(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-07
(45)【発行日】2025-02-18
(54)【発明の名称】作業車両の支援システム
(51)【国際特許分類】
A01B 69/00 20060101AFI20250210BHJP
【FI】
A01B69/00 303A
A01B69/00 303F
A01B69/00 303M
(21)【出願番号】P 2022084666
(22)【出願日】2022-05-24
【審査請求日】2024-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】久保田 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】比留田 孔明
(72)【発明者】
【氏名】後野 剛志
(72)【発明者】
【氏名】衣川 亮祐
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-108439(JP,A)
【文献】特開2020-173820(JP,A)
【文献】特開2020-5595(JP,A)
【文献】特開2020-22397(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0354079(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 69/00-69/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操舵装置による手動操舵と、前記操舵装置の自動操舵とのいずれかで走行可能な車体と、基準ラインに基づいて前記自動操舵における走行予定ラインを定義し且つ前記自動操舵の制御を行う制御装置と、前記制御装置の前記基準ラインを更新する更新ラインを受信する通信装置と、を有する作業車両と、
前記更新ラインを前記通信装置へ送信するサーバと、
を備え、
前記制御装置は、
前記作業車両に設けられた機器の状態を取得する状態取得部を有し、
前記状態取得部が取得した前記状態に応じて、前記サーバから送信される前記更新ラインを反映する第1モードと、前記サーバから送信される前記更新ラインを反映しない第2モードと、に切り換える作業車両の支援システム。
【請求項2】
前記作業車両は、操作を受け付け且つ前記自動操舵に関する設定を変更する第1操作具を有し、
前記状態取得部は、前記第1操作具による前記設定の変更又は変更しないことを取得し、
前記制御装置は、
前記第1操作具によって前記設定を変更することを前記状態取得部が取得した場合、前記第1モードに切り換え、
前記第1操作具によって前記設定を変更しないことを前記状態取得部が取得した場合、前記第2モードに切り換える請求項1に記載の作業車両の支援システム。
【請求項3】
前記作業車両は、操作を受け付け且つ前記自動操舵の有効又は無効に切り換える第2操作具を有し、
前記状態取得部は、前記第2操作具による前記自動操舵の有効又は無効を取得し、
前記制御装置は、
前記第2操作具によって前記自動操舵が無効に切り換えられていることを前記状態取得部が取得した場合、前記第1モードに切り換え、
前記第2操作具によって前記自動操舵が有効に切り換えられていることを前記状態取得部が取得した場合、前記第2モードに切り換える請求項1に記載の作業車両の支援システム。
【請求項4】
前記状態取得部は、前記車体が走行を停止又は走行していることを取得し、
前記制御装置は、
前記車体が走行を停止していることを前記状態取得部が取得した場合、前記第1モードに切り換え、
前記車体が走行していることを前記状態取得部が取得した場合、前記第2モードに切り換える請求項1に記載の作業車両の支援システム。
【請求項5】
前記制御装置は、
前記第1モードである場合に、前記通信装置に対して、前記サーバから前記更新ラインを受信することを許可し、
前記第2モードである場合に、前記通信装置に対して、前記サーバから前記更新ラインを受信することを制限する請求項1に記載の作業車両の支援システム。
【請求項6】
前記制御装置は、
前記第1モードである場合に、前記通信装置が前記サーバから受信した前記更新ラインを前記基準ラインとして登録し、
前記第2モードである場合に、前記通信装置が前記サーバから受信した前記更新ラインを前記基準ラインとして登録せずに保持しておき、前記第1モードに切り換えた際に当該保持していた前記更新ラインを前記基準ラインとして登録する請求項1に記載の作業車両の支援システム。
【請求項7】
前記作業車両は、前記通信装置が受信した前記更新ラインを表示する表示装置を有している請求項1に記載の作業車両の支援システム。
【請求項8】
前記表示装置は、前記通信装置が受信した前記更新ラインの変更を受け付ける変更部を有している請求項7に記載の作業車両の支援システム。
【請求項9】
前記作業車両は、前記車体の位置を検出する検出装置を有し、
前記通信装置は、前記検出装置が検出した前記車体の位置を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記車体の位置に応じて、前記更新ラインを前記通信装置に送信する請求項1に記載の作業車両の支援システム。
【請求項10】
前記サーバは、
前記更新ラインを複数記憶し、当該複数の前記更新ラインを、それぞれ圃場の位置情報と関連付けて記憶しているデータベースと、
前記通信装置から送信された前記車体の位置に応じて、前記データベースに記憶され且つ当該位置に対応する前記更新ラインを前記通信装置に送信する送信部と、
を有している請求項9に記載の作業車両の支援システム。
【請求項11】
前記通信装置及び前記サーバと通信する携帯端末を備え、
前記携帯端末は、操作に応じて前記通信装置への前記更新ラインの送信を、前記サーバに対して指示する指示部を有している請求項1に記載の作業車両の支援システム。
【請求項12】
前記サーバは、前記更新ラインを複数記憶するデータベースを有し、
前記携帯端末は、前記データベースに記憶された前記更新ラインから、所定の更新ラインを選択する処理を受け付け、前記更新ラインを定義する更新定義部を有し、
前記指示部は、前記更新定義部が定義した前記更新ラインの前記通信装置への送信を、前記サーバに対して指示する請求項11に記載の作業車両の支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両の支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、農作業機として特許文献1が知られている。特許文献1に開示されている農作業機は、手動操舵による手動走行と、走行基準ラインに平行に設定される設定走行ラインに沿って自動操舵により走行する自動走行とを切替自在な走行機体と、手動走行と自動走行とを切替自在な切替スイッチとを備えている。また、特許文献1の農作業機では、畝に沿って走行中に右指示ボタンを操作されると、走行基準ラインの始点が設定され、走行中に左指示ボタンを操作されることによって走行基準ラインの終点が設定される。即ち、特許文献1の農作業機では、自動操舵を行う前の手動走行において走行基準ラインの設定を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に開示された技術では、新たな走行基準ラインによって自動操舵を行わせる場合や、異なる農作業機に同じ圃場で自動操舵を行わせる場合には、走行基準ラインを設定するために改めて手動走行を行う必要があった。
当該手動走行を回避する方法として、サーバ等の外部機器から農作業機へ新たな走行基準ライン(更新ライン)を送信する方法が考えられるが、当該更新ラインを送信するタイミングによっては、更新ラインによって意図と異なる経路で自動操舵を行う虞がある。
【0005】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、意図と異なる経路で自動操舵することを抑制できる作業車両の支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る作業車両の支援システムは、操舵装置による手動操舵と、前記操舵装置の自動操舵とのいずれかで走行可能な車体と、基準ラインに基づいて前記自動操舵における走行予定ラインを定義し且つ前記自動操舵の制御を行う制御装置と、前記制御装置の前記基準ラインを更新する更新ラインを受信する通信装置と、を有する作業車両と、前記更新ラインを前記通信装置へ送信するサーバと、を備え、前記制御装置は、前記作業車両に設けられた機器の状態を取得する状態取得部を有し、前記状態取得部が取得した前記状態に応じて、前記サーバから送信される前記更新ラインを反映する第1モードと、前記サーバから送信される前記更新ラインを反映しない第2モードと、に切り換える。
【0007】
前記作業車両は、操作を受け付け且つ前記自動操舵に関する設定を変更する第1操作具を有し、前記状態取得部は、前記第1操作具による前記設定の変更又は変更しないことを取得し、前記制御装置は、前記第1操作具によって前記設定を変更することを前記状態取得部が取得した場合、前記第1モードに切り換え、前記第1操作具によって前記設定を変更しないことを前記状態取得部が取得した場合、前記第2モードに切り換えてもよい。
【0008】
前記作業車両は、操作を受け付け且つ前記自動操舵の有効又は無効に切り換える第2操作具を有し、前記状態取得部は、前記第2操作具による前記自動操舵の有効又は無効を取得し、前記制御装置は、前記第2操作具によって前記自動操舵が無効に切り換えられていることを前記状態取得部が取得した場合、前記第1モードに切り換え、前記第2操作具によって前記自動操舵が有効に切り換えられていることを前記状態取得部が取得した場合、前記第2モードに切り換えてもよい。
【0009】
前記状態取得部は、前記車体が走行を停止又は走行していることを取得し、前記制御装置は、前記車体が走行を停止していることを前記状態取得部が取得した場合、前記第1モードに切り換え、前記車体が走行していることを前記状態取得部が取得した場合、前記第2モードに切り換えてもよい。
前記制御装置は、前記第1モードである場合に、前記通信装置に対して、前記サーバから前記更新ラインを受信することを許可し、前記第2モードである場合に、前記通信装置に対して、前記サーバから前記更新ラインを受信することを制限してもよい。
【0010】
前記制御装置は、前記第1モードである場合に、前記通信装置が前記サーバから受信した前記更新ラインを前記基準ラインとして登録し、前記第2モードである場合に、前記通信装置が前記サーバから受信した前記更新ラインを前記基準ラインとして登録せずに保持しておき、前記第1モードに切り換えた際に当該保持していた前記更新ラインを前記基準ラインとして登録してもよい。
【0011】
前記作業車両は、前記通信装置が受信した前記更新ラインを表示する表示装置を有していてもよい。
前記表示装置は、前記通信装置が受信した前記更新ラインの変更を受け付ける変更部を有していてもよい。
前記作業車両は、前記車体の位置を検出する検出装置を有し、前記通信装置は、前記検出装置が検出した前記車体の位置を前記サーバに送信し、前記サーバは、前記車体の位置に応じて、前記更新ラインを前記通信装置に送信してもよい。
【0012】
前記サーバは、前記更新ラインを複数記憶し、当該複数の前記更新ラインを、それぞれ圃場の位置情報と関連付けて記憶しているデータベースと、前記通信装置から送信された前記車体の位置に応じて、前記データベースに記憶され且つ当該位置に対応する前記更新ラインを前記通信装置に送信する送信部と、を有していてもよい。
作業車両の支援システムは、前記通信装置及び前記サーバと通信する携帯端末を備え、前記携帯端末は、操作に応じて前記通信装置への前記更新ラインの送信を、前記サーバに対して指示する指示部を有していてもよい。
【0013】
前記サーバは、前記更新ラインを複数記憶するデータベースを有し、前記携帯端末は、前記データベースに記憶された前記更新ラインから、所定の更新ラインを選択する処理を受け付け、前記更新ラインを定義する更新定義部を有し、前記指示部は、前記更新定義部が定義した前記更新ラインの前記通信装置への送信を、前記サーバに対して指示してもよい。
【発明の効果】
【0014】
上記作業車両の支援システムによれば、意図と異なる経路で自動操舵することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図4】基準ラインと走行予定ラインとを示す図である。
【
図5】候補ラインの定義と第1端末表示部が表示する画面の遷移について説明する図である。
【
図11】更新ラインを作業車両に送信する流れと、第2端末表示部が表示する画面の遷移について説明する図である。
【
図15A】制御装置のモードの切換と、表示画面が表示する画面の遷移について説明する第1図である。
【
図15B】制御装置のモードの切換と、表示画面が表示する画面の遷移について説明する第2図である。
【
図24】第1の変形例における制御装置のモードの切換を説明する図である。
【
図25】第2の変形例における制御装置のモードの切換を説明する図である。
