(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-06
(45)【発行日】2025-02-17
(54)【発明の名称】電気化学エネルギー貯蔵装置
(51)【国際特許分類】
H01G 11/78 20130101AFI20250207BHJP
H01G 11/74 20130101ALI20250207BHJP
【FI】
H01G11/78
H01G11/74
(21)【出願番号】P 2021574199
(86)(22)【出願日】2020-06-08
(86)【国際出願番号】 CN2020094926
(87)【国際公開番号】W WO2020248940
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2023-06-07
(31)【優先権主張番号】201910502335.6
(32)【優先日】2019-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521544469
【氏名又は名称】エイブイエックス・ニュー・エナジー(チェンドゥ)・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】チェン,デゾン
(72)【発明者】
【氏名】ルオ,ジュンチアン
(72)【発明者】
【氏名】ドン,グアンヨン
(72)【発明者】
【氏名】シアン,ジエ
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ,ファンフイ
【審査官】鹿野 博司
(56)【参考文献】
【文献】実公昭34-010861(JP,Y2)
【文献】特表2018-507544(JP,A)
【文献】特表2018-507542(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0026291(US,A1)
【文献】国際公開第2013/088724(WO,A1)
【文献】特開2009-141102(JP,A)
【文献】実開昭50-038434(JP,U)
【文献】実開昭54-023251(JP,U)
【文献】特開2005-340609(JP,A)
【文献】特開平10-275751(JP,A)
【文献】特開2008-147541(JP,A)
【文献】実公昭30-003382(JP,Y1)
【文献】実公昭39-028165(JP,Y1)
【文献】実公昭45-032703(JP,Y1)
【文献】特開2005-251447(JP,A)
【文献】特開2003-229166(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 11/78
H01G 11/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気化学エネルギー貯蔵装置であって、
導出棒(41)および固定プレート(42)を備えるカバープレート(4)であって、前記導出棒(41)は導体であり、前記固定プレート(42)は絶縁体であり、前記導出棒(41)は前記固定プレート(42)を垂直に通過し、前記固定プレート(42)と一体である、カバープレート(4)と、
円筒形状で少なくとも1つの端部に開口部が設けられる筐体(9)であって、絶縁性の前記固定プレート(42)および前記筐体(9)の開口部は封止環(2)によって封止されて接続される、筐体(9)と、
前記筐体(9)の内側の空洞に設けられるロール芯(7)であって、上側接続片(6)によって前記導出棒(41)へ導通して接続され、下側接続片(8)によって前記筐体(9)のもう1つの導出端へ導通して接続されるロール芯(7)と、を備える電気化学エネルギー貯蔵装置であって、さらに、
溶接によって前記筐体(9)へ導通して接続される溶接環(1)と、
溶接によって前記カバープレート(4)の前記導出棒(41)へ導通して接続される溶接棒(3)と、を備え、前記溶接環(1)および前記溶接棒(3)は前記筐体(9)の同じ側に設けられ
、
