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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-07
(45)【発行日】2025-02-18
(54)【発明の名称】プログラム、端末装置及び情報表示方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/904 20190101AFI20250210BHJP
   G01D 9/00 20060101ALI20250210BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20250210BHJP
   G06F 3/14 20060101ALI20250210BHJP
【FI】
G06F16/904
G01D9/00 A
G06F3/0481
G06F3/14 360C
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023115858
(22)【出願日】2023-07-14
(62)【分割の表示】P 2021143402の分割
【原出願日】2021-09-02
(65)【公開番号】P2023138529
(43)【公開日】2023-10-02
【審査請求日】2023-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000145806
【氏名又は名称】株式会社小野測器
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 莉紗
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 宏知
(72)【発明者】
【氏名】渡部 光
(72)【発明者】
【氏名】笠原 太郎
【審査官】甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-046489(JP,A)
【文献】特開2009-257997(JP,A)
【文献】国際公開第2018/235148(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00 -16/958
G01D 9/00 - 9/42
G06F 3/048- 3/04895
G06F 3/14 - 3/153
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データベースに蓄積された計測結果に関する計測情報へのアクセスを提供するサーバと通信可能な端末装置に処理を実行させるプログラムであって、
複数の前記計測情報が前記データベースにおいて互いに関連付けられており、
前記プログラムが前記端末装置に実行させる処理は、
前記計測情報のリストを含む画面を表示するステップと、
前記画面に表示した前記リストにおいて1つの前記計測情報を選択する指示が入力されると、選択された当該1つの前記計測情報と、当該1つの計測情報に関連付けられた他の前記計測情報とを前記サーバから取得し、取得した各前記計測情報の内容を含むように前記画面を更新するステップとを含む、
プログラム。
【請求項2】
前記計測情報は、計測結果に関する数値データ、及び、計測結果の解析に関する解析情報の少なくとも1つを含んでおり、
前記画面を更新するステップは、前記サーバから取得した1つの前記計測情報が前記数値データを含む場合において、当該1つの計測情報に関連付けられた他の前記計測情報が前記解析情報を含むならば、当該他の計測情報の前記解析情報に基づいて、当該1つの計測情報の前記数値データに対する解析の結果を含むように前記画面を更新することを含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記数値データは、音又は振動に関する音・振動データであり、
前記画面を更新するステップは、前記サーバから取得した1つの前記計測情報が前記音・振動データを含む場合において、当該1つの計測情報に関連付けられた他の前記計測情報が音又は振動のスペクトル解析に関する前記解析情報を含むならば、当該他の計測情報の前記解析情報に基づいて、当該1つの計測情報の前記音・振動データに対する各時刻のスペクトル解析の結果を含むように前記画面を更新することを含む、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記計測情報は、計測対象に関する対象情報、計測条件に関する条件情報、計測に用いた計測器に関する計測器情報、計測の実施者に関する実施者情報、及び、計測結果の解析に関する解析情報の少なくとも1つを含んでおり、
前記画面を更新するステップは、前記サーバから取得した1つの前記計測情報が前記解析情報を含む場合において、当該1つの計測情報に関連付けられた他の前記計測情報が前記対象情報、前記条件情報、前記計測器情報、及び、前記実施者情報の少なくとも1つを含むならば、当該他の計測情報に基づいて、計測対象、計測条件、計測に用いた計測器、及び、計測の実施者の少なくとも1つを含むように前記画面を更新することを含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記画面を更新するステップは、前記サーバから取得した1つの計測情報と当該1つの計測情報に関連付けられた他の前記計測情報とが、計測結果に関する数値データと前記数値データの変更履歴に関する情報とをそれぞれ含む場合に、当該1つの計測情報の前記数値データと当該他の計測情報の前記数値データとに関する前記変更履歴を含むように前記画面を更新することを含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
データベースに蓄積された計測結果に関する計測情報へのアクセスを提供するサーバと通信可能な端末装置であって、
処理部と、
前記処理部において処理を実行可能なプログラムの命令を記憶する記憶部とを有し、
複数の前記計測情報が前記データベースにおいて互いに関連付けられており、
前記処理部が前記プログラムの前記命令に従って実行する処理は、
前記計測情報のリストを含む画面を表示するステップと、
前記画面に表示した前記リストにおいて1つの前記計測情報を選択する指示が入力されると、選択された当該1つの前記計測情報と、当該1つの計測情報に関連付けられた他の前記計測情報とを前記サーバから取得し、取得した各前記計測情報の内容を含むように前記画面を更新するステップとを含む、
端末装置。
【請求項7】
データベースに蓄積された計測結果に関する計測情報へのアクセスを提供するサーバと通信可能な端末装置における情報表示方法であって、
複数の前記計測情報が前記データベースにおいて互いに関連付けられており、
前記計測情報のリストを含む画面を表示するステップと、
前記画面に表示した前記リストにおいて1つの前記計測情報を選択する指示が入力されると、選択された当該1つの前記計測情報と、当該1つの計測情報に関連付けられた他の前記計測情報とを前記サーバから取得し、取得した各前記計測情報の内容を含むように前記画面を更新するステップと
を有する情報表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄積された情報へのアクセスを提供するサーバ、サーバから情報を取得して表示する端末装置、サーバや端末装置に処理を実行させるプログラム、サーバが行うアクセス提供方法、並びに、端末装置が行う情報表示方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、計測器で収集された計測結果のデータは、メモリカードや通信ケーブルなどを介して利用者のパーソナルコンピュータ(PC)やファイルサーバに移され、データファイルとして保存される。計測結果のデータは、例えば、パーソナルコンピュータにインストールされた解析ソフトウェアを用いて信号処理などの解析にかけられ、その解析結果もファイルとしてPCやファイルサーバに保存される。また、計測の際に撮影された写真や動画なども、PCやファイルサーバにファイルとして保存される。これらのファイルは、例えば実施された計測ごとに同一のフォルダにまとめて管理される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
日々の計測によって上述したファイルが大量に蓄積されると、それらの中から目的のファイルを見つけ出すことが困難になる。また、ある程度時間が経過してしまうと、各ファイルが何を計測したものであったか思い出せなくなってしまうことがある。そのようなことを回避するため、従来は、計測を行った日ごとにフォルダを分けてファイルを格納したり、ファイル名の与え方に一定のルールを適用したりするなどの対策が講じられている。しかし、そのような手作業のファイル管理は面倒であり、手間がかかるという問題がある。また、管理の仕方にばらつきが生じてファイルの検索性が低下し易いという問題もある。
【0004】
更に、計測に関する複数のファイルが互いに関連している場合(例えば計測結果のデータファイルと、その解析結果のファイルなど)、それらのファイルの内容を一緒に確認したいことがある。しかし、上述した従来のファイル管理方法では、個々のファイルを手作業で見つけ出して開かなくてはならず、手間がかかるという問題がある。
【0005】
本発明の第1の目的は、利用者の手間を減らしつつ、計測に関する必要な情報へ的確にアクセスすることを可能にする処理をサーバに実行させるプログラム、その処理を実行するサーバ、並びに、そのサーバが行うアクセス提供方法を提供することである。
