(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-07
(45)【発行日】2025-02-18
(54)【発明の名称】無線放送システム、及び無線放送方法
(51)【国際特許分類】
H04M 9/00 20060101AFI20250210BHJP
H04H 20/02 20080101ALI20250210BHJP
H04H 20/59 20080101ALI20250210BHJP
【FI】
H04M9/00 H
H04H20/02
H04H20/59
(21)【出願番号】P 2021029838
(22)【出願日】2021-02-26
【審査請求日】2024-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100171446
【氏名又は名称】高田 尚幸
(72)【発明者】
【氏名】楠見 真希
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-174542(JP,A)
【文献】特開2002-359600(JP,A)
【文献】特開2009-081515(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 9/00
H04H 20/02
H04H 20/59
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象場所に配置されるインターホン装置と、
集合住宅の出入口に配置され、前記インターホン装置と通話可能な出入口端末装置と、
緊急
情報を示す
無線信号を受信
可能な無線信号受信装置と、
を備え、
前記無線信号受信装置が緊急情報を示す無線信号を受信した場合に、
前記インターホン装置と前記出入口端末装置が通話中である場合には前記出入口端末装置から前記緊急情報に基づく報知を行い、
前記インターホン装置と前記出入口端末装置が通話中でない場合には前記出入口端末装置から前記緊急情報に基づく報知を行わない
ことを特徴とする無線放送システム。
【請求項2】
対象場所に配置されるインターホン装置と、
集合住宅の出入口に配置され、前記インターホン装置と通話可能な出入口端末装置と、
前記出入口端末装置の周囲に人が存在することを検出する人感センサと、
緊急情報を示す無線信号を受信可能な無線信号受信装置と、
を備え、
前記無線信号受信装置が緊急情報を示す無線信号を受信し、かつ、前記人感センサが前記出入口端末装置の周囲に人が存在することを検出した場合に、前記出入口端末装置から前記緊急情報に基づく報知を行う
ことを特徴とする無線放送システム。
【請求項3】
前記無線信号は、自治体から送信される防災行政無線信号又はコミュニティFMラジオ局から送信される防災に係るラジオ無線信号である
ことを特徴とする請求項1
又は請求項
2に記載の無線放送システム。
【請求項4】
前記
無線信号は、前記無線信号受信装置を自動的に起動させる緊急起動信号である
ことを特徴とする請求項1から請求項
3のいずれか一項に記載の無線放送システム。
【請求項5】
対象場所に配置されるインターホン装置と、
集合住宅の出入口に配置され、前記インターホン装置と通話可能な出入口端末装置と、緊急情報を示す無線信号を受信可能な無線信号受信装置と、
を備える無線放送システムの無線放送方法であって、
前記無線信号受信装置が緊急情報を示す無線信号を受信した場合に、
前記インターホン装置と前記出入口端末装置が通話中である場合には前記出入口端末装置から前記緊急情報に基づく報知を行い、
前記インターホン装置と前記出入口端末装置が通話中でない場合には前記出入口端末装置から前記緊急情報に基づく報知を行わない
ことを特徴とする無線放送方法。
【請求項6】
対象場所に配置されるインターホン装置と、集合住宅の出入口に配置され、前記インターホン装置と通話可能な出入口端末装置と、前記出入口端末装置の周囲に人が存在することを検出する人感センサと、緊急情報を示す無線信号を受信可能な無線信号受信装置と、を備える無線放送システムの無線放送方法であって、
前記無線信号受信装置が緊急情報を示す無線信号を受信し、かつ、前記人感センサが前記出入口端末装置の周囲に人が存在することを検出した場合に、前記出入口端末装置から前記緊急情報に基づく報知を行う
ことを特徴とする無線放送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線放送システム、及び無線放送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
緊急時への対応として、自治体等から防災無線に基づく緊急放送が行われているが、各地点に配置されたスピーカからの緊急放送では、音声が聞き取りづらい場合があった。その対策として、近年、防災無線を受信する個別受信機や、無線の代わりにコミュニティFM局からの無線信号を受信する防災ラジオを利用して、緊急放送を出力する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような従来技術では、個別受信機や防災ラジオなどの専用の受信装置を各住戸に設置する必要があるため、容易には適用することが困難であった。そのため、従来技術では、緊急放送の内容を適切に報知すること困難な場合があった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、緊急放送の内容を適切に報知することができる無線放送システム、及び無線放送方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明の一態様は、対象場所に配置されるインターホン装置と、緊急放送を示す特定の無線信号を含む無線信号を受信した場合に、受信した前記無線信号に含まれる音信号を生成する無線信号受信装置と、複数の前記インターホン装置に対して同時に音声放送可能な制御装置であって、前記無線信号受信装置が生成した前記音信号を前記インターホン装置に送信して、前記インターホン装置に前記音信号に基づく音声放送を出力させる制御装置とを備えることを特徴とする無線放送システムである。
【0007】
