(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-06
(45)【発行日】2025-02-17
(54)【発明の名称】半導体パッケージ
(51)【国際特許分類】
H10F 39/12 20250101AFI20250207BHJP
H04N 25/70 20230101ALI20250207BHJP
【FI】
H01L27/146 D
H04N25/70
(21)【出願番号】P 2021534558
(86)(22)【出願日】2020-05-22
(86)【国際出願番号】 JP2020020224
(87)【国際公開番号】W WO2021014731
(87)【国際公開日】2021-01-28
【審査請求日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】P 2019135043
(32)【優先日】2019-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112955
【氏名又は名称】丸島 敏一
(72)【発明者】
【氏名】大平 光
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 二尚
(72)【発明者】
【氏名】藤永 陽一郎
(72)【発明者】
【氏名】塚田 敦士
【審査官】今井 聖和
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/087764(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/131965(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/186196(WO,A1)
【文献】特開2000-253203(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0158860(US,A1)
【文献】国際公開第2019/021705(WO,A1)
【文献】特開2019-029979(JP,A)
【文献】特開平07-204162(JP,A)
【文献】特開2017-175004(JP,A)
【文献】特開2007-287967(JP,A)
【文献】特開2007-299929(JP,A)
【文献】国際公開第2018/186027(WO,A1)
【文献】特開2016-086091(JP,A)
【文献】特開2008-160648(JP,A)
【文献】国際公開第2017/061296(WO,A1)
【文献】特開2007-042879(JP,A)
【文献】特開2001-320036(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
H04N 25/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに対して所定の信号処理を行う信号処理回路と外部端子に一端が接続された出力側ビアの他端とを接続する信号線が配線された配線層を支持基板に形成する配線層形成手順と、
前記信号処理回路が配置された回路層を前記配線層に形成する回路層形成手順と、
前記画像データを生成する固体撮像素子を前記回路層に接続する接続手順と、
前記支持基板を貫通するように前記出力側ビアを形成する出力ビア形成手順と
を具備する半導体パッケージの製造方法。
【請求項2】
前記固体撮像素子の受光面のうち画素アレイ部の周囲に樹脂ダムを形成して前記樹脂ダムにガラスを搭載するガラス搭載手順をさらに具備する
請求項1記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項3】
前記出力側ビアは、前記支持基板の表面のうち前記信号処理回路に対応する領域と前記信号処理回路に対応しない領域とに配置される
請求項1記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項4】
前記固体撮像素子の受光面から埋め込み素子まで貫通する開口部を前記固体撮像素子および前記回路層に形成する開口部形成手順をさらに具備し、
前記回路層には、前記埋め込み素子がさらに配置され、
前記開口部形成手順は、前記接続手順と前記出力ビア形成手順との間に実行される
請求項1記載の半導体パッケージ
の製造方法。
【請求項5】
画像データに対して所定の信号処理を行う信号処理回路と入力側ビアの他端とを接続する信号線が配線された配線層を支持基板に形成する配線層形成手順と、
前記入力側ビアおよび前記信号処理回路が設けられた回路層を前記配線層に形成する回路層形成手順と、
前記画像データを生成する固体撮像素子を前記回路層に接続する接続手順と
を具備する半導体パッケージの製造方法。
【請求項6】
前記配線層、前記支持基板、前記回路層および前記固体撮像素子を含むセンサーチップをインターポーザに接着する接着手順と、
前記インターポーザと前記配線層とをワイヤにより接続するワイヤボンディング手順と、
前記固体撮像素子の画素アレイ部の周囲にスペーサ樹脂を形成して前記スペーサ樹脂にガラスを搭載するガラス搭載手順と
をさらに具備する請求項5に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項7】
フレームに前記インターポーザを接着するフレーム接着手順をさらに具備する
請求項6記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項8】
バンプと外部端子とを接続する信号線が配線された再配線層と前
記配線層とを前記バンプにより接続するバンプ接続手順をさらに具備する
請求項5に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項9】
前記固体撮像素子の受光面から埋め込み素子まで貫通する開口部を前記固体撮像素子および前記回路層に形成する開口部形成手順をさらに具備し、
前記回路層には、前記埋め込み素子がさらに配置され、
前記開口部形成手順は、前記接続手順の後に実行される
請求項5記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項10】
フレームが外周に形成されたフレーム付き基板と前記配線層とをワイヤにより接続するワイヤボンディング手順をさらに具備する
請求項9記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項11】
セラミック基板と前記配線層とをワイヤにより接続するワイヤボンディング手順をさらに具備する
請求項9記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項12】
前記配線層の受光側の面に追加回路を形成する追加回路形成手順をさらに具備する
請求項5記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項13】
前記追加回路を封止樹脂内に埋め込む埋め込み手順をさらに具備する
請求項12記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項14】
前記固体撮像素子の受光面を保護する透明樹脂を形成する透明樹脂形成手順をさらに具備する
請求項13記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項15】
前記封止樹脂にリブを介してガラスを接続するガラス接続手順をさらに具備する
請求項13記載の半導体パッケージの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、半導体パッケージに関する。詳しくは、固体撮像素子を設けた半導体パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体集積回路の取り扱いを容易にするなどの目的で、その半導体集積回路を基板に実装して密閉した半導体パッケージが用いられている。例えば、半導体集積回路として固体撮像素子を実装し、受光側から順に、固体撮像素子、配線層、ロジック回路、および、支持基板の順で積層した半導体パッケージが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この半導体パッケージでは、配線層内の配線を介してロジック回路と固体撮像素子とが接続され、支持基板およびロジック回路を貫通するビアを介して配線層から外部端子へデータが出力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の従来技術では、固体撮像素子に加えてロジック回路を配置することにより、半導体パッケージの機能の向上を図っている。しかしながら、上述の半導体パッケージでは、支持基板およびロジック回路をビアが貫通しており、支持基板のみを貫通する場合と比較してビアを形成するプロセスが複雑化してしまう。そのため、半導体パッケージを量産する際に、歩留まりが低下するおそれがある。
【0005】
本技術はこのような状況に鑑みて生み出されたものであり、ビアを形成する半導体パッケージにおいて、歩留まりの低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術は、上述の問題点を解消するためになされたものであり、その第1の側面は、画像データを生成する固体撮像素子と、上記画像データに対して所定の信号処理を行う信号処理回路が配置された回路層と、外部端子に一端が接続された出力側ビアが貫通する支持基板と、上記支持基板と上記回路層との間に配置されて上記信号処理回路と上記出力側ビアの他端とを接続する信号線が配線された配線層とを具備する半導体パッケージである。これにより、半導体パッケージの歩留まりが向上するという作用をもたらす。
【0007】
また、この第1の側面において、ガラスと、上記固体撮像素子の受光面のうち画素アレイ部の周囲と上記ガラスとの間に形成された樹脂ダムとをさらに具備してもよい。これにより、キャビティが形成されるという作用をもたらす。
【0008】
また、この第1の側面において、ガラスと、上記固体撮像素子と上記ガラスとの間に埋め込まれた透明樹脂とをさらに具備してもよい。これにより、キャビティが無くなるという作用をもたらす。
【0009】
また、この第1の側面において、上記出力側ビアは、上記支持基板の表面のうち上記信号処理回路に対応する領域と上記信号処理回路に対応しない領域とに配置されてもよい。これにより、外部端子の不足が防止されるという作用をもたらす。
【0010】
また、この第1の側面において、セラミック基板をさらに具備し、上記出力側ビアは、上記支持基板およびセラミック基板を貫通してもよい。これにより、セラミックパッケージの歩留まりが向上するという作用をもたらす。
【0011】
また、この第1の側面において、上記回路層には、埋め込み素子がさらに配置され、上記固体撮像素子および上記回路層には、上記固体撮像素子の受光面から上記埋め込み素子まで貫通した開口部が形成されてもよい。これにより、半導体パッケージの機能が向上するという作用をもたらす。
【0012】
