(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-06
(45)【発行日】2025-02-17
(54)【発明の名称】表面イオントラップ用の極低温高周波共振器
(51)【国際特許分類】
H03H 7/38 20060101AFI20250207BHJP
【FI】
H03H7/38 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021175167
(22)【出願日】2021-10-27
(62)【分割の表示】P 2020084598の分割
【原出願日】2020-05-13
【審査請求日】2023-05-10
(32)【優先日】2019-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鳥居 健一
(72)【発明者】
【氏名】アダム・リード
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン・スポーン
(72)【発明者】
【氏名】ザッカリー・プライス
【審査官】志津木 康
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-327715(JP,A)
【文献】特開2007-265815(JP,A)
【文献】特開2015-050354(JP,A)
【文献】特開2016-149432(JP,A)
【文献】特開2019-023584(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0285299(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0057318(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F18/00-G06N99/00
H01F30/00-38/16
H03H7/30-7/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
極低温高周波共振器システムであって、
基材で充填された空洞を有するエンクロージャにおいて前記基材内に少なくとも部分的に埋もれている誘導性デバイス
であって、前記基材が、当該誘導性デバイスから前記エンクロージャに熱を伝導するように選択された熱伝導率を有し、かつ、機械的振動に対する感受性を低減又は排除するように形成されている、誘導性デバイスと、
前記基材内に少なくとも部分的に埋もれている回路基板に取り付けられ、当該
誘導性デバイスに結合されて、極低温共振回路を形成する極低温容量性デバイスと、
入力RF信号を前記極低温共振回路に送るための高周波(RF)入力ポートであって、前記極低温共振回路が
前記入力RF信号を電圧増幅
することによりインピーダンス整合された
増幅RF信号を生成する、高周波(RF)入力ポートと、
前記
インピーダンス整合された
増幅RF信号を
イオントラップデバイスに送出するためのRF出力ポートと
を備える、極低高周波共振器システム。
【請求項2】
請求項1に記載の極低温高周波共振器システムであって、
前記イオントラップデバイスが表面イオントラップを含み、前記
インピーダンス整合された
増幅RF信号
が前記表面イオントラップに供給
される、
極低温高周波共振器システム。
【請求項3】
請求項1に記載の極低温高周波共振器システムであって、
前記エンクロージャとして熱伝導性エンクロージャを更に備える極低温高周波共振器システム。
【請求項4】
極低温共振回路でRF入力ポートを介して入力高周波(RF)信号を受信する
ステップであって、前記極低温共振回路が、
基材で充填された空洞を有するエンクロージャにおいて前記基材内に少なくとも部分的に埋もれている誘導性デバイスと、前記基材内で少なくとも部分的に回路基板に取り付けられ、当該
誘導性デバイスに結合された極低温容量性デバイスとを含
み、
前記基材が、当該誘導性デバイスから前記エンクロージャに熱を伝導するように選択された熱伝導率を有し、かつ、機械的振動に対する感受性を低減又は排除するように形成されている、ステップと、