また、本発明の一態様は、上記の無線放送システムにおいて、集合住宅の出入口に配置され、前記インターホン装置と通話可能な出入口端末装置を備え、前記対象場所が、前記集合住宅の住戸であり、前記制御装置は、前記無線信号受信装置が生成した前記音信号を前記出入口端末装置に送信して、前記出入口端末装置に前記音信号に基づく前記音声放送を出力させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一態様は、上記の無線放送システムにおいて、前記制御装置は、前記インターホン装置と前記出入口端末装置との間で通話中に、前記無線信号受信装置が、前記特定の無線信号を受信した場合に、前記インターホン装置と前記出入口端末装置との間の通話から前記音声放送に切り替えて、前記インターホン装置及び前記出入口端末装置に前記音声放送を出力させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一態様は、上記の無線放送システムにおいて、前記制御装置は、前記インターホン装置と前記出入口端末装置との間で通話中でない場合に、前記出入口端末装置に前記音声放送を出力させないことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の一態様は、上記の無線放送システムにおいて、前記出入口端末装置は、周囲に人が存在することを検出する人感センサを備え、前記制御装置は、前記人感センサが前記出入口端末装置の周囲に人が存在することを検出した場合に、前記出入口端末装置に前記音声放送を出力させることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の一態様は、上記の無線放送システムにおいて、前記無線信号は、自治体から送信される防災行政無線信号又はコミュニティFMラジオ局から送信される防災に係るラジオ無線信号であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の一態様は、上記の無線放送システムにおいて、前記特定の無線信号は、前記無線信号受信装置を自動的に起動させる緊急起動信号であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の一態様は、上記の無線放送システムにおいて、対象場所に配置されるインターホン装置と、無線信号受信装置と、複数の前記インターホン装置に対して同時に音声放送可能な制御装置とを備える無線放送システムの無線放送方法であって、前記無線信号受信装置が、緊急放送を示す特定の無線信号を含む無線信号を受信した場合に、受信した前記無線信号に含まれる音信号を生成する第1ステップと、前記制御装置が、前記無線信号受信装置が生成した前記音信号を前記インターホン装置に送信して、前記インターホン装置に前記音信号に基づく音声放送を出力させる第2ステップとを含むことを特徴とする無線放送方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、緊急放送の内容を適切に報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第1の実施形態による無線放送システムの一例を示すブロック図である。
【
図2】第1の実施形態における制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図3】第1の実施形態による無線放送システムによる緊急放送の音声出力処理の一例を示す図である。
【
図4】第1の実施形態による無線放送システムによる緊急放送の音声出力処理の別の一例を示す図である。
【
図5】第1の実施形態における制御装置の動作の変形例を示すフローチャートである。
【
図6】第2の実施形態による無線放送システムの一例を示すブロック図である。
【
図7】第3の実施形態による無線放送システムの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態による無線放送システム、及び無線放送方法について、図面を参照して説明する。
【0017】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態による無線放送システム1の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、無線放送システム1は、無線信号受信装置10と、制御装置20と、管理室親機30と、複数の居室親機40(40-1、40-2、・・・)と、集合玄関機50とを備える。本実施形態において、無線放送システム1は、例えば、マンションなどの集合住宅において、各住戸に緊急放送を音声出力するシステムの一例について説明する。
【0018】
無線信号受信装置10は、例えば、緊急放送を受信する受信装置であり、マンションなどの集合住宅の管理室MRに配置されている。無線信号受信装置10は、特定の無線信号を含む無線信号を受信した場合に、受信した無線信号に含まれる音信号を生成する。ここで、特定の無線信号は、例えば、無線信号受信装置10を自動的に起動させる緊急起動信号であり、無線信号は、自治体から送信される防災行政無線信号又はコミュニティFMラジオ局から送信される防災に係るラジオ無線信号である。
【0019】
無線信号受信装置10は、例えば、緊急起動信号を受信した場合に、自装置(無線信号受信装置10)を起動して、受信した無線信号に含まれる音信号を生成する。無線信号受信装置10は、生成した音信号を制御装置20に送信する。
【0020】
制御装置20は、無線信号受信装置10と同様に、管理室MRに配置され、無線放送システム1全体を制御する。制御装置20は、複数の居室親機40に対して同時に音声放送可能な装置であり、無線信号受信装置10が生成した音信号を後述する全ての居室親機40に送信して、居室親機40に音信号に基づく音声放送を出力させる。また、制御装置20は、後述する居室親機40と集合玄関機50との間で音信号を中継して、居室親機40と集合玄関機50との間で通話をさせる。また、制御装置20は、後述する管理室親機30が出力する音信号を、複数の居室親機40に対して同時に、当該音信号に基づく音声放送を出力させる。
また、制御装置20は、制御部21を備える。制御部21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を含むプロセッサなどであり、制御装置20を統括的に制御する。制御装置20は、通話処理部211と、放送処理部212とを備える。