また、本技術の第2の側面は、画像データを生成して入力側ビアの一端に入力する固体撮像素子と、上記画像データに対して所定の信号処理を行う信号処理回路と上記入力側ビアの他端とを接続する信号線が配線された配線層と、上記固体撮像素子と上記配線層との間に配置されて上記入力側ビアおよび上記信号処理回路が設けられた回路層とを具備する半導体パッケージである。これにより、半導体パッケージの歩留まりが向上するという作用をもたらす。
【0013】
また、この第2の側面において、一端が外部端子に接続された出力側ビアが貫通するセラミック基板をさらに具備してもよい。これにより、セラミックパッケージの歩留まりが向上するという作用をもたらす。
【0014】
また、この第2の側面において、上記セラミック基板と上記配線層とはワイヤにより接続されてもよい。これにより、ワイヤボンディングが行われた半導体パッケージの歩留まりが向上するという作用をもたらす。
【0015】
また、この第2の側面において、上記セラミック基板と上記配線層とはバンプにより接続されてもよい。これにより、フリップチップ接続が行われた半導体パッケージの歩留まりが向上するという作用をもたらす。
【0016】
また、この第2の側面において、ガラスと上記固体撮像素子の画素アレイ部の周囲と上記ガラスとの間に形成されたスペーサ樹脂と、インターポーザとをさらに具備し、上記インターポーザと上記配線層とはワイヤにより接続されてもよい。これにより、ワイヤボンディングが行われた半導体パッケージの歩留まりが向上するという作用をもたらす。
【0017】
また、この第2の側面において、接合バンプと外部端子とを接続する信号線が配線された再配線層をさらに具備し、上記配線層は、上記バンプにより上記再配線層と接続されてもよい。これにより、フリップチップ接続が行われた半導体パッケージの歩留まりが向上するという作用をもたらす。
【0018】
また、この第2の側面において、フレームと、上記フレームに接着されたインターポーザとをさらに具備し、上記インターポーザと上記配線層とはワイヤにより接続されてもよい。これにより、ワイヤボンディングが行われた半導体パッケージの歩留まりが向上するという作用をもたらす。
【0019】
また、この第2の側面において、上記回路層には、埋め込み素子がさらに配置され、上記固体撮像素子および上記回路層には、上記固体撮像素子の受光面から上記埋め込み素子まで貫通した開口部が形成されてもよい。これにより、半導体パッケージの機能が向上するという作用をもたらす。
【0020】
また、この第2の側面において、フレームが外周に形成されたフレーム付き基板をさらに具備し、上記配線層と上記フレーム付き基板とは、ワイヤにより接続されてもよい。これにより、ワイヤボンディングが行われた半導体パッケージの歩留まりが向上するという作用をもたらす。
【0021】
また、この第2の側面において、セラミック基板をさらに具備し、上記セラミック基板と上記配線層とは、ワイヤにより接続されてもよい。これにより、ワイヤボンディングが行われたセラミックパッケージの歩留まりが向上するという作用をもたらす。
【0022】
また、この第2の側面において、上記配線層の受光側の面に設けられた追加回路をさらに具備してもよい。これにより、半導体パッケージの機能が向上するという作用をもたらす。
【0023】
また、この第2の側面において、上記追加回路は封止樹脂内に埋め込まれてもよい。これにより、半導体パッケージの信頼性が向上するという作用をもたらす。
【0024】
また、この第2の側面において、上記固体撮像素子の受光面を保護する透明樹脂をさらに具備してもよい。これにより、半導体パッケージの厚みが小さくなるという作用をもたらす。
【0025】
また、この第2の側面において、上記封止樹脂にリブを介して接続されたガラスをさらに具備してもよい。これにより、固体撮像素子の受光面が保護されるという作用をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本技術の第1の実施の形態における電子装置の一構成例を示すブロック図である。
【
図2】本技術の第1の実施の形態における半導体パッケージの一構成例を示す断面図である。
【
図3】本技術の第1の実施の形態における半導体パッケージの構成を模式的に示した断面図である。
【
図4】比較例における半導体パッケージの一構成例を示す断面図である。
【
図5】比較例における半導体パッケージの構成を模式的に示した断面図である。
【
図6】本技術の第1の実施の形態におけるロジック回路等を薄くする工程までを説明するための図である。
【
図7】本技術の第1の実施の形態における入力側ビアを形成する工程までを説明するための図である。
【
図8】本技術の第1の実施の形態における出力側ビア、再配線および外部端子を形成する工程までを説明するための図である。
【
図9】本技術の第1の実施の形態における半導体パッケージの製造方法の一例を示すフローチャートである。
【
図10】本技術の第1の実施の形態の第1の変形例における半導体パッケージの一構成例を示す断面図である。
【
図11】本技術の第1の実施の形態の第2の変形例における半導体パッケージの一構成例を示す断面図である。
【
図12】本技術の第1の実施の形態の第3の変形例における半導体パッケージの一構成例を示す断面図である。
【
図13】本技術の第2の実施の形態における半導体パッケージの一構成例を示す断面図である。
【
図14】本技術の第2の実施の形態におけるセンサーチップの構成を模式的に示した断面図である。
【
図15】本技術の第2の実施の形態の第1の変形例における半導体パッケージの一構成例を示す断面図である。
【
図16】本技術の第2の実施の形態の第1の変形例におけるセンサーチップの構成を模式的に示した断面図である。
【
図17】本技術の第2の実施の形態の第1の変形例における半導体パッケージおよび光学部110の断面図である。
【
図18】本技術の第2の実施の形態の第2の変形例における半導体パッケージの一構成例を示す断面図である。
【
図19】本技術の第2の実施の形態の第2の変形例におけるガラスを搭載する工程までを説明するための図である。
【
図20】本技術の第2の実施の形態の第2の変形例における外部端子を形成する工程までを説明するための図である。
【
図21】本技術の第2の実施の形態の第3の変形例における半導体パッケージの一構成例を示す断面図である。
【
図22】本技術の第2の実施の形態の第3の変形例における半導体パッケージの上面図および下面図である。
【
図23】本技術の第2の実施の形態の第4の変形例における半導体パッケージの一構成例を示す断面図である。
【
図24】本技術の第2の実施の形態の第5の変形例における半導体パッケージの一構成例を示す断面図である。
【
図25】本技術の第2の実施の形態の第6の変形例における半導体パッケージの一構成例を示す断面図である。
【
図26】本技術の第3の実施の形態における半導体パッケージの一構成例を示す断面図である。
【
図27】本技術の第3の実施の形態における半導体パッケージの構成を模式的に示した断面図である。
【
図28】本技術の第3の実施の形態におけるロジック回路等を薄くする工程までを説明するための図である。
【
図29】本技術の第3の実施の形態における支持基板を接続する工程までを説明するための図である。
【
図30】本技術の第3の実施の形態における開口部を形成する工程を説明するための図である。
【
図31】本技術の第3の実施の形態の第1の変形例における半導体パッケージの一構成例を示す断面図である。
【
図32】本技術の第3の実施の形態の第1の変形例におけるセンサーチップの構成を模式的に示した断面図である。
【
図33】本技術の第3の実施の形態の第2の変形例における半導体パッケージの一構成例を示す断面図である。
【
図34】本技術の第3の実施の形態の第3の変形例における半導体パッケージの一構成例を示す断面図である。
【
図35】本技術の第3の実施の形態の第3の変形例における半導体パッケージの構成を模式的に示した断面図である。
【
図36】本技術の第4の実施の形態における半導体パッケージの一構成例を示す断面図である。
【
図37】本技術の第4の実施の形態における半導体パッケージの構成を模式的に示した断面図である。
【
図38】本技術の第4の実施の形態におけるロジック回路等を薄くする工程までを説明するための図である。
【
図39】本技術の第4の実施の形態における配線層を形成する工程までを説明するための図である。
【
図40】本技術の第4の実施の形態におけるカラーフィルタおよびオンチップレンズを形成する工程までを説明するための図である。
【
図41】本技術の第4の実施の形態におけるワイヤボンディングの工程までを説明するための図である。
【
図42】本技術の第4の実施の形態の第1の変形例における半導体パッケージの一構成例を示す断面図である。
【
図43】本技術の第4の実施の形態の第2の変形例における半導体パッケージの一構成例を示す断面図である。
【
図44】本技術の第4の実施の形態の第2の変形例におけるワイヤボンディングの工程までを説明するための図である。
【
図45】本技術の第4の実施の形態の第3の変形例における半導体パッケージの一構成例を示す断面図である。
【
図46】本技術の第4の実施の形態の第4の変形例における半導体パッケージの一構成例を示す断面図である。
【
図47】本技術の第4の実施の形態の第5の変形例における半導体パッケージの一構成例を示す断面図である。
【
図48】車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図49】車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(ビアが支持基板のみを貫通する例)
2.第2の実施の形態(ビアに支持基板を貫通させ、セラミックパッケージなどに実装した例)
3.第3の実施の形態(発光素子を埋め込んだ例)
4.第4の実施の形態(回路や部品を追加した例)
5.移動体への応用例
【0028】
<1.第1の実施の形態>
[電子装置の構成例]
図1は、本技術の第1の実施の形態における電子装置の一構成例を示すブロック図である。この電子装置100は、画像データを撮像するための装置であり、光学部110、固体撮像素子220およびDSP(Digital Signal Processing)回路120を備える。さらに電子装置100は、表示部130、操作部140、バス150、フレームメモリ160、記憶部170および電源部180を備える。電子装置100としては、例えば、デジタルスチルカメラなどのデジタルカメラの他、スマートフォンやパーソナルコンピュータ、車載カメラ等が想定される。
【0029】
光学部110は、被写体からの光を集光して固体撮像素子220に導くものである。固体撮像素子220は、垂直同期信号に同期して、入射光を光電変換して画像データを生成するものである。ここで、垂直同期信号は、撮像のタイミングを示す所定周波数の周期信号である。固体撮像素子220は、生成した画像データをDSP回路120に供給する。
【0030】
DSP回路120は、固体撮像素子220からの画像データに対して所定の信号処理を実行するものである。このDSP回路120は、処理後の画像データをバス150を介してフレームメモリ160などに出力する。
【0031】