前記極低温共振回路が、前記入力RF信号
を電圧増幅
することによりインピーダンス整合された
増幅RF信号を生成する
ステップと、
RF出力ポートを介して、前記
インピーダンス整合された
増幅RF信号を
イオントラップデバイスに出力する
ステップと
を含む
、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載される実施形態は、概して、量子計算応用に関する。
【背景技術】
【0002】
極低温イオントラップ(例えば、表面イオントラップ)は、量子計算、量子検知、量子タイミングにおける応用、及び量子技術における他の応用のためのイオンの閉じ込めを可能にする注目技術である。動作中、これらのイオントラップは、比較的高い電圧で入力高周波駆動信号を使用する。しかしながら、極低温でこのようなイオントラップを動作することにより、望ましくない電力損失が生じる場合がある。必要とされるのは、極低温イオントラップシステムの効率を高めるための改善された解決策である。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1】一実施形態に係る、極低温RF共振器回路基板の俯瞰図である。
【
図2】一実施形態に係る、極低温RF共振器インダクタの俯瞰図である。
【
図3】一実施形態に係る、極低温RF共振器開放エンクロージャの斜視図である。
【
図4】一実施形態に係る、極低温RF共振器開放エンクロージャの上面図である。
【
図5】一実施形態に係る、極低温RF共振器閉鎖エンクロージャの斜視図である。
【
図6】一実施形態に係る、極低温RF共振器方法のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本主題は、小型、モノリシック、モジュール式、かつ極低温イオントラップにインピーダンス整合された極低温高周波(RF)共振器を提供することによって、極低温イオントラップに直面する技術的問題のための技術的解決策を提供する。本明細書に記載される極低温RF共振器は、電力効率がよく、RF源に適切にインピーダンス整合され、安定した利得プロファイルを有し、低温及び超高真空環境に適合する。いくつかの実施例において、利得プロファイルは、極低温RF共振器が極低温RF増幅器として機能するように選択される。この極低温RF共振器は、熱負荷を低減又は最小化し、トラップされたイオンを誤って駆動し得る望ましくないノイズを低減又は最小化することによって、イオントラップの性能を改善する。本主題のこれらの特徴は、原子時計及び質量分析計の性能を改善し、特に量子計算の性能を改善する。一実施例において、極低温RF共振器及びイオントラップパッケージを使用して、量子ビット(例えば、イオンの安定した電子状態)を使用して量子情報を保存することができ、量子情報は、イオンの集合的な量子化動きを介して処理及び転送され得る。1つ以上のイオン特異的レーザをイオンに適用して、量子ビット状態間のイオンの結合を誘導するか、又は内部量子ビット状態と外部運動状態との間の結合を誘導することができる。
【0005】
本明細書に記載の極低温RF共振器は、様々な利点を提供する。極低温RF共振器は、約100mW以下の電力レベルなど、クライオスタット(例えば、極低温チャンバ)内の減少した電力を放散し得る。これにより、特に、約4ケルビンから約77ケルビンに動作されるクライオスタットのために、クライオスタットを動作するのに必要な電力が低減される。極低温RF共振器は、回路内での能動フィードバックを使用することなく、最新の安定性を提供する利得プロファイルを提供することができる。以下で説明するように、静電容量及びインダクタンス値の選択は、回路内の能動フィードバックを必要とせずに、所望の利得プロファイルを提供することができる。極低温RF共振器は、小型かつモジュール式形状因子を提供することができる。これにより、様々なイオントラップを有するこの極低温RF共振器の使用が可能になる。極低温RF共振器は、集積電圧ピックオフ回路を提供することができる。極低温RF共振器が増幅器として使用される場合、この電圧ピッ
クオフ回路を使用して増幅器の電圧利得を監視することができる。
【0006】