また、本発明の第2の目的は、計測に関する互いに関連した複数の情報の内容を容易に確認することを可能にする処理を端末装置に実行させるプログラム、その処理を実行する端末装置、並びに、その端末装置が行う情報表示方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係るプログラムは、端末装置からの要求に応じて、データベースに蓄積された計測情報へのアクセスを提供する処理をサーバに実行させるプログラムであって、前記計測情報は、計測結果に関する数値データ、計測対象に関する対象情報、計測条件に関する条件情報、計測に用いた計測器に関する計測器情報、計測の実施者に関する実施者情報、及び、計測結果の解析に関する解析情報の少なくとも1つを含んでおり、前記プログラムが前記サーバに実行させる処理は、検索用のタグ情報を指定する検索要求を前記端末装置から受信した場合、前記検索要求が指定する前記タグ情報に関連付けられた前記計測情報を前記データベースにおいて検索するステップと、計測対象に関する特徴、計測条件に関する特徴、計測に用いた計測器に関する特徴、計測の実施者に関する特徴、及び、計測結果の解析に関する特徴の少なくとも1つに関連する複数の前記タグ情報の中から、前記計測情報に含まれる前記数値データ、前記対象情報、前記条件情報、前記計測器情報、前記実施者情報、及び、前記解析情報の少なくとも1つが表す特徴に当てはまる1つ以上の前記タグ情報を判定するステップと、1つの前記計測情報について判定された1つ以上の前記タグ情報と、当該1つの計測情報とを前記データベースにおいて関連付けるステップとを含む。
【0007】
本発明の第2の態様に係るプログラムは、データベースに蓄積された計測結果に関する計測情報へのアクセスを提供するサーバと通信可能な端末装置に処理を実行させるプログラムであって、複数の前記計測情報が前記データベースにおいて互いに関連付けられており、前記プログラムが前記端末装置に実行させる処理は、前記計測情報のリストを含む画面を表示するステップと、前記画面に表示した前記リストにおいて1つの前記計測情報を選択する指示が入力されると、選択された当該1つの前記計測情報と、当該1つの計測情報に関連付けられた他の前記計測情報とを前記サーバから取得し、取得した各前記計測情報の内容を含むように前記画面を更新するステップとを含む。
【0008】
本発明の第3の態様に係るサーバは、端末装置からの要求に応じて、データベースに蓄積された計測情報へのアクセスを提供するサーバであって、処理部と、前記処理部において実行可能なプログラムの命令を記憶する記憶部とを有し、前記計測情報は、計測結果に関する数値データ、計測対象に関する対象情報、計測条件に関する条件情報、計測に用いた計測器に関する計測器情報、計測の実施者に関する実施者情報、及び、計測結果の解析に関する解析情報の少なくとも1つを含んでおり、前記処理部が前記プログラムの前記命令に従って実行する処理は、検索用のタグ情報を指定する検索要求を前記端末装置から受信した場合、前記検索要求が指定する前記タグ情報に関連付けられた前記計測情報を前記データベースにおいて検索するステップと、計測対象に関する特徴、計測条件に関する特徴、計測に用いた計測器に関する特徴、計測の実施者に関する特徴、及び、計測結果の解析に関する特徴の少なくとも1つに関連する複数の前記タグ情報の中から、前記計測情報に含まれる前記数値データ、前記対象情報、前記条件情報、前記計測器情報、前記実施者情報、及び、前記解析情報の少なくとも1つが表す特徴に当てはまる1つ以上の前記タグ情報を判定するステップと、1つの前記計測情報について判定された1つ以上の前記タグ情報と、当該1つの計測情報とを前記データベースにおいて関連付けるステップとを含む。
【0009】
本発明の第4の態様に係る端末装置は、データベースに蓄積された計測結果に関する計測情報へのアクセスを提供するサーバと通信可能な端末装置であって、処理部と、前記処理部において処理を実行可能なプログラムの命令を記憶する記憶部とを有し、複数の前記計測情報が前記データベースにおいて互いに関連付けられており、前記処理部が前記プログラムの前記命令に従って実行する処理は、前記計測情報のリストを含む画面を表示するステップと、前記画面に表示した前記リストにおいて1つの前記計測情報を選択する指示が入力されると、選択された当該1つの前記計測情報と、当該1つの計測情報に関連付けられた他の前記計測情報とを前記サーバから取得し、取得した各前記計測情報の内容を含むように前記画面を更新するステップとを含む。
【0010】
本発明の第5の態様に係るアクセス提供方法は、サーバが、端末装置からの要求に応じて、データベースに蓄積された計測情報へのアクセスを提供するアクセス提供方法であって、前記計測情報は、計測結果に関する数値データ、計測対象に関する対象情報、計測条件に関する条件情報、計測に用いた計測器に関する計測器情報、計測の実施者に関する実施者情報、及び、計測結果の解析に関する解析情報の少なくとも1つを含んでおり、検索用のタグ情報を指定する検索要求を前記端末装置から受信した場合、前記検索要求が指定する前記タグ情報に関連付けられた前記計測情報を前記データベースにおいて検索するステップと、計測対象に関する特徴、計測条件に関する特徴、計測に用いた計測器に関する特徴、計測の実施者に関する特徴、及び、計測結果の解析に関する特徴の少なくとも1つに関連する複数の前記タグ情報の中から、前記計測情報に含まれる前記数値データ、前記対象情報、前記条件情報、前記計測器情報、前記実施者情報、及び、前記解析情報の少なくとも1つが表す特徴に当てはまる1つ以上の前記タグ情報を判定するステップと、1つの前記計測情報について判定された1つ以上の前記タグ情報と、当該1つの計測情報とを前記データベースにおいて関連付けるステップとを有する。
【0011】
本発明の第6の態様に係る情報表示方法は、データベースに蓄積された計測結果に関する計測情報へのアクセスを提供するサーバと通信可能な端末装置における情報表示方法であって、複数の前記計測情報が前記データベースにおいて互いに関連付けられており、前記計測情報のリストを含む画面を表示するステップと、前記画面に表示した前記リストにおいて1つの前記計測情報を選択する指示が入力されると、選択された当該1つの前記計測情報と、当該1つの計測情報に関連付けられた他の前記計測情報とを前記サーバから取得し、取得した各前記計測情報の内容を含むように前記画面を更新するステップとを有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、利用者の手間を減らしつつ、計測に関する必要な情報へ的確にアクセスすることを可能にする処理をサーバに実行させるプログラムと、そのような処理を実行するサーバ、並びに、そのようなサーバが行うアクセス提供方法を提供できる。また、本発明によれば、計測に関する互いに関連した複数の情報の内容を容易に確認することを可能にする処理を端末装置に実行させるプログラムと、そのような処理を実行する端末装置、並びに、そのような端末装置が行う情報表示方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本実施形態に係るサーバと端末装置を含んだシステムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、検索用のタグ情報を判定して計測情報に関連付ける処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図3図3Aは、計測情報から学習済モデルを用いてタグ情報を判定する例を示した図である。図3Bは、音・振動データから学習済モデルを用いてタグ情報を判定する例を示した図である。
図4図4は、音・振動データから音・振動特徴情報を生成してデータベースに登録する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図5図5Aは、計測情報のリストを含んだ端末装置の画面の一例を示す図であり、リスト上で選択された1つの計測情報の内容を含んだ画面例を示す。図5B及び図5Cは、端末装置の画面における計測情報の内容の他の例を示す図である。
図6図6は、リスト上で選択された1つの計測情報の履歴を含む端末装置の画面の一例を示す図である。
図7図7は、端末装置からの処理要求に応じたサーバの処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
図8図8は、リスト上で選択された1つ計測情報、及び、これに関連付けられた他の計測情報の詳細を含む端末装置の画面の一例を示す図である。
図9図9は、リスト上で選択された1つ計測情報、及び、これに関連付けられた他の計測情報の内容を含む端末装置の画面の一例を示す図である。
図10図10は、端末装置からの計測情報格納要求に応じたサーバの処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図11図11は、タグ情報の設定を促す端末装置の画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本実施形態に係るサーバ1と端末装置3を含んだシステムの構成の一例を示す図である。サーバ1は、インターネットなどの通信ネットワーク9を介して端末装置3と通信可能である。サーバ1は、端末装置3からの要求に応じて、データベースに蓄積された計測に関する情報(以下「計測情報」と記す場合がある。)へのアクセスを提供する。サーバ1がデータベースの計測情報へのアクセスを提供することにより、端末装置3は、データベースから計測情報をダウンロードして画面に表示したり、計測情報をデータベースにアップロードしたりする。サーバ1は、図1に示すように、通信ネットワーク9を介して接続された計測器4から計測情報(測定結果のデータなど)を直接取得してもよい。
