(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-07
(45)【発行日】2025-02-18
(54)【発明の名称】パッケージ一体型手動作動式眼内レンズカートリッジ及びレンズ送達デバイス
(51)【国際特許分類】
A61F 2/16 20060101AFI20250210BHJP
【FI】
A61F2/16
(21)【出願番号】P 2022511114
(86)(22)【出願日】2020-08-21
(86)【国際出願番号】 IB2020057874
(87)【国際公開番号】W WO2021038412
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2023-08-10
(32)【優先日】2019-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】インホイ ウー
(72)【発明者】
【氏名】トッド テイバー
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス ブレント ウェンスリッチ
(72)【発明者】
【氏名】スダルシャン ビー.シング
(72)【発明者】
【氏名】トレバー ハニー
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー チェック
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン ベナククイスト
(72)【発明者】
【氏名】ジョー マリエッタ
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン ペンロッド
(72)【発明者】
【氏名】ティム ラロイ
(72)【発明者】
【氏名】ブライス ポーター
【審査官】大橋 俊之
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-255029(JP,A)
【文献】特開2015-171529(JP,A)
【文献】米国特許第05281227(US,A)
【文献】米国特許第04976716(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0226193(US,A1)
【文献】特表2014-505521(JP,A)
【文献】特開2013-144163(JP,A)
【文献】特表2014-519887(JP,A)
【文献】特表2002-515291(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼内レンズ(IOL)送達デバイスを保管又は出荷するためのシステムであって、前記システムが、
IOLを備える区画と、
前記区画と流体連通しているプランジャケースであって、プランジャが前記プランジャケース内に移動可能に配置される、プランジャケースと、
前記区画に隣接して配置されるダイヤルであって、前記ダイヤルの内面が前記区画に露出され、前記ダイヤルが、前記ダイヤルの回転の際に、前記IOLを折り畳むように構成される、ダイヤルと
を備える、IOLカートリッジと、
前記IOLカートリッジを囲むように構成されたパッケージであって、前記パッケージが、前記IOLカートリッジの前記ダイヤルの回転前の前記IOLカートリッジの取り外しを防止するように更に構成される、パッケージと
を備える、システム。
【請求項2】
前記パッケージが、
前記IOLカートリッジが基部内に配置される、基部と、
前記IOLカートリッジの第1の部分を覆うように構成された第1の取り外し可能なカバーと、
前記IOLカートリッジの第2の部分を覆うように構成された第2の取り外し可能なカバーであって、前記第2の取り外し可能なカバーが、前記ダイヤルが非回転位置にある状態で、前記ダイヤルによって所定の位置にロックされる、第2の取り外し可能なカバーと
を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ダイヤルが少なくとも1つのアームを備え、
前記第2の取り外し可能なカバーが、前記ダイヤルの前記少なくとも1つのアームの下に延びるように構成された少なくとも1つのプロングを備え、
前記少なくとも1つのアームが、前記ダイヤルが前記非回転位置にあるときに、前記少なくとも1つのプロング及び前記第2の取り外し可能なカバーの取り外しを防止するように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記基部の端部が、前記第2の取り外し可能なカバーの突出部を受け入れるよう構成された開口部を備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第2の取り外し可能なカバーが、前記基部の側部に配置されたヒンジを介して前記基部に結合される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記区画が、回転し及び前記IOLを折り畳むように構成されたエッジローラを備え、前記IOLが、前記エッジローラの間に配置され、各
前記エッジローラの表面が、前記ダイヤルの前記内面に接触するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記IOLカートリッジが、前記IOLのハプティック拡張部を圧縮するように構成された圧縮アームであって、前記圧縮アームが前記ダイヤルの前記内面に接触するように構成される、圧縮アームを更に備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の取り外し可能なカバーが、前記第2の取り外し可能なカバーに隣接し、前記第1の取り外し可能なカバーが、前記第1の取り外し可能なカバーの取り外しを容易にするように突出部を備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項9】