【
図26】第3の変形例における更新ラインの反映について説明する図である。
【
図27】第4の変形例における作業車両の支援システムの全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態における作業車両の支援システムSの全体図を示している。作業車両の支援システムSは、サーバ50が作業車両1へ更新ラインL4を送信し、作業車両1が当該更新ラインL4によって基準ラインL1を更新し、且つ更新後の基準ラインL1に基づく走行予定ラインL2によって自動操舵を行うことができるシステムである。
図1に示すように、作業車両の支援システムSは、作業車両1と、サーバ50と、管理端末60と、携帯端末70と、を備えている。
【0017】
本実施形態において、作業車両1は、トラクタである。なお、作業車両1は、手動操舵と基準ラインL1に基づく走行予定ラインL2による自動操舵とのいずれかで走行可能な車体3を有していればよく、当該作業車両1は、トラクタに限定されず、コンバインや移植機等の農業機械(農業車両)であってもよいし、ローダ作業機等の建設機械(建設車両)等であってもよい。
【0018】
図2は作業車両1の全体を示す側面図である。まず、
図1、
図2を用いてトラクタ(作業車両1)について説明する。本実施形態の記載において、作業車両1の運転席10に着座した作業者が向く方向(
図2の左側)を前方といい、その反対方向(
図2の右側)を後方という。また、作業者の左側(
図2の手前側)を左方といい、作業者の右側(
図2の奥側)を右方という。
【0019】
図2に示すように、作業車両1は、車体3と、原動機4と、変速装置5とを備えている。車体3は、走行装置7を有しており、当該走行装置7によって走行可能である。車体3は、手動操舵と基準ラインL1に基づく走行予定ラインL2による自動操舵とのいずれかで走行可能である。
走行装置7は、前輪7F及び後輪7Rを有する装置である。なお、
図2に示す例において、前輪7F及び後輪7Rは、タイヤ型であるが、クローラ型であってもよい。
【0020】
原動機4は、ディーゼルエンジン、電動モータ等であって、この実施形態ではディーゼルエンジンで構成されている。変速装置5は、速度段を切り換えることで走行装置7の推進力を切換可能であり、且つ当該走行装置7の前進及び後進を切換可能である。また、
図2に示すように、車体3には作業者が着座する運転席10が設けられている。
車体3の後部には、3点リンク機構等で構成された連結部8が設けられている。連結部8には、作業装置2を着脱可能である。作業車両1は、連結部8に作業装置2を連結し、走行装置7が駆動することで当該連結された作業装置2を牽引することができる。作業装置2は、耕耘作業を行う耕耘装置、肥料を散布する肥料散布装置、農薬を散布する農薬散布装置、収穫を行う収穫装置、牧草等の刈取を行う刈取装置、牧草等の拡散を行う拡散装置、牧草等の集草を行う集草装置、及び牧草等の成形を行う成形装置等である。
【0021】
なお、作業装置2は、作業車両1の連結部8に連結され、又は作業車両1に設けられ、作業を行う装置であればよく、上述した例に限定されない。例えば、作業車両1がコンバインである場合、作業装置2は、作物の刈取等を行う刈取装置及び脱穀を行う脱穀装置等
を含んでいる。また、作業車両1が田植機である場合、作業装置2は、苗の植付を行う植付装置を含んでいる。
【0022】
図1に示すように、作業車両1は、制御装置40と、記憶部41とを備えている。制御装置40は、作業車両1における走行系の制御、作業系の制御を行う装置である。制御装置40は、電気・電子部品、及びプログラム等から構成されている。
記憶部41は、不揮発性のメモリ等であり、種々のプログラム等や作業車両1に関する様々な情報を記憶することができる。
【0023】
制御装置40には、作業車両1を操作する操作装置15が接続されている。操作装置15は、車体3に設けられたアクセル部材(アクセルペダル、アクセルレバー)16と、変速部材(変速レバー、変速スイッチ)17と、を含んでいる。アクセル部材16は、作業者が手動で作業車両1(車体3)の走行速度、つまり車速を操作する部材である。制御装置40は、アクセル部材16から入力された操作信号に基づいて、車体3の走行速度を制御する。具体的には、制御装置40は、アクセル部材16の操作量と、記憶部41に予め記憶された制御マップに基づいて車体3の走行速度を制御する。
【0024】
変速部材17は、作業者が手動で変速装置5の速度段を操作する部材である。制御装置40は、変速部材17から入力された操作信号に基づいて、変速装置5の速度段を変更する。なお、本実施形態において、制御装置40が変速部材17の操作に基づいて変速装置5の速度段を変更するが、変速部材17は、制御装置40を介さず、直接的に変速装置5の速度段を変更するような構成であってもよい。
【0025】
また、
図1に示すように、作業車両1は、情報を表示する表示装置20を備え、作業者が表示装置20を操作することで作業車両1の様々な設定を変更することができる。表示装置20は、表示制御装置21と、表示画面22と、操作部材23と、を有している。表示制御装置21は、表示装置20に関する様々な制御を行う装置であり、例えば表示画面22を制御して、当該表示画面22に様々な情報を表示させることができる。表示制御装置21は、電気・電子部品、及びプログラム等から構成されている。表示制御装置21は、制御装置40が取得した作業車両1の情報を表示画面22に表示させたり、ガイダンス画面を表示画面22に表示させて、作業者に対して作業車両1の操作の案内を実施したりする。
【0026】
また、表示制御装置21は、操作部材23が操作を受け付けることで操作可能な表示画像、又は選択肢の表示画像等を表示画面22に表示させ、制御装置40(作業車両1)の設定の変更を受け付ける。このため、制御装置40は、表示制御装置21が受け付けた設定の変更を適用することで、作業車両1の設定の変更を実行することができる。
操作部材23は、作業者の操作を受け付ける操作具である。本実施形態において、操作部材23は、複数の切換位置を有し、回転操作可能なダイヤルスイッチである。また、当該ダイヤルスイッチは、押圧操作可能である。操作部材23は、回転操作されることで主に表示画像の選択操作を受け付け、押圧操作されることで選択した表示画像の決定操作を受け付ける。
【0027】
なお、本実施形態においては、操作部材23がダイヤルスイッチである場合を例に説明したが、操作部材23は、ダイヤルスイッチに限定されず、複数の押しボタンスイッチを有していてもよい。また、表示装置20は、作業者からの操作を受け付けることができればよく、操作部材23に代えて、或いは加えて表示画面22は、タッチパネル式であって、作業者等が指で操作することで情報の入力を受け付けてもよい。
【0028】
図1に示すように、作業車両1は、通信装置42を備えている。通信装置42は、後述するサーバ50と通信可能である。通信装置42は、例えば、データ通信網、携帯電話通信網等によって無線通信を行う装置である。なお、通信装置42は、サーバ50と通信可能であればよく、例えば、通信規格IEEE802.15.1シリーズのBluetooth(登録商標)の仕様におけるBluetooth(登録商標)Low Energy、通信規格IEEE802.11.nシリーズのWiFi(登録商標)等によって無線通信を行う装置であってもよい。
【0029】
図1に示すように、作業車両1は、検出装置(測位装置)43を備えている。検出装置
43は、D-GPS、GPS、GLONASS、北斗、ガリレオ、みちびき等の衛星測位システム(測位衛星)により、自己の位置情報(緯度、経度を含む測位情報)を検出可能である。即ち、検出装置43は、測位衛星から送信された衛星信号(測位衛星の位置、送信時刻等)を受信し、衛星信号に基づいて位置情報(例えば、緯度、経度)を検出する。検出装置43は、受信装置44と、慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)45とを有している。受信装置44は、アンテナ等を有していて測位衛星から送信された衛星信号を受信する装置であり、慣性計測装置45とは別に車体3に取付けられている。この実施形態では、受信装置44は、車体3に設けられたロプスに取付けられている。なお、受信装置44は、測位衛星から送信された衛星信号を受信できればよく、その取付箇所は、ロプスに限定されない。
【0030】
慣性計測装置45は、加速度を検出する加速度センサ、角速度を検出するジャイロセンサ等を有している。車体3、例えば、運転席10の下方に設けられ、慣性計測装置45によって、車体3のロール角、ピッチ角、ヨー角等を検出することができる。
図1に示すように、作業車両1は、操舵装置11を備えている。操舵装置11は、作業者の操作によって車体3の操舵を行う手動操舵と、作業者の操作によらずに自動的に車体3の操舵を行う自動操舵とを行うことが可能な装置である。
【0031】
操舵装置11は、ステアリングハンドル(ステアリングホイール)30と、ステアリングハンドル30を回転可能に支持するステアリングシャフト(回転軸)31とを有している。また、操舵装置11は、補助機構(パワーステアリング装置)32を有している。補助機構32は、油圧等によってステアリングシャフト31(ステアリングハンドル30)の回転を補助する。補助機構32は、油圧ポンプ33と、油圧ポンプ33から吐出した作動油が供給される制御弁34と、制御弁34により作動するステアリングシリンダ35とを含んでいる。制御弁34は、例えば、スプール等の移動によって切り換え可能な3位置切換弁であり、ステアリングシャフト31の操舵方向(回転方向)に対応して切り換わる。ステアリングシリンダ35は、前輪7Fの向きを変えるアーム(ナックルアーム)36に接続されている。
【0032】
したがって、作業者がステアリングハンドル30を把持して第1方向又は当該第1方向の反対方向である第2方向に操作すれば、当該ステアリングハンドル30の回転方向に対応して制御弁34の切換位置及び開度が切り換わる。このため、当該制御弁34の切換位置及び開度に応じてステアリングシリンダ35が左又は右に伸縮することによって、前輪7Fの操舵方向を変更することができる。つまり、車体3は、ステアリングハンドル30の手動操舵によって、進行方向を左又は右に変更することができる。
【0033】
図1に示すように、操舵装置11は、自動操舵機構37を有している。自動操舵機構37は、自動操舵を行う機構であって、車体3が走行予定ラインL2に沿って走行するように自動操舵する。自動操舵機構37は、ステアリングモータ38とギア機構39とを備えている。ステアリングモータ38は、車体位置Pに基づいて、回転方向、回転速度、及び回転角度等が制御可能なモータである。ギア機構39は、ステアリングシャフト31に設けられ且つ当該ステアリングシャフト31と供回りするギアと、ステアリングモータ38の駆動軸に設けられ且つ当該駆動軸と供回りするギアとを含んでいる。ステアリングモータ38の駆動軸が回転すると、ギア機構39を介して、ステアリングシャフト31が自動的に回転(回動)し、車体位置Pが走行予定ラインL2に一致するように、前輪7Fの操舵方向を変更することができる。
【0034】
なお、本実施形態においては、作業車両1は、ステアリングハンドル30を有する操舵装置11を備え、当該操舵装置11によって前輪7Fの向きを変えて操舵方向を変更しているが、車体3は、手動操舵及び自動操舵による操舵方向(進行方向)の変更が可能であればよい。つまり、操舵装置11は、ステアリングハンドル30によって前輪7Fの操舵方向を変更する構成に限定されず、進行方向を変更する機構は、従来技術を適宜適応可能である。
【0035】
次に、車体3の自動操舵の制御について説明する。作業車両1は、所定の基準ラインL1を取得し、当該基準ラインL1に平行な走行予定ラインL2に基づいて自動操舵を行う
ことができる。
図1に示すように、制御装置40は、自動操舵制御部40aを有している。自動操舵制御部40aは、制御装置40に設けられており、当該制御装置40に設けられた電気・電子部品、及び記憶部41に組み込まれたプログラム等から構成されている。
【0036】
図3に示すように、自動操舵制御部40aは、車体3が走行予定ラインL2に沿って走行するように車体3が手動操舵を行っている際の車体3の走行情報に基づいて、自動操舵機構37のステアリングモータ38を制御する。車体3の走行情報とは、検出装置43が検出した情報であって、車体3の位置(車体位置P)や車体3の方位(車体方位F)を示す方位情報である。自動操舵制御部40aは、車体3が走行予定ラインL2に沿って走行するように自動操舵機構37のステアリングモータ38を制御する。なお、自動操舵制御部40aが自動操舵を行っている場合、作業者は、アクセル部材16及び変速部材17を操作して、車体3の走行速度及び変速装置5の速度段を変更することができる。
【0037】
以下、自動操舵制御部40aによる自動操舵機構37の制御について詳しく説明する。
図3(a)~
図3(c)は、車体3の走行情報が車体位置Pである場合を示している。
