(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-07
(45)【発行日】2025-02-18
(54)【発明の名称】足場を触媒的にコーティングするためのプロセス
(51)【国際特許分類】
B01J 37/02 20060101AFI20250210BHJP
B01J 21/10 20060101ALI20250210BHJP
B01J 21/18 20060101ALI20250210BHJP
B01J 23/02 20060101ALI20250210BHJP
B01J 23/44 20060101ALI20250210BHJP
B01J 23/46 20060101ALI20250210BHJP
B01J 23/755 20060101ALI20250210BHJP
B01J 27/232 20060101ALI20250210BHJP
B01J 29/04 20060101ALI20250210BHJP
B01J 31/24 20060101ALI20250210BHJP
B01J 35/60 20240101ALI20250210BHJP
B01J 35/61 20240101ALI20250210BHJP
B05D 1/18 20060101ALI20250210BHJP
B05D 1/28 20060101ALI20250210BHJP
B05D 3/00 20060101ALI20250210BHJP
B05D 7/14 20060101ALI20250210BHJP
B05D 7/24 20060101ALI20250210BHJP
C07B 31/00 20060101ALI20250210BHJP
C07C 29/14 20060101ALI20250210BHJP
C07C 29/17 20060101ALI20250210BHJP
C07C 31/125 20060101ALI20250210BHJP
C07C 31/20 20060101ALI20250210BHJP
C07C 33/03 20060101ALI20250210BHJP
C07C 33/035 20060101ALI20250210BHJP
C07C 33/20 20060101ALI20250210BHJP
C07C 35/12 20060101ALI20250210BHJP
C07C 67/283 20060101ALI20250210BHJP
C07C 69/14 20060101ALI20250210BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20250210BHJP
【FI】
B01J37/02 301D
B01J21/10 Z
B01J21/18 Z
B01J23/02 Z
B01J23/44 Z
B01J23/46 301Z
B01J23/755 Z
B01J27/232 Z
B01J29/04 Z
B01J31/24 Z
B01J35/60 G
B01J35/61
B01J37/02 301E
B05D1/18
B05D1/28
B05D3/00 B
B05D3/00 D
B05D7/14 P
B05D7/24 301E
B05D7/24 303B
C07B31/00
C07C29/14
C07C29/17
C07C31/125
C07C31/20 B
C07C33/03
C07C33/035
C07C33/20
C07C35/12
C07C67/283
C07C69/14
C07B61/00 300
(21)【出願番号】P 2021576137
(86)(22)【出願日】2020-05-11
(86)【国際出願番号】 AU2020050464
(87)【国際公開番号】W WO2020252516
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2023-05-10
(32)【優先日】2019-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】590003283
【氏名又は名称】コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガナイゼーション
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】シエ、ゾンリー
(72)【発明者】
【氏名】ホーナング、クリスティアン・ハラルド
(72)【発明者】
【氏名】ン、チュン・チャン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、シンドン
【審査官】森坂 英昭
(56)【参考文献】
【文献】特開昭50-124891(JP,A)
【文献】特表2019-501764(JP,A)
【文献】特開2015-120135(JP,A)
【文献】MORAIS F.S. Daniela et al.,Advances in bromate reduction by heterogeneous photocatalysis: The use of a static mixer as photocatalyst support,Applied Catalysis B: Environmental,Elsevier,2019年02月27日,Volume 249,pp 322-332,DOI:10.1016/j.apcatb.2019.02.070
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00 - 38/74
B05D 7/24
B05D 1/28
B05D 1/18
B05D 3/00
B05D 7/14
C07B 31/00
C07C 69/14
C07C 67/283
C07C 33/20
C07C 29/14
C07C 29/17
C07C 35/12
C07C 31/20
C07C 33/035
C07C 31/125
C07C 33/03
C07B 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒的にコーティングされた足場を調製するためのプロセスであって、
前記プロセスは、以下のステップ:
すなわち、
(i)
触媒性液体懸濁液を足場の表面に適用して、前記コーティングされる足場の表面上に触媒反応性部位を含むコーティングを提供することと、ここで、前記触媒性液体懸濁液は、複数のエクスサイチュ触媒粒子を含む液体担体を含み、前記コーティングされた足場は、1つ以上の流体反応物を、その流れ及び反応の間に分散及び混合するように構成された複数の通路を含む非見通し線構成を有し、前記適用することは、
前記コーティングされた足場の長手方向軸に沿った所定の長さにおける回数に対応する200m
-1
を超える回数で、局所的な流れの方向を変更するか、又は局所的な流れを分割することにより、前記流体を、前記流れの
主流を横切る方向に再分配することによるもので
あり、及び
(ii)
エクスサイチュ触媒粒子を含むコーティングされた足場を提供するために、前記液体担体を除去するべく、前記コーティングされた足場を乾燥させることと、
を
備え、
ステップ(i)における前記触媒性液体懸濁液を前記足場の表面に適用するステップは、ウォッシュコーティング又はディップコーティングによるものであり、
前記足場のアスペクト比(L/d)は、少なくとも
15であり、
前記足場がスタティックミキサー足場であり、
前記
エクスサイチュ触媒粒子は、前記足場の表面に堆積する前にそれらの最終形態になっている、プロセス。
【請求項2】
前記スタティックミキサーの表面が、ステップ(i)の前に、支持材料及び任意選択で結合剤にてプレコーティングされる、請求項
1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記触媒性液体懸濁液が結合剤をさらに含む、請求項1
又は2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記プロセスが、ステップ(i)において前記触媒性液体懸濁液を前記足場の表面に適用する前の前処理ステップをさらに
備え、前記前処理ステップは、化学処理、陽極酸化、溶融めっき、真空めっき、塗装、溶射、及び酸エッチングから選択された足場の表面への少なくとも1つの表面処理ステップを含む、請求項1~
3のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記
エクスサイチュ触媒粒子が、触媒材料又は支持材料上の
前記触媒材料を含む触媒担持材料から形成される、請求項1~
4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記触媒材料が、金属、金属酸化物、ケイ酸アルミニウム、活性炭、メソポーラスカーボン、グラフェン、黒鉛材料、金属有機構造体、ゼオライト、又はそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項
5に記載のプロセス。
【請求項7】
前記金属が、アルミニウム、鉄、セリウム、カルシウム、コバルト、銅、マグネシウム、亜鉛、ニッケル、パラジウム、白金、金、ケイ素、銀、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、チタン、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、及びクロム、又はそれらの金属酸化物のうちの少なくとも1つから選択される請求項
6に記載のプロセス。
【請求項8】
前記支持材料が、活性炭、メソポーラスカーボン、グラフェン、黒鉛材料、金属有機構造体、ゼオライト、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、セラミック、塩化マグネシウム、炭酸カルシウム又は酸化二カリウムのうちの少なくとも1つから選択される、請求項
2~
7のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記触媒担持材料が、酸化アルミニウム上のルテニウム、酸化アルミニウム上のパラジウム、炭酸カルシウム上の鉛被毒パラジウム、酸化アルミニウム上の鉄、酸化アルミニウム上の銀、シリカジフェニルホスフィンパラジウム、ケイ酸チタン上のパラジウム、炭素上のパラジウム、ニッケル修飾酸化アルミニウム
、酸化ケイ素、又はゼオライトのうちの少なくとも1つから選択される、請求項
5~
8のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項10】
前記触媒性液体懸濁液用の前記結合剤が、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、縮合樹脂、ポリビニルアセテート、ポリ(アクリル酸)ナトリウム塩、ポリビニリデンフルオリド、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、デキストリン、ケイ酸ナトリウム、コロイド状シリカ、ポリジメチルシロキサン、ベーマイト、コロイド状酸化アルミニウム、又はポリイソブチレンを含む群から選択される、請求項
2~
9のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項11】
前記結合剤が、前記触媒性液体懸濁液の総重量に基づいて、約0.3重量%~約5重量%の間の濃度で添加される、請求項1
0に記載のプロセス。
【請求項12】
前記液体担体が、水、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、酢酸エチル、アセトン、又はそれらの組み合わせを含む群から選択される、請求項1~1
1のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項13】
前記触媒性液体懸濁液が、約3重量%~約28重量%の間の固形分を有する、請求項1~1
2のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項14】
前記コーティングの厚さが、約1μm~約50μmの間である、請求項1~1
3のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項15】
前記触媒の表面積が、約1m
2/g
~約1000m
2/
gの間である、請求項1~1
4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項16】
前記コーティングの接着が、超音波処理試験によって測定されたときに、約0.5重量%未満のコーティングの総質量損失をもたらす、請求項1~1
5のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項17】
前記足場が金属、金属合金、サーメット、炭素繊維、炭化ケイ素又はポリマーである、請求項1~1
6のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項18】
前記足場が金属足場である、請求項1
7に記載のプロセス。
【請求項19】
前記金属足場の前記金属又は金属合金が、チタン、アルミニウム又はステンレス鋼である、請求項1
8に記載のプロセス。
【請求項20】
前記エクスサイチュ触媒粒子が約5μm未満である、請求項1~
19のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項21】
前記乾燥
させるステップが以下のステップ:
すなわち、
(a)約15℃
~約30
℃の間の範囲の第1の温度を
コーティングされた前記足場の表面に対して、約4~24時間の第1の期間適用して、前記触媒性液体懸濁液から揮発性物質の少なくとも一部を揮発させること
と、
(b)前記足場の表面に乾燥コーティングが形成されるように、制御された雰囲気下で約100℃
~約180℃の間の範囲の第2の温度を、約4~24時間の第2の期間適用すること
と、
を含む
、請求項1~20のいずれか1項に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、足場をコーティングするためのプロセス、特に、触媒性液体懸濁液を使用してスタティックミキサーの足場をコーティングするためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
連続フロー化学反応器は、一般に、管状、ダクト、プレート型チャネルまたはチップ型チャネル反応チャンバを含み、反応流体はこの反応チャンバに連続的に供給されて化学反応を受け、この反応チャンバから流出する生成物を連続的に形成する。反応チャンバは通常、電気的に、または再循環加熱/冷却流体により、例えばシェルアンドチューブ式熱交換器構成で加熱されて、反応への熱伝達/反応からの熱伝達を促進する。
【0003】
触媒性反応で使用される連続フロー反応器は、通常、反応チャンバが、化学反応が起こり得る触媒面を提供する固体触媒粒子で充填される、充填層反応チャンバを使用する。充填層反応チャンバと接触する前に、及びこれらのチャンバの下流において、スタティックミキサーを使用して流体流を事前に混合して、反応管の中央領域と外側領域との間で熱を移動させる。スタティックミキサーは、流体の流れを遮断する固体構造を備え、これにより、充填層反応チャンバでの反応の前に反応物の混合が促進され、これらのチャンバの下流において望ましいパターンの熱伝達が促進される。
【0004】
化学反応物及び/または電気化学反応物のより効率的な混合、熱伝達、及び触媒性反応を提供することができる、触媒性のスタティックミキサー技術の柔軟性及び有用性などの、種々の所望される特性を提供し得る、触媒的にコーティングされた足場のため、及び具体的にはスタティックミキサーの足場において、代替的の改善されたプロセスが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本発明者らは、代替の触媒堆積方法の重要な研究開発に着手し、得られるスタティックミキサーが連続フロー化学反応器で使用され得るように、スタティックミキサー足場の表面に触媒表面を提供し得ることを確認した。
【0006】
一態様では、触媒的にコーティングされた足場を調製するためのプロセスが提供され、これは以下のステップを含む:(i)触媒性液体懸濁液を足場の表面に適用することであって、コーティングされた足場の表面上に触媒反応性部位を含むコーティングを提供し、ここで、この触媒性液体懸濁液が、複数のエクスサイチュ触媒粒子を含む液体担体を含み、このコーティングされた足場は、1つ以上の流体反応物を、その流動及び反応中に、分散及び混合するように構成された複数の通路を含む非見通し線構成を有する、提供すること、及び(ii)このコーティングされた足場を乾燥させて液体担体を除去し、エクスサイチュ触媒粒子を含むコーティングされた足場を提供すること。一実施形態では、この足場はスタティックミキサーであり得る。一実施形態では、このスタティックミキサーの表面は、ステップ(i)の前に、支持材料及び任意選択で結合剤にてプレコーティングされ得る。一例では、触媒性液体懸濁液は、結合剤をさらに含む。一実施形態では、ステップ(i)において足場の表面に触媒性液体懸濁液を適用するステップは、ウォッシュコーティングによるものであっても、またはディップコーティングによるものであってもよい。
【0007】
別の実施形態では、プロセスは、ステップ(i)において触媒性液体懸濁液を足場の表面に適用する前の前処理ステップを含み、この前処理ステップは、化学処理、陽極酸化、溶融めっき、真空めっき、塗装、溶射、及び酸エッチングから選択される足場の表面への少なくとも1つの表面処理ステップであり得る。
