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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-06
(45)【発行日】2025-02-17
(54)【発明の名称】バックライト再構築及び補償
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20250207BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20250207BHJP
   G09G 3/34 20060101ALI20250207BHJP
   H04N 5/66 20060101ALI20250207BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 642A
G09G3/34 J
H04N5/66 A
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2023514028
(86)(22)【出願日】2021-08-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-26
(86)【国際出願番号】 US2021047016
(87)【国際公開番号】W WO2022046569
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-03-17
(31)【優先権主張番号】63/072,091
(32)【優先日】2020-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/149,415
(32)【優先日】2021-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャッパリ, マヘーシュ ビー.
【審査官】川俣 郁子
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02477176(EP,A1)
【文献】特開2019-095559(JP,A)
【文献】特開2008-116850(JP,A)
【文献】特開2010-145773(JP,A)
【文献】特開2009-069468(JP,A)
【文献】国際公開第2013/038560(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03147893(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0287146(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0115718(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101329459(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G3/00-3/08
3/12
3/16-3/26
3/30
3/34-3/38
H04N5/66-5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
実行されると、プロセッサに、
電子ディスプレイの発光素子のアレイに関する、前記電子ディスプレイ内の複数のロケーションについての特異値分解セットを含む発光素子強度情報を取得させ、
前記電子ディスプレイ内の前記複数のロケーションにおけるバックライト情報を再構築させ、
前記再構築されたバックライト情報を、発光素子が同じ明るさに設定されていることを表すオールオンプロファイルに正規化させ、ここで、前記オールオンプロファイルは、前記発光素子のアレイの全ての発光素子が前記同じ明るさに設定された格子点の解像度で定義された利得のマップであり、ここで、前記再構築されたバックライト情報を正規化することは、前記再構築されたバックライト情報からの加重輝度値に利得値の前記オールオンプロファイルのそれぞれの利得値を乗算することによって、前記再構築されたバックライト情報を前記複数のロケーションに対してマッピングされた利得値の前記オールオンプロファイルに正規化することを含み、
前記正規化された再構築されたバックライト情報に少なくとも部分的に基づいて、画像データの表示を補償させる、
命令、を記憶した、有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項2】
前記オールオンプロファイルが、前記発光素子のアレイに対する静的利得のマップを含む、請求項1に記載の有形の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項3】
前記再構築されたバックライト情報を前記オールオンプロファイルに正規化することが、前記電子ディスプレイの電源投入後に第1のフレームが表示される前に前記オールオンプロファイルをフェッチすることを含む、請求項2に記載の有形の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項4】
前記再構築されたバックライト情報を前記オールオンプロファイルに正規化することが、XYZ色空間におけるYチャネルに適用された乗算器を使用して、前記フェッチされたオールオンプロファイルを前記Yチャネルにおける加重輝度と合成することを含む、請求項3に記載の有形の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項5】
前記発光素子のアレイが、発光素子の2次元アレイを含む、請求項1に記載の有形の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項6】
前記複数のロケーションが、前記発光素子の前記2次元アレイの前記発光素子のロケーションの間に分散している、請求項5に記載の有形の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項7】