図3(a)に示すように、車体位置Pと走行予定ラインL2との偏差が所定値未満である場合、自動操舵制御部40aは、ステアリングモータ38の回転軸の回転角を維持させる。
また、
図3(b)に示すように、車体位置Pと走行予定ラインL2との偏差(位置偏差)が所定値以上であって、作業車両1が走行予定ラインL2に対して左側に位置している場合、自動操舵制御部40aは、作業車両1の操舵方向が右方向となるようにステアリングモータ38の回転軸を回転させる。即ち、車体位置Pと走行予定ラインL2との偏差(位置偏差)が所定値以上であって、作業車両1が走行予定ラインL2に対して左側に位置している場合、自動操舵制御部40aは、位置偏差が零となるように操舵角を変更し、前輪7Fを右方向に操舵する。
【0038】
そして、
図3(c)に示すように、車体位置Pと走行予定ラインL2との偏差が所定値以上であって、作業車両1が走行予定ラインL2に対して右側に位置している場合、自動操舵制御部40aは、作業車両1の操舵方向が左方向となるようにステアリングモータ38の回転軸を回転させる。即ち、車体位置Pと走行予定ラインL2との偏差が所定値以上であって、作業車両1が走行予定ラインL2に対して右側に位置している場合、自動操舵制御部40aは、位置偏差が零となるように操舵角を変更し、前輪7Fを左方向に操舵する。
【0039】
なお、上述した
図3(a)~(c)では、車体3の走行情報が車体位置Pであって、車体位置Pと走行予定ラインL2との偏差に基づいて操舵装置11の操舵角を変更していたが、
図3(d)に示すように、車体3の走行情報は車体方位Fを示す方位情報であってもよい。斯かる場合において、走行予定ラインL2の方位と作業車両1(車体3)の進行方向(走行方向)の方位(車体方位)Fとが異なる場合、即ち、走行予定ラインL2に対する車体方位Fの角度θgが所定値以上である場合、自動操舵制御部40aは、角度θgが零になる(車体方位Fが走行予定ラインL2の方位に一致する)ように操舵角を定義する。また、自動操舵制御部40aは、偏差(位置偏差)から演算した操舵角と、方位(方位偏差)から演算した操舵角と、に基づいて、自動操舵における最終の操舵角を定義してもよい。
【0040】
なお、自動操舵制御部40aは、自動操舵の操舵角を定義できればよく、その定義方法は、上述した例に限定されない。また、以下の説明においては、車体3の走行情報は方位情報であって、基準ラインL1及び走行予定ラインL2がラインそのものの方位で定義されており、自動操舵制御部40aが角度θgを零となる(車体方位Fが走行予定ラインL2の方位に一致する)ように操舵角を定義する場合を中心に説明する。
【0041】
また、
図1に示すように、作業車両1は、モード切換スイッチ(第2操作具)25と、操舵切換スイッチ26と、を備えている。モード切換スイッチ25は、操作を受け付け且つ自動操舵の有効又は無効に切り換える操作が可能なスイッチ操作具であり、例えば押しボタンスイッチである。また、モード切換スイッチ25は、制御装置40と接続されており、操作信号を制御装置40に出力することができる。作業者は、自動操舵の有効又は無
効を切り換える際に当該モード切換スイッチ25を操作する。モード切換スイッチ25がON操作されている場合、制御装置40は、自動操舵を有効にして、自動操舵制御部40aによる自動操舵を許可する。一方、モード切換スイッチ25がOFF操作されている場合、制御装置40は、自動操舵を無効にして、自動操舵制御部40aによる自動操舵を制限する。
【0042】
操舵切換スイッチ26は、自動操舵の開始(自動操舵の設定)及び終了(自動操舵の解除)を操作できるスイッチである。本実施形態においては、操舵切換スイッチ26は、揺動操作可能なレバースイッチである。操舵切換スイッチ26は、制御装置40と接続されており、操作信号を制御装置40に出力することができる。
自動操舵制御部40aは、自動操舵が有効である場合、即ちモード切換スイッチ25がON操作されている場合、操舵切換スイッチ26の操作に基づいて、自動操舵を開始、又は終了を制御する。本実施形態において、作業者は、作業車両1に自動操舵を行わせる場合に、操舵切換スイッチ26を操作(開始操作)する。また、操舵切換スイッチ26は、自動操舵制御部40aが自動操舵を行っている状態において操作(終了操作)されることによって、自動操舵を解除することができる。
【0043】
図1に示すように、制御装置40は、ライン定義部40bを有している。ライン定義部40bは、当該制御装置40に設けられた電気・電子部品、及び記憶部41に組み込まれたプログラム等から構成されている。ライン定義部40bは、自動操舵が有効である場合、即ちモード切換スイッチ25がON操作されている場合、車体3が手動操舵を行っている際の車体3の走行情報(例えば方位情報)に基づいて、基準ラインL1を定義する。ライン定義部40bは、車体3が手動操舵を行っている際に、所定の始点Psと所定の終点Pgとを定義することで、当該始点Ps及び終点Pgを通る直線の方位情報を基準ラインL1として定義する。言い換えると、ライン定義部40bは、基準ラインL1を示す方位を定義する。ライン定義部40bは、定義した基準ラインL1を記憶部41に記憶させる。
【0044】
なお、走行情報が車体位置Pの位置情報である場合、ライン定義部40bは、基準ラインL1として、始点Ps及び終点Pgを通る直線の位置情報を基準ラインL1として定義する。
図1に示すように、作業車両1は、登録スイッチ27を備え、ライン定義部40bは、圃場Gにおける基準ラインL1の始点Ps及び終点Pgを取得し、当該取得した始点Ps及び終点Pgに基づいて基準ラインL1を定義する。
【0045】
登録スイッチ27は、操作可能なスイッチ操作具であり、例えば押しボタンスイッチである。なお、登録スイッチ27は、操舵切換スイッチ26と共通の操作レバーによって操作するような構成であってもよい。また、登録スイッチ27は、制御装置40と接続されており、操作信号を制御装置40に出力することができる。作業者は、基準ラインL1を定義する際に当該登録スイッチ27を操作する。ライン定義部40bは、登録スイッチ27の操作に基づいて始点Psと終点Pgとを定義することができる。
【0046】
具体的には、走行情報が方位情報である場合、ライン定義部40bは、例えば、登録スイッチ27が操作された際の作業車両1の方位(方位情報)から始点Ps及び終点Pgにおける車体3の方位情報等を取得する。ライン定義部40bは、始点Psの方位と終点Pgの方位の平均等を演算し、当該基準ラインL1の方位を登録することで、基準ラインL1を定義する。
【0047】
なお、走行情報が位置情報である場合、ライン定義部40bは、登録スイッチ27が操作された際の作業車両1の位置(車体位置P)から始点Ps及び終点Pgを取得し、当該取得した始点Ps及び終点Pgを登録することで、基準ラインL1を定義する。
図4に示すように、ライン定義部40bは、記憶部41に記憶された基準ラインL1に基づいて、当該基準ラインL1に平行な走行予定ラインL2を定義することができる。ライン定義部40bは、操舵切換スイッチ26の操作に応じて、走行予定ラインL2を定義する。
【0048】
走行情報が方位情報であり、基準ラインL1が当該基準ラインL1そのものの方位で定
義されている場合、記憶部41に基準ラインL1が記憶されている状態で、作業者が操舵切換スイッチ26を操作(開始操作)すると、ライン定義部40bは、操舵切換スイッチ26が操作された現在の車体位置P(始点Ps´)を基準として、基準ラインL1の方位に基づいて、基準ラインL1の方位と同一の方位を示す走行予定ラインL2を定義する。また、走行予定ラインL2の終点Pg´は、操舵切換スイッチ26を操作(終了操作)した位置である。
【0049】
なお、走行情報が位置情報であり、基準ラインL1が始点Ps及び終点Pgの位置情報で定義されている場合、記憶部41に基準ラインL1が記憶されている状態で、作業者が操舵切換スイッチ26を操作(開始操作)すると、ライン定義部40bは、操舵切換スイッチ26が操作された現在の車体位置Pを取得する。ライン定義部40bは、現在の車体位置Pを始点Ps´として、当該始点Ps´と、基準ラインL1の始点Psとに基づいて、基準ラインL1を平行にシフトさせることで走行予定ラインL2を定義する。
【0050】
また、制御装置40は、通信装置42を介して、ライン定義部40bが定義した基準ラインL1を後述のサーバ50に送信することができてもよい。また、ライン定義部40bは、記憶部41に記憶されている基準ラインL1に基づいて走行予定ラインL2を定義することができればよく、外部から基準ラインL1を取得できる場合、基準ラインL1を定義できなくてもよい。また、通信装置42は、制御装置40の基準ラインL1を更新する更新ラインL4をサーバ50から受信することができる。
【0051】
サーバ50は、作業車両1の外部に設けられた固定型のコンピュータ等の固定端末である。また、サーバ50は、例えば、農家、営農会社、農業機械メーカ、又は農業協同組合等に設置されている固定端末である。サーバ50は、更新ラインL4を通信装置42へ送信する。また、本実施形態において、サーバ50は、通信装置42から送信された基準ラインL1を受信し、当該基準ラインL1を記憶することができる。サーバ50は、基準ラインL1を複数記憶することができる。
【0052】
なお、サーバ50は、基準ラインL1を記憶することができればよく、基準ラインL1の取得元は、作業車両1に限定されない。例えば、サーバ50は、通信装置42から送信された基準ラインL1に加え、或いは代えてサーバ50と通信可能に接続された端末等を介して定義した基準ラインL1を記憶してもよいし、記憶媒体に記憶された基準ラインL1を取得し、データベース53に記憶してもよい。
【0053】
図1に示すように、サーバ50は、サーバ制御装置51と、サーバ通信装置52と、データベース53と、を有している。サーバ制御装置51は、サーバ50に関する様々な制御を行う装置であり、例えばサーバ通信装置52が受信した情報を、データベース53に記憶(登録)させることができる。サーバ制御装置51は、電気・電子部品、及びプログラム等から構成されている。
【0054】
サーバ通信装置52は、作業車両1の通信装置42や後述する管理端末60、携帯端末70等と通信可能である。サーバ通信装置52は、例えば、データ通信網、携帯電話通信網等によって無線通信を行う装置である。なお、サーバ通信装置52は、作業車両1(通信装置42)、管理端末60、及び携帯端末70等と通信可能であればよく、例えば、通信規格IEEE802.15.1シリーズのBluetooth(登録商標)の仕様におけるBluetooth(登録商標)Low Energy、通信規格IEEE802.11.nシリーズのWiFi(登録商標)等によって無線通信を行う装置であってもよい。
【0055】
データベース53は、種々のプログラムや様々な情報を記憶することができる不揮発性のメモリ等である。具体的には、データベース53は、基準ラインL1を記憶することができる。具体的には、データベース53は、基準ラインL1と、当該基準ラインL1の識別情報である管理情報と、作業情報と、を関連付けて登録する。管理情報は、文字、英数字等で示された情報であり、基準ラインL1の演算、検索、整理等を行い易くするために設定された情報である。
【0056】
作業情報は、車体3が手動操舵を行う際、即ちライン定義部40bが基準ラインL1を定義する際の作業車両1の作業に関する情報である。作業情報は、例えば作業車両1が作
業を行う圃場G、当該圃場Gの位置情報(例えば圃場Gの輪郭の位置情報)、作業車両1の情報、作業車両1が作業で使用する作業装置2の情報、作業装置2の作業内容、及び圃場Gで栽培される作物のうち、いずれか1以上の情報を含んでいる。
【0057】
このため、サーバ通信装置52は、データベース53に記憶されている基準ラインL1を抽出し、更新ラインL4として通信装置42に送信することができる。
なお、制御装置40が基準ラインL1を補正する機能を有していたり、サーバ50と通信可能に接続された端末等を介して基準ラインL1を補正したりする場合、サーバ50は、当該補正に基づいて、データベース53に記憶している基準ラインL1を補正(上書き)できるような構成であってもよい。
【0058】
管理端末60は、スマートフォン(多機能携帯電話)、タブレット、PDA等の端末、パーソナルコンピュータ等の固定コンピュータ等である。この実施形態では、管理端末60は、スマートフォン等の端末であるとして説明を進める。管理端末60は、例えば、圃場Gにおける作業計画を行う管理者や、比較的経験豊富な作業者が操作する端末である。管理端末60は、第1端末制御装置61と、第1端末通信装置62と、第1端末記憶部63と、第1端末表示部64と、を有している。第1端末制御装置61は、管理端末60に関する様々な制御を行う装置であり、例えば第1端末表示部64を制御して、当該第1端末表示部64に様々な情報を表示させることができる。第1端末制御装置61は、電気・電子部品、及びプログラム等から構成されている。
【0059】
