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特許7631103電力需給調整装置、電力需給調整方法、および、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-07
(45)【発行日】2025-02-18
(54)【発明の名称】電力需給調整装置、電力需給調整方法、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20250210BHJP
【FI】
G06Q50/06
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021090333
(22)【出願日】2021-05-28
(65)【公開番号】P2022182649
(43)【公開日】2022-12-08
【審査請求日】2024-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】下尾 高廣
(72)【発明者】
【氏名】本宮 拓也
(72)【発明者】
【氏名】大場 健史
(72)【発明者】
【氏名】松崎 倫宏
(72)【発明者】
【氏名】犬飼 道彦
(72)【発明者】
【氏名】志賀 慶明
【審査官】小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-047519(JP,A)
【文献】特開2016-110255(JP,A)
【文献】特開2017-182698(JP,A)
【文献】特開2016-207070(JP,A)
【文献】特開2017-126183(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電BG(Balancing Group)の発電計画と販売計画を策定する発電BG計画部と、
前記発電BGと電力取引の相対契約をしている需要BGの需要計画と調達計画を策定する需要BG計画部と、
電力取引市場での電力取引の単価である電力市場取引単価を予測して電力市場取引単価予測値を出力する電力市場取引単価予測部と、を備え
前記発電BG計画部は、前記電力市場取引単価予測値に応じて前記販売計画における前記電力取引市場への電力販売量と前記需要BGへの電力販売量を調整し、
前記需要BG計画部は、前記販売計画における前記需要BGへの電力販売量の調整に応じて前記需要計画と前記調達計画を調整する、電力需給調整装置。
【請求項2】
前記販売計画の調整により得られる利益の前記発電BGと前記需要BGへの配分を算出する利益配分算出部を、さらに備える、請求項1に記載の電力需給調整装置。
【請求項3】
前記需要BG計画部による前記需要計画と前記調達計画の調整に対するインセンティブ額を算出するインセンティブ算出部を、さらに備える、請求項1に記載の電力需給調整装置。
【請求項4】
前記発電BG計画部は、
前記発電BGの電源の出力のコスト単価である発電BG単価のメリットオーダーに基づいて、出力を調整する前記電源の優先順位を決定し、
前記需要BG計画部は、
前記需要BGの需要リソースの前記需要計画と前記調達計画の調整に係るコスト単価である需要BG調整単価のメリットオーダーに基づいて、需要を調整する前記需要リソースの優先順位を決定し、
前記発電BG計画部は、
出力を調整する前記電源の優先順位、および、需要を調整する前記需要リソースの優先順位に基づいて、前記販売計画における前記電力取引市場への電力販売量を決定する、請求項1に記載の電力需給調整装置。
【請求項5】
前記発電BG計画部は、
前記電力取引市場のゲートクローズ後における前記発電BGの電源の出力の変動による発電インバランスのリスクを予測し、前記発電インバランスのリスクに基づいて損益の期待値を発電インバランス損益期待値として算出し、前記発電BG単価に前記発電インバランス損益期待値を反映し、
前記需要BG計画部は、
前記ゲートクローズ後において前記需要計画の前記需要リソースの調整が計画通り履行されないことによる需要インバランスのリスクを予測し、前記需要インバランスのリスクに基づいて損益の期待値を需要インバランス損益期待値として算出し、前記需要BG調整単価に前記需要インバランス損益期待値を反映する、請求項4に記載の電力需給調整装置。
【請求項6】
前記発電BG単価と、前記需要BG調整単価と、前記発電BG単価のメリットオーダーと、前記需要BG調整単価のメリットオーダーと、前記電源の前記発電インバランス損益期待値と、前記需要リソースの前記需要インバランス損益期待値と、前記需要リソースの調整が計画通り履行されない場合のペナルティと、前記販売計画の調整により獲得が見込まれる利益と、を表示部に表示させる表示制御部を、さらに備える、請求項5に記載の電力需給調整装置。
【請求項7】
発電BG計画部が、発電BGの発電計画と販売計画を策定する発電BG計画ステップと、
