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特許7631161曳船管理システム、曳船管理方法、及び曳船管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-07
(45)【発行日】2025-02-18
(54)【発明の名称】曳船管理システム、曳船管理方法、及び曳船管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20250210BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021158683
(22)【出願日】2021-09-29
(65)【公開番号】P2023049127
(43)【公開日】2023-04-10
【審査請求日】2024-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】萩原 欣也
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】酒井 優一
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-201657(JP,A)
【文献】特開2003-346299(JP,A)
【文献】国際公開第2020/137149(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部及び制御部を備え、曳船業者が使用する曳船管理システムであって、
前記記憶部には、
日付、開始時刻、終了時刻、港区、本船、曳船、在籍港、曳船業者の曳船の配船元が配船代行業者又は曳船業者かを指定する配船区分を含む配船情報が登録される配船情報テーブルが格納されており、
前記制御部は、
配船代行業者から、配船代行業者が曳船業者の曳船を配船した配船代行業者配船データを取得して、当該配船代行業者配船データに応じた配船情報を前記配船情報テーブルに登録する配船取込手段と、
曳船業者が曳船業者の曳船を配船した配船情報を前記配船情報テーブルに登録する配船入力手段と、
を備えたことを特徴とする曳船管理システム。
【請求項2】
前記配船入力手段は、曳船を配船する場合に、前記配船情報テーブルを参照して、当該曳船が開始時刻から終了時刻の前後の所定時間に作業予定が登録されている場合にはアラートを出力することを特徴とする請求項1に記載の曳船管理システム。
【請求項3】
前記制御部は、さらに、
表示部に表示される照会画面で、オペレータの操作に応じて、指定される照会条件で前記配船情報テーブルからデータを抽出して表示する照会手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の曳船管理システム。
【請求項4】
前記照会条件は、日付、港区、在籍港の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項3に記載の曳船管理システム。
【請求項5】
前記記憶部には、さらに、
曳船、在籍港、メール通知の有無を指定したメール通知区分を関連づけて登録した曳船マスタが格納されており、
前記制御部は、さらに、
前記曳船マスタ及び前記配船情報テーブルを参照して、前記配船情報のうち、前記曳船マスタでメール通知有りに設定された曳船及び在籍港で前記配船区分が曳船業者であるデータを、前記配船代行業者にメールで通知する通知手段を備えたことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の曳船管理システム。
【請求項6】
記憶部及び制御部を備え、曳船業者が使用する曳船管理システムが実行する曳船管理方法であって、
前記記憶部には、
日付、開始時刻、終了時刻、港区、本船、曳船、在籍港、曳船業者の曳船の配船元が配船代行業者又は曳船業者かを指定する配船区分を含む配船情報が登録される配船情報テーブルが格納されており、
前記制御部において実行される、
配船代行業者から、配船代行業者が曳船業者の曳船を配船した配船代行業者配船データを取得して、当該配船代行業者配船データに応じた配船情報を前記配船情報テーブルに登録する配船取込工程と、
曳船業者が曳船業者の曳船を配船した配船情報を前記配船情報テーブルに登録する配船入力工程と、
を含むことを特徴とする曳船管理方法。
【請求項7】
記憶部及び制御部を備え、曳船業者が使用する曳船管理システムに実行させるための曳船管理プログラムであって、
前記記憶部には、
日付、開始時刻、終了時刻、港区、本船、曳船、在籍港、曳船業者の曳船の配船元が配船代行業者又は曳船業者かを指定する配船区分を含む配船情報が登録される配船情報テーブルが格納されており、
前記制御部に、
配船代行業者から、配船代行業者が曳船業者の曳船を配船した配船代行業者配船データを取得して、当該配船代行業者配船データに応じた配船情報を前記配船情報テーブルに登録する配船取込工程と、
曳船業者が曳船業者の曳船を配船した配船情報を前記配船情報テーブルに登録する配船入力工程と、