第1端末通信装置62は、サーバ50(サーバ通信装置52)と通信可能である。第1端末通信装置62は、例えば、データ通信網、携帯電話通信網等によって無線通信を行う装置である。なお、第1端末通信装置62は、サーバ通信装置52等と通信可能であればよく、例えば、通信規格IEEE802.15.1シリーズのBluetooth(登録商標)の仕様におけるBluetooth(登録商標)Low Energy、通信規格IEEE802.11.nシリーズのWiFi(登録商標)等によって無線通信を行う装置であってもよい。
【0060】
第1端末記憶部63は、様々な情報を記憶することができる不揮発性のメモリ等である。第1端末記憶部63は、管理端末60に関する様々な情報を記憶することができる。
第1端末表示部64は、第1端末記憶部63に記憶されている種々の情報や、第1端末通信装置62が受信した情報を表示することができる。第1端末表示部64は、例えば
図6~
図10に示すような画面を表示することができる。また、第1端末表示部64は、情報の入力を受け付けることができる入力装置であってもよい。斯かる場合において、第1端末表示部64は、タッチパネル式であって、作業者等が指で操作して、情報の入力を行う。なお、第1端末表示部64は、非タッチパネル式であってもよく、斯かる場合において、管理端末60は、様々なスイッチを有しており、当該スイッチの操作に基づいて、情報の入力を受け付けることができる。
【0061】
管理端末60は、サーバ50が記憶している基準ラインL1のうち、任意の基準ラインL1の選択を受け付けることができる。具体的には、管理端末60は、更新ラインL4の候補(候補ラインL3)として、当該選択を受け付けた基準ラインL1を登録する。第1端末表示部64は、サーバ50が記憶した基準ラインL1のうち、少なくとも1以上の基準ラインL1を表示(提示)可能である。
【0062】
図1に示すように、管理端末60は、第1端末表示部64が表示した基準ラインL1の選択を受け付け、直接又は間接的に候補ラインL3を定義する管理定義部61aを有している。管理定義部61aは、作業車両1が自動操舵の基準として用いる基準ラインL1の候補(候補ラインL3)として、第1端末表示部64が表示した基準ラインL1から任意の基準ラインL1の選択を受け付ける。管理定義部61aは、第1端末制御装置61に設けられた電気・電子部品、及び第1端末記憶部63に組み込まれたプログラム等から構成されている。
【0063】
本実施形態において、管理定義部61aが基準ラインL1から任意の基準ラインL1の選択を受け付け、第1端末通信装置62及びサーバ通信装置52を介して、当該選択した情報(選択情報)をサーバ50に送信する。サーバ50は、選択情報を受信すると、選択
情報に基づいて、候補ラインL3を定義する。つまり、本実施形態においては、管理端末60(管理定義部61a)は、任意の基準ラインL1の選択を受け付けることで、間接的に候補ラインL3の定義を行う。
【0064】
図1に示すように、サーバ50は、第1提示部51aと、第1設定部51bと、を有している。第1提示部51a及び第1設定部51bは、サーバ制御装置51に設けられており、当該サーバ制御装置51に設けられた電気・電子部品、及び当該サーバ制御装置51に組み込まれたプログラム等から構成されている。
第1提示部51aは、サーバ50が記憶している基準ラインL1を管理端末60に送信し、第1端末制御装置61によって間接的に、第1端末表示部64に基準ラインL1を表示させる。
【0065】
第1設定部51bは、サーバ50が記憶している基準ラインL1のうち、管理定義部61aが送信した選択情報に対応する基準ラインL1を候補ラインL3として登録(設定)する。具体的には、第1設定部51bは、当該選択された基準ラインL1に対応する情報を書き換えることで、基準ラインL1を候補ラインL3として登録する。詳しくは、第1設定部51bは、当該基準ラインL1に割り当てられた管理情報に、任意の文字列を書き加えたり、書き換えたりすることで、候補ラインL3として登録する。
【0066】
以下、
図5~
図10を用いて、候補ラインL3を定義する流れ、及び第1端末表示部64の画面の遷移等について説明する。
図5に示すように、作業者等が管理端末60に所定の操作を行うと、第1提示部51aは、
図6、
図7に示すように、第1端末表示部64に作業情報を選択可能な画面を表示させ、管理定義部61aが当該作業情報の入力を受け付ける。具体的には、
図5に示すように、作業者等が管理端末60に所定の操作を行うと、第1提示部51aは、第1端末表示部64に作業情報として圃場Gの選択が可能な第1管理画面M1を表示させる(S1)。
【0067】
図6に示すように、第1管理画面M1は、複数の圃場(フィールド)Gを表示する第1マップ画面101を有している。第1マップ画面101は、鳥瞰図のマップ102と、当該マップ102上に表示される圃場Gの輪郭103と、圃場Gの情報を表示する圃場情報部104と、を表示する。
圃場Gの輪郭103は、管理端末60を操作して、一時選択の操作が可能な表示画像である。圃場情報部104は、一時選択の操作がされた圃場Gの情報(圃場Gの面積、管理番号、住所等)を表示する。また、圃場情報部104は、操作可能な進むキー104aを有している。進むキー104aは、操作可能な表示画像であり、管理定義部61aは、進むキー104aの操作を受け付け、一時選択の操作がされた輪郭103に対応する圃場Gの選択を決定することができる。
【0068】
図5に示すように、第1マップ画面101の圃場Gの輪郭103のうち、任意の輪郭103が操作され、進むキー104aが操作されることで(S2,Yes)、管理定義部61aは、当該輪郭103の操作信号を取得して圃場Gの選択を受け付ける(S3)。管理定義部61aは、圃場Gの選択を受け付けると(S3)、選択を受け付けた圃場Gを特定する情報(第1圃場情報)をサーバ50に送信する(S4)。
【0069】
管理定義部61aが第1圃場情報をサーバ50に送信すると(S4)、第1提示部51aは、第1端末表示部64に他の作業情報の入力が可能な画面を表示させてもよい。本実施形態においては、
図5に示すように、第1提示部51aは、第1端末表示部64に第2管理画面M2を表示させる(S5)。第2管理画面M2は、作業車両1が行う作業の内容(作業内容)を入力する画面である。
【0070】
図7に示すように、第2管理画面M2は、作業内容の選択操作(入力操作)が可能な複数の第1作業選択部111を表示する。第1作業選択部111は、第2管理画面M2に複数表示された選択操作可能な表示画像である。また、第1作業選択部111は、それぞれ異なる作業内容と対応付けられている。本実施形態においては、
図7に示すように、第2管理画面M2は、「ロータリ(耕耘)」、「畝立て」、「けん引」、「代掻き」、「施肥」、及び「畦塗」に対応する第1作業選択部111を表示する。
【0071】
また、
図5に示すように、第2管理画面M2に表示された第1作業選択部111のうち
、任意の第1作業選択部111が操作されることで(S6、Yes)、管理定義部61aは、当該第1作業選択部111の操作信号を取得して、第1作業選択部111に対応付けられた作業内容の入力を受け付ける(S7)。管理定義部61aは、作業内容の入力を受け付けると(S7)、入力を受け付けた作業内容を特定する情報(第1内容情報)をサーバ50に送信する(S8)。
【0072】
図5に示すように、管理定義部61aが、第1内容情報をサーバ50に送信すると(S8)、第1提示部51aは、データベース53に記憶している基準ラインL1のうち、管理定義部61aが入力を受け付けた作業情報(第1圃場情報、第1内容情報)に対応する基準ラインL1を抽出し、当該基準ラインL1の提示情報に基づく第3管理画面M3を第1端末表示部64に表示させる(S9)。
【0073】
図8に示すように、第3管理画面M3は、圃場(フィールド)Gを表示する第2マップ画面131と、候補リスト135と、を有している。第2マップ画面131は、鳥瞰図のマップ132、当該マップ132上に表示される方位ガイド部132a、圃場Gの輪郭133、及び第1仮想ライン134を表示する。
第1仮想ライン134は、データベース53に記憶している基準ラインL1のうち、管理定義部61aが入力を受け付けた作業情報に対応する基準ラインL1であり、圃場(フィールド)G上に表示される。具体的には、第1仮想ライン134は、管理定義部61aが入力を受け付けた作業情報(第1圃場情報、第1内容情報)に対応する基準ラインL1である。
【0074】
候補リスト135は、管理定義部61aが入力を受け付けた作業情報に対応する基準ラインL1の一覧を表示する。候補リスト135は、基準ラインL1の方位、管理情報、及び作業情報を表示する。
候補リスト135のうち、それぞれの基準ラインL1の近傍(例えば左側)には選択キー135aが配置されている。当該選択キー135aは、操作可能な表示画像であり、それぞれ基準ラインL1(第1仮想ライン134)と対応付けられている。
【0075】
選択キー135aは、操作されることで対応付けられた基準ラインL1を選択可能である。管理定義部61aは、当該選択キー135aの操作信号を取得して、第3管理画面M3の第2マップ画面131に表示される第1仮想ライン134(基準ラインL1)を更新することができる。
また、候補リスト135は、進むキー135bを有している。進むキー135bは、操作可能な表示画像であり、管理定義部61aは、進むキー135bの操作(選択)を受け付ける。管理定義部61aは、進むキー135bの操作を受け付けることで、第2マップ画面131が表示している第1仮想ライン134(操作されている選択キー135aに対応する第1仮想ライン134)に対応する基準ラインL1の選択を受け付ける。
【0076】
なお、第3管理画面M3は、候補リスト135に表示する第1仮想ライン134の絞り込みを選択する絞り込み部136を有していてもよい。
このため、
図5に示すように、作業者が進むキー135bを選択操作すると(S10,Yes)、管理定義部61aは、選択されている選択キー135aに対応する第1仮想ライン134の情報を取得し、第1仮想ライン134に対応する基準ラインL1の選択を受け付ける(S11)。管理定義部61aは、選択を受け付けた基準ラインL1の選択情報をサーバ50に送信する(S12)。
【0077】
管理定義部61aが、選択情報をサーバ50に送信すると(S12)、第1提示部51aは、データベース53に記憶している基準ラインL1のうち、管理定義部61aが選択を受け付けた基準ラインL1を確認するための第4管理画面M4を第1端末表示部64に表示させる(S13)。
図9に示すように、第4管理画面M4は、圃場(フィールド)Gを表示する第3マップ画面141と、第1詳細表示部145と、確認キー146と、を有している。第3マップ画面141は、鳥瞰図のマップ142、当該マップ上に表示される圃場Gの輪郭143及び第2仮想ライン144を表示する。
【0078】
図9に示すように、第2仮想ライン144は、管理定義部61aが選択を受け付けた任
意の基準ラインL1であり、圃場(フィールド)G上に表示される。
第1詳細表示部145は、管理定義部61aが選択を受け付けた基準ラインL1の情報を表示する領域である。第1詳細表示部145は、データベース53において当該基準ラインL1に対応付けて記憶された作業情報を表示する。確認キー146は、操作可能な表示画像である。確認キー146は、第4管理画面M4に表示されている基準ラインL1の選択の確認(選択確認)を操作するキーである。
【0079】
このため、
図5に示すように、確認キー146が操作されると(S14,Yes)、管理定義部61aは、当該確認キー146の操作信号を取得し、基準ラインL1の選択確認を受け付ける(S15)。管理定義部61aは、選択確認を受け付けた基準ラインL1の確認情報をサーバ50に送信する(S16)。
管理定義部61aが、確認情報をサーバ50に送信すると(S16)、第1提示部51aは、管理定義部61aが選択確認を受け付けた基準ラインL1と作業情報を確定するための第5管理画面M5を第1端末表示部64に表示させる(S17)。
【0080】
図10に示すように、第5管理画面M5は、圃場(フィールド)Gを表示する第4マップ画面151と、第1詳細入力部155と、確定キー156と、を有している。第4マップ画面151は、鳥瞰図のマップ152、当該マップ上に表示される圃場Gの輪郭153及び第3仮想ライン154を表示する。
図10に示すように、第3仮想ライン154は、管理定義部61aが選択確認を受け付けた任意の基準ラインL1であり、圃場(フィールド)G上に表示される。
【0081】
第1詳細入力部155は、管理定義部61aが選択確認を受け付けた基準ラインL1で行う作業情報の入力が可能な領域である。第1詳細入力部155は、例えば作業情報として、作業幅やラップ幅の入力が可能である。確定キー156は、第5管理画面M5に表示されている基準ラインL1の選択の確定(選択確定)、及び第1詳細入力部155に入力された作業情報の確定を操作するキーである。
【0082】
このため、
図5に示すように、確定キー156が操作されると(S18,Yes)、管理定義部61aは、当該確定キー156の操作信号を取得し、基準ラインL1の選択及び作業情報の確定を受け付ける(S19)。管理定義部61aは、選択確定を受け付けた基準ラインL1及び作業情報の第1確定情報をサーバ50に送信する(S20)。