前記画像データの表示を補償することが、前記複数のロケーションの各ロケーションにおける発光率に効果がある前記発光素子のアレイのそれぞれの発光素子の異なる強度に対して、前記画像データに補償を行うことを含む、請求項1に記載の有形の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項8】
前記画像データの表示を補償することが、前記電子ディスプレイの複数の画素についてのバックライトレベルを決定することを含む、請求項7に記載の有形の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項9】
前記画像データの表示を補償することが、前記複数の画素における画像データを補償することを含む、請求項8に記載の有形の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記複数の画素についての前記バックライトレベルを決定することが、前記複数の画素の各々における前記バックライトレベルを決定することを含む、請求項8に記載の有形の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記複数の画素の各々における前記バックライトレベルを決定することが、前記複数のロケーションのうちの2つ以上から、それぞれの画素ロケーションバックライトレベルを補間することを含む、請求項10に記載の有形の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項12】
電子ディスプレイ上の画像データの表示に関する統計値を生成するように構成された統計回路構成であって、前記統計値が、前記電子ディスプレイをバックライティングするように構成された複数の発光素子に関する強度情報を含み、前記強度情報が、前記電子ディスプレイ内の複数のロケーションについての特異値分解セットを含み、前記特異値分解セットの各々が、分解された水平と垂直の重みを含む、統計回路構成と、
前記画像データ及び前記強度情報を受信するように構成されたバックライト再構築及び補償システムと、を含むシステムであって、
前記バックライト再構築及び補償システムが、
前記強度情報を受信し、前記電子ディスプレイ内の前記複数のロケーションにおけるバックライトの輝度レベルを再構築するように構成されたバックライト再構築回路構成と、
前記バックライト再構築回路構成からの前記再構築された輝度レベル及び前記画像データを受信し、前記再構築された輝度レベルを、前記複数の発光素子が同じ明るさに設定されていることを表すオールオンプロファイルに正規化し、ここで、前記オールオンプロファイルは、前記複数の発光素子の全てが前記同じ明るさに設定された前記複数のロケーションの解像度で定義された利得のマップであり、ここで、前記再構築されたバックライト情報を正規化することは、前記再構築されたバックライト情報からの加重輝度値に利得値の前記オールオンプロファイルのそれぞれの利得値を乗算することによって、前記再構築されたバックライト情報を前記複数のロケーションに対してマッピングされた利得値の前記オールオンプロファイルに正規化することを含み、前記再構築された輝度レベルに少なくとも部分的に基づいて、前記複数のロケーションにおけるバックライトのムラに対して補償を行うように前記画像データを調整するように構成されたバックライト補償回路構成と、
を含む、システム。
【請求項13】
前記電子ディスプレイを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数の発光素子が、発光素子の2次元アレイを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記複数のロケーションが、複数の格子点を含み、格子が、前記発光素子の2次元アレイの平面内にある、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記再構築された輝度レベルが、前記複数の発光素子のうちの1つ以上のそれぞれの発光素子からの各格子点における輝度値を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記画像データを調整することが、前記複数の格子点のうちの2つ以上の格子点を補間することによって、画素についてのバックライト輝度レベルを決定することを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記強度情報が、前記複数の発光素子に関する色ドリフト情報を含み、前記画像データを調整することが、前記色ドリフト情報を補償することを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項19】
プロセッサにおいて、電子ディスプレイの発光素子のアレイに関する、前記電子ディスプレイ内の複数のロケーションについての特異値分解セットを含む発光素子強度情報を取得することであって、前記特異値分解セットの各々が、分解された水平と垂直の重みを含む、ことと、
前記プロセッサを使用して、前記電子ディスプレイ内の前記複数のロケーションにおけるバックライト輝度情報を再構築することと、
前記バックライト輝度情報を、発光素子の前記アレイの発光素子が同じ明るさに設定されていることを表すオールオンプロファイルに正規化することであって、前記オールオンプロファイルは、発光素子の前記アレイの全ての発光素子が同じ明るさに設定された前記複数のロケーションの解像度で定義された利得のマップであ前記再構築されたバックライト情報を正規化することは、前記再構築されたバックライト情報からの加重輝度値に利得値の前記オールオンプロファイルのそれぞれの利得値を乗算することによって、前記再構築されたバックライト情報を前記複数のロケーションに対してマッピングされた利得値の前記オールオンプロファイルに正規化することを含む、ことと、
前記プロセッサを使用して、前記正規化されたバックライト輝度情報に少なくとも部分的に基づいて前記電子ディスプレイ内の前記複数のロケーションにおけるバックライト色度情報を再構築することと、
前記複数のロケーションのうちの2つ以上のロケーションから、画素に関するバックライト輝度情報を補間することと、
