(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-06
(45)【発行日】2025-02-17
(54)【発明の名称】ミルク分析装置の制御ユニットおよび構成タグ
(51)【国際特許分類】
G01N 33/04 20060101AFI20250207BHJP
【FI】
G01N33/04
(21)【出願番号】P 2021573837
(86)(22)【出願日】2020-06-09
(86)【国際出願番号】 SE2020050582
(87)【国際公開番号】W WO2020251456
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2023-06-01
(32)【優先日】2019-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】521499848
【氏名又は名称】デラバル ホールディング アクチエボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダレラップ ラスムッセン、クラウス
(72)【発明者】
【氏名】スラービー、ジョン
【審査官】草川 貴史
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-524260(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0082659(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/04
G01N 1/00- 1/44
G01N 33/48-33/98
G01N 35/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミルク分析装置(120)の制御ユニット(340)であって、前記ミルク分析装置(120)は、構成タグ(125)に含まれる第2の無線通信デバイス(320)と通信するための第1の無線通信デバイス(310)を備え、前記構成タグ(125)は、前記ミルク分析装置(120)に適用可能であり、前記ミルク分析装置(120)が連動して稼働するよう意図されているミルク抽出構成装置(110)の参照記号(115)を含み、前記制御ユニット(340)は、
前記構成タグ(125)のメモリデバイス(330)から、前記ミルク分析装置(120)が連動して動作するよう意図されている前記ミルク抽出構成装置(110)に関連する構成データを、前記第1の無線通信デバイス(310)と前記第2の無線通信デバイス(320)との通信を介して取り出し、
前記取り出された構成データに基づいて
分析を実行するように、前記
ミルク分析装置(120)を
制御するように構成されている、制御ユニット(340)。
【請求項2】
前記取り出された構成データは、前記ミルク抽出構成装置(110)の前記参照記号(115)に対応する参照インジケータを含み、前記制御ユニット(340)は、
前記取り出された参照インジケータが、前記ミルク分析装置(120)が現在のところ連動して稼働する前記ミルク抽出構成装置(110)に対応するかどうかをチェックし、
前記参照インジケータが、前記ミルク分析装置(120)が現在のところ連動して稼働する前記ミルク抽出構成装置(110)に対応するときに、前記第1の無線通信デバイス(310)を作動停止させるか、または
前記取り出された参照インジケータによって示されるような前記ミルク抽出構成装置(110)と連動して稼働するように前記
ミルク分析装置(120)を再設定するように構成されている、請求項1に記載の制御ユニット(340)。
【請求項3】
前記取り出された構成データは、前記ミルク抽出構成装置(110)へのネットワークロケーション参照を含む、請求項1または2に記載の制御ユニット(340)。
【請求項4】
前記取り出された構成データは
、データリソース(350)へのネットワークロケーション参照を含
み、前記ミルク抽出構成装置(110)に関連する追加構成データが、前記データリソース(350)から取り出し可能である、請求項1~3のいずれか一項に記載の制御ユニット(340)。
【請求項5】
前記第1の無線通信デバイス(310)を所定の時間間隔で一時的に再作動させ、
前記構成タグ(125)の前記メモリデバイス(330)から前記構成データを取り出したときに、前記第1の無線通信デバイス(310)を作動停止させるように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の制御ユニット(340)。
【請求項6】
ミルク分析装置(120)に適用可能な構成タグ(125)であって、前記構成タグ(125)は、前記ミルク分析装置(120)が連動して稼働するよう意図されているミルク抽出構成装置(110)に対応する参照記号(115)を含むメモリデバイス(330)と、前記ミルク分析装置(120)の第1の無線通信デバイス(310)と通信するように構成された第2の無線通信デバイス(320)とを備え、
前記構成タグ(125)は、前記メモリデバイス(330)
から、前記ミルク分析装置(120)が連動して動作するよう意図されている前記ミルク抽出構成装置(110)に関連する構成データを、前記ミルク分析装置(120
)に、前記第1の無線通信デバイス(310)と前記第2の無線通信デバイス(320)との通信を介して提供するように構成されている、構成タグ(125)。
【請求項7】
前記構成タグ(125)は、前記メモリデバイス(330)
から、前記ミルク抽出構成装置(110)の前記参照記号(115)に対応する参照インジケータを、前記ミルク分析装置(120
)に、前記第1の無線通信デバイス(310)と前記第2の無線通信デバイス(320)との通信を介して提供するように構成されている、請求項6に記載の構成タグ(125)。
【請求項8】
前記構成タグ(125)は、前記メモリデバイス(330)
から、前記ミルク抽出構成装置(110)へのネットワークロケーション参照を含む構成データを提供するように構成されている、請求項6または7に記載の構成タグ(125)。
【請求項9】
前記構成タグ(125)は、前記メモリデバイス(330)
