(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-07
(45)【発行日】2025-02-18
(54)【発明の名称】駅務機器、駅務機器の制御方法、及び駅務機器の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/40 20240101AFI20250210BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20250210BHJP
G07B 15/00 20110101ALI20250210BHJP
G08G 1/005 20060101ALI20250210BHJP
G09F 19/00 20060101ALI20250210BHJP
【FI】
G06Q50/40
G01C21/26 P
G07B15/00 W
G08G1/005
G09F19/00 Z
(21)【出願番号】P 2020071522
(22)【出願日】2020-04-13
【審査請求日】2022-09-15
【審判番号】
【審判請求日】2024-06-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】金澤 知明
【合議体】
【審判長】伏本 正典
【審判官】佐藤 智康
【審判官】小池 堂夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-073049(JP,A)
【文献】特開2001-184530(JP,A)
【文献】特開2018-156584(JP,A)
【文献】特表2016-524189(JP,A)
【文献】国際公開第02/033609(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報を取得する機器と通信する通信インタフェースと、
取得した前記識別情報に予め対応付けられた属性情報を取得し、前記識別情報をどの機器から取得したかに基づいて
、案内情
報の出力先を決定し、前記属性情報および前記案内情報の出力先に基づいて前記案内情報を生成し、前記案内情報を前記出力先に出力するプロセッサと、
を具備する駅務機器。
【請求項2】
前記属性情報は、言語情報を含み、
前記プロセッサは、前記言語情報が示す言語で前記案内情報を出力する請求項1に記載の駅務機器。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記属性情報に基づいて、駅構内図、出口案内、施設の場所の案内、及びイベントの開催場所の情報のいずれか、または複数を示す前記案内情報を出力する請求項1または2に記載の駅務機器。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記識別情報を取得した機器に予め関連付けられた機器に前記案内情報を送信する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の駅務機器。
【請求項5】
改札機により乗車券から前記識別情報を取得した場合、取得した前記識別情報に対応付けられた前記属性情報に基づい
た案内情報を
、前記乗車券を所持する利用者の携帯端末に送信する請求項4に記載の駅務機器。
【請求項6】
改札機により乗車券から前記識別情報を取得した場合、前記改札機に関連付けられ、前記改札機の出場先に前記案内情報を投影するプロジェクタに、前記案内情報を送信する請求項5に記載の駅務機器。
【請求項7】
前記案内情報を表示するディスプレイを有するディジタルサイネージに関連付けられた機器により、利用者の所持する携帯端末から識別情報を取得した場合、前記ディジタルサイネージに前記案内情報を送信する請求項4に記載の駅務機器。
【請求項8】
識別情報を取得する機器と通信する通信インタフェースと、プロセッサとを具備する駅務機器の制御方法であって、
前記プロセッサは、取得した前記識別情報に予め対応付けられた属性情報を取得し、前記識別情報をどの機器から取得したかに基づいて
、案内情
報の出力先を決定し、前記属性情報および前記案内情報の出力先に基づいて前記案内情報
を生成し、前記案内情報を前記出力先に出力する、
駅務機器の制御方法。
【請求項9】
識別情報を取得する機器と通信する通信インタフェースと、プロセッサとを具備する駅務機器において実行される制御プログラムであって、
前記プロセッサは、前記制御プログラムを実行することにより、
取得した前記識別情報に予め対応付けられた属性情報を取得し、前記識別情報をどの機器から取得したかに基づいて
、案内情
報の出力先を決定し、前記属性情報および前記案内情報の出力先に基づいて前記案内情報を生成し、前記案内情報を前記出力先に出力する、
駅務機器の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、駅務機器、駅務機器の制御方法、及び駅務機器の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道の駅には、各種の駅務処理を行なう駅務機器が設置されている。駅務機器は、例えば、駅サーバ、改札機、券売機、及び精算機などがある。このような駅務機器では、例えば磁気券、二次元コード券、またはICカード券などが乗車券として用いられている。また、乗車券の中には、有効期限と有効区間とが設定された定期券がある。
【0003】
