問題は、必ずしも飼料の配送に限られた問題ではなく、複数の地点に設置された容器に対して格納物体を補充するために配送する場合に共通した問題であった。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、複数の地点の容器に対して格納物体を効率的に配送することを可能にする技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、複数の容器について、前記容器に格納される所定の物体の残量に関する情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部によって取得された各容器の残量と、前記容器の位置と、に基づいて、前記物体の配送先となる1又は複数の容器を示す情報を含む配送計画を判定する計画判定部と、前記計画判定部によって判定された前記配送計画を、配送を行う者の装置である配送端末装置へ送信する情報提供部と、を備える判定装置である。
【0007】
本発明の一態様は、上記の判定装置であって、前記計画判定部は、前記物体の残量が所定の第一閾値以下の容器を配送先として判定する。
【0008】
本発明の一態様は、上記の判定装置であって、前記計画判定部は、残量が前記第一閾値以下の容器として判定された各容器への配送量の総量に加えて、配送に使用される配送車においてさらに積載可能な量に基づいて、さらに配送先となる新たな容器を判定する。
【0009】
本発明の一態様は、複数の容器について、前記容器に格納される所定の物体の残量に関する情報を取得する情報取得ステップと、前記情報取得ステップにおいて取得された各容器の残量と、前記容器の位置と、に基づいて、前記物体の配送先となる1又は複数の容器を示す情報を含む配送計画を判定する計画判定ステップと、前記計画判定ステップにおいて判定された前記配送計画を、配送を行う者の装置である配送端末装置へ送信する情報提供ステップと、を有する判定方法である。
【0010】
本発明の一態様は、上記の判定装置としてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、複数の地点の容器に対して格納物体を効率的に配送することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の配送支援システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。
図2】推定装置50の機能構成を示す概略ブロック図である。
図3】情報提供部533によって提供される情報に基づいて端末装置40に表示される画面の具体例を示す図である。
図4】端末装置40の表示例を示す図である。
図5】判定装置60の機能構成を示す概略ブロック図である。
図6】配送端末装置70に表示される画面の具体例を示す図である。
図7】配送支援システム100の処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。
図8】配送支援システム100の配送支援処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の具体的な構成例について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の配送支援システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。
【0014】
配送支援システム100は、飼料タンク10、センサーユニット20、中継装置30、端末装置40、推定装置50、判定装置60及び配送端末装置70を備える。中継装置30と、センサーユニット20とは、通信を行うことによってデータを送受信する。中継装置30とセンサーユニット20との間で行われる通信は、無線通信であってもよいし有線通信であってもよい。図1の例では、無線通信を一例として示している。この無線通信は、例えば短距離無線通信(例えばBluetooth(登録商標))であってもよいし、無線LAN(Local Area Network)であってもよいし、LPWA(Low Power, Wide Area)であってもよい。
【0015】
中継装置30、端末装置40、推定装置50、判定装置60及び配送端末装置70は、ネットワーク90を介して通信する。ネットワーク90は、無線通信を用いたネットワークであってもよいし、有線通信を用いたネットワークであってもよい。ネットワーク90は、複数のネットワークが組み合わされて構成されてもよい。
【0016】
中継装置30は、センサーユニット20から受信されたデータを推定装置50に送信する。推定装置50は、受信されたデータに基づいて飼料タンク内の飼料の状態について推定し、推定結果に基づいて端末装置40及び判定装置60にデータを送信する。判定装置60は、推定装置50から送信された推定結果を含む情報に基づいて、各飼料タンク10が設置された地点への飼料の配送計画を判定する。配送計画は、例えば配送のタイミングを示す情報と、配送ルートを示す情報と、を含む。配送計画は、さらに配送の対象となる資料の種別や、各飼料タンク10への配送量を示す情報や、各飼料タンク10への配送順序を示す情報を含んでもよい。
