(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-06
(45)【発行日】2025-02-17
(54)【発明の名称】冷却貯蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 21/06 20060101AFI20250207BHJP
F25D 17/06 20060101ALI20250207BHJP
F25B 47/02 20060101ALI20250207BHJP
【FI】
F25D21/06 J
F25D21/06 N
F25D17/06 315
F25B47/02 H
F25B47/02 570D
(21)【出願番号】P 2021106289
(22)【出願日】2021-06-28
【審査請求日】2024-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】戸谷 直樹
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-085408(JP,A)
【文献】特開2018-189339(JP,A)
【文献】特開2020-186858(JP,A)
【文献】実開昭54-028155(JP,U)
【文献】特開平05-203329(JP,A)
【文献】特開2020-085407(JP,A)
【文献】中国実用新案第212006307(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2014/0123690(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102019118784(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 21/06
F25D 17/06
F25B 47/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵室を有する貯蔵庫本体と、
冷凍サイクルを構成していて前記貯蔵室内の空気を冷却する蒸発器と、
前記蒸発器と共に前記冷凍サイクルを構成する凝縮器と、
前記凝縮器に送風する凝縮器ファンと、
前記凝縮器または前記凝縮器付近の温度を検知するセンサと、
前記冷凍サイクルを制御して冷却運転を行うとともに、前記蒸発器に付着した霜を融解させる除霜運転を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、前記除霜運転中は前記凝縮器ファンを停止させ、前記除霜運転の運転時間が基準時間に満たない場合は前記除霜運転を終了してから前記冷却運転を再開するまでの間に前記凝縮器ファンを回転させ、前記除霜運転の運転時間が基準時間以上の場合は前記除霜運転を終了してから前記冷却運転を再開するまでの間に前記基準時間に満たない場合よりも負荷が軽くなるよう前記凝縮器ファンを制御し、前記除霜運転が終了してから前記センサにより検知される温度を外気温として取得する冷却貯蔵庫。
【請求項2】
前記制御部は、前記除霜運転の運転時間が前記基準時間以上の場合は前記除霜運転を終了してから前記冷却運転を再開するまでの間に前記凝縮器ファンを回転させないのに対し、前記除霜運転の運転時間が前記基準時間に満たない場合は前記除霜運転を終了してから前記冷却運転を再開するまでの間に前記凝縮器ファンを回転させるよう前記凝縮器ファンを制御する請求項1記載の冷却貯蔵庫。
【請求項3】
前記制御部は、前記除霜運転の運転時間が前記基準時間に満たない場合は前記除霜運転を終了した後に前記冷凍サイクルを停止させた状態で前記凝縮器ファンの回転を開始させるよう前記凝縮器ファンを制御する請求項2記載の冷却貯蔵庫。
【請求項4】
前記制御部は、前記基準時間として第1基準時間と前記第1基準時間よりも短い第2基準時間とを用いて前記凝縮器ファンを制御しており、
前記制御部は、前記除霜運転の運転時間が前記第1基準時間以上の場合は前記除霜運転を終了してから前記冷却運転を再開するまでの間に前記凝縮器ファンを回転させず、前記除霜運転の運転時間が前記第2基準時間以上で且つ前記第1基準時間に満たない場合は前記除霜運転を終了してから前記冷却運転を再開するまでの間に前記凝縮器ファンを第1時間回転させ、前記除霜運転の運転時間が前記第2基準時間に満たない場合は前記除霜運転を終了してから前記冷却運転を再開するまでの間に前記凝縮器ファンを前記第1時間よりも長い第2時間回転させるよう前記凝縮器ファンを制御する請求項1記載の冷却貯蔵庫。
【請求項5】
前記制御部は、前記除霜運転の運転時間が前記基準時間以上の場合は前記除霜運転を終了してから前記冷却運転を再開するまでの間に前記凝縮器ファンを第1時間回転させるのに対し、前記除霜運転の運転時間が前記基準時間に満たない場合は前記除霜運転を終了してから前記冷却運転を再開するまでの間に前記凝縮器ファンを前記第1時間よりも長い
第2時間回転させるよう前記凝縮器ファンを制御する請求項1記載の冷却貯蔵庫。
【請求項6】
前記貯蔵庫本体内に配されて庫内の空気を循環させる庫内ファンを備えており、前記制御部は、前記除霜運転として、前記冷凍サイクルの稼働を停止させて前記庫内ファンを回転させるオフサイクルデフロストを行う請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の冷却貯蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、冷却貯蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷却貯蔵庫の一例として下記特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載された冷却貯蔵庫は、インバータ圧縮機、凝縮器、凝縮器ファン及び蒸発器を有する冷却ユニットと、凝縮器の温度を検知する目詰まりサーミスタと、制御部と、を備え、制御部は、冷却ユニットを運転して庫内を冷却する冷却運転と、所定の除霜開始条件が成立するとインバータ圧縮機を停止して蒸発器を除霜する除霜運転と、除霜運転において凝縮器ファンを回転させ、凝縮器ファンの回転を開始した時から所定時間が経過すると目詰まりサーミスタによって凝縮器の温度を検知する温度検知処理と、所定の除霜終了条件が成立すると除霜運転を終了して冷却運転を再開する再開処理であって、所定時間が経過する前に除霜運転が終了した場合は所定時間が経過するまで冷却運転の再開を待機する再開処理と、を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献1に記載された冷却貯蔵庫では、ヒータを用いずに除霜するオフサイクルデフロストが開始されてから所定時間(10分間)が経過するまでの間は凝縮器ファンを回転させ続けるようにしており、所定時間経過後に凝縮器の温度を目詰まりサーミスタから取得することによって外気温度を取得している。このように、特許文献1では、オフサイクルデフロストに要する時間の長短に拘わらず所定時間の間は凝縮器ファンを回転させ続けているため、低消費電力化を図る上で問題となっていた。
【0005】
本明細書に記載の技術は、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、低消費電力化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本明細書に記載の技術に関わる冷却貯蔵庫は、貯蔵室を有する貯蔵庫本体と、冷凍サイクルを構成していて前記貯蔵室内の空気を冷却する蒸発器と、前記蒸発器と共に前記冷凍サイクルを構成する凝縮器と、前記凝縮器に送風する凝縮器ファンと、前記凝縮器または前記凝縮器付近の温度を検知するセンサと、前記冷凍サイクルを制御して冷却運転を行うとともに、前記蒸発器に付着した霜を融解させる除霜運転を行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記除霜運転中は前記凝縮器ファンを停止させ、前記除霜運転の運転時間が基準時間に満たない場合は前記除霜運転を終了してから前記冷却運転を再開するまでの間に前記凝縮器ファンを回転させ、前記除霜運転の運転時間が基準時間以上の場合は前記除霜運転を終了してから前記冷却運転を再開するまでの間に前記基準時間に満たない場合よりも負荷が軽くなるよう前記凝縮器ファンを制御し、前記除霜運転が終了してから前記センサにより検知される温度を外気温として取得する。
【0007】
制御部によって冷却運転が行われると、冷凍サイクルが制御されることで、蒸発器により庫内の空気が冷却される。凝縮器は、凝縮器ファンによって送風されることで冷却が図られる。制御部によって除霜運転が行われると、蒸発器に付着した霜が融解される。なお、除霜運転中は制御部により凝縮器ファンが停止される。除霜運転の運転時間が基準時間に満たない場合は、除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に制御部により凝縮器ファンが回転されるのであるが、このとき除霜運転の運転時間が基準時間以上の場合よりも負荷が重くなるよう凝縮器ファンが制御部により制御される。除霜運転の運転時間が基準時間に満たないと、凝縮器または凝縮器付近の温度が十分に低下していないことが想定される。この場合に、制御部によって負荷が重くなるよう凝縮器ファンが制御されれば、凝縮器または凝縮器付近の温度を十分に低下させることができる。これにより、基準時間に満たない運転時間の除霜運転が終了してからセンサにより検知される凝縮器または凝縮器付近の温度を外気温と同等にすることができる。一方、除霜運転の運転時間が基準時間以上の場合は、除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に除霜運転の運転時間が基準時間に満たない場合よりも負荷が軽くなるよう凝縮器ファンが制御部により制御される。除霜運転の運転時間が基準時間以上であれば、凝縮器または凝縮器付近の温度が十分に低下していて外気温近くになっていることが想定される。この場合に、制御部によって負荷が軽くなるよう凝縮器ファンが制御されても、基準時間以上の運転時間の除霜運転が終了してからセンサにより検知される凝縮器または凝縮器付近の温度は外気温と同等になっている確実性が高い。従来のように除霜運転の運転時間によらず、凝縮器ファンを一定時間回転させるのに比べると、凝縮器ファンを回転させるのに要する消費電力量を少なくすることができる。しかも、制御部は、除霜運転の運転時間が基準時間以上であろうとなかろうとも、除霜運転が終了してからセンサにより検知される凝縮器または凝縮器付近の温度を外気温として取得することができる。従って、従来のように除霜運転が終了してから外気温を取得したり、除霜運転の途中で外気温を取得したりするのに比べると、外気温の取得に係る制御が簡素化される。また、外気温を取得するための専用のセンサが不要となる。
