(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-06
(45)【発行日】2025-02-17
(54)【発明の名称】固体撮像装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
H10F 39/12 20250101AFI20250207BHJP
H10F 39/18 20250101ALI20250207BHJP
H04N 25/79 20230101ALI20250207BHJP
【FI】
H01L27/146 D
H01L27/146 A
H04N25/79
(21)【出願番号】P 2023146932
(22)【出願日】2023-09-11
(62)【分割の表示】P 2020552548の分割
【原出願日】2019-08-20
【審査請求日】2023-10-10
(31)【優先権主張番号】P 2018194371
(32)【優先日】2018-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112874
【氏名又は名称】渡邊 薫
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 卓
【審査官】柴山 将隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-171297(JP,A)
【文献】特開2018-073967(JP,A)
【文献】特開2018-073851(JP,A)
【文献】特開2013-038112(JP,A)
【文献】特開2014-187166(JP,A)
【文献】特開2010-225778(JP,A)
【文献】特開2013-182923(JP,A)
【文献】特開2011-114261(JP,A)
【文献】特開2013-157422(JP,A)
【文献】国際公開第2018/186027(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
H04N 25/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素単位で画素信号を生成する撮像素子および第1の配線層を有する第1の基板と、
該画素信号の信号処理に必要な信号処理回路および第2の配線層を有する第2の基板と、
単結晶シリコン、アモルファスシリコン及び多結晶シリコンからなる群から選ばれる少なくとも1種のシリコンを含むシリコン含有層と、を含み、
該第1の基板と該第2の基板とが電気的に接続され、
該第1の基板と、該シリコン含有層と、該第2の基板とが、この順で配され、
前記第1の配線層と、前記第2の配線層とが、Cu-Cu接合により、電気的に接続され、
前記Cu-Cu接合が、前記シリコン含有層と、前記第2の基板と、の界面に配される、固体撮像装置。
【請求項2】
前記シリコン含有層を貫通する貫通ビアが形成され、該貫通ビアを介して、前記第1の基板と、前記第2の基板とが、Cu-Cu接合により、電気的に接続される、請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記シリコン含有層が、複数の該画素間で連続的に形成される、請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記シリコン含有層がドーパントを含む、請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記シリコン含有層中の前記ドーパントの含有量が1E18atoms/cm3以上である、請求項
4に記載の固体撮像装置。
【請求項6】
前記第2の基板の少なくとも一部が、第1の酸化膜に埋め込まれている、請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項7】
前記第2の基板が、前記第2の配線層上に形成された第2の酸化膜を含み、
前記シリコン含有層と、前記第2の酸化膜と、前記第2の配線層と、がこの順で配されている、請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項8】
前記第2の酸化膜が、断面視において前記第2の基板の少なくとも一部を覆っている、請求項
7に記載の固体撮像装置。
【請求項9】
画素単位で画素信号を生成する撮像素子および第1の配線層を有する第1の基板と、
該画素信号の信号処理に必要な第1の信号処理回路および第2の配線層を有する第2の基板と、
該画素信号の信号処理に必要な第2の信号処理回路および第3の配線層を有する第3の基板と、
単結晶シリコン、アモルファスシリコン及び多結晶シリコンからなる群から選ばれる少なくとも1種のシリコンを含むシリコン含有層と、を含み、
該第1の基板と該第2の基板とが電気的に接続され、
該第1の基板と該第3の基板とが電気的に接続され、
該第1の基板と、該シリコン含有層と、該第2の基板とが、この順で配され、
該第1の基板と、該シリコン含有層と、該第3の基板とが、この順で配され、
前記第1の配線層と前記第2の配線層とが、Cu-Cu接合により、電気的に接続され、
前記第1の配線層と前記第3の配線層とが、Cu-Cu接合により、電気的に接続され、
前記Cu-Cu接合が、前記シリコン含有層と、前記第2の基板及び/又は前記第3の基板と、の界面に配される、
固体撮像装置。
【請求項10】
前記第2の基板と、前記第3の基板とが略同一層に形成される、請求項
9に記載の固体撮像装置。
【請求項11】
前記シリコン含有層を貫通する第1貫通ビア及び第2貫通ビアが形成され、
該第1貫通ビアを介して、前記第1の基板と、前記第2の基板とが、Cu-Cu接合により、電気的に接続され、
該第2貫通ビアを介して、前記第1の基板と、前記第3の基板とが、Cu-Cu接合により、電気的に接続される、請求項
9に記載の固体撮像装置。
【請求項12】
前記シリコン含有層が、複数の該画素間で連続的に形成される、請求項
9に記載の固体撮像装置。
【請求項13】
前記シリコン含有層がドーパントを含む、請求項
9に記載の固体撮像装置。
【請求項14】
前記シリコン含有層中の前記ドーパントの含有量が1E18atoms/cm3以上である、請求項
13に記載の固体撮像装置。
【請求項15】
前記第2の基板及び/又は前記第3の基板の少なくとも一部が、第1の酸化膜に埋め込まれている、請求項
13に記載の固体撮像装置。
【請求項16】
前記第2の基
板が、前記第2の配線層上に形成された第2の酸化膜を含み、
前記シリコン含有層と、前記第2の酸化膜と、前記第2の配線層と、がこの順で配されている、請求項
13に記載の固体撮像装置。
【請求項17】
前記第2の酸化膜が、断面視において前記第2の基板及び/又は前記第3の基板の少なくとも一部を覆っている、請求項
16に記載の固体撮像装置。
【請求項18】
固体撮像装置が搭載されて、
該固体撮像装置が、
画素単位で画素信号を生成する撮像素子および第1の配線層を有する第1の基板と、
該画素信号の信号処理に必要な信号処理回路および第2の配線層を有する第2の基板と、
単結晶シリコン、アモルファスシリコン及び多結晶シリコンからなる群から選ばれる少なくとも1種のシリコンを含むシリコン含有層と、を含み、
該第1の基板と該第2の基板とが電気的に接続され、
該第1の基板と、該シリコン含有層と、該第2の基板とが、この順で配され、
前記第1の配線層と、前記第2の配線層とが、Cu-Cu接合により、電気的に接続され、
前記Cu-Cu接合が、前記第2の基板と前記シリコン含有層との界面に配される、
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、固体撮像装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサやCCD(Charge Coupled Device)などの固体撮像装置は、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなどに広く用いられている。
【0003】
近年、固体撮像装置を小型化にするための技術開発が盛んに行われ、例えば、固体撮像素子と信号処理回路や、メモリ回路などの回路をウェーハの状態で接合するWoW(Wafer on Wafer)により積層する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1で提案された技術では、固体撮像装置の小型化は達成できる可能性があるものの、固体撮像装置の更なる品質や信頼性の向上が図れないおそれがある。
【0006】
そこで、本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、固体撮像装置の更なる品質や信頼性の向上を実現することができる固体撮像装置、及びその固体撮像装置を搭載した電子機器を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上述の目的を解決するために鋭意研究を行った結果、固体撮像装置の更なる品質や信頼性の向上に成功し、本技術を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本技術では、第1の側面として、画素単位で画素信号を生成する撮像素子を有する第1の半導体素子と、
該画素信号の信号処理に必要な信号処理回路が埋め込み部材により埋め込まれた第2の半導体素子と、
シリコン含有層と、を含み、
該第1の半導体素子と該第2の半導体素子とが電気的に接続され、
該第1の半導体素子と、該シリコン含有層と、該第2の半導体素子とが、この順で配される、固体撮像装置を提供する。
【0009】
本技術に係る第1の側面の固体撮像装置において、前記シリコン含有層を貫通する貫通ビアが形成されてよく、該貫通ビアを介して、前記第1の半導体素子と、前記第2の半導体素子とが電気的に接続されてよい。
本技術に係る第1の側面の固体撮像装置において、前記第1の半導体素子と、前記第2の半導体素子とが、Cu-Cu接合により、電気的に接続されてよい。
