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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-06
(45)【発行日】2025-02-17
(54)【発明の名称】スマートグリップ及びカゴ
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20250207BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20250207BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20250207BHJP
   A61F 11/04 20060101ALI20250207BHJP
   A61H 3/06 20060101ALI20250207BHJP
【FI】
G01C21/26 P
G08G1/005
G06F3/01 560
A61F11/04
A61H3/06 Z
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2024169423
(22)【出願日】2024-09-27
【審査請求日】2024-10-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500149555
【氏名又は名称】株式会社サイバーエージェント
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】江口 僚
(72)【発明者】
【氏名】米谷 竜
(72)【発明者】
【氏名】岡本 大和
【審査官】宮本 礼子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-200514(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0107251(KR,A)
【文献】特開2022-137879(JP,A)
【文献】特開2001-075705(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
G06F 3/01
A61F 11/04
A61H 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
触覚フィードバックモジュール、
測位センサ、及び
制御装置
を備え、
前記制御装置は、
前記測位センサにより測定される現在位置を取得すること、並びに
取得された前記現在位置及び所与のルールに応じた触覚によるフィードバックであって、目的地までのルートを示すように構成されるフィードバックを、前記触覚フィードバックモジュールを介してユーザに出力すること、
を実行するように構成され、
前記所与のルールは、前記現在位置から第1分岐点まで進行方向を変えずに通過する第2分岐点の数に応じて、前記触覚フィードバックモジュールの振動回数を決定することを含む、
スマートグリップ。
【請求項2】
触覚フィードバックモジュール、
測位センサ、及び
制御装置
を備え、
前記制御装置は、
前記測位センサにより測定される現在位置を取得すること、並びに
取得された前記現在位置及び所与のルールに応じた触覚によるフィードバックであって、目的地までのルートを示すように構成されるフィードバックを、前記触覚フィードバックモジュールを介してユーザに出力すること、
を実行するように構成され、
前記触覚フィードバックモジュールは、サーボモータを備え、
前記サーボモータは、シャフト及びシャフトに取り付けられたアームを備え、
前記所与のルールは、
一方向に移動を指示する距離に応じて、前記サーボモータの前記アームを振る回数を決定すること、及び
指示される前記距離を移動した後に、更なる移動を指示する方向に応じて、前記サーボモータの前記アームを振る方向を決定すること、
を含む、
マートグリップ。
【請求項3】
触覚フィードバックモジュール、
測位センサ、及び
制御装置
を備え、
前記制御装置は、
前記測位センサにより測定される現在位置を取得すること、並びに
取得された前記現在位置及び所与のルールに応じた触覚によるフィードバックであって、目的地までのルートを示すように構成されるフィードバックを、前記触覚フィードバックモジュールを介してユーザに出力すること、
を実行するように構成され、
前記触覚フィードバックモジュールは、サーボモータを備え、
前記サーボモータは、シャフト及びシャフトに取り付けられたアームを備え、
前記所与のルールは、前記現在位置から第1分岐点まで進行方向を変えずに通過する第2分岐点の数に応じて、前記サーボモータの前記アームを振る回数を決定することを含む、
マートグリップ。
【請求項4】
前記所与のルールは、前記第1分岐点で移動を指示する方向に応じて、前記サーボモータの前記アームを振る方向を決定することを更に含む、
請求項に記載のスマートグリップ。
【請求項5】
触覚フィードバックモジュール、
測位センサ、及び
制御装置
を備え、
前記制御装置は、
前記測位センサにより測定される現在位置を取得すること、並びに
取得された前記現在位置及び所与のルールに応じた触覚によるフィードバックであって、目的地までのルートを示すように構成されるフィードバックを、前記触覚フィードバックモジュールを介してユーザに出力すること、
を実行するように構成され、
前記触覚フィードバックモジュールは、サーボモータ及び振動モータを備え、
前記サーボモータは、シャフト及びシャフトに取り付けられたアームを備え、
前記所与のルールは、
前記現在位置から第1分岐点まで進行方向を変えずに通過する第2分岐点の数に応じて、前記振動モータの振動回数を決定すること、及び
前記第1分岐点で移動を指示する方向に応じて、前記サーボモータの前記アームを振る方向を決定すること、
を含む、
マートグリップ。
【請求項6】
触覚フィードバックモジュール、
測位センサ、及び
制御装置
を備え、
前記制御装置は、
前記測位センサにより測定される現在位置を取得すること、並びに
取得された前記現在位置及び所与のルールに応じた触覚によるフィードバックであって、目的地までのルートを示すように構成されるフィードバックを、前記触覚フィードバックモジュールを介してユーザに出力すること、
を実行するように構成され、
前記触覚フィードバックモジュールは、サーボモータ及び振動モータを備え、
前記サーボモータは、シャフト及びシャフトに取り付けられたアームを備え、
前記所与のルールは、
一方向に移動を指示する距離に応じて、前記振動モータの振動回数、振動強度及び振動周期の少なくともいずれかを決定すること、並びに
前記振動モータにより指示される距離を移動した後に、更なる移動を指示する方向に応じて、前記サーボモータの前記アームを振る方向を決定すること、
を含む、
マートグリップ。
【請求項7】
触覚フィードバックモジュール、
測位センサ、及び
制御装置
を備え、
前記制御装置は、
前記測位センサにより測定される現在位置を取得すること、並びに
取得された前記現在位置及び所与のルールに応じた触覚によるフィードバックであって、目的地までのルートを示すように構成されるフィードバックを、前記触覚フィードバックモジュールを介してユーザに出力すること、
を実行するように構成され、
前記触覚フィードバックモジュールは、複数の振動モータを備え、
前記目的地までのルートを示すことは、
一方向に移動を指示する距離を示すこと、及び
指示される前記距離を移動した後に、更なる移動を指示する方向を示すこと、
を含み、
前記所与のルールは、
前記更なる移動を指示する方向に応じて、前記複数の振動モータの駆動パターンを決定すること、並びに
前記一方向に移動を指示する距離に応じて、前記複数の振動モータのうち、決定された前記駆動パターンで駆動される振動モータの振動回数、振動強度及び振動周期の少なくともいずれかを決定すること、
を含む、
マートグリップ。
【請求項8】
カゴ本体、
触覚フィードバックモジュール、
測位センサ、及び
制御装置
を備え、
前記制御装置は、
前記測位センサにより測定される現在位置を取得すること、並びに
取得された前記現在位置及び所与のルールに応じた触覚によるフィードバックであって、目的地までのルートを示すように構成されるフィードバックを、前記触覚フィードバックモジュールを介してユーザに出力すること、
を実行するように構成され、
前記所与のルールは、前記現在位置から第1分岐点まで進行方向を変えずに通過する第2分岐点の数に応じて、前記触覚フィードバックモジュールの振動回数を決定することを含む、
カゴ。
【請求項9】
カゴ本体、
触覚フィードバックモジュール、
測位センサ、及び
制御装置
を備え、
前記制御装置は、
前記測位センサにより測定される現在位置を取得すること、並びに
取得された前記現在位置及び所与のルールに応じた触覚によるフィードバックであって、目的地までのルートを示すように構成されるフィードバックを、前記触覚フィードバックモジュールを介してユーザに出力すること、
を実行するように構成され、
前記触覚フィードバックモジュールは、サーボモータを備え、
前記サーボモータは、シャフト及びシャフトに取り付けられたアームを備え、
前記所与のルールは、
一方向に移動を指示する距離に応じて、前記サーボモータの前記アームを振る回数を決定すること、及び
指示される前記距離を移動した後に、更なる移動を指示する方向に応じて、前記サーボモータの前記アームを振る方向を決定すること、
を含む、
カゴ。
【請求項10】
カゴ本体、
触覚フィードバックモジュール、
測位センサ、及び
制御装置
を備え、
前記制御装置は、
前記測位センサにより測定される現在位置を取得すること、並びに
取得された前記現在位置及び所与のルールに応じた触覚によるフィードバックであって、目的地までのルートを示すように構成されるフィードバックを、前記触覚フィードバックモジュールを介してユーザに出力すること、
を実行するように構成され、
前記触覚フィードバックモジュールは、サーボモータを備え、
前記サーボモータは、シャフト及びシャフトに取り付けられたアームを備え、
前記所与のルールは、前記現在位置から第1分岐点まで進行方向を変えずに通過する第2分岐点の数に応じて、前記サーボモータの前記アームを振る回数を決定することを含む、
カゴ。
【請求項11】
前記所与のルールは、前記第1分岐点で移動を指示する方向に応じて、前記サーボモータの前記アームを振る方向を決定することを更に含む、
請求項10に記載のカゴ。
【請求項12】
カゴ本体、
触覚フィードバックモジュール、
測位センサ、及び
制御装置
を備え、
前記制御装置は、
前記測位センサにより測定される現在位置を取得すること、並びに
取得された前記現在位置及び所与のルールに応じた触覚によるフィードバックであって、目的地までのルートを示すように構成されるフィードバックを、前記触覚フィードバックモジュールを介してユーザに出力すること、
を実行するように構成され、
前記触覚フィードバックモジュールは、サーボモータ及び振動モータを備え、
前記サーボモータは、シャフト及びシャフトに取り付けられたアームを備え、
前記所与のルールは、
前記現在位置から第1分岐点まで進行方向を変えずに通過する第2分岐点の数に応じて、前記振動モータの振動回数を決定すること、及び
前記第1分岐点で移動を指示する方向に応じて、前記サーボモータの前記アームを振る方向を決定すること、
を含む、
カゴ。
【請求項13】
カゴ本体、
触覚フィードバックモジュール、
測位センサ、及び
制御装置
を備え、
前記制御装置は、
前記測位センサにより測定される現在位置を取得すること、並びに
取得された前記現在位置及び所与のルールに応じた触覚によるフィードバックであって、目的地までのルートを示すように構成されるフィードバックを、前記触覚フィードバックモジュールを介してユーザに出力すること、
を実行するように構成され、
前記触覚フィードバックモジュールは、サーボモータ及び振動モータを備え、
前記サーボモータは、シャフト及びシャフトに取り付けられたアームを備え、
前記所与のルールは、
一方向に移動を指示する距離に応じて、前記振動モータの振動回数、振動強度及び振動周期の少なくともいずれかを決定すること、並びに
前記振動モータにより指示される距離を移動した後に、更なる移動を指示する方向に応じて、前記サーボモータの前記アームを振る方向を決定すること、
を含む、
カゴ。
【請求項14】
カゴ本体、
触覚フィードバックモジュール、
測位センサ、及び
制御装置
を備え、
前記制御装置は、
前記測位センサにより測定される現在位置を取得すること、並びに
取得された前記現在位置及び所与のルールに応じた触覚によるフィードバックであって、目的地までのルートを示すように構成されるフィードバックを、前記触覚フィードバ
ックモジュールを介してユーザに出力すること、
を実行するように構成され、
前記触覚フィードバックモジュールは、複数の振動モータを備え、
前記目的地までのルートを示すことは、
一方向に移動を指示する距離を示すこと、及び
指示される前記距離を移動した後に、更なる移動を指示する方向を示すこと、
を含み、
前記所与のルールは、
前記更なる移動を指示する方向に応じて、前記複数の振動モータの駆動パターンを決定すること、並びに
前記一方向に移動を指示する距離に応じて、前記複数の振動モータのうち、決定された前記駆動パターンで駆動される振動モータの振動回数、振動強度及び振動周期の少なくともいずれかを決定すること、
を含む、
カゴ。
【請求項15】
1以上の車輪を更に備えることで、カートとして構成される、
請求項8から14のいずれか1項に記載のカゴ。
【請求項16】
触覚フィードバックモジュール、
測位センサ、
制御装置、及び
筐体
を備え、
前記制御装置は、
前記測位センサにより測定される現在位置を取得すること、並びに
取得された前記現在位置及び所与のルールに応じた触覚によるフィードバックであって、目的地までのルートを示すように構成されるフィードバックを、前記触覚フィードバックモジュールを介してユーザに出力すること、
を実行するように構成され、
前記筐体は、前記触覚フィードバックモジュール、測位センサ及び制御装置を収容し、カゴに設けられた持ち手部を引っ掛けるための1以上の溝を備える、
スマートグリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スマートグリップ及びカゴに関する。
【背景技術】
【0002】
店舗(商業施設)、空港等の施設内において、目的地への経路を案内するシステムが存在する。例えば、特許文献1には、店舗内の顧客の現在位置を取得し、取得された現在位置及び商品位置に基づいて購入経路を計算し、かつ得られた購入経路による案内情報をユーザ端末(端末装置)に送信する商品案内装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-230236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1等の従来のシステムによれば、ユーザ端末に表示される情報に基づいて、目的地(例えば、商品の場所等)までのルートを案内することができる。しかしながら、本件発明者は、従来のシステムには、次のような問題点があることを見出した。
【0005】
すなわち、施設内では、ユーザは、カゴ(カートを含む)を持った状態で移動することがある。ユーザ端末に与える情報によりルートを案内する場合、ユーザは、カゴ及びユーザ端末の両方を持ちながら、ユーザ端末に表示される視覚的な情報を確認することになる。カゴを持った状態で、ユーザ端末に表示される視覚的な情報を確認することは手間である可能性がある。
【0006】
本開示は、一側面では、このような事情を鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、目的地までのルートを案内する場面において、ユーザの手間を抑えるための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。なお、以下の構成は適宜組み合わせ可能である。
【0008】
本開示の一側面に係るスマートグリップは、触覚フィードバックモジュール、測位センサ、及び制御装置を備える。制御装置は、測位センサにより測定される現在位置を取得すること、並びに取得された現在位置及び所与のルールに応じた触覚によるフィードバックであって、目的地までのルートを示すように構成されるフィードバックを、触覚フィードバックモジュールを介してユーザに出力することを実行するように構成される。
【0009】
当該構成では、グリップであることで、カゴと共通に把持可能である。例えば、スマートグリップがカゴの持ち手として利用可能である場合、スマートグリップを把持することを介して、カゴを持つことができる。そのため、当該構成によれば、カゴと別途にユーザ端末を把持する手間を少なくとも部分的に削減可能である。また、当該構成では、目的地までのルートを示すフィードバックは、所与のルールに応じて決定される。ユーザは、所与のルールに従ってフィードバックを解釈することで、フィードバックにより示されるルートを認識することができる。このルートをユーザに伝達可能なフィードバックが、触覚を介して与えられる。これにより、視覚的な情報を確認する作業を少なくとも部分的に削
減可能である。したがって、当該構成によれば、目的地までのルートを案内する場面において、ユーザの手間の削減を期待可能である。
【0010】
上記一側面に係るスマートグリップにおいて、所与のルールは、移動を指示する距離に応じて、触覚フィードバックモジュールの振動回数を決定することを含んでよい。当該構成によれば、移動を指示する距離が、触覚を介したフィードバックの振動回数により伝達される。これにより、目的地までのルートの少なくとも一部を適正に案内可能である。
【0011】
上記一側面に係るスマートグリップにおいて、所与のルールは、移動を指示する距離に応じて、触覚フィードバックモジュールの振動強度を決定することを含んでよい。当該構成によれば、移動を指示する距離が、触覚を介したフィードバックの振動強度により伝達される。これにより、目的地までのルートの少なくとも一部を適正に案内可能である。
【0012】
上記一側面に係るスマートグリップにおいて、所与のルールは、移動を指示する距離に応じて、触覚フィードバックモジュールの振動周期を決定することを含んでよい。当該構成によれば、移動を指示する距離が、触覚を介したフィードバックの振動周期により伝達される。これにより、目的地までのルートの少なくとも一部を適正に案内可能である。
【0013】
上記一側面に係るスマートグリップにおいて、所与のルールは、移動を指示する方向に応じて、触覚フィードバックモジュールの駆動パターンを決定することを含んでよい。当該構成によれば、移動を指示する方向が、触覚を介したフィードバックの駆動パターンにより伝達される。これにより、目的地までのルートの少なくとも一部を適正に案内することができる。
【0014】
上記一側面に係るスマートグリップにおいて、所与のルールは、現在位置から第1分岐点まで進行方向を変えずに通過する第2分岐点の数に応じて、触覚フィードバックモジュールの振動回数を決定することを含んでよい。当該構成によれば、進行方向を変えずに通過する分岐点(第2分岐点)の数が、触覚を介したフィードバックの振動回数により伝達される。これにより、目的地までのルートの少なくとも一部を適正に案内可能である。