【0008】
(2)また、上記冷却貯蔵庫は、上記(1)に加え、前記制御部は、前記除霜運転の運転時間が前記基準時間以上の場合は前記除霜運転を終了してから前記冷却運転を再開するまでの間に前記凝縮器ファンを回転させないのに対し、前記除霜運転の運転時間が前記基準時間に満たない場合は前記除霜運転を終了してから前記冷却運転を再開するまでの間に前記凝縮器ファンを回転させるよう前記凝縮器ファンを制御してもよい。このように、除霜運転の運転時間が基準時間以上の場合、除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に制御部は凝縮器ファンを回転させることがないので、除霜運転の運転時間が基準時間に満たない場合に比べると、凝縮器ファンの負荷が軽い。従って、仮に除霜運転の運転時間が基準時間以上の場合に除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に制御部により凝縮器ファンを回転させた場合に比べると、一層の低消費電力化を図ることができる。
【0009】
(3)また、上記冷却貯蔵庫は、上記(2)に加え、前記制御部は、前記除霜運転の運転時間が前記基準時間に満たない場合は前記除霜運転を終了してから前記冷却運転を再開するまでの間に前記除霜運転を終了した後に前記冷凍サイクルを停止させた状態で前記凝縮器ファンの回転を開始させるよう前記凝縮器ファンを制御してもよい。除霜運転が終了すれば、除霜運転の運転時間が確定する。確定した除霜運転の運転時間が基準時間に満たない場合、除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に制御部は除霜運転の運転時間に応じて必要な分だけ凝縮器ファンを回転させることができる。これにより、さらなる低消費電力化が図られるとともに、凝縮器または凝縮器付近の温度が外気温と同等になる確実性が高くなる。
【0010】
(4)また、上記冷却貯蔵庫は、上記(1)に加え、前記制御部は、前記基準時間として第1基準時間と前記第1基準時間よりも短い第2基準時間とを用いて前記凝縮器ファンを制御しており、前記制御部は、前記除霜運転の運転時間が前記第1基準時間以上の場合は前記除霜運転を終了してから前記冷却運転を再開するまでの間に前記凝縮器ファンを回転させず、前記除霜運転の運転時間が前記第2基準時間以上で且つ前記第1基準時間に満たない場合は前記除霜運転を終了してから前記冷却運転を再開するまでの間に前記凝縮器ファンを第1時間回転させ、前記除霜運転の運転時間が前記第2基準時間に満たない場合は前記除霜運転を終了してから前記冷却運転を再開するまでの間に前記凝縮器ファンを前記第1時間よりも長い第2時間回転させるよう前記凝縮器ファンを制御してもよい。除霜運転の運転時間が第2基準時間よりも長い第1基準時間以上の場合、除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に制御部は凝縮器ファンを回転させることがないので、除霜運転の運転時間が第1基準時間に満たない場合に比べると、凝縮器ファンの負荷が最も軽い。除霜運転の運転時間が第2基準時間以上で且つ第1基準時間に満たない場合、除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に制御部は凝縮器ファンを第2時間よりも短い第1時間回転させるので、除霜運転の運転時間が第1基準時間以上の場合よりは凝縮器ファンの負荷が重いものの、除霜運転の運転時間が第2基準時間に満たない場合に比べると、凝縮器ファンの負荷が軽い。除霜運転の運転時間が第2基準時間に満たない場合、除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に制御部は凝縮器ファンを第1時間よりも長い第2時間回転させるので、除霜運転の運転時間が第2基準時間以上の場合に比べると、凝縮器ファンの負荷が最も重い。以上のように、除霜運転の運転時間の長短に応じて制御部によって凝縮器ファンの負荷がより細やかに制御されるので、低消費電力化が適切に図られるとともに、凝縮器または凝縮器付近の温度が外気温と同等になる確実性が高くなる。
【0011】
(5)また、上記冷却貯蔵庫は、上記(1)に加え、前記制御部は、前記除霜運転の運転時間が前記基準時間以上の場合は前記除霜運転を終了してから前記冷却運転を再開するまでの間に前記凝縮器ファンを第1時間回転させるのに対し、前記除霜運転の運転時間が前記基準時間に満たない場合は前記除霜運転を終了してから前記冷却運転を再開するまでの間に前記凝縮器ファンを前記第1時間よりも長い前記第2時間回転させるよう前記凝縮器ファンを制御してもよい。このように、除霜運転の運転時間が基準時間以上の場合、除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に制御部は凝縮器ファンを第2時間よりも短い第1時間回転させるので、除霜運転の運転時間が第2基準時間に満たない場合に比べると、凝縮器ファンの負荷が軽い。従って、仮に除霜運転の運転時間が基準時間以上の場合に除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に制御部により凝縮器ファンを回転させない場合に比べると、凝縮器または凝縮器付近の温度が外気温と同等になる確実性が高くなる。
【0012】
(6)また、上記冷却貯蔵庫は、上記(1)から上記(5)のいずれかに加え、前記貯蔵庫本体内に配されて庫内の空気を循環させる庫内ファンを備えており、前記制御部は、前記除霜運転として、前記冷凍サイクルの稼働を停止させて前記庫内ファンを回転させるオフサイクルデフロストを行ってもよい。仮に、除霜運転として、蒸発器を加熱する除霜ヒータを用いるヒータデフロストが行われる場合に比べると、オフサイクルデフロストの運転時間は長くなる傾向にある。従って、除霜運転としてオフサイクルデフロストが行われると、その運転時間が基準時間以上となるケースが多くなり、そのようなケースにおいて凝縮器ファンの負荷を軽くしても、凝縮器または凝縮器付近の温度が外気温と同等になり易い。このように、凝縮器ファンの負荷が軽くなる頻度が高くなれば、低消費電力化を図る上で好適となる。
【発明の効果】
【0013】
本明細書に記載の技術によれば、低消費電力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図4】冷却貯蔵庫の冷却運転及びオフサイクル除霜運転を示していてオフサイクル除霜運転の運転時間が基準時間以上の場合を示すタイミングチャート
【
図5】冷却貯蔵庫の冷却運転及びオフサイクル除霜運転を示していてオフサイクル除霜運転の運転時間が基準時間に満たない場合を示すタイミングチャート
【
図6】オフサイクル除霜運転を開始してから冷却運転に移行するまでの制御を示すフローチャート
【
図7】実施形態2に係る冷却貯蔵庫の冷却運転及びオフサイクル除霜運転を示していてオフサイクル除霜運転の運転時間が第1基準時間以上の場合を示すタイミングチャート
【
図8】冷却貯蔵庫の冷却運転及びオフサイクル除霜運転を示していてオフサイクル除霜運転の運転時間が第2基準時間以上で且つ第1基準時間に満たない場合を示すタイミングチャート
【
図9】冷却貯蔵庫の冷却運転及びオフサイクル除霜運転を示していてオフサイクル除霜運転の運転時間が第2基準時間に満たない場合を示すタイミングチャート
【
図10】実施形態3に係る冷却貯蔵庫の冷却運転及びオフサイクル除霜運転を示していてオフサイクル除霜運転の運転時間が基準時間以上の場合を示すタイミングチャート
【
図11】冷却貯蔵庫の冷却運転及びオフサイクル除霜運転を示していてオフサイクル除霜運転の運転時間が基準時間に満たない場合を示すタイミングチャート
【
図12】実施形態4に係る冷却貯蔵庫の冷凍室において行われる除霜運転に係る制御を示すフローチャート
【
図13】冷却貯蔵庫の冷蔵室において行われる除霜運転に係る制御を示すフローチャート
【
図14】実施形態5に係る冷却貯蔵庫の電気的構成を示すブロック図
【
図15】冷却貯蔵庫の冷凍室において行われる除霜運転に係る制御を示すフローチャート
【
図16】冷却貯蔵庫の冷蔵室において行われる除霜運転に係る制御を示すフローチャート
【
図17】実施形態6に係る冷却貯蔵庫の電気的構成を示すブロック図
【
図18】冷却運転中に行われる凝縮器の圧力異常検知を説明するためのタイミングチャート
【
図19】冷却運転中に行われる、第2経過時間タイマ及び第3経過時間タイマを用いた凝縮器の圧力異常検知を説明するためのタイミングチャート
【
図20】冷却運転中に行われる、第2経過時間タイマ及び第3経過時間タイマを用いた凝縮器の圧力異常検知を説明するためのタイミングチャート
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態1>
実施形態1を
図1から
図6によって説明する。本実施形態では、横型(テーブル型)の冷却貯蔵庫10を例示する。なお、
図1及び
図2にはX軸、Y軸及びZ軸を示しており、各軸方向が各図面で示した方向となるように描かれている。このうちZ軸方向は、鉛直方向とほぼ一致し、X軸方向及びY軸方向は、水平方向とほぼ一致している。また、特に断りがない限りは、上下の記載については鉛直方向を基準とする。
【0016】
冷却貯蔵庫10は、
図1及び
図2に示すように、横長の箱体である貯蔵庫本体11を備える。貯蔵庫本体11は、ステンレス鋼板等の金属板を主体として構成されている。貯蔵庫本体11は、食材等の貯蔵物が収容される貯蔵室12と、種々の機器が収容される機械室13と、を有している。貯蔵室12は前面が開口されており、その開口が観音開き式の一対の断熱扉14によって開閉可能な構成となっている。断熱扉14を開放した状態では、貯蔵室12の前面の開口を通じて貯蔵室12に対して食材等の貯蔵物を出し入れすることが可能となっている。貯蔵室12には、貯蔵物が冷蔵保存される冷蔵室と、貯蔵物が冷凍保存される冷凍室と、の一方または両方が含まれる。なお、断熱扉14が取り付けられる貯蔵室12の開口の周縁部には、結露防止ヒータ12Aが埋設されている(