本技術に係る第1の側面の固体撮像装置において、前記第1の半導体素子と、前記第2の半導体素子とが、Cu-Cu接合により、電気的に接続されてよく、
前記シリコン含有層が、前記第1の半導体素子と前記第2の半導体素子との該Cu-Cu接合の界面に形成されてよい。
本技術に係る第1の側面の固体撮像装置において、前記シリコン含有層を貫通する貫通ビアが形成されてよく、該貫通ビアを介して、前記第1の半導体素子と、前記第2の半導体素子とが、Cu-Cu接合により、電気的に接続されてよい。
【0010】
本技術に係る第1の側面の固体撮像装置において、前記シリコン含有層が、複数の該画素間で連続的に形成されてよい。
【0011】
本技術に係る第1の側面の固体撮像装置において、前記シリコン含有層が、単結晶シリコン、アモルファスシリコン及び多結晶シリコンからなる群から選ばれる少なくとも1種のシリコンを含んでよい。
【0012】
本技術に係る第1の側面の固体撮像装置において、前記シリコン含有層がドーパントを含んでよく、前記シリコン含有層中の前記ドーパントの含有量が1E18atoms/cm3以上でよい。
【0013】
また、本技術では、第2の側面として、画素単位で画素信号を生成する撮像素子を有する第1の半導体素子と、
該画素信号の信号処理に必要な第1の信号処理回路が埋め込み部材により埋め込まれた第2の半導体素子と、
該画素信号の信号処理に必要な第2の信号処理回路が埋め込み部材により埋め込まれた第3の半導体素子と、
シリコン含有層と、を含み、
該第1の半導体素子と該第2の半導体素子とが電気的に接続され、
該第1の半導体素子と該第3の半導体素子とが電気的に接続され、
該第1の半導体素子と、該シリコン含有層と、該第2の半導体素子とが、この順で配され、
該第1の半導体素子と、該シリコン含有層と、該第3の半導体素子とが、この順で配される、
固体撮像装置を提供する。
【0014】
本技術に係る第2の側面の固体撮像装置において、前記第2の半導体素子と、前記第3の半導体素子とが略同一層に形成されてよい。
【0015】
本技術に係る第2の側面の固体撮像装置において、前記シリコン含有層を貫通する第1貫通ビア及び第2貫通ビアが形成されてよく、
該第1貫通ビアを介して、前記第1の半導体素子と、前記第2の半導体素子とが電気的に接続されてよく、
該第2貫通ビアを介して、前記第1の半導体素子と、前記第3の半導体素子とが電気的に接続されてよい。
本技術に係る第2の側面の固体撮像装置において、前記第1の半導体素子と、前記第2の半導体素子とが、Cu-Cu接合により、電気的に接続されてよく、
前記第1の半導体素子と、前記第3の半導体素子とが、Cu-Cu接合により、電気的に接続されてよい。
本技術に係る第2の側面の固体撮像装置において、前記第1の半導体素子と、前記第2の半導体素子とが、Cu-Cu接合により、電気的に接続されてよく、
前記第1の半導体素子と、前記第3の半導体素子とが、Cu-Cu接合により、電気的に接続されてよく、
前記シリコン含有層が、前記第1の半導体素子と、前記第2の半導体素子及び前記第3の半導体素子との該Cu-Cu接合の界面に形成されてよい。
本技術に係る第2の側面の固体撮像装置において、前記シリコン含有層を貫通する第1貫通ビア及び第2貫通ビアが形成されてよく、
該第1貫通ビアを介して、前記第1の半導体素子と、前記第2の半導体素子とが、Cu-Cu接合により、電気的に接続されてよく、
該第2貫通ビアを介して、前記第1の半導体素子と、前記第3の半導体素子とが、Cu-Cu接合により、電気的に接続されてよい。
【0016】
本技術に係る第2の側面の固体撮像装置において、前記シリコン含有層が、複数の該画素間で連続的に形成されてよい。
【0017】
本技術に係る第2の側面の固体撮像装置において、前記シリコン含有層が、単結晶シリコン、アモルファスシリコン及び多結晶シリコンからなる群から選ばれる少なくとも1種のシリコンを含んでよい。
【0018】
本技術に係る第2の側面の固体撮像装置において、前記シリコン含有層がドーパントを含んでよく、前記シリコン含有層中の前記ドーパントの含有量が1E18atoms/cm3以上でよい。
【0019】
さらに、本技術では、第3の側面として、
固体撮像装置が搭載されて、
該固体撮像装置が、
画素単位で画素信号を生成する撮像素子を有する第1の半導体素子と、
該画素信号の信号処理に必要な信号処理回路が埋め込み部材により埋め込まれた第2の半導体素子と、
シリコン含有層と、を含み、
該第1の半導体素子と該第2の半導体素子とが電気的に接続され、
該第1の半導体素子と、該シリコン含有層と、該第2の半導体素子とが、この順で配される、
電子機器を提供し、
第4の側面として、
固体撮像装置が搭載されて、
該固体撮像装置が、
画素単位で画素信号を生成する撮像素子を有する第1の半導体素子と、
該画素信号の信号処理に必要な第1の信号処理回路が埋め込み部材により埋め込まれた第2の半導体素子と、
該画素信号の信号処理に必要な第2の信号処理回路が埋め込み部材により埋め込まれた第3の半導体素子と、
シリコン含有層と、を含み、
該第1の半導体素子と該第2の半導体素子とが電気的に接続され、
該第1の半導体素子と該第3の半導体素子とが電気的に接続され、
該第1の半導体素子と、該シリコン含有層と、該第2の半導体素子とが、この順で配され、
該第1の半導体素子と、該シリコン含有層と、該第3の半導体素子とが、この順で配される、
電子機器を提供し、
さらに、第5の側面として、
本技術に係る固体撮像装置が搭載された、電子機器を提供する。
【0020】
本技術によれば、固体撮像装置の更なる品質や信頼性の向上を実現することができる。なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本技術を適用した固体撮像装置の構成例を示す図である。
【
図2】本技術を適用した固体撮像装置の製造方法を説明するための図である。
【
図3】本技術を適用した固体撮像装置の製造方法を説明するための図である。
【
図4】本技術を適用した固体撮像装置の構成例を示す図である。
【
図5】本技術を適用した固体撮像装置の構成例を示す図である。
【
図6】本技術を適用した固体撮像装置の製造方法を説明するための図である。
【
図7】本技術を適用した固体撮像装置の製造方法を説明するための図である。
【
図9】本技術を適用した第1~第3の実施形態の固体撮像装置の使用例を示す図である。
【
図10】本技術を適用した第4の実施形態に係る電子機器の一例の機能ブロック図である。
【
図11】内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
【
図12】カメラヘッド及びCCUの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図13】車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図14】車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本技術を実施するための好適な形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。なお、特に断りがない限り、図面において、「上」とは図中の上方向又は上側を意味し、「下」とは、図中の下方向又は下側を意味し、「左」とは図中の左方向又は左側を意味し、「右」とは図中の右方向又は右側を意味する。また、図面については、同一又は同等の要素又は部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0023】
説明は以下の順序で行う。
1.本技術の概要
2.第1の実施形態(固体撮像装置の例1)
3.第2の実施形態(固体撮像装置の例2)
4.第3の実施形態(固体撮像装置の例3)
5.第4の実施形態(電子機器の例)
6.本技術を適用した固体撮像装置の使用例
7.内視鏡手術システムへの応用例
8.移動体への応用例
【0024】
<1.本技術の概要>
まず、本技術の概要について説明をする。
【0025】
イメージセンサとロジック(信号処理IC)、メモリなどのICを個片化して良品チップだけを並べ、ウェーハ化し、配線形成して、イメージセンサ(CIS)と貼り合わせして接続するデバイス構造を有する固体撮像装置がある。W o W(Wafer on Wafer)と比較して、歩留り損や面積Lossが少なく、Bump接続と比較して接続電極の微細化が可能となる。
【0026】
上記固体撮像装置について、
図8を用いて説明をする。
図8は、固体撮像装置111の断面図である。
【0027】
図8に示される固体撮像装置111には、
図8中の上側(光入射側)から、オンチップレンズ131-1、オンチップカラーフィルタ131-2、固体撮像素子120、配線層140、酸化膜135がこの順で積層され、その下(
図8中の下側)に、例えば、信号処理回路として、メモリ回路121及びロジック回路122が同一層に積層されている。メモリ回路121が、左側(
図8中の左側)に配置され、ロジック回路122が、右側(
図8中の右側)に配置されている。そして、
図8に示される固体撮像装置111には、メモリ回路121及びロジック回路122の下(
図8中の下側)に、サポート基板132が形成されている。
【0028】
すなわち、
図8に示されるように、固体撮像装置111は、固体撮像素子120、配線層140及び酸化膜135を有する第1の半導体素子111-aと、メモリ回路121、配線層141及び酸化膜136を有する第2の半導体素子111-bと、ロジック回路122、配線層142及び酸化膜136を有する第3の半導体素子111-cと、を含む。
【0029】
固体撮像素子120の配線層140に形成された端子120aのうち、メモリ回路121上の端子120aは、メモリ回路121の配線層141に形成された端子121aと、Cu-Cu接合により接続された配線134により電気的に接続されている。
【0030】
また、固体撮像素子120の配線層140に形成された端子120aのうち、ロジック回路122上の端子120aは、ロジック回路122の配線層142に形成された端子122aと、Cu-Cu接合により接続された配線134により電気的に接続される。