これにより、サーバ50が基準ラインL1の第1確定情報を受信すると(S20)、第1設定部51bは、データベース53に記憶している基準ラインL1のうち、管理定義部61aが選択確定を受け付けた基準ラインL1を候補ラインL3として登録(設定)する(S21)。
【0083】
携帯端末70は、スマートフォン(多機能携帯電話)、タブレット、PDA等の端末、パーソナルコンピュータ等の固定コンピュータ等である。この実施形態では、携帯端末70は、スマートフォン等の端末であるとして説明を進める。携帯端末70は、管理端末60とは別の端末であって、例えば、圃場Gで実際に作業を行う作業者が操作する端末である。また、携帯端末70は、比較的経験の浅い作業者が操作する端末であってもよい。携帯端末70は、第2端末制御装置71と、第2端末通信装置72と、第2端末記憶部73と、第2端末表示部74と、を有している。第2端末制御装置71は、携帯端末70に関する様々な制御を行う装置であり、例えば第2端末表示部74を制御して当該第2端末表示部74に様々な情報を表示させることができる。第2端末制御装置71は、電気・電子部品、及びプログラム等から構成されている。
【0084】
第2端末通信装置72は、サーバ50(サーバ通信装置52)と通信可能である。第2端末通信装置72は、例えば、データ通信網、携帯電話通信網等によって無線通信を行う装置である。なお、第2端末通信装置72は、サーバ通信装置52等と通信可能であればよく、例えば、通信規格IEEE802.15.1シリーズのBluetooth(登録商標)の仕様におけるBluetooth(登録商標)Low Energy、通信規格IEEE802.11.nシリーズのWiFi(登録商標)等によって無線通信を行う装置であってもよい。
【0085】
第2端末記憶部73は、様々な情報を記憶することができる不揮発性のメモリ等である
。第2端末記憶部73は、携帯端末70に関する様々な情報を記憶することができる。
第2端末表示部74は、第2端末記憶部73に記憶されている種々の情報や、第2端末通信装置72が受信した情報を表示することができる。第2端末表示部74は、例えば
図12~
図14に示すような画面を表示することができる。また、第2端末表示部74は、情報の入力を受け付けることができる入力装置であってもよい。斯かる場合において、第2端末表示部74は、タッチパネル式であって、作業者等が指で操作して、情報の入力を行う。なお、第2端末表示部74は、非タッチパネル式であってもよく、斯かる場合において、携帯端末70は、様々なスイッチを有しており、当該スイッチの操作に基づいて、情報の入力を受け付けることができる。
【0086】
携帯端末70は、管理端末60が登録を行った候補ラインL3の選択を受け付け、当該選択を受け付けた候補ラインL3を、更新ラインL4としてサーバ50から作業車両1へ送信するよう指示することができる。具体的には、携帯端末70は、作業情報の入力を受け付け、当該作業情報に対応する候補ラインL3をサーバ50から抽出することで、候補ラインL3の選択を受け付ける。
【0087】
詳しくは、携帯端末70は、データベース53に記憶された候補ラインL3から、所定の候補ラインL3を更新ラインL4として選択するための処理を受け付け、直接又は間接的に更新ラインL4を定義する更新定義部71aを有している。更新定義部71aは、データベース53に記憶された候補ラインL3から、操作に応じて所定の候補ラインL3を更新ラインL4として選択するための作業情報の入力を受け付ける。更新定義部71aは、第2端末表示部74に入力操作された作業情報を取得することで、作業情報の入力を受け付ける。更新定義部71aは、第2端末制御装置71に設けられた電気・電子部品、及び第2端末記憶部73に組み込まれたプログラム等から構成されている。
【0088】
本実施形態において、更新定義部71aは、受け付けた作業情報(入力情報)をサーバ50に送信する。また、サーバ50は、入力情報に対応する候補ラインL3を抽出することで、候補ラインL3を選択する。つまり、携帯端末70は、作業情報の入力を受け付け、サーバ50によって候補ラインL3を抽出させることで、間接的に更新ラインL4を定義する。
【0089】
また、携帯端末70は、指示部71bを有している。指示部71bは、操作に応じて通信装置42への更新ラインL4の送信を、サーバ50に対して指示する。指示部71bは、第2端末制御装置71に設けられた電気・電子部品、及び第2端末記憶部73に組み込まれたプログラム等から構成されている。指示部71bは、更新定義部71aが選択した更新ラインL4の通信装置42への送信を、サーバ50に対して指示する。
【0090】
図1に示すように、サーバ50は、第2提示部51cと、第2設定部51dと、を有している。第2提示部51c及び第2設定部51dは、サーバ制御装置51に設けられており、当該サーバ制御装置51に設けられた電気・電子部品、及び当該サーバ制御装置51に組み込まれたプログラム等から構成されている。
第2提示部51cは、サーバ50が記憶している候補ラインL3を携帯端末70に送信し、第2端末表示部74に候補ラインL3を表示させる。
【0091】
第2設定部51dは、サーバ50が記憶している候補ラインL3のうち、更新定義部71aが選択の確定(選択確定)を受け付けた候補ラインL3を更新ラインL4として作業車両1に送信する。具体的には、第2設定部51dは、サーバ通信装置52及び通信装置42を介して、携帯端末70と対応付けられている作業車両1へ更新ラインL4を送信する。
【0092】
以下、
図11~
図14を用いて、更新定義部71aが候補ラインL3の選択を受け付け、指示部71bの指示に応じて、サーバ50が候補ラインL3を作業車両1に送信する流れ、及び第2端末表示部74の画面の遷移等について説明する。
図11に示すように、作業者等が携帯端末70に所定の操作を行うと、第2提示部51cは、第2端末表示部74に作業情報を入力可能な画面を表示させる。具体的には、第2提示部51cは、第2端末表示部74に第1条件画面M6を表示させる(S30)。第1条件画面M6は、作業情報のうち、作業車両1の情報、作業車両1が作業で使用する作業
装置2の情報、作業装置2の作業内容等の情報を入力可能な画面である。
【0093】
図12に示すように、第1条件画面M6は、作業情報の入力が可能な第2詳細入力部160を表示する。第2詳細入力部160は、作業情報の項目を選択が可能な領域である。また、第2詳細入力部160は、進むキー160aを有している。進むキー160aは、第2詳細入力部160に入力された作業情報の確定を操作するキーである。
図11に示すように、第2詳細入力部160に作業情報が入力され、進むキー160aが操作されることで(S31,Yes)、更新定義部71aは、第2詳細入力部160に入力された作業情報を取得して、当該作業内容の入力を受け付ける(S32)。更新定義部71aは、入力を受け付けた作業内容を特定する情報(第2内容情報)をサーバ50に送信する(S33)。
【0094】
更新定義部71aが第2内容情報をサーバ50に送信すると(S33)、第2提示部51cは、第2端末表示部74に他の作業情報の入力が可能な画面を表示させてもよい。本実施形態においては、
図11に示すように、第2提示部51cは、第1端末表示部64に作業情報として圃場Gの選択が可能な第2条件画面M7を表示させる(S34)。
第2条件画面M7は、作業車両1が作業を行う圃場Gを選択する画面である。
図13に示すように、第2条件画面M7は、複数の圃場(フィールド)Gを表示する第5マップ画面171を有している。第5マップ画面171は、鳥瞰図のマップ172と、当該マップ172上に表示される圃場Gの輪郭173と、圃場Gの情報を表示する圃場情報部174と、を表示する。
【0095】
圃場Gの輪郭173は、携帯端末70を操作して、一時選択の操作が可能な表示画像である。圃場情報部174は、一時選択の操作がされた圃場Gの情報(圃場Gの面積、管理番号、住所等)を表示する。また、圃場情報部174は、操作可能な進むキー174aを有している。進むキー174aは、操作可能な表示画像であり、更新定義部71aは、進むキー174aの操作を受け付け、一時選択の操作がされた輪郭173に対応する圃場Gの選択を決定することができる。
【0096】
図11に示すように、第5マップ画面171の圃場Gの輪郭173のうち、任意の輪郭173が操作され、進むキー174aが操作されることで(S35,Yes)、更新定義部71aは、当該輪郭173の操作信号を取得して圃場Gの選択を受け付ける(S36)。更新定義部71aは、圃場Gの選択を受け付けると(S36)、選択を受け付けた圃場Gを特定する情報(第2圃場情報)をサーバ50に送信する(S37)。
【0097】
更新定義部71aが第2圃場情報をサーバ50に送信すると(S37)、第2提示部51cは、確定画面M8を第2端末表示部74に表示させる(S38)。
確定画面M8は、データベース53に記憶している候補ラインL3のうち、更新定義部71aが入力を受け付けた作業情報に対応する候補ラインL3の選択を確定するための画面である。
図14に示すように、確定画面M8は、圃場(フィールド)Gを表示する第6マップ画面181と、第3詳細入力部185と、確定キー186と、を有している。第6マップ画面181は、鳥瞰図のマップ182、当該マップ上に表示される圃場Gの輪郭183及び第5仮想ライン184を表示する。
【0098】
図14に示すように、第5仮想ライン184は、更新定義部71aが受け付けた作業情報に基づいて、第2提示部51cがデータベース53から抽出した候補ラインL3であり、圃場(フィールド)G上に表示される。
第3詳細入力部185は、第2提示部51cが抽出した候補ラインL3で行う作業情報の入力が可能な領域である。第3詳細入力部185は、例えば作業情報として、作業幅やラップ幅の入力が可能である。確定キー186は、確定画面M8に表示されている候補ラインL3の選択確定、及び第3詳細入力部185に入力された作業情報の確定を操作するキーである。
【0099】
このため、
図11に示すように、確定キー186が操作されると(S39,Yes)、更新定義部71aは、当該確定キー186の操作信号を取得し、候補ラインL3の選択及び作業情報の確定を受け付ける(S40)。更新定義部71aが候補ラインL3の選択及び作業情報の確定を受け付けると(S40)、指示部71bは、選択確定を受け付けた候
補ラインL3の第2確定情報をサーバ50に送信して、更新定義部71aが選択した更新ラインL4の通信装置42への送信を、サーバ50に対して指示する(S41)。
【0100】
これにより、サーバ50が候補ラインL3の第2確定情報を受信すると(S41)、第2設定部51dは、データベース53に記憶している候補ラインL3のうち、更新定義部71aが選択確定を受け付けた候補ラインL3を更新ラインL4として作業車両1に送信する(S42)。
S42を経て、通信装置42がサーバ通信装置52から更新ラインL4を受信すると、制御装置40は、作業車両1に設けられた機器の状態に応じて、更新ラインL4を反映、又は反映しない処理を実行する。制御装置40は、機器の状態が所定の条件を満たす場合に更新ラインL4を反映し、機器の状態が所定の条件を満たさない場合に更新ラインL4を反映しない。当該条件としては、制御装置40の状態、自動操舵機構37の状態、走行装置7の状態等がある。例えば、制御装置40は、作業車両1が自動操舵に関する設定を受け付けている場合、作業車両1が停止している場合、又は自動操舵が無効である場合等に更新ラインL4を反映する。一方、制御装置40は、作業車両1が自動操舵に関する設定を受け付けていない場合、作業車両1が走行している場合、又は自動操舵が有効である場合等に更新ラインL4を反映しない。
【0101】
具体的には、
図1に示すように、制御装置40は、作業車両1に設けられた機器の状態を取得する状態取得部40cを有している。状態取得部40cは、当該制御装置40に設けられた電気・電子部品、及び記憶部41に組み込まれたプログラム等から構成されている。状態取得部40cが取得する機器の状態とは、主に当該機器の動作状況や制御状況である。状態取得部40cは、制御装置40が機器を制御している制御情報や、機器や各種センサから制御装置40に入力された情報に基づいて、機器がどのような動作を実行しているか、機器がどのような制御を実行されているのかを取得する。
【0102】
例えば、状態取得部40cは、表示制御装置21の制御情報を取得して、機器(制御装置40)の状態として、表示装置20が作業車両1の設定の変更を受け付けているか否か、即ち作業車両1が当該作業車両1の設定の変更を受け付けているか否かを取得する。
状態取得部40cは、モード切換スイッチ25から制御装置40に入力された操作信号を取得し、機器(自動操舵機構37)の状態として、自動操舵制御部40aによる自動操舵が有効、又は無効であるかを取得してもよい。
【0103】
状態取得部40cは、作業車両1の車速を検出する車速センサから制御装置40に入力された車速信号を取得して、機器(走行装置7)の状態として、作業車両1が停止中であるか、又は走行中であるかを取得してもよい。
