(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-07
(45)【発行日】2025-02-18
(54)【発明の名称】積層フィルムおよびその接着剤
(51)【国際特許分類】
B32B 27/32 20060101AFI20250210BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20250210BHJP
C09J 175/04 20060101ALI20250210BHJP
B65D 65/40 20060101ALI20250210BHJP
B32B 27/28 20060101ALI20250210BHJP
【FI】
B32B27/32 Z
B32B27/00 M
C09J175/04
B65D65/40 D
B32B27/28 101
(21)【出願番号】P 2021531242
(86)(22)【出願日】2019-10-25
(86)【国際出願番号】 US2019058093
(87)【国際公開番号】W WO2020117398
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-10-14
(32)【優先日】2018-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(73)【特許権者】
【識別番号】517222199
【氏名又は名称】ダウ キミカ デ コロンビア ソシエダ・アノニマ
(73)【特許権者】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】マルティネス バレネッチェ、フェリプ
(72)【発明者】
【氏名】カルドナ ジェミネス、エルキン デビット
(72)【発明者】
【氏名】カサルビアス、フアンカルロス
(72)【発明者】
【氏名】ウー、チエ
【審査官】大▲わき▼ 弘子
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-528405(JP,A)
【文献】特表2019-527267(JP,A)
【文献】特表2019-527269(JP,A)
【文献】特開2012-097233(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B1/00-43/00、
C09J1/00-5/10、9/00-201/10、
B65D65/00-65/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム構造体であって、
(a)少なくとも1つの官能化フィルム層であって、前記フィルム構造体中の内部積層として用いられる極性反応性基ポリオレフィン層を含み、前記内部積層が無水マレイン酸をグラフト化したエチレ
ンエチル
アクリレート(MAH-g-EEA)および任意選択の無水マレイン酸をグラフト化したポリエチレン(MAH-g-PE)からなる、官能化フィルム層と、
(b)前記内部積層の表面の少なくとも一部分に存在し、かつ接触する、イソシアネート成分およびポリオール成分を含む積層接着剤組成物であって、前記積層接着剤組成物のグリーンタック値は、0.772ニュートン/センチメートルを超え、前記積層接着剤組成物の前記グリーンタック値はASTM F904-98に従って測定される、積層接着剤組成物と、を含む、フィルム構造体。
【請求項2】
前記少なくとも1つの官能化フィルム層は単層である、請求項1に記載のフィルム構造体。
【請求項3】
前記少なくとも1つの官能化フィルム層は、2つ以上の層の多層を含み、前記2つ以上の層のうち少なくとも1つが、極性反応性基ポリオレフィン層の内部積層であり、前記2つ以上の層のうち少なくとも1つが、外部層である、請求項1に記載のフィルム構造体。
【請求項4】
前記極性反応性基ポリオレフィン層は、グラフト化エチレン極性コポリマー、非極性ポリエチレンとグラフト化エチレン極性コポリマーとの物理的配合物、エチレンビニルアセテート極性コポリマーとグラフト化エチレン極性コポリマーとの物理的配合物、およびグラフト化エチレンエチルアクリレート極性コポリマーとグラフト化エチレン極性コポリマーとの物理的配合物からなる群から選択される、請求項1に記載のフィルム構造体。
【請求項5】
前記積層接着剤組成物は、主としてイソシアネート基を有する二成分積層接着剤組成物である、請求項1に記載のフィルム構造体。
【請求項6】
フィルム構造体を生産するためのプロセスであって、
(i)(a)少なくとも1つのフィルム層であって、前記フィルム構造体中の内部積層として用いられる極性反応性基ポリオレフィン層であり、前記内部積層が無水マレイン酸をグラフト化したエチレ
ンエチル
アクリレート(MAH-g-EEA)および任意選択の無水マレイン酸をグラフト化したポリエチレン(MAH-g-PE)からなる、フィルム層を提供する工程と、