本明細書に記載される極低温RF共振器は、他のRF共振器と比べて様々な利点を提供する。一実施例において、極低温RF共振器は、RF源にインピーダンス整合されたRF出力を提供する。一実施例において、この極低温RF共振器は、小型、モジュール式、かつモノリシック(例えば、実質的に固体及び均一)である形状因子を含む改善された設計を提供する。いくつかのRF共振器は、大きいヘリカル共振器を使用して、又はイオントラップ回路基板に直接取り付けられた別個の部品を使用して実現されてもよい。しかしながら、これらのRF共振器はモノリシックではないため、回路利得プロファイルの安定性を低下させる機械的振動に敏感である。対照的に、この極低温RF共振器は、機械的振動に対する感受性を低減又は排除するモノリシック回路を提供するための形成基材(例えば、エポキシ)を含む。この極低温RF共振器はまた小型かつモジュール式であり、この極低温RF共振器を使用して、インピーダンス整合されたRF信号を様々なイオントラップデバイスに提供する機能を提供する。
【0007】
以下の説明及び図面は、当業者が特定の実施形態を理解することを可能にするための特定の実施形態を十分に示す。他の実施形態は、構造的、論理的、電気的、プロセス的、及び他の変更を組み込んでもよい。様々な実施形態の部分及び特徴は、他の実施形態のものに含まれるか、又は置換されてもよい。請求項に記載の実施形態は、これらの請求項の全ての利用可能な等価物を包含する。
【0008】
図1は、一実施形態に係る、極低温RF共振器回路基板100の俯瞰図である。回路基板100は、回路基板100をエンクロージャに固定するための取り付け穴105及び110を含んでもよい。回路基板100は、RF入力ポート150、RF入力マウント145、出力ポート155及びRF出力マウント125などの様々なRF入力及び出力ポートを含み得る。回路基板100は、電圧利得を監視するために使用され得る集積電圧ピックオフ回路を含んでもよい。一実施例において、電圧ピックオフ回路は、電圧ピックオフポート160及び電圧ピックオフマウント130と共に表面実装部品115及び120を含む。回路基板100は、コンデンサ135及び140などのRF入力ポート155で受信された入力RF信号を変更するための様々な回路部品を含み得る。これらのコンデンサは、
図2に示されるような1つ以上のインダクタと結合されてもよい。
【0009】
図2は、一実施形態に係る、極低温RF共振器インダクタ200の俯瞰図である。インダクタ200は、絶縁シース210内に導電性ワイヤ205を含み得る。ワイヤ205及びシース210は、誘電体コア215の周りに巻かれてもよい。誘電体コア215に使用される誘電体は、インダクタコイルの機械的安定性及び所望の誘電定数を提供するように選択することができる。例えば、誘電体コア215並びにコンデンサ135及び140は、約4ケルビンと約77ケルビンの間などの極低温動作条件内で、一貫した誘電特性(例えば、誘電定数値の狭い値)を提供する材料を含んでもよい。インダクタ200及び回路基板100の部品に使用される誘電体材料及び他の材料は、極低温イオントラップの動作に使用される温度、電圧、及びRF周波数範囲にわたって安定した特性を提供するように選択されてもよい。
【0010】
インダクタ200のインピーダンス及びコンデンサ135及び140の静電容量は、L-ネットワーク形成などのインピーダンス整合回路を形成するように選択されてもよい。一実施例において、ネットワーク分析器を使用して、イオントラップのインピーダンスの実部及び虚部を決定することができ、インダクタ200のインピーダンス並びにコンデンサ135及び140の静電容量は、イオントラップインピーダンスと一致するように選択されてもよい。極低温応用の場合、イオントラップインピーダンスの実部及び極低温共振器インピーダンスの実部は、動作温度が低下するにつれて変化することが予想される。イ
ンピーダンスの実部のこの温度依存性に対処するために、デバイスが冷却される際に複数のインピーダンス測定値を取得してもよく、複数のインピーダンス測定値を使用して、様々な動作温度におけるイオントラップのインピーダンス値を外挿してもよい。様々な動作温度におけるイオントラップの測定及び外挿されたインピーダンス値に基づいて、インダクタ200のインピーダンス並びにコンデンサ135及び140の静電容量は、イオントラップインピーダンスと一致するように選択されてもよい。