【0015】
上記一側面に係るスマートグリップにおいて、触覚フィードバックモジュールは、サーボモータを備えてよい。サーボモータは、シャフト及びシャフトに取り付けられたアームを備えてよい。所与のルールは、移動を指示する距離に応じて、サーボモータのアームを振る回数を決定することを含んでよい。当該構成によれば、移動を指示する距離が、サーボモータのアームを振る回数により伝達される。これにより、目的地までのルートの少なくとも一部を適正に案内することができる。
【0016】
上記一側面に係るスマートグリップにおいて、触覚フィードバックモジュールは、サーボモータを備えてよい。サーボモータは、シャフト及びシャフトに取り付けられたアームを備えてよい。所与のルールは、一方向に移動を指示する距離に応じて、サーボモータのアームを振る回数を決定すること、及び指示される距離を移動した後に、更なる移動を指示する方向に応じて、サーボモータのアームを振る方向を決定することを含んでよい。
【0017】
当該構成によれば、一方向に移動を指示する距離が、サーボモータのアームを振る回数により伝達される。指示される距離を移動した後に更なる移動を指示する方向が、サーボモータのアームを振る方向により伝達される。これにより、目的地までのルートの少なくとも一部を適正に案内することができる。
【0018】
上記一側面に係るスマートグリップにおいて、触覚フィードバックモジュールは、サーボモータを備えてよい。サーボモータは、シャフト及びシャフトに取り付けられたアーム
を備えてよい。所与のルールは、現在位置から第1分岐点まで進行方向を変えずに通過する第2分岐点の数に応じて、サーボモータのアームを振る回数を決定することを含んでよい。当該構成によれば、進行方向を変えずに通過する分岐点(第2分岐点)の数が、サーボモータのアームを振る回数により伝達される。これにより、目的地までのルートの少なくとも一部を適正に案内することができる。
【0019】
上記一側面に係るスマートグリップにおいて、所与のルールは、第1分岐点で移動を指示する方向に応じて、サーボモータのアームを振る方向を決定することを更に含んでよい。当該構成によれば、第2分岐点を通過した後の分岐点(第1分岐点)で向きを変える方向(すなわち、第1分岐点から進行する方向)が、サーボモータのアームを振る方向により伝達される。これにより、目的地までのルートの少なくとも一部を適正に案内することができる。
【0020】
上記一側面に係るスマートグリップにおいて、触覚フィードバックモジュールは、サーボモータ及び振動モータを備えてよい。サーボモータは、シャフト及びシャフトに取り付けられたアームを備えてよい。所与のルールは、現在位置から第1分岐点まで進行方向を変えずに通過する第2分岐点の数に応じて振動モータの振動回数を決定すること、及び第1分岐点で移動を指示する方向に応じて、サーボモータのアームを振る方向を決定することを含んでよい。
【0021】
当該構成によれば、進行方向を変えずに通過する分岐点(第2分岐点)の数が、触覚を介したフィードバックにおける振動モータの振動回数により伝達される。第2分岐点を通過した後の分岐点(第1分岐点)で向きを変える方向(すなわち、第1分岐点から進行する方向)が、触覚を介したフィードバックにおけるサーボモータのアームを振る方向により伝達される。これにより、目的地までのルートの少なくとも一部を適正に案内することができる。
【0022】
上記一側面に係るスマートグリップにおいて、触覚フィードバックモジュールは、サーボモータ及び振動モータを備えてよい。サーボモータは、シャフト及びシャフトに取り付けられたアームを備えてよい。所与のルールは、一方向に移動を指示する距離に応じて、振動モータの振動回数、振動強度及び振動周期の少なくともいずれかを決定すること、並びに振動モータにより指示される距離を移動した後に、更なる移動を指示する方向に応じて、サーボモータのアームを振る方向を決定することを含んでよい。
【0023】
当該構成によれば、一方向に移動を指示する距離が、触覚を介したフィードバックにおける振動モータの振動回数、振動強度及び振動周期の少なくともいずれかにより伝達される。指示される距離を移動した後に更なる移動を指示する方向が、触覚を介したフィードバックにおけるサーボモータのアームを振る方向により伝達される。これにより、目的地までのルートの少なくとも一部を適正に案内することができる。
【0024】
上記一側面に係るスマートグリップにおいて、触覚フィードバックモジュールは、複数の振動モータを備えてよい。所与のルールは、移動を指示する方向に応じて、複数の振動モータの駆動パターンを決定することを含んでよい。当該構成によれば、移動を指示する方向が、触覚を介したフィードバックにおける複数の振動モータの駆動パターンにより伝達される。これにより、目的地までのルートの少なくとも一部を適正に案内可能である。
【0025】
上記一側面に係るスマートグリップにおいて、触覚フィードバックモジュールは、複数の振動モータを備えてよい。目的地までのルートを示すことは、一方向に移動を指示する距離を示すこと、及び指示される距離を移動した後に、更なる移動を指示する方向を示すことを含んでよい。所与のルールは、更なる移動を指示する方向に応じて、複数の振動モ
ータの駆動パターンを決定すること、並びに一方向に移動を指示する距離に応じて、複数の振動モータのうち、決定された駆動パターンで駆動される振動モータの振動回数、振動強度及び振動周期の少なくともいずれかを決定することを含んでよい。
【0026】
当該構成によれば、一方向に移動を指示する距離が、触覚を介したフィードバックにおける、指示される距離を移動した後に更なる移動を指示する方向に応じて決定される駆動パターンで駆動される振動モータの振動回数、振動強度及び振動周期の少なくともいずれかにより伝達される。指示される距離を移動した後に更なる移動を指示する方向が、触覚を介したフィードバックにおける複数の振動モータの駆動パターンにより伝達される。これにより、目的地までのルートの少なくとも一部を適正に案内することができる。
【0027】
なお、本開示の形態は、上記スマートグリップに限られなくてよい。本開示の一側面は、カゴの構成要素であってもよい。本開示の一側面は、カゴ(カートを含む)自体であってもよい。また、本開示の一側面は、上記制御装置(コンピュータ)の全部又はその一部を実現する情報処理方法であってもよいし、プログラムであってもよいし、このようなプログラムを記憶した、コンピュータ等の機械が読み取り可能な記憶媒体であってもよい。ここで、機械が読み取り可能な記憶媒体とは、プログラム等の情報を、電気的、磁気的、光学的、機械的又は化学的作用によって蓄積する非一時的な媒体であってよい。非一時的な記憶媒体は、記憶メディア(CD、DVD、半導体メモリ等)、コンピュータの補助記憶装置、コンピュータに接続される外部記憶装置等を含んでよい。
【0028】
例えば、本開示の一側面に係るカゴは、カゴ本体、触覚フィードバックモジュール、測位センサ、及び制御装置を備えてよい。制御装置は、測位センサにより測定される現在位置を取得すること、並びに取得された現在位置及び所与のルールに応じた触覚によるフィードバックであって、目的地までのルートを示すように構成されるフィードバックを、触覚フィードバックモジュールを介してユーザに出力することを実行するように構成されてよい。
【0029】
上記一側面に係るカゴは、1以上の車輪を更に備えることで、カートとして構成されてよい。当該構成によれば、カートの形態で、ユーザの手間の削減を期待可能である。
【発明の効果】
【0030】
本開示の一側面によれば、目的地までのルートを案内する場面において、ユーザの手間の削減を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、本開示が適用される場面の一例を模式的に示す。
図2図2は、所与のルールの一例(第1ルール)を模式的に示す。
図3図3は、所与のルールの一例(第2ルール)を模式的に示す。
図4図4は、第1ルール及び第2ルールの両方を利用してルートを案内する場面の一例を模式的に示す。
図5図5は、所与のルールの一例(第3ルール)を模式的に示す。
図6図6は、スマートグリップの構造の一例を模式的に示す側面図である。
図7図7は、スマートグリップの構造の一例を模式的に示す平面図である。
図8図8は、所与のルールの具体例(第1事例)を模式的に示す。
図9図9は、所与のルールの具体例(第2事例)を模式的に示す。
図10図10は、所与のルールの具体例(第3事例)を模式的に示す。
図11図11は、所与のルールの具体例(第4事例)を模式的に示す。
図12図12は、所与のルールの具体例(第5事例)を模式的に示す。
図13図13は、所与のルールの具体例(第6事例)を模式的に示す。
図14図14は、スマートグリップの構造の他の一例を模式的に示す平面図である。
図15図15は、所与のルールの具体例(第7事例)を模式的に示す。
図16図16は、所与のルールの具体例(第8事例)を模式的に示す。
図17図17は、所与のルールの具体例(第9事例)を模式的に示す。
図18図18は、スマートグリップ(制御装置)のソフトウェア構成の一例を模式的に示す。
図19図19は、制御装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図20図20は、本開示が適用される場面の他の一例を模式的に示す。
図21図21は、本開示が適用される場面の他の一例を模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本開示の一側面に係る実施の形態を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本開示の例示に過ぎない。本開示の範囲を逸脱することなく種々の改良又は変形が行われてよい。本開示の実施にあたって、実施の形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。なお、本実施形態において登場するデータを自然言語により説明しているが、より具体的には、コンピュータ等の機械が認識可能な疑似言語、コマンド、パラメータ、マシン語、電気信号等で指定される。
【0033】
§1 適用例
図1は、本開示が適用される場面の一例を模式的に示す。本実施形態に係るスマートグリップ1は、触覚フィードバックモジュール13、測位センサ14及び制御装置11を備える。制御装置11は、測位センサ14により測定される現在位置20を取得すること、並びに取得された現在位置20及び所与のルール23に応じた触覚によるフィードバック25を、触覚フィードバックモジュール13を介してユーザTUに出力することを実行するように構成される。フィードバック25は、目的地30までのルート33を示すように構成される。
【0034】
本実施形態によれば、フィードバック25を出力するデバイス(スマートグリップ1)がグリップであることで、カゴB1と共通に把持可能である。例えば、スマートグリップ1がカゴB1の持ち手として利用可能である場合、スマートグリップ1を把持することを介して、カゴB1を持つことができる。そのため、本実施形態によれば、カゴB1と別途にユーザ端末を把持する手間を少なくとも部分的に削減可能である。スマートグリップ1は、ユーザ端末と共に使用されてよいが、スマートグリップ1を介してフィードバック25を与えることで、ユーザ端末の使用頻度の削減を期待することができる。また、本実施形態では、目的地30までのルート33を示すフィードバック25は、所与のルール23に応じて決定される。ユーザTUは、所与のルール23に従ってフィードバック25を解釈することで、フィードバック25により示されるルート33を認識することができる。このルート33をユーザTUに伝達可能なフィードバック25が、触覚を介して与えられる。これにより、視覚的な情報を確認する作業を少なくとも部分的に削減可能である。スマートグリップ1は、視覚的な情報の出力と共に使用されてよいが、スマートグリップ1を介して触覚によるフィードバック25を与えることで、視覚的な情報の確認頻度の削減を期待することができる。したがって、本実施形態によれば、目的地30までのルート33を案内する場面において、ユーザTUの手間の削減を期待することができる。
【0035】
[カゴ]
本実施形態の一例では、スマートグリップ1は、カゴB1の持ち手として利用可能に構成されてよい。カゴB1の構成は、特に限られなくてよく、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。
【0036】
図1に示されるように、典型的な一例では、カゴB1は、カゴ本体B10及び一対の持ち手部B11を備えてよい。カゴ本体B10及び各持ち手部B11の構成は、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。例えば、カゴ本体B10は、上端が開放され、下端が底面で閉じていることで、上端側から荷物TPを受け入れるように構成されてよい。カゴ本体B10は、略直方体状、略四角錐台等の任意の形状を有してよい。一対の持ち手部B11は、カゴ本体B10の長手方向に分かれて配置されてよい。持ち手部B11の各端部は、短手方向の軸周りに持ち手部B11を回動可能に、カゴ本体B10の短手方向の各側面と連結されてよい。これにより、各持ち手部B11は、カゴ本体B10との連結部で回動することで角度を変更し、短手方向に沿って握るように構成されてよい。カゴB1が、カゴ本体B10を備える場合、荷物TP(商品等)をカゴ本体B10へ投入することが、荷物TPをカゴB1へ投入することに相当してよい。
【0037】
なお、カゴB1の構成は、図1の例に限られなくてよく、実施の形態に応じて適宜変更されてよい。例えば、持ち手部B11の数は、2つに限られなくてよい。持ち手部B11の数は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。また、一方の持ち手部B11の各端部は、カゴ本体B10の短手方向の一方の側面と長手方向に分かれて連結してよく、他方の持ち手部B11の各端部は、カゴ本体B10の短手方向の他方の側面と長手方向に分かれて連結してもよい。これにより、各持ち手部B11は、長手方向に沿って握るように構成されてもよい。
【0038】
また、カゴB1の種類も、図1の例に限られなくてよく、実施の形態に応じて適宜変更されてよい。任意の物の持ち運びに利用可能であれば、カゴB1の種類は、特に限られなくてよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。カゴB1は、1以上の車輪を備えるカートを含んでよい。例えば、カゴB1は、ショッピングカゴ、ショッピングカート、空港で利用される手荷物カート等を含んでよい。カゴB1は、ビニール袋、紙袋等のショッピングに利用可能な袋を含んでよい。また、カゴB1は、ハンガー等、吊ることで物を保持可能な器具を含んでもよい。カゴB1には、公知のカゴが用いられてもよい。
【0039】
[カゴの持ち手として利用可能であること]
カゴ(カゴB1等)の持ち手として利用可能であることは、荷物(荷物TP等)を持ち運ぶ際に、ユーザにより把持される持ち手の少なくとも一部としてスマートグリップ1が配置される任意の形態により構成されてよい。一例では、カゴの持ち手として利用可能であることは、カゴの持ち手部(持ち手部B11等)をスマートグリップ1に掛けることで、カゴに設けられる既存の持ち手を代替することにより構成されてよい。カゴの持ち手部は、袋の持ち手部、ハンガーのフック等の、スマートグリップ1に掛けることが可能な任意の構成要素を含んでよい。他の一例では、カゴの持ち手として利用可能であることは、カゴの持ち手部に取り付けされることにより構成されてもよい。更に他の一例では、カゴの持ち手として利用可能であることは、持ち手部としてカゴ本体(カゴ本体B10等)に取り付けられることにより構成されてもよい。すなわち、スマートグリップ1は、カゴの持ち手部自体として構成されてもよい。なお、スマートグリップ1は、このような例に限られなくてよく、カゴ(カゴB1)と共に把持可能な任意の構成を有してよい。
【0040】
[使用場面]
本実施形態に係るスマートグリップ1は、ルート(ルート33)を案内するあらゆる場面で使用されてよい。一例では、本実施形態に係るスマートグリップ1は、店舗、空港等の任意の施設内でのルート案内に使用されてよい。店舗は、商品を販売する商業施設を含んでよい。店舗での商品の販売形態は、無人販売及び有人販売のいずれであってもよい。荷物TPは、持ち運びされるあらゆる種類の物を含んでよい。例えば、スマートグリップ1を店舗(商業施設)で使用する場合、荷物TPは、店舗で販売される商品を含んでよい。また、スマートグリップ1を空港で使用する場合、荷物TPは、ユーザTUの手荷物(
キャリーバッグ等)を含んでよい。また、一例では、本実施形態に係るスマートグリップ1は、屋外での一般的なルート案内に使用されてもよい。
【0041】
なお、スマートグリップ1は、任意のセンサを更に備えることで、施設内におけるユーザTUの行動をモニタリング可能に構成されてよい。例えば、モニタリング対象の行動は、カゴへの商品の投入等の購買行動を含んでよい。モニタリングに使用するセンサ、及びモニタリング対象となるユーザTUの行動はそれぞれ、特に限られなくてよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、スマートグリップ1を店舗で使用する際、スマートグリップ1は、センサの観測結果に応じて、カゴ(カゴB1)への商品の投入を検知し、検知された投入商品を識別するように構成されてよい。商品の投入の検知及び商品の識別には、任意のセンサが用いられてよい。
【0042】
一例では、スマートグリップ1は、検知センサ及び撮像装置を更に備えてよい。撮像装置は、カゴB1(カゴ本体B10)に商品を投入する際、投入される商品を観測可能な場所に適宜配置されてよい。撮像装置の種類は、特に限られなくてよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。撮像装置は、例えば、RGBカメラ、深度センサ、赤外線センサ、レーダ、LiDAR(light detection and ranging)等の、画像又は画像表現でデータを獲得するあらゆるセンサを含んでよい。撮像装置は、商品の識別に使用される画像を得るために使用されてよい。
【0043】
検知センサは、カゴB1への商品の投入を検知するように適宜構成されてよい。検知センサの種類は、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、検知センサは、1以上の荷重センサ(重量センサ)で構成されてよい。この場合、検知センサは、商品の投入による重量の変化(増加)を検出することで、商品の投入を検知することができる。検知センサは、商品の投入による重量の変化を観測可能な任意の場所に配置されてよい。
【0044】
また、例えば、検知センサは、1以上の撮像装置で構成されてよい。この場合、検知センサは、商品の識別に使用される画像を得るための上記撮像装置と同一であってもよいし、別体として設けられてもよい。検知センサは、撮像装置により得られる撮像画像において商品を捕捉することで、商品の投入を検知することができる。検知センサは、ユーザが商品を手に取ってからカゴB1に入れるまでの間、及びカゴB1に入れた後の少なくともいずれかにおいて、商品が撮像範囲に入る任意の場所に配置されてよい。