また、鉄道の駅には、例えば駅構内図、出口案内、及び近隣の施設の案内などが案内表示板などにより示されている。しかしながら、利用者にとって必要な情報が案内表示板で示されていない可能性があるという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、利便性が高い駅務機器、駅務機器の制御方法、及び駅務機器の制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る駅務機器は、通信インタフェースと、プロセッサと、を具備する。通信インタフェースは、識別情報を取得する機器と通信する。プロセッサは、取得した前記識別情報に予め対応付けられ且つ案内する内容を示す属性情報に基づいた案内情報を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る駅務システムの構成例について説明するための説明図である。
【
図2】
図2は、一実施形態に係る駅務システムの動作の例について説明するための説明図である。
【
図3】
図3は、一実施形態に係る駅務システムにおける乗車券の例について説明するための説明図である。
【
図4】
図4は、一実施形態に係る駅務システムにおける属性情報の登録の例について説明するための説明図である。
【
図5】
図5は、一実施形態に係る駅務システムの動作の例について説明するための説明図である。
【
図6】
図6は、一実施形態に係る駅務システムの動作の例について説明するための説明図である。
【
図7】
図7は、一実施形態に係る駅務システムの動作の例について説明するための説明図である。
【
図8】
図8は、一実施形態に係る駅務システムの動作の例について説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら駅務機器、駅務機器の制御方法、及び駅務機器の制御プログラムについて詳細に説明する。
図1は、駅務システム1の例について説明する為の説明図である。
駅務システム1は、鉄道の駅などに設置される種々の駅務機器により構成されるものである。このような駅務システム1では、例えば磁気券、二次元コード券、またはICカード券などが乗車券2として用いられている。また、乗車券2の中には、鉄道に加えて駅近隣の施設を利用可能な券(所謂周遊切符)などがある。
【0009】
駅務システム1は、上位サーバ11、案内管理サーバ12、券売機13、改札機14、プロジェクタ15、及びディジタルサイネージ16などがある。上位サーバ11は、複数の駅ごと、路線ごと、または鉄道会社ごとに設けられる。案内管理サーバ12、券売機13、改札機14、プロジェクタ15、及びディジタルサイネージ16は、例えば駅毎に少なくとも1つ以上設置される。案内管理サーバ12、券売機13、改札機14、プロジェクタ15、及びディジタルサイネージ16は、駅などに設けられたローカルネットワークを介して通信可能に構成されている。また、上位サーバ11と案内管理サーバ12とは、公衆ネットワークを介して通信可能に構成されている。
【0010】
また、乗車券2を所持する利用者は、通信インタフェース、プロセッサ、メモリ、操作インタフェース、ディスプレイ、及びカメラなどを備える携帯端末17を有しているとする。携帯端末17は、例えばスマートフォンなどである。携帯端末17は、公衆ネットワークを介して上位サーバ11と通信可能に構成されている。また、携帯端末17は、後述する無線通信端末と、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、または他の無線通信規格に基づき、無線通信を行うことができる。
【0011】
上位サーバ11は、発券済みの乗車券に関する情報の管理などを行う。上位サーバ11は、通信インタフェース、プロセッサ、メモリ、及びストレージ装置などを備える一般的なサーバ装置である。上位サーバ11は、例えば、識別情報と、後述する属性情報とを対応付けて記憶(登録)する。
【0012】
案内管理サーバ12は、後述する案内情報を利用者に提供する案内情報提供サービス(案内サービス)に関する種々の制御を行う。案内管理サーバ12は、例えば、駅毎に設けられ、券売機13、改札機14、プロジェクタ15、及びディジタルサイネージ16などの駅務機器の状態監視及び動作の制御を行う監視盤の一部の機能として構成される。また、案内管理サーバ12は、監視盤とは別に単体で設けられていてもよい。案内管理サーバ12は、システムコントローラ21及び通信インタフェース22を備える。
【0013】
システムコントローラ21は、案内管理サーバ12の種々の制御を行う。システムコントローラ21は、プロセッサ23及びメモリ24を備える。
【0014】
プロセッサ23は、演算処理を実行する演算素子(例えばCPU)を備える。プロセッサ23は、メモリ24に格納されているプログラムを実行することにより、種々の動作を実行する。
【0015】
メモリ24は、プログラム及びプログラムで用いられるデータなどを記憶する。
【0016】
通信インタフェース22は、他の機器と通信する為のインタフェースである。通信インタフェース22は、公衆ネットワークを介して上位サーバ11と通信する。また、通信インタフェース22は、ローカルネットワークを介して券売機13、改札機14、プロジェクタ15、及びディジタルサイネージ16と通信を行う。
【0017】
券売機13は、乗車券2の発行などを行う。券売機13は、操作入力に基づいて、乗車券情報を生成する。乗車券情報は、「識別情報(乗車券2の識別情報)」、「有効区間」、「発行駅」、及び「発行日」などの情報を含む。また、ICカード券を発行する場合の乗車券情報は、「残額情報」がさらに含まれる。
【0018】
「有効区間」は、乗車券2により乗車が可能な駅の区間を示す情報である。「発行駅」は、乗車券2を発行した券売機13が配置されている駅を示す情報である。「発行日」は、乗車券2が発行された日時を示す情報である。「有効期限」は、乗車券2を利用可能な期限(または期間)を示す情報である。「残額情報」は、乗車賃として利用可能な金額を示す。