【0017】
飼料タンク10の内部には、所定の物体(以下「格納物体」という。)が格納される。本実施形態において飼料タンク10の内部に格納される格納物体は、畜産飼料である。畜産飼料は、例えば粒状の物体である。畜産飼料には複数の種別が存在してもよい。飼料タンク10毎に、格納されている飼料の種別は判定装置60において予め記憶されていてもよい。
【0018】
センサーユニット20は、飼料タンク10に設けられる。センサーユニット20は、推定装置50との間で予め定められた方法で、飼料タンク10内の飼料の量に応じて変化する所定の種別の物理量を取得する。センサーユニット20は、取得された物理量を示す情報を、中継装置30を介して推定装置50へ送信する。以下、センサーユニット20の具体例について説明する。
【0019】
センサーユニット20は、例えば飼料タンク10の内側上部に設けられる。センサーユニット20は、例えば制御装置及びセンサー装置を備える。制御装置は、所定のタイミングでセンサー装置から測定値の情報を取得し、取得した情報を中継装置30に送信する。センサー装置は、飼料タンク10内の飼料の量に関連する物理量を測定する装置である。センサー装置は、例えば超音波センサーを用いて構成されてもよいし、レーザーセンサーを用いて構成されてもよいし、他の態様のセンサー装置を用いて構成されてもよい。以下の説明では、センサー装置の具体例として超音波センサーが用いられた場合の実施形態について説明する。超音波センサーは、例えば飼料タンク10の内側上部から下方に向けて超音波を発信する。超音波センサーは、飼料タンク10の内壁又は格納物体である畜産飼料によって反射された超音波を受信する。超音波センサーは、超音波の発信タイミングと受信タイミングとの差に基づいて、飼料タンク10の内側上部から、超音波が反射した箇所(以下「反射点」という。)までの高さの差を示す測定値を取得する。反射点が格納物体の上面であれば、超音波センサーは、容器の内側上部から格納物体の上面までの高さの差を示す測定値を得る。超音波センサーは、取得した測定値を示すデータを制御装置に出力する。制御装置は、中継装置30を介して推定装置50へ測定値を示す情報を送信する。
【0020】
中継装置30は、通信装置である。中継装置30は、センサーユニット20との間で通信を行う第一通信インターフェースと、ネットワーク90を介して他装置との間で通信を行う第二通信インターフェースを備える。中継装置30は、第一通信インターフェースによってセンサーユニット20からデータを受信する。中継装置30は、受信されたデータを、第二通信インターフェースによって推定装置50に送信する。
【0021】
端末装置40は、飼料タンク10に関連するユーザーによって使用される情報処理装置である。端末装置40は、例えば携帯電話、タブレット端末、パーソナルコンピューター、テレビ受像器、中央制御装置などの装置である。端末装置40は、推定装置50から、飼料タンク10内の格納物体に関する情報を受信する。端末装置40は、受信された情報を出力する。端末装置40は、例えば音声を出力することによって情報を出力してもよいし、画面を表示することによって情報を出力してもよい。画面の表示は、例えばブラウザによって行われてもよいし、特定のアプリケーションによって行われてもよい。ユーザーは、端末装置40の出力を知覚することによって、飼料タンク10内の格納物体の残量を認識することができる。
【0022】
推定装置50は、パーソナルコンピューターやサーバー装置等の情報処理装置を用いて構成される。図2は、推定装置50の機能構成を示す概略ブロック図である。推定装置50は、通信部51、記憶部52及び制御部53を備える。
【0023】
通信部51は、通信インターフェースを用いて構成される。通信部51は、無線通信又は有線通信でネットワーク90に接続し、他の装置との間でデータ通信する。
【0024】
記憶部52は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部52は、制御部53によって記録されるデータを記憶する。記憶部52に記憶されているデータは、制御部53によって読み出される。記憶部52は、例えばセンサーユニット20から送信された測定値のログを記憶する。記憶部52は、例えば制御部53によって推定された結果を示す情報を記憶する。
【0025】
制御部53は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーとメモリとを用いて構成される。制御部53は、CPUがプログラムを実行することによって、測定値取得部531、残量推定部532及び情報提供部533として機能する。なお、制御部53の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。プログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されても良い。