眼内レンズ(IOL)カートリッジを保管又は出荷するためのシステムであって、
IOLを収容するように構成された区画と、
前記区画に隣接して配置されたダイヤルであって、前記ダイヤルの内面が前記区画に露出され、前記ダイヤルが、前記ダイヤルの回転の際に、前記IOLを折り畳むように構成される、ダイヤルと、
前記区画と流体連通しているプランジャケースであって、プランジャが前記プランジャケース内に移動可能に配置される、プランジャケースと
を備える、IOLカートリッジと、
前記IOLカートリッジが基部内に配置される、基部と、
前記IOLカートリッジの第1の部分を覆うように構成された第1の取り外し可能なカバーと、
前記第1の取り外し可能なカバーに隣接する第2の取り外し可能なカバーであって、前記第2の取り外し可能なカバーが、前記IOLカートリッジの第2の部分を覆うように構成され、前記第2の取り外し可能なカバーが、非回転位置にある前記ダイヤルによって所定の位置にロックされる、第2の取り外し可能なカバーと
を備える、パッケージと
を備える、システム。
【請求項10】
前記区画が、回転して前記IOLを折り畳むように構成されたエッジローラを備え、前記IOLが、前記エッジローラの間に配置され、各
前記エッジローラの表面が、前記ダイヤルの前記内面の一部分に接触するように構成されたピンを備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記IOLカートリッジが、前記IOLのハプティック拡張部を圧縮するように構成された圧縮アームであって、前記ダイヤルの前記内面が、前記圧縮アームの突起を受け入れるように構成された凹部を備える、圧縮アームを更に備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の取り外し可能なカバーが、前記第1の取り外し可能なカバーの取り外しを容易にするために横方向の突出部を備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記ダイヤルが第1のアームと第2のアームとを有し、凹部が、前記ダイヤルの回転の際に、前記第1のアームを受け入れるように前記IOLカートリッジのハウジングに一体化される、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記ダイヤルが少なくとも1つのアームを備え、
前記第2の取り外し可能なカバーが、前記ダイヤルの前記少なくとも1つのアームの下に延びるように構成された少なくとも1つのプロングを備え、
前記少なくとも1つのアームが、前記ダイヤルが前記非回転位置にあるときに、前記少なくとも1つのプロング及び前記第2の取り外し可能なカバーの取り外しを防止するように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1の取り外し可能なカバーが、前記パッケージの遠位端に配置された第1のヒンジを介して前記基部に結合される、請求項9に記載のシステム。
【請求項16】
前記第2の取り外し可能なカバーが、前記パッケージの側部に配置された第2のヒンジを介して前記基部に結合される、請求項9に記載のシステム。
【請求項17】
前記IOLカートリッジが、ノズルを更に備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項18】
眼内レンズ(IOL)
を保管及び/又は輸送するためのシステムを操作する方法であって、
パッケージの基部内に収容されたIOLカートリッジの第1の部分を露出するために前記パッケージの第1のカバーを開くことであって、前記IOLカートリッジが前記IOLを備える区画を備える、ことと、
前記IOLを折り畳み及び前記IOLカートリッジの第2の部分を覆う第2のカバーのロックを解除するために、前記IOLカートリッジのダイヤルを回転させることと、
前記第2のカバーを開くことと、
前記パッケージの前記基部から前記IOLカートリッジを取り外すことと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、眼手術に関し、より詳細には、いくつかの実施形態は、一般に、パッケージに一体化された手動作動式眼内レンズ(IOL:intraocular lens)カートリッジに駆動機構ハンドピースを取り外し可能に取り付けるためのシステム、方法、及び装置に関し得る。
【背景技術】
【0002】
人間の眼は、軽度の劣化から視力の完全な喪失を引き起こす多くの疾患に罹患する可能性がある。コンタクトレンズ及び眼鏡は、いくつかの病気を補うことができるが、他の場合には眼科手術が必要になる場合がある。一般に、眼科手術は、硝子体網膜手術などの後区処置と白内障手術などの前区処置とに分類され得る。
【0003】
白内障手術では、濁った水晶体をIOLに置き換えるために、外科的処置に、切開、及び眼内へのツールの挿入が必要となる場合がある。IOLを眼内に送達するために挿入ツールが使用され得る。例として、挿入ツールは、挿入ツールのノズルからIOLを押し出すためのプランジャを備え得る。いくつかの場合では、IOLは、挿入ツール内に予め装填される場合がある。他の場合では、挿入ツールに別個のベイが装填される場合がある。プランジャはIOLと係合して、IOLをベイからノズルを通して眼内に前進させ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
