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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-07
(45)【発行日】2025-02-18
(54)【発明の名称】ロータ及びそれを用いた遠心機
(51)【国際特許分類】
   B04B 1/02 20060101AFI20250210BHJP
   B04B 7/12 20060101ALI20250210BHJP
【FI】
B04B1/02
B04B7/12
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023545579
(86)(22)【出願日】2022-08-30
(86)【国際出願番号】 JP2022032501
(87)【国際公開番号】W WO2023032944
(87)【国際公開日】2023-03-09
【審査請求日】2024-01-18
(31)【優先権主張番号】P 2021140741
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】520276604
【氏名又は名称】エッペンドルフ・ハイマック・テクノロジーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】金濱 衛
(72)【発明者】
【氏名】小村 崇人
(72)【発明者】
【氏名】戸井 寛厚
(72)【発明者】
【氏名】福原 栄一
【審査官】奥隅 隆
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0136648(US,A1)
【文献】特開2017-131873(JP,A)
【文献】特開2013-094746(JP,A)
【文献】特開平07-241493(JP,A)
【文献】特開2017-221897(JP,A)
【文献】特開2006-043618(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B04B 1/02
B04B 7/12
B04B 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱状のコア本体と、前記コア本体の外周面から放射状に突出するように前記コア本体に装着された複数のフィンと、を具備するコアと、前記コアを囲む筒状のロータボディとを備え、回転軸方向の両端側の間で前記コア本体と前記ロータボディ内に試料が流される構成とされたロータが、前記回転軸の周りで回転する遠心機用のロータであって、
前記フィンは前記コア本体に対して着脱可能であって、
前記フィンとして、前記コア本体の外周面よりも径方向外側に突出する部分の周方向幅が異なるものを複数種準備し、
複数種の前記フィンのいずれかを選択して前記コア本体に装着することによって、前記