(ii)(b)イソシアネート成分およびポリオール成分を含む積層接着剤組成物であって、前記積層接着剤組成物のグリーンタック値は、0.772ニュートン/センチメートルを超え、前記積層接着剤組成物の前記グリーンタック値はASTM F904-98に従って測定される、積層接着剤組成物を提供する工程と、
(iii)前記積層接着剤組成物を前記内部積層の表面の少なくとも一部分に塗布して、前記内部積層と前記積層接着剤組成物との組み合わせフィルム構造体を形成する工程と、を含む、プロセス。
【請求項7】
積層体であって、
(a)少なくとも1つの官能化フィルム層であって、前記積層体中の内部積層として用いられる極性反応性基ポリオレフィン層であり、前記内部積層が無水マレイン酸をグラフト化したエチレ
ンエチル
アクリレート(MAH-g-EEA)および任意選択の無水マレイン酸をグラフト化したポリエチレン(MAH-g-PE)からなる、官能化フィルム層と、
(b)前記内部積層の表面の少なくとも一部分に存在し、かつ接触する、イソシアネート成分およびポリオール成分を含む積層接着剤組成物であって、前記積層接着剤組成物のグリーンタック値は、0.772ニュートン/センチメートルを超え、前記積層接着剤組成物の前記グリーンタック値はASTM F904-98に従って測定される、積層接着剤組成物と、
(c)少なくとも1つの極性または非極性基材であって、前記基材の表面のうち少なくとも一部分は、前記積層接着剤組成物と接触する、基材と、を含み、
前記少なくとも1つの官能化フィルム層と前記少なくとも1つの極性または非極性基材との間に配置される前記積層接着剤組成物によって、前記少なくとも1つの極性または非極性基材に結合された前記少なくとも1つの官能化フィルム層を含む積層体が形成される、積層体。
【請求項8】
前記極性基材は、ポリエチレンテレフタレート、二軸延伸ポリアミド、金属化ポリエチレンテレフタレート、金属化二軸延伸ポリアミド、およびアルミニウム箔からなる群から選択される、請求項7に記載の積層体。
【請求項9】
前記非極性基材は、ポリプロピレン、ポリエチレン、および二軸延伸ポリアミド、ならびに無延伸ポリプロピレンからなる群から選択される、請求項7に記載の積層体。
【請求項10】
請求項7に記載の積層体から作製されるパウチ、サッシェ、または自立型パウチを含む、積層物品。
【請求項11】
少なくとも第1の層および少なくとも第2の層を含む積層体を生産するためのプロセスであって、
(I)前記少なくとも第1のフィルム層を形成する少なくとも1つの官能化フィルム層であって、前記積層体中の内部積層として用いられる極性反応性基ポリオレフィン層であり、前記内部積層が無水マレイン酸をグラフト化したエチレ
ンエチル
アクリレート(MAH-g-EEA)および任意選択の無水マレイン酸をグラフト化したポリエチレン(MAH-g-PE)からなる、官能化フィルム層を提供する工程と、
(II)前記少なくとも第2のフィルム層を形成する少なくとも1つの極性または非極性フィルム基材を提供する工程と、
(III)ASTM F904-98に従って測定され、0.772のニュートン/センチメートルを超えるグリーンタック値を有する、イソシアネート成分およびポリオール成分を含む積層接着剤組成物を提供する工程と、
(IV)前記積層接着剤組成物を前記少なくとも第1のフィルム層の表面の少なくとも一部分に塗布して、内部フィルム層と積層接着剤組成物との組み合わせを形成する工程と、
(V)前記積層接着剤組成物が前記第1のフィルム層と前記第2のフィルム層との間に配置されるように、前記少なくとも1つの極性または非極性フィルム基材を前記内部フィルム層の前記表面の少なくとも一部分に存在する前記積層接着剤組成物と接触させる工程と、を含み、前記フィルム基材の表面の少なくとも一部分が、前記積層接着剤組成物と接触して、前記内部フィルム層と前記フィルム基材との間に結合をもたらし、積層体を形成する、プロセス。
【請求項12】
結合強度は、層間剥離に対抗する前記積層接着剤組成物が前記層間に配置された状態で前記第1のフィルム層を前記第2のフィルム層から層間剥離させる試みにおいて、前記積層体が層間剥離試験を受けた場合に、前記積層体が少なくとも200g-f/in(0.772N/cm)での測定される接着力に耐えるのに十分である、請求項11に記載のプロセス。
【請求項13】
前記少なくとも第2のフィルム基材層は、ポリエチレンテレフタレート、二軸延伸ポリアミド、金属化ポリエチレンテレフタレート、金属化二軸延伸ポリプロピレン、アルミニウム箔、ポリプロピレン、ポリエチレン、二軸延伸ポリプロピレン、および無延伸ポリプロピレンからなる群から選択される、請求項11に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層フィルムおよび積層フィルムを生産するための積層プロセスに用いられる接着剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブル包装産業では、可能な限り早い方法で市場に参入するために、当該産業で用いられる積層プロセスの生産性を向上させる方法が探し続けられている。