例示的な実施形態では、本開示は、眼内レンズ(IOL)送達デバイスを保管及び/又は出荷するためのシステムを提供する。本システムは、IOLカートリッジを備える。IOLカートリッジは、IOLを備える区画を備える。IOLカートリッジは、区画に隣接して配置されたダイヤルであって、ダイヤルの内面が区画に露出する、ダイヤルを更に備える。ダイヤルは、ダイヤルの回転の際にIOLを折り畳むように構成される。IOLカートリッジは、区画と流体連通しているプランジャケースであって、プランジャがプランジャケース内に移動可能に配置される、プランジャケースを更に備える。IOLカートリッジは、ハンドピースに取り外し可能に取り付けられるように構成される。本システムは、IOLカートリッジを囲むように構成されたパッケージを更に備え得、パッケージは、IOLカートリッジのダイヤルの回転前のIOLカートリッジの取り外しを防止するように更に構成され得る。パッケージは、IOLカートリッジが基部内に配置される基部と、IOLカートリッジの第1の部分を覆うように構成された第1の取り外し可能なカバーと、IOLカートリッジの第2の部分を覆うように構成された第2の取り外し可能なカバーとを更に備え得る。ダイヤルは、少なくとも1つのアームを更に備え得、第2の取り外し可能なカバーは、ダイヤルの少なくとも1つのアームの下に延びるように構成された少なくとも1つのプロングを備え得、少なくとも1つのアームは、ダイヤルが非回転位置にあるときに、少なくとも1つのプロング及び第2の取り外し可能なカバーの取り外しを防止し得る。
【0005】
別の例示的な実施形態では、本開示は、IOLカートリッジを保管及び/又は出荷するためのシステムを提供する。IOLカートリッジは、IOLを収容するように構成された区画を備え得る。IOLカートリッジは、区画に隣接して配置されたダイヤルであって、ダイヤルの内面が区画に露出する、ダイヤルを更に備える。ダイヤルは、ダイヤルの回転の際にIOLを折り畳むように構成される。IOLカートリッジは、区画と流体連通しているプランジャケースであって、プランジャがプランジャケース内に移動可能に配置される、プランジャケースを更に備える。IOLカートリッジは、ハンドピースに取り外し可能に取り付けられるように構成される。本システムは、IOLカートリッジが基部内に配置される基部と、IOLカートリッジの第1の部分を覆うように構成された第1の取り外し可能なカバーと、第1の取り外し可能なカバーに隣接する第2の取り外し可能なカバーであって、第2の取り外し可能なカバーが、IOLカートリッジの第2の部分を覆うように構成され、第2の取り外し可能なカバーが非回転位置にあるダイヤルによって所定の位置にロックされる、第2の取り外し可能なカバーとを備えるパッケージを更に備える。
【0006】
別の例示的な実施形態では、本開示は、IOLの送達のための方法を提供する。本方法は、パッケージの基部内に収容されたIOLカートリッジの第1の部分を露出するためにパッケージの第1のカバーを開くことを含む。IOLカートリッジは、IOLを備える区画を備える。本方法は、IOLを折り畳み、IOLカートリッジの第2の部分を覆う第2のカバーのロックを解除するためにIOLカートリッジのダイヤルを回転させることと、第2のカバーを開くことと、パッケージの基部からIOLカートリッジを取り外すこととを更に含む。
【0007】
上述の一般的な説明と以下の詳細な説明との両方は、本質的に例示的且つ説明的であり、本開示の範囲を制限することなく本開示の理解を提供することを意図していることを理解されたい。その点に関して、本開示の更なる態様、特徴、及び利点が以下の詳細な説明から当業者に明らかになるはずである。
【0008】
これらの図面は、本開示の実施形態のいくつかの特定の態様を示すものであり、本開示を限定する又は定義するために使用されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、ダイヤルが初期の非回転位置にある状態の予め装填されたIOLカートリッジの上面図を示す。
【
図2】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、
図1の予め装填されたIOLカートリッジのダイヤルの下の構成要素の切り欠き図を示す。
【
図3】
図3は、
図1及び
図2の予め装填されたIOLカートリッジの区画内に収容されるエッジローラの側面斜視図を示す。
【
図4】
図4は、IOLが折り畳まれていない状態の
図1の予め装填されたIOLカートリッジの区画の断面図を示す。
【
図5】
図5は、本開示のいくつかの実施形態による、ダイヤルが回転位置にある状態の予め装填されたIOLカートリッジの上面図を示す。
【
図6】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、折り畳まれたIOLを有する
図5の予め装填されたIOLカートリッジの断面図を示す。
【
図7】
図7は、本開示のいくつかの実施形態による、
図1の予め装填されたIOLカートリッジのためのパッケージを示す。
【
図8】
図8は、本開示のいくつかの実施形態による、第1のカバーを取り外してIOLカートリッジのダイヤルを露出させた、
図7のパッケージの上面図を示す。
【
図9】
図9は、本開示のいくつかの実施形態による、第1のカバー及び第2のカバーを取り除いてIOLカートリッジのダイヤル及びプランジャケースを露出させた状態の
図7のパッケージの上面図を示す。
【
図10】
図10は、ハンドピースに取り外し可能に取り付けられた
図1の予め装填されたIOLカートリッジを示す。
【
図11A-11B】