【0008】
ある実施形態では、触媒粒子は、支持体材料上の触媒材料または触媒材料を含む触媒担持材料から形成される。触媒材料は、金属、金属酸化物、ケイ酸アルミニウム、活性炭、メソポーラスカーボン、グラフェン、黒鉛材料、金属有機構造体、ゼオライト、またはそれらの任意の組み合わせから選択され得る。例えば、金属は、アルミニウム、鉄、セリウム、カルシウム、コバルト、銅、マグネシウム、亜鉛、ニッケル、パラジウム、白金、金、ケイ素、銀、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、チタン、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、及びクロム、またはそれらの金属酸化物のうちの少なくとも1つから選択され得る。
【0009】
触媒担持材料は、酸化アルミニウム上のルテニウム、酸化アルミニウム上のパラジウム、炭酸カルシウム上の鉛被毒パラジウム、酸化アルミニウム上の鉄、酸化アルミニウム上の銀、シリカジフェニルホスフィンパラジウム、ケイ酸チタン上のパラジウム、炭素上のパラジウム、ニッケル修飾酸化アルミニウム 酸化ケイ素、またはゼオライトのうちの少なくとも1つから選択され得る。
【0010】
支持材料は、活性炭、メソポーラスカーボン、グラフェン、黒鉛材料、金属有機構造体、ゼオライト、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、セラミック、塩化マグネシウム、炭酸カルシウムまたは酸化二カリウムのうちの少なくとも1つから選択され得る。触媒材料を、支持材料として使用する場合、触媒材料及び支持材料は異なるであろう。
【0011】
一実施形態では、触媒性液体懸濁液中の触媒粒子の濃度は、触媒性液体懸濁液の総重量に基づいて10重量%未満であり得る。
【0012】
別の実施形態において、触媒性液体懸濁液用の結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、縮合樹脂、ポリビニルアセテート、ポリ(アクリル酸)ナトリウム塩、ポリビニリデンフルオリド、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、デキストリン、ケイ酸ナトリウム、コロイド状シリカ、ポリジメチルシロキサン、ベーマイト、コロイド状酸化アルミニウム、またはポリイソブチレンを含む群から選択され得る。結合剤は、触媒性液体懸濁液の総重量に基づいて、約0.3重量%~約5重量%の間の濃度で添加され得る。
【0013】
一実施形態では、液体担体は、水、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、酢酸エチル、アセトン、またはそれらの組み合わせを含む群から選択され得る。
【0014】
一実施形態では、触媒性液体懸濁液は、約3重量%~約28重量%の間の固形分を有し得る。コーティングの厚さは、約1μm~約50μmの間であり得る。触媒の表面積は、約1m2/g~約1000m2/gの間であり得る。コーティングの接着性は、超音波処理試験によって測定した場合、約0.5重量%未満のコーティングの総質量損失をもたらし得る。
【0015】
一実施形態では、足場は、金属、金属合金、サーメット、炭素繊維、炭化ケイ素、またはポリマーであってもよい。ある実施例では、足場は金属足場であってもよい。例えば、金属足場の金属または金属合金は、チタン、アルミニウム、またはステンレス鋼である。
【0016】
一実施形態では、足場のアスペクト比(L/d)は、少なくとも75であり得る。
【0017】
別の実施形態では、エクスサイチュ触媒粒子は、約5μm未満であり得る。
【0018】
一実施形態では、プロセスは、乾燥ステップ及び/または活性化ステップをさらに含み得る。乾燥ステップは、以下のステップを含み得る:(a)約15℃から約30℃の範囲の第1の温度を、足場のコーティングされた表面に、約4~24時間の第1の期間適用して、触媒性液体懸濁液からの揮発性物質の少なくとも一部を揮発させること、及び(b)足場の表面に乾燥コーティングが形成されるように、制御された雰囲気下で約100℃~約180℃の範囲の第2の温度を約4~24時間の第2の期間適用すること。
【0019】
別の態様では、本明細書で定義される触媒的にコーティングされた足場を調製するためのプロセスによって調製される触媒的にコーティングされた足場が提供される。
【0020】
別の態様では、足場上のコーティングを含む触媒的にコーティングされた足場が提供され、このコーティングは、複数の触媒粒子を含み、このコーティングされた足場は、1つ以上の流体反応物を、その流れ及び反応中に分散及び混合するために構成された複数の通路を含む非見通し線構成を有する。一実施形態では、コーティングは、支持材料及び任意選択で結合剤を含む。
【0021】
一実施形態では、触媒粒子は、金属、金属酸化物、ケイ酸アルミニウム、活性炭、メソポーラスカーボン、グラフェン、黒鉛材料、金属有機構造体、ゼオライト、またはそれらの任意の組み合わせから選択され得る。触媒粒子は、アミニウム、鉄、セリウム、カルシウム、コバルト、銅、マグネシウム、亜鉛、ニッケル、パラジウム、白金、金、ケイ素、銀、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、チタン、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、及びクロム、またはそれらの金属酸化物のうちの少なくとも1つから選択され得る。
【0022】
ある実施形態では、支持材料は、活性炭、メソポーラスカーボン、グラフェン、黒鉛材料、金属有機構造体、ゼオライト、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、セラミック、塩化マグネシウム、炭酸カルシウムまたは酸化二カリウムのうちの少なくとも1つから選択され得る。
【0023】
ある実施形態では、触媒担持材料は、酸化アルミニウム上のルテニウム、酸化アルミニウム上のパラジウム、炭酸カルシウム上の鉛被毒パラジウム、酸化アルミニウム上の鉄、酸化アルミニウム上の銀、シリカジフェニルホスフィンパラジウム、ケイ酸チタン上のパラジウム、炭素上のパラジウム、ニッケル修飾酸化アルミニウム 酸化ケイ素、またはゼオライトのうちの少なくとも1つから選択され得る。
【0024】
ある実施形態では、結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、縮合樹脂、ポリビニルアセテート、ポリ(アクリル酸)ナトリウム塩、ポリビニリデンフルオリド、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、デキストリン、ケイ酸ナトリウム、コロイド状シリカ、ポリジメチルシロキサン、ベーマイト、コロイド状酸化アルミニウム、またはポリイソブチレンを含む群から選択され得る。
【0025】
一実施形態では、触媒粒子は5μm未満であり得る。コーティングの厚さは、約1μm~約50μmの間であり得る。
【0026】
一実施形態では、コーティングされた足場は、コーティングされたスタティックミキサー足場であってもよい。
【0027】
別の態様では、1つ以上の流体反応物の反応に使用するための連続フロー化学反応器が提供され、この反応器は、本明細書で定義されるプロセスによって調製される1つ以上の触媒的にコーティングされた足場または本明細書で定義される触媒的にコーティングされた足場を含む。1つ以上の流体反応物は、連続的な流体の流れとして提供され得る。連続的な流体の流れは、少なくとも1つの液相によって提供され得る。
【0028】
別の態様では、本明細書で定義されるような1つ以上の化学反応器を含む不均一反応のための連続フロープロセスが提供される。
【0029】
本開示の好ましい実施形態を、添付の図面を参照して、単なる例示として、ここにさらに記載及び示す。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】オプション(a)~(d)を介してスタティックミキサー足場をコーティングするためのルートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本開示は、以下の様々な非限定的な実施形態を記載し、これは、反応物の化学反応物及び/または電気化学反応物のより効率的な混合、熱伝達及び触媒反応を提供し得る触媒性のスタティックミキサー技術の柔軟性及び使用可能性などの様々な望ましい特性を提供し得る、スタティックミキサーの足場をコーティングするための代替または改善されたプロセスを特定するために行われる調査に関する。驚くべきことに、付加製造されたスタティックミキサーの表面に触媒材料を堆積させると、連続フロー化学反応器における反応物の効率的な混合、熱伝達、及び触媒反応を提供し得ることが判明した。本発明によって記載される触媒堆積技術は、用途及び使用される触媒の種類に依存し得ることが理解される。本発明者らは、驚くべきことに、本明細書に記載の触媒材料が、スタティックミキサー足場などの複雑な三次元構造をコーティングするための改善された触媒堆積技術を提供することを特定した。
【0032】
充填層などの現在の不均一触媒システムと比較して、本発明のスタティックミキサーは、さまざまな利点を提供することが示されている。付加製造(アディティブマニュファクチャリング)技術(すなわち3D印刷)により、スタティックミキサーの再設計及び構成に柔軟性が得られるが、連続フロー化学反応器のある特定の動作性能パラメーターの下で動作するように、例えば、連続フロー反応器内で望ましい混合及び流動条件、ならびに充填層システムと比較して熱及び物質移動特性を強化し、背圧を低減するために、触媒的にコーティングし得る堅牢な商業的に実行可能な足場を提供する上で、他の困難及び課題がある。
【0033】
ウォッシュコーティング及びディップコーティング技術は、スタティックミキサー足場を触媒的にコーティングするのに驚くほど適切であり、多種多様な触媒材料を使用するのに適していることが見出された。
【0034】
スタティックミキサーは、インライン連続フロー反応器システムで使用するための挿入物を提供する足場として構成され得る。スタティックミキサーは、不均一系触媒作用も提供し得、これは、化学製品の製造にとって非常に重要であり、微細及び特殊化学品、医薬品、食品及び農薬、消費者製品、及び石油化学製品の製造を含む幅広い範囲である。
【0035】
一般用語
本明細書全体を通して、具体的に別段明記されない限り、または文脈上他の意味に解すべき場合を除き、単一のステップ、事象構成、ステップ群、または事象構成群への言及は、これらのステップ、事象構成、ステップ群、または事象構成群のうちの1つ及び複数(すなわち1つ以上)を包含すると解釈されるものとする。従って、本明細書で使用される単数形「a(不定冠詞)」、「an(不定冠詞)」、及び「the(定冠詞)」には、文脈上明白に他の意味を指示する場合を除いて、複数の態様が含まれる。例えば、「a」への言及には単一ならびに2つ以上が含まれ、「an」への言及には単一ならびに2つ以上が含まれ、「the」への言及には単一ならびに2つ以上が含まれることなどが挙げられる。
【0036】
本明細書の開示は、具体的に記載されるもの以外の変形及び変更が許容され得ることを、当業者は理解するであろう。本開示が全てのこのような変形及び変更を含むことを理解されたい。本開示はまた、本明細書で言及または示されたステップ、特徴、構成、及び化合物の全てを、個別にまたは集合的に含み、ならびに当該ステップもしくは特徴のあらゆる全ての組み合わせ、または当該ステップもしくは特徴のうちの任意の2つ以上を含む。
【0037】
本明細書に記載の本開示の各実施例は、具体的に別段明記されない限り、他の一つ一つの実施例に必要な変更を加えて準用されるものとする。本開示は、本明細書に記載の特定の実施例により範囲を限定されないものとし、このような特定の例は、例示目的のみであることが意図される。機能的に同等の生成物、組成物、及び方法は、本明細書に記載されるように、明らかに本開示の範囲内である。
【0038】
「及び/または」という用語、例えば、「X及び/またはY」は、「X及びY」または「XまたはY」のいずれかを意味すると理解され、両方の意味またはいずれかの意味を明示的に支持すると解釈されるものとする。
【0039】
本明細書を通じて、「含む、備える(comprise)」という語、または「含む、備える(comprises)」もしくは「含む、備える(comprising)」などの変形は、記載した足場、整数もしくはステップ、または足場群、整数群もしくはステップ群を包含するが、いかなる他の足場、整数もしくはステップ、または足場群、整数群もしくはステップ群をも排除しないことを意味することが理解されよう。
【0040】
多数の先行技術公表文献が本明細書で言及されるが、これらの参照文献のうちいずれかがオーストラリアまたはいずれの他の国における当技術分野の一般的知識の一部を形成すると認めるものではないことが明らかに理解されよう。
【0041】
別途の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が通常理解する意味と同じ意味を有する。本明細書に記載される方法及び材料と同様または均等の方法及び材料が、本発明の実践または試験では使用され得るが、好適な方法及び材料が下記に記載される。矛盾する場合は、本明細書が定義を含めて優先する。加えて、材料、方法、及び実施例は単なる例示であり、限定する意図はない。
【0042】
コーティングプロセス
一実施形態または実施例では、触媒的にコーティングされた足場を調製するためのプロセスが提供され、これは以下のステップを含む:(i)触媒性液体懸濁液を足場の表面に適用することであって、この足場の表面上に触媒的に反応性の部位を含むコーティングを提供し、ここで、この触媒性液体懸濁液が、約5μm未満の複数の触媒粒子を含む液体担体を含む、提供すること。ある実施形態では、足場はスタティックミキサーであってもよい。ある実施形態または実施例では、このスタティックミキサーの表面は、ステップ(i)の前に、支持材料及び任意選択で結合剤にてプレコーティングされ得る。ある実施例では、触媒性液体懸濁液は、結合剤をさらに含む。ある実施形態では、ステップ(i)において足場の表面に触媒性液体懸濁液を適用するステップは、ウォッシュコーティングによっても、またはディップコーティングによってもよい。
【0043】
別の実施形態または実施例では、スタティックミキサーの足場をコーティングするためのプロセスは、以下のステップを含み得る:(i)足場の表面に触媒反応性部位を提供するために、足場の表面に触媒性液体懸濁液を適用することであって、ここでこの触媒性液体懸濁液は、粒子サイズが約5μm未満の触媒粒子及び液体担体を含み、このスタティックミキサーの表面は、(a)スタティックミキサー足場、(b)支持材料を含むスタティックミキサー足場、または(c)支持材料及び結合剤を含むスタティックミキサー足場である、適用すること。触媒性液体懸濁液は、結合剤をさらに含んでもよい。
【0044】
一実施形態または実施例では、ステップ(i)における足場の表面に触媒性液体懸濁液を適用するステップは、ウォッシュコーティングまたはディップコーティングであり得る。本発明者らは、驚くべきことに、ウォッシュコーティングまたはディップコーティング堆積技術が、例えば、触媒性液体懸濁液においてスタティックミキサーをウォッシュコーティング/ディップコーティングすることによるスタティックミキサー足場への触媒材料の堆積のための効果的かつ拡大縮小可能な方法などの触媒性スタティックミキサーに利点を提供することを示した。この技術は、活性相への拡散距離が小さいという利点を備えた、疎水性を高めるためのテフロン(登録商標)の添加を介して、より良い接着を促進するか、または特定の機能を改善するための結合材料の組み込みを含み得る。標準的な触媒コーティング技術は、典型的には、第1に多孔質金属酸化物層を形成し、次いで第2では触媒を予め形成された多孔質層に含浸させる2段階プロセスを含むことが理解されるであろう。電着及びコールドスプレー技術などの他のコーティング技術は、コーティングされ得る金属の種類、及びコーティングされる金属のサイズによって制限される。その他の制限としては、コーティング技術に制約を課す見通し線構成が挙げられる。例えば、見通し線コーティング技術は、一般に、足場の表面の露出領域、すなわちツイストプレート構成の被覆を可能にする。コーティングをさまざまな足場に堆積させるいくつかの方法が報告されている。コールドスプレー技術が頻繁に使用されるが、足場の露出面のみがコーティングされ得るため、コーティングの被覆は不完全でかつ不均一であり、一部の領域は覆われていないままである。
【0045】
本発明者らは、本明細書に記載されるようなウォッシュコーティングまたはディップコーティング堆積技術が、複雑な足場構成でさえより完全な被覆を提供することを示したことを理解されたい。言い換えれば、ウォッシュコーティングまたはディップコーティング堆積技術は、足場の表面のより完全な被覆を提供し得る非見通し線コーティング技術である。例えば、陰となった領域を有する複雑な幾何形状を備える足場は、非見通し線構成または非見通し線足場と呼ばれ得る。
【0046】
ある実施形態または実施例では、このプロセスは、ステップ(i)において液体懸濁液を足場の表面に適用する前の前処理ステップを含んでもよく、この前処理ステップは、化学処理、陽極酸化、溶融めっき、真空めっき、塗装、溶射、及び酸エッチングから選択された少なくとも1つの表面処理ステップであり得る。