【0019】
券売機13は、乗車券情報を用いて、磁気券、二次元コード券、またはICカード券などの乗車券2を発行する。本実施形態では、券売機13は、乗車券情報が二次元コードとして印刷された二次元コード券を発行するものとして説明するが、乗車券は、磁気券、ICカード券、または他の券であってもよい。
【0020】
改札機14は、改札処理の結果に応じて、ドアの動作を制御し、利用者の通行を制御する。改札機14は、改札内への入場に関する改札処理と、改札内からの出場に関する改札処理とのいずれかを行うように、予め設定されている。
図1に示されるように、改札機14は、システムコントローラ31、通信インタフェース32、通過センサ33、ドア駆動機構34、券処理部35、ディスプレイ36、及び無線通信端末37を備える。
【0021】
システムコントローラ31は、改札機14の種々の制御を行う。システムコントローラ31は、プロセッサ38及びメモリ39を備える。
【0022】
プロセッサ38は、演算処理を実行する演算素子(例えばCPU)を備える。プロセッサ38は、メモリ39に格納されているプログラムを実行することにより、種々の動作を実行する。
【0023】
メモリ39は、プログラム及びプログラムで用いられるデータなどを記憶する。メモリ39に記憶されているプログラムは、例えば、プロセッサ38に、通行判定処理を行わせるためのプログラムである。また、メモリ39に記憶されているプログラムは、例えば、プロセッサ38に、ドア駆動機構34を制御させるためのプログラムである。
【0024】
通信インタフェース32は、改札機14以外の機器と通信する為のインタフェースである。通信インタフェース32は、例えば、ローカルネットワークを介して案内管理サーバ12と通信する。
【0025】
通過センサ33は、利用者が改札機14の1対の筐体により構成される通路に存在するか否かを検出するセンサである。通過センサ33は、改札機14の1対の筐体によって形成される通路の通過方向に沿って、筐体の通路側の側面に複数配列される。複数の通過センサ33は、検出結果をシステムコントローラ31にそれぞれ送信する。システムコントローラ31は、複数の通過センサ33の検出結果の変化に基づいて、通路を通過する人物を検出する。
【0026】
ドア駆動機構34は、システムコントローラ31の制御に基づいて、改札機14の1対の筐体の通路側に設けられたドアを駆動する構成である。ドア駆動機構34は、ドアを駆動して閉じることにより、通路を塞ぎ、利用者の通路の通行を防ぐ。また、ドア駆動機構34は、ドアを駆動して開くことにより、利用者の通路の通行を促す。
【0027】
券処理部35は、乗車券2を読み取り、乗車券情報を取得する構成である。券処理部35は、筐体上の通路の入口側に近い位置に設けられる。例えば、券処理部35は、磁気券から乗車券情報を取得する磁気ヘッド、ICカード券から乗車券情報を取得するICカードリーダ、二次元コード券から乗車券情報を取得するカメラのいずれか、または複数を備える構成であってもよい。券処理部35は、乗車券2から取得した乗車券情報をシステムコントローラ31に送信する。
【0028】
ディスプレイ36は、システムコントローラ21または図示されないグラフィックコントローラなどの表示制御部から入力される映像信号に応じて画面を表示する構成である。
【0029】
無線通信端末37は、システムコントローラ31の制御に基づいて、利用者の所持する携帯端末17と無線通信する。なお、無線通信端末37は、改札機14に組みこまれるのではなく、ローカルネットワークを介して案内管理サーバ12と通信可能な状態で単独で設けられていてもよい。
【0030】
プロジェクタ15は、画像または映像を対象に投影する表示装置である。プロジェクタ15は、システムコントローラ41、通信インタフェース42、投影部43、及び無線通信端末44を備える。
【0031】
システムコントローラ41は、プロジェクタ15の種々の制御を行う。システムコントローラ41は、プロセッサ45及びメモリ46を備える。
【0032】
プロセッサ45は、演算処理を実行する演算素子(例えばCPU)を備える。プロセッサ45は、メモリ46に格納されているプログラムを実行することにより、種々の動作を実行する。
【0033】
メモリ46は、プログラム及びプログラムで用いられるデータなどを記憶する。メモリ46に記憶されているプログラムは、例えば、プロセッサ45に、種々の歪み補正、輝度調整、合焦位置調整などを行わせるためのプログラムである。
【0034】
通信インタフェース42は、プロジェクタ15以外の機器と通信する為のインタフェースである。通信インタフェース42は、例えば、ローカルネットワークを介して案内管理サーバ12と通信する。
【0035】
無線通信端末44は、システムコントローラ41の制御に基づいて、利用者の所持する携帯端末17と無線通信する。なお、無線通信端末44は、プロジェクタ15に組みこまれるのではなく、ローカルネットワークを介して案内管理サーバ12と通信可能な状態で単独で設けられていてもよい。
【0036】
ディジタルサイネージ16は、画像または映像を表示する装置である。ディジタルサイネージ16は、システムコントローラ51、通信インタフェース52、ディスプレイ53、タッチセンサ54、及び無線通信端末55を備える。
【0037】
システムコントローラ51は、ディジタルサイネージ16の種々の制御を行う。システムコントローラ51は、プロセッサ56及びメモリ57を備える。
【0038】
プロセッサ56は、演算処理を実行する演算素子(例えばCPU)を備える。プロセッサ56は、メモリ57に格納されているプログラムを実行することにより、種々の動作を実行する。
【0039】