前記2つ以上のロケーションから、前記画素に関するバックライト色度情報を補間することと、
前記補間されたバックライト輝度情報及び前記補間されたバックライト色度情報に少なくとも部分的に基づいて、画像データの表示を補償することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、2020年8月28日に出願された米国特許仮出願第63/072,091号、題名「Backlight Reconstruction and Compensation」、に対する優先権を主張するものであり、参照によりその内容全体が本明細書に組み入れられる。
【0002】
本開示は、概して、バックライト発光素子(例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode、LED))の強度(例えば、点広がり関数(Point Spread Function、PSF))に基づいて、1つ又は複数の画素におけるバックライトの明るさ及び/又は色を再構築することに関する。
【背景技術】
【0003】
この節では、後述し及び/又は請求される本技術の様々な態様に関連し得る様々な態様を読者に紹介する。本論考は、本開示の様々な態様の、より良好な理解を容易にするための背景技術を読者に提供する際に、助けとなるものと考えられる。したがって、これらの記述は、上述の観点から読まれるべきであり、先行技術の承認として読まれるべきではないことを、理解するべきである。
【0004】
電子ディスプレイは、1つ以上の発光素子(例えば、LED)を使用して、電子ディスプレイ上に画像を表示するためのバックライティングを提供することができる。複数のバックライト発光素子が使用される実施形態では、1つ以上の発光素子の応答は、異なる強度の発光率を有し得る。言い換えれば、ディスプレイの少なくとも一部分を均一にバックライティングするように信号を送ることは、ディスプレイの異なるバックライト発光素子の発光率の異なる強度に起因して、異なって見える場合がある。異なる発光素子の発光率のこれらの異なる強度は、製造プロセスの違い、異なる発光素子バッチ、電源とそれぞれの発光素子との間の異なる伝送線の違い、及び/又は異なる発光素子に異なる明るさレベルを表示させ得る駆動回路構成、発光素子、及び/又はそれらの間の接続の他の違いに起因し得る。これらの異なる明るさレベルは、ディスプレイの動作中にディスプレイ上でアーチファクトが見える原因となり得る。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本開示の様々な態様は、以下の詳細な説明を読み以下の図面を参照すると、より良好に理解され得る。
【0006】
図1】本開示の一実施形態に係る、発光素子を有するディスプレイを備えた電子デバイスのブロック図であり、この電子デバイスは、発光素子の強度の違いを再構築及び補償するためのバックライト再構築及び補償(Backlight Reconstruction and Compensation、BRC)ユニットを含む。
【0007】
図2】本開示の一実施形態に係る、図1の電子デバイスの一例である。
【0008】
図3】本開示の一実施形態に係る、図1の電子デバイスの別の例である。
【0009】
図4】本開示の一実施形態に係る、図1の電子デバイスの別の例である。
【0010】
図5】本開示の一実施形態に係る、図1の電子デバイスの別の例である。
【0011】
図6】本開示の一実施形態に係る、バックライト再構築を使用してディスプレイを駆動するためのプロセスのフロー図である。
【0012】
図7】本開示の一実施形態に係る、図1のBRCユニットを含む画素コントラスト制御(Pixel Contrast Control、PCC)回路構成のブロック図である。
【0013】
図8】本開示の一実施形態に係る、図7のPCC回路構成によって使用され得るディスプレイの重なっている部分及び重なっていない部分の図である。
【0014】
図9】一実施形態に係る、発光素子と、発光素子間に散在し、バックライトを再構築するために使用される格子ロケーションとを含む、バックライトアレイの図である。
【0015】
図10】一実施形態に係る、図1のBRCユニットのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示の1つ以上のある特定の実施形態を以下に述べる。これらの述べる実施形態は、本明細書で開示されている技術の実施例に過ぎない。更に、これらの実施形態の簡潔な説明を提供するために、本明細書に実際の実施態様の全ての特徴が示されるとは限らない。工学的又は設計プロジェクトにおいてのように、このような実際の実装形態の開発において、実装形態ごとに変動し得るシステム関連及びビジネス関連の制約への準拠などの開発者の具体的な目標を達成するために、実装形態に特有の多数の決定がなされなければならないことを理解されたい。更に、開発努力は複雑で時間がかかる可能性があるが、それでも、本開示の利益を有する当業者には、設計、製作、及び製造の通常業務であり得ることを理解されたい。
【0017】
本開示の様々な実施形態の要素を導入するときに、冠詞「a」、「an」、及び「the」は、1つ以上の要素があることを意味することが意図されている。「含む(including)」及び「有する(having)」という用語は、包括的であることが意図されており、列挙された要素以外に追加の要素があり得ることを意味する。更に、本開示の「一実施形態(one embodiment)」、「実施形態(an embodiment)」、「実施形態(embodiments)」、及び「いくつかの実施形態(some embodiments)」の参照は、列挙した特徴を組み込む追加の実施形態の存在を除外するように解釈されることを意図したものではないことを理解されたい。
【0018】
