(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-07
(45)【発行日】2025-02-18
(54)【発明の名称】組み合わせ
(51)【国際特許分類】
A61K 31/496 20060101AFI20250210BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20250210BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20250210BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20250210BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20250210BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20250210BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20250210BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20250210BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20250210BHJP
【FI】
A61K31/496
A61K31/519
A61K45/00
A61P1/00
A61P11/00
A61P15/00
A61P35/00
A61P35/02
A61P43/00 121
(21)【出願番号】P 2022538220
(86)(22)【出願日】2020-12-16
(86)【国際出願番号】 US2020065409
(87)【国際公開番号】W WO2021127044
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2023-12-15
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518346476
【氏名又は名称】リキュリウム アイピー ホールディングス リミテッド ライアビリティー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サマター,アフメド アブディ
(72)【発明者】
【氏名】リ,ジアリ
(72)【発明者】
【氏名】イザディ,フーマン
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ピーター キンファ
(72)【発明者】
【氏名】ボーレン,ブラント クレイトン
(72)【発明者】
【氏名】ピンチマン,ジョセフ ロバート
(72)【発明者】
【氏名】バンカー,ケビン デュアン
(72)【発明者】
【氏名】ドネイト,フェルナンド
【審査官】工藤 友紀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/139899(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/173082(WO,A1)
【文献】特表2017-517520(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
疾患又は病態を治療するための化合物の組み合わせの
医薬であって、前記組み合わせが、有効量の化合物(A)、及び有効量の化合物(B
)、又はそれらの薬学的に許容される塩を含み、
前記化合物(A)が、以下の構造を有し、
【化1】
式中、
R
1は、水素、ハロゲン、置換又は非置換のC
1~C
6アルキル、置換又は非置換のC
1~C
6ハロアルキル、置換又は非置換のC
3~C
6シクロアルキル、置換又は非置換のC
1~C
6アルコキシ、非置換のモノ-C
1~C
6アルキルアミン、及び非置換のジ-C
1~C
6アルキルアミンからなる群から選択され、
各R
2は、独立して、ハロゲン、置換又は非置換のC
1~C
6アルキル、置換又は非置換のC
1~C
6ハロアルキル、及び置換又は非置換のC
3~C
6シクロアルキルからなる群から選択されるか、あるいは
mが2若しくは3である場合、各R
2が、独立して、ハロゲン、置換若しくは非置換の
C
1~C
6アルキル、置換若しくは非置換のC
1~C
6ハロアルキル、及び置換若しくは非置換のC
3~C
6シクロアルキルからなる群から選択されるか、又は2つのR
2基が、それらが結合している原子と一緒になって置換若しくは非置換のC
3~C
6シクロアルキル若しくは置換若しくは非置換の3~6員ヘテロシクリルを形成し、
R
4は、NO
2、S(O)R
6、SO
2R
6、ハロゲン、シアノ、及び非置換のC
1~C
6ハロアルキルからなる群から選択され、
R
5は、-X
1-(Alk
1)
n-R
7であり、
Alk
1は、非置換のC
1~C
4アルキレン、並びにフルオロ、クロロ、非置換のC
1~C
3アルキル、及び非置換のC
1~C
3ハロアルキルから、独立して選択される1、2、又は3つの置換基で置換されたC
1~C
4アルキレンから選択され、
R
6は、置換又は非置換のC
1~C
6アルキル、置換又は非置換のC
1~C
6ハロアルキル、及び置換又は非置換のC
3~C
6シクロアルキルからなる群から選択され、
R
7は、置換又は非置換のC
1~C
6アルコキシ、置換又は非置換のC
3~C
10シクロアルキル、置換又は非置換の3~10員ヘテロシクリル、ヒドロキシ、アミノ、置換又は非置換の一置換アミン基、置換又は非置換の二置換アミン基、置換又は非置換のN-カルバミル、置換又は非置換のC-アミド、及び置換又は非置換のN-アミドから選択され、
mは、0、1、2、又は3であり、
nは、0及び1からなる群から選択され、
X
1は、-O-、-S-、及び-NH-からなる群から選択され、
前記化合物(B
)が、以下の構造を有し、
【化2】
式中、
R
1aは、水素、ハロゲン、及び置換又は非置換のC
1~C
6アルキルからなる群から選択され、
環A-aは、置換又は非置換のフェニル及び置換又は非置換の5~6員単環式ヘテロアリールからなる群から選択され、
環B-aは、置換又は非置換の単環式5~7員カルボシクリル及び置換又は非置換の5~7員単環式ヘテロシクリルからなる群から選択され、
R
2aは、
【化3】
からなる群から選択され、
m-aは、0、1、2、又は3であり、
R
3aは、ハロゲン、及び置換又は非置換のC
1~C
6アルキルからなる群から選択され、
X-aは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換又は非置換の4~6員単環式ヘ
テロシクリル、置換又は非置換のアミン(C
1~C
6アルキル)、置換又は非置換の-NH-(CH
2)
1~6-アミン、一置換アミン、二置換アミン、アミノ、置換又は非置換のC
1~C
6アルキル、置換又は非置換のC
1~C
6アルコキシ、置換又は非置換のC
3~C
6シクロアルコキシ、置換又は非置換の(C
1~C
6アルキル)アシル、置換又は非置換のC-アミド、置換又は非置換のN-アミド、置換又は非置換のC-カルボキシ、置換又は非置換のO-カルボキシ、置換又は非置換のO-カルバミル、及び置換又は非置換のN-カルバミルからなる群から選択され、
Y-aは、CH又はNであり、
Y
1-aは、CR
4A-a又はNであり、
Y
2-aは、CR
4B-a又はNであり、
環C-aは
、置換又は非置換の単環式5~7員カルボシクリル、置換又は非置換の5~7員単環式ヘテロシクリル、及び置換又は非置換の7~10員二環式ヘテロシクリルからなる群から選択され、
R
4A-a及びR
4B-aは、独立して、水素、ハロゲン、及び非置換のC
1~4アルキルからなる群から選択され、
R
5-aは、置換又は非置換の5~7員単環式ヘテロシクリルであ
り、
前記化合物(A)またはその薬学的に許容される塩、及び前記化合物(B)またはその薬学的に許容される塩は、単一の医薬組成物または別個の医薬組成物として提供される、医薬。
【請求項2】
前記化合物(A)が、
【化4】
又
はその薬学的に許容される塩
である、請求項1に記載の
医薬。
【請求項3】
前記化合物(A)が、
【化5】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の医薬。
【請求項4】
前記化合物(A)が、
【化6】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の医薬。
【請求項5】
前記化合物(A)が、
【化7】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の医薬。
【請求項6】
前記化合物(A)が、
【化8】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の医薬。
【請求項7】
前記化合物(A)が、
【化9】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の医薬。
【請求項8】
前記化合物(A)が、
【化10】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の医薬。
【請求項9】
前記化合物(A)が、
【化11】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の医薬。
【請求項10】
前記化合物(A)が、
【化12】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の医薬。
【請求項11】
前記化合物(B)が、
【化13】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1~10のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項12】
前記化合物(B)が、
【化14】
又はそのいずれかの薬学的に許容される塩である、請求項1~10のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項13】
前記化合物(A)またはその薬学的に許容される塩が、前記化合物(B)またはその薬学的に許容される塩の前に提供される、請求項1~12のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項14】
前記化合物(A)またはその薬学的に許容される塩が、前記化合物(B)またはその薬学的に許容される塩と同時に提供される、請求項1~12のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項15】
前記化合物(A)またはその薬学的に許容される塩が、前記化合物(B)またはその薬学的に許容される塩に続いて提供される、請求項1~12のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項16】
前記疾患又は病態が、血液悪性腫瘍である、請求項
1~15のいずれか一項に記載の
医薬。
【請求項17】
前記血液悪性腫瘍が、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、及び慢性骨髄性白血病(CML)
からなる群から選択される、請求項
16に記載の
医薬。
【請求項18】
前記血液悪性腫瘍が、非ホジキンリンパ腫である、請求項
16に記載の
医薬。
【請求項19】
前記血液悪性腫瘍が、多発性骨髄腫及び芽球形質細胞様樹状細胞新生物
からなる群から選択される、請求項
16に記載の
医薬。
【請求項20】
前記疾患又は病態が、膀胱がん、脳がん、乳がん、子宮頸がん(cervical cancer)、
絨毛がん、頸大脳がん(cervicocerebral cancer)、結腸がん、子宮内膜がん、食道がん、胆のう/胆管がん、頭頸部がん(口腔がんを含む)、肝細胞がん、肺がん、非小細胞がん、中皮腫、卵巣がん、骨肉腫、膵臓がん、陰茎がん、肛門がん、前立腺がん、精巣がん、小細胞がん、小細胞肺がん、胃がん、直腸がん、腎盂/尿管がん、皮膚がん、軟部組織肉腫、胃がん、精巣がん、甲状腺がん、子宮体がん、及び子宮頸がん(uterocervical cancer)からなる群から選択される、請求項
1~15のいずれか一項に記載の
医薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(任意の優先権出願を参照することによる組み込み)
例えば、本出願と共に提出される出願データシート又は請求において、外国又は国内優先権の主張が確認されるあらゆる出願が、米国特許法施行規則1.57並びに規則4.18及び20.6に基づき、参照により本明細書に組み込まれ、これには、2019年12月20日に出願された米国特許仮出願第62/952,039号が含まれる。
【0002】
(発明の分野)
本出願は、化学、生化学、及び医学の分野に関する。より具体的には、本明細書に開示されるのは、併用療法、並びに本明細書に記載の併用療法を用いて疾患及び/又は病態を治療する方法である。
【背景技術】
【0003】
がんは、身体の他の部分に侵入又は広がる可能性がある異常な細胞成長を伴う疾患のファミリーである。今日のがん治療としては、手術、ホルモン療法、放射線、化学療法、免疫療法、標的療法、及びそれらの組み合わせが挙げられる。生存率は、がんの種類によって、及びがんが診断される段階によって異なる。米国において、2019年には、約180万人の人々ががんと診断され、606,880人の人々ががんによって死亡すると推定される。したがって、有効ながん治療の必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、有効量の化合物(A)、又はその薬学的に許容される塩、及び有効量の化合物(B)のうちの1つ以上、又はそれらの薬学的に許容される塩を含み得る化合物の組み合わせに関する。
【0005】
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、疾患又は病態を治療するための化合物の組み合わせの使用に関し、この組み合わせは、有効量の化合物(A)、又はその薬学的に許容される塩、及び有効量の化合物(B)のうちの1つ以上、又はそれらの薬学的に許容される塩を含む。本明細書に記載の他の実施形態は、疾患又は病態を治療するための薬品の製造における化合物の組み合わせの使用に関し、この組み合わせは、有効量の化合物(A)、又はその薬学的に許容される塩、及び有効量の化合物(B)のうちの1つ以上、又はそれらの薬学的に許容される塩を含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、疾患は、本明細書に記載のがんであり得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】RS4;11、DMS053、MV4-11、及びToledo細胞株に対する単剤療法及び併用療法の阻害を示す。
【
図4】MCF-7細胞株に対する単剤療法及び併用療法の阻害を示す。
【
図5】HL-60(AML)マウスモデルにおける単剤療法及び併用療法に応答した腫瘍体積を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
化合物(A)及びその薬学的に許容される塩の定義
別段の定めがない限り、本明細書で使用されるすべての技術及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で参照されるすべての特許、出願、公開出願、及び他の出版物は、特に明記しない限り、参照によりそれらの全体が組み込まれる。本明細書のある用語に対して複数の定義が存在する場合、特に明記しない限り、この節にある定義が優先される。
【0009】
ある基が「任意選択的に置換」されていると記載されるときはいつでも、その基は、非置換であってもよく、又は示された置換基のうちの1つ以上で置換されていてもよい。同様に、ある基が「非置換又は置換」であると記載されるとき、置換の場合、置換基は、示された置換基のうちの1つ以上から選択されてもよい。置換基が示されていない場合、示された「任意選択的に置換された」又は「置換された」基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(アルキル)、シクロアルキル(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、ヘテロシクリル(アルキル)、ヒドロキシ、アルコキシ、アシル、シアノ、ハロゲン、チオカルボニル、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、S-スルホンアミド、N-スルホンアミド、C-カルボキシ、O-カルボキシ、ニトロ、スルフェニル、スルフィニル、スルホニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、一置換アミン基、二置換アミン基、一置換アミン(アルキル)基、及び二置換アミン(アルキル)から個々に、かつ独立して選択される1つ以上の基で置換されていてもよいことを意味する。
【0010】
本明細書で使用される場合、「Ca~Cb」(式中、「a」及び「b」が整数である)は、基における炭素原子の数を指す。示された基は、「a」~「b」個(a及びbを含む)の炭素原子を含有することができる。したがって、例えば、「C1~C4アルキル」基は、1~4個の炭素を有するすべてのアルキル基、つまり、CH3-、CH3CH2-、CH3CH2CH2-、(CH3)2CH-、CH3CH2CH2CH2-、CH3CH2CH(CH3)-、及び(CH3)3C-を指す。「a」及び「b」が指定されない場合、これらの定義に記載される最も広い範囲が想定されるものとする。
【0011】
2つの「R」基が「一緒になって」いると記載される場合、R基とR基が結合する原子とが、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、又は複素環を形成することができる。例えば、限定するものではないが、NRaRb基のRaとRbとが「一緒になって」いると示される場合、それらが互いに共有結合して環を形成することを意味する。
【0012】
【0013】
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、完全に飽和した脂肪族炭化水素基を指す。アルキル部分は、分岐鎖又は直鎖であってもよい。分岐鎖アルキル基の例としては、イソ-プロピル、sec-ブチル、t-ブチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。直鎖アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、n-へキシル、n-ヘプチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。アルキル基は、1~30個の炭素原子を有してもよい(本明細書中に現れる場合は常に、「1~30」などの数値範囲は、所与の範囲内の各整数を指し、例えば、「1~30
個の炭素原子」とは、アルキル基が、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子などからなってもよく、最大30個の炭素原子からなってもよいことを意味するが、この定義は、数値範囲が指定されていない用語「アルキル」の出現時にも及ぶ)。アルキル基はまた、1~12個の炭素原子を有する中間サイズのアルキルであってもよい。アルキル基はまた、1~6個の炭素原子を有する低級アルキルであってもよい。アルキル基は、置換されていても非置換であってもよい。
【0014】
本明細書で使用される場合、「アルキレン」という用語は、二価の完全に飽和した直鎖脂肪族炭化水素基を指す。アルキレン基の例としては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、及びオクチレンが挙げられるが、これらに限定されない。アルキレン基は、
【0015】
【化2】
、続いて炭素原子数、続いて「
*」によって表されている場合がある。例えば、
【0016】
【化3】
はエチレンを表す。アルキレン基は、1~30個の炭素原子を有してもよい(本明細書中に現れる場合は常に、「1~30」などの数値範囲は、所与の範囲内の各整数を指し、例えば、「1~30個の炭素原子」とは、アルキル基が、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子などからなってもよく、最大30個の炭素原子からなってもよいことを意味するが、この定義は、数値範囲が指定されていない用語「アルキレン」の出現時にも及ぶ)。アルキレン基はまた、1~12個の炭素原子を有する中間サイズのアルキルであってもよい。アルキレン基はまた、1~4個の炭素原子を有する低級アルキルであってもよい。アルキレン基は、置換されていても非置換であってもよい。例えば、低級アルキレン基は、C
3~6単環式シクロアルキル基(例えば、
【0017】
【化4】
)で、低級アルキレン基の1つ以上の水素を置き換えることによって、かつ/又は同じ炭素上の両方の水素を置換することによって置換され得る。
【0018】
本明細書で使用される場合、「アルケニル」という用語は、1-プロペニル、2-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニルなどが挙げられるが、これらに限定されない、炭素二重結合を含有する2~20個の炭素原子の一価直鎖又は分岐鎖基を指す。アルケニル基は、非置換であっても置換であってもよい。
【0019】
本明細書で使用される場合、「アルキニル」という用語は、1-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニルなどが挙げられるが、これらに限定されない、炭素三重結合を含有する2~20個の炭素原子の一価直鎖又は分岐鎖基を指す。アルキニル基は、非置換であっても置換であってもよい。
【0020】
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」は、完全に飽和した(二重結合又は三