【0045】
また、例えば、検知センサは、1以上の接触センサで構成されてよい。この場合、検知センサは、投入される商品又は商品の投入により変位した他の物(スイッチ部材等)が接触することで、商品の投入を検知可能である。検知センサは、投入された商品が直接的又は間接的に接触する任意の場所に配置されてよい。間接的に接触することは、商品の投入により変位した他の物が接触することを含んでよい。検知センサは、複数種類のセンサで構成されてもよい。
【0046】
検知センサ及び撮像装置を更に備える場合、スマートグリップ1(制御装置11)は、検知センサの観測結果に応じて、商品が投入されたか否かを検知してよい。検知センサにより商品の投入を検知した際、スマートグリップ1(制御装置11)は、撮像装置から撮像画像を取得してよい。投入される商品が撮像画像に写り得るタイミングであれば、撮像装置による撮像タイミングは、特に限られなくてよく、実施の形態に応じて適宜規定されてよい。一例では、撮像装置が、投入検知後の商品を撮像可能な位置に配置される場合、制御装置11は、検知センサにより商品の投入を検知したことに応じて、撮像装置を起動し、投入された商品を撮像するように撮像装置の動作を制御してよい。制御装置11は、商品の投入を検知した後の任意のタイミングに、商品を撮像するように撮像装置を制御してよい。例えば、制御装置11は、商品の投入を検知した直後に商品を撮像するように撮
像装置を制御してよい。制御装置11は、この撮像により生成された1以上の撮像画像を撮像装置から適宜取得してよい。1以上の撮像画像を生成した後、制御装置11は、撮像装置の動作を停止する又は待機状態に切り替えてよい。この一例によれば、撮像装置を起動する期間を絞ることができるため、スマートグリップ1における処理負荷及び電力の消費の軽減を期待することができる。他の一例では、撮像装置は、撮像画像を継続的に生成するように制御されてよい。生成された撮像画像は、少なくとも一定期間の間、記憶領域(記憶部12等)に蓄積されてよい。検知センサにより商品の投入を検知した時刻及びその時刻付近で生成された撮像画像には、投入された商品が写っている可能性が高い。そのため、制御装置11は、記憶領域に蓄積された撮像画像の中から、検知センサにより商品の投入を検知した時刻及びその時刻付近で生成された1以上の撮像画像を取得してよい。
【0047】
そして、スマートグリップ1(制御装置11)は、取得された撮像画像を画像解析することで、撮像画像に写る商品を識別してよい。画像解析による識別方法は、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。一例では、商品の識別情報を符号化することで生成されたコードが商品に付与される場合、撮像画像を解析することは、商品に付与されるコードを復号化することを含んでよい。コードの種類は、任意に選択されてよい。コードは、例えば、一次元コード、二次元コード等であってよい。他の一例では、制御装置11は、画像解析において、コードによらず商品の特徴(外観等)から商品を識別してもよい。
【0048】
画像解析の方法は、特に限られなくてよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。一例では、スマートグリップ1(制御装置11)は、エッジ検出、パターンマッチング等の一般的な画像解析手法により撮像画像を解析してよい。他の一例では、スマートグリップ1(制御装置11)は、画像を解析する能力を獲得した訓練済みの機械学習モデルを用いて、撮像画像を解析してもよい。機械学習モデルは、機械学習により調整可能な1つ以上の演算パラメータを含むように構成される。1つ以上の演算パラメータは、目的とする推論(画像の解析等)の演算に使用される。機械学習モデルは、例えば、ニューラルネットワーク、サポートベクタマシン、その他の関数式(演算モデル)等により構成されてよい。機械学習の方法は、採用する機械学習のモデルに応じて適宜選択されてよい(例えば、誤差逆伝播法等)。機械学習モデルを訓練することは、訓練サンプルを使用して、演算パラメータの値を調整(最適化)することである。機械学習モデルは、訓練サンプルの画像を与えられると、対応する解析結果の真値を導出するように適宜訓練されてよい。訓練済み機械学習モデルには、大規模視覚言語モデル(VLM:Vision Language Model)等の大規模モデルが用いられてもよい。
【0049】
スマートグリップ1(制御装置11)は、商品の識別結果を適宜出力してよい。商品の識別結果は、任意の目的で使用されてよい。一例では、商品の識別結果は、後述する次の目的地を決定するのに使用されてよい。また、スマートグリップ1は、通信モジュール15を更に備えてよい。スマートグリップ1(制御装置11)は、外部コンピュータ(店舗端末、ユーザ端末、サーバ装置等)に商品の識別結果を出力してもよい。
【0050】
なお、商品を識別する処理は、必ずしもスマートグリップ1上で実行されなくてもよい。商品を識別する処理は、スマートグリップ1以外の他のコンピュータ(例えば、店舗端末、ユーザ端末、サーバ装置等)で実行されてもよい。他のコンピュータは、任意の方法で商品を識別してよい。一例では、他のコンピュータは、スマートグリップ1から情報を取得し、取得された情報に基づいて商品を識別してよい。スマートグリップ1から取得される情報は、上記撮像画像等のセンシングデータを含んでよい。他のコンピュータは、上記スマートグリップ1と同様の方法で商品を識別してもよい。他の一例では、他のコンピュータは、スマートグリップ1から情報を取得せず、施設に設けられたセンサ類(1以上のセンサ)からセンシングデータを取得し、取得されたセンシングデータに基づいて商品を識別してもよい。
【0051】
使用するセンサは、任意に選択されてよい。例えば、センサは、撮像範囲に商品棚が含まれるように設置された撮像装置を含んでよい。この場合、他のコンピュータは、撮像装置により得られる撮像画像を画像解析することで、投入された商品を識別してよい。また、例えば、センサは、商品棚に陳列された商品の重量を測定するように設置された荷重センサ(重量センサ)を含んでよい。この場合、他のコンピュータは、荷重センサの測定データにより、重量の変化(減少)した商品棚を特定することで、投入された商品を識別してよい。
【0052】
また、スマートグリップ1は、施設に配備されるシステム、ユーザ端末等の外部システムと連携してもよいし、外部システムとは連携せずに単独で使用されてもよい。一例では、撮像装置、荷重センサ等のセンサ類は施設に設けられず、スマートグリップ1のみでユーザTUの行動がモニタリングされてもよい。他の一例では、センサ類が、施設に設けられてよく、スマートグリップ1は、店舗に設けられたセンサ類と連携して、又は店舗に設けられたセンサ類とは無関係に(すなわち、店舗のセンサ類とは連携せず)ユーザTUの行動をモニタリングしてもよい。
【0053】
[荷物の投入]
カゴ(カゴB1)に荷物(荷物TP)を投入することは、荷物を持ち運ぶ任意の形態を含んでよい。図1に例示されるように、典型的な一例では、カゴに荷物を投入することは、スマートグリップ1を含むカゴB1のカゴ本体B10に荷物TPを新たに入れることであってよい。その他、カゴに荷物を投入することは、荷物を入れたカゴの持ち手部をスマートグリップ1に新たに掛ける等、荷物をカゴに投入する行為に類似するあらゆる行為を含んでよい。荷物を入れたカゴの持ち手部を掛けることは、荷物を入れたビニール袋の持ち手部を掛けること、荷物を吊っているハンガーのフックを掛けること等を含んでよい。
【0054】
[現在位置]
現在位置20は、測位センサ14の測定値から適宜導出されてよい。例えば、測位センサ14の測定値がそのまま現在位置20として使用されてよい。また、例えば、現在位置20は、測位センサ14の1以上の測定値に任意の演算処理を適用することで、測位センサ14の測定値から算出されてもよい。目的地30までのルート33の検索に使用可能であれば、現在位置20の表現形式は、特に限られなくてよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。一例では、現在位置20は、マップ上において、2次元又は3次元の座標値で位置を示すように構成されてよい。
【0055】
[目的地]
目的地30は、任意の方法で与えられてよい。一例では、スマートグリップ1は、入力装置17を更に備えてよい。目的地30は、入力装置17により入力されてよい。例えば、入力装置17はマイクを含んでよく、目的地30は、音声により入力されてもよい。また、例えば、スマートグリップ1は、出力装置16を更に備えてよい。目的地30は、出力装置16から出力される情報(例えば、マップ、目的地の候補等)の中から入力装置17の操作により入力されてもよい。また、一例では、スマートグリップ1は通信モジュール15を更に備えてよい。目的地30は、通信モジュール15を介して外部コンピュータから与えられてもよい。
【0056】
また、目的地30は、任意の方法で指定されてよい。一例では、目的地30は、マップ上でのポイント指定、地点名の指定(住所指定等)等の方法で直接的に指定されてよい。他の一例では、目的地30は、対象の地点に関連する対象物の指定等の方法で間接的に指定されてもよい。例えば、空港等の施設内でスマートグリップ1を使用する場合、対象物は、搭乗カウンタ、保安検査場等の設備を含んでよい。また、例えば、スマートグリップ
1を店舗内で使用する場合、対象物は、売り場、特定の商品、レジ(レジスタ)等の任意の目標物を含んでよい。目的地30の指定には、公知の方法が採用されてもよい。
【0057】
[ルート]
現在位置20から目的地30までのルート33は、現在位置20から目的地30までの全ての経路で構成されてもよいし、現在位置20から目的地30までの一部の経路で構成されてもよい。一部の経路は、例えば、現在位置20から経由地までの経路等であってよい。経由地は、例えば、進行方向を転換する分岐点等の任意の中間点を含んでよい。目的地30までのルート33を示すことは、現在位置20から目的地30までの少なくとも一部の経路を示すことにより構成されてよい。
【0058】
一例では、フィードバック25により目的地30までのルート33を示すことは、移動を指示する距離及び方向の少なくとも一方を示すことを含んでよい。移動の起点は、任意に選択されてよい。典型的な一例では、移動の起点は、現在位置20であってよい。すなわち、目的地30までのルート33を示すことは、現在位置20から移動を指示する距離及び方向の少なくとも一方を示すことを含んでよい。他の一例では、移動の起点は、未来の位置であってもよい。未来の位置は、現在位置20から目的地30までに経由し得る任意の地点(例えば、経由地等のルート33上の中間点)であってよい。これにより、目的地30までのルート33を示すことは、未来の位置から移動を指示する距離及び方向の少なくとも一方を示すことで、未来の経路を予告することを含んでよい。
【0059】
移動を指示する距離は、目的地30までの全ての経路の合計距離であってもよいし、一部の経路の距離(例えば、経由地までの距離等)であってもよい。一例では、検索されたルート33が直線的な経路を含む場合、目的地30までのルート33を示すことは、一方向に移動を指示する距離を示すことを含んでよい。例えば、フィードバック25は、現在位置20から一方向に移動を指示する距離を示すように構成されてよい。
【0060】
フィードバック25が、移動を指示する距離及び方向の両方を示すように構成される場合、指示する距離及び方向の移動順序は、実施の形態に応じて適宜規定されてよい。一例では、示される距離は、示される方向を向く前に移動を指示する距離であってもよいし、示される方向を向いた後に移動を指示する距離であってもよい。これに応じて、示される方向は、示される距離を移動した後に更に移動を指示する方向(すなわち、方向転換後の進行方向)であってもよいし、示される距離の進行方向であってもよい。示される距離が、示される方向を向く前に移動を指示する距離である場合、示される距離の移動における進行方向は、例えば、現在の進行方向等の任意の方向であってよい。現在の進行方向は、現在位置20が計測された時点での進行方向であってよい。
【0061】
(ルートの検索)
ルート33は、任意の方法で検索されてよい。一例では、制御装置11は、記憶部12を更に備えてよく、検索範囲のマップを示すマップ情報125が記憶部12に保持されていてよい。制御装置11は、マップ情報125により示されるマップ上で、現在位置20から目的地30までのルート33を適宜検索してよい。マップ上でルート33を検索する方法は、特に限られなくてよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。検索方法には、公知の方法が採用されてよい。制御装置11は、この検索の結果として、ルート33を取得してよい。
【0062】
ルート33を検索する処理は、フィードバック25を出力する前の任意のタイミングに実行されてよい。一例では、ルート33を検索した後、制御装置11は、ルート33の検索に使用した現在位置20によりフィードバック25を生成し、生成されたフィードバック25を即時的に出力してもよい。すなわち、制御装置11は、現在位置20を取得し、
フィードバック25を出力する一連の処理の中で、ルート33を検索する処理も実行してよい。他の一例では、制御装置11は、ルート33を検索した後、測位センサ14により測定される現在位置20を継続的に取得することで、ユーザTUの移動を監視してもよい。制御装置11は、ユーザTUの移動を監視した結果に応じて、ユーザTUの位置(現在位置20)が所定の条件を充足したか否かを判定してよい。移動するユーザTUの位置が所定の条件を充足したことに応じて、制御装置11は、フィードバック25を出力する処理を実行してもよい。このケースでは、ルート33のスタート地点として使用された現在位置20は、フィードバック25を出力する時点におけるユーザTUの位置から乖離している可能性がある。そのため、制御装置11は、ユーザTUの移動の監視において新たに取得された現在位置20をフィードバック25の生成に使用してよい。制御装置11は、ユーザTUの移動を監視した結果に応じて、検索されたルート33からユーザTUが離れたか否かを判定してもよい。ルート33からユーザTUが離れたか否かは、例えば、ルート33から離れた距離、ルート33で示される分岐点と異なる分岐点で方向転換した等の任意の指標に応じて判定されてよい。検索されたルート33からユーザTUが離れた場合、制御装置11は、ルート33の再検索を実行してよい。一方、検索されたルート33からユーザTUが離れていない場合、制御装置11は、ルート33の再検索を実行せず、過去に得られたルート33の検索結果を継続的に使用してよい。制御装置11は、過去の検索結果(ルート33)及び新たに取得された現在位置20に応じて、フィードバック25を生成してよい。この場合、フィードバック25の生成に使用される現在位置20は、ルート33のスタート地点として使用された現在位置20と相違していてよい。更に他の一例では、移動するユーザTUの位置が所定の条件を充足したことに応じて、制御装置11は、ルート33の検索処理及びフィードバック25の生成処理を実行してもよい。
【0063】
マップ情報125は、記憶部12に予め組み込まれていてもよいし、外部コンピュータ5からネットワークを介して与えられてもよい。外部コンピュータ5は、スマートグリップ1以外の任意のコンピュータである。例えば、外部コンピュータ5は、施設端末(店舗端末)、ユーザ端末、サーバ装置等であってよい。マップ情報125は、ルート33の検索が可能な任意のデータ形式で構成されてよい。マップ情報125のデータ形式には公知のデータ形式が採用されてよい。
【0064】
なお、ルート33の検索は、必ずしもスマートグリップ1上で実行されなくてもよい。他の一例では、ルート33の検索は、外部コンピュータで実行されてもよい。上記外部コンピュータ5と同様に、ルート33を検索する外部コンピュータは、施設端末(店舗端末)、ユーザ端末、サーバ装置等であってよい。例えば、制御装置11は、現在位置20を外部コンピュータに送信することで、外部コンピュータに対してルート33の検索を要求してよい。目的地30は、スマートグリップ1又は他のコンピュータから外部コンピュータに与えられてよい。目的地30は、外部コンピュータ上で指定されてもよい。外部コンピュータは、任意の方法により、現在位置20から目的地30までのルート33を検索してよい。ルート33の検索方法は、上記スマートグリップ1と同様であってよい。外部コンピュータは、スマートグリップ1に検索結果を返信してよい。スマートグリップ1は、これを受信することで、ルート33を取得してよい。
【0065】
[フィードバック]
触覚を通じて感知可能であれば、フィードバック25の構成は、特に限られなくてよく、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。フィードバック25は、振動、接触等の物理的な運動を伴う動作により構成されてよい。触覚フィードバックモジュール13は、そのような物理的な運動を発生させる動作を実行可能な任意の装置により構成されてよい。例えば、触覚フィードバックモジュール13は、サーボモータ、振動モータ等のアクチュエータにより構成されてよい。アクチュエータの種類は、任意に選択されてよい。触覚フィードバックモジュール13は、複数種類のアクチュエータで構成されてもよい。例えば、
触覚フィードバックモジュール13は、サーボモータ、振動モータ又はこれらの組み合わせにより構成されてよい。スマートグリップ1において、触覚フィードバックモジュール13は、ユーザTUの把持する部分に運動を伝達可能な場所(例えば、ユーザTUにより把持され得る範囲の内部空間等)に適宜配置されてよい。
【0066】
(所与のルール)
所与のルール23は、フィードバック25を介して案内するルート33がユーザTUに認識されるように適宜規定されてよい。例えば、所与のルール23は、移動を指示する距離及び方向の少なくとも一方に応じて、触覚フィードバックモジュール13における制御アイテムの駆動量を決定するように規定されてよい。駆動量は、一定値で規定されてもよいし、変動値で規定されてもよい。駆動量を変動値で規定することは、フィードバック25の間、制御アイテムの動作を変動させることに対応してよい。制御項目(制御対象)は、触覚フィードバックモジュール13を構成する1以上の装備であって、触覚によるフィードバック25を出力するための1以上の装備の中から任意に選択されてよい。装備は、例えば、振動モータ、サーボモータ等を含んでよい。
【0067】
所与のルール23が、移動を指示する方向に応じて、制御アイテムの駆動量を決定するように規定される場合、所与のルール23により得られるフィードバック25は、移動を指示する方向を論理的又は直感的に指し示すように構成されてよい。対象の方向を論理的に指し示すことは、例えば、1回の振動で右方向を示す、2回の振動で左方向を示す等、フィードバック(フィードバック25)の動作をルール(所与のルール23)に照合して意味を理解することで対象の方向を特定可能に伝達することであってよい。一方、対象の方向を直感的に指し示すことは、例えば、サーボモータのアームを対象の方向に振る、対象の方向に対応する振動モータの振動を増大させる、対象の方向に応じた順序で複数の振動モータを駆動する等、対象の方向を直接的に感知可能に伝達することであってよい。