【0015】
計測情報は、例えば以下の情報の少なくとも1つを含む。ただし、以下の説明における計測器にはセンサを含んでよい。
(1)計測結果に関する数値データ
例: 計測器で得られた計測値(音、振動、圧力、回転数、変位、速度、加速度、角速度、トルク、流量、温度、生体情報など)や、計測値の時系列データ
(2)計測対象に関する対象情報
例: 計測対象の事象(音、振動、衝撃、回転、速度、熱、流量、変位、寸法など)、計測対象の物(車両、設備、施設、製品、部品)
(3)計測条件に関する条件情報
例: 計測を行った日時、計測を行った場所の名称や地理データ(緯度、経度、標高など)、計測に用いた試料、計測に用いた器具や機器、計測を行った環境、気温や湿度などの気象データ、計測の手順、計測に用いた計測器のチャンネル、計測レンジ(電圧レンジなど)、サンプリング周波数、計測器の校正値、収録時間
(4)計測に用いた計測器に関する計測器情報
例: 計測器の型番や製造シリアル番号、計測器のメーカー名、計測器の仕様や性能、計測器の校正日、計測器の所有者
(5)計測の実施者に関する実施者情報
例: 計測を行った担当者や責任者の情報(年齢、国籍、その他の個人情報)、計測に関与した部署、グループ、機関の情報
(6)計測結果の解析に関する解析情報
例: 解析方法(信号処理など)、解析に用いたソフトウェアやツールの名称、解析結果のデータやグラフ
(7)計測に関する備考情報
例: 計測を行った背景、計測を行った理由、計測の目的、計測にあたって想定した仮説、計測結果に対する考察
【0016】
サーバ1は、図1の例において、通信部11と、記憶部12と、処理部13と、データベース部2とを有する。
【0017】
[サーバ1]
通信部11は、通信ネットワーク9を介して他の装置(端末装置3、計測器4など)と通信を行うための装置であり、例えば所定の通信規格(無線LAN、イーサネット(登録商標)など)に準拠して通信を行う通信機器(ネットワークインターフェースカードなど)を含む。
【0018】
記憶部12は、処理部13において実行されるプログラムPG1の命令や、処理部13による処理の過程で一時的に保存されるデータ、処理部13の処理に利用されるデータ(後述する学習済モデルMDなど)、処理部13の処理の結果として得られたデータなどを記憶する。記憶部12は、例えば、主記憶装置(ROM、RAMなど)と補助記憶装置(フラッシュメモリ、SSD、ハードディスク、光ディスクなど)を含む。記憶部12は、1つの記憶装置から構成されてもよいし、複数の記憶装置から構成されてもよい。記憶部12を構成する各記憶装置は、コンピュータのバスや他の任意のデータ伝送手段を介して処理部13と接続される。
【0019】
プログラムPG1は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体(USBメモリ、メモリカード、光ディスクなど)に記録されたものを図示しない読み取り装置から入力して記憶部12に記憶させてもよいし、通信部11において他の装置から受信したものを記憶部12に記憶させてもよい。
【0020】
処理部13は、サーバ1の全体的な動作を統括的に司り、所定の情報処理を実行する。処理部13は、例えば、記憶部12に格納されたプログラムPG1の命令に従って処理を実行する1つ以上のプロセッサ(CPU、MPU、DSPなど)を含む。処理部13は、記憶部12に格納されたプログラムPG1の命令を1つ以上のプロセッサが実行することにより、コンピュータとして動作する。サーバ1は、このような複数のコンピュータを含んでもよく、これらのコンピュータが任意の通信ネットワークを介して通信を行うことにより連携して処理を実行してもよい。
【0021】
処理部13は、特定の機能を実現するように構成された1つ以上の専用のハードウェア(ASIC、FPGAなど)を含んでもよい。この場合、処理部13は、全ての処理をコンピュータにおいて実行してもよいし、少なくとも一部の処理を専用のハードウェアにおいて実行してもよい。
【0022】
データベース部2は、図1の例において、利用者データベース21と、計測情報データベース22と、タグ情報データベース23を含む。データベース部2は、例えばハードディスクやSSDなどの1つ以上の記憶装置を含んで構成される。データベース部2は、インターネットなどのネットワークに接続された1台以上のコンピュータを含んでいてもよく、この場合、サーバ1の処理部13は、通信部11を介してデータベース部2のコンピュータと通信を行い、データベース部2の情報にアクセスしてもよい。以下、データベースを「DB」と記載する場合がある。
【0023】
利用者DB21は、利用者に関する情報(利用者の識別情報、利用者の氏名、連絡先、所属する部署など)や、本人認証用の情報(パスワードなど)を検索可能に記憶する。
【0024】
計測情報DB22は、各利用者がアップロードした計測情報を検索可能に記憶する。計測情報には、アップロードを行った利用者(計測情報の所有者)の情報や、所有者以外に計測情報の閲覧や編集などを許可された利用者(計測情報の共有者)の情報が関連付けられている。
【0025】
また、計測情報DB22において、少なくとも一部の計測情報には、1つ以上の検索用のタグ情報が関連付けられている。タグ情報は、例えば、以下のような計測情報の特徴の少なくとも1つに関連した情報(1つ以上の語)を含む。
(1)計測対象に関する特徴
例:計測対象の事象(音、振動など)、計測対象の物(車両、設備など)、計測対象の量(加速度、圧力など)の大きさや程度
(2)計測条件に関する特徴
例:計測を行った時期や時間帯、計測を行った場所や地域、計測に用いた試料、計測に用いた器具や機器、計測を行った環境、計測の手順
(3)計測に用いた計測器に関する特徴
例:計測器の種類、計測器のメーカー、計測器の仕様や性能、計測器の所有者
(4)計測の実施者に関する特徴
例:計測に関与した部署、グループ、機関
(5)計測結果の解析に関する特徴
例:解析方法、解析に用いたソフトウェアやツール、解析結果の表示方法
【0026】
計測情報DB22において、少なくとも一部の計測情報には、他の1つ以上の計測情報との間に関連付けが設定されていてもよい。計測情報の関連付けは、例えば、同じ計測の実施に関連する複数の計測情報(測定結果のデータと、そのデータを解析して得られたデータなど)に対して設定される。
【0027】
また、計測情報DB22は、音又は振動に関するデータ(以下、「音・振動データ」と記す場合がある。)を含んだ計測情報の少なくとも一部について、音・振動特徴情報を更に記憶してもよい。音・振動特徴情報は、計測情報に含まれた音・振動データが表す音又は振動の特徴に関する情報である。例えば、音・振動特徴情報は、音又は振動の時系列データである音・振動データに対して公知の特徴量分析手法を適用することにより算出された音又は振動の特徴量を含む。この音・振動特徴情報は、例えば、与えられた音・振動データに類似する音・振動データが含まれた計測情報を検索するために用いられる。
【0028】
タグ情報DB23は、計測情報DB22において各計測情報と関連付けられるタグ情報を記憶する。タグ情報DB23においては、例えば、個々のタグ情報に対して1つ以上の分類が割り当てられていてもよい。タグ情報の分類は、例えば、計測情報の特徴(計測対象に関する特徴、計測条件に関する特徴、計測に用いた計測器に関する特徴、計測の実施者に関する特徴、計測結果の解析に関する特徴など)に関する分類であってよい。
【0029】
[端末装置3]
端末装置3は、図1の例において、通信部31と、入力部32と、表示部33と、記憶部34と、処理部35とを有する。
【0030】
通信部31は、通信ネットワーク9を介して他の装置(サーバ1など)と通信を行うための装置であり、例えば所定の通信規格(無線LAN、イーサネット(登録商標)など)に準拠して通信を行う通信機器(ネットワークインターフェースカードなど)を含む。
【0031】
入力部32は、ユーザの操作に応じた指示やその他の情報を処理部35に入力する。例えば、入力部32は、ボタン、キーボード、マウス、タッチパッド、タッチパネル、マイク、カメラなどの入力機能を備えた機器の少なくとも1つを含む。
【0032】
表示部33は、処理部35において生成される映像信号に応じた映像を表示する装置であり、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどの表示機器を含む。
【0033】
記憶部34は、処理部35において実行されるプログラムPG2の命令や、処理部35による処理の過程で一時的に保存されるデータ、処理部35の処理に利用されるデータ、処理部35の処理の結果として得られたデータなどを記憶する。記憶部34は、例えば、主記憶装置(ROM、RAMなど)と補助記憶装置(フラッシュメモリ、SSD、ハードディスク、光ディスクなど)を含む。記憶部34は、1つの記憶装置から構成されてもよいし、複数の記憶装置から構成されてもよい。記憶部34を構成する各記憶装置は、コンピュータのバスや他の任意のデータ伝送手段を介して処理部35と接続される。
【0034】