【0026】
測定値取得部531は、センサーユニット20から送信されたデータを、通信部51を介して受信する。測定値取得部531は、受信されたデータから、超音波センサーの測定値を取得する。測定値取得部531は、取得された測定値を記憶部52にログデータとして記録する。例えば、測定値取得部531は、取得された測定値と、各測定値がセンサーユニット20において取得された時刻と、を対応付けて記憶部52に記録してもよい。
【0027】
残量推定部532は、センサーユニット20から受信された測定値に基づいて、各センサーユニット20が取り付けられている飼料タンク10内の畜産飼料14の残量を推定する。例えば、残量推定部532は、測定値と推定値との関係を示す所定の演算を実行することによって推定値を取得してもよい。例えば、残量推定部532は、測定値と推定値とのルックアップテーブルに基づいて推定値を取得してもよい。上述した演算の内容やルックアップテーブルは、予め記憶部52に記憶されていてもよい。残量推定部532は、推定結果と、その推定結果の元となった測定値が取得された日時と、を対応付けて記憶部52に記録する。
【0028】
情報提供部533は、飼料タンク10の関係者が使用する端末装置40に対し情報を提供する。情報提供部533は、端末装置40に対し、その関係者が使用する飼料タンク10に取り付けられたセンサーユニット20によって得られた測定値に基づいて得られる情報を提供する。例えば、飼料タンク10と、情報の提供先となる端末装置40とが予め対応付けて記憶部52に記録されていてもよい。例えば、端末装置40から、飼料タンク10を示す識別子とともに要求データが送信され、要求データに含まれる識別子が示す飼料タンク10に関する情報がその端末装置40に応答情報として送信されてもよい。この場合、端末装置40から飼料タンク10に関する認証がなされることが望ましい。情報提供部533が提供する情報は、例えば残量の推定結果であってもよい。情報提供部533は、予め定められた所定のタイミングにおいて、プッシュ通信で端末装置40に対して推定値を通知してもよい。
【0029】
図3は、情報提供部533によって提供される情報に基づいて端末装置40に表示される画面の具体例を示す図である。図3の例では、表示画面には、前遷移ボタン901、タンク状体画像902、残量推定値903、温度測定値904、湿度測定値905、電池残量値906、直近開閉日時907及び後遷移ボタン908が表示される。
【0030】
前遷移ボタン901は、表示される情報を、一つ前のタイミングで取得された情報に遷移させることを指示するためのボタンである。前遷移ボタン901が操作されると、端末装置40は、現在表示されている情報よりも一つ前のタイミングで取得された情報を要求するデータを推定装置50に送信する。推定装置50の情報提供部533は、要求に応じたタイミングのデータを記憶部52から読み出し、要求元である端末装置40に送信する。端末装置40は、推定装置50からデータを受信すると、受信されたデータに基づいて表示画面を生成し表示する。
【0031】
タンク状体画像902は、飼料タンク10内の畜産飼料の蓄積形状を示す画像である。推定装置50が、飼料タンク10内の畜産飼料の蓄積形状の推定結果を取得できる場合には、このような画像が端末装置40に表示されてもよい。
【0032】
残量推定値903は、残量推定部532の推定結果である残量の値を示す。残量推定値903は、他の文字列に比べてより大きな文字列で表示されてもよい。温度測定値904は、飼料タンク10内の温度の測定値を示す。このような表示がなされる場合、温度センサーがセンサーユニット20に設けられる。湿度測定値905は、飼料タンク10内の湿度の測定値を示す。このような表示がなされる場合、湿度センサーがセンサーユニット20に設けられる。電池残量値906は、センサーユニット20に設けられた電池の残量を示す。このような表示がなされる場合、電池の残量を測定するセンサーがセンサーユニット20に設けられる。直近開閉日時907は、最も近いタイミングで飼料タンク10の上蓋が開閉されたと推定される日時を示す。このような表示がなされる場合、開閉検知センサーがセンサーユニット20に設けられる。ユーザーは、直近開閉日時907の値を見ることによって、いつ上蓋が開閉されたかを知ることができる。
【0033】
後遷移ボタン908は、表示される情報を、一つ後のタイミングで取得された情報に遷移させることを指示するためのボタンである。後遷移ボタン908が操作されると、端末装置40は、現在表示されている情報よりも一つ後のタイミングで取得された情報を要求するデータを推定装置50に送信する。推定装置50の情報提供部533は、要求に応じたタイミングのデータを記憶部52から読み出し、要求元である端末装置40に送信する。端末装置40は、推定装置50からデータを受信すると、受信されたデータに基づいて表示画面を生成し表示する。
【0034】