【0021】
通話処理部211は、居室親機40と集合玄関機50との間の通話処理を実行する。通話処理部211は、例えば、来客や訪問者などが集合玄関ホールEHに来て集合玄関機50を操作して、住戸HMの居住者を呼び出した場合に、当該住戸HMの居室親機40と集合玄関機50との間で通話を行う処理を実行する。
【0022】
具体的に、通話処理部211は、集合玄関機50から受信した来客音声の音信号を、居室親機40に転送して、来客音声の音信号に基づく音声を、居室親機40から出力させる。また、通話処理部211は、居室親機40から受信した居住者音声の音信号を、集合玄関機50に転送して、居住者音声の音信号に基づく音声を、集合玄関機50から出力させる。
また、通話処理部211は、管理室親機30と居室親機40との間の通話処理を、居室親機40と集合玄関機50との間の通話処理と同様に実行する。
【0023】
放送処理部212は、複数の居室親機40に同時に音声放送を出力させる放送処理を実行する。放送処理部212は、例えば、無線信号受信装置10が生成した音信号を居室親機40に送信して、居室親機40に当該音信号に基づく音声放送を出力させる。
【0024】
また、放送処理部212は、無線信号受信装置10が生成した音信号を集合玄関機50に送信して、集合玄関機50に音信号に基づく音声放送を出力させる。放送処理部212は、例えば、居室親機40と集合玄関機50との間で通話中に、無線信号受信装置10が、特定の無線信号(例えば、緊急起動信号など)を受信した場合に、居室親機40と集合玄関機50との間の通話から音声放送に切り替えて、居室親機40及び集合玄関機50に音声放送を出力させる。また、制御装置20は、例えば、居室親機40と集合玄関機50との間で通話中でない場合に、集合玄関機50に音声放送を出力させない。
また、放送処理部212は、管理室親機30から受信した音信号を各居室親機40に送信して、居室親機40に当該音信号に基づく音声放送を出力させる。
【0025】
管理室親機30は、管理室MRに配置されたインターホン装置であり、集合住宅の管理者と、各住戸HMの住居者との間の通話や、各住戸HMの住居者に対して同時に放送する場合に利用される装置である。管理室親機30は、入力部31と、表示部32と、マイク33と、スピーカ34と、管理親機制御部35とを備える。
【0026】
入力部31は、例えば、タッチパネルや電話機のキースイッチ、制御ボタンなどの入力装置であり、利用者である管理者からの操作を受け付けて、入力情報を管理親機制御部35に供給する。
表示部32は、例えば、液晶ディスプレイなどの表示装置であり、管理親機制御部35から供給される各種情報を表示する。
【0027】
マイク33は、例えば、利用者の音声などを収音し、収音した音信号を管理親機制御部35に供給する。
スピーカ34は、管理親機制御部35から供給される各種音信号に基づく音(例えば、音声など)を外部に出力(放音)する。
なお、マイク33及びスピーカ34は、電話機の受話機のように構成されていてもよい。
【0028】
管理親機制御部35は、例えば、CPUを含むプロセッサなどであり、管理室親機30を統括的に制御する。管理親機制御部35は、入力部31が受け付けた入力情報に基づいて、各種処理を実行するとともに、各種状況に応じた表示情報を表示部32に表示させる。また、管理親機制御部35は、マイク33が収音した音信号を制御装置20に送信するとともに、制御装置20から受信した音信号に基づく音(例えば、通話音声など)を、スピーカ34から出力させる。
管理親機制御部35は、例えば、居室親機40と管理室親機30との間の通話処理や、居室親機40への同時放送の処理などの制御を行う。
【0029】
居室親機40(インターホン装置の一例)は、集合住宅の各住戸HMに配置され、インターホンとして使用される装置である。なお、本実施形態において、居室親機40-1、居室親機40-2、・・・のそれぞれは、同一の構成であり、無線放送システム1のうちの任意の居室親機を示す場合、又は特に区別しない場合には、居室親機40として説明する。居室親機40は、入力部41と、表示部42と、マイク43と、スピーカ44と、居室親機制御部45とを備える。
【0030】
入力部41は、例えば、タッチパネルや電話機のキースイッチ、制御ボタンなどの入力装置であり、利用者である住戸HMの住居者からの操作を受け付けて、入力情報を居室親機制御部45に供給する。
表示部42は、例えば、液晶ディスプレイなどの表示装置であり、居室親機制御部45から供給される各種情報を表示する。表示部42は、例えば、居室親機40が集合玄関機50との間で通話する際に、集合玄関機50から送信された来客や訪問者の画像などを表示する。
【0031】
マイク43は、例えば、利用者の音声などを収音し、収音した音信号を居室親機制御部45に供給する。マイク43は、例えば、居室親機40が集合玄関機50との間で通話する際に、住戸HMの住居者の音声を収音して、居室親機制御部45に供給する。
【0032】
スピーカ44は、居室親機制御部45から供給される各種音信号に基づく音(例えば、音声など)を外部に出力(放音)する。スピーカ44は、例えば、居室親機40が集合玄関機50との間で通話する際に、集合玄関機50から送信された来客や訪問者の音声を出力する。また、スピーカ44は、例えば、無線放送システム1が緊急放送を出力する際に、無線信号受信装置10が無線信号から生成した音信号に基づく音声放送を出力する。
【0033】
居室親機制御部45は、例えば、CPUを含むプロセッサなどであり、居室親機40を統括的に制御する。居室親機制御部45は、入力部41が受け付けた入力情報に基づいて、各種処理を実行するとともに、各種状況に応じた表示情報を表示部42に表示させる。また、居室親機制御部45は、マイク43が収音した音信号を制御装置20に送信するとともに、制御装置20から受信した音信号に基づく音(例えば、通話音声など)を、スピーカ44から出力させる。
【0034】