メモリ57は、プログラム及びプログラムで用いられるデータなどを記憶する。メモリ57に記憶されているプログラムは、例えば、表示制御、またはタッチセンサ54のよる操作入力の解釈などをプロセッサ56に行わせるためのプログラムである。
【0040】
通信インタフェース52は、ディジタルサイネージ16以外の機器と通信する為のインタフェースである。通信インタフェース52は、例えば、ローカルネットワークを介して案内管理サーバ12と通信する。
【0041】
無線通信端末55は、システムコントローラ51の制御に基づいて、利用者の所持する携帯端末17と無線通信する。なお、無線通信端末55は、ディジタルサイネージ16に組みこまれるのではなく、ローカルネットワークを介して案内管理サーバ12と通信可能な状態で単独で設けられていてもよい。
【0042】
次に、上記の属性情報の登録について説明する。
図2は、駅務システム1における乗車券2の発券と、属性情報の登録に関する動作の例について説明するフローチャートである。
【0043】
属性情報は、利用者の特徴を示す情報である。属性情報は、案内サービスで用いられる情報である。属性情報は、例えば、利用者の「言語」、「性別」、「年齢」、「宗教」、「ハンディキャップの有無」、及び「嗜好」などを示す情報である。
【0044】
まず、駅務システム1は、乗車券2を発券する(ステップS11)。例えば、駅務システム1の券売機13は、操作入力に応じて、
図3に示される乗車券2を発券する。
【0045】
図3は、乗車券2の例について説明する為の説明図である。上記したように、本例では、乗車券2は、二次元コード券であるとして説明する。
図3に示されるように、乗車券2には、乗車券用二次元コード61、及び案内サービス登録用二次元コード62が印刷されている。
【0046】
乗車券用二次元コード61は、少なくとも乗車券2の識別情報を含む乗車券情報に基づき生成された二次元コードである。
【0047】
案内サービス登録用二次元コード62は、案内サービス登録用ウェブサイトのURLに基づき生成された二次元コードである。案内サービス登録用ウェブサイトのURLは、上位サーバ11上の領域であり、上位サーバ11または案内管理サーバ12により発行されるものである。なお、案内サービス登録用二次元コード62に乗車券2の識別情報が含まれていてもよい。またさらに、案内サービス登録用二次元コード62の情報が乗車券用二次元コード61に全て含まれていてもよい。
【0048】
なお、乗車券2には、乗車券2の識別情報が印刷されていてもよい。また、乗車券2には、案内サービス登録用ウェブサイトのURLが印刷されていてもよい。
【0049】
利用者は、案内サービスを利用する場合、携帯端末17のカメラに乗車券2の案内サービス登録用二次元コード62を読み取らせる。これにより、携帯端末17は、案内サービス登録用二次元コード62から案内サービス登録用ウェブサイトのURLを取得することができる。携帯端末17は、案内サービス登録用ウェブサイトのURLにアクセスする。
【0050】
駅務システム1の上位サーバ11は、携帯端末17から案内サービス登録用ウェブサイトのURLへのアクセスがあったか否か判断する(ステップS12)。上位サーバ11は、携帯端末17から案内サービス登録用ウェブサイトのURLへのアクセスがあったと判断した場合(ステップS12、YES)、案内サービス登録画面を携帯端末17に送信し、表示させる(ステップS13)。
【0051】
図4は、案内サービス登録画面71の例について説明する為の説明図である。
図4に示されるように、案内サービス登録画面71には、「識別情報」、「言語」、「性別」、「年齢」、及び「宗教」などを入力する為の複数の入力欄72と、「嗜好(個人の好むこと、興味があることなど)」を選択する複数の選択ボタン73などが含まれている。
【0052】
携帯端末17は、案内サービス登録画面71上での操作入力に基づいて、「識別情報」を入力する。「識別情報」は、乗車券2の識別情報と、携帯端末17の識別情報と、の両方である。なお、携帯端末17は、案内サービス登録用二次元コード62から乗車券2の識別情報を取得し、「識別情報(ticket ID)」の入力欄72に自動で入力してもよい。また、携帯端末17は、自身の設定情報から携帯端末17の識別情報を取得し、「識別情報(mobile ID)」の入力欄72に自動で入力してもよい。
【0053】
また、携帯端末17は、案内サービス登録画面71上での操作入力に基づいて、複数の入力欄72に「言語」、「性別」、「年齢」、及び「宗教」などの情報を入力する。また、携帯端末17は、案内サービス登録画面71上での操作入力に基づいて、複数の選択ボタン73のそれぞれの選択/非選択を設定する。携帯端末17は、案内サービス登録画面71上での操作入力に基づいて、複数の入力欄72に入力された情報、及び複数の選択ボタン73のそれぞれの選択/非選択の状態を示す情報を、上位サーバ11に送信する。
【0054】
上位サーバ11は、携帯端末17から送信された情報に基づいて、識別情報及び属性情報を取得する(ステップS14)。上位サーバ11は、識別情報(乗車券2の識別情報及び携帯端末17の識別情報)と、属性情報とを対応付け、図示されないストレージに記憶(登録)し(ステップS15)、
図2の処理を終了する。
【0055】
上位サーバ11は、携帯端末17から送信された情報から識別情報を特定する。即ち、上位サーバ11は、携帯端末17から送信された情報から、乗車券2の識別情報及び携帯端末17の識別情報を決定する。これにより、乗車券2の識別情報と携帯端末17の識別情報とのどちらからでも、属性情報を抽出することができる。
【0056】