【0031】
メモリ回路121及び配線層141が形成された第2の半導体素子111-b、並びにロジック回路122及び配線層142が形成された第3の半導体素子111-cにおける、第2の半導体素子111-b及び第3の半導体素子111-cの周辺部の空間には、酸化膜133が満たされた状態となっている。これにより、第2の半導体素子111-b及び第3の半導体素子111-cは、酸化膜(絶縁膜)133に埋め込まれた状態となっている。
【0032】
また、第1の半導体素子111-aと、第2の半導体素子111-b及び第3の半導体素子111-cとの境界は、
図8中の上側(光入射側)から順に、酸化膜135と、酸化膜136とが形成されている。
【0033】
さらに、第2の半導体素子111-b及び第3の半導体素子111-cと、サポート基板132とは、酸化膜133及び酸化膜(
図1中では不図示、酸化膜133とサポート基板132との間の酸化膜)を介して接合されている。
【0034】
しかしながら、固体撮像装置111では、第3の半導体素子(例えば、ロジックチップ)と第2の半導素子(例えば、メモリーチップ)との間を絶縁膜(酸化膜等)(
図8中では酸化膜133)で埋めて平坦化すると、製造工程の中の熱処理時に、固体撮像装置の製造時に用いられる材料、例えば、埋め込み材料として用いられる絶縁材料と配線として用いられる金属材料(Cu、Al)との熱膨張差により、固体撮像素子を構成する、フォトダイオード(PD)が形成されたシリコン(Si)基板の膜厚のバラつきが発生し、最終的な撮像特性に影響を与えるおそれがある。また、チップ端面やロジック基板を構成するトランジスタで発生するホットキャリア発光(HC発光)(
図8中では発光Q)や、外部からの光(
図8中では光R)や、イメージセンサを透過してきた入射光の漏れ込みの光(
図8中では光P)の影響がチップの有無で変化し、撮像特性に影響を与えるおそれがある。
【0035】
本技術は上記の事情を鑑みてなされたものである。本技術に係る第1の側面としての固体撮像装置は、画素単位で画素信号を生成する撮像素子を有する第1の半導体素子と、該画素信号の信号処理に必要な信号処理回路が埋め込み部材により埋め込まれた第2の半導体素子と、シリコン含有層と、を含み、該第1の半導体素子と該第2の半導体素子とが電気的に接続され、該第1の半導体素子と、該シリコン含有層と、該第2の半導体素子とが、この順で配される、固体撮像装置である。
【0036】
また、本技術に係る第2の側面としての固体撮像装置は、画素単位で画素信号を生成する撮像素子を有する第1の半導体素子と、該画素信号の信号処理に必要な第1の信号処理回路が埋め込み部材により埋め込まれた第2の半導体素子と、該画素信号の信号処理に必要な第2の信号処理回路が埋め込み部材により埋め込まれた第3の半導体素子と、シリコン含有層と、を含み、該第1の半導体素子と該第2の半導体素子とが電気的に接続され、該第1の半導体素子と該第3の半導体素子とが電気的に接続され、該第1の半導体素子と、該シリコン含有層と、該第2の半導体素子とが、この順で配され、該第1の半導体素子と、該シリコン含有層と、該第3の半導体素子とが、この順で配される、固体撮像装置である。
【0037】
なお、本技術に係る固体撮像装置は、画素信号の信号処理に必要な信号処理回路が埋め込み部材により埋め込まれた半導体素子を、第1及び第2の側面に限定されずに、3つ以上の当該半導体素子を含んでいてもよい。また、シリコン(Si)含有層は、シリコン(Si)以外の元素、例えば、ゲルマニウム(Ge)等を含んでもよい。さらに、シリコン(Si)含有層はシリコン含有基板でもよい。
【0038】
本技術に係る固体撮像装置の一例においては、Chip(第2の半導体素子を構成するチップ又は第2の半導体素子及び第3の半導体素子を構成するチップ)と、Wafer(第1の半導体素子を構成するチップ)のCu-Cu接合界面にシリコン(Si)層を挟み込み、シリコン(Si)層はイメージセンサの画角内で分断されておらず、複数画素間で連続的に形成され、シリコン(Si)層を貫通するに貫通ビアが形成され、貫通ビアはChip側とCu-Cu接合されている。
【0039】
本技術によれば、固体撮像装置の更なる品質や信頼性の向上を実現することができる。詳しくは、本技術によれば、シリコン(Si)含有層を、Chip(例えば、第2の半導体素子を構成するチップ又は第2の半導体素子及び第3の半導体素子を構成するチップ)と、Wafer(第1の半導体素子を構成するチップ)との間に、シリコン(Si)含有層を導入することにより、剛性が強くなり、例えば、埋め込み材料(絶縁材料)と配線(金属材料)との熱膨張差によるフォトダイオード(PD)側への突き上げが低減して、撮像特性への影響が低減し、また、シリコン(Si)含有層が、外部からの光、ロジック基板からのホットキャリア発光(HC発光)、もれ込んだ入射光等を吸収し、撮像特性への影響を低減することができる。さらに、本技術によれば、高濃度のドーパントされたシリコン(Si)層を導入することにより、上下基板の電磁ノイズを遮断することができる。
【0040】
以下に、本技術に係る実施の形態について詳細に説明をする。
【0041】
<2.第1の実施形態(固体撮像装置の例1)>
本技術に係る第1の実施形態(固体撮像装置の例1)の固体撮像装置について、
図1~
図3を用いて、説明をする。
図1は、本技術に係る第1の実施形態の固体撮像装置1の断面図であり、
図2~
図3は、本技術に係る第1の実施形態の固体撮像装置1の製造方法を説明するための断面図である。
【0042】
図1に示される固体撮像装置1には、
図1中の上側(光入射側)から、オンチップレンズ131-1、オンチップカラーフィルタ131-2、固体撮像素子120、配線層140、酸化膜135、シリコン(Si)層501がこの順で積層され、その下(
図1中の下側)に、例えば、信号処理回路として、メモリ回路121及びロジック回路122が略同一層に積層されている。メモリ回路121が、左側(
図1中の左側)に配置され、ロジック回路122が、右側(
図1中の右側)に配置されている。そして、
図1に示される固体撮像装置1には、メモリ回路121及びロジック回路122の下(
図1中の下側)に、サポート基板132が形成されている。
【0043】
すなわち、
図1に示されるように、固体撮像装置1は、固体撮像素子120、配線層140及び酸化膜135を有する第1の半導体素子1-aと、メモリ回路121、配線層141及び酸化膜136を有する第2の半導体素子1-bと、ロジック回路122、配線層142及び酸化膜136を有する第3の半導体素子1-cと、を含み、第1の半導体素子1-aと、第2の半導体素子1-b及び第3の半導体素子1-cとの間に、シリコン含有層(第1の実施形態ではシリコン(Si)層501)が配されている(積層されている。)。
【0044】
シリコン(Si)層501は、固体撮像素子120(イメージセンサー)の画角内で分断されておらず、複数画素間で連続的に形成されいる構造でもよい。シリコン(Si)層501の厚さは、任意の厚さでよいが、可視光を吸収できるように3μm以上が好ましい。また、シリコン(Si)層501の厚さ(厚さAとする。)と、固体撮像素子120(シリコン(Si)基板)の厚さ(厚さBとする。)との関係は、A≧Bの関係式が成り立つことが好ましい。なお、シリコン(Si)層はシリコン(Si)基板でもよい。
【0045】
図1に示されるように、シリコン(Si)層は、チップ端面やロジック基板を構成するトランジスタで発生するホットキャリア発光(HC発光)(
図1中では発光Q)や、外部からの光(
図1中では光R)や、イメージセンサを透過してきた入射光の漏れ込みの光(
図1中では光P)を吸収する。
【0046】
固体撮像素子120の配線層140に形成された端子120aのうち、メモリ回路121上の端子120aは、メモリ回路121の配線層141に形成された端子121aと、Cu-Cu接合により接続されてシリコン層(Si)層501を貫通する貫通ビアを含む配線134により電気的に接続されている。
【0047】
また、固体撮像素子120の配線層140に形成された端子120aのうち、ロジック回路122上の端子120aは、ロジック回路122の配線層142に形成された端子122aと、Cu-Cu接合により接続されてシリコン層(Si)層501を貫通する貫通ビアを含む配線134により電気的に接続される。
【0048】
メモリ回路121及び配線層141が形成された第2の半導体素子1-b、並びにロジック回路122及び配線層142が形成された第3の半導体素子1-cにおける、半導体素子1-b及び半導体素子1-cの周辺部の空間には、酸化膜133が満たされた状態となっている。これにより、半導体素子1-b及び半導体素子1-cは、酸化膜(絶縁膜)133に埋め込まれた状態となっている。
【0049】
また、第1の半導体素子1-aと、第2の半導体素子1-b及び第3の半導体素子1-cとの境界領域は、
図1中の上側(光入射側)から順に、酸化膜135と、シリコン(Si)層501と、酸化膜136とが形成されている。すなわち、シリコン(Si)層501は、第1の半導体素子1-aと、第2の半導体素子1-b及び第3の半導体素子1-cとのCu-Cu接合の界面に形成されている。
【0050】
さらに、第2の半導体素子1-b及び第3の半導体素子1-cと、サポート基板132とは、酸化膜133及び酸化膜(
図1中では不図示、酸化膜133とサポート基板132との間の酸化膜)を介して接合されている。
【0051】
次に、
図2~
図3を用いて、固体撮像装置1の製造方法を説明する。
【0052】
図2(a)に示されるように、BEOL工程(配線工程、Back End of Line)において、固体撮像素子(イメージセンサー基板)上に配線層140を形成し、配線層140上に酸化膜135を形成して、第1の半導体素子(
図1中の第1の半導体素子1-aと同じ。)を製造する。
【0053】
シリコン(Si)層(シリコン(Si)基板でもよい。)501を第1の半導体素子(酸化膜135)上に貼り合わせる(
図2(b))。
【0054】
次に、
図2(C)に示されるように、シリコン(Si)層(シリコン(Si)基板)501を薄肉化する。