ラミネーション産業では、化学的に積極的な製品に一般に使用されるポリエチレンテレフタレート(PET)/ポリエチレン(PE)およびPET/アルミニウム(Al)/PE構造などの最も難しい構造体のいくつかに迅速な積層プロセスを提供する試みとして、溶剤ベースの製品が恒常的に使用されている。しかしながら、フレキシブル包装産業で用いられる積層プロセスにおける制限要因の1つは、積層プロセスで用いられる積層接着剤によって定められる硬化時間である。硬化時間により、積層体を生産するための製造プロセスにおける積層工程の後に、加工販売業者がフィルムロールまたはウェブを処理し得る速度が制限される。積層接着剤の硬化時間は、接着剤の結合強度が増強して、接着剤の最終的な最大結合強度値を達成する速度に影響を及ぼす。通常、加工販売業者は、積層プロセスで用いられるフィルムを生産し得る、またはフィルム製造業者からフィルムを購入し得る。次いで、加工販売業者は、フィルムを印刷し、フィルムを基材に積層して、様々な製品を包装するためのパウチなどの包装物品を作製するために包装ラインで積層体を使用し得るブランドオーナに送達し得る最終的な積層体を作製し得る。
【0003】
「高性能積層接着剤係」、すなわち、高固形分および低分子量を有するポリマー組成物の接着剤系のような積層接着剤としてこれまで使用されてきた既知の接着剤のいくつかは、接着剤系に望ましくない特徴である小さな「グリーンタック」(例えば、(<)0.772ニュートン/センチメートル[N/cm]または200重量グラム/インチ[g-f/in]未満)を有し得る。小さなグリーンタックを有する上記の高固形分、低分子量の接着剤は容易に処理され、フィルム基材に塗布され得るが、接着剤には別のプロセス上の問題が引き起こされ得る。例えば、上記の接着剤を用いた積層フィルムは、「伸縮」し得る(すなわち、フィルムの層が互いにずれる場合がある)。また、小さなグリーンタックを有する接着剤は、プロセスの次の包装生産工程が、次の生産工程に渡されるのに十分な完全性を有するために積層フィルムが十分に接着するのを待たなければならないので、包装製造プロセス全体に遅延を引き起こし得る。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、基材に積層して、包装物品を製造するための製造プロセスにおいて直ちに使用し得る積層体製品を形成し得る、大きなグリーンタック特性(例えば、[>]0.772 N/cmまたは200g-f/inを超える)を有する官能化フィルムと積層接着剤との組み合わせ構造体を提供することによって、従来技術のプロセス問題を解決し得る。したがって、本発明は、(a)適切な単層または多層フィルム構造体と、(b)大きなグリーンタック値を有する異なる官能化ポリマーの適切なポリマー積層接着剤組成物との新規な組み合わせを提供する。積層プロセスにおける成分(a)と(b)との上記の組み合わせの使用により、従来技術の積層プロセスで遭遇する伸縮などの問題が最小限に抑えられるか、または除かれ得る。有利なことに、積層プロセスにおける(a)フィルム構造体と(b)積層接着剤組成物との上記組み合わせの使用により、加工販売業者が積層工程の後に、包装フィルムを生産するためのフィルム構造体を積層体に転化するために、非常に速い後続の転化工程の実行を可能にする。これにより、包装フィルム製造プロセス全体の生産性が向上する。
【0005】
本発明によれば、一実施形態は、(a)フィルム構造体中の内部層として用いられる極性反応性基ポリオレフィン層を含む少なくとも1つの官能化フィルム層と、(b)内部層の表面の少なくとも一部分に存在し、かつ接触する積層接着剤組成物と、を含み、ここで、接着剤組成物のグリーンタック値は、>0.772 N/cm(200g-f/in)である、フィルムと接着剤との組み合わせ構造体に関する。
【0006】
別の実施形態では、本発明は、上記のフィルム/接着剤構造体を生産するためのプロセスに関する。
【0007】
さらに別の実施形態では、本発明は、(a)フィルム構造体中の内部層として用いられる極性反応性基ポリオレフィン層を含む少なくとも1つの官能化フィルム層と、(b)内部層の表面の少なくとも一部分に存在し、かつ接触する積層接着剤組成物であって、接着剤組成物のグリーンタック値は、>0.772 N/cm(200g-f/in)である、積層接着剤組成物と、(c)少なくとも1つの極性または非極性基材であって、基材の表面のうち少なくとも一部分は接着剤組成物と接触する、基材と、を含む積層体に関する。
【0008】
またさらに別の実施形態では、本発明は、上記の積層体を生産するためのプロセスに関する。
【0009】
もっとさらに別の実施形態では、本発明は、>0.772N/cm(200g-f/in)の強力な接着性および大きなグリーンタック値を有する接着剤を用いて作製された包装物品に関する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の多層フィルム構造体を示している概略図である。