【0047】
ある実施例では、化学処理は、化学反応によって硫化物及び酸化物の薄膜を作成するプロセスを含み得る。典型的な用途は、金属の着色、腐食防止、及び塗装面の下塗りである。黒色酸化物は、鋼部品の極めて一般的な表面処理であり、「不動態化」が、ステンレス鋼部品の表面から遊離鉄を除去するために使用される。
【0048】
別の実施例では、陽極酸化が、通常、アルミニウム及びチタンなどの軽金属に使用され得る。これらの酸化皮膜は、電気分解によって形成され、それらの被膜は多孔質であるため、美的外観を改善するために染色剤及び着色剤が指定される場合が多い。陽極酸化は、アルミニウム部品の腐食を防ぐ非常に一般的な表面処理である。耐摩耗性も望ましい場合、技術者は、部品の表面に比較的厚く、非常に硬いセラミックコーティングを形成する、この方法のバージョンを指定し得る。
【0049】
別の実施例では、溶融めっきでは、表面の金属膜を形成するために、溶解したスズ、鉛、亜鉛、アルミニウム、またははんだに、足場を浸漬する必要がある場合がある。溶融亜鉛めっきとは、溶融亜鉛を含む容器に鋼を浸漬するプロセスであり、通常、極限環境での耐食性に使用され、道路のガードレールは、通常、この表面処理で処理される。
【0050】
別の例では、真空めっきを使用してもよい。真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、イオン窒化、及びイオン注入は、メッキプロセスの一部として高真空を利用する典型的な金属表面仕上げプロセスである。イオン化された金属、酸化物、及び窒化物が、制御された環境で作成される。部品は、真空チャンバに移され、金属は基板上に非常に正確に堆積される。窒化チタンは、高鋼及び超硬金属切削工具の寿命を延ばす表面処理である。
【0051】
別の実施例では、足場の外観及び耐食性を高めるために、技術者が塗装を指定するのが一般的である。スプレー塗装、静電塗装、浸漬(ディッピング)、ブラッシング、及び粉体塗料塗装の方法が、構成要素の表面に塗料を塗布するために使用される最も一般的な技術の一部である。広範な物理的環境で金属部品を保護するための塗料配合には多くの種類がある。自動車業界は、自動車及びトラックの塗装プロセスを自動化し、何千ものロボットアームを利用して、極めて一貫した結果を生み出している。
【0052】
別の例では、溶射は、加速された後、衝突して標的表面に機械的に結合する溶融または加熱された材料を含む表面処理の一種である。ワイヤーまたは粉末の原料(通常は金属またはセラミック)が、炎、電気アーク、またはプラズマ流に注入することによって溶かされる。追加の摩擦が望ましい特性である場合、技術者はこのプロセスを指定する場合がある。この技術は、排気熱管理用の遮熱コーティングなど、高温から保護するための大型の構造物にも一般的に使用される。
【0053】
別の例では、酸エッチングは、腐食性化学物質、通常は酸による金属またはガラスなどの硬い表面の切断を伴う。表面を粗くし、レジンシーラントの保持を高め、機械的保持を促進するために、酸で歯科用エナメル質を酸エッチングするのが、典型的な用途である。
【0054】
金属部品の特性を改善または修正するように設計されている、他の多くの独自の表面処理及び最も一般的なプロセスの変形があることが理解されよう。
【0055】
一実施形態または実施例では、触媒粒子は、触媒材料、または支持材料上に触媒材料を含む触媒担持材料から形成される。ある実施形態または実施例では、触媒粒子は、0.1nm~10mm、1nm~5mm、100nm~1mm、1μm~200μm、0.25μm~50μm、または0.5μm~5μmの範囲であり得る。触媒粒子は、5mm、1mm、100μm、10μm、5μm、1μm、500nm、250nm、100nm、または50nm未満であり得る。触媒粒子は、少なくとも0.1nm、1nm、10nm、100nm、250nm、1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、10μm、15μm、20μm、25μm、または50μmであり得る。触媒粒子は、これらの上限値及び/または下限値のうちのいずれか2つにより提供される範囲であり得る。触媒粒子のサイズは、必要に応じて乾式または湿式粉砕によって制御されることが理解されよう。例えば、触媒粒子は、5μm未満である。触媒材料または触媒担持材料から形成される触媒粒子は、必要に応じて乾式または湿式粉砕によって制御されることも理解されよう。例えば、触媒材料または触媒担持材料は5μm未満である。ある実施形態または実施例では、触媒粒子は、球、ペレット、シリンダー、トリローブ、ハニカム、プレート、及びクアドラローブの形態であってもよい。
【0056】
別の実施形態または実施例では、触媒粒子は、エクスサイチュ触媒粒子であってもよい。例えば、エクスサイチュ触媒は、足場の表面に堆積する前に触媒粒子がそれらの最終形態になるように調製された触媒を含み得る。触媒液中の触媒粒子は、焼成などの活性化反応に関係なく、少なくともある程度の触媒活性を有する場合、エクスサイチュであると見なし得る。エクスサイチュ触媒は、インサイチュ触媒とは異なる場合があることが理解されよう。インサイチュ触媒は、足場の表面に適用される触媒前駆体であり得、これは、例えば、焼成などの活性化を介して、その最終形態で活性触媒を生成するためのさらなる処理ステップを必要とする。
【0057】
別の実施形態または実施例では、触媒材料は、金属、金属酸化物、ケイ酸アルミニウム、活性炭、メソポーラスカーボン、グラフェン、黒鉛材料、金属有機構造体、ゼオライト、またはそれらの任意の組み合わせから選択することができる。触媒材料は、金属、金属酸化物またはゼオライトであってもよい。ある実施例では、金属は、アルミニウム、鉄、カルシウム、マグネシウム、セリウム、コバルト、銅、亜鉛、ニッケル、パラジウム、白金、金、ケイ素、銀、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、チタン、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、及びクロム、またはそれらの金属酸化物のうちの少なくとも1つから選択される。
【0058】
別の実施形態または実施例では、支持材料は、活性炭、メソポーラスカーボン、グラフェン、黒鉛材料、金属有機構造体、ゼオライト、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、セラミック、塩化マグネシウム、炭酸カルシウムまたは酸化二カリウムのうちの少なくとも1つから選択され得る。支持材料は、酸化アルミニウム、活性炭、シリカ、ゼオライト、または炭酸カルシウムであってもよい。
【0059】
別の実施形態または実施例では、触媒担持材料は、酸化アルミニウム上のルテニウム、酸化アルミニウム上のパラジウム、炭酸カルシウム上の鉛被毒パラジウム、酸化アルミニウム上の鉄、酸化アルミニウム上の銀、シリカジフェニルホスフィンパラジウム、ケイ酸チタン上のパラジウム、炭素上のパラジウム、ニッケル修飾酸化アルミニウム 酸化ケイ素、またはゼオライトのうちの少なくとも1つから選択することができる。触媒担持材料は、シリカジフェニルホスフィンパラジウム、ゼオライト、活性炭、ケイ酸チタン上のパラジウム、炭酸カルシウム上の鉛被毒パラジウム、ニッケル修飾酸化アルミニウム 酸化ケイ素、または酸化アルミニウム上のルテニウムであり得る。
【0060】
触媒性液体懸濁液は、触媒材料または触媒担持材料を含み得る。触媒粒子は、触媒材料または触媒担持材料から形成され得る。触媒担持材料は、支持材料とともに存在する触媒材料を提供する。例えば、触媒担持材料は、支持材料粒子と共にまたはその上に存在する触媒材料粒子を含む触媒粒子を含み得る。触媒材料を、支持材料として使用する場合、触媒材料及び支持材料は異なるであろうことが理解されよう。一実施例では、支持材料は、支持材料粒子のサイズが、その支持材料粒子の表面に存在する触媒材料粒子よりも実質的に大きい場合など、触媒粒子の主成分として提供され得る。
【0061】
ある実施形態または実施例では、触媒性液体懸濁液中の触媒材料の濃度は、20重量%、15重量%、10重量%、8重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%または2重量%未満であってもよい。触媒性液体懸濁液中の触媒材料の濃度は、少なくとも1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、8重量%、10重量%、または15重量%であり得る。触媒性液体懸濁液中の触媒材料の濃度は、1~20重量%、2~15重量%、3~10重量%、4~8重量%または5~6重量%の範囲であり得る。触媒材料の濃度は、これらの上限値及び/または下限値のうちのいずれか2つにより提供される範囲であり得る。
【0062】
触媒性スタティックミキサーの総重量に基づくコーティングまたは触媒材料の重量%は、1~40%、2~35%、5~30%、10~25%、または15~20%の範囲であり得る。触媒性スタティックミキサーの総重量に基づく、触媒材料を含むコーティングの重量%は、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、35%、30%、35%、または40%であり得る。触媒性スタティックミキサーの総重量に基づく、触媒材料を含むコーティングの重量%は、50%、40%、30%、20%、15%、10%、5%、または3%未満であってもよい。触媒材料を含むコーティングの重量%は、これらの上限値及び/または下限値のいずれか2つによって提供される範囲であり得る。
【0063】
ある実施形態または実施例では、結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、縮合樹脂、ポリビニルアセテート、ポリ(アクリル酸)ナトリウム塩、ポリビニリデンフルオリド、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、デキストリン、ケイ酸ナトリウム、コロイド状シリカ、ポリジメチルシロキサン、ベーマイト、コロイド状酸化アルミニウム、またはポリイソブチレンを含む群から選択され得る。結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、スクロース、デキストリン、またはデンプンであってもよい。結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレングリコール、ケイ酸ナトリウムまたはコロイド状シリカであってもよい。結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリ酢酸ビニルまたはコロイド状シリカであってもよい。結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリ酢酸ビニル、またはポリジメチルシロキサンであってもよい。結合剤は、ベーマイトであっても、またはコロイド状酸化アルミニウムであってもよい。
【0064】
ある実施形態または実施例では、結合剤は、約0.3重量%~約5重量%の間の濃度で添加されてもよい。触媒性液体懸濁液中の結合剤の濃度は、0.1重量%~10重量%、0.2重量%~8重量%、0.3重量%~6重量%、0.4重量%~5重量%または0.5重量%~3重量%の範囲内であってもよい。触媒性液体懸濁液中の結合剤の濃度は、約10重量%、8重量%、6重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.9重量%、0.8重量%、0.6重量%、0.4重量%、0.2重量%、または0.1重量%未満であってもよい。触媒性液体懸濁液中の結合剤の濃度は、少なくとも約0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、1.5重量%、2重量%、2.5重量%、3重量%、3.5重量%、4重量%、4.5重量%または5重量%であってもよい。触媒性液体懸濁液中の結合剤の濃度は、これらの上限値及び/または下限値のいずれか2つによって提供される範囲であり得る。
【0065】
ある実施形態または実施例では、液体担体は、水、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、酢酸エチル、アセトン、またはそれらの組み合わせを含む群から選択され得る。例えば、溶媒は、水またはエタノールから選択され得る。溶媒は水であってもよい。溶媒はエタノールであってもよい。
【0066】
ある実施形態または実施例では、液体懸濁液は、約3重量%~約28重量%の間の固形分を有し得る。固形成分は、28重量%、27重量%、25重量%、23重量%、21重量%、19重量%、17重量%、15重量%、13重量%、11重量%、9重量%、7重量%、5重量%、または3重量%未満であってもよい。固形成分は、少なくとも4重量%、6重量%、8重量%、10重量%、12重量%、14重量%、16重量%、18重量%、20重量%、22重量%、24重量%、または26重量%であってもよい。固形成分は、これらの上限値及び/または下限値のうちのいずれか2つにより提供される範囲であってもよい。
【0067】
ある実施形態または実施例では、コーティングの厚さは、約1μm~約50μmの間である。コーティングの厚さは、1~40%、2~35%、5~30%、10~25%、または15~20%の範囲内であり得る。コーティングの厚さは、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、35%、30%、35%、または40%であり得る。コーティングの厚さは、50%、40%、30%、20%、15%、10%、5%、または3%未満であってもよい。コーティングの厚さは、これらの上限値及び/または下限値のうちのいずれか2つにより提供される範囲内であり得る。
【0068】
ある実施形態または実施例では、触媒の表面積は、約1m2/g~約1000m2/gの間である。触媒の表面積は、少なくとも1、5、50、100、150、200、250、300、350、400、550、600、650、700、750、800、850、900、950m2/gであり得る。触媒の表面積は、約5~200m2/g、100~250m2/g、150~1000m2/g、または200~800m2/gの範囲内であり得る。触媒の表面積は、これらの上限値及び/または下限値のうちのいずれか2つにより提供される範囲であり得る。
【0069】
コーティングの総質量損失は、コーティングの接着の完全性に関係し得ることが理解されよう。コーティングの接着性は、超音波処理試験からの質量損失を介して決定され得ることが理解されよう。本発明者らは、驚くべきことに、本明細書に記載されるようなスタティックミキサーの足場をコーティングするためのプロセスが、コーティング接着性が強化または改善された触媒性スタティックミキサー足場を有利にもたらすことを見出した。ある実施形態または実施例では、コーティングの総質量損失は、約5重量%未満であり得る。コーティングの総質量損失は、約5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.8重量%、0.6重量%、0.4重量%、0.2重量%または0.1重量%未満であり得る。ある実施形態または実施例では、コーティングの総質量損失は、約0.5重量%未満であり得る。コーティングの総質量損失は、約1重量%、0.8重量%、0.6重量%、0.4重量%、0.2重量%または0.1重量%未満であり得る。接着は、コーティングが基材を保護または装飾するその機能を果たすことを可能にするので、コーティングの重要な品質であることが理解されよう。所定の条件下でコーティングと足場との間の結合を破壊するのに必要な力として、足場上のコーティングの接着強度を決定するために、様々な接着試験方法を適用することができることが理解されよう。例えば、2つの異なる試験方法がASTM D3359-17またはASTM D6677でカバーされている。本発明者らは、驚くべきことに、本明細書に記載のプロセスによって調製された強化または改善されたコーティング接着性が、触媒的に活性なスタティックミキサー足場上に活性触媒金属を有利にもたらし、これは活性触媒金属の分解が無視できる程度で、長期間連続して使用され得ることを見出した。ある実施形態または実施例では、標準的な操作条件下での活性触媒金属の総浸出速度は、反応器流出物中の350十億分率(ppb)未満の汚染であり得る。総浸出速度は、約400、350、300、250、200、150、100、70、40、10、5、1、または0.5(ppb)未満であってもよい。
【0070】
触媒性液体懸濁液は、触媒材料または触媒担持材料を含んでもよいし、またはそれからなってもよい。触媒性液体懸濁液は、触媒粒子及び結合剤を含んでもよいし、またはそれらからなってもよい。触媒性液体懸濁液は、触媒材料、支持材料、結合剤、及び液体担体を含んでもよいし、またはそれらからなってもよい。触媒性液体懸濁液は、触媒材料、結合剤、及び液体担体を含んでもよいし、またはそれらからなってもよい。触媒性液体懸濁液は、触媒担持材料、結合剤、及び液体担体を含んでもよいし、またはそれらからなってもよい。触媒性液体懸濁液は、触媒担持材料、結合剤、支持材料、及び液体担体を含んでもよいし、またはそれらからなってもよい。触媒性液体懸濁液は、触媒材料及び液体担体を含んでもよいし、またはそれらからなってもよい。触媒性液体懸濁液は、触媒担持材料及び液体担体を含んでもよいし、またはそれらからなってもよい。触媒性液体懸濁液は、触媒担持材料、支持材料、及び液体担体を含んでもよいし、またはそれらからなってもよい。