を実行させるための曳船管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、曳船管理システム、曳船管理方法、及び曳船管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、曳船業界では、曳船業者の自社の曳船であっても、港や地域によって、配船代行業者が配船することが多い。従来、曳船システムとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-108995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、曳船業者が配船した曳船の結果と、配船代行業者が配船した曳船業者の曳船の結果を同一のデータベースで一元管理することにより、曳船業者の曳船の稼働状況を一元的に把握することに関して何等記載されていない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、曳船業者が配船した曳船の結果と、配船代行業者が配船した曳船業者の曳船の結果を同一のデータベースで一元管理することにより、曳船業者の曳船の稼働状況を一元的に把握することが可能な曳船管理システム、曳船管理方法、及び曳船管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、記憶部及び制御部を備え、曳船業者が使用する曳船管理システムであって、前記記憶部には、日付、開始時刻、終了時刻、港区、本船、曳船、在籍港、自社の曳船の配船元が他社又は曳船業者かを指定する配船区分を含む配船情報が登録される配船情報テーブルが格納されており、前記制御部は、前記配船代行業者により曳船業者の曳船を配船した他社配船データを取得して、当該他社配船データに応じた配船情報を前記配船情報テーブルに登録する配船取込手段と、曳船業者の曳船を配船した配船情報を前記配船情報テーブルに登録する配船入力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、前記配船入力手段は、曳船を配船する場合に、前記配船情報テーブルを参照して、当該曳船が開始時刻から終了時刻の前後の所定時間に作業予定が登録されている場合にはアラートを出力することにしてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記制御部は、さらに、表示部に表示される照会画面で、オペレータの操作に応じて、指定される照会条件で前記配船情報テーブルからデータを抽出して表示する照会手段を備えることにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、前記照会条件は、日付、港区、在籍港の少なくとも1つを含むことにしてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様によれば、前記記憶部には、さらに、曳船、在籍港、メール通知の有無を指定したメール通知区分を関連づけて登録した曳船マスタが格納されており、前記制御部は、さらに、前記曳船マスタ及び前記配船情報テーブルを参照して、前記曳船情報のうち、前記曳船マスタでメール通知有りに設定された曳船及び在籍港で前記配船区分が曳船業者であるデータを前記配船代行業者にメールで通知する通知手段を備えることにしてもよい。
【0011】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、記憶部及び制御部を備え、曳船業者が使用する曳船管理システムで実行される曳船管理方法であって、前記記憶部には、日付、開始時刻、終了時刻、港区、本船、曳船、在籍港、自社の曳船の配船元が他社又は曳船業者かを指定する配船区分を含む配船情報が登録される配船情報テーブルが格納されており、前記制御部において実行される、前記配船代行業者により曳船業者の曳船を配船した他社配船データを取得して、当該他社配船データに応じた配船情報を前記配船情報テーブルに登録する配船取込工程と、曳船業者の曳船を配船した配船情報を前記配船情報テーブルに登録する配船入力工程と、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、記憶部及び制御部を備え、曳船業者が使用する曳船管理システムで実行するための曳船管理プログラムであって、前記記憶部には、日付、開始時刻、終了時刻、港区、本船、曳船、在籍港、自社の曳船の配船元が他社又は曳船業者かを指定する配船区分を含む配船情報が登録される配船情報テーブルが格納されており、前記制御部において、前記配船代行業者により曳船業者の曳船を配船した他社配船データを取得して、当該他社配船データに応じた配船情報を前記配船情報テーブルに登録する配船取込工程と、曳船業者の曳船を配船した配船情報を前記配船情報テーブルに登録する配船入力工程と、を実行するための曳船管理プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、曳船業者が配船した曳船の結果と、配船代行業者が配船した曳船業者の曳船の結果を同一のデータベースで一元管理することにより、曳船業者の曳船の稼働状況を一元的に把握することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本実施の形態に係る曳船管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、曳船マスタの構成例を示す図である。
図3図3は、本実施の形態に係る曳船管理システムの制御部の全体の処理の流れを説明するためのフローを示す図である。
図4図4は、本実施の形態に係る曳船管理システムの制御部の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図5図5は、本実施の形態に係る曳船管理システムの制御部の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図6図6は、本実施の形態に係る曳船管理システムの制御部の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図7図7は、本実施の形態に係る曳船管理システムの制御部の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図8図8は、本実施の形態に係る曳船管理システムの制御部の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0016】