から、データリソース(350)へのネットワークロケーション参照を含む構成データを提供するように構成され
、前記ミルク抽出構成装置(110)に関連する追加構成データが、前記データリソース(350)から取り出し可能である、請求項6~8のいずれか一項に記載の構成タグ(125)。
【請求項10】
それぞれが目に見える識別マーカーを有する複数のミルク抽出構成装置(110)と、
それぞれが前記複数のミルク抽出構成装置のうちの1つに関連付けられている複数の構成タグ(125)であって、各構成タグは、
所定の前記構成タグが関連付けられている前記ミルク抽出構成装置の前記目に見える識別マーカーに対応する目に見える参照記号(115)、
メモリデバイス、及び
第2の無線通信デバイス
を備える、複数の構成タグと、
それぞれが前記複数のミルク抽出構成装置のうちのいずれか1つに取り付けられ、所定の前記ミルク抽出構成装置によって抽出されたミルクの分析を実行するように構成されている、少なくとも1つの設定可能なミルク分析装置(120)であって、各設定可能なミルク分析装置は、
第1の無線通信デバイス(310)、及び
制御ユニット(340)
を備える、少なくとも1つの設定可能なミルク分析装置と
を備え、
選択された前記ミルク分析装置(120)の前記制御ユニット(340)は、前記メモリデバイスから、選択された前記ミルク分析装置(120)の前記
第1の無線通信デバイス(310)と前記第2の無線通信デバイス(320)との通信を介して、前記ミルク抽出構成装置(110)に関する構成データを取り出し、取り出された前記ミルク抽出構成装置に関する前記構成データに基づいて
分析を実行するように
、前記ミルク分析装置を制御するように構成されている、システム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本文書は、ミルク分析装置の制御ユニットと、ミルク分析装置に適用可能な構成タグとを開示する。より具体的には、本明細書では、ミルク分析装置の制御ユニットであって、ミルク分析装置は、構成タグのメモリデバイスとの通信のための第1の無線通信デバイスを備え、構成タグは、ミルク分析装置に適用可能であり、ミルク分析装置が連動して稼働するよう意図されているミルク抽出構成装置の参照記号を含み、通信は、構成タグに備えられた第2の無線通信デバイスを介して行われる、制御ユニットが提示される。
【背景技術】
【0002】
動物農場では、乳/肉の生産を増強するため、ならびに/または例えば動物が発情および/もしくは妊娠するときを監視するために、動物を健康に保つことが重要である。動物を首尾よく受精させるためには、最適な時期に動物に授精することが重要である。動物が首尾よく受精されない場合、乳生産が影響を受ける。
【0003】
例えばプロゲステロン、LDH(乳酸デヒドロゲナーゼ)、BHB(ベータ-ヒドロキシ酪酸)、および尿素のレベルを測定するなど、いくつかのバイオマーカー測定を動物に行い得る。それにより、例えば個々の動物の発情検出および/または妊娠に関する重要な情報が、(測定されたプロゲステロンレベルに基づいて)作られ得、(LDHに基づく)乳房炎および(BHBに基づく)ケトーシスも同様である。また、(尿素に基づいて)動物のエネルギーバランスも推定し得る。
【0004】
それにより、農家に、個々の動物の状態に関する重要な情報が提供される。しかしながら、例えば準備されたドライスティック上にミルクサンプルを適用することによって、農場で個々の動物すべてのバイオマーカー測定を実施および分析して、これらのサンプルを分析することは、他の様々な重要な問題に対処しなければならないであろう農家にとって、時間がかかる。また、様々な動物からのバイオマーカーの測定値を区別すること、個々の動物ごとにバイオマーカー測定を繰り返すべき時、およびバイオマーカー測定ユニットを変えるべき時について記録することの農家の管理スキル、バイオマーカー試験装置のメンテナンスに高度の要求が課され、最初の動物のバイオマーカー測定を別の動物の生物学的物質によって汚染させないための清浄度にも高度の要求が課される。
【0005】
例えば搾乳セッション時にまたはその前後に、動物のミルクサンプルを定期的に分析するために、ミルク分析装置が、ミルク抽出構成装置と協働するように構成され得る。ミルク分析装置は、ミルクサンプルを抽出し、それを、ドライスティック/横方向流動スティック/横方向流動試験ストリップ、または類似物などのミルク分析ユニットに提供し得る。ミルクは、典型的には、希釈剤で希釈され、希釈剤は、試験セッションの合間にチューブ類を濯ぐためにも使用され得る。希釈剤は、液体容器内に提供され得る。
【0006】
ミルク分析ユニットは、カセット内に、例えば文書WO2018236271に開示されているようにカセット内のテープ上に維持されている。それにより、ミルク分析ユニットは、一度に1つのミルク分析ユニットを前進させることにより、農場で容易に投与され得る。典型的には、各試験サンプルに対して1つのミルク分析ユニットが使用される。カセットは、多量のミルク分析ユニットを含み得るが、それでも、ミルク分析ユニットを有するカセットは、すべてのミルク分析ユニットが消費されたら、新しいものと交換される必要がある。
【0007】
農場は、搾乳ロボットなどのいくつかのミルク抽出構成装置を備え得、各々に、別個のミルク分析装置が設けられている。
【0008】
関連付けられたミルク抽出構成装置と連動して稼働するようにそれぞれのミルク分析装置を構成することにおいて農家を支援するための解決策を見つけることが所望されよう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、上記の問題のうちの少なくともいくつかを解決し、農家が動物のミルクサンプルのバイオマーカー値を測定することを容易にすることである。
【0010】