【0071】
オプション(a)
ある実施形態または実施例では、触媒的にコーティングされた足場を調製するためのプロセスが提供され、これは以下のステップを含む:(i)触媒性液体懸濁液を足場の表面に適用することであって、この足場の表面上に触媒的に反応性の部位を含むコーティングを提供し、ここで、この触媒性液体懸濁液が、約5μm未満の複数の触媒粒子を含む液体担体を含む、提供すること。例えば、足場の表面はスタティックミキサーである。約5μm未満の複数の触媒粒子を含む液体担体を含む触媒性液体懸濁液は、触媒材料または触媒担持材料を含んでもよいし、またはそれからなってもよい。触媒性液体懸濁液は、触媒材料及び触媒担持材料を含んでもよいし、またはそれらからなってもよい。触媒性液体懸濁液は、触媒材料を含んでもよいし、またはそれからなってもよい。触媒性液体懸濁液は、触媒担持材料を含んでもよいし、またはそれからなってもよい。触媒性液体懸濁液は、触媒材料及び触媒担持材料を含んでもよいし、またはそれらからなってもよい。触媒性液体懸濁液は、触媒材料及び液体担体を含んでもよいし、またはそれらからなってもよい。この触媒性液体懸濁液は、触媒担持材料及び液体担体を含んでもよいし、またはそれらからなってもよい。
【0072】
別の実施形態または実施例では、触媒材料は、金属、金属酸化物、ケイ酸アルミニウム、活性炭、メソポーラスカーボン、グラフェン、黒鉛材料、金属有機構造体、ゼオライト、またはそれらの任意の組み合わせから選択され得る。触媒材料は、金属、金属酸化物またはゼオライトであってもよい。ある実施例では、金属は、アルミニウム、鉄、カルシウム、マグネシウム、セリウム、コバルト、銅、亜鉛、ニッケル、パラジウム、白金、金、ケイ素、銀、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、チタン、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、及びクロム、またはそれらの金属酸化物のうちの少なくとも1つから選択される。ある実施形態または実施例では、触媒担持材料は、酸化アルミニウム上のルテニウム、酸化アルミニウム上のパラジウム、炭酸カルシウム上の鉛被毒パラジウム、酸化アルミニウム上の鉄、酸化アルミニウム上の銀、シリカジフェニルホスフィンパラジウム、ケイ酸チタン上のパラジウム、炭素上のパラジウム、ニッケル修飾酸化アルミニウム 酸化ケイ素、またはゼオライトのうちの少なくとも1つから選択され得る。触媒担持材料は、シリカジフェニルホスフィンパラジウム、ゼオライト、活性炭、ケイ酸チタン上のパラジウム、炭酸カルシウム上の鉛被毒パラジウム、ニッケル修飾酸化アルミニウム 酸化ケイ素、または酸化アルミニウム上のルテニウムであり得る。ある実施形態または実施例では、触媒材料または触媒担持材料は、活性炭、酸化アルミニウム上のルテニウム、酸化アルミニウム上のパラジウム、シリカジフェニルホスフィンパラジウム、ケイ酸チタン上のパラジウム、メソポーラスカーボン、ゼオライト、またはニッケル修飾酸化アルミニウム 酸化ケイ素であってもよい。触媒材料は、酸化アルミニウム上のルテニウム、酸化アルミニウム上のパラジウム、酸化アルミニウム上の銀、または酸化アルミニウム上の鉄であり得る。触媒担持材料は、酸化アルミニウム上のルテニウムまたは酸化アルミニウム上のパラジウムであり得る。ある実施形態または実施例では、液体担体はエタノールであっても、または水であってもよい。ある実施例では、触媒担持材料は、酸化アルミニウム上のルテニウムであってもよく、液体担体は、水であってもよい。別の実施例では、触媒担持材料は、酸化アルミニウム上のパラジウムであってもよく、液体担体は、水であってもよい。別の実施例では、触媒担持材料は、酸化アルミニウム上の銀であってもよく、液体担体は、水であってもよい。別の実施例では、触媒担持材料は、酸化アルミニウム上の鉄であってもよく、液体担体は、水であってもよい。ある実施例では、触媒担持材料は、酸化アルミニウム上のルテニウムであってもよく、液体担体は、エタノールであってもよい。別の実施例では、触媒担持材料は、酸化アルミニウム上のパラジウムであってもよく、液体担体は、エタノールであってもよい。別の実施例では、触媒担持材料は、酸化アルミニウム上の銀であってもよく、液体担体は、エタノールであってもよい。別の実施例では、触媒担持材料は、酸化アルミニウム上の鉄であってもよく、液体担体は、エタノールであってもよい。
【0073】
オプション(b)
ある実施形態または実施例では、触媒的にコーティングされた足場を調製するためのプロセスが提供され、これは以下のステップを含む:(i)触媒性液体懸濁液を足場の表面に適用することであって、この足場の表面上に触媒的に反応性の部位を含むコーティングを提供し、ここで、この触媒性液体懸濁液が、約5μm未満の複数の触媒粒子を含む液体担体を含む、提供すること。例えば、足場の表面は、支持材料を含むスタティックミキサーである。
【0074】
約5μm未満の複数の触媒粒子を含む液体担体を含む触媒性液体懸濁液は、触媒材料及び支持材料を含んでもよいし、またはそれからなってもよい。触媒性液体懸濁液は、触媒担持材料及び支持材料を含んでもよいし、またはそれらからなってもよい。触媒性液体懸濁液は、触媒担持材料、支持材料、及び液体担体を含んでもよいし、またはそれらからなってもよい。触媒性液体懸濁液は、触媒材料、支持材料、及び液体担体を含んでもよいし、またはそれらからなってもよい。
【0075】
別の実施形態または実施例では、触媒材料は、金属、金属酸化物、ケイ酸アルミニウム、活性炭、メソポーラスカーボン、グラフェン、黒鉛材料、金属有機構造体、ゼオライト、またはそれらの任意の組み合わせから選択され得る。触媒材料は、金属、金属酸化物またはゼオライトであってもよい。ある実施例では、金属は、アルミニウム、鉄、カルシウム、マグネシウム、セリウム、コバルト、銅、亜鉛、ニッケル、パラジウム、白金、金、ケイ素、銀、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、チタン、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、及びクロム、またはそれらの金属酸化物のうちの少なくとも1つから選択される。例えば、金属酸化物は、酸化鉄、酸化セリウム、酸化マンガン、酸化バナジウム、または酸化コバルトであり得る。別の実施形態または実施例では、触媒担持材料は、酸化アルミニウム上のルテニウム、酸化アルミニウム上のパラジウム、炭酸カルシウム上の鉛被毒パラジウム、酸化アルミニウム上の鉄、酸化アルミニウム上の銀、シリカジフェニルホスフィンパラジウム、ケイ酸チタン上のパラジウム、炭素上のパラジウム、ニッケル修飾酸化アルミニウム 酸化ケイ素、またはゼオライトのうちの少なくとも1つから選択され得る。触媒担持材料は、シリカジフェニルホスフィンパラジウム、ゼオライト、活性炭、ケイ酸チタン上のパラジウム、炭酸カルシウム上の鉛被毒パラジウム、ニッケル修飾酸化アルミニウム 酸化ケイ素、または酸化アルミニウム上のルテニウムであり得る。触媒担持材料は、シリカジフェニルホスフィンパラジウム、ゼオライト、メソポーラスカーボン、ケイ酸チタン上のパラジウム、炭酸カルシウム上の鉛被毒パラジウム、ニッケル修飾酸化アルミニウム 酸化ケイ素、または酸化アルミニウム上のルテニウムであり得る。ある実施形態または実施例では、触媒材料または触媒担持材料は、シリカジフェニルホスフィンパラジウムであっても、またはゼオライトであってもよい。ある実施形態または実施例では、支持材料は、活性炭、メソポーラスカーボン、グラフェン、黒鉛材料、金属有機構造体、ゼオライト、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、セラミック、塩化マグネシウム、炭酸カルシウムまたは酸化二カリウムのうちの少なくとも1つから選択され得る。支持材料は、酸化アルミニウム、活性炭、シリカ、ゼオライト、または炭酸カルシウムであってもよい。ある実施形態または実施例では、支持材料は酸化アルミニウムであり得る。ある実施形態または実施例では、液体担体はエタノールであっても、または水であってもよい。ある実施例では、触媒担持材料は、シリカジフェニルホスフィンパラジウムであってもよく、支持材料は、酸化アルミニウムであってもよく、そして液体担体はエタノールであってもよい。ある実施例では、触媒担持材料は、シリカジフェニルホスフィンパラジウムであってもよく、支持材料は、酸化アルミニウムであってもよく、そして液体担体は水であってもよい。別の実施例では、触媒材料は、酸化鉄、酸化セリウム、酸化マンガン、酸化バナジウム、または酸化コバルトから選択されてもよく、支持材料は酸化アルミニウムであってもよく、液体担体は水またはエタノールであってもよい。別の実施例では、触媒材料は酸化鉄であってもよく、支持材料は酸化アルミニウムであってもよく、そして液体担体は水であってもよい。別の実施例では、触媒材料は酸化鉄であってもよく、支持材料は酸化アルミニウムであってもよく、そして液体担体はエタノールであってもよい。別の実施例では、触媒材料は酸化セリウムであってもよく、支持材料は酸化アルミニウムであってもよく、そして液体担体は水であってもよい。別の実施例では、触媒材料は、酸化セリウムであってもよく、支持材料は、酸化アルミニウムであってもよく、そして液体担体は、エタノールであってもよい。別の実施例では、触媒材料は酸化マンガンであってもよく、支持材料は酸化アルミニウムであってもよく、そして液体担体は水であってもよい。別の実施例では、触媒材料は酸化マンガンであってもよく、支持材料は酸化アルミニウムであってもよく、そして液体担体はエタノールであってもよい。別の実施例では、触媒材料は酸化バナジウムであってもよく、支持材料は酸化アルミニウムであってもよく、そして液体担体は水であってもよい。別の実施例では、触媒材料は、酸化バナジウムであってもよく、支持材料は、酸化アルミニウムであってもよく、そして液体担体は、エタノールであってもよい。別の実施例では、触媒材料は、酸化コバルトであってもよく、支持材料は、酸化アルミニウムであってもよく、そして液体担体は、エタノールであってもよい。別の実施例では、触媒材料は、酸化コバルトであってもよく、支持材料は酸化アルミニウムであってもよく、そして液体担体は水であってもよい。
【0076】
オプション(c)
ある実施形態または実施例では、触媒的にコーティングされた足場を調製するためのプロセスが提供され、これは以下のステップを含む:(i)触媒性液体懸濁液を足場の表面に適用することであって、この足場の表面上に触媒的に反応性の部位を含むコーティングを提供し、ここで、この触媒性液体懸濁液が、約5μm未満の複数の触媒粒子を含む液体担体を含む、適用すること。例えば、足場の表面は、支持材料及び結合剤を含むスタティックミキサーである。
【0077】
約5μm未満の複数の触媒粒子を含む液体担体を含む触媒性液体懸濁液は、触媒材料、支持材料、結合剤、及び液体担体を含んでもよいし、またはそれらからなってもよい。この触媒性液体懸濁液は、触媒担持材料、支持材料、結合剤及び液体担体を含んでもよいし、またはそれらからなってもよい。
【0078】
別の実施形態または実施例では、触媒材料は、金属、金属酸化物、ケイ酸アルミニウム、活性炭、メソポーラスカーボン、グラフェン、黒鉛材料、金属有機構造体、ゼオライト、またはそれらの任意の組み合わせから選択され得る。触媒材料は、金属、金属酸化物またはゼオライトであってもよい。ある実施例では、金属は、アルミニウム、鉄、カルシウム、マグネシウム、セリウム、コバルト、銅、亜鉛、ニッケル、パラジウム、白金、金、ケイ素、銀、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、チタン、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、及びクロム、またはそれらの金属酸化物のうちの少なくとも1つから選択される。別の実施形態または実施例では、触媒担持材料は、酸化アルミニウム上のルテニウム、酸化アルミニウム上のパラジウム、炭酸カルシウム上の鉛被毒パラジウム、酸化アルミニウム上の鉄、酸化アルミニウム上の銀、シリカジフェニルホスフィンパラジウム、ケイ酸チタン上のパラジウム、炭素上のパラジウム、ニッケル修飾酸化アルミニウム 酸化ケイ素、またはゼオライトのうちの少なくとも1つから選択され得る。触媒担持材料は、シリカジフェニルホスフィンパラジウム、ゼオライト、活性炭、ケイ酸チタン上のパラジウム、炭酸カルシウム上の鉛被毒パラジウム、ニッケル修飾酸化アルミニウム 酸化ケイ素、または酸化アルミニウム上のルテニウムであり得る。ある実施形態または実施例では、触媒材料または触媒担持材料は、ゼオライトであっても、または活性炭であってもよい。別の実施形態または実施例では、触媒担持材料はゼオライトであってもよい。ある実施形態または実施例では、支持材料は、活性炭、メソポーラスカーボン、グラフェン、黒鉛材料、金属有機構造体、ゼオライト、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、セラミック、塩化マグネシウム、炭酸カルシウムまたは酸化二カリウムのうちの少なくとも1つから選択され得る。支持材料は、酸化アルミニウム、活性炭、シリカ、ゼオライト、または炭酸カルシウムであってもよい。支持材料は、酸化アルミニウムであってもよい。ある実施形態または実施例では、結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、縮合樹脂、ポリビニルアセテート、ポリ(アクリル酸)ナトリウム塩、ポリビニリデンフルオリド、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、デキストリン、ケイ酸ナトリウム、コロイド状シリカ、ポリジメチルシロキサン、ベーマイト、コロイド状酸化アルミニウム、またはポリイソブチレンを含む群から選択され得る。結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、スクロース、デキストリン、またはデンプンであってもよい。結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレングリコール、ケイ酸ナトリウムまたはコロイド状シリカであってもよい。結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリ酢酸ビニルまたはコロイド状シリカであってもよい。結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリ酢酸ビニル、またはポリジメチルシロキサンであってもよい。結合剤は、ベーマイトであっても、またはコロイド状酸化アルミニウムであってもよい。結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロースであっても、またはコロイド状シリカであってもよい。ある実施形態または実施例では、結合剤はヒドロキシプロピルセルロースであってもよい。ある実施形態または実施例では、液体担体はエタノールであっても、または水であってもよい。ある実施例では、触媒材料は、ゼオライトであってもよく、支持材料は、酸化アルミニウムであってもよく、結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロースであってもよく、そして液体担体は水であってもよい。ある実施例では、触媒材料は、ゼオライトであってもよく、支持材料は、酸化アルミニウムであってもよく、結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロースであってもよく、そして液体担体はエタノールであってもよい。ある実施例では、触媒材料は、ゼオライトであってもよく、支持材料は、酸化アルミニウムであってもよく、結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロースであってもよく、そして液体担体はエタノールであってもよい。ある実施例では、触媒材料は、ゼオライトであってもよく、支持材料は、酸化アルミニウムであってもよく、結合剤は、コロイド状シリカであってもよく、そして液体担体はエタノールであってもよい。ある実施例では、触媒材料は、ゼオライトであってもよく、支持材料は、酸化アルミニウムであってもよく、結合剤は、コロイド状シリカであってもよく、そして液体担体は水であってもよい。ある実施例では、触媒材料は、活性炭であってもよく、支持材料は酸化アルミニウムであってもよく、結合剤は、コロイド状シリカであってもよく、そして液体担体は水であってもよい。ある実施例では、触媒材料は、活性炭であってもよく、支持材料は酸化アルミニウムであってもよく、結合剤はコロイド状シリカであってもよく、そして液体担体はエタノールであってもよい。ある実施例では、触媒材料は、活性炭であってもよく、支持材料は、酸化アルミニウムであってもよく、結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロースであってもよく、そして液体担体はエタノールであってもよい。ある実施例では、触媒材料は、活性炭であってもよく、支持材料は、酸化アルミニウムであってもよく、結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロースであってもよく、そして液体担体は水であってもよい。
【0079】
オプション(d)
