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特許7630566特に燃料電池システム内のガス流のための作動フラップ構成アッセンブリ
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  • 特許-特に燃料電池システム内のガス流のための作動フラップ構成アッセンブリ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-06
(45)【発行日】2025-02-17
(54)【発明の名称】特に燃料電池システム内のガス流のための作動フラップ構成アッセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20250207BHJP
   H01M 8/00 20160101ALI20250207BHJP
   F16K 1/22 20060101ALI20250207BHJP
   F16K 1/32 20060101ALI20250207BHJP
【FI】
H01M8/04 N
H01M8/00 Z
F16K1/22 D
F16K1/32 B
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023131063
(22)【出願日】2023-08-10
(65)【公開番号】P2024025764
(43)【公開日】2024-02-26
【審査請求日】2023-09-06
(31)【優先権主張番号】10 2022 120 290.9
(32)【優先日】2022-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】520050956
【氏名又は名称】プーレム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Purem GmbH
【住所又は居所原語表記】Homburger Strasse 95, 66539 Neunkirchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マルクス ロリー
(72)【発明者】
【氏名】マティアス グリュン
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ヴァッカー
【審査官】橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-523486(JP,A)
【文献】特開2019-167950(JP,A)
【文献】特開2007-294470(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0241349(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00-3/12
7/00-13/00
15/00-58/40
F02D 9/00-11/10
F16K 1/00-1/54
H01M 8/04-8/0668
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動フラップ構成アッセンブリ(10)であって、ガス流路(46)を提供する作動フラップケーシング(14)と、該作動フラップケーシング(14)内で、前記ガス流路(46)を通るガス流を実質的に阻止する閉鎖位置と、前記ガス流路(46)を通流のために開放する少なくとも1つの開放位置との間で位置調節可能な作動フラップ(16)であって、旋回軸軸線(A)を中心として回転可能な旋回軸(18)に支持されたディスク状の作動フラップボディ(24)を備えた作動フラップ(16)とを含み、前記旋回軸(18)が、旋回軸駆動装置(12)に連結されるべき、前記作動フラップケーシング(14)に設けられた第1の軸受領域(28)において前記旋回軸軸線(A)を中心として回転可能に支持された第1の旋回軸端部区分(48)と、前記作動フラップケーシング(14)に設けられた第2の軸受領域(30)において前記旋回軸軸線(A)を中心として回転可能に支持された第2の旋回軸端部区分(50)とを有しており、前記第1の軸受領域(28)が、前記旋回軸(18)を回転可能に支持する軸受装置(70)であって、前記旋回軸(18)に、前記旋回軸軸線(A)を取り囲むように配置された、前記作動フラップケーシング(14)に設けられた対向軸受領域(76)に向かう方向で突出し、かつ前記対向軸受領域(76)に向かう方向に湾曲した形状に形成されている軸受突起(74)と、前記対向軸受領域(76)における、前記旋回軸軸線(A)を取り囲むように配置された、前記軸受突起(74)を少なくとも部分的に収容する軸受凹部(78)とを備えた軸受装置(70)を含む、