【0055】
Cu-Cu接合のために、端子120aに対して、シリコン(Si)層(シリコン(Si)基板)501を貫通する貫通ビアを含む配線134を形成し、
図2(d)に示されるように、固体撮像素子120等を有する第1の半導体素子と、個片化された第2の半導体素子(Memoryチップ)(
図1中の第2の半導体素子1-bと同じ。)及び第3の半導体素子(Logicチップ)(
図1中の第3の半導体素子1-cと同じ。)と、をCoW(Chip on Wafer)で、配線134によって、Cu-Cu接合して電気的に接続をする。なお、あらかじめ、第2の半導体素子(Memoryチップ)には、端子121aと、端子121aと接続する配線134とが形成され、第3の半導体素子(Logicチップ)には、端子122aと、端子122aと接続する配線134とが形成されている。
【0056】
図2(e)に示されるように、第2の半導体素子(Memoryチップ)のメモリ回路121を構成するシリコン(Si)基板及び第3の半導体素子(Logicチップ)のロジック回路122を構成するシリコン(Si)基板を薄膜化する。
【0057】
【0058】
図3(a)に示されるように、第2の半導体素子(Memoryチップ)及び第3の半導体素子(Logicチップ)における段差の埋め込み・平坦化を行う。チップ段差の埋め込み・平坦化には無機材料を用いてもよいし、有機材料を用いてもよいし、両者の組み合わせであってもよい。
図3(a)においては、埋め込み部材は酸化膜(絶縁膜)133である。
【0059】
図3(b)に示されるように、
図3(a)で示される下部(
図3(a)中の下側)の固体撮像素子120が、上部(
図3(b)中の上側)となるように反転させて、酸化膜133の下部(
図3(b)中の下側)に、酸化膜(絶縁膜、不図示)を介して、サポート基板132を貼り合わせ、固体撮像素子120を構成するシリコン(Si)基板を、所定の膜厚まで薄肉化する(
図3(c))。
【0060】
最後に、
図3(d)に示されるように、裏面遮光構造(不図示)を形成し、固体撮像素子120上にオンチップカラーフィルタ131-2を形成し、オンチップカラーフィルタ131-2上にオンチップレンズ131-1を形成する。そして、パッド(Pad)(不図示)の開口を行って、固体撮像装置1のデバイス構造が完成となり、固体撮像装置1が製造される。
【0061】
本技術に係る第1の実施形態の固体撮像装置1によれば、固体撮像装置の更なる品質や信頼性の向上を実現することができる。詳しくは、本技術に係る第1の実施形態の固体撮像装置1によれば、シリコン(Si)層501を、Chip(例えば、第2の半導体素子1-bを構成するチップ又は第2の半導体素子1-b及び第3の半導体素子1-cを構成するチップ)と、Wafer(第1の半導体素子1-aを構成するチップ)との間に、シリコン(Si)層501を導入することにより、剛性が強くなり、例えば、埋め込み材料(絶縁材料)と配線(金属材料)との熱膨張差によるフォトダイオード(PD)側への突き上げが低減して、撮像特性への影響が低減し、また、シリコン(Si)層501が、外部からの光、ロジック基板からのホットキャリア発光(HC発光)、漏れ込んだ入射光等を吸収し、撮像特性への影響を低減することができる。
【0062】
<3.第2の実施形態(固体撮像装置の例2)>
本技術に係る第1の実施形態(固体撮像装置の例1)の固体撮像装置について、
図4を用いて、説明をする。
図4は、本技術に係る第2の実施形態の固体撮像装置2の断面図である。
【0063】
図4に示される固体撮像装置2には、
図4中の上側(光入射側)から、オンチップレンズ131-1、オンチップカラーフィルタ131-2、固体撮像素子120、配線層140、酸化膜135、高濃度のドーパントを含むシリコン(Si)層502がこの順で積層され、その下(
図4中の下側)に、例えば、信号処理回路として、メモリ回路121及びロジック回路122が略同一層に積層されている。メモリ回路121が、左側(
図4中の左側)に配置され、ロジック回路122が、右側(
図4中の右側)に配置されている。そして、
図4に示される固体撮像装置2には、メモリ回路121及びロジック回路122の下(
図4中の下側)に、サポート基板132が形成されている。
【0064】
すなわち、
図4に示されるように、固体撮像装置2は、固体撮像素子120、配線層140及び酸化膜135を有する第1の半導体素子2-aと、メモリ回路121、配線層141及び酸化膜136を有する第2の半導体素子2-bと、ロジック回路122、配線層142及び酸化膜136を有する第3の半導体素子2-cと、を含み、第1の半導体素子2-aと、第2の半導体素子2-b及び第3の半導体素子2-cとの間に、シリコン含有層(第2の実施形態では高濃度のドーパントを含むシリコン(Si)層502)が配されている(積層されている。)。
【0065】
高濃度のドーパントを含むシリコン(Si)層502は、固体撮像素子120(イメージセンサー)の画角内で分断されておらず、複数画素間で連続的に形成されいる構造でもよい。シリコン(Si)層502の厚さは、任意の厚さでよいが、可視光を吸収できるように3μm以上が好ましい。また、高濃度のドーパントを含むシリコン(Si)層502の厚さ(厚さAとする。)と、固体撮像素子120(シリコン(Si)基板)の厚さ(厚さBとする。)との関係は、A≧Bの関係式が成り立つことが好ましい。なお、高濃度のドーパントを含むシリコン(Si)層502は高濃度のドーパントを含むシリコン(Si)基板でもよい。
【0066】
高濃度のドーパントを含むシリコン(Si)層502は、高濃度にドーピング(例えば、1E18atoms/cm
3以上のドーパントを含む。)された構造を有する。高濃度のドーパントを含むシリコン(Si)層502は、金属のように振る舞うことができ、結果として、
図2中の上下基板(第1の半導体素子2-aを構成するシリコン(Si)基板、第2の半導体素子2-bを構成するシリコン(Si)基板及び第3の半導体素子を構成するシリコン(Si)基板)の電磁ノイズを遮断する機能を有する。ドーパントは、例えば、ホウ素(B)、リン(P)、ヒ素(As)等である。
【0067】
図2には示されていないが、第1の実施形態の固体撮像装置1と同様に、高濃度のドーパントを含むシリコン(Si)層502は、チップ端面やロジック基板を構成するトランジスタで発生するホットキャリア発光(HC発光)や、外部からの光や、固体撮像素子(イメージセンサ)120を透過してきた入射光の漏れ込みの光を吸収することができる。
【0068】
固体撮像素子120の配線層140に形成された端子120aのうち、メモリ回路121上の端子120aは、メモリ回路121の配線層141に形成された端子121aと、Cu-Cu接合により接続されて高濃度のドーパントを含むシリコン(Si)層502を貫通する貫通ビアを含む配線134により電気的に接続されている。
【0069】
また、固体撮像素子120の配線層140に形成された端子120aのうち、ロジック回路122上の端子120aは、ロジック回路122の配線層142に形成された端子122aと、Cu-Cu接合により接続されて高濃度のドーパントを含むシリコン層(Si)層502を貫通する貫通ビアを含む配線134により電気的に接続される。
【0070】
メモリ回路121及び配線層141が形成された第2の半導体素子2-b、並びにロジック回路122及び配線層142が形成された第3の半導体素子2-cにおける、半導体素子2-b及び半導体素子2-cの周辺部の空間には、酸化膜(絶縁膜)133が満たされた状態となっている。これにより、半導体素子2-b及び半導体素子2-cは、酸化膜(絶縁膜)133に埋め込まれた状態となっている。
【0071】
また、第1の半導体素子2-aと、第2の半導体素子2-b及び第3の半導体素子2-cとの境界領域は、
図4中の上側(光入射側)から順に、酸化膜135と、高濃度のドーパントを含むシリコン(Si)層502と、酸化膜136とが形成されている。すなわち、高濃度のドーパントを含むシリコン(Si)層502は、第1の半導体素子2-aと、第2の半導体素子2-b及び第3の半導体素子2-cとのCu-Cu接合の界面に形成されている。
【0072】
さらに、第2の半導体素子2-b及び第3の半導体素子2-cと、サポート基板132とは、酸化膜(絶縁膜)133及び酸化膜(
図2中では不図示、酸化膜133とサポート基板132との間の酸化膜)を介して接合されている。
【0073】
固体撮像装置2の製造方法においては、シリコン(Si)層501(シリコン(Si)基板でもよい。)を、高濃度のドーパントを含むシリコン(Si)層502(高濃度のドーパントを含むシリコン(Si)基板でもよい。)に代えて、上記で説明をした
図2~
図3の内容がそのまま適用され得る。
【0074】
本技術に係る第2の実施形態の固体撮像装置2によれば、固体撮像装置の更なる品質や信頼性の向上を実現することができる。詳しくは、本技術に係る第2の実施形態の固体撮像装置2によれば、高濃度のドーパントを含むシリコン(Si)層502を、Chip(例えば、第2の半導体素子2-bを構成するチップ又は第2の半導体素子2-b及び第3の半導体素子2-cを構成するチップ)と、Wafer(第1の半導体素子2-aを構成するチップ)との間に、高濃度のドーパントを含むシリコン(Si)層502を導入することにより、剛性が強くなり、例えば、埋め込み材料(絶縁材料)と配線(金属材料)との熱膨張差によるフォトダイオード(PD)側への突き上げが低減して、撮像特性への影響が低減し、また、高濃度のドーパントを含むシリコン(Si)層502が、外部からの光、ロジック基板からのホットキャリア発光(HC発光)、漏れ込んだ入射光等を吸収し、撮像特性への影響を低減することができる。さらに、上述したように、本技術に係る第2の実施形態の固体撮像装置2によれば、高濃度のドーパントされたシリコン(Si)層502を導入することにより、上下基板の電磁ノイズを遮断することができる。
【0075】
<4.第3の実施形態(固体撮像装置の例3)>
本技術に係る第3の実施形態(固体撮像装置の例3)の固体撮像装置について、
図5~
図7を用いて、説明をする。