電子ディスプレイは、アレイ(例えば、2次元アレイ)内の複数の発光素子(例えば、LED)を利用して、ローカル化されたバックライトゾーン内においてディスプレイにバックライティングを提供することができる。様々な発光素子の特性及び/又は異なるバックライティングゾーン間の他のローカルバックライティングの違いに起因して、バックライト発光素子は、ディスプレイアーチファクトを生成し得る異なる強度(例えば、本明細書ではPSFと呼ばれる点広がり関数)を有し得る。点広がり関数は、光がいくつかの又はすべてのバックライト発光素子から空間的にどのように広がるか及び/又は分散するかをモデル化するために使用することができる。いくつかの実施形態では、各バックライト発光素子についてのPSFは、特定の発光素子に対して一意に決定/モデル化され得る。以下で詳細に説明するように、このような問題に対処するために、バックライト再構築を使用して、発光素子のPSF及び推定明るさレベルに基づいて各画素値における明るさ及び/又は色を決定することができる。バックライト再構築を使用して、画素値は、各画素位置におけるバックライトの明るさ及び/又は色を考慮するように修正され得る。
【0019】
以下でより詳細に説明するように、図1に示す電子デバイス10などのようなバックライト再構築及び補償を使用する電子デバイス10は、コンピュータ、モバイルフォン、ポータブルメディアデバイス、ウェアラブルデバイス、タブレット、テレビ、仮想現実ヘッドセットなど、任意の適切な電子デバイスであり得る。よって、図1は、特定の実装形態の一実施例に過ぎず、電子デバイス10内に存在し得るコンポーネントの種類を例示することを意図するものであることに留意されたい。
【0020】
図示の実施形態では、電子デバイス10は、電子ディスプレイ12と、1つ以上の入力デバイス14と、1つ以上の入出力(Input/Output、I/O)ポート16と、1つ以上のプロセッサ(単数又は複数)又はプロセッサコアを有するプロセッサコア複合体18と、ローカルメモリ20と、メインメモリ記憶装置22と、ネットワークインタフェース24と、電源25と、バックライト再構築及び補償(BRC)ユニット26と、を含む。図1に記載の様々なコンポーネントは、ハードウェア要素(例えば、回路構成)、ソフトウェア要素(例えば、命令を記憶する有形の非一時的コンピュータ可読媒体)、又はハードウェア要素とソフトウェア要素両方の組み合わせを含んでもよい。例えば、BRCユニット26は、専用回路構成及び/又はプロセッサコア複合体18を用いて実行される、メインメモリ記憶装置22に格納された命令として実装されてもよい。更に、BRCユニット26は、ここでは「ユニット」と呼ばれるが、これは、バックライト再構築及び補償が電子デバイスにおいて取り得る1つの例示的な形態を説明することを意図している。実際、それは、いくつかの場合にはユニタリ式又はモジュール式であってもよいが、他の場合には、電子デバイス10の別個のコンポーネントによって実装される別個の非ユニタリ式コンポーネントを表してもよい。1つの非限定的な例を挙げると、バックライト再構築は、補償から独立していてもよい(例えば、バックライト再構築は、プロセッサコア複合体18上で動作するソフトウェアを使用して実行されてもよく、補償は、ディスプレイパイプライン中の画像処理回路構成によって実行されてもよい)。図示の様々なコンポーネントは、組み合わせてより数の少ないコンポーネントにしてもよく、又は分離して追加のコンポーネントにしてもよいことを留意されたい。例えば、ローカルメモリ20とメインメモリ記憶装置22は、単一のコンポーネントに含めることができる。
【0021】
プロセッサコア複合体18は、ローカルメモリ20及び/又はメインメモリ記憶装置22に記憶された命令を実行して、画像データの生成及び/又は送信などの動作を実行することができる。したがって、プロセッサコア複合体18は、1つ又は複数のマイクロプロセッサ、1つ又は複数の特定用途向けプロセッサ(Application Specific Processor、ASIC)、1つ又は複数のフィールドプログラマブルロジックアレイ(Field ProGrammable logic Array、FPGA)、1つ又は複数のグラフィックス処理ユニット(Graphics Processing Unit、GPU)などの1つ又は複数のプロセッサを含むことができる。更に、前述のように、プロセッサコア複合体18は、各々が実行可能命令に従ってデータを処理する1つ又は複数の別個の処理用論理コアを含むことができる。
【0022】
ローカルメモリ20及び/又はメインメモリ記憶デバイス22は、実行可能命令並びにプロセッサコア複合体18のコアによって処理されるべきデータを記憶し得る。よって、いくつかの実施形態では、ローカルメモリ20及び/又はメインメモリ記憶装置22は、1つ以上の有形の非一時的コンピュータ可読媒体を含むことができる。例えば、ローカルメモリ20及び/又はメインメモリ記憶装置22は、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、読み出し専用メモリ(Read Only Memory、ROM)や、フラッシュメモリなどの書き換え可能な不揮発性メモリ、ハードドライブ、光ディスクなどを含むことができる。
【0023】
ネットワークインタフェース24は、ネットワーク接続を介して他の電子デバイスとデータを通信することを容易にし得る。例えば、ネットワークインタフェース24(例えば、無線周波数システム)は、電子デバイス10が、Bluetooth(登録商標)ネットワークなどのパーソナルエリアネットワーク(Personal Area Network、PAN)、802.11x Wi-Fi(登録商標)ネットワークなどのローカルエリアネットワーク(Local Area Network、LAN)、及び/又は4G、LTE、若しくは5Gセルラーネットワークなどの広域ネットワーク(Wide Area Network、WAN)に通信可能に結合することを可能にし得る。ネットワークインタフェース24は、電子デバイス10に接続されたネットワーク(単数又は複数)を介して通信するように構成された1つ以上のアンテナを含む。
【0024】
電源25は、再充電可能なリチウムポリマー(Lithium polymer、Li-poly)バッテリ及び/又は交流(Alternating Current、AC)電源変換器などの任意の好適な電源を含んでもよい。
【0025】