作動フラップ構成アッセンブリ(10)において、
前記軸受凹部(78)が、円錐台状に形成されていることを特徴とする、作動フラップ構成アッセンブリ(10)。
【請求項2】
前記軸受突起(74)と前記軸受凹部(78)とが、前記旋回軸軸線(A)を環状に取り囲む、
請求項1記載の作動フラップ構成アッセンブリ(10)
【請求項3】
前記対向軸受領域(76)が、前記旋回軸(18)により貫通される開口(80)を備えた、前記作動フラップケーシング(14)に支持された軸受リング(64)を含む、
請求項1記載の作動フラップ構成アッセンブリ(10)
【請求項4】
前記軸受リング(64)が、前記作動フラップケーシング(14)に支持された軸受ブシュ(42)内に収容されている、
請求項記載の作動フラップ構成アッセンブリ(10)
【請求項5】
前記軸受領域(72)が、前記旋回軸(18)において、半径方向に突出する旋回軸ヘッド(66)を含み、前記軸受突起(74)が、前記旋回軸ヘッド(66)の、前記対向軸受領域(76)に面した側に形成されている、
請求項1記載の作動フラップ構成アッセンブリ(10)
【請求項6】
前記旋回軸ヘッド(66)が、前記旋回軸(18)の統合された構成部分を形成する、
請求項記載の作動フラップ構成アッセンブリ(10)
【請求項7】
前記旋回軸駆動装置(12)が、前記旋回軸(18)に連結装置(32)により、一緒に回転するために連結された駆動軸(34)を含み、前記連結装置(32)が、前記駆動軸(34)に相対回動不能に結合された連結部分(38)と、該連結部分(38)に回転連結係合している、前記旋回軸(18)に相対回動不能に結合された連結部分(36)とを含んでいる、請求項1記載の作動フラップ構成アッセンブリ(10)。
【請求項8】
-前記対向軸受領域(76)が、前記旋回軸(18)により貫通される開口(80)を備えた、前記作動フラップケーシング(14)に支持された軸受リング(64)を含み、
-前記軸受領域(72)が、前記旋回軸(18)において、半径方向に突出する旋回軸ヘッド(66)を含み、前記軸受突起(74)が、前記旋回軸ヘッド(66)の、前記対向軸受領域(76)に面した側に形成されており、かつ
-前記旋回軸ヘッド(66)を前記軸受リング(64)に当て付けて保持する予荷重力を形成する、前記旋回軸(18)と前記駆動軸(34)との間で作用するプリロードばね(68)が設けられている、請求項7記載の作動フラップ構成アッセンブリ(10)。
【請求項9】
請求項1からまでのいずれか1項記載の少なくとも1つの作動フラップ構成アッセンブリ(10)を含む、燃料電池システム(100)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的なエネルギを提供するために、例えば車両において使用され得る、例えば燃料電池システム内のガス流のための作動フラップ構成アッセンブリに関する。
【0002】
この種の燃料電池システムでは、運転状態に応じて、種々異なるガス流を燃料電池もしくは燃料電池スタックのアノード領域もしくはカソード領域を通してガイドするか、もしくはアノード領域もしくはカソード領域の傍らをガイドすることが必要である。その際に、特に特定のガス流を、燃料電池を通してガイドしないか、または燃料電池の傍らをガイドしないことが望ましい運転状態において、漏れ流が排除され得るか、もしくは実質的にガスが周囲に逃れることができないことを保証するために、このようなガス流を調整するために使用される作動フラップ構成アッセンブリの密閉性に対して高い要求が存在する。
【0003】