【0011】
図3は、一実施形態に係る、極低温RF共振器開放エンクロージャ300の斜視図である。開放エンクロージャは、インダクタ接点390が露出した状態でインダクタが配置される空洞を含んでもよい。空洞は、エポキシなどの熱伝導性基材380で充填されてもよい。基材380は、インダクタがエンクロージャ300に対して安定化されることを確実にすることができ、基材380の熱伝導率は、インダクタから奪った熱をエンクロージャ300に伝導するように選択されてもよく、これは次に、奪った熱を極低温冷却システムに伝導する。
【0012】
エンクロージャ300は、熱伝導性であり、極低温応用温度で動作する材料から形成されてもよい。エンクロージャ300は、酸素を含まない高熱伝導率(OFHC)銅などの高純度銅を含んでもよい。エンクロージャ300は、外面385上などの熱伝導性外部金めっきを含んでもよい。エンクロージャ300は、回路基板を位置決めするために使用され得る取り付け面370及び375を含んでもよい。エンクロージャ300は、回路基板開口部305を介してボルト又は他の締結具と共に使用され得るねじ付き開口部365などのねじ付き取り付け開口部を含んでもよい。
【0013】
図4は、一実施形態に係る、極低温RF共振器開放エンクロージャ400の上面図である。エンクロージャ400は、基板開口部405及び410を介してエンクロージャ400に締結され得る極低温RF共振器回路基板を含み得る。インダクタリード線490は、インダクタから回路基板上の対応する接点へと配線されてもよい。熱伝導性基材380は、構造的安定性及び熱伝導性を提供するように、インダクタリード線490を覆うために使用されてもよい。回路基板部品415及び420のうちの1つ以上は、構造的安定性及び熱伝導性を更に改善するために、基材380で部分的又は完全に覆われてもよい。他の回路基板部品435、440及び465は、ユーザ変更可能なインピーダンスを提供するように、基材380によって覆われないままにすることができる。例えば、部品435、440及び465は、共通又は異なる静電容量のコンデンサを含んでもよく、部品435、440及び465のうちの1つ以上は、除去又は異なる部品に置き換えられてもよい。一実施例において、部品435、440及び465は、ユーザ調節可能な可変コンデンサによって置き換えられてもよい。部品435、440及び465のこの選択又は変更は、所望の静電容量を提供することができ、これは、イオントラップに適合するインピーダンスを提供するために極低温RF共振器を変更するために使用され得る。
【0014】
図5は、一実施形態に係る、極低温RF共振器閉鎖エンクロージャ500の斜視図である。エンクロージャ500は、熱伝導性下部エンクロージャ585と、熱伝導性上面595とを含み、これらはボルト又は他の締結具590を使用して一緒に締結され得る。閉鎖エンクロージャ500は、共振器をイオントラップ、RF入力ポート550、又は電圧ピックオフポート560と接続するRF出力ポート555などの開口部を含んでもよい。
【0015】
動作中、エンクロージャ500内の極低温RF共振器を使用して、極低温RF共振器がイオントラップにインピーダンス整合されているかを検証することができる。例えば、極低温RF共振器は、イオントラップに接続されてもよく、極低温RF共振器及びイオントラップは低い極低温(例えば、4ケルビン)に冷却されてもよく、ネットワーク分析器を使用して、イオントラップから戻る電力を測定することができる。この測定された電力は
、内部品質因子(例えば、共振器損失測定)を判定するために使用されてもよく、これは、極低温RF共振器がイオントラップに適切にインピーダンス整合されていることを検証するために使用され得る。
【0016】