前記溶接環(1)は、前記溶接環(1)の周囲に設けられて前記筐体(9)と溶接するための第1のカール縁部(11)を有し、孔を有する少なくとも1つの溶接端子(12)が、回路基板へ溶接される場合に導通して前記溶接環(1)を固定するために設けられることを特徴とする、電気化学エネルギー貯蔵装置。
【請求項2】
前記溶接環(1)は錫めっきされ、
前記少なくとも1つの溶接端子(12)
は、前記溶接環の中央に
設けられた前記孔を有することを特徴とする、請求項1に記載の電気化学エネルギー貯蔵装置。
【請求項3】
少なくとも1つの突出部(13)が前記第1のカール縁部(11)に設けられ、前記突出部(13)は溶接端子(12)に対応することを特徴とする、請求項2に記載の電気化学エネルギー貯蔵装置。
【請求項4】
前記上側接続片(6)はアルミニウムから作られ、レーザー溶接によって前記導出棒(41)へ固定され、電解質浸透のための上側孔(62)が前記上側接続片(6)の周囲に設けられることを特徴とする、請求項1に記載の電気化学エネルギー貯蔵装置。
【請求項5】
上側中空シリンダ(61)が前記上側接続片(6)の中央に設けられて、ロール芯(7)の中央でピン孔(71)に設置して使用され、上側カール縁部(63)が前記上側接続片(6)の周囲の一部に設けられて、前記ロール芯(7)の外層を固定するために使用され、アルミニウム条片が前記上側接続片(6)へ接続されて、前記カバープレート(4)の前記導出棒(41)と溶接するために使用されることを特徴とする、請求項4に記載の電気化学エネルギー貯蔵装置。
【請求項6】
絶縁管(5)は、前記上側接続片(6)の周囲の一部の前記上側カール縁部(63)にスリーブがつけられることを特徴とする、請求項5に記載の電気化学エネルギー貯蔵装置。
【請求項7】
前記導出棒(41)はアルミニウム棒であり、前記固定プレート(42)は樹脂プレートであり、前記カバープレート(4)は段差環形状であり、前記導出棒(41)は前記固定プレート(42)の中央に設けられ、前記溶接棒(3)を固定するための固定孔(411)は前記筐体(9)からさらに離れた前記導出棒(41)の端部の中央に設けられることを特徴とする、請求項1に記載の電気化学エネルギー貯蔵装置。
【請求項8】
前記溶接棒(3)は第1の棒(31)および前記第1の棒(31)の下部に設けられた第2の棒(32)を備え、前記第1の棒(31)は錫めっきされ、前記第1の棒(31)の直径は前記第2の棒(32)のものよりも小さく、前記第2の棒(32)は前記固定孔(411)に取り付けられることを特徴とする、請求項7に記載の電気化学エネルギー貯蔵装置。
【請求項9】
前記下側接続片(8)はアルミニウムから作られ、レーザー溶接によって筐体(9)へ固定され、電解質浸透のための下側孔(82)が前記下側接続片(8)の周囲に設けられることを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の電気化学エネルギー貯蔵装置。
【請求項10】
下側中空シリンダ(81)が前記下側接続片(8)の中央に設けられて、前記筐体(9)の下部の位置決め棒(91)および前記ロール芯(7)の中央ピン孔(71)と合わせるために使用され、前記ロール芯(7)を固定するための下側カール縁部(83)が前記下側接続片(8)の周囲に設けられることを特徴とする、請求項9に記載の電気化学エネルギー貯蔵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気化学エネルギー貯蔵装置の技術分野に関し、特に、電気化学エネルギー貯蔵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーキャパシタは、電気化学キャパシタとしても知られ、分極性電解質によってエネルギーを貯蔵する電気化学装置である。スーパーキャパシタの高出力密度、短い充電時間、および長寿命により、電気自動車およびスマートグリッドの貯蔵システムにおいて、補助エネルギー源として、スーパーキャパシタはますます重要視される。キャパシタの正極および負極の両方が筐体の同じ側に配置される構造は、ラジアルキャパシタと呼ばれ、大型から中型のキャパシタは通常、両端部に両側導出を有する。両側導出を有するスーパーキャパシタはラジアルキャパシタよりも、より非常に低い内部抵抗を有するので、より大きな電流の放電が行われ、それによってスーパーキャパシタの出力性能を改善することができる。