需要BG計画部が、前記発電BGと電力取引の相対契約をしている需要BGの需要計画と調達計画を策定する需要BG計画ステップと、
電力市場取引単価予測部が、電力取引市場での電力取引の単価である電力市場取引単価を予測して電力市場取引単価予測値を出力する電力市場取引単価予測ステップと、を含み、
前記発電BG計画ステップにおいて、前記発電BG計画部は、前記電力市場取引単価予測値に応じて前記販売計画における前記電力取引市場への電力販売量と前記需要BGへの電力販売量を調整し、
前記需要BG計画ステップにおいて、前記需要BG計画部は、前記販売計画における前記需要BGへの電力販売量の調整に応じて前記需要計画と前記調達計画を調整する、電力需給調整方法。
【請求項8】
コンピュータに、
発電BGの発電計画と販売計画を策定する発電BG計画ステップと、
前記発電BGと電力取引の相対契約をしている需要BGの需要計画と調達計画を策定する需要BG計画ステップと、
電力取引市場での電力取引の単価である電力市場取引単価を予測して電力市場取引単価予測値を出力する電力市場取引単価予測ステップと、を実行させるための電力需給調整方法であって、
前記発電BG計画ステップは、前記電力市場取引単価予測値に応じて前記販売計画における前記電力取引市場への電力販売量と前記需要BGへの電力販売量を調整し、
前記需要BG計画ステップは、前記販売計画における前記需要BGへの電力販売量の調整に応じて前記需要計画と前記調達計画を調整する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力需給調整装置、電力需給調整方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電力取引に関し、インバランス(計画と実績の差異)の精算を実施する事業者の集団として、バランシンググループ(Balancing Group:以下「BG」とも称する。)が活用されている。BGには、発電事業者による発電BGと需要家(例えば、小売電気事業者など)による需要BGがある。
【0003】
発電BGは、全体で電力の同時同量に取り組むため、インバランスが生じるリスクを抑えることができる。また、発電BGは、発電電力を、相対契約相手の需要BGと、JEPX(Japan Electric Power Exchange:日本卸電力取引所)と、に売ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2021-47519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、JEPXでの電力取引価格が上昇すると、発電BGとしては、相対契約相手の需要BGに売る電力を減らして、JEPXで売る電力を増やしたい場合がある。しかしながら、これまでの電力取引の相対契約では、単位期間中に取引する電力の量は固定になっていることが一般的なので、そのような販売先ごとの電力取引量の変更はできない。また、需要BGとしても、発電BGから買う電力が減ると電力が不足するので、何かのメリット等がないとそのような対応をする動機付けがないことになる。
【0006】
そこで、本発明の実施形態の課題は、発電BGと需要BGの電力取引に関して売買電力量を柔軟に変更可能とする相対契約に合わせて電力需給を適切に調整可能な電力需給調整装置、電力需給調整方法、および、プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の電力需給調整装置は、発電BG(Balancing Group)の発電計画と販売計画を策定する発電BG計画部と、前記発電BGと電力取引の相対契約をしている需要BGの需要計画と調達計画を策定する需要BG計画部と、電力取引市場での電力取引の単価である電力市場取引単価を予測して電力市場取引単価予測値を出力する電力市場取引単価予測部と、を備える。前記発電BG計画部は、前記電力市場取引単価予測値に応じて前記販売計画における前記電力取引市場への電力販売量と前記需要BGへの電力販売量を調整し、前記需要BG計画部は、前記販売計画における前記需要BGへの電力販売量の調整に応じて前記需要計画と前記調達計画を調整する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態の電力システムの全体の概要を模式的に示すブロック図である。
図2図2は、実施形態における発電と需要の各計画の第1の変更例を模式的に示す図である。
図3図3は、実施形態における発電と需要の各計画の第2の変更例を模式的に示す図である。
図4図4は、実施形態の情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
図5図5は、実施形態における第1の目的関数例の説明図である。
図6図6は、実施形態における第2の目的関数例の説明図である。