表示部130は、画像データを表示するものである。表示部130としては、例えば、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネルが想定される。操作部140は、ユーザの操作に従って操作信号を生成するものである。
【0032】
バス150は、光学部110、固体撮像素子220、DSP回路120、表示部130、操作部140、フレームメモリ160、記憶部170および電源部180が互いにデータをやりとりするための共通の経路である。
【0033】
フレームメモリ160は、画像データを保持するものである。記憶部170は、画像データなどの様々なデータを記憶するものである。電源部180は、固体撮像素子220、DSP回路120や表示部130などに電源を供給するものである。
【0034】
上述の構成において、例えば、固体撮像素子220およびDSP回路120は、半導体パッケージ内に実装される。
【0035】
[半導体パッケージの構成例]
図2は、本技術の第1の実施の形態における半導体パッケージ200の一構成例を示す断面図である。この半導体パッケージ200には、受光側を上側とすると上から順に、ガラス210、固体撮像素子220、回路層230、配線層240および支持基板250が設けられる。
【0036】
ガラス210は、固体撮像素子220を保護するものである。このガラス210の受光面に光学部110からの入射光が入射される。同図における矢印は、入射光の入射方向を示す。
【0037】
以下、入射光の光軸を「Z軸」と称する。また、Z軸に垂直な所定方向を「X軸」と称し、X軸およびZ軸に垂直な方向を「Y軸」と称する。同図は、Y軸方向から見た断面図である。
【0038】
固体撮像素子220は、光電変換により画像データを生成するものである。固体撮像素子220の受光面のうち、画素が配列された画素アレイ部の周囲と、ガラス210との間には感光性樹脂などにより樹脂ダム261が形成される。この樹脂ダム261により、樹脂ダム261と、固体撮像素子220の受光面と、ガラス210とに囲まれた空間であるキャビティ262が形成される。
【0039】
回路層230は、固体撮像素子220と配線層240との間に配置され、入力側ビア231および234などの複数の入力側ビアと、ロジック回路232と、メモリ233とが絶縁膜内に埋め込まれた層である。入力側ビア231や234は、Z軸に沿って延びて、回路層230のうち、ロジック回路232およびメモリ233などの回路が配置されていない部分を貫通するTSV(Through Silicon Via)である。また、入力側ビア231や234の一端は、固体撮像素子220に接続される。
【0040】
ロジック回路232は、画像データに対して所定の処理を行うものである。例えば、ロジック回路232として、DSP回路120が配置される。メモリ233は、画像データを一時的に保持するものである。なお、ロジック回路232は、特許請求の範囲に記載の信号処理回路の一例である。
【0041】
配線層240は、支持基板250と回路層230との間に配置される。この配線層240には、所定数の信号線242が配線される。また、配線層240には、パッド241および243が配置される。これらの信号線242は、入力側ビア231等の他端をロジック回路232に接続する信号線と、ロジック回路232およびメモリ233を接続する信号線とを含む。また、これらの信号線242は、ロジック回路232とパッド241や243とを接続する信号線を含む。
【0042】
支持基板250は、出力側ビア251および254などの複数の出力側ビアが貫通する基板である。出力側ビア251や254は、支持基板250においてZ方向に伸びて、パッド241や243に対応する部分(すなわち、ロジック回路232等の周囲に対応する部分)を貫通する。また、受光側を上側として、支持基板250の下面には、所定数の外部端子253が設けられる。例えば、半田ボールが外部端子253として用いられる。
【0043】
また、支持基板250には、再配線252が配線され、出力側ビア251や254の一端は、再配線252を介して外部端子253に接続される。出力側ビア251や253の他端は、パッド241や243を介して配線層240内の信号線242と接続される。
【0044】
図3は、本技術の第1の実施の形態における半導体パッケージ200の構成を模式的に示した断面図である。同図において、樹脂ダム261、信号線242および再配線252は省略されている。
【0045】
同図に例示するように、受光側を上側とすると上から順に、ガラス210、固体撮像素子220、回路層230、配線層240および支持基板250が設けられる。
【0046】
固体撮像素子220は、光電変換により画像データを生成し、入力側ビア231や234の一端に入力する。ロジック回路232は、入力側ビア231等と配線層240内の信号線を介して画像データを受け取り、その画像データに対して信号処理を行う。この信号処理において、ロジック回路232は、配線層240を介してメモリ233にアクセスし、画像データの書込みや読出しを行う。また、ロジック回路232は、処理後のデータを配線層240と、出力側ビア251等とを介して外部端子253へ出力する。
【0047】
ここで、比較例として、上から順に、ガラス210、固体撮像素子220、配線層240、回路層230および支持基板250を配置した半導体パッケージを想定する。
【0048】
図4は、比較例における半導体パッケージの一構成例を示す断面図である。
【0049】
図5は、比較例における半導体パッケージの構成を模式的に示した断面図である。
【0050】
図4および
図5に例示するように、比較例では、固体撮像素子220と回路層230との間に配線層240が配置される。この配線層240は、固体撮像素子220内の配線を用いて製造される。また、配線層240には、ロジック回路232およびメモリ233を接続する信号線等が配線される。このため、搭載するロジック回路232やメモリ233に応じて固体撮像素子220内の配線を設計する必要があり、固体撮像素子220の配線設計の自由度が低下するおそれがある。
【0051】
これに対して、
図2および
図3に例示した半導体パッケージ200では、固体撮像素子220と配線層240との間に回路層230を配置している。これにより、搭載するロジック回路232やメモリ233に応じて固体撮像素子220の配線を変更する必要が無くなり、配線設計の自由度を向上させることができる。
【0052】
また、比較例では、データを外部端子253から出力するために、支持基板250とロジック回路232やメモリ233とを貫通するビアが形成される。この構成では、ロジック回路232やメモリ233に、ビアを貫通させるためのパッドを配置する必要があり、その分、ロジック回路232等の面積を大きくしなければならない。また、ロジック回路232等が外部からの調達品である場合、パッドを設けることができないおそれがある。さらに、支持基板250のみを貫通させる場合と比較して、ビアを形成するプロセスが複雑になり、半導体パッケージ200を量産する際に歩留まりが低下するおそれがある。この他、ロジック回路232等をビアが貫通することにより、ロジック回路232等の特性が変動し、その特性変動に起因して歩留まりが低下するおそれもある。
【0053】
これに対して、
図2および
図3に例示した半導体パッケージ200では、支持基板250のみを貫通する出力側ビア251等を形成している。これにより、ロジック回路232やメモリ233に、ビアを貫通させるためのパッドを配置する必要が無くなり、その分、ロジック回路232等の面積を小さくすることができる。また、パッドを設ける必要が無いため、ロジック回路232等に外部からの調達品を用いることが容易となる。さらに、支持基板250とロジック回路232やメモリ233とを貫通させる場合と比較して、出力側ビア251等を形成するプロセスがシンプルになるため、歩留まりを向上させることができる。この他、出力側ビア251等はロジック回路232等を貫通しないため、ロジック回路232等の特性が変動することが無くなり、その特性変動に起因する歩留まりの低下を抑制することができる。
【0054】
次に、半導体パッケージ200の製造方法について説明する。
【0055】
[半導体パッケージの製造方法]
図6は、本技術の第1の実施の形態におけるロジック回路232等を薄くする工程までを説明するための図である。同図におけるaは、配線層240を形成する工程を説明するための図である。同図におけるbは、ロジック回路232等を接続する工程を説明するための図である。同図におけるcは、ロジック回路232等を薄くする工程までを説明するための図である。
【0056】
同図におけるaに例示するように半導体パッケージ200の製造システムは、まず、複数のチップ領域に分割されたウェハー状の支持基板250において、チップ領域毎に配線層240を形成する。そして、同図におけるbに例示するように、製造システムは、配線層240に、ロジック回路232やメモリ233をCu-Cu接合などにより接続する。この工程は、C2W(Chip to Wafer)接続と呼ばれる。続いて、同図におけるcに例示するように、製造システムは、ロジック回路232やメモリ233を必要に応じて薄くする。
【0057】
図7は、本技術の第1の実施の形態における入力側ビア231等を形成する工程までを説明するための図である。同図におけるaは、ロジック回路232等を絶縁膜に埋め込む工程を説明するための図である。同図におけるbは、回路層を平坦化する工程を説明するための図である。同図におけるcは、入力側ビア231等を形成する工程を説明する図である。
【0058】
同図におけるaに例示するように、製造システムは、絶縁膜によりロジック回路232等を埋め込むことにより回路層230を形成する。そして、製造システムは、同図におけるbに例示するように回路層230を平坦化する。続いて、製造システムは、同図におけるcに例示するように、回路層230のうち、ロジック回路232等が配置されていない領域を貫通する入力側ビア231や234を形成する。
【0059】
図8は、本技術の第1の実施の形態における出力側ビア251、再配線252および外部端子253を形成する工程までを説明するための図である。同図におけるaは、固体撮像素子220を接続する工程を説明するための図である。同図におけるbは、カラーフィルタおよびオンチップレンズを形成する工程を説明するための図である。同図におけるcは、出力側ビア251、再配線252および外部端子253を形成する工程までを説明するための図である。
【0060】
同図におけるaに例示するように、製造システムは、複数の固体撮像素子220が設けられたウェハーを用意し、ウェハー状の支持基板250の入力側ビア231等にCu-Cu接合などにより接続する。この工程は、WoW(Wafer on Wafer)接続と呼ばれる。そして、製造システムは、同図におけるbに例示するように、固体撮像素子220に複数の画素221を形成し、画素221毎に、カラーフィルタ(不図示)と、オンチップレンズ222とを形成する。続いて、製造システムは、同図におけるcに例示するように、出力側ビア251や254と、再配線252および外部端子253とを支持基板250に形成する。また、製造システムは、樹脂ダム261を形成し、ガラス210により固体撮像素子220を密閉する。そして、製造システムは、ダイシングによりチップ領域の単位で個片化する。