プログラムPG2は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体(USBメモリ、メモリカード、光ディスクなど)に記録されたものを図示しない読み取り装置から入力して記憶部34に記憶させてもよいし、通信部31において他の装置から受信したものを記憶部34に記憶させてもよい。
【0035】
ここで、上述した構成を有するサーバ1と端末装置3の動作について説明する。
【0036】
図2は、検索用のタグ情報を判定して計測情報に関連付ける処理の一例を説明するためのフローチャートである。
サーバ1の処理部13は、計測情報DB22の計測情報に関連付けるタグ情報の判定を行う所定のタイミングにおいて(ST100のYes)、計測情報が表す特徴に当てはまるタグ情報を判定する(ST105)。例えば処理部13は、所定の時間帯に入った場合や、所定のイベントが発生した場合、端末装置3からの計測情報のアップロードがあった場合など、予め設定された条件を満たした場合にタグ情報の判定(ST105)を行う。
【0037】
処理部13は、タグ情報の判定を行う場合、計測情報DB22に記憶する複数の計測情報の中から、タグ情報の判定対象となる計測情報を選択する。例えば処理部13は、計測情報DB22において未だタグ情報が関連付けられていない計測情報を判定対象として選択する。また処理部13は、端末装置3から計測情報がアップロードされた場合、このアップロードされた計測情報を判定対象として選択してもよい。
【0038】
処理部13は、計測対象に関する特徴、計測条件に関する特徴、計測に用いた計測器に関する特徴、計測の実施者に関する特徴、及び、計測結果の解析に関する特徴の少なくとも1つに関連する複数のタグ情報の中から、判定対象として選択した計測情報に含まれる数値データ、対象情報、条件情報、計測器情報、実施者情報、及び、解析情報の少なくとも1つが表す特徴に当てはまる1つ以上のタグ情報を判定する。
【0039】
例えば、処理部13は、タグ情報DB23に記憶される複数のタグ情報の中から、1つ以上のタグ情報を判定する。処理部13は、1つの計測情報に対して、タグ情報DB23のタグ情報の分類ごとに1つ以上のタグ情報を判定してもよい。
【0040】
処理部13は、記憶部12に記憶した1つ以上の学習済モデルMDをタグ情報の判定に用いてもよい。図3Aは、計測情報から学習済モデルMDを用いてタグ情報を判定する例を示した図である。
【0041】
学習済モデルMDは、計測対象に関する特徴、計測条件に関する特徴、計測に用いた計測器に関する特徴、計測の実施者に関する特徴、及び、計測結果の解析に関する特徴の少なくとも1つに関連する複数のタグ情報の中から、与えられた計測情報に含まれる数値データ、対象情報、条件情報、計測器情報、実施者情報、及び、解析情報の少なくとも1つが表す特徴に当てはまる1つ以上のタグ情報を識別するように生成される。学習済モデルMDは、例えば、計測情報の少なくとも一部(数値データ、対象情報、条件情報、計測器情報、実施者情報、及び、解析情報の少なくとも1つ)とタグ情報との組み合わせを教師データとして、計測情報の少なくとも一部からタグ情報を識別するように生成される。学習済モデルMDを生成する機械学習アルゴリズムは任意であり、例えば線形回帰、ロジスティック回帰、サポートベクターマシン、決定木、ランダムフォレスト、勾配ブースティング、ニューラルネットワークなどの公知のアルゴリズムを用いることができる。
【0042】
処理部13は、判定するタグ情報の種類に合わせて異なる学習済モデルMDを用いてタグ情報の判定を行ってもよい。すなわち、処理部13は、タグ情報DB23におけるタグ情報の分類ごとや、分類内の更に細かい種類ごとに異なる学習済モデルMDを用いて、分類ごとや種類ごとにタグ情報を判定してもよい。
【0043】
例えば、処理部13は、計測情報に含まれる音・振動データに基づいて、音又は振動の特徴に関する複数のタグ情報の中から、当該音・振動データが表す音又は振動の特徴に当てはまる1つ以上のタグ情報を判定してもよい。
【0044】
音又は振動の特徴に関するタグ情報の判定には、記憶部12に記憶した学習済モデルMDを用いることが可能である。図3Bは、音・振動データから学習済モデルMDを用いてタグ情報を判定する例を示した図である。この場合、学習済モデルMDは、音又は振動の特徴に関する複数のタグ情報の中から、与えられた音・振動データが表す音又は振動の特徴に当てはまる1つ以上のタグ情報を識別するように生成される。学習済モデルMDは、音・振動データとタグ情報との組み合わせを教師データとして、音・振動データからタグ情報を識別するように、任意の機械学習アルゴリズムによって生成される。処理部13は、1つの計測情報に含まれる音・振動データを1つ以上の学習済モデルMDに適用することにより、当該1つの計測情報について1つ以上のタグ情報(音又は振動の特徴に関するタグ情報)を判定する。
【0045】
処理部13は、音又は振動の特徴に関するタグ情報として、例えば、音又は振動の発生源に関するタグ情報、音又は振動の物理的情報に関するタグ情報、及び、音又は振動から連想される語句に関するタグ情報の少なくとも1つを判定してよい。
音又は振動の発生源に関するタグ情報は、例えば、音又は振動を発生する車両とその発生部位、設備とその発生部位、施設とその発生場所に関する語を含む。
音又は振動の物理的情報に関するタグ情報は、例えば、音又は振動の大きさ、音の高さ、振動の速さ、音色、音質、振動のパターンなどに関する語を含む。
音又は振動から連想される語句は、例えば、音又は振動の程度、特徴を表す語や、擬音語などを含む。
【0046】
音又は振動の発生源に関するタグ情報と、音又は振動の物理的情報に関するタグ情報と、音又は振動から連想される語句に関するタグ情報とは、それぞれ個別に設けられた学習済モデルMDを用いて判定してもよい。記憶部12は、これらの学習済モデルMDの少なくとも1つを記憶してよい。
例えば、処理部13は、音又は振動の発生源に関する複数のタグ情報の中から、与えられた音・振動データが表す音又は振動の発生源に当てはまるタグ情報を識別するように生成された学習済モデルMDを用いて、1つの計測情報に関連付けるべきタグ情報(音又は振動の発生源に関するタグ情報)を判定してよい。
また、処理部13は、音又は振動の物理的情報に関する複数のタグ情報の中から、与えられた音・振動データが表す音又は振動の物理的情報に当てはまるタグ情報を識別するように生成された学習済モデルMDを用いて、1つの計測情報に関連付けるべきタグ情報(音又は振動の物理的情報に関するタグ情報)を判定してよい。
また、処理部13は、音又は振動から連想される語句に関する複数のタグ情報の中から、与えられた音・振動データが表す音又は振動から連想される語句に当てはまるタグ情報を識別するように生成された学習済モデルMDを用いて、1つの計測情報に関連付けるべきタグ情報(音又は振動から連想される語句に関するタグ情報)を判定してよい。
【0047】
なお、処理部13は、計測情報に含まれた各情報(数値データ、対象情報、条件情報、計測器情報、実施者情報、解析情報)の特徴に当てはまるタグ情報を判定する場合、上述した学習済モデルMDを用いない方法によって判定を行ってもよい。例えば、計測情報に含まれた各情報に基づいて、予め設定したルールに基づくアルゴリズムによりタグ情報を判定してもよい。
【0048】
図2に戻る。
ステップST105において計測情報に対するタグ情報を判定すると、サーバ1の処理部13は、この計測情報とタグ情報とを計測情報DB22において関連付ける。すなわち、処理部13は、1つの計測情報について判定された1つ以上のタグ情報と当該1つの計測情報とを、計測情報DB22において関連付ける。処理部13は、サーバ1の処理を継続する間(ステップST115のNo)、上述したステップST100~ST110を繰り返す。
【0049】
このように、本実施形態では、計測情報DB22に蓄積した計測情報に対して自動的に検索用のタグ情報が判定されて、計測情報との関連付けが設定される。そのため、利用者がタグ情報を自ら判定して計測情報との関連付けを設定するような手間を削減できる。また、人の主観でタグ情報を判定する場合のような判定基準のバラつきが生じないため、検索キーワードとして適当なタグ情報を指定することにより、利用者が望んだ計測情報を的確に検索することができる。
【0050】
また、本実施形態では、計測情報DB22の音・振動データを含む計測情報に対して、その音・振動データが表す音又は振動の特徴に当てはまるタグ情報(音又は振動の発生源に関するタグ情報、音又は振動の物理的情報に関連するタグ情報、音又は振動から連想される語句に関するタグ情報など)が関連付けられる。そのため、音又は振動の特徴に関する適切なタグ情報を検索キーワードとして指定することにより、利用者が望んだ音・振動データを含む計測情報を的確に検索することができる。
【0051】
また、本実施形態では、タグ情報の判定に学習済モデルMDが用いられるため、計測情報DB22に蓄積する計測情報の種類が増えた場合でも、計測情報の種類の増加に合わせてタグ情報DB23のタグ情報を増やすとともに、タグ情報の増加に合わせて学習済モデルMDを適宜生成し直すことにより、計測情報の特徴に当てはまった適切なタグ情報を判定することができる。
【0052】
図4は、音・振動データから音・振動特徴情報を生成して計測情報DB22に登録する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