図7図7は、実施形態における需要インバランスリスクの評価と需要BG調達単価への反映の説明図である。
図8図8は、実施形態における発電インバランスリスクの評価と電源出力調整単価への反映の説明図である。
図9図9は、実施形態の情報処理装置による処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本実施形態の電力需給調整装置、電力需給調整方法、および、プログラムについて説明する。なお、以下の説明において、「系統」は電力系統を意味する。また、「需要家」は電力需要家を意味する。また、「負荷」は電力負荷を意味する。
【0010】
また、DR(Demand Response)とは、電力の需給バランスをとるために、需要家による電力消費量を調整することをいう。そして、需要家の電力消費量の低減によって電力需要を引き下げるDRを「下げDR」と称する。また、需要家の電力消費量の増加によって電力需要を引き上げるDRを「上げDR」と称する。また、DRに応じた需要家に与えられる報奨(例えば金銭)を、インセンティブと称する。
【0011】
また、DRに応じなかった需要家や小売事業者に課せられる弁済金を「ペナルティ」と称する。なお、インセンティブ、ペナルティの有無や、それらが有る場合の金額の算出法などはそのときの制度によって異なる可能性がある。
【0012】
まず、図1を参照して、実施形態の電力システムSの全体の概要について説明する。図1は、実施形態の電力システムSの全体の概要を模式的に示すブロック図である。電力システムSは、系統運用者システム1と、市場取引システム2(電力取引市場)と、発電BG3と、需要BG4と、を備える。
【0013】
系統運用者システム1は、電力系統を運用して商用電力を供給する系統運用者によって使用されるシステムである。
【0014】
市場取引システム2は、例えば、JEPXによって使用される電力市場取引システムである。以下では、市場取引システム2を「JEPX」と称する場合がある。
【0015】
発電BG3は、発電事業者31(31a、31b)によるBGである。なお、発電事業者A31a、B31bを区別しないときは、単に発電事業者31と記載する。他の構成についても同様である。
【0016】
発電事業者31は、再エネ発電リソース311(以下、単に「再エネ」とも称する。)と、可調整電源リソース312(以下、「調整電源」または「電源」とも称する。)と、を備える。再エネ発電リソース311は、再生可能エネルギー(太陽光、風力、バイオマス、水力、地熱等)を用いた発電リソースである。なお、再エネ発電リソース311によって生成された電力は、FIT(Feed-in Tariff)制度やFIP(Feed-in-Premium)制度などによって、電力市場価格よりも高値の買取価格で買取りされる場合が多い。したがって、今後、再エネ発電リソース311の活用が進むと考えられる。
【0017】
可調整電源リソース312は、例えば、非再生可能エネルギー(火力、原子力等)を用いた発電リソースである。
【0018】
需要BG4は、需要家41(例えば小売電気事業者など)によるBGである。需要家41は、負荷411と、蓄電池412と、再エネ発電リソース413と、を備える。
【0019】
負荷411は、電力を消費する装置や機器である。
【0020】
蓄電池412は、充放電を繰り返して使用できる電池で、二次電池やバッテリともいう。
【0021】
再エネ発電リソース413は、再生可能エネルギーを用いた発電リソースである。
【0022】
そして、発電BG3と需要BG4の間で、電力取引の相対契約が結ばれる。発電BG3は、発電電力を、相対契約相手の需要BG4と、市場取引システム2と、に売ることができる。
【0023】
そして、例えば、市場取引システム2での電力取引価格が上昇すると、発電BG3としては、相対契約相手の需要BG4に売る電力を減らして、市場取引システム2で売る電力を増やしたい場合がある。
【0024】
しかしながら、これまでの電力取引の相対契約では、単位期間中に取引する電力量は固定になっていることが一般的なので、そのような販売先ごとの電力量の変更はできない。また、需要BG4としても、発電BG3から買う電力が減ると電力が不足するので、何かのメリット等がないとそのような対応をする動機付けがないことになる。
【0025】
そこで、まず、発電BG3と需要BG4の電力取引に関して、売買電力量を柔軟に変更可能とする相対契約を考える。そして、そのような相対契約に合わせて、例えば、発電BG3が需要BG4に売る電力を減らして市場取引システム2で売る電力を増やし、それによって獲得した利益を発電BG3と需要BG4でシェアすることにすれば、発電BG3だけでなく需要BG4にとってもメリットとなる。このように、売買電力量を柔軟に変更可能とする相対契約に合わせて電力需給を適切に調整可能な技術について、以下に説明する。