I/Oポート16は、電子デバイス10がポート接続を使用して入力データ及び/又は出力データを受信することを可能にし得る。例えば、ポータブル記憶装置をI/Oポート16(例えば、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、USB))に接続し、それによって、プロセッサコア複合体18がポータブル記憶装置とデータを通信することを可能にし得る。I/Oポート16は、電子デバイス10からオーディオを出力する1つ以上のスピーカを含んでもよい。
【0026】
入力デバイス14は、ユーザ入力を受信することにより、電子デバイス10とのユーザ相互作用を容易にすることができる。例えば、入力デバイス14は、ボタン、キーボード、マウス、トラックパッドなどの1つ以上を含んでもよい。入力デバイス14はまた、オーディオをキャプチャするために使用され得る1つ又は複数のマイクロフォンを含んでもよい。
【0027】
入力デバイス14は、電子ディスプレイ12内においてタッチ感知コンポーネントを含むことができる。このような実施形態では、タッチ感知コンポーネントは、電子ディスプレイ12の表面にタッチするオブジェクトの出現及び/又は位置を検出することにより、ユーザ入力を受信することができる。
【0028】
電子ディスプレイ12は、1つ以上の表示画素を有するディスプレイパネルを含むことができる。電子ディスプレイ12は、表示画素からの発光を制御して、対応する画像データに少なくとも部分的に基づいて画像フレームを表示することにより、オペレーティングシステムのグラフィカルユーザインタフェース(Graphical User Interface、GUI)、アプリケーションインタフェース、静止画像、又は動画コンテンツなどの、情報の視覚表現を表示することができる。いくつかの実施形態では、電子ディスプレイ12は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)、有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode、OLED)ディスプレイのような自己発光ディスプレイなどを用いたディスプレイとすることができる。
【0029】
BRCユニット26は、電子ディスプレイ12の発光素子のPSFを使用して電子ディスプレイ12に対してバックライトを再構築するために使用され得る。バックライト再構築は、PSF及び推定明るさに基づいて各画素値におけるバックライトの明るさ及び/又は色を決定するために使用される。決定された明るさ及び/又は色を使用して、BRCユニット26は、特定の画素ロケーションをバックライティングする発光素子の異なる明るさ及び/又は色を補償するために使用される。例えば、BRCユニット26は、画素ロケーションにおけるローカルバックライトの任意の色及び/又は明るさの変動と反比例して、それぞれの画素ロケーションに対する画像値を修正することができる。
【0030】
上述したように、電子デバイス10は、任意の好適な電子デバイスであってもよい。図示目的で、好適な電子デバイス10の一実施例、具体的にはハンドヘルドデバイス10Aを図2に示す。いくつかの実施形態では、ハンドヘルドデバイス10Aは、ポータブル電話機、メディアプレーヤ、パーソナルデータオーガナイザ、ハンドヘルドゲームプラットフォーム及び/又は同様なものとすることができる。例えば、ハンドヘルドデバイス10Aは、Apple Inc.から入手可能な任意のiPhone(登録商標)モデルなどのスマートフォンとすることができる。
【0031】
ハンドヘルドデバイス10Aは、エンクロージャ28(例えば、筐体)を含む。エンクロージャ28は、内部コンポーネントを物理的破損から保護することができ、及び/又は電磁干渉から遮蔽することができる。図示した実施形態では、電子ディスプレイ12は、アイコン32のアレイを有するグラフィカルユーザインタフェース(GUI)30を表示している。例として、アイコン32が電子ディスプレイ12の入力デバイス14又はタッチ感知コンポーネントのいずれかによって選択されると、対応するアプリケーションプログラムが起動し得る。
【0032】
入力デバイス14は、エンクロージャ28を横切って延在していてもよい。上述したように、入力デバイス14は、ユーザがハンドヘルドデバイス10Aと相互作用することを可能にし得る。例えば、入力デバイス14は、ユーザがオーディオを録音すること、ハンドヘルドデバイス10Aをアクティブ若しくは非アクティブにすること、ユーザインタフェースをホーム画面にナビゲーションすること、ユーザインタフェースをユーザ構成可能なアプリケーション画面にナビゲーションすること、音声認識機能をアクティブにすること、音量調節を提供すること、及び/又は振動モードと鳴動モードとの間でトグルすることを可能にし得る。I/Oポート16もまた、エンクロージャ28を横切って延在していてもよい。いくつかの実施形態では、I/Oポート16は、例えば、外部デバイスに接続するためのオーディオジャックを含んでもよい。前述のように、I/Oポート16は、ハンドヘルド装置10Aから音声を出力する1つ以上のスピーカを含んでもよい。
【0033】
好適な電子デバイス10の別の実施例は、図3に示すタブレットデバイス10Bである。例示のために、タブレットデバイス10Bは、Apple Inc.から入手可能な任意のiPad(登録商標)モデルであってもよい。好適な電子デバイス10の更なる実施例は、具体的には図4に示すコンピュータ10Cである。例示のために、コンピュータ10Cは、Apple Inc.から入手可能な任意のMACBOOK(登録商標)又はIMAC(登録商標)モデルであってもよい。好適な電子デバイス10の別の実施例は、具体的には図5に示すウェアラブルデバイス10Dである。例示のために、ウェアラブルデバイス10Dは、Apple Inc.から入手可能な任意のApple Watch(登録商標)モデルであってもよい。図示したように、タブレットデバイス10B、コンピュータ10C、及びウェアラブルデバイス10Dも各々、電子ディスプレイ12、入力デバイス14、及びエンクロージャ28を含む。
【0034】