図5は、本技術に係る第3の実施形態の固体撮像装置3の断面図であり、
図6~
図7は、本技術に係る第3の実施形態の固体撮像装置3の製造方法を説明するための断面図である。
【0076】
図5に示される固体撮像装置3には、
図5中の上側(光入射側)から、オンチップレンズ131-1、オンチップカラーフィルタ131-2、固体撮像素子120、配線層140、酸化膜135、アモルファスシリコン(Si)層503がこの順で積層され、その下(
図5中の下側)に、例えば、信号処理回路として、メモリ回路121及びロジック回路122が略同一層に積層されている。メモリ回路121が、左側(
図5中の左側)に配置され、ロジック回路122が、右側(
図5中の右側)に配置されている。そして、
図5に示される固体撮像装置3には、メモリ回路121及びロジック回路122の下(
図5中の下側)にサポート基板132が形成されている。
【0077】
すなわち、
図5に示されるように、固体撮像装置3は、固体撮像素子120、配線層140及び酸化膜135を有する第1の半導体素子3-aと、メモリ回路121、配線層141及び酸化膜136を有する第2の半導体素子3-bと、ロジック回路122、配線層142及び酸化膜136を有する第3の半導体素子3-cと、を含み、第1の半導体素子3-aと、第2の半導体素子3-b及び第3の半導体素子3-cとの間に、シリコン含有層(第3の実施形態ではアモルファスシリコン(Si)層503)が配されている(積層されている。)。
【0078】
アモルファスシリコン(Si)層503は、固体撮像素子120(イメージセンサー)の画角内で分断されておらず、複数画素間で連続的に形成されいる構造でもよい。アモルファスシリコン(Si)層503の厚さは、任意の厚さでよいが、可視光を吸収できるように3μm以上が好ましい。また、アモルファスシリコン(Si)層503の厚さ(厚さAとする。)と、固体撮像素子120(シリコン(Si)基板)の厚さ(厚さBとする。)との関係は、A≧Bの関係式が成り立つことが好ましい。
【0079】
図5に示されるように、アモルファスシリコン(Si)層は、チップ端面やロジック基板を構成するトランジスタで発生するホットキャリア発光(HC発光)(
図5中では発光Q)や、外部からの光(
図5中では光R)や、固体撮像素子(イメージセンサ)120を透過してきた入射光の漏れ込みの光(
図5中では光P)を吸収する。
【0080】
固体撮像素子120の配線層140に形成された端子120aのうち、メモリ回路121上の端子120aは、メモリ回路121の配線層141に形成された端子121aと、Cu-Cu接合により接続されてアモルファスシリコン(Si)層503を貫通する貫通ビアを含む配線134により電気的に接続されている。
【0081】
また、固体撮像素子120の配線層140に形成された端子120aのうち、ロジック回路122上の端子120aは、ロジック回路122の配線層142に形成された端子122aと、Cu-Cu接合により接続されてアモルファスシリコン(Si)層503を貫通する貫通ビアを含む配線134により電気的に接続される。
【0082】
メモリ回路121及び配線層141が形成された第2の半導体素子3-b、並びにロジック回路122及び配線層142が形成された第3の半導体素子3-cにおける、半導体素子3-b及び半導体素子3-cの周辺部の空間には、酸化膜(絶縁膜)133が満たされた状態となっている。これにより、半導体素子3-b及び半導体素子3-cは、酸化膜(絶縁膜)133に埋め込まれた状態となっている。
【0083】
また、第1の半導体素子3-aと、第2の半導体素子3-b及び第3の半導体素子3-cとの境界領域は、
図5中の上側(光入射側)から順に、酸化膜135と、アモルファスシリコン(Si)層503と、酸化膜136とが形成されている。すなわち、アモルファスシリコン(Si)層503は、第1の半導体素子3-aと、第2の半導体素子3-b及び第3の半導体素子3-cとのCu-Cu接合の界面に形成されている。
【0084】
さらに、第2の半導体素子3-b及び第3の半導体素子3-cと、サポート基板132とは、酸化膜(絶縁膜)133及び酸化膜(
図2中では不図示、酸化膜133とサポート基板132との間の酸化膜)を介して接合されている。
【0085】
次に、
図6~
図7を用いて、固体撮像装置3の製造方法を説明する。
【0086】
図6(a)に示されるように、BEOL工程(配線工程、Back End of Lin
e)において、固体撮像素子(イメージセンサー基板)120上に配線層140を形成し、配線層140上に酸化膜135を形成して、第1の半導体素子(
図5中の第1の半導体素子3-aと同じ。)を製造する。
【0087】
アモルファスシリコン(Si)層503を、CVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて、第1の半導体素子(酸化膜135)上に形成する(
図6(b))。アモルファスシリコン(Si)層503は、配線層140に、銅(Cu)配線が形成されいる場合には、CVD法を用いて400℃以下で成膜されることが好ましい。シリコン(Si)含有層として、アモルファスシリコン(Si)層503に代えて、多結晶シリコン(Si)層が用いられてもよく、単結晶シリコン(Si)層が用いられてもよく、アモルファスシリコン(Si)、多結晶シリコン(Si)及び単結晶シリコン(Si)の中から任意に選んだ組み合わせのシリコン(Si)が用いられてもよい。アモルファスシリコン(Si)層503の厚みは任意の厚さでよいが、3μm以上の厚さが好ましい。
【0088】
Cu-Cu接合のために、端子120aに対して、アモルファスシリコン(Si)層503を貫通する貫通ビアを含む配線134を形成し、
図6(c)に示されるように、固体撮像素子120等を有する第1の半導体素子と、個片化された第2の半導体素子(Memoryチップ)(
図5中の第2の半導体素子3-bと同じ。)及び第3の半導体素子(Logicチップ)(
図5中の第3の半導体素子3-cと同じ。)と、をCoW(Chip
on Wafer)で、配線134によって、Cu-Cu接合して電気的に接続をする。なお、あらかじめ、第2の半導体素子(Memoryチップ)には、端子121aと、端子121aと接続する配線134とが形成され、第3の半導体素子(Logicチップ)には、端子122aと、端子122aと接続する配線134とが形成されている。
【0089】
図6(d)に示されるように、第2の半導体素子(Memoryチップ)のメモリ回路121を構成するシリコン(Si)基板及び第3の半導体素子(Logicチップ)のロジック回路122を構成するシリコン(Si)基板を薄膜化する。
【0090】
【0091】
図7(a)に示されるように、第2の半導体素子(Memoryチップ)及び第3の半導体素子(Logicチップ)における段差の埋め込み・平坦化を行う。チップ段差の埋め込み・平坦化には無機材料を用いてもよいし、有機材料を用いてもよいし、両者の組み合わせであってもよい。
図7(a)においては、埋め込み部材は酸化膜(絶縁膜)133である。
【0092】
図7(b)に示されるように、
図7(a)で示される下部(
図7(a)中の下側)の固体撮像素子120が、上部(
図7(b)中の上側)となるように反転させて、酸化膜133の下部(
図3(b)中の下側)に、酸化膜(絶縁膜、不図示)を介して、サポート基板132を貼り合わせ、固体撮像素子120を構成するシリコン(Si)基板を、所定の膜厚まで薄肉化する(
図7(c))。
【0093】
最後に、
図7(d)に示されるように、裏面遮光構造(不図示)を形成し、固体撮像素子120上にオンチップカラーフィルタ131-2を形成し、オンチップカラーフィルタ131-2上にオンチップレンズ131-1を形成する。そして、パッド(Pad)(不図示)の開口を行って、固体撮像装置3のデバイス構造が完成となり、固体撮像装置3が製造される。
【0094】
本技術に係る第3の実施形態の固体撮像装置3によれば、固体撮像装置の更なる品質や信頼性の向上を実現することができる。詳しくは、本技術に係る第3の実施形態の固体撮像装置3によれば、アモルファスシリコン(Si)層503を、Chip(例えば、第2の半導体素子3-bを構成するチップ又は第2の半導体素子3-b及び第3の半導体素子3-cを構成するチップ)と、Wafer(第1の半導体素子3-aを構成するチップ)との間に、アモルファスシリコン(Si)層503を導入することにより、剛性が強くなり、例えば、埋め込み材料(絶縁材料)と配線(金属材料)との熱膨張差によるフォトダイオード(PD)側への突き上げが低減して、撮像特性への影響が低減し、また、アモルファスシリコン(Si)層503が、外部からの光、ロジック基板からのホットキャリア発光(HC発光)、漏れ込んだ入射光等を吸収し、撮像特性への影響を低減することができる。
【0095】
<5.第4の実施形態(電子機器の例)>
本技術に係る第4の実施形態の電子機器は、第1の側面として、本技術に係る第1の側面の固体撮像装置が搭載された電子機器であり、本技術に係る第1の側面の固体撮像装置は、画素単位で画素信号を生成する撮像素子を有する第1の半導体素子と、該画素信号の信号処理に必要な信号処理回路が埋め込み部材により埋め込まれた第2の半導体素子と、シリコン含有層と、を含み、該第1の半導体素子と該第2の半導体素子とが電気的に接続され、該第1の半導体素子と、該シリコン含有層と、該第2の半導体素子とが、この順で配される、固体撮像装置である。
【0096】
また、本技術に係る第4の実施形態の電子機器は、第2の側面として、本技術に係る第2の側面の固体撮像装置が搭載された電子機器であり、本技術に係る第2の側面の固体撮像装置は、画素単位で画素信号を生成する撮像素子を有する第1の半導体素子と、該画素信号の信号処理に必要な第1の信号処理回路が埋め込み部材により埋め込まれた第2の半導体素子と、該画素信号の信号処理に必要な第2の信号処理回路が埋め込み部材により埋め込まれた第3の半導体素子と、シリコン含有層と、を含み、該第1の半導体素子と該第2の半導体素子とが電気的に接続され、該第1の半導体素子と該第3の半導体素子とが電気的に接続され、該第1の半導体素子と、該シリコン含有層と、該第2の半導体素子とが、この順で配され、該第1の半導体素子と、該シリコン含有層と、該第3の半導体素子とが、この順で配される、固体撮像装置である。