ある実施形態または実施例では、触媒的にコーティングされた足場を調製するためのプロセスが提供され、これは以下のステップを含む:(i)触媒性液体懸濁液を足場の表面に適用することであって、この足場の表面上に触媒的に反応性の部位を含むコーティングを提供し、ここで、この触媒性液体懸濁液が、約5μm未満の複数の触媒粒子を含む液体担体を含む、適用すること。例えば、足場の表面は、触媒性液体懸濁液が、約5μm未満の複数の触媒粒子及び結合剤を含む液体担体を含むスタティックミキサーである。
【0080】
約5μm未満の複数の触媒粒子を含む液体担体を含む触媒性液体懸濁液は、触媒材料、結合剤、及び液体担体を含んでもよいし、またはそれらからなってもよい。触媒性液体懸濁液は、触媒担持材料、結合剤、及び液体担体を含んでもよいし、またはそれらからなってもよい。
【0081】
別の実施形態または実施例では、触媒材料は、金属、金属酸化物、ケイ酸アルミニウム、活性炭、メソポーラスカーボン、グラフェン、黒鉛材料、金属有機構造体、ゼオライト、またはそれらの任意の組み合わせから選択され得る。触媒材料は、金属、金属酸化物またはゼオライトであってもよい。ある実施例では、金属は、アルミニウム、鉄、カルシウム、マグネシウム、セリウム、コバルト、銅、亜鉛、ニッケル、パラジウム、白金、金、ケイ素、銀、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、チタン、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、及びクロム、またはそれらの金属酸化物のうちの少なくとも1つから選択され得る。別の実施形態または実施例では、触媒担持材料は、酸化アルミニウム上のルテニウム、酸化アルミニウム上のパラジウム、炭酸カルシウム上の鉛被毒パラジウム、酸化アルミニウム上の鉄、酸化アルミニウム上の銀、シリカジフェニルホスフィンパラジウム、ケイ酸チタン上のパラジウム、炭素上のパラジウム、ニッケル修飾酸化アルミニウム 酸化ケイ素、またはゼオライトのうちの少なくとも1つから選択され得る。触媒担持材料は、シリカジフェニルホスフィンパラジウム、ゼオライト、活性炭、ケイ酸チタン上のパラジウム、炭酸カルシウム上の鉛被毒パラジウム、ニッケル修飾酸化アルミニウム 酸化ケイ素、または酸化アルミニウム上のルテニウムであり得る。ある実施形態または実施例では、結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、縮合樹脂、ポリビニルアセテート、ポリ(アクリル酸)ナトリウム塩、ポリビニリデンフルオリド、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、デキストリン、ケイ酸ナトリウム、コロイド状シリカ、ポリジメチルシロキサン、ベーマイト、コロイド状酸化アルミニウム、またはポリイソブチレンを含む群から選択され得る。結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、スクロース、デキストリン、またはデンプンであってもよい。結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレングリコール、ケイ酸ナトリウムまたはコロイド状シリカであってもよい。結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリ酢酸ビニルまたはコロイド状シリカであってもよい。結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリ酢酸ビニル、またはポリジメチルシロキサンであってもよい。結合剤は、ベーマイトであっても、またはコロイド状酸化アルミニウムであってもよい。結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロースであってもよい。結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、コロイド状シリカ、ポリフッ化ビニリデン、ポリ(アクリル酸)ナトリウム塩、またはポリ酢酸ビニルであってもよい。ある実施形態または実施例では、液体担体はエタノールであっても、または水であってもよい。ある実施形態または実施例では、触媒担持材料は、シリカジフェニルホスフィンパラジウム、炭酸カルシウム上の鉛被毒パラジウム、ケイ酸チタン上のパラジウム、ニッケル修飾酸化アルミニウム酸化ケイ素、メソポーラスカーボン、またはゼオライトであってもよく、結合剤はヒドロキシプロピルシリカまたはコロイダルシリカであってもよく、及び液体担体は、エタノールまたは水であってもよい。ある実施例では、触媒担持材料は、アルミニウム上のルテニウムであってもよく、結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロースであってもよく、そして液体担体は、エタノールであってもよい。別の実施例では、触媒担持材料は、炭酸カルシウム上の鉛被毒パラジウムであってもよく、結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロースであってもよく、そして液体担体は、エタノールであってもよい。別の実施例では、触媒担持材料は、ケイ酸チタン上のパラジウムであってもよく、結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロースであってもよく、そして液体担体はエタノールであってもよい。別の実施例では、触媒担持材料は、ケイ酸チタン上のパラジウムであってもよく、結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロースであってもよく、そして液体担体は水であってもよい。別の実施例では、触媒担持材料は、ニッケル修飾酸化アルミニウム 酸化ケイ素であってもよく、結合剤はヒドロキシプロピルセルロースであってもよく、そして液体担体はエタノールであってもよい。別の実施例では、触媒材料はメソポーラスカーボンであってもよく、結合剤はヒドロキシプロピルセルロースであってもよく、そして液体担体はエタノールであってもよい。別の実施例では、触媒材料は、ゼオライトであってもよく、結合剤材料は、ヒドロキシプロピルセルロースであってもよく、そして液体担体は水であってもよい。別の実施例では、触媒材料はゼオライトであってもよく、結合剤は酸化ケイ素であってもよく、そして液体担体は水であってもよい。ある実施例では、触媒材料は、ゼオライトであってもよく、結合剤材料は、ヒドロキシプロピルセルロース及び酸化ケイ酸であってもよく、そして液体担体は水であってもよい。ある実施例では、触媒担持材料は、アルミニウム上のルテニウムであってもよく、結合剤は、コロイド状シリカであってもよく、そして液体担体は、エタノールであってもよい。別の実施例では、触媒担持材料は、炭酸カルシウム上の鉛被毒パラジウムであってもよく、結合剤は、コロイド状シリカであってもよく、そして液体担体は、エタノールであってもよい。別の実施例では、触媒担持材料は、ケイ酸チタン上のパラジウムであってもよく、結合剤は、コロイド状シリカであってもよく、そして液体担体はエタノールであってもよい。別の実施例では、触媒担持材料は、ケイ酸チタン上のパラジウムであってもよく、結合剤は、コロイド状シリカであってもよく、そして液体担体は水であってもよい。別の実施例では、触媒担持材料は、ニッケル修飾酸化アルミニウム 酸化ケイ素であってもよく、結合剤はコロイド状シリカであってもよく、そして液体担体はエタノールであってもよい。別の実施例では、触媒材料はメソポーラスカーボンであってもよく、結合剤はコロイド状シリカであってもよく、そして液体担体はエタノールであってもよい。別の実施例では、触媒材料はゼオライトであってもよく、結合剤材料はコロイド状シリカであってもよく、そして液体担体は水であってもよい。別の実施例では、触媒材料はゼオライトであってもよく、結合剤はコロイド状シリカであってもよく、そして液体担体は水であってもよい。別の実施例では、触媒材料はゼオライトであってもよく、結合剤材料はコロイド状シリカであってもよく、そして液体担体は水であってもよい。別の実施例では、触媒材料は酸化カルシウムであってもよく、結合剤はヒドロキシプロピルセルロースであってもよく、そして液体担体はエタノールであってもよい。別の実施例では、触媒材料は酸化マグネシウムであってもよく、結合剤はヒドロキシプロピルセルロースであってもよく、そして液体担体はエタノールであってもよい。
【0082】
足場
ある実施形態または実施例では、足場は、任意のデバイスまたは装置に適用され得る。別の実施形態または実施例では、足場は複雑な3D構造であってもよい。複雑な3D構造は多孔質であってもよい。ある実施形態または実施例では、足場は、連続フロープロセスに適している場合がある。本明細書に記載のプロセスは、連続フロー反応器の内面をコーティングするのに適している場合がある。ある実施形態または実施例では、足場は、回転ミキサー、連続パイプ、マイクロミキサー、スタティックミキサー、一体型多孔質挿入物、金属発泡体、構造化金属もしくはセラミック材料(ハニカムなどの空隙を有する)、金属メッシュ/プレート、鋳型構造、または充填層システムであってもよい。ある実施形態または実施例では、足場はスタティックミキサーであってもよい。
【0083】
スタティックミキサーの足場は、金属、金属合金、サーメット、炭化ケイ素、ガラス、セラミック、鉱物(例えば、リン酸カルシウム)、またはポリマーのうちの少なくとも1つを含んでもよいし、またはそれらからなってもよい。足場は、例えば、金属または金属合金から形成された金属足場であってもよい。金属足場は、付加製造(すなわち、3D印刷)に適した材料から調製され得る。金属足場は、触媒反応性を提供または増強するためのさらなる表面改質に適した材料、例えば、ニッケル、チタン、パラジウム、白金、金、銅、アルミニウムまたはそれらの合金、例としては、ステンレス鋼のような金属合金を含む金属から調製され得る。一実施形態では、足場用の金属は、チタン、ステンレス鋼、及びコバルトとクロムの合金を含んでもよいし、またはそれらからなってもよい。別の実施形態では、足場用の金属は、チタン、アルミニウム、またはステンレス鋼を含んでもよいし、またはそれらからなってもよい。別の実施形態では、足場用の金属は、ステンレス鋼及びコバルトクロム合金を含んでもよいし、またはそれらからなってもよい。付加製造(付加製造)技術、すなわち3D金属印刷を使用して、金属足場は、以下の2つの主要なタスクを実行するように特別に設計され得る:a)触媒層または触媒層の基板として機能すること、b)化学反応中の最適混合性能のフローガイドとして機能し、その後、反応器の内側で反応管の壁へ発熱の伝達を支援すること(単相液体流または多相流)。あるいは、足場は炭素繊維から作製されてもよい。あるいは、足場はガラスから作製されてもよい。あるいは、足場はセラミックから作製されてもよい。あるいは、足場は鉱物(例えば、ヒドロキシアパタイトなどのリン酸カルシウム)から作ってもよい。あるいは、足場はポリマーから作製されてもよい。ポリマーは、熱硬化性であっても、または熱可塑性であってもよい。使用し得るポリマーの例としては、限定するものではないが、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリ塩化ビニル、もしくはコポリマー、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0084】
触媒材料または触媒担持材料は、それ自体で触媒を指す場合もあれば、または触媒を含む材料もしくは組成物を指す場合もある。触媒材料または触媒担持材料は、足場への触媒のコーティングを容易にするための、結合剤などの1つ以上の添加剤を含む組成物中で提供されてもよい。触媒またはそのコーティングは、足場上の部分的なコーティングまたは完全な層として提供され得る。足場上の触媒のコーティングまたは層は、1つ以上の層で提供され得る。触媒は、ウォッシュコーティングまたはディップコーティングによって足場に堆積されてもよい。ある実施形態または実施例では、触媒のコーティングまたは層は、複数の触媒層であってもよい。例えば、触媒のコーティングまたは層は、複数の層のうちの1つであってもよい。触媒のコーティングまたは層は、2~10層であってもよい。触媒のコーティングまたは層は、少なくとも2、3、4、5、6、7、または8層であってもよい。触媒のコーティングまたは層は、8、7、6、5、4、3、または2層未満であってもよい。触媒のコーティングまたは層は、これらの上限値及び/または下限値のうちのいずれか2つにより提供される範囲であり得る。
【0085】
一実施形態または実施例では、触媒負荷は、20重量%、18重量%、16重量%、14重量%、12重量%、10重量%、8重量%、6重量%、4重量%、または2重量%未満であり得る。触媒負荷は、少なくとも1重量%、3重量%、5重量%、7重量%、9重量%、11重量%、13重量%、15重量%、17重量%、または19重量%であり得る。触媒負荷は、これらの上限値及び/または下限値のうちのいずれか2つにより提供される範囲であり得る。
【0086】
一実施形態では、足場は、触媒材料を含むコーティングを含む金属足場であり得る。触媒材料を含むコーティングを含む金属足場は、触媒的にコーティングされた足場と呼ばれ得ることが理解されよう。別の実施形態では、金属足場は、チタン、ニッケル、アルミニウム、ステンレス鋼、コバルト、クロム、それらの任意の合金、またはそれらの任意の組み合わせを含む。別の実施形態では、金属足場は、ステンレス鋼及びアルミニウムのうちの少なくとも1つを含む。別の実施形態では、金属足場は、チタン、またはチタン合金を含む。金属足場がステンレス鋼またはコバルトクロム合金を含むか、またはそれからなる場合、さらなる利点が提供され得る。
【0087】
触媒性スタティックミキサーの総重量に基づく、コーティングまたは触媒材料の重量%は、1~40%、2~35%、5~30%、10~25%、または15~20%の範囲内であり得る。触媒性スタティックミキサーの総重量に基づく、触媒材料を含むコーティングの重量%は、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、35%、30%、35%、または40%であり得る。触媒性スタティックミキサーの総重量に基づく、触媒材料を含むコーティングの重量%は、50%、40%、30%、20%、15%、10%、5%、または3%未満であってもよい。触媒性スタティックミキサーの総重量に基づくコーティングまたは触媒材料の重量%は、これらの上限値及び/または下限値のいずれか2つによって提供される範囲であり得る。
【0088】
ある実施形態または実施例では、足場上のコーティングを含む触媒的にコーティングされた足場は、複数の触媒粒子を含むコーティングを含んでもよい。ある実施形態または実施例では、コーティングは、支持材料及び任意選択で結合剤を含む。触媒粒子は、金属、金属酸化物、ケイ酸アルミニウム、活性炭、メソポーラスカーボン、グラフェン、黒鉛材料、金属有機構造体、ゼオライト、またはそれらの任意の組み合わせから選択され得る。
【0089】
ある実施形態または実施例では、触媒粒子は、アミニウム、鉄、セリウム、カルシウム、コバルト、銅、マグネシウム、亜鉛、ニッケル、パラジウム、白金、金、ケイ素、銀、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、チタン、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、及びクロム、またはそれらの金属酸化物のうちの少なくとも1つから選択される金属であり得る。
【0090】
ある実施形態または実施例では、支持材料は、活性炭、メソポーラスカーボン、グラフェン、黒鉛材料、金属有機構造体、ゼオライト、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、セラミック、塩化マグネシウム、炭酸カルシウムまたは酸化二カリウムのうちの少なくとも1つから選択され得る。
【0091】
ある実施形態または実施例では、触媒担持材料は、酸化アルミニウム上のルテニウム、酸化アルミニウム上のパラジウム、炭酸カルシウム上の鉛被毒パラジウム、酸化アルミニウム上の鉄、酸化アルミニウム上の銀、シリカジフェニルホスフィンパラジウム、ケイ酸チタン上のパラジウム、炭素上のパラジウム、ニッケル修飾酸化アルミニウム 酸化ケイ素、またはゼオライトのうちの少なくとも1つから選択され得る。
【0092】
ある実施形態または実施例では、結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、縮合樹脂、ポリビニルアセテート、ポリ(アクリル酸)ナトリウム塩、ポリビニリデンフルオリド、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、デキストリン、ケイ酸ナトリウム、コロイド状シリカ、ポリジメチルシロキサン、ベーマイト、コロイド状酸化アルミニウム、またはポリイソブチレンを含む群から選択され得る。
【0093】
一実施形態または実施例では、触媒粒子は、支持材料上に触媒材料を含む触媒材料または触媒担持材料から形成される。一実施形態または実施例では、触媒粒子は、0.1nm~10mm、1nm~5mm、100nm~1mm、1μm~200μm、0.25μm~50μm、または0.5μm~5μmの範囲であり得る。触媒粒子は、5mm、1mm、100μm、10μm、5μm、1μm、500nm、250nm、100nm、または50nm未満であり得る。触媒粒子は、少なくとも0.1nm、1nm、10nm、100nm、250nm、1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、10μm、15μm、20μm、25μm、または50μmであり得る。触媒粒子は、これらの上限値及び/または下限値のうちのいずれか2つにより提供される範囲であり得る。