また、状態取得部40cは、制御装置40から原動機4への制御信号を取得して、機器(原動機4)の状態として、原動機4がアイドリング状態であるか否かを取得してもよい。
【0104】
状態取得部40cは、操作装置15から制御装置40へ入力された操作信号を取得して、機器(作業装置2や走行装置7等)の状態として、作業者によって作業車両1が操作されているか否かを取得してもよい。
なお、上述した状態取得部40cが取得する機器の状態及びその取得方法は一例であって、状態取得部40cは、作業車両1に設けられた機器の状態を取得することができればよく、取得する情報及び取得元は、上述した例に限定されない。
【0105】
制御装置40は、状態取得部40cが取得した状態に応じて、第1モードと第2モードとに切り換える。具体的には、
図1に示すように、制御装置40は、当該制御装置40を第1モード又は第2モードに切り換えるモード切換部40dを有している。モード切換部40dは、状態取得部40cが取得した機器の状態が所定の条件を満たす場合に制御装置40を第1モードに切り換え、所定の条件を満たさない場合に制御装置40を第2モードに切り換える。モード切換部40dは、当該制御装置40に設けられた電気・電子部品、及び記憶部41に組み込まれたプログラム等から構成されている。第1モードは、制御装置40がサーバ50から送信される更新ラインL4を反映するモードである。また、第2モードは、制御装置40がサーバ50から送信される更新ラインL4を反映しないモード
である。
【0106】
制御装置40は、第1モードである場合に、通信装置42に対して、サーバ50から更新ラインL4を受信することを許可する。制御装置40が第1モードであり、且つ通信装置42がサーバ50から更新ラインL4を受信すると、制御装置40は、更新ラインL4を、記憶部41に記憶されている基準ラインL1に上書きすることで、更新ラインL4を登録することができる。
【0107】
一方、制御装置40は、第2モードである場合に、通信装置42に対して、サーバ50から更新ラインL4を受信することを制限する。
以下、モード切換部40dによる制御装置40のモード切換の条件が、作業車両1は自動操舵に関する設定を受け付けているか否かである場合を例に、モード切換部40dによるモードの切り換えについて説明する。本実施形態において、モード切換部40dは、作業車両1が自動操舵に関する設定を受け付けている場合に、制御装置40を第1モードに切り換え、作業車両1が自動操舵に関する設定を受け付けていない場合に、制御装置40を第2モードに切り換える。
【0108】
作業車両1は、操作を受け付け且つ自動操舵に関する設定を変更する第1操作具221,251を有しており、状態取得部40cは、第1操作具221,251によって設定を変更又は変更しないことを取得する。モード切換部40dは、第1操作具221,251によって設定を変更することを状態取得部40cが取得した場合、制御装置40を第1モードに切り換える。一方、モード切換部40dは、第1操作具221,251によって設定を変更しないことを状態取得部40cが取得した場合、制御装置40を第2モードに切り換える。
【0109】
本実施形態において、第1操作具221,251は、表示画面22が再設定画面M11を表示している際に、当該設定確認画面M10に表示され且つ操作可能な表示画像である。斯かる場合において、状態取得部40cは、表示装置20が自動操舵に関する設定を変更する状態にあるか否かを取得し、第1操作具221,251による設定の変更又は変更しないことを取得する。
【0110】
なお、第1操作具221,251は、自動操舵に関する設定の変更に関するトリガを操作する操作具であればよく、表示画面22が表示する表示画像に限定されず、例えば物理的なスイッチであってもよい。
図1に示すように、表示装置20は、通信装置42が受信した更新ラインL4の変更を受け付ける変更部21aを有している。変更部21aは、表示制御装置21に設けられた電気・電子部品、及び記憶部41に組み込まれたプログラム等から構成されている。変更部21aは、例えば、表示画面22が更新ラインL4の変更を受け付ける画面(設定画面M16)を表示している際に、操作部材23が操作を受け付けることで、更新ラインL4の変更を受け付ける。制御装置40は、変更後の更新ラインL4を、記憶部41に記憶されている基準ラインL1に上書きすることで、更新ラインL4の変更を適用することができる。
【0111】
以下、
図15A~
図22を用いて、作業車両の支援システムSによる更新ラインL4の反映、及び表示装置20の画面の遷移等について説明する。なお、制御装置40は、初期状態において、予め第2モードに切り換えられている。
図15Aに示すように、表示制御装置21は、表示装置20が一定時間操作されていない場合等に表示される初期画面として、表示画面22にホーム画面M9を表示させる(S50)。ホーム画面M9は、選択肢の表示画像を表示する画面であり、表示制御装置21は、操作部材23の操作に応じて、表示画像の選択操作を受け付ける。
図16に示すように、ホーム画面M9は、選択肢の表示画像として、ガイダンスキー201と、設定キー202と、を表示する。
【0112】
ガイダンスキー201は、自動操舵を実施する際の操作をガイダンスするガイダンス画面(図示略)へ画面遷移することの選択操作を受け付ける表示画像である。つまり、表示制御装置21は、ガイダンスキー201の選択操作を受け付けると(S51,Yes)、ガイダンス画面を表示させる(S52)。ガイダンス画面では、自動操舵に関する操作を
表示する。具体的には、ガイダンス画面は、例えばモード切換スイッチ25を操作して、自動操舵を無効から有効に切り換えることや、操舵切換スイッチ26を操作して、自動操舵の開始(自動操舵の設定)及び終了(自動操舵の解除)を操作すること等を案内する。
【0113】
設定キー202は、選択操作されることで、自動操舵に関する設定を表示する設定確認画面M10を表示させることを受け付ける表示画像である。このため、表示制御装置21は、設定キー202の選択操作を受け付けると(S53,Yes)、表示画面22に設定確認画面M10を表示させる(S54)。
図17に示すように、設定確認画面M10は、作業情報表示部211と、ガイダンスキー212と、再設定キー213と、を表示する。作業情報表示部211は、記憶部41に記憶されている基準ラインL1の作業情報を表示する。表示制御装置21は、制御装置40を介して、記憶部41に記憶されている基準ラインL1の作業情報を取得して、作業情報表示部211に当該作業情報を表示させる。
図16に示す例においては、作業情報表示部211は、作業情報として、作業車両1が作業で使用する作業装置2の情報(作業内容、作業機幅、ラップ幅)を表示する。
【0114】
ガイダンスキー212は、自動操舵を実施する際の操作をガイダンスするガイダンス画面(図示略)へ画面遷移することの選択操作を受け付ける表示画像である。つまり、表示制御装置21は、設定確認画面M10におけるガイダンスキー212の選択操作を受け付けると(S55,Yes)、ホーム画面M9におけるガイダンスキー201の選択操作を受け付けた場合と同様に、表示画面22にガイダンス画面を表示させる(S52)。
【0115】
再設定キー213は、選択操作されることで、再設定画面M11を表示させることを受け付ける表示画像である。再設定画面M11は、自動操舵に関する設定を変更する方法の選択を受け付ける画面である。表示制御装置21は、再設定キー213の選択操作を受け付けると(S56,Yes)、再設定画面M11を表示画面22に表示させる(S57)。
【0116】
図18に示すように、再設定画面M11は、第1操作具(ダウンロードキー)221と、マニュアルキー222と、を表示する。ダウンロードキー221は、操作を受け付け且つ自動操舵に関する設定を変更する表示画像である。
図15Bに示すように、表示制御装置21は、ダウンロードキー221の選択操作を受け付けると(S58,Yes)、当該ダウンロードキー221の操作信号を制御装置40に出力する(S59)。
【0117】
制御装置40がダウンロードキー221の操作信号を入力されると(S59)、状態取得部40cは、当該操作信号に基づいて、ダウンロードキー(第1操作具)221によって自動操舵の設定を変更することを取得する(S60)。状態取得部40cが自動操舵に関する設定を変更することを取得する、即ちモード切換の条件を満たすと(S60)、モード切換部40dは、制御装置40を第1モードに切り換え、通信装置42に対して、サーバ50から更新ラインL4を受信することを許可する(S61)。表示制御装置21は、
図19に示すような待機画面M12を表示画面22に表示させる(S62)。
【0118】
マニュアルキー222は、選択操作されることで、再設定画面M11から後述の手動変更画面M15に画面遷移させることを受け付ける表示画像である。表示制御装置21は、ダウンロードキー221の選択操作を受け付けない場合(S58,No)、マニュアルキー222の選択操作を受け付けると(S63,Yes)、後述する手動変更画面M15を表示画面22に表示させる(S64)。
【0119】
待機画面M12は、制御装置40が第1モードである場合に、サーバ50から通信装置42に対して更新ラインL4が送信されるまでの間、表示画面22に表示される画面である。
図19に示すように、待機画面M12は、携帯端末70を操作して、サーバ50に対して更新ラインL4の送信することを促すメッセージを表示する。また、待機画面M12は、中断キー231を有している。
【0120】
中断キー231は、選択操作されることで、待機画面M12から再設定画面M11に画面遷移させることを受け付ける表示画像である。
図15Bに示すように、表示制御装置21は、中断キー231の選択操作を受け付けると(S65,Yes)、再設定画面M11を表示画面22に表示させる(S57)。
また、表示制御装置21が中断キー231の選択操作を受け付けず(S65,No)、通信装置42がサーバ50から更新ラインL4を受信、即ち状態取得部40cがダウンロードキー(第1操作具)221によって自動操舵の設定を変更しないことを取得すると(S66,Yes)、モード切換部40dは、制御装置40を第2モードに切り換え、通信装置42に対して、サーバ50から更新ラインL4を受信することを制限する(S67)。制御装置40は、通信装置42がS66で受信した更新ラインL4を基準ラインL1として登録する(S68)。
【0121】
制御装置40が更新ラインL4を基準ラインL1に上書きして、当該更新ラインL4を基準ラインL1として登録すると(S68)、表示制御装置21は、
図20に示すような完了画面M13を表示画面22に表示させる(S69)。
完了画面M13は、サーバ50から通信装置42に対して更新ラインL4が送信され、更新ラインL4を基準ラインL1として登録したことを表示する画面である。完了画面M13は、通信装置42がサーバ50から更新ラインL4を受信し、更新ラインL4を基準ラインL1として登録したことを示すメッセージを表示する。また、完了画面M13は、確認キー241と、変更キー242と、を有している。
【0122】
確認キー241は、選択操作されることで、完了画面M13から設定確認画面M10に画面遷移させることを受け付ける表示画像である。表示制御装置21は、確認キー241の選択操作を受け付けると(S70,Yes)、設定確認画面M10を表示画面22に表示させる(S54)。
変更キー242は、選択操作されることで、完了画面M13から変更選択画面M14に画面遷移させることを受け付ける表示画像である。表示制御装置21は、確認キー241の選択操作を受け付けず(S70,No)、変更キー242の選択操作を受け付けると(71,Yes)、変更選択画面M14を表示画面22に表示させる(S72)。
【0123】
図21に示すように、変更選択画面M14は、再設定画面M11と同様に、第1操作具(ダウンロードキー)251と、マニュアルキー252と、を表示する。ダウンロードキー251は、操作を受け付け且つ自動操舵に関する設定を変更する表示画像である。表示制御装置21は、ダウンロードキー251の選択操作を受け付けると(S73,Yes)、当該ダウンロードキー251の操作信号を制御装置40に出力し(S74)、S60の処理に進む。
【0124】
マニュアルキー252は、選択操作されることで、変更選択画面M14から手動変更画面M15に画面遷移させることを受け付ける表示画像である。表示制御装置21は、ダウンロードキー251の選択操作を受け付けず(S73,No)、マニュアルキー252の選択操作を受け付けると(S75,Yes)、手動変更画面M15を表示画面22に表示させる(S64)。
【0125】
再設定画面M11のマニュアルキー222、又は変更選択画面M14のマニュアルキー252が操作されると、表示制御装置21は、
図22に示すように、表示画面22に手動変更画面M15を表示する(S64)。手動変更画面M15は、自動操舵に関する設定のうち、表示装置20を操作して変更する項目を選択する画面である。手動変更画面M15は、終了キー261と、項目選択キー262と、を表示する。終了キー261は、操作を受け付け且つ自動操舵に関する設定を終了する表示画像である。終了キー261は、選択操作されることで、手動変更画面M15から設定確認画面M10に画面遷移させることを受け付ける表示画像である。表示制御装置21は、終了キー261の選択操作を受け付けると(S76,Yes)、設定確認画面M10を表示画面22に表示させる(S54)。