【0097】
例えば、本技術に係る第4の実施形態の電子機器は、本技術に係る第1の実施形態~第3の実施形態の固体撮像装置のうち、いずれか一つ実施形態の固体撮像装置が搭載された電子機器である。
【0098】
<6.本技術を適用した固体撮像装置の使用例>
図9は、イメージセンサとしての本技術に係る第1~第3の実施形態の固体撮像装置の使用例を示す図である。
【0099】
上述した第1~第3の実施形態の固体撮像装置は、例えば、以下のように、可視光や、赤外光、紫外光、X線等の光をセンシングするさまざまなケースに使用することができる。すなわち、
図9に示すように、例えば、鑑賞の用に供される画像を撮影する鑑賞の分野、交通の分野、家電の分野、医療・ヘルスケアの分野、セキュリティの分野、美容の分野、スポーツの分野、農業の分野等において用いられる装置(例えば、上述した第5の実施形態の電子機器)に、第1~第3の実施形態のいずれか1つの実施形態の固体撮像装置を使用することができる。
【0100】
具体的には、鑑賞の分野においては、例えば、デジタルカメラやスマートフォン、カメラ機能付きの携帯電話機等の、鑑賞の用に供される画像を撮影するための装置に、第1~第3の実施形態のいずれか1つの実施形態の固体撮像装置を使用することができる。
【0101】
交通の分野においては、例えば、自動停止等の安全運転や、運転者の状態の認識等のために、自動車の前方や後方、周囲、車内等を撮影する車載用センサ、走行車両や道路を監視する監視カメラ、車両間等の測距を行う測距センサ等の、交通の用に供される装置に、第1~第3の実施形態のいずれか1つの実施形態の固体撮像装置を使用することができる。
【0102】
家電の分野においては、例えば、ユーザのジェスチャを撮影して、そのジェスチャに従った機器操作を行うために、テレビ受像機や冷蔵庫、エアーコンディショナ等の家電に供される装置で、第1~第3の実施形態のいずれか1つの実施形態の固体撮像装置を使用することができる。
【0103】
医療・ヘルスケアの分野においては、例えば、内視鏡や、赤外光の受光による血管撮影を行う装置等の、医療やヘルスケアの用に供される装置に、第1~第3の実施形態のいずれか1つの実施形態の固体撮像装置を使用することができる。
【0104】
セキュリティの分野においては、例えば、防犯用途の監視カメラや、人物認証用途のカメラ等の、セキュリティの用に供される装置に、第1~第3の実施形態のいずれか1つの実施形態の固体撮像装置を使用することができる。
【0105】
美容の分野においては、例えば、肌を撮影する肌測定器や、頭皮を撮影するマイクロスコープ等の、美容の用に供される装置に、第1~第3の実施形態のいずれか1つの実施形態の固体撮像装置を使用することができる。
【0106】
スポーツの分野において、例えば、スポーツ用途等向けのアクションカメラやウェアラプルカメラ等の、スポーツの用に供される装置に、第1~第3の実施形態のいずれか1つの実施形態の固体撮像装置を使用することができる。
【0107】
農業の分野においては、例えば、畑や作物の状態を監視するためのカメラ等の、農業の用に供される装置に、第1~第3の実施形態のいずれか1つの実施形態の固体撮像装置を使用することができる。
【0108】
次に、本技術に係る第1~第3の実施形態の固体撮像装置の使用例を具体的に説明する。例えば、上述で説明をした第1~第3の実施形態のいずれか1つの実施形態の固体撮像装置は、固体撮像装置101として、例えばデジタルスチルカメラやビデオカメラ等のカメラシステムや、撮像機能を有する携帯電話など、撮像機能を備えたあらゆるタイプの電子機器に適用することができる。
図10に、その一例として、電子機器102(カメラ)の概略構成を示す。この電子機器102は、例えば静止画または動画を撮影可能なビデオカメラであり、固体撮像装置101と、光学系(光学レンズ)310と、シャッタ装置311と、固体撮像装置101およびシャッタ装置311を駆動する駆動部313と、信号処理部312とを有する。
【0109】
光学系310は、被写体からの像光(入射光)を固体撮像装置101の画素部101aへ導くものである。この光学系310は、複数の光学レンズから構成されていてもよい。シャッタ装置311は、固体撮像装置101への光照射期間および遮光期間を制御するものである。駆動部313は、固体撮像装置101の転送動作およびシャッタ装置311のシャッタ動作を制御するものである。信号処理部312は、固体撮像装置101から出力された信号に対し、各種の信号処理を行うものである。信号処理後の映像信号Doutは、メモリなどの記憶媒体に記憶されるか、あるいは、モニタ等に出力される。
【0110】
<7.内視鏡手術システムへの応用例>
本技術は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術(本技術)は、内視鏡手術システムに適用されてもよい。
【0111】
図11は、本開示に係る技術(本技術)が適用され得る内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
【0112】
図11では、術者(医師)11131が、内視鏡手術システム11000を用いて、患者ベッド11133上の患者11132に手術を行っている様子が図示されている。図示するように、内視鏡手術システム11000は、内視鏡11100と、気腹チューブ11111やエネルギー処置具11112等の、その他の術具11110と、内視鏡11100を支持する支持アーム装置11120と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート11200と、から構成される。
【0113】
内視鏡11100は、先端から所定の長さの領域が患者11132の体腔内に挿入される鏡筒11101と、鏡筒11101の基端に接続されるカメラヘッド11102と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒11101を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡11100を図示しているが、内視鏡11100は、軟性の鏡筒を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
【0114】
鏡筒11101の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡11100には光源装置11203が接続されており、当該光源装置11203によって生成された光が、鏡筒11101の内部に延設されるライトガイドによって当該鏡筒の先端まで導光され、対物レンズを介して患者11132の体腔内の観察対象に向かって照射される。なお、内視鏡11100は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡又は側視鏡であってもよい。
【0115】
カメラヘッド11102の内部には光学系及び撮像素子が設けられており、観察対象からの反射光(観察光)は当該光学系によって当該撮像素子に集光される。当該撮像素子によって観察光が光電変換され、観察光に対応する電気信号、すなわち観察像に対応する画像信号が生成される。当該画像信号は、RAWデータとしてカメラコントロールユニット(CCU: Camera Control Unit)11201に送信される。
【0116】
CCU11201は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡11100及び表示装置11202の動作を統括的に制御する。さらに、CCU11201は、カメラヘッド11102から画像信号を受け取り、その画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。
【0117】
表示装置11202は、CCU11201からの制御により、当該CCU11201によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。
【0118】
光源装置11203は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の光源から構成され、術部等を撮影する際の照射光を内視鏡11100に供給する。
【0119】
入力装置11204は、内視鏡手術システム11000に対する入力インタフェースである。ユーザは、入力装置11204を介して、内視鏡手術システム11000に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。例えば、ユーザは、内視鏡11100による撮像条件(照射光の種類、倍率及び焦点距離等)を変更する旨の指示等を入力する。
【0120】
処置具制御装置11205は、組織の焼灼、切開又は血管の封止等のためのエネルギー処置具11112の駆動を制御する。気腹装置11206は、内視鏡11100による視野の確保及び術者の作業空間の確保の目的で、患者11132の体腔を膨らめるために、気腹チューブ11111を介して当該体腔内にガスを送り込む。レコーダ11207は、手術に関する各種の情報を記録可能な装置である。プリンタ11208は、手術に関する各種の情報を、テキスト、画像又はグラフ等各種の形式で印刷可能な装置である。
【0121】
なお、内視鏡11100に術部を撮影する際の照射光を供給する光源装置11203は、例えばLED、レーザ光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成することができる。RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度及び出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置11203において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
【0122】