【0094】
ある実施形態または実施例では、コーティングの厚さは、約1μm~約50μmの間であり得る。コーティングの厚さは、1~40%、2~35%、5~30%、10~25%、または15~20%の範囲内であり得る。コーティングの厚さは、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、35%、30%、35%、または40%であり得る。コーティングの厚さは、50%、40%、30%、20%、15%、10%、5%、または3%未満であり得る。コーティングの厚さは、これらの上限値及び/または下限値のうちのいずれか2つにより提供される範囲であり得る。
【0095】
ある実施形態または実施例では、プロセスは、乾燥ステップをさらに含む。乾燥ステップは、以下のステップを含む:(a)約15℃から約30℃の範囲の第1の温度を、足場のコーティングされた表面に、約4~24時間の第1の期間適用して、触媒性液体懸濁液から揮発性物質の少なくとも一部を揮発させること、及び(b)足場の表面に乾燥コーティングが形成されるように、減圧下で約100℃~約180℃の範囲の第2の温度を約4~24時間の第2の期間適用すること。第1の温度は、15℃~30℃または20℃~25℃の範囲であってもよい。例えば、温度は周囲温度であってもよい。第1の温度は、30℃、28℃、26℃、24℃、22℃、20℃、18℃、または16℃未満であってもよい。第1の温度は、少なくとも15℃、17℃、19℃、21℃、23℃、25℃、または27℃であってもよい。第1の温度は、これらの上限値及び/または下限値のうちのいずれか2つにより提供される範囲であり得る。第1の期間は、4~24時間または10~20時間の範囲内であってもよい。第1の期間は、30、28、26、24、22、20、18、16、14、12、10、または8時間未満であってもよい。第1の期間は、少なくとも5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、または25時間であってもよい。例えば、第1の期間は24時間であってもよい。第1の期間は、これらの上限値及び/または下限値のうちのいずれか2つにより提供される範囲であってもよい。第2の温度は、100℃~180℃または110℃~140℃の範囲内であってもよい。第2の温度は、180℃、170℃、160℃、140℃、120℃、または110℃未満であってもよい。第2の温度は、少なくとも100℃、105℃、110℃、115℃、120℃、125℃、または130℃であってもよい。例えば、温度は120℃であってもよい。第2の温度は、これらの上限値及び/または下限値のうちのいずれか2つにより提供される範囲であり得る。第2の期間は、4~24時間または10~20時間の範囲内であってもよい。第2の期間は、30、28、26、24、22、20、18、16、14、12、10、または8時間未満であってもよい。第2の期間は、少なくとも5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、または25時間であってもよい。第2の期間は、これらの上限値及び/または下限値のうちのいずれか2つにより提供される範囲であってもよい。
【0096】
スタティックミキサーは、連続フロー化学反応システム及びプロセスで使用するためのものである。このプロセスは、インライン連続フロープロセスであり得る。インライン連続フロープロセスは、リサイクルループプロセスであっても、またはシングルパスプロセスであってもよい。一実施形態では、インライン連続フロープロセスは、シングルパスプロセスである。
【0097】
上記のように、スタティックミキサー足場を備える化学反応器は、連続的に異種の触媒反応を実行することができる。化学反応器は、単相または多相の供給流及び生成物流を使用し得る。一実施形態では、基質フィード(1つ以上の反応物を含む)は、連続流体流として、例えば、a)好適な溶媒内の溶質としての基質を含む液体流として、またはb)共溶媒を伴い、または伴わずに液体基質を含む液体流として、提供され得る。連続的な流体の流れは、少なくとも1つの液相によって提供され得ることが理解されるであろう。流体流は、例えば水素ガスなどの1つ以上のガス流またはその供給源により提供され得ることが理解されよう。基質フィードは、例えばピストンポンプによる圧力駆動流を使用して、反応器に汲み上げられる。
【0098】
ミキサーを収容するための反応器チャンバに対するスタティックミキサーの体積変位%は、1~40、2~35、3~30、4~25、5~20、または10~15の範囲である。ミキサーを収容するための反応器チャンバに対するスタティックミキサーの体積変位%は、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、または5%未満であってもよい。
【0099】
スタティックミキサー(CSM)の構成は、断面の微視的乱流を強化するために提供され得る。このような乱流は、CSMの形状、または3D印刷プロセスに起因するCSM表面の微視的な粗さなど、さまざまな原因に起因し得る。例えば、乱流の長さのスケールを減らして、より良い混合を提供し得る。乱流の長さのスケールは、例えば、微視的な長さのスケールであってもよい。
【0100】
スタティックミキサーの構成は、例えば出口断面における温度差の低減など、反応器内の熱伝達特性を向上させるために提供され得る。CSMの熱伝達は、例えば、約20℃/mm、15℃/mm、10℃/mm、9℃/mm、8℃/mm、7℃/mm、6℃/mm、5℃/mm、4℃/mm、3℃/mm、2℃/mm、または1℃/mm未満の温度差を有する断面温度プロファイルまたは横断温度プロファイルを提供し得る。
【0101】
足場は、使用時に、スタティックミキサーにわたる圧力降下(すなわち背圧)(Pa/m単位)が、約0.1~1,000,000Pa/m(すなわち1MPa/m)の範囲であるように構成され得、これには、当該範囲間の任意の値または任意の値の範囲が含まれる。例えば、スタティックミキサーにわたる圧力降下(すなわち背圧)(Pa/m単位)は、約500,000、250,000、100,000、50,000、10,000、5,000、1,000、750、500、250、100、75、50、25、20、15、10、または5Pa/m未満であってもよい。スタティックミキサーは、特定の流量に対して、より低い圧力降下を提供するように構成され得る。これに関して、本明細書に記載されるスタティックミキサー、反応器、システム、及びプロセスは、産業用途に適切なパラメーターで提供され得る。上記の圧力降下は、体積流量が少なくとも0.1、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、500,1000ml/分である場合に維持され得る。
【0102】
触媒反応は、水素化触媒の使用を伴う水素挿入反応であってもよい。水素挿入または水素化触媒は、反応物の分子内結合への水素の挿入、例えば、上記の酸素含有有機材料を形成するための炭素-酸素結合、不飽和結合の飽和結合への変換、例えば、O-ベンジル基からヒドロキシル基への変換などの保護基の除去、あるいは窒素三重結合の反応によるアンモニアもしくはヒドラジンまたはそれらの混合物の形成を容易にする。水素挿入または水素化触媒は、コバルト、ルテニウム、オスミウム、ニッケル、パラジウム、白金、ならびにそれらの合金、化合物、及び混合物からなる群から選択され得る。ある実施形態では、水素挿入または水素化触媒は、白金またはチタンを含むか、またはそれからなる。アンモニア合成では、触媒は、その後の反応のために水素種源及び窒素種源の解離吸着を促進し得る。さらなる実施形態において、水素挿入または水素化触媒は、ウォッシュコーティングまたはディップコーティングを使用してコーティングされる。
【0103】
スタティックミキサー
スタティックミキサーは、化学反応器チャンバに不可欠な足場を提供し得ることが理解されよう。連続フロー化学反応器チャンバ用のスタティックミキサー足場は、ミキサーを通る流れ及び反応中に1つ以上の流体反応物を分散及び混合するように構成された複数の通路を規定する触媒性の活性足場を含み得る。足場の表面の少なくともかなりの部分が触媒材料を含み得ることが理解されよう。触媒材料は、スタティックミキサー足場の表面に触媒性の反応性部位を提供するために、金属、金属酸化物、ケイ酸アルミニウム、活性炭、メソポーラスカーボン、グラフェン、黒鉛材料、金属有機構造体、ゼオライトのうちの少なくとも1つから選択され得る。
【0104】
スタティックミキサーは、それぞれが連続フロー化学反応器またはその反応器チャンバに挿入するように構成された1つ以上の足場として提供され得る。スタティックミキサー足場は、連続フロー電気化学反応器またはそのチャンバへのアセンブリのためのモジュラ挿入物として構成され得る。スタティックミキサー足場は、インライン連続フロー化学反応器またはそのチャンバのための挿入物として構成され得る。インライン連続フロー化学反応器は、リサイクルループ反応器であっても、またはシングルパス反応器であってもよい。一実施形態では、インライン連続フロー化学反応器は、シングルパス反応器である。
【0105】
スタティックミキサー足場は、主流を横切る方向、例えばスタティックミキサー足場の中心長手方向軸に対して半径方向及び接線方向または方位角方向に流体を再分配するための混合及び熱伝達特性を向上するために、構成され得る。スタティックミキサー足場は、(i)最大数に近い反応部位が活性化するように可能な限り多くの触媒表面積が流れに提示されることを確実にすること、ならびに(ii)(a)反応物分子がスタティックミキサー足場の表面とより頻繁に接触するように、及び(b)熱が流体からまたは流体に対して効率的に伝達されるように流れの混合を改善すること、のうち少なくとも1つのために構成され得る。スタティックミキサー足場は、特定の用途と相関関係にある様々な幾何学的構成またはアスペクト比が与えられ得る。スタティックミキサー足場は、流体反応物を混合し、活性化のために触媒材料に近接させることを可能にする。スタティックミキサー足場は、乱流流量で使用するように、例えば、反応器チャンバハウジングの内面またはその近くでさえ、乱流及び混合を増強するように、構成され得る。スタティックミキサー足場は、層流及び乱流の両方の熱及び物質移動特性を強化するように構成され得ることも理解されよう。
【0106】
この構成はまた、効率、化学反応の程度、または、他の特性、例えば、圧力降下(所定のまたは所望の流量を維持しながら)、滞留時間分布、もしくは熱伝達係数を向上させるように設計され得る。前述のように、従来のスタティックミキサーは、これまでは、本発明のスタティックミキサーによって提供される触媒反応環境に起因し得る、強化された熱伝達要件に特に対処するためには開発されていなかった。
【0107】
足場、またはスタティックミキサーの構成は、足場の触媒的反応性部位で、反応物またはその反応性中間物の接触及び活性化を向上するために、反応物の混合のための構成を向上するために用いられ得る、計算流体力学(CFD)ソフトウェアを使用して決定され得る。CFDベースの構成決定については、以下のセクションでさらに詳しく説明する。
【0108】
スタティックミキサーの足場は、付加製造によって形成され得る。スタティックミキサーは、付加製造されたスタティックミキサーであってもよい。スタティックミキサー及びそれに続く触媒性コーティングの付加製造は、効率的な混合、熱伝達、及び触媒性反応(連続フロー化学反応器内の反応物の)のために構成されたスタティックミキサーを提供し得、スタティックミキサーの信頼性及び性能について物理的に試験され得、及び任意選択で、付加製造(3D印刷など)技術を使用してさらに再設計及び再構成される。付加製造は、スタティックミキサーの予備設計及び試験において、ならびにさらに再設計及び再構成において、柔軟性をもたらし、さらに商業的に実現可能で耐久性のスタティックミキサーの開発を容易にする。
【0109】
スタティックミキサー足場は、下記の一般的で非限定的で例示的である構成のうちの1つ以上から選択された構成で提供され得る。
・らせんを有する開放構成
・ブレードを有する開放構成
・波形プレート
・多層設計
・チャネルまたは穴を有する閉鎖構成
・金属発泡体またはモノリスなどの不規則なデザイン。
【0110】
スタティックミキサーの足場は、1つ以上の流体反応物の混合を促進するように構成された複数の通路を画定する複数の一体型ユニットを有するメッシュ構成で提供され得る。
【0111】
スタティックミキサー足場は、反応器チャンバを通って流れる流体の混合を促進するために、複数の開孔部を画定するように構成された相互接続セグメントの格子により提供される足場を備え得る。足場はまた、熱伝達ならびに流体混合を促進するように構成されてもよい。
【0112】
様々な実施形態において、形状または構成は、比表面積、体積変位比、高流量に対する強度及び安定性、付加製造を使用する製造への適合性から選択されるスタティックミキサー足場の1つ以上の特性を強化するように、ならびに、以下:高度なカオス的移流、乱流混合、触媒相互作用、及び熱伝達のうちの1つ以上を達成するように、選択され得る。
【0113】
いくつかの実施形態では、足場は、カオス的移流、または乱流混合、例えば断面的、横断的(流れに対して)、もしくは局所的な乱流混合を向上させるように、構成され得る。足場の形状は、スタティックミキサー足場の長手方向軸に沿った所与の長さ内で流れを、特定の回数より多く、例えば200m-1より多く、任意選択で400m-1より多く、任意選択で800m-1より多く、任意選択で1500m-1より多く、任意選択で2000m-1より多く、任意選択で2500m-1より多く、任意選択で3000m-1より多く、任意選択で5000m-1より多く、局所的な流れの方向を変更するように、または局所的な流れを分割するように構成され得る。足場の形状または構成は、スタティックミキサーの所与の体積内に、ある特定の数より多くの分流構造、例えば100m-3より多く、任意選択で1000m-3より多く、任意選択で1×104m-3より多く、任意選択で1×106m-3より多く、任意選択で1×109m-3より多く、任意選択で1×1010m-3より多くの分流構造を備え得る。
【0114】
足場の形状または構成は、実質的に管状であっても、または直線状であってもよい。足場は、複数のセグメントから形成されてもよいし、または複数のセグメントを含んでもよい。セグメントの一部または全ては、直線セグメントであってもよい。セグメントの一部または全ては、例えば直角プリズムなどの多角形プリズムを含み得る。足場は、複数の平面を含み得る。直線セグメントは、互いに対して角度を付けて配置され得る。直線セグメントは、足場の長手方向軸に対して、例えば2つ、3つ、4つ、5つ、または6つの異なる角度など、いくつかの異なる角度で配置され得る。足場は、繰り返し構造を備え得る。足場は、その足場の長手方向軸に沿って周期的に繰り返される複数の同様の構造を備え得る。足場の形状または構成は、足場の長さに沿って、一貫していてもよい。足場の形状は、足場の長さに沿って変化し得る。直線セグメントは、1つ以上の湾曲セグメントにより接続され得る。足場は、1つ以上のらせん状セグメントを含み得る。足場は、一般的にらせん体を画定し得る。足場は、らせん体の表面に複数の開孔部を備えるらせん体を備え得る。
【0115】
スタティックミキサーの寸法は、用途に応じて変わり得る。スタティックミキサー、またはスタティックミキサーを備える反応器は、管状であってもよい。スタティックミキサーまたは反応器の管は、例えば、直径が、1~5000、2~2500、3~1000、4~500、5~150、または10~100(mm単位)の範囲であり得る。スタティックミキサーまたは反応器の管は、例えば、直径が、少なくとも約1、5、10、25、50、75、100、250、500、または1000(mm単位)であり得る。スタティックミキサーまたは反応器の管は、直径が、例えば、約5000、2500、1000、750、500、250、200、150、100、75、または50(mm単位)未満であり得る。スタティックミキサー足場、またはスタティックミキサー足場を備える反応器チャンバのアスペクト比(L/d)は、特定の反応のための産業規模流量に好適な範囲で提供され得る。アスペクト比は、例えば、約1~1000、2~750、3~500、4~250、5~100、または10~50の範囲であり得る。アスペクト比は、例えば、約1000、750、500、250、200、150、100、75、50、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、または2未満であり得る。アスペクト比は、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、50、75、または100を超え得る。アスペクト比は、単一の単位または足場の長さ対直径の比(L/d)を意味することが理解されよう。
【0116】
スタティックミキサー足場または反応器は、一般に、高い比表面積(すなわち、内部表面積とスタティックミキサー足場及び反応器チャンバの体積との間の比)を備えている。比表面積は、充填層反応器システムによって提供されるものよりも小さくてもよい。比表面積(m2m-3)は、100~40,000、200~30,000、300~20,000、500~15,000、または12000~10,000の範囲であり得る。比表面積(m2m-3)は、少なくとも100、200、300、400、500、750、1000、2000、3000、4000、5000、7500、10000、12500、15000、17500、または20000であってもよい。比表面積は、BET等温線技術を含む多くの技術によって測定し得ることが理解されよう。