重結合なし)単環式又は多環式(二環式など)炭化水素環系を指す。2つ以上の環からなる場合、環は、縮合、架橋、又はスピロ様式で一緒に結合されてもよい。本明細書で使用される場合、「縮合」という用語は、2個の原子と1つの結合を共有する2つの環を指す。本明細書で使用される場合、「架橋シクロアルキル」という用語は、シクロアルキルが、非隣接原子を接続する1個以上の原子の連結を含有する、化合物を指す。本明細書で使用される場合、「スピロ」という用語は、1個の原子を共有する2つの環を指し、2つの環は、架橋によって結合されていない。シクロアルキル基は、環中に3~30個の原子、環中に3~20個の原子、環中に3~10個の原子、環中に3~8個の原子、又は環中に3~6個の原子を含有することができる。シクロアルキル基は、非置換であっても置換であってもよい。モノ-シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルが挙げられるが、決してこれらに限定されない。縮合シクロアルキル基の例は、デカヒドロナフタレニル、ドデカヒドロ-1H-フェナレニル、及びテトラデカヒドロアントラセニルであり、架橋シクロアルキル基の例は、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、アダマンタニル、及びノルボルナニルであり、スピロシクロアルキル基の例としては、スピロ[3.3]ヘプタン及びスピロ[4.5]デカンが挙げられる。
【0021】
本明細書で使用される場合、「シクロアルケニル」は、少なくとも1つの環中に1つ以上の二重結合を含有する、単環式又は多環式(二環式など)炭化水素環系を指すが、2つ以上が存在する場合、二重結合は、すべての環全体にわたって完全に非局在化したπ電子系を形成することができない(そうでなければ、その基は、本明細書に定義される「アリール」である)。シクロアルケニル基は、環中に3~10個の原子、環中に3~8個の原子、又は環中に3~6個の原子を含有することができる。2つ以上の環からなる場合、環は、縮合、架橋、又はスピロ様式で一緒に接続されてもよい。シクロアルケニル基は、非置換であっても置換であってもよい。
【0022】
本明細書で使用される場合、「アリール」は、すべての環全体にわたって完全に非局在化したπ電子系を有する、炭素環式(すべてが炭素の)単環式又は多環式(二環式など)芳香環系(2つの炭素環が化学結合を共有する縮合環系を含む)を指す。アリール基中の炭素原子の数は異なり得る。例えば、アリール基は、C6~C14アリール基、C6~C10アリール基、又はC6アリール基であってもよい。アリール基の例としては、ベンゼン、ナフタレン、及びアズレンが挙げられるが、これらに限定されない。アリール基は、置換されていても非置換であってもよい。
【0023】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」は、1個以上のヘテロ原子(例えば、1個、2個、又は3個のヘテロ原子)、つまり、窒素、酸素、及び硫黄が挙げられるが、これらに限定されない、炭素以外の元素を含有する、単環式又は多環式(二環式など)芳香環系(完全に非局在化したπ電子系を有する環系)を指す。ヘテロアリール基の環中の原子の数は異なり得る。例えば、ヘテロアリール基は、環中に4~14個の原子、環中に5~10個の原子、又は環中に5~6個の原子を含有することができ、例えば、9個の炭素原子及び1個のヘテロ原子;8個の炭素原子及び2個のヘテロ原子;7個の炭素原子及び3個のヘテロ原子;8個の炭素原子及び1個のヘテロ原子;7個の炭素原子及び2個のヘテロ原子;6個の炭素原子及び3個のヘテロ原子;5個の炭素原子及び4個のヘテロ原子;5個の炭素原子及び1個のヘテロ原子;4個の炭素原子及び2個のヘテロ原子;3個の炭素原子及び3個のヘテロ原子;4個の炭素原子及び1個のヘテロ原子;3個の炭素原子及び2個のヘテロ原子;又は2個の炭素原子及び3個のヘテロ原子である。更に、「ヘテロアリール」という用語は、少なくとも1つのアリール環及び少なくとも1つのヘテロアリール環、又は少なくとも2つのヘテロアリール環など、2つの環が少なくとも1つの化学結合を共有する、縮合環系を含む。ヘテロアリール環の例としては、フラン、フラザン、チオフェン、ベンゾチオフェン、フタラジン、ピロール、オキサゾール、ベンゾオキ
サゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、チアゾール、1,2,3-チアジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、ベンゾチアゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、インドール、インダゾール、ピラゾール、ベンゾピラゾール、イソオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、イソチアゾール、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、チアジアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、プリン、プテリジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリン、シンノリン、及びトリアジンが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロアリール基は、置換されていても非置換であってもよい。
【0024】
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクリル」又は「ヘテロアリシクリル」は、炭素原子と1~5個のヘテロ原子が一緒に前述の環系を構成する、3員、4員、5員、6員、7員、8員、9員、10員、最大18員の単環式、二環式、及び三環式環系を指す。複素環は、そのように位置している1つ以上の不飽和結合を任意選択的に含有し得るが、完全に非局在化したπ電子系は、すべての環全体にわたって発生しない。ヘテロ原子は、酸素、硫黄、及び窒素が挙げられるが、これらに限定されない、炭素以外の元素である。複素環は、ラクタム、ラクトン、環状イミド、環状チオイミド、及び環状カルバメートなどのオキソ系及びチオ系を含むように定義するために、1つ以上のカルボニル又はチオカルボニル官能基を更に含有してもよい。2つ以上の環からなる場合、環は、縮合、架橋、又はスピロ様式で一緒に結合されてもよい。本明細書で使用される場合、「縮合」という用語は、2個の原子と1つの結合を共有する2つの環を指す。本明細書で使用される場合、「架橋ヘテロシクリル」又は「架橋ヘテロアリシクリル」という用語は、ヘテロシクリル又はヘテロアリシクリルが非隣接原子を接続する1個以上の原子の連結を含有する、化合物を指す。本明細書で使用される場合、「スピロ」という用語は、1個の原子を共有する2つの環を指し、2つの環は、架橋によって結合されていない。ヘテロシクリル及びヘテロアリシクリル基は、環中に3~30個の原子、環中に3~20個の原子、環中に3~10個の原子、環中に3~8個の原子、又は環中に3~6個の原子を含有することができる。例えば、5個の炭素原子及び1個のヘテロ原子;4個の炭素原子及び2個のヘテロ原子;3個の炭素原子及び3個のヘテロ原子;4個の炭素原子及び1個のヘテロ原子;3個の炭素原子及び2個のヘテロ原子;2個の炭素原子及び3個のヘテロ原子;1個の炭素原子及び4個のヘテロ原子;3個の炭素原子及び1個のヘテロ原子;又は2個の炭素原子及び1個のヘテロ原子である。加えて、ヘテロ脂環式環中の任意の窒素は、四級化されてもよい。ヘテロシクリル又はヘテロ脂環式基は、非置換であっても置換であってもよい。そのような「ヘテロシクリル」又は「ヘテロアリシクリル」基の例としては、1,3-ジオキシン、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、1,2-ジオキソラン、1,3-ジオキソラン、1,4-ジオキソラン、1,3-オキサチアン、1,4-オキサチイン、1,3-オキサチオラン、1,3-ジチオール、1,3-ジチオラン、1,4-オキサチアン、テトラヒドロ-1,4-チアジン、2H-1,2-オキサジン、マレイミド、スクシンイミド、バルビツール酸、チオバルビツール酸、ジオキソピペラジン、ヒダントイン、ジヒドロウラシル、トリオキサン、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、イソオキサゾリン、イソオキサゾリジン、オキサゾリン、オキサゾリジン、オキサゾリジノン、チアゾリン、チアゾリジン、モルホリン、オキシラン、ピペリジンN-オキシド、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、アゼパン、ピロリドン、ピロリジオン、4-ピペリドン、ピラゾリン、ピラゾリジン、2-オキソピロリジン、テトラヒドロピラン、4H-ピラン、テトラヒドロチオピラン、チアモルホリン、チアモルホリンスルホキシド、チアモルホリンスルホン、及びそれらのベンゾ縮合類似体(例えば、ベンズイミダゾリジノン、テトラヒドロキノリン、及び/又は3,4-メチレンジオキシフェニル)が挙げられるが、これらに限定されない。スピロヘテロシクリル基の例としては、2-アザスピロ[3.3]ヘプタン、2-オキサスピロ[3.3]ヘプタン、2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン、2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン、2-オキサスピロ[3.4]オクタン、及び2-アザスピロ[3.4]オクタンが挙げられる
。
【0025】
本明細書で使用される場合、「アラルキル」及び「アリール(アルキル)」は、低級アルキレン基を介して置換基として接続されるアリール基を指す。アラルキルの低級アルキレン及びアリール基は、置換されていても非置換であってもよい。例としては、ベンジル、2-フェニルアルキル、3-フェニルアルキル、及びナフチルアルキルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアラルキル」及び「ヘテロアリール(アルキル)」は、低級アルキレン基を介して置換基として接続されるヘテロアリール基を指す。ヘテロアラルキルの低級アルキレン及びヘテロアリール基は、置換されていても非置換であってもよい。例としては、2-チエニルアルキル、3-チエニルアルキル、フリルアルキル、チエニルアルキル、ピロリルアルキル、ピリジルアルキル、イソオキサゾリルアルキル、及びイミダゾリルアルキル、並びにそれらのベンゾ縮合類似体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
「ヘテロアリシクリル(アルキル)」及び「ヘテロシクリル(アルキル)」は、低級アルキレン基を介して置換基として接続される複素環式又はヘテロ脂環式基を指す。(ヘテロアリシクリル)アルキルの低級アルキレン及びヘテロシクリルは、置換されていても非置換であってもよい。例としては、テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル(メチル)、ピペリジン-4-イル(エチル)、ピペリジン-4-イル(プロピル)、テトラヒドロ-2H-チオピラン-4-イル(メチル)、及び1,3-チアジナン-4-イル(メチル)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
本明細書で使用される場合、「ヒドロキシ」という用語は、-OH基を指す。
【0029】
本明細書で使用される場合、「アルコキシ」は、式-ORを指し、式中、Rは、本明細書に定義されるアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)である。アルコキシの非限定的なリストは、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、1-メチルエトキシ(イソプロポキシ)、n-ブトキシ、イソ-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、フェノキシ、及びベンゾキシである。アルコキシは、置換されていても非置換であってもよい。
【0030】
本明細書で使用される場合、「アシル」は、カルボニル基を介して置換基として接続される水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、及びヘテロシクリル(アルキル)を指す。例としては、ホルミル、アセチル、プロパノイル、ベンゾイル、及びアクリルが含まれる。アシルは、置換されていても非置換であってもよい。
【0031】
「シアノ」基は、「-CN」基を指す。
【0032】
本明細書で使用される場合、「ハロゲン原子」又は「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素などの元素周期律表の第7列の放射安定性原子のうちのいずれか1つを意味する。
【0033】
「チオカルボニル」基は、「-C(=S)R」基を指し、式中、Rは、O-カルボキシに関して定義されるものと同じであってもよい。チオカルボニルは、置換されていても非置換であってもよい。
【0034】
「O-カルバミル」基は、「-OC(=O)N(RARB)」基を指し、式中、RA及びRBは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。O-カルバミルは、置換されていても非置換であってもよい。
【0035】
「N-カルバミル」基は、「ROC(=O)N(RA)-」基を指し、式中、R及びRAは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。N-カルバミルは、置換されていても非置換であってもよい。
【0036】
「O-チオカルバミル」基は、「-OC(=S)-N(RARB)」基を指し、式中、RA及びRBは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。O-チオカルバミルは、置換されていても非置換であってもよい。
【0037】
「N-チオカルバミル」基は、「ROC(=S)N(RA)-」基を指し、式中、R及びRAは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。N-チオカルバミルは、置換されていても非置換であってもよい。
【0038】
「C-アミド」基は、「-C(=O)N(RARB)」基を指し、式中、RA及びRBは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。C-アミドは、置換されていても非置換であってもよい。
【0039】
「N-アミド」基は、「RC(=O)N(RA)-」基を指し、式中、R及びRAは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。N-アミドは、置換されていても非置換であってもよい。
【0040】
「S-スルホンアミド」基は、「-SO2N(RARB)」基を指し、式中、RA及びRBは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。S-スルホンアミドは、置換されていても非置換であってもよい。
【0041】
「N-スルホンアミド」基は、「RSO2N(RA)-」基を指し、式中、R及びRAは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。N-スルホンアミドは、置換されていても非置換であってもよい。
【0042】
「O-カルボキシ」基は、「RC(=O)O-」基を指し、式中、Rは、本明細書に定義される水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。O-カルボキシは、置換されていても非置換であってもよい。
【0043】
「エステル」及び「C-カルボキシ」という用語は、「-C(=O)OR」基を指し、式中、Rは、O-カルボキシに関して定義されるものと同じであってもよい。エステル及びC-カルボキシは、置換されていても非置換であってもよい。
【0044】
「ニトロ」基は、「-NO2」基を指す。
【0045】
「スルフェニル」基は、「-SR」基を指し、式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。スルフェニルは、置換されていても非置換であってもよい。
【0046】
「スルフィニル」基は、「-S(=O)-R」基を指し、式中、Rは、スルフェニルに関して定義されるものと同じであってもよい。スルフィニルは、置換されていても非置換であってもよい。
【0047】
「スルホニル」基は、「SO2R」基を指し、式中、Rは、スルフェニルに関して定義されるものと同じであってもよい。スルホニルは、置換されていても非置換であってもよい。
【0048】
本明細書で使用される場合、「ハロアルキル」は、水素原子のうちの1つ以上がハロゲンによって置き変えられているアルキル基を指す(例えば、モノ-ハロアルキル、ジ-ハロアルキル、トリ-ハロアルキル、及びポリハロアルキル)。そのような基としては、クロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1-クロロ-2-フルオロメチル、2-フルオロイソブチル、及びペンタフルオロエチルが挙げられるが、これらに限定されない。ハロアルキルは、置換されていても非置換であってもよい。
【0049】
本明細書で使用される場合、「ハロアルコキシ」は、水素原子のうちの1つ以上がハロゲンによって置き換えられているアルコキシ基を指す(例えば、モノ-ハロアルコキシ、ジ-ハロアルコキシ、及びトリ-ハロアルコキシ)。そのような基としては、クロロメトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、1-クロロ-2-フルオロメトキシ、及び2-フルオロイソブトキシが挙げられるが、これらに限定されない。ハロアルコキシは、置換されていても非置換であってもよい。
【0050】
本明細書で使用される場合、「アミノ」及び「非置換のアミノ」という用語は、-NH2基を指す。
【0051】
「一置換アミン」基は、「-NHRA」基を指し、式中、RAは、本明細書に定義されるアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。RAは、置換されていても非置換であってもよい。一置換アミン基としては、例えば、モノ-アルキルアミン基、モノ-C1~C6アルキルアミン基、モノ-アリールアミン基、モノ-C6~C10アリールアミン基などが挙げられ得る。一置換アミン基の例としては、-
NH(メチル)、-NH(フェニル)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
「二置換アミン」基は、「-NRARB」基を指し、式中、RA及びRBは独立して、本明細書に定義されるアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。RA及びRBは、独立して、置換されていても非置換であってもよい。二置換アミン基としては、例えば、ジ-アルキルアミン基、ジ-C1~C6アルキルアミン基、ジ-アリールアミン基、ジ-C6~C10アリールアミン基などが挙げられ得る。二置換アミン基の例としては、-N(メチル)2、-N(フェニル)(メチル)、-N(エチル)(メチル)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
本明細書で使用するとき、「一置換アミン(アルキル)」基は、本明細書で提供されるように、低級アルキレン基を介して置換基として連結される、一置換アミンを指す。一置換アミン(アルキル)は、置換又は非置換であってもよい。一置換アミン(アルキル)基としては、例えば、モノ-アルキルアミン(アルキル)基、モノ-C1~C6アルキルアミン(C1~C6アルキル)基、モノ-アリールアミン(アルキル基)、モノ-C6~C10アリールアミン(C1~C6アルキル)基などが挙げられ得る。一置換アミン(アルキル)基の例として、-CH2NH(メチル)、-CH2NH(フェニル)、-CH2CH2NH(メチル)、-CH2CH2NH(フェニル)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0054】
本明細書で使用するとき、「二置換アミン(アルキル)」基は、本明細書で提供されるように、低級アルキレン基を介して置換基として連結される、二置換アミンを指す。二置換アミン(アルキル)は、置換又は非置換であってもよい。二置換アミン基(アルキル)基としては、例えば、ジアルキルアミン(アルキル)基、ジ-C1~C6アルキルアミン(C1~C6アルキル)基、ジ-アリールアミン(アルキル)基、ジ-C6~C10アリールアミン(C1~C6アルキル)基などが挙げられ得る。二置換アミン(アルキル)基として、-CH2N(メチル)2、-CH2N(フェニル)(メチル)、-NCH2(エチル)(メチル)、-CH2CH2N(メチル)2、-CH2CH2N(フェニル)(メチル)、-NCH2CH2(エチル)(メチル)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
置換基の数が指定されない場合(例えば、ハロアルキル)、1つ以上の置換基が存在してもよい。例えば、「ハロアルキル」は、同じ又は異なるハロゲンのうちの1つ以上を含んでもよい。別の例として、「C1~C3アルコキシフェニル」は、1個、2個、又は3個の原子を含有する同じ又は異なるアルコキシ基のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0056】
本明細書で使用される場合、ラジカルは、ラジカルを含有する種が別の種に共有結合され得るような、単一の不対電子を有する種を示す。したがって、これに関して、ラジカルは必ずしもフリーラジカルではない。むしろ、ラジカルは、より大きい分子の特定の部分を示す。「ラジカル」という用語は、「基」という用語と互換的に使用され得る。
【0057】
「薬学的に許容される塩」という用語は、それが投与される生物に著しい刺激をもたらさず、かつ化合物の生物活性及び特性を無効にしない化合物の塩を指す。いくつかの実施形態では、塩は、化合物の酸付加塩である。薬学的塩は、化合物を無機酸、例えば、ハロゲン化水素酸(例えば、塩酸又は臭化水素酸)、硫酸、硝酸、及びリン酸(2,3-ジヒドロキシプロピルニ水素リン酸塩など)と反応させることによって得られ得る。薬学的塩はまた、化合物を有機酸、例えば、脂肪族若しくは芳香族カルボン酸若しくはスルホン酸、例えば、ギ酸、酢酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸
、ニコチン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、サリチル酸、2-オキソペンタン二酸、又はナフタレンスルホン酸と反応させることによって得られ得る。薬学的塩はまた、化合物を塩基と反応させて、塩、例えば、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム、カリウム、又はリチウム塩、アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム又はマグネシウム塩、炭酸塩の塩、重炭酸塩の塩、有機塩基の塩、例えば、ジシクロヘキシルアミン、N-メチル-D-グルカミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、C1~C7アルキルアミン、シクロへキシルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、並びにアルギニン及びリシンなどのアミノ酸を有する塩を形成することによって得ることができる。当業者は、窒素ベースの基(例えば、NH2)のプロトン化によって塩が形成される場合、窒素ベースの基が正電荷と会合し得(例えば、NH2がNH3
+になり得る)、正電荷が負の電荷を持つ対イオン(Cl-など)によって相殺され得ることを理解する。
【0058】
1つ以上のキラル中心を有する本明細書に記載の任意の化合物において、絶対立体化学が明示的に示されない場合、各中心が独立して、R配置若しくはS配置、又はこれらの混合であってもよいことが理解される。したがって、本明細書に提供される化合物は、鏡像異性的に純粋な、鏡像異性的に豊富な、ラセミ混合物、ジアステレオマー的に純粋な化合物、ジアステレオマー的に豊富な化合物、又は立体異性混合物であってもよい。加えて、E又はZと定義され得る幾何異性体を生成する1つ以上の二重結合を有する、本明細書に記載の任意の化合物において、各二重結合が独立して、E又はZ、これらの混合であってもよいことが理解される。同様に、記載の任意の化合物において、すべての互変異性型もまた含まれるよう意図されることが理解される。
【0059】
本明細書に開示される化合物が満たされていない原子価を有する場合、その原子価が、水素又はその同位体、例えば、水素-1(プロチウム)及び水素-2(重水素)で満たされることを理解されたい。
【0060】
本明細書に記載の化合物が同位体で標識され得ることが理解される。重水素などの同位体での置換は、例えば、インビボ半減期の増加又は必要投与量の低減など、より大きい代謝安定性に起因するある特定の治療上の利点をもたらし得る。化合物構造中に表される各化学元素は、当該元素の任意の同位体を含んでもよい。例えば、化合物構造において、水素原子は、化合物中に存在すると明確に開示され得るか、又は理解され得る。水素原子が存在し得る化合物の任意の位置において、水素原子は、水素-1(プロチウム)及び水素-2(重水素)が挙げられるが、これらに限定されない、水素の任意の同位体であってもよい。したがって、本明細書における化合物に対する言及は、文脈が明確にそうでないと示さない限り、すべての可能な同位体形態を包含する。
【0061】
本明細書に記載の方法及び組み合わせが、結晶形態(多形体としても既知であり、化合物の同じ元素組成の異なる結晶充填配置を含む)、非晶相、塩、溶媒和物、及び水和物を含むことが理解される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、水、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒を有する溶媒和形態で存在する。他の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、非溶媒和形態で存在する。溶媒和物は、化学量論量又は非化学量論量のいずれかの溶媒を含有し、水、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒での結晶化プロセス中に形成されてもよい。溶媒が水である場合に水和物が形成されるか、又は溶媒がアルコールである場合にアルコラートが形成される。加えて、本明細書に提供される化合物は、非溶媒和並びに溶媒和形態で存在することができる。概して、溶媒和形態は、本明細書に提供される化合物及び方法の目的で、非溶媒和形態と同等であるとみなされる。
【0062】
値の範囲が提供される場合、上限及び下限、並びにその範囲の上限と下限との間に介在
する各値が、実施形態内に包含されることが理解される。
【0063】
本願で使用される用語及び語句並びにこれらの変化形、特に添付の特許請求の範囲にあるものは、特に明記しない限り、限定的ではなく非限定的であると解釈されるべきである。上記の例として、「含むこと」という用語は、「限定することなく含むこと」、「含むが、これらに限定されないこと」などを意味するよう解釈されるべきである。本明細書で使用される場合、「備えること」という用語は、「含むこと」、「含有すること」、又は「特徴とする」と同義語であり、包括的又は非限定的であり、追加の列挙されていない要素又は方法の工程を除外しない。「有すること」という用語は、「少なくとも有すること」と解釈されるべきである。「含む」という用語は、「含むが、これらに限定されない」と解釈されるべきである。「例」という用語は、考察中の項目の徹底的又は限定的なリストではなく例示的な実例を提供するために使用される。「好ましくは」、「好ましい」、「所望の」、又は「望ましい」のような用語、並びに同様の意味の単語の使用は、ある特定の特徴がその構造又は機能にとって重大、本質的、又は重要でさえあるということを暗示するものとして理解されるべきではなく、むしろ単に特定の実施形態で利用されてもされなくてもよい代替又は追加の特徴を強調することを目的とする。加えて、「備えること」という用語は、「少なくとも有すること」又は「少なくとも含むこと」という語句の同意語として解釈されるものとする。化合物、組成物、又はデバイスの文脈で使用される場合、「備えること」という用語は、化合物、組成物、又はデバイスが少なくとも列挙された特徴又は構成要素を含むが、追加の特徴又は構成要素も含んでもよいことを意味する。
【0064】
本明細書の実質的にいかなる複数形及び/又は単数形の用語の使用に関しても、当業者は、文脈及び/又は用途に応じて適切に、複数形から単数形、及び/又は単数形から複数形に変換することができる。様々な単数形/複数形の入れ替えは、明確にするために本明細書で明示的に記載され得る。不定冠詞「a」又は「an」は、複数を除外しない。ある特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されるという単なる事実は、利益を得るためにこれらの手段の組み合わせを使用することができないということを示すものではない。請求項中のいかなる参照符号も、その範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0065】
化合物(A)
本明細書に開示のいくつかの実施形態は、疾患又は病態を治療するための化合物の組み合わせの使用に関し、この組み合わせは、有効量の化合物(A)、又はその薬学的に許容される塩、及び有効量の化合物(B)のうちの1つ以上、又はそれらの薬学的に許容される塩を含み得、化合物(A)は、以下の構造を有し、
【0066】
【化5】
式中、R
1は、水素、ハロゲン、置換又は非置換のC
1~C
6アルキル、置換又は非置換のC
1~C
6ハロアルキル、置換又は非置換のC
3~C
6シクロアルキル、置換又は非置換のC
1~C
6アルコキシ、非置換のモノ-C
1~C
6アルキルアミン、及び非置換のジ-C
1~C
6アルキルアミンから選択することができ、各R
2は、独立して、ハロゲン、置換又は非置換のC
1~C
6アルキル、置換又は非置換のC
1~C
6ハロアルキル、及び置換又は非置換のC
3~C
6シクロアルキルからなる群から選択することができるか、あるいは、mが2若しくは3である場合、各R
2が、独立して、ハロゲン、置換若しくは非置換のC
1~C
6アルキル、置換若しくは非置換のC
1~C
6ハロアルキル、及び置換若しくは非置換のC
3~C
6シクロアルキルから選択することができるか、又は2つのR
2基が、それらが結合している原子と一緒になって、置換若しくは非置換のC
3~C
6シクロアルキル、又は置換若しくは非置換の3~6員ヘテロシクリルを形成することができ、R
4は、NO
2、S(O)R
6、SO
2R
6、ハロゲン、シアノ、及び非置換のC
1~C
6ハロアルキルから選択することができ、R
5は、-X
1-(Alk
1)
n-R
7であってもよく、Alk
1は、非置換のC
1~C
4アルキレン、並びにフルオロ、クロロ、非置換のC
1~C
3アルキル、及び非置換のC
1~C
3ハロアルキルから、独立して選択される1、2、又は3つの置換基で置換されたC
1~C
4アルキレンから選択することができ、R
6は、置換又は非置換のC
1~C
6アルキル、置換又は非置換のC
1~C
6ハロアルキル、及び置換又は非置換のC
3~C
6シクロアルキルから選択することができ、R
7は、置換又は非置換のC
1~C
6アルコキシ、置換又は非置換のC
3~C
10シクロアルキル、置換又は非置換の3~10員ヘテロシクリル、ヒドロキシ、アミノ、置換又は非置換の一置換アミン基、置換又は非置換の二置換アミン基、置換又は非置換のN-カルバミル、置換又は非置換のC-アミド、及び置換又は非置換のN-アミドから選択することができ、mは、0、1、2、又は3であってもよく、nは、0及び1から選択することができ、X
1は、-O-、-S-、及び-NH-から選択することができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、R1は、例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードなどのハロゲンであり得る。いくつかの実施形態では、R1はフルオロであってもよい。いくつかの実施形態では、R1はクロロであってもよい。いくつかの実施形態では、R1は水素であってもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、R1は、置換又は非置換のC1~C6アルキルであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、R1は、置換されたC1~C6アルキルであってもよい。他の実施形態では、R1は、非置換のC1~C6アルキルであってもよい。好適なC1~C6アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル(分岐鎖及び直鎖)、及びへキシル(分岐鎖及び直鎖)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、R1は、非置換のメチル又は非置換のエチルであってもよい。
【0069】
いくつかの実施形態では、R1は、置換若しくは非置換のC1~C6ハロアルキル、例えば、置換若しくは非置換のモノ-ハロC1~C6アルキル、置換若しくは非置換のジ-ハロC1~C6アルキル、置換若しくは非置換のトリ-ハロC1~C6アルキル、置換若しくは非置換のテトラ-ハロC1~C6アルキル、又は置換若しくは非置換のペンタ-ハロC1~C6アルキルであってもよい。いくつかの実施形態では、R1は、非置換の-CHF2、-CF3、-CH2CF3、又は-CF2CH3であってもよい。
【0070】
いくつかの実施形態では、R1は、置換又は非置換の単環式又は二環式C3~C6シクロアルキルであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、R1は、置換された単環式C3~C6シクロアルキルであってもよい。他の実施形態では、R1は、非置換の単環式C3~C6シクロアルキルであってもよい。好適な単環式又は二環式C3~C6シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、[1.1.
1]ビシクロペンチル、及びシクロへキシルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0071】
いくつかの実施形態では、R1は、置換又は非置換のC1~C6アルコキシであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、R1は、置換されたC1~C6アルコキシであってもよい。他の実施形態では、R1は、非置換のC1~C6アルキルであってもよい。好適なC1~C6アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシ、ペントキシ(分岐鎖及び直鎖)、及びヘキソキシ(分岐鎖及び直鎖)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、R1は、非置換のメトキシ又は非置換のエトキシであってもよい。
【0072】
いくつかの実施形態では、R1は、非置換のモノ-C1~C6アルキルアミン、例えば、メチルアミン、エチルアミン、n-プロピルアミン、イソプロピルアミン、n-ブチルアミン、イソブチルアミン、tert-ブチルアミン、ペンチルアミン(分岐鎖及び直鎖)、及びへキシルアミン(分岐鎖及び直鎖)であってもよい。いくつかの実施形態では、R1は、メチルアミン又はエチルアミンであってもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、R1は、非置換のジ-C1~C6アルキルアミンであってもよい。いくつかの実施形態では、ジ-C1~C6アルキルアミン中の各C1~C6アルキルは、同じである。他の実施形態では、ジ-C1~C6アルキルアミン中の各C1~C6アルキルは、異なる。好適なジ-C1~C6アルキルアミン基の例としては、ジ-メチルアミン、ジ-エチルアミン、(メチル)(エチル)アミン、(メチル)(イソプロピル)アミン、及び(エチル)(イソプロピル)アミンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0074】
いくつかの実施形態では、mは0であってもよい。mが0である場合、当業者は、R2が結合している環が非置換であると認識する。いくつかの実施形態では、mは、1であってもよい。いくつかの実施形態では、mは、2であってもよい。いくつかの実施形態では、mは、3であってもよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、1つのR2は、非置換のC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル(分岐鎖及び直鎖)、及びへキシル(分岐鎖及び直鎖))であってもよく、任意の他のR2は、存在する場合、独立して、ハロゲン(例えば、フルオロ又はクロロ)、置換又は非置換のC1~C6アルキル(本明細書に記載のものなど)、置換又は非置換のC1~C6ハロアルキル(本明細書に記載のものなど)、及び置換又は非置換の単環式又は二環式C3~C6シクロアルキル(本明細書に記載のものなど)から選択することができる。いくつかの実施形態では、各R2は、独立して、本明細書に記載のものなどの、非置換のC1~C6アルキルから選択することができる。
【0076】
いくつかの実施形態では、mは2であってもよく、各R2はジェミナルであってもよい。いくつかの実施形態では、mは2であってもよく、各R2はビシナルであってもよい。いくつかの実施形態では、mは2であってもよく、各R2は、非置換のメチルであってもよい。いくつかの実施形態では、mは2であってもよく、各R2は、ジェミナルの非置換のメチルであってもよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、2つのR2基は、それらが結合している原子と一緒になって、置換又は非置換の単環式C3~C6シクロアルキルを形成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、2つのR2基は、それらが結合している原子と一緒になって、本明細書に記載されるものなどの、置換された単環式C3~C6シクロアルキルを形成す
ることができる。他の実施形態では、2つのR2基は、それらが結合している原子と一緒になって、本明細書に記載されるものなどの、非置換の単環式C3~C6シクロアルキルを形成することができる。いくつかの実施形態では、2つのR2基は、それらが結合している原子と一緒になって、非置換のシクロプロピルを形成することができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、2つのR2基は、それらが結合している原子と一緒になって、置換又は非置換の単環式3~6員ヘテロシクリルを形成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、2つのR2基は、それらが結合している原子と一緒になって、置換された単環式3~6員ヘテロシクリルを形成することができる。他の実施形態では、2つのR2基は、それらが結合している原子と一緒になって、非置換の単環式3~6員単環式ヘテロシクリルを形成することができる。いくつかの実施形態では、置換された単環式3~6員ヘテロシクリルは、1つ以上の窒素原子上で置換され得る。好適な置換又は非置換の単環式3~6員ヘテロシクリル基の例としては、アジジリン(azidirine)、オキシ
ラン、アゼチジン、オキセタン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、イミダゾリン、ピラゾリジン、ピペリジン、テトラヒドロピラン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、及びジオキサンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0079】
いくつかの実施形態では、R4はNO2であってもよい。いくつかの実施形態では、R4は、シアノであってもよい。いくつかの実施形態では、R4はハロゲンであってもよい。
【0080】
いくつかの実施形態では、R4は、本明細書に記載されるものなどの、非置換のC1~C6ハロアルキルであってもよい。いくつかの実施形態では、R4は、-CF3であってもよい。
【0081】
いくつかの実施形態では、R4はS(O)R6であってもよい。いくつかの実施形態では、R4はSO2R6であってもよい。いくつかの実施形態では、R4はSO2CF3であってもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、R6は、置換又は非置換のC1~C6アルキルであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、R6は、本明細書に記載されるものなどの、置換されたC1~C6アルキルであってもよい。他の実施形態では、R6は、本明細書に記載されるものなどの、非置換のC1~C6アルキルであってもよい。
【0083】
いくつかの実施形態では、R6は、置換又は非置換の単環式又は二環式C3~C6シクロアルキルであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、R6は、置換された単環式又は二環式C3~C6シクロアルキルであってもよい。他の実施形態では、R6は、非置換の単環式又は二環式C3~C6シクロアルキルであってもよい。好適な単環式又は二環式C3~C6シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、[1.1.1]ビシクロペンチル、及びシクロへキシルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0084】
いくつかの実施形態では、R6は、本明細書に記載されるものなどの、置換又は非置換のC1~C6ハロアルキルであってもよい。いくつかの実施形態では、R6は-CF3であってもよい。
【0085】
いくつかの実施形態では、R5は-X1-(Alk1)n-R7であってもよい。いくつかの実施形態では、X1は-O-であってもよい。いくつかの実施形態では、X1は-S-であってもよい。いくつかの実施形態では、X1は-NH-であってもよい。
【0086】
いくつかの実施形態では、Alk1は、非置換の-(CH2)1~4-*であってもよく、「*」は、R7への結合点を表す。いくつかの実施形態では、Alk1は、
【0087】
【0088】
いくつかの実施形態では、Alk1は、置換された
【0089】
【化7】
であってもよく、「
*」は、R
7への結合点を表す。例えば、いくつかの実施形態では、Alk
1は、置換されたメチレン、置換されたエチレン、置換されたプロピレン、又は置換されたブチレンであってもよい。いくつかの実施形態では、Alk
1は、一置換、二置換、又は三置換であってもよい。いくつかの実施形態では、Alk
1は、本明細書に記載されるものなどの、ハロゲン(フルオロ又はクロロなど)又は非置換のC
1~C
3アルキルで一置換されてもよい。他の実施形態では、Alk
1は、本明細書に記載されるものなどの、非置換のC
1~C
3ハロアルキルで一置換されてもよい。いくつかの実施形態では、Alk
1は、フルオロ又は非置換のメチルで一置換されてもよい。いくつかの実施形態では、Alk
1は、本明細書に記載されるものなどの、1つのフルオロ及び1つの非置換のC
1~C
3アルキルで二置換されてもよい。他の実施形態では、Alk
1は、本明細書に記載されるものなどの、1つの非置換のC
1~C
3ハロアルキル、及び本明細書に記載されるものなどの、1つの非置換のC
1~C
3アルキルで二置換されてもよい。いくつかの実施形態では、Alk
1は、1つのフルオロ及び1つの非置換のメチルで二置換されてもよい。いくつかの実施形態では、Alk
1は、本明細書に記載されるものなどの、2つの独立して選択される非置換のC
1~C
3アルキル基で二置換されてもよい。いくつかの実施形態では、Alk
1は、非置換のメチルで二置換されてもよい。
【0090】
いくつかの実施形態では、Alk1は、
【0091】
【0092】
いくつかの実施形態では、nは0であってもよい。nが0である場合、当業者は、X1
が直接R7に接続されていると認識する。いくつかの実施形態では、nは、1であってもよい。
【0093】