また、光源装置11203は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。その光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれ及び白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
【0123】
また、光源装置11203は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、通常の観察時における照射光(すなわち、白色光)に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する、いわゆる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging)が行われる。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し当該体組織からの蛍光を観察すること(自家蛍光観察)、又はインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに当該体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得ること等を行うことができる。光源装置11203は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光及び/又は励起光を供給可能に構成され得る。
【0124】
図12は、
図11に示すカメラヘッド11102及びCCU11201の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0125】
カメラヘッド11102は、レンズユニット11401と、撮像部11402と、駆動部11403と、通信部11404と、カメラヘッド制御部11405と、を有する。CCU11201は、通信部11411と、画像処理部11412と、制御部11413と、を有する。カメラヘッド11102とCCU11201とは、伝送ケーブル11400によって互いに通信可能に接続されている。
【0126】
レンズユニット11401は、鏡筒11101との接続部に設けられる光学系である。鏡筒11101の先端から取り込まれた観察光は、カメラヘッド11102まで導光され、当該レンズユニット11401に入射する。レンズユニット11401は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成される。
【0127】
撮像部11402は、撮像素子で構成される。撮像部11402を構成する撮像素子は、1つ(いわゆる単板式)であってもよいし、複数(いわゆる多板式)であってもよい。撮像部11402が多板式で構成される場合には、例えば各撮像素子によってRGBそれぞれに対応する画像信号が生成され、それらが合成されることによりカラー画像が得られてもよい。あるいは、撮像部11402は、3D(Dimensional)表示に対応する右目用及び左目用の画像信号をそれぞれ取得するための1対の撮像素子を有するように構成されてもよい。3D表示が行われることにより、術者11131は術部における生体組織の奥行きをより正確に把握することが可能になる。なお、撮像部11402が多板式で構成される場合には、各撮像素子に対応して、レンズユニット11401も複数系統設けられ得る。
【0128】
また、撮像部11402は、必ずしもカメラヘッド11102に設けられなくてもよい。例えば、撮像部11402は、鏡筒11101の内部に、対物レンズの直後に設けられてもよい。
【0129】
駆動部11403は、アクチュエータによって構成され、カメラヘッド制御部11405からの制御により、レンズユニット11401のズームレンズ及びフォーカスレンズを光軸に沿って所定の距離だけ移動させる。これにより、撮像部11402による撮像画像の倍率及び焦点が適宜調整され得る。
【0130】
通信部11404は、CCU11201との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11404は、撮像部11402から得た画像信号をRAWデータとして伝送ケーブル11400を介してCCU11201に送信する。
【0131】
また、通信部11404は、CCU11201から、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を受信し、カメラヘッド制御部11405に供給する。当該制御信号には、例えば、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報、撮像時の露出値を指定する旨の情報、並びに/又は撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報等、撮像条件に関する情報が含まれる。
【0132】
なお、上記のフレームレートや露出値、倍率、焦点等の撮像条件は、ユーザによって適宜指定されてもよいし、取得された画像信号に基づいてCCU11201の制御部11413によって自動的に設定されてもよい。後者の場合には、いわゆるAE(Auto Exposure)機能、AF(Auto Focus)機能及びAWB(Auto White Balance)機能が内視鏡11100に搭載されていることになる。
【0133】
カメラヘッド制御部11405は、通信部11404を介して受信したCCU11201からの制御信号に基づいて、カメラヘッド11102の駆動を制御する。
【0134】
通信部11411は、カメラヘッド11102との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11411は、カメラヘッド11102から、伝送ケーブル11400を介して送信される画像信号を受信する。
【0135】
また、通信部11411は、カメラヘッド11102に対して、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を送信する。画像信号や制御信号は、電気通信や光通信等によって送信することができる。
【0136】
画像処理部11412は、カメラヘッド11102から送信されたRAWデータである画像信号に対して各種の画像処理を施す。
【0137】
制御部11413は、内視鏡11100による術部等の撮像、及び、術部等の撮像により得られる撮像画像の表示に関する各種の制御を行う。例えば、制御部11413は、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を生成する。
【0138】
また、制御部11413は、画像処理部11412によって画像処理が施された画像信号に基づいて、術部等が映った撮像画像を表示装置11202に表示させる。この際、制御部11413は、各種の画像認識技術を用いて撮像画像内における各種の物体を認識してもよい。例えば、制御部11413は、撮像画像に含まれる物体のエッジの形状や色等を検出することにより、鉗子等の術具、特定の生体部位、出血、エネルギー処置具11112の使用時のミスト等を認識することができる。制御部11413は、表示装置11202に撮像画像を表示させる際に、その認識結果を用いて、各種の手術支援情報を当該術部の画像に重畳表示させてもよい。手術支援情報が重畳表示され、術者11131に提示されることにより、術者11131の負担を軽減することや、術者11131が確実に手術を進めることが可能になる。
【0139】
カメラヘッド11102及びCCU11201を接続する伝送ケーブル11400は、電気信号の通信に対応した電気信号ケーブル、光通信に対応した光ファイバ、又はこれらの複合ケーブルである。
【0140】
ここで、図示する例では、伝送ケーブル11400を用いて有線で通信が行われていたが、カメラヘッド11102とCCU11201との間の通信は無線で行われてもよい。
【0141】
以上、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、内視鏡11100や、カメラヘッド11102(の撮像部11402)等に適用され得る。具体的には、本開示の固体撮像装置111は、撮像部10402に適用することができる。内視鏡11100や、カメラヘッド11102(の撮像部11402)等に本開示に係る技術を適用することにより、歩留まりを向上させ、製造に係るコストを低減させることが可能となる。
【0142】
ここでは、一例として内視鏡手術システムについて説明したが、本開示に係る技術は、その他、例えば、顕微鏡手術システム等に適用されてもよい。
【0143】
<8.移動体への応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0144】
図13は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0145】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。
図13に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
【0146】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0147】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0148】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
【0149】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
【0150】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0151】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0152】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0153】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0154】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。