【0061】
図6乃至
図8に例示したように、ウェハーレベルで製造した半導体パッケージ200は、WLCSP(Wafer Level Chip Size Package)と呼ばれる。
【0062】
図9は、本技術の第1の実施の形態における半導体パッケージ200の製造方法の一例を示すフローチャートである。
【0063】
製造システムは、まず、支持基板250に配線層240を形成し(ステップS901)、その配線層240に、ロジック回路232やメモリ233をCu-Cu接合などにより接続する(ステップS902)。そして、製造システムは、ロジック回路232やメモリ233を薄化し(ステップS903)、絶縁膜によりロジック回路232等を埋め込み、回路層230を形成する(ステップS904)。続いて、製造システムは、回路層230を平坦化し(ステップS905)、入力側ビア231や234を形成する(ステップS906)。
【0064】
製造システムは、固体撮像素子220をCu-Cu接合などにより接続する(ステップS907)。製造システムは、固体撮像素子220に複数の画素221を形成し、画素221毎に、カラーフィルタと、オンチップレンズ222とを形成する(ステップS908)。続いて、製造システムは、出力側ビア251や254と、再配線252および外部端子253とを支持基板250に形成し、ガラス210により固体撮像素子220を密閉する(ステップS909)。ステップS909の後に、製造システムは、ダイシングや検査などを行い、半導体パッケージ200の製造を終了する。
【0065】
このように、本技術の第1の実施の形態によれば、出力側ビア251等は、支持基板250のみを貫通するため、支持基板250およびロジック回路232を貫通させる場合と比較して、簡易なプロセスによりビアを形成することができる。これにより、支持基板250およびロジック回路232を貫通させる場合と比較して半導体パッケージ200の歩留まりを向上させることができる。
【0066】
[第1の変形例]
上述の第1の実施の形態では、樹脂ダム261により半導体パッケージ200内にキャビティ262を設けていたが、樹脂ダム261の壁面の一部が剥がれて、固体撮像素子220の像面に落下するおそれがある。この第1の実施の形態の第1の変形例の半導体パッケージ200は、透明樹脂で埋めることによりキャビティ262を無くした点において第1の実施の形態と異なる。
【0067】
図10は、本技術の第1の実施の形態の第1の変形例における半導体パッケージ200の一構成例を示す断面図である。この第1の実施の形態の第1の変形例の半導体パッケージ200は、樹脂ダム261の代わりに、透明樹脂263が形成される点において第1の実施の形態と異なる。この透明樹脂263は、ガラス210と固体撮像素子220との間に埋め込まれる。これにより、キャビティ262を無くし、樹脂ダム261の壁面の剥離を防止することができる。
【0068】
このように、本技術の第1の実施の形態の第1の変形例によれば、ガラス210と固体撮像素子220との間に透明樹脂263を埋め込んだため、キャビティ262を無くし、樹脂ダム261の壁面の剥離を防止することができる。
【0069】
[第2の変形例]
上述の第1の実施の形態では、ロジック回路232等の周囲に対応する部分に出力側ビア251等を配置していたが、この構成では、外部端子253の個数が不足するおそれがある。この第1の実施の形態の第2の変形例の半導体パッケージ200は、ロジック回路232等の直下にも出力側ビアを配置した点において第1の実施の形態と異なる。
【0070】
図11は、本技術の第1の実施の形態の第2の変形例における半導体パッケージ200の一構成例を示す断面図である。この第1の実施の形態の第2の変形例の半導体パッケージ200は、支持基板250において、ロジック回路232やメモリ233に対応しない領域の他、対応する領域にも所定数の出力側ビア255が配置される点において第1の実施の形態と異なる。言い換えれば、出力側ビア255は、支持基板250において、ロジック回路232等の直下にも配置される。これにより、出力側ビアの本数を多くし、外部端子253の不足を防止することができる。
【0071】
このように、本技術の第1の実施の形態の第2の変形例によれば、ロジック回路232やメモリ233に対応する領域にも出力側ビア255を形成したため、出力側ビアの本数を多くし、外部端子253の不足を防止することができる。
【0072】
[第3の変形例]
上述の第1の実施の形態の第2の変形例では、樹脂ダム261により半導体パッケージ200内にキャビティ262を設けていたが、樹脂ダム261の壁面の一部が剥がれて、固体撮像素子220の像面に落下するおそれがある。この第1の実施の形態の第3の変形例の半導体パッケージ200は、透明樹脂で埋めることによりキャビティ262を無くした点において第1の実施の形態の第2の変形例と異なる。
【0073】
図12は、本技術の第1の実施の形態の第3の変形例における半導体パッケージ200の一構成例を示す断面図である。この第1の実施の形態の第3の変形例の半導体パッケージ200は、樹脂ダム261の代わりに、透明樹脂263が形成される点において第1の実施の形態の第2の変形例と異なる。これにより、キャビティ262を無くし、樹脂ダム261の壁面の剥離を防止することができる。
【0074】
このように、本技術の第1の実施の形態の第3の変形例によれば、ガラス210と固体撮像素子220との間に透明樹脂263を埋め込んだため、キャビティ262を無くし、樹脂ダム261の壁面の剥離を防止することができる。
【0075】
<2.第2の実施の形態>
上述の第1の実施の形態では、ウェハーレベルで製造した半導体パッケージ200の歩留まりを向上させていたが、セラミック基板に実装したセラミックパッケージの歩留まりを向上させることもできる。この第2の実施の形態の半導体パッケージ200は、セラミックパッケージである点において第1の実施の形態と異なる。
【0076】
図13は、本技術の第2の実施の形態における半導体パッケージ200の一構成例を示す断面図である。この第2の実施の形態の半導体パッケージ200には、ガラス210、センサーチップ310およびセラミック基板320が設けられる。
【0077】
センサーチップ310は、受光側を上側とすると上から順に、固体撮像素子220、回路層230、配線層240および支持基板250が積層されたチップである。各層の構成は、第1の実施の形態と同様である。ただし、第2の実施の形態の出力側ビア255は、支持基板250とセラミック基板320との両方を貫通する点において第1の実施の形態と異なる。
【0078】
セラミック基板320内には、空間が設けられ、その空間内にセンサーチップ310が設けられる。また、その空間は、ガラス210により密閉される。
【0079】
図14は、本技術の第2の実施の形態におけるセンサーチップ310の構成を模式的に示した断面図である。同図に例示するように、ロジック回路232は、支持基板250およびセラミック基板320を貫通する出力側ビア255を介して、データを外部に出力する。
【0080】
このように、本技術の第2の実施の形態によれば、出力側ビア255が貫通するセラミック基板320内にセンサーチップ310を配置するため、セラミックパッケージの歩留まりを向上させることができる。
【0081】
[第1の変形例]
上述の第2の実施の形態では、出力側ビア255により、センサーチップ310をセラミック基板320に接続していたが、ワイヤにより接続することもできる。この第2の実施の形態の第1の変形例の半導体パッケージ200は、ワイヤによりセンサーチップ310をセラミック基板320に接続する点において第2の実施の形態と異なる。
【0082】
図15は、本技術の第2の実施の形態の第1の変形例における半導体パッケージ200の一構成例を示す断面図である。この第2の実施の形態の第1の変形例の半導体パッケージ200は、ワイヤ331によりセラミック基板320と接続される点において第2の実施の形態と異なる。
【0083】
また、セラミック基板320には、出力側ビア321、再配線322および外部端子253が設けられる。出力側ビア321は、セラミック基板320を貫通し、出力側ビア321の一端が、ワイヤ331と接続される。また、出力側ビア321や再配線322に外部端子253が接続される。
【0084】
図16は、本技術の第2の実施の形態におけるセンサーチップ310の構成を模式的に示した断面図である。同図に例示するように、支持基板250には、出力側ビア255が形成されない。このため、ビアがロジック回路232等を貫通せず、ビアの貫通によりロジック回路232等の特性が変動することが無くなる。したがって、その特性変動に起因する歩留まりの低下を抑制することができる。
【0085】
また、Z軸方向から見た配線層240および支持基板250の面積は、固体撮像素子220および回路層230よりも狭い。このため、受光側を上側として、配線層240の上面のうち、固体撮像素子220に対応する領域の周囲にスペースが生じる。このスペースにパッド244や245などの所定数のパッドが設けられる。これらのパッドは、ワイヤ331と接続される。ロジック回路232は、ワイヤ331を介してセラミック基板320へデータを出力する。
【0086】
図17は、本技術の第2の実施の形態の第1の変形例における半導体パッケージ200および光学部110の断面図である。同図に例示するように、レンズやレンズホルダーを備える光学部110に半導体パッケージ200のガラス210が取り付けられる。なお、第2の実施の形態の第1の変形例以外の半導体パッケージ200も、同図に例示したように取り付けられる。
【0087】
このように、本技術の第2の実施の形態の第1の変形例では、ロジック回路232等の下部の配線層240をワイヤ331によりセラミック基板320に接続するため、ロジック回路232等にビアを貫通させる必要がなくなる。これにより、ビアの貫通によってロジック回路232等の特性が変動することが無くなり、その特性変動に起因する歩留まりの低下を抑制することができる。
【0088】
[第2の変形例]
上述の第2の実施の形態では、セラミック基板320内にセンサーチップ310を配置してガラス210で密閉していたが、セラミック基板を設けず、センサーチップ310に、樹脂を介してガラス210を直接搭載することもできる。このような半導体パッケージは、GoC(Glass on Chip)パッケージと呼ばれる。この第2の実施の形態の第2の変形例の半導体パッケージ200は、GoCパッケージである点において第2の実施の形態と異なる。
【0089】
図18は、本技術の第2の実施の形態の第2の変形例における半導体パッケージ200の一構成例を示す断面図である。この第2の実施の形態の第2の変形例の半導体パッケージ200はセラミック基板320の代わりに、インターポーザ345が設けられる点において第2の実施の形態と異なる。また、第2の実施の形態の第2の変形例のセンサーチップ310の構成は、第2の実施の形態と第1の変形例と同様である。
【0090】
受光側を上側として、センサーチップ310の下面は、接着剤344によりインターポーザ345に接着される。また、センサーチップ310は、ワイヤ331によりインターポーザ345と接続される。