いくつかの実施形態では、R7は、置換又は非置換の一置換アミン基であってもよい。例えば、R7は、置換若しくは非置換のC1~C6アルキル、置換若しくは非置換のC2~C6アルケニル、置換若しくは非置換のC2~C6アルキニル、置換若しくは非置換の単環式若しくは二環式C3~C6シクロアルキル、置換若しくは非置換の単環式若しくは二環式C6~C10アリール、置換若しくは非置換の単環式若しくは二環式5~10員ヘテロアリール、置換若しくは非置換の単環式若しくは二環式3~10員ヘテロシクリル、置換若しくは非置換の単環式若しくは二環式C3~C6シクロアルキル(非置換のC1~C6アルキル)、置換若しくは非置換の単環式若しくは二環式C6~C10アリール(非置換のC1~C6アルキル)、置換若しくは非置換の単環式若しくは二環式5~10員ヘテロアリール(非置換のC1~C6アルキル)、又は置換若しくは非置換の単環式若しくは二環式3~10員ヘテロシクリル(非置換のC1~C6アルキル)で一置換されたアミノ基であってもよい。好適な一置換アミン基の例としては、-NH(メチル)、-NH(イソプロピル)、-NH(シクロプロピル)、-NH(フェニル)、-NH(ベンジル)、及び-NH(ピリジン-3-イル)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0094】
いくつかの実施形態では、R7は、置換又は非置換の二置換アミン基であってもよい。例えば、R7は、置換若しくは非置換のC1~C6アルキル、置換若しくは非置換のC2~C6アルケニル、置換若しくは非置換のC2~C6アルキニル、置換若しくは非置換の単環式若しくは二環式C3~C6シクロアルキル、置換若しくは非置換の単環式若しくは二環式C6~C10アリール、置換若しくは非置換の単環式若しくは二環式5~10員ヘテロアリール、置換若しくは非置換の単環式若しくは二環式3~10員ヘテロシクリル、置換若しくは非置換の単環式若しくは二環式C3~C6シクロアルキル(非置換のC1~C6アルキル)、置換若しくは非置換の単環式若しくは二環式C6~C10アリール(非置換のC1~C6アルキル)、置換若しくは非置換の単環式若しくは二環式5~10員ヘテロアリール(非置換のC1~C6アルキル)、又は置換若しくは非置換の単環式若しくは二環式3~10員ヘテロシクリル(非置換のC1~C6アルキル)から、独立して選択される2つの置換基で置換されたアミノ基であってもよい。いくつかの実施形態では、2つの置換基は、同じであってもよい。他の実施形態では、2つの置換基は、異なってもよい。好適な二置換アミン基の例としては、-N(メチル)2、-N(エチル)2、-N(イソプロピル)2、-N(ベンジル)2、-N(エチル)(メチル)、-N(イソプロピル)(メチル)、-N(エチル)(イソプロピル)、-N(フェニル)(メチル)、及び-N(ベンジル)(メチル)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0095】
いくつかの実施形態では、R7は、置換又は非置換のN-カルバミル、置換又は非置換のC-アミド、及び置換又は非置換のN-アミドから選択されてもよい。
【0096】
いくつかの実施形態では、R7は、置換又は非置換のC3~C10シクロアルキルであってもよい。いくつかの実施形態では、R7は、置換又は非置換の単環式C3~C10シクロアルキルであってもよい。他の実施形態では、R7は、置換又は非置換の二環式C3~C10シクロアルキル、例えば、架橋、縮合、又はスピロC3~C10シクロアルキルであってもよい。好適な置換又は非置換の単環式又は二環式C3~C10シクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、スピロ[3.3]ヘプチル、スピロ[2.3]へキシル、スピロ[3.4]オクチル、スピロ[3.5]ノニル、スピロ[3.6]デシル、スピロ[2.4]ヘプチル、スピロ[4.4]ノニル、スピロ[4.5]デシル、スピロ[2.5]オクチル、スピロ[3.5]ノニル、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ビシクロ[2.1.1]へキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、
デカヒドロナフタレニル、オクタヒドロ-1H-インデニル、オクタヒドロペンタレニル、ビシクロ[4.2.0]オクチル、ビシクロ[2.1.0]ペンチル、及びビシクロ[3.2.0]ヘプチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0097】
いくつかの実施形態では、R7は、置換又は非置換のC6~C10スピロシクロアルキルであってもよい。いくつかの実施形態では、R7は、置換されたC6~C10スピロシクロアルキルであってもよい。他の実施形態では、R7は、非置換のC6~C10スピロシクロアルキルであってもよい。いくつかの実施形態では、R7は、置換又は非置換の-シクロプロピル-シクロブチルスピロアルキル、-シクロプロピル-シクロペンチルスピロアルキル、-シクロプロピル-シクロへキシルスピロアルキル、-シクロプロピル-シクロヘプチルスピロアルキル、-シクロプロピル-シクロオクチルスピロアルキル、-シクロブチル-シクロプロピルスピロアルキル、-シクロブチル-シクロブチルスピロアルキル、-シクロブチル-シクロペンチルスピロアルキル、-シクロブチル-シクロへキシルスピロアルキル、-シクロブチル-シクロヘプチルスピロアルキル、-シクロペンチル-シクロプロピルスピロアルキル、-シクロペンチル-シクロブチルスピロアルキル、-シクロペンチル-シクロペンチルスピロアルキル、シクロペンチル-シクロへキシルスピロアルキル、-シクロへキシル-シクロプロピルスピロアルキル、-シクロへキシル-シクロブチルスピロアルキル、-シクロへキシル-シクロペンチルスピロアルキル、-シクロヘプチル-シクロプロピルスピロアルキル、-シクロヘプチル-シクロブチルスピロアルキル、又は-シクロオクチル-シクロプロピルスピロアルキルであってもよい。
【0098】
いくつかの実施形態では、R7は、置換又は非置換の3~10員ヘテロシクリルであってもよい。いくつかの実施形態では、R7は、置換された3~10員ヘテロシクリルであってもよい。他の実施形態では、R7は、非置換の3~10員ヘテロシクリルであってもよい。いくつかの実施形態では、R7は、置換又は非置換の単環式3~10員ヘテロシクリルであってもよい。他の実施形態では、R7は、置換又は非置換の二環式5~10員ヘテロシクリル、例えば、縮合、架橋、又はスピロ5~10員ヘテロシクリルであってもよい。好適な置換又は非置換の3~10員ヘテロシクリル基としては、アジリジン(azidirine)、オキシラン、アゼチジン、オキセタン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、イミ
ダゾリン、ピラゾリジン、ピペリジン、テトラヒドロピラン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、ジオキサン、2-アザスピロ[3.3]ヘプタン、2-オキサスピロ[3.3]ヘプタン、2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン、2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン、2-アザスピロ[3.4]オクタン、6-オキサスピロ[3.4]オクタン、6-オキサ-2-アザスピロ[3.4]オクタン、7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン、7-オキサスピロ[3.5]ノナン、及び2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカンが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、置換又は非置換の単環式又は二環式3~10員ヘテロシクリルは、窒素原子を介して分子の残りの部分に接続することができる。他の実施形態では、置換又は非置換の単環式又は二環式3~10員ヘテロシクリルは、炭素原子を介して分子の残りの部分に接続することができる。いくつかの実施形態では、置換された単環式又は二環式3~10員ヘテロシクリルは、1個以上の窒素原子上で置換され得る。
【0099】
いくつかの実施形態では、R7は、置換又は非置換の6~10員スピロヘテロシクリルであってもよい。いくつかの実施形態では、R7は、置換された6~10員スピロヘテロシクリルであってもよい。他の実施形態では、R7は、非置換の6~10員スピロヘテロシクリルであってもよい。いくつかの実施形態では、R7は、置換又は非置換のアザスピロヘキサン、アザスピロヘプタン、アザスピロオクタン、オキサスピロヘキサン、オキサスピロヘプタン、オキサスピロオクタン、ジアザスピロヘキサン、ジアザスピロヘプタン、ジアザスピロオクタン、ジオキサスピロヘキサン、ジオキサスピロヘプタン、ジオキサスピロオクタン、オキサ-アザスピロヘキサン、オキサ-アザスピロヘプタン、又はオキ
サ-アザスピロオクタンであってもよい。好適な置換又は非置換の3~10員ヘテロシクリル基としては、2-アザスピロ[3.3]ヘプタン、2-オキサスピロ[3.3]ヘプタン、2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン、2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン、2-アザスピロ[3.4]オクタン、6-オキサスピロ[3.4]オクタン、6-オキサ-2-アザスピロ[3.4]オクタン、7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン、7-オキサスピロ[3.5]ノナン、及び2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカンが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、置換又は非置換の6~10員スピロヘテロシクリルは、窒素原子を介して分子の残りの部分に接続することができる。他の実施形態では、置換又は非置換の6~10員スピロヘテロシクリルは、炭素原子を介して分子の残りの部分に接続することができる。いくつかの実施形態では、置換された6~10員スピロヘテロシクリルは、1個以上の窒素原子上で置換され得る。
【0100】
いくつかの実施形態では、R7は、ヒドロキシ又はアミノであってもよい。
【0101】
いくつかの実施形態では、R7は非置換であってもよい。他の実施形態では、R7は、置換されてもよい。いくつかの実施形態では、R7は、非置換のC1~C6アルキル(本明細書に記載のものなど)、非置換のC1~C6アルコキシ(本明細書に記載のものなど)、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、及び-SO2-(非置換のC1~C6アルキル)から、独立して選択される1つ又は2つの置換基で置換されてもよい。例えば、R7のC1~C6アルコキシ、C3~C10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、一置換アミン基、二置換アミン基、N-カルバミル、C-アミド、及びN-アミド基は、上述の置換基のうちのいずれかから、独立して選択される1つ又は2つの置換基で置換されてもよい。
【0102】
いくつかの実施形態では、R7は、
【0103】
【0104】
いくつかの実施形態では、R7は、
【0105】
【0106】
いくつかの実施形態では、R7は、
【0107】
【化11】
であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、R
7は、
【0108】
【化12】
であってもよい。いくつかの実施形態では、R
7は、
【0109】
【化13】
であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、R
7は、
【0110】
【化14】
であってもよい。いくつかの実施形態では、R
7は、
【0111】
【化15】
であってもよい。いくつかの実施形態では、R
7は、
【0112】
【化16】
であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、R
7は、
【0113】
【化17】
であってもよい。いくつかの実施形態では、R
7は、
【0114】
【化18】
であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、R
7は、
【0115】
【0116】
【0117】
いくつかの実施形態では、化合物(A)、又はその薬学的に許容される塩は、式(AA)、式(BB)、式(CC)、及び式(DD)の化合物、
【0118】
【化21】
又は前述のうちのいずれかの薬学的に許容される塩から選択されてもよい。
【0119】
化合物(A)のBcl-2阻害剤の非限定的なリストは、本明細書に記載されており、
図1に提供されるものを含む。
【0120】
化合物(A)の例としては、以下が挙げられる:
【0121】
【0122】
【0123】
【0124】
【0125】
【0126】
【0127】
【化28】
又は前述のうちのいずれかの薬学的に許容される塩。
【0128】
化合物(A)は、その薬学的に許容される塩と共に、本明細書に、並びに国際公開第2019/139902号、国際公開第2019/139900号、国際公開第2019/139907号、及び国際公開第2019/139899号に記載されているように調製することができ、それらは各々、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。国際公開第2019/139902号、国際公開第2019/139900号、国際公開第2019/139907号、及び国際公開第2019/139899号に記載されているように、化合物(A)は、Bcl-2阻害剤である。
【0129】
化合物(B)及びその薬学的に許容される塩の定義
別段の定めがない限り、本明細書で使用されるすべての技術及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で参照されるすべての特許、出願、公開出願、及び他の出版物は、特に明記しない限り、参照によりそれらの全体が組み込まれる。本明細書のある用語に対して複数の定義が存在する場合、特に明記しない限り、この節にある定義が優先される。
【0130】
ある基が「任意選択的に置換」されていると記載されるときはいつでも、その基は、非置換であってもよく、又は示された置換基のうちの1つ以上で置換されていてもよい。同様に、ある基が「非置換又は置換」であると記載されるとき、置換の場合、置換基は、示された置換基のうちの1つ以上から選択されてもよい。置換基が示されていない場合、示された「任意選択的に置換された」又は「置換された」基が、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(アルキル)、シクロアルキル(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、ヘテロシクリル(アルキル)、ヒドロキシ、アルコキシ、アシル、シアノ、ハロゲン、チオカルボニル、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、S-スルホンアミド、N-スルホンアミド、C-カルボキシ、O-カルボキシ、ニトロ、スルフェニル、スルフィニル、スルホニル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、一置換アミン基、二置換アミン基、及びアミン(C1~C6アルキル)から個々に、かつ独立して選択される1つ以上の基で置換されていてもよいことを意味する。
【0131】
本明細書で使用される場合、「Ca~Cb」(式中、「a」及び「b」が整数である)は、基における炭素原子の数を指す。示された基は、「a」~「b」個(a及びbを含む)の炭素原子を含有することができる。したがって、例えば、「C1~C4アルキル」基は、1~4個の炭素を有するすべてのアルキル基、つまり、CH3-、CH3CH2-、CH3CH2CH2-、(CH3)2CH-、CH3CH2CH2CH2-、CH3CH2CH(CH3)-、及び(CH3)3C-を指す。「a」及び「b」が指定されない場合、これらの定義に記載される最も広い範囲が想定されるものとする。
【0132】
2つの「R」基が「一緒になって」いると記載される場合、R基とR基が結合する原子とは、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、又は複素環を形成することができる。例えば、限定するものではないが、NRaRb基のRaとRbとが「一緒になって」いると示される場合、それらが互いに共有結合して環を形成していることを意味する。
【0133】
【0134】
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、完全に飽和した脂肪族炭化水素基を指す。アルキル部分は、分岐鎖又は直鎖であってもよい。分岐鎖アルキル基の例としては、イソ-プロピル、sec-ブチル、t-ブチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。直鎖アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、n-へキシル、n-ヘプチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。アルキル基は、1~30個の炭素原子を有してもよい(本明細書中に現れる場合は常に、「1~30」などの数値範囲は、所与の範囲内の各整数を指し、例えば、「1~30個の炭素原子」とは、アルキル基が、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子などからなってもよく、最大30個の炭素原子からなってもよいことを意味するが、この定義は、数値範囲が指定されていない用語「アルキル」の出現時にも及ぶ)。アルキル基はまた、1~12個の炭素原子を有する中間サイズのアルキルであってもよい。アルキル基はまた、1~6個の炭素原子を有する低級アルキルであってもよい。アルキル基は、置換されていても非置換であってもよい。
【0135】
本明細書で使用される場合、「アルケニル」という用語は、1-プロペニル、2-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニルなどが挙げられるが、これらに限定されない、炭素二重結合を含有する2~20個の炭素原子の一価直鎖又は分岐鎖基を指す。アルケニル基は、非置換であっても置換であってもよい。
【0136】
本明細書で使用される場合、「アルキニル」という用語は、1-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニルなどが挙げられるが、これらに限定されない、炭素三重結合を含有する2~20個の炭素原子の一価直鎖又は分岐鎖基を指す。アルキニル基は、非置換であっても置換であってもよい。
【0137】
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」は、完全に飽和した(二重結合又は三重結合なし)単環式又は多環式炭化水素環系を指す。2つ以上の環からなる場合、環は、縮合、架橋、又はスピロ様式で一緒に結合されてもよい。本明細書で使用される場合、「縮合」という用語は、2個の原子と1つの結合を共有する2つの環を指す。本明細書で使用される場合、「架橋シクロアルキル」という用語は、シクロアルキルが、非隣接原子を接続する1個以上の原子の連結を含有する、化合物を指す。本明細書で使用される場合、「スピロ」という用語は、1個の原子を共有する2つの環を指し、2つの環は、架橋によって結合されていない。シクロアルキル基は、環中に3~30個の原子、環中に3~20個の原子、環中に3~10個の原子、環中に3~8個の原子、又は環中に3~6個の原子を含有することができる。シクロアルキル基は、非置換であっても置換であってもよい。モノ-シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルが挙げられるが、決してこれらに限定されない。縮合シクロアルキル基の例は、デカヒドロナフタレニル、ドデカヒドロ-1H-フェナレニル、及びテトラデカヒドロアントラセニルであり、架橋シクロアルキル基の例は、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、アダマンタニル、及びノルボルナニルであり、スピロシクロアルキル基の例としては、スピロ[3.3]ヘプタン及びスピロ[4.5]デカンが挙げられる。
【0138】
本明細書で使用される場合、「シクロアルケニル」は、少なくとも1つの環中に1つ以上の二重結合を含有する、単環式又は多環式炭化水素環系を指すが、2つ以上が存在する場合、二重結合は、すべての環全体にわたって完全に非局在化したπ電子系を形成することができない(そうでなければ、その基は、本明細書に定義される「アリール」である)。シクロアルケニル基は、環中に3~10個の原子、環中に3~8個の原子、又は環中に3~6個の原子を含有することができる。2つ以上の環からなる場合、環は、縮合、架橋、又はスピロ様式で一緒に接続されてもよい。シクロアルケニル基は、非置換であっても置換であってもよい。
【0139】
本明細書で使用される場合、「カルボシクリル」は、非芳香族単環式又は多環式炭化水素環系を指す。2つ以上の環からなる場合、環は、本明細書に記載のとおり、縮合、架橋、又はスピロ様式で一緒に結合されてもよい。カルボシクリル基は、環中に3~30個の原子、環中に3~20個の原子、環中に3~10個の原子、環中に3~8個の原子、又は環中に3~6個の原子を含有することができる。カルボシクリル基は、非置換であっても置換であってもよい。カルボシクリル基の例としては、本明細書に定義のとおり、シクロアルキル基及びシクロアルケニル基、並びに1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン、2,3-ジヒドロ-1H-インデン、5,6,7,8-テトラヒドロキノリン、及び6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[b]ピリジンの非芳香族部分が挙げられるが、決してこれらに限定されるものではない。