図6は、一実施形態に係る、極低温RF共振器方法600のブロック図である。方法600は、極低温共振回路でRF入力ポートを介して入力高周波(RF)信号を受信すること610を含み得る。極低温共振回路は、熱伝導性基材内に少なくとも部分的に配置された誘導性デバイスと、インダクタに結合された極低温容量性デバイスとを含み得る。方法600は、入力RF信号に基づいて、極低温共振回路において、インピーダンス整合されたRF信号を生成すること620を含み得る。方法600は、RF出力ポートを介して、インピーダンス整合されたRF信号を外部極低温デバイスに提供すること630を含み得る。
【0017】
一実施例において、極低温共振回路は、増幅器回路として機能する。極低温共振回路におけるインピーダンス整合されたRF信号の生成は、インピーダンス整合された増幅RF信号を生成することを含み得る。インピーダンス整合されたRF信号の提供は、インピーダンス整合された増幅RF信号を外部極低温デバイスに提供することを含み得る。
【0018】
極低温共振回路は、熱伝導性エンクロージャ内に配置されてもよい。熱伝導性エンクロージャは、熱伝導性高純度銅を含んでもよい。熱伝導性エンクロージャは、熱伝導性金めっきを含んでもよい。熱伝導性エンクロージャは、熱伝導性取り付け基板と嵌合するように構成された少なくとも1つの熱伝導性表面を含んでもよい。
【0019】
極低温容量性デバイスは、調節可能な静電容量を提供するように構成されてもよく、静電容量は、ユーザ入力に基づいて、又は他の変化に基づいて調節されてもよい。一実施例において、方法600は、調節可能な静電容量を提供するために、ユーザ選択可能な容量入力を受信すること640を含むことができ、ユーザ選択可能な静電容量は、可変コンデンサに対するユーザ調節を含み得る。一実施例において、極低温容量性デバイスは、複数の導体を含んでもよく、複数のコンデンサのそれぞれは、調節可能な静電容量を提供するために、ユーザによって取り外し可能であるように構成されてもよい。静電容量は、所望のインピーダンス値を提供するなどの、所望のインピーダンスを提供するように調節されてもよい。一実施例において、極低温容量性デバイスは、一貫した誘電特性を提供し、極低温イオントラップの動作に使用される温度、電圧、及びRF周波数範囲にわたって他の安定した特性を提供するための材料を含み得る。
【0020】
上記の詳細な説明は、詳細な説明の一部をなす添付の図面を参照することを含む。図面は、例示として、本発明を実施することができる特定の実施形態を示す。これらの実施形態はまた、本明細書では「実施例」と称される。このような実施例は、図示又は記載されたものに加えて、要素を含むことができる。しかしながら、本発明者らはまた、図示又は記載された要素のみが提供される実施例を想到する。更に、本発明者らはまた、特定の実施例(又はその1つ以上の態様)に関して、又は本明細書に示される若しくは記載される他の実施例(又はその1つ以上の態様)に関して、示される又は説明されるこれらの要素の任意の組み合わせ又は置換を使用する実施例(又はその1つ以上の態様)を想到する。
【0021】
実施例1は、極低温高周波共振器システムであって、熱伝導性基材内に少なくとも部分的に配置された誘導性デバイスと、インダクタに結合されて、関連する回路インピーダンス値を有する極低温共振回路を形成する極低温容量性デバイスと、入力RF信号を極低温共振回路に送るための高周波(RF)入力ポートであって、極低温共振回路がインピーダンス整合されたRF信号を生成する、高周波(RF)入力ポートと、インピーダンス整合されたRF信号を外部極低温デバイスに提供するRF出力ポートと、を備える極低温高周
波共振器システムである。
【0022】
実施例2において、実施例1に記載の主題は、極低温共振回路が増幅器回路を含むことと、増幅器回路が、インピーダンス整合された増幅RF信号を生成することと、RF出力ポートが、インピーダンス整合された増幅RF信号を外部極低温デバイスに提供することと、を任意選択で含む。
【0023】
実施例3において、実施例1~2のいずれか1つ以上に記載の主題は、熱伝導性エンクロージャを任意選択的に含む。
【0024】
実施例4において、実施例3に記載の主題は、熱伝導性エンクロージャが熱伝導性高純度銅を含むことを、任意選択的に含む。
【0025】
実施例5おいて、実施例3~4のいずれか1つ以上に記載の主題は、熱伝導性エンクロージャが熱伝導性金めっきを含むことを、任意選択的に含む。