居室親機制御部45は、例えば、居室親機40と集合玄関機50との間の通話処理や、緊急放送の同時放送の処理などの制御を行う。居室親機制御部45は、例えば、居室親機40と集合玄関機50との間の通話処理を行う場合には、マイク43が収音した音信号を制御装置20に送信して、当該音信号に基づく通話音声を集合玄関機50から出力させるとともに、集合玄関機50から制御装置20を介して受信した音信号に基づく通話音声をスピーカ44から出力させる。また、居室親機制御部45は、集合玄関機50から制御装置20を介して受信した来客や訪問者などの画像データを表示部42に表示させる。
【0035】
また、居室親機制御部45は、制御装置20から緊急放送の音信号を受信した場合に、当該緊急放送の音信号に基づく音声放送をスピーカ44に出力させる。なお、居室親機制御部45は、集合玄関機50との通話中に、緊急放送の音信号を受信した場合に、集合玄関機50からの通話に切り替えて、当該緊急放送の音信号に基づく音声放送をスピーカ44に出力させる。
【0036】
集合玄関機50(出入口端末装置の一例)は、集合住宅の出入口である集合玄関ホールEHに配置され、居室親機40と通話可能な端末装置である。集合玄関機50は、入力部51と、表示部52と、マイク53と、スピーカ54と、撮像部55と、人感センサ56と、玄関機制御部57とを備える。
【0037】
入力部51は、例えば、タッチパネルやキースイッチ、制御ボタンなどの入力装置であり、利用者である来客や訪問者からの操作を受け付けて、入力情報を玄関機制御部57に供給する。
表示部52は、例えば、液晶ディスプレイなどの表示装置であり、玄関機制御部57から供給される各種情報を表示する。表示部52は、例えば、集合玄関機50が居室親機40との間で通話する際に、案内画面や部屋番号の入力画面などを表示する。
【0038】
マイク53は、例えば、利用者の音声などを収音し、収音した音信号を玄関機制御部57に供給する。マイク53は、例えば、集合玄関機50が居室親機40との間で通話する際に、来客や訪問者の音声を収音して、玄関機制御部57に供給する。
【0039】
スピーカ54は、玄関機制御部57から供給される各種音信号に基づく音(例えば、音声など)を外部に出力(放音)する。スピーカ54は、例えば、集合玄関機50が居室親機40との間で通話する際に、居室親機40から送信された住戸HMの住居者の音声を出力する。また、スピーカ54は、例えば、集合玄関機50が居室親機40との間で通話中に、無線信号受信装置10が緊急放送を受信した場合に、無線信号受信装置10が無線信号から生成した音信号に基づく音声放送を出力する。
【0040】
撮像部55は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子を含むカメラであり、集合玄関機50を利用する来客や訪問者である利用者の顔画像などを撮像する。撮像部55は、撮像した画像データを玄関機制御部57に供給する。
【0041】
人感センサ56は、集合玄関機50の周囲(周辺)に人が存在することを検出するセンサである。人感センサ56は、集合玄関機50の周囲に人が存在することを検出した場合に、集合玄関機50の周囲に人が存在することを示す情報を玄関機制御部57に供給する。
【0042】
玄関機制御部57は、例えば、CPUを含むプロセッサなどであり、集合玄関機50を統括的に制御する。玄関機制御部57は、入力部51が受け付けた入力情報に基づいて、各種処理を実行するとともに、各種状況に応じた表示情報を表示部52に表示させる。また、玄関機制御部57は、マイク53が収音した音信号を制御装置20に送信するとともに、制御装置20から受信した音信号に基づく音(例えば、通話音声など)を、スピーカ54から出力させる。
【0043】
玄関機制御部57は、例えば、居室親機40と集合玄関機50との間の通話処理や、緊急放送の同時放送の処理などの制御を行う。玄関機制御部57は、例えば、居室親機40と集合玄関機50との間の通話処理を行う場合には、マイク53が収音した音信号及び撮像部55が撮像した画像データを制御装置20に送信して、当該音信号に基づく通話音声を居室親機40から出力させるとともに、居室親機40から制御装置20を介して受信した音信号に基づく音声をスピーカ54から出力させる。また、玄関機制御部57は、集合玄関機50から制御装置20を介して受信した音信号に基づく通話音声をスピーカ54から出力させる。
【0044】
また、玄関機制御部57は、制御装置20から緊急放送の音信号を受信した場合に、当該緊急放送の音信号に基づく音声放送をスピーカ54に出力させる。なお、玄関機制御部57は、集合玄関機50との通話中に、緊急放送の音信号を受信した場合に、集合玄関機50からの通話に切り替えて、当該緊急放送の音信号に基づく音声放送をスピーカ44に出力させる。玄関機制御部57は、集合玄関機50との通話中でないときに、緊急放送の音信号を受信した場合には、緊急放送の音信号に基づく音声放送をスピーカ44から出力させない。
【0045】
次に、図面を参照して、本実施形態による無線放送システム1の動作について説明する。
図2は、本実施形態における制御装置20の動作の一例を示すフローチャートである。ここでは、制御装置20による緊急放送の出力処理の一例について説明する。
【0046】
図2に示すように、制御装置20の制御部21は、まず、無線信号受信装置10が緊急起動信号を受信したか否かを判定する(ステップS101)。制御部21の放送処理部212は、例えば、無線信号受信装置10からの音信号が供給されるか否かによって、無線信号受信装置10が緊急起動信号を受信したか否かを判定する。放送処理部212は、無線信号受信装置10が緊急起動信号を受信した場合(ステップS101:YES)に、処理をステップS102に進める。また、放送処理部212は、無線信号受信装置10が緊急起動信号を受信していない場合(ステップS101:NO)に、処理をステップS101に戻す。
【0047】
ステップS102において、放送処理部212は、集合玄関機50が通話中であるか否かを判定する。放送処理部212は、集合玄関機50が通話中である場合(ステップS102:YES)に、処理をステップS104に進める。また、放送処理部212は、集合玄関機50が通話中でない場合(ステップS102:NO)に、処理をステップS103に進める。
【0048】