【0140】
本明細書で使用される場合、「アリール」は、すべての環全体にわたって完全に非局在化したπ電子系を有する、炭素環式(すべてが炭素の)単環式又は多環式芳香環系(2つの炭素環が化学結合を共有する縮合環系を含む)を指す。アリール基中の炭素原子の数は異なり得る。例えば、アリール基は、C6~C14アリール基、C6~C10アリール基、又はC6アリール基であってもよい。アリール基の例としては、ベンゼン、ナフタレン、及びアズレンが挙げられるが、これらに限定されない。アリール基は、置換されていても非置換であってもよい。
【0141】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」は、1個以上のヘテロ原子(例えば、1個、2個、又は3個のヘテロ原子)、つまり、窒素、酸素、及び硫黄が挙げられるが、これらに限定されない、炭素以外の元素を含有する、単環式又は多環式芳香環系(完全に非局在化したπ電子系を有する環系)を指す。ヘテロアリール基の環中の原子の数は異なり得る。例えば、ヘテロアリール基は、環中に4~14個の原子、環中に5~10個の原子、又は環中に5~6個の原子を含有することができ、例えば、9個の炭素原子及び1個のヘテロ原子;8個の炭素原子及び2個のヘテロ原子;7個の炭素原子及び3個のヘテロ原子;8個の炭素原子及び1個のヘテロ原子;7個の炭素原子及び2個のヘテロ原子;6個の炭素原子及び3個のヘテロ原子;5個の炭素原子及び4個のヘテロ原子;5個の炭素原子及び1個のヘテロ原子;4個の炭素原子及び2個のヘテロ原子;3個の炭素原子及び3個のヘテロ原子;4個の炭素原子及び1個のヘテロ原子;3個の炭素原子及び2個のヘテロ原子;又は2個の炭素原子及び3個のヘテロ原子である。更に、「ヘテロアリール」という用語は、少なくとも1つのアリール環及び少なくとも1つのヘテロアリール環、又は少なくとも2つのヘテロアリール環など、2つの環が少なくとも1つの化学結合を共有する、縮合環系を含む。ヘテロアリール環の例としては、フラン、フラザン、チオフェン、ベンゾチオフェン、フタラジン、ピロール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、チアゾール、1,2,3-チアジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、ベンゾチアゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、インドール、インダゾール、ピラゾール、ベンゾピラゾール、イソオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、イソチアゾール、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、チアジアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、プリン、プテリジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリン、シンノリン、及びトリアジンが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロアリール基は、置換されていても非置換であってもよい。
【0142】
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクリル」又は「ヘテロアリシクリル」は、炭素原子と1~5個のヘテロ原子が一緒に前述の環系を構成する、3員、4員、5員、6員、7員、8員、9員、10員、最大18員の単環式、二環式、及び三環式環系を指す。複素環は、そのように位置している1つ以上の不飽和結合を任意選択的に含有し得るが、完全に非局在化したπ電子系は、すべての環全体にわたって発生しない。ヘテロ原子は、酸素
、硫黄、及び窒素が挙げられるが、これらに限定されない、炭素以外の元素である。複素環は、ラクタム、ラクトン、環状イミド、環状チオイミド、及び環状カルバメートなどのオキソ系及びチオ系を含むように定義するために、1つ以上のカルボニル又はチオカルボニル官能基を更に含有してもよい。2つ以上の環からなる場合、環は、縮合、架橋、又はスピロ様式で一緒に結合されてもよい。本明細書で使用される場合、「縮合」という用語は、2個の原子と1つの結合を共有する2つの環を指す。本明細書で使用される場合、「架橋ヘテロシクリル」又は「架橋ヘテロアリシクリル」という用語は、ヘテロシクリル又はヘテロアリシクリルが非隣接原子を接続する1個以上の原子の連結を含有する、化合物を指す。本明細書で使用される場合、「スピロ」という用語は、1個の原子を共有する2つの環を指し、2つの環は、架橋によって結合されていない。ヘテロシクリル及びヘテロアリシクリル基は、環中に3~30個の原子、環中に3~20個の原子、環中に3~10個の原子、環中に3~8個の原子、又は環中に3~6個の原子を含有することができる。例えば、5個の炭素原子及び1個のヘテロ原子;4個の炭素原子及び2個のヘテロ原子;3個の炭素原子及び3個のヘテロ原子;4個の炭素原子及び1個のヘテロ原子;3個の炭素原子及び2個のヘテロ原子;2個の炭素原子及び3個のヘテロ原子;1個の炭素原子及び4個のヘテロ原子;3個の炭素原子及び1個のヘテロ原子;又は2個の炭素原子及び1個のヘテロ原子である。加えて、ヘテロ脂環式環中の任意の窒素は、四級化されてもよい。ヘテロシクリル又はヘテロ脂環式基は、非置換であっても置換であってもよい。そのような「ヘテロシクリル」又は「ヘテロアリシクリル」基の例としては、1,3-ジオキシン、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、1,2-ジオキソラン、1,3-ジオキソラン、1,4-ジオキソラン、1,3-オキサチアン、1,4-オキサチイン、1,3-オキサチオラン、1,3-ジチオール、1,3-ジチオラン、1,4-オキサチアン、テトラヒドロ-1,4-チアジン、2H-1,2-オキサジン、マレイミド、スクシンイミド、バルビツール酸、チオバルビツール酸、ジオキソピペラジン、ヒダントイン、ジヒドロウラシル、トリオキサン、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、イソオキサゾリン、イソオキサゾリジン、オキサゾリン、オキサゾリジン、オキサゾリジノン、チアゾリン、チアゾリジン、モルホリン、オキシラン、ピペリジンN-オキシド、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、アゼパン、ピロリドン、ピロリジオン、4-ピペリドン、ピラゾリン、ピラゾリジン、2-オキソピロリジン、テトラヒドロピラン、4H-ピラン、テトラヒドロチオピラン、チアモルホリン、チアモルホリンスルホキシド、チアモルホリンスルホン、及びそれらのベンゾ縮合類似体(例えば、ベンズイミダゾリジノン、テトラヒドロキノリン、及び/又は3,4-メチレンジオキシフェニル)が挙げられるが、これらに限定されない。スピロヘテロシクリル基の例としては、2-アザスピロ[3.3]ヘプタン、2-オキサスピロ[3.3]ヘプタン、2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン、2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン、2-オキサスピロ[3.4]オクタン、及び2-アザスピロ[3.4]オクタンが挙げられる。
【0143】
本明細書で使用される場合、「アラルキル」及び「アリール(アルキル)」は、低級アルキレン基を介して置換基として接続されるアリール基を指す。アラルキルの低級アルキレン及びアリール基は、置換されていても非置換であってもよい。例としては、ベンジル、2-フェニルアルキル、3-フェニルアルキル、及びナフチルアルキルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0144】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアラルキル」及び「ヘテロアリール(アルキル)」は、低級アルキレン基を介して置換基として接続されるヘテロアリール基を指す。ヘテロアラルキルの低級アルキレン及びヘテロアリール基は、置換されていても非置換であってもよい。例としては、2-チエニルアルキル、3-チエニルアルキル、フリルアルキル、チエニルアルキル、ピロリルアルキル、ピリジルアルキル、イソオキサゾリルアルキル、及びイミダゾリルアルキル、並びにそれらのベンゾ縮合類似体が挙げられるが、これら
に限定されない。
【0145】
「ヘテロアリシクリル(アルキル)」及び「ヘテロシクリル(アルキル)」は、低級アルキレン基を介して置換基として接続される複素環式又はヘテロ脂環式基を指す。(ヘテロアリシクリル)アルキルの低級アルキレン及びヘテロシクリルは、置換されていても非置換であってもよい。例としては、テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル(メチル)、ピペリジン-4-イル(エチル)、ピペリジン-4-イル(プロピル)、テトラヒドロ-2H-チオピラン-4-イル(メチル)、及び1,3-チアジナン-4-イル(メチル)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0146】
本明細書で使用される場合、「低級アルキレン基」は、直鎖-CH2-連結基であり、それらの末端炭素原子を介して分子断片を接続するように結合を形成する。例としては、メチレン(-CH2-)、エチレン(-CH2CH2-)、プロピレン(-CH2CH2CH2-)、及びブチレン(-CH2CH2CH2CH2-)が挙げられるが、これらに限定されない。低級アルキレン基は、シクロアルキル基(例えば、
【0147】
【化30】
)で、低級アルキレン基の1つ以上の水素を置き換えることによって、かつ/又は同じ炭素上の両方の水素を置換することによって置換され得る。
【0148】
本明細書で使用される場合、「ヒドロキシ」という用語は、-OH基を指す。
【0149】
本明細書で使用される場合、「アルコキシ」は、式-ORを指し、式中、Rは、本明細書に定義されるアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)である。アルコキシの非限定的なリストは、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、1-メチルエトキシ(イソ-プロポキシ)、n-ブトキシ、イソ-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、フェノキシ、及びベンゾキシである。アルコキシは、置換されていても非置換であってもよい。
【0150】
本明細書で使用される場合、「アシル」は、カルボニル基を介して置換基として接続される水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、及びヘテロシクリル(アルキル)を指す。例としては、ホルミル、アセチル、プロパノイル、ベンゾイル、及びアクリルが挙げられる。アシルは、置換されていても非置換であってもよい。
【0151】
「シアノ」基は、「-CN」基を指す。
【0152】
本明細書で使用される場合、「ハロゲン原子」又は「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素などの元素周期律表の第7列の放射安定性原子のうちのいずれか1つを意味する。
【0153】
「チオカルボニル」基は、「-C(=S)R」基を指し、式中、Rは、O-カルボキシに関して定義されるものと同じであってもよい。チオカルボニルは、置換されていても非置換であってもよい。
【0154】
「O-カルバミル」基は、「-OC(=O)N(RARB)」基を指し、式中、RA及びRBは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。O-カルバミルは、置換されていても非置換であってもよい。
【0155】
「N-カルバミル」基は、「ROC(=O)N(RA)-」基を指し、式中、R及びRAは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。N-カルバミルは、置換されていても非置換であってもよい。
【0156】
「O-チオカルバミル」基は、「-OC(=S)-N(RARB)」基を指し、式中、RA及びRBは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。O-チオカルバミルは、置換されていても非置換であってもよい。
【0157】
「N-チオカルバミル」基は、「ROC(=S)N(RA)-」基を指し、式中、R及びRAは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。N-チオカルバミルは、置換されていても非置換であってもよい。
【0158】
「C-アミド」基は、「-C(=O)N(RARB)」基を指し、式中、RA及びRBは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。C-アミドは、置換されていても非置換であってもよい。
【0159】
「N-アミド」基は、「RC(=O)N(RA)-」基を指し、式中、R及びRAは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。N-アミドは、置換されていても非置換であってもよい。
【0160】
「S-スルホンアミド」基は、「-SO2N(RARB)」基を指し、式中、RA及びRBは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。S-スルホンアミドは、置換されていても非置換であってもよい。
【0161】
「N-スルホンアミド」基は、「RSO2N(RA)-」基を指し、式中、R及びRAは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。N-スルホンアミドは、置換されていても非置換であってもよい。
【0162】
「O-カルボキシ」基は、「RC(=O)O-」基を指し、式中、Rは、本明細書に定義される水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。O-カルボキシは、置換されていても非置換であってもよい。
【0163】
「エステル」及び「C-カルボキシ」という用語は、「-C(=O)OR」基を指し、式中、Rは、O-カルボキシに関して定義されるものと同じであってもよい。エステル及びC-カルボキシは、置換されていても非置換であってもよい。
【0164】
「ニトロ」基は、「-NO2」基を指す。
【0165】
「スルフェニル」基は、「-SR」基を指し、式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。スルフェニルは、置換されていても非置換であってもよい。
【0166】
「スルフィニル」基は、「-S(=O)-R」基を指し、式中、Rは、スルフェニルに関して定義されるものと同じであってもよい。スルフィニルは、置換されていても非置換であってもよい。
【0167】
「スルホニル」基は、「SO2R」基を指し、式中、Rは、スルフェニルに関して定義されるものと同じであってもよい。スルホニルは、置換されていても非置換であってもよい。
【0168】
本明細書で使用される場合、「ハロアルキル」は、水素原子のうちの1つ以上がハロゲンによって置き変えられているアルキル基を指す(例えば、モノ-ハロアルキル、ジ-ハロアルキル、トリ-ハロアルキル、及びポリハロアルキル)。そのような基としては、クロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1-クロロ-2-フルオロメチル、2-フルオロイソブチル、及びペンタフルオロエチルが挙げられるが、これらに限定されない。ハロアルキルは、置換されていても非置換であってもよい。
【0169】
本明細書で使用される場合、「ハロアルコキシ」は、水素原子のうちの1つ以上がハロゲンによって置き換えられているアルコキシ基を指す(例えば、モノ-ハロアルコキシ、ジ-ハロアルコキシ、及びトリ-ハロアルコキシ)。そのような基としては、クロロメトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、1-クロロ-2-フルオロメトキシ、及び2-フルオロイソブトキシが挙げられるが、これらに限定されない。ハロアルコキシは、置換されていても非置換であってもよい。
【0170】
本明細書で使用される場合、「アミノ」という用語は、-NH2基を指す。
【0171】
「一置換アミン」基は、「-NHRA」基を指し、式中、RAは、本明細書に定義されるアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。RAは、置換されていても非置換であってもよい。一置換アミノ基の例としては、-NH(メチル)、-NH(フェニル)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0172】
「二置換アミン」基は、「-NRARB」基を指し、式中、RA及びRBは独立して、
本明細書に定義されるアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。RA及びRBは、独立して、置換されていても非置換であってもよい。二置換アミノ基の例としては、-N(メチル)2、-N(フェニル)(メチル)、-N(エチル)(メチル)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0173】
本明細書で使用するとき、「アミン(アルキル)」基は、-(アルキレン)-NR’R”基を指し、式中、R’及びR”は、本明細書に定義されるとおり、独立して水素又はアルキルである。アミン(アルキル)は、置換されていても非置換であってもよい。アミン(アルキル)基の例としては、-CH2NH(メチル)、-CH2NH(フェニル)、-CH2CH2NH(メチル)、-CH2CH2NH(フェニル)、-CH2N(メチル)2、-CH2N(フェニル)(メチル)、-NCH2(エチル)(メチル)、-CH2CH2N(メチル)2、-CH2CH2N(フェニル)(メチル)、-NCH2CH2(エチル)(メチル)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0174】
置換基の数が指定されない場合(例えば、ハロアルキル)、1つ以上の置換基が存在してもよい。例えば、「ハロアルキル」は、同じ又は異なるハロゲンのうちの1つ以上を含んでもよい。別の例として、「C1~C3アルコキシフェニル」は、1個、2個、又は3個の原子を含有する同じ又は異なるアルコキシ基のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0175】
本明細書で使用される場合、ラジカルは、ラジカルを含有する種が別の種に共有結合され得るような、単一の不対電子を有する種を示す。したがって、これに関して、ラジカルは必ずしもフリーラジカルではない。むしろ、ラジカルは、より大きい分子の特定の部分を示す。「ラジカル」という用語は、「基」という用語と互換的に使用され得る。
【0176】
「薬学的に許容される塩」という用語は、それが投与される生物に著しい刺激をもたらさず、かつ化合物の生物活性及び特性を無効にしない化合物の塩を指す。いくつかの実施形態では、塩は、化合物の酸付加塩である。薬学的塩は、化合物を無機酸、例えば、ハロゲン化水素酸(例えば、塩酸又は臭化水素酸)、硫酸、硝酸、及びリン酸(2,3-ジヒドロキシプロピルニ水素リン酸塩など)と反応させることによって得られ得る。薬学的塩はまた、化合物を有機酸、例えば、脂肪族又は芳香族のカルボン酸又はスルホン酸、例えば、ギ酸、酢酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、サリチル酸、2-オキソペンタン二酸、又はナフタレンスルホン酸と反応させることによって得ることもできる。薬学的塩はまた、化合物を塩基と反応させて、塩、例えば、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム、カリウム、又はリチウム塩、アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム又はマグネシウム塩、炭酸塩の塩、重炭酸塩の塩、有機塩基の塩、例えば、ジシクロヘキシルアミン、N-メチル-D-グルカミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、C1~C7アルキルアミン、シクロへキシルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、並びにアルギニン及びリシンなどのアミノ酸を有する塩を形成することによって得ることができる。当業者は、窒素ベースの基(例えば、NH2)のプロトン化によって塩が形成される場合、窒素ベースの基が正電荷と会合し得(例えば、NH2がNH3
+になり得る)、正電荷が負の電荷を持つ対イオン(Cl-など)によって相殺され得ることを理解する。
【0177】
1つ以上のキラル中心を有する本明細書に記載の任意の化合物において、絶対立体化学が明示的に示されない場合、各中心が独立して、R配置若しくはS配置、又はこれらの混合であってもよいことが理解される。したがって、本明細書に提供される化合物は、鏡像異性的に純粋な、鏡像異性的に豊富な、ラセミ混合物、ジアステレオマー的に純粋な化合
物、ジアステレオマー的に豊富な化合物、又は立体異性混合物であってもよい。加えて、E又はZと定義され得る幾何異性体を生成する1つ以上の二重結合を有する、本明細書に記載の任意の化合物において、各二重結合が独立して、E又はZ、これらの混合であってもよいことが理解される。同様に、記載の任意の化合物において、すべての互変異性型もまた含まれるよう意図されることが理解される。
【0178】
本明細書に開示される化合物が満たされていない原子価を有する場合、その原子価が、水素又はその同位体、例えば、水素-1(プロチウム)及び水素-2(重水素)で満たされることを理解されたい。
【0179】