バイオマーカー、または生物学的マーカーは、一般に、動物の何らかの生物学的状態または様態の測定可能なインジケータを指す。バイオマーカー値の測定は、動物の妊娠/生殖、動物の健康、および/または動物の乳の品質に関連付けられ得る。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様によれば、本目的は、農業環境において、ミルク分析装置の制御ユニットによって達成される。ミルク分析装置は、ミルク分析装置に適用可能である構成タグのメモリデバイスとの通信のための第1の無線通信デバイスを備える。構成タグは、ミルク分析装置が連動して稼働するよう意図されているミルク抽出構成装置の参照記号を含む。参照記号は、意図されたミルク分析装置に対応する、例えば整数、文字、幾何学的形状、色、文字列、その他などの視覚的マーカーである。通信は、構成タグに含まれる第2の無線通信デバイスを介して行われる。制御ユニットは、ミルク分析装置が連動して動作するよう意図されているミルク抽出構成装置の構成データを、構成タグのメモリデバイスから、第1の無線通信デバイスを介して取り出すように構成されている。また、制御ユニットは、取り出されたミルク抽出構成装置の構成データに基づいて、制御ユニットを構成するように構成されている。
【0012】
それにより、ミルク抽出構成装置の構成データを構成タグのメモリデバイスに事前記憶および維持することにより、農家の構成プロセスは、関連するミルク抽出構成装置の構成データを用いて事前構成された構成タグをミルク分析装置に適用することに低減される。
【0013】
これにより、ミルク分析装置の管理に関連する農家のコスト、メンテナンス、および作業強度が、最小限に抑えられるか、または少なくとも低減される。
【0014】
取り出された構成データが、構成タグの参照符号に対応する参照インジケータを含む、第1の態様による制御ユニットの第1の可能な実装形態において。参照インジケータは、構成タグのメモリデバイス内に記憶されている、構成タグの外部適用参照記号へのデジタル対応である。制御ユニットは、取り出された参照インジケータが、ミルク分析装置が現在のところ連動して稼働するミルク抽出構成装置に対応するかどうかをチェックするように構成され得る。制御ユニットはまた、参照インジケータがミルク抽出構成装置に対応するときに第1の無線通信デバイスを作動停止させるか、または取り出された参照インジケータによって示されるようなミルク抽出構成装置と連動して稼働するように制御ユニットを再構成するように、構成され得る。
【0015】
それにより、制御ユニットは、構成タグが交換されたか否かをチェックし、新しい構成タグがミルク分析装置に適用されたことが検出されたときに再構成を行い得る。
【0016】
第1の態様によるかまたはその第1の実装形態による制御ユニットの第2の可能な実装形態では、取り出された構成データは、ミルク抽出構成装置へのネットワークロケーション参照を含み得る。
【0017】
次いで、制御ユニットは、農家によるいかなる追加介入または手動入力を必要とせずに、ミルク抽出構成装置の関連ネットワークロケーション参照を取得することが可能になる。これにより、時間が節約され、ネットワークロケーション参照を誤って印刷するリスクが除外される。
【0018】
第1の態様によるかまたは先に開示されたいずれかのその実装形態による制御ユニットの第3の可能な実装形態では、取り出された構成データは、ミルク抽出構成装置に関連する追加構成データがそこから取り出し可能であるデータリソースへのネットワークロケーション参照を含み得る。
【0019】
それにより、制御ユニットは、農家によるいかなる追加介入または手動入力を必要とせずに、データリソースからミルク抽出構成装置の追加情報を取得することが可能になる。これにより、時間が節約され、データリソースのネットワークロケーション参照を誤って印刷するリスクが除外される。
【0020】
第1の態様によるかまたは先に開示されたいずれかのその実施形態による制御ユニットの第4の可能な実装形態では、制御ユニットはまた、第1の無線通信デバイスを所定の時間間隔で一時的に再作動させるように、かつ/または構成タグのメモリデバイスから構成データを取り出したときに第1の無線通信デバイスを作動停止させるように構成され得る。
【0021】
無線通信デバイスを使用する必要がないときにそれらを作動停止させ、制御ユニットと構成タグとの間の情報交換が所望される短時間だけそれらを作動させることで、エネルギーが節約される。また、無線信号発信ができる他の近接デバイスとの信号干渉が排除されるか、または少なくとも低減される。
【0022】
発明の第2の態様によれば、この目的は、構成タグによって達成される。構成タグは、ミルク分析装置に適用可能である。構成タグは、メモリデバイスを含み、メモリデバイスは、ミルク分析装置が連動して稼働するよう意図されているミルク抽出構成装置に対応する参照記号を含む。また、構成タグは、ミルク分析装置の第1の無線通信デバイスを介してのミルク分析装置の制御ユニットとの通信のために構成された第2の無線通信デバイスを備える。メモリデバイスは、ミルク分析装置が連動して動作するよう意図されているミルク抽出構成装置の構成データを、ミルク分析装置の制御ユニットに、第2の無線通信デバイスを介して提供するように構成されている。
【0023】
それにより、ミルク抽出構成装置の構成データを構成タグのメモリデバイス内に事前記憶および維持することにより、農家の構成プロセスは、関連するミルク抽出構成装置の構成データを用いて事前構成された構成タグをミルク分析装置に適用することに低減される。
【0024】
これにより、ミルク分析装置の管理に関連する農家のコスト、メンテナンス、および作業強度が、最小限に抑えられるか、または少なくとも低減される。
【0025】
第2の態様による構成タグの第1の可能な実装形態では、メモリデバイスはまた、構成タグの参照符号に対応する参照インジケータを、ミルク分析装置の制御ユニットに、第2の無線通信デバイスを介して提供するように構成され得る。
【0026】
それにより、構成タグは、構成タグの外部参照記号に対応する、構成タグの事前記憶された参照インジケータを、ミルク分析装置の制御ユニットに提供し得る。したがって、農家は、関連するミルク抽出構成装置に対応する参照記号を有する構成タグを選択して適用することにより、ミルク分析装置の制御ユニットを最小限の労力で構成/再構成し得る。
【0027】
第2の態様による構成タグの第2の可能な実装形態、またはその可能な実装形態のうちのいずれかでは、メモリデバイスは、ミルク抽出構成装置へのネットワークロケーション参照を含む構成データを提供するように構成され得る。
【0028】