【0026】
図2を参照して、実施形態における発電と需要の各計画の第1の変更例について説明する。図2は、実施形態における発電と需要の各計画の第1の変更例を模式的に示す図である。
【0027】
図2(a)は、電力需給の調整前の状態を示す。図2(a1)に示すように、発電BG3に関して、発電計画と販売計画が策定される。この例では、発電計画における発電電力には、再エネBG(再エネBGによる発電電力)と火力BG(火力BGによる発電電力)がある。
【0028】
また、販売計画における販売先には、相対小売BG(需要BG4)とJEPX(市場取引システム2)がある。
【0029】
また、図2(a2)に示すように、需要BG4に関して、需要計画と調達計画が策定される。この例では、需要計画における需要BG(需要BGによる需要電力)に対応して、調達計画における調達先として発電BG3(相対調達)が決定される。
【0030】
ここで、時間前市場において、JEPX(市場取引システム2)での電力取引価格の上昇が見込まれるとする。その場合、図2(b1)に示すように、発電BG3は、販売計画において、相対小売BGを減らして、JEPXを増やしたい。また、売買電力量を柔軟に変更可能とする相対契約なので、図2(b2)に示すように、需要BG4の需要計画において下げDRによって需要を減らし、それに合わせて、調達計画における相対調達も減らすことができる。
【0031】
また、下げDRが失敗した場合を考える。なお、下げDRの失敗としては、例えば、以下の(1)~(3)の3つが挙げられる。
(1)発電BG3が需要BG4に下げDRを依頼したが、需要BG4が拒否した。
(2)需要BG4が下げDRを受諾したが、その配下の需要家41が拒否した。
(3)需要BG4も需要家41も下げDRを受諾したが、需要家41が実際に消費電力を抑えられなかった。
【0032】
そして、下げDRの失敗のリスクを評価(予測)する場合、(1)、(2)、(3)で計算方法が異なりえる。また、発電BG3と需要BG4が異なるプレイヤーの場合、(1)~(3)のいずれも起こりえる。また、発電BG3と需要BG4が同じプレイヤーの場合、(1)は起こらず、(2)と(3)は起こりえる。
【0033】
そして、図2(c1)に示すように、発電BG3において、発電実績は図2(b1)の発電計画を実現したものとなり、販売実績も図2(b1)の販売計画を実現したものとなったとする。
【0034】
一方、図2(c2)に示すように、ゲートクローズ(Gate Close:以下「GC」とも称する。)後に、需要BG4において、需要実績と調達実績のいずれもそれぞれ図2(b2)の需要計画と調達計画を実現しておらず、需要インバランスとして清算する必要がある。
【0035】
そして、例えば、需要インバランスが低額であって、需要インバランスによる損失を考慮しても、発電BG3における電力の販売先ごとの販売量の変更により獲得した利益によって、総合的に利益が出ていればよいと考えられる。したがって、事前にそのような予測ができるのであれば、発電BG3における電力の販売先ごとの販売量を変更すべきであるという判断を下せる。
【0036】
なお、需要BG4は、不足した電力をJEPXから買うという選択肢もとりえる。
【0037】
次に、図3は、実施形態における発電と需要の各計画の第2の変更例を模式的に示す図である。図2では下げDRの失敗時について説明したが、図3では再エネによる発電量が予定よりも少なかった場合について説明する。図3(a)(b)は、図2(a)(b)と同様である。
【0038】
また、図3(c2)に示すように、需要BG4における需要計画と調達計画のいずれもそれぞれ図3(b2)と同様である。
【0039】
そして、図3(c1)に示すように、GC後に、発電BG3において、発電実績が図3(b1)の発電計画を実現していない。つまり、火力BGは計画と実績が同じであるが、再エネBGの実績が計画より少ない。この場合、発電電力の不足分について、以下の(11)、(12)の対応が考えられる。
【0040】
(11)発電BG3内の他の電源で持ち替え(代替発電)
(12)発電インバランスとして清算
【0041】
そして、例えば、(11)または(12)の実行による費用増加を考慮しても、発電BG3における電力の販売先ごとの販売量の変更により獲得した利益によって、総合的に利益が出ていればよいと考えられる。したがって、事前にそのような予測ができるのであれば、発電BG3における電力の販売先ごとの販売量を変更すべきであるという判断を下せる。
【0042】
なお、ここまで、JEPXでの電力取引価格の上昇が見込まれて下げDRを行う場合について説明したが、逆に、JEPXでの電力取引価格の下降が見込まれて上げDRを行う場合についても同様である。
【0043】
時間前市場で電力取引市場価格が上がる場合と下がる場合について、発電BG3における、取引戦略と、GC後のリスクと、対処法と、についてまとめると、以下の通りである。