[1.概要]
曳船業界では、曳船業者の自社の船であっても、港や地域によって、配船代行業者が配船することが多い。他方、曳船業者は、配船代行業者管理外の作業においては、自社配船を行う必要があるが、配船代行業者にて配船した情報と曳船業者にて配船した情報を別々に管理していたため、全社での船の稼働状況を一元的に把握することが困難であった。
【0017】
本実施の形態では、曳船業者が配船した自社の曳船の結果と、配船代行業者が配船した曳船業者の曳船の結果を同一のデータベースで一元管理することにより、自社の全曳船の稼働状況を一元的に把握できるようにした。
【0018】
本実施の形態によれば、曳船業者の曳船の稼働状況を一元管理することにより、空き曳船の有効活用が可能になり、戦略的な配船を行うことが可能となる。
【0019】
[2.構成]
本実施形態に係る曳船管理システムの構成の一例について、図1を参照して説明する。図1は、曳船管理システム100の構成の一例を示すブロック図である。
【0020】
曳船管理システム100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、曳船管理システム100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0021】
曳船管理システム100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。曳船管理システム100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0022】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、曳船管理システム100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、曳船管理システム100と、配船代行業者システム400やサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。配船代行業者システム400は、配船代行業者が使用するシステムである。
【0023】
入出力インターフェース部108には、入力装置112及び出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0024】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、曳船マスタ106aと、配船情報テーブル106bと、を備えている。図2は、曳船マスタ106aの構成例を示す図である。
【0025】
曳船マスタ106aは、図2に示すように、曳船コード、曳船名、在籍港、メール通知区分のデータを関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。図2に示す例では、1行目は、曳船コード「A01」、曳船名「A1〇」、在籍港「A:横浜」、メール通知区分「0:メール通知有」、2行目は、曳船コード「A02」、曳船名「A2〇」、在籍港「A:横浜」、メール通知区分「0:メール通知有」、3行目は、曳船コード「B01」、曳船名「B1△」、在籍港「B:川崎」、メール通知区分「0:メール通知有」となっている。
【0026】
配船情報テーブル106bは、配船情報を格納するためのテーブルである。配船情報は、日付、開始時刻、終了時刻、港区、本船、曳船、在籍港、自社の曳船の配船元が他社(配船代行業者)又は曳船業者かを指定する配船区分のデータを含んでいてもよい。
【0027】
図1に戻り、制御部102は、曳船管理システム100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0028】
制御部102は、記憶部106に格納されている、曳船マスタ106a、配船情報テーブル106bにアクセス可能に構成されている。なお、これらのマスタ・ファイルは、他の場所(例えば、サーバ200)に設けられていてもよく、制御部102がアクセス可能な構成であればよい。
【0029】
制御部102は、機能概念的に、配船取込部102aと、配船入力部102bと、通知部102cと、照会部102dと、画面表示制御部102eと、マスタメンテ部102fと、を備えている。
【0030】
配船取込部102aは、配船代行業者システム400から配船代行業者による曳船業者の曳船を配船した他社配船データを取得して、他社配船データに基づいた配船情報を、配船情報テーブル10baに登録する。
【0031】
配船入力部102bは、例えば、モニタ114に表示される不図示の配船入力画面上でのオペレータの操作に応じて、曳船業者が自社の曳船を配船した配船情報を、配船情報テーブル106bに登録する。また、配船入力部102bは、曳船を配船する場合に、配船情報テーブル106bを参照して、当該曳船が開始時刻から終了時刻の前後の所定時間に作業予定が登録されている場合にはアラートを出力することにしてもよい。
【0032】
通知部102cは、曳船マスタ106a及び配船情報テーブル106bを参照して、配船情報のうち、曳船マスタ106aでメール通知有りに設定されている曳船及び在籍港について、配船情報の配船区分「曳船業者」に設定されているデータを配船代行業者システム400に配船結果としてメールで通知する。
【0033】
照会部102dは、例えば、モニタ114に表示される照会画面で、オペレータの操作に応じて、指定される照会条件で配船情報テーブル106bからデータを抽出して表示する。照会条件は、日付、港区、在籍港の少なくとも1つを含むことにしてもよい。
【0034】
画面表示制御部102eは、例えば、モニタ114に表示する各種画面(例えば、配船入力画面、配船照会画面、マスタメンテ画面等)の表示及びその入力の受付を制御する。