次いで、農家によるいかなる追加介入または手動入力を必要とせずに、ミルク抽出構成装置の関連ネットワークロケーション参照を提供することが可能になる。これにより、時間が節約され、ネットワークロケーション参照を誤って印刷するリスクが除外される。
【0029】
第2の態様による構成タグの第3の可能な実装形態、またはその可能な実装形態のうちのいずれかでは、メモリデバイスは、ミルク抽出構成装置に関連する追加構成データをそこから取り出し可能であるデータリソースへのネットワークロケーション参照を含む提供するように構成され得る。
【0030】
次いで、農家によるいかなる追加介入または手動入力を必要とせずに、ミルク抽出構成装置の関連ネットワークロケーション参照を提供することが可能になる。これにより、時間が節約され、ネットワークロケーション参照を誤って印刷するリスクが除外される。
【0031】
本発明の第3の態様によれば、この目的は、農業環境におけるシステムによって達成される。システムは、第1の態様による制御ユニット、またはその可能な実装形態のうちのいずれかを備える。さらに、システムはまた、第2の態様による構成タグ、またはその可能な実装形態のうちのいずれかも備える。加えて、システムは、構成タグに含まれる第2の無線通信デバイスを介しての構成タグのメモリデバイスとの通信のために、第1の無線通信デバイスを備えるミルク分析装置を備える。システムは、ミルク分析装置と連動して動作するミルク抽出構成装置を備える。
【0032】
それにより、ミルク抽出構成装置の構成データを構成タグのメモリデバイス内に事前記憶および維持することにより、農家の構成プロセスは、関連するミルク抽出構成装置の構成データを用いて事前構成された構成タグをミルク分析装置に適用することに低減される。
【0033】
これにより、ミルク分析装置の管理に関連する農家のコスト、メンテナンス、および作業強度が、最小限に抑えられるか、または少なくとも低減される。
【0034】
他の利点および追加の新規機能が、次の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
ここで、発明の実施形態を、添付の図を参照してさらに詳細に説明する。
【
図1】動物のミルクサンプルのバイオマーカー値を測定するための装置の一例を示す。
【
図2A】一実施形態による、ミルク分析装置に挿入されたカセットを示す。
【
図2B】一実施形態による、ドライスティックを含むテープのセクションを示す。
【
図3A】一実施形態による、構成タグおよびミルク分析装置を示す。
【
図3B】一実施形態による、構成タグおよびミルク分析装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本明細書に記載の発明の実施形態は、制御ユニットおよび構成タグとして定義され、これらは、以下に記載される実施形態において実施され得る。しかしながら、これらの実施形態は、多くの異なる形態で例示および実現され得、本明細書に記載の実施例に限定され得ず、むしろ、これらの例示的な実施形態の例は、本開示が徹底的かつ完全になるように提供される。
【0037】
さらに他の目的および特徴が、添付の図面と併せて検討される以下の詳細な説明から明らかとなり得る。しかしながら、図面は、例示のみを目的として策定されており、本明細書に開示される実施形態の限度の定義としては策定されておらず、それについては、添付の特許請求の範囲が参照されることを理解されたい。さらに、図面は必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、別様に示されない限り、それらは単に、本明細書に記載の構造および手順を概念的に示すことを意図されている。
【0038】
図1は、酪農場における乳畜の群れに含まれ得る動物100のミルクを分析するためのシステム10を用いたシナリオを示す。
【0039】
「動物」は、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ラクダ、霊長類、酪農用バッファロー、ロバ、ヤク、その他などの任意の種類の家畜化された雌の乳生産および/または肉生産哺乳動物であり得る。
【0040】
動物100のミルクは、例えば搾乳ロボットまたは他の搾乳装置などのミルク抽出構成装置、または搾乳装置110によって抽出され、ミルク分析装置120に提供され得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、ミルク分析装置120は、ミルク抽出構成装置110に関連付けられ、場合によっては、ミルク抽出構成装置110に解放可能に挿入可能でさえあり得る。したがって、ミルク、および場合によっては電気を、ミルク抽出構成装置110を介してミルク分析装置120に供給するために、インターフェースがミルク抽出構成装置110とミルク分析装置120との間に存在し得る。
【0042】
ミルク分析装置120は、カメラ、1つまたはいくつかのポンプ、ミルク抽出構成装置110へのインターフェースに取り付けるためのチューブ要素、モータ、通信ユニット、その他などの様々な電子機器および器具を備える。
【0043】
カセット130が、ミルク分析装置120に取り外し可能に挿入され得る。カセット130は、ドライスティック/横方向流動スティック/横方向流動試験ストリップまたは類似物など、ミルク分析ユニットを有するテープまたは類似の対応構成を含み得る。ミルク分析ユニットは、ミルクサンプルがミルク分析ユニットに適用されたときに、動物100のミルクサンプルのバイオマーカー値を示すように、例えば横方向流動試験によってミルクサンプル中のプロゲステロンを示すように構成されている。
【0044】
カセット130は、いくつかの実施形態では、ミルク分析装置120に取り外し可能に挿入され、スナップロック、磁石、ねじ、その他などの固定手段によって所定の位置に保持され得、ミルク分析装置120のドアが、カセット130をミルク分析装置120内に封入するために閉じられ得、それにより、カセット130はその位置にさらに固定される。それにより、すべてのミルク分析ユニットが消費されたときに、農家がカセット130を交換するのは容易であり、しかもカセット130は、農業環境における過酷な周辺状況から十分に保護されている。
【0045】