【0044】
(時間前市場で電力取引市場価格が上がる場合)
(取引戦略1)下げDRでJEPX売電量増加
(GC後のリスク1)下げDR失敗
(対処法1)下げDR失敗リスクを評価し、下げDR量を調整
(対処法2)需要インバランス受け入れ(対処法1不実施)
【0045】
(GC後のリスク2)再エネ出力の減少、増加
(対処法1)下げDR(計画)を増加、減少
(対処法2)調整電源で持替(計画)
(対処法3)調整電源で持替(制御)
(対処法4)発電インバランス受け入れ(対処法1~3不実施)
【0046】
(取引戦略2)調整電源出力増でJEPX売電量増加
(GC後のリスク)再エネ出力の減少、増加
(対処法1)調整電源で持替(計画)
(対処法2)調整電源で持替(制御)
(対処法3)発電インバランス受け入れ(対処法1、2不実施)
【0047】
(時間前市場で電力取引市場価格が下がる場合)
(取引戦略1)上げDRでJEPX売電量減少
(GC後のリスク1)上げDR失敗
(対処法1)上げDR失敗リスクを評価し、上げDR量を調整
(対処法2)需要インバランス受け入れ(対処法1不実施)
【0048】
(GC後のリスク2)再エネ出力の減少、増加
(対処法1)上げDR(計画)を減少、増加
(対処法2)調整電源で持替(計画)
(対処法3)調整電源で持替(制御)
(対処法4)発電インバランス受け入れ(対処法1~3不実施)
【0049】
(取引戦略2)調整電源出力減でJEPX売電量減少
(GC後のリスク)再エネ出力の減少、増加
(対処法1)調整電源で持替(計画)
(対処法2)調整電源で持替(制御)
(対処法3)発電インバランス受け入れ(対処法1、2不実施)
【0050】
次に、図4を参照して、実施形態の情報処理装置5(電力需給調整装置)について説明する。図4は、実施形態の情報処理装置5の機能構成を示すブロック図である。情報処理装置5は、例えば、PC(Personal Computer)である。
【0051】
情報処理装置5は、記憶部51と、入力部52と、表示部53と、通信部54と、処理部55と、を備える。
【0052】
記憶部51は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)等によって実現され、各種情報を記憶する。記憶部51は、例えば、各種設定値、各種パラメータ、所定の目的関数、各種演算結果等を記憶する。記憶部51は、DB(Data Base)511を備える。
【0053】
DB511には、例えば、発電BG単価(電源出力調整単価)、電源出力変化可能幅、需要調整可能幅、需要BG調整単価(対需要家・対需要BG)(「需要調整単価」とも称する。)、電力市場取引単価(または予測値)、発電/需要インバランス単価(または予測値)等の情報が格納される(詳細は後述)。
【0054】
入力部52は、オペレータが各種操作入力を行う手段で、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル等である。
【0055】
表示部53は、情報を表示する手段で、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、タッチパネル等である。
【0056】
通信部54は、外部装置と通信を行うための通信インターフェースである。
【0057】
処理部55は、例えば、CPU(Central Processing Unit)によって実現され、各種演算処理を実行する。処理部55は、例えば、機能部として、取得部551と、再エネ発電量予測部552と、電力市場取引単価予測部553と、インバランス単価予測部554と、発電BG計画部555と、需要BG計画部556と、インセンティブ算出部557と、利益配分算出部558と、表示制御部559と、を備える。
【0058】
取得部551は、系統運用者システム1、市場取引システム2、発電BG3、需要BG4、DB511などから各種情報を取得する。
【0059】
再エネ発電量予測部552は、過去のデータ、気象データなどに基づいて、再エネ発電リソース311や再エネ発電リソース413による発電量を予測する。
【0060】
電力市場取引単価予測部553は、市場取引システム2での電力取引の単価である電力市場取引単価を予測して電力市場取引単価予測値を出力する。
【0061】
インバランス単価予測部554は、発電インバランス単価と需要インバランス単価を予測する。
【0062】
発電BG計画部555は、発電BG3の発電計画と販売計画を策定する。発電BG計画部555は、電力市場取引単価予測値に応じて販売計画における市場取引システム2への電力販売量と需要BG4への電力販売量を調整する。
【0063】
発電BG計画部555は、発電BG3の電源(可調整電源リソース312)の出力のコスト単価である発電BG単価のメリットオーダーに基づいて、出力を調整する電源の優先順位を決定する。
