(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-07
(45)【発行日】2025-02-18
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20250210BHJP
G06F 11/32 20060101ALI20250210BHJP
G06F 11/07 20060101ALI20250210BHJP
【FI】
H04N7/18 A
H04N7/18 D
G06F11/32 150
G06F11/07 175
(21)【出願番号】P 2023112221
(22)【出願日】2023-07-07
【審査請求日】2023-07-07
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯村 徹男
(72)【発明者】
【氏名】▲裴▼ 秉哲
(72)【発明者】
【氏名】大成 高顕
(72)【発明者】
【氏名】野田 智史
(72)【発明者】
【氏名】東脇 秀臣
【審査官】塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-154341(JP,A)
【文献】特開2022-159912(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0012072(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
G06F 11/32
G06F 11/07
G01N 21/84-21/958
G08B 19/00-21/24
G06T 1/00
G06T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影画像を取得する撮影部に接続された第1情報処理装置と、前記第1情報処理装置と通信する第2情報処理装置と、を備えた情報処理システムであって、
前記第2情報処理装置は、
前記撮影画像、および前記撮影画像に含まれる確認対象の写り込んだ確認対象画像領域を構成する画素値の平均値を変換規則に沿って変換した数値化データ、を受信する受信部と、
1コマの前記撮影画像ごとに変換された前記数値化データを前記変換規則に基づいて前記確認対象画像領域に写り込んだ前記確認対象の状況を表す状況画像に変換する変換部と、
前記撮影画像に前記状況画像を重畳した重畳画像を表示する表示制御部と、
を備え
、
前記変換規則は、
二値化のための1個の閾値と、前記確認対象画像領域を構成する画素値の前記平均値の二値化後の数値の各々によって表される前記確認対象画像領域の状況情報と、によって表され、
前記数値化データは、
前記確認対象画像領域を構成する画素値の前記平均値を前記変換規則によって表される前記閾値を用いて二値化した二値化データであり、
前記確認対象が、点滅するライトであり、
前記状況情報が、消灯または点灯を表す、
情報処理システム。
【請求項2】
前記受信部は
前記撮影画像の撮影時未満のフレームレートで前記撮影画像を受信し、
前記撮影画像より高いフレームレートで前記数値化データを受信する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記確認対象画像領域は、
前記撮影画像に含まれる、少なくとも2種類の状況変化の観察対象となる前記確認対象の写り込んだ領域である、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
撮影画像を撮影部から取得する取得部と、
前記撮影画像に含まれる確認対象の写り込んだ確認対象画像領域を構成する画素値の平均値を変換規則に沿って変換した数値化データを生成する生成部と、
前記撮影画像および1コマの前記撮影画像ごとに生成された前記数値化データを送信する通信制御部と、
を備え
、
前記変換規則は、
二値化のための1個の閾値と、前記確認対象画像領域を構成する画素値の前記平均値の二値化後の数値の各々によって表される前記確認対象画像領域の状況情報と、によって表され、
前記数値化データは、
前記確認対象画像領域を構成する画素値の前記平均値を前記変換規則によって表される前記閾値を用いて二値化した二値化データであり、
前記確認対象が、点滅するライトであり、
前記状況情報が、消灯または点灯を表す、
情報処理装置。
【請求項5】
撮影画像、および前記撮影画像に含まれる確認対象の写り込んだ確認対象画像領域を構成する画素値の平均値を変換規則に沿って変換した数値化データ、を受信する受信部と、
1コマの前記撮影画像ごとに変換された前記数値化データを前記変換規則に基づいて前記確認対象画像領域に写り込んだ前記確認対象の状況を表す状況画像に変換する変換部と、
前記撮影画像に前記状況画像を重畳した重畳画像を表示する表示制御部と、
を備え
、
前記変換規則は、
二値化のための1個の閾値と、前記確認対象画像領域を構成する画素値の前記平均値の二値化後の数値の各々によって表される前記確認対象画像領域の状況情報と、によって表され、
前記数値化データは、
前記確認対象画像領域を構成する画素値の前記平均値を前記変換規則によって表される前記閾値を用いて二値化した二値化データであり、
前記確認対象が、点滅するライトであり、
前記状況情報が、消灯または点灯を表す、
情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータに実行させるための情報処理プログラムであって、
撮影画像を撮影部から取得するステップと、
前記撮影画像に含まれる確認対象の写り込んだ確認対象画像領域を構成する画素値の平均値を変換規則に沿って変換した数値化データを生成するステップと、
前記撮影画像および1コマの前記撮影画像ごとに生成された前記数値化データを送信するステップと、
を含み、
前記変換規則は、
二値化のための1個の閾値と、前記確認対象画像領域を構成する画素値の前記平均値の二値化後の数値の各々によって表される前記確認対象画像領域の状況情報と、によって表され、
前記数値化データは、
前記確認対象画像領域を構成する画素値の前記平均値を前記変換規則によって表される前記閾値を用いて二値化した二値化データであり、
前記確認対象が、点滅するライトであり、
前記状況情報が、消灯または点灯を表す、
情報処理プログラム。
【請求項7】
コンピュータに実行させるための情報処理プログラムであって、
撮影画像、および前記撮影画像に含まれる確認対象の写り込んだ確認対象画像領域を構成する画素値の平均値を変換規則に沿って変換した数値化データ、を受信するステップと、
1コマの前記撮影画像ごとに変換された前記数値化データを前記変換規則に基づいて前記確認対象画像領域に写り込んだ前記確認対象の状況を表す状況画像に変換するステップと、