また、上位サーバ11は、携帯端末17からの複数の入力欄72に入力された情報、及び複数の選択ボタン73のそれぞれの選択/非選択の状態を示す情報に基づいて、属性情報を生成する。即ち、上位サーバ11は、携帯端末17からの情報に基づいて、携帯端末17及び乗車券2を所持する利用者が、どのような特徴及び嗜好を持つ人物なのかを判断する。具体的には、上位サーバ11は、利用者の「言語」、「性別」、「年齢」、「宗教」、「ハンディキャップの有無」、及び利用者が興味を持っている事柄(嗜好)などを示す情報を、属性情報として生成する。即ち、属性情報は、利用者が案内を必要とする情報を示す情報であると言い換えることができる。
【0057】
次に、属性情報に基づく案内情報の提供について説明する。
図5は、駅務システム1の案内管理サーバ12の案内情報を出力する動作(案内サービス)の例について説明する為のフローチャートである。
【0058】
案内情報は、利用者の特徴、嗜好などに合わせて生成された情報である。案内情報は、例えば、駅構内図及び出口案内などである。また、案内情報は、例えば、施設の場所、概要、及び広告の案内などであってもよい。また、案内情報は、例えば、イベントの開催場所、概要、及び広告の案内などであってもよい。
【0059】
プロセッサ23は、案内情報として出力する為の情報をメモリ24または図示されないストレージに予め記憶している。例えば、プロセッサ23は、駅構内図を表示する為の情報、出口案内を表示する為の情報を、メモリ24または図示されないストレージに予め記憶している。また、例えば、プロセッサ23は、施設の場所、概要、及び広告の案内を表示する為の情報を、メモリ24または図示されないストレージに予め記憶している。また、例えば、プロセッサ23は、イベントの開催場所、概要、及び広告の案内を表示する為の情報を、メモリ24または図示されないストレージに予め記憶している。
【0060】
また、プロセッサ23は、案内情報として出力する為の情報を、異なる複数の言語ごとに、メモリ24または図示されないストレージに予め記憶している。
【0061】
案内管理サーバ12は、識別情報の取得をトリガーとして、案内サービスを行う。なお、
図5では、利用者が乗車券2によって改札機14の通路から出場すると仮定して説明する。
【0062】
改札機14は、利用者が所持する乗車券2を券処理部35により読み取り、乗車券情報を取得する。改札機14は、乗車券情報に基づいて通行判定を行う。改札機14は、通行判定がOKである場合、ドア駆動機構34によりドアを開き、利用者の通行を促す。
【0063】
また、改札機14は、乗車券2から取得した乗車券情報から、識別情報を抽出する。改札機14は、乗車券2の識別情報を、案内管理サーバ12に送信する。
【0064】
案内管理サーバ12のシステムコントローラ21のプロセッサ23は、改札機14から乗車券2の識別情報を取得する(ステップS21)。
【0065】
プロセッサ23は、取得した乗車券2の識別情報に対応する属性情報を取得する(ステップS22)。例えば、プロセッサ23は、上位サーバ11に属性情報の取得要求を送信する。取得要求には、乗車券2の識別情報が含まれている。この場合、上位サーバ11は、取得要求中の乗車券2の識別情報に対応付けられている属性情報を登録されている複数の属性情報から抽出し、案内管理サーバ12に送信する。なお、上位サーバ11は、登録されている複数の属性情報を、自身が対応付けられている駅の案内管理サーバ12に予め送信しておく構成であってもよい。
【0066】
プロセッサ23は、取得した属性情報に基づいて、表示する情報を決定する(ステップS23)。プロセッサ23は、取得した属性情報に基づいて、案内情報の画面に表示させる情報を決定する。プロセッサ23は、メモリ24または図示されないストレージに予め記憶されている種々の情報から使用する情報を決定する。
【0067】
プロセッサ23は、取得した属性情報に基づいて、案内情報の表示用の言語(表示言語)を決定する(ステップS24)。プロセッサ23は、属性情報のうちの「言語」の除法に基づいて、表示言語を決定する。なお、プロセッサ23は、ステップS21で識別情報を取得した乗車券2の発行時の券売機13の表示に用いられていた言語を、表示言語として決定する構成であってもよい。
【0068】
プロセッサ23は、案内情報の出力先を決定する(ステップS25)。プロセッサ23は、ステップS21で識別情報をどこから(どの機器から)取得したかに基づいて、どの機器によって案内情報を出力させるかを決定する。識別情報を取得した機器と、案内情報の出力先である機器とは、予め組合せが設定されている。即ち、プロセッサ23は、識別情報を取得した機器に予め関連付けられた機器に、案内情報を送信し、出力させると判断する。なお、出力先は、複数設定されていてもよい。
【0069】
プロセッサ23は、ステップS23乃至ステップS25の結果に基づいて、案内情報を生成する(ステップS26)。即ち、プロセッサ23は、取得した属性情報、決定した表示言語、及び案内情報の出力先に基づいて、案内情報を生成する。具体的には、プロセッサ23は、ステップS24で決定した表示言語の情報であって、且つステップS23で表示すると決定した情報を、ステップS25で決定した出力先に応じた形に変換して、組み合わせる。これにより、プロセッサ23は、案内情報のデータ(画像データ、映像データ、または特定のアプリケーションによって表示及び操作が可能なデータなど)を生成する。なお、プロセッサ23は、予め生成された複数の案内情報のうち、取得した属性情報、及び決定した表示言語などに基づいて選択し、選択した案内情報を、案内情報の出力先に基づいて出力する構成であってもよい。
【0070】
プロセッサ23は、生成した案内情報を、ステップS25で決定した出力先に出力し(ステップS27)、
図5の処理を終了する。
【0071】
図6乃至
図8は、案内情報の出力の例について説明する為の説明図である。