図11A-11Bは、本開示のいくつかの実施形態による、IOLの植え込みを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の原理の理解を促進する目的のため、ここで、図面に示す実装形態を参照し、特定の言語を用いてそれを説明する。それにも関わらず、本開示の範囲について何らの限定も意図され得ないことが理解されよう。説明するデバイス、機器、方法に対する任意の代替形態及び更なる修正形態並びに本開示の原理の任意の更なる適用は、本開示が関連する技術分野の当業者が通常想到するものと完全に想定されるものである。特に、1つ以上の実装形態に関して説明する特徴、構成要素、及び/又は工程は、本開示の他の実装形態に関して説明する特徴、構成要素、及び/又は工程と組み合わせてもよいと完全に想定することができる。簡略化のために、場合によっては、全図面を通じて同じ参照番号を用いて同一又は類似部品を参照する。
【0011】
本開示の実施形態は、パッケージ内に一体化された手動作動式眼内レンズカートリッジ(「IOLカートリッジ」)を提供する。IOLカートリッジは、最初、保管及び/又は出荷のためにパッケージに収容され得る。IOLカートリッジは手動で回転されるダイヤルを備える。ダイヤルを手動で回転させることにより、IOLカートリッジの折り畳み機構が作動し、IOLカートリッジがパッケージから切り離される。IOLカートリッジは、IOLを予め充填してある、予め充填されたカートリッジであってもよい。IOLカートリッジは、異なる種類の駆動機構を備える様々なハンドピースに取り外し可能に取り付けるためのユニバーサルインターフェースを備えるモジュール式送達システムの一部分であってもよい。
【0012】
本開示の特定の実施形態は、使い捨て及び再利用可能なハンドピースなどの異なるハンドピースとIOLカートリッジとの間における相互交換を可能にする。使い捨てのハンドピースは、電動ではない駆動機構を含み得る。再利用可能なハンドピースは、無動力駆動機構(例えば、手動で押したり、又はねじ込んだりするだけのもの、流体又はばねなどの弾性部材を介して手動で作動されるもの)及び電動駆動機構(例えば、固定子巻線)を含み得る。これらの種類のハンドピースは例であり、本開示の特定の実施形態にしたがって他の種類のハンドピース又は駆動機構が利用され得ることに留意されたい。
【0013】
本開示の特定の実施形態は、IOLカートリッジにハンドピースを組み付け、IOLを送達し、必要に応じて使用済みのIOLカートリッジからハンドピースを外すことを可能にし得る。ユニバーサルインターフェースが、IOLの植え込みのために異なる種類のハンドピースをIOLカートリッジと容易にペアリングし、これを利用することを可能にする。IOLを植え込んだ後、IOLカートリッジは、再利用可能なハンドピースから容易に取り外され得る。
【0014】
ハンドピースは、IOLカートリッジのプランジャケースの上にハンドピースの端部をスライドさせることによって、IOLカートリッジに固定され得る。特定の実施形態では、IOLカートリッジは、ハンドピースのハウジングに押し付けてハンドピースをIOLカートリッジに固定するクリップを備え得る。固定されると、IOLは眼内に送達され得る。IOLの送達が完了した後、クリップをハンドピースのハウジングから離すように動かし、IOLカートリッジをハンドピースからスライドさせて出すことによって、ハンドピースは、使用済みのIOLカートリッジから切り離され得る。
【0015】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、ダイヤル11が初期の非回転位置にある状態のIOLカートリッジ10の上面図を示す。IOLカートリッジ10は、プランジャケース14と流体連通している区画12を備え得る。区画12はIOLカートリッジ10のハウジング15内に配置され得、プランジャケース14はハウジング15から延び得る。
【0016】
ノズル17がハウジング15から延び得る。ノズル17は、区画12と流体連通し得る。区画12は、IOL16を予め充填され得る、又はIOL16を収容し得る。IOL16は、ノズル17を通して送達され得る。
【0017】
IOL16は、レンズ部分18とハプティック拡張部20とを備え得る。ハプティック拡張部20は、IOL16が患者の眼内に配置され得る場合にIOL16を安定させ得る、レンズ部分16から延びる横支柱(又は他の適切な拡張部)であり得る。IOL16は単なる例示であり、本明細書で開示される技法は、任意の適切なIOLに使用され得ることを理解されたい。例えば、ハプティック拡張部を有する基部に配置可能なレンズ部分を備えるモジュール式IOL(図示せず)もまた使用され得る。
【0018】
ダイヤル11は、IOL16を折り畳むために回転され得る。ダイヤル11は、ユーザが把持するためのアーム22を備え得る。IOLカートリッジ10は、ダイヤル11の回転(例えば、反時計回りに90°回転)の際にダイヤル11のアーム22を受け入れるためのポケット24を備え得る。
【0019】
クリップ26が、IOLカートリッジ10のハウジング15から延び、且つプランジャケース14の上に延び得る。クリップ26は、例えば、プラスチックなどの可撓性材料から作られ得る。クリップ26は、IOLカートリッジ10をハンドピース(図示せず)に取り外し可能に結合するための結合機構として利用され得る。
【0020】
プランジャケース14は、プランジャケース14内に移動可能に配置され得るプランジャ30を収容し得る中空の硬質な部材であり得る。図示のように、示されているのはプランジャ30の尾端部のみである。プランジャ30は、プランジャケース14内で長手方向に延び、ノズル17を通してIOL16を送達するために区画12を通して前方に推進され得る。
【0021】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による区画12の切り欠き上面図を示す。(例えば、
図1に示す)ダイヤル11の直下に配置された構成要素の上面図を妨げられていない状態で示すために、ダイヤル11は示していない。
【0022】
