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  • -ドアノブ内蔵型警報装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-07
(45)【発行日】2025-02-18
(54)【発明の名称】ドアノブ内蔵型警報装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 45/08 20060101AFI20250210BHJP
   G08B 21/24 20060101ALI20250210BHJP
   G08B 13/06 20060101ALI20250210BHJP
【FI】
E05B45/08
G08B21/24
G08B13/06
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021042404
(22)【出願日】2021-03-16
(65)【公開番号】P2022142282
(43)【公開日】2022-09-30
【審査請求日】2024-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】金子 直樹
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】特公昭38-010700(JP,B1)
【文献】特開2016-079579(JP,A)
【文献】特開2005-120653(JP,A)
【文献】実開昭63-168593(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05C 1/00-3/40
7/00
E05B 41/00
G08B 21/24
G08B 13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアの開放側の端面に取り付けられるフロントプレートと、
前記フロントプレートの裏側に設けられ、ドアノブの回転に応じて回転する芯部材が通過する空間を有する装置ケースと、
前記装置ケースの内部に設けられ、前記芯部材の回転に連動して前記フロントプレートからラッチボルトを突出または埋没させるラッチボルト調節機構と、
前記装置ケースの内部に設けられ、電源の供給に応じて警告音を出力する警報発報装置と、
前記装置ケースの内部に設けられ、前記警報発報装置に電源供給線を介して電源を供給する電源部と、
前記ドアノブの回転に応じて前記ラッチボルトを前記フロントプレートに埋没させる方向への前記芯部材の動きに連動して前記電源供給線を導通させ、前記ラッチボルトを前記フロントプレートから突出させる方向への前記芯部材の動きに連動して前記電源供給線を遮断するスイッチ機構と、を備え
前記芯部材は、前記ドアの一方の面と他方の面とに取り付けられる一対の前記ドアノブの間に渡って取り付けられる角芯であり、
前記ラッチボルト調節機構は、前記角芯が嵌って挿通される角芯孔を有する回動部を備え、
前記スイッチ機構は、前記ドアノブの回転に応じて前記ラッチボルトを前記フロントプレートに埋没させる方向への前記回動部の回動に連動して前記電源供給線を導通させ、前記ラッチボルトを前記フロントプレートから突出させる方向への前記回動部の回動に連動して前記電源供給線を遮断する、
ドアノブ内蔵型警報装置。
【請求項2】
前記回動部は、当該回動部が回動する周縁部に設けられた回動突起を有し、
前記スイッチ機構は、前記ドアノブの回転に応じて前記ラッチボルトを前記フロントプレートに埋没させる方向への前記回動部の回動に連動して前記回動突起が到達する位置に対応して設けられるモーメンタリースイッチを有し、前記回動突起が前記モーメンタリースイッチのスイッチを押下して前記電源供給線を導通させる、
請求項に記載のドアノブ内蔵型警報装置。
【請求項3】
前記警報発報装置は、前記フロントプレートに複数の報音孔を露出させて設けた警報発報部を有し、前記警告音を、前記報音孔を介して出力する、
請求項1または請求項2に記載のドアノブ内蔵型警報装置。
【請求項4】
前記電源部は、電池電源であり、電池交換可能に構成される、
請求項1ないし請求項の何れか一項に記載のドアノブ内蔵型警報装置。
【請求項5】
前記装置ケースおよび前記フロントプレートは、前記ドアに既設のドアノブの本体ケースおよびそのフロントプレートに替えて取り付けられる、