【0091】
また、インターポーザ345の下面に外部端子253が形成される。インターポーザ345内には、ビアや再配線が形成され、それらによりワイヤ331と外部端子253とが接続される。インターポーザ345として、例えば、有機基板が用いられる。
【0092】
また、Z方向から見てセンサーチップ310の周囲には、ポティング樹脂342が埋め込まれる。そのポティング樹脂342の上部に、上部が平らなモールド樹脂341が形成される。また、センサーチップ310の上面のうち画素アレイ部の周囲とガラス210との間には、スペーサ―樹脂343が形成される。
【0093】
同図に例示したように、チップ(センサーチップ310)上にガラス210を載置した構造の半導体パッケージは、GoCパッケージと呼ばれる。
【0094】
図19は、本技術の第2の実施の形態の第2の変形例におけるガラスを搭載する工程までを説明するための図である。同図におけるaは、センサーチップ310を載置する構成を説明するための図である。同図におけるbは、ワイヤボンディングの工程を説明するための図である。同図におけるcは、スペーサ―樹脂343を形成する工程を説明するための図である。同図におけるdは、ガラス210を載置する工程を説明するための図である。
【0095】
同図におけるaに例示するように、製造システムは、ウェハー状のインターポーザ345の上面にセンサーチップ310を載置し、接着する。そして、同図におけるbに例示するように、製造システムは、センサーチップ310をワイヤ331によりインターポーザ345に接続する。続いて、同図におけるcに例示するように、製造システムは、画素アレイ部の周囲にスペーサ―樹脂343を形成し、同図におけるdに例示するように、そのスペーサ―樹脂343にガラス210を載置して固定する。
【0096】
図20は、本技術の第2の実施の形態の第2の変形例における外部端子253を形成する工程までを説明するための図である。同図におけるaは、ポティング樹脂342を形成する工程を説明するための図である。同図におけるbは、モールド樹脂341を形成する工程を説明するための図である。同図におけるcは、外部端子253を形成する工程を説明するための図である。
【0097】
同図におけるaに例示するように、製造システムは、センサーチップ310の周囲にポティング樹脂342を形成して、ワイヤ331を埋め込む。そして、同図におけるbに例示するように製造システムは、ポティング樹脂342の上部にモールド樹脂341を形成して平らに整える。続いて、同図におけるcに例示するように製造システムは、インターポーザ345の下面に所定数の外部端子253(半田ボールなど)を設ける。次に、製造システムは、ダイシングにより複数のパッケージに個片化する。
【0098】
このように、本技術の第2の実施の形態の第2の変形例によれば、センサーチップ310をワイヤ331によりインターポーザ345に接続するため、ロジック回路232等にビアを貫通させる必要がなくなる。これにより、ビアの貫通によってロジック回路232等の特性が変動することが無くなり、その特性変動に起因する歩留まりの低下を抑制することができる。
【0099】
[第3の変形例]
上述の第2の実施の形態では、出力側ビア255により、センサーチップ310をセラミック基板320に接続していたが、フリップチップ接続することもできる。この第2の実施の形態の第3の変形例の半導体パッケージ200は、バンプによりセンサーチップ310を再配線層に接続する点において第2の実施の形態と異なる。
【0100】
図21は、本技術の第2の実施の形態の第3の変形例における半導体パッケージ200の一構成例を示す断面図である。この第2の実施の形態の第3の変形例の半導体パッケージ200はセラミック基板320の代わりに、再配線層354が設けられる点において第2の実施の形態と異なる。また、第2の実施の形態の第3の変形例のセンサーチップ310の構成は、第2の実施の形態の第1の変形例と同様である。ただし、センサーチップ310には、パッド244等の代わりにバンプ353が設けられる。
【0101】
受光側を上側として、ガラス210の下面のうち画素アレイ部に対応する領域以外に再配線層354が形成される。この再配線層354には、再配線351、シールリング352および外部端子253(半田ボールなど)が設けられる。
【0102】
また、センサーチップ310は、バンプ353により再配線層354と接続(すなわち、フリップチップ接続)される。バンプ353の接続箇所は、シールリング352により封止される。
【0103】
図22は、本技術の第2の実施の形態の第3の変形例における半導体パッケージ200の上面図および下面図である。同図におけるaは、半導体パッケージ200の上面図である。同図におけるbは、半導体パッケージ200の下面図である。
【0104】
同図におけるaに例示するように、半導体パッケージ200を上から見ると、ガラス210を通して、再配線351を視認することができる。また、同図におけるbに例示するように、半導体パッケージ200の下面において、外周に沿って、外部端子253が配列される。
図21および
図22に例示した構成のパッケージは、FOCSP(Fan-Out Chip Size/Scale Package)と呼ばれる。
【0105】
このように本技術の第2の実施の形態の第3の変形例によれば、センサーチップ310を再配線層354にフリップチップ接続するため、ロジック回路232等にビアを貫通させる必要がなくなる。これにより、ビアの貫通によってロジック回路232等の特性が変動することが無くなり、その特性変動に起因する歩留まりの低下を抑制することができる。
【0106】
[第4の変形例]
上述の第2の実施の形態では、センサーチップ310をセラミック基板320に接続していたが、フレーム付のインターポーザに接着することもできる。この第2の実施の形態の第4の変形例の半導体パッケージ200は、センサーチップ310をフレーム付のインターポーザに接着した点において第2の実施の形態と異なる。
【0107】
図23は、本技術の第2の実施の形態の第4の変形例における半導体パッケージ200の一構成例を示す断面図である。この第2の実施の形態の第4の変形例の半導体パッケージ200はセラミック基板320の代わりに、フレーム362およびセラミックインターポーザ364が設けられる点において第2の実施の形態と異なる。また、第2の実施の形態の第4の変形例のセンサーチップ310の構成は、第2の実施の形態の第1の変形例と同様である。
【0108】
受光側を上側として、センサーチップ310の下面は、接着剤344によりセラミックインターポーザ364に接着される。また、センサーチップ310は、ワイヤ331により、セラミックインターポーザ364と接続される。
【0109】
また、セラミックインターポーザ364の下面に、ランドなどの外部端子365が形成される。セラミックインターポーザ364内には、ビアや再配線が形成され、それらによりワイヤ331と外部端子365とが接続される。
【0110】
セラミックインターポーザ364の上面のうち、センサーチップ310の周囲は、フレーム362とシール剤363により接続される。フレーム362は、すり鉢状の内壁を有し、外壁にZ軸に垂直な基準面が形成された部材である。同図における太い波線は、基準面を示す。この基準面が、カメラモジュールなどに取付けられる。また、フレーム362の上面は、シール剤361によりガラス210と接続される。
【0111】
このように本技術の第2の実施の形態の第3の変形例によれば、センサーチップ310をワイヤ331によりセラミックインターポーザ364に接続するため、ロジック回路232等にビアを貫通させる必要がなくなる。これにより、ビアの貫通によってロジック回路232等の特性が変動することが無くなり、その特性変動に起因する歩留まりの低下を抑制することができる。
【0112】
[第5の変形例]
上述の第2の実施の形態では、半田ボールを外部端子253として設けていたが、半田ボールの代わりにパッドを設けることもできる。第2の実施の形態の第5の変形例の半導体パッケージ200は、パッドを外部端子として設けた点において第2の実施の形態と異なる。
【0113】
図24は、本技術の第2の実施の形態の第5の変形例における半導体パッケージ200の一構成例を示す断面図である。この第2の実施の形態の第5の変形例の半導体パッケージ200は、外部端子253(半田ボール)の代わりに、パッドが外部端子371として設けられた点において第2の実施の形態と異なる。
【0114】
このように、本技術の第2の実施の形態の第5の変形例によれば、半田ボールの代わりにパッドを設けたため、ワイヤボンディングなどを行うことができる。
【0115】
[第6の変形例]
上述の第2の実施の形態では、出力側ビア255により、センサーチップ310をセラミック基板320に接続していたが、フリップチップ接続することもできる。第2の実施の形態の第6の変形例の半導体パッケージ200は、センサーチップ310をセラミック基板320にフリップチップ接続する点において第2の実施の形態と異なる。
【0116】
図25は、本技術の第2の実施の形態の第6の変形例における半導体パッケージ200の一構成例を示す断面図である。この第2の実施の形態の第6の変形例の半導体パッケージ200は、センサーチップ310がバンプ381によりセラミック基板320に接続される点において第2の実施の形態と異なる。また、第2の実施の形態の第6の変形例のセンサーチップ310の構成は、第2の実施の形態の第1の変形例と同様である。
【0117】
また、セラミック基板320は、センサーチップ310の上面のうち画素アレイ部の周囲と、センサーチップ310の側面をカバーする。
【0118】
このように、本技術の第2の実施の形態の第6の変形例によれば、ロジック回路232等の下部の配線層240をバンプ381によりセラミック基板320に接続するため、ロジック回路232等にビアを貫通させる必要がなくなる。これにより、ビアの貫通によってロジック回路232等の特性が変動することが無くなり、その特性変動に起因する歩留まりの低下を抑制することができる。
【0119】
<3.第3の実施の形態>
上述の第1の実施の形態では、固体撮像素子220の下部に、ロジック回路232およびメモリ233を設けていたが、ToF(Time of Flight)方式で測距する機能を実現するには、発光素子が必要になる。この第3の実施の形態の半導体パッケージ200は、発光素子を設けた点において第1の実施の形態と異なる。
【0120】
図26は、本技術の第3の実施の形態における半導体パッケージ200の一構成例を示す断面図である。この第3の実施の形態の半導体パッケージ200は、発光素子411がさらに設けられる点において第1の実施の形態と異なる。
【0121】
発光素子411は、赤外光などの光を発光するものである。発光素子411として、例えば、LED(Light Emitting Diode)やレーザーダイオードが用いられる。この発光素子411は、回路層230に設けられる。
【0122】
また、受光側を上側として、固体撮像素子220の上面(すなわち、受光面)から発光素子411までをZ方向に沿って貫通する開口部410が、固体撮像素子220および回路層230に形成される。この開口部410を介して発光素子411は、光を照射することができる。同図における矢印は、発光素子411からの光の照射方向を示す。