【0035】
マスタメンテ部102fは、例えば、モニタ114に表示される不図示のマスタメンテ画面上でのオペレータの操作に応じて、曳船マスタ106aに対するデータの入力・追加・変更等の設定を行うためのものである。
【0036】
[3.具体例]
図1図8を参照して、本実施の形態に係る曳船管理システム100の処理の具体例を説明する。
【0037】
(3-1.全体の処理)
図3は、本実施の形態に係る曳船管理システム100の制御部102の全体の処理の流れを説明するためのフローを示す図である。図5を参照して、本実施の形態に係る曳船管理システム100の全体の処理の流れを説明する。
【0038】
配船取込部102aは、配船取込処理を実行する(ステップS1)。具体的には、配船取込処理では、配船取込部102aは、配船代行業者システム400から配船代行業者による自社の曳船を配船した他社配船データを取得して、他社配船データに基づいた配船情報を、配船情報テーブル106bに登録する。
【0039】
配船入力部102bは、配船入力処理を実行する(ステップS2)。具体的には、配船入力処理では、配船入力部102bは、例えば、モニタ114に表示される不図示の配船入力画面上でのオペレータの操作に応じて、自社の曳船を配船した配船情報を、配船情報テーブル106bに登録する。
【0040】
通知部102cは、配船結果通知処理を実行する(ステップS3)。具体的には、配船結果通知処理では、通知部102cは、曳船マスタ106a及び配船情報テーブル106bを参照して、配船情報のうち、曳船マスタ106aでメール通知有りに設定されている曳船及び在籍港について、配船情報の配船区分「曳船業者」に設定されているデータを配船結果として配船代行業者システム400にメールで通知する。
【0041】
照会部102dは、配船照会処理を実行する(ステップS4)。具体的には、配船照会処理では、照会部102dは、例えば、モニタ114に表示される照会画面上でのオペレータの操作に応じて、指定される照会条件で配船情報テーブル106bからデータを抽出して表示する。照会条件は、日付、港区、在籍港の少なくとも1つを含むことにしてもよい。
【0042】
(3-2.具体例)
図4図8は、本実施の形態に係る曳船管理システム100の制御部102の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。図4図8を参照して、本実施の形態に係る曳船管理システム100の制御部102の処理の具体例を説明する。
【0043】
(S1:配船取込処理)
図4は、配船取込処理を説明するための図である。配船取込部102aは、配船代行業者システム400から配船代行業者による自社の曳船を配船した、日付、開始時間、終了時刻、港区、本船、曳船を含む他社配船データを取得し、取得した他社配船データに応じた配船情報を生成して配船情報テーブル106bに登録する。具体的には、他社配船データの曳船をキーとして、曳船マスタ106aから在籍港を取得し、他社配船データの日付、開始時間、終了時刻、港区、本船、曳船と、取得した在籍港と、配船区分を「他社」とした配船情報を配船情報テーブル106bに登録する。
【0044】
図4は、他社配船データに応じた配船情報の一例を示す図である。図4に示す例では、
1行目は、日付「2021/8/1」、開始時刻「9:00」、終了時刻「11:00」、港区「01:横浜」、本船「△△丸」、曳船「A01:A1〇」、在籍港「A:横浜」、配船区分「他社」、2行目は、日付「2021/8/1」、開始時刻「9:00」、終了時刻「11:00」、港区「01:横浜」、本船「△△丸」、曳船「A02:A2〇」、在籍港「A:横浜」、配船区分「他社」となっている。
【0045】
(S2:配船入力処理)
図5及び図6は、配船入力処理を説明するための図である。配船入力部102bは、例えば、モニタ114に表示される配船入力画面上でのオペレータの操作に応じて、自社の曳船を配船した配船情報を、配船情報テーブル106bに登録する。また、配船入力部102bは、配船入力画面で配船情報を入力する際に、登録ボタンが押下された場合には、配船情報テーブル106bを参照して、当該曳船が同日付に開始時刻から終了時刻の前後の所定時間に作業予定が既に登録されている場合には、2重登録を防止するために、アラートを出力することにしてもよい。
【0046】
図5(A)は、配船入力画面の表示例を示しており、図5(B)は、配船情報の例を示している。配船入力画面は、日付、開始時刻、終了時刻、港区、本船を指定(入力)するためのヘッダエリアと、曳船と配船区分を指定するための曳船指定エリアと、登録ボタンと、を備えている。
【0047】
ヘッダエリア及び曳船指定エリアでデータを入力して、登録ボタンを押すと、入力したデータに応じた配船情報が配船情報テーブル106bに登録される。
【0048】
図5(A)に示す例では、ヘッダエリアにおいて、日付「2021/08/01」、開始時刻「15:00」、終了時刻「18:00」、港区「01 横浜」、本船「○△□丸」が入力され、曳船指定エリアにおいて、1行目に、曳船「A01 A1〇」、配船区分「曳船業者」、2行目に、曳船「A02 A2〇」、配船区分「曳船業者」が入力され、登録ボタンが押されると、図5(B)に示すような配船情報が配船情報テーブル106bに登録される。
【0049】
図6(A)は、配船入力画面の他の表示例を示しており、図6(B)は、他の配船情報の例を示している。図6(A)に示す例では、ヘッダエリアにおいて、日付「2021/08/01」、開始時刻「15:00」、終了時刻「18:00」、港区「03 千葉」、本船「XYZ丸」が入力され、曳船指定エリアにおいて、1行目に、曳船「C01 C1□」、配船区分「曳船業者」、2行目に、曳船「C02 C2□」、配船区分「曳船業者」が入力され、登録ボタンが押されると、図6(B)に示すような配船情報が配船情報テーブル106bに登録される。