【0068】
(振動によるフィードバック)
一例では、触覚フィードバックモジュール13は、振動モータ等の振動を提示可能なアクチュエータ(以下、「振動アクチュエータ」とも称する)を含むことで、振動可能に構成されてよい。これに応じて、所与のルール23は、移動を指示する距離及び方向の少なくとも一方に応じて、触覚フィードバックモジュール13の振動の属性値を決定することを含んでよい。対象となる振動の属性値は、振動を特徴付ける任意の制御量を含んでよい。例えば、移動を指示する距離に応じて決定される振動の属性値には、振動回数、振動強度、振動周期又はこれらの組み合わせが含まれてよい。距離は、50m、100m等の共通の尺度で評価されてもよい。距離は、通過する分岐点の数等、スマートグリップ1を使用する施設に依存する指標で評価されてもよい。また、例えば、移動を指示する方向に応じて決定される振動の属性値には、駆動パターンが含まれてよい。
【0069】
(その他の触覚によるフィードバック)
フィードバック25は、振動によるフィードバックに限られなくてよい。フィードバック25は、振動によるフィードバックと共に又は振動によるフィードバックに代えて、振動以外のその他の触覚によるフィードバックを含んでもよい。一例では、触覚フィードバックモジュール13は、アームを備えるサーボモータ等の、直接的又は間接的な接触を提示可能なアクチュエータを含むことで、接触の動作を実行可能に構成されてよい。これに応じて、所与のルール23は、移動を指示する距離及び方向の少なくとも一方に応じて、触覚フィードバックモジュール13における接触の動作の属性値を決定することを含んでよい。対象となる接触の動作の属性値は、接触の動作を特徴付ける任意の制御量を含んでよい。例えば、移動を指示する距離に応じて決定される接触の動作の属性値には、接触の回数、強度及び周期の少なくともいずれかが含まれてよい。また、例えば、移動を指示する方向に応じて決定される接触の動作の属性値には、接触の方向が含まれてよい。
【0070】
(出力タイミング)
フィードバック25を出力するタイミングは、特に限られなくてよく、実施の形態に応じて適宜規定されてよい。
【0071】
一例では、制御装置11は、現在位置20を取得し、フィードバック25を出力する一連の情報処理を手動的に実行してよい。例えば、スマートグリップ1は、入力装置17を更に備えてよい。制御装置11は、ユーザTUによる入力装置17を介した出力要求の入力に応じて、フィードバック25の出力に関する上記一連の情報処理を実行してよい。出力要求の入力は、例えば、音声入力、操作入力等で構成されてよい。
【0072】
他の一例では、制御装置11は、フィードバック25の出力に関する上記一連の情報処理を自動的に実行してもよい。
【0073】
例えば、上記のとおり、制御装置11は、測位センサ14により測定される現在位置20を継続的に取得することで、ユーザTUの移動を監視してもよい。この移動の監視において、制御装置11は、取得される現在位置20が所定の条件を充足するか否かを判定してよい。取得される現在位置20が所定の条件を充足する場合、制御装置11は、その時点で取得された現在位置20に応じたフィードバック25を出力する処理を実行してもよい。一方、現在位置20が所定の条件を充足していない場合、制御装置11は、フィードバック25を出力する処理の実行を省略してよい。すなわち、この事例では、フィードバック25を出力するトリガは、現在位置20が所定の条件を充足したことである。
【0074】
所定の条件は、例えば、分岐点付近に到達した、分岐点で進行方向を変えて次の通路に進入した等、出力をトリガする場所に応じて適宜規定されてよい。出力をトリガする場所は、任意に選択されてよい。例えば、出力をトリガする場所は、分岐点を含んでよい。分岐点は、複数の方向に通路が枝分かれしている任意の場所を含んでよい。分岐点は、例えば、十字路、T字路等の交差点を含んでよい。一例として、商品を販売する店舗では、複数の商品棚が配置される。これにより、直列方向に隣接する商品棚の端部の間、並列方向に隣接する商品棚の陳列面の間、商品棚の端部と商品棚の陳列面との間等において、通路が形成される。分岐点は、この通路が交わる場所として形成されてよい。
【0075】
また、現在位置20が所定の条件を充足するか否かは、任意の方法で判定されてよい。例えば、マップ(マップ情報125)上において、所定の条件を充足すると判定するエリアが適宜設定されてよい。制御装置11は、設定されたエリアに現在位置20が属するか否かに応じて、現在位置20が所定の条件を充足するか否かを判定してよい。制御装置11は、設定されたエリアに現在位置20が属することに応じて、現在位置20が所定の条件を充足すると判定してよい。制御装置11は、設定されたエリアに現在位置20が属さないことに応じて、現在位置20が所定の条件を充足しないと判定してよい。設定されたエリア上の位置は、所定の条件を充足すると判定されてもよいし、所定の条件を充足しないと判定されてもよい。
【0076】
なお、現在位置20が所定の条件を充足するか否かを判定する処理は、必ずしもスマートグリップ1上で実行されなくてもよい。上記ルート33の検索処理と同様に、この判定処理も、外部コンピュータにより実行されてもよい。制御装置11は、現在位置20を外部コンピュータに送信することで、判定処理の実行を外部コンピュータに依頼してもよい。外部コンピュータは、この依頼に応じて、判定処理を実行してよい。外部コンピュータは、判定の結果を制御装置11に返信してよい。制御装置11は、これを受信することで、判定結果を取得してよい。
【0077】
また、例えば、制御装置11は、測位センサ14以外のセンサにより任意のイベントの発生を検知してもよい。イベントの発生を検知したことに応じて、制御装置11は、フィードバック25の出力に関する上記一連の処理を実行してもよい。検知するイベントは任意に規定されてよい。使用するセンサは、検知するイベントに応じて適宜選択されてよい。例えば、各商品の陳列場所を順次巡回するケース等、目的地に到達したことに応じて、次の目的地が新たに与えられる場合がある。この場合、制御装置11は、目的地(目的地30)に到達したか否かを検知してよい。制御装置11は、目的地への到達を検知したことに応じて、次の目的地を新たな目的地30に設定して、フィードバック25の出力に関する上記一連の処理を実行してもよい。
【0078】
目的地への到達は、任意の方法で検知されてよい。例えば、各商品の陳列場所を順次巡回するケースでは、購入予定商品のリストが、ユーザTUの入力等の任意の方法で予め与えられてよい。リストは、投入のステータス(未選択又は選択済み)を商品毎に保持していてよい。対象の店舗内において、リストに示される各購入予定商品の陳列場所を巡回する順序は、任意の方法により、自動的又は手動的に決定されてよい。巡回の順序は、公知の方法で決定されてもよい。制御装置11は、カゴB1に投入された商品の識別結果を適宜取得してよい。制御装置11は、取得された識別結果に応じて、投入された商品が、リストに含まれる購入予定商品のうち目的地30として選択されている対象の購入予定商品であるか否かを判定してよい。
【0079】
投入された商品が対象の購入予定商品ではない場合、制御装置11は、対象の購入予定商品へのルート(ルート33)の案内を継続してよい。対象の購入予定商品ではない商品の投入を検知したことに応じて、制御装置11は、目的地30の設定を維持したまま、フィードバック25の出力に関する上記一連の処理を実行してよい。これにより、他の商品の投入を検知した時点で、制御装置11は、対象の購入予定商品へのルートを示すように構成されるフィードバック25を出力してもよい。投入された商品が他の購入予定商品である場合は、制御装置11は、投入された商品(他の購入予定商品)のステータスを選択済みに変更してよい。一方、制御装置11は、投入された商品が対象の購入予定商品であることに応じて、目的地に到達したことを検知してよい。目的地への到達を検知したことに応じて、制御装置11は、対象の購入予定商品の次に巡回する購入予定商品であって、ステータスが未選択である購入予定商品の陳列場所を新たな目的地30に設定して、フィードバック25の出力に関する上記一連の処理を実行してよい。各商品の陳列場所は、マップ(マップ情報125)上で適宜規定されてよい。
【0080】
商品の識別は、任意の方法で行われてよい。一例では、商品の識別方法には、検知センサ及び撮像装置を利用する上記の方法が採用されてもよい。商品の識別方法には、公知の方法が採用されてもよい。また、商品の識別処理は、スマートグリップ1上で実行されてもよいし、スマートグリップ1以外の他のコンピュータで実行されてもよい。前者の場合、制御装置11は、商品の識別処理を実行することで、商品の識別結果を取得してよい。後者の場合、制御装置11は、他のコンピュータから商品の識別結果を取得してよい。
【0081】
なお、目的地への到達を検知する方法は、このような例に限られなくてよく、実施の形態に応じて適宜変更されてよい。他の一例では、目的地に到達したか否かは、上記現在位置20を用いる方法で判定されてよい。この場合、出力をトリガする場所は、目的地(商品の陳列場所等)を含んでよい。所定の条件は、目的地に応じて適宜規定されてよい。
【0082】
[具体例]
所与のルール23は、触覚フィードバックモジュール13の装備に応じて適宜選択されてよい。一例では、触覚フィードバックモジュール13が振動可能に構成される場合、所与のルール23は、以下の第1ルール~第3ルールの少なくともいずれかを含んでよい。
【0083】
(1)第1ルール
図2は、本実施形態に係る所与のルール23の一例(第1ルール)を模式的に示す。一例では、目的地30までのルート33を示すことは、移動を指示する距離50を示すことを含んでよい。所与のルール23は、移動を指示する距離50に応じて、触覚フィードバックモジュール13の振動回数、振動強度及び振動周期の少なくともいずれかを決定すること(第1ルール)を含んでよい。これに応じて、フィードバック25は、振動回数、振動強度及び振動周期の少なくともいずれかにより、ルート33上で移動する距離50を示すように構成されてよい。上記のとおり、距離50は、共通の尺度(50m、100m等)で評価されてもよいし、スマートグリップ1を使用する施設に依存する指標(通過する分岐点の数等)で評価されてもよい。
【0084】
距離50と各属性値との対応関係は、任意に規定されてよい。例えば、振動回数は、距離50が長いほど振動回数が多くなり、距離50が短いほど振動回数が少なくなるように決定されてよい。距離50と振動回数との対応関係は、この対応関係の反対であってもよい。また、例えば、振動強度は、距離50が長いほど振動強度が強くなり、距離50が短いほど振動強度が弱くなるように決定されてよい。距離50と振動強度との対応関係は、この対応関係の反対であってもよい。また、例えば、振動周期は、距離50が長いほど振動周期が短くなり、距離50が短いほど振動周期が長くなるように決定されてもよい。距離50と振動周期との対応関係は、この対応関係の反対であってもよい。各属性値(振動回数、振動強度及び振動周期)は、段階的又は連続的に増減されてよい。1回の振動の期間は、任意に規定されてよい。
【0085】
一例では、距離50は、一方向に移動を指示する距離であってよい。図2では、目的地30が現在位置20から一方向の直線上に存在する場面が想定されている。この場面では、距離50は、現在位置20から目的地30までの距離であってよい。ただし、距離50は、このような例に限られなくてよい。他の一例では、目的地30は、現在位置20から1以上の分岐点それぞれで方向転換しながら通過することでたどり着く場所に存在してもよい。この場合、距離50は、現在位置20から経由地(例えば、最初に方向転換する分岐点等)までの直線距離であってもよい。すなわち、距離50は、一部の経路の距離であってよい。距離50により示される経路の終点は、目的地30に限られなくてよく、経由地であってもよい。他の一例では、目的地30が、現在位置20から1以上の分岐点それぞれで方向転換しながら通過することでたどり着く場所に存在する場合に、距離50は、現在位置20から目的地30までの全ての経路の合計距離であってもよい。距離50は、現在位置20から目的地30までの直線距離であってもよい。また、他の一例では、距離50により示される経路の始点は、現在位置20に限られなくてよく、未来の位置であってもよい。
【0086】
また、距離50の移動を指示する方向は、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。一例では、距離50の移動を指示する方向は、ユーザTUの現在の進行方向であってよい。現在の進行方向は、任意の方法で検知されてよい。例えば、スマートグリップ1は、加速度センサ等のセンサを更に備えてよい。制御装置11は、センサの測定結果に応じて、現在の進行方向を検知してよい。また、例えば、測位センサ14により測定される現在位置20を継続的に取得している場合、制御装置11は、現在位置20の変化方向を計測し、計測される変化方向を現在の進行方向として検知してもよい。現在の進行方向に距離50の移動を指示する場合、現在位置20から目的地30までのルート33が現在の進行方向に移動する経路を含んでいることに応じて、制御装置11は、この第1ルールに従って、フィードバック25を生成してよい。
【0087】
本実施形態の一例によれば、移動を指示する距離50が、フィードバック25の振動回
数、振動強度及び振動周期の少なくともいずれかにより伝達される。ユーザTUは、振動回数、振動強度及び振動周期の少なくともいずれかを手掛かりとして、ルート33上で移動する距離50を認識することができる。これにより、目的地30までのルート33の少なくとも一部を適正に案内することができる。
【0088】
なお、一例では、この第1ルールに応じたフィードバック25を出力した後、制御装置11は、測位センサ14により測定される現在位置20を継続的に取得することで、ユーザTUの移動を監視してもよい。制御装置11は、この監視の結果に応じて、距離50の移動が完了したか否かを判定してもよい。距離50の移動が完了したと判定される場合、制御装置11は、触覚フィードバックモジュール13及び出力装置16の少なくともいずれかより、距離50の移動が完了したことを通知するフィードバックを出力してもよい。
【0089】
(2)第2ルール
図3は、本実施形態に係る所与のルール23の一例(第2ルール)を模式的に示す。一例では、目的地30までのルート33を示すことは、移動を指示する方向55を示すことを含んでよい。所与のルール23は、移動を指示する方向55に応じて、触覚フィードバックモジュール13の駆動パターンを決定すること(第2ルール)を含んでよい。これに応じて、フィードバック25は、触覚フィードバックモジュール13の駆動パターンにより、ルート33上での移動を指示する方向55を示すように構成されてよい。フィードバック25が振動によるフィードバックを含む場面では、駆動パターンは、振動パターンと読み替えられてよい。
【0090】
一例では、指し示す方向55は、現在位置20にて向きを転換する方向であってよい。図3では、ユーザTUは最終の分岐点に到達しており、この分岐点で進行方向を方向55に転換した後に直線的に移動することで目的地30に到達可能である場面が想定されている。この場面では、方向55は、現在位置20から目的地30に向かう方向であってよい。ただし、方向55は、このような例に限られなくてよい。他の一例では、目的地30は、現在位置20から1以上の分岐点それぞれで方向転換しながら通過することでたどり着く場所に存在してもよい。この場合、方向55は、現在位置20から経由地(例えば、最初に方向転換する分岐点等)向かう方向であってもよい。すなわち、方向55は、現在位置20から一方向に移動する方向で構成されてよい。他の一例では、目的地30が、現在位置20から1以上の分岐点それぞれで方向転換しながら通過することでたどり着く場所に存在する場合であっても、方向55は、現在位置20から目的地30に向かう方向であってもよい。また、他の一例では、方向55により示される経路の始点は、現在位置20に限られなくて、未来の位置であってもよい。方向55は、ルート33上の分岐点で進行する方向により構成されてよい。
【0091】
(駆動パターン)
指し示す方向55を識別可能であれば、駆動パターンは、特に限られなくてよく、実施の形態に応じて適宜規定されてよい。例えば、移動を指示する方向55に応じて、駆動パターンを決定することは、1回の振動で右方向を示す、2回の振動で左方向を示す等のように、移動を指示する方向55に応じて、振動回数を決定することを含んでよい。振動回数と指し示す方向55との対応関係は、上記の例に限られなくてよく、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。振動回数で対象の方向55を指し示すことは、対象の方向を論理的に指し示すことの一例である。
【0092】
また、例えば、触覚フィードバックモジュール13は、複数の振動アクチュエータを含んでもよい。複数の振動アクチュエータは、任意の方向(前後方向、左右方向等)に分かれて配置されてよい。これにより、各振動アクチュエータは、異なる方向に配置されてよく、触覚フィードバックモジュール13は、複数の場所で振動可能に構成されてよい。こ
の場合、移動を指示する方向55に応じて、駆動パターンを決定することは、複数の振動アクチュエータのうち、移動を指示する方向55に対応する振動アクチュエータを残りの振動アクチュエータよりも強く振動させることを含んでよい。換言すると、移動を指示する方向55に応じて、駆動パターンを決定することは、触覚フィードバックモジュール13の複数の振動可能な場所のうち、移動を指示する方向55に対応する場所を残りの場所よりも強く振動させることを含んでよい。対象の方向に対応することは、対象の方向に配置されることであってよい。強く振動させる場所(振動アクチュエータの配置)により対象の方向を指し示すことは、対象の方向を直感的に指し示すことの一例である。
【0093】
単純な一例として、触覚フィードバックモジュール13は、2つの振動モータを備えてよい。2つの振動モータは、左右方向に分かれて配置されてよい。触覚フィードバックモジュール13は、右方向に配置された振動モータよりも左方向に配置された振動モータを強く振動させることで、左方向を指し示してよい。また、触覚フィードバックモジュール13は、左方向に配置された振動モータよりも右方向に配置された振動モータを強く振動させることで、右方向を指し示してよい。
【0094】
振動を強くすることは、振動の強度を強くすること、振動の周期を早くすること又はこれらの組み合わせにより構成されてよい。残りの場所(振動アクチュエータ)は、振動させてもよいし、振動させなくてもよい。後者を採用する場合、移動を指示する方向55に対応する振動アクチュエータを残りの振動アクチュエータよりも強く振動させることは、移動を指示する方向55に対応する振動アクチュエータのみ動作させ、残りの振動アクチュエータの動作を停止(休止を含む)させることを含んでよい。