【0123】
同図に例示したように、発光素子411を回路層230に埋め込むことにより、センサーチップからの引き出し端子数を削減することができる。これにより、半導体パッケージ200を用いるToFモジュールのサイズの縮小や、インターポーザを設ける場合のコスト低減にも寄与する。また、発光素子411を回路層230に埋め込むことにより、X軸方向やY軸方向において、受光素子(固体撮像素子220)と、発光素子411との距離を近くすることができる。これにより、測距精度を向上させることができる。
【0124】
なお、発光素子411を埋め込んでいるが、発光素子411以外の素子を埋め込むこともできる。例えば、温度センサー、湿度センサーや気圧センサーを埋め込むこともできる。これらのセンサーを埋め込むことにより、半導体パッケージ内の回路(ロジック回路232など)や外部の回路は、半導体パッケージ200内の異常の有無を検知し、センサーの駆動にフィードバックすることができる。
【0125】
なお、発光素子411は、特許請求の範囲に記載の埋め込み素子の一例である。
【0126】
図27は、本技術の第3の実施の形態における半導体パッケージ200の構成を模式的に示した断面図である。
【0127】
ロジック回路232は、発光素子411を制御して照射光を物体に照射させる。そして、固体撮像素子220は、照射光に対する反射光を受光し、ロジック回路232は、ToF方式により物体までの距離を測定する。ロジック回路232は、その測定データを外部端子253を介して外部へ出力する。なお、ロジック回路232の代わりに、半導体パッケージ200の外部の制御回路が、発光素子411の発光動作を制御することもできる。
【0128】
図28は、本技術の第3の実施の形態におけるロジック回路232等を薄くする工程までを説明するための図である。同図におけるaは、固体撮像素子220を形成する工程を説明するための図である。同図におけるbは、ロジック回路232等を接続する工程を説明するための図である。同図におけるcは、ロジック回路232等を薄くする工程までを説明するための図である。
【0129】
同図におけるaに例示するように製造システムは、複数のチップ領域に分割されたウェハーにおいて、チップ領域ごとに固体撮像素子220を形成する。そして、同図におけるbに例示するように、製造システムは、固体撮像素子220に、ロジック回路232、メモリ233や発光素子411をCu-Cu接合などにより接続する。続いて、同図におけるcに例示するように、製造システムは、ロジック回路232等を必要に応じて薄くする。
【0130】
図29は、本技術の第3の実施の形態における支持基板250を接続する工程までを説明するための図である。同図におけるaは、ロジック回路232等を絶縁膜に埋め込む工程を説明するための図である。同図におけるbは、回路層230を平坦化する工程を説明するための図である。同図におけるcは、支持基板250を接続する工程を説明するための図である。
【0131】
同図におけるaに例示するように、製造システムは、絶縁膜によりロジック回路232等を埋め込むことにより回路層230を形成する。そして、製造システムは、同図におけるbに例示するように回路層230を平坦化する。続いて、製造システムは、同図におけるcに例示するように、回路層230を下側にして、その回路層230をウェハー状の支持基板250に、Cu-Cu接合などにより接続する。
【0132】
図30は、本技術の第3の実施の形態における開口部410を形成する工程を説明するための図である。同図に例示するように、製造システムは、発光素子411まで貫通する開口部410を形成する。また、製造システムは、固体撮像素子220に複数の画素221を形成し、画素221毎に、カラーフィルタ(不図示)と、オンチップレンズ222とを形成する。
【0133】
この後に、製造システムは、出力側ビア251や254と、再配線252および外部端子253とを支持基板250に形成する。また、製造システムは、樹脂ダム261を形成し、ガラス210により固体撮像素子220を密閉し、ダイシングを行う。
【0134】
このように、本技術の第3の実施の形態によれば、発光素子411を半導体モジュール200内の回路層230に埋め込んだため、半導体モジュール200の外部に発光素子411を配置する場合と比較してToFモジュールのサイズを小さくすることができる。
【0135】
[第1の変形例]
上述したように第3の実施の形態では、出力側ビア255により、センサーチップ310を支持基板250に接続していたが、ワイヤによりフレーム付き基板に接続することもできる。この第3の実施の形態の第1の変形例の半導体パッケージ200は、センサーチップ310をワイヤによりフレーム付き基板に接続する点において第3の実施の形態と異なる。
【0136】
図31は、本技術の第3の実施の形態の第1の変形例における半導体パッケージ200の一構成例を示す断面図である。この第3の実施の形態の第1の変形例の半導体パッケージ200は、フレーム付き基板421がさらに設けられる点において第3の実施の形態と異なる。
【0137】
フレーム付き基板421は、外周にフレームが形成された基板である。このフレーム付き基板421の底面にはセンサーチップ310が設けられる。また、フレーム付き基板421のフレーム部分には、ガラス210が接続される。
【0138】
センサーチップ310は、受光側を上側とすると上から順に、固体撮像素子220、回路層230、配線層240および支持基板250が積層されたチップである。各層の構成は、第1の実施の形態と同様である。ただし、センサーチップ310は、ワイヤ331によりフレーム付き基板421と接続される。
【0139】
図32は、本技術の第3の実施の形態の第1の変形例におけるセンサーチップ310の構成を模式的に示した断面図である。同図に例示するように、支持基板250には、出力側ビア255が形成されない。このため、ビアがロジック回路232等を貫通せず、ビアの貫通によりロジック回路232等の特性が変動することが無くなる。したがって、その特性変動に起因する歩留まりの低下を抑制することができる。
【0140】
このように、本技術の第3の実施の形態の第1の変形例によれば、センサーチップ310をフレーム付き基板421にワイヤボンディングしたため、ロジック回路232等にビアを貫通させる必要がなくなる。これにより、ビアの貫通によってロジック回路232等の特性が変動することが無くなり、その特性変動に起因する歩留まりの低下を抑制することができる。
【0141】
[第2の変形例]
上述の第3の実施の形態では、ウェハーレベルで製造した半導体パッケージ200に発光素子411を設けていたが、セラミック基板に実装したセラミックパッケージに発光素子411を設けることもできる。この第3の実施の形態の第2の変形例の半導体パッケージ200は、セラミックパッケージである点において第3の実施の形態と異なる。
【0142】
図33は、本技術の第3の実施の形態の第2の変形例における半導体パッケージ200の一構成例を示す断面図である。この第3の実施の形態の第2の変形例の半導体パッケージ200は、セラミック基板431がさらに設けられる点において第3の実施の形態と異なる。
【0143】
セラミック基板431内には、空間が設けられ、その空間内にセンサーチップ310が設けられる。また、その空間は、ガラス210により密閉される。第3の実施の形態の第2の変形例のセンサーチップ310の構成は、第3の実施の形態の第1の変形例と同様である。第3の実施の形態の第2の変形例においても、第3の実施の形態の第1の変形例と同様に、センサチップ310内の配線層240は、ワイヤ331によりセラミック基板431と接続される。
【0144】
このように、本技術の第3の実施の形態の第2の変形例によれば、セラミック基板431内のセンサーチップ310内に発光素子411を設けたため、セラミックパッケージを用いるToFモジュールのサイズを小さくすることができる。
【0145】
[第3の変形例]
上述の第3の実施の形態では、固体撮像素子220と配線層240との間に回路層230を配置していたが、固体撮像素子220と回路層230との間に配線層240を配置することもできる。この第3の実施の形態の第3の変形例の半導体パッケージ200は、固体撮像素子220と回路層230との間に配線層240を配置した点において第3の実施の形態と異なる。
【0146】
図34は、本技術の第3の実施の形態の第3の変形例における半導体パッケージ200の一構成例を示す断面図である。この第3の実施の形態の第3の変形例の半導体パッケージ200は、固体撮像素子220と回路層230との間に配線層240が配置される点において第3の実施の形態と異なる。また、この構成において、出力側ビア251は、支持基板250および回路層230を貫通して形成される。
【0147】
図35は、本技術の第3の実施の形態の第3の変形例における半導体パッケージの構成を模式的に示した断面図である。同図に例示するように、開口部410は、固体撮像素子220および配線層240を発光素子411まで貫通して形成される。
【0148】
このように、本技術の第3の実施の形態の第3の変形例によれば、固体撮像素子220と回路層230との間に配線層240を配置したため、固体撮像素子220および配線層240を貫通する開口部410を介して照射光を照射することができる。
【0149】
<4.第4の実施の形態>
上述の第1の実施の形態では、固体撮像素子220の下部に、ロジック回路232およびメモリ233を設けていたが、ToF(Time of Flight)方式で測距する機能を実現するには、発光素子が必要になる。この第4の実施の形態の半導体パッケージ200は、発光素子を設けた点において第1の実施の形態と異なる。
【0150】
図36は、本技術の第4の実施の形態における半導体パッケージ200の一構成例を示す断面図である。この第4の実施の形態の半導体パッケージ200には、フレーム510と、LED521および522と、パッケージ基板550とがさらに設けられる。また、配線層240および支持基板250の代わりに配線層付き支持基板540が設けられる。
【0151】
受光側を上側として、パッケージ基板550の上面の外周には、フレーム510が設けられる。フレーム510の上部には、ガラス210が接着される。また、パッケージ基板550の上面には、上から順に、固体撮像素子220、回路層230および配線層付き支持基板540が積層される。パッケージ基板550として、例えば、セラミック基板、有機基板やフレキシブル基板が用いられる。
【0152】
配線層付き支持基板540は、支持基板の上部に配線層が形成されたものである。この配線層付き支持基板540の面積は、固体撮像素子220および回路層230より広い。このため、配線層付き支持基板540の周囲には、スペースが生じる。このスペースにLED521および522などの素子や部品が配置される。LED521および522は、配線層付き支持基板540とワイヤ531により接続され、配線層付き支持基板540は、ワイヤ532によりパッケージ基板550と接続される。
【0153】