また、液体容器135が、ミルク分析装置120に挿入可能であるか、またはミルク分析装置120に附随(すなわち、物理的に接続)され得る。液体容器135は、抽出されたミルクを希釈するために、また、あるいは、ミルク分析装置120のチューブ類、ニードル、ポンプ、その他を濯ぐために使用され得る希釈剤を含み得る。
【0046】
チューブ類、ニードル、ポンプ、その他は、注入モジュール内に保管され得る。それにより、チューブ類、ニードル、およびポンプは、1回の交換で、すべて同時に交換され得る。
【0047】
それにより、動物100のミルクサンプルは、ミルク抽出構成装置110によって動物100から抽出され、ミルク分析装置120を介して、カセット130のテープ上のミルク分析ユニットのうちの1つに提供され得る。ミルク分析ユニットは、例えば色または色の強度を変えることによって、1つまたはいくつかのバイオマーカーの存在および/または量に反応し得る。ミルク分析装置120内のカメラは、カセット130の開口部を通して画像を獲得し得る。次いで、獲得されたミルク分析ユニットの画像は、制御ユニットによって分析され得、色の強度に基づいて、ミルクサンプル中のバイオマーカーの存在および/または量が、それによって決定され得る。
【0048】
異なる実施形態において、測定されたバイオマーカーは、例えばプロゲステロン、糖タンパク質、エストロゲンおよび/もしくはゴナダトロピン放出ホルモン、または動物100の生殖または健康に関連付けられる他の任意の同様のバイオマーカーであり得る。
【0049】
プロゲステロンは、動物100のいくつかの生理的機能を調節するホルモンである。プロゲステロンは、妊娠のために子宮を準備し、受精が起こった場合に妊娠を維持し、妊娠中に動物100が発情存続の兆候を示し、排卵するのを阻害し得る。プロゲステロンレベルは、例えば、妊娠の初めに上昇し、動物100の妊娠中ずっと高レベルに保たれ得る。ミルクサンプル中のプロゲステロンレベルを使用して、妊娠、発情周期(発情検出)、および/または産後の卵巣活動を監視し得る。これらの理由で、農場における動物100のプロゲステロンレベルは、農家が検出して記録するのに興味深い。
【0050】
しかしながら、測定されるバイオマーカーは、いくつかの実施形態では、LDH(乳酸デヒドロゲナーゼ)、BHB(ベータ-ヒドロキシ酪酸)、尿素、および/もしくは体細胞数、または動物100の状態に関連する他のバイオマーカーを含み得る。いくつかの実施形態では、上記に列挙された複数のバイオマーカーが測定され得る。あるいは、いくつかの実施形態では、農家は、農家によって選択されたような、バイオマーカーもしくはバイオマーカーのセットを測定するように構成された特定のミルク分析ユニットを含むカセット130、および/または例えば一年の異なる時期に異なるバイオマーカーもしくはバイオマーカーのセットを測定するように構成されたテープ上に、ミルク分析ユニットを含む異なるカセット130を定期購入し得る。
【0051】
したがって、ミルク分析装置120は、カセット130、注入モジュール、および/または液体容器135などのいくつかのモジュールを含み、これらは、異なるモジュールに対して異なる時点で発生し得る特定の時間間隔で、それぞれの新しいモジュールに交換される。
【0052】
ミルク分析ユニットを有するカセット130は、ミルク分析ユニットが消費されたときに交換される。しかしながら、使用されるミルク分析ユニットの数は、どのくらいの頻度でサンプリングが行われるか、各動物100に対していくつのミルク分析ユニットが使用されるか、および/またはカセット130内にいくつの不良ミルク分析ユニットが存在するかに依存するであろう。例えば、農家が主に動物100の授精のタイミングに関心がある場合、特定の動物100が発情していると予測される時点の前後または直前にのみ、その動物100のサンプルが採取され得る。経産雌ウシおよび未産雌ウシなどの動物100は、典型的には17~24日(平均21日)ごとに発情する、つまり発情期に入り、そのため、最後の発情の時点の知識に基づいて次の発情を大まかに予測することができる。
【0053】
別の農家は、例えば特定の動物100の健康状態を調査するために、搾乳イベントごとにミルクサンプルを採取したいかもしれない。また、異なるカセット130は、場合によっては、異なる数のミルク分析ユニットを含み得る。それにより、異なるミルク分析装置120に対して、カセット130、注入モジュール、および/または液体容器135の交換の合間の期間は、異なり得る。
【0054】
注入モジュールは、ホースポンプなどの1つまたはいくつかのポンプと、ミルク抽出構成装置110に取り付けるためのチューブ要素とを備える。1つまたはいくつかのポンプは、ミルク抽出構成装置110からチューブ要素を通ってニードルまでミルクサンプルを進めるためにチューブ要素に作用するように構成され得る。次いで、ミルクサンプルは、液体容器135からの希釈剤を用いて、ニードルの混合チャンバ内で希釈され得(または場合によっては、別個の混合チャンバ内で希釈され、次いでニードルに提供され得)、その後、希釈されたミルクサンプルは、ニードルからカセット130のミルク分析ユニットに適用され得る。
【0055】
様々なモジュール、すなわち注入モジュール、液体容器135および/またはカセット130は、それぞれのモジュールをミルク分析装置120に取り付けるように構成された、例えばスナップフィット構成、磁気、ねじ継手、その他の形態の固定手段を含み得る。
【0056】
提供される解決策のモジュール構造は、いくつかの利点を有する。装置を、農場のミルク抽出構成装置110に取り付け得る注入モジュール、液体容器135、およびカセット130の形態のモジュールに保つことにより、農家のコスト、メンテナンス、および作業強度が、最小限に抑えられるか、または少なくとも低減され得る。また、カセット130のミルク分析ユニット/測定スティックなどの消耗材を、注入モジュールのポンプのような摩耗にさらされる要素と、ミルク分析装置の電子機器および器具とから分離することによって、カセット130は、例えば宅配サービスまたは郵便局の定期購入を介して注文された、別の交換用カセットと絶えず交換され得る。
【0057】