前記撮影画像に前記状況画像を重畳した重畳画像を表示するステップと、
を含み、
前記変換規則は、
二値化のための1個の閾値と、前記確認対象画像領域を構成する画素値の前記平均値の二値化後の数値の各々によって表される前記確認対象画像領域の状況情報と、によって表され、
前記数値化データは、
前記確認対象画像領域を構成する画素値の前記平均値を前記変換規則によって表される前記閾値を用いて二値化した二値化データであり、
前記確認対象が、点滅するライトであり、
前記状況情報が、消灯または点灯を表す、
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理システム、情報処理装置、および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
遠隔地に存在する確認対象を遠隔監視するシステムが知られている。例えば、遠隔地の確認対象の撮影画像を管理サーバ等に送信し、管理サーバ側で撮影画像を確認することで確認対象を監視するシステムが知られている。また、撮影画像を解析することで、確認対象の一例である生産設備の稼働状態等を分析するシステムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-305259号公報
【文献】特開2002-132324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら遠隔地の確認対象の状況を細部まで確認するためには、高画質および高フレームレートで受信した撮影画像を用いて解析を行う必要がある。しかし、通信状況によっては画質低下、および映像遅延やコマ落ち等による低フレームレート化、等が発生する場合があり、確認対象の状況を高精度に確認可能に提供することが困難となる場合があった。
【0005】
本発明の課題は、確認対象の状況を高精度に確認可能に提供することができる、情報処理システム、情報処理装置、および情報処理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の情報処理システムは、撮影画像を取得する撮影部に接続された第1情報処理装置と、前記第1情報処理装置と通信する第2情報処理装置と、を備えた情報処理システムである。第2情報処理装置は、受信部と、変換部と、表示制御部と、を備える。受信部は、前記撮影画像、および前記撮影画像に含まれる確認対象の写り込んだ確認対象画像領域を構成する画素値の平均値を変換規則に沿って変換した数値化データ、を受信する。変換部は、1コマの前記撮影画像ごとに変換された前記数値化データを前記変換規則に基づいて前記確認対象画像領域に写り込んだ前記確認対象の状況を表す状況画像に変換する。表示制御部は、前記撮影画像に前記状況画像を重畳した重畳画像を表示する。前記変換規則は、二値化のための1個の閾値と、前記確認対象画像領域を構成する画素値の前記平均値の二値化後の数値の各々によって表される前記確認対象画像領域の状況情報と、によって表され、前記数値化データは、前記確認対象画像領域を構成する画素値の前記平均値を前記変換規則によって表される前記閾値を用いて二値化した二値化データであり、前記確認対象が、点滅するライトであり、前記状況情報が、消灯または点灯を表す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理システムの構成の一例の模式図である。
【
図3】
図3は、通信制御部による第2情報処理装置への送信制御の一例の説明図である。
【
図5】
図5は、第1情報処理装置で実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、第2情報処理装置で実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明に係る情報処理システム、情報処理装置、および情報処理プログラムの実施形態について、図面を参照して説明する。
【0009】
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の構成の一例の模式図である。
【0010】
情報処理システム1は、第1情報処理装置10と、第2情報処理装置20と、撮影部30と、を備える。第1情報処理装置10と第2情報処理装置20とは、ネットワークNW等を介して通信可能に接続されている。第1情報処理装置10と撮影部30とは通信可能に直接接続されている。
【0011】
第1情報処理装置10は、第2情報処理装置20による遠隔監視の対象となる地点に配置された情報処理装置である。第1情報処理装置10は、撮影部30に接続されている。第1情報処理装置10は撮影部30を備えた構成であってもよい。
【0012】
撮影部30は、撮影によって撮影画像データを得る撮影装置である。撮影部30は、公知のデジタルカメラ等である。以下では、撮影画像データを単に撮影画像と称して説明する場合がある。撮影部30は、確認対象Cの撮影画像を取得する。
【0013】
確認対象Cとは、第1情報処理装置10に対して遠隔地に配置された第2情報処理装置20を操作するユーザによる確認の対象である。確認対象Cは、実空間における、少なくとも2種類の状況変化の観察対象となる要素である。言い換えると、確認対象Cは、実空間における、2種類以上の状況変化の生じる要素である。
【0014】
具体的には、例えば、確認対象Cは、点滅するLED(Light-Emitting Diode)等のライト、ディスプレイの表示画面における少なくとも一部の領域、放電、タービン等の回転部材、回転または回動されるバルブやダイヤル等の部材、水や油等の水滴、動作する人やロボット等の特定部分、遠隔操作ロボットの所定部分、等である。
【0015】
本実施形態では、確認対象Cが遠隔監視の対象となる地点に配置された設備Mに設けられた点滅するLEDである形態を一例として説明する。確認対象Cは、ユーザによる操作指示などによって設定される(詳細後述)。
【0016】
撮影部30は、確認対象Cを時系列に沿って連続して撮影し、撮影によって得られた撮影画像を撮影時のフレームレートで第1情報処理装置10へ順次出力する。このため、撮影部30から第1情報処理装置10へ、複数の撮影画像から構成される撮影映像が撮影時のフレームレートで出力される。撮影部30による撮影時のフレームレートは、例えば、30fps~60fps等であるが、この範囲に限定されない。撮影部30による撮影時のフレームレートは、30fps以上であることが好ましい。
【0017】
撮影部30は、確認対象Cを撮影した撮影画像を取得可能であればよく、実空間に固定されていてもよいし、実空間において移動可能に構成されていてもよい。本実施形態では、撮影部30がユーザまたは移動可能なロボット等の移動体によって支持されることで、移動可能に配置されている形態を一例として説明する。