本発明の課題は、特に車両における、特に燃料電池システム内のガス流のための作動フラップ構成アッセンブリを改良して、構造的に簡単な構成でガス漏れを実質的に阻止することができるようにすることである。
【0004】
本発明によれば、この課題は、特に車両における、特に燃料電池システム内のガス流のための作動フラップ構成アッセンブリであって、ガス流路を提供する作動フラップケーシングと、作動フラップケーシング内で、ガス流路を通るガス流を実質的に阻止する閉鎖位置と、ガス流路を通流のために開放する少なくとも1つの開放位置との間で位置調節可能な作動フラップであって、旋回軸軸線を中心として回転可能な旋回軸に支持されたディスク状の作動フラップボディを備えた作動フラップとを含んでおり、旋回軸が、旋回軸駆動装置に連結されるべき、作動フラップケーシングに設けられた第1の軸受領域において旋回軸軸線を中心として回転可能に支持された第1の旋回軸端部区分と、作動フラップケーシングに設けられた第2の軸受領域において旋回軸軸線を中心として回転可能に支持された第2の旋回軸端部区分とを有しており、第1の軸受領域および第2の軸受領域のうち少なくとも一方の軸受領域が、旋回軸を回転可能に支持する軸受装置であって、旋回軸に、旋回軸軸線を取り囲むように配置された、作動フラップケーシングに設けられた対向軸受領域に向かう方向で突出する軸受突起と、対向軸受領域における、旋回軸軸線を取り囲むように配置された、軸受突起を少なくとも部分的に収容する軸受凹部とを備えた軸受装置を含む、作動フラップ構成アッセンブリにより解決される。
【0005】
軸受突起と、該軸受突起を収容する軸受凹部とを提供することにより、ボールジョイントのような協働が可能にされ、これにより、特に少なくとも一方の軸受領域の領域における旋回軸の局所的な傾動をもたらし得る、旋回軸と作動フラップケーシングとの間の相対運動が発生した場合も、ガスの流出に対して密な、作動フラップ構成アッセンブリの閉鎖が達成される。
【0006】
第1の旋回軸端部区分において、旋回軸駆動装置との連結を達成することができるようにするために、旋回軸が、対応配置された第1の軸受領域を貫通してガイドされなければならないので、少なくとも1つの軸受領域が第1の軸受領域であると、気密な閉鎖にとって特に有利である。旋回軸の第2の旋回軸軸線が軸受領域を貫通してガイドされていない、もしくは軸受領域から出るようにガイドされている必要がない第2の軸受領域では、気密な閉鎖は別の手段により提供されてよく、例えば軸受ブシュによる第2の旋回軸端部区分の完全な包囲により提供されてよい。
【0007】
旋回軸の全周にわたる完全に気密な閉鎖のために、軸受突起と軸受凹部とが旋回軸軸線を環状に取り囲んでいることが提案される。
【0008】
対向軸受領域は、旋回軸により貫通される開口を備えた、作動フラップケーシングに支持された軸受リングを含んでいてよい。したがって、この軸受リングに、旋回軸が軸方向でも半径方向でも、旋回軸軸線を中心として回転可能に支持されていてよい。
【0009】
軸受リングのために、作動フラップケーシングにおける定義された位置決めを保証することができるようにするために、軸受リングは、作動フラップケーシングに支持された軸受ブシュ内に収容されていてよい。
【0010】
軸受凹部の、ボールジョイントのように軸受突起と協働する構成を提供するために、軸受凹部は、実質的に円錐台状に形成されていてよく、したがって軸受突起のための、実質的に円錐台状に成形された軸受面を提供することができる。
【0011】
軸受領域が、旋回軸において、半径方向に突出する旋回軸ヘッドを含んでいてよく、軸受突起は、旋回軸ヘッドの、対向軸受領域に面した側に形成されている。
【0012】
僅かな個数の構成部材しか必要としない構成のために、旋回軸ヘッドが、旋回軸の統合された構成部分を形成することが提案される。本発明の意図において、この統合された構成は、旋回軸ヘッドが、旋回軸の残りの区分と一体的に、つまりモノリシックに形成されていて、旋回軸に取り付けられるべき別個の構成部材によって提供されていないことを意味することを強調しておく。
【0013】
軸受凹部と軸受突起とのボールジョイントのような協働を支援するために、軸受突起が、対向軸受領域に向かう方向に湾曲されて形成されていることが提案される。
【0014】