図3を参照)。結露防止ヒータ12Aは、例えばコードヒータからなり、貯蔵室12の開口近傍において発生し得る結露を抑制するための付帯装備である。貯蔵庫本体11の天面には、作業台15が設けられている。この冷却貯蔵庫10の使用者は、作業台15上にて貯蔵室12から取り出した貯蔵物の調理などの作業を行うことが可能とされ、利便性に優れる。また、貯蔵庫本体11は、底面に設けられた4つの脚部16によって支持されている。
【0017】
機械室13は、貯蔵室12の側方(
図1及び
図2の左側)に設けられている。機械室13は、前面に開口を有する箱形に形成されており、この開口を覆う形でパネルユニット17が配されている。機械室13には開口を通して冷却ユニット18が引き出し可能に収納されている。なお、冷却ユニット18を収納したり取り出したりする際には、パネルユニット17を取り外した状態として開口を開放すればよい。冷却ユニット18には、基台19と、圧縮機20と、凝縮器21と、冷却器(蒸発器)22と、庫内ファン23と、が少なくとも備えられる。このうちの圧縮機20は、インバータ制御式であり、回転数を適宜に変更することが可能とされる。
【0018】
機械室13は、
図2に示すように、仕切り壁13Aによって上下に仕切られており、その上部には冷却器22及び電装箱などが、下部には圧縮機20及び凝縮器21などが、それぞれ収容されている。圧縮機20及び凝縮器21は、基台19上に取り付けられており、基台19と共に機械室13の下部に収容されている。凝縮器21の後面側には、凝縮器21に送風して凝縮器21を空冷する凝縮器ファン25が設けられている(
図3を参照)。また、凝縮器21の前側には空気中の塵埃が凝縮器21に付着して凝縮能力が低下することを防止するためのフィルタが設けられている。フィルタに塵埃が付着して目詰まりが生じると、凝縮器ファン25が回転しても凝縮器21と外気との間で十分に熱交換が行われず、冷却効率が低下するおそれがある。そこで、凝縮器21の配管には、フィルタの目詰まりを検出するために目詰まり温度センサ(センサ、凝縮器温度センサ)21Aがホルダを介して取り付けられている。目詰まり温度センサ21Aは、具体的には温度サーミスタであり、凝縮器21または凝縮器21付近の温度を検知することができる。凝縮器21または凝縮器21付近の温度は、フィルタに付着した塵埃の量に応じて変動することから、目詰まり温度センサ21Aにより検知された温度によってフィルタに目詰まりが生じたか否かを検出することが可能とされる。
【0019】
機械室13の上部は、冷却器22が収容される冷却器室24を構成している。冷却器室24と隣り合う貯蔵室12との間には、両者を連通状態に保ちつつ仕切るダクト26が介在するよう設けられている。ダクト26の下側部分と貯蔵庫本体11の内壁面とにより、貯蔵室12内の空気を冷却器室24内に吸い込むための吸込口26Aが構成される。ダクト26の上側部分と貯蔵庫本体11の内壁面とにより、冷却器室24内の空気を貯蔵室12内に吹き出すための吹出口26Bが構成される。冷却器22は、圧縮機20及び凝縮器21と配管を介して循環接続されることで冷凍サイクルを構成する。庫内ファン23は、冷却器22に対して貯蔵室12側に隣り合う位置に配されており、冷却器22にて生成された冷気を、吹出口26Bから貯蔵室12内に吹き出すことが可能とされる。
【0020】
冷却器22には、除霜に際して冷却器22を加熱することが可能な除霜ヒータ(デフロストヒータ、加熱部)27と、冷却器22または冷却器22付近の温度を検知する除霜温度センサ(冷却器温度センサ)28と、が取り付けられている(
図3を参照)。また、貯蔵庫本体11内(例えば吸込口26A付近)には、庫内(貯蔵室12内及び冷却器室24内)の温度を検知する庫内温度センサ29が設けられている。除霜温度センサ28及び庫内温度センサ29は、具体的にはそれぞれ温度サーミスタである。
【0021】
冷却ユニット18が作動すると、冷却器22の周囲の水蒸気が冷却器22によって冷却され、固体化されることにより、冷却器22の表面には霜が付着する。冷却器22に付着した霜は、冷却貯蔵庫10が除霜運転(デフロスト運転)を開始すると、融解される。除霜運転の除霜方式には、ヒータデフロスト方式(加熱除霜方式の一例)とオフサイクルデフロスト方式(加熱抑制除霜方式の一例)との2種類がある。このうち、ヒータデフロスト方式では、除霜ヒータ27により冷却器22を加熱し、冷却器22に付着した霜を融解する。オフサイクルデフロスト方式では、除霜ヒータ27による冷却器22の加熱は行わず、冷却ユニット18(冷凍サイクル)を停止させて庫内温度を上昇させることで冷却器22に付着した霜を融解する。
【0022】
冷却貯蔵庫10には、
図3に示すように、各種装置を電気的に制御する制御部30が設けられている。制御部30は、例えば機械室13に収容された電装箱に備わる制御基板により構成されている。制御部30は、各種装置に対して電気的に接続されている。制御部30は、冷却運転及び除霜運転等の制御(圧縮機20、庫内ファン23、凝縮器ファン25、除霜ヒータ27等の制御)を行っている。
【0023】
詳しくは、制御部30には、
図3に示すように、圧縮機20、庫内ファン23、凝縮器ファン25、除霜ヒータ27、除霜温度センサ28、庫内温度センサ29、結露防止ヒータ12A及び目詰まり温度センサ21Aに加えて、除霜周期タイマ31が電気的に接続されている。除霜周期タイマ31は、除霜運転が行われる周期に係る時間である除霜周期時間Tdをカウントするものであり、例えば制御部30を構成する制御基板に設けられている。なお、制御基板には、除霜周期タイマ31によりカウントされる時間などを記憶するメモリ(記憶部)が設けられていてもよい。メモリに記憶された時間は、制御部30により読み出し可能とされていてもよい。制御部30は、圧縮機20、庫内ファン23及び凝縮器ファン25を制御することで冷却運転を行う。制御部30は、冷却運転を行う間は、圧縮機20、庫内ファン23及び凝縮器ファン25をいずれも適宜に作動させて冷凍サイクルを稼働させるのに対して除霜ヒータ27を停止させる。特に、制御部30は、凝縮器ファン25を作動させる際には、凝縮器ファン25の運転速度(回転速度)を例えば最低速の0速から最高速の7速までの8段階で制御することができる。制御部30は、除霜運転を行う間は、除霜運転がいずれの方式であっても少なくとも圧縮機20及び凝縮器ファン25を停止させ、冷凍サイクルを稼働させることがない。制御部30は、ヒータデフロスト方式の除霜運転(以下、ヒータ除霜運転(ヒータデフロスト)という)を行う場合には、除霜ヒータ27を作動させるのに対して圧縮機20、庫内ファン23及び凝縮器ファン25をいずれも停止させる。制御部30は、オフサイクルデフロスト方式の除霜運転(以下、オフサイクル除霜運転(オフサイクルデフロスト)という)を行う場合には、圧縮機20、凝縮器ファン25及び除霜ヒータ27をいずれも停止させるのに対して庫内ファン23を作動させる。
【0024】
具体的には、制御部30は、庫内温度センサ29により検知される庫内温度が、使用者によって設定された庫内設定温度となるよう冷却運転を行う。この庫内設定温度は、例えば冷却運転中であっても適宜に変更可能とされる。制御部30は、冷却運転を開始すると、除霜周期タイマ31によるカウント(計時)を開始させる。制御部30は、除霜周期タイマ31によってカウントされる時間が除霜周期時間Tdに達すると、冷却運転を終了するとともにいずれかの方式の除霜運転を開始する。本実施形態では、除霜周期時間Tdは、例えば6時間とされる。制御部30は、冷却器22の着霜量が反映されることが想定される所定の条件(例えば庫内設定温度や目詰まり温度センサ21Aによる検知温度などと所定の閾値との関係)に基づいていずれの方式の除霜運転を行うか、を判定する。制御部30は、除霜運転が開始されると、いずれの方式の除霜運転であっても、除霜温度センサ29により検知される温度が所定の除霜終了温度te(例えば10℃)となったところで、除霜運転を終了する。なお、制御部30は、ヒータ除霜運転を行う場合には、除霜ヒータ27を停止させてからヒータ除霜運転を終了するまでの間、冷却器22に付着した水分の除去を促すために所定時間(水切り時間)待機する。制御部30は、除霜運転が終了すると、再び冷却運転を開始するとともに除霜周期タイマ31によるカウントを開始し、除霜周期タイマ31によってカウントされる時間が除霜周期時間Tdに達すると、いずれかの方式の除霜運転を開始する、というサイクルを繰り返す。
【0025】
ところで、目詰まり温度センサ21Aにより検知される凝縮器21または凝縮器21付近の温度は、冷却運転が行われて冷凍サイクルが稼働される間は凝縮器21からの発熱によって外気温よりも高温であるものの、冷凍サイクルの稼働が停止されてから一定の時間が過ぎれば外気温と同等になる。さらには、目詰まり温度センサ21Aにより検知される凝縮器21または凝縮器21付近の温度は、冷凍サイクルの稼働が停止された状態で凝縮器ファン25が回転されると、凝縮器21が効率的に空冷されることで低下し、凝縮器ファン25の負荷が高いほど外気温と同等になるまでに要する時間が短くなる傾向にある。これに対し、従来では、オフサイクル除霜運転に要する時間の長短に拘わらず所定時間の間は凝縮器ファンを回転させ続けていた。このため、低消費電力化を図る上で問題となっていた。
【0026】