請求項1ないし請求項の何れか一項に記載のドアノブ内蔵型警報装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ドアノブ内蔵型警報装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、建築現場や工事現場では、屋内外を問わず、あらゆる場所において、構造物の組み立て、電気、ガス、水道の設備工事、内装工事を含む、様々な種類の作業が実施される。
【0003】
現場には、隣室に通じる扉(ドア)や屋外に通じる扉など、様々な用途の扉が存在するが、扉の直近での作業を要する場合、別の作業員による扉の開閉に注意しなければならない。
【0004】
例えば、扉のすぐ先の床に設備機器等の搬入/搬出用の開口が設けられていたり、扉の直前で脚立や高所作業台を使用して作業をしていたりする場合、扉が開くことで扉のすぐ先に居る作業員が危険になることがある。
【0005】
ドアとドア枠との間の隙間を利用してドアが不正に開放されるのを検出して警報することができ、また、ドア錠に対する不正解錠も検出して警報することができるドア用警報装置が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
ドアノブに装嵌する警報装置ケースに、サムターンの回転角を検知して警報を発する回路を組み込み、外部からの不法なドアの開錠操作中に警報を発するドア開錠警報装置が考えられている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2005-120653号公報
【文献】特開2002-327561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来のドア用警報装置およびドア開錠警報装置は、何れもドアあるいはドアノブの外側に取り付け、ドアの不正な開放あるいはドアの不法な開錠を検知して警報するものである。例えば、マグネットスイッチ型のドア用警報装置は、扉が開いた後に発報するため、扉付近の作業員が危険を認知する時間が短くなることがある。また、接触式センサー型のドア用警報装置は、作業員が手袋等保護具を着用する建築現場や工事現場では、正常な開閉検出ができないおそれがある。他方、近接センサー型のドア用警報装置は、出入りする人数が多い扉において、発報が過度となる可能性がある。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、ドアあるいはドアノブの外側に取り付けることなく、ドアノブの回動操作のみに連動して警報を発することが可能になるドアノブ内蔵型警報装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態のドアノブ内蔵型警報装置は、
ドアの開放側の端面に取り付けられるフロントプレートと、
前記フロントプレートの裏側に設けられ、ドアノブの回転に応じて回転する芯部材が通過する空間を有する装置ケースと、
前記装置ケースの内部に設けられ、前記芯部材の回転に連動して前記フロントプレートからラッチボルトを突出または埋没させるラッチボルト調節機構と、
前記装置ケースの内部に設けられ、電源の供給に応じて警告音を出力する警報発報装置と、
前記装置ケースの内部に設けられ、前記警報発報装置に電源供給線を介して電源を供給する電源部と、
前記ドアノブの回転に応じて前記ラッチボルトを前記フロントプレートに埋没させる方向への前記芯部材の動きに連動して前記電源供給線を導通させ、前記ラッチボルトを前記フロントプレートから突出させる方向への前記芯部材の動きに連動して前記電源供給線を遮断するスイッチ機構と、を備え
前記芯部材は、前記ドアの一方の面と他方の面とに取り付けられる一対の前記ドアノブの間に渡って取り付けられる角芯であり、
前記ラッチボルト調節機構は、前記角芯が嵌って挿通される角芯孔を有する回動部を備え、
前記スイッチ機構は、前記ドアノブの回転に応じて前記ラッチボルトを前記フロントプレートに埋没させる方向への前記回動部の回動に連動して前記電源供給線を導通させ、前記ラッチボルトを前記フロントプレートから突出させる方向への前記回動部の回動に連動して前記電源供給線を遮断する、ものである
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態のドアノブ内蔵型警報装置10を組み込んだドア1のドアノブ付近の構成を示す分解斜視図。