【0095】
また、例えば、上記と同様に、触覚フィードバックモジュール13は、複数の振動アクチュエータを含んでよい。この場合に、移動を指示する方向55に応じて、駆動パターンを決定することは、移動を指示する方向55に向けて、複数の振動アクチュエータのうちの少なくとも2つ以上の振動アクチュエータを振動させる順序を決定することを含んでよい。換言すると、移動を指示する方向55に応じて、駆動パターンを決定することは、触覚フィードバックモジュール13の複数の振動可能な場所のうちの少なくとも2つ以上の場所を振動させる順序を決定することを含んでよい。
【0096】
対象の方向(方向55)を識別可能であれば、振動させる順序は、実施の形態に応じて適宜規定されてよい。一例では、対象の方向に向けて振動させる順序を決定することは、複数の振動アクチュエータの中から、対象の方向に沿って位置する少なくとも2つ以上の振動アクチュエータを選択すること、並びに選択された2つ以上の振動アクチュエータのうち、対象の方向の後端(対象の方向とは反対方向)側に位置する振動アクチュエータほど先に振動させること、及び対象の方向の先端側に位置する振動アクチュエータほど後に振動させることにより構成されてよい。決定された順序で2つ以上の振動アクチュエータを振動させることは、先の振動アクチュエータから次の振動アクチュエータに振動させる振動アクチュエータを徐々に切り替えることにより構成されてもよいし、先の振動アクチュエータの振動を停止させた後、次の振動アクチュエータの振動を開始することにより構成されてもよい。「振動アクチュエータ」は、振動する「場所」と読み替えられてよい。この振動の順序により対象の方向を指し示すことは、対象の方向を直感的に指し示すことの一例である。決定された順序での振動は、複数回繰り返し実行されてもよい。
【0097】
単純な一例として、上記と同様に、触覚フィードバックモジュール13は、2つの振動モータを備えてよい。この場合、触覚フィードバックモジュール13は、左方向に配置された振動モータを振動させた後に右方向に配置された振動モータを振動させることで、右方向を指し示してもよい。また、触覚フィードバックモジュール13は、右方向に配置された振動モータを振動させた後に左方向に配置された振動モータを振動させることで、左
方向を指し示してもよい。
【0098】
本実施形態の一例によれば、移動を指示する方向55が、フィードバック25における触覚フィードバックモジュール13の駆動パターン(振動パターン)により伝達される。ユーザTUは、触覚フィードバックモジュール13の駆動パターン(振動パターン)を手掛かりとして、ルート33上で移動する方向55を認識することができる。これにより、目的地30までのルート33の少なくとも一部を適正に案内することができる。
【0099】
(第1ルール及び第2ルールの組み合わせ)
図4は、第1ルール及び第2ルールの両方を利用してルート33を案内する場面の一例を模式的に示す。一例では、上記第1ルール及び第2ルールは共に使用されてよい。制御装置11は、第1ルール及び第2ルールのいずれのフィードバック25を優先するかを任意の基準で決定してよい。例えば、現在の進行方向がルート33の進行方向に適合している場合、制御装置11は、第1ルールに応じたフィードバック25による距離の提示を優先してよい。一方、現在の進行方向がルートの進行方向に適合していない場合、制御装置11は、第2ルールに応じたフィードバック25による方向の提示を優先してよい。
【0100】
図4では、目的地30が、現在の進行方向に距離501だけ移動し、到達する分岐点で方向551(図の右方向)に方向転換した後、方向551に距離502だけ移動することで到達する場所に存在する場面が想定されている。一例では、この場面において、まず、制御装置11は、第1ルールに応じたフィードバック25により、現在の進行方向に距離501だけ移動することをユーザTUに対して指示してよい。距離501の移動が完了した後、制御装置11は、第2ルールに応じたフィードバック25により、距離501の移動で到達した分岐点で方向551に向くことをユーザTUに対して指示してよい。そして、制御装置11は、第1ルールに応じたフィードバック25により、方向551に距離502だけ移動することをユーザTUに対して指示してよい。これにより、目的地30までのルート33を適正に案内することができる。
【0101】
(3)第3ルール
図5は、本実施形態に係る所与のルール23の一例(第3ルール)を模式的に示す。一例では、目的地30までのルート33を示すことは、現在位置20から第1分岐点60まで進行方向を変えずに通過する第2分岐点65の数を示すことを含んでよい。所与のルール23は、現在位置20から第1分岐点60まで進行方向を変えずに通過する第2分岐点65の数に応じて、触覚フィードバックモジュール13の振動回数を決定することを含んでよい。これに応じて、フィードバック25は、ルート33上で現在位置20からの移動で通過する分岐点(第2分岐点65)の数を振動回数により示すように構成されてよい。第3ルールは、第1ルールの一形態に相当する。第3ルールでは、移動を指示する距離505が、振動回数により示される第2分岐点65の数で表現される。この移動を指示する距離505は、上記第1ルールの距離50の一例である。
【0102】
第1分岐点60は、進行方向を転換する分岐点である。第2分岐点65は、進行方向を変えずに通過する分岐点である。一例では、第2分岐点65の数に応じて、振動回数を決定することは、第2分岐点65の数と等しくなるように振動回数を決定することにより構成されてよい。図5では、第1分岐点60が、2つの第2分岐点65を通過する距離505だけ現在位置20から現在の進行方向に移動することで到達する場所に存在する場面が想定されている。そのため、振動回数は、2回に決定されてよい。ただし、第2分岐点65の数が反映されていれば、振動回数は、第2分岐点65の数と必ずしも等しくなくてもよい。他の一例では、振動回数は、第1分岐点60の数(1つ)も含めて3回に決定されてもよい。第2分岐点65の数が特定可能であれば、振動回数は、第2分岐点65の数と異なっていてもよい。1回の振動の期間は、任意に規定されてよい。
【0103】
また、図5では、目的地30が、第1分岐点60で方向555に方向転換した後に一方向に距離506だけ移動することで到達する場所に存在する場面が想定されている。すなわち、図5の一例では、第1分岐点60は、目的地30に到達するまでの最終の分岐点である。第1分岐点60は、このような最終の分岐点を含んでよい。目的地30に到達するまでに複数の分岐点で方向転換する場合、第1分岐点60は、最終の分岐点以外の途中の分岐点を含んでもよい。この場合、制御装置11は、第3ルールに応じたフィードバック25を繰り返すことで、目的地30までのルート33を案内してもよい。
【0104】
また、一例では、第3ルールは、第1ルール(第3ルール以外の形態)及び第2ルールの少なくともいずれかと組み合わせて使用されてもよい。制御装置11は、第3ルール及び第2分岐点65の数によらない第1ルールのいずれのフィードバック25を優先するかを任意の基準で決定してよい。例えば、一方向に移動する範囲内に第2分岐点65が存在する場合、制御装置11は、第3ルールに応じたフィードバック25による距離の提示を優先してよい。一方、一方向に移動する範囲内に第2分岐点65が存在しない場合、制御装置11は、第2分岐点65の数によらない第1ルールに応じたフィードバック25による距離の提示を優先してよい。第3ルールと第2ルールとの関係は、上記第1ルールと第2ルールとの関係と同様であってよい。
【0105】
一例では、図5の場面において、制御装置11は、第3ルールに応じたフィードバック25により、現在の進行方向に2つの第2分岐点65を通過する距離505だけ移動することをユーザTUに対して指示してよい。距離505の移動が完了することで、第1分岐点60に到達した後、制御装置11は、第2ルールに応じたフィードバック25により、第1分岐点60で方向555に向くことをユーザTUに対して指示してよい。そして、制御装置11は、第1ルールに応じたフィードバック25により、方向551に距離506だけ移動することをユーザTUに対して指示してよい。これにより、目的地30までのルート33を適正に案内することができる。
【0106】
本実施形態の一例によれば、進行方向を変えずに通過する分岐点(第2分岐点65)の数が、フィードバック25における振動回数により伝達される。ユーザTUは、振動回数を手掛かりとして、ルート33上で移動する距離505を認識することができる。これにより、目的地30までのルート33の少なくとも一部を適正に案内することができる。
【0107】
(4)その他
以上のとおり、一例では、触覚フィードバックモジュール13が振動可能に構成される場合、所与のルール23は、上記第1ルール~第3ルールの少なくともいずれかを含んでよい。所与のルール23が、第1ルール及び第2ルールを含む、又は第2ルール及び第3ルールを含む場合に、第2ルールの振動は、第1ルール又は第3ルールの振動と共通に実行されてもよいし、別個に実行されてもよい。なお、所与のルール23は、このような例に限られなくてよく、実施の形態に応じて適宜変更されてよい。所与のルール23は、上記第1ルール~第3ルールの少なくともいずれかと共に、又は上記第1ルール~第3ルールに代えて、上記以外の振動を規定する他のルールを含んでもよい。また、触覚フィードバックモジュール13が、上記接触等の振動以外の運動を伝達可能に構成される場合、所与のルール23は、上記第1ルール~第3ルールの少なくともいずれかと共に、又は上記第1ルール~第3ルールに代えて、振動以外の運動を規定する1以上のルールを含んでよい。振動以外の運動を規定するルールのうち接触を規定するルールの一例は、後述の構造例で説明する。
【0108】
§2 構成例
[ハードウェア構成]
図1に示されるように、スマートグリップ1は、制御装置11、記憶部12、触覚フィードバックモジュール13、測位センサ14、通信モジュール15、出力装置16及び入力装置17が電気的に接続されたコンピュータを含む。スマートグリップ1において、このコンピュータの少なくとも一部は、箱に収容されてよい。
【0109】
制御装置11は、プロセッサP等を含むことで、プログラム及び各種データに基づいて情報処理を実行するように構成される。プロセッサPは、ハードウェアプロセッサであり、プロセッサ・リソースの一例である。プロセッサPの種類は、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、プロセッサPは、CPU(Central Processing Unit)、マイ
クロプロセッサ、FPGA(field-programmable gate array)、DSP(digital signal processor)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(application specific integrated circuit)等により構成されてよい。
【0110】
記憶部12は、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、半導体メモリ等で構成されてよい。記憶部12は、メモリ・リソースの一例である。本実施形態では、記憶部12は、プログラム81、マップ情報125等の各種情報を記憶する。プログラム81は、触覚フィードバックモジュール13によるフィードバック25の出力に関する情報処理(後述の図19)を制御装置11に実行させるためのプログラムである。プログラム81は、当該情報処理の一連の命令を含む。
【0111】
プログラム81及びマップ情報125の少なくとも一方は、記憶部12に代えて又は記憶部12と共に記憶媒体SR1に格納されていてよい。記憶媒体SR1は、コンピュータ等の機械が各種情報(記憶されたプログラム等)を読み取り可能なように、電気的、磁気的、光学的、機械的又は化学的作用により当該情報を蓄積するように構成される。記憶部12及び記憶媒体SR1は、非一時的な記憶媒体の一例である。スマートグリップ1(コンピュータ)は、プログラム81及びマップ情報125の少なくともいずれかを記憶媒体SR1から取得してよい。記憶媒体SR1は、ディスク型の記憶媒体(CD、DVD等)であってもよいし、半導体メモリ(フラッシュメモリ等)のディスク型以外の記憶媒体であってもよい。記憶媒体SR1に記憶される情報の読み込みには、任意のドライブ装置が用いられてよい。ドライブ装置の種類は、記憶媒体SR1に応じて適宜選択されてよい。
【0112】
測位センサ14は、位置を測定するように構成される。位置を測定可能であれば、測位センサ14の種類は、特に限られなくてよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、測位センサ14は、GPS(Global Positioning System)センサ、GNSS(Global Navigation Satellite System)センサ等により構成されてよい。また、例えば、
測位センサ14は、ビーコン受信機により構成されてもよい。この場合、施設には、複数のビーコン送信機が配備されてよい。スマートグリップ1の位置は、測位センサ14(ビーコン受信機)で受信されるビーコン信号の強度から適宜測定(推定)されてよい。例えば、測位センサ14は、ビーコン受信機で受信される信号の強度に応じて、各ビーコン送信機までの距離を推定してよい。測位センサ14は、三点測量により、各ビーコン送信機までの推定される距離からスマートグリップ1の位置を測定してよい。この位置を測定する処理の少なくとも一部は、制御装置11において実行されてもよい。
【0113】
通信モジュール15は、ネットワークを介した有線又は無線通信を実行するように構成される。通信モジュール15は、例えば、有線LAN(Local Area Network)モジュール、無線LANモジュール等により構成されてよい。ネットワークの種類(規格)は、特に限られなくてよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。ネットワークの種類は、例えば、インターネット、無線通信網、移動通信網、電話網、専用網等から適宜選択されてよい。スマートグリップ1(制御装置11)は、通信モジュール15を介して他のコンピュータ(例えば、外部コンピュータ5等)との間でデータ通信を実行することができる。
なお、本実施形態におけるデータ通信は、直接的又は間接的に実行されてよい。データ通信を間接的に実行することは、他のコンピュータ等の装置を経由してデータ通信を実行することである。
【0114】
出力装置16は、情報を出力するように構成される。出力装置16は、例えば、ディスプレイ、スピーカ、表示灯等により構成されてよい。情報の出力形式は、テキスト、画像、音等から適宜選択されてよい。出力装置16がディスプレイを含む場合、ディスプレイは、スマートグリップ1をユーザが把持した状態で、出力される情報を視認可能な場所に配置されるのが好ましい。これにより、ユーザは、スマートグリップ1を利用している間、ディスプレイに表示される情報を確認することができる。
【0115】
出力装置16は、任意の情報の出力に使用されてよい。例えば、上記のとおり、出力装置16は、目的地30の入力を受け付ける際に、ユーザTUに提示する情報の出力に使用されてよい。また、例えば、スマートグリップ1が、商品の投入を検知する検知センサを更に備える場合、出力装置16は、検知センサによる商品の投入の検知に応じて、商品の投入に関連する情報を出力することに使用されてよい。出力する情報は、記憶部12に予め保持してもよいし、外部コンピュータから獲得されてもよい。
【0116】
入力装置17は、情報の入力を受け付けるように構成される。入力装置17は、例えば、キーボード、タッチパネル、操作子、マイク等により構成されてよい。入力装置17は、スマートグリップ1に対する任意の操作に使用されてよい。例えば、上記のとおり、入力装置17は、目的地30の入力に使用されてよい。出力装置16及び入力装置17は、タッチパネルディスプレイ等により少なくとも部分的に一体的に構成されてもよい。
【0117】
なお、スマートグリップ1(コンピュータ)の具体的なハードウェア構成に関して、実施形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換及び追加が可能である。例えば、制御装置11は、複数のハードウェアプロセッサ(プロセッサP)を含んでもよい。通信モジュール15、出力装置16及び入力装置17の少なくともいずれかは省略されてよい。プログラム81及びマップ情報125の少なくともいずれかは、NAS等の外部記憶装置に保存されてもよい。外部記憶装置も、非一時的な記憶媒体の一例である。スマートグリップ1は、複数台のコンピュータを含んでよい。各コンピュータのハードウェア構成は、一致してもよいし、一致していなくてもよい。また、スマートグリップ1に含まれるコンピュータは、専用に設計されたコンピュータの他、汎用のPC(Personal Computer)、タブレ
ットPC、端末装置(スマートフォンを含む)等により構成されてよい。例えば、スマートグリップ1に含まれるコンピュータは、スマートフォンにより構成されてよい。筐体(アタッチメント)にスマートフォンを搭載することで、スマートグリップ1が構築されてよい。
【0118】
[スマートグリップの構造]
[1]第1構造例
図6及び図7は、本実施形態に係るスマートグリップ1の構造の一例(第1構造例)を模式的に示す側面図及び平面図である。一例では、スマートグリップ1は、触覚フィードバックモジュール13、測位センサ14及び制御装置11を収容する筐体90を更に備えてよい。筐体90は、カゴB1に設けられた持ち手部B11を引っ掛けるための1以上の溝(溝915、溝935等)を備えてよい。本実施形態の一例によれば、既存のカゴの持ち手部(持ち手部B11)を代替することでカゴの持ち手として利用可能なスマートグリップ1を提供することができる。
【0119】
筐体90の形状、筐体90の大きさ、筐体90内における各構成要素(制御装置11等)の配置、溝の数、溝の形状、溝の配置等のスマートグリップ1の構造は、実施の形態に
応じて適宜決定されてよい。図6及び図7の一例では、触覚フィードバックモジュール13が、振動モータ130及びサーボモータ135により構成される場面が想定されている。出力装置16及び入力装置17がタッチパネルディスプレイ167により構成される場面が想定されている。筐体90が一対の溝(915、935)を備える場面が想定されている。スマートグリップ1が、一対の荷重センサ180により構成される検知センサ及び検知センサとは別個に設けられる撮像装置19を更に備える場面が想定されている。
【0120】
なお、以下では、説明の便宜上、図6及び図7の左右方向を「前後方向」と称する。図6及び図7の左方向を「前方向」と称し、図6及び図7の右方向を「後方向」と称する。図6の紙面に対して鉛直な方向及び図7の上下方向を「左右方向」と称する。図7の上方向を「右方向」と称し、図7の下方向を「左方向」と称する。図6の上下方向及び図7の紙面に対して鉛直な方向を「上下方向」と称する。図6の上方向を「上方向」と称し、図6の下方向を「下方向」と称する。