そこで、本実施形態に係る制御部30は、除霜運転の運転時間が基準時間K(例えば30分)以上の場合は基準時間Kに満たない場合よりも負荷が軽くなるよう、除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に凝縮器ファン25を制御している。制御部30には、除霜運転の運転時間をカウント(計時)する除霜運転タイマ32が電気的に接続されている。除霜運転タイマ32は、除霜周期タイマ31と同様に、例えば制御部30を構成する制御基板に設けられている。なお、除霜運転タイマ32によりカウントされる時間が、制御基板のメモリに記憶されるとともに制御部30により読み出し可能とされていてもよい。制御部30は、除霜運転の開始に伴って、除霜運転タイマ32によるカウント(計時)を開始させ、除霜運転の終了に伴って除霜運転タイマ32によるカウントを終了させる。そして、制御部30は、除霜運転タイマ32によりカウントされる除霜運転の運転時間が基準時間Kに満たない場合は、除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に除霜運転の運転時間が基準時間K以上の場合よりも負荷が重くなるよう凝縮器ファン25を制御する。除霜運転の運転時間が基準時間Kに満たないと、凝縮器21または凝縮器21付近の温度が十分に低下していないことが想定される。この場合に、除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に制御部30によって負荷が重くなるよう凝縮器ファン25が制御されれば、凝縮器ファン25からの送風によって凝縮器21または凝縮器21付近の温度を十分に低下させて外気温と同等にすることができる。一方、制御部30は、除霜運転タイマ32によりカウントされる除霜運転の運転時間が基準時間K以上の場合は、除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に除霜運転の運転時間が基準時間Kに満たない場合よりも負荷が軽くなるよう凝縮器ファン25を制御する。除霜運転の運転時間が基準時間K以上であれば、凝縮器21または凝縮器21付近の温度が十分に低下していて外気温近くになっていることが想定される。この場合に、除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に制御部30によって負荷が軽くなるよう凝縮器ファン25が制御されても、凝縮器21または凝縮器21付近の温度は外気温と同等になっている確実性が高い。本実施形態によれば、従来のように除霜運転の運転時間によらず、凝縮器ファン25を一定時間回転させるのに比べると、凝縮器ファン25を回転させるのに要する消費電力量を少なくすることができる。
【0027】
特に、本実施形態では、制御部30は、除霜運転タイマ32にオフサイクル除霜運転の運転時間をカウントさせていて、カウントされる運転時間が基準時間K以上の場合は基準時間Kに満たない場合よりも負荷が軽くなるよう、オフサイクル除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に凝縮器ファン25を制御している。オフサイクル除霜運転は、ヒータ除霜運転に比べると、運転時間が長くなる傾向にある。従って、オフサイクル除霜運転が行われると、その運転時間が基準時間K以上となるケースが多くなり、そのようなケースにおいて凝縮器ファン25の負荷を軽くしても、凝縮器21または凝縮器21付近の温度が外気温と同等になり易い。このように、凝縮器ファン25の負荷が軽くなる頻度が高くなれば、低消費電力化を図る上で好適となる。
【0028】
制御部30は、オフサイクル除霜運転の運転時間が基準時間K以上であろうとなかろうとも、オフサイクル除霜運転が終了してから目詰まり温度センサ21Aにより検知される温度を外気温として取得する。つまり、制御部30は、オフサイクル除霜運転の途中で目詰まり温度センサ21Aにより検知される温度を外気温として取得することがない。従って、従来のように除霜運転が終了してから外気温を取得したり、除霜運転の途中で外気温を取得したりするのに比べると、外気温の取得に係る制御が簡素化される。また、外気温を取得するための専用のセンサが不要となる。なお、制御部30は、取得した外気温を、例えば後に行われる冷却運転や除霜運転の制御に利用したり、表示部に外気温を表示するのに利用したりすることができる。
【0029】
詳しくは、制御部30は、オフサイクル除霜運転の運転時間が基準時間K以上とされる場合は、オフサイクル除霜運転を終了したタイミングで目詰まり温度センサ21Aにより検知される温度を外気温として取得する。より具体的には、制御部30は、オフサイクル除霜運転の運転時間が基準時間K以上の場合は、オフサイクル除霜運転を終了すると直ちに冷却運転を再開しており、次述するオフサイクル除霜運転の運転時間が基準時間Kに満たない場合のように凝縮器ファン25を回転させることがない。つまり、オフサイクル除霜運転の運転時間が基準時間K以上とされる場合は、オフサイクル除霜運転期間と冷却運転期間との間に凝縮器ファン25が回転される凝縮器ファン運転期間(凝縮器ファン回転期間)が存在しないことになる。このように、オフサイクル除霜運転の運転時間が基準時間K以上の場合、オフサイクル除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に制御部30は凝縮器ファン25を回転させることがない制御を行うので、オフサイクル除霜運転の運転時間が基準時間Kに満たない場合に比べると、凝縮器ファン25の負荷が軽い。従って、仮にオフサイクル除霜運転の運転時間が基準時間K以上の場合にオフサイクル除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に制御部により凝縮器ファン25を回転させた場合に比べると、一層の低消費電力化を図ることができる。
【0030】
一方、制御部30は、オフサイクル除霜運転の運転時間が基準時間Kに満たない場合は、オフサイクル除霜運転を終了した後に凝縮器ファン25の回転を開始させるよう凝縮器ファン25を制御する。オフサイクル除霜運転が終了すると、オフサイクル除霜運転の運転時間が確定するので、その確定したオフサイクル除霜運転の運転時間に基づいて制御部30はオフサイクル除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に凝縮器ファン25を回転させることができる。つまり、オフサイクル除霜運転の運転時間が基準時間Kに満たない場合は、オフサイクル除霜運転期間と冷却運転期間との間に凝縮器ファン25が回転される凝縮器ファン運転期間(凝縮器ファン回転期間)が存在することになる。このとき、制御部30は、例えば凝縮器ファン25の運転時間(回転時間)を、オフサイクル除霜運転の運転時間に応じて調整することが可能であり、そのようにすれば低消費電力化を図ることができるとともに、凝縮器21または凝縮器21付近の温度が外気温と同等になる確実性が高くなる。具体的には、制御部30は、オフサイクル除霜運転が終了してから凝縮器ファン25を作動させて所定時間J(例えば10分)が経過したタイミングで目詰まり温度センサ21Aにより検知される温度を外気温として取得する。オフサイクル除霜運転が終了してから作動される凝縮器ファン25の運転時間(回転時間)は、
図3に示すように、制御部30に対して電気的に接続される凝縮器ファン運転タイマ33によりカウントされる。凝縮器ファン運転タイマ33は、オフサイクル除霜運転が終了してから作動される凝縮器ファン25の運転時間をカウント(計時)するものであり、除霜周期タイマ31及び除霜運転タイマ32と同様に、例えば制御部30を構成する制御基板に設けられている。なお、凝縮器ファン運転タイマ33によりカウントされる時間が、制御基板のメモリに記憶されるとともに制御部30により読み出し可能とされていてもよい。制御部30は、凝縮器ファン運転タイマ33によりカウントされた凝縮器ファン25の運転時間が所定時間Jに達すると、凝縮器ファン25を停止させるとともに目詰まり温度センサ21Aにより検知される温度を外気温として取得する。上記したようにオフサイクル除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間において凝縮器ファン25が回転される期間(凝縮器ファン運転期間)は、圧縮機20及び庫内ファン23が共に停止されていて冷凍サイクルが停止されている。この凝縮器ファン運転期間においては、冷凍サイクルが停止されることで冷却器22に多少の温度上昇が生じるものの、庫内ファン23が停止されていることで、冷却器22付近の熱が庫内に拡散し難くなり、庫内温度の上昇が抑制される。
【0031】
次に、オフサイクル除霜運転について
図4及び
図5の各タイミングチャートと
図6のフローチャートとを用いて説明する。
図4及び
図5では、圧縮機20、庫内ファン23及び結露防止ヒータ12Aについては、作動状態をONと表記し、停止状態をOFFと表記している。このうち、圧縮機20は、インバータ制御式であることから、
図4及び
図5では、圧縮機20の回転数を複数段階の高さで表記しており、表記される高さが高くなるほど圧縮機20の回転数が多くなることを意味する。
図4及び
図5では、凝縮器ファン25については、作動状態を0速から7速までの8段階の運転速度にて表記し、停止状態をOFFと表記している。
図4及び
図5では、除霜温度センサ29については、検知された温度の推移を表記するとともに、除霜終了温度teを併せて表記している。
図6は、オフサイクル除霜運転を開始してから冷却運転に移行するまでの制御を示すフローチャートである。
【0032】
冷却運転が開始されてから除霜周期タイマ31によってカウントされる時間が除霜周期時間Tdに達すると、制御部30は、ヒータ除霜運転とオフサイクル除霜運転とのいずれを行うか、について判定する。判定の結果、オフサイクル除霜運転が開始されると、制御部30は、除霜運転タイマ32によるカウントを開始させるとともに、
図4及び
図5に示すように、圧縮機20、凝縮器ファン25及び除霜ヒータ27をいずれも停止させるのに対して庫内ファン23を作動させる。オフサイクル除霜運転が行われる間、庫内温度は次第に上昇するので、それに伴って冷却器22または冷却器22付近の温度(除霜温度センサ29の検知温度)が次第に上昇するとともに冷却器22に付着した霜の融解が進行する。オフサイクル除霜運転が開始されると、制御部30は、
図6に示すように、除霜温度センサ29の検知温度が除霜終了温度te以上になったか否か、を判定する(ステップS10)。このとき、除霜温度センサ29の検知温度が除霜終了温度teに満たない場合は、制御部30は、オフサイクル除霜運転を継続して行う。一方、除霜温度センサ29の検知温度が除霜終了温度te以上となった場合は、制御部30は、オフサイクル除霜運転を終了する(ステップS11)。
【0033】
次に、制御部30は、除霜運転タイマ32によりカウントされたオフサイクル除霜運転の運転時間が基準時間K以上であるか否か、を判定する(ステップS12)。このとき、除霜運転タイマ32によりカウントされたオフサイクル除霜運転の運転時間が基準時間K以上であった場合は、制御部30は、
図4及び
図6に示すように、目詰まり温度センサ21Aの検知温度を外気温として取得する(ステップS13)。その後、制御部30は、冷却運転を開始(再開)する(ステップS16)。このように、制御部30は、オフサイクル除霜運転の運転時間が基準時間K以上の場合は、オフサイクル除霜運転を終了すると直ちに冷却運転を行っており、冷却運転を行う前に圧縮機20(冷凍サイクル)及び庫内ファン23を停止させた状態で凝縮器ファン25を回転させることがない。なお、制御部30は、冷却運転を開始すると、圧縮機20、凝縮器ファン25及び庫内ファン23をいずれも作動させるのに対して除霜ヒータ27を停止状態のままとする。