LED521および522は、赤外光などの光を発光する発光素子である。同図における矢印は、LED521等からの光の照射方向を示す。なお、LED521および522を配線層240に配置しているが、LED521等以外の素子や部品を配置することもできる。
【0154】
同図に例示したように、LED521等を半導体パッケージ200内に設けることにより、半導体パッケージ200を用いるToFモジュールのサイズを縮小することができる。また、X軸方向やY軸方向において、受光素子(固体撮像素子220)と、発光素子411との距離を近くすることができる。これにより、測距精度を向上させることができる。
【0155】
図37は、本技術の第4の実施の形態における半導体パッケージの構成を模式的に示した断面図である。
【0156】
ロジック回路232は、LED521等を制御して照射光を物体に照射させる。そして、固体撮像素子220は、照射光に対する反射光を受光し、ロジック回路232は、ToF方式により物体までの距離を測定する。ロジック回路232は、その測定データをワイヤ532を介して外部へ出力する。なお、ロジック回路232の代わりに、半導体パッケージ200の外部の制御回路が、LED521等の発光動作を制御することもできる。
【0157】
図38は、本技術の第4の実施の形態におけるロジック回路232等を薄くする工程までを説明するための図である。同図におけるaは、固体撮像素子220を形成する工程を説明するための図である。同図におけるbは、ロジック回路232等を接続する工程を説明するための図である。同図におけるcは、ロジック回路232等を薄くする工程までを説明するための図である。
【0158】
同図におけるaに例示するように製造システムは、複数のチップ領域に分割されたウェハーにおいて、チップ領域ごとに固体撮像素子220を形成する。そして、同図におけるbに例示するように、製造システムは、固体撮像素子220に、ロジック回路232やメモリ233をCu-Cu接合などにより接続する。続いて、同図におけるcに例示するように、製造システムは、ロジック回路232等を必要に応じて薄くする。
【0159】
図39は、本技術の第4の実施の形態における配線層240を形成する工程までを説明するための図である。同図におけるaは、ロジック回路232等を絶縁膜に埋め込む工程を説明するための図である。同図におけるbは、回路層を平坦化する工程を説明するための図である。同図におけるcは、配線層を形成する工程を説明するための図である。
【0160】
同図におけるaに例示するように、製造システムは、絶縁膜によりロジック回路232等を埋め込むことにより回路層230を形成する。そして、製造システムは、同図におけるbに例示するように回路層230を平坦化する。続いて、製造システムは、同図におけるcに例示するように、支持基板の上部に配線層を形成し、配線層付き支持基板540とする。
【0161】
図40は、本技術の第4の実施の形態におけるカラーフィルタおよびオンチップレンズを形成する工程までを説明するための図である。同図におけるaは、配線層付き支持基板540を接続する工程を説明するための図である。同図におけるbは、配線層付き支持基板540まで開口する工程を説明するための図である。同図におけるcは、カラーフィルタおよびオンチップレンズを形成する工程までを説明するための図である。
【0162】
同図におけるaに例示するように、製造システムは、固体撮像素子220および回路層230を配線層付き支持基板540にCu-Cu接合により接続する。そして、同図におけるbに例示するように、固体撮像素子220および回路層230のうち、回路が形成された中央部の周囲を、配線層付き支持基板540まで開口する。続いて、同図におけるcに例示するように、製造システムは、固体撮像素子220に複数の画素221を形成し、画素221毎に、カラーフィルタ(不図示)とオンチップレンズ222とを形成する。
【0163】
図41は、本技術の第4の実施の形態におけるワイヤボンディングの工程までを説明するための図である。同図におけるaは、LED521および522を形成する工程を説明するための図である。同図におけるbは、ワイヤボンディングの工程を説明するための図である。
【0164】
同図におけるaに例示するように、製造システムは、配線層付き支持基板540の上面において、固体撮像素子220および回路層230の周囲にLED521および522を形成する。そして、同図におけるbに例示するように、製造システムは、LED521等をワイヤ531により配線層付き支持基板540に接続し、配線層付き支持基板540をワイヤ532によりパッケージ基板550に接続する。
【0165】
そして、製造システムは、パッケージ基板550の上面の外周にフレーム510を形成し、そのフレーム510の上部にガラス210を接着してダイシングを行う。
【0166】
このように、本技術の第4の実施の形態によれば、LED521等を半導体パッケージ200内の配線層付き支持基板540に設けたため、ToFモジュールのサイズを小さくし、測距精度を向上させることができる。
【0167】
[第1の変形例]
上述の第4の実施の形態では、LED521等を配線層付き支持基板540に設けたが、LED521等の代わりに、レーザーダイオードを設けることもできる。この第4の実施の形態の第1の変形例の半導体パッケージ200は、レーザーダイオードを配線層付き支持基板540に設けた点において第4の実施の形態と異なる。
【0168】
図42は、本技術の第4の実施の形態の第1の変形例における半導体パッケージ200の一構成例を示す断面図である。この第4の実施の形態の第1の変形例の半導体パッケージ200は、LED521および522の代わりに、レーザーダイオード523および524を設けた点において第4の実施の形態と異なる。
【0169】
このように、本技術の第4の実施の形態によれば、レーザーダイオード523等を半導体パッケージ200内の配線層付き支持基板540に設けたため、ToFモジュールのサイズを小さくし、測距精度を向上させることができる。
【0170】
[第2の変形例]
上述の第4の実施の形態では、LED521等を配線層付き支持基板540に設けたが、LED以外の回路や部品を追加することもできる。この第4の実施の形態の第1の変形例の半導体パッケージ200は、追加の回路や部品を配線層付き支持基板540に設けた点において第4の実施の形態と異なる。
【0171】
図43は、本技術の第4の実施の形態の第2の変形例における半導体パッケージ200の一構成例を示す断面図である。この第4の実施の形態の第2の変形例の半導体パッケージ200は、LED521および522の代わりに、ロジック回路525および能動部品526を設けた点において第4の実施の形態と異なる。
【0172】
ロジック回路525や能動部品526として、ウェハーの高温工程では耐えられないものを実装することができる。ロジック回路525等の追加により、半導体パッケージ200の機能を向上させることができる。
【0173】
なお、ロジック回路525の代わりに、追加のメモリを配置することもできる。メモリとして、例えば、HMC(Hybrid Memory Cube)が用いられる。また、能動部品526の代わりに、受動部品を配置することもできる。
【0174】
なお、LED521、LED522、レーザーダイオード523、レーザーダイオード524、ロジック回路525および能動部品526は、特許請求の範囲に記載の追加回路の一例である。
【0175】
また、これらの追加回路の配線層付き支持基板540への接続方法は、限定されない。例えば、半田接続、導電ワイヤ接続や、導電性材料による接続により追加回路を接続することができる。
【0176】
図44は、本技術の第4の実施の形態の第2の変形例におけるワイヤボンディングの工程までを説明するための図である。同図におけるaは、ロジック回路525および能動部品526を形成する工程を説明するための図である。同図におけるbは、ワイヤボンディングの工程を説明するための図である。
【0177】
第4の実施の形態の第2の変形例においても第4の実施の形態と同様に、
図38乃至
図40の工程が行われる。そして、
図44におけるaに例示するように、製造システムは、配線層付き支持基板540の上面において、固体撮像素子220および回路層230の周囲にロジック回路525および能動部品526を形成する。続いて、同図におけるbに例示するように、製造システムは、配線層付き支持基板540をワイヤ532によりパッケージ基板550に接続する。
【0178】
このように、本技術の第4の実施の形態の第2の変形例によれば、追加のロジック回路525や能動部品526を配線層付き支持基板540に設けたため、半導体パッケージ200の機能を向上させることができる。
【0179】
[第3の変形例]
上述の第4の実施の形態の第2の変形例では、ロジック回路525および能動部品526を形成し、配線層付き支持基板540をワイヤ532により接続していたが、信頼性や取扱いの観点から、これらを樹脂により封止することが望ましい。この第4の実施の形態の第3の変形例の半導体パッケージ200は、ロジック回路525等とワイヤ532とを封止樹脂内に埋め込んだ点において第4の実施の形態の第2の変形例と異なる。
【0180】
図45は、本技術の第4の実施の形態の第3の変形例における半導体パッケージ200の一構成例を示す断面図である。この第4の実施の形態の第3の変形例の半導体パッケージ200は、ロジック回路525および能動部品526とワイヤ532とが封止樹脂560内に埋め込まれた点において第4の実施の形態の第2の変形例と異なる。これにより、半導体パッケージ200の信頼性を向上させ、取り扱いを容易にすることができる。
【0181】
このように、本技術の第4の実施の形態の第3の変形例によれば、ロジック回路525等を封止樹脂560内に埋め込んだため、半導体パッケージ200の信頼性を向上させ、取り扱いを容易にすることができる。
【0182】
[第4の変形例]
上述の第4の実施の形態の第2の変形例では、固体撮像素子220の受光面の上部にガラス210を配置していたが、ガラス210の代わりに透明樹脂を設けることもできる。この第4の実施の形態の第4の変形例の半導体パッケージ200は、固体撮像素子220の受光面を透明樹脂により保護する点において第4の実施の形態の第2の変形例と異なる。
【0183】
図46は、本技術の第4の実施の形態の第4の変形例における半導体パッケージ200の一構成例を示す断面図である。この第4の実施の形態の第4の変形例の半導体パッケージ200は、フレーム510およびガラス210の代わりに透明樹脂570が形成される点において第4の実施の形態の第2の変形例と異なる。
【0184】
透明樹脂570は、固体撮像素子220の受光面を保護する透明な樹脂である。透明樹脂570で受光面を保護することにより、ガラス210を設ける場合と比較して、半導体パッケージ200のZ軸方向のサイズ(すなわち、厚み)を小さくすることができる。
【0185】
このように、本技術の第4の実施の形態の第4の変形例によれば、固体撮像素子220の受光面を透明樹脂570により保護するため、半導体パッケージ200の厚みをより小さくすることができる。
【0186】
[第5の変形例]