【0018】
第1情報処理装置10は、撮影部30に接続された情報処理装置であり、第2情報処理装置20に対して遠隔地に配置されている。遠隔地とは、第2情報処理装置20との通信において、通信時の電波状況が一定ではなく、電波が弱く低速通信となる通信期間や、伝送遅延、送信する撮影画像40のコマ落ち等が発生し、リアルタイムな映像通信が困難となる通信期間を含みうる地点を意味する。
【0019】
第1情報処理装置10は、通信部12と、UI(ユーザインターフェース)部14と、記憶部16と、制御部18と、を備える。通信部12、UI部14、および記憶部16と、制御部18とは、バス等を介して通信可能に接続されている。撮影部30は、制御部18と通信可能に接続されている。
【0020】
通信部12は、外部の情報処理装置と通信する。本実施形態では、通信部12は、ネットワークNWを介して第2情報処理装置20と通信する。
【0021】
UI部14は、ユーザによる操作入力の受付および各種の情報の出力を行う。UI部14は、入力部14Aと、表示部14Bと、を備える。入力部14Aは、ユーザによる操作入力を受付けるキーボード等の入力デバイスである。表示部14Bは、各種の情報を表示するディスプレイである。記憶部16は、各種の情報を記憶する。記憶部16は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)や、メモリ等である。
【0022】
制御部18は、情報処理を実行する演算部である。
【0023】
制御部18は、設定部18Aと、取得部18Bと、生成部18Cと、通信制御部18Dと、を備える。設定部18A、取得部18B、生成部18C、および通信制御部18Dの少なくとも1つは、例えば、1または複数のプロセッサにより実現される。例えば、上記各部は、CPUなどのプロセッサにプログラムを実行させること、すなわちソフトウェアにより実現してもよい。上記各部は、専用のIC(Integrated Circuit)などのプロセッサ、すなわちハードウェアにより実現してもよい。上記各部は、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。複数のプロセッサを用いる場合、各プロセッサは、各部のうち1つを実現してもよいし、各部のうち2以上を実現してもよい。
【0024】
設定部18Aは、撮影画像に含まれる確認対象Cの写り込んだ確認対象画像領域の設定および変則規則の設定を行う。
【0025】
図2は、撮影画像40Aの一例の模式図である。撮影画像40Aは、撮影部30によって撮影された撮影画像40の一例である。
【0026】
ユーザは、撮影画像40Aを視認しながらUI部14を操作することで、所望の確認対象Cの写り込んだ領域を確認対象画像領域Tとして選択する。
図2には、撮影画像40Aに写り込んだ2つの点滅するLEDの領域がそれぞれ確認対象画像領域T1および確認対象画像領域T2として選択された状態を示す。確認対象画像領域T1および確認対象画像領域T2は、確認対象画像領域Tの一例である。
【0027】
撮影画像40Aに含まれる所定の領域が確認対象画像領域Tとして選択されることで、確認対象画像領域Tが設定されると共に、確認対象画像領域Tに写り込んだ対象が確認対象Cとして設定されることとなる。
【0028】
図1に戻り説明を続ける。設定部18Aは、撮影画像40に含まれる確認対象画像領域Tを記憶部16へ記憶する。
【0029】
また、設定部18Aは、撮影画像40Aに含まれる確認対象画像領域Tの変換規則を設定する。
【0030】
変換規則とは、確認対象画像領域Tを、確認対象画像領域Tに写り込んだ確認対象Cの状況を表す数値に変換するための変換規則である。
【0031】
確認対象画像領域Tに写り込んだ確認対象Cの状況とは、確認対象画像領域Tに写り込んだ2種類以上の状況変化の生じる要素である確認対象Cの状況を意味する。
【0032】
具体的には、確認対象Cが点滅するLEDである場合、該確認対象Cの状況は、例えば、「点灯」または「消灯」を意味する。また、確認対象Cが回転または回動されるバルブやダイヤル等の部材である場合、該確認対象Cの状況は、例えば、該部材の回転または回動の度合いを意味する。また、確認対象Cが放電である場合、該確認対象Cの状況は、例えば、放電現象の状況を意味する。また、確認対象Cが水や油等の水滴である場合、該確認対象Cの状況は、例えば、水滴の滴下量や漏れ量を意味する。
【0033】
数値化データとは、確認対象画像領域Tに写り込んだ確認対象Cの状況を表すデジタル値によって表されるデータである。デジタル値は、例えば、色や形等または数値等の判定結果等によって表される値であるが、該数値は整数に限定されない。例えば、数値化データは、確認対象画像領域Tを変換規則に沿ってP値化したP値化データである。Pは2以上の整数である。例えば、Pは、2種類以上の状況変化を表す確認対象Cの変化する状況の種類の数に一致する。
【0034】
数値化データがP値化データである場合、変換規則は、P値化のためのP-1個の閾値と、確認対象画像領域TのP値化後の数値の各々によって表される確認対象画像領域Tの状況情報と、によって表される。
【0035】
設定部18Aは、P値化のためのP-1個の閾値と、確認対象画像領域TのP値化後の数値の各々によって表される確認対象画像領域Tの状況情報と、を表す変換規則を、ユーザによる入力部14Aの操作指示などによって受け付けることで設定する。
【0036】
例えば、確認対象画像領域Tに写り込んだ確認対象CであるLEDの状況変化が、「点灯」と「消灯」との2種類の状況変化を表す場合を想定する。また、確認対象画像領域Tを確認対象画像領域Tに写り込んだ確認対象Cの状況を表す数値「0」または数値「1」に二値化した二値化データを、数値化データとして用いる場合を想定する。この場合、例えば、設定部18Aは、確認対象画像領域Tを構成する画素値の平均値の二値化に用いる閾値と、二値化後の数値「0」が確認対象Cの状況「消灯」を表し、二値化後の数値「1」が確認対象Cの状況「点灯」を表すことを示す状況情報を、変換規則として設定する。
【0037】
例えば、ユーザは、入力部14Aを操作することで、撮影画像40Aに含まれる確認対象画像領域Tを数値化データに変換するための変換規則を入力する。詳細には、ユーザは、二値化に用いる閾値および二値化後の数値の各々によって表される確認対象Cの状況情報を入力することで、変換規則を入力する。設定部18Aは、ユーザによる入力部14Aの操作指示によって入力された変換規則を受付けることで、変換規則を設定する。
【0038】