いくつかの実施形態では、区画12は、区画12内に枢動可能に配置されたエッジローラ38を収容し得る。エッジローラ38は、IOL16を折り畳むために使用され得る。図示のように、IOL16はエッジローラ38の間に配置され得る。エッジローラ38は、エッジローラ38の上部部分から横方向に延びる上部ピン37を備え得る。上部ピン37は、ダイヤル11の回転の際に、(例えば、
図1に示す)ダイヤル11の内面(図示せず)に接触するように配置される。ダイヤル11の回転により、エッジローラ38が上方且つ内向きに回転し、それによりIOL16を折り畳む。区画12はまた、エッジローラ38のための枢動点となる凹部32を備え得る。ダイヤル11は、区画12の真上に配置され得、ハウジング15の内部部分42によって支持され得る。内部部分42は、区画12を包囲し、取り囲み、又は境界を略画定する。
【0023】
圧縮アーム44は、接続ピン46を介してハウジング15の内部部分42に枢動可能に結合され得、区画12内に延び得る。圧縮アーム44は、(例えば、
図1に示す)ダイヤル11の回転の際に、ダイヤル11の内面(図示せず)に接触するように圧縮アーム44の上面49から延びる突起48を備え得る。ダイヤル11の回転により圧縮アーム44が内方に移動し、それによりIOL16のハプティック拡張部20を折り畳む又は圧縮する。圧縮アーム44の内方への移動は、眼内に送達するためにIOL16を折り畳んで圧縮するためのエッジローラ38の内方且つ上方への移動と同時であり得る。
【0024】
図3は、本開示のいくつかの実施形態によるエッジローラ38の側面斜視図を示す。エッジローラ38は、エッジローラ38の長さに沿って延びるカム36を備え得る。カム36は、エッジローラ38が(例えば、
図2に示す)凹部32内で回転できるようにするカムピン34を備え得る。上部ピン37は、(
図1に示す)ダイヤル11の内面によって内方に移動され得る。エッジローラ38はまた、凹部50を備え得る。(
図2に示す)IOL16の一部分が、各エッジローラ38の凹部50に配置され得る。凹部50は、エッジローラ38の長さに沿って延び得る。エッジローラ38がカムピン34を介して上方且つ内方に回転すると、IOL16が折り畳まれる。加えて、エッジローラ38は、(例えば、
図1に示す)ダイヤル11の回転の際に、エッジローラ38が上方且つ内方に回転するときに、エッジローラ38の逆回転を防止し得る尾部部分52を備え得る。
【0025】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、IOLカートリッジ10の
図1の線A-A’断面図を示す。ダイヤル11は、区画12の真上に配置され得、IOLカートリッジ10のハウジング15の内部部分42によって支持され得る。ダイヤル11は、内部部分42を中心として回転し得、ダイヤル11をハウジング15の部分42に固定するために、部分42の溝部56に対応するリップ部54を備え得る。ダイヤル11の内面58は区画12に露出され得る。内面58は、ダイヤル11の回転の際に、エッジローラ38の上部ピン37と接触又は嵌合するように輪郭が形成され得る。エッジローラ38は、ダイヤル11の回転の際に上方且つ内方に回転し、それによりIOL16を折り畳み得る。
【0026】
内面58はまた、ダイヤル11の回転の際に、(例えば、
図2に示す)圧縮アーム44の(例えば、
図2に示す)突起48と接触又は嵌合するように輪郭が形成され得る。ダイヤル11の回転により、圧縮アーム44が内方に移動して、IOL16の(例えば、
図2に示す)ハプティック拡張部20を圧縮する。
【0027】
尾部部分52は、区画12のテーパ付きの壁60に接触し、これに沿って上方に乗り上げる。尾部部分52は、ダイヤル11の回転の際に、エッジローラ38が上方に回転するときに、エッジローラ38の逆回転を防止し得る。通路62が、折り畳まれた状態のIOL16を受け入れるために区画12からノズル17を通って延び得る。
【0028】
図5は、本開示のいくつかの実施形態による、ダイヤル11が回転位置にある状態のIOLカートリッジ10の上面図を示す。図示のように、ダイヤル11は(例えば、90°)回転されており、それにより、アーム22が(
図1に示す)ポケット24内に移動している。ダイヤル11の回転はまた、
図2~
図4を参照して上述したように、(例えば、
図2に示す)IOL16を折り畳む。
【0029】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、IOLカートリッジ10の
図5の線B-B’断面図を示す。図示のように、ダイヤル11は回転されていて、エッジローラ38を回転させてIOL16を折り畳んでいる。また、(例えば、
図2に示す)圧縮アーム44が内方に回転されていて、IOL16の(例えば、
図2に示す)ハプティック拡張部20を圧縮している。
【0030】
図7は、本開示のいくつかの実施形態による、(例えば、
図1に示されているような)IOLカートリッジ10を保管及び/又は出荷するために使用されるパッケージ64の上面斜視図を示す。パッケージ64は、プラスチックで作られ得、第1のカバー66の取り外しを容易にする(例えば、ユーザが把持する)ための横方向突出部68を備え得る第1のカバー66を備え得る。第2のカバー70が第1のカバー66に隣接して配置され得る。第1のカバー66と第2のカバー70との両方が、IOLカートリッジ10を収容し得る基部72の上部に長手方向に整列され得る。第1のカバー66と第2のカバー70との両方が、基部72から少なくとも部分的に持ち上げられ得る、又は取り外され得る。第1のカバー66及び第2のカバー70は、出荷及び/又は保管時に、予めに装填されたIOL16を備え得る、内部に配置されたIOLカートリッジ10の汚染を防止するためのシールを提供し得る。
【0031】