サーバ1の処理部13は、計測情報DB22の計測情報に含まれる音・振動データについて音・振動特徴情報を生成する所定のタイミングにおいて(ST200のYes)、計測情報に含まれた音・振動データが表す音又は振動の1つ以上の特徴に関する1つ以上の音・振動特徴情報を生成する(ST205)。例えば処理部13は、所定の時間帯に入った場合、所定のイベントが発生した場合、端末装置3からの計測情報のアップロードがあった場合など、予め設定された条件を満たした場合に音・振動特徴情報の生成(ST205)を行う。
【0053】
処理部13は、音・振動特徴情報の生成を行う場合、計測情報DB22に記憶する複数の計測情報の中から、音・振動特徴情報の生成対象となる計測情報を選択する。例えば処理部13は、計測情報DB22において音・振動データを含む計測情報の中から、まだ音・振動特徴情報を生成していない計測情報を生成対象として選択する。また、処理部13は、端末装置3から音・振動データを含む計測情報がアップロードされた場合、このアップロードされた計測情報の音・振動データを生成対象として選択してもよい。
【0054】
処理部13が生成する音・振動特徴情報は、例えば、音又は振動の1つ以上の種類(以下、「音・振動種類」と記す場合がある。)に対応する1つ以上の評価値情報を含む。評価値情報は、音・振動データにおける複数の時間区分に対応した複数の評価値に関する情報を含む。1つの音・振動種類と1つの時間区分とに対応した1つの評価値は、当該1つの時間区分における音又は振動が当該1つの音・振動種類に適合する度合いを表した数値である。
一例として、5つの音・振動種類「動物」、「会話」、「鳥の鳴き声」、「屋外(田舎又は自然)」、「屋外(都会又は人為)」があるものとする。処理部13は、音・振動データを一定時間幅の複数の時間区分に分けて、各時間区分における評価値を取得する。すなわち、処理部13は、個々の時間区分において、音又は振動が特定の音・振動種類(例えば「動物」)に適合する度合いを評価値として取得する。このとき、処理部13は、入力される音・振動データが特定の音・振動種類に適合する確率を評価値として出力するように学習された学習済モデルを用いて、各時間区分の評価値を取得してもよい。処理部13は、複数の時間区分の評価値を、5つの音・振動種類についてそれぞれ取得する。そして、処理部13は、5つの音・振動種類についてそれぞれ取得した評価値群(複数の時間区分の評価値)に基づいて、5つの評価値情報を取得する。1つの評価値情報は、対応する1つの音・振動種類(例えば「動物」)について取得した評価値群をそのまま含んでもよいし、当該1つの音・振動種類への適合度合いを表すように評価値群に基づいて得られる値(例えば、評価値群における最大値、平均値など)を含んでもよいし、これらを両方含んでもよい。
【0055】
あるいは、処理部13は、音・振動データに対して公知の特徴量分析手法(ケプストラム分析など)を適用することにより、音又は振動の特徴量を含んだ音・振動特徴情報を生成してもよい。
【0056】
処理部13は、計測情報に含まれる音・振動データについて1つ以上の音・振動特徴情報を生成すると、この生成した1つ以上の音・振動特徴情報を計測情報に関連付けて計測情報DB22に格納する(ST210)。処理部13は、サーバ1の処理を継続する間(ステップST215のNo)、上述したステップST200~ST210を繰り返す。
【0057】
サーバ1の処理部13は、例えば後述する図5の画面などにおいて利用者の指示が入力された端末装置3から音・振動データに類似する音・振動データの検索を求める音・振動データ検索要求を受信した場合、この音・振動データに基づく1つ以上の音・振動特徴情報を生成し、生成した1つ以上の音・振動特徴情報に類似する1つ以上の音・振動特徴情報に関連付けられた計測情報を計測情報DB22において検索する。
また、処理部13は、音・振動特徴情報に関する検索条件を指定した音・振動データ検索要求を端末装置3から受信した場合、この検索条件に当てはまる音・振動特徴情報に関連付けられた1つ以上の計測情報を計測情報DB22において検索してもよい。
【0058】
本実施形態では、計測情報DB22に格納される計測情報の音・振動データについて音・振動特徴情報が自動的に生成される。そして、端末装置3からの音・振動データ検索要求に応じて音・振動データを検索する場合に、この音・振動データ検索要求において検索の対象とされた音・振動データの音・振動特徴情報に類似する音・振動特徴情報に関連付けられた計測情報が計測情報DB22において検索される。従って、計測情報DB22に蓄積された多数の計測情報の中から、端末装置3の利用者が指定した音・振動データに類似する音・振動データが含まれた計測情報を容易に検索することができる。また、計測情報DB22に予め音・振動特徴情報が格納されるため、検索対象の音・振動データと計測情報DB22に格納された音・振動データとの類似判定を高速に行うことができる。
【0059】
図5Aは、計測情報DB22に格納される計測情報のリストと、リスト上で選択された1つの計測情報の詳細を含んだ端末装置3の画面の一例である。
【0060】
端末装置3は、例えば、利用者の識別情報と所定の認証情報(パスワードなど)を用いてサーバ1にログインした後、図5Aに示すような計測情報のリストを含む画面を表示部33のディスプレイに表示する。図5Aの例において、画面内のウィンドウAにおける左側の領域A20には、複数の計測情報に対応した複数の項目が計測情報のリストとして表示される。ウィンドウAの右側の領域A50には、領域A20のリスト上で選択された1つの計測情報(複数の項目から選択された1つの項目に対応する計測情報)の内容が表示される。
【0061】
領域A20における計測情報のリストは、リストに含まれた各計測情報を選択するためのチェックボックスA22が配置された列A21と、計測情報の共有状態を示すマークA24、A25が配置された列A23と、利用者がお気に入りとして設定した計測情報を示すマークA27が配置された列A26と、計測情報の名称が記載された列A28と、計測情報のファイルの種類を示す記号(例えばファイルの拡張子)が記載された列A29と、計測情報に関連する日時(例えば計測情報をアップロードした日時、計測情報を更新した日時など)が記載された列A30とを含む。マークA24は、端末装置3の利用者が計測情報の所有者であることを示し、マークA25は、端末装置3の利用者が計測情報の共有者であることを示す。
【0062】
領域A20の上側には、計測情報の検索用のキーワードが入力されるテキストボックスA1と、テキストボックスA1に入力されたキーワードによる検索を実行するためのボタンA2と、検索用のファイル(例えば音・振動データのファイル)を入力するためのボタンA3と、お気に入りに設定した計測情報を抽出して領域A20のリストに表示させるためのボタンA4と、一時的に削除した計測情報を領域A20のリストに表示させるためのボタンA5が配置される。
【0063】
テキストボックスA1及びボタンA2~A5と領域A20との間には、列A21のチェックボックスA22を一律にチェック状態又は非チェック状態に設定するためのボタンA6と、チェックボックスA22がチェック状態に設定された計測情報に対してそれぞれ所定の処理を実行するためのボタンA7~A11とが配置される。ボタンA7は、計測情報に対して所定の解析を実行するためのボタンである。ボタンA8は、計測情報の共有状態を設定するためのボタンである。ボタンA9は、列A28の計測情報の名称を変更するためのボタンである。ボタンA10は、計測情報に対する他の複数の処理を選択可能に表示するためのボタンである。ボタンA11は、計測情報を計測情報DB22から削除するためのボタンである。
【0064】
領域A50は、計測情報に含まれた各情報の内容を示す複数の領域(A52、A53、A55)が縦方向に並んで配置される。領域A50の右側には、これらの領域を上下にスクロールさせるためのスクロールバーA51が配置される。領域A52にはファイルに関する情報が記載され、領域A53には計測結果として得られた複数のチャンネルの波形が表示され、領域A55には計測を行った場所を示す地図が表示される。領域A53において各チャンネルの波形の横に配置されたボタンA54は、波形を音として再生するためのボタンである。
計測情報が写真のデータを含む場合、領域A50には、計測情報の内容として図5Bに示すような写真の画像が表示される。また、計測情報が解析情報を含む場合、領域A50には、計測情報の内容として図5Cに示すような解析結果の波形やグラフなどが表示される。
【0065】
領域A50の上側には、リストに含まれる計測情報の順位が記載された領域A40と、リストに含まれる計測情報を切り替えるためのボタンA41及びA42と、利用者がアクセス可能な全ての計測情報のファイルサイズが記載された領域A43とが配置される。この領域A43と領域A50との間には、計測情報の内容を領域A50に表示させるボタンA44と、図6に示すような計測情報の履歴を表示させるボタンA45が配置される。
【0066】
図6は、計測情報の履歴が表示された端末装置3の画面の一例を示す図であり、領域A20のリスト上で選択された1つの計測情報の履歴を含む画面の例を示す。計測情報のリストが表示された領域A20の横の領域A70には、領域A20のリスト上で選択された1つの計測情報に関する履歴を表したリストが表示される。この履歴のリストにおいて、列A78には履歴の内容(数値データの編集、数値データの復元、アクセス履歴、解析の実施など)が記載され、列A79には履歴の日時が記載される。履歴のリストには、リストを上下にスクロールさせるためのスクロールバーA71が配置される。
【0067】