ミルク分析装置120は、他方で、誤動作時に、ミルク抽出構成装置110および注入モジュール/液体容器135/カセット130から取り外され、トラブルシューティング、修理、メンテナンス、その他のために作業工場に送られ得る。
【0058】
その間、古い注入モジュール/液体容器135/カセット130を適用することができる、同一の交換用ミルク分析装置120が農場に提供され得、ミルク分析装置120の器具が故障しているときにも、農場での継続的なバイオマーカー測定を可能にする。
【0059】
さらに、記載された構成は、特別に訓練された技術者が農場に来訪する必要なしに、農家によって操作され得る。代わりに、農家は、故障したモジュールを作業工場に送ってもよいし、または単にそれを交換してもよい。
【0060】
希釈剤、ミルク分析ユニット、およびチューブ類をそれぞれ別個のモジュールに維持することにより、それらは、考えられるいかなる農場の環境の影響からも保護される。
【0061】
しかしながら、現れてくる問題は、農場が多数のミルク抽出構成装置110を備えるとき、異なるミルク抽出構成装置110に対して、どのミルク分析装置120を構成し使用するかを農家が記録することが問題になり得ることである。
【0062】
いくつかの農場では、例えば、ミルク分析装置120よりも多くのミルク抽出構成装置110が存在し得、ミルク分析装置120は、異なるミルク抽出構成装置110間で変更され得る。
【0063】
この理由で、ミルク抽出構成装置110および/またはミルク抽出構成装置110への参照インジケータに対応する構成データが記憶されているメモリデバイスを備える構成タグ125が導入される。構成タグ125はまた、ミルク分析装置120が連動して稼働するよう意図されているミルク抽出構成装置110の外部参照記号115を含み得る。
【0064】
これにより、農家が、ミルク分析装置120を構成すること、およびミルク分析装置120/ミルク抽出構成装置110の組み合わせを記録することが非常に容易になる。
【0065】
図1および
図2Aは、読者が大まかな概要を理解するために、提供される解決策によるミルク抽出構成装置110、ミルク分析装置120、カセット130、液体容器135、および注入モジュールが動作するよう意図されている環境の全体的概要を、過度に詳細に立ち入らずに示す。優れたテープの詳細の例が、
図2Bで検討され得る。
図3Aは、提供される解決策の特定の態様を示し、
図3Bは、開示される解決策の詳細を表す。
【0066】
図2Aおよび
図2Bは、一実施形態による、互いにかつミルク抽出構成装置110と相互作用するミルク分析装置120、カセット130、液体容器135、および注入モジュールを示すシナリオを示す。
【0067】
ミルク分析装置120は、動物100から受け取ったミルクサンプルの生体測定値を決定するために使用される、例えばカメラ、ミルク抽出構成装置110に取り付けるためのチューブ要素、モータ、通信ユニット、その他などの電子機器および器具を含み得る。いくつかの実施形態では、1つまたはいくつかのポンプおよびチューブ類が、注入モジュール内に含まれる。ポンプは、ミルクサンプルをミルク抽出構成装置110からチューブ要素を通って進ませてニードルまたはニードルの混合チャンバに到達させるために、チューブ要素に作用するように構成されている。あるいは、混合チャンバは、ニードルの外部にあってもよい。チューブ要素は、動物100のミルクサンプルをミルク抽出構成装置110を介して受け取り、ミルクサンプルをニードル、すなわち注入モジュールに含まれるニードルに提供するように構成されている。
【0068】
図示の実施形態では、注入モジュールは、カセット130の開口部を通して、カセット130内のテープ250上のミルク分析ユニット260a、260b、260cにミルクサンプルを適用するためのニードルを含み得る。次いで、一実施形態では、カメラが、ニードルを、カセット130のテープ250上のミルク分析ユニット260a、260b、260cと整列させ得る。ミルク分析ユニット260a、260b、260cは、必ずしもテープ250上に保持されていなくてもよく、ミルク分析ユニット260a、260b、260cが別の同様の基板上に維持され得る他の同様の解決策が適用され得る。
【0069】
カセット130は、例えば400、または500、その他などの既知の数のミルク分析ユニット260a、260b、260cを含み得る。
【0070】
ミルク分析ユニット260a、260b、260cは、例えば、個別に密封された横方向流動スティックを含み得る。横方向流動スティックは、横方向流動試験が実施されるときに動物100のミルクサンプル中のバイオマーカーを示すように構成され得る。横方向流動スティックは、抗体処理された金粒子を有するサンプルパッドであって、金粒子は、サンプルパッドに適用されたときのミルクサンプル中に分散される、サンプルパッドと、サンプルパッドからミルクサンプルの毛細管流を受け取るための吸収パッドとを含み得る。次いで、吸収パッドは、バイオマーカー基準で処理された試験ラインであって、バイオマーカー基準は、限界閾値よりも低いバイオマーカーレベルを含むミルクに曝露されたときに、ミルクサンプルの抗体処理された金粒子に結合し、それにより、試験ラインの色を変化させる、試験ラインを含み得る。吸収パッドはまた、抗体基準で処理された対照ラインであって、抗体基準は、抗体処理された金粒子を含むミルクに曝露されたときに、ミルク中のプロゲステロンレベルに関係なく、ミルクサンプルの抗体処理された金粒子に結合し、それにより、対照ラインの色を変化させる、対照ラインを含み得る。
【0071】
注入モジュールはまた、ニードルによって出された液体を収集し得る液体吸引器または排液器を含み得る。液体は、ミルクだけを含む場合、いくつかの実施形態では、ミルクライン/ミルク抽出構成装置110に戻してもよい。他の実施形態では、ミルクが希釈剤と混合されている場合、カセット130上のテープ250の他の未使用のミルク分析ユニット260a、260b、260cを濡らしたり汚染したりしないように、液体を、カセット130から離れるように運び得る。
【0072】
カメラは、開口部を通して担体テープ250のミルク分析ユニット260a、260b、260cの画像を獲得し得、これらの画像に基づいて、カセット外部モータが、新しい試験が行われる新しいミルク分析ユニット260a、260b、260cをニードルに関して配置するために、テープ250を調整し得る。