【0064】
発電BG計画部555は、出力を調整する電源の優先順位、および、需要を調整する需要リソースの優先順位(需要BG計画部556によって決定)に基づいて、販売計画における市場取引システム2への電力販売量を決定する。
【0065】
発電BG計画部555は、市場取引システム2のGC後における発電BG3の電源の出力の変動による発電インバランスのリスクを予測し、発電インバランスのリスクに基づいて損益の期待値を発電インバランス損益期待値として算出し、発電BG単価に発電インバランス損益期待値を反映する。
【0066】
需要BG計画部556は、発電BG3と電力取引の相対契約をしている需要BG4の需要計画と調達計画を策定する。需要BG計画部556は、販売計画における需要BG3への電力販売量の調整に応じて需要計画と調達計画を調整する。
【0067】
需要BG計画部556は、需要BG3の需要リソース(負荷411、蓄電池412など)の需要計画と調達計画の調整に係るコスト単価である需要BG調整単価のメリットオーダーに基づいて、需要を調整する需要リソースの優先順位を決定する。
【0068】
需要BG計画部556は、GC後において需要計画の需要リソースの調整が計画通り履行されないことによる需要インバランスのリスクを予測し、需要インバランスのリスクに基づいて損益の期待値を需要インバランス損益期待値として算出し、需要BG調整単価に需要インバランス損益期待値を反映する。
【0069】
インセンティブ算出部557は、需要BG計画部556による需要計画と調達計画の調整に対するインセンティブ額を算出する。
【0070】
利益配分算出部558は、販売計画の調整により得られる利益の発電BG3と需要BG4への配分を算出する。
【0071】
表示制御部559は、各種情報を表示部53に表示する。表示制御部559は、例えば、発電BG単価と、需要BG調整単価と、発電BG単価のメリットオーダーと、需要BG調整単価のメリットオーダーと、電源の発電インバランス損益期待値と、需要リソースの需要インバランス損益期待値と、需要リソースの調整が計画通り履行されない場合のペナルティと、販売計画の調整により獲得が見込まれる利益と、を表示部53に表示させる。
【0072】
ここで、図5は、実施形態における第1の目的関数例の説明図である。第1の目的関数例を用いた処理は、例えば、発電BG計画部555が需要BG計画部556などと連携することによって行われる。ここでは、連携BG(発電BG3と需要BG4)における利益の最大化を図る。したがって、発電BG3と需要BG4の間の取引である相対売電収益と需要調整コスト(BG間)は考慮しない。また、発電インバランスと需要インバランスは送配電事業者9に対して支払う。そして、以下の目的関数F1の最大化を考える。
【0073】
目的関数F1
=「市場取引システム2(JEPX)からの売電収益(=市場取引量×市場取引単価)」
-「発電コスト(=発電BG単価×発電量)」
-「需要調整コスト(対需要家)(=需要家調整単価×需要調整量)」
-「発電インバランス(予測値)」
-「需要インバランス(予測値)」
【0074】
この目的関数F1の値を最大化させる計算を行い、各パラメータ(電力の市場取引量、発電量、需要調整量など)を決定する。
【0075】
なお、発電インバランス(予測値)(発電インバランス損益期待値)は発電BG単価に、需要インバランス(予測値)(需要インバランス損益期待値)は需要BG調整単価に織り込む(反映する)ことで、インバランスを考慮したメリットオーダーで扱う。
【0076】
次に、図6は、実施形態における第2の目的関数例の説明図である。第2の目的関数例を用いた処理は、例えば、発電BG計画部555によって行われる。ここでは、発電BG3における利益の最大化を図る。そして、以下の目的関数F2の最大化を考える。
【0077】
目的関数F2
=「市場取引システム2(JEPX)からの売電収益(=市場取引量×市場取引単価)」
+「相対売電収益」
-「需要調整コスト(BG間)(=需要BG調整単価×需要調整量)」
-「発電コスト(=発電BG単価×発電量)」
-「発電インバランス(予測値)」
【0078】
この目的関数F2の値を最大化させる計算を行い、各パラメータ(電力の市場取引量、発電量、需要調整量など)を決定する。
【0079】
なお、発電インバランス(予測値)(発電インバランス損益期待値)は発電BG単価に織り込む(反映する)ことで、インバランスを考慮したメリットオーダーで扱う。
【0080】
次に、図7は、実施形態における需要インバランスリスクの評価と需要BG調達単価への反映の説明図である。
【0081】
まず、図7(a)は、DR量αと、αに対するインバランスの期待値βの特性情報を示す。この特性情報は、例えば、需要リソースの特性等に基づいて作成される。
【0082】