図13の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0155】
図14は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
【0156】
図14では、車両12100は、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
【0157】
撮像部12101,12102,12103,12104,12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。撮像部12101及び12105で取得される前方の画像は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0158】
なお、
図14には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0159】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0160】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0161】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0162】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0163】
以上、本開示に係る技術(本技術)が適用され得る車両制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、例えば、撮像部12031等に適用され得る。具体的には、本開示の固体撮像装置111は、撮像部12031に適用することができる。撮像部12031に本開示に係る技術を適用することにより、歩留まりを向上させ、製造に係るコストを低減させることが可能となる。
【0164】
なお、本技術は、上述した実施形態及び応用例に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0165】
また、本明細書に記載された効果はあくまでも例示であって限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。
【0166】
また、本技術は、以下のような構成も取ることができる。
[1]
画素単位で画素信号を生成する撮像素子を有する第1の半導体素子と、
該画素信号の信号処理に必要な信号処理回路が埋め込み部材により埋め込まれた第2の半導体素子と、
シリコン含有層と、を含み、
該第1の半導体素子と該第2の半導体素子とが電気的に接続され、
該第1の半導体素子と、該シリコン含有層と、該第2の半導体素子とが、この順で配される、固体撮像装置。
[2]
前記シリコン含有層を貫通する貫通ビアが形成され、該貫通ビアを介して、前記第1の半導体素子と、前記第2の半導体素子とが電気的に接続される、[1]に記載の固体撮像装置。
[3]
前記第1の半導体素子と、前記第2の半導体素子とが、Cu-Cu接合により、電気的に接続される、[1]又は[2]に記載の固体撮像装置。
[4]
前記第1の半導体素子と、前記第2の半導体素子とが、Cu-Cu接合により、電気的に接続され、
前記シリコン含有層が、前記第1の半導体素子と前記第2の半導体素子との該Cu-Cu接合の界面に形成される、[1]又は[2]に記載の固体撮像装置。
[5]
前記シリコン含有層を貫通する貫通ビアが形成され、該貫通ビアを介して、前記第1の半導体素子と、前記第2の半導体素子とが、Cu-Cu接合により、電気的に接続される、[1]から[4]のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
[6]
前記シリコン含有層が、複数の該画素間で連続的に形成される、[1]から[5]のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
[7]
前記シリコン含有層が、単結晶シリコン、アモルファスシリコン及び多結晶シリコンからなる群から選ばれる少なくとも1種のシリコンを含む、[1]から[6]のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
[8]
前記シリコン含有層がドーパントを含む、[1]から[7]のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
[9]
前記シリコン含有層中の前記ドーパントの含有量が1E18atoms/cm3以上である、[8]に記載の固体撮像装置。
[10]
画素単位で画素信号を生成する撮像素子を有する第1の半導体素子と、
該画素信号の信号処理に必要な第1の信号処理回路が埋め込み部材により埋め込まれた第2の半導体素子と、
該画素信号の信号処理に必要な第2の信号処理回路が埋め込み部材により埋め込まれた第3の半導体素子と、
シリコン含有層と、を含み、
該第1の半導体素子と該第2の半導体素子とが電気的に接続され、
該第1の半導体素子と該第3の半導体素子とが電気的に接続され、
該第1の半導体素子と、該シリコン含有層と、該第2の半導体素子とが、この順で配され、
該第1の半導体素子と、該シリコン含有層と、該第3の半導体素子とが、この順で配される、
固体撮像装置。
[11]
前記第2の半導体素子と、前記第3の半導体素子とが略同一層に形成される、[10]に記載の固体撮像装置。
[12]
前記シリコン含有層を貫通する第1貫通ビア及び第2貫通ビアが形成され、
該第1貫通ビアを介して、前記第1の半導体素子と、前記第2の半導体素子とが電気的に接続され、
該第2貫通ビアを介して、前記第1の半導体素子と、前記第3の半導体素子とが電気的に接続される、[10]又は[11]に記載の固体撮像装置。
[13]
前記第1の半導体素子と、前記第2の半導体素子とが、Cu-Cu接合により、電気的に接続され、
前記第1の半導体素子と、前記第3の半導体素子とが、Cu-Cu接合により、電気的に接続される、[10]から[12]のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
[14]
前記第1の半導体素子と、前記第2の半導体素子とが、Cu-Cu接合により、電気的に接続され、
前記第1の半導体素子と、前記第3の半導体素子とが、Cu-Cu接合により、電気的に接続され、
前記シリコン含有層が、前記第1の半導体素子と、前記第2の半導体素子及び前記第3の半導体素子との該Cu-Cu接合の界面に形成される、[10]から[13]のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
[15]
前記シリコン含有層を貫通する第1貫通ビア及び第2貫通ビアが形成され、
該第1貫通ビアを介して、前記第1の半導体素子と、前記第2の半導体素子とが、Cu-Cu接合により、電気的に接続され、
該第2貫通ビアを介して、前記第1の半導体素子と、前記第3の半導体素子とが、Cu-Cu接合により、電気的に接続される、[10]から[14]のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
[16]
前記シリコン含有層が、複数の該画素間で連続的に形成される、[10]から[15]のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
[17]
前記シリコン含有層が、単結晶シリコン、アモルファスシリコン及び多結晶シリコンからなる群から選ばれる少なくとも1種のシリコンを含む、[10]から[16]のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
[18]
前記シリコン含有層がドーパントを含む、[10]から[17]のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
[19]
前記シリコン含有層中の前記ドーパントの含有量が1E18atoms/cm3以上である、[18]に記載の固体撮像装置。
[20]
固体撮像装置が搭載されて、
該固体撮像装置が、
画素単位で画素信号を生成する撮像素子を有する第1の半導体素子と、
該画素信号の信号処理に必要な信号処理回路が埋め込み部材により埋め込まれた第2の半導体素子と、
シリコン含有層と、を含み、
該第1の半導体素子と該第2の半導体素子とが電気的に接続され、
該第1の半導体素子と、該シリコン含有層と、該第2の半導体素子とが、この順で配される、
電子機器。
[21]
固体撮像装置が搭載されて、
該固体撮像装置が、
画素単位で画素信号を生成する撮像素子を有する第1の半導体素子と、
該画素信号の信号処理に必要な第1の信号処理回路が埋め込み部材により埋め込まれた第2の半導体素子と、
該画素信号の信号処理に必要な第2の信号処理回路が埋め込み部材により埋め込まれた第3の半導体素子と、
シリコン含有層と、を含み、
該第1の半導体素子と該第2の半導体素子とが電気的に接続され、
該第1の半導体素子と該第3の半導体素子とが電気的に接続され、
該第1の半導体素子と、該シリコン含有層と、該第2の半導体素子とが、この順で配され、
該第1の半導体素子と、該シリコン含有層と、該第3の半導体素子とが、この順で配される、
電子機器。
[22]
[1]から[19]のいずれか1つに記載の固体撮像装置が搭載された、電子機器。
【符号の説明】
【0167】
1、2、3、111・・・固体撮像装置、1-a、2-a、3-a・・・第1の半導体素子、1-b、2-b、3-b・・・第2の半導体素子、1-a、1-b、1-c・・・第3の半導体素子、501・・・シリコン(Si)層、502・・・高濃度のドーパントを含むシリコン(Si)層、503・・・アモルファスシリコン(Si)層