その他にも、図3に示される画面には、表示されている情報が示す飼料タンク10の名称“和牛第1”とタンク容量“2.0t”、飼料タンク10内の畜産飼料14の名称“飼料A”、などが表示されている。
【0035】
図4は、端末装置40の表示例を示す図である。複数の飼料タンク10を管理するユーザーの端末装置40には、図4に示されるように1つの画面で複数の飼料タンク10の情報が表示されてもよい。図4の例では、図3に示される画像が1つの画面で2つ縦に並べて表示されている。
【0036】
図5は、判定装置60の機能構成を示す概略ブロック図である。判定装置60は、パーソナルコンピューターやサーバー装置等の情報処理装置を用いて構成される。判定装置60は、通信部61、記憶部62及び制御部63を備える。
【0037】
通信部61は、通信インターフェースを用いて構成される。通信部61は、無線通信又は有線通信でネットワーク90に接続し、他の装置との間でデータ通信する。
【0038】
記憶部62は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部62は、制御部63によって記録されるデータを記憶する。記憶部62に記憶されているデータは、制御部63によって読み出される。記憶部62は、例えば推定装置50から送信された推定結果のログを記憶する。記憶部62は、例えば制御部63によって判定された結果を示す情報を記憶する。記憶部62は、情報提供先となる配送端末装置70のユーザー(配送者)の配送の候補となる全ての飼料タンク10(以下「配送候補タンク」という。)に関する情報を記憶していてもよい。なお、配送者とは、実際に配送車を運転して配送を行う人物であってもよいし、配送を行う人物を1名以上雇用する自然人又は法人であってもよい。
【0039】
飼料タンク10に関する情報とは、例えばその飼料タンク10の内部に蓄積されている飼料の種別、飼料タンク10の内容量、飼料タンク10の設置位置を示す情報である。記憶部62は、配送者によって使用され得る配送車に関する情報を記憶してもよい。配送車に関する情報とは、その配送車が積載可能な飼料の最大量を示す情報であってもよいし、その配送車が通行可能な道路や通行不可能な道路や、走行不可能な天候を示す情報であってもよい。
【0040】
制御部63は、CPU等のプロセッサーとメモリとを用いて構成される。制御部63は、CPUがプログラムを実行することによって、情報取得部631、計画判定部632及び情報提供部633として機能する。なお、制御部63の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。プログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されても良い。
【0041】
情報取得部631は、計画判定部632によって使用される1又は複数の情報を取得する。情報取得部631は、取得された情報を、記憶部62に記録する。例えば、情報取得部631は、推定装置50から、配送候補タンクにおける飼料の残量の推定値を示す情報を取得する。推定値は、より最新に近い情報であることが望ましい。例えば、所定のタイミング(1日に1回、1日に複数回の所定の時刻など)で各推定値が更新されてもよい。推定値の更新タイミングは飼料タンク10毎に異なっていてもよい。
【0042】
例えば、情報取得部631は、各飼料タンク10に対して飼料を配送する際に使用する候補となる各道路(以下「候補道路」という。)の状態を示す情報(以下「道路情報」という。)を取得する。道路情報は、各道路について通行可能か否かを示す情報を含んでもよい。道路情報は、例えば、各道路における交通量を示す情報を含んでもよい。例えば、情報取得部631は、各飼料タンク10が設置されている領域や候補道路における天候を示す情報であってもよい。このような天候を示す情報は、天候に関する情報を配信している所定のサーバーから取得されてもよい。天候を示す情報は、例えば風速、降水量、降雪量、天候の種別(晴、雨、雪など)を示す情報であってもよい。
【0043】
計画判定部632は、情報取得部631によって取得された情報に基づいて、複数の飼料タンク10への飼料の配送計画を判定する。以下、計画判定部632の処理の具体例について説明する。
【0044】
例えば、計画判定部632は、配送候補タンクに含まれる全ての飼料タンク10のうち、飼料の残量の推定値が所定の第一閾値以下の飼料タンク10を判定する。第一閾値は、例えばなるべく早いタイミングで飼料が補充されることが望ましい残量を示す。例えば、第一閾値は、1日以内や数日以内に飼料が補充されることが望ましい残量や、次の配送タイミングで飼料が補充されることが望ましい残量を示す。計画判定部632は、残量の推定値が第一閾値以下の全ての飼料タンク10を、次回の配送対象の飼料タンク10として判定してもよい。そして、計画判定部632は、所定のルーティングアルゴリズムに基づいて、配送対象となった各飼料タンク10への配送順や配送ルートを配送計画として判定する。
【0045】