【
図2】様々な異なるポリエチレン調合物を備えた、高性能積層接着剤であるADCOTE(商標)L76-205/87-124のグリーンタック値を示している棒チャートのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書における「高性能積層接着剤」とは、一旦、接着剤が完全に硬化され、2つの基材フィルム間に適切に塗布されると、接着剤は、基材フィルムを分離する可能性を回避するために優れた結合強度を発現する、二成分ポリウレタン接着剤を指す。また、接着剤は、ヒートシール(例えば、180℃~220℃)および/もしくは滅菌化などの高い熱応力に耐えることができ、ならびに/または異なる攻撃的な化学物質(例えば、酸、香辛料、界面活性剤、精油、アルコール、過酸化水素)による浸食に耐えることができる。比較すると、「中性能接着剤」、「一般性能接着剤」、または「汎用接着剤」は、2つのフィルム間の接着剤が上記の高性能積層接着剤と同じ影響下に置かれる場合、2つの基材フィルム構造体における接着性を失うことになる。
【0012】
「グリーンタック」または「グリーンボンド」は、接着剤組成物に関して、本明細書では、接着剤を含有する構造体(例えば、フィルム/接着剤/フィルム構造体)が、積層機のニップ部分(ニップは2つのシリンダー間の小さな接触部であり、一方のシリンダーは鋼製であり、他方のシリンダーはゴム製である)を通過した直後に、接着剤によって生じる初期結合強度値を意味する。一般に、高分子量の接着剤は、高い粘度をもたらし、さらには、大きなグリーンボンドをもたらす。
【0013】
「結合強度」は、接着剤組成物に関して、本明細書では、フィルム積層構造体の層間剥離に対抗する力を意味する。結合強度は、接着剤組成物に関し得る。二成分接着剤において、例えば、接着剤組成物の正確な化学量論の選択が重要であり得る。例えば、ポリエステルに富む接着剤は、アルミニウム箔、金属化フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミドなどの極性フィルムに、より強く接着する。そして、例えば、ポリエーテルポリオールの豊富な接着剤は、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの非極性基材に、より強く接着する。
【0014】
「主としてイソシアネート基」または「主としてヒドロキシル基」とは、接着剤組成物に関して、本明細書では、接着剤系中に存在する活性または官能基を意味する。例えば、イソシアネート基は、二成分ポリウレタン接着剤の部分Aに存在する官能基/反応性基であり、二成分ポリウレタン接着剤の部分Bは、(パートAの)イソシアネート基と反応して接着剤を形成する主としてヒドロキシル基を含有する。化学反応は、部分Aと部分Bとを共に配合した後に開始する。
【0015】
「官能化」とは、ポリマー樹脂に関して、本明細書では、官能(極性)基が、「付加された化学的極性機能」を提供する別の極性または非極性ポリマー鎖(例えば、ポリエチレンまたはエチレンコポリマー)に化学的に組み込まれる場合を意味する。
【0016】
本発明の広範な一実施形態は、(a)フィルム構造体中の内部層として用いられる極性反応性基ポリオレフィン層を含む少なくとも1つの官能化フィルム層と、(b)内部層の表面の少なくとも一部分に存在し、かつ接触する積層接着剤組成物と、を含み、ここで、接着剤組成物のグリーンタック値は、>0.772N/cm(200g-f/in)である。
【0017】
積層接着剤組成物と組み合わせて生産されるフィルム構造体は、単層または多層フィルム構造体を含み得る。多層積層フィルム構造体は、いかなる特定の層数にも限定されず、したがって、好適な一実施形態では、フィルム構造体の層数は、例えば、共押出プロセスを用いて作製される1層から13層を含み得る。例えば、フィルム構造体は、フィルム構造体の内部層が極性成分を含有する層であるならば、フィルム構造の任意の層に、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、またはLDPE/LLDPEの配合物のうち1つ以上の層を含み得る。
【0018】
フィルム構造体である成分(a)と組み合わせて用いられる積層接着剤組成物である成分(b)は、(α)少なくとも1つのイソシアネート成分と(β)少なくとも1つのポリオール成分との混和物を含む場合がある。本発明の積層接着剤調合物または組成物のイソシアネート成分(α)は、少なくとも1つのイソシアネート化合物を含み、イソシアネートが接着剤組成物中に存在する主な化合物であり、すなわち、イソシアネート成分(α)の濃度は、ポリオール成分(β)の濃度よりも大きい。
【0019】
例えば、本発明に有用な接着剤は、成分(β)中のヒドロキシル(OH)基の含有量と比較して、成分(α)中のイソシアネート基の含有量を主として含有する。したがって、本発明に従って、本発明の調合物に用いられるイソシアネート化合物である成分(α)の濃度は、調合物中の全成分の総重量に基づいて、一般に、例えば、一実施形態では0.5重量%~10重量%、別の実施形態では1重量%~5重量%、およびさらに別の実施形態では2重量%~3重量%であり得る。