【0117】
スタティックミキサー足場は、層流量または乱流量のために、混合及び熱伝達などの特性を向上させるように構成され得る。中空パイプ内を流れるニュートン流体では、層流及び乱流とレイノルズ数(Re)値との相関関係により、通常、Reが2300より小さい場合は層流量、Reが2300より大きく4000より小さい場合は過渡流量、及びReが4000より大きい場合は乱流量が通常もたらされることが、理解されよう。スタティックミキサー足場は、層流量または乱流量に関して、混合、反応度、熱伝達、及び圧力降下のうちの1つ以上から選択される特性の向上を提供するように構成され得る。特定の種類の化学反応をさらに向上させるには、それ自体の具体的な考慮が必要となることが、理解されよう。
【0118】
スタティックミキサー足場は、一般に、少なくとも0.01、0.1、1、5、50、100、150、200、250、300、350、400、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000、8500、9000、9500、10000のReで作動するように構成され得る。スタティックミキサー足場は、約0.1~2000、1~1000、10~800、または20~500という概して層流Re範囲で作動するように構成され得る。スタティックミキサー足場は、約1000~15000、1500~10000、2000~8000、または2500~6000という概して乱流Re範囲で作動するように構成され得る。
【0119】
ミキサーを収容するための反応器チャンバに対するスタティックミキサーの体積変位%は、1~40、2~35、3~30、4~25、5~20、または10~15の範囲である。ミキサーを収容するための反応器チャンバに対するスタティックミキサーの体積変位%は、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、または5%未満であってもよい。
【0120】
スタティックミキサーの構成は、断面の微視的乱流を強化するために提供され得る。このような乱流は、CSMの形状、または3D印刷プロセス及び/または表面コーティングに起因するCSM表面の微視的な粗さなど、さまざまな原因に起因し得る。例えば、乱流の長さのスケールを減らして、より良い混合を提供し得る。乱流の長さのスケールは、例えば、微視的な長さのスケールの範囲であってもよい。
【0121】
スタティックミキサーの構成は、例えば出口断面における温度差の低減など、反応器内の熱伝達特性を向上させるために提供され得る。CSMの熱伝達は、例えば、約20℃/mm、15℃/mm、10℃/mm、9℃/mm、8℃/mm、7℃/mm、6℃/mm、5℃/mm、4℃/mm、3℃/mm、2℃/mm、または1℃/mm未満の温度差を有する断面温度プロファイルまたは横断温度プロファイルを提供し得る。
【0122】
足場は、使用時に、スタティックミキサーにわたる圧力降下(すなわち圧力差または背圧)(Pa/m単位)が、約0.1~1,000,000Pa/m(すなわち1MPa/m)の範囲であるように構成され得、この範囲には、当該範囲間の任意の値または任意の値の範囲が含まれる。例えば、スタティックミキサーにわたる圧力降下(Pa/m単位)は、約500,000、250,000、100,000、50,000、10,000、5,000、1,000、750、500、250、100、75、50、25、20、15、10、または5Pa/m未満であり得る。スタティックミキサーは、特定の流量に対して、より低い圧力降下を提供するように構成され得る。これに関して、本明細書に説明されるスタティックミキサー、反応器、システム、及びプロセスは、産業用途に好適なパラメーターで提供され得る。上記の圧力降下は、体積流量が少なくとも0.1、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50ml/分である場合に維持され得る。
【0123】
スタティックミキサーの準備プロセス
スタティックミキサーの足場は、3D印刷などの付加製造によって提供され得る。スタティックミキサーとそれに続く触媒コーティングの付加製造は、効率的な混合、熱伝達、及び触媒反応(連続フロー化学反応器内の反応物の)のために構成されたスタティックミキサーを提供し得、このスタティックミキサーは、信頼性及び性能について物理的に試験され、ならびに任意選択で、付加製造(例えば、3D印刷)技術を使用してさらに再設計及び再構成され得る。付加製造を使用した元の設計と開発に続いて、キャスティング(例えば、インベストメント鋳造)などの他の製造プロセスを使用してスタティックミキサーを準備してもよい。付加製造は、スタティックミキサーの予備設計及び試験において、ならびにさらに再設計及び再構成において、柔軟性をもたらし、さらに商業的に実現可能で耐久性のスタティックミキサーの開発を容易にする。
【0124】
スタティックミキサー足場は、付加製造(すなわち、3D印刷)技術によって製造され得る。例えば、電子ビーム3Dプリンターまたはレーザビーム3Dプリンターを使用してもよい。3D印刷の付加材料は、例えば、チタン合金ベース粉末(例えば、45-105マイクロメートル直系の範囲)、またはコバルト-クロム合金ベースの粉末(例えば、FSX-414)またはステンレス鋼もしくはアルミニウム-ケイ素合金であってもよい。レーザビームプリンタに伴う粉末直径は通常、電子ビームプリンタで使用されるものより小さい。
【0125】
3D印刷はよく理解されており、ビームによって供給される熱によって、または押し出し及び焼結ベースのプロセスによって促進される融合を介して、材料を粉末床に順次堆積させるプロセスを指す。3D印刷可能なモデルは、通常、コンピューター支援設計(CAD)パッケージを使用して作成される。STLファイルから3Dモデルを印刷する前に、通常、適用されたマニホールドのエラー及び修正について検査される。それが完了すると、.STLファイルは「スライサー」と呼ばれるソフトウェアによって処理され、スライサーはモデルを一連の薄層に変換し、特定のタイプの3Dプリンターに合わせた命令を含むGコードファイルを生成する。3D印刷プロセスは、従来の製造ルートによって課せられる製品設計の制限を排除するので、スタティックミキサー足場の準備に使用するのに有利である。その結果、3D印刷から継承された設計の自由度により、スタティックミキサーの形状を、そうでない場合よりも性能にとってさらに最適化することが可能になる。
【0126】
触媒活性足場は、金属、金属酸化物、ケイ酸アルミニウム、活性炭、メソポーラスカーボン、グラフェン、黒鉛材料、金属有機構造体、ゼオライトのうちの少なくとも1つから選択される触媒材料から調製され得る。スタティックミキサーを調製するプロセスは、ウォッシュコーティングまたはディップコーティングによって、触媒材料を含むコーティングを足場の少なくとも実質的な部分に適用するステップを含み得る。例えば、コーティングは、足場の表面の少なくとも50%に提供され得る。他の実施形態では、コーティングは、足場の表面の少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、98、または99%に提供され得る。
【0127】
いくつかの実施形態では、プロセスは、最初に、3D印刷などの付加製造プロセスを使用して足場を形成することを含み得る。
【実施例】
【0128】
下記の実施例により、本開示がさらに説明される。下記の説明は、単に特定の実施形態を説明するためのものであり、上記の説明に関して制限する意図はないことを理解されたい。
【0129】
本開示は、触媒性液体懸濁液中のスタティックミキサー足場をウォッシュコーティング/ディップコーティングすることにより、触媒材料または触媒担持材料をスタティックミキサー足場に堆積させるための効果的かつ拡張可能なプロセスを提供する。
図1を参照すると、このプロセスは、スタティックミキサーの足場にコーティングすることが必要な触媒材料または触媒担持材料のタイプに応じて、いくつかの異なる堆積プロセス、すなわち、オプション(a)、オプション(b)、オプション(c)、及びオプション(d)を含み得る。
【0130】
スタティックミキサー足場は、触媒性コーティングのための表面を準備するために、様々な任意の表面前処理方法に曝してもよいことが理解されよう。
【0131】
実施例1 任意選択の前処理ステップ:
1)スタティックミキサー足場の表面をエッチングするには、その足場を最初に希釈HCl溶液(5~10重量%)に1時間浸漬する。
2)次に、足場を超音波処理浴に20分間浸する。
3)その足場をアセトン溶液に10分間浸する。
4)その足場を140℃のオーブンで16時間乾燥させる。
【0132】
実施例2 コーティングオプション(a)~(d)の一般的なウォッシュコーティングステップ:
オプション(a)
1)触媒性液体懸濁液を形成するために、制御された粒子サイズ(通常5μm未満、必要に応じて乾式/湿式粉砕による)を有する、ある量の市販の触媒材料または触媒担持材料を、ある量の溶媒に添加し、48時間にわたりマグネチックスターラーで撹拌して、均一なスラリーを固形分の約3~25重量%の濃度で達成した。
2)前処理されたスタティックミキサー足場を懸濁液に20~30秒間浸し、続いて加圧空気を吹き付けて、過剰な液体を排除し、足場のチャネル閉塞を防ぐ。次に、浸漬した足場を、室温で1日間、開いた容器に水平に置き、残っている溶媒を蒸発させる。最後に、足場を120℃の真空下のオーブンに入れて、残留溶媒を除去する。触媒性スタティックミキサー足場上にさらに多くの触媒堆積層を得るか、または所望の触媒負荷が達成されるまで、このプロセスを2~6回繰り返した。
【0133】
オプション(b)
1)液体支持懸濁液支持材料を、ある量の溶媒に形成するために、マグネチックスターラーで24時間にわたって撹拌して、均一なスラリーを、固形分の約10~25重量%の濃度で達成する。前処理されたスタティックミキサー足場を、液体支持懸濁液に20~30秒間浸し、続いて加圧空気を吹き付けて、過剰な液体を排除し、足場のチャネル閉塞を防いだ。次に、浸漬した足場を、室温で1日間、開いた容器に水平に置き、溶媒の大部分が空気中で蒸発するようにさせた。次いで、足場を120℃の真空下のオーブンに入れて、残留溶媒を除去した。
2)ステップ1は、触媒性液体懸濁液のコーティングの前に中間支持層を形成する。
3)触媒性液体懸濁液を形成するために、制御された粒子サイズ(通常5μm未満、必要に応じて乾式/湿式粉砕による)を有する、ある量の市販の触媒材料または触媒担持材料を、ある量の溶媒に添加し、48時間にわたりマグネチックスターラーで撹拌して、均一なスラリーを固形分の約3~25重量%の濃度で達成した。
4)中間支持層で以前にコーティングされたスタティックミキサー足場を、懸濁液に20~30秒間浸し、続いて加圧空気を吹き付けて、過剰な液体を排除し、足場のチャネル閉塞を防ぐ。次に、浸漬した足場を、室温で1日間、開いた容器に水平に置き、それによって、残っている溶媒を蒸発させる。最後に、足場を120℃の真空下のオーブンに入れて、残留溶媒を除去する。触媒性スタティックミキサー足場上にさらに多くの触媒堆積層を得るか、または所望の触媒負荷が達成されるまで、このプロセスを2~6回繰り返した。
【0134】
オプション(c)
1)液体支持懸濁液支持材料及び結合剤を、ある量の溶媒中で約1重量%に形成するために、マグネチックスターラーで24時間にわたって撹拌して、均一なスラリーを、固形分の約10~25重量%の濃度で達成する。前処理されたスタティックミキサー足場を、液体支持懸濁液に20~30秒間浸し、続いて加圧空気を吹き付けて、過剰な液体を排除し、足場のチャネル閉塞を防いだ。次に、浸漬した足場を、室温で1日間、開いた容器に水平に置き、溶媒の大部分が空気中で蒸発するようにさせた。次いで、足場を120℃の真空下のオーブンに入れて、残留溶媒を除去した。
2)ステップ1は、触媒性液体懸濁液のコーティングの前に中間支持層を形成する。
3)触媒性液体懸濁液を形成するために、ある量の市販の触媒材料または触媒担持材料(制御された粒子サイズ)(通常5μm未満、必要に応じて乾式/湿式粉砕による)を、ある量の溶媒に加え、マグネチックスターラーで48時間以上攪拌して、固形分の約3~25重量%濃度の均質なスラリーを達成する。
4)前もって中間支持層でコーティングされたスタティックミキサー足場を、懸濁液に20~30秒間浸した後、加圧空気を吹き付けて、余分な液体を排除し、足場のチャネル閉塞を防いだ。次に、浸漬した足場を、室温で1日間、開いた容器に水平に置き、残っている溶媒を蒸発させる。最後に、足場を120℃の真空下のオーブンに入れて、残留溶媒を除去する。触媒性スタティックミキサー足場上にさらに多くの触媒堆積層を得るか、または所望の触媒負荷が達成されるまで、このプロセスを2~6回繰り返した。
【0135】
オプション(d)
1)触媒性液体懸濁液を形成するために、制御された粒子サイズ(通常5μm未満、必要に応じて乾式/湿式粉砕による)を有する、ある量の市販の触媒材料または触媒担持材料、及び結合剤約1重量%を、ある量の溶媒に添加し、48時間にわたりマグネチックスターラーで撹拌して、均一なスラリーを固形分の約3~25重量%の濃度で達成する。
2)前処理されたスタティックミキサー足場を、懸濁液に20~30秒間浸し、続いて加圧空気を吹き付けて、過剰な液体を排除し、足場のチャネル閉塞を防ぐ。次に、浸漬した足場を、室温で1日間、開いた容器に水平に置き、残っている溶媒を蒸発させる。最後に、足場を120℃の真空下のオーブンに入れて、残留溶媒を除去する。触媒性スタティックミキサー足場上にさらに多くの触媒堆積層を得るか、または所望の触媒負荷が達成されるまで、このプロセスを2~6回繰り返した。
【0136】
実施例3 接着試験
スラリーを、ガラス皿に数滴垂らすこと、及び120℃の真空下のオーブンで乾燥させることにより、固形分を確認した。総固形分は、式(1)で算出され得るが、m
1は、空のガラス皿の質量、m
2はスラリーを加えたガラス皿の質量、及びm
3は溶媒の蒸発後の質量を表す。スラリーの均一性も、いくつかの並行固形分試験で推測され得る。
【数1】
各コーティングステップの前後に、ミキサーの質量を記録して、式(2)を使用して負荷率を計算した。ここで、m
0はミキサーの元の質量を示し、m
nは、n番目のコーティング後の質量を示す。
【数2】
触媒層の接着性を評価するために、コーティングされたCSMを、溶媒浴、例えば、水またはエタノールで10分間の超音波処理に供した。次に、超音波処理したミキサーを、室温の開いた容器に水平に置き、溶媒の大部分が空気中で蒸発するようにさせた。次いで、ミキサーを120℃の真空下のオーブンに入れて、残留溶媒を除去した。その後、式(3)を用いて質量損失を算出し、ここで、mnは、n番目のコーティング後の質量を意味し、m
aは超音波処理後の質量を意味する。
【数3】
表1~4に、さまざまなコーティングルートオプション(a)~(d)によるコーティングされた触媒性スタティックミキサー足場の例を示す。各試行について並行実験を行い、表に示されているデータは平均値であることが理解されよう。
【表1-1】
【表1-2】
【表2】
【表3】
【表4-1】
【表4-2】
【表4-3】
【表4-4】
【表4-5】
【0137】
実施例4 フロー反応器試験
評価に使用された連続フロー反応器の設定は、WO2017106916を含む以前の研究で記載されている。これは、触媒挿入物を収容する水素反応器モジュール、ガス処理システム、液体供給システム(試薬ポンプ、Gilson 305 HPLCポンプによって駆動される)、ならびに電子プロセス制御及びデータロギングで構成されている。
【0138】
反応器モジュールには、12の反応器ゾーンがあり、各ゾーンは、長さ15cmのステンレス鋼配管(Swagelok、外径8mm、内径6mm)でできている。また、eth反応器経路の長さに沿って配置された5つの温度プローブ(PT-100)も備えている。
【0139】
反応器モジュールは、触媒挿入物の切り替えを容易にするために簡単に分解され得る。試薬ポンプは、出発物質基質の溶液を、ニートまたは溶媒中に含む基質フィードの流れを供給する。水素ガスは、水素ボンベ(G型ボンベ)から供給され、Tピースで液体の流れと混合される。反応器内の圧力は、反応器の出口にあるダイアフラム背圧レギュレーター(BPR、Swagelok KBP1J0A4D5A20000)によって調整される。
【0140】
BPRを通過した後、高温の流出物は、適切な冷却液で作動し得るコイル型熱交換器中、任意選択で冷却され得る。次に、生成物の流れは、さらなる後処理及び分析のためにボトルまたはフラスコに収集される。
【0141】
以下のさらなる安全構成要素とプロセス制御と監視装置とが、リグに設置されている:反応器入口の安全圧力逃し弁(Swagelok、SS-4R3A)、ガスラインの安全遮断弁(Burkert、2/2方向ソレノイド弁6027-A03)、ガスラインのフラッシュバックアレスタ(Witt 85-10)、ガスラインのマスフロー制御装置(Bronkhorst,MFC F-201CV-500)、ならびに液体ライン、ガスライン、及び反応器の入口にある圧力センサー。
【0142】