本発明はさらに、本発明による少なくとも1つの作動フラップ構成アッセンブリを含む、特に車両用の燃料電池システムに関する。
【0015】
本発明を以下に次に添付の図面につき詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】車両の燃料電池システムの原理図である。
図2】燃料電池システム用の作動フラップ構成アッセンブリを示す図である。
図3】作動フラップ構成アッセンブリの旋回軸のための軸受領域を示す断面図である。
【0017】
以下で燃料電池システム用の作動フラップ構成アッセンブリの本発明による構成を、特に密な閉鎖を提供するために設けられた、燃料電池システムの構造に関して詳細に説明する前に、図1を参照して、例えば車両において電気的なエネルギを供給することができる燃料電池システムの基本的な構造を説明し、図2を参照して、作動フラップ構成アッセンブリの基本的な構造を説明する。特にこの種の燃料電池システムのカソード領域に対応配置されたこの作動フラップ構成アッセンブリを用いて、ガス流を調整することができ、またはカソード領域を通流に対して閉鎖することができる。
【0018】
図1に図示した燃料電池システム100は、主なシステム領域として、水素もしくは水素を含むガスが供給されるべきアノード領域104と、酸素もしくは酸素を含むガス、例えば空気が供給されるべきカソード領域106とを備えた、概して参照符号102で示された燃料電池を含む。
【0019】
アノード領域104には、それぞれの弁112,114を備えた供給管路108および導出管路110が対応配置されており、これにより、水素または水素を含むガスをアノード領域104内に導入することができ、もしくはアノード領域104からアノード排ガスを導出することができ、かつ必要な場合にはアノード領域104を完全に閉鎖することができる。
【0020】
カソード領域106には、供給管路116が対応配置されており、供給管路116を介して、例えばコンプレッサ118またはこれに類するものを用いて、酸素を含むガス、つまり例えば空気が、カソード領域内に導入され得る。供給管路116内には、概して符号10で示される作動フラップ構成アッセンブリが設けられており、作動フラップ構成アッセンブリ10により、ガス流が供給管路116を介して調整されるか、もしくはカソード領域106がその導入領域において実質的に気密に閉鎖され得る。
【0021】
カソード排ガスを導出するために、カソード領域106には導出管路120が対応配置されている。この排ガス供給管路120は、燃料電池排ガス装置122に通じており、燃料電池排ガス装置122では、水分離器により、例えばカソード排ガス中に含まれる水が分離され得る。さらに、導出管路120内に、別の作動フラップ構成アッセンブリ10’が配置されており、作動フラップ構成アッセンブリ10’により、導出管路120、ひいてはカソード領域106の導出領域が、実質的に気密に閉鎖され得る。
【0022】
カソード領域106の供給管路116と導出管路120との間には、バイパス管路124が延びている。バイパス管路124内にも、作動フラップ構成アッセンブリ10’’が配置されており、作動フラップ構成アッセンブリ10’’により、ガス流がバイパス管路124を介して調整され得るか、もしくはバイパス管路124が実質的に気密に閉鎖され得る。
【0023】
図1に図示し、かつ上述した燃料電池システム100の構造は、特にカソード領域106においてガスを供給し、排出する種々異なる多数の可能性の一例が示されているに過ぎないことを示唆しておく。重要なのは、カソード領域106に対応配置されて、少なくとも1つの、場合によっては複数の作動フラップ構成アッセンブリ10,10’,10’’が設けられていることであり、このような複数の作動フラップ構成アッセンブリ10,10’,10’’が設けられている場合、これらの作動フラップ構成アッセンブリ10,10’,10’’は、互いに対して基本的に同一構造であってよく、またはこれらの作動フラップ構成アッセンブリがどの領域に位置決めされていて、これらの作動フラップ構成アッセンブリによりどの程度の気密性が提供され得るかに応じて、互いに異なって形成されていてもよい。
【0024】