【0073】
ミルク分析装置120はまた、農家の出力ユニット、データベース、通信デバイス、その他と、有線または無線の通信インターフェースを介して通信し得る通信デバイスを備え得る。
【0074】
制御ユニットは、カメラによって獲得された画像の分析に基づいて、動物100のミルクサンプルのバイオマーカー値を決定するように構成され得る。制御ユニットは、いくつかの実施形態ではミルク分析装置120に含まれてもよいし、またはミルク分析装置120の外部にあってもよい。
【0075】
データベースが、動物100の識別参照および/または測定のタイムスタンプに関連付けられた、動物100の測定された生体測定値を記憶し得る。例えばミルク流量計によって測定される乳量、活動、品種、経産回数、反芻、泌乳、休息、飼料摂取量、エネルギーバランス、搾乳日数、乳生産、年齢、および場合によっては、他の同様の動物の状態に関するパラメーターなど、動物100に関連する他の測定値および/またはデータもまた、データベースに記憶され得る。
【0076】
バイオマーカー測定の結果と、対応する基準値との間に第1の限界閾値を超える偏差が検出されると、農家または他の責任者に警告が出力され得る。警告は、例えば視覚情報、音声メッセージ、触覚信号、またはそれらの組み合わせを含み得、農家が結果において検出された偏差の理由をさらに調査することを奨励する。複数の人々が群れと働いている場合、いくつかの実施形態では、複数の農家およびそれらのそれぞれの関連出力ユニットに、放送が行われ得る。
【0077】
図3Aは、ミルクライン/ミルク抽出構成装置110と連動して稼働するミルク分析装置120を示す。構成タグ125が、ミルク分析装置120に適用されている。構成タグ125は、ミルク抽出構成装置110の参照記号115を含む。参照記号115は、例えば整数、文字、幾何学的形状、色、文字列、その他などの視覚的マーカーである。
【0078】
農家が特定のミルク分析装置120を特定のミルク抽出構成装置110に使用したいとき、農家は、ミルク抽出構成装置110の視覚的マーカーに対応する外部参照記号115を有する構成タグ125を選択し得る。
【0079】
構成タグ125の参照記号115上の視覚的マーカーに対応する視覚的マーカーのセット(例えば、整数、文字、幾何学的形状、色、文字列、その他)が農家に提供される。次いで、農家は、各ミルク抽出構成装置110に1つの視覚的マーカーを適用し、それによって、それに、例えば「1」、色は赤「A」、その他を授け得る。これにより、農家は、特定のミルク抽出構成装置110に設置したときに、どの構成タグ125をミルク分析装置120に適用すべきかに関して思い出させられ、混乱のリスクが低減される。
【0080】
図3Bは、ミルク分析装置120および構成タグ125を示す。
【0081】
ミルク分析装置120は、第1の無線通信デバイス310を備える。第1の無線通信デバイス310は、構成タグ125に含まれる第2の無線通信デバイス320との無線通信用に構成されている。デバイス310、320間の無線通信は、例えば、近距離無線通信(NFC)通信、Bluetooth、無線認識(RFID)または他の同様の短距離無線通信によって行われ得る。
【0082】
ミルク分析装置120はまた、制御ユニット340を備えるか、または制御ユニット340と関連付けられ得、一方、構成タグ125は、データを記憶するためのメモリデバイス330を備え得る。制御ユニット340は、任意選択的に、ミルク分析装置120の外に配置され得るが、それでも第1の無線通信デバイス310と通信連絡している。
【0083】
それにより、ミルク分析装置120の制御ユニット340は、構成タグ125のメモリデバイス330内に記憶されている情報を構成タグ125から取得し得る。
【0084】
したがって、ミルク分析装置120の制御ユニット340は、ミルク分析装置120が連動して動作するよう意図されているミルク抽出構成装置110の構成データを、構成タグ125のメモリデバイス330から、第1の無線通信デバイス310を介して取り出すように構成されている。制御ユニット340はまた、取り出されたミルク抽出構成装置110の構成データに基づいて、制御ユニット340を構成するように構成されている。
【0085】
制御ユニット340はまた、参照インジケータなどの構成タグ125の取得された情報をローカルメモリデバイス350内に記憶するように構成され得る。それにより、制御ユニット340は、構成タグ125が、別のミルク抽出構成装置110専用の別の構成タグ125に置き換えられたことを監視および検出し、それが再構成をトリガすることが可能になる。
【0086】
それにより、ミルク分析装置120をミルク抽出構成装置110に関連して設置および構成することが、根本的に容易になる。また、構成タグ125のメモリデバイス330が、構成タグ125の外部参照記号115に対応する、関連するミルク抽出構成装置110へのインデックス番号もしくは他の同様の参照、および/またはミルク抽出構成装置110のIPアドレスを用いて事前構成されている、ミルク分析装置120の構成タグ125を変えるだけで、農家がミルク分析装置120を再構成し、それを別のミルク抽出構成装置110で使用することも非常に容易になる。
【0087】
ミルク分析装置120は、通信デバイス310、320が互いに無線で通信できるようにするために、設置中に構成タグ125が固定される専用の場所を有し得る。固定は、構成タグ125上の接着性裏面層によって、あるいは、テープ、磁気固定、スナップロック、ねじ、その他によって、行い得る。専用の場所は、マーク、説明的テキスト、バナー、構成タグ125の形状に類似したグラフィック形状の輪郭、その他によって示され得る。
【0088】
ミルク分析装置120を交換する場合、構成タグ125を取り外して、交換用ミルク分析装置120の専用の場所に適用し得る。これにより、ミルク分析装置120の構成が根本的に簡易化され、農家の時間および労力が節約される。
【0089】