図8は、本開示のいくつかの実施形態による、第1のカバー66を開けた状態でのパッケージ64の上面斜視図を示す。第1のカバー66は、基部72から取り外されて(例えば、引き離されて)、IOLカートリッジ10のダイヤル11を露出させ得る。ダイヤル11は、初期の非回転位置にあり得る。ダイヤル11は、図示のようにパッケージ64から外方に突出し得るアーム22を備え得る。アーム22は、ダイヤル11を回転させるための把持のために利用することができる。第1のカバー66が基部72の上に留まったままでアーム22は横方向突出部68の下で外方に延び得る。以下の段落で更に説明するように、ダイヤル11の手動回転により、IOL16が折り畳まれ、IOLカートリッジ10をパッケージ64から切り離すことできる。
【0032】
ヒンジ74は、第1のカバー66を基部72に枢動可能に結合し得る。ヒンジ74は、例えば、パッケージ64の可撓性部分であり得る。第1のカバー66の内側部分が、ダイヤル11を受け入れるための凹部76を備え得る。タブ78は、第1のカバー66から垂直に延び得る。タブ78は、凹部76に隣接し得、圧入により第1のカバー66を基部72に固定し得る。タブ78は、第1のカバー66が基部72の上に留まっている間、ダイヤル11の回転を防止し得る。
【0033】
図9は、本開示のいくつかの実施形態による、第2のカバー70を開けた状態でのパッケージ64の上面斜視図を示す。第2のカバー70は、基部72から取り外されて(例えば、引き離されて)、IOLカートリッジ10のプランジャケース14を露出させ得る。第2のカバー70は、ユーザが第2のカバー70を開けるのを支援するためのタブ80を備え得る。第2のカバーはまた、基部72の開口部84に整列する突出部82を備え得る。突出部82は、第2のカバー70が閉じている間に開口部84内に延び、それにより、出荷及び/又は保管時にIOLカートリッジ10の汚染を防止するためのシールを提供する。突出部82及び開口部84は、パッケージ64の近位端86に配置され得る。第2のカバー70は基部72から取り外されている間、開口部84は、基部72の内部凹部88と流体連通している。IOLカートリッジ10は、内部凹部88内に配置され得る。
【0034】
加えて、第2のカバー70は、ダイヤル11が(例えば、90°)回転した後に内部凹部88から切り離され得るプロング90を備え得る。ダイヤル11は、ダイヤル11が回転されて、それにより第2のカバー70が取り外しできるようになるまで、第2のカバー70を所定の位置にロックし得る。つまり、ダイヤル11が(例えば、
図8に示す)初期の非回転位置にある間、アーム22は、プロング90の上方への移動を阻止する。第2のカバー70は、基部72の側方に配置された横方向ヒンジ92に枢動可能に取り付けられ得る。
【0035】
いくつかの実施形態によれば、第1のカバー66が取り外され、次にダイヤル11が回転され、次に第2のカバー70が取り外されてパッケージ64からIOLカートリッジ10を取り出すことができることに留意されたい。第1のカバー66、第2のカバー70、及びダイヤル11の特定の構成により、IOLカートリッジ10がハンドピース(図示せず)に取り外し可能に取り付けられる前に、(例えば、
図2に示す)IOL16が折り畳まれていることが確保される。第1のカバー66及び第2のカバー70が取り外された後、IOLカートリッジ10がパッケージ64から取り外され得る。
【0036】
図10は、本開示の特定の実施形態による、ハンドピース96に取り外し可能に取り付けられたIOLカートリッジ10を備える挿入ツール94の側面断面図を示す。クリップ26は、IOLカートリッジ10のハウジング15から延びて、ハンドピース96の一部分に接触して固定され、それによりIOLカートリッジ10をハンドピース96に結合し得る。ハンドピース96のプッシュロッド98は、折り畳まれた状態のIOL16を区画12から通路62及びノズル17を通して、患者の眼内に送達するために、プランジャ30を前進させるように作動され得る。IOL16の送達後、ノズル17は患者の眼から取り外され得、クリップ26はIOLカートリッジ10をハンドピース96から切り離すために引かれ得る。その後、使用済みのIOLカートリッジ10は廃棄されてもよい。
【0037】
様々なハンドピースが異なる種類のIOLカートリッジと使用され得ることに留意されたい。ハンドピース96は、ハンドピース96の長さに沿って延びるプッシュロッド98を備え得る、電動式又は非電動式の駆動機構を備え得る。プッシュロッド98は、ハンドピース96内に移動可能に配置され得、回転式ダイヤル100を介して手動で作動され得、この回転式ダイヤル100は、流体又はばね102などの弾性部材又は別の作動機構と協働し得る。一般に、IOL挿入ツール94のハンドピース96及びIOLカートリッジ10の様々な構成要素及び特徴を検討及び説明する目的で、近位端又は近位方向と言及することは、方向矢印104に準じて、回転式ダイヤル100を備えるハンドピース96の端部により近い方向を指し得る。同様に、遠位端又は遠位方向と言及することは、方向矢印106に準じて、ノズル17を備えるIOLカートリッジ10の端部により近い方向を指し得る。
【0038】
図1~
図10を参照して、本開示の特定の実施形態による、(例えば、
図1に示す)IOLカートリッジ10を(例えば、
図10に示す)ハンドピース96に組み付けて、(例えば、
図10に示す)挿入ツール94を形成するための例示的な技法を以下に説明する。
【0039】
第一に、IOLカートリッジ10を収容するパッケージ64が設けられ得る(例えば、
図7参照)。第二に、パッケージ64の第1のカバー66は、パッケージ64の基部72から少なくとも部分的に取り外されて(例えば、
図8参照)、パッケージ64内に配置されているIOLカートリッジ10のダイヤル11を露出させ得る。IOLカートリッジ10は、IOL16を予め装填され得(例えば、
図3参照)、IOLカートリッジ10のダイヤル11は、IOL16が折り畳まれていない初期の非回転状態(例えば、