計画判定部632は、各飼料タンク10への配送量として、飼料タンク10毎に予め定められている量を判定してもよい。このような量は、例えば絶対量(飼料の重さや所定の単位(袋の数など))として判定されてもよいし、その飼料タンク10の大きさに対する相対値(例えば50%等の値)として判定されてもよい。計画判定部632は、配送対象となった各飼料タンク10への配送量の総量を算出する。計画判定部632は、算出された総量に基づいて、その総量を積載可能な配送車を判定してもよい。最も積載量が多い配送車の積載量を総量が超えている場合には、複数の配送車又は複数回の配送で飼料を配送することを前提として配送順や配送ルートが判定されてもよい。
【0046】
計画判定部632は、配送車の最大積載量から総量を減算した値に基づいて、その時点で配送対象として判定されていない飼料タンク10への配送を判定してもよい。例えば、計画判定部632は、配送候補タンクに含まれる全ての飼料タンク10のうち、飼料の残量の推定値が所定の第一閾値よりも多く、且つ、所定の第二閾値以下の飼料タンク10を判定する。第二閾値は、第一閾値よりも大きい値である。計画判定部632は、このように判定された飼料タンク10の中から、新たな配送先となる飼料タンク10を判定してもよい。このとき、新たに判定される飼料タンク10への配送量は、第一閾値以下の残量である場合に判定される配送量(以下「第一配送量」という。)よりも少ない配送量(以下「第二配送量」という。)であってもよい。
【0047】
このとき、計画判定部632は、第一配送量の総量と、第二配送量の総量と、の和が配送車の最大積載量よりも多くならないように、第二配送量の配送先となる飼料タンク10を判定する。例えば、計画判定部632は、第二配送量の配送先の候補となっている飼料タンク10のうち、第一配送量の配送先となっている飼料タンク10への配送ルートから所定距離(直線距離であってもよいし、道のりの距離であってもよい)の範囲内に位置する飼料タンク10を、第二配送量の配送先として判定してもよい。このように第二配送量の配送先が判定されることによって、第一配送量の配送先となっている配送ルートの付近に位置する飼料タンク10に対して、その配送ルートで配送するついでに飼料を配送することが可能となる。その結果、飼料タンク10へ配送する回数を減らすことができ、結果として配送に要する時間や燃料などを削減することが可能となる。
【0048】
計画判定部632には以下のような処理を行ってもよい。例えば、計画判定部632は、第一配送量の配送先となっている飼料タンク10のうち最も遠くに位置する飼料タンク10を、基準飼料タンクとして判定する。そして、第二配送量の配送先の候補となっている飼料タンク10のうち、基準飼料タンクの飼料タンク10から所定の距離以内に位置している飼料タンク10を、第二配送量の配送先として判定してもよい。このように第二配送量の配送先が判定されることによって、より遠くに位置する飼料タンク10に対して、基準飼料タンクへ配送するついでに飼料を配送することが可能となる。この場合、より遠くに位置する飼料タンク10において飼料が少なくなることを防止することができる。その結果、遠くに位置する飼料タンク10へ配送する回数を減らすことができ、結果として配送に要する時間や燃料などを削減することが可能となる。
【0049】
上述した基準飼料タンクに基づいて第二配送量の配送先を判定する際に、さらにその第二配送量の配送先への配送ルートから所定距離(直線距離であってもよいし、道のりの距離であってもよい)の範囲内に位置する飼料タンク10(第二配送量の配送先の候補)が、第二配送量の配送先として判定されてもよい。
【0050】
計画判定部632は、道路情報に基づいて、その判定タイミングから所定の期間にわたって飼料を配送することが困難になる見込みの飼料タンク10や、所定の期間にわたって配送に遠回りが必要となってしまう飼料タンク10を、配送先として判定してもよい。例えば、このような判定は、冬季の所定の期間にわたって通行止めになる道路や、天候不順(雨や雪など)によって通行が困難となる道路に基づいて判定されてもよい。
【0051】
情報提供部633は、計画判定部632の判定結果である配送計画の情報を配送端末装置70に送信する。情報提供部633は、例えば配送計画において配送先となった各飼料タンク10の位置情報と、各飼料タンク10へ配送する際に使用されるべき道路(配送ルート)を示す情報と、各飼料タンク10への配送順序を示す情報と、を配送端末装置70に送信してもよい。
【0052】
配送端末装置70は、飼料タンク10に飼料を配送する配送者によって使用される情報処理装置である。配送端末装置70は、例えば携帯電話、タブレット端末、パーソナルコンピューター、テレビ受像器、中央制御装置などの装置である。配送端末装置70は、判定装置60から、配送計画の情報を受信する。配送端末装置70は、受信された情報を出力する。配送端末装置70は、例えば音声を出力することによって情報を出力してもよいし、画面を表示することによって情報を出力してもよい。画面の表示は、例えばブラウザによって行われてもよいし、特定のアプリケーションによって行われてもよい。配送者は、配送端末装置70の出力を知覚することによって、配送計画に含まれる情報を認識することができる。例えば、配送端末装置70は、配送計画にしたがって道順を配送者に対して通知するカーナビゲーション装置として機能してもよい。