【0026】
実施例6において、実施例3~5のいずれか1つ以上に記載の主題は、熱伝導性エンクロージャが熱伝導性取り付け基板と嵌合するように構成された少なくとも1つの熱伝導性表面を含むことを、任意選択的に含む。
【0027】
実施例7において、実施例1~6のいずれか1つ以上に記載の主題は、極低温容量性デバイスが低温容量性材料を含むことを、任意選択的に含む。
【0028】
実施例8において、実施例1~7のいずれか1つ以上に記載の主題は、極低温容量性デバイスが、調節可能な静電容量を提供するように構成され、調節可能な静電容量は、増幅器インピーダンスを変更することを、任意選択的に含む。
【0029】
実施例9において、実施例8に記載の主題は、極低温容量性デバイスが複数の導体を含み、複数のコンデンサのそれぞれは、調節可能な静電容量を提供するために、取り外し可能であるように構成されることを、任意選択的に含む。
【0030】
実施例10において、実施例8~9のいずれか1つ以上に記載の主題は、極低温容量性デバイスが、調節可能な静電容量を提供するために、ユーザ選択可能な静電容量を含むことを、任意選択的に含む。
【0031】
実施例11は極低温高周波共振器方法であって、極低温共振回路でRF入力ポートを介して入力高周波(RF)信号を受信することであって、極低温共振回路が、熱伝導性基材内に少なくとも部分的に配置された誘導性デバイスと、インダクタに結合された極低温容量性デバイスとを含む、ことと、入力RF信号に基づいて、極低温共振回路においてインピーダンス整合されたRF信号を生成することと、RF出力ポートを介して、インピーダンス整合されたRF信号を外部極低温デバイスに提供することと、を含む、極低温高周波共振器方法である。
【0032】
実施例12において、実施例11に記載の主題は、極低温共振回路が増幅器回路を含み、極低温共振回路におけるインピーダンス整合されたRF信号の生成が、インピーダンス整合された増幅RF信号を生成することを含み、インピーダンス整合されたRF信号の提供が、インピーダンス整合された増幅RF信号を外部極低温デバイスに提供することを含むことを、任意選択的に含む。
【0033】
実施例13において、実施例11~12のいずれか1つ以上に記載の主題は、極低温共
振回路が熱伝導性エンクロージャ内に配置されていることを、任意選択的に含む。
【0034】
実施例14において、実施例13に記載の主題は、熱伝導性エンクロージャが熱伝導性高純度銅を含むことを、任意選択的に含む。
【0035】
実施例15おいて、実施例13~14のいずれか1つ以上に記載の主題は、熱伝導性エンクロージャが熱伝導性金めっきを含むことを、任意選択的に含む。
【0036】
実施例16において、実施例13~15のいずれか1つ以上に記載の主題は、熱伝導性エンクロージャが熱伝導性取り付け基板と嵌合するように構成された少なくとも1つの熱伝導性表面を含むことを、任意選択的に含む。
【0037】
実施例17において、実施例11~16のいずれか1つ以上に記載の主題は、極低温容量性デバイスが低温容量性材料を含むことを、任意選択的に含む。
【0038】
実施例18において、実施例11~17のいずれか1つ以上に記載の主題は、極低温容量性デバイスが、調節可能な静電容量を提供するように構成され、調節可能な静電容量は、増幅器インピーダンスを変更することを、任意選択的に含む。
【0039】
実施例19において、実施例18に記載の主題は、極低温容量性デバイスが複数の導体を含み、複数のコンデンサのそれぞれは、調節可能な静電容量を提供するために、取り外し可能であるように構成されることを、任意選択的に含む。
【0040】
実施例20において、実施例18~19のいずれか1つ以上に記載の主題は、調節可能な静電容量を提供するために、ユーザ選択可能な静電容量を受け取ることを、任意選択的に含む。
【0041】
実施例21は、コンピューティングシステムによって実行されると、コンピューティングシステムに実施例11~20に記載の方法のいずれかを実行させる命令を含む1つ以上の機械可読媒体である。
【0042】
実施例22は、実施例11~20に記載の方法のいずれかを実行する手段を備える装置である。