【0003】
回路基板に錫はんだ付けされる製品の場合、現在の軸方向キャパシタは通常、導体としてアルミニウム筐体を使用し、1つの電極は下部からカバープレートの一端に導かれる。カバープレートは、通常、アルミニウムから作られ、通常、レーザー溶接によって筐体へ封止かつ導電して接続される。もう1つの電極は通常、カバープレートの中央に設けられ、絶縁封止ガスケットによってカバープレートから絶縁される。レーザー封止には液漏れの危険があり、工程は複雑である。
【0004】
さらに、中央電極とカバープレートとの間の絶縁封止ガスケットには液漏れおよび短絡の危険がある。加えて、封止のために、中央電極は一般に小さく、導電率が悪い。絶縁封止ガスケットは放熱に適していない。中央封止ガスケットは弾性ゴムから作られるので、変形し易く、結果として、ストレス下で液漏れが生じ、脱水のための高温焼成時にも、封止ガスケットおよびアルミニウムは、変形する程度が異なるので液漏れをもたらす場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来技術における問題を解決するために電気化学エネルギー貯蔵装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は以下の技術的解決策を採用する。
電気化学エネルギー貯蔵装置であって、
導出棒および固定プレートを備えるカバープレートであって、導出棒は導体であり、固定プレートは絶縁体であり、導出棒は固定プレートを垂直に通過して固定プレートへ固定される、カバープレートと、
円筒形状で少なくとも1つの端部に開口部が設けられる筐体であって、固定プレートおよび筐体の開口部は封止環によって封止されて接続される、筐体と、
筐体の内側の空洞に設けられるロール芯であって、上側接続片によって導出棒へ導通して接続され、下側接続片によって筐体のもう1つの導出端へ導通して接続されるロール芯と、を備える電気化学エネルギー貯蔵装置であって、さらに、
溶接によって筐体へ導通して接続される溶接環と、
溶接によってカバープレートの導出棒へ導通して接続される溶接棒と、を備え、溶接環および溶接棒は筐体の同じ側に設けられる、電気化学エネルギー貯蔵装置。
【0007】
さらに、溶接環は錫めっきされ、筐体と溶接するための第1のカール縁部(curled edge)が、溶接環の周囲に設けられ、孔を有する少なくとも1つの溶接端子が、回路基板へ溶接される場合に導通して溶接環を固定するために溶接環の中央に設けられる。
【0008】
さらに、少なくとも1つの突出部が第1のカール縁部に設けられ、突出部は溶接端子に対応する。
さらに、上側接続片はアルミニウムから作られ、レーザー溶接によって導出棒へ固定され、電解質浸透のための上側孔が上側接続片の周囲に設けられる。
【0009】
さらに、上側中空シリンダが上側接続片の中央に設けられて、ロール芯の中央でピン孔に設置して使用され、上側カール縁部が上側接続片の周囲の一部に設けられて、ロール芯の外層を固定するために使用され、アルミニウム条片が上側接続片へ接続されて、カバープレートの導出棒と溶接するために使用される。
【0010】
さらに、絶縁管は、上側接続片の周囲の一部の上側カール縁部にスリーブがつけられる。
さらに、導出棒はアルミニウム棒であり、固定プレートは樹脂プレートであり、カバープレートは段差環形状であり、導出棒は固定プレートの中央に設けられ、溶接棒を固定するための固定孔が筐体からさらに離れた導出棒の端部の中央に設けられる。
【0011】
さらに、溶接棒は第1の棒および第1の棒の下部に設けられた第2の棒を備え、第1の棒は錫めっきされ、第1の棒の直径は第2の棒のものよりも小さく、第2の棒は固定孔に取り付けられる。