設定部18Aは、設定した変換規則を設定した確認対象画像領域Tに対応付けて記憶部16へ記憶する。また、設定部18Aは、設定した変換規則および確認対象画像領域Tを第2情報処理装置20へ送信する。確認対象画像領域Tおよび変換規則を受信した第2情報処理装置20は、受信した変換規則と確認対象画像領域Tとを対応付けて記憶し後述する各種の処理に用いる。
【0039】
なお、確認対象画像領域Tおよび変換規則の設定は、後述する第2情報処理装置20側で実行してもよい。本実施形態では、確認対象画像領域Tおよび変換規則の設定を、後述する第2情報処理装置20側で実行する形態を一例として説明する。
【0040】
この場合、第1情報処理装置10の設定部18Aは、撮影部30で撮影された撮影画像40を第1情報処理装置10へ送信する。そして、設定部18Aは、第2情報処理装置20から該撮影画像40を用いて設定された確認対象画像領域Tおよび変換規則を受信する。設定部18Aは、受信した確認対象画像領域Tおよび変換規則を対応付けて記憶部16へ記憶することで、これらの確認対象画像領域Tおよび変換規則を設定する。
【0041】
なお、数値化データは、確認対象画像領域Tに写り込んだ確認対象Cの状況を表す数値によって表されるデータであればよく、確認対象画像領域Tを変換規則に沿ってP値化したP値化データに限定されない。例えば、数値化データは、確認対象画像領域Tに写り込んだ確認対象Cの状況を予め定めた規則に沿って状況ごとに数値化したデータであってもよい。この場合、変換規則は、確認対象画像領域Tの状況を該数値に変換するための変換規則であればよい。詳細には、この場合、変換規則は、確認対象画像領域Tの状況を数値に変換するための規則と、変換後の数値の各々によって表される確認対象Cの状況情報と、によって表されればよい。
【0042】
本実施形態では、確認対象画像領域Tに写り込んだ確認対象CであるLEDの状況変化が、「点灯」と「消灯」との2種類の状況変化を表す場合を一例として説明する。また、確認対象画像領域Tを確認対象画像領域Tに写り込んだ確認対象Cの状況「消灯」を表す数値「0」または状況「点灯」を表す数値「1」に二値化した二値化データを、数値化データとして用いる場合を一例として説明する。
【0043】
取得部18B、生成部18C、および通信制御部18Dは、第1情報処理装置10および第2情報処理装置20の双方に上記変換規則が設定されると、以下の処理を実行する。
【0044】
取得部18Bは、撮影部30から撮影画像40を取得する。上述したように、撮影部30は、撮影によって得られた撮影画像40を撮影時のフレームレートで第1情報処理装置10へ順次出力する。このため、取得部18Bは、撮影部30による撮影時のフレームレートで複数の撮影画像40を順次取得する。
【0045】
生成部18Cは、撮影画像40に含まれる確認対象Cの写り込んだ確認対象画像領域Tを変換規則に沿って変換した数値化データを生成する。
【0046】
生成部18Cは、記憶部16に記憶されている確認対象画像領域Tを読取る。そして、生成部18Cは、取得した撮影画像40に含まれる確認対象画像領域Tをパターンマッチングや特徴量等を用いた公知の画像処理技術により特定する。そして、生成部18Cは、撮影画像40に含まれる特定した確認対象画像領域Tを、記憶部16に記憶されている変換規則に沿って数値化データに変換する。
【0047】
例えば、
図2に示すように、撮影画像40に含まれる確認対象画像領域T1および確認対象画像領域T2が確認対象画像領域Tとして設定された場面を想定する。この場合、生成部18Cは、新たに取得部18Bで取得した撮影画像40に含まれる確認対象画像領域T1および確認対象画像領域T2の各々を特定する。そして、生成部18Cは、特定した確認対象画像領域T1および確認対象画像領域T2の各々を、変換規則に沿って数値化データに変換する。
【0048】
例えば、変換規則が、確認対象画像領域Tを構成する画素値の平均値の二値化に用いる閾値と、二値化後の数値「0」が確認対象Cの状況「消灯」を表し、二値化後の数値「1」が確認対象Cの状況「点灯」を表すことを示す状況情報と、を含む場合を想定する。
【0049】
この場合、生成部18Cは、撮影画像40に含まれる特定した確認対象画像領域Tの画素値の平均値を、該変換規則に含まれる閾値を用いて二値化する。この二値化する変換処理によって、生成部18Cは、撮影画像40に含まれる確認対象画像領域T1および確認対象画像領域T2の各々を、該確認対象画像領域T1および確認対象画像領域T2の各々に写り込んだ確認対象Cの点滅の状況を表す数値「0」または数値「1」に変換する。この変換処理により、生成部18Cは、確認対象画像領域T1および確認対象画像領域T2の各々の数値化データを生成する。
【0050】
【0051】
通信制御部18Dは、取得部18Bで取得した撮影画像40および生成部18Cで生成された数値化データを第2情報処理装置20へ送信する。
【0052】
通信制御部18Dは、撮影画像40の撮影時未満のフレームレートで撮影画像40を第2情報処理装置20へ順次送信し、複数の撮影画像40の各々から順次生成した数値化データを撮影画像40より高いフレームレートで第2情報処理装置20へ順次送信する。すなわち、通信制御部18Dは、撮影時未満の低いフレームレートで撮影画像40を第2情報処理装置20へ順次送信し、撮影画像40より高いフレームレートで数値化データを第2情報処理装置20へ順次送信する。本実施形態では、通信制御部18Dは、撮影画像40の撮影時のフレームレートで数値化データを第2情報処理装置20へ順次送信する形態を一例として説明する。
【0053】
詳細には、通信制御部18Dは、撮影部30から順次送信される撮影画像40の取得を開始すると、Nコマ目の1コマ分の撮影画像40を第2情報処理装置20へ送信する。Nは1以上の整数である。コマは、フレーム、すなわち1枚分の撮影画像40を意味する。Nコマ目とは、撮影部30による撮影開始時に撮影された1コマ目の撮影画像40から時系列に沿って撮影画像40を計数したときのN番目の撮影画像40(コマ,フレーム)を意味する。
【0054】
また、通信制御部18Dは、該Nコマ目からMコマ分(Mは2以上の整数)の撮影画像40の各々に含まれる確認対象画像領域Tから生成部18Cによって生成された数値化データを、撮影部30による撮影画像40の撮影時のフレームレートで第2情報処理装置20へ順次送信する。
【0055】
そして、通信制御部18Dは、N+Mコマ目の撮影画像40から生成された数値化データを第2情報処理装置20へ送信すると、N+M+1を新たなNとし、新たなNコマ目の撮影画像40の第2情報処理装置20への送信およびMコマ分の数値化データの第2情報処理装置20への送信を繰り返す。
【0056】