また、図7(b)は、DR量αと、需要調整単価の特性情報を示す。インバランスを考慮しない場合の特性が線L2である。そして、インバランスを考慮した場合の特性が線L1である。具体的には、まず、インバランス単価予測値γを取得し、インバランス損益期待値であるβ×γのαに対する特性を、需要調整単価の特性に重畳することで、線L1が得られる。
【0083】
そして、図7(c)は、計画段階の最適値を示す。この場合、図7(c2)にDR量αが示されている。また、図7(d)は、DR失敗時の期待値を示す。この場合、図7(c2)にインバランス期待値βが示されている。
【0084】
このようにして、需要インバランスリスクの評価を需要BG調達単価に反映することができる。
【0085】
次に、図8は、実施形態における発電インバランスリスクの評価と電源出力調整単価への反映の説明図である。
【0086】
まず、図8(a)は、再エネ出力の予測誤差リスク(下落リスク)と、不足インバランスリスク(上げ余力不足)の特性情報を示す。なお、グラフの左側のように、上げ余力内に出力誤差が収まる場合は、インバランスはゼロとなる。また、図8(b)は、調整電源出力と上げ余力の特性情報を示す。
【0087】
そして、図8(c)は、計画段階の最適値を示す。図8(c1)では、図7(c1)の場合と比べて、JEPXでの電力取引単価が高いため、発電計画で火力BGを符号Sの分だけ増やし、それに伴って、販売計画でJEPXが符号Tの分だけ増えている。
【0088】
また、図8(d)は、再エネ出力が予測値よりも低下する場合を示す。この場合、図8(d1)示すように、図8(c1)ですでに火力BGが出力可能範囲の上限に達しているため、GC後の再エネ出力低下に火力BGの増加によって対応できす、符号Uに示すインバランスが発生する。
【0089】
このように、調整電源出力で決まる上げ余力と、再エネ出力予測誤差リスクから、不足インバランスリスクを算出し、インバランス単価を乗じて発電BG単価に加算して反映する。
【0090】
次に、図9を参照して、実施形態の情報処理装置5による処理について説明する。図9は、実施形態の情報処理装置5による処理を示すフローチャートである。なお、以下において、本実施形態に特有の処理以外の処理(例えば、需給調整前の発電計画、販売計画、需要計画、調達計画の策定等)については、説明がなくても従来と同様の処理が行われるものとする。
【0091】
まず、ステップS1において、再エネ発電量予測部552は、過去のデータ、気象データなどに基づいて、再エネ発電リソース311や再エネ発電リソース413による発電量を予測する。
【0092】
次に、ステップS2において、電力市場取引単価予測部553は、電力市場取引単価を予測して電力市場取引単価予測値を出力する。
【0093】
次に、ステップS3において、取得部551は、DB511から電源出力調整単価情報を取得する。
【0094】
次に、ステップS4において、取得部551は、DB511から電源出力変化可能幅情報を取得する。
【0095】
次に、ステップS5において、取得部551は、DB511から需要調整単価情報を取得する。
【0096】
次に、ステップS6において、取得部551は、DB511から需要調整可能幅情報を取得する。
【0097】
次に、ステップS7において、取得部551は、DB511から需要調整インセンティブ単価情報を取得する。
【0098】
次に、ステップS8において、インバランス単価予測部554は、発電インバランス単価と需要インバランス単価を予測する。
【0099】
次に、ステップS9において、発電BG計画部555は、発電BG3の電源(可調整電源リソース312)の出力のコスト単価である発電BG単価のメリットオーダーに基づいて、出力を調整する電源の優先順位と調整量を決定する。
【0100】
次に、ステップS10において、需要BG計画部556は、需要BG3の需要リソース(負荷411、蓄電池412など)の需要計画と調達計画の調整に係るコスト単価である需要BG調整単価のメリットオーダーに基づいて、需要を調整する需要リソースの優先順位と調整量を決定する。
【0101】
次に、ステップS11において、発電BG計画部555は、発電インバランスのリスクに基づいて発電インバランス損益期待値を算出し、電力出力調整単価情報(発電BG単価)に発電インバランス損益期待値を反映する。
【0102】
次に、ステップS12において、需要BG計画部556は、需要インバランスのリスクに基づいて需要インバランス損益期待値を算出し、需要調整単価情報に需要インバランス損益期待値を反映する。
【0103】
次に、ステップS13において、発電BG計画部555は、目的関数(F1、F2)の値を最大化させる計算を行い、各パラメータ(電力の市場取引量、発電量、需要調整量など)を決定する。
【0104】