【0012】
さらに、下側接続片はアルミニウムから作られ、レーザー溶接によって筐体へ固定され、電解質浸透のための下側孔が下側接続片の周囲に設けられる。
さらに、下側中空シリンダが下側接続片の中央に設けられて、筐体の下部の位置決め棒およびロール芯の中央ピン孔と合せるために使用され、ロール芯を固定するための下側カール縁部が下側接続片の周囲に設けられる。
【発明の効果】
【0013】
従来技術と比較して、本発明は以下の利点を有する。
1.本発明は、カバープレート、筐体、ロール芯、上側接続片、下側接続片、溶接棒、溶接環などのような構造を備える、電気化学エネルギー貯蔵装置を開示し、カバープレートは導出棒および固定プレートを備え、導出棒は導体であり、固定プレートは絶縁体であり、導出棒は固定プレートを垂直に通過して固定プレートへ固定され、溶接棒は装置の1つの電極として導出棒の端部へ溶接され、それによって回路基板への溶接を容易にする。筐体は円筒形状で少なくとも1つの端部に開口部が設けられ、絶縁固定プレートおよび筐体の開口部は封止環によって封止されて接続され、ロール芯は筐体の内側の空洞に設けられ、ロール芯は上側接続片によって導出棒に導通して接続され、下側接続片によって筐体のもう1つの導出端部に導通して接続され、溶接環は筐体へ溶接され装置のもう1つの電極として作用し、上側接続片および下側接続片はそれぞれ電気化学エネルギー貯蔵装置の正極および負極を導出し、正極および負極を外側へ導き、装置は2つの端部に導出され、低い内部抵抗を有し、錫めっきされ、それによってモジュールの組み立てを容易にすることができる。
【0014】
2.本発明では、上側接続片の固定は、上側中空シリンダ、上側カール縁部およびロール芯の間を合せることによって改善され、下側接続片の固定は、下側中空シリンダ、下側カール縁部およびロール芯の間を合せることによって改善され、それによって耐衝撃性を高める。上側接続片は、高温に耐性のある絶縁管によって筐体から絶縁され筐体へ固定され、下側接続片は、緊密に合せることによって、または位置決め棒によって筐体へ固定される。使用時、上側接続片および下側接続片は筐体にしっかりと固定されるので、良好な耐衝撃性を有する。
【0015】
3.本発明では、上側接続片は上側孔を有し、下側接続片は下側孔を有し、それによって電解質の浸透を容易にし、溶接棒および溶接環はそれぞれ装置の正極および負極であり、回路基板へ溶接されることができる。
【0016】
4.本発明では、カバープレートは導出棒および固定プレートを備え、これらは接合されて全体を形成する。導出棒は固定プレートによって筐体から絶縁され、良好な絶縁が他の絶縁材を必要とすることなく達成される。
【0017】
5.少なくとも1つの突出部、好ましくは3つの突出部が本発明のカール縁部に設けられる。突出部は溶接端子に対応し、回路基板に溶接環を位置決めし、ワイヤの間隙を設ける一方で溶接環と回路基板との間に点接触を維持するように意図され、それによって絶縁を確実なものとして空気流および放熱を促進する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の電気化学エネルギー貯蔵装置の分解構造図である。
【
図2】組み立て後の本発明の電気化学エネルギー貯蔵装置の概略構造図である。
【
図6】本発明の電気化学エネルギー貯蔵装置のカバープレートの概略構造図である。
【
図7】本発明の電気化学エネルギー貯蔵装置の上側接続片の上面図である。
【
図8】本発明の電気化学エネルギー貯蔵装置の上側接続片の側面図である。
【
図9】本発明の電気化学エネルギー貯蔵装置の下側接続片の上面図である。
【
図10】本発明の電気化学エネルギー貯蔵装置の下側接続片の正面図である。
【
図11】本発明の電気化学エネルギー貯蔵装置の筐体の概略構造図である。
【
図12】実施形態1におけるカール縁部のない溶接環の概略構造図である。
【
図13】実施形態1におけるカール縁部を有する溶接環の概略構造図である。
【
図14】本発明の電気化学エネルギー貯蔵装置の溶接棒の概略構造図である。