これらの処理により、通信制御部18Dは、撮影部30から取得した1コマ分の撮影画像40を第2情報処理装置20へ送信するごとに、撮影部30から順次取得したMコマ分の撮影画像40の各々に含まれる確認対象画像領域Tの数値化データを第2情報処理装置20へ順次送信する。このため、通信制御部18Dは、低フレームレートで撮影画像40を第2情報処理装置20へ送信し、高フレームレートで数値化データを第2情報処理装置20へ送信する。Mの値は、低フレームレートで撮影画像40を第2情報処理装置20へ送信し、高フレームレートで数値化データを第2情報処理装置20へ送信するように、予め定めればよい。
【0057】
図3は、通信制御部18Dによる第2情報処理装置20への送信制御の一例の説明図である。
図3中、数値化データ42Aは、撮影画像40Bに含まれる確認対象画像領域T1のMコマ分の数値化データ42の一例である。数値化データ42Aは、Mコマ分の数値化データ42A1~数値化データ42AMを含む。数値化データ42Bは、撮影画像40Bに含まれる確認対象画像領域T2のMコマ分の数値化データ42の一例である。数値化データ42Bは、Mコマ分の数値化データ42B1~数値化データ42BMを含む。
【0058】
通信制御部18Dは、撮影部30から取得した1コマ分の撮影画像40Bを第2情報処理装置20へ送信するごとに、撮影部30から順次取得したMコマ分の撮影画像40の各々から生成したMコマ分の数値化データ42A1~数値化データ42AM、およびMコマ分の数値化データ42B1~数値化データ42BMを第2情報処理装置20へ順次送信する。このため、通信制御部18Dは、低フレームレートで撮影画像40Bを第2情報処理装置20へ送信し、高フレームレートで数値化データ42を第2情報処理装置20へ送信する。
【0059】
なお、通信制御部18Dは、撮影部30から取得した撮影画像40を撮影時の解像度未満に低解像度化した上で、第2情報処理装置20へ送信してもよい。
【0060】
図1に戻り説明を続ける。次に、第2情報処理装置20について説明する。
【0061】
第2情報処理装置20は、第1情報処理装置10および確認対象Cに対して遠隔地に配置された情報処理装置である。第2情報処理装置20は、例えば、確認対象Cを監視又は確認するユーザによって操作される。
【0062】
第2情報処理装置20は、通信部22と、UI部24と、記憶部26と、制御部28と、を備える。通信部22、UI部24、および記憶部26と、制御部28とは、バス等を介して通信可能に接続されている。
【0063】
通信部22は、外部の情報処理装置と通信する。本実施形態では、通信部22は、ネットワークNWを介して第1情報処理装置10と通信する。
【0064】
UI部24は、ユーザによる操作入力の受付および各種の情報の出力を行う。UI部24は、入力部24Aと、表示部24Bと、を備える。入力部24Aは、ユーザによる操作入力を受付けるキーボード等の入力デバイスである。表示部24Bは、各種の情報を表示するディスプレイである。記憶部26は、各種の情報を記憶する。記憶部26は、例えば、HDDや、メモリ等である。
【0065】
制御部28は、情報処理を実行する演算部である。
【0066】
制御部28は、設定部28Aと、受信部28Bと、変換部28Cと、表示制御部28Dと、を備える。設定部28A、受信部28B、変換部28C、および表示制御部28Dの少なくとも1つは、例えば、1または複数のプロセッサにより実現される。例えば、上記各部は、CPUなどのプロセッサにプログラムを実行させること、すなわちソフトウェアにより実現してもよい。上記各部は、専用のIC(Integrated Circuit)などのプロセッサ、すなわちハードウェアにより実現してもよい。上記各部は、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。複数のプロセッサを用いる場合、各プロセッサは、各部のうち1つを実現してもよいし、各部のうち2以上を実現してもよい。
【0067】
設定部28Aは、撮影画像40に含まれる確認対象Cの写り込んだ確認対象画像領域Tの設定および変則規則の設定を行う。
【0068】
設定部28Aは、第1情報処理装置10から撮影画像40を取得する。設定部28Aは、第1情報処理装置10から取得した撮影画像40を表示部24Bへ表示する。
【0069】
ユーザは、表示された撮影画像40を視認しながら入力部24Aを操作することで、所望の確認対象Cの写り込んだ領域を確認対象画像領域Tとして選択する。撮影画像40に含まれる所定の領域が確認対象画像領域Tとして選択されることで、確認対象画像領域Tが設定されると共に、確認対象画像領域Tに写り込んだ対象が確認対象Cとして設定される。設定部28Aは、撮影画像40に含まれる確認対象画像領域Tを記憶部26へ記憶する。
【0070】
また、設定部28Aは、撮影画像40に含まれる確認対象画像領域Tの変換規則を設定する。設定部28Aは、例えば、P値化のためのP-1個の閾値と、確認対象画像領域TのP値化後の数値の各々によって表される確認対象画像領域Tの状況情報と、を表す変換規則を、ユーザによる入力部24Aの操作指示などによって受け付けることで設定する。
【0071】
上述したように、本実施形態では、設定部28Aは、確認対象画像領域Tを構成する画素値の平均値の二値化に用いる閾値と、二値化後の数値「0」が確認対象Cの状況「消灯」を表し、二値化後の数値「1」が確認対象Cの状況「点灯」を表すことを示す状況情報を、変換規則として設定する場合を想定して説明する。
【0072】
例えば、ユーザは、入力部24Aを操作することで、撮影画像40に含まれる確認対象画像領域Tとして選択した領域を数値化データに変換するための変換規則を入力する。詳細には、ユーザは、二値化に用いる閾値および二値化後の数値の各々によって表される確認対象Cの状況情報を入力することで、変換規則を入力する。設定部28Aは、ユーザによる入力部24Aの操作指示によって入力された変換規則を受付けることで、変換規則を設定する。
【0073】
設定部28Aは、設定した変換規則を設定した確認対象画像領域Tに対応付けて記憶部26へ記憶する。また、設定部28Aは、設定した変換規則および確認対象画像領域Tを第1情報処理装置10へ送信する。確認対象画像領域Tおよび変換規則を受信した第1情報処理装置10は、これらを対応付けて記憶部16へ記憶する。
【0074】
なお、上述したように、確認対象画像領域Tおよび変換規則の設定は、第1情報処理装置10の設定部18Aで実行してもよい。この場合、設定部28Aは、設定部18Aで設定された確認対象画像領域Tおよび変換規則を第1情報処理装置10から受信する。設定部28Aは、受信した確認対象画像領域Tおよび変換規則を対応付けて記憶部26へ記憶することで、これらの確認対象画像領域Tおよび変換規則を設定する。
【0075】
受信部28Bは、撮影画像40および数値化データ42を第1情報処理装置10から受信する。
【0076】