また、領域A70の履歴のリストにおける列A76には、数値データの編集や復元を行った履歴の中で、編集後や復元後のデータがまだ保存されている履歴を選択するためのラジオボタンA77が配置される。図6の例では、履歴の内容を示す列A78において、数値データの編集や復元を行った履歴が7つ含まれており、当該7つの履歴のうち、列A76にラジオボタンA77が配置された4つの履歴には、編集後や復元後のデータがまだ保存されている。
【0068】
領域A70における履歴のリストの上側には、ラジオボタンA77で選択された過去のデータ(計測結果の数値データなど)に対して所定の処理を実行させるためのボタンA72~A75が配置される。ボタンA72は、選択された過去のデータを表示させるためのボタンである。ボタンA73は、選択された過去のデータをダウンロードするためのボタンである。ボタンA74は、選択された過去のデータを削除するためのボタンである。ボタンA75は、選択された過去のデータを最新のデータとして復元させるためのボタンである。
【0069】
なお、処理部13は、計測情報に含まれるデータが編集された場合において、編集前のデータを履歴として保存するか否かを利用者が計測情報ごとに設定できるようにしてもよい。
【0070】
図7は、端末装置3からの処理要求に応じたサーバ1の処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
端末装置3は、検索条件を指定した計測情報の検索指示を入力すると(ST300)、検索条件に当てはまる計測情報の検索要求をサーバ1に送信する(ST305)。サーバ1の処理部13は、端末装置3から計測情報の検索要求を受信した場合、受信した検索要求に関わる検索対象の計測情報を計測情報DB22において検索する(ST310)。例えばサーバ1の処理部13は、検索要求とともに受信したキーワードと同一若しくは類似のタグ情報に関連付けられた計測情報を計測情報DB22において検索する。
【0071】
また、サーバ1の処理部13は、検索要求において指定された特定の音・振動データに類似する音・振動データの検索を求める検索要求(音・振動データ検索要求)を端末装置3から受信した場合、この特定の音・振動データについて1つ以上の音・振動特徴情報を生成し、生成した1つ以上の音・振動特徴情報に類似する1つ以上の音・振動特徴情報に関連付けられた計測情報を計測情報DB22において検索してもよい。例えば、サーバ1の処理部13は、特定の音・振動データについて生成した1つ以上の音・振動特徴情報に基づいて、この特定の音・振動データに類似する場合の音・振動特徴情報に関する条件を設定し、設定した条件に当てはまる音・振動特徴情報に関連付けられた1つ以上の計測情報を計測情報DB22において検索してもよい。
【0072】
更に、サーバ1の処理部13は、音・振動特徴情報に関する検索条件を指定する音・振動データ検索要求を端末装置3から受信した場合、この検索条件に当てはまる音・振動特徴情報に関連付けられた1つ以上の計測情報を計測情報DB22において検索してもよい。音・振動特徴情報に関する検索条件としては、例えば以下のような種々の条件を設定してよい。
・特定の音・振動種類(上述した「動物」、「会話」など)についての評価値が所定のしきい値より大きい時間区分を含んでいること
・特定の音・振動種類についての評価値群における最大値が所定のしきい値より大きいこと
・複数の音・振動種類について定めた複数の評価値の条件が、所定の論理的関係(AND、ORなど)を満たすこと
これにより、目的とする音・振動種類に適合した音や振動が含まれる音・振動データを、様々な条件で検索することが可能になる。
更にこの場合、サーバ1の処理部13は、計測情報DB22において検索により見つかった計測情報に含まれる音・振動データにおいて、評価値に関する検索条件に当てはまる1つ以上の時間区分を特定してもよい。例えば、特定の音・振動種類についての評価値群における最大値が所定のしきい値より大きい時間区分を含んでいることを検索条件とした場合、サーバ1の処理部13は、この最大値(評価値群における最大の評価値)が得られた時間区分を特定してもよい。これにより、音・振動データの再生音をユーザが自ら聴取して目的の音(評価値が最大となる音)が収録された時間区分を探索する場合に比べて、ユーザの手間を大幅に削減することができる。
【0073】
サーバ1の処理部13は、計測情報の検索結果が得られると、その検索結果の情報(検索により見つかった計測情報のリストを構成するための情報)を端末装置3に送信する(ST315)。端末装置3の処理部35は、サーバ1から受信した検索結果の情報に基づいて、図5A図6に示すような計測情報のリストを含む画面(複数の計測情報に対応した複数の項目を含む画面)を表示する(ST320)。
【0074】
端末装置3の処理部35は、画面に表示したリストにおいて1つの計測情報を選択する指示(複数の計測情報に対応する複数の項目の1つを選択する指示)が入力されると(ST325)、選択された計測情報(選択された項目に対応する計測情報)をサーバ1に要求する(ST330)。サーバ1の処理部13は、端末装置3からこの要求を受信すると、要求された計測情報を計測情報DB22から読み出して(ST335)端末装置3に送信する(ST340)。端末装置3の処理部35は、サーバ1から受信した計測情報の内容を含む画面(図5A図6など)を表示部33に表示する(ST345)。
【0075】
端末装置3の処理部35は、図5A図6における各ボタンが押下されると(ST350)、押下されたボタンに応じた処理要求をサーバ1に送信する(ST355)。サーバ1の処理部13は、端末装置3から処理要求を受信すると、受信した処理要求に応じた処理を実行し(ST360)、その処理の結果に応じて画面を更新するための画面更新情報を端末装置3に送信する(ST365)。端末装置3の処理部35は、サーバ1から受信した画面更新情報に応じて画面を更新する(ST370)。
【0076】
このように、本実施形態によれば、検索により見つかった計測情報のリストとともに、リスト上で選択した計測情報の内容や履歴を簡単に確認することができる。
【0077】
なお、計測情報のリスト上で選択した1つの計測情報が、計測情報DB22において他の1以上の計測情報と関連付けられている場合、端末装置3の処理部35は、リスト上で選択した計測情報の内容や履歴の他に、この計測情報と関連付けられた他の計測情報の内容や履歴を画面に表示させてもよい。すなわち、処理部35は、画面に表示したリストにおいて1つの計測情報を選択する指示(複数の計測情報に対応する複数の項目の1つを選択する指示)が入力されると、選択された1つの計測情報(選択された項目に対応する計測情報)と、当該1つの計測情報に関連付けられた他の計測情報とをサーバ1から取得し、取得した各計測情報の内容や履歴を含むように画面を更新してもよい。
【0078】
図8は、リスト上で1つ選択された計測情報、及び、これに関連付けられた他の計測情報の内容を含む端末装置3の画面の一例を示す図である。図8の例において、計測情報のリストを含む領域A20の右側には、互いに関連付けられた複数の計測情報の内容を含んだ領域A60が配置される。領域A60には、計測情報のリスト上で1つ選択された計測情報の内容と、この1つの計測情報に関連付けられた他の計測情報の内容を含む領域A62、A63、A68、A69が縦方向に並んで配置されており、領域A60の右側には、これらの領域を上下にスクロールさせるためのスクロールバーA65が配置される。計測情報のリスト上で1つ選択された計測情報の領域A62が、領域A60において最も上側に配置される。領域A63には、音又は振動のスペクトル解析に関する解析情報を表すグラフA66及びA67が含まれる。グラフA67は、各時刻のスペクトル解析の結果を表すグラフである。また、リスト上で1つ選択された計測情報に対して関連付けられた他の計測情報の領域(A63、A68、A69)には、この関連付けを解除するためのボタンA64が配置される。
【0079】
図9は、リスト上で1つ選択された計測情報、及び、これに関連付けられた他の計測情報の履歴を含む端末装置3の画面の一例を示す図である。図9において、計測情報のリストを含む領域A20の右側には、互いに関連付けられた複数の計測情報の履歴を含んだ領域A80が配置される。領域A80には、計測情報のリスト上で1つ選択された計測情報の履歴と、この1つの計測情報に関連付けられた他の計測情報の履歴を含む領域A82、A83、A85が縦方向に並んで配置されており、領域A80の右側には、これらの領域を上下にスクロールさせるためのスクロールバーA81が配置される。計測情報のリスト上で1つ選択された計測情報の領域A82が、領域A80において最も上側に配置される。領域A82、A83、A85に含まれる履歴のリストは、図6の領域A70に表示される履歴のリストと同様である。このリストの上側の領域A84には、図6の領域A70に設けられたボタンA72~A74と同様に、選択された過去のデータを表示、ダウンロード、削除するためのボタンが配置されている。
【0080】
このように、本実施形態によれば、1つの計測情報の内容や履歴を画面に表示する場合において、この1つの計測情報に関連付けられた他の1以上の計測情報についても、その内容や履歴を画面に表示することができ、計測に関する互いに関連した複数の情報の内容や履歴を画面上で容易に確認することができる。
【0081】
図10は、端末装置3からの計測情報格納要求に応じたサーバ1の処理の一例を説明するためのフローチャートである。