図2】ドアノブ内蔵型警報装置10のドアノブを回していないとき(ドア1を閉塞可能な状態)に対応する内部の機構を示す斜視図。
図3】ドアノブ内蔵型警報装置10のドアノブを回したとき(ドア1を開放可能な状態)に対応する内部の機構を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態のドアノブ内蔵型警報装置について、図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、実施形態のドアノブ内蔵型警報装置10を組み込んだドア1のドアノブ付近の構成を示す分解斜視図である。
【0014】
ドアノブ内蔵型警報装置10は、ドア1に既設のドアノブの本体ケースおよびそのフロントプレート(図示せず)に替えて、ドアノブ内蔵型警報装置10の装置ケース11およびそのフロントプレート12を組み込むことで使用される。
【0015】
図1に示すように、ドア1に既設のドアノブの本体ケース(図示せず)を外した後に、ドアノブ内蔵型警報装置10の装置ケース11をドア1に組み込み、フロントプレート12の上下2箇所を装置ケース取り付けネジ13a,13bによりドア1の開放側の端面1Fに取り付ける。
【0016】
ドア1の外側から、外側ドアノブ31の角芯32<芯部材>を、外側丸座33を介して装置ケース11の第1側面(蓋)11aに露出した回動部17の角芯孔17hに嵌め込んで挿通させる。
【0017】
装置ケース11を通過してドア1の内側から突出した角芯32を中央にして、当該ドア1の内側に、丸座取り付け板36を丸座取り付けネジ36a,36bにより取り付け、角芯32の先端を、内側丸座35を介して内側ドアノブ34の角芯穴34hに嵌め込み、図示しないネジにより固定する。
【0018】
これにより、ドアノブ内蔵型警報装置10は、ドア1に既設のドアノブの本体ケース(図示せず)に替えて、ドア1に容易に組み込むことができる。
【0019】
ドアノブ内蔵型警報装置10は、先ず、通常のドアノブ機能を備える<ラッチボルト調節機構>。通常のドアノブ機能は、ドアノブ31,34の矢印yに示す方向への回転操作に伴い、ラッチボルト14を矢印Bに示す方向へとフロントプレート12に埋没させ、ドア1を開放可能な状態にする機能と、ドアノブ31,34から手を離すことで、内蔵のラッチボルト調節バネ19(図2参照)のバネ力により、ラッチボルト14を矢印Aに示す方向へとフロントプレート12から突出させると共に、ドアノブ31,34を矢印xに示す方向へと復帰回動させ、ドア1を閉塞可能な状態にする機能とを含む。
【0020】
なお、フロントプレート12のデッドボルト15は、図示しない鍵の施錠/解錠の操作に応じて、フロントプレート12から突出したりフロントプレート12に埋没したりする、通常のドアノブ機能に含まれるものであるが、デッドボルト15による施錠/解錠のための機構の説明は省略する。
【0021】
そして、ドアノブ内蔵型警報装置10は、通常のドアノブ機能に加えて、少なくとも以下のドア開操作警報機能を備える。
【0022】
ドア開操作警報機能は、ドアノブ31,34の矢印yに示す方向への回転操作により、ラッチボルト14をフロントプレート12に埋没させ、ドア1を開放可能な状態にした際に、フロントプレート12にその裏側から複数の報音孔を露出させて設けた警報発報部(スピーカ)16Sにより、ドア1の周辺に居る作業員に対して、これからドア1が開かれることを警告するための警告音ES(図3参照)を出力させる機能である。
【0023】
図2は、ドアノブ内蔵型警報装置10のドアノブを回していないとき(ドア1を閉塞可能な状態)に対応する内部の機構を示す斜視図である。
【0024】
図3は、ドアノブ内蔵型警報装置10のドアノブを回したとき(ドア1を開放可能な状態)に対応する内部の機構を示す斜視図である。
【0025】
図2および図3において、図1で示した装置ケース11の第1側面(蓋)11aに対向する第2側面11bを装置ケース11の底面、フロントプレート12に対向する第3側面11cを装置ケース11の奥面として説明する。
【0026】
装置ケース11の下部の空間において、フロントプレート12から突出させたり埋没させたりするラッチボルト14は、装置ケース11の第3側面(奥面)11c側からフロントプレート12の方向へと配置される棒状の支持芯18の一端に支持される。
【0027】