次に、ステップS14において、表示制御部559は、例えば、発電BG3の電源の発電BG単価と、需要BG4の需要リソースの需要BG調整単価と、発電BG単価のメリットオーダーと、需要BG調整単価のメリットオーダーと、電源の発電インバランス損益期待値と需要リソースの需要インバランス損益期待値と、需要リソースの調整が計画通り履行されない場合のペナルティと、販売計画の調整により獲得が見込まれる利益と、を表示部53に表示させる。
【0105】
このように、本実施形態の情報処理装置5によれば、発電BG3と需要BG4の電力取引に関して売買電力量を柔軟に変更可能とする相対契約を前提として、その相対契約に合わせて電力需給を適切に調整することができる。したがって、そのような相対契約の促進に寄与する。
【0106】
また、販売計画の調整により得られる利益の発電BG3と需要BG4への配分を算出し、利益を発電BG3と需要BG4でシェアすることで、発電BG3だけでなく需要BG4の側にも需給調整によるメリットが生じる。
【0107】
また、需要計画と調達計画の調整に対するインセンティブ額を算出し、インセンティブ付与を実施することで、DRに応じた需要家も恩恵を受けることができる。また、販売計画の調整により得られる利益を原資としてインセンティブを支払うことができる。
【0108】
また、発電BG単価のメリットオーダーに基づいて出力を調整する電源の優先順位を決定し、さらに、需要BG調整単価のメリットオーダーに基づいて需要を調整する需要リソースの優先順位を決定し、それらに基づくことで、販売計画における電力取引市場への電力販売量をより適切に決定することができる。
【0109】
また、発電インバランスのリスクに基づいて算出した発電インバランス損益期待値を発電BG単価に反映し、需要インバランスのリスクに基づいて算出した需要インバランス損益期待値を需要BG調整単価に反映することで、簡潔かつ高精度な目的関数を実現することができる。また、GC後の再エネ出力やDR実現の不確実性によるインバランスリスクを適切に反映した演算結果を得ることができる。
【0110】
また、需給調整に関する各種情報(発電BG単価およびメリットオーダー、需要BG調整単価およびメリットオーダー、発電インバランス損益期待値、需要インバランス損益期待値、需要リソースの調整が計画通り履行されない場合のペナルティ、販売計画の調整により獲得が見込まれる利益など)を表示させることで、ユーザによる検討材料とすることができる。
【0111】
本実施形態の情報処理装置5で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されるようにしてもよい。
【0112】
また、当該プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、当該プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成しても良い。
【0113】
また、当該プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0114】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0115】
例えば、上述の実施形態では、利益に関する所定条件を満たす場合の一例として、利益を最大化する場合について説明したが、これに限定されない。ほかに、利益が所定額以上となる場合等の他の条件であってもよい。
【0116】
また、電力システムSに、電力系統の需給バランスを調整するアグリゲータが存在していてもよい。その場合、例えば、アグリゲータは、複数の発電BG3と複数の需要BG4をまとめた大きな単位で、電力系統の需給バランスを調整する。
【0117】
また、上述の実施形態における各処理のすべてを行う必要は必ずしもない。例えば、インセンティブの算出処理をオプション扱いにして、行わないことがあってもよい。
【0118】
また、目的関数は、すべての金銭の出入りを反映したものであってもよいし、あるいは、基準となる場面からの金銭の出入りの変化分だけを扱ったものでもよい。
【符号の説明】
【0119】
1…系統運用者、2…市場取引システム、3…発電BG、4…需要BG、5…情報処理装置、9…送配電事業者、31…発電事業者、41…需要家、51…記憶部、52…入力部、53…表示部、54…通信部、55…処理部、311…再エネ発電リソース、312…可調整電源リソース、411…負荷、412…蓄電池、413…再エネ発電リソース、551…取得部、552…再エネ発電量予測部、553…電力市場取引単価予測部、554…インバランス単価予測部、555…発電BG計画部、556…需要BG計画部、557…インセンティブ算出部、558…利益配分算出部、559…表示制御部、S…電力システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9