サーバ1の処理部13は、計測情報DB22への計測情報の格納を求める計測情報格納要求を端末装置3から受信すると(ST400のYes)、計測情報格納要求に係る計測情報を計測情報DB22に格納するとともに(ST405)、この計測情報について1つ以上のタグ情報を判定する(ST410)。処理部13は、例えば、1つ以上の学習済モデルMDを用いてタグ情報の判定を行ってよい。
【0082】
処理部13は、端末装置3から受信した計測情報格納要求に係る計測情報について1つ以上のタグ情報を判定した場合、判定した1つ以上のタグ情報を含む1つ以上のタグ情報の候補から、計測情報格納要求に係る計測情報に関連付けるべきタグ情報を選択するように促す画面を端末装置3において表示させる(ST415)。
【0083】
図11は、タグ情報の選択、設定を促す端末装置3の画面の一例を示す図である。
端末装置3は、タグ情報の設定を促す画面として、例えば図11に示すようなウィンドウBを含んだ画面を表示する。このウィンドウBには、タグ情報の種類ごとにチェックボックスでタグ情報を設定するためのチェックリストB1~B4が配置される。これらのチェックリストB1~B4では、ステップST410で判定したタグ情報の候補が予めチェック状態に設定されている。チェックリストB1~B4の下側には、タグ情報をフリーワードで入力するためのテキストボックスB5が配置される。ウィンドウBの下側には、タグ情報の設定を決定してサーバ1に送信するためのボタンB6が配置される。尚、ボタンB7はタグ情報のフリーワードを入力するためのテキストボックスB5を追加するボタンである。
【0084】
端末装置3の処理部35は、図11に示すタグ情報の選択を促す画面においてボタンB6が押下されると、この画面において選択されたタグ情報と計測情報との関連付けを求めるタグ情報関連付け要求をサーバ1に送信する。サーバ1の処理部13は、端末装置3からタグ情報関連付け要求を受信すると、受信したタグ情報関連付け要求に係るタグ情報と、ステップST400で受信した計測情報格納要求に係る計測情報とを計測情報DB22において関連付ける(ST420)。
【0085】
このように、本実施形態によれば、計測情報に基づいて自動的に判定されたタグ情報の候補を参照しながら、利用者がタグ情報を設定できるため、計測情報にタグ情報を関連付けるための作業負担を効果的に軽減できる。
【0086】
なお、サーバ1の処理部13は、タグ情報関連付け要求に係るタグ情報を計測情報格納要求に係る計測情報に関連付けた場合、計測情報格納要求に係る計測情報からタグ情報関連付け要求に係るタグ情報を識別させることを正解とする教師あり学習によって、少なくとも一部の学習済モデルMDを更新してもよい。これにより、利用者の意向に沿った適切なタグ情報の判定を行うことが可能になる。
【0087】
なお、本発明は上述した実施形態にのみ限定されない。前述の各実施形態又はその適用例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
【0088】
以下、本実施形態に関連する付記を記載する。
【0089】
[付記1]
端末装置からの要求に応じて、データベースに蓄積された計測情報へのアクセスを提供する処理をサーバに実行させるプログラムであって、
前記計測情報は、計測結果に関する数値データ、計測対象に関する対象情報、計測条件に関する条件情報、計測に用いた計測器に関する計測器情報、計測の実施者に関する実施者情報、及び、計測結果の解析に関する解析情報の少なくとも1つを含んでおり、
前記プログラムが前記サーバに実行させる処理は、
検索用のタグ情報を指定する検索要求を前記端末装置から受信した場合、前記検索要求が指定する前記タグ情報に関連付けられた前記計測情報を前記データベースにおいて検索するステップと、
計測対象に関する特徴、計測条件に関する特徴、計測に用いた計測器に関する特徴、計測の実施者に関する特徴、及び、計測結果の解析に関する特徴の少なくとも1つに関連する複数の前記タグ情報の中から、前記計測情報に含まれる前記数値データ、前記対象情報、前記条件情報、前記計測器情報、前記実施者情報、及び、前記解析情報の少なくとも1つが表す特徴に当てはまる1つ以上の前記タグ情報を判定するステップと、
1つの前記計測情報について判定された1つ以上の前記タグ情報と、当該1つの計測情報とを前記データベースにおいて関連付けるステップとを含む、
プログラム。
[付記2]
前記数値データは、音又は振動に関する音・振動データを含み、
前記タグ情報を判定するステップは、前記計測情報に含まれる前記音・振動データに基づいて、音又は振動の特徴に関する複数の前記タグ情報の中から、当該音・振動データが表す音又は振動の特徴に当てはまる1つ以上の前記タグ情報を判定することを含む、
付記1に記載のプログラム。
[付記3]
前記サーバは、音又は振動の特徴に関する複数の前記タグ情報の中から、与えられた前記音・振動データが表す音又は振動の特徴に当てはまる1つ以上の前記タグ情報を識別するように生成された1つ以上の学習済モデルを記憶する記憶部を有し、
前記タグ情報を判定するステップは、1つの前記計測情報に含まれる前記音・振動データを1つ以上の前記学習済モデルに適用することにより、当該1つの計測情報について1つ以上の前記タグ情報を判定する、
付記2に記載のプログラム。
[付記4]
前記記憶部に記憶される1つ以上の前記学習済モデルは、
音又は振動の発生源に関する複数の前記タグ情報の中から、与えられた前記音・振動データが表す音又は振動の発生源に当てはまる前記タグ情報を識別するように生成された前記学習済モデル、
音又は振動の物理的情報に関する複数の前記タグ情報の中から、与えられた前記音・振動データが表す音又は振動の物理的情報に当てはまる前記タグ情報を識別するように生成された前記学習済モデル、及び、
音又は振動から連想される語句に関する複数の前記タグ情報の中から、与えられた前記音・振動データが表す音又は振動から連想される前記語句に当てはまる前記タグ情報を識別するように生成された前記学習済モデル
の少なくとも1つを含む、
付記3に記載のプログラム。
[付記5]
音から連想される前記語句は擬音語を含む、
付記4に記載のプログラム。
[付記6]
前記プログラムが前記サーバに実行させる処理は、
前記計測情報に含まれる前記音・振動データが表す音又は振動の1つ以上の特徴に関する1つ以上の音・振動特徴情報を生成するステップと、
前記計測情報に含まれる前記音・振動データについて生成した1つ以上の前記音・振動特徴情報と当該計測情報とを関連付けて前記データベースに格納するステップとを含み、
前記データベースにおいて前記計測情報を検索するステップは、前記音・振動特徴情報に関する検索条件を指定する音・振動データ検索要求を前記端末装置から受信した場合、前記検索条件に当てはまる前記音・振動特徴情報に関連付けられた1つ以上の前記計測情報を前記データベースにおいて検索することを含む、
付記2に記載のプログラム。
[付記7]
前記音・振動特徴情報は、音又は振動の1つ以上の種類に対応する1つ以上の評価値情報を含み、
前記評価値情報は、前記音・振動データにおける複数の時間区分に対応した複数の評価値に関する情報を含み、
1つの前記種類と1つの前記時間区分とに対応する1つの前記評価値は、当該1つの時間区分における音又は振動が当該1つの種類に適合する度合いを表した数値であり、
前記検索条件は、1つ以上の前記種類の前記評価値に関する条件を含む、
付記6に記載のプログラム。
[付記8]
前記データベースにおいて前記計測情報を検索するステップは、前記計測情報に含まれる前記音・振動データにおいて、前記評価値に関する前記検索条件に当てはまる1つ以上の前記時間区分を特定することを含む、
付記7に記載のプログラム。
[付記9]
前記データベースにおいて前記計測情報を検索するステップは、特定の前記音・振動データに類似する前記音・振動データの検索を求める前記音・振動データ検索要求を受信した場合、当該特定の音・振動データについて1つ以上の前記音・振動特徴情報を生成し、生成した1つ以上の前記音・振動特徴情報に類似する1つ以上の前記音・振動特徴情報に関連付けられた前記計測情報を前記データベースにおいて検索することを含む、
付記6~8のいずれか一項に記載のプログラム。
[付記10]
前記サーバは、1つ以上の学習済モデルを記憶する記憶部を有し、
前記学習済モデルは、計測対象に関する特徴、計測条件に関する特徴、計測に用いた計測器に関する特徴、計測の実施者に関する特徴、及び、計測結果の解析に関する特徴の少なくとも1つに関連する複数の前記タグ情報の中から、与えられた前記計測情報に含まれる前記数値データ、前記対象情報、前記条件情報、前記計測器情報、前記実施者情報、及び、前記解析情報の少なくとも1つが表す特徴に当てはまる1つ以上の前記タグ情報を識別するように生成されており、
前記タグ情報を判定するステップは、1つの前記計測情報に含まれる前記対象情報、前記条件情報、前記計測器情報、前記実施者情報、及び、前記解析情報の少なくとも1つを1つ以上の前記学習済モデルに適用することにより、当該1つの計測情報について1つ以上の前記タグ情報を判定することを含む、
付記1に記載のプログラム。
[付記11]
前記タグ情報を判定するステップは、前記データベースへの前記計測情報の格納を求める計測情報格納要求を前記端末装置から受信した場合に、受信した前記計測情報格納要求に係る前記計測情報について1つ以上の前記タグ情報を判定することを含む、
付記1~10のいずれか一項に記載のプログラム。
[付記12]