【0043】
実施例23は、機械可読記憶媒体であって、デバイスのプロセッサで実行されると、デバイスに、極低温共振回路でRF入力ポートを介して入力高周波(RF)信号を受信させ、極低温共振回路が、熱伝導性基材内に少なくとも部分的に配置された誘導性デバイスと、インダクタに結合された極低温容量性デバイスとを含み、入力RF信号に基づいて、極低温共振回路においてインピーダンス整合されたRF信号を生成させ、RF出力ポートを介して、インピーダンス整合されたRF信号を外部極低温デバイスに提供させる、複数の命令を含む、機械可読記憶媒体である。
【0044】
実施例24において、実施例23に記載の主題は、極低温共振回路が増幅器回路を含み、更にデバイスにインピーダンス整合された増幅RF信号を生成させる命令と、更にデバイスにインピーダンス整合された増幅RF信号を外部極低温デバイスに提供させる命令と、を任意選択的に含む。
【0045】
実施例25において、実施例23~24のいずれか1つ以上に記載の主題は、極低温共振回路が熱伝導性エンクロージャ内に配置されていることを、任意選択的に含む。
【0046】
実施例26において、実施例25に記載の主題は、熱伝導性エンクロージャが熱伝導性高純度銅を含むことを、任意選択的に含む。
【0047】
実施例27おいて、実施例25~26のいずれか1つ以上に記載の主題は、熱伝導性エンクロージャが熱伝導性金めっきを含むことを、任意選択的に含む。
【0048】
実施例28において、実施例25~27のいずれか1つ以上に記載の主題は、熱伝導性エンクロージャが熱伝導性取り付け基板と嵌合するように構成された少なくとも1つの熱伝導性表面を含むことを、任意選択的に含む。
【0049】
実施例29において、実施例23~28のいずれか1つ以上に記載の主題は、極低温容量性デバイスが低温容量性材料を含むことを、任意選択的に含む。
【0050】
実施例30において、実施例23~29のいずれか1つ以上に記載の主題は、極低温容量性デバイスが、調節可能な静電容量を提供するように構成され、調節可能な静電容量は、増幅器インピーダンスを変更することを、任意選択的に含む。
【0051】
実施例31において、実施例30に記載の主題は、極低温容量性デバイスが複数の導体を含み、複数のコンデンサのそれぞれは、調節可能な静電容量を提供するために、取り外し可能であるように構成されることを、任意選択的に含む。
【0052】
実施例32において、実施例30~31のいずれか1つ以上に記載の主題は、更に、調節可能な静電容量を提供するために、デバイスにユーザ選択可能な静電容量を受け取らせる命令を、任意選択的に含む。
【0053】
実施例33は極低温高周波共振器装置であって、極低温共振回路でRF入力ポートを介して入力高周波(RF)信号を受信する手段であって、極低温共振回路が、熱伝導性基材内に少なくとも部分的に配置された誘導性デバイスと、インダクタに結合された極低温容量性デバイスとを含む、手段と、入力RF信号に基づいて、極低温共振回路においてインピーダンス整合されたRF信号を生成する手段と、RF出力ポートを介して、インピーダンス整合されたRF信号を外部極低温デバイスに提供する手段と、を含む、極低温高周波共振器装置である。
【0054】
実施例34において、実施例33に記載の主題は、極低温共振回路が増幅器回路を含み、極低温共振回路におけるインピーダンス整合されたRF信号の生成が、インピーダンス整合された増幅RF信号を生成する手段を含み、インピーダンス整合されたRF信号の提供が、インピーダンス整合された増幅RF信号を外部極低温デバイスに提供する手段を含むことを、任意選択的に含む。
【0055】
実施例35において、実施例33~34のいずれか1つ以上に記載の主題は、極低温共振回路が熱伝導性エンクロージャ内に配置されていることを、任意選択的に含む。
【0056】
実施例36において、実施例35に記載の主題は、熱伝導性エンクロージャが熱伝導性高純度銅を含むことを、任意選択的に含む。
【0057】
実施例37おいて、実施例35~36のいずれか1つ以上に記載の主題は、熱伝導性エンクロージャが熱伝導性金めっきを含むことを、任意選択的に含む。