図6は、BRCユニット26によって利用され得るプロセス100のフロー図である。具体的には、BRCユニット26は、電子ディスプレイ12の発光素子のアレイについての発光素子強度を取得することができる(ブロック102)。強度は、個々の発光素子の全体的な明るさに関連するものであってもよく、及び/又は発光素子の異なる波長(例えば、異なる色)における明るさを参照するものであってもよい。画素の強度は、ディスプレイの1つ又は複数の発光素子についての異なる画素値に対して異なる明るさ及び/又は色を提供する点広がり関数(PSF)を使用して示され得る。強度を使用して、BRCユニット26は、電子ディスプレイ12用のバックライトを再構築する(ブロック104)。例えば、BRCユニット26は、電子ディスプレイ12の1つ又は複数の画素用の明るさ及び/又は色を決定することができる。例えば、BRCユニット26は、電子ディスプレイ12のポイント(例えば、画素)においてバックライトがどのように見えるかを決定することができる。再構築は、明るさ及び/又は色を決定するために、画素の2つ以上の重なっているゾーン及び/又は重なっていないゾーンを定義することを含み得る。重なっているゾーンは、重なっていないゾーンの延長部分として定義され得る。決定された明るさ及び/又は色を使用して、BRCユニット26は、強度に少なくとも部分的に基づいてバックライトのムラに対して補償を行う(ブロック106)。例えば、それぞれの画素の(例えば、線形領域又はガンマ領域における)画像データ値が補償され得る。画像データ値を修正することに加えて、又はその代わりに、BRCユニット26は、均一性を高めるためにバックライト駆動が補償されるようにすることができる。
【0035】
図7は、BRCユニット26を含む画素コントラスト制御(Pixel Contrast Control、PCC)回路構成110のブロック図である。BRCユニット26は、発光素子強度112及び画像データ113を受信する。図示のように、BRCユニット26は、バックライト再構築コンポーネント114及びバックライト補償コンポーネント116を含む。BRCユニット26はまた、明るさ推定回路構成120から明るさ推定値118を受信する。明るさ推定値は、コンテンツの画素値に基づいて個々のアドレス指定可能なバックライトゾーンの明るさを推定し、ディテールを保存し、ハロー及びフリッカを低減(例えば、最小化)させながらコントラストを向上させ、バックライトの明るさ及び/又は色を補償する補償済み画像データ122を生成するために用いられる。統計回路構成124は、電子ディスプレイ12の重なっているゾーンに基づくローカル統計値、電子ディスプレイ12の重なっていないゾーンに基づくローカル統計値、及び/又はグローバル統計値を含む統計値を生成する。発光素子プロセッサ126は、統計値を使用して、コンテンツの画素値に基づいて個別にアドレス指定可能なバックライトゾーンの明るさを計算する。ローカル統計値は、ローカルディミングを備えたディスプレイにおいて特に有用であり得るが、グローバル統計値は、グローバルバックライトを備えたディスプレイ及びローカルディミングを備えたディスプレイに適用可能であり得る。統計回路構成124において計算される統計値は、明るさ最大値、明るさ最小値、明るさ平均値、エンガンマ/デガンマ情報、均一性統計値、及び/又は他の情報を含んでもよい。
【0036】
図8は、電子ディスプレイ12の部分130及び131の図である。部分130及び131は、重なっていないゾーン132(個々に重なっていないゾーン132A、132B、132C、132D、132E、132F、132G、及び132Hと呼ばれる)を含む。部分130及び131はまた、重なっているゾーン134(個々に134A及び134Bと称される)を含む。電子ディスプレイ12のアクティブ領域の縁部において、重なっているゾーン134は、それぞれの重なっていないゾーン132の縁部から始まり、重なっていないゾーン132の境界を越えて延在する。図示のように、重なっているゾーン134Aは、重なっていないゾーン132Aのかなりの部分(例えば、全体)と、重なっていないゾーン132B及び132Dの部分内に延在する垂直重なり部分136と、を含む。同様に、重なっているゾーン134Aは、重なっていないゾーン132C及び132Dの部分内に延在する水平重なり部分138を含む。
【0037】
アクティブ領域の縁部から離れて、重なっているゾーン134は、単一の重なっていないゾーン132の周りで複数の方向に延在し得る。例えば、重なっているゾーン134Bは、重なっていないゾーン132Fのかなりの部分と、重なっていないゾーン132Fの上方で重なっていないゾーン132E及び132Gに延在する第1の垂直重なり部分140とを含む。重なっているゾーン134Bはまた、重なっていないゾーン132Fの下方で延在する第2の垂直重なり部分142を含む。重なっているゾーン134Bはまた、第1の水平重なり部分144と、重なっていないゾーン132G及び132H内に延在する第2の水平重なり部分146とを含む。
【0038】
図7に戻ると、発光素子プロセッサ126は、プロセッサコア複合体18内に含まれてもよく、プロセッサコア複合体18によって実行されてもよく、及び/又はプロセッサコア複合体18の処理を補完する専用コプロセッサを含んでもよい。明るさ推定値118は、統計回路構成124から収集された、発光素子の2次元アレイ内の発光素子についての統計値から計算される。
【0039】
発光素子プロセッサ126はまた、2次元畳み込みフィルタ148を利用する。2次元畳み込みフィルタ148は、2次元におけるフィルタリングを提供することができる任意の適切なフィルタを適用する。一例では、2次元畳み込みフィルタ148は、発光素子プロセッサ126から送信されてくるデータセットの要素に用いられる2次元FIRフィルタを含む。
【0040】
発光素子プロセッサ126はまた、2次元バイラテラルフィルタ150を利用してもよい。2次元バイラテラルフィルタ150は、複数(例えば、7個)の発光素子の値にバイラテラルフィルタを適用し、複数の発光素子の値の加重平均を取る。2次元バイラテラルフィルタ150における重み付けは、基準点からの発光素子の距離及び/又はそれぞれの発光素子の値の強度に基づいてもよい。いくつかの実施形態では、重み付け平均は、長除法に基づいてもよい。しかしながら、期待値の範囲が限られているので、結果の近似値を1つ以上のデータセットから求めることができる。初期近似値が十分に正確である場合、バイラテラルフィルタリングプロセスは続行する。更なる精度が使用されるべき場合、初期近似値から所望の精度に収束させるために、いくつか(例えば、1個)のニュートン-ラフソン更新ステップを使用してもよい。