ステップS103において、放送処理部212は、全ての居室親機40に音信号を送信して、音声放送を出力させる。放送処理部212は、無線信号受信装置10から受信した緊急放送の音信号を、全ての居室親機40に送信して、各居室親機40のスピーカ44から緊急放送の音声放送を出力させる。これにより、各居室親機40は、緊急放送の音声放送をスピーカ44から出力する。なお、この場合には、集合玄関機50は、緊急放送の音声放送をスピーカ54から出力しない。ステップS103の処理後に、放送処理部212は、緊急放送の出力処理を終了する。
【0049】
また、ステップS104において、放送処理部212は、全ての居室親機40と集合玄関機50とに音信号を送信して、音声放送を出力させる。放送処理部212は、無線信号受信装置10から受信した緊急放送の音信号を、全ての居室親機40及び集合玄関機50に送信して、各居室親機40のスピーカ44から緊急放送の音声放送を出力させるとともに、集合玄関機50のスピーカ54から緊急放送の音声放送を出力させる。これにより、各居室親機40は、緊急放送の音声放送をスピーカ44から出力するとともに、集合玄関機50は、緊急放送の音声放送をスピーカ54から出力する。ステップS104の処理後に、放送処理部212は、緊急放送の出力処理を終了する。
【0050】
次に、
図3及び
図4を参照して、無線放送システム1による緊急放送の音声出力処理の具体例について説明する。
図3は、本実施形態による無線放送システム1による緊急放送の音声出力処理の一例を示す図である。ここでは、集合玄関機50と居室親機40とが通話中でない場合の処理について説明する。なお、説明の都合上、居室親機40は、居室親機40-1及び居室親機40-2の2台であるものとして説明する。
【0051】
図3に示すように、まず、無線信号受信装置10は、緊急起動信号を受信したか否かを判定する(ステップS201)。無線信号受信装置10の無線信号受信部11は、例えば、自治体から送信される防災行政無線信号又はコミュニティFMラジオ局から送信される防災に係るラジオ無線信号に含まれる緊急起動信号を受信したか否かを判定する。無線信号受信部11は、緊急起動信号を受信した場合(ステップS201:YES)に、処理をステップS202に進める。また、無線信号受信部11は、緊急起動信号を受信していない場合(ステップS201:NO)に、処理をステップS201に戻す。
【0052】
ステップS202において、無線信号受信装置10は、自装置(無線信号受信装置10)を起動して、無線信号から音信号を生成する。すなわち、無線信号受信部11が、自装置(無線信号受信装置10)を起動させるとともに、音信号生成部12が、無線信号受信部11が受信した無線信号から音信号を生成する。
【0053】
次に、無線信号受信装置10は、音信号を制御装置20に送信する(ステップS203)。音信号生成部12は、生成した無線信号に基づく音信号(緊急放送の音信号)を制御装置20に送信する。
【0054】
次に、制御装置20は、音信号の受信に応じて、音信号を居室親機40-1に送信する(ステップS204)とともに、音信号を居室親機40-2に送信する(ステップS205)。制御装置20の放送処理部212は、上述した
図2に示す処理を実行し、音信号(緊急放送の音信号)を全ての居室親機40に送信する。
【0055】
ステップS206において、居室親機40-1は、音信号に基づく音声放送の出力を開始する。居室親機40-1の居室親機制御部45は、制御装置20からの音信号(緊急放送の音信号)に応じて、受信した音信号(緊急放送の音信号)に基づく音声放送(緊急放送の音信号)をスピーカ44に出力させる。
【0056】
また、ステップS207において、居室親機40-2は、音信号に基づく音声放送の出力を開始する。居室親機40-2の居室親機制御部45は、制御装置20からの音信号(緊急放送の音信号)に応じて、受信した音信号(緊急放送の音信号)に基づく音声放送(緊急放送の音信号)をスピーカ44に出力させる。
【0057】
また、
図4は、本実施形態による無線放送システム1による緊急放送の音声出力処理の別の一例を示す図である。ここでは、集合玄関機50と居室親機40とが通話中である場合の処理について説明する。なお、説明の都合上、居室親機40は、居室親機40-1の1台であるものとして説明する。
【0058】
図4において、集合玄関機50と居室親機40とは、制御装置20を介して通話中である(ステップS301)。すなわち、集合玄関機50と居室親機40との間で、音声通話が行われる。例えば、集合玄関機50は、マイク53が収音した音信号を制御装置20を介して居室親機40-1に送信して、居室親機40-1は、当該音信号に基づく通話音声をスピーカ44に出力する。また、居室親機40-1は、マイク43が収音した音信号を制御装置20を介して集合玄関機50に送信して、集合玄関機50は、当該音信号に基づく通話音声をスピーカ54に出力する。
【0059】
次に、無線信号受信装置10は、緊急起動信号を受信したか否かを判定する(ステップS302)。無線信号受信装置10の無線信号受信部11は、緊急起動信号を受信した場合(ステップS302:YES)に、処理をステップS303に進める。また、無線信号受信部11は、緊急起動信号を受信していない場合(ステップS302:NO)に、処理をステップS302に戻す。
【0060】
ステップS303において、無線信号受信装置10は、自装置(無線信号受信装置10)を起動して、無線信号から音信号を生成する。すなわち、無線信号受信部11が、自装置(無線信号受信装置10)を起動させるとともに、音信号生成部12が、無線信号受信部11が受信した無線信号から音信号を生成する。
【0061】
次に、無線信号受信装置10は、音信号を制御装置20に送信する(ステップS304)。音信号生成部12は、生成した無線信号に基づく音信号(緊急放送の音信号)を制御装置20に送信する。
【0062】
次に、制御装置20は、音信号の受信に応じて、音信号を集合玄関機50に送信する(ステップS305)とともに、音信号を居室親機40-1に送信する(ステップS306)。制御装置20の放送処理部212は、上述した
図2に示す処理を実行し、音信号(緊急放送の音信号)を全ての居室親機40及び集合玄関機50に送信する。
【0063】