本明細書に記載の化合物が同位体で標識され得ることが理解される。重水素などの同位体での置換は、例えば、インビボ半減期の増加又は必要投与量の低減など、より大きい代謝安定性に起因するある特定の治療上の利点をもたらし得る。化合物構造中に表される各化学元素は、当該元素の任意の同位体を含んでもよい。例えば、化合物構造において、水素原子は、化合物中に存在すると明確に開示され得るか、又は理解され得る。水素原子が存在し得る化合物の任意の位置において、水素原子は、水素-1(プロチウム)及び水素-2(重水素)が挙げられるが、これらに限定されない、水素の任意の同位体であってもよい。したがって、本明細書における化合物に対する言及は、文脈が明確にそうでないと示さない限り、すべての可能な同位体形態を包含する。
【0180】
本明細書に記載の方法及び組み合わせが、結晶形態(多形体としても既知であり、化合物の同じ元素組成の異なる結晶充填配置を含む)、非晶相、塩、溶媒和物、及び水和物を含むことが理解される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、水、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒を有する溶媒和形態で存在する。他の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、非溶媒和形態で存在する。溶媒和物は、化学量論量又は非化学量論量のいずれかの溶媒を含有し、水、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒での結晶化プロセス中に形成されてもよい。溶媒が水である場合に水和物が形成されるか、又は溶媒がアルコールである場合にアルコラートが形成される。加えて、本明細書に提供される化合物は、非溶媒和並びに溶媒和形態で存在することができる。概して、溶媒和形態は、本明細書に提供される化合物及び方法の目的で、非溶媒和形態と同等であるとみなされる。
【0181】
値の範囲が提供される場合、上限及び下限、並びにその範囲の上限と下限との間に介在する各値が、実施形態内に包含されることが理解される。
【0182】
本願で使用される用語及び語句並びにこれらの変化形、特に添付の特許請求の範囲にあるものは、特に明記しない限り、限定的ではなく非限定的であると解釈されるべきである。上記の例として、「含むこと」という用語は、「限定することなく含むこと」、「含むが、これらに限定されないこと」などを意味するよう解釈されるべきである。本明細書で使用される場合、「備えること」という用語は、「含むこと」、「含有すること」、又は「特徴とする」と同義語であり、包括的又は非限定的であり、追加の列挙されていない要素又は方法の工程を除外しない。「有すること」という用語は、「少なくとも有すること」と解釈されるべきである。「含む」という用語は、「含むが、これらに限定されない」と解釈されるべきである。「例」という用語は、考察中の項目の徹底的又は限定的なリストではなく例示的な実例を提供するために使用される。「好ましくは」、「好ましい」、「所望の」、又は「望ましい」のような用語、並びに同様の意味の単語の使用は、ある特定の特徴がその構造又は機能にとって重大、本質的、又は重要でさえあるということを暗示するものとして理解されるべきではなく、むしろ単に特定の実施形態で利用されてもされなくてもよい代替又は追加の特徴を強調することを目的とする。加えて、「備えること」という用語は、「少なくとも有すること」又は「少なくとも含むこと」という語句の同
意語として解釈されるものとする。化合物、組成物、又はデバイスの文脈で使用される場合、「備えること」という用語は、化合物、組成物、又はデバイスが少なくとも列挙された特徴又は構成要素を含むが、追加の特徴又は構成要素も含んでもよいことを意味する。
【0183】
本明細書の実質的にいかなる複数形及び/又は単数形の用語の使用に関しても、当業者は、文脈及び/又は用途に応じて適切に、複数形から単数形、及び/又は単数形から複数形に変換することができる。様々な単数形/複数形の入れ替えは、明確にするために本明細書で明示的に記載され得る。不定冠詞「a」又は「an」は、複数を除外しない。ある特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されるという単なる事実は、利益を得るためにこれらの手段の組み合わせを使用することができないということを示すものではない。特許請求の範囲のいかなる参照符号も、その範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0184】
化合物(B)
本明細書に記載されるように、本明細書に開示のいくつかの実施形態は、疾患又は病態を治療するための化合物の組み合わせの使用に関し、この組み合わせは、有効量の化合物(A)、又はその薬学的に許容される塩(本明細書に記載のような)、及び有効量の化合物(B)のうちの1つ以上、又はそれらの薬学的に許容される塩を含み得、化合物(B)は、以下の構造を有し、
【0185】
【化31】
式中、R
1aは、水素、ハロゲン、及び置換又は非置換のC
1~C
6アルキルから選択することができ、環A-aは、置換又は非置換のフェニル及び置換又は非置換の5~6員単環式ヘテロアリールから選択することができ、環B-aは、置換又は非置換の単環式5~7員カルボシクリル及び置換又は非置換の5~7員単環式ヘテロシクリルから選択することができ、R
2aは、
【0186】
【化32】
から選択することができ、m-aは、0、1、2、又は3であってもよく、R
3aは、ハロゲン及び置換又は非置換のC
1~C
6アルキルから選択することができ、X-aは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換又は非置換の4~6員単環式ヘテロシクリル、置換又は非置換のアミン(C
1~C
6アルキル)、置換又は非置換の-NH-(CH
2)
1~6-アミン、一置換アミン、二置換アミン、アミノ、置換又は非置換のC
1~C
6アルキル、置換又は非置換のC
1~C
6アルコキシ、置換又は非置換のC
3~C
6シクロアルコキシ、置換又は非置換の(C
1~C
6アルキル)アシル、置換又は非置換のC-アミド、置換又は非置換のN-アミド、置換又は非置換のC-カルボキシ、置換又は非置換
のO-カルボキシ、置換又は非置換のO-カルバミル、及び置換又は非置換のN-カルバミルから選択することができ、Y-aは、CH又はNであってもよく、Y
1-aは、CR
4A-a又はNであってもよく、Y
2-aは、CR
4B-a又はNであってもよく、環C-aは、置換又は非置換のC
6~C
10アリール、置換又は非置換の単環式5~10員ヘテロアリール、置換又は非置換の単環式5~7員カルボシクリル、置換又は非置換の5~7員単環式ヘテロシクリル、及び置換又は非置換の7~10員二環式ヘテロシクリルから選択することができ、R
4A-a及びR
4B-aは、独立して、水素、ハロゲン、及び非置換のC
1~4アルキルから選択することができ、R
5-aは、置換又は非置換の5~7員単環式ヘテロシクリルであってもよい。
【0187】
いくつかの実施形態では、R1aは、水素、ハロゲン、及び置換又は非置換のC1~C6アルキルから選択することができる。いくつかの実施形態では、環A-aは、置換又は非置換のフェニル及び置換又は非置換の5~6員単環式ヘテロアリールから選択することができる。いくつかの実施形態では、環B-aは、置換又は非置換の単環式5~7員カルボシクリル及び置換又は非置換の5~7員単環式ヘテロシクリルから選択することができる。いくつかの実施形態では、R2aは、
【0188】
【化33】
から選択することができる。いくつかの実施形態では、m-aは、0、1、2、又は3であってもよい。R
3aは、ハロゲン及び置換又は非置換のC
1~C
6アルキルから選択することができる。いくつかの実施形態では、X-aは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換又は非置換の4~6員単環式ヘテロシクリル、置換又は非置換のアミン(C
1~C
6アルキル)、置換又は非置換の-NH-(CH
2)
1~6-アミン、一置換アミン、二置換アミン、アミノ、置換又は非置換のC
1~C
6アルキル、置換又は非置換のC
1~C
6アルコキシ、置換又は非置換のC
3~C
6シクロアルコキシ、置換又は非置換の(C
1~C
6アルキル)アシル、置換又は非置換のC-アミド、置換又は非置換のN-アミド、置換又は非置換のC-カルボキシ、置換又は非置換のO-カルボキシ、置換又は非置換のO-カルバミル、及び置換又は非置換のN-カルバミルから選択することができる。いくつかの実施形態では、Y-aは、CH又はNであってもよい。いくつかの実施形態では、Y
1-aは、CR
4A-a又はNであってもよい。いくつかの実施形態では、Y
2-aは、CR
4B-a又はNであってもよい。いくつかの実施形態では、環C-aは、置換又は非置換のC
6~C
10アリール、置換又は非置換の単環式5~10員ヘテロアリール、置換又は非置換の単環式5~7員カルボシクリル、置換又は非置換の5~7員単環式ヘテロシクリル、及び置換又は非置換の7~10員二環式ヘテロシクリルから選択することができる。いくつかの実施形態では、R
4A-a及びR
4B-aは、独立して、水素、ハロゲン、及び非置換のC
1~4アルキルから選択される。
【0189】
いくつかの実施形態では、R1aは、水素、ハロゲン、及びC1~C6アルキルから選択することができる。いくつかの実施形態では、R1aは、水素であってもよい。他の実施形態では、R1aは、ハロゲンであってもよい。いくつかの実施形態では、R1aは、フルオロであってもよい。更に他の実施形態では、R1aは、非置換のC1~C6アルキル(メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル、t-ブチル、ペンチル(直鎖又は分岐鎖)、又はヘキシル(直鎖又は分岐鎖)など)であってもよい。いくつかの実施形態では、R1aは、非置換のメチルであってもよい。いくつかの実施形態では、R1aは、本明細書に記載されるものなどの、置換さ
れたC1~C6アルキルであってもよい。いくつかの実施形態では、R1aは、非置換のC1~C6ハロアルキル(C1~C6フルオロアルキル、C1~C6クロロアルキル、又はC1~C6クロロフルオロアルキルなど)であってもよい。いくつかの実施形態では、R1aは、-CHF2、-CF3、-CF2CH3、又は-CH2CF3であってもよい。
【0190】
いくつかの実施形態では、環A-aは、置換又は非置換のフェニル及び置換又は非置換の5~6員単環式ヘテロアリールから選択することができる。
【0191】
いくつかの実施形態では、環A-aは、置換されたフェニルであってもよい。他の実施形態では、環Aは、非置換フェニルであってもよい。
【0192】
いくつかの実施形態では、環A-aは、置換された5~6員単環式ヘテロアリールであってもよい。いくつかの実施形態では、環A-aは、非置換の5~6員単環式ヘテロアリールであってもよい。いくつかの実施形態では、環A-aは、置換又は非置換のピロール、置換又は非置換のフラン、置換又は非置換のチオフェン、置換又は非置換のイミダゾール、置換又は非置換のピラゾール、置換又は非置換のオキサゾール、置換又は非置換のチアゾール、置換又は非置換のピリジン、置換又は非置換のピラジン、置換又は非置換のピリミジン、及び置換又は非置換のピリダジンから選択することができる。
【0193】
置換されている場合、環A-aは、ハロゲン、非置換のC1~C4ハロアルキル、及び非置換のC1~C4アルキルから選択される1つ以上の置換基で置換され得る。いくつかの実施形態では、環A-aは、ハロゲン(例えば、フルオロ)で一置換されている。
【0194】
いくつかの実施形態では、
【0195】
【0196】
【化35】
から選択されてもよく、上述の基のそれぞれは、置換又は非置換である。いくつかの実施形態では、
【0197】
【0198】
【化37】
であってもよい。いくつかの実施形態では、
【0199】
【0200】
【化39】
であってもよく、式中、環A-aは、非置換である。他の実施形態では、
【0201】
【0202】
【0203】
【0204】
【化43】
から選択してもよい。本明細書に記載のとおり、
【0205】
【化44】
の環A-a部分は、非置換であってもよい。
【0206】
いくつかの実施形態では、環B-aは、置換又は非置換の単環式5~7員カルボシクリル及び置換又は非置換の5~7員単環式ヘテロシクリルから選択することができる。
【0207】
いくつかの実施形態では、環B-aは、置換又は非置換の単環式5~7員カルボシクリルであってもよい。いくつかの実施形態では、環B-aは、置換又は非置換の単環式5員カルボシクリルであってもよい。他の実施形態では、環B-aは、置換又は非置換の単環式6員カルボシクリルであってもよい。更に他の実施形態では、環B-aは、置換又は非置換の単環式7員カルボシクリルであってもよい。
【0208】
いくつかの実施形態では、
【0209】
【0210】
【化46】
から選択されてもよく、上述の基のそれぞれは、置換又は非置換である。
【0211】
いくつかの実施形態では、環B-aは、置換又は非置換の単環式5~7員ヘテロシクリルであってもよい。いくつかの実施形態では、環B-aは、置換又は非置換の単環式5員ヘテロシクリルであってもよい。他の実施形態では、環B-aは、置換又は非置換の単環式6員ヘテロシクリルであってもよい。更に他の実施形態では、環B-aは、置換又は非置換の単環式7員ヘテロシクリルであってもよい。
【0212】
いくつかの実施形態では、
【0213】
【0214】
【化48】
から選択されてもよく、上述の基のそれぞれは、任意の-NH基を含む、置換又は非置換である。
【0215】
いくつかの実施形態では、環B-aは、
【0216】
【化49】
から選択することができ、上述の基のそれぞれは、任意の-NH基を含む、置換又は非置換である。いくつかの実施形態では、環B-aは、置換又は非置換の
【0217】
【0218】
いくつかの実施形態では、環B-aが置換されている場合、環B-aは、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、非置換のN-連結アミド(例えば、-NHC(O)C1~C6アルキル)、非置換のC1~C6ハロアルキル(本明細書に記載のものなど)、及び置換又は非置換のC1~C6アルキル(本明細書に記載のものなど)から、独立して選択される1、2、又は3つの置換基で置換されてもよい。いくつかの実施形態では、環B-aが置換されている場合、環Bは、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、非置換N-連結アミド(例えば、-NHC(O)C1~C6アルキル)、及び置換又は非置換のC1~C6アルキル(本明細書に記載のものなど)から、独立して選択される1、2、又は3つの置換基で置換されてもよい。いくつかの実施形態では、環B-aは、フルオロ、ヒドロキシ、アミノ、非置換-NHC(O)C1~C6アルキル、非置換のC1~C6ハロアルキル(本明細書に記載のものなど)、及び非置換のC1~C6アルキル(本明細書に記載のものなど)から、独立して選択される1、2、又は3つの置換基で置換されてもよい。いくつかの実施形態では、環B-aは、フルオロ、ヒドロキシ-CF3、-CHF2、-CF2CH3、非置換のメチル、非置換のエチル、及び-NHC(O)CH3から、独立して選択される1つ又は2つの置換基で置換されてもよい。
【0219】
いくつかの実施形態では、
【0220】
【0221】
【化52】
から選択されてもよく、上述の基のそれぞれは、任意の-NH基を含む、置換又は非置換である。
【0222】
いくつかの実施形態では、
【0223】
【0224】
【化54】
から選択されてもよく、上述の基のそれぞれは、置換又は非置換である。いくつかの実施形態では、
【0225】
【0226】
【化56】
から選択されてもよく、上述の基のそれぞれは、置換又は非置換である。いくつかの実施形態では、
【0227】
【0228】
【化58】
であってもよい。いくつかの実施形態では、
【0229】
【0230】
【0231】
環A-a及び環B-aの両方は、置換されていても非置換であってもよい。いくつかの実施形態では、
【0232】
【化61】
の環A-a及び環B-aは、独立して、置換されていても非置換であってもよい。いくつかの実施形態では、
【0233】
【化62】
の環A-a及び環B-aは、両方とも非置換であってもよい。いくつかの実施形態では、
【0234】
【化63】
の環A-a及び環B-aは、両方とも独立して、置換されてもよい。いくつかの実施形態では、
【0235】
【0236】
【化65】
の環Bは非置換であってもよい。いくつかの実施形態では、
【0237】
【0238】
【化67】
の環B-aは置換されてもよい。いくつかの実施形態では、
【0239】
【0240】
【化69】
の環B-aは、ハロゲン、ヒドロキシ、及び置換又は非置換のC
1~C
6アルキル(本明細書に記載のものなど)から、独立して選択される1、2、又は3つの置換基で置換されてもよい。いくつかの実施形態では、
【0241】
【0242】
【化71】
の環B-aは、フルオロ、ヒドロキシ、アミノ、非置換のN-連結アミド(例えば、-NHC(O)C
1~C
6アルキル)、非置換のC
1~C
6ハロアルキル(本明細書に記載のものなど)、及び非置換のC
1~C
6アルキル(本明細書に記載のものなど)から、独立して選択される1、2、又は3つの置換基で置換されてもよい。いくつかの実施形態では、
【0243】
【0244】
【化73】
の環B-aは、フルオロ、ヒドロキシ、アミノ、-CF
3、-CHF
2、-CF
2CH
3、非置換のメチル、非置換のエチル、及び-NHC(O)CH
3から、独立して選択される1つ又は2つの置換基で置換されてもよい。
【0245】
いくつかの実施形態では、R2aは、
【0246】
【化74】
から選択することができる。いくつかの実施形態では、R
2aは、
【0247】
【化75】
であってもよい。いくつかの実施形態では、R
2aは、
【0248】
【0249】
いくつかの実施形態では、Y-aは、CH又はN(窒素)であってもよい。いくつかの実施形態では、Y-aは、CHであってもよい。いくつかの実施形態では、Y-aは、N(窒素)であってもよい。
【0250】
いくつかの実施形態では、R3aは、ハロゲン及び置換又は非置換のC1~C6アルキル(本明細書に記載のものなど)から選択することができる。いくつかの実施形態では、R3aは、ハロゲンであってもよい。いくつかの実施形態では、R3aは、置換されたC1~C6アルキル(本明細書に記載のものなど)であってもよい。いくつかの実施形態では、R3aは、非置換のC1~C6アルキル(本明細書に記載のものなど)であってもよい。
【0251】
いくつかの実施形態では、m-aは、0、1、2、又は3であってもよい。いくつかの実施形態では、m-aは、0であってもよい。いくつかの実施形態では、m-aは、1であってもよい。いくつかの実施形態では、m-aは、2であってもよい。いくつかの実施形態では、m-aは、3であってもよい。m-aが2又は3である場合、R3a基は、互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0252】
いくつかの実施形態では、X-aは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換又は非置換の4~6員単環式ヘテロシクリル、置換又は非置換のアミン(C1~C6アルキル)、置換又は非置換の-NH-(CH2)1~6-アミン、一置換アミン、二置換アミン、アミノ、置換又は非置換のC1~C6アルキル(本明細書に記載のものなど)、置換又は非置換のC1~C6アルコキシ(メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソ-プロポキシ、n-ブトキシ、イソ-ブトキシ、sec-ブトキシ、t-ブトキシ、ペントキシ(直鎖又は分岐鎖)、又はヘキソキシ(直鎖又は分岐鎖)など)、置換又は非置換のC3~C6シクロアルコキシ(シクロプロポキシ、シクロブトキシ、シクロペントキシ、又はシクロヘキソキシなど)、置換又は非置換の(C1~C6アルキル)アシル、置換又は非置換のC-アミド、置換又は非置換のN-アミド、置換又は非置換のC-カルボキシ、置換又は非置換のO-カルボキシ、置換又は非置換のO-カルバミル、及び置換又は非置換のN-カルバミルから選択することができる。
【0253】
いくつかの実施形態では、X-aは、水素であってもよい。他の実施形態では、X-aは、ハロゲンであってもよい。いくつかの実施形態では、X-aは、フルオロであってもよい。いくつかの実施形態では、X-aは、クロロであってもよい。更に他の実施形態では、X-aは、ヒドロキシであってもよい。なおも更に他の実施形態では、X-aは、シアノであってもよい。いくつかの実施形態では、X-aは、アミノであってもよい。
【0254】
いくつかの実施形態では、X-aは、非置換のC1~C6アルキル(本明細書に記載のものなど)であってもよい。いくつかの実施形態では、X-aは、非置換のメチル、非置換のエチル、又は非置換のイソ-プロピルであってもよい。いくつかの実施形態では、X-aは、置換されたC1~C6アルキル(本明細書に記載のものなど)であってもよい。いくつかの実施形態では、X-aは、非置換のC1~C6ハロアルキル(C1~C6フルオロアルキル、C1~C6クロロアルキル、又はC1~C6クロロフルオロアルキルなど)であってもよい。いくつかの実施形態では、X-aは、-CHF2、-CF3、-CF2CH3、及び-CH2CF3から選択することができる。いくつかの実施形態では、X-aは、非置換のC1~C6ヒドロキシアルキル(C1~C6モノヒドロキシアルキル又はC1~C6ジヒドロキシアルキルなど)であってもよい。いくつかの実施形態では、X-aは、-CH2OH、-CH2CH2OH、-CH(OH)CH3、及び-C(OH)(CH3)2から選択することができる。いくつかの実施形態では、X-aは、非置換のC1~C6シアノアルキル(C1~C6モノシアノアルキル又はC1~C6ジシアノアルキルなど)であってもよい。いくつかの実施形態では、X-aは、
【0255】
【化77】
から選択することができる。いくつかの実施形態では、X-aは、非置換のC
1~C
6アルコキシアルキル(C
1~C
6モノアルコキシアルキル又はC
1~C
6ジアルコキシアルキルなど)であってもよい。いくつかの実施形態では、X-aは、
【0256】
【化78】