【0121】
一例では、筐体90は、第1部分91、第2部分92及び第3部分93を備えてよい。各図の一例では、第1部分91、第2部分92及び第3部分93は、後方から順に前後方向に一列に並んでいる。各部分(91、92、93)は、直方体状に形成されている。第1部分91及び第3部分93はほぼ同様の形状を有してよい。第2部分92の幅(左右方向の長さ)は、第1部分91及び第3部分93と比べて短く形成されてよい。これにより、第2部分92は、ユーザの把持する部分を構成してよい。各図の一例では、第2部分92は、前後方向に沿って延びている。そのため、ユーザは、前後方向に沿って第2部分92を手で把持することで、スマートグリップ1を持つことができる。前後方向の軸周りにおける第2部分92の周囲の全長は、手で把持可能な長さの範囲で決定されてよい。
【0122】
各部分(91、92、93)における水平方向(左右方向及び前後方向)の端部には、側壁が設けられてよい。また、各部分(91、92、93)の下端には、底面が設けられてよい。これにより、各部分(91、92、93)には、各側壁に囲まれ、スマートグリップ1のコンピュータ部分を収容する内部空間が形成されてよい。第1部分91及び第2部分92の内部空間は少なくとも部分的に連続していてよい。第2部分92及び第3部分93の内部空間も少なくとも部分的に連続していてよい。各部分(91、92、93)の上端は、蓋等により閉じていてもよいし、開放されていてもよい。
【0123】
第1部分91の後端側には、溝915が設けられてよい。各図の一例では、溝915は、第1部分91の左右方向に対向する側壁にそれぞれ設けられた凹部により形成される。各凹部は、矩形状に形成されている。各凹部は、前後方向の位置を合わせて設けられることで、溝915を構成している。第1部分91の上端を閉じる場合でも、第1部分91の上端面における溝915の部分は開放されてよい。
【0124】
同様に、第3部分93の前端側には、溝935が設けられてよい。各図の一例では、溝935は、第3部分93の左右方向に対向する側壁にそれぞれ設けられた凹部により形成される。各凹部は、矩形状に形成されている。各凹部は、前後方向の位置を合わせて設けられることで、溝935を構成している。第3部分93の上端を閉じる場合でも、第3部分93の上端面における溝935の部分は開放されてよい。各溝(915、935)の幅(前後方向の長さ)は、対応するカゴB1の持ち手部B11の幅と同じか又はやや大きく形成されてよい。これにより、各溝(915、935)は、カゴB1の各持ち手部B11を受け入れ可能に構成されてよい。
【0125】
(荷重センサ)
一対の荷重センサ180はそれぞれ、一対の溝(915、935)それぞれの位置に合わせて、第1部分91及び第3部分93それぞれの内部空間に配置されてよい。持ち手部
B11におけるスマートグリップ1に掛ける部分が直線状に形成される場合、一例では、各溝(915、935)を構成する凹部は、荷重センサ180の測定部(持ち手部B11との接触面)よりも凹部の下端がやや下方に位置するように形成されてよい。これにより、各持ち手部B11を各溝(915、935)に引っ掛けた際、各持ち手部B11が、各荷重センサ180の測定部に接触する。その結果、各荷重センサ180は、カゴB1(カゴ本体B10)に荷物TP(商品等)を投入した際の重量変化を観測することができる。この荷重センサ180の配置場所は、荷物TPの投入により荷重の変化が生じる場所の一例である。ただし、各溝(915、935)及び各荷重センサ180の位置関係は、このような例に限られなくてよく、持ち手部B11の形状等の実施の形態に応じて適宜変更されてよい。例えば、各持ち手部B11は、スマートグリップ1に掛けた際に各部分(91、93)の内部空間に位置する部分が下方に湾曲するように形成されてよい。この場合、各溝(915、935)を構成する凹部は、荷重センサ180の測定部よりも凹部の下端が上方に位置するように形成されてもよい。
【0126】
(撮像装置)
各図の一例では、撮像装置19は、第1部分91の内部空間に配置されている。例えば、第1部分91の底面には、撮像装置19の撮像部191(受光部等)の位置に合わせて、開口が設けられてよい。撮像装置19は、その底面の開口に撮像部191を嵌め込むことで、第1部分91の底面から撮像部161が露出するように配置されてよい。これにより、撮像装置19は、スマートグリップ1から下方を撮像することができる。そのため、カゴB1の各持ち手部B11を各溝(915、935)に引っ掛けることで、スマートグリップ1をカゴB1に装着した際、撮像装置19は、カゴ本体B10の収容部を撮像範囲に含めることができる。その結果、カゴ本体B10に荷物TPを投入する際に、撮像装置19は、投入される荷物TPを観測することができる。この撮像装置19の配置場所は、投入される荷物TPを観測可能な場所の一例である。一対の荷重センサ180及び撮像装置19は、任意の目的で使用されてよい。例えば、一対の荷重センサ180及び撮像装置19は、上記の方法による商品の識別に使用されてよい。
【0127】
(箱/ディスプレイ)
また、各図の一例では、制御装置11、記憶部12、測位センサ14及び通信モジュール15は、箱1100に収容されている。箱1100は、直方体状に形成されており、第3部分93の内部空間に配置されている。箱1100の上面には、タッチパネルディスプレイ167が配置されている。第3部分93の上端が閉じている場合、タッチパネルディスプレイ167は、第3部分93の上端面から画面が露出するように配置されてよい。この一例では、スマートグリップ1をユーザTUが正規に把持した場合、第3部分93は、第2部分92の前方に位置する。そのため、スマートグリップ1を使用している間、タッチパネルディスプレイ167の画面は、ユーザTUの把持する手のやや前方に配置される。これにより、スマートグリップ1を使用している間、ユーザTUは、身体部位に遮られることなく、タッチパネルディスプレイ167の画面を容易に視認することができる。
【0128】
(触覚フィードバックモジュール)
各図の一例では、触覚フィードバックモジュール13は、振動モータ130及びサーボモータ135を備えている。振動モータ130及びサーボモータ135は、第2部分92の内部空間に配置されている。この一例では、第2部分92が、ユーザTUの把持する部分を構成する。そのため、振動モータ130及びサーボモータ135は、第2部分92に配置されることで、スマートグリップ1を使用しているユーザTUに触覚によるフィードバック25を与えることができる。振動モータ130及びサーボモータ135のこの配置場所は、ユーザTUの把持する部分に運動を伝達可能な場所の一例である。振動モータ130及びサーボモータ135の種類はそれぞれ、特に限られなくてよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
【0129】
振動モータ130は、振動を発生させることで、フィードバックを出力可能に構成される。サーボモータ135は、シャフト1351及びアーム1352を備えてよい。シャフト1351は、回転軸を構成する。アーム1352は、シャフト1351に取り付けられる。例えば、アーム1352は、シャフト1351の先端に取り付けられてよい。アーム1352は、シャフト1351の回転に応じて、シャフト1351の軸周りに回旋する。アーム1352は、時計回り又は反時計回りに回旋することで、アーム1352の一部(例えば、先端部)が第2部分92を把持するユーザTUの手に直接的に接触するように構成されてよい。または、アーム1352は、時計回り又は反時計回りに回旋することにより、アーム1352の先端部が第2部分92の側壁に当たり、これにより生じる振動(間接的な接触)が第2部分92を把持するユーザTUの手に伝達されるように構成されてよい。これらの構成を備えることで、サーボモータ135は、直接的又は間接的な接触によるフィードバックを出力可能に構成される。なお、各図の一例では、アーム1352は、平板状に形成されている。しかしながら、アーム1352の形状は、このような例に限られなくてよい。回旋することで、直接的又は間接的な接触を出力可能であれば、アーム1352の形状は、特に限られなくてよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
【0130】
(所与のルール)
第1構造例では、所与のルール23は、上記第1ルール~第3ルールの少なくともいずれかを含んでよい。第1ルール~第3ルールに応じた振動によるフィードバック25の出力には、振動モータ130が使用されてよい。また、所与のルール23は、移動を指示する距離及び方向の少なくとも一方に応じて、サーボモータ135における接触の動作の属性値を決定することを含んでよい。例えば、移動を指示する距離に応じて決定される接触の動作の属性値には、接触の回数、強度及び周期の少なくともいずれかが含まれてよい。また、例えば、移動を指示する方向に応じて決定される接触の動作の属性値には、接触の方向(アーム1352を振る方向等)が含まれてよい。一例では、所与のルール23は、以下の第1事例~第6事例の少なくともいずれかを含んでよい。
【0131】
(A)第1事例
図8は、本実施形態に係る所与のルール23の具体例(第1事例)を模式的に示す。一例では、目的地30までのルート33を示すことは、移動を指示する方向56を示すことを含んでよい。所与のルール23は、移動を指示する方向56に応じて、サーボモータ135のアーム1352を振る方向を決定することを含んでよい。これに応じて、フィードバック25は、サーボモータ135のアーム1352を振る方向により、ルート33上での移動する方向56を示すように構成されてよい。方向56は、上記第2ルールの方向55と同様であってよい。
【0132】
各図の一例では、アーム1352を時計回りに回旋させ(アーム1352を時計回りに振り)、第2部分92を把持するユーザTUの手の左側にアーム1352からの衝撃を伝達することで、左方向を指し示すフィードバックを与えることができる。一方で、アーム1352を反時計回りに回旋させ(アーム1352を反時計回りに振り)、第2部分92を把持するユーザTUの手の右側にアーム1352からの衝撃を伝達することで、右方向を指し示すフィードバックを与えることができる。このアーム1352の振る方向により対象の方向を指し示すことは、対象の方向を直感的に指し示すことの一例である。
【0133】
本実施形態の一例によれば、移動を指示する方向56が、フィードバック25におけるサーボモータ135のアーム1352の振る方向により伝達される。ユーザTUは、直接的又は間接的に接触するアーム1352の振る方向を手掛かりとして、ルート33上で移動する方向56を認識することができる。これにより、目的地30までのルート33の少なくとも一部を適正に案内することができる。
【0134】
なお、サーボモータ135によるフィードバック25は、このような例に限られなくてよく、実施の形態に応じて適宜変更されてよい。他の一例では、所与のルール23は、移動を指示する距離に応じて、サーボモータ135のアーム1352による接触の回数、強度及び周期の少なくともいずれかを決定することを含んでよい。これに応じて、フィードバック25は、接触の回数、強度及び周期の少なくともいずれかにより、ルート33上で移動する距離を示すように構成されてよい。移動を指示する距離は、上記第1ルールの距離50と同様であってよい。接触の強度は、アーム1352を振る速度で制御されてよい。本実施形態の一例によれば、移動を指示する距離が、フィードバック25におけるサーボモータ135のアーム1352による接触の回数、強度及び周期の少なくともいずれかにより伝達される。これにより、目的地30までのルート33の少なくとも一部を適正に案内することができる。第1事例のサーボモータ135の接触によるフィードバック25は、上記第1ルール~第3ルールの少なくともいずれかの振動モータ130の振動によるフィードバック25と共に使用されてよい。
【0135】
(B)第2事例
図9は、本実施形態に係る所与のルール23の具体例(第2事例)を模式的に示す。一例では、目的地30までのルート33を示すことは、移動を指示する距離519を示すことを含んでよい。所与のルール23は、移動を指示する距離519に応じて、サーボモータ135のアーム1352を振る回数を決定することを含んでよい。これに応じて、フィードバック25は、サーボモータ135のアーム1352を振る回数により、ルート33上での移動する距離519を示すように構成されてよい。距離519は、上記第1ルールの距離50と同様であってよい。
【0136】
距離519とアーム1352を振る回数との対応関係は、任意に規定されてよい。例えば、アーム1352を振る回数は、距離519が長いほど振る回数が多くなり、距離519が短いほど振る回数が少なくなるように決定されてよい。距離519と振る回数との対応関係は、この対応関係の反対であってもよい。アーム1352を振る回数は、段階的又は連続的に増減されてよい。アーム1352を振る1回の動作は、実施の形態に応じて適宜定義されてよい。例えば、アーム1352を振る1回の動作は、時計回り及び反時計回りのいずれか一方の方向にアーム1352を回旋させた後に、他方の方向に回旋させることで戻す動作により構成されてよい。アーム1352を1回振る動作の時間は、任意に規定されてよい。また、アーム1352を振る量も、任意に規定されてよい。例えば、制御装置11は、ユーザTUの手にアーム1352が直接的又は間接的に接触する程度にアーム1352を振るようにサーボモータ135を駆動してよい。すなわち、アーム1352を振る回数は、アーム1352がユーザTUの手に接触する回数に相当してよい。これにより、サーボモータ135のアーム1352を振った回数をユーザTUに適切に伝達することができる。この第2事例では、アーム1352を振る方向は、特に限られなくてよく、任意に選択されてよい。
【0137】
本実施形態の一例によれば、移動を指示する距離519が、フィードバック25におけるサーボモータ135のアーム1352を振る回数により伝達される。ユーザTUは、アーム1352を振った回数(接触回数)を手掛かりとして、ルート33上で移動する距離519を認識することができる。これにより、目的地30までのルート33の少なくとも一部を適正に案内することができる。
【0138】
(C)第3事例
図10は、本実施形態に係る所与のルール23の具体例(第3事例)を模式的に示す。一例では、目的地30までのルート33を示すことは、一方向に移動を指示する距離518を示すこと、及び指示される距離518を移動した後に、更なる移動を指示する方向5
68を示すことを含んでよい。所与のルール23は、一方向に移動を指示する距離518に応じて、サーボモータ135のアーム1352を振る回数を決定することを含んでよい。加えて、所与のルール23は、指示される距離518を移動した後に、更なる移動を指示する方向568に応じて、サーボモータ135のアーム1352を振る方向を決定することを更に含んでよい。
【0139】
これらに応じて、フィードバック25は、サーボモータ135のアーム1352を振る回数により、ルート33上で移動する距離518を示し、かつアーム1352を振る方向により、距離518の移動後に方向転換する向き(方向568)を示すように構成されてよい。距離518は、上記第1ルールの距離50の一例である。方向568は、上記方向56の一例である。第3事例は、上記第1事例のフィードバック25と共に、第2事例のフィードバック25を出力するケースの一例である。
【0140】
本実施形態の一例によれば、移動を指示する距離518が、サーボモータ135のアーム1352を振る回数により伝達される。距離518の移動した後に方向転換する向きが、そのアーム1352を振る方向により伝達される。ユーザTUは、サーボモータ135のアーム1352を振った回数(接触回数)を手掛かりとして、ルート33上で移動する距離518を認識することができる。また、ユーザTUは、アーム1352を振る方向を手掛かりとして、距離518の移動後に向く方向(方向568)を認識することができる。これにより、目的地30までのルート33の少なくとも一部を適正に案内することができる。また、アーム1352を振るという1つの動作で、移動を指示する距離518及び方向568の両方を伝達することができるため、制御の効率化を期待することができる。
【0141】
(D)第4事例
図11は、本実施形態に係る所与のルール23の具体例(第4事例)を模式的に示す。一例では、目的地30までのルート33を示すことは、現在位置20から第1分岐点60まで進行方向を変えずに通過する第2分岐点65の数を示すことを含んでよい。所与のルール23は、現在位置20から第1分岐点60まで進行方向を変えずに通過する第2分岐点65の数に応じて、サーボモータ135のアーム1352を振る回数を決定することを含んでよい。
【0142】
これに応じて、フィードバック25は、ルート33上で現在位置20からの移動で通過する分岐点(第2分岐点65)の数をサーボモータ135のアーム1352を振る回数により示すように構成されてよい。第2分岐点65の数で表現される移動を指示する距離517は、上記第3ルールの距離505(第1ルールの距離50)の一例である。第4事例は、上記第3ルールのフィードバック25をサーボモータ135に転用したケースの一例である。
【0143】
アーム1352を振る回数と第2分岐点65の数との関係は、上記第2ルールにおける振動回数と第2分岐点65の数との関係と同様であってよい。すなわち、一例では、第2分岐点65の数に応じて、アーム1352を振る回数を決定することは、第2分岐点65の数と等しくなるようにアーム1352を振る回数を決定することにより構成されてよい。図11の場面では、第2分岐点65の数が2つであることに応じて、アーム1352を振る回数は、2回に決定されてよい。ただし、第2分岐点65の数が反映されていれば、アーム1352を振る回数は、第2分岐点65の数と必ずしも等しくなくてもよい。他の一例では、アーム1352を振る回数は、第1分岐点60の数(1つ)も含めて3回に決定されてもよい。第2分岐点65の数が特定可能であれば、アーム1352を振る回数は、第2分岐点65の数と異なっていてもよい。
【0144】
本実施形態の一例によれば、進行方向を変えずに通過する分岐点(第2分岐点65)の
数が、サーボモータ135のアーム1352を振る回数により伝達される。ユーザTUは、サーボモータ135のアーム1352を振る回数を手掛かりとして、ルート33上で移動する距離517を認識することができる。これにより、目的地30までのルート33の少なくとも一部を適正に案内することができる。
【0145】
また、第4事例では、上記に加えて、目的地30までのルート33を示すことは、第1分岐点60で移動を指示する方向567を示すことを更に含んでよい。所与のルール23は、第1分岐点60で移動を指示する方向567(すなわち、方向転換する向き)に応じて、サーボモータ135のアーム1352を振る方向を決定することを更に含んでよい。これに応じて、フィードバック25は、サーボモータ135のアーム1352を振る方向により、第1分岐点60で方向転換する向き(方向567)を更に示すように構成されてよい。方向567は、上記方向56の一例である。
【0146】