【0058】
実施例38において、実施例35~37のいずれか1つ以上に記載の主題は、熱伝導性エンクロージャが熱伝導性取り付け基板と嵌合するように構成された少なくとも1つの熱
伝導性表面を含むことを、任意選択的に含む。
【0059】
実施例39において、実施例33~38のいずれか1つ以上に記載の主題は、極低温容量性デバイスが低温容量性材料を含むことを、任意選択的に含む。
【0060】
実施例40において、実施例33~39のいずれか1つ以上に記載の主題は、極低温容量性デバイスが、調節可能な静電容量を提供するように構成され、調節可能な静電容量は、増幅器インピーダンスを変更することを、任意選択的に含む。
【0061】
実施例41において、実施例40に記載の主題は、極低温容量性デバイスが複数の導体を含み、複数のコンデンサのそれぞれは、調節可能な静電容量を提供するために、取り外し可能であるように構成されることを、任意選択的に含む。
【0062】
実施例42において、実施例40~41のいずれか1つ以上に記載の主題は、調節可能な静電容量を提供するために、ユーザ選択可能な静電容量を受け取る手段を、任意選択的に含む。
【0063】
実施例43は、機械によって実行されると、機械に実施例1~42に記載の動作のいずれかの動作を実行させる命令を含む1つ以上の機械可読媒体である。
【0064】
実施例44は、実施例1~42に記載の動作のいずれかを実行する手段を備える装置である。
【0065】
実施例45は、実施例1~42に記載のいずれかの動作を実行するシステムである。
【0066】
実施例46は、実施例1~42に記載のいずれかの動作を実行する方法である。
【0067】
本文書において、用語「a」又は「an」は、特許文献に一般的であるように、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」の任意の他のインスタンス又は使用とは無関係に、1つ又は2つ以上を含む。本文書において、用語「又は」は、別段の指示がない限り、非排他的であることを指すか、又は「A又はB」が「BではなくA」、「AではなくB」、及び「A及びB」を含むことを指すために使用される。本文書において、用語「含む(including)」及び「ここで(in which)」という用語は、それぞれの用語「備える(comprising)」及び「ここで(wherein)」の平易英語等価物として使用される。また、以下の特許請求の範囲において、「含む(including)」及び「備える(comprising)」という用語は、オープンエンドであり、すなわち、請求項におけるこのような用語の後に列挙されるものに加えて要素を含むシステム、デバイス、項目、構成物、調合物、又はプロセスは、依然としてその請求項の範囲内に含まれると見なされる。更に、以下の特許請求の範囲では、用語「第1」、「第2」、及び「第3」などは、単にラベルとして使用され、それらの対象物に数値要件を課すことを意図するものではない。
【0068】
上記の説明は、例示であり、限定ではないことを意図している。例えば、上記の実施例(又はそれらの1つ以上の態様)は、互いに組み合わせて使用されてもよい。上記の説明を再検討する際に、当業者の1つなどによって、他の実施形態が使用され得る。要約書は、読者が技術的開示の性質を迅速に確認できるように提供される。特許請求の範囲の範囲又は意味を解釈又は限定するために使用されないことが理解されよう。上記の「発明を実施するための形態」では、様々な特徴を一緒にグループ化して、本開示を合理化することができる。これは、請求されていない開示された特徴が任意の請求項に必須であることを意図するものとして解釈されるべきではない。むしろ、本発明の主題は、特定の開示され
た実施形態の全ての特徴よりも少ない特徴にあってもよい。したがって、以下の特許請求の範囲は、「発明を実施するための形態」に組み込まれ、各特許請求の範囲は、別個の実施形態として独立しており、そのような実施形態は、様々な組み合わせ又は順序で互いに組み合わされ得ることが想到される。範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲と共に決定されるべきである。