ステップS307において、集合玄関機50は、音信号に基づく音声放送の出力を開始する。集合玄関機50の玄関機制御部57は、居室親機40-1との音声通話に切り替えて、制御装置20からの音信号(緊急放送の音信号)に応じて、受信した音信号(緊急放送の音信号)に基づく音声放送(緊急放送の音信号)をスピーカ54に出力させる。
【0064】
また、ステップS308において、居室親機40-1は、音信号に基づく音声放送の出力を開始する。居室親機40-1の居室親機制御部45は、制御装置20からの音信号(緊急放送の音信号)に応じて、受信した音信号(緊急放送の音信号)に基づく音声放送(緊急放送の音信号)をスピーカ44に出力させる。
【0065】
次に、
図5を参照して、本実施形態における制御装置20の動作の変形例について説明する。
図5は、本実施形態における制御装置20の動作の変形例を示すフローチャートである。
【0066】
図5に示すように、制御装置20の制御部21は、まず、無線信号受信装置10が緊急起動信号を受信したか否かを判定する(ステップS401)。制御部21の放送処理部212は、無線信号受信装置10が緊急起動信号を受信した場合(ステップS401:YES)に、処理をステップS402に進める。また、放送処理部212は、無線信号受信装置10が緊急起動信号を受信していない場合(ステップS401:NO)に、処理をステップS401に戻す。
【0067】
ステップS402において、放送処理部212は、集合玄関機50が通話中であるか否かを判定する。放送処理部212は、集合玄関機50が通話中である場合(ステップS402:YES)に、処理をステップS405に進める。また、放送処理部212は、集合玄関機50が通話中でない場合(ステップS402:NO)に、処理をステップS403に進める。
【0068】
ステップS403において、放送処理部212は、集合玄関機50の周囲に人がいるか否かを判定する。放送処理部212は、例えば、集合玄関機50の人感センサ56の検出結果を取得して、当該人感センサ56の検出結果に基づいて、集合玄関機50の周囲に人がいるか否かを判定する。放送処理部212は、集合玄関機50の周囲に人がいる場合(ステップS403:YES)に、処理をステップS405に進める。また、放送処理部212は、集合玄関機50の周囲に人がいない場合(ステップS403:NO)に、処理をステップS404に進める。
【0069】
ステップS404において、放送処理部212は、全ての居室親機40に音信号を送信して、音声放送を出力させる。放送処理部212は、無線信号受信装置10から受信した緊急放送の音信号を、全ての居室親機40に送信して、各居室親機40のスピーカ44から緊急放送の音声放送を出力させる。これにより、各居室親機40は、緊急放送の音声放送をスピーカ44から出力する。なお、この場合には、集合玄関機50は、緊急放送の音声放送をスピーカ54から出力しない。ステップS404の処理後に、放送処理部212は、緊急放送の出力処理を終了する。
【0070】
また、ステップS405において、放送処理部212は、全ての居室親機40と集合玄関機50とに音信号を送信して、音声放送を出力させる。放送処理部212は、無線信号受信装置10から受信した緊急放送の音信号を、全ての居室親機40及び集合玄関機50に送信して、各居室親機40のスピーカ44から緊急放送の音声放送を出力させるとともに、集合玄関機50のスピーカ54から緊急放送の音声放送を出力させる。これにより、各居室親機40は、緊急放送の音声放送をスピーカ44から出力するとともに、集合玄関機50は、緊急放送の音声放送をスピーカ54から出力する。ステップS405の処理後に、放送処理部212は、緊急放送の出力処理を終了する。
【0071】
以上説明したように、本実施形態による無線放送システム1は、居室親機40(インターホン装置)と、無線信号受信装置10と、制御装置20とを備える。居室親機40は、対象場所(例えば、住戸HM)に配置される。無線信号受信装置10は、緊急放送を示す特定の無線信号を含む無線信号を受信した場合に、受信した無線信号に含まれる音信号を生成する。制御装置20は、複数の居室親機40に対して同時に音声放送可能な制御装置20であって、無線信号受信装置10が生成した音信号を居室親機40に送信して、居室親機40に音信号に基づく音声放送を出力させる。
【0072】
これにより、本実施形態による無線放送システム1は、無線信号受信装置10が受信した無線信号に基づく音声放送を、制御装置20を介して、全ての居室親機40に出力させることができる。そのため、本実施形態による無線放送システム1は、各住戸HMなどの各対象場所に、個別に無線信号受信装置10を設置する必要がなく、対象場所において、緊急放送の内容を適切に報知することができる。
【0073】
また、本実施形態による無線放送システム1は、無線信号受信装置10が受信した無線信号に基づく音声放送を放送するため、例えば、インターネット経由で取得した情報に比べて、実際の場所(例えば、住居者が居住する地域)に特化した適切な情報を得ることができる。
【0074】
また、本実施形態による無線放送システム1は、例えば、集合住宅などの既存のインターホンシステムに、無線信号受信装置10を追加して、緊急放送を複数の居室親機40から出力できるようにすることで実現できる。すなわち、本実施形態による無線放送システム1は、既存のシステムを利用した簡易な手法、且つ低コストにより、対象場所において、緊急放送の内容を適切に報知することができる。
【0075】
また、本実施形態による無線放送システム1は、集合住宅の出入口に配置され、居室親機40と通話可能な集合玄関機50(出入口端末装置)を備える。また、対象場所が、集合住宅の住戸HMである。制御装置20は、無線信号受信装置10が生成した音信号を集合玄関機50に送信して、集合玄関機50に音信号に基づく音声放送を出力させる。
【0076】
これにより、本実施形態による無線放送システム1は、集合住宅の住戸HMの各住居において、緊急放送を適切に聞き取ることができる。また、本実施形態による無線放送システム1は、集合玄関機50(出入口端末装置)に居る人に対しても、緊急放送を出力するため、緊急放送の内容を適切に報知することができる。
【0077】
また、本実施形態では、制御装置20は、居室親機40と集合玄関機50との間で通話中に、無線信号受信装置10が、特定の無線信号を受信した場合に、居室親機40と集合玄関機50との間の通話から音声放送に切り替えて、居室親機40及び集合玄関機50に音声放送を出力させる。