【0020】
主としてイソシアネート含有量を含有し、本発明に有用な接着剤の実施例としては、Adcote L76-205/L87-124などの高性能二成分接着剤、および上記接着剤と他の任意の接着剤との混合物が挙げられる。このような接着剤は、有利なことに、グリーンボンドを速やかに発現する。
【0021】
本発明の接着剤調合物は、有利な特性および利点を有する。例えば、一実施形態では、本発明の接着剤は、接着剤組成物中の主な成分であるイソシアネート成分を含有しない他の接着剤調合物と比較して、グリーンタックの増強を有する。
【0022】
一般に、本発明の接着剤組成物は、例えば、一実施形態では>0.772N/cm(200g-f/in)、別の実施形態では>1.158N/cm(300g-f/in)、およびさらに別の実施形態では>1.544N/cm(400g-f/in)の大きなグリーンタック接着値を有する積層接着剤組成物を含む。他の実施形態では、接着剤組成物のグリーンタック接着値は、例えば、>0.772N/cm(200g-f/in)~1.93N/cm(500g-f/in)の範囲であり得る。
【0023】
本発明の接着剤組成物と接触する積層フィルム層の革新的な設計の1つの利点は、積層プロセス後の積層と接着剤層との間の化学的相互作用に基づいて、接着剤組成物が(1)グリーンタックの急速発現、および(2)より速い結合強度の発現を有することである。例えば、主としてイソシアネート製品が接着剤組成物を形成するために使用される場合、接着剤のグリーンボンド(すなわち、グリーンタック値)は、主としてイソシアネート製品を含有する接着剤に対して、官能化樹脂のない接着剤製品に対してよりも予想外に速く増加する。例えば、官能化の含有量が大きな接着剤組成物は(例えば、以下の本明細書においてInv.Ex.1およびInv.Ex.4[Amplify g-MAh+MAh]に記載されているように)、より大きなグリーンボンドを有し得る。
【0024】
本発明の別の利点は、積層中にOH官能基を有する積層フィルムを設計することで、より良好な瞬時の接着が促進され、接着剤の硬化後に接着力の増強を可能にするのに通常必要とされる数時間または数日の遅延時間がなくなることである。より良好な瞬時の接着力を提供し、遅延時間をなくすことによって、全体的な転化プロセス時間の著しい削減を達成し得る。現在、積層機は、積層接着剤の塗布後に、積層機が後続の転化工程(例えば、スリッティング工程または第2の積層工程)を実施し得る前に、12時間(hr)~24時間待たなければならない。12時間から24時間の間の長い待機時間は、特に、積層プロセスで用いられる低-中分子量(MW)接着剤の小さなグリーンタックに起因し得る。
【0025】
一般に、本発明のフィルム構造体を生産するためのプロセスは、
(i)(a)のフィルム構造体中の内部層として用いられる極性反応性基ポリオレフィン層を含む少なくとも1つの官能化フィルム層を提供する工程と、
(ii)(b)の>0.772N/cm(200g-f/in)のグリーンタック値を有する積層接着剤組成物を提供する工程と、
(iii)積層接着剤組成物を内部層の表面の少なくとも一部分に塗布して、内部層と積層接着剤組成物フィルム構造体との組み合わせを形成する工程と、を含む。
【0026】
フィルム構造体を作製するプロセスは、共押出プロセスおよび装置などの当業者に公知のあらゆる層作製装置およびプロセスを含み得る。
【0027】
一般に、積層体は、(a)フィルム構造体中の内部層として用いられる極性反応性基(官能化)ポリオレフィン層を含む少なくとも1つの機能性フィルム層と、(b)内部層の表面の少なくとも一部分に存在し、かつ接触する積層接着剤組成物であって、接着剤組成物のグリーンタック値は、>0.772N/cm(200g-f/In)である、積層接着剤組成物と、(c)少なくとも1つの極性または非極性基材であって、基材の表面のうち少なくとも一部分は接着剤組成物と接触する、基材と、を含み得る。
【0028】
図1を参照すると、積層体を形成する複数の層が示されており、全体として数字10で表されている。上述のように、全体として数字20で表されるフィルム構造体は、単層、例えば、内部層および外部層として両方の役目を担い得る層21であり得る。
図1に示す実施形態では、フィルム構造体20は、別個の異なる外部層22に接着された内部層21を含む。
図1には示されていないが、本発明の別の実施形態は、内部層21と外部層22との間に挟まれた任意の複数の層を含み得る。
図1に示すように、接着剤層31を内部表面21に塗布し、基材41を接着剤層31に接触させて、接着剤31および内部層21を介して基材をフィルム構造体20に接着させる。層20、31および41は、共に圧縮されて多層積層体10を形成し得る。
【0029】