【
図15】本発明の電気化学エネルギー貯蔵装置のロール芯の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面における参照符号:1-溶接環、2-封止環、3-溶接棒、4-カバープレート、5-絶縁管、6-上側接続片、7-ロール芯、8-下側接続片、9-筐体、11-第1のカール縁部、12-溶接端子、13-突出部、31-第1の棒、32-第2の棒、41-導出棒、41-上側位置決め孔、42-固定プレート、61-上側中空シリンダ、62-上側孔、63-上側カール縁、64-アルミニウム条片、71-ロール芯のピン孔、81-下側中空シリンダ、82-下側孔、83-下側カール縁部、91-位置決め棒、411-固定孔。
【0020】
実施形態を参照して、以下においてさらに本発明を説明する。説明される実施形態は、本発明の実施形態の全てではなく、いくつかのみである。本発明の実施形態に基づいて、当業者により何ら発明の作業をすることなく得られた全ての他の実施形態は、本発明の範囲内にある。
【0021】
実施形態1
図1~
図3に示されるように、電気化学エネルギー貯蔵装置は、導出棒41および固定プレート42を備えるカバープレート4であって、導出棒41が導体であり、固定プレート42が絶縁体であり、導出棒41が固定プレート42を垂直に通過して固定プレートへ固定されるカバープレートと、円筒形状で少なくとも1つの端部に開口部が設けられる筐体9であって、固定プレート42および筐体9の開口部が封止環2によって封止されて接続される筐体と、筐体9の内側の空洞に設けられるロール芯7であって、上側接続片6によって導出棒41へ導通して接続され、下側接続片8によって筐体9のもう1つの導出端に導通して接続されるロール芯7と、を備え、本装置はさらに、溶接によってカバープレート4の導出棒41へ導通して接続される溶接環1を備え、溶接環1および溶接棒3は筐体9の同じ側に設けられる。
【0022】
図13に示されるように、溶接環1は錫めっきされ、それによって回路基板への溶接を容易にし、筐体9と溶接するために使用される第1のカール縁部11が溶接環1の周囲に設けられ、溶接環1の強さを高め、かつ筐体9のカール縁部との溶接を容易にし、この構造は、溶接環に使用されたプレートが薄い場合に使用される。
図12に示されるように、溶接環が厚い場合は、溶接環の強さを確実なものとしかつ筐体のカール縁部との溶接を確実なものとするために溶接環の周囲にカール縁部を設ける必要がない。孔を有する少なくとも1つの溶接端子12が、回路基板へ溶接される場合に導通して溶接環1を固定するために溶接環の中央に設けられる。本実施形態では、3つの溶接端子12は、溶接環1の中央に等間隔で設けられて、回路基板へ溶接環1を導通して固定するために使用され、これらの3つの溶接端子12は回路基板の平面を画定し、それによって位置決めを容易にする。
【0023】
図6に示されるように、この実施形態では、導出棒41はアルミニウム棒で、固定プレート42は樹脂プレートであり、カバープレート4は段差環形状であり、導出棒41は固定プレート42の中央に設けられ、溶接棒3を固定するための固定孔411は筐体9からさらに離れた導出棒41の端部の中央に設けられる。
【0024】
上記技術的解決策をさらに最適化するために、少なくとも1つの突出部13が第1のカール縁部11に設けられ、突出部13は溶接端子12に対応する。本実施形態では、3つの突出部13が設けられ、突出部13は、回路基板に溶接環1を位置決めし、ワイヤの間隙を設ける一方で溶接環1と回路基板との間に点接触を維持するように意図され、それによって絶縁を確実なものとして空気流および放熱を促進する。
【0025】
好ましくは、上側接続片6はアルミニウムから作られ、レーザー溶接によって導出棒41へ固定され、電解質浸透のための上側孔62が上側接続片6の周囲に設けられる。これによって電解質の浸透を容易にする。
【0026】
図4および