詳細には、受信部28Bは、撮影部30による撮影画像40の撮影時未満のフレームレートで撮影画像40を受信し、撮影画像40より高いフレームレートで数値化データ42を受信する。例えば、受信部28Bは、撮影部30による撮影画像40の撮影時のフレームレートで数値化データ42を受信する。
【0077】
具体的には、例えば、受信部28Bは、1コマ分の撮影画像40を第1情報処理装置10から受信するごとに、Mコマ分の撮影画像40の各々に含まれる確認対象画像領域Tをそれぞれ変換した数値化データ42を第1情報処理装置10から受信する。
【0078】
変換部28Cは、1コマ分の数値化データ42を受信するごとに、受信した数値化データ42を変換規則に基づいて状況画像に変換する。状況画像とは、確認対象画像領域Tに写り込んだ確認対象Cの状況を表す画像である。
【0079】
例えば、変換規則が、確認対象画像領域Tを構成する画素値の平均値の二値化に用いる閾値と、二値化後の数値「0」が確認対象画像領域Tに写り込んだ確認対象Cの状況「消灯」を表し、二値化後の数値「1」が確認対象画像領域Tに写り込んだ確認対象Cの状況「点灯」を表すことを示す状況情報と、を含む場合を想定する。
【0080】
この場合、変換部28Cは、数値化データ42によって表される数値が「1」である場合、該数値化データ42によって表される確認対象画像領域Tに写り込んだ確認対象Cの状況「点灯」と判断する。そして、変換部28Cは、確認対象画像領域Tに写り込んだ確認対象Cの状況「点灯」を表す状況画像を生成する。
【0081】
また、変換部28Cは、数値化データ42によって表される数値が「0」である場合、該数値化データ42によって表される確認対象画像領域Tに写り込んだ確認対象Cの状況「消灯」と判断する。そして、変換部28Cは、確認対象画像領域Tに写り込んだ確認対象Cの状況「消灯」を表す状況画像を生成する。
【0082】
状況画像は、確認対象画像領域Tに写り込んだ確認対象Cの状況を確認可能な画像であればよい。例えば、状況「点灯」を表す状況画像は、確認対象画像領域Tに写り込んだ確認対象Cの状況が「点灯」であることを表す文字、色、枠等の強調画像、等の少なくとも1つの組み合わせによって表される。例えば、状況「消灯」を表す状況画像は、確認対象画像領域Tに写り込んだ確認対象Cの状況が「消灯」であることを表す文字、色、枠などの画像、等の少なくとも1つの組み合わせによって表される。
【0083】
また、変換部28Cは、確認対象画像領域Tに写り込んだ確認対象Cの各々の識別情報を更に含む状況画像を生成してもよい。
【0084】
表示制御部28Dは、撮影画像40に状況画像を重畳した重畳画像を生成し、表示部24Bに表示する。
【0085】
【0086】
図4Aは、重畳画像46Aの一例の模式図である。重畳画像46Aは、重畳画像46の一例である。
図4Aには、受信部28Bが
図3に示す撮影画像40Bと、数値化データ42A1および数値化データ42B1と、を受信し、変換部28Cが数値化データ42A1および数値化データ42B1の各々から状況画像44を生成した場合の、重畳画像46Aを一例として示す。
【0087】
例えば、変換部28Cは、数値化データ42A1によって表される数値「1」から、確認対象画像領域T1に写り込んだ確認対象Cの状況「点灯」を表す状況画像44Aを生成する。また、変換部28Cは、数値化データ42B1によって表される数値「1」から、確認対象画像領域T2に写り込んだ確認対象Cの状況「点灯」を表す状況画像44Bを生成する。状況画像44Aおよび状況画像44Bは、状況画像44の一例である。変換部28Cは、
図4Aに示すように、確認対象画像領域T1および確認対象画像領域T2の各々に写り込んだ確認対象Cの識別情報を含む状況画像44を生成してもよい。
【0088】
表示制御部28Dは、該数値化データ42A1および数値化データ42B1と同時または直前に受信した撮影画像40に含まれる確認対象画像領域T1および確認対象画像領域T2の各々上または近傍に、状況画像44Aおよび状況画像44Bをそれぞれ重畳することで、重畳画像46Aを生成する。そして、表示制御部28Dは、重畳画像46Aを表示部24Bに表示する。
【0089】
図4Bは、重畳画像46Bの一例の模式図である。重畳画像46Bは、重畳画像46の一例である。
図4Bには、受信部28Bが
図3に示す撮影画像40Bと、数値化データ42A2および数値化データ42B2と、を受信し、変換部28Cが数値化データ42A2および数値化データ42B2の各々から状況画像44を生成した場合の、重畳画像46Bを一例として示す。
【0090】
例えば、変換部28Cは、数値化データ42A2によって表される数値「0」から、確認対象画像領域T1に写り込んだ確認対象Cの状況「消灯」を表す状況画像44Aを生成する。また、変換部28Cは、数値化データ42B2によって表される数値「0」から、確認対象画像領域T2に写り込んだ確認対象Cの状況「消灯」を表す状況画像44Bを生成する。状況画像44Aおよび状況画像44Bは、状況画像44の一例である。変換部28Cは、
図4Bに示すように、確認対象画像領域T1および確認対象画像領域T2の各々に写り込んだ確認対象Cの識別情報を含む状況画像44を生成してもよい。
【0091】
表示制御部28Dは、該数値化データ42A2および数値化データ42B2と同時または直前に受信した撮影画像40に含まれる確認対象画像領域T1および確認対象画像領域T2の各々上または近傍に、状況画像44Aおよび状況画像44Bをそれぞれ重畳することで、重畳画像46Bを生成する。そして、表示制御部28Dは、重畳画像46Bを表示部24Bに表示する。
【0092】
このため、表示制御部28Dは、低フレームレートで受信した撮影画像40上に、高フレームで受信した数値化データ42の各々から変換規則に基づいて生成した状況画像44をそれぞれ重畳した重畳画像46を、表示部24Bに順次表示することとなる。
【0093】
すなわち、表示部24Bには、低フレームレートで受信した撮影画像40上に、高フレームレートで受信した数値化データ42によって表される、確認対象画像領域Tに写り込んだ確認対象Cの状況に応じて順次変化する状況画像44が重畳されて表示されることとなる。例えば、確認対象Cが点滅するLEDである場合、表示部24Bには、低フレームレートで受信した撮影画像40上に、高フレームレートに応じた速度で点滅状況が変化することを表す状況画像44の映像が表示されることとなる。
【0094】
このため、ユーザは表示部24Bに表示された重畳画像46を確認することで、遠隔地に存在する確認対象Cの状況を正確に確認することが可能となる。
【0095】
次に、本実施形態の情報処理システム1で実行する情報処理の流れの一例を説明する。
【0096】