まず
図6及び
図7の例について説明する。
上記のように、改札機14は、乗車券2から取得した乗車券情報から、識別情報を取得し、案内管理サーバ12に送信する。
【0072】
案内管理サーバ12は、取得した識別情報に対応付けられた属性情報を取得し、表示する情報、表示言語、及び出力先を決定する。本例では、改札機14の券処理部35で識別情報を取得した場合の出力先として、改札機14の出場先の床に案内情報を投影するプロジェクタ15と、利用者の所持する携帯端末17とが関連付けられているとする。
【0073】
図6は、プロジェクタ15によって案内情報を出力する例について説明する為の説明図である。
案内管理サーバ12は、属性情報に基づいて表示する情報及び表示言語を決定し、プロジェクタ15により出力させる為のプロジェクタ用案内情報81を生成する。案内管理サーバ12は、プロジェクタ用案内情報81をプロジェクタ15に送信する。
【0074】
プロジェクタ15は、案内管理サーバ12からプロジェクタ用案内情報81を受け取ると、
図6に示されるように、改札機14の通路の出口の床に、プロジェクタ用案内情報81を投影部43により投影する。
図6の例では、プロジェクタ用案内情報81は、出口案内の表示(「Exit A」及び「Exit B」)と、利用者の嗜好に基づく施設案内の表示(「Taxi stop」、「Bus stop」、「Ticket counter」、「Shopping mall」)と、利用者の嗜好に基づくイベント案内の表示(「Event A」及び「Event B」)とを含んでいる。
【0075】
図7は、利用者の所持する携帯端末17に対して案内情報を出力する例について説明する為の説明図である。
案内管理サーバ12は、属性情報に基づいて表示する情報及び表示言語を決定し、携帯端末17により出力させる為の携帯端末用案内情報82を生成する。案内管理サーバ12は、携帯端末用案内情報82を利用者の携帯端末17に送信する。
【0076】
携帯端末17は、案内管理サーバ12から携帯端末用案内情報82を受け取ると、
図7に示されるように、ディスプレイに携帯端末用案内情報82を表示する。
図7の例では、携帯端末用案内情報82は、駅構内
図83と、複数の選択アイコン84とを含んでいる。
【0077】
駅構内
図83には、出口案内の表示(「Exit A」及び「Exit B」)と、利用者の嗜好に基づく施設案内の表示(「Taxi stop」、「Bus stop」、「Ticket counter」、「Shopping mall」)と、利用者の嗜好に基づくイベント案内の表示(「Event A」及び「Event B」)とが含まれている。さらに、駅構内
図83には、利用者の現在位置を示す表示も含まれている。
【0078】
複数の選択アイコン84は、それぞれ利用者の嗜好に基づく施設案内の表示、イベント案内の表示、または他の種々の詳細な情報を表示する為のボタンである。案内情報は、選択アイコン84に対応する詳細情報を携帯端末17のディスプレイに表示させる為の情報を含んでいる。携帯端末17は、タッチセンサによって選択アイコン84が選択された場合、選択された選択アイコン84に対応する詳細情報をディスプレイに表示させる。
【0079】
次に、
図8の例について説明する。
図8は、ディジタルサイネージ16によって案内情報を出力する例について説明する為の説明図である。本例では、ディジタルサイネージ16に携帯端末17を所持した利用者が接近し、ディジタルサイネージ16の無線通信端末55と携帯端末17との間で通信が確立したとする。この場合、ディジタルサイネージ16は、無線通信端末55により携帯端末17から識別情報(携帯端末17の識別情報)を取得し、携帯端末17の識別情報を案内管理サーバ12に送信する。
【0080】
案内管理サーバ12は、取得した識別情報に対応付けられた属性情報を取得し、表示する情報、表示言語、及び出力先を決定する。本例では、ディジタルサイネージ16の無線通信端末55で識別情報を取得した場合の出力先として、ディジタルサイネージ16のディスプレイとが関連付けられているとする。
【0081】
案内管理サーバ12は、属性情報に基づいて表示する情報及び表示言語を決定し、ディジタルサイネージ16により出力させる為のディジタルサイネージ用案内情報85を生成する。案内管理サーバ12は、ディジタルサイネージ用案内情報85をディジタルサイネージ16に送信する。
【0082】
ディジタルサイネージ16は、案内管理サーバ12からディジタルサイネージ用案内情報85を受け取ると、
図8に示されるように、ディスプレイ53にディジタルサイネージ用案内情報85を表示する。
図8の例では、ディジタルサイネージ用案内情報85は、駅構内
図83と、複数の選択アイコン84とを含んでいる。
【0083】
駅構内
図83には、出口案内の表示(「Exit A」及び「Exit B」)と、利用者の嗜好に基づく施設案内の表示(「Taxi stop」、「Bus stop」、「Ticket counter」、「Shopping mall」)と、利用者の嗜好に基づくイベント案内の表示(「Event A」及び「Event B」)とが含まれている。さらに、駅構内
図83には、利用者の現在位置を示す表示も含まれている。
【0084】
複数の選択アイコン84は、それぞれ利用者の嗜好に基づく施設案内の表示、イベント案内の表示、または他の種々の詳細な情報を表示する為のボタンである。案内情報は、選択アイコン84に対応する詳細情報をディジタルサイネージ16のディスプレイ53に表示させる為の情報を含んでいる。ディジタルサイネージ16は、タッチセンサ54によって選択アイコン84が選択された場合、選択された選択アイコン84に対応する詳細情報をディスプレイ53に表示させる。
【0085】