から選択することができる。いくつかの実施形態では、X-aは、
【0257】
【化79】
から選択される置換されたC
1~C
6アルキルであってもよい。
【0258】
いくつかの実施形態では、X-aは、非置換のC1~C6アルコキシ(本明細書に記載のものなど)であってもよい。いくつかの実施形態では、X-aは、非置換メトキシ、非置換エトキシ、又は非置換イソ-プロポキシであってもよい。いくつかの実施形態では、X-aは、置換されたC1~C6アルコキシ(本明細書に記載のものなど)であってもよい。いくつかの実施形態では、X-aは、ハロゲン、アミノ、一置換アミン(本明細書に記載のものなど)、及び二置換アミン(本明細書に記載のものなど)から、独立して選択される1、2、又は3つの置換基で置換されたC1~C6アルコキシであってもよい。いくつかの実施形態では、X-aは、ハロゲン、アミノ、一置換アミン(本明細書に記載のものなど)、及び二置換アミン(本明細書に記載のものなど)から、独立して選択される1つの置換基で置換されたC1~C6アルコキシであってもよい。
【0259】
いくつかの実施形態では、X-aは、
【0260】
【0261】
いくつかの実施形態では、X-aは、置換されたC3~C6シクロアルコキシ(本明細書に記載のものなど)であってもよい。いくつかの実施形態では、X-aは、非置換のC3~C6シクロアルコキシ(本明細書に記載のものなど)であってもよい。
【0262】
いくつかの実施形態では、X-aは、置換された(C1~C6アルキル)アシル、例えば、置換された-(CO)-CH3であってもよい。いくつかの実施形態では、X-aは、非置換の(C1~C6アルキル)アシル、例えば、非置換の-(CO)-CH3であっ
てもよい。
【0263】
いくつかの実施形態では、X-aは、置換された4~6員単環式ヘテロシクリルであってもよい。いくつかの実施形態では、X-aは、非置換の4~6員単環式ヘテロシクリルであってもよい。いくつかの実施形態では、X-aは、アゼチジン、オキセタン、ジアゼチジン、アザオキセタン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、イミダゾリン、ピラゾリジン、ピペリジン、テトラヒドロピラン、ピペラジン、モルホリン、及びジオキサンから選択することができ、上述の基のそれぞれは、任意の-NH基を含む、置換又は非置換である。いくつかの実施形態では、X-aは、
【0264】
【化81】
から選択することができ、上述の基のそれぞれは、任意の-NH基を含む、置換又は非置換である。
【0265】
いくつかの実施形態では、X-aは、ハロゲン、置換又は非置換のC1~C6アルキル(本明細書に記載のものなど)、一置換アミン(本明細書に記載のものなど)、二置換アミン(本明細書に記載のものなど)、アミノ、置換又は非置換のアミン(C1~C6アルキル)、及び置換又は非置換の(C1~C6アルキル)アシルから、独立して選択される1つ又は2つの置換基で置換された4~6員単環式ヘテロシクリル(本明細書に記載のものなど)であってもよい。いくつかの実施形態では、X-aは、フルオロ、非置換のメチル、非置換のエチル、非置換のイソ-プロピル、-CH2OH、及び-N(CH3)2から、独立して選択される1つ又は2つの置換基で置換された4~6員単環式ヘテロシクリルであってもよい。いくつかの実施形態では、X-aは、
【0266】
【0267】
いくつかの実施形態では、X-aは、置換されたアミン(C1~C6アルキル)であってもよい。いくつかの実施形態では、X-aは、非置換のアミン(C1~C6アルキル)であってもよい。いくつかの実施形態では、X-aは、
【0268】
【化83】
から選択することができ、上述の基のそれぞれは、任意の-NH基を含む、置換又は非置換である。
【0269】
いくつかの実施形態では、X-aは、置換された-NH-(CH2)1~6-アミンであってもよい。いくつかの実施形態では、X-aは、非置換の-NH-(CH2)1~6-アミンであってもよい。いくつかの実施形態では、X-aは、
【0270】
【化84】
から選択することができ、上述の基のそれぞれは、任意の-NH基を含む、置換又は非置換である。
【0271】
いくつかの実施形態では、X-aは、一置換アミンであってもよい。いくつかの実施形態では、一置換アミンの置換基は、非置換のC1~C6アルキル(本明細書に記載のものなど)又は非置換のC3~C6シクロアルキル(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルなど)である。
【0272】
いくつかの実施形態では、X-aは、二置換アミンであってもよい。いくつかの実施形態では、二置換アミンの2個の置換基は、独立して、非置換のC1~C6アルキル(本明細書に記載のものなど)及び非置換のC3~C6シクロアルキル(本明細書に記載のものなど)から選択される。
【0273】
いくつかの実施形態では、X-aは、
【0274】
【0275】
いくつかの実施形態では、X-aは、置換又は非置換のC-アミドであってもよい。いくつかの実施形態では、X-aは、置換又は非置換のN-アミドであってもよい。いくつかの実施形態では、X-aは、置換又は非置換のC-カルボキシであってもよい。いくつかの実施形態では、X-aは、置換又は非置換のO-カルボキシであってもよい。いくつかの実施形態では、X-aは、置換又は非置換のO-カルバミルであってもよい。いくつかの実施形態では、X-aは、置換又は非置換のN-カルバミルであってもよい。いくつかの実施形態では、X-aは、非置換のC1~C6ヒドロキシアルキル(本明細書に記載のものなど)で一置換されてもよい。
【0276】
いくつかの実施形態では、Y1-aは、CR4A-a又はN(窒素)であってもよい。いくつかの実施形態では、Y1-aは、CR4A-aであってもよい。いくつかの実施形態は、Y1-aは、N(窒素)であってもよい。
【0277】
いくつかの実施形態では、Y2-aは、CR4B-a又はN(窒素)であってもよい。いくつかの実施形態では、Y2-aは、CR4B-aであってもよい。いくつかの実施形態は、Y2-aは、N(窒素)であってもよい。
【0278】
いくつかの実施形態では、Y1-a及びY2-aは各々、N(窒素)であってもよい。いくつかの実施形態では、Y1-aはCR4A-aであってもよく、Y2-aはCR4B-aであってもよい。いくつかの実施形態では、Y1-aはCR4A-aであってもよく、Y2-aはN(窒素)であってもよい。いくつかの実施形態では、Y1-aはN(窒素)であってもよく、Y2-aはCR4B-aであってもよい。
【0279】
いくつかの実施形態では、R4A-aは、水素であってもよい。いくつかの実施形態では、R4A-aは、ハロゲンであってもよい。いくつかの実施形態では、R4A-aは、非置換のC1~4アルキル(本明細書に記載のものなど)であってもよい。
【0280】
いくつかの実施形態では、R4B-aは、水素であってもよい。いくつかの実施形態では、R4B-aは、ハロゲンであってもよい。いくつかの実施形態では、R4B-aは、非置換のC1~4アルキル(本明細書に記載のものなど)であってもよい。
【0281】
いくつかの実施形態では、R4A-a及びR4B-aは各々、水素であってもよい。いくつかの実施形態では、R4A-a及びR4B-aは各々、ハロゲンであってもよい(ハロゲンは、互いに同じであっても異なっていてもよい)。いくつかの実施形態では、R4A-a及びR4B-aは各々、非置換のC1~4アルキルであってもよい(本明細書に記載のものなど、かつ式中、C1~4アルキルは、互いに同じであっても異なっていてもよい)。いくつかの実施形態では、R4A-a及びR4B-aのうちの一方が水素であってもよく、R4A-a及びR4B-aのうちの他方がハロゲンであってもよい。いくつかの実施形態では、R4A-a及びR4B-aのうちの一方が水素であってもよく、R4A-a及びR4B-aのうちの他方が非置換のC1~4アルキルであってもよい(本明細書に記載のものなど)。いくつかの実施形態では、R4A-a及びR4B-aのうちの一方がハロゲンであってもよく、R4A-a及びR4B-aのうち他方が非置換のC1~4アルキルであってもよい(本明細書に記載のものなど)。
【0282】
いくつかの実施形態では、R2aは、
【0283】
【0284】
【0285】
【化88】
であるとき、いくつかの実施形態では、R
5-aは、置換された5~7員単環式ヘテロシクリルであってもよい。他の実施形態では、R
5-aは、非置換の5~7員単環式ヘテロシクリルであってもよい。R
5-a基の例としては、置換又は非置換のピペリジニル、置換又は非置換のピロリジニル、及び置換又は非置換のアゼパニルが挙げられる。置換されている場合、R
5-a基の導入可能な置換基としては、非置換のC
1~4アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、及び非置換のC
1~4ハロアルキルが挙げられる。
【0286】
いくつかの実施形態では、環C-aは、置換又は非置換のC6~C10アリール、置換又は非置換の単環式5~10員ヘテロアリール、置換又は非置換の単環式5~7員カルボシクリル、置換又は非置換の5~7員単環式ヘテロシクリル、及び置換又は非置換の7~10員二環式ヘテロシクリルから選択することができる。
【0287】
いくつかの実施形態では、環C-aは、置換されたC6~C10アリールであってもよい。いくつかの実施形態では、環C-aは、非置換のC6~C10アリールであってもよい。いくつかの実施形態では、環C-aは、置換されたC6アリールであってもよい。いくつかの実施形態では、環C-aは、非置換のC6アリールであってもよい。
【0288】
いくつかの実施形態では、環C-aは、置換された5~10員ヘテロアリールであってもよい。いくつかの実施形態では、環C-aは、非置換の5~10員ヘテロアリールであってもよい。いくつかの実施形態では、環C-aは、置換された5~6員ヘテロアリールであってもよい。いくつかの実施形態では、環C-aは、非置換の5~6員ヘテロアリールであってもよい。いくつかの実施形態では、環C-aは、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、インドール、ピラゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、プリン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、及びキノキサリンから選択することができ、上述の基のそれぞれは、任意の-NH基を含む、置換又は非置換である。
【0289】
いくつかの実施形態では、環C-aは、置換又は非置換の単環式5員カルボシクリルであってもよい。いくつかの実施形態では、環C-aは、置換又は非置換の単環式6員カルボシクリルであってもよい。いくつかの実施形態では、環C-aは、置換又は非置換の単環式7員カルボシクリルであってもよい。
【0290】
いくつかの実施形態では、環C-aは、置換又は非置換の5員単環式ヘテロシクリルであってもよい。いくつかの実施形態では、環C-aは、置換又は非置換の6員単環式ヘテロシクリルであってもよい。いくつかの実施形態では、環C-aは、置換又は非置換の7員単環式ヘテロシクリルであってもよい。いくつかの実施形態では、環Cは、イミダゾリン、イミダゾリジン、イソオキサゾリン、イソオキサゾリジン、オキサゾリン、オキサゾリジン、オキサゾリジノン、チアゾリン、チアゾリジン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、ピロリドン、4-ピペリドン、ピラゾリン、ピラゾリジン、テトラヒドロピラン、アゼピン、オキゼピン、及びジアゼピンから選択されてもよく、上述の基のそれぞれは、任意の-NH基を含む、置換又は非置換である。
【0291】
いくつかの実施形態では、環C-aは、置換又は非置換の7員二環式ヘテロシクリル(例えば、縮合、架橋、又はスピロヘテロシクリル)であってもよい。いくつかの実施形態
では、環C-aは、縮合、架橋、又はスピロヘテロシクリルなどの、置換又は非置換の8員二環式ヘテロシクリルであってもよい。いくつかの実施形態では、環C-aは、置換又は非置換の9員二環式ヘテロシクリル(例えば、縮合、架橋、又はスピロヘテロシクリル)であってもよい。いくつかの実施形態では、環C-aは、縮合、架橋、又はスピロヘテロシクリルなどの、置換又は非置換の10員二環式ヘテロシクリルであってもよい。いくつかの実施形態では、環C-aは、ピロリジジン、インドリン、1,2,3,4テトラヒドロキノリン、2-アザスピロ[3.3]ヘプタン、2-オキサスピロ[3.3]ヘプタン、2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン、2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン、2-オキサスピロ[3.4]オクタン、及び2-アザスピロ[3.4]オクタンから選択することができ、上述の基のそれぞれは、任意の-NH基を含む、置換又は非置換である。
【0292】
いくつかの実施形態では、環C-aは、非置換のC1~C6アルキル(本明細書に記載される)及び非置換の(C1~C6アルキル)アシルから、独立して選択される1つ以上の置換基で置換されてもよい。いくつかの実施形態では、環C-aは、非置換のC1~C6アルキル(本明細書に記載される)及び非置換の(C1~C6アルキル)アシルから選択される1つの置換基で置換されてもよい。
【0293】
いくつかの実施形態では、R2aは、
【0294】
【化89】
から選択されるであってもよく、上述の基のそれぞれは、置換されていても非置換であってもよい。
【0295】
化合物(B)のWEE1阻害剤の非限定的なリストは、本明細書に記載されており、
図2に提供されるものを含む。
【0296】
化合物(B)の例としては、以下が挙げられる:
【0297】
【0298】
【0299】
【0300】
【0301】
【化94】
又は前述のうちのいずれかの薬学的に許容される塩。
【0302】
化合物(B)は、その薬学的に許容される塩と共に、本明細書に、及び国際公開第2019/173082号に記載されるように調製することができ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。国際公開第2019/173082号に記載されているように、化合物(B)は、WEE1阻害剤である。
【0303】
化合物(A)と化合物(B)との(前述のうちのいずれかの薬学的に許容される塩を含む)組み合わせの実施形態を表1に提供する。表1の数字は、
図1及び
図2に提供される化合物を表す。例えば、表1において、1:4Aによって表される組み合わせは、
【0304】
【化95】
との(前述のうちのいずれかの薬学的に許容される塩を含む)組み合わせに対応する。
【0305】
【0306】
本明細書に記載の組み合わせにおける化合物の投与の順序は、異なり得る。いくつかの実施形態では、化合物(A)(その薬学的に許容される塩を含む)は、化合物(B)のすべて、又はそれらの薬学的に許容される塩の前に投与され得る。他の実施形態では、化合物(A)(その薬学的に許容される塩を含む)は、少なくとも1つの化合物(B)、又はその薬学的に許容される塩の前に投与され得る。更に他の実施形態では、化合物(A)(その薬学的に許容される塩を含む)は、化合物(B)、又はその薬学的に許容される塩と同時に投与され得る。なおも更に他の実施形態では、化合物(A)(その薬学的に許容される塩を含む)は、少なくとも1つの化合物(B)、又はその薬学的に許容される塩の投与後に投与され得る。いくつかの実施形態では、化合物(A)(その薬学的に許容される塩を含む)は、すべての化合物(B)、又はそれらの薬学的に許容される塩の投与後に投与され得る。
【0307】
本明細書に記載の化合物の組み合わせを使用するためのいくつかの利点が存在し得る。例えば、複数の経路を同時に攻撃する化合物を組み合わせることは、組み合わせの化合物が単剤療法として使用される場合と比較して、本明細書に記載のものなどのがんの治療においてより有効であり得る。
【0308】
いくつかの実施形態では、化合物(A)(その薬学的に許容される塩を含む)と化合物(B)のうちの1つ以上、又はそれらの薬学的に許容される塩との本明細書に記載の組み合わせは、化合物(B)、又はその薬学的に許容される塩などの本明細書に記載の化合物に起因し得る副作用の数及び/又は重症度を減少させることができる。
【0309】
本明細書に記載の化合物の組み合わせを使用すると、相加的、相乗的、又は強力な相乗効果がもたらされ得る。本明細書に記載の化合物の組み合わせは、拮抗性ではない効果をもたらし得る。
【0310】
いくつかの実施形態では、化合物(A)(その薬学的に許容される塩を含む)と化合物(B)のうちの1つ以上、又はそれらの薬学的に許容される塩との本明細書に記載の組み合わせは、相加効果をもたらし得る。いくつかの実施形態では、化合物(A)(その薬学的に許容される塩を含む)と化合物(B)のうちの1つ以上、又はそれらの薬学的に許容される塩との本明細書に記載の組み合わせは、相乗効果をもたらし得る。いくつかの実施形態では、化合物(A)(その薬学的に許容される塩を含む)と化合物(B)のうちの1つ以上、又はそれらの薬学的に許容される塩との本明細書に記載の組み合わせは、強く相乗効果をもたらし得る。いくつかの実施形態では、化合物(A)(その薬学的に許容される塩を含む)と化合物(B)のうちの1つ以上、又はそれらの薬学的に許容される塩との本明細書に記載の組み合わせは、拮抗性ではない。
【0311】
本明細書で使用される場合、「拮抗性」という用語は、各化合物の活性が個々に(すなわち、単一の化合物として)決定される場合、化合物の組み合わせの活性が、組み合わせた化合物の活性の合計と比較してより少ないことを意味する。本明細書で使用される場合、「相乗効果」という用語は、各化合物の活性が個々に決定される場合、化合物の組み合わせの活性が、組み合わせた化合物の個々の活性の合計よりも大きいことを意味する。本明細書で使用される場合、「相加効果」という用語は、各化合物の活性が個々に決定される場合、化合物の組み合わせの活性が、組み合わせた化合物の個々の活性の合計とほぼ等しいことを意味する。
【0312】
本明細書に記載の組み合わせを利用する潜在的な利点は、各化合物が単剤療法として投与される場合と比較して、本明細書に開示の疾患病態を治療するのに有効である化合物の必要量の低減であり得る。例えば、本明細書に記載の組み合わせで使用される化合物(B)、又はその薬学的に許容される塩の量は、単剤療法として投与される場合、疾患マーカー(例えば、腫瘍サイズ)の同じ低減を達成するために必要な化合物(B)、又はその薬学的に許容される塩の量と比較してより少なくてもよい。本明細書に記載の組み合わせを利用する別の潜在的な利点は、異なる作用機序を有する2つ以上の化合物の使用が、化合物が単剤療法として投与される場合と比較して、耐性の発生に対するより高いバリアを生じ得ることである。本明細書に記載の組み合わせを利用する追加の利点としては、本明細書に記載の組み合わせの化合物間にほとんど若しくはまったく交差耐性がないこと、本明細書に記載の組み合わせの化合物を除去するための異なる経路、及び/又は本明細書に記載の組み合わせの化合物間の重複毒性がほとんどないか、若しくはまったくないことが挙げられ得る。
【0313】
医薬組成物
化合物(A)(その薬学的に許容される塩を含む)は、医薬組成物中に提供され得る。同様に、化合物(B)(その薬学的に許容される塩を含む)は、医薬組成物中に提供され得る。
【0314】
「医薬組成物」という用語は、本明細書に開示の1つ以上の化合物及び/又は塩と、希
釈剤、担体、及び/又は賦形剤などの他の化学構成成分との混合物を指す。医薬組成物は、生物への化合物の投与を容易にする。医薬組成物はまた、化合物を、無機又は有機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、及びサリチル酸と反応させることによって得られ得る。医薬組成物は、一般に、意図される具体的な投与経路に合わせて調整される。
【0315】
本明細書で使用される場合、「担体」は、細胞又は組織への化合物の組み込みを促進する化合物を指す。例えば、限定するものではないが、ジメチルスルホキシド(dimethyl sulfoxide、DMSO)は、対象の細胞又は組織への多くの有機化合物の取り込みを促進する、一般的に利用される担体である。
【0316】
本明細書で使用される場合、「希釈剤」は、明らかな薬理活性はないが、薬学的に必要又は望ましくあり得る、医薬組成物中の成分を指す。例えば、希釈剤は、製造及び/又は投与には質量が小さ過ぎる、効力のある薬物のかさ増しのために使用されてもよい。それはまた、注射、摂取、又は吸入によって投与される薬物を溶解させるための液体であってもよい。当該技術分野において一般的な希釈剤の形態は、限定するものではないが、ヒト血液のpH及び等張性を模したリン酸緩衝生理食塩水などの、緩衝水溶液である。
【0317】
本明細書で使用される場合、「賦形剤」は、限定するものではないが、かさ、稠度、安定性、結合能力、潤滑、崩壊能力などを組成物に提供するために、医薬組成物に添加される、本質的に不活性の物質を指す。例えば、酸化防止剤及び金属キレート剤などの安定剤は、賦形剤である。一実施形態では、医薬組成物は、酸化防止剤及び/又は金属キレート剤を含む。「希釈剤」は、ある種の賦形剤である。
【0318】
いくつかの実施形態では、化合物(B)は、その薬学的に許容される塩と共に、化合物(A)(その薬学的に許容される塩を含む)を含む医薬組成物において、提供することができる。他の実施形態では、化合物(B)は、その薬学的に許容される塩と共に、化合物(A)(その薬学的に許容される塩を含む)を含む医薬組成物とは別個である医薬組成物において、投与することができる。
【0319】
本明細書に記載の医薬組成物は、ヒト患者にそれ自体で、あるいはそれらが、併用療法におけるような他の活性成分、又は担体、希釈剤、賦形剤、若しくはそれらの組み合わせと混合される医薬組成物において、投与することができる。適切な製剤設計は、選択される投与経路による。本明細書に記載の化合物の製剤設計及び投与のための技術は、当業者に既知である。
【0320】
本明細書に開示の医薬組成物は、例えば、従来の混合、溶解、顆粒化、ドラジェ作製、水簸、乳化、カプセル化、封入、又は錠剤化プロセスによって、それ自体が既知である様式で製造され得る。加えて、活性成分が、その意図した目的を達成するために有効な量で含有される。本明細書に開示の薬剤の組み合わせで使用される化合物の多くは、薬学的に適合する対イオンを有する塩として提供されてもよい。