【0050】
(S3:配船結果通知処理)
通知部102cは、曳船マスタ106a及び配船情報テーブル106bを参照して、配船情報のうち、曳船マスタ106aでメール通知区分「メール通知有り」に設定されている曳船及び在籍港について、配船情報の配船区分「曳船業者」に設定されているデータを配船結果として配船代行業者システム400にメールで通知する。
【0051】
例えば、図2に示す曳船マスタ106a及び図4図6に示す配船情報の例では、図2に示す曳船マスタ106aにおいて、メール通知区分「メール通知有り」に設定されている曳船及び在籍港は、1行目の曳船コード「A01」、曳船名「A1〇」、在籍港「A:横浜」と、2行目の曳船コード「A02」、曳船名「A2〇」、在籍港「A:横浜」と、3行目の曳船コード「B01」、曳船名「B1△」、在籍港「B:川崎」と、4行目の曳船コード「B01」、曳船名「B1△」、在籍港「B:川崎」であり、このうち、配船区分「曳船業者」に設定されている配船情報は、図5(B)の配船情報であるので、図5(B)の配船情報を配船代行業者システム400にメールで通知する。
【0052】
(S4:配船照会処理)
図7及び図8は、配船照会処理を説明するための図である。照会部102dは、例えば、モニタ114に表示される照会画面上でのオペレータの操作に応じて、指定される照会条件で配船情報テーブル106bからデータを抽出して表示する。照会条件は、日付、港区、在籍港の少なくとも1つを含むことにしてもよい。
【0053】
図7は、配船照会画面の表示例を示しており、図8は、配船情報の例を示している。配船照会画面は、日付、港区(横浜、川崎、千葉)、在籍港(横浜、川崎、千葉)の照会条件を指定するエリアと、照会条件に該当する曳船が日付及び時間単位でグラフィカルに表示される表示エリアと、表示ボタンを備えている。照会条件を指定して、表示ボタンを押すと、図8に示す配船情報から照会条件に合致するデータが読み出されて、表示エリアにグラフィカルに表示される。
【0054】
以上説明したように、本実施の形態によれば、日付、開始時刻、終了時刻、港区、本船、曳船、在籍港、自社の曳船の配船元が他社又は曳船業者かを指定する配船区分を含む配船情報が登録される配船情報テーブル106bと、配船代行業者により曳船業者の曳船を配船した他社配船データを取得して、当該他社配船データに応じた配船情報を配船情報テーブル106bに登録する配船取込部102aと、曳船業者の曳船を配船した配船情報を配船情報テーブルに登録する配船入力部102bと、を備えているので、曳船業者が配船した曳船の結果と、配船代行業者が配船した曳船業者の曳船の結果を同一のデータベースで一元管理することにより、曳船業者の曳船の稼働状況を一元的に把握することが可能となる。
【0055】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0056】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0057】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0058】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0059】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0060】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0061】
また、曳船管理システム100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0062】
例えば、曳船管理システム100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて曳船管理システム100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0063】
また、このコンピュータプログラムは、曳船管理システム100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0064】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0065】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0066】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0067】
また、曳船管理システム100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、曳船管理システム100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0068】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0069】
100 曳船管理システム
102 制御部
102a 配船取込部
102b 配船入力部
102c 通知部
102d 照会部
102e 画面表示制御部
102f マスタメンテ部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 曳船マスタ
106b 配船情報テーブル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
400 配船代行業者システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8