上記したように、駅務機器(案内管理サーバ12)は、通信インタフェース22及びプロセッサ23を備える。通信インタフェース22は、識別情報を取得する機器と通信し、識別情報を取得する。プロセッサ23は、取得した識別情報に予め対応付けられ且つ案内する内容を示す属性情報に基づいた案内情報を所定の出力先に出力する。このような構成によると、属性情報を利用者の特徴に応じて予め生成しておくことにより、案内管理サーバ12は、利用者にとって必要な情報を、案内情報として提供することができる。
【0086】
また、属性情報は、少なくとも利用者が使用可能な言語を示す情報を含んでいる。この場合、案内管理サーバ12のプロセッサ23は、属性情報が示す言語の案内情報を出力することができる。これにより、利用者にとっての利便性を向上させることができる。
【0087】
また、案内管理サーバ12のプロセッサ23は、案内情報の出力先の機器と、属性情報と、に基づいて、案内情報を出力する。即ち、プロセッサ23は、案内情報に付加する情報を、案内情報の出力先及び属性情報に基づいて決定する。また、プロセッサ23は、案内情報に付加する情報を、案内情報の出力先、属性情報、及び時刻に基づいて決定してもよい。これにより、プロセッサ23は、例えば所定の時刻及び場所で開催されるイベントの案内などを案内情報として出力することができる。また、案内管理サーバ12は、案内情報の出力先の機器が、駅構内のどの位置に設けられているかによって、案内情報において示す情報を変更する構成であってもよい。
【0088】
また、案内管理サーバ12のプロセッサ23は、属性情報に基づいて、駅構内図、出口案内、施設の場所の案内、及びイベントの開催場所の情報のいずれか、または複数を、案内情報において示す。これにより、プロセッサ23は、利用者が訪れる予定の施設及びイベントなどがどの方向にあるか、駅構内をどのように移動すればよいかなどを利用者に知らせることができる。
【0089】
また、案内管理サーバ12のプロセッサ23は、改札機14により乗車券2から識別情報を取得した場合、取得した識別情報に対応付けられた属性情報に基づいた案内情報を、乗車券2を所持する利用者の携帯端末17に送信する。これにより、プロセッサ23は、改札機14から出場した際に利用者の携帯端末17に対して案内情報を出力することができる。
【0090】
また、案内管理サーバ12のプロセッサ23は、識別情報を取得した機器に予め関連付けられた機器に案内情報を送信する。例えば、プロセッサ23は、改札機14により乗車券2から識別情報を取得した場合、上記のように携帯端末17への案内情報の出力に加えて、他の機器により案内情報を出力してもよい。
【0091】
たとえば、案内管理サーバ12のプロセッサ23は、改札機14により乗車券2から識別情報を取得した場合、改札機14に関連付けられ、改札機14の出場先に案内情報を投影するプロジェクタ15に案内情報を送信する。これにより、プロセッサ23は、改札機14から出場した利用者の近傍の床にプロジェクタ15によって案内情報を投影することができる。
【0092】
また、たとえば、案内管理サーバ12のプロセッサ23は、ディジタルサイネージ16の無線通信端末55により携帯端末17から識別情報を取得した場合、ディジタルサイネージ16のディスプレイ53により案内情報を出力する。これにより、プロセッサ23は、利用者がディジタルサイネージ16に近づいた場合に、ディジタルサイネージ16のディスプレイ53に、利用者に応じた案内情報を表示させることができる。
【0093】
上記の構成によると、利用者が特定の宗教に関連する施設の利用を容易にすることができる。例えば、イスラム教徒向けの祈祷室が設けられている駅などにおいて、利用者が改札を通過、ディジタルサイネージ16の近傍を通過、またはプロジェクタ15の近傍を通過する際に、駅構内の祈祷室の位置を、利用者の使用可能な言語で案内することができる。
【0094】
また、上記したように、案内管理サーバ12は、ディジタルデータの案内情報を出力する構成である為、駅構内図の変更を容易にすることができる。
【0095】
なお、上記の実施形態では、案内管理サーバ12は、携帯端末17、プロジェクタ15、及びディジタルサイネージ16のいずれかにより案内情報を出力する構成であると説明したが、この構成に限定されない。案内管理サーバ12のプロセッサ23は、改札機14のディスプレイ36により案内情報を出力するように、改札機14に案内情報を送信する構成であってもよい。
【0096】
また、上記の実施形態では、案内管理サーバ12は、携帯端末17のディスプレイに案内情報を表示させる構成であると説明したが、この構成に限定されない。案内管理サーバ12は、携帯端末17のカメラにより取得した画像と案内情報を組み合わせてAR(Augmented Reality)表示させてもよい。
【0097】
また、属性情報は、利用者の所持する携帯端末17に対してメッセージを送信する為の情報(例えばメールアドレス、電話番号、または何らかのアプリケーションにおけるID)を含んでいてもよい。この場合、案内管理サーバ12のプロセッサ23は、案内情報を携帯端末17に対してメール、ショートメッセージサービス(SMS)、または何らかのアプリケーションを介して出力することができる。
【0098】
また、上記の実施形態では、属性情報に乗車券2の識別情報と、携帯端末17の識別情報との両方が対応付けられると説明したが、この構成に限定されない。属性情報には、乗車券2の識別情報と、携帯端末17の識別情報とのいずれかが対応付けられていればよい。
【0099】
また、上記の
図6及び