本実施形態の一例によれば、第1分岐点60で方向転換する向きが、サーボモータ135のアーム1352を振る方向により更に伝達される。ユーザTUは、サーボモータ135のアーム1352を振る方向を手掛かりとして、第1分岐点60で向く方向(方向567)を更に認識することができる。これにより、目的地30までのルート33の少なくとも一部を適正に案内することができる。また、第3事例と同様に、アーム1352を振るという1つの動作で、移動を指示する距離517及び方向567の両方を伝達することができるため、制御の効率化を期待することができる。
【0147】
(E)第5事例
図12は、本実施形態に係る所与のルール23の具体例(第5事例)を模式的に示す。一例では、目的地30までのルート33を示すことは、一方向に移動を指示する距離511を示すこと、及び指示される距離511を移動した後に、更なる移動を指示する方向561を示すことを含んでよい。所与のルール23は、一方向に移動を指示する距離511に応じて、振動モータ130の振動回数、振動強度及び振動周期の少なくともいずれかを決定することを含んでよい。加えて、所与のルール23は、振動モータ130により指示される距離511を移動した後に、更なる移動を指示する方向561に応じて、サーボモータ135のアーム1352を振る方向を決定することを更に含んでよい。
【0148】
これらに応じて、フィードバック25は、振動モータ130の振動回数、振動強度及び振動周期の少なくともいずれかにより、ルート33上で移動する距離511を示し、かつサーボモータ135のアーム1352を振る方向により、距離511の移動後に方向転換する向き(方向561)を示すように構成されてよい。距離511は、上記第1ルールの距離50の一例である。方向561は、上記方向56の一例である。第5事例は、サーボモータ135による第1事例のフィードバック25と共に、振動モータ130による第1ルールのフィードバック25を出力するケースの一例である。
【0149】
サーボモータ135を駆動する(アーム1352を振る)タイミングは、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。制御装置11は、振動モータ130と同時にサーボモータ135を駆動してもよい。制御装置11は、振動モータ130の振動開始から遅れて、ユーザTUの移動中にサーボモータ135を駆動してもよい。また、制御装置11は、振動モータ130の振動が終了した後、距離511の移動が完了する前の任意のタイミングにサーボモータ135を駆動してもよい。
【0150】
本実施形態の一例によれば、移動を指示する距離511が、振動モータ130の振動回数、振動強度及び振動周期の少なくともいずれかにより伝達される。距離511の移動した後に方向転換する向きが、サーボモータ135のアーム1352を振る方向により伝達される。ユーザTUは、振動モータ130の振動回数、振動強度及び振動周期の少なくと
もいずれかを手掛かりとして、ルート33上で移動する距離511を認識することができる。また、ユーザTUは、サーボモータ135のアーム1352を振る方向を手掛かりとして、距離511の移動後に向く方向(方向561)を認識することができる。これにより、目的地30までのルート33の少なくとも一部を適正に案内することができる。
【0151】
(F)第6事例
図13は、本実施形態に係る所与のルール23の具体例(第6事例)を模式的に示す。一例では、目的地30までのルート33を示すことは、現在位置20から第1分岐点60まで進行方向を変えずに通過する第2分岐点65の数を示すこと、及び第1分岐点60で移動を指示する方向562を示すことを含んでよい。所与のルール23は、現在位置20から第1分岐点60まで進行方向を変えずに通過する第2分岐点65の数に応じて、振動モータ130の振動回数を決定することを含んでよい。加えて、所与のルール23は、第1分岐点60で移動を指示する方向562(すなわち、方向転換する向き)に応じて、サーボモータ135のアーム1352を振る方向を決定することを更に含んでよい。
【0152】
これらに応じて、フィードバック25は、ルート33上で現在位置20からの移動で通過する分岐点(第2分岐点65)の数を振動モータ130の振動回数により示し、かつサーボモータ135のアーム1352を振る方向により、第1分岐点60で方向転換する向き(方向562)を示すように構成されてよい。第2分岐点65の数で表現される移動を指示する距離512は、上記第3ルールの距離505(第1ルールの距離50)の一例である。方向562は、上記方向56の一例である。第6事例は、サーボモータ135による第1事例のフィードバック25と共に、振動モータ130による第3ルールのフィードバック25を出力するケースの一例である。サーボモータ135を駆動する(アーム1352を振る)タイミングは、上記第5事例と同様であってよい。
【0153】
本実施形態の一例によれば、進行方向を変えずに通過する分岐点(第2分岐点65)の数が、振動モータ130の振動回数により伝達される。第1分岐点60で方向転換する向きが、サーボモータ135のアーム1352を振る方向により伝達される。ユーザTUは、振動モータ130の振動回数を手掛かりとして、ルート33上で移動する距離512を認識することができる。また、ユーザTUは、サーボモータ135のアーム1352を振る方向を手掛かりとして、第1分岐点60で向く方向(方向562)を認識することができる。これにより、目的地30までのルート33の少なくとも一部を適正に案内することができる。
【0154】
[2]第2構造例
図14は、本実施形態に係るスマートグリップ1の構造の他の一例(第2構造例)を模式的に示す平面図である。第2構造例では、触覚フィードバックモジュール13は、第1構造例の振動モータ130及びサーボモータ135に代えて、4つの振動モータ(131、132、133、134)を備える。4つの振動モータ(131、132、133、134)は、第2部分92の中央を基準点POとして前後方向及び左右方向に分かれて配置されている。第1振動モータ131は、基準点POから前方に配置されている。第2振動モータ132は、基準点POから右に配置されている。第3振動モータ133は、基準点POから左に配置されている。第4振動モータ134は、基準点POから後方に配置されている。これらの点を除き、第2構造例は、第1構造例と同様に構成されてよい。4つの振動モータ(131、132、133、134)は、複数の振動モータの一例である。
【0155】
(所与のルール)
第2構造例では、所与のルール23は、上記第1ルール~第3ルールの少なくともいずれかを含んでよい。第1ルール~第3ルールに応じた振動によるフィードバック25の出力には、4つの振動モータ(131、132、133、134)の少なくともいずれかが
使用されてよい。また、第2構造例では、各振動モータ(131、132、133、134)は、基準点POから離れていることで、その振動により基準点POからの方向を直感的に伝達することができる。そのため、上記第2ルールを含む場合に、所与のルール23は、移動を指示する方向を直感的に指し示すように4つの振動モータ(131、132、133、134)の駆動パターンを決定することを含んでよい。一例では、所与のルール23は、以下の第7事例~第9事例の少なくともいずれかを含んでよい。
【0156】
(A)第7事例
図15は、本実施形態に係る所与のルール23の具体例(第7事例)を模式的に示す。一例では、目的地30までのルート33を示すことは、移動を指示する方向57を示すことを含んでよい。所与のルール23は、移動を指示する方向57に応じて、4つの振動モータ(131、132、133、134)の駆動パターンを決定することを含んでよい。これに応じて、フィードバック25は、決定された駆動パターンで4つの振動モータ(131、132、133、134)を駆動することで、ルート33上で移動する方向57を示すように構成されてよい。方向57は、上記第2ルールの方向55の一例である。第7事例は、複数の振動モータによる第2ルールのフィードバック25を出力するケースの一例である。
【0157】
駆動パターンは、任意に選択されてよい。例えば、移動を指示する方向57に応じて、駆動パターンを決定することは、移動を指示する方向57に応じて、4つの振動モータ(131、132、133、134)の少なくともいずれかの振動回数を決定することを含んでよい。これにより、制御装置11は、移動を指示する方向57を論理的に指し示すフィードバック25を出力してよい。
【0158】
また、例えば、上記のとおり、移動を指示する方向57に応じて、駆動パターンを決定することは、移動を指示する方向57を直感的に指し示すように4つの振動モータ(131、132、133、134)の駆動パターンを決定することにより構成されてもよい。
【0159】
一例では、移動を指示する方向57に応じて、駆動パターンを決定することは、4つの振動モータ(131、132、133、134)のうち、移動を指示する方向57に対応する振動モータを残りの振動モータと比べて強く振動させることを含んでよい。例えば、図15に示されるように、制御装置11は、第2振動モータ132を残りの振動モータ(131、133、134)より強く振動させることで、右方向を指し示すフィードバックをユーザTUに出力してよい。反対に、制御装置11は、第3振動モータ133を残りの振動モータ(131、132、134)より強く振動させることで、左方向を指し示すフィードバックをユーザTUに出力してもよい。前後方向についても同様である。
【0160】
残りの振動モータと比べて強く振動させる振動モータの数は、1つに限られなくてよく、複数であってもよい。例えば、制御装置11は、第1振動モータ131及び第2振動モータ132を残りの振動モータ(133、134)より強く振動させることで、前及び右の間の方向を指し示すフィードバックを出力してもよい。また、例えば、制御装置11は、強く振動させる第1振動モータ131及び第2振動モータ132のうち、第1振動モータ131を第2振動モータ132より強く振動させることで、前寄りの方向を指し示すフィードバックを出力してもよい。これらの例のように、制御装置11は、複数の振動モータを残りの振動モータよりも強く振動させることで、振動モータが配置される位置の間の方向を指し示すフィードバックを出力してもよい。また、制御装置11は、強く振動させる複数の振動モータの中でも振動の強弱をつけることで、連続的に対象の方向を指し示すフィードバックを出力してよい。
【0161】
他の一例では、移動を指示する方向57に応じて、駆動パターンを決定することは、移
動を指示する方向57に向けて、4つの振動モータ(131、132、133、134)のうちの少なくとも2つ以上の振動モータを振動させる順序を決定することを含んでよい。振動させる順序は、任意に規定されてよい。一例では、2つ以上の振動モータを振動させる順序を決定することは、移動を指示する方向57に沿って位置する少なくとも2つ以上の振動モータを4つの振動モータ(131、132、133、134)の中から選択すること、並びに選択された2つ以上の振動モータのうち、移動を指示する方向57の後端側に位置する振動モータほど先に振動させること、及び移動を指示する方向57の先端側に位置する振動モータほど後に振動させることにより構成されてよい。
【0162】
例えば、制御装置11は、第3振動モータ133を振動させた後、第2振動モータ132を振動させることで、右方向を指し示すフィードバックをユーザTUに出力してよい。反対に、制御装置11は、第2振動モータ132を振動させた後、第3振動モータ133を振動させることで、左方向を指し示すフィードバックをユーザTUに出力してよい。また、制御装置11は、第3振動モータ133を振動させた後、第1振動モータ131を振動させることで、前及び右の間の方向を指し示すフィードバックを出力してもよい。その他の方向についても同様である。
【0163】
なお、方向を指し示す少なくとも2つ以上の振動モータの振動の強さ(強度、周期等)は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。一例では、制御装置11は、移動を指示する方向57の後端側に位置する振動モータほど弱く振動させ、移動を指示する方向57の先端側に位置する振動モータほど強く振動させてよい。これにより、指し示す方向の先端側を強調したフィードバックを出力することができる。
【0164】
本実施形態の一例によれば、移動を指示する方向57が、フィードバック25における4つの振動モータ(131、132、133、134)の駆動パターンにより伝達される。ユーザTUは、4つの振動モータ(131、132、133、134)の駆動パターンを手掛かりとして、ルート33上で移動する方向57を認識することができる。これにより、目的地30までのルート33の少なくとも一部を適正に案内することができる。
【0165】
(B)第8事例
図16は、本実施形態に係る所与のルール23の具体例(第8事例)を模式的に示す。一例では、目的地30までのルート33を示すことは、一方向に移動を指示する距離521を示すこと、及び指示される距離521を移動した後に、更なる移動を指示する方向571を示すことを含んでよい。所与のルール23は、更なる移動を指示する方向571に応じて、4つの振動モータ(131、132、133、134)の駆動パターンを決定することを含んでよい。加えて、所与のルール23は、一方向に移動を指示する距離521に応じて、4つの振動モータ(131、132、133、134)のうち、決定された駆動パターンで駆動される振動モータの振動回数、振動強度及び振動周期の少なくともいずれかを決定することを更に含んでよい。
【0166】
これらに応じて、フィードバック25は、決定された駆動パターンで駆動される振動モータの振動回数、振動強度及び振動周期の少なくともいずれかにより、ルート33上で移動する距離521を示し、かつその駆動パターンにより、距離521の移動後に方向転換する向き(方向571)を示すように構成されてよい。距離521は、上記第1ルールの距離50の一例である。方向571は、上記方向57(方向55)の一例である。第8事例は、第1ルール及び第2ルール(第7事例)を同時に適用するケースの一例である。距離521を振動回数で示す場合、方向571を示す駆動パターンには、振動回数で論理的に方向を示す駆動パターン以外の駆動パターンが用いられてよい。
【0167】
本実施形態の一例によれば、一方向に移動を指示する距離521が、振動モータの振動
回数、振動強度及び振動周期の少なくともいずれかにより伝達される。距離521の移動後に方向転換する向きが、4つの振動モータ(131、132、133、134)の駆動パターンにより伝達される。ユーザTUは、これらを手掛かりとして、ルート33上で一方向に移動する距離521及び距離521の移動後に向く方向(方向571)を認識することができる。これにより、目的地30までのルート33の少なくとも一部を適正に案内することができる。
【0168】
(C)第9事例
図17は、本実施形態に係る所与のルール23の具体例(第9事例)を模式的に示す。一例では、目的地30までのルート33を示すことは、現在位置20から第1分岐点60まで進行方向を変えずに通過する第2分岐点65の数を示すこと、及び第1分岐点60で移動を指示する方向572を示すことを含んでよい。所与のルール23は、第1分岐点60で移動を指示する方向572に応じて、4つの振動モータ(131、132、133、134)の駆動パターンを決定することを含んでよい。加えて、所与のルール23は、現在位置20から第1分岐点60まで進行方向を変えずに通過する第2分岐点65の数に応じて、決定された駆動パターンで駆動される振動モータの振動回数を決定することを含んでよい。
【0169】
これらに応じて、フィードバック25は、決定された駆動パターンで駆動される振動モータの振動回数により、ルート33上で現在位置20からの移動で通過する分岐点(第2分岐点65)の数を示し、かつその駆動パターンにより、第1分岐点60で方向転換する向き(方向572)を示すように構成されてよい。第2分岐点65の数で表現される移動を指示する距離522は、上記第3ルールの距離505(第1ルールの距離50)の一例である。方向572は、上記方向57(方向55)の一例である。第9事例は、第2ルール(第7事例)及び第3ルールを同時に適用するケースの一例である。第2分岐点65の数を振動回数で示すため、方向572を示す駆動パターンには、振動回数で論理的に方向を示す駆動パターン以外の駆動パターンが用いられてよい。
【0170】
本実施形態の一例によれば、進行方向を変えずに通過する分岐点(第2分岐点65)の数が、振動モータの振動回数により伝達される。第1分岐点60で方向転換する向きが、4つの振動モータ(131、132、133、134)の駆動パターンにより伝達される。ユーザTUは、これらを手掛かりとして、ルート33上で移動する距離522及び第1分岐点60で向く方向(方向572)を認識することができる。これにより、目的地30までのルート33の少なくとも一部を適正に案内することができる。
【0171】
[3]その他
なお、スマートグリップ1の構造は、図6図8の例に限られなくてよく、実施の形態に応じて適宜変更されてよい。例えば、筐体90の形状は適宜変更されてよい。他の一例では、スマートグリップ1の筐体は、リング状に形成されてよく、端部同士が着脱することで、リングの一部が開閉可能に構成されてよい。これにより、スマートグリップ1の筐体は、筐体により構成されるリングの中にカゴB1の持ち手部B11を受け入れることで、持ち手を代替するように構成されてよい。更に他の一例では、スマートグリップ1の筐体は、スマートフォン等の端末装置を受け入れるように形成されてよい。この場合、スマートグリップ1は、端末装置を筐体に装着することで構築されてよい。
【0172】
また、各溝(915、935)の位置は適宜変更されてよい。筐体(筐体90)に設けられる溝の数は、2つに限られなくてよく、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。また、各構成要素の配置は適宜変更されてよい。荷重センサ180の配置は、筐体(筐体90)の構造に応じて適宜変更されてよい。荷重センサ180以外のセンサを検知センサとして使用する場合、検知センサは、荷物TPの投入を検知可能な場所に適宜配置
されてよい。撮像装置19の配置は、実施の形態に応じて適宜変更されてよい。撮像装置19は、第1部分91の内部空間以外の場所に配置されてもよい。検知センサ及び撮像装置19の少なくとも一方は省略されてよい。
【0173】
出力装置16は、ディスプレイと共に又はディスプレイに代えて、他の出力装置(スピーカ、表示灯等)を備えてもよい。他の出力装置の配置は、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。入力装置17は、タッチパネルと共又はタッチパネルに代えて、他の入力装置(キーボード、操作子、マイク等)を備えてもよい。他の入力装置の配置は、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。箱1100に収容される構成要素は適宜変更されてよい。箱1100は、第3部分93の内部空間以外の場所に配置されてもよい。箱1100は省略されてもよい。
【0174】