図2に図示され、例えば図1に示した燃料電池システム100において使用される作動フラップ構成アッセンブリ10は、例えば電動モータ式の作動フラップ駆動装置12を含み、かつ管状に形成され、かつガス流路46を取り囲む作動フラップケーシング14内に、概して符号16で示される作動フラップを含んでいる。
【0025】
作動フラップ16は、旋回軸18において旋回軸軸線Aを中心として旋回可能に支持された、それぞれ1つのフラップ羽根を提供する2つの作動フラップボディ部分20,22を備えたディスク状の作動フラップボディ24を含んでいる。作動フラップ16に対応配置されて、作動フラップケーシング14には、作動フラップ座26が設けられており、作動フラップ座26に、作動フラップ16が、作動フラップ16の閉鎖位置において、作動フラップ16の中心領域Zに関して半径方向外側に位置する閉鎖領域40で当て付けられる。
【0026】
閉鎖位置と、ディスク状の作動フラップボディ24が図1の図平面に対して実質的に直交するように方向付けられていて、これにより作動フラップケーシング14内のガス流路46を通流のために実質的に完全に開放する、完全に開放された位置との間で作動フラップ16を運動させるために、作動フラップ駆動装置12の駆動軸34は、連結装置32により、作動フラップケーシング14の軸受領域28,30内で旋回軸軸線Aを中心として旋回可能に支持された旋回軸18に、一緒に回転するために連結されている。連結装置32は、例えば、駆動軸34に相対回動不能に結合された連結部分38と、旋回軸18に相対回動不能に結合された連結部分36とを含み、連結部分36は、連結部分38に回転連結係合している。
【0027】
両軸受領域28,30はそれぞれ、作動フラップケーシング14に支持された、例えば作動フラップケーシング14の外周面に溶接により固定された軸受ブシュ42,44を含んでおり、軸受ブシュ42,44内には、旋回軸18のそれぞれの軸方向端部区分が旋回軸軸線Aを中心として回転可能に収容されている。
【0028】
両軸受領域28,30のうち、軸受領域28が第1の軸受領域を形成しており、第1の軸受領域に、旋回軸18の第1の旋回軸端部区分48が回転可能に支承されている。第1の旋回軸端部区分48は、連結装置32により駆動軸34に連結されるように、軸方向で第1の軸受領域28を越えて突出している。軸受領域30は、旋回軸18の第2の旋回軸端部区分50が旋回軸軸線Aを中心として回転可能に支承されている第2の軸受領域を形成している。
【0029】
図3には、第1の軸受領域28が詳細に図示されている。第1の軸受領域28は、例えば完全に環状に延びる溶接シーム52により気密に作動フラップケーシング14の外周面54に固定された軸受ブシュ42を含んでいる。軸受ブシュ42は、周壁56と、この周壁56に続く、旋回軸18により貫通される開口60を備えた底部58とを含んでいる。軸受ブシュ42が、単に周壁56を有していて、底部壁を有していなくてもよいことを示唆しておく。このことは、特に作動フラップケーシング14の外周面54が湾曲している輪郭を有している場合に、作動フラップケーシング14における軸受ブシュ42のより簡単な固定もしくは軸受ブシュ42の、より簡単に製造することができる構成を可能にする。
【0030】
軸受ブシュ42内には、全体を符号62で示された軸受ユニットが収容されている。軸受ユニット62は、図示した実施例では、第1の旋回軸端部区分48を収容し、かつ半径方向で支持する軸受リング64を有し、したがって、滑り軸受ユニットとして形成されている。軸受リング64は、軸受ブシュ42内に例えばプレス嵌めにより収容されており、したがって軸方向で定義されて位置決めされて、軸受ブシュ42の周壁56に保持されている。旋回軸18は、以下に詳細に説明する形式で、第1の旋回軸端部区分48に設けられたフランジ状の旋回軸ヘッド66により軸方向で軸受リング64に支持されている。旋回軸18の旋回軸ヘッド66を軸受リング64に当て付けて保持する予荷重は、旋回軸18もしくは連結部分36と、駆動軸34もしくは連結部分38との間で作用するプリロードばね68によって提供されていてよく、これにより、軸受ブシュ42内における軸受リング64の定義された位置決めにより、旋回軸18の、ひいては作動フラップケーシング14における作動フラップ16全体の定義された位置決めも規定されている。