図7の説明において、案内管理サーバ12は、改札機14が乗車券2から取得した識別情報に基づいて、携帯端末17及びプロジェクタ15に案内情報を送信する構成であると説明したが、この構成に限定されない。案内管理サーバ12は、改札機14の無線通信端末37、またはプロジェクタ15の無線通信端末44が携帯端末17から取得した識別情報に基づいて、携帯端末17及びプロジェクタ15に案内情報を送信する構成であってもよい。
【0100】
また、プロジェクタ15は、改札機14の近傍ではなく、別の場所に設けられていてもよい。この場合も、案内管理サーバ12は、プロジェクタ15の無線通信端末44が携帯端末17から取得した識別情報に基づいて、プロジェクタ15に案内情報を送信する。
【0101】
また、上記の
図8の説明において、案内管理サーバ12は、ディジタルサイネージ16の無線通信端末55が携帯端末17から取得した識別情報に基づいて、ディジタルサイネージ16に案内情報を送信する構成であると説明したが、この構成に限定されない。ディジタルサイネージ16は、乗車券2から乗車券情報を取得する構成、または乗車券2から少なくとも識別情報を取得する構成を備えていてもよい。この場合、ディジタルサイネージ16は、利用者の所持する乗車券2から識別情報を取得し、案内管理サーバ12に送信する。案内管理サーバ12は、ディジタルサイネージ16が乗車券2から取得した識別情報に基づいて、ディジタルサイネージ16に案内情報を送信する。
【0102】
また、上記の実施形態では、券売機13により乗車券2を発券し、発券した乗車券2を用いて改札機14を通過し、案内情報の提供を受ける構成であると説明したが、この構成に限定されない。携帯端末17において実行される所定のアプリケーション上で乗車券が発行されてもよい。例えば、携帯端末17で所定の操作を行うことにより、上位サーバ11が乗車券情報に基づく二次元コードを生成し、携帯端末17に送信する構成であってもよい。この場合、携帯端末17のディスプレイに二次元コードを表示させることにより、二次元コード券と同様に改札機14を通過することができる。
【0103】
また、上記の実施形態では、乗車券2に案内サービス登録用ウェブサイトのURLに基づいて生成された案内サービス登録用二次元コード62が印刷されていると説明したが、この構成に限定されない。案内サービス登録用ウェブサイトと同様の情報を上位サーバ11に送信可能なアプリケーションの取得用の二次元コードが乗車券2に印刷されていてもよい。この場合、携帯端末17は、カメラにより乗車券2の二次元コードを読み取り、アプリケーションの取得用のダウンロード画面の表示処理に移行する。携帯端末17は、アプリケーションのダウンロード後にアプリケーションを起動し、
図4の案内サービス登録画面71と同様の画面を表示する。携帯端末17は、画面表示中の操作に応じて、上位サーバ11に「識別情報」、「言語」、「性別」、「年齢」、「宗教」、及び「嗜好」などの情報を送信することができる。
【0104】
なお、上記の実施形態では、携帯端末17は、操作入力に応じて、上位サーバ11に「識別情報」、「言語」、「性別」、「年齢」、「宗教」、及び「嗜好」などの情報を送信する構成であると説明したが、この構成に限定されない。携帯端末17は、「識別情報」、「言語」、「性別」、「年齢」、「宗教」、及び「嗜好」などの、属性情報の生成に関する情報を、携帯端末17のブラウザの検索履歴、携帯端末17のGPSの履歴、携帯端末17の設定情報などに基づいて決定し、上位サーバ11に送信する構成であってもよい。即ち、携帯端末17は、利用者による操作の履歴に基づいて、属性情報の生成に関する情報を生成し、上位サーバ11に送信する構成であってもよい。
【0105】
また、上位サーバ11が属性情報を生成するのではなく、携帯端末17が属性情報を生成し、上位サーバ11、または駅の案内管理サーバ12に送信する構成であってもよい。
【0106】
また、乗車券2が周遊きっぷなどの特殊券である場合、特殊券の種類に応じて予め設定された属性情報と、乗車券2の識別情報とを上位サーバ11が対応付けて記憶する構成であってもよい。
【0107】
また、上記の実施形態では、属性情報の生成に関する情報を携帯端末17が上位サーバ11に送信する構成であると説明したが、この構成に限定されない。券売機13が乗車券2の発見時に乗車券情報を上位サーバ11に登録し、上位サーバ11が登録されている乗車券情報に基づいて属性情報を生成する構成であってもよい。また、乗車券情報に物販の履歴(購入店舗、購入品目など)が対応付けられる構成である場合、上位サーバ11は、利用者の過去の物販の履歴に基づいて属性情報を生成することもできる。
【0108】
なお、上述の各実施の形態で説明した機能は、ハードウエアを用いて構成するに留まらず、ソフトウエアを用いて各機能を記載したプログラムをコンピュータに読み込ませて実現することもできる。また、各機能は、適宜ソフトウエア、ハードウエアのいずれかを選択して構成するものであっても良い。
【0109】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0110】
1…駅務システム、2…乗車券、11…上位サーバ、12…案内管理サーバ、13…券売機、14…改札機、15…プロジェクタ、16…ディジタルサイネージ、17…携帯端末、21…システムコントローラ、22…通信インタフェース、23…プロセッサ、24…メモリ、31…システムコントローラ、32…通信インタフェース、33…通過センサ、34…ドア駆動機構、35…券処理部、36…ディスプレイ、37…無線通信端末、38…プロセッサ、39…メモリ、41…システムコントローラ、42…通信インタフェース、43…投影部、44…無線通信端末、45…プロセッサ、46…メモリ、51…システムコントローラ、52…通信インタフェース、53…ディスプレイ、54…タッチセンサ、55…無線通信端末、56…プロセッサ、57…メモリ。