また、第1構造例の触覚フィードバックモジュール13において、振動モータ130及びサーボモータ135の少なくとも一方は省略されてよい。第1事例~第4事例の範囲内で所与のルール23を選択する場合、振動モータ130が、触覚フィードバックモジュール13から省略されてよい。触覚フィードバックモジュール13は、振動モータ130及びサーボモータ135の少なくとも一方と共に又は振動モータ130及びサーボモータ135に代えて、他のアクチュエータを備えてもよい。サーボモータ135の構成は、実施の形態に応じて適宜変更されてよい。また、触覚フィードバックモジュール13は、サーボモータ135に代えて又はサーボモータ135と共に、所定の方向を直感的に指し示す他の構成を備えてもよい。
【0175】
また、第2構造例において、2つ以上の振動モータを備えていれば、方向の比較が可能である。そのため、触覚フィードバックモジュール13が対象の方向を直感的に指し示すフィードバックを出力可能に構成される場合に、触覚フィードバックモジュール13に含まれる振動モータの数は、4つに限られなくてよく、2つであってもよいし、3つであってもよいし、5つ以上であってもよい。すなわち、触覚フィードバックモジュール13は、複数の振動モータを備えることで、上記移動を指示する方向を直感的に指し示すフィードバックを出力可能に構成されてよい。複数の振動モータはそれぞれ、基準点から互いに異なる方向に配置されてよい。4つの振動モータ(131、132、133、134)の少なくともいずれかは省略されてよい。例えば、第1振動モータ131及び第4振動モータ134を省略することで、触覚フィードバックモジュール13は、左右方向を直感的に指し示すフィードバックを出力可能に構成されてもよい。触覚フィードバックモジュール13は、4つの振動モータ(131、132、133、134)の少なくともいずれかと共に又は4つの振動モータ(131、132、133、134)に代えて、他のアクチュエータを備えてもよい。
【0176】
また、第2構造例において、各振動モータ(131、132、133、134)の基準点POの位置は、第2部分92の中央に限られなくてよく、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。基準点POの位置は、振動モータの数及び配置に応じて適宜規定されてよい。振動モータの振動により指し示される方向を感知しやすくするため、基準点POは、ユーザTUが正規に把持する部分の中央又は中央付近に設定されるのが好ましい。これにより、ユーザTUは、把持する部分からの振動のずれに応じて、触覚フィードバックモジュール13により指し示される方向を容易に感知可能である。更に他の一例では、触覚フィードバックモジュール13は、サーボモータ及び複数の振動モータの両方を備えてよい。これに応じて、触覚フィードバックモジュール13は、サーボモータ及び振動モータの両方で、特定の方向を指し示すフィードバックを出力するように構成されてもよい。
【0177】
[ソフトウェア構成]
図18は、本実施形態に係るスマートグリップ1(制御装置11)のソフトウェア構成
の一例を模式的に示す。スマートグリップ1の制御装置11は、記憶部12に記憶されたプログラム81に含まれる命令をプロセッサPにより実行する。これにより、スマートグリップ1(制御装置11)は、位置取得部111及びフィードバック部112をソフトウェアモジュールとして備えるコンピュータとして動作する。すなわち、本実施形態では、スマートグリップ1の各ソフトウェアモジュールは、制御装置11(プロセッサP)により実現される。
【0178】
位置取得部111は、測位センサ14により測定される現在位置20を取得するように構成される。フィードバック部112は、取得された現在位置20及び所与のルール23に応じた触覚によるフィードバック25を、触覚フィードバックモジュール13を介してユーザTUに出力するように構成される。フィードバック25は、目的地30までのルート33を示すように構成される。
【0179】
なお、本実施形態では、スマートグリップ1の各ソフトウェアモジュールがいずれも汎用のプロセッサ(プロセッサP)によって実現される例について説明している。しかしながら、上記ソフトウェアモジュールの一部又は全部は、1又は複数の専用のプロセッサ又はチップセットにより実現されてもよい。上記各モジュールは、ハードウェアモジュールとして実現されてもよい。スマートグリップ1のソフトウェア構成に関して、実施形態に応じて、適宜、モジュールの省略、置換及び追加が行われてもよい。
【0180】
§3 動作例
図19は、本実施形態に係るスマートグリップ1の制御装置11によるフィードバック25の出力に関する処理手順の一例を示すフローチャートである。以下の処理手順は、コンピュータ(制御装置11)により実行される制御方法(情報処理方法)の一例である。ただし、以下の処理手順は、一例に過ぎず、各ステップは可能な限り変更されてよい。また、以下の処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
【0181】
ステップS101では、制御装置11は、位置取得部111として動作する。制御装置11は、測位センサ14により測定される現在位置20を取得する。現在位置20を取得すると、制御装置11は、次のステップS102に処理を進める。
【0182】
ステップS102では、制御装置11は、フィードバック部112として動作する。制御装置11は、取得された現在位置20及び所与のルール23に応じて、フィードバック25を生成する。フィードバック25は、目的地30までのルート33を示すように構成される。制御装置11は、触覚フィードバックモジュール13を介して生成されたフィードバック25をユーザTUに対して出力する。
【0183】
一例では、所与のルール23は、上記第1ルール~第3ルールの少なくともいずれかを含んでよい。スマートグリップ1の構造に第1構造例が採用される場合、所与のルール23は、上記第1事例~第6事例の少なくともいずれかを含んでよい。また、スマートグリップ1の構造に第2構造例が採用される場合、所与のルール23は、上記第7事例~第9事例の少なくともいずれかを含んでよい。
【0184】
なお、ルート33の検索は、ステップS102を処理する前の任意のタイミングに実行されてよい。また、ステップS102の処理を実行するタイミングは、図19の例に限られなくてよい。他の一例では、制御装置11は、ステップS101の処理を複数回繰り返した後に、取得される現在位置20が所定の条件を充足すると判定されたことに応じて、ステップS102の処理を実行してよい。フィードバック25を出力すると、制御装置11は、次のステップS103に処理を進める。
【0185】
ステップS103では、制御装置11は、処理を終了するか否かを判定する。判定基準は任意に設定されてよい。一例では、終了指示が与えられるまで、制御装置11は、処理を終了しないと判定してよい。一方で、終了指示が与えられると、制御装置11は、処理を終了すると判定してよい。終了指示は、任意の方法で与えられてよい。他の一例では、スマートグリップ1は施設内で使用されてよい。これに応じて、対象ユーザ(ユーザTU)が施設内に存在する場合、制御装置11は、処理を終了しないと判定してもよい。一方で、対象ユーザが施設内に存在しない(施設から出た)場合、制御装置11は、処理を終了すると判定してもよい。施設内に存在するか否かは、測位センサ14の測定結果(現在位置20)等に応じて適宜判定されてよい。
【0186】
処理を終了しないと判定した場合、制御装置11は、ステップS101に処理を戻し、ステップS101から処理を再度実行する。処理を終了すると判定した場合、制御装置11は、本動作例に係るフィードバック25の出力に関する処理手順を終了する。なお、処理を終了するタイミングは、このような例に限られなくてよい。制御装置11は、任意のタイミングで、フィードバック25の出力に関する処理手順を終了してよい。なお、一例では、制御装置11は、ステップS101~ステップS103の一連の処理をリアルタイムに実行してよい。
【0187】
本実施形態によれば、スマートグリップ1は、カゴB1と共通に把持可能であるため、カゴB1と別途にユーザ端末を把持する手間を少なくとも部分的に削減可能である。また、本実施形態によれば、ステップS102の処理により、目的地30までのルート33の案内が、触覚によるフィードバック25として与えられる。これにより、視覚的な情報を確認する作業を少なくとも部分的に削減可能である。したがって、本実施形態によれば、目的地30までのルート33を案内する場面において、ユーザTUの手間の削減を期待することができる。
【0188】
§4 変形例
以上、本開示の実施の形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本開示の例示に過ぎない。本開示において説明した処理及び手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。また、上記実施形態において、種々の改良又は変更が適宜行われてよい。例えば、以下のような変更が可能である。なお、以下では、上記実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、上記実施形態と同様の点については、適宜説明を省略した。
【0189】
<4.1>
上記実施形態は、スマートグリップ1として構成されている。しかしながら、本開示の形態は、上記スマートグリップ1に限られなくてよい。本開示の形態は、カゴの構成要素であってもよいし、カゴ(カートを含む)自体であってもよい。カゴの種類は、特に限られなくてよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、カゴは、ショッピングカゴ、ショッピングカート、空港で利用される手荷物カート等を含んでよい。
【0190】
(第1変形例)
図20は、本開示が適用される場面の他の一例を模式的に示す。図20の一例では、本開示の形態は、カゴ1Aである。カゴ1Aは、カゴ本体102A、触覚フィードバックモジュール13、測位センサ14及び制御装置11を備える。触覚フィードバックモジュール13、測位センサ14及び制御装置11は、上記実施形態と同様に構成されてよい。すなわち、制御装置11は、測位センサ14により測定される現在位置20を取得すること、並びに取得された現在位置20及び所与のルール23に応じた触覚によるフィードバック25を、触覚フィードバックモジュール13を介してユーザTUに出力することを実行
するように構成されてよい。フィードバック25は、目的地30までのルート33を示すように構成されてよい。
【0191】
カゴ1Aの他の構成は、特に限られなくてよく、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。一例では、カゴ1Aは、カゴ本体102Aに取り付けられる一対の持ち手部101A、及び一対の持ち手部101Aに架け渡されるグリップ100Aを備えてよい。各持ち手部101Aは、上記カゴB1の各持ち手部B11と同様に構成されてよい。これらの構成を採用する場合、一例では、カゴ1Aは、グリップ100Aに上記スマートグリップ1を用いることで構築されてよい。ただし、カゴ1Aを構築する方法は、このような例に限られなくてよい。
【0192】
上記スマートグリップ1と同様に、カゴ1Aは、記憶部12を更に備えてよい。カゴ1Aは、通信モジュール15、出力装置16及び入力装置17の少なくともいずれかを更に備えてもよい。また、カゴ1Aは、検知センサ及び撮像装置19を更に備えてもよい。検知センサ及び撮像装置19を備える場合、制御装置11は、検知センサにより商品の投入を検知した際に、撮像装置19の撮像画像を取得し、取得された撮像画像を画像解析することで、カゴ本体102Aに投入された商品を識別してよい。
【0193】
カゴ1Aのコンピュータ部分(制御装置11~入力装置17、検知センサ及び撮像装置19)を配置する場所は、グリップ100Aに限られなくてよい。カゴ1Aのコンピュータ部分の少なくとも一部は、グリップ100A以外の任意の場所に配置されてよい。他の一例では、検知センサに荷重センサを用いる場合、検知センサは、カゴ本体102Aの収容部の底面に配置されてもよい。撮像装置19は、撮像部191をカゴ本体102Aの収容部の方に向けて、カゴ本体102Aの開口部の縁に配置されてもよい。触覚フィードバックモジュール13は、ユーザTUの把持する部分(本変形例では、グリップ100A)に運動を伝達可能な任意の場所に配置されてよい。運動を伝達可能であれば、触覚フィードバックモジュール13は、グリップ100A以外の場所に配置されてもよい。ただし、運動の伝達の観点では、触覚フィードバックモジュール13は、グリップ100Aに配備されるのが好ましい。
【0194】
本変形例に係るカゴ1Aは、上記スマートグリップ1と同様に、フィードバック25をユーザTUに与えることができる。そのため、本変形例によれば、目的地30までのルート33を案内する場面において、ユーザTUの手間の削減を期待することができる。なお、カゴ1Aの構成は、実施の形態に応じて適宜変更されてよい。他の一例では、グリップ100Aは省略されてもよい。この場合、ユーザは、一対の持ち手部101Aを把持することで、カゴ1Aを持ってよい。触覚フィードバックモジュール13は、一対の持ち手部101Aの少なくとも一方に運動を伝達可能な任意の場所に配置されてよい。
【0195】
図21は、本開示が適用される場面の他の一例を模式的に示す。図21の一例では、本開示の形態は、カゴ1Bである。カゴ1Bは、上記カゴ1Aが、1以上の車輪103Bを更に備えることで、カートとして構成される形態に相当する。すなわち、カゴ1Bは、カゴ本体102B、触覚フィードバックモジュール13、測位センサ14、制御装置11及び1以上の車輪103Bを備える。カゴ本体102Bは、第1変形例のカゴ本体102Aと同様であってよい。制御装置11は、測位センサ14により測定される現在位置20を取得すること、並びに取得された現在位置20及び所与のルール23に応じた触覚によるフィードバック25を、触覚フィードバックモジュール13を介してユーザTUに出力することを実行するように構成されてよい。フィードバック25は、目的地30までのルート33を示すように構成されてよい。車輪103Bの数は、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。典型的な一例では、カゴ1Bは、4つの車輪103Bを備えてよい。カゴ1Bは、ショッピングカート、手荷物カート等として使用されてよい。
【0196】
各車輪103Bの配置及びカゴ本体102Bを支持する構成は、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。一例では、カゴ1Bは、グリップ100B及び基部101Bを備えてよい。基部101Bは、脚部1011B及び支柱部1012Bを備えてよい。脚部1011Bは、カゴ本体102Bの下方に配置されてよい。各車輪103Bは、脚部1011Bに取り付けられてよい。支柱部1012Bは、脚部1011Bの一端部から鉛直上方に延びるように構成されてよい。カゴ本体102Bは、支柱部1012Bに固定されてよい。グリップ100Bは、支柱部1012Bの上端に取り付けられてよい。
【0197】
これらにより、カゴ1Bは、一般的なショッピングカートと同様の構成を備えてよい。ただし、カゴ1Bの構成は、このような例に限られなくてよく、実施の形態に応じて適宜変更されてよい。例えば、カゴ1Bは、シルバーカート等の他の種類のカートと同様の構成を備えてもよい。また、これらの構成を採用する場合、一例では、カゴ1Bは、グリップ100Bに上記スマートグリップ1を用いることで構築されてよい。ただし、カゴ1Bを構築する方法は、このような例に限られなくてよい。
【0198】
上記スマートグリップ1と同様に、カゴ1Bは、記憶部12を更に備えてよい。カゴ1Bは、通信モジュール15、出力装置16及び入力装置17の少なくともいずれかを更に備えてもよい。また、カゴ1Bは、検知センサ及び撮像装置19を更に備えてもよい。上記第1変形例と同様に、カゴ1Bが検知センサ及び撮像装置19を備える場合、制御装置11は、画像解析による商品の識別処理を実行してよい。
【0199】
カゴ1Bのコンピュータ部分(制御装置11~入力装置17、検知センサ及び撮像装置19)を配置する場所は、グリップ100Bに限られなくてよい。カゴ1Bのコンピュータ部分の少なくとも一部は、グリップ100B以外の任意の場所に配置されてよい。他の一例では、検知センサに荷重センサを用いる場合、検知センサは、カゴ本体102Bの収容部の底面に配置されてもよい。撮像装置19は、撮像部191をカゴ本体102Bの収容部の方に向けて、カゴ本体102Bの開口部の縁又はカゴ本体102Bの上端からグリップ100Bにかけての支柱部1012Bの領域に配置されてもよい。触覚フィードバックモジュール13は、ユーザTUの把持する部分(本変形例では、グリップ100B)に運動を伝達可能な任意の場所に配置されてよい。運動を伝達可能であれば、触覚フィードバックモジュール13は、グリップ100B以外の場所に配置されてもよい。ただし、運動の伝達の観点では、触覚フィードバックモジュール13は、グリップ100Bに配備されるのが好ましい。
【0200】
本変形例に係るカゴ1Bは、上記スマートグリップ1と同様に、フィードバック25をユーザTUに与えることができる。そのため、本変形例によれば、目的地30までのルート33を案内する場面において、ユーザTUの手間の削減を期待することができる。なお、カゴ本体102Bは、カゴ受けとして利用されてもよい。この場合、カゴ本体102Bには、他のカゴが配置されてよく、荷物TP(商品等)は、他のカゴに投入されてよい。検知センサは、他のカゴへの商品の投入を検知可能に適宜配置されてよい。カゴ本体102Bへの商品の投入を検知することは、カゴ本体102Bに配置された他のカゴへの商品の投入を検知することを含んでよい。また、脚部1011Bは、荷物を受け入れるように構成されてよい。この場合、検知センサは、脚部1011Bにも更に配置されてよい。画像解析による商品の識別を脚部1011Bでも実行する場合、撮像装置19は、脚部1011Bにも更に配置されてよい。また、カゴ本体102Bは省略されてよい。この場合、脚部1011Bが、カゴ本体として使用されてよい。
【符号の説明】
【0201】
1…スマートグリップ、
1A・1B…カゴ、
102A・102B…カゴ本体、
11…制御装置、13…触覚フィードバックモジュール、
14…測位センサ、
20…現在位置、23…所与のルール、
25…フィードバック、
30…目的地、33…ルート、
TU…ユーザ
【要約】
【課題】目的地までのルートを案内する場面において、ユーザの手間を抑えるための技術を提供する。
【解決手段】本開示の一側面に係るスマートグリップは、触覚フィードバックモジュール、測位センサ及び制御装置を備える。制御装置は、測位センサにより測定される現在位置を取得すること、並びに取得された現在位置及び所与のルールに応じた触覚によるフィードバックであって、目的地までのルートを示すように構成されるフィードバックを、触覚フィードバックモジュールを介してユーザに出力することを実行するように構成される。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21