図1及び
図4参照)にある。初期の非回転状態におけるダイヤル11の配置もまた、パッケージ64の第2のカバー70のプロング90が動かされたり持ち上げられたりするのを防ぎ得るため、IOL16の折り畳みの前に、IOLカートリッジ10を切り離すために第2のカバー70が早期に開かれることが防止される。第三に、先に述べたように、ダイヤル11は、(例えば、90°)回転され、それによりIOL16を折り畳む(例えば、
図6参照)。ダイヤル11が回転されると、第2のカバー70のプロング90がアーム22に遮られなくなり得、プロング90は動かされたり持ち上げられたりし得る。第四に、第2のカバー70は、パッケージ64の基部72から引き離されて、IOLカートリッジ10のプランジャケース14を露出させる(例えば、
図9参照)。第五に、IOLカートリッジ10は、パッケージ64から取り外される(例えば、
図5参照)。次いで、IOLカートリッジ10は、プランジャケース14の一部分をハンドピース内にスライドさせることにより、ハンドピース96などのハンドピースに取り外し可能に取り付けられ、(例えば、
図10に示す)クリップ26を介して固定されて、(例えば、
図10に示す)挿入ツール94を形成する。(例えば、
図10に示す)プッシュロッド98を作動させると、プランジャ30が前進して、IOL16を区画12からノズル17を通して送達する。
【0040】
IOL16の送達後に(例えば、
図10に示す)挿入ツール94を分解するためには、クリップ26を上方に動かして保持し、それによりIOLカートリッジ10をハンドピース96(例えば、
図10参照)からロック解除し得る。次に、IOLカートリッジ10をハンドピース96から引き出し、それによりプランジャケース14をハンドピース96からスライドさせて出し得る。
【0041】
図11A及び
図11Bは、本開示の特定の実施形態による、患者の眼108内へのIOL16の植え込みのための例示的な技法を示す。外科医によって眼108内に切開部110が作成され得る。例えば、切開部110は、眼108の強膜を通して作成され得る。切開部110は、適切な幅又は長さであり得る。限定するものではないが、適切な幅及び/又は長さは、3ミリメートル未満であり得、いくつかの場合では2ミリメートル未満であり得る。切開部110が作成された後、挿入ツール94のノズル17は、切開部110を通して眼108の水晶体嚢116に挿入され得る。挿入ツール94は、
図11Bに示すように、眼108の水晶体嚢116内にIOL16を投入するように作動され得る。
【0042】
IOL16は、折り畳まれた(又は巻かれた構成)で送達され、挿入ツール94から排出された後に展開可能にされ得る。IOL16は、投入されると、
図11Bに示すように、眼108の水晶体嚢116内で展開し、収まるはずである。ハプティック拡張部20は、例えば、水晶体嚢116の赤道に係合するように操作され得る。ハプティック拡張部20は、水晶体嚢116に係合して、水晶体嚢116においてIOL16を固定し得る。
【0043】
本明細書に記載される方法及びシステムを使用することにより、他のIOL送達システムに比べて多くの利益及び利点がもたらされ得る。例えば、IOLカートリッジの開梱及びIOLの折り畳みが合理化され、ユーザは、必要なステップを特定の順序で完了するように案内されて、エラーや高価なIOL及び/又はIOLカートリッジの損傷又は廃棄の可能性を確実に回避する。加えて、異なる駆動機構と予め充填されたIOLカートリッジとの間における交換可能な利用は、駆動機構と予め充填されたIOLカートリッジとをペアリングするためのシンプルで均一なプロセスを提供する。よって、異なる種類の駆動機構を採用する様々なハンドピースが、多数の異なる種類のIOLカートリッジのそれぞれに、ひいては異なる種類のIOLに使用され得る。例えば、ユーザは、IOLの種類及び/又はIOLカートリッジの種類に応じて、複数の種類の駆動機構から使いたい駆動機構を容易に選択し得る。加えて、あるユーザは、所与のIOLカートリッジに対して第1の種類の駆動機構ハンドピースを使用することを希望し得る一方で、別のユーザは、同じ所与の種類のIOLカートリッジに対して第2の種類の駆動機構ハンドピースを使用するオプションを有し得る。重要なことに、ハンドピースをIOLカートリッジに固定するための共通の、又は標準的なインターフェースを可能にすることにより、ハンドピースをIOLカートリッジに固定する際のユーザ体験は、使用される駆動機構の種類又はIOLカートリッジ、ひいてはIOLの種類に関わらず、実質的に同じになり得、これは操作者にとっての使いやすさだけでなく、IOL送達手順の合理化も向上させ得る。
【0044】
本開示の動作及び構造は、上述の説明から明らかになると考えられる。上に図示又は記載された装置及び方法は、好ましいものとして特徴付けられているが、以下の特許請求の範囲で定義される本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、それらに対する様々な変更形態及び修正形態がなされ得る。
態様(1)によれば、眼内レンズ(IOL)送達デバイスを保管又は出荷するためのシステムであって、前記システムが、
IOLを備える区画と、
前記区画と流体連通しているプランジャケースであって、プランジャが前記プランジャケース内に移動可能に配置される、プランジャケースと、
前記区画に隣接して配置されるダイヤルであって、前記ダイヤルの内面が前記区画に露出され、前記ダイヤルが、前記ダイヤルの回転の際に、前記IOLを折り畳むように構成される、ダイヤルと
を備える、IOLカートリッジと、
前記IOLカートリッジを囲むように構成されたパッケージであって、前記パッケージが、前記IOLカートリッジの前記ダイヤルの回転前の前記IOLカートリッジの取り外しを防止するように更に構成される、パッケージと