【0031】
作動フラップケーシング14に関して旋回軸18を軸方向でも半径方向でも定義して、特に気密に支持するために、概して参照符号70で示される軸受装置が設けられている。軸受装置70は、旋回軸ヘッド66において、軸受領域72を含んでいる。この軸受領域72は、旋回軸ヘッド66の、軸受リング64に面した軸方向の側に、旋回軸軸線Aを好ましくは中断なしに完全に取り囲んでいる軸受突起74を含んでいる。軸受突起74は、旋回軸軸線Aを完全に取り囲んでいる環状の構造において凸状に、つまり軸受リング64に向かって外方に湾曲されて形成されている。
【0032】
軸受装置70は、軸受リング64において、軸受突起74を少なくとも部分的に軸方向で収容する軸受凹部78を備えた対向軸受領域76を含んでいる。軸受凹部78は、軸受リング64内に形成された、旋回軸18を収容する開口80を起点として半径方向外方に向かって、かつ旋回軸ヘッド66に向かって円錐台状に拡張するように形成されており、これにより湾曲されて形成された軸受突起74を軸方向および半径方向で支持するための円錐台状の軸受面82を提供する。
【0033】
軸受突起74を備えた軸受領域72と、軸受凹部78を備えた対向軸受領域76とは、ボールジョイントのように作用する軸受装置を形成する。この軸受装置は、基本的に、旋回軸18の、その第1の旋回軸端部区分48における少なくとも僅かな傾動を可能にする。その際に旋回軸ヘッド66と軸受リング64との間で相対運動が生じても、隆起部状もしくは湾曲部状の、かつ実質的にボール状の当接領域を提供する軸受突起74は、その全周にわたって軸受凹部78の軸受面82に当接したままである。したがって、旋回軸18と軸受リング64、もしくは基本的には作動フラップケーシング14との間のこのような相対運動は、軸受装置70の局所的な非密閉性につながらない。
【0034】
第1の旋回軸端部区分48と軸受ユニット62の軸受リング64との間のこの相対運動を可能にするために、軸受リング64に設けられた開口80は、旋回軸18がこの開口80により少なくとも小さな半径方向の間隙を伴って収容されていて、ひいては旋回軸18が、軸受リング64を貫通する長さ区分において、この軸受リング64に関して傾動することができるように寸法設計されていてよい。基本的には、この半径方向の間隙は、滑り軸受リングとして軸受リング64が構成されている場合に不可避に発生する軸受間隙によっても提供されていてよく、これにより、例えば振動の発生時に生じ得る、軸受リング64に関する旋回軸18の傾動につながるこのような相対運動を最小限に制限することができる。
【0035】
軸受装置70の図3に図示した構成では、湾曲された、基本的には凸状に形成された軸受突起74が、比較的に小さな湾曲部半径を有している。基本的には、軸受突起74は、軸受突起74全体、もしくは軸受突起により形成された凸状の表面が、旋回軸軸線Aに対して同心的に成形された球欠状区分により提供されているように形成されていてもよい。
【0036】
さらに、軸受リング64の、図示された実施例において円錐台状の形状で形成された軸受面82も、湾曲されて、この場合には凹状に湾曲されて形成されていてよいことを示唆しておく。湾曲部半径は、例えば軸受突起74の湾曲部半径に一致していてよく、または軸受面82のためには、軸受突起74のための湾曲部半径とは異なる、特に大きな湾曲部半径が設けられていてよい。
【0037】
基本的には、第2の軸受領域30においても、このような構造が設けられていてよいことを示唆しておく。しかし、第2の軸受領域30では、旋回軸18は第2の軸受領域30から導出されていないので、気密な閉鎖は例えば、例えば軸受ブシュ44の周壁において、軸受ブシュ44を軸方向で閉鎖するカバーが設けられていることによって、第2の軸受領域30の軸受ブシュ44が第2の旋回軸端部区分を完全に、つまり軸方向でも包囲することによっても達成することができる。
【0038】
最終的に、上記で前もって説明した作動フラップ構成アッセンブリが、燃料電池システムのガス流において特に有利に使用され得るが、別の用途範囲、例えば内燃機関の排ガス流においても使用され得ることが示唆される。
図1
図2
図3