反応は、反応器ゾーン内の触媒挿入物の固液界面で起こる。リアクタシステムの動作は、専用のLabViewソフトウェアによって制御される。温度、圧力、及びガス流量も、LabView制御プログラムによって監視される。
【0143】
この反応器の水素化反応を評価するために、酢酸ビニル(VAc)、シンナムアルデヒド(CAL)、(-)-イソプレゴール(IPG)、1,4-ブチンジオール(BYD)、及び2-メチル-3-ブチン-2-オール(MBY)の水素化を、溶媒のエタノール(EtOH)、メタノール(MeOH)、イソプロパノール(iPrOH)、n-ヘプタンまたは酢酸エチル(EtOAc)を使用して、調査する一連の実験を実施した。スキーム1を参照のこと。
【化1】
【0144】
上記の反応器の構成での典型的な水素化反応は、以下のように実施された。最初に、反応器内の4つの触媒挿入物を、24バール、120℃、及び190 mLN/分のガス流量で水素を流すことによって活性化した。活性化反応器を、液体試薬ポンプを使用して、溶媒EtOHでフラッシュした。基質であるVAcを、EtOHに2モル/Lの濃度で溶解した。
【0145】
反応開始前に、洗浄溶媒EtOHとともに水素ガスを導入し、反応のパラメーターを調整した:反応器内の圧力、pR=20バール、液体流量、VL=1ml/分、ガス流量VG=50mLN/分、及び反応器温度、TR=120℃。圧力及び温度が安定したら、試薬ポンプを純粋な溶媒から、調製した透明なストック溶液に切り替えることにより、基質(VAc)を反応器に供給した。透明な生成物を反応器の出口でいくつかの画分に集め、次に1H-NMR及びGCによって分析した。反応変換は、重水素化クロロホルム(Cambridge Isotope Laboratories Inc.製)中のBruker AC-400分光計で記録された1H NMRスペクトルから算出した。δ=7.26ppmの残留溶媒ピークを内部参照として使用した。製品組成はGC-FID及びGC-MSで分析した。
【0146】
GC-FIDの結果をまた用いて、NMR変換を確認し、GCベースの収率を算出もした。GC-質量スペクトルは、Perkin Elmer Clarus 600 GC質量分析計を使用し、70eVのイオン化エネルギーで正イオンモードの電子衝撃イオン化を使用して取得した。ガスクロマトグラフィーは、Perkin Elmer Elite-5MS GCカラム(30mx0.25mm ID、0.25μmフィルム厚)を使用し、40℃で2分間、次に10℃/分で280℃に加熱という温度プログラムで実行し、ここでこの温度は、スプリット比70、インジェクター温度250℃で4分間保持して、移送ラインを250℃に設定した。超高純度ヘリウムを、流量0.7ml/分で、キャリアガスとして使用した。
【0147】
GC-FID分析は、スプリット/スプリットレス注入口及び250℃の検出器温度を備えたAgilent6850シリーズIIガスクロマトグラフで実行した。分離は、Grace BPX5キャピラリカラム(25m×0.32mm ID、0.50μm膜厚)で、40℃で2分間、次いで、10℃/分で280℃まで加熱という温度プログラムで行い、ここで温度は、スプリット比50、及びインジェクター温度200℃で4分間保持した。キャリアガスとして高純度ヘリウムを使用し、流量は2.4ml/分であった。試薬のVAc、CAL、BYD、及びMBYは、Sigma Aldrichから入手した。溶媒のEtOH、MeOH、iPrOH、n-ヘプタン及びEtOAcは、MerckKGaAから入手した。全ての試薬、及び溶媒を、更に精製することなく使用した。
【0148】
表5は、VAc及びCALの水素化反応から、ならびに(-)-メントール(MEN)を形成するための(-)-イソプレゴール(IPG)の水素化反応からの実験データを示している。表6は、BYDからBEDへの半水素化反応の実験データを示している。表7は、MBYからMBEへの半水素化反応の実験データを示している。この実験データによって、高い変換率(VAc:最大100%、CAL:最大100%、BYD:最大100%、MBY:最大100%)及び高い選択性(BYD:最大92%、MBY:最大100%)が、本明細書に記載のコーティングされた触媒性スタティックミキサー足場(CSM)を使用して、達成され得ることが有利に示される。これらの反応に対する触媒性スタティックミキサー反応器の時空収率は、数kg/L hの範囲であった(VAc:最大1.68kg/L h、CAL:最大0.70kg/L h、BYD:最大1.85kg/L h、MBY:最大3.22kg/L h)。
【表5】
【表6-1】
【表6-2】
【表6-3】
【表6-4】
【表6-5】
【表7-1】
【表7-2】
【表7-3】
【表7-4】
【0149】
実施例5 浸出分析
長時間の実行の定常状態レジーム中に生成物溶液を収集することにより、触媒性スタティックミキサー足場(CSM)の触媒浸出分析が可能になった。
【0150】
標準的な試験反応、すなわちエタノール中でのEtOAcへのVAcの還元のための実験中に、合計1L以上の生成物溶液を収集した。全ての有機材料を注意深く除去し、Cr、Mn、Fe、Mo、Al、Ni、Pd、Pt、及びRuの存在について、残りの材料を誘導結合プラズマ-発光分光法(ICP-EOS)で分析した。試験されたCSMは全て、ウォッシュコーティングされたアルミナタイプの触媒、(1)酸化アルミニウム上のニッケル、(2)酸化アルミニウム上のパラジウム、(3)酸化アルミニウム上のプラチナ、及び(4)酸化アルミニウム上のルテニウムであり、それぞれ(1)~(4)CSMの4つの異なるセットを試験した。各CSMは、直径が6mm、長さが150mmであった。以下の表7に示すように、生成物の流れには、10億分の1(ppb)レベルのみの活性触媒金属であるNi、Pd、Pt、及びRuが含まれている。Cr、Mn、Fe、Mo、及びAlのppb値は、反応器の316ステンレス鋼本体及びベースのスタティックミキサー足場に由来することが理解されるであろう。活性金属、Ni、Pd、Pt及びRuのppbレベルは、CSM上に堆積された触媒性のコーティングに由来することも理解されよう。
【0151】
この結果、活性触媒層がベーススタティックミキサー足場への優れた接着を示すこと、及び長期間にわたる連続使用中のCSMの触媒層の劣化が無視し得ることが、予想外かつ有利に、示されている。以下の表8に示す全ての例で、検出された可溶性金属の最大量はFeであり、したがって、金属汚染の大部分は、316ステンレス鋼(SS)CSM足場、SS配管、及び反応器の他のSS部分に由来すると考えられる。
【表8】
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 触媒的にコーティングされた足場を調製するためのプロセスであって、以下のステップ:
(i)触媒性液体懸濁液を足場の表面に適用することであって、前記コーティングされる足場の表面上に触媒反応性部位を含むコーティングを提供し、ここで、前記触媒性液体懸濁液は、複数のエクスサイチュ触媒粒子を含む液体担体を含み、前記コーティングされた足場は、1つ以上の流体反応物を、その流れ及び反応の間に分散及び混合するように構成された複数の通路を含む非見通し線構成を有する、前記適用すること、及び
(ii)前記コーティングされた足場を乾燥させて前記液体担体を除去し、エクスサイチュ触媒粒子を含むコーティングされた足場を提供すること、
を含む、前記プロセス。
[2] 前記足場がスタティックミキサー足場である、[1]に記載のプロセス。
[3] 前記スタティックミキサーの表面が、ステップ(i)の前に、支持材料及び任意選択で結合剤にてプレコーティングされる、[2]に記載のプロセス。
[4] 前記触媒性液体懸濁液が結合剤をさらに含む、[1]~[3]のいずれか1項に記載のプロセス。
[5] ステップ(i)における前記足場の前記表面に前記触媒性液体懸濁液を適用する前記ステップが、ウォッシュコーティングまたはディップコーティングによるものである、[1]~[4]のいずれか1項に記載のプロセス。
[6] 前記プロセスが、ステップ(i)において前記触媒性液体懸濁液を前記足場の前記表面に適用する前の前処理ステップをさらに含み、前記前処理ステップは、化学処理、陽極酸化、溶融めっき、真空めっき、塗装、溶射、及び酸エッチングから選択された足場の表面への少なくとも1つの表面処理ステップを含む、[1]~[5]のいずれか1項に記載のプロセス。
[7] 前記触媒粒子が、触媒材料または支持材料上の触媒材料を含む触媒担持材料から形成される、[1]~[6]のいずれか1項に記載のプロセス。
[8] 前記触媒材料が、金属、金属酸化物、ケイ酸アルミニウム、活性炭、メソポーラスカーボン、グラフェン、黒鉛材料、金属有機構造体、ゼオライト、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、[7]に記載のプロセス。
[9] 前記金属が、アルミニウム、鉄、セリウム、カルシウム、コバルト、銅、マグネシウム、亜鉛、ニッケル、パラジウム、白金、金、ケイ素、銀、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、チタン、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、及びクロム、またはそれらの金属酸化物のうちの少なくとも1つから選択される[8]に記載のプロセス。
[10] 前記支持材料が、活性炭、メソポーラスカーボン、グラフェン、黒鉛材料、金属有機構造体、ゼオライト、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、セラミック、塩化マグネシウム、炭酸カルシウムまたは酸化二カリウムのうちの少なくとも1つから選択される、[3]~[9]のいずれか1項に記載のプロセス。
[11] 前記触媒担持材料が、酸化アルミニウム上のルテニウム、酸化アルミニウム上のパラジウム、炭酸カルシウム上の鉛被毒パラジウム、酸化アルミニウム上の鉄、酸化アルミニウム上の銀、シリカジフェニルホスフィンパラジウム、ケイ酸チタン上のパラジウム、炭素上のパラジウム、ニッケル修飾酸化アルミニウム 酸化ケイ素、またはゼオライトのうちの少なくとも1つから選択される、[7]~[10]のいずれか1項に記載のプロセス。
[12] 前記触媒性液体懸濁液中の前記触媒粒子の濃度が、前記触媒性液体懸濁液の総重量に基づいて10重量%未満である、[1]~[11]のいずれか1項に記載のプロセス。
[13] 前記触媒性液体懸濁液用の前記結合剤が、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、縮合樹脂、ポリビニルアセテート、ポリ(アクリル酸)ナトリウム塩、ポリビニリデンフルオリド、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、デキストリン、ケイ酸ナトリウム、コロイド状シリカ、ポリジメチルシロキサン、ベーマイト、コロイド状酸化アルミニウム、またはポリイソブチレンを含む群から選択される、[3]~[12]のいずれか1項に記載のプロセス。
[14] 前記結合剤が、前記触媒性液体懸濁液の総重量に基づいて、約0.3重量%~約5重量%の間の濃度で添加される、[13]に記載のプロセス。
[15] 前記液体担体が、水、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、酢酸エチル、アセトン、またはそれらの組み合わせを含む群から選択される、[1]~[14]のいずれか1項に記載のプロセス。
[16] 前記触媒性液体懸濁液が、約3重量%~約28重量%の間の固形分を有する、[1]~[15]のいずれか1項に記載のプロセス。
[17] 前記コーティングの厚さが、約1μm~約50μmの間である、[1]~[16]のいずれか1項に記載のプロセス。
[18] 前記触媒の表面積が、約1m
2
/gと約1000m
2
/gとの間である、[1]~[17]のいずれか1項に記載のプロセス。
[19] 前記コーティングの接着が、超音波処理試験によって測定されたときに、約0.5重量%未満のコーティングの総質量損失をもたらす、[1]~[18]のいずれか1項に記載のプロセス。
[20] 前記足場が金属、金属合金、サーメット、炭素繊維、炭化ケイ素またはポリマーである、[1]~[19]のいずれか1項に記載のプロセス。
[21] 前記足場が金属足場である、[20]に記載のプロセス。
[22] 前記金属足場の前記金属または金属合金が、チタン、アルミニウムまたはステンレス鋼である、[20]に記載のプロセス。
[23] 前記足場の前記アスペクト比(L/d)が少なくとも75である、[1]~[22]のいずれか1項に記載のプロセス。
[24] 前記エクスサイチュ触媒粒子が約5μm未満である、[1]~[23]のいずれか1項に記載のプロセス。
[25] [1]~[24]のいずれか1項に記載のプロセスであって、前記乾燥ステップが以下のステップ:
(a)約15℃と約30℃との間の範囲の第1の温度を前記足場の前記コーティングされた表面に対して、約4~24時間の第1の期間適用して、前記触媒性液体懸濁液から揮発性物質の少なくとも一部を揮発させること、及び
(b)前記足場の前記表面に乾燥コーティングが形成されるように、制御された雰囲気下で約100℃から約180℃の間の範囲の第2の温度を、約4~24時間の第2の期間適用すること、を含む前記プロセス。
[26] [1]~[25]のいずれか1項に記載の前記触媒的にコーティングされた足場を調製するための前記プロセスによって調製された触媒的にコーティングされた足場。
[27] 足場上にコーティングを含む触媒的にコーティングされた足場であって、前記コーティングが、複数の触媒粒子を含み、前記コーティングされた足場が、1つ以上の流体反応物を、その流れ及び反応の間に、分散及び混合するために構成された複数の通路を含む非見通し線構成を有する、前記足場。
[28] 前記コーティングが支持材料及び任意選択で結合剤を含む、[27]に記載の触媒的にコーティングされた足場。
[29] 前記触媒粒子が、金属、金属酸化物、ケイ酸アルミニウム、活性炭、メソポーラスカーボン、グラフェン、黒鉛材料、金属有機構造体、ゼオライト、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、[28]に記載の触媒的にコーティングされた足場。
[30] 前記触媒粒子が、アミニウム、鉄、セリウム、カルシウム、コバルト、銅、マグネシウム、亜鉛、ニッケル、パラジウム、白金、金、ケイ素、銀、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、チタン、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、及びクロム、またはそれらの金属酸化物のうちの少なくとも1つから選択される金属である、[27]~[29]のいずれか1項に記載の触媒的にコーティングされた足場。
[31] 前記支持材料が、活性炭、メソポーラスカーボン、グラフェン、黒鉛材料、金属有機構造体、ゼオライト、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、セラミック、塩化マグネシウム、炭酸カルシウムまたは酸化二カリウムのうちの少なくとも1つから選択される、[28]に記載の触媒的にコーティングされた足場。
[32] 前記触媒担持材料は、酸化アルミニウム上のルテニウム、酸化アルミニウム上のパラジウム、炭酸カルシウム上の鉛被毒パラジウム、酸化アルミニウム上の鉄、酸化アルミニウム上の銀、シリカジフェニルホスフィンパラジウム、ケイ酸チタン上のパラジウム、炭素上のパラジウム、ニッケル修飾酸化アルミニウム 酸化ケイ素、またはゼオライトのうちの少なくとも1つから選択される、[28]に記載の触媒的にコーティングされた足場。
[33] 前記結合剤が、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、縮合樹脂、ポリビニルアセテート、ポリ(アクリル酸)ナトリウム塩、ポリビニリデンフルオリド、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、デキストリン、ケイ酸ナトリウム、コロイド状シリカ、ポリジメチルシロキサン、ベーマイト、コロイド状酸化アルミニウム、またはポリイソブチレンを含む群から選択される、[27]~[32]のいずれか1項に記載の触媒的にコーティングされた足場。
[34] 前記触媒粒子が5μm未満である、[27]~[33]のいずれか1項に記載の触媒的にコーティングされた足場。
[35] 前記コーティングの厚さが約1μmと約50μmとの間である、[27]~[34]のいずれか1項に記載の触媒的にコーティングされた足場。
[36] 前記コーティングされた足場が、コーティングされたスタティックミキサー足場である、[27]~[35]のいずれか1項に記載の触媒的にコーティングされた足場。
[37] 1つ以上の流体反応物の反応に使用するための連続フロー化学反応器であって、[1]~[26]のいずれか1項に記載のプロセスによって調製された1つ以上の触媒的にコーティングされた足場、または[27]~[36]のいずれか1項に記載の触媒的にコーティングされた足場を含む、前記反応器。
[38] 前記1つ以上の流体反応物が連続流体流として提供される、[37]に記載の連続フロー化学反応器。
[39] 前記連続流体流が少なくとも1つの液相によって提供される、[37]または38のいずれか1項に記載の連続フロー化学反応器。
[40] [37]~[39]のいずれか1項に記載の1つ以上の化学反応器を含む不均一反応のための連続フロープロセス。
[41] 前記不均一反応が水素化反応である、[40]に記載の連続フロープロセス。