【0034】
一方、除霜運転タイマ32によりカウントされたオフサイクル除霜運転の運転時間が基準時間Kに満たない場合は、制御部30は、
図5及び
図6に示すように、凝縮器ファン25の運転を開始するとともに、凝縮器ファン運転タイマ33によるカウントを開始させる(ステップS14)。このとき、制御部30は、凝縮器ファン25の運転速度を例えば2速としている。このときの凝縮器ファン25の運転速度は、2速以外に変更することも勿論可能である。また、制御部30は、凝縮器ファン25を回転させている間(凝縮器ファン運転期間)は、圧縮機20(冷凍サイクル)及び庫内ファン23を共に停止させている。そして、制御部30は、凝縮器ファン運転タイマ33によりカウントされた凝縮器ファン25の運転時間が所定時間Jを経過したか否か、を判定する(ステップS15)。凝縮器ファン25の運転時間が所定時間Jを経過していない場合は、ステップS15に戻る。凝縮器ファン25の運転時間が所定時間Jを経過した場合は、ステップS13に移行し、目詰まり温度センサ21Aの検知温度を外気温として取得する。その後、制御部30は、冷却運転を開始(再開)する(ステップS16)。なお、オフサイクル除霜運転及び冷却運転が行われる間、制御部30は、
図4及び
図5に示すように、結露防止ヒータ12Aに関しては、作動及び停止を周期的に繰り返すよう制御を行う。
【0035】
以上説明したように本実施形態の冷却貯蔵庫10は、貯蔵室12を有する貯蔵庫本体11と、冷凍サイクルを構成していて貯蔵室12内の空気を冷却する冷却器(蒸発器)22と、冷却器22と共に冷凍サイクルを構成する凝縮器21と、凝縮器21に送風する凝縮器ファン25と、凝縮器21または凝縮器21付近の温度を検知する目詰まり温度センサ(センサ)21Aと、冷凍サイクルを制御して冷却運転を行うとともに、冷却器22に付着した霜を融解させる除霜運転を行う制御部30と、を備え、制御部30は、除霜運転中は凝縮器ファン25を停止させ、除霜運転の運転時間が基準時間Kに満たない場合は除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に凝縮器ファン25を回転させ、除霜運転の運転時間が基準時間K以上の場合は除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に基準時間Kに満たない場合よりも負荷が軽くなるよう凝縮器ファン25を制御し、除霜運転が終了してから目詰まり温度センサ21Aにより検知される温度を外気温として取得する。
【0036】
制御部30によって冷却運転が行われると、冷凍サイクルが制御されることで、冷却器22により庫内の空気が冷却される。凝縮器21は、凝縮器ファン25によって送風されることで冷却が図られる。制御部30によって除霜運転が行われると、冷却器22に付着した霜が融解される。なお、除霜運転中は制御部30により凝縮器ファン25が停止される。除霜運転の運転時間が基準時間Kに満たない場合は、除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に制御部30により凝縮器ファン25が回転されるのであるが、このとき除霜運転の運転時間が基準時間K以上の場合よりも負荷が重くなるよう凝縮器ファン25が制御部30により制御される。除霜運転の運転時間が基準時間Kに満たないと、凝縮器21または凝縮器21付近の温度が十分に低下していないことが想定される。この場合に、制御部30によって負荷が重くなるよう凝縮器ファン25が制御されれば、凝縮器21または凝縮器21付近の温度を十分に低下させることができる。これにより、基準時間に満たない運転時間の除霜運転が終了してから目詰まり温度センサ21Aにより検知される凝縮器21または凝縮器21付近の温度を外気温と同等にすることができる。一方、除霜運転の運転時間が基準時間K以上の場合は、除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に除霜運転の運転時間が基準時間Kに満たない場合よりも負荷が軽くなるよう凝縮器ファン25が制御部30により制御される。除霜運転の運転時間が基準時間K以上であれば、凝縮器21または凝縮器21付近の温度が十分に低下していて外気温近くになっていることが想定される。この場合に、制御部30によって負荷が軽くなるよう凝縮器ファン25が制御されても、基準時間以上の運転時間の除霜運転が終了してから目詰まり温度センサ21Aにより検知される凝縮器21または凝縮器21付近の温度は外気温と同等になっている確実性が高い。従来のように除霜運転の運転時間によらず、凝縮器ファン25を一定時間回転させるのに比べると、凝縮器ファン25を回転させるのに要する消費電力量を少なくすることができる。しかも、制御部30は、除霜運転の運転時間が基準時間K以上であろうとなかろうとも、除霜運転が終了してから目詰まり温度センサ21Aにより検知される凝縮器21または凝縮器21付近の温度を外気温として取得することができる。従って、従来のように除霜運転が終了してから外気温を取得したり、除霜運転の途中で外気温を取得したりするのに比べると、外気温の取得に係る制御が簡素化される。また、外気温を取得するための専用のセンサが不要となる。
【0037】
また、制御部30は、除霜運転の運転時間が基準時間K以上の場合は除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に凝縮器ファン25を回転させないのに対し、除霜運転の運転時間が基準時間Kに満たない場合は除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に凝縮器ファン25を回転させるよう凝縮器ファン25を制御する。このように、除霜運転の運転時間が基準時間K以上の場合、除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に制御部30は凝縮器ファン25を回転させることがないので、除霜運転の運転時間が基準時間Kに満たない場合に比べると、凝縮器ファン25の負荷が軽い。従って、仮に除霜運転の運転時間が基準時間K以上の場合に除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に制御部30により凝縮器ファン25を回転させた場合に比べると、一層の低消費電力化を図ることができる。
【0038】
また、制御部30は、除霜運転の運転時間が基準時間Kに満たない場合は除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に除霜運転を終了した後に冷凍サイクルを停止させた状態で凝縮器ファン25の回転を開始させるよう凝縮器ファン25を制御する。除霜運転が終了すれば、除霜運転の運転時間が確定する。確定した除霜運転の運転時間が基準時間Kに満たない場合、除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に制御部30は除霜運転の運転時間に応じて必要な分だけ凝縮器ファン25を回転させることが可能になる。これにより、さらなる低消費電力化を図ることが可能になるとともに、凝縮器21または凝縮器21付近の温度が外気温と同等になる確実性が高くなる。
【0039】
また、貯蔵庫本体11内に配されて庫内の空気を循環させる庫内ファン23を備えており、制御部30は、除霜運転として、冷凍サイクルの稼働を停止させて庫内ファン23を回転させるオフサイクルデフロストを行う。仮に、除霜運転として、冷却器22を加熱する除霜ヒータを用いるヒータデフロストが行われる場合に比べると、オフサイクルデフロストの運転時間は長くなる傾向にある。従って、除霜運転としてオフサイクルデフロストが行われると、その運転時間が基準時間K以上となるケースが多くなり、そのようなケースにおいて凝縮器ファン25の負荷を軽くしても、凝縮器21または凝縮器21付近の温度が外気温と同等になり易い。このように、凝縮器ファン25の負荷が軽くなる頻度が高くなれば、低消費電力化を図る上で好適となる。
【0040】
<実施形態2>
実施形態2を
図7から
図9によって説明する。この実施形態2では、オフサイクル除霜運転に係る制御を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0041】
本実施形態に係る制御部は、オフサイクル除霜運転の運転時間に係る判定を行う上での基準となる基準時間として、2通りの基準時間K1,K2を用いている。詳しくは、制御部は、基準時間として第1基準時間K1(例えば30分)と第1基準時間K1よりも短い第2基準時間K2(例えば15分)とに基づいてオフサイクル除霜運転の運転時間の長短を判定するとともに凝縮器ファンを制御する。以下、
図7から
図9のタイミングチャートを用いてオフサイクル除霜運転について説明する。
図7は、オフサイクル除霜運転の運転時間が第1基準時間K1以上の場合を示すタイミングチャートである。
図8は、オフサイクル除霜運転の運転時間が第2基準時間K2以上で且つ第1基準時間K1に満たない場合を示すタイミングチャートである。
図9は、オフサイクル除霜運転の運転時間が第2基準時間K2に満たない場合を示すタイミングチャートである。
【0042】
制御部は、
図7に示すように、オフサイクル除霜運転の運転時間が第1基準時間K1以上の場合は、オフサイクル除霜運転を終了すると直ちに冷却運転を行っており、冷却運転を再開する前に圧縮機(冷凍サイクル)及び庫内ファンを停止させた状態で凝縮器ファンを回転させることがない。つまり、オフサイクル除霜運転の運転時間が第1基準時間K1以上とされる場合は、オフサイクル除霜運転期間と冷却運転期間との間に凝縮器ファンが回転される凝縮器ファン運転期間が存在しないことになる。この場合、オフサイクル除霜運転の運転時間が第1基準時間K1に満たない場合に比べると、凝縮器ファンの負荷が軽い。これに対し、制御部は、
図8及び
図9に示すように、オフサイクル除霜運転の運転時間が第1基準時間K1に満たない場合は、冷却運転を再開する前に圧縮機(冷凍サイクル)及び庫内ファンを停止させた状態で凝縮器ファンを回転させる。つまり、オフサイクル除霜運転の運転時間が第1基準時間K1に満たない場合は、オフサイクル除霜運転期間と冷却運転期間との間に凝縮器ファンが回転される凝縮器ファン運転期間が存在することになる。この凝縮器ファン運転期間において、凝縮器ファンの制御を行うに際し、制御部はオフサイクル除霜運転の運転時間が第2基準時間K2以上であるか否かに基づいて凝縮器ファンの運転時間を異ならせている。詳しくは、制御部は、