以上、本発明の組み合わせフィルム/接着剤構造体について説明してきた。接着剤がフィルム層に塗布されると、基材である構成材(c)は、接着面を介してフィルム/接着構造体と接触させ得る。
【0030】
積層体を生産するために本発明に有用な基材は、例えば、少なくとも1つの極性または非極性基材であり得る。上記のフィルム/接着剤の組み合わせと接触させるのに有用な極性基材の例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸ポリアミド(BOPA)、金属化ポリエチレンテレフタレート(metPET)、金属化BOPP、およびアルミニウム箔を挙げ得る。上記のフィルム/接着剤の組み合わせと接触させるのに有用な非極性基材の例は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、およびBOPP、ならびに無延伸ポリプロピレン(cPP)フィルムであり得る。
【0031】
上記の積層体を生産するためのプロセスは、
(I)(a)のフィルム構造体中の内部層として用いられる極性反応性基ポリオレフィン層を含む少なくとも1つの官能化フィルム層を提供する工程と、
(II)(b)の>0.772N/cm(200g-f/in)のグリーンタック値を有する積層接着剤組成物を提供する工程と、
(III)少なくとも1つの極性または非極性基材を提供する工程と、
(IV)積層接着剤組成物を内部層の表面の少なくとも一部分に塗布して、内部層と積層接着剤組成物フィルム構造体との組み合わせを形成する工程と、
(V)少なくとも1つの極性または非極性基材を、内部層上に存在する接着剤組成物と接触させる工程と、を含み、ここで、基材の表面の少なくとも一部分は、接着剤組成物と接触して、内部層に接着された基材との間に強力な結合を実現し、積層体を形成し得る。
【0032】
積層体を生産するプロセスは、接着剤が溶剤に溶解するドライラミネートのような当業者に公知の積層体作製装置およびプロセスのいずれかを含み得て、その場合、接着剤含有溶剤は、積層されるウェブのうち1つに塗布され、その次に、溶剤は、ウェブの表面上に塗布された結合剤含有溶剤を有するウェブから蒸発する。蒸発は、乾燥オーブン内で行われて、第1の乾燥ウェブを提供し得る。次に、第1の乾燥ウェブは、加熱ローラーによって加えられる強い圧力下で別の第2のウェブに積層されて、2つのウェブとの間に永久的な結合を提供する。
【0033】
本発明に従って生産された積層体は、有利なことに、いくつかの有利な特性および利点を有する。一実施形態では、例えば、積層体は接着剤とフィルムとの組み合わせによって示される大きなグリーンタックのために、接着剤の長い硬化時間を待つ必要がなく、包装物品などの物品を作製するのに直ちに使用され得る。
【0034】
別の実施形態では、本発明は、強力な結合、および>0.772N/cm(200g-f/in)のグリーンタック値を有する接着剤を使用して製造された、上記の積層体を使用して作製される包装物品に関する。包装物品の例としては、枕型パウチ、自立型パウチ、バッグ、サッシェ、他の積層ウェブなどが挙げられる。
【0035】
包装物品を作製するプロセスは、垂直形成/充填/封止(VFSS)、水平形成/充填/封止(HFFS)、製袋自立型パウチ(SUP)、および形成/充填/封止自立型パウチ(FFS SUP)機械など、当業者に公知の包装作製装置およびプロセスのいずれかを含み得る。
【0036】
本発明に従って作製されたフィルム構造体および積層体は、例えば、ポリエステル/箔/PE、紙/ポリ/箔、BOPP/箔/PE、もしくはBOPP/金属化PP/PE、BOPP、もしくはcPPのような2、3以上の層で生産された食品または非食品の積層包装、またはPET/箔/PE、BOPP/箔/PE、PET/BOPP/PEのような3つの基材または同様の基材をインラインで積層し得る三重またはタンデム積層プロセスを使用して実行される積層体を含む、様々な用途に有用であり得る。
【実施例】
【0037】
以下の実施例は、本発明をさらに詳細に説明するために提示されるが、特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。他に指示がない限り、すべての部およびパーセンテージは重量による。
【0038】
実施例で用いられる様々な原料を以下の表Iに記載する。
【表1】
【0039】
実施例1~4および比較実施例A
以下の本発明の実施例(Inv.Ex.)および比較実施例(Comp.Ex.)では、溶剤型接着剤を使用して、(1)エチレンエチルアクリレート(EEA)、(2)エチレンビニルアセテート(EVA)および(3)無水マレイン酸(MAH)基に基づく基材を含むいくつかの官能化基材にPET層を積層(および結合)した。接着剤のグリーンタック(積層10分後の結合強度)に関する基材の効果を評価した。
【0040】