前記プログラムが前記サーバに実行させる処理は、前記計測情報格納要求に係る前記計測情報について1つ以上の前記タグ情報を判定した場合、判定した1つ以上の前記タグ情報を含む1つ以上の前記タグ情報の候補から、前記計測情報格納要求に係る前記計測情報に関連付けるべき前記タグ情報を選択するように促す画面を前記端末装置において表示させるステップを含み、
前記タグ情報と前記計測情報とを関連付けるステップは、前記タグ情報の選択を促す画面において選択された前記タグ情報と前記計測情報との関連付けを求めるタグ情報関連付け要求を前記端末装置から受信した場合、受信した前記タグ情報関連付け要求に係る前記タグ情報と、前記計測情報格納要求に係る前記計測情報とを前記データベースにおいて関連付けることを含む、
付記11に記載のプログラム。
[付記13]
前記サーバは、1つ以上の学習済モデルを記憶する記憶部を有し、
前記学習済モデルは、計測対象に関する特徴、計測条件に関する特徴、計測に用いた計測器に関する特徴、計測の実施者に関する特徴、及び、計測結果の解析に関する特徴の少なくとも1つに関連する複数の前記タグ情報の中から、与えられた前記計測情報に含まれる前記数値データ、前記対象情報、前記条件情報、前記計測器情報、前記実施者情報、及び、前記解析情報の少なくとも1つが表す特徴に当てはまる1つ以上の前記タグ情報を識別するように生成されており、
前記タグ情報を判定するステップは、1つの前記計測情報に含まれる前記対象情報、前記条件情報、前記計測器情報、前記実施者情報、及び、前記解析情報の少なくとも1つを1つ以上の前記学習済モデルに適用することにより、当該1つの計測情報について1つ以上の前記タグ情報を判定することを含み、
前記プログラムが前記サーバに実行させる処理は、前記タグ情報関連付け要求に係る前記タグ情報を前記計測情報格納要求に係る前記計測情報に関連付けた場合、前記計測情報格納要求に係る前記計測情報から前記タグ情報関連付け要求に係る前記タグ情報を識別させることを正解とする教師あり学習により、少なくとも一部の前記学習済モデルを更新するステップを含む、
付記12に記載のプログラム。
[付記14]
データベースに蓄積された計測結果に関する計測情報へのアクセスを提供するサーバと通信可能な端末装置に処理を実行させるプログラムであって、
複数の前記計測情報が前記データベースにおいて互いに関連付けられており、
前記プログラムが前記端末装置に実行させる処理は、
複数の前記計測情報に対応した複数の項目を含む画面を表示するステップと、
前記画面に表示した複数の前記項目の1つを選択する指示が入力されると、選択された1つの前記項目に対応する1つの前記計測情報と、当該1つの計測情報に関連付けられた他の前記計測情報とを前記サーバから取得し、取得した各前記計測情報の内容を含むように前記画面を更新するステップとを含む、
プログラム。
[付記15]
前記計測情報は、計測結果に関する数値データ、及び、計測結果の解析に関する解析情報の少なくとも1つを含んでおり、
前記画面を更新するステップは、前記サーバから取得した1つの前記計測情報が前記数値データを含む場合において、当該1つの計測情報に関連付けられた他の前記計測情報が前記解析情報を含むならば、当該他の計測情報の前記解析情報に基づいて、当該1つの計測情報の前記数値データに対する解析の結果を含むように前記画面を更新することを含む、
付記14に記載のプログラム。
[付記16]
前記数値データは、音又は振動に関する音・振動データであり、
前記画面を更新するステップは、前記サーバから取得した1つの前記計測情報が前記音・振動データを含む場合において、当該1つの計測情報に関連付けられた他の前記計測情報が音又は振動のスペクトル解析に関する前記解析情報を含むならば、当該他の計測情報の前記解析情報に基づいて、当該1つの計測情報の前記音・振動データに対する各時刻のスペクトル解析の結果を含むように前記画面を更新することを含む、
付記14に記載のプログラム。
[付記17]
前記計測情報は、計測対象に関する対象情報、計測条件に関する条件情報、計測に用いた計測器に関する計測器情報、計測の実施者に関する実施者情報、及び、計測結果の解析に関する解析情報の少なくとも1つを含んでおり、
前記画面を更新するステップは、前記サーバから取得した1つの前記計測情報が前記解析情報を含む場合において、当該1つの計測情報に関連付けられた他の前記計測情報が前記対象情報、前記条件情報、前記計測器情報、及び、前記実施者情報の少なくとも1つを含むならば、当該他の計測情報に基づいて、計測対象、計測条件、計測に用いた計測器、及び、計測の実施者の少なくとも1つを含むように前記画面を更新することを含む、
付記14に記載のプログラム。
[付記18]
前記画面を更新するステップは、前記サーバから取得した1つの計測情報と当該1つの計測情報に関連付けられた他の前記計測情報とが、計測結果に関する数値データと前記数値データの変更履歴に関する情報とをそれぞれ含む場合に、当該1つの計測情報の前記数値データと当該他の計測情報の前記数値データとに関する前記変更履歴を含むように前記画面を更新することを含む、
付記14に記載のプログラム。
[付記19]
端末装置からの要求に応じて、データベースに蓄積された計測情報へのアクセスを提供するサーバであって、
処理部と、
前記処理部において実行可能なプログラムの命令を記憶する記憶部とを有し、
前記計測情報は、計測結果に関する数値データ、計測対象に関する対象情報、計測条件に関する条件情報、計測に用いた計測器に関する計測器情報、計測の実施者に関する実施者情報、及び、計測結果の解析に関する解析情報の少なくとも1つを含んでおり、
前記処理部が前記プログラムの前記命令に従って実行する処理は、
検索用のタグ情報を指定する検索要求を前記端末装置から受信した場合、前記検索要求が指定する前記タグ情報に関連付けられた前記計測情報を前記データベースにおいて検索するステップと、
計測対象に関する特徴、計測条件に関する特徴、計測に用いた計測器に関する特徴、計測の実施者に関する特徴、及び、計測結果の解析に関する特徴の少なくとも1つに関連する複数の前記タグ情報の中から、前記計測情報に含まれる前記数値データ、前記対象情報、前記条件情報、前記計測器情報、前記実施者情報、及び、前記解析情報の少なくとも1つが表す特徴に当てはまる1つ以上の前記タグ情報を判定するステップと、
1つの前記計測情報について判定された1つ以上の前記タグ情報と、当該1つの計測情報とを前記データベースにおいて関連付けるステップとを含む、
サーバ。
[付記20]
データベースに蓄積された計測結果に関する計測情報へのアクセスを提供するサーバと通信可能な端末装置であって、
処理部と、
前記処理部において処理を実行可能なプログラムの命令を記憶する記憶部とを有し、
複数の前記計測情報が前記データベースにおいて互いに関連付けられており、
前記処理部が前記プログラムの前記命令に従って実行する処理は、
複数の前記計測情報に対応した複数の項目を含む画面を表示するステップと、
前記画面に表示した複数の前記項目の1つを選択する指示が入力されると、選択された1つの前記項目に対応する1つの前記計測情報と、当該1つの計測情報に関連付けられた他の前記計測情報とを前記サーバから取得し、取得した各前記計測情報の内容を含むように前記画面を更新するステップとを含む、
端末装置。
[付記21]
サーバが、端末装置からの要求に応じて、データベースに蓄積された計測情報へのアクセスを提供するアクセス提供方法であって、
前記計測情報は、計測結果に関する数値データ、計測対象に関する対象情報、計測条件に関する条件情報、計測に用いた計測器に関する計測器情報、計測の実施者に関する実施者情報、及び、計測結果の解析に関する解析情報の少なくとも1つを含んでおり、
検索用のタグ情報を指定する検索要求を前記端末装置から受信した場合、前記検索要求が指定する前記タグ情報に関連付けられた前記計測情報を前記データベースにおいて検索するステップと、
計測対象に関する特徴、計測条件に関する特徴、計測に用いた計測器に関する特徴、計測の実施者に関する特徴、及び、計測結果の解析に関する特徴の少なくとも1つに関連する複数の前記タグ情報の中から、前記計測情報に含まれる前記数値データ、前記対象情報、前記条件情報、前記計測器情報、前記実施者情報、及び、前記解析情報の少なくとも1つが表す特徴に当てはまる1つ以上の前記タグ情報を判定するステップと、
1つの前記計測情報について判定された1つ以上の前記タグ情報と、当該1つの計測情報とを前記データベースにおいて関連付けるステップと
を有するアクセス提供方法。
[付記22]
データベースに蓄積された計測結果に関する計測情報へのアクセスを提供するサーバと通信可能な端末装置における情報表示方法であって、
複数の前記計測情報が前記データベースにおいて互いに関連付けられており、
複数の前記計測情報に対応した複数の項目を含む画面を表示するステップと、
前記画面に表示した複数の前記項目の1つを選択する指示が入力されると、選択された1つの前記項目に対応する1つの前記計測情報と、当該1つの計測情報に関連付けられた他の前記計測情報とを前記サーバから取得し、取得した各前記計測情報の内容を含むように前記画面を更新するステップと
を有する情報表示方法。
【符号の説明】
【0090】
1…サーバ、11…通信部、12…記憶部、13…処理部、2…データベース部、21…利用者データベース、22…計測情報データベース、23…タグ情報データベース、3…端末装置、31…通信部、32…入力部、33…表示部、34…記憶部、35…処理部、4…計測器、9…通信ネットワーク、PG1,PG2…プログラム、MD…学習済モデル
図1
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