を備える、システムである。
態様(2)によれば、前記パッケージが、
前記IOLカートリッジが基部内に配置される、基部と、
前記IOLカートリッジの第1の部分を覆うように構成された第1の取り外し可能なカバーと、
前記IOLカートリッジの第2の部分を覆うように構成された第2の取り外し可能なカバーであって、前記第2の取り外し可能なカバーが、前記ダイヤルが非回転位置にある状態で、前記ダイヤルによって所定の位置にロックされる、第2の取り外し可能なカバーと
を備える。
態様(3)によれば、前記ダイヤルが少なくとも1つのアームを備え、
前記第2の取り外し可能なカバーが、前記ダイヤルの前記少なくとも1つのアームの下に延びるように構成された少なくとも1つのプロングを備え、
前記少なくとも1つのアームが、前記ダイヤルが前記非回転位置にあるときに、前記少なくとも1つのプロング及び前記第2の取り外し可能なカバーの取り外しを防止するように構成される。
態様(4)によれば、前記基部の端部が、前記第2の取り外し可能なカバーの突出部を受け入れるよう構成された開口部を備える。
態様(5)によれば、前記第2の取り外し可能なカバーが、前記基部の側部に配置されたヒンジを介して前記基部に結合される。
態様(6)によれば、前記区画が、回転し及び前記IOLを折り畳むように構成されたエッジローラを備え、前記IOLが、前記エッジローラの間に配置され、各エッジローラの表面が、前記ダイヤルの前記内面に接触するように構成される。
態様(7)によれば、前記IOLカートリッジが、前記IOLのハプティック拡張部を圧縮するように構成された圧縮アームであって、前記圧縮アームが前記ダイヤルの前記内面に接触するように構成される、圧縮アームを更に備える。
態様(8)によれば、前記第1の取り外し可能なカバーが、前記第2の取り外し可能なカバーに隣接し、前記第1の取り外し可能なカバーが、前記第1の取り外し可能なカバーの取り外しを容易にするように突出部を備える。
態様(9)によれば、眼内レンズ(IOL)カートリッジを保管又は出荷するためのシステムであって、
IOLを収容するように構成された区画と、
前記区画に隣接して配置されたダイヤルであって、前記ダイヤルの内面が前記区画に露出され、前記ダイヤルが、前記ダイヤルの回転の際に、前記IOLを折り畳むように構成される、ダイヤルと、
前記区画と流体連通しているプランジャケースであって、プランジャが前記プランジャケース内に移動可能に配置される、プランジャケースと
を備える、IOLカートリッジと、
前記IOLカートリッジが基部内に配置される、基部と、
前記IOLカートリッジの第1の部分を覆うように構成された第1の取り外し可能なカバーと、
前記第1の取り外し可能なカバーに隣接する第2の取り外し可能なカバーであって、前記第2の取り外し可能なカバーが、前記IOLカートリッジの第2の部分を覆うように構成され、前記第2の取り外し可能なカバーが、非回転位置にある前記ダイヤルによって所定の位置にロックされる、第2の取り外し可能なカバーと
を備える、パッケージと
を備える、システムである。
態様(10)によれば、前記区画が、回転して前記IOLを折り畳むように構成されたエッジローラを備え、前記IOLが、前記エッジローラの間に配置され、各エッジローラの表面が、前記ダイヤルの前記内面の一部分に接触するように構成されたピンを備える。
態様(11)によれば、前記IOLカートリッジが、前記IOLのハプティック拡張部を圧縮するように構成された圧縮アームであって、前記ダイヤルの前記内面が、前記圧縮アームの突起を受け入れるように構成された凹部を備える、圧縮アームを更に備える。
態様(12)によれば、前記第1の取り外し可能なカバーが、前記第1の取り外し可能なカバーの取り外しを容易にするために横方向の突出部を備える。
態様(13)によれば、前記ダイヤルが第1のアームと第2のアームとを有し、凹部が、前記ダイヤルの回転の際に、前記第1のアームを受け入れるように前記IOLカートリッジのハウジングに一体化される。
態様(14)によれば、前記ダイヤルが少なくとも1つのアームを備え、
前記第2の取り外し可能なカバーが、前記ダイヤルの前記少なくとも1つのアームの下に延びるように構成された少なくとも1つのプロングを備え、
前記少なくとも1つのアームが、前記ダイヤルが前記非回転位置にあるときに、前記少なくとも1つのプロング及び前記第2の取り外し可能なカバーの取り外しを防止するように構成される。
態様(15)によれば、前記第1の取り外し可能なカバーが、前記パッケージの遠位端に配置された第1のヒンジを介して前記基部に結合される。
態様(16)によれば、前記第2の取り外し可能なカバーが、前記パッケージの側部に配置された第2のヒンジを介して前記基部に結合される。
態様(17)によれば、前記IOLカートリッジが、ノズルを更に備える。
態様(18)によれば、眼内レンズ(IOL)の送達のための方法であって、
パッケージの基部内に収容されたIOLカートリッジの第1の部分を露出するために前記パッケージの第1のカバーを開くことであって、前記IOLカートリッジが前記IOLを備える区画を備える、ことと、
前記IOLを折り畳み及び前記IOLカートリッジの第2の部分を覆う第2のカバーのロックを解除するために、前記IOLカートリッジのダイヤルを回転させることと、
前記第2のカバーを開くことと、
前記パッケージの前記基部から前記IOLカートリッジを取り外すことと
を含む、方法である。
態様(19)によれば、プッシュロッドを備えるハンドピースに前記IOLカートリッジを取り外し可能に取り付けることを更に含む。
態様(20)によれば、前記区画から前記IOLカートリッジの外に前記IOLを移動させるために、前記区画を通して前記IOLカートリッジのプランジャを前進させるように前記プッシュロッドを作動させることを更に含む。