【0321】
筋肉内、皮下、静脈内、髄内注射、くも膜下、直接心室内、腹腔内、鼻腔内、及び眼内注射を含む、経口、直腸、肺内、局所、エアロゾル、注射、注入、及び非経口送達が挙げられるが、これらに限定されない、化合物、塩、及び/又は組成物を投与する複数の技術が当該技術分野において存在する。いくつかの実施形態では、化合物(A)(その薬学的に許容される塩を含む)は、経口投与されてもよい。いくつかの実施形態では、化合物(A)(その薬学的に許容される塩を含む)は、化合物(B)と、それらの薬学的に許容される塩と共に、同じ投与経路によって対象に提供されてもよい。他の実施形態では、化合物(A)(その薬学的に許容される塩を含む)は、化合物(B)と、それらの薬学的に許
容される塩と共に、異なる投与経路によって対象に提供されてもよい。
【0322】
また、全身的な様式ではなく局所的な様式で、例えば、多くの場合、デポー製剤又は持続放出製剤として化合物を患部に直接注射又は埋め込むことによって化合物、塩、及び/又は組成物を投与してもよい。更に、標的化した薬物送達システムで、例えば、組織特異的抗体でコーティングされたリポソームで化合物を投与することができる。リポソームは、臓器に対して標的化され、かつ臓器により選択的に取り込まれる。例えば、呼吸器の疾患又は病態を標的とするための鼻腔内又は肺内送達が望ましくあり得る。
【0323】
組成物は、所望される場合、活性成分を含有する1つ以上の単位剤形を含み得る、パック又はディスペンサデバイス中に提供されてもよい。パックは、例えば、ブリスタパックなどの金属又はプラスチック箔を含んでもよい。パック又はディスペンサデバイスには、投与に関する指示書が添付されていてもよい。パック又はディスペンサはまた、薬剤の製造、使用、又は販売を規制する行政機関によって規定された形式の、容器と関連する注意書きが添付されていてもよく、その注意書きは、ヒト又は動物投与のための薬物の形態の機関による承認を反映する。そのような注意書きは、例えば、処方薬に関し米国食品医薬品局によって承認されたラベル、又は承認された製品添付文書であってもよい。適合する薬学的担体中で製剤化される本明細書に記載の化合物及び/又は塩を含むことができる組成物はまた、示された病態の治療のために調製され、適切な容器内に配置され、かつラベル付けされてもよい。
【0324】
使用及び治療方法
本明細書で提供される場合、いくつかの実施形態では、有効量の化合物(A)(その薬学的に許容される塩を含む)、及び有効量の化合物(B)のうちの1つ以上、又はそれらの薬学的に許容される塩を含む化合物の組み合わせを使用して、疾患又は病態を治療することができる。
【0325】
薬学的に許容される塩と共に化合物の組み合わせよって治療され得る疾患又は病態の例としては、本明細書に記載のものなどの悪性腫瘍、がん、及び症候群が挙げられる。いくつかの実施形態では、疾患又は病態は、血液悪性腫瘍であり得る。例示的な血液悪性腫瘍は、白血病、リンパ腫、又は骨髄腫である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、難治性であり得る。いくつかの実施形態では、疾患又は病態は、急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia、AML)(サブタイプTP53野生型AML、TP53変異体AML、難治性AML、急性前骨髄球性白血病、急性好塩基性白血病、及び療法関連AMLなどのそのサブタイプを含む)、慢性リンパ性白血病(chronic lymphocytic leukemia、CLL)(有毛細胞白血病及び小リンパ球性リンパ腫を含むがこれらに限定されない)、急性リンパ芽球性白血病(acute lymphoblastic leukemia、ALL)、(B細胞、T細胞、及びETPの特異化を含むが、これらに限定されない)、及び慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia、CML)(慢性骨髄性白血病(chronic myelogenous leukemia))を含むが、これらに限定されない白血病であり得る。
【0326】
いくつかの実施形態では、疾患又は病態は、骨髄異形成症候群であり得る。いくつかの実施形態では、疾患又は病態は、真性多血症(polycythemia vera、PV)、骨髄線維症
(myelofibrosis、MF)、及び本態性血小板血症(essential thrombocythemia、ET)などの骨髄増殖性腫瘍新生物(myeloproliferative neoplasm、MPN)、であり得る。
【0327】
本明細書に記載されるように、本明細書に記載の化合物の組み合わせを使用して、リンパ腫を治療及び/又は寛解することができる。例示的なリンパ腫としては、非ホジキンリンパ腫(NHL)(マントル細胞リンパ腫(mantle cell lymphoma、MCL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma、DLBCL)、濾胞性リン
パ腫(follicular lymphoma、FL)、辺縁帯リンパ腫(marginal zone lymphoma、MZ
L)、末梢性T細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、NKリンパ腫、Burkittリンパ腫、及びワルデンシュトレームマクログロブリン血症を含むが、これらに限定されない)が挙げられるが、これらに限定されない。化合物(その薬学的に許容される塩を含む)の組み合わせを使用して、骨髄腫も治療することができる。治療することができる骨髄腫の例としては、多発性骨髄腫(multiple myeloma、MM)(転座(11;14)及び非転座(11;)を含むが、これらに限定されない)が挙げられるが、これに限定されない。本明細書に記載されるように、本明細書に記載の化合物の組み合わせを使用して、全身性肥満細胞症、及び芽球形質細胞様樹状細胞新生物を治療及び/又は寛解することができる。
【0328】
本明細書に記載の疾患又は病態は、成人又は小児対象にあり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のものなどの疾患又は病態に罹患している対象は、小児対象であり得る。いくつかの実施形態では、疾患又は病態は、小児血液悪性腫瘍、例えば、小児AML及び/又は小児ALLであり得る。
【0329】
本明細書に記載の化合物の組み合わせを使用して、固形腫瘍を治療及び/又は寛解することができる。例えば、いくつかの実施形態では、固形腫瘍は、ユーイング腫瘍及びウィルムスがんから選択され得る。本明細書に記載の化合物(その薬学的に許容される塩を含む)の組み合わせによって治療され得る固形腫瘍の追加の例は、膀胱がん、脳がん、乳がん(ER+乳がん及びトリプルネガティブ乳がんを含むが、これらに限定されない)、子宮頸がん(cervical cancer)、絨毛がん、頸大脳がん(cervicocerebral cancer)、結
腸がん、子宮内膜がん、食道がん、胆のう/胆管がん、頭頸部がん(口腔がんを含む)、肝細胞がん、肺がん(非小細胞がん及び小細胞肺がんを含む)、中皮腫、卵巣がん、骨肉腫、膵臓がん、陰茎がん、肛門がん、前立腺がん、小細胞がん、胃がん、直腸がん、腎盂/尿管がん、皮膚がん、軟部組織肉腫、胃がん、精巣がん、甲状腺がん、子宮体がん、及び子宮頸がん(uterocervical cancer)である。いくつかの実施形態では、疾患又は病態は、BCL-2タンパク質を発現するがんであり得る。
【0330】
本明細書で使用される場合、「対象」とは、治療、観察、又は実験の対象である動物を指す。「動物」には、冷血及び温血の脊椎動物及び無脊椎動物、例えば、魚、甲殻類、爬虫類、及び特に、哺乳類が含まれる。「哺乳類」には、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、イヌ、ネコ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ウマ、霊長類、例えば、サル、チンパンジー、及び類人猿、並びに特に、ヒトが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、対象はヒトであり得る。いくつかの実施形態では、対象は、小児及び/又は乳児、例えば、発熱した小児又は乳児であり得る。他の実施形態では、対象は、成人であり得る。
【0331】
本明細書で使用される場合、「治療する」、「治療すること」、「治療」、「治療的」、及び「療法」という用語は、必ずしも疾患又は病態の完全な治癒又は消滅を意味するとは限らない。疾患又は病態の任意の望ましくない兆候又は症状の任意の程度の任意の緩和が、治療及び/又は療法とみなされ得る。更に、治療は、対象の健康又は外観についての総合的な感覚を悪化させ得る行為を含み得る。
【0332】
「有効量」という用語は、示される生物学的又は医学的応答を誘発する、活性化合物又は薬剤の量を示すために使用される。例えば、化合物、塩、又は組成物の有効量は、疾患若しくは病態の症状を予防、緩和、若しくは寛解するか、又は治療される対象の生存を延長するために必要な量であり得る。この応答は、組織、系、動物、又はヒトにおいて生じ得、治療される疾患又は病態の兆候又は症状の緩和を含む。有効量の決定は、本明細書に提供される開示を考慮して、十分当業者の能力の範囲内である。用量として必要とされる
本明細書に開示の化合物の有効量は、投与経路、治療されているヒトを含む動物の種類、及び考慮中の特定の動物の身体特性によって決まる。用量は、所望の効果を達成するように合わせて調整され得るが、体重、食生活、併用投薬、及び医療分野の当業者が認識するであろう他の要因などの要因によって決まる。
【0333】
例えば、化合物又は放射線の有効量は、(a)がんによって引き起こされる1つ以上の症状の軽減、緩和、若しくは消失、(b)腫瘍サイズの低減、(c)腫瘍の除去、及び/又は(d)腫瘍の長期疾患安定化(成長停止)をもたらす量である。
【0334】
治療で使用するために必要とされる化合物、塩、及び/又は組成物の量は、選択される特定の化合物又は塩だけではなく、投与経路、治療されている疾患又は病態の性質及び/又は症状、並びに患者の年齢及び病態によっても異なり、最終的に、主治医又は臨床医の判断による。薬学的に許容される塩の投与の場合、投与量は、遊離塩基として計算され得る。当業者によって理解されるように、ある特定の状況において、特に進行性の疾患又は病態を効果的かつ積極的に治療するために、本明細書に記載の投与量範囲を超えるか、又ははるかに超えさえする量で、本明細書に開示の化合物を投与することが必要であり得る。
【0335】
化合物(A)及び化合物(B)(それらの薬学的に許容される塩と共に)の様々な投与量は、本明細書に記載の組み合わせで使用され得る。いくつかの実施形態では、化合物(A)、又はその薬学的に許容される塩は、20~500mg/日の範囲の量で投薬され得る。いくつかの実施形態では、化合物(B)、又はその薬学的に許容される塩は、20~500mg/日の範囲の量で投薬され得る。例えば、化合物(A)及び/又は化合物(B)(それらの薬学的に許容される塩を含む)は、約50mg/日、約60mg/日、約70mg/日、約80mg/日、約90mg/日、約100mg/日、約110mg/日、約120mg/日、約130mg/日、約140mg/日、約150mg/日、約160mg/日、約170mg/日、約180mg/日、約190mg/日、約200mg/日、約210mg/日、約220mg/日、約230mg/日、約240mg/日、約250mg/日、約260mg/日、約270mg/日、約280mg/日、約290mg/日、約300mg/日、約310mg/日、約320mg/日、約330mg/日、約340mg/日、約350mg/日、約360mg/日、約370mg/日、約380mg/日、約390mg/日、約400mg/日、約410mg/日、約420mg/日、約430mg/日、約440mg/日、約450mg/日、約460mg/日、約470mg/日、約480mg/日、約490mg/日、又は約500mg/日の投与量であり得る。いくつかの実施形態では、化合物(A)、又はその薬学的に許容される塩は、200~400mg/日の範囲の量で投薬され得る。いくつかの実施形態では、化合物(B)、又はその薬学的に許容される塩は、200~400mg/日の範囲の量で投薬され得る。
【0336】
化合物(A)及び化合物(B)(それらの薬学的に許容される塩と共に)の様々な投与量は、本明細書に記載の組み合わせで使用され得る。いくつかの実施形態では、化合物(A)、又はその薬学的に許容される塩は、20~500mgの範囲の量で投薬され得る。いくつかの実施形態では、化合物(B)、又はその薬学的に許容される塩は、20~500mgの範囲の量で投薬され得る。例えば、化合物(A)及び/又は化合物(B)(それらの薬学的に許容される塩を含む)は、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約230mg、約240mg、約250mg、約260mg、約270mg、約280mg、約290mg、約300mg、約310mg、約320mg、約330mg、約340mg、約350mg、約360mg、約370mg、約380mg、約390mg、約400mg、約410mg、約420mg、約
430mg、約440mg、約450mg、約460mg、約470mg、約480mg、約490mg、又は約500mgで投薬され得る。いくつかの実施形態では、化合物(A)、又はその薬学的に許容される塩は、200~400mgの範囲の量で投薬され得る。いくつかの実施形態では、化合物(B)、又はその薬学的に許容される塩は、200~400mgの範囲の量で投薬され得る。
【0337】
当業者には容易に明らかになるように、投与される有用なインビボ投与量及び特定の投与方法は、年齢、体重、苦痛の重症度、及び治療される哺乳動物種、用いられる特定の化合物、並びにこれらの化合物が用いられる特定の用途に応じて異なる。有効な投与量レベル、つまり所望の結果を達成するために必要な投与量レベルの判定は、日常的な方法、例えば、ヒト臨床試験、インビボ研究、及びインビトロ研究を使用して、当業者によって達成され得る。例えば、化合物(A)及び/若しくは(B)、又は前述のうちのいずれかの薬学的に許容される塩の有用な投与量は、動物モデルにおけるそれらのインビトロ活性及びインビボ活性を比較することによって決定され得る。そのような比較は、シスプラチン及び/又はゲムシタビン)などの確立された薬物との比較によって行われ得る。
【0338】
投与量及び間隔は、活性部分が調節作用又は最小有効濃度(minimal effective concentration、MEC)を維持するのに十分である血漿濃度を提供するように、個々に調節さ
れてもよい。MECは、各化合物に関して異なるが、インビボ及び/又はインビトロデータから推定され得る。MECを達成するために必要な投与量は、個々の特性及び投与経路に依存する。しかしながら、血漿濃度を測定するためにはHPLCアッセイ又はバイオアッセイが使用され得る。投与間隔もまたMEC値を使用して判定され得る。組成物は、10~90%の期間、好ましくは30~90%、最も好ましくは50~90%にわたって、MECを超える血漿濃度を維持するレジメンを使用して投与されるべきである。局所投与又は選択的取り込みの場合、薬物の有効局所濃度は、血漿濃度に関係しない場合がある。
【0339】
毒性又は臓器機能不全により、投与の終了、中断、又は調節の方法及び時期について主治医が把握するであろうことに留意されたい。反対に、主治医は、臨床応答が適切ではない(毒性を除外する)場合、治療をより高いレベルに調節することも知っている。対象となる疾患の管理において投与される用量の大きさは、治療しようとする疾患又は病態の重症度並びに投与経路によって変動する。疾患又は病態の重症度は、例えば、部分的には、標準的な予後評価方法によって評価されてもよい。更に、用量及び恐らく投薬回数はまた、個々の患者の年齢、体重、及び応答によっても変動する。上記で考察されるものに相当するプログラムが、獣医学で使用されてもよい。
【0340】
本明細書に開示の化合物、塩、及び組成物は、既知の方法を使用して有効性及び毒性に関して評価され得る。例えば、ある特定の化学部分を共有する特定の化合物又は化合物のサブセットについての毒性学は、哺乳動物、及び好ましくはヒト細胞株などの細胞株に対するインビトロ毒性を評価することによって確立され得る。そのような研究の結果は、多くの場合、哺乳動物、又は特にヒトなどの動物における毒性を予測する。代替的に、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、又はサルなどの動物モデルにおける特定の化合物の毒性は、既知の方法を使用して判定され得る。特定の化合物の有効性は、インビトロ方法、動物モデル、又はヒト臨床試験などのいくつかの認められている方法を使用して確立され得る。有効性を判定するためのモデルを選択する場合、当業者は、適切なモデル、用量、投与経路、及び/又はレジメンを選択するにあたり最先端の技術を指針とすることができる。
【実施例】
【0341】
特許請求の範囲の範囲を決して限定するものではない、更なる実施形態が、以下の実施例において更に詳細に開示される。
【0342】
CTGアッセイ
細胞増殖は、CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viabilityアッセイを使用して測定した。このアッセイは、血清を添加した培地で培養された細胞への単一の試薬(CellTiter-Glo(登録商標)試薬)の直接の添加を含んだ。RS4;11(ATC、CRL-1873)細胞を、ATCC推奨に従って培養し、ウェル当たり50,000個の細胞で播種した。MV4-11(ATCC、CRL-9591)、Toledo(ATCC、CRL-2631)、MCF-7(ATCC、HTB-22)、及びDMS-53(ATCC、CRL-2062)細胞を、ATCC推奨に従って培養し、ウェル当たり20,000個の細胞で播種した。
【0343】
化合物5(遊離塩基)及び化合物1a(遊離塩基)をDMSOストック溶液(10mM)として調製した。RS4;11、MV4-11、Toledo、及びDMS-53細胞株について、化合物を、表1に示すそれぞれのIC50濃度を使用して3回試験した。MCF-7組み合わせアッセイを、化合物5及び1aについて10点連続希釈曲線(1:3希釈)、及び組み合わせて処置した場合、10点連続希釈曲線(1:5希釈)で2回行った。最高化合物濃度は10μMであり、最終のDMSOの濃度は0.1%であった。プレートを37℃、5%CO2で、72時間インキュベートし、次いで室温で約30分間平衡化した。等体積量のCellTiter-Glo(登録商標)試薬(100μL)を各ウェルに添加した。プレートをオービタルシェーカで2分間混合して、細胞溶解を誘導し、次いで、室温で10分間インキュベートして、発光シグナルを安定化させた。発光(relative light unit、RLU(相対光単位))を、CellTiter-Gloプロトコル
に従ってSpectraMAX、M5eプレートリーダーを使用して記録した。阻害パーセントを、以下の式を使用して計算した:%阻害=(RLU*100/(細胞バックグラウンドのRLU))。各化合物のIC50を、非線形回帰分析によってGraphPad
Prismを使用して計算した。
【0344】
図3及び
図4は、表2及び3と共に、化合物5の化合物1a(あるいは、本明細書及び図全体を通して「化合物1A」と称される)への添加が併用有効性をもたらしたことを示す。
【0345】
【0346】
【0347】
異種移植腫瘍モデル
マウスに、腫瘍発生のために血清を含まない100μLのIMDMマトリゲル混合物(1:1比)中の95%生存腫瘍細胞(1×10
7)の単細胞懸濁液で、右脇腹の皮下にHL-60細胞を接種した。平均腫瘍サイズが約215mm
3に達したときに処置を開始し、個々の腫瘍サイズは、185~245mm
3の範囲であった。動物を、各々10匹の動物の処置群にランダムに配分し、ビヒクル及び示された化合物を、
図5及び表4に示す、示された投与量及び頻度で投薬した。化合物5を遊離塩基として投薬し、化合物1aを遊離塩基として投薬した。
図5において、底部線(菱形で示される)は、化合物5(50mg/kg)+化合物1a(80mg/kg)のデータを表し、底部から第2の線(三角形で示される)は、化合物5(50mg/kg)+化合物1a(60mg/kg)のデータを表し、底部から第3の線(菱形で示される)は、化合物5(50mg/kg)のデータを表す。腫瘍体積を週に2回評価して、腫瘍体積を経時的に計算し、マウスを毒性の兆候の代理として週に2回秤量した。腫瘍成長阻害(tumor growth inhibition、TGI)を
、以下の式を使用して計算した:TGI=(1-(Td-T0)/(Cd-C0))×100%。Td及びCdは、処置された動物及び対照動物の平均腫瘍体積であり、T0及びC0は、実験開始時の処置された動物及び対照動物の平均腫瘍体積である。腫瘍退縮を、個々の腫瘍体積(tumor volume、TV)減少(初期TVと比較した末期TV)として定義した。腫瘍退縮率は、以下の式を使用して計算した:(1-(Td/T0))×100%。
図5及び表4は、60又は80mg/kgでの化合物1aの単剤処置は腫瘍成長阻害をもたらさず、化合物5を用いた単剤処置がわずかな有効性(30%)をもたらしたことを例示する。化合物5(50mg/kg)と化合物1a(60mg/kg)との組み合わせは、著しいTGIを示し、18日目に10個の腫瘍のうち8個の完全な退縮をもたらした。化合物5(50mg/kg)と化合物1a(80mg/kg)との組み合わせは、著しいTGIを示し、18日目に10個の腫瘍のうち9個の完全な退縮をもたらした。本明細書で提供されるデータは、本明細書に記載のBcl-2阻害剤とWEE1阻害剤との組み合わせを使用して、本明細書に記載の疾患又は病態を治療することができることを示す。
【0348】
【0349】
その上、上文は、明確さと理解のために、図及び実施例としてある程度詳細に記述されているが、本開示の趣旨を逸脱することなく数多くの様々な修正がなされ得ることが、当業者によって理解される。したがって、本明細書に開示される形態は例示にすぎず、本開
示の範囲を限定することは意図されていないが、それどころか本発明の真の範囲及び趣旨に沿ったすべての修正及び代替形態を包含することも明確に理解するべきである。