図8に示すように、オフサイクル除霜運転の運転時間が第2基準時間K2以上で且つ第1基準時間K1に満たない場合は、冷却運転を再開する前に凝縮器ファンを第1時間J1(例えば3分)運転する。この場合、凝縮器ファンの負荷は、オフサイクル除霜運転の運転時間が第1基準時間K1以上の場合よりも重いものの、オフサイクル除霜運転の運転時間が第2基準時間K2に満たない場合よりは軽い。一方、制御部は、
図9に示すように、オフサイクル除霜運転の運転時間が第2基準時間K2に満たない場合は、冷却運転を再開する前に凝縮器ファンを第1時間J1よりも長い第2時間(例えば10分)J2運転する。この場合、凝縮器ファンの負荷は、最も重い。
【0043】
以上のように、制御部は、オフサイクル除霜運転の運転時間が第1基準時間K1に満たない場合の凝縮器ファン運転期間において、オフサイクル除霜運転の運転時間が長い場合は凝縮器ファンの運転時間を短くして凝縮器ファンの負荷を軽くし、オフサイクル除霜運転の運転時間が短い場合は凝縮器ファンの運転時間を長くして凝縮器ファンの負荷を重くしている。つまり、制御部は、オフサイクル除霜運転の運転時間の長短に応じて凝縮器ファン運転期間における凝縮器ファンの負荷を上記した実施形態1よりも細やかに制御している、と言える。これにより、低消費電力化が適切に図られるとともに、凝縮器または凝縮器付近の温度が外気温と同等になる確実性が高くなる。
【0044】
以上説明したように本実施形態によれば、制御部は、基準時間として第1基準時間K1と第1基準時間K1よりも短い第2基準時間K2とを用いて凝縮器ファンを制御しており、制御部は、除霜運転の運転時間が第1基準時間K1以上の場合は除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に凝縮器ファンを回転させず、除霜運転の運転時間が第2基準時間K2以上で且つ第1基準時間K1に満たない場合は除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に凝縮器ファンを第1時間J1回転させ、除霜運転の運転時間が第2基準時間K2に満たない場合は除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に凝縮器ファンを第1時間J1よりも長い第2時間J2回転させるよう凝縮器ファンを制御する。除霜運転の運転時間が第2基準時間K2よりも長い第1基準時間K1以上の場合、除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に制御部は凝縮器ファンを回転させることがないので、除霜運転の運転時間が第1基準時間K1に満たない場合に比べると、凝縮器ファンの負荷が軽い。除霜運転の運転時間が第2基準時間K2以上で且つ第1基準時間K1に満たない場合、除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に制御部は凝縮器ファンを第2時間J2よりも短い第1時間J1回転させるので、除霜運転の運転時間が第1基準時間K1以上の場合よりは凝縮器ファンの負荷が重いものの、除霜運転の運転時間が第2基準時間K2に満たない場合に比べると、凝縮器ファンの負荷が軽い。除霜運転の運転時間が第2基準時間K2に満たない場合、除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に制御部は凝縮器ファンを第1時間J1よりも長い第2時間J2回転させるので、除霜運転の運転時間が第2基準時間K2以上の場合に比べると、凝縮器ファンの負荷が最も重い。以上のように、除霜運転の運転時間の長短に応じて制御部によって凝縮器ファンの負荷がより細やかに制御されるので、低消費電力化が適切に図られるとともに、凝縮器または凝縮器付近の温度が外気温と同等になる確実性が高くなる。
【0045】
<実施形態3>
実施形態3を
図10または
図11によって説明する。この実施形態3では、上記した実施形態1からオフサイクル除霜運転に係る制御を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0046】
本実施形態に係る制御部は、オフサイクル除霜運転の運転時間が基準時間K以上であろうとなかろうと、冷却運転を再開する前に凝縮器ファンを回転させるようにしている。つまり、オフサイクル除霜運転の運転時間が基準時間K以上の場合であっても基準時間Kに満たない場合であっても、オフサイクル除霜運転期間と冷却運転期間との間に凝縮器ファンが回転される凝縮器ファン運転期間が存在するようになっている。そして、制御部は、オフサイクル除霜運転の運転時間の長短に応じて凝縮器ファン運転期間における凝縮器ファンの運転時間を第1時間J1(例えば3分)と第1時間J1よりも長い第2時間J2(例えば10分)とのいずれかとしている。以下、
図10及び
図11のタイミングチャートを用いてオフサイクル除霜運転について説明する。
図10は、凝縮器ファンの運転時間を第1時間J1とした場合を示すタイミングチャートである。
図11は、凝縮器ファンの運転時間を第2時間J2とした場合を示すタイミングチャートである。
【0047】
制御部は、
図10に示すように、オフサイクル除霜運転の運転時間が基準時間K以上の場合は、冷却運転を再開する前に凝縮器ファンを第1時間J1運転する。この場合、凝縮器ファンの負荷は、オフサイクル除霜運転の運転時間が基準時間Kに満たない場合よりも軽い。一方、制御部は、
図11に示すように、オフサイクル除霜運転の運転時間が基準時間Kに満たない場合は、冷却運転を再開する前に凝縮器ファンを第1時間J1よりも長い第2時間J2運転する。この場合、凝縮器ファンの負荷は、オフサイクル除霜運転の運転時間が基準時間K以上の場合よりも重い。このように、制御部は、オフサイクル除霜運転の運転時間の長短に応じて凝縮器ファン運転期間における凝縮器ファンの負荷を上記した実施形態1よりも細やかに制御している、と言える。これにより、低消費電力化が適切に図られるとともに、凝縮器または凝縮器付近の温度が外気温と同等になる確実性が高くなる。
【0048】
以上説明したように本実施形態によれば、制御部は、除霜運転の運転時間が基準時間K以上の場合は除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に凝縮器ファンを第1時間J1回転させるのに対し、除霜運転の運転時間が基準時間Kに満たない場合は除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に凝縮器ファンを第1時間J1よりも長い第2時間J2回転させるよう凝縮器ファンを制御する。このように、除霜運転の運転時間が基準時間K以上の場合、除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に制御部は凝縮器ファンを第2時間J2よりも短い第1時間J1回転させるので、除霜運転の運転時間が基準時間Kに満たない場合に比べると、凝縮器ファンの負荷が軽い。従って、仮に除霜運転の運転時間が基準時間K以上の場合に除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に制御部により凝縮器ファンを回転させない場合に比べると、凝縮器または凝縮器付近の温度が外気温と同等になる確実性が高くなる。
【0049】
<実施形態4>
実施形態4を
図12または
図13によって説明する。この実施形態4では、上記した実施形態1から除霜運転に係る制御を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0050】
本実施形態に係る冷却貯蔵庫は、貯蔵室として、貯蔵物が冷蔵保存される冷蔵室と、貯蔵物が冷凍保存される冷凍室と、を両方とも有する。冷蔵室の庫内設定温度に比べると、冷凍室の庫内設定温度は低くなっている。このような庫内設定温度の相違に対応すべく、冷却貯蔵庫に備わる冷凍サイクルは、冷蔵室用の冷却器と、冷凍室用の冷却器と、を備えている。なお、圧縮機は1台とされる。冷凍室用の冷却器は、冷蔵室用の冷却器に比べると、冷凍室の庫内設定温度が低いことに起因して霜が付き易くなっていて着霜量が多くなりがちとされる。このため、冷凍室では、冷凍室用の冷却器に付着した多くの霜を短時間で効率的に融解させることができるヒータ除霜運転が行われ、オフサイクル除霜運転が行われることがない。これに対し、冷蔵室では、冷蔵室用の冷却器の着霜量が使用状況に応じて異なるため、条件に応じてヒータ除霜運転及びオフサイクル除霜運転のいずれかが適宜に行われるようになっている。
【0051】
冷凍室において行われる除霜運転(ヒータ除霜運転)について
図12を用いて説明する。
図12は、冷凍室において行われる除霜運転に係る制御を示すフローチャートである。冷却運転が開始されると、制御部は、
図12に示すように、除霜周期タイマにカウントを開始させる(ステップS20)。制御部は、除霜周期タイマによってカウントされる時間が除霜周期時間Td(例えば6時間)に達したか否かを判定する(ステップS21)。判定結果がYESの場合は、制御部はヒータ除霜運転を開始する(ステップS22)。ヒータ除霜運転が開始されると、制御部は、除霜温度センサの検知温度が除霜終了温度te以上になったか否か、を判定する(ステップS23)。このとき、除霜温度センサの検知温度が除霜終了温度teに満たない場合は、制御部は、ヒータ除霜運転を継続して行う。一方、除霜温度センサの検知温度が除霜終了温度te以上となった場合は、制御部は、ヒータ除霜運転を終了する(ステップS24)。
【0052】
続いて、冷蔵室において行われる除霜運転について
図13を用いて説明する。
図13は、冷蔵室において行われる除霜運転に係る制御を示すフローチャートである。冷却運転が開始されると、制御部は、