これにより、本実施形態による無線放送システム1は、集合玄関機50(出入口端末装置)に居る人に対して、緊急放送の内容を適切に知らせることができる。
【0078】
また、本実施形態では、制御装置20は、居室親機40と集合玄関機50との間で通話中でない場合に、集合玄関機50に音声放送を出力させない。
これにより、本実施形態による無線放送システム1は、集合玄関機50(出入口端末装置)に人が居る場合にのみ、緊急放送の内容を適切に知らせることになるため、無駄な放送を出力することを防止することができる。
【0079】
また、本実施形態では、無線信号は、自治体から送信される防災行政無線信号又はコミュニティFMラジオ局から送信される防災に係るラジオ無線信号である。
これにより、本実施形態による無線放送システム1は、例えば、自治体やコミュニティFMラジオ局が発信する当該地域に特化した緊急放送の内容を適切に知らせることができる。
【0080】
また、本実施形態では、特定の無線信号は、無線信号受信装置10を自動的に起動させる緊急起動信号である。
これにより、本実施形態による無線放送システム1は、緊急放送により、無線信号受信装置10が自動的に起動するため、通常時の消費電力を低減させつつ、緊急時に、自動的に緊急放送を出力することができる。
【0081】
また、本実施形態では、集合玄関機50は、周囲に人が存在することを検出する人感センサ56を備える。制御装置20は、人感センサ56が集合玄関機50の周囲に人が存在することを検出した場合に、集合玄関機50に音声放送を出力させるようにしてもよい。
これにより、本実施形態による無線放送システム1は、集合玄関機50の周囲に人が存在する場合に、集合玄関機50から緊急放送を適切に出力させることができる。
【0082】
また、本実施形態による無線放送方法は、対象場所に配置される居室親機40と、無線信号受信装置10と、複数の居室親機40に対して同時に音声放送可能な制御装置20とを備える無線放送システム1の無線放送方法であって、第1ステップと、第2ステップとを含む。第1ステップにおいて、無線信号受信装置10が、緊急放送を示す特定の無線信号を含む無線信号を受信した場合に、受信した無線信号に含まれる音信号を生成する。第2ステップにおいて、制御装置20が、無線信号受信装置10が生成した音信号を居室親機40に送信して、居室親機40に音信号に基づく音声放送を出力させる。
これにより、本実施形態による無線放送方法は、上述した無線放送システム1と同様の効果を奏し、対象場所において、緊急放送の内容を適切に報知することができる。
【0083】
[第2の実施形態]
次に、
図6を参照して、第2の実施形態による無線放送システム1aについて説明する。
本実施形態では、緊急放送を録音して、再生することを可能にした変形例について説明する。
【0084】
図6は、本実施形態による無線放送システム1aの一例を示すブロック図である。
図6に示すように、無線放送システム1aは、無線信号受信装置10と、制御装置20と、管理室親機30と、複数の居室親機40a(40a-1、40a-2、・・・)と、集合玄関機50とを備える。本実施形態において、無線放送システム1aは、例えば、マンションなどの集合住宅において、各住戸に緊急放送を音声出力するシステムの一例について説明する。
【0085】
図6において、
図1に示す構成と同一の構成には、同一の符号を付与してその説明を省略する。
本実施形態による無線放送システム1aでは、居室親機40aの構成が異なる点を除いて、第1の実施形態と同様である。
【0086】
居室親機40a(インターホン装置の一例)は、集合住宅の各住戸HMに配置され、インターホンとして使用される装置である。なお、本実施形態において、居室親機40a-1、居室親機40a-2、・・・のそれぞれは、同一の構成であり、無線放送システム1aのうちの任意の居室親機を示す場合、又は特に区別しない場合には、居室親機40aとして説明する。居室親機40aは、入力部41と、表示部42と、マイク43と、スピーカ44と、居室親機制御部45aと、音声記憶部46とを備える。
【0087】
音声記憶部46は、制御装置20から受信した緊急放送の音信号を記憶する。
居室親機制御部45aは、例えば、CPUを含むプロセッサなどであり、居室親機40aを統括的に制御する。居室親機制御部45aは、基本的な機能は、上述した第1の実施形態の居室親機制御部45と同様である。居室親機制御部45aは、制御装置20から受信した緊急放送の音信号を、音声記憶部46に記憶させる。居室親機制御部45aは、例えば、入力部41の操作に応じて、音声記憶部46が記憶する緊急放送の音信号を読み出して、当該音信号に基づく緊急放送の音声放送を、スピーカ44に出力させる。なお、居室親機制御部45aは、所定の時間間隔で、緊急放送の音声放送を繰り返し再生するようにしてもよい。
【0088】
以上説明したように、本実施形態による無線放送システム1aでは、居室親機40aが、音声記憶部46を備え、居室親機制御部45aは、制御装置20から受信した緊急放送の音信号を音声記憶部46に記憶させる。居室親機制御部45aは、音声記憶部46が記憶する音声信号に基づく音声放送をスピーカ44に出力させる。
【0089】
これにより、本実施形態による無線放送システム1aは、緊急放送を必要に応じて食えり返し再生することが可能であり、緊急放送の内容を聞き逃したらり、うまく聞き取れなかった場合であっても、緊急放送を再生することで、適切、且つ確実に緊急放送の内容を報知することができる。
【0090】
[第3の実施形態]
次に、
図7を参照して、第3の実施形態による無線放送システム1bについて説明する。
本実施形態では、管理室親機30aを利用して、緊急放送を出力する場合の変形例について説明する。
【0091】
図7は、本実施形態による無線放送システム1bの一例を示すブロック図である。
図7に示すように、無線放送システム1bは、無線信号受信装置10と、制御装置20と、管理室親機30aと、複数の居室親機40(40-1、40-2、・・・)と、集合玄関機50とを備える。本実施形態において、無線放送システム1bは、例えば、マンションなどの集合住宅において、各住戸に緊急放送を音声出力するシステムの一例について説明する。