【0041】
発光素子プロセッサ126はまた、発光素子プロセッサ126からのデータを時間的にフィルタリングするために使用される時間的フィルタ152を利用することもできる。例えば、時間的フィルタ152が有効化されると、それは無限インパルス応答(Infinite Impulse Response、IIR)フィルタとして機能し得る。時間的フィルタ152は、時間的フィルタを、非対称利得で暗から明への遷移及び明から暗への遷移のための異なる遷移速度を可能にする古典的なIIRフィルタとして機能させる、グローバルフィルタリングモードで構成することができる。ローカルフィルタリングモードで構成されているとき、各発光素子に対して、以前のローカルパラメータ及び発光素子の違いに基づいてローカルパラメータが計算される。
【0042】
明るさ推定値118をバックライト再構築コンポーネント114に書き込むために、コピーエンジン154が使用され得る。コピーエンジン154は、入力データセットの要素を複数の出力ロケーションにコピーし、各出力に対してオプションの処理を行う。例えば、オプションの処理は、スケールファクタを使用するスケーリングの有効化/無効化、明るさしきい値についての最小限度、システムレベル明るさ設定に基づくスケーリング、及び/又は発光素子プロセッサ126からの明るさ推定値118の他の処理を含み得る。
【0043】
電源機能156は、ハードウェア及び/又はソフトウェアを利用して、電子デバイス10の電源/電源設定に基づいて明るさ推定値を調整することができる。除算機能158は、ハードウェア及び/又はソフトウェアを利用して、除算を実行することができる。例えば、除算機能158は、除算の多項式近似を利用するハードウェアアクセラレータを含むことができ、除算を近似するために使用される多項式は、除算される値の入力範囲に基づく。長除法に追加の精度が使用されるべき場合、ニュートン-ラフソン更新ステップを使用して、多項式近似を精度の点に収束させることができる。
【0044】
バックライト再構築は、バックライト格子を利用することができる。バックライト格子は、発光素子の格子を含み、発光素子間のいくつかの中間点を画定する。例えば、図9は、電子ディスプレイ12用のバックライティングの少なくとも一部を表す例示的な格子160を示す。図示のように、格子160は、3つの列内の12個の発光素子162を含む。図示のように、格子点164は、発光素子162の間に分散している。格子点164の分布、ロケーション、及び/又は数は、対応する入力パラメータを使用して設定することができる。例えば、オフセット及び/又は間隔パラメータを使用して、電子ディスプレイ12のアクティブ領域の縁部から、別の格子点164から、及び/又は発光素子162から、格子点164をどれだけオフセットするかを設定することができる。更に、格子点164の行又は列の数は、それぞれの数パラメータを使用して設定することができる。
【0045】
図10はBRCユニット26の一実施形態のブロック図である。図示のように、BRCは発光素子強度112を受信する。発光素子強度112は、特異値分解(Singular Value Decomposition、SVD)セット190として受信され得る。したがって、このような実施形態では、バックライトの再構築は、電子ディスプレイ12のバックライトの1つ又は複数の(例えば、各)発光素子162についての強度を適用することによって実行され得る。SVDセット190は、直接メモリアクセス(Direct Memory Access、DMA)チャネルを使用してローカルメモリ20からフェッチすることができる。いくつかの実施形態では、SVDセット190は、発光素子強度112に関連付けられた関連発光素子162のラスタ走査順序でローカルメモリ20に記憶されてもよい。SVDセット190の数は、SVD数パラメータを使用するBRCユニット26用のパラメータセットを使用して制御することができる。
【0046】
各格子点164におけるバックライトの再構築は、上述の明るさ推定値を使用して、各発光素子162についての強度を発光素子162の明るさ値に適用することによって達成される。いくつかの実施形態では、発光素子162の一部のみが、バックライト再構築用の強度を適用するために使用される。バックライト再構築において使用される各発光素子162について、発光素子162の発光素子強度112は、(例えば、セットパラメータを使用して選択可能なセット数までの)SVDセット190に含まれる。各SVDセット190において、格子点座標192は、それぞれの発光素子が格子点座標192においてバックライトに対してどの程度の効果を有するかを決定するために使用される。例えば、水平重み194及び垂直重み196を適用するために、1つ又は複数の乗算器198を使用して、水平重み194及び垂直重み196を発光素子強度112に適用することができる。SVDセット190からの加重強度204は、1つ以上の加算器206で合計されて、加重合計208を形成する。
【0047】
いくつかの実施形態では、発光素子強度112は、色の不均一性を示し得る。例えば、発光素子強度112は、国際照明委員会(International Commission on Illumination、CIE)1931 XYZ色空間における色シフトに関連するものであってもよい。色の不均一性に基づいて、クロミナンス(例えば、(X,Z))補償がバックライト再構築において有効化され得る。クロミナンス補償データは、比率Z/Y 210及びX/Y 212の形で記憶することができる。加重合計208は、乗算器214、216、及び218において明るさ推定値118で乗算される。乗算器214において、加重合計は、明るさ推定値118に加えて比率Z/Y 219で乗算され、乗算器216において、加重合計208は、明るさ推定値118に加えて比率X/Y 212で乗算される。加算回路構成220、222、及び224は、バックライト再構築コンポーネント114内のそれぞれのパス用のスケーリングされた加重合計208を加算するために使用され得る。加算回路構成220、222、及び224の出力の各々は、バックライト色補償が有効化されているときにバックライトをRGBに再構築するために使用されるXYZ-RGB変換器226に送られる。例えば、3×3変換を使用して、各格子点において計算されたXYZ値を線形RGB値に変換することができる。色補償が有効化されていないとき、いくつかの実施形態では、Yチャネルを使用して(加算回路構成222を通して)、単に輝度だけを補償することができる。