図13に示すように、除霜周期タイマにカウントを開始させる(ステップS30)。制御部は、除霜周期タイマによってカウントされる時間が除霜周期時間Tdに達したか否かを判定する(ステップS31)。判定結果がYESとなった場合は、制御部は、庫内設定温度が庫内設定基準温度ts(例えば2℃)以上であるか否か(第1条件)と、外気温が基準外気温tex(例えば20℃)以上であるか否か(第2条件)と、について判定する(ステップS32)。第1条件及び第2条件に係る判定結果が共にYESの場合は、制御部はオフサイクル除霜運転を開始する(ステップS33)。一方、第1条件及び第2条件の少なくとも一方に係る判定結果がNOの場合は、制御部はヒータ除霜運転を開始する(ステップS34)。ヒータ除霜運転が開始されると、制御部は、除霜温度センサの検知温度が除霜終了温度te以上になったか否か、を判定する(ステップS35)。このとき、除霜温度センサの検知温度が除霜終了温度teに満たない場合は、制御部は、ヒータ除霜運転を継続して行う。一方、除霜温度センサの検知温度が除霜終了温度te以上となった場合は、制御部は、ヒータ除霜運転を終了する(ステップS36)。その後、制御部は、冷却運転を開始するとともに除霜周期タイマのカウントを開始する(ステップS30)。
【0053】
ステップS33においてオフサイクル除霜運転が開始されると、制御部は、除霜周期タイマのカウントを開始する(ステップS37)。そして、制御部は、除霜温度センサの検知温度が除霜終了温度te以上になったか否か、を判定する(ステップS38)。このとき、除霜温度センサの検知温度が除霜終了温度te以上となった場合は、制御部は、オフサイクル除霜運転を終了する(ステップS39)。その後、制御部は、除霜周期タイマによってカウントされる時間が除霜周期時間Tdに達したか否かを判定する(ステップS31)。一方、ステップS38において除霜温度センサの検知温度が除霜終了温度teに満たない場合は、制御部は、除霜周期タイマによってカウントされる時間が除霜周期時間Tdに達したか否かを判定する(ステップS40)。判定結果がNOとなった場合は、ステップS38に戻り、制御部は、除霜温度センサの検知温度が除霜終了温度te以上になったか否か、を判定する。一方、ステップS40において判定結果がYESとなった場合は、ステップS34に移行し、制御部は冷蔵室においてヒータ除霜運転を開始する。
【0054】
以上のように、冷蔵室においては、冷蔵室用の冷却器の着霜量が多いと想定される場合にはヒータ除霜運転が行われるのに対し、冷蔵室用の冷却器の着霜量が少ないと想定される場合にはオフサイクル除霜運転が行われるようになっている。オフサイクル除霜運転は、ヒータ除霜運転に比べると、除霜ヒータの通電がないのに加え、冷蔵室の庫内温度の上昇も抑制されるので、低消費電力化を図ることができるとともに冷蔵室内の貯蔵物の劣化が抑制される。一方、冷蔵室でのオフサイクル除霜運転は、長時間にわたって行われる場合もあり、その場合は冷凍サイクルが停止され続けることで冷蔵室の庫内温度が僅かずつではあるものの上昇し続けることが懸念される。その点、
図13に示されるフローチャートによれば、オフサイクル除霜運転が開始されてから除霜周期タイマによってカウントされる時間が除霜周期時間Tdに達してもオフサイクル除霜運転が終了しない場合は、制御部は、除霜運転を強制的にヒータ除霜運転に切り替えるようにしている。このようにすれば、ヒータ除霜運転によって冷蔵室用の冷却器に付着した霜が短時間で融解されるので、早期に除霜運転を終了して冷却運転に移行することができる。これにより、オフサイクル除霜運転の長時間化に伴う冷蔵室の庫内温度の上昇を抑制することができる。
【0055】
<実施形態5>
実施形態5を
図14から
図16によって説明する。この実施形態5では、上記した実施形態4から除霜運転に係る制御を変更したものを示す。なお、上記した実施形態4と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0056】
本実施形態に係る冷却貯蔵庫は、
図14に示すように、冷凍室においてヒータ除霜運転が終了してからの経過時間をカウントする第1経過時間タイマ(経過時間タイマ)34を備える。第1経過時間タイマ34は、例えば制御部430を構成する制御基板に設けられている。なお、第1経過時間タイマ34によりカウントされる時間が、制御基板のメモリに記憶されるとともに制御部430により読み出し可能とされていてもよい。
【0057】
冷凍室において行われる除霜運転(ヒータ除霜運転)について
図15を用いて説明する。
図15は、冷凍室において行われる除霜運転に係る制御を示すフローチャートである。
図15に記載されたステップS50からステップS54は、実施形態4にて説明した
図12に記載されたステップS20からステップS24と同じであり、重複する説明は省略する。ヒータ除霜運転が終了されると(ステップS54)、制御部430は、第1経過時間タイマ34に冷凍室でのヒータ除霜運転が終了してからの経過時間のカウントを開始させる(ステップS55)。
【0058】
続いて、冷蔵室において行われる除霜運転について
図16を用いて説明する。
図16は、冷蔵室において行われる除霜運転に係る制御を示すフローチャートである。
図16のフローチャートは、実施形態4にて説明した
図13のフローチャートとは、ステップS37が削除されるとともにステップS40の内容が変更されている点で主に異なる。
図16に記載されたステップS60からステップS66は、実施形態4にて説明した
図13に記載されたステップS30からステップS36と同じであり、重複する説明は省略する。以下、
図16について
図13との相違点を説明する。
【0059】
ステップS63においてオフサイクル除霜運転が開始されると、制御部は、除霜温度センサの検知温度が除霜終了温度te以上になったか否か、を判定する(ステップS67)。このとき、除霜温度センサの検知温度が除霜終了温度te以上となった場合は、制御部は、オフサイクル除霜運転を終了する(ステップS68)。その後、制御部は、冷却運転を開始するとともに除霜周期タイマのカウントを開始する(ステップS60)。一方、ステップS67において除霜温度センサの検知温度が除霜終了温度teに満たない場合は、制御部は、第1経過時間タイマ34によってカウントされる経過時間(冷凍室でのヒータ除霜運転が終了してからの経過時間)が所定時間L(例えば30分)に達したか否かを判定する(ステップS69)。判定結果がNOとなった場合は、ステップS67に戻り、制御部は、除霜温度センサの検知温度が除霜終了温度te以上になったか否か、を判定する。一方、ステップS69において判定結果がYESとなった場合は、ステップS64に移行し、制御部は冷蔵室においてヒータ除霜運転を開始する。
【0060】
以上のように、冷凍室にて行われるヒータ除霜運転が終了してから第1経過時間タイマ34によってカウントされる経過時間が所定時間Lに達しても、冷蔵室でのオフサイクル除霜運転が終了しない場合は、制御部は、冷蔵室での除霜運転を強制的にヒータ除霜運転に切り替えるようにしている。このようにすれば、ヒータ除霜運転によって冷蔵室用の冷却器に付着した霜が短時間で融解されるので、実施形態4よりもさらに早期に除霜運転を終了して冷却運転に移行することができる。これにより、オフサイクル除霜運転の長時間化に伴う冷蔵室の庫内温度の上昇を抑制することができる。なお、ヒータ除霜運転の運転時間は、例えば10分から30分程度であり、オフサイクル除霜運転の運転時間よりも短い場合が殆どであることから、冷凍室でのヒータ除霜運転と冷蔵室でのオフサイクル除霜運転とが同じタイミングで開始されると、冷凍室でのヒータ除霜運転の方が先に終了する確実性が高い。従って、冷蔵室でのオフサイクル除霜運転は、少なくとも冷凍室でのヒータ除霜運転の運転時間と、ステップS69での判定の基準となる所定時間Lと、を足し合わせた時間(例えば40分から60分程度)行われることになる。このことから冷蔵室用の冷却器の着霜量が少ない場合は、冷蔵室で行われるオフサイクル除霜運転が、ヒータ除霜運転に切り替える前の段階で終了される場合がある。この場合は、冷蔵室にてヒータ除霜運転が行われることがないので、低消費電力化などを図る上で有利となる。
【0061】
<実施形態6>
実施形態6を
図17から
図20によって説明する。この実施形態6では、凝縮器の圧力異常を検知する機能を追加したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0062】
本実施形態に係る冷却貯蔵庫は、
図17に示すように、目詰まり温度センサ521Aにより検知される凝縮器または凝縮器付近の温度に基づいて凝縮器の圧力異常を検知する機能を有する。詳しくは、冷凍サイクルの稼働に伴って作動される凝縮器に何らかの異常が生じると、凝縮器の内部圧力が高圧化し、故障などが生じるおそれがある。凝縮器の内部圧力が高圧化すると、凝縮器または凝縮器付近の温度が高温化することから、目詰まり温度センサ521Aの検知温度を監視すれば、凝縮器の圧力異常(高圧化)を検知することができる。このことから、制御部530は、冷却運転が行われる間、目詰まり温度センサ521Aの検知温度を監視しており、目詰まり温度センサ521Aの検知温度が所定の圧力異常検知温度tp1(例えば65℃)に達すると、圧縮機520を停止させるようにしている。目詰まり温度センサ521Aの検知温度を監視するため、制御部530には、目詰まり温度センサ521Aの検知温度が圧力異常検知温度tp1に達してからの経過時間をカウントする第2経過時間タイマ35が電気的に接続されている。以下、
図18のタイミングチャートにより第2経過時間タイマ35を用いた凝縮器の圧力異常検知について説明する。
【0063】
制御部530は、
図18に示すように、冷却運転中に目詰まり温度センサ521Aの検知温度が圧力異常検知温度tp1に達すると、第2経過時間タイマ35によるカウントを開始させ、カウントした経過時間が所定時間M(例えば60分)に達すると、第2経過時間タイマ35によるカウントを停止させる。制御部530は、第2経過時間タイマ35によりカウントされる経過時間が所定時間Mとなるまでの間に、目詰まり温度センサ521Aの検知温度が圧力異常検知温度tp1に達する回数をカウントする。そして、制御部530は、目詰まり温度センサ521Aの検知温度が圧力異常検知温度tp1に達する回数(
図18では「高圧検知回数」と表記)が基準回数(例えば5回)に達すると、種々の情報を表示可能とされる表示部にエラー表示を行わせる。表示部にエラー表示を行わせることで、凝縮器に圧力異常が生じていることを使用者に知らせることができ、メンテナンスや修理などを促すことができる。また、制御部530は、目詰まり温度センサ521Aの検知温度が、圧力異常検知温度tp1に達してから、所定の解除温度tp2まで低下した場合には、圧縮機520の運転を再開する。なお、解除温度tp2は、例えば「圧力異常検知温度tp1-10K」である。従って、目詰まり温度センサ521Aの検知温度が、圧力異常検知温度tp1と解除温度tp2とを行き来する場合には、制御部530は、圧縮機520の停止と運転再開とを繰り返すことになる(