【0126】
項目選択キー262は、操作を受け付け且つ自動操舵に関する設定のうち、変更を行う対象の選択を受け付ける表示画像である。項目選択キー262は、基準ラインL1(更新ラインL4)の変更の選択を受け付ける方位変更キー262aを含んでいる。表示制御装置21は、終了キー261の選択操作を受け付けず(S76,No)、項目選択キー262の選択操作を受け付けると(S77,Yes)、
図23に示すように、それぞれの設定の変更を受け付ける画面(設定画面M16)を表示画面22に表示させる(S78)。手動変更画面M15は、自動操舵に関する設定として、少なくとも基準ラインL1(更新ラインL4)の設定変更の選択を受け付ける項目選択キー262を有していればよく、自動操舵に関する設定として他の設定の選択を受け付ける表示画像を有していてもよい。
【0127】
設定画面M16は、基準ラインL1(更新ラインL4)の設定の変更を受け付ける画面である。
図23は、項目選択キー262のうち、方位変更キー262aが選択操作された場合に表示制御装置21が表示する設定画面M16を示している。
図23に示すように、設定画面M16は、ライン表示部271と、ライン入力部272と、確定キー273と、を有している。
【0128】
ライン表示部271は、記憶部41に記憶されている基準ラインL1を表示する表示画像である。本実施形態において、基準ラインL1は、当該基準ラインL1を示す方位で定義されているため、ライン表示部271は、基準ラインL1を方位角度で表示する。つまり、ライン表示部271は、記憶部41に記憶されている基準ラインL1を表示するため、当該基準ラインL1が更新ラインL4に基づいて更新された基準ラインL1である場合、表示装置20は、ライン表示部271によって更新ラインL4を表示するといえる。
【0129】
ライン入力部272は、操作部材23が操作を受け付けることで、記憶部41に記憶されている基準ラインL1の変更を受け付ける。本実施形態において、基準ラインL1は、当該基準ラインL1を示す方位で定義されているため、ライン入力部272は、方位角度の入力を受け付けることで基準ラインL1の変更を受け付ける。
ライン入力部272は、初期値として記憶部41に記憶されている基準ラインL1を表示し、操作部材23の操作に応じて、方位角度の表示を変更する。つまり、ライン入力部272は、記憶部41に記憶されている基準ラインL1の変更を受け付けるため、当該基準ラインL1が更新ラインL4に基づいて更新された基準ラインL1である場合、ライン入力部272は、更新ラインL4の変更を受け付けるといえる。
【0130】
なお、本実施形態において、ライン入力部272は、方位角度の入力を受け付けるが、操作部材23が操作を受け付けることで、記憶部41に記憶されている基準ラインL1の変更を受け付けることができればよく、その入力方法は、上述した方法に限定されない。
確定キー273は、操作を受け付け且つライン入力部272が入力を受け付けた基準ラインL1の変更の確定を受け付ける表示画像である。表示制御装置21が確定キー273の操作を受け付けると(S79,Yes)、変更部21aは、基準ラインL1の変更を受け付ける(S80)。変更部21aは、ライン入力部272が受け付けた基準ラインL1の変更に関する情報(変更情報)を制御装置40に出力する(S81)。
【0131】
これにより、制御装置40は、変更情報に基づいて、変更部21aが受け付けた変更後の基準ラインL1を、記憶部41に記憶されている基準ラインL1(更新ラインL4)に上書きすることで、基準ラインL1(更新ラインL4)の変更を適用することができる(S82)。制御装置40が基準ラインL1の変更を適用すると(S82)、表示制御装置21は、表示画面22に手動変更画面M15を表示する(S64)。
【0132】
なお、上述した実施形態では、作業車両の支援システムSによる更新ラインL4の反映について、作業車両1が自動操舵に関する設定を受け付けしているか否かに応じて、モード切換部40dが制御装置40のモード(第1モード又は第2モード)を切り換える場合を例に説明したが、モード切換部40dは、自動操舵の有効又は無効を条件として制御装置40のモードを切り換えてもよい。斯かる場合、モード切換部40dは、第2操作具25によって自動操舵が無効に切り換えられていることを状態取得部40cが取得した場合、第1モードに切り換え、第2操作具25によって自動操舵が有効に切り換えられていることを状態取得部40cが取得した場合、制御装置40を第2モードに切り換える。
【0133】
以下、
図24を用いて、第1の変形例におけるモード切換部40dによるモード切換、及び作業車両の支援システムSによる更新ラインL4の反映について説明する。なお、制御装置40は、初期状態において、予め第2モードに切り換えられている。
まず、状態取得部40cがモード切換スイッチ25から制御装置40に入力された操作信号を取得し、機器(自動操舵機構37)の状態として、自動操舵制御部40aによる自動操舵が有効、又は無効であるかを取得する(S80)。状態取得部40cが自動操舵機
構37の状態として、自動操舵制御部40aによる自動操舵が有効、又は無効であるかを取得すると(S80)、モード切換部40dは、自動操舵制御部40aによる自動操舵が無効であるか確認する(S81)。
【0134】
モード切換部40dは、自動操舵制御部40aによる自動操舵が無効であると判断した場合(S81,Yes)、即ちモード切換の条件を満たした場合、制御装置40を第1モードに切り換え、通信装置42に対して、サーバ50から更新ラインL4を受信することを許可する(S82)。
また、通信装置42がサーバ50から更新ラインL4を受信すると(S83,Yes)、制御装置40は、通信装置42がサーバ50から受信した更新ラインL4を基準ラインL1として登録する(S84)。
【0135】
一方、モード切換部40dは、自動操舵制御部40aによる自動操舵が有効であると判断した場合(S81,No)、即ちモード切換の条件を満たしていない場合、制御装置40を第2モードに切り換え、通信装置42に対して、サーバ50から更新ラインL4を受信することを制限する(S85)。
また、モード切換部40dは、車体3の停止中及び走行中を条件として制御装置40のモードを切り換えてもよい。モード切換部40dは、車体3が走行を停止していることを状態取得部40cが取得した場合、制御装置40を第1モードに切り換え、車体3が走行していることを状態取得部40cが取得した場合、第2モードに切り換える。
【0136】
以下、
図25を用いて、第2の変形例における制御装置40のモード切換、及び作業車両の支援システムSによる更新ラインL4の反映について説明する。なお、制御装置40は、初期状態において、予め第2モードに切り換えられている。
まず、状態取得部40cが車速センサから制御装置40に入力された車速信号を取得して、機器(走行装置7)の状態として、作業車両1が停止中であるか、又は走行中であるかを取得する(S90)。
【0137】
状態取得部40cが作業車両1は停止中であるか、又は走行中であるかを取得すると(S90)、モード切換部40dは、作業車両1が停止中であるか確認する(S91)。
モード切換部40dは、作業車両1が停止中であると判断した場合(S91,Yes)、即ちモード切換の条件を満たした場合、制御装置40を第1モードに切り換え、通信装置42に対して、サーバ50から更新ラインL4を受信することを許可する(S92)。
【0138】
また、通信装置42がサーバ50から更新ラインL4を受信すると(S93,Yes)、制御装置40は、通信装置42がサーバ50から受信した更新ラインL4を基準ラインL1として登録する(S94)。
一方、モード切換部40dは、作業車両1が走行中であると判断した場合(S91,No)、即ちモード切換の条件を満たしていない場合、制御装置40を第2モードに切り換え、通信装置42に対して、サーバ50から更新ラインL4を受信することを制限する(S95)。
【0139】
なお、上述した第2の変形例において、モード切換部40dは、作業車両1が停止中である場合に第1モードに切り換え、作業車両1が走行中である場合に制御装置40を第2モードに切り換えるが、上述した制御装置40のモードの切換は、一例に過ぎない。状態取得部40cが機器(走行装置7)の状態として、作業車両1の走行速度が閾値未満であるか、又は閾値以上であるかを取得する場合、モード切換部40dは、例えば作業車両1の走行速度が閾値未満である場合に第1モードに切り換えて、作業車両1の走行速度が閾値以上である場合に第2モードに切り換えるような構成であってもよい。
【0140】
また、状態取得部40cは、制御装置40から原動機4への制御信号を取得して、機器(原動機4)の状態として、原動機4がアイドリング状態であるか否かを取得する場合、モード切換部40dは、例えば原動機4がアイドリング状態である場合に制御装置40を第1モードに切り換えて、原動機4がアイドリング状態ではない場合に第2モードに切り換えるような構成であってもよい。
【0141】
また、状態取得部40cは、操作装置15から制御装置40へ入力された操作信号を取得して、機器(走行装置7や作業装置2等)の状態として、作業者によって作業車両1が
操作されているか否かを取得する場合、モード切換部40dは、例えば作業者によって作業車両1が操作されている場合に制御装置40を第1モードに切り換えて、作業者によって作業車両1が操作されていない場合に制御装置40を第2モードに切り換えるような構成であってもよい。
【0142】
そして、モード切換部40dは、複数の条件に基づいて制御装置40のモードを切り換えてもよく、上述した状態取得部40cが取得した機器の状態と、モードの切り換えの条件を適宜組み合わせてもよい。例えば、モード切換部40dは、作業車両1が自動操舵に関する設定を受け付け、且つ作業車両1が停止中であることを状態取得部40cが取得した場合、制御装置40を第1モードに切り換えてもよい。一方、モード切換部40dは、作業車両1が自動操舵に関する設定を受け付けておらず、又は作業車両1が走行中であることを状態取得部40cが取得した場合、制御装置40を第2モードに切り換えてもよい。
【0143】
また、モード切換部40dは、第2操作具25によって自動操舵が無効に切り換えられ、且つ作業車両1が停止中であることを状態取得部40cが取得した場合、制御装置40を第1モードに切り換えてもよい。一方、モード切換部40dは、第2操作具25によって自動操舵が有効に切り換えられ、又は作業車両1が走行中であることを状態取得部40cが取得した場合、制御装置40を第2モードに切り換えてもよい。
【0144】
なお、制御装置40は、第1モードにおいてサーバ50から送信される更新ラインL4を反映し、第2モードにおいてサーバ50から送信される更新ラインL4を反映しなければよく、更新ラインL4を反映しない方法は、通信装置42による更新ラインL4の受信の制限に限定されない。
例えば、制御装置40は、第1モードである場合に、通信装置42がサーバ50から受信した更新ラインL4を基準ラインL1として登録し、第2モードである場合に、通信装置42がサーバ50から受信した更新ラインL4を基準ラインL1として登録せずに保持しておき、第1モードに切り換えた際に当該保持していた更新ラインL4を基準ラインL1として登録してもよい。具体的には、制御装置40は、記憶部41に更新ラインL4を一時的に記憶させておくことで当該更新ラインL4を保持する。なお、制御装置40は、更新ラインL4を保持した後、通信装置42が新たに更新ラインL4を受信した場合、当該保持していた更新ラインL4を削除する。
【0145】
以下、
図26を用いて、モード切換部40dが車体3の停止中及び走行中を条件として制御装置40のモードを切り換える場合を例に、第3の変形例における作業車両の支援システムSによる更新ラインL4の反映について説明する。なお、制御装置40は、初期状態において、予め第2モードに切り換えられている。
まず、制御装置40は、通信装置42がサーバ50から更新ラインL4を受信しているかを確認する(S100)。制御装置40は、通信装置42がサーバ50から更新ラインL4を受信していると確認した場合(S100,Yes)、状態取得部40cが車速センサから制御装置40に入力された車速信号を取得して、機器(走行装置7)の状態として、作業車両1が停止中であるか、又は走行中であるかを取得する(S101)。
【0146】
状態取得部40cが作業車両1は停止中であるか、又は走行中であるかを取得すると(S101)、モード切換部40dは、作業車両1が停止中であるか確認する(S102)。
モード切換部40dは、作業車両1が停止中であると判断した場合(S102,Yes)、即ちモード切換の条件を満たした場合、制御装置40を第1モードに切り換える(S103)。制御装置40は、通信装置42がサーバ50から受信した更新ラインL4を基準ラインL1として登録する(S104)。