上述の第4の実施の形態の第2の変形例では、固体撮像素子220の上部にフレーム510を介してガラス210を配置していたが、リブを介してガラスを配置することもできる。この第4の実施の形態の第5の変形例の半導体パッケージ200は、リブおよびガラスを設けた点において第4の実施の形態の第2の変形例と異なる。
【0187】
図47は、本技術の第4の実施の形態の第5の変形例における半導体パッケージ200の一構成例を示す断面図である。この第4の実施の形態の第5の変形例の半導体パッケージ200は、フレーム510およびガラス210の代わりにリブ581およびAR(Anti Reflection)コートシールガラス580を設けた点において第4の実施の形態の第2の変形例と異なる。
【0188】
リブ581は、封止樹脂560に取付けられる。また、ARコートシールガラス580は、リブ581を介して封止樹脂560に接続される。このARコートシールガラス580により、固体撮像素子220の受光面が保護される。
【0189】
なお、ARコートシールガラス580は、特許請求の範囲に記載のガラスの一例である。
【0190】
このように、本技術の第4の実施の形態の第5の変形例によれば、リブ581を介してARコートシールガラス580を封止樹脂560に接続したため、固体撮像素子220の受光面を保護することができる。
【0191】
<移動体への応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0192】
図48は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0193】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。
図48に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
【0194】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0195】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0196】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
【0197】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
【0198】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0199】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0200】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0201】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0202】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。
図48の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0203】
図49は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
【0204】
図49では、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
【0205】
撮像部12101,12102,12103,12104,12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0206】
なお、
図49には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0207】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0208】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0209】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0210】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0211】
以上、本開示に係る技術が適用され得る車両制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、例えば、撮像部12031に適用され得る。具体的には、
図2の半導体パッケージ200は、撮像部12031に適用することができる。撮像部12031に本開示に係る技術を適用することにより、歩留まりを向上させることができるため、システムのコストを低減することが可能になる。
【0212】
なお、上述の実施の形態は本技術を具現化するための一例を示したものであり、実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本技術の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本技術は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
【0213】
また、上述の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disc)、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray(登録商標)Disc)等を用いることができる。
【0214】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって、限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
【0215】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)画像データを生成する固体撮像素子と、
前記画像データに対して所定の信号処理を行う信号処理回路が配置された回路層と、
外部端子に一端が接続された出力側ビアが貫通する支持基板と、
前記支持基板と前記回路層との間に配置されて前記信号処理回路と前記出力側ビアの他端とを接続する信号線が配線された配線層と
を具備する半導体パッケージ。
(2)ガラスと、
前記固体撮像素子の受光面のうち画素アレイ部の周囲と前記ガラスとの間に形成された樹脂ダムと
をさらに具備する前記(1)記載の半導体パッケージ。
(3)ガラスと、
前記固体撮像素子と前記ガラスとの間に埋め込まれた透明樹脂と
をさらに具備する前記(1)記載の半導体パッケージ。
(4)前記出力側ビアは、前記支持基板の表面のうち前記信号処理回路に対応する領域と前記信号処理回路に対応しない領域とに配置される
前記(1)から(3)のいずれかに記載の半導体パッケージ。
(5)セラミック基板をさらに具備し、
前記出力側ビアは、前記支持基板およびセラミック基板を貫通する
前記(1)記載の半導体パッケージ。
(6)前記回路層には、埋め込み素子がさらに配置され、
前記固体撮像素子および前記回路層には、前記固体撮像素子の受光面から前記埋め込み素子まで貫通した開口部が形成される
前記(1)記載の半導体パッケージ。
(7)画像データを生成して入力側ビアの一端に入力する固体撮像素子と、
前記画像データに対して所定の信号処理を行う信号処理回路と前記入力側ビアの他端とを接続する信号線が配線された配線層と、
前記固体撮像素子と前記配線層との間に配置されて前記入力側ビアおよび前記信号処理回路が設けられた回路層と
を具備する半導体パッケージ。
(8)一端が外部端子に接続された出力側ビアが貫通するセラミック基板をさらに具備する
前記(7)記載の半導体パッケージ。
(9)前記セラミック基板と前記配線層とはワイヤにより接続される
前記(8)記載の半導体パッケージ。
(10)前記セラミック基板と前記配線層とはバンプにより接続される
前記(8)記載の半導体パッケージ。
(11)ガラスと
前記固体撮像素子の画素アレイ部の周囲と前記ガラスとの間に形成されたスペーサ樹脂と、
インターポーザとをさらに具備し、
前記インターポーザと前記配線層とはワイヤにより接続される
前記(7)記載の半導体パッケージ。
(12)接合バンプと外部端子とを接続する信号線が配線された再配線層をさらに具備し、
前記配線層は、前記バンプにより前記再配線層と接続される
前記(7)記載の半導体パッケージ。
(13)フレームと、
前記フレームに接着されたインターポーザとをさらに具備し、
前記インターポーザと前記配線層とはワイヤにより接続される
前記(7)記載の半導体パッケージ。
(14)前記回路層には、埋め込み素子がさらに配置され、
前記固体撮像素子および前記回路層には、前記固体撮像素子の受光面から前記埋め込み素子まで貫通した開口部が形成される
前記(7)記載の半導体パッケージ。
(15)フレームが外周に形成されたフレーム付き基板をさらに具備し、
前記配線層と前記フレーム付き基板とは、ワイヤにより接続される
前記(14)記載の半導体パッケージ。
(16)セラミック基板をさらに具備し、
前記セラミック基板と前記配線層とは、ワイヤにより接続される
前記(14)記載の半導体パッケージ。
(17)前記配線層の受光側の面に設けられた追加回路をさらに具備する
前記(7)記載の半導体パッケージ。
(18)前記追加回路は封止樹脂内に埋め込まれる
前記(17)記載の半導体パッケージ。
(19)前記固体撮像素子の受光面を保護する透明樹脂をさらに具備する
前記(18)記載の半導体パッケージ。
(20)前記封止樹脂にリブを介して接続されたガラスをさらに具備する
前記(18)記載の半導体パッケージ。
【符号の説明】
【0216】
100 電子装置
110 光学部
120 DSP(Digital Signal Processing)回路
130 表示部
140 操作部
150 バス
160 フレームメモリ
170 記憶部
180 電源部
200 半導体パッケージ
210 ガラス
220 固体撮像素子
221 画素
222 オンチップレンズ
230 回路層
231、234 入力側ビア
232、525 ロジック回路
233 メモリ
240 配線層
241、243、244、245 パッド
242 信号線
250 支持基板
251、254、255、321 出力側ビア
252、322、351 再配線
253、365、371 外部端子
261 樹脂ダム
262 キャビティ
263、570 透明樹脂
310 センサーチップ
320、431 セラミック基板
331、531、532 ワイヤ
341 モールド樹脂
342 ポティング樹脂
343 スペーサー樹脂
344 接着剤
345 インターポーザ
352 シールリング
353、381 バンプ
354 再配線層
361、363 シール剤
362、510 フレーム
364 セラミックインターポーザ
410 開口部
411 発光素子
421 フレーム付き基板
521、522 LED
523、524 レーザーダイオード
526 能動部品
540 配線層付き支持基板
550 パッケージ基板
560 封止樹脂
580 ARコートシールガラス
581 リブ
12031 撮像部