図18では約5分毎に繰り返す場合を例示)。なお、圧力異常検知温度tp1は、初期値が例えば65℃であるものの、使用者によって適宜に変更することが可能である。圧力異常検知温度tp1が初期値(65℃)の場合は、解除温度tp2は、「初期値-10K」であり、例えば55℃である。
【0064】
ところで、例えば目詰まり温度センサ521Aが故障した場合などにおいては、圧力異常検知温度tp1に達した目詰まり温度センサ521Aの検知温度が解除温度tp2まで低下しない場合や解除温度tp2まで低下するのに長時間を要する場合がある。その場合は、凝縮器の圧力異常を適切に検知することができなくなる、などの問題が生じるおそれがある。
【0065】
そこで、制御部530には、
図17に示すように、目詰まり温度センサ521Aの検知温度が圧力異常検知温度tp1に達してからの経過時間をカウントする第3経過時間タイマ36が電気的に接続されている。制御部530は、冷却運転中に目詰まり温度センサ521Aの検知温度が圧力異常検知温度tp1に達すると、第3経過時間タイマ36によるカウントを開始させ、目詰まり温度センサ521Aの検知温度が解除温度tp2に達すると、第3経過時間タイマ36によるカウントを停止させる。そして、制御部530は、第3経過時間タイマ36によりカウントされる経過時間が所定の高圧検知時間Nに達すると、表示部にエラー表示を行わせる。この高圧検知時間Nは、第2経過時間タイマ35によりカウントされる最大経過時間である所定時間Mよりも長く設定されており、具体的には例えば70分とされる。以下、
図19及び
図20のタイミングチャートにより第2経過時間タイマ35及び第3経過時間タイマ36を用いた凝縮器の圧力異常検知について説明する。
【0066】
制御部530は、
図19に示すように、冷却運転中に目詰まり温度センサ521Aの検知温度が圧力異常検知温度tp1に達すると、第2経過時間タイマ35及び第3経過時間タイマ36のそれぞれに経過時間のカウントを開始させる。
図19によれば、第2経過時間タイマ35によりカウントされる経過時間が所定時間Mに達しても、目詰まり温度センサ521Aの検知温度が解除温度tp2に達することがない。この時点においては、目詰まり温度センサ521Aの検知温度が圧力異常検知温度tp1に達する回数(
図19では「高圧検知回数」と表記)が1回であり、基準回数に満たないことから、制御部530は、表示部にエラー表示を行わせることがない。
図19によれば、その後さらに時間が経過し、第3経過時間タイマ36によりカウントされる経過時間が高圧検知時間Nに達しても、目詰まり温度センサ521Aの検知温度が解除温度tp2に達することがない。この場合、制御部530は、第3経過時間タイマ36によりカウントされる経過時間が高圧検知時間Nに達したことをもって表示部にエラー表示を行わせる。
【0067】
制御部530は、
図20に示すように、冷却運転中に目詰まり温度センサ521Aの検知温度が圧力異常検知温度tp1に達すると、第2経過時間タイマ35及び第3経過時間タイマ36のそれぞれに経過時間のカウントを開始させる。
図20によれば、目詰まり温度センサ521Aの検知温度が一旦解除温度tp2まで低下するので、この時点で制御部530は、第3経過時間タイマ36によるカウントを停止させる。なお、この時点では第3経過時間タイマ36によりカウントされた経過時間は高圧検知時間Nに達していない。また、第2経過時間タイマ35によるカウントは継続する。その後、目詰まり温度センサ521Aの検知温度が再び上昇し、圧力異常検知温度tp1に達すると、制御部530は第3経過時間タイマ36に経過時間のカウントを再開させる。
図20によれば、その後第2経過時間タイマ35によりカウントされる経過時間が所定時間Mに達しても、目詰まり温度センサ521Aの検知温度が解除温度tp2に達することがない。この時点においては、目詰まり温度センサ521Aの検知温度が圧力異常検知温度tp1に達する回数(
図20では「高圧検知回数」と表記)が2回であり、基準回数に満たないことから、制御部530は、表示部にエラー表示を行わせることがない。
図20によれば、その後さらに時間が経過し、第3経過時間タイマ36によりカウントされる経過時間が高圧検知時間Nに達しても、目詰まり温度センサ521Aの検知温度が解除温度tp2に達することがない。この場合、制御部530は、第3経過時間タイマ36によりカウントされる経過時間が高圧検知時間Nに達したことをもって表示部にエラー表示を行わせる。
【0068】
以上のように、制御部530は、高圧検知回数が基準回数に満たない場合であっても、第3経過時間タイマ36によりカウントされる経過時間に基づいて表示部にエラー表示を行わせることができる。従って、例えば目詰まり温度センサ521Aに故障が生じ、圧力異常検知温度tp1に達した目詰まり温度センサ521Aの検知温度が解除温度tp2まで低下しない場合や解除温度tp2まで低下するのに長時間を要する場合であっても、凝縮器の圧力異常を適切に検知することができる。しかも、制御部530は、第2経過時間タイマ35によりカウントされる経過時間が所定時間Mとなるまでの間に、目詰まり温度センサ521Aの検知温度が圧力異常検知温度tp1に達する回数が基準回数に達すると、表示部にエラー表示を行わせる機能も有しているので、凝縮器の圧力異常をより適切に検知することができる。また、高圧検知時間Nは、第2経過時間タイマ35によりカウントされる最大経過時間である所定時間Mよりも長く設定されているので、第3経過時間タイマ36のカウントに起因するエラー表示が、第2経過時間タイマ35のカウントに起因するエラー表示に先行して表示部に表示されることが避けられる。これにより、エラー表示が頻発する事態が生じ難くなる。
【0069】
<他の実施形態>
本明細書が開示する技術は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も技術的範囲に含まれる。
【0070】
(1)制御部30,430,530は、オフサイクル除霜運転の運転時間が基準時間K以上の場合は、除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に凝縮器ファン25を第1運転速度(第1回転速度)にて回転させるのに対し、オフサイクル除霜運転の運転時間が基準時間Kに満たない場合は除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に凝縮器ファン25を第1運転速度よりも高速となる第2運転速度(第2回転速度)にて回転させるよう凝縮器ファン25を制御してもよい。このように、オフサイクル除霜運転の運転時間が基準時間K以上の場合、除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に制御部30,430,530は凝縮器ファン25を第2運転速度よりも低速な第1運転速度にて回転させるので、オフサイクル除霜運転の運転時間が基準時間Kに満たない場合に比べると、凝縮器ファン25の負荷が軽い。従って、仮にオフサイクル除霜運転の運転時間が基準時間K以上の場合に除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に制御部30,430,530により凝縮器ファン25を回転させない場合に比べると、凝縮器21または凝縮器21付近の温度が外気温と同等になる確実性が高くなる。
【0071】
(2)制御部30,430,530は、ヒータ除霜運転の運転時間が基準時間以上の場合は除霜運転を終了してから冷却運転を再開するまでの間に基準時間に満たない場合よりも負荷が軽くなるよう凝縮器ファン25を制御してもよい。
【0072】
(3)実施形態1,3に記載した基準時間Kの具体的な数値は、30分以外にも適宜に変更可能である。同様に、実施形態2に記載した第1基準時間K1及び第2基準時間K2の具体的な数値についても、適宜に変更可能である。
【0073】
(4)実施形態1に記載した所定時間Jの具体的な数値は、10分以外にも適宜に変更可能である。同様に、実施形態2,3に記載した第1時間J1及び第2時間J2の具体的な数値についても、適宜に変更可能である。
【0074】
(5)実施形態1,4,5に記載した除霜終了温度teの具体的な数値は、10℃以外にも適宜に変更可能である。同様に、実施形態4,5に記載した庫内設定基準温度tsの具体的な数値は、2℃以外にも適宜に変更可能である。同様に、実施形態4,5に記載した基準外気温texの具体的な数値は、20℃以外にも適宜に変更可能である。また、実施形態1,4に記載した除霜周期時間Tdの具体的な数値は、6時間以外にも適宜に変更可能である。また、実施形態5に記載した所定時間Lの具体的な数値は、30分以外にも適宜に変更可能である。
【0075】
(6)実施形態6に記載した所定時間M及び高圧検知時間Nの具体的な数値は、適宜に変更可能である。同様に、圧力異常検知温度tp1及び解除温度tp2の具体的な数値は、適宜に変更可能である。同様に、高圧検知回数に係る基準回数は、5回以外にも適宜に変更可能である。
【0076】
(7)冷却貯蔵庫10の外気温(周辺温度)を検知するための外気温センサ(周囲温度サーミスタ)を追加することも可能である。その場合、目止まり温度センサ21A,521Aを省略することも可能である。
【0077】
(8)圧縮機20は、インバータ制御式以外のタイプであってもよい。
【0078】
(9)除霜運転の除霜方式として、ホットガスデフロスト方式(加熱除霜方式の一例)を用いることも可能である。ホットガスデフロスト方式では、圧縮機20から冷却器22に対してホットガスを供給することで、冷却器22を加熱し、冷却器22の霜を融解させる。ホットガスデフロスト方式の除霜運転が行われる間は、凝縮器21に冷媒が流されることがなくて凝縮器ファン25が停止されていることから、本技術を適用することが可能である。
【0079】
(10)本技術は、冷凍室及び冷蔵室を有する冷却貯蔵庫10以外にも、冷凍室を有さず冷蔵室を有する冷却貯蔵庫や冷蔵室を有さず冷凍室を有する冷却貯蔵庫に対しても適用可能である。また、本技術は、作業台15を備えない冷却貯蔵庫に対しても適用可能である。
【符号の説明】
【0080】
10…冷却貯蔵庫、11…貯蔵庫本体、12…貯蔵室、21…凝縮器、21A,521A…目詰まり温度センサ(センサ)、22…冷却器(蒸発器)、23…庫内ファン、25…凝縮器ファン、30,430,530…制御部、J1…第1時間、J2…第2時間、K…基準時間、K1…第1基準時間、K2…第2基準時間