【0147】
一方、モード切換部40dは、作業車両1が走行中であると判断した場合(S102,No)、即ちモード切換の条件を満たしていない場合、制御装置40を第2モードに切り換える(S105)。制御装置40は、通信装置42がサーバ50から受信した更新ラインL4を基準ラインL1として登録せずに保持する(S106)。
制御装置40は、通信装置42がサーバ50から更新ラインL4を受信していないと確
認した場合(S100,No)、保持している更新ラインL4があるかを確認する(S107)。記憶部41に更新ラインL4が保持されている場合(S107,Yes)、状態取得部40cは、車速センサから制御装置40に入力された車速信号を取得して、機器(走行装置7)の状態として、作業車両1が停止中であるか、又は走行中であるかを取得する(S108)。
【0148】
状態取得部40cが作業車両1は停止中であるか、又は走行中であるかを取得すると(S108)、モード切換部40dは、作業車両1が停止中であるか確認する(S109)。
モード切換部40dは、作業車両1が停止中であると判断した場合(S109,Yes)、即ちモード切換の条件を満たした場合、第1モードに切り換える(S110)。制御装置40は、保持している更新ラインL4を基準ラインL1として登録する(S111)。
【0149】
一方、モード切換部40dは、作業車両1が走行中であると判断した場合(S109,No)、即ちモード切換の条件を満たしていない場合、第2モードに切り換える(S112)。制御装置40は、保持していた更新ラインL4を基準ラインL1として登録せず、保持を継続する(S113)。
なお、上述した第3の変形例においては、モード切換部40dが制御装置40のモードを切り換える所定の条件が車体3の停止中及び走行中である場合を例に説明したが、当該条件が作業車両1は自動操舵に関する設定を受け付けているか否かである場合等にも適用できる。このため、当該条件が作業車両1は自動操舵に関する設定を受け付けているか否かである場合、保持している更新ラインL4がある場合の処理においては、表示制御装置21は、待機画面M12の代わりに、保持している更新ラインL4を基準ラインL1として登録していることを示す画面(図示略)を表示画面22に表示させてもよい。
【0150】
また、上述した第1~第3の変形例において、サーバ50は、指示部71bの指示に応じて、更新ラインL4を通信装置42へ送信するが、第3の変形例のように第2モードであると、通信装置42がサーバ50から受信した更新ラインL4を基準ラインL1として登録せずに保持しておく場合、サーバ50は、指示部71bの指示によらず、車体3の位置に応じて、更新ラインL4を通信装置42に送信してもよい。
【0151】
斯かる場合において、データベース53は、複数の基準ラインL1(更新ラインL4)を、それぞれ圃場Gの位置情報と関連付けて記憶している。具体的には、データベース53は、基準ラインL1に関連付けて記憶している作業情報として、圃場Gの位置情報を記憶している。
また、通信装置42は、検出装置43が検出した車体3の位置を所定の周期でサーバ50に送信する。
【0152】
図27に示すように、サーバ50は、送信部51eを有している。送信部51eは、通信装置42から送信された車体3の位置に応じて、データベース53に記憶され且つ当該位置に対応する更新ラインL4を通信装置42に送信する。送信部51eは、サーバ制御装置51に設けられており、当該サーバ制御装置51に設けられた電気・電子部品、及びプログラム等から構成されている。
【0153】
送信部51eは、サーバ通信装置52及び通信装置42を介して、作業車両1の現在の車体位置Pを取得する。送信部51eは、取得した車体位置Pが示す位置情報に基づいて、作業車両1がいずれの圃場Gに位置しているか判断する。送信部51eは、作業車両1が位置している圃場Gに対応し、且つ作業車両1の情報、作業車両1が作業で使用する作業装置2の情報、作業装置2の作業内容、及び圃場Gで栽培される作物等の情報に対応する基準ラインL1をデータベース53から取得する。送信部51eは、取得した基準ラインL1を更新ラインL4として、通信装置42及びサーバ通信装置52を介して制御装置40に送信する。
【0154】
なお、上述した実施形態においては、管理端末60が管理定義部61aを有する場合を例に説明したが、管理端末60で予め候補ラインL3を定義せず、更新定義部71aは、候補ラインL3ではなく、データベース53に記憶された基準ラインL1(更新ラインL
4)から、操作に応じて所定の更新ラインL4を選択するような構成であってもよい。
上述した作業車両の支援システムSは、操舵装置11による手動操舵と、操舵装置11の自動操舵とのいずれかで走行可能な車体3と、基準ラインL1に基づいて自動操舵における走行予定ラインL2を定義し且つ自動操舵の制御を行う制御装置40と、制御装置40の基準ラインL1を更新する更新ラインL4を受信する通信装置42と、を有する作業車両1と、更新ラインL4を通信装置42へ送信するサーバ50と、を備え、制御装置40は、作業車両1に設けられた機器の状態を取得する状態取得部40cを有し、状態取得部40cが取得した状態に応じて、サーバ50から送信される更新ラインL4を反映する第1モードと、サーバ50から送信される更新ラインL4を反映しない第2モードと、に切り換える。
【0155】
上記構成によれば、サーバ50が通信装置42に基準ラインL1を送信しても、制御装置40は、第2モードにおいて、更新ラインL4を反映せず、基準ラインL1に基づいて自動操舵を制御する。これにより、制御装置40は、更新ラインL4で更新された基準ラインL1に基づいて自動操舵の制御を行わないため、意図と異なる経路で走行することを抑制できる。
【0156】
また、作業車両1は、操作を受け付け且つ自動操舵に関する設定を変更する第1操作具221,251を有し、状態取得部40cは、第1操作具221,251による設定の変更又は変更しないことを取得し、制御装置40は、第1操作具221,251によって設定を変更することを状態取得部40cが取得した場合、第1モードに切り換え、第1操作具221,251によって設定を変更しないことを状態取得部40cが取得した場合、第2モードに切り換える。
【0157】
上記構成によれば、制御装置40は、自動操舵に関する設定を行っていない場合、即ち作業者が自動操舵に関する設定の変更を意図していない場合に、更新ラインL4の受信を反映することを抑制できる。
また、作業車両1は、操作を受け付け且つ自動操舵の有効又は無効に切り換える第2操作具25を有し、状態取得部40cは、第2操作具25による自動操舵の有効又は無効を取得し、制御装置40は、第2操作具25によって自動操舵が無効に切り換えられていることを状態取得部40cが取得した場合、第1モードに切り換え、第2操作具25によって自動操舵が有効に切り換えられていることを状態取得部40cが取得した場合、第2モードに切り換える。
【0158】
上記構成によれば、制御装置40は、自動操舵を行っていない場合に限り、更新ラインL4の受信を反映することができる。このため、制御装置40が自動操舵の制御を行っている場合に、制御の途中で更新ラインL4の受信を反映することがないため、意図と異なる経路で自動操舵することを抑制できる。
また、状態取得部40cは、車体3が走行を停止又は走行していることを取得し、制御装置40は、車体3が走行を停止していることを状態取得部40cが取得した場合、第1モードに切り換え、車体3が走行していることを状態取得部40cが取得した場合、第2モードに切り換える。
【0159】
上記構成によれば、制御装置40は、走行を停止している場合に限り、更新ラインL4の受信を反映することができる。このため、車体3が走行している最中、即ち少なくとも制御装置40が自動操舵の制御を行っている場合に、更新ラインL4の受信を反映することを抑制できる。
また、制御装置40は、第1モードである場合に、通信装置42に対して、サーバ50から更新ラインL4を受信することを許可し、第2モードである場合に、通信装置42に対して、サーバ50から更新ラインL4を受信することを制限する。
【0160】
上記構成によれば、サーバ50が通信装置42に基準ラインL1を送信しようとしても、第2モードにおいて通信装置42は、基準ラインL1を受信しないため、制御装置40は、更新ラインL4を反映しない。これにより、制御装置40は、意図と異なる経路で車体3を制御することを抑制することができる。
また、制御装置40は、第1モードである場合に、通信装置42がサーバ50から受信
した更新ラインL4を基準ラインL1として登録し、第2モードである場合に、通信装置42がサーバ50から受信した更新ラインL4を基準ラインL1として登録せずに保持しておき、第1モードに切り換えた際に当該保持していた更新ラインL4を基準ラインL1として登録する。
【0161】
上記構成によれば、サーバ50が通信装置42に基準ラインL1を送信しようとしても、第2モードにおいて制御装置40は、更新ラインL4を登録しない。また、制御装置40は、第1モードに切り換わることで、保持していた更新ラインL4を登録することができる。これにより、制御装置40は、意図と異なる経路で車体3を制御することを抑制しつつ、第2モードで予め更新ラインL4を受信しておくことで、第1モードに切り換わった際に、効率よく更新ラインL4を登録することができる。
【0162】
また、作業車両1は、通信装置42が受信した更新ラインL4を表示する表示装置20を有している。
上記構成によれば、作業者は、表示装置20を確認することで意図していた更新ラインL4であるか否かを簡単に把握することができる。
また、表示装置20は、通信装置42が受信した更新ラインL4を操作に応じて変更する変更部21aを有している。
【0163】
上記構成によれば、作業者は、表示装置20を操作して更新ラインL4を変更できる。このため、制御装置40は、サーバ50から送信された更新ラインL4に基づいて、より適切な基準ラインL1を登録することができる。
また、作業車両1は、車体3の位置を検出する検出装置43を有し、通信装置42は、検出装置43が検出した車体3の位置をサーバ50に送信し、サーバ50は、車体3の位置に応じて、更新ラインL4を通信装置42に送信する。
【0164】
上記構成によれば、制御装置40は、車体3の位置に応じて、基準ラインL1を自動的に更新することができる。
また、サーバ50は、更新ラインL4を複数記憶し、当該複数の更新ラインL4を、それぞれ圃場Gの位置情報と関連付けて記憶しているデータベース53と、通信装置42から送信された車体3の位置に応じて、データベース53に記憶され且つ当該位置に対応する更新ラインL4を通信装置42に送信する送信部51eと、を有している。
【0165】
上記構成によれば、上記構成によれば、制御装置40は、車体3の位置に応じて、圃場Gでの作業に適切な基準ラインL1を自動的に更新することができる。
また、作業車両の支援システムSは、通信装置42及びサーバ50と通信する携帯端末70を備え、携帯端末70は、操作に応じて通信装置42への更新ラインL4の送信を、サーバ50に対して指示する指示部71bを有している。
【0166】
上記構成によれば、携帯端末70の指示部71bが更新ラインL4を送信するようサーバ50に指示した場合であっても、制御装置40は、第2モードである場合には更新ラインL4を反映せず、基準ラインL1に基づいて車体3を制御する。このため、作業者が誤って携帯端末70を操作して更新ラインL4を送信した場合や、他の作業者が携帯端末70を操作して更新ラインL4を送信した場合でも、制御装置40は、更新ラインL4で更新された基準ラインL1に基づいて自動操舵しないため、意図と異なる経路で走行することを抑制できる。
【0167】
また、サーバ50は、更新ラインL4を複数記憶するデータベース53を有し、携帯端末70は、データベース53に記憶された更新ラインL4から、所定の更新ラインL4を選択する処理を受け付け、更新ラインL4を定義する更新定義部71aを有し、指示部71bは、更新定義部71aが定義した更新ラインL4の通信装置42への送信を、サーバ50に対して指示する。
【0168】
上記構成によれば、携帯端末70の更新定義部71aによって定義された任意の更新ラインL4を通信装置42へ送信することができる。これにより、作業車両1は、より適切な基準ラインL1に基づく走行予定ラインL2に沿って自動操舵を行うことができる。
以上、本発明について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。例えば、上述した実施形態で説明した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0169】
1 作業車両
3 車体
11 操舵装置
20 表示装置
21a 変更部
25 第2操作具
40 制御装置
40c 状態取得部
42 通信装置
43 検出装置
50 サーバ
51g 送信部
53 データベース
70 携帯端末
71b 指示部
221 第1操作具
251 第1操作具
G 圃場
L1 基準ライン
L2 走行予定ライン
L4 更新ライン
S 支援システム