図5に示されるように、本発明は、カバープレート4、筐体9、ロール芯7、上側接続片6、下側接続片8、溶接棒3、溶接環1などのような構造を備える、電気化学エネルギー貯蔵装置を開示し、カバープレート4は導出棒41および固定プレート42を備え、導出棒41は導体であり、固定プレート42は絶縁体であり、導出棒41は固定プレート42を垂直に通過して固定プレートへ固定され、溶接棒3は装置の1つの電極として導出棒41の端部へ溶接され、それによって回路基板への溶接を容易にする。筐体9は円筒形状で少なくとも1つの端部に開口部が設けられ、絶縁固定プレート42および筐体9の開口部は封止環2によって封止されて接続され、ロール芯7は筐体9の内側の空洞に設けられ、ロール芯7は上側接続片6によって導出棒41へ導通して接続され、下側接続片8によって筐体9のもう1つの導出端部へ導通して接続され、溶接環1は筐体9へ溶接され装置のもう1つの電極として作用し、上側接続片6および下側接続片8はそれぞれ電気化学エネルギー貯蔵装置の正極および負極を導出し、正極および負極を外側へ導き、本装置は2つの端部に導出され、低い内部抵抗を有し、錫めっきされ、それによってモジュールの組み立てを容易にすることができる。
【0027】
実施形態2
図7および
図8に示されるように、本実施形態は、実施形態1に基づいてさらに最適化される。実施形態1と比較した改善が本実施形態の説明の焦点であり、類似点は繰り返されない。本実施形態では、上側中空シリンダ61が上側接続片6の中央に設けられて、
図15に示されるように、ロール芯7の中央のピン孔71に設置して使用され、上側カール縁部63が上側接続片6の周囲の一部に設けられて、ロール芯7の外層を固定するために使用され、耐衝撃性を改善し、アルミニウム条片が上側接続片6へ接続されて、カバープレート4の導出棒41と溶接するために使用される。組み立ての際、溶接による固定後、上側接続片6は曲げられる。
【0028】
実施形態3
本実施形態は、実施形態2に基づいてさらに最適化される。実施形態2と比較した本実施形態の改善が説明の焦点であり、類似点は繰り返されない。本実施形態では、絶縁管5は、上側接続片6の周囲の一部で上側カール縁部63にスリーブがつけられる。絶縁管5は上側接続片6の周囲の一部で上側カール縁部63内に挿入され、上側カール縁部63は、ロール芯7の外層の一部にスリーブがつけられ、そしてロール芯7は筐体9に設置され、絶縁管5は絶縁してロール芯7と筐体9との間を固定する。
【0029】
実施形態4
図14に示されるように、本実施形態は実施形態3に基づいてさらに最適化される。実施形態3と比較した改善が本実施形態の説明の焦点であり、類似点は繰り返されない。本実施形態では、溶接棒3は第1の棒31および第1の棒31の下部に設けられた第2の棒32を備え、第1の棒31は錫めっきされ、回路基板への溶接を容易にし、第1の棒31の直径は第2の棒32のものよりも小さく、第2の棒32は固定孔411に取り付けられ、溶接によって導出棒41へ導通して接続される。
【0030】
実施形態5
図9および
図10に示されるように、本実施形態は実施形態4に基づいてさらに最適化され、実施形態4と比較した改善が本実施形態の説明の焦点であり、類似点は繰り返されない。本実施形態では、下側中空シリンダ81が下側接続片8の中央に設けられて、
図11に示されるように、筐体9の下部の位置決め棒91およびロール芯7の中央ピン孔71と合わせるために使用され、ロール芯7の外層を固定するために使用される下側カール縁部83は下側接続片8の周囲に設けられる。下側接続片8の中央の下側中空シリンダ81はロール芯7の中央ピン孔71に設置することができ、そして筐体9の下部の位置決め棒91は中空シリンダ内に設置され、それによってロール芯7は位置決められて固定され、下側接続片8の周囲の下側カール縁部83はロール芯7の外層を固定し、それによって耐衝撃性を改善することができる。
【0031】
前述の説明は、本発明の好ましい実施形態にすぎず、本発明を限定することを意図しない。本発明の趣旨および原理から逸脱することなく行われる任意の修正、同等の置換、または改善は、本発明の保護範囲内にある。