取り出された構成データは、構成タグ125の参照記号115に対応する参照インジケータを含む。参照インジケータは、構成タグ125の外部参照記号115へのデジタル対応である。したがって、外部参照記号115が「1」であるとき、参照インジケータは整数「1」、その他である。参照インジケータは、構成タグ125の生成時に、構成タグ125のメモリデバイス330内に記憶され、それによって、参照インジケータは構成タグ125の外部参照記号115に対応していることが確実とされる。
【0090】
制御ユニット340は、取り出された参照インジケータが、ミルク分析装置120が現在のところ連動して稼働するミルク抽出構成装置110に対応するかどうかをチェックするように構成され得る。したがって、制御ユニット340は、構成タグ125のメモリデバイス330内に記憶されている、現在取り出されている構成タグ125の参照インジケータを用いて、ローカルメモリデバイス350内に前以て記憶された参照インジケータを抽出し得る。
【0091】
前以て記憶された参照インジケータが構成タグ125の参照インジケータと同一でないとき、それは、構成タグ125が交換されたことと、また、それにより、農家は、ミルク分析装置120を別のミルク抽出構成装置110と関連付けたいこととを意味する。それにより、再構成を行う必要がある。次いで、制御ユニット340は、取り出された構成タグ125の参照インジケータによって示されるようなミルク抽出構成装置110と連動して稼働するように再構成され得る。
【0092】
逆の場合、すなわち前以て記憶された参照インジケータが構成タグ125の参照インジケータと同一であるとき、それは、最後にチェックが行われたときと同じ構成タグ125、あるいはメモリデバイス330内に同じ外部参照符号115および参照インジケータを有する類似の構成タグ125が使用されることを意味する。新しい構成は、要求されない。次いで、制御ユニット340は、メモリデバイス350内に前以て記憶された参照インジケータによれば、参照インジケータがミルク抽出構成装置110に対応するときに、第1の無線通信デバイス310を作動停止させるように構成され得る。
【0093】
制御ユニット340は、構成タグ125が、所定のまたは構成可能な時間間隔で、あるいは、ミルク分析装置120が試験セッションを実行する直前の時点で、変えられたかどうかをチェックし得る。
【0094】
これにより、どのミルク分析装置120がどのミルク抽出構成装置110に関連付けられているかに関して、不確実性が導入されないことが確実となる。
【0095】
取り出された構成データは、ミルク抽出構成装置110へのIPアドレスなどのネットワークロケーション参照を含み得る。
【0096】
さらにいくつかの実施形態では、取り出された構成データは、ミルク抽出構成装置110に関連する追加構成データがそこから取り出し可能であり得るデータリソース350へのネットワークロケーション参照を含み得る。ミルク抽出構成装置110への参照、および/またはミルク抽出構成装置110のIPアドレスに関する情報は、データベースから、または例えば別のIPアドレスを有するデバイスから取り出され得る。
【0097】
制御ユニット340はまた、所定の時間間隔で第1の無線通信デバイス310を一時的に再作動させるように、かつ/または構成タグ125のメモリデバイス330から構成データを取り出したときに、第1の無線通信デバイス310を作動停止させるように、構成され得る。
【0098】
それにより、無線通信デバイス310、320を可能な限り短時間、作動状態に保つことが可能になる。それにより、近くにある他の無線通信デバイスへの伝送妨害が回避されるか、または少なくとも低減される。また、エネルギーが節約される。
【0099】
ミルク分析装置120の配達時に、農家は、各々がミルク抽出構成装置110の構成データを用いて事前構成された一組の構成タグ125を提供され得る。
【0100】
それにより、農業管理者/農家の作業は、さらに容易になる。
【0101】
図1、
図2A、
図2B、
図3A、および/または
図3Bに示された実施形態またはそれらの一部は、さらなる利益を達成するために、有利に、互いに組み合わせることができる。
【0102】
添付の図面に示された実施形態の説明で使用された用語は、説明された制御ユニット340、構成タグ125、注入モジュール、液体容器135、カセット130、ミルク分析装置120、および/またはシステム10を限定することを意図するものではない。様々な変更、置換、および/または変更を、添付の特許請求の範囲によって定義されるような発明の実施形態から逸脱することなく、行い得る。
【0103】
本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、関連付けて列挙されたアイテムのうちの1つ以上の任意かつすべての組み合わせを含む。本明細書で使用される「または」という用語は、特に明記されていない限り、数学的排他的OR(XOR)としてではなく、数学的OR、すなわち包含的論理和として解釈されるべきである。加えて、単数形「a」、「an」、および「the」は、「少なくとも1つ」として解釈されるべきであり、したがって場合によっては、特に明記しない限り、同じ種類の複数の実体を含む。「含む(includes)」、「備える(comprises)」、「含む(including)」および/または「備える(comprising)」という用語は、述べられた特徴、動作、整数、ステップ、操作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、動作、整数、ステップ、操作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではないことがさらに理解される。例えばプロセッサなどの単一ユニットが、特許請求の範囲に記載されたいくつかのアイテムの機能を果たし得る。特定の手段または特徴が、相互に異なる従属請求項に記載されている、異なる図に示されている、または異なる実施形態と併せて議論されているという単なる事実は、これらの手段または特徴の組み合わせを有利に使用できないことを示すものではない。コンピュータプログラムが、他のハードウェアと一緒に、または他のハードウェアの一部として供給される光記憶媒体または固体媒体などの好適な媒体に記憶/配布され得るが、インターネットまたは他の有線もしくは無線の通信システムなどの他の形態で配布されてもよい。