支持芯18は、装置ケース11の第3側面(奥面)11cと支持芯18の他端との間に介在されるラッチボルト調節バネ19(図示ではケーシングにより直接は見えない)のバネ力により、回動部17またはラッチボルト14に対し外部から何も力が加わらない状態において矢印Aに示す方向に付勢され、ラッチボルト14をフロントプレート12から突出させる。
【0028】
このとき、回動部17は、支持芯18との間に設けられる図示しない歯車機構を介して、矢印x1に示す方向へと付勢される。
【0029】
一方、ラッチボルト14の傾斜面に、図示しないドア枠などが当接することで力が加わると、その力の加わり方に応じて、ラッチボルト14は、ラッチボルト調節バネ19のバネ力に抗し、矢印Bに示す方向にスライドし、フロントプレート12に埋没して行く。
【0030】
これにより、ドア1が閉じられた状態では、ラッチボルト14が図示しないドア枠のラッチ穴に嵌合し、その状態が維持される。
【0031】
また、支持芯18は、回動部17との間に設けられる図示しない歯車機構を介して、外側ドアノブ31または内側ドアノブ34(図1参照)の矢印yに示す方向への回転操作に伴う回動部17の矢印y1に示す方向への回動に連動して、ラッチボルト調節バネ19のバネ力に抗し、矢印Bに示す方向にスライドされ、ラッチボルト14をフロントプレート12に埋没させる。
【0032】
これにより、ドア1が閉じられた状態でも、ラッチボルト14が図示しないドア枠のラッチ穴から引き抜かれ、ドア1を開くことが可能な状態になる。
【0033】
また、回動部17には、装置ケース11の上部の空間に面する側の周縁部に一体にして、当該回動部17の回動中心(角芯孔17hの中心軸)から外側の方向に延びて当該回動部17の回動(矢印x1又はy1)と共に回動(矢印x2又はy2)する回動突起17Pが設けられる。
【0034】
装置ケース11の上部の空間には、外側ドアノブ31または内側ドアノブ34(図1参照)の矢印yに示す方向への回転操作に応じて、回動突起17Pの先端が矢印y2に示す方向に回動して到達する位置に対応して、モーメンタリースイッチ20を設ける。
【0035】
実施形態において、モーメンタリースイッチ20は、装置ケース11の第2側面(底面)11bに取り付けて設けられる。モーメンタリースイッチ20は、外側ドアノブ31または内側ドアノブ34(図1参照)の矢印yに示す方向への回転操作に応じて、図3に示すように、回動突起17Pの先端が矢印y2に示す方向に回動して到達する位置において、当該回動突起17Pの先端が当接してスイッチがONになり、図2に示すように、当該回動突起17Pの先端が矢印x2に示す方向に回動して戻るときに、スイッチがOFFになるように取り付けられる<スイッチ機構>。
【0036】
また、装置ケース11の上部の空間には、警報発報装置16を設ける。実施形態において、警報発報装置16は、大音量のビープ音(電子音)発生装置であって、フロントプレート12の裏側に取り付けて設けられる。警報発報装置16は、モーメンタリースイッチ20がONになる動作に応じて、電源部21の電池電源により駆動され、警報発報部(スピーカ)16Sから警告音ESを出力させる。
【0037】
電源部21は、装置ケース11の第3側面(奥面)11cに取り付けて設けられ、電池交換可能に構成される。電源部21からの電圧供給線(+)22a,22bおよび電圧供給線(-)22cは、モーメンタリースイッチ20を介して、当該スイッチ20のONで導通、OFFで遮断され、警報発報装置16の電源供給端子(図示せず)に接続される。
【0038】
次に、実施形態のドアノブ内蔵型警報装置10をドア1に組み込んで使用した場合の動作について説明する。
【0039】
ここでは、電気設備の工事など、何らかの工事を行っている現場にあるドア1のドアノブ内蔵型警報装置10を仮定する。また、ドア1が閉じられている状態で、ドア1の外側の直前で作業員Aが作業を行なっていると仮定する。
【0040】
ドアノブ内蔵型警報装置10において、ドア1が閉じられている状態では、図2で示したように、ラッチボルト14の支持芯18は、ラッチボルト調節バネ19のバネ力により矢印Aに示す方向へと付勢されており、ラッチボルト14をフロントプレート12から突出させることで、ドア1が閉じられた状態を維持する。
【0041】
このとき、回動部17は、支持芯18との間に設けられる図示しない歯車機構を介して、ラッチボルト調節バネ19により矢印x1に示す方向へと付勢され、回動突起17Pも共に矢印x2に示す方向へと付勢されることにより、モーメンタリースイッチ20はOFFの状態に維持される。