表IIに記載されている樹脂調合物を有する5つの異なるフィルムを、5層共押出ラインを用いて押出した。実験室積層機(Labo Combi machine)を用いて、フィルムをポリエチレンテレフタレート(PET)基材(12ミクロン厚)に積層し、コロナ処理されたフィルムの表面に3gの接着剤を塗布する前に、フィルムの側面の1つをコロナ処理した。次に、3gの高固形分高性能二成分接着剤であるADCOTE(商標)L76-205/87-124をコロナ処理されたフィルムの表面に塗布した。実施例では、グリーンタックに関連した接着性能に関する官能化フィルムの効果を理解するために、高固形分接着剤を使用した。実施例で用いられた接着剤であるADCOTE(商標)L76-205/87-124の混合比および化学組成を表IIIに記載する。
【表2】
【表3】
【0041】
方法A-AMPLIFY(商標)EA101-g-MAHの作製方法
Amplify EAは、エチレンエチルアクリレート(EEA)コポリマーである。このコポリマーは、コポリマーの官能性を高めるために、約1%の無水マレイン酸(MAH)基でグラフト化し得る。EEA、EVAまたはEMAコポリマーなどのコポリマーは極性を有し、接着剤層と極性-極性(非反応性)相互作用を形成する傾向がある。しかしながら、MAHグラフトコポリマーのMAH-g-基部分は、接着剤中のいかなる過剰なポリオールとも共有結合を形成する傾向がある。
【0042】
AMPLIFY(商標)EA 101-g-MAHの製品説明は、表IVに記載されており、AMPLIFY(商標)EA 101-g-MAHを調製するプロセスは、反応性押出プロセスを用いてポリマーを無水マレイン酸(MAH)基でグラフト化することによって実行され得る。
【0043】
中強度スクリューを有する92mmの同方向回転二軸押出機を反応性押出成形に使用する。調合物は、ベースポリマー(例えば、AMPLIFY(商標)EA 101、無水マレイン酸(MAH)、99%)および2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン(DBPH、過酸化物(POX))からなる。POXは、鉱油で(例えば、1:1の比で)希釈されて、供給材料の処理および供給の容易さを向上させる。MAH供給濃度は、1.4重量%~1.5重量%であり、過酸化物供給濃度は、330ppm~650ppmである。押出成形機は、475rpm~630rpmのスクリュー速度を伴う862kg/時間~953kg/時間の速度で操作される。グラフト化のための押出機の(℃における)温度プロファイルを表Vに示す。
【表4】
【表5】
【0044】
グリーンタック結合強度-測定方法
接着剤のグリーンタックボンド特性は、ASTM F904-98に記載されている手順に従って、Instron Tensile machineを用いて測定され得る。手順に従って、積層構造体の2つの側面を機械ジョーによって保持し、その後、積層構造体を一軸方向に延伸する。データは、各サンプルについて2回のサンプル測定を行うことによって得られ、次いで、データは平均値およびグラフィックスを報告するコンピュータを使用して分析される。グリーンタック特性は、積層構造体が積層を経て10分後に測定される。
【0045】
図2のグラフでは、高固形分接着剤であるADCOTE(商標)L76-205/87-124を、異なるPE調合物と共に使用した場合のグリーンタック値が示されている。全官能化フィルム層基材(Inv.Ex.1、Inv.Ex.2、Inv.Ex.3およびInv.Ex.4)をComp.Ex.A(参照樹脂:添加剤を含ない50ミクロン厚の100%ELITE(商標)5400)と比較した場合には、グリーンボンド値において16%から86%の非常に著しい増加が見出された。1%のg-MAHでグラフト化された100% AMPLIFY EA101の接着剤で生産されるInv.Ex.1のフィルム層基材は、積層したちょうど10分後に測定した場合、364g-f/インチの最大のグリーンタック値を有した。高固形分高性能二成分接着剤は、86%のグリーンタック値を示した。このInv.Ex.1の積層体の予想外の挙動は、当業者が、これまで不可能であった(1)タンデム(三重)積層または(2)オンライン積層および切断を使用することを可能にする。Inv.Ex.4のサンプルも、44%のグリーンボンド値の増加を示した。要約すると、
図2に示すように、上記のグリーンタック試験の結果は、コポリマーAmplify EA(MAHの1%)および「コポリマーEA+Amplify 1057」(配合物中のMAHが1%)の配合物がComp.Ex.と比較した場合、積層に対してより良好なグリーンボンドを与えることを実証する。
本発明は以下の態様を包含する。
[1]
フィルム構造体であって、
(a)少なくとも1つの官能化フィルム層であって、前記フィルム構造体中の内部積層として用いられる極性反応性基ポリオレフィン層を含む、官能化フィルム層と、
(b)前記内部積層の表面の少なくとも一部分に存在し、かつ接触する積層接着剤組成物であって、前記接着剤組成物のグリーンタック値は、0.772ニュートン/センチメートルを超える、積層接着剤組成物と、を含む、フィルム構造体。