【0053】
図6は、配送端末装置70に表示される画面の具体例を示す図である。配送の出発地点を示す画像81と、配送先として判定された飼料タンク10を示す画像80a~80dと、が表示されている。これらの画像に加えて、配送順序や配送時に使用される道路などを示す画像がさらに表示されてもよい。
【0054】
図7は、配送支援システム100の処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。センサーユニット20の制御装置は、超音波センサーの測定値を所定のタイミングで取得する。センサーユニット20の制御装置は、取得された測定値を含むデータを中継装置30に送信する(ステップS101)。中継装置30は、センサーユニット20からデータを受信すると、受信されたデータを推定装置50に中継する(ステップS102)。
【0055】
推定装置50の測定値取得部531は、超音波センサーの測定値を含むデータを受信すると、受信されたデータに含まれる測定値をログデータとして記憶部52に記録する。推定装置50の残量推定部532は、測定値に基づいて畜産飼料の残量を推定する(ステップS103)。情報提供部533は、推定結果を含む提供情報のデータを生成する。情報提供部533は、得られた推定結果の飼料タンク10に対応付けられている端末装置40に対し、提供情報のデータを送信する(ステップS104)。端末装置40は、提供情報のデータを受信すると、受信されたデータに基づいて画面のデータを生成する(ステップS105)。そして、端末装置40は、生成された画面を表示する(ステップS106)。
【0056】
図8は、配送支援システム100の配送支援処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。推定装置50から、残量の推定結果を示す情報(残量情報)が判定装置60へ送信される(ステップS201)。情報取得部631は、推定装置50から送信された残量情報を取得し、記憶部62に記録する(ステップS202)。計画判定部632は、取得された情報に基づいて配送計画を判定する(ステップS203)。情報提供部633は、計画判定部632によって判定された配送計画を示す情報を配送端末装置70に送信する(ステップS204)。配送端末装置70は、配送計画の情報のデータを受信すると、受信されたデータに基づいて画面のデータを生成する(ステップS205)。そして、配送端末装置70は、生成された画面を表示する(ステップS206)。
【0057】
このように構成された配送支援システム100では、所定の容器(例えば飼料タンク10)内に蓄積された所定の格納物体(例えば畜産飼料)の残量に応じて、補充するための配送計画を判定することが可能となる。そのため、配送者に対してこの配送計画を送信することによって、効率的な配送の支援を行うことが可能となる。
【0058】
また、飼料の配送を行う者にとっては、より効率的に畜産飼料を配送することが可能となり、飼料の品質を高く維持しつつ、飼料そのものの価格や飼料配送の価格を低くすることが可能となる。さらに、飼料の配送を行う者にとっては、酪農地域の特性である広大な営業エリアの供給管理をより容易に行うことが可能となる。
【0059】
(変形例)
図1の例では、容器の具体例として飼料タンクが適用され、容器に格納される物体(格納物体)の具体例として畜産飼料が適用された。しかしながら、容器及び格納物体は、それぞれ飼料タンク及び畜産飼料に限定される必要は無い。例えば、格納物体の具体例として、砂、石、粒状のポリマー、動物の体毛がある。個々の格納物体の大きさが容器の大きさに比べて十分に小さく、格納物体の堆積時の形状(特に上面の形状)が変化するようなものであってもよい。また、格納物体の具体例として上述したような固体が適用されてもよいし、水や石油などのような液体が適用されてもよい。格納物体は、超音波を反射する物体であれば、どのような物体であってもよい。
【0060】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0061】
100…配送支援システム100, 10…飼料タンク, 20…センサーユニット, 30…中継装置, 40…端末装置, 50…推定装置, 51…通信部, 52…記憶部, 53…制御部, 531…測定値取得部, 532…残量推定部, 533…情報提供部, 60…判定装置, 61…通信部, 62…記憶部, 63…制御部, 631…情報取得部, 632…計画判定部, 633…情報提供部, 901…前遷移ボタン, 902…タンク状体画像, 903…残量推定値, 904…温度測定値, 905…湿度測定値, 906…電池残量値, 907…直近開閉日時, 908…後遷移ボタン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8