【0092】
図7において、
図1に示す構成と同一の構成には、同一の符号を付与してその説明を省略する。
本実施形態による無線放送システム1bでは、管理室親機30aの構成が異なり、無線信号受信装置10が生成した音信号を管理室親機30aを経由して、制御装置20に送信する点を除いて、第1の実施形態と同様である。
【0093】
管理室親機30aは、無線信号受信装置10が生成した緊急放送の音信号を受信した場合に、管理室親機30aによる各住戸HMの住居者に対して同時に放送する機能を利用して、緊急放送を、制御装置20を介して、各住戸HMの居室親機40に緊急放送を出力させる。管理室親機30aは、入力部31と、表示部32と、マイク33と、スピーカ34と、管理親機制御部35aとを備える。
【0094】
管理親機制御部35aは、例えば、CPUを含むプロセッサなどであり、管理室親機30aを統括的に制御する。管理親機制御部35aの基本的な機能は、上述した第1の実施形態の管理親機制御部35と同様である。また、管理親機制御部35aは、無線信号受信装置10が生成した緊急放送の音信号を受信した場合に、居室親機40への同時放送の機能を利用して、当該音信号を制御装置20に送信して、複数の居室親機40及び集合玄関機50に、音声放送を出力させる。
【0095】
以上説明したように、本実施形態による無線放送システム1bは、管理親機制御部35aの居室親機40への同時放送の機能を利用して、複数の居室親機40及び集合玄関機50に、音声放送を出力させる。
【0096】
これにより、本実施形態による無線放送システム1bは、既存のシステムを利用したさらに簡易な手法、且つ低コストにより、対象場所において、緊急放送の内容を適切に報知することができる。
【0097】
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の各実施形態において、無線放送システム1(1a、1b)が、集合住宅のインターホンシステムであり、対象場所が、住戸HMである場合の例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、病院などのナースコールのシステムや、企業の内線電話システムなどに適用してもよい。
【0098】
また、上記の各実施形態において、無線放送システム1(1a、1b)は、集合玄関機50を備える例を説明したが、これに限定されるものではなく、集合玄関機50を備えない形態であってもよい。
【0099】
また、上記の各実施形態において、無線放送システム1(1a、1b)は、各住戸HMの居室親機40の全てに緊急放送を出力させる例を説明したが、各居室親機40の設定により、複数の居室親機40の一部に緊急放送を出力させるようにしてもよい。
【0100】
また、上記の各実施形態において、集合玄関機50に音声放送を出力させない場合に、制御装置20が、集合玄関機50への音信号の送信を行わない例を説明したが、これに限定されるものではなく、制御装置20から受信した音信号に基づく音声放送を集合玄関機50が出力しないようにしてもよい。すなわち、集合玄関機50が、緊急放送などの音声放送を出力するか否かを判定するようにしてもよい。
【0101】
また、上記の各実施形態において、管理室MRに、無線信号受信装置10、制御装置20、及び管理室親機30が配置されている例を説明したが、これらの一部が管理室MRの外部に配置されていてもよい。また、管理室MRに、無線信号受信装置10、制御装置20、及び管理室親機30のうちの2つの装置、又は3つの装置を統合して1つの装置で構成するようにしてもよい。例えば、制御装置20が、無線信号受信装置10の機能を含むようにしてもよいし、管理室親機30が、無線信号受信装置10の機能を含むようにしてもよい。
【0102】
また、上記の各実施形態において、無線放送システム1(1a、1b)は、居室親機40との通話中、又は周囲に人を感知した場合に、集合玄関機50に緊急放送の音声放送を出力させる例を説明したが、常に緊急放送の音声放送を出力させるようにしてもよいし、他の条件により、緊急放送の音声放送を出力させるようにしてもよい。
【0103】
また、上記の各実施形態において、集合玄関機50は、人感センサ56によって、周囲に人が存在することを検出する例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、撮像部55による画像やマイク53による周辺の音なdにより、周囲に人が存在することを検出するようにしてもよい。
【0104】
なお、上述した無線放送システム1(1a、1b)が備える各構成は、内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した無線放送システム1(1a、1b)が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述した無線放送システム1(1a、1b)が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0105】
また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0106】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に無線放送システム1(1a、1b)が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0107】
また、上述した機能の一部又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【符号の説明】
【0108】
1、1a、1b 無線放送システム
10 無線信号受信装置
11 無線信号受信部
12 音信号生成部
20 制御装置
21 制御部
30、30a 管理室親機
31、41、51 入力部
32 42 52 表示部
33、43、53 マイク
34、44、54 スピーカ
35、35a 管理親機制御部
40、40-1、40-2、40a、40a―1、40a-2 居室親機
45、45a 居室親機制御部
50 集合玄関機
55 撮像部
56 人感センサ
57 玄関機制御部
211 通話処理部
212 放送処理部
EH 集合玄関ホール
HM 住戸
MR 管理室