[2]
前記少なくとも1つの官能化フィルム層は単層である、[1]に記載のフィルム構造体。
[3]
前記少なくとも1つの官能化フィルム層は、2つ以上の層の多層を含み、前記2つ以上の層のうち少なくとも1つが、極性反応性基ポリオレフィン層の内部層であり、前記2つ以上の層のうち少なくとも1つが、外部層である、[1]に記載のフィルム構造体。
[4]
前記極性活性基ポリオレフィン層は、グラフト化エチレン極性コポリマー、非極性ポリエチレンとグラフト化エチレン極性コポリマーとの物理的配合物、エチレンビニルアセテート極性コポリマーとグラフト化エチレン極性コポリマーとの物理的配合物、およびグラフト化エチレンエチルアクリレート極性コポリマーとグラフト化エチレン極性コポリマーとの物理的配合物からなる群から選択される、[1]に記載のフィルム構造体。
[5]
前記積層接着剤組成物は、主としてイソシアネート基を有する高固形分である高性能二成分積層接着剤組成物である、[1]に記載のフィルム構造体。
[6]
フィルム構造体を生産するためのプロセスであって、
(i)(a)の少なくとも1つのフィルム層であって、前記フィルム構造体中の内部層として用いられる極性反応性基ポリオレフィン層である、フィルム層を提供する工程と、
(ii)(b)のグリーンタック値を有する積層接着剤組成物を提供する工程と、
(iii)前記積層接着剤組成物を前記内部層の表面の少なくとも一部分に塗布して、前記内部層と前記積層接着剤組成物との組み合わせフィルム構造体を形成する工程と、を含む、プロセス。
[7]
積層体であって、
(a)少なくとも1つの官能化フィルム層であって、前記積層体中の内部層として用いられる極性反応性基ポリオレフィン層である、官能化フィルム層と、
(b)前記内部層の表面の少なくとも一部分に存在し、かつ接触する積層接着剤組成物であって、前記積層接着剤組成物のグリーンタック値は、0.772ニュートン/センチメートルを超える、積層接着剤組成物と、
(c)少なくとも1つの極性または非極性基材であって、前記基材の表面のうち少なくとも一部分は、前記接着剤組成物と接触する、基材と、を含み、
前記少なくとも1つの官能化フィルム層と前記少なくとも1つの極性または非極性基材との間に配置される前記積層接着剤組成物によって、前記少なくとも1つの極性または非極性基材に結合された前記少なくとも1つの官能化フィルム層を含む積層体が形成される、積層体。
[8]
前記極性基材は、ポリエチレンテレフタレート、二軸延伸ポリアミド、金属化ポリエチレンテレフタレート、金属化二軸延伸ポリアミド、およびアルミニウム箔からなる群から選択される、[7]に記載の積層体。
[9]
前記非極性基材は、ポリプロピレン、ポリエチレン、および二軸延伸ポリアミド、ならびに無延伸ポリプロピレンからなる群から選択される、[7]に記載の積層体。
[10]
[7]に記載の積層体から作製されるパウチ、サッシェ、自立型パウチまたは他の袋部材を含む、積層物品。
[11]
少なくとも第1の層および少なくとも第2の層を含む積層体を生産するためのプロセスであって、
(I)前記少なくとも第1のフィルム層を形成する少なくとも1つの官能化フィルム層であって、前記積層体中の内部層として用いられる極性反応性基ポリオレフィン層である、官能化フィルム層を提供する工程と、
(II)前記少なくとも第2のフィルム層を形成する少なくとも1つの極性または非極性フィルム基材を提供する工程と、
(III)0.772のニュートン/センチメートルを超えるグリーンタック値を有する積層接着剤組成物を提供する工程と、
(IV)前記積層接着剤組成物を前記少なくとも第1のフィルム層の表面の少なくとも一部分に塗布して、内部フィルム層と積層接着剤組成物との組み合わせを形成する工程と、
(V)前記接着剤組成物が前記第1のフィルム層と前記第2のフィルム層との間に配置されるように、前記少なくとも1つの極性または非極性フィルム基材を前記内部フィルム層の前記表面の少なくとも一部分に存在する前記接着剤組成物と接触させる工程と、を含み、前記フィルム基材の表面の少なくとも一部分が、前記接着剤組成物と接触して、前記内部フィルム層と前記フィルム基材との間に結合をもたらし、積層体を形成する、プロセス。
[12]
結合強度は、層間剥離に対抗する前記接着剤組成物が前記層間に配置された状態で前記第1のフィルム層を前記第2のフィルム層から層間剥離させる試みにおいて、前記積層体が層間剥離試験を受けた場合に、前記積層体が少なくとも200g-f/inでの測定される接着力に耐えるのに十分である、[11]に記載のプロセス。
[13]
前記少なくとも第2のフィルム基材層は、ポリエチレンテレフタレート、二軸延伸ポリアミド、金属化ポリエチレンテレフタレート、金属化二軸延伸ポリプロピレン、アルミニウム箔、ポリプロピレン、ポリエチレン、二軸延伸ポリプロピレン、および無延伸ポリプロピレンからなる群から選択される、[11]に記載のプロセス。
[14]
[11]に記載のプロセスによって作製されるパウチ、サッシェ、自立型パウチ、または他の袋部材。