なお、第1情報処理装置10の設定部18Aおよび第2情報処理装置20の設定部28Aによって、第1情報処理装置10の記憶部16および第2情報処理装置20の記憶部26の各々に、確認対象画像領域Tおよび変換規則が対応付けて記憶されているものとして説明する。
【0097】
図5は、第1情報処理装置10で実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0098】
第1情報処理装置10の取得部18Bは、撮影部30から順次送信される撮影画像40の取得を開始する(ステップS100)。
【0099】
通信制御部18Dは、撮影部30から受信したNコマ目の1コマ分の撮影画像40を第2情報処理装置20へ送信する(ステップS102)。
【0100】
生成部18Cは、撮影部30から受信したNコマ目の1コマの撮影画像40に含まれる確認対象画像領域Tを特定する(ステップS104)。生成部18Cは、記憶部16に記憶されている確認対象画像領域Tを読取り、該撮影画像40に含まれる読取った確認対象画像領域Tに相当する領域を特定することで、該撮影画像40に含まれる確認対象画像領域Tを特定する。
【0101】
生成部18Cは、ステップS104で特定した確認対象画像領域Tを、記憶部16に記憶されている変換規則に沿って変換した数値化データ42を生成する(ステップS106)。変換規則が二値化のための閾値を含む場合、生成部18Cは、該閾値を用いて、特定した確認対象画像領域Tを構成する1または複数の画素の各々の画素値の平均値を二値化することで、数値化データ42を生成する。
【0102】
通信制御部18Dは、ステップS106で生成された数値化データ42を第2情報処理装置20へ送信する(ステップS108)。
【0103】
通信制御部18Dは、撮影画像40を第2情報処理装置20へ送信してからMコマ分の数値化データ42を第2情報処理装置20へ送信したか否かを判断する(ステップS110)。ステップS110で否定判断すると(ステップS110:No)、Nを1カウントアップし(ステップS112)、上記ステップS104へ戻る。上述したように、Nは1以上の整数であり、Mは2以上の整数である。
【0104】
ステップS110で肯定判断すると(ステップS110:Yes)、ステップS114へ進む。ステップS114では、制御部18は、撮影画像40および数値化データ42の送信処理を終了するか否かを判断する(ステップS114)。例えば、制御部18は、ユーザによる入力部14A等の操作指示等によって終了信号を受付けたか否かを判別することで、ステップS114の判断を行う。また、例えば、制御部18は、第2情報処理装置20から終了信号を受信したか否かを判別することで、ステップS114の判断を行ってもよい。
【0105】
ステップS114で否定判断すると(ステップS114:No)、ステップS116へ進む。ステップS116では、NをN+M+1に更新し(ステップS116)、ステップS102へ戻る。ステップS114で肯定判断すると(ステップS114:Yes)、本ルーチンを終了する。
【0106】
次に、本実施形態の第2情報処理装置20で実行する情報処理の流れの一例を説明する。
【0107】
図6は、本実施形態の第2情報処理装置20で実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0108】
第2情報処理装置20の受信部28Bは、第1情報処理装置10から撮影画像40および数値化データ42を受信する(ステップS200,ステップS202)。
【0109】
変換部28Cは、ステップS202で受信した数値化データ42を変換規則に基づいて状況画像44に変換する(ステップS204)。
【0110】
表示制御部28Dは、直前に受信した撮影画像40に、ステップS204で変換した状況画像44を重畳した重畳画像46を生成し(ステップS206)、生成した重畳画像46を表示部24Bに表示する(ステップS208)。
【0111】
次に、受信部28Bは、数値化データ42を受信したか否かを判断する(ステップS210)。ステップS210で肯定判断すると(ステップS210:Yes)、ステップS204へ進む。ステップS210で否定判断すると(ステップS210:No)、受信部28Bは、撮影画像40を受信したか否かを判断する(ステップS212)。ステップS212で肯定判断すると(ステップS212:Yes)、上記ステップS202へ進む。ステップS212で否定判断すると(ステップS212:No)、ステップS214へ進む。ステップS214では、制御部28が、処理を終了するか否かを判断する(ステップS214)。制御部28は、例えば、ユーザによる入力部24Aの操作指示などによって終了指示が入力されたか否かを判別することで、ステップS214の判断を行う。ステップS214で否定判断すると(ステップS214:No)、ステップS210へ進む。ステップS214で肯定判断すると(ステップS214:Yes)、本ルーチンを終了する。
【0112】
以上説明したように、本実施形態の情報処理システム1は、撮影画像40を取得する撮影部30に接続された第1情報処理装置10と、第1情報処理装置10と通信する第2情報処理装置20と、を備える。第2情報処理装置20は、受信部28Bと、変換部28Cと、表示制御部28Dと、を備える。受信部28Bは、撮影画像40および撮影画像40に含まれる確認対象Cの写り込んだ確認対象画像領域Tを変換規則に沿って変換した数値化データを受信する。変換部28Cは、数値化データ42を変換規則に基づいて確認対象画像領域Tに写り込んだ確認対象Cの状況を表す状況画像44に変換する。表示制御部28Dは、撮影画像40に状況画像44を重畳した重畳画像46を表示する。
【0113】
ここで、第2情報処理装置20に対して遠隔地に存在する確認対象Cの状況を第2情報処理装置20側で細部まで詳細に遠隔監視する必要のある場合がある。従来技術では、遠隔地の確認対象Cの状況を細部まで確認するためには、高画質および高フレームレートで受信した撮影画像40を用いて解析を行う必要があった。しかし、従来技術では、通信状況によって、画質低下、および映像遅延やコマ落ち等による低フレームレート化、等が発生する場合があり、リアルタイムな高画質の映像通信が困難となることで、確認対象Cの状況を高精度に確認可能に提供することが困難となる場合があった。
【0114】
一方、本実施形態では、第2情報処理装置20の受信部28Bは、撮影画像40、および撮影画像40に含まれる確認対象Cの写り込んだ確認対象画像領域Tを変換規則に沿って変換した数値化データを、第1情報処理装置10から受信する。変換部28Cは、数値化データ42を変換規則に基づいて確認対象画像領域Tに写り込んだ確認対象Cの状況を表す状況画像44に変換する。表示制御部28Dは、撮影画像40に状況画像44を重畳した重畳画像46を表示する。
【0115】