【0048】
更に、バックライト色補償が有効化されているとき、グローバルターゲット色(例えば、XY色)又はローカルターゲット色(例えば、XY色)がターゲット-RGB変換器228において計算され得る。ターゲット色へのこの変換は、比率Z/Y210及び比率X/Y212(Zは1-X-Yに等しい)を使用し、Yチャネルにおける輝度に少なくとも部分的に基づく。
【0049】
色補償が有効にされると、(グローバル又はローカル)ターゲット色のRGB値及び再構築された値が、RGB値に対して利得を計算するRGB利得計算器230に送信される。RGB利得は、成分ごとの除算と、それに続く比率のグローバルスケーリングとを使用して計算され得る。成分ごとの除算は、いくつか(例えば、16個)の多項式のうちの1つを使用して推定され得る。更なる精度が使用されるべき場合、RGB利得計算器230は、ニュートン-ラフソン法を使用して1つ又は複数の更新ステップを適用することができる。したがって、格子点164の各々における再構築されたバックライトは、補間エンジン234及び画素座標232を使用してRGB利得値に変換され得る。
【0050】
理解され得るように、格子点164は、解像度が、個々の画素ごとに情報を決定及び/又は記憶するための処理/記憶コストを低減するために、電子ディスプレイ12の画素のそれよりも低いものであり得る。したがって、発光素子162とは異なる解像度を有する画素における補償に適応させるために、各格子点164のためのRGB利得値を使用して、それぞれの格子点164に関するそれぞれの画素のロケーションに基づいて格子点164間の画素を補間することができる。例えば、補間は、それぞれの最も近い格子点164から垂直方向と水平方向の両方について補間するバイリニア補間を含んでもよい。いくつかの実施形態では、格子点164は、電子ディスプレイ12の画素と同じ解像度を有してもよく、バックライト情報は、個々の画素ごとに決定及び/又は記憶されてもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、バックライト再構築は、オールオンプロファイル236に正規化される。オールオンプロファイル236は、全ての発光素子162が同じ明るさに設定されていることを表す。オールオンプロファイル236は、利得のマップとして概念化することができる。このオールオンプロファイル236又は利得のマップは静的であり、格子点164の解像度で定義される。オールオンプロファイル236は、電子ディスプレイ12の電源投入後に第1のフレームが表示される前にフェッチされ、記憶される。このオールオンプロファイル236は、乗算器238を使用してYチャネルにおける加重輝度と合成される。次いで、乗算器の結果は、RGB利得計算器230の出力が画素解像度に補間される方法と同様に、補間エンジン240において補間される。
【0052】
補間エンジン234及び240からの補間値は、画素修正器242を含むバックライト補償コンポーネント116に送信される。画素修正器242は、画像データ113を修正して、補償済み画像データ122を生成する。いくつかの実施形態では、補償済み画像データ122は、更なる加工が施されてもよい。例えば、補償済み画像データ122は、バックライトが期待値よりも低いときに、液晶(liquid crystal、LC)をより完全に開かせるために使用され得る。追加的又は代替的に、ブラックライトレベルがターゲット値を上回ることを1つ又は複数の格子ロケーションが示すとき、1つ又は複数のロケーションのバックライトレベルは、電源消費を低減するために下げられ得る。
【0053】
本明細書で説明されるコンポーネント/ユニットは、記憶装置(単数又は複数)22及び/又はメモリ20に記憶された命令を使用する、プロセッサ、LEDプロセッサ、他のプロセッサ/コプロセッサに実装されるソフトウェアを含んでもよい。追加的又は代替的に、本明細書で説明されるコンポーネント/ユニットのうちの様々なコンポーネント及び/又はユニットは、特定用途向け集積回路(Application-Specific Integrated Circuit、ASIC)などの特定用途向けハードウェア回路構成を用いて実装され得る。
【0054】
上記の具体的な実施形態は、例として示されており、これらの実施形態は、様々な修正形態及び代替形態が可能であり得ることを理解されたい。特許請求の範囲は、開示の特定の形態に限定されることは意図されておらず、むしろ、本開示の精神及び範囲内の全ての修正形態、均等物、及び代替形態を包含することが意図されていることを更に理解されたい。
【0055】
本明細書に提示されており特許請求されている技法は、本技術分野を実証可能に改善する、実用的な性質の有形物(material object)及び実際の例に参照及び適用され、よって、抽象的な、無形の、又は純粋に理論的なものではない。更に、本明細書の最後に添付された特許請求の範囲のいずれかが、「[機能]を[実行]する手段...」又は「[機能]を[実行]するステップ...」として指定された1つ以上の要素を含む場合、このような要素が、米国特許法第112条(f)に基づいて解釈されるべきことを意図している。ただし、別様に指定された要素を含む特許請求の範囲については、このような要素は、米国特許法第112条(f)に基づいて解釈されるべきではないことを意図している。
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