【0042】
例えば、ドア1の外側の直前で作業を行なっている作業員Aとは別の当該ドア1の内側に居る作業員Bが、作業の都合上、ドア1を開けようして内側ドアノブ34を矢印yに示す方向に回転させると、角芯32を介して、図3で示したように、ドアノブ内蔵型警報装置10の回動部17が矢印y1に示す方向に回動され、当該回動部17の回動突起17Pが矢印y2に示すようにモーメンタリースイッチ20を押下する。
【0043】
すると、モーメンタリースイッチ20がONになり、電源部21からの電源供給線(+)22a,22bが導通し、警報発報装置16に電源が供給される。そして、警報発報装置16により警報発報部(スピーカ)16Sから、ドア1が開かれようとしていることを警告する警告音(例えば「ピー!!」)ESが出力される。
【0044】
これにより、ドア1の直前で作業を行なっている作業員Aは、別の作業員Bによりドア1が開けられようとしていることを当該ドア1が実際に開けられる前に知ることができ、ドア1の開放範囲から退去したり、ドア1を叩いて当該ドア1の直前で作業中であることを作業員Bに知らせたりするなど、危険を回避するための行動をとることができる。
【0045】
したがって、実施形態によれば、ドア1あるいはドアノブ31,34の外側に取り付けることなく、ドア1を開こうとする操作のみに連動して警報を発することが可能になるドアノブ内蔵型警報装置10を提供できる。
【0046】
実施形態のドアノブ内蔵型警報装置10によれば、ドア1を開こうとする操作のみに連動して警報を発することが可能になるので、従来のマグネットスイッチ型のドア用警報装置のように、扉が開いた後に発報することで、扉付近の作業員が危険を認知する時間が短くなるという課題、従来の接触式センサー型のドア用警報装置のように、作業員が手袋等保護具を着用する建築現場や工事現場では、正常な開閉検出ができないおそれがあるという課題、従来の近接センサー型のドア用警報装置のように、出入りする人数が多い扉において、発報が過度となる可能性があるという課題、の何れの課題も解消できる。
【0047】
ドアノブ内蔵型警報装置10は、ドア1に既設のドアノブの本体ケース(図示せず)に替えて、装置ケース11を組み込むことで容易に使用できるので、竣工などにより現場の作業が完了したときにも、簡単に元のドアノブの本体ケースに戻すことができ、他の現場にも容易に持ち運んで利用することができる。
【0048】
なお、実施形態のドアノブ内蔵型警報装置10では、ドアノブ31,34の回転操作に連動する回動部17の回動突起17Pが、機械的にモーメンタリースイッチ20を押下することにより、電気的導通を得た警報発報装置16が警告音ESを出力する構成としたが、これに限らず、ドアノブ31,34の回転による機械的動きを警報発報装置16の電気的導通に換える構成であればよい。
【0049】
また、実施形態のドアノブ内蔵型警報装置10は、ドアノブ31,34の矢印yに示す方向への回転操作に伴い、回動部17が矢印y1に示す方向に回動し、ラッチボルト14がフロントプレート12に埋没して、ドア1を開くことが可能な状態になる場合として説明した。これに限らず、ラッチボルト調節バネ19のバネ力によりラッチボルト14が突出した状態でドアノブ31,34の回転の中立が維持され、ドアノブ31,34の矢印xまたは矢印yに示す何れの方向に回転させても、ラッチボルト14がフロントプレート12に埋没して、ドア1を開くことが可能な状態になる場合であっても、ドアノブ31,34の回転に連動してモーメンタリースイッチ17を押下する機構を設け、同様に実現できるのは勿論である。
【0050】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0051】
1…ドア、10…ドアノブ内蔵型警報装置、11…装置ケース、12…フロントプレート、13a,13b…装置ケース取り付けネジ、14…ラッチボルト、15…デッドボルト、16…警報発報装置、16S…警報発報部(スピーカ)、17…回動部、17h…角芯孔、17P…回動突起、18…ラッチボルト支持芯、19…ラッチボルト調節バネ、20…モーメンタリースイッチ、21…電源部、22a~22c…電源供給線、ES…警告音、31…外側ドアノブ、32…角芯<芯部材>、34…内側ドアノブ、34h…角芯穴。
図1
図2
図3