数値化データ42は、確認対象画像領域Tを変換規則に沿って数値化したデータであるため、撮影画像40よりデータ量が少なく、撮影画像40に比べて通信状況の影響を受けにくい。このため、受信部28Bは、数値化データ42の送信元からの送信時と略同じフレームレートで且つ送信時と同じ値の数値化データ42を順次受信することが可能となる。そして、表示制御部28Dは、変換規則に基づいて数値化データ42を確認対象画像領域Tに写り込んだ確認対象Cの状況を表す状況画像44に変換し、該状況画像44を撮影画像40に重畳した重畳画像46を表示する。
【0116】
このため、第2情報処理装置20では、通信状況等によって低画質化または低フレームレート化された撮影画像40を受信した場合であっても、高精度に確認対象画像領域Tに写り込んだ確認対象Cの状況を表す状況画像44の重畳された重畳画像46を表示することができる。
【0117】
よって、ユーザは重畳画像46の状況画像44を確認することで、状況画像44によって表される確認対象Cの状況を正確かつ高精度に確認することが可能となる。
【0118】
また、従来技術では、例えば、確認対象Cの一例であるLEDの点滅状態を遠隔地で確認する場合、遠隔地の監視用端末へ送信する撮影画像40のフレームレートとLEDの点滅スピードとが同期するフリッカ現象が発生し、LEDの点滅パターンや点滅スピード等の確認対象Cの状況を把握可能な画像を監視端末側で提供することが困難となる場合があった。またフリッカ現象を回避するために高フレームレートで撮影された撮影画像40を該高フレームレートで遠隔地の監視用端末へ送信すると、データ量が大きくデータ伝送スピードに遅延が発生する場合があった。
【0119】
一方、本実施形態の第2情報処理装置20の受信部28Bは、撮影画像40、および撮影画像40に含まれる確認対象Cの写り込んだ確認対象画像領域Tを変換規則に沿って変換した数値化データを、第1情報処理装置10から受信する。変換部28Cは、数値化データ42を変換規則に基づいて確認対象画像領域Tに写り込んだ確認対象Cの状況を表す状況画像44に変換する。表示制御部28Dは、撮影画像40に状況画像44を重畳した重畳画像46を表示する。
【0120】
このため、本実施形態の情報処理システム1は、フリッカ現象の影響を抑制し、正確かつ低伝送量で、確認対象画像領域Tに写り込んだ確認対象Cを確認可能に提供することができる。
【0121】
従って、本実施形態の情報処理システム1は、確認対象Cの状況を高精度に確認可能に提供することができる。
【0122】
また、本実施形態の第2情報処理装置20の受信部28Bは、撮影画像40の撮影時未満のフレームレートで撮影画像40を受信し、撮影画像40より高いフレームレートで数値化データ42を受信する。そして、本実施形態の第2情報処理装置20では、低フレームレートで受信した撮影画像40上に、高フレームレートで順次受信した複数の数値化データ42の各々に基づいて生成した状況画像44をそれぞれ重畳した重畳画像46を表示する。
【0123】
このため、本実施形態の情報処理システム1は、上記効果に加えて、確認対象画像領域Tに写り込んだ確認対象Cの状況を正確かつリアルタイムに確認可能に提供することができる。具体的には、情報処理システム1は、例えば、確認対象Cがどのように動き状況がどのように変化しているかをリアルタイムに確認可能に提供することが可能となる。
【0124】
次に、上記実施形態の第1情報処理装置10および第2情報処理装置20のハードウェア構成の一例を説明する。
【0125】
図7は、上記実施形態の第1情報処理装置10および第2情報処理装置20の一例のハードウェア構成図である。
【0126】
上記実施形態の第1情報処理装置10および第2情報処理装置20は、CPU(Central Processing Unit)11A、ROM(Read Only Memory)11B、RAM(Random Access Memory)11C、およびI/F11D等がバス11Eにより相互に接続されており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0127】
CPU11Aは、上記実施形態の第1情報処理装置10および第2情報処理装置20を制御する演算装置である。ROM11Bは、CPU11Aによる各種処理を実現するプログラム等を記憶する。ここではCPUを用いて説明しているが、第1情報処理装置10および第2情報処理装置20を制御する演算装置として、GPU(Graphics Processing Unit)を用いてもよい。RAM11Cは、CPU11Aによる各種処理に必要なデータを記憶する。I/F11Dは、データを送受信するためのインターフェースである。
【0128】
上記実施形態の第1情報処理装置10および第2情報処理装置20では、CPU111Aが、ROM11BからプログラムをRAM11C上に読み出して実行することにより、上記各機能がコンピュータ上で実現される。
【0129】
なお、上記実施形態の第1情報処理装置10および第2情報処理装置20で実行される上記各処理を実行するためのプログラムは、HDD(ハードディスクドライブ)に記憶されていてもよい。また、上記実施形態の第1情報処理装置10および第2情報処理装置20で実行される上記各処理を実行するためのプログラムは、ROM11Bに予め組み込まれて提供されていてもよい。
【0130】
また、上記実施形態の第1情報処理装置10および第2情報処理装置20で実行される上記処理を実行するためのプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、メモリカード、DVD(Digital Versatile Disc)、フレキシブルディスク(FD)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されてコンピュータプログラムプロダクトとして提供されるようにしてもよい。また、上記実施形態の第1情報処理装置10および第2情報処理装置20で実行される上記処理を実行するためのプログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するようにしてもよい。また、上記実施形態の第1情報処理装置10および第2情報処理装置20で実行される上記処理を実行するためのプログラムを、インターネットなどのネットワーク経由で提供または配布するようにしてもよい。
【0131】
なお、上記には、本発明の実施形態を説明したが、本実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0132】
1 情報処理システム
10 第1情報処理装置
18B 取得部
18C 生成部
18D 通信制御部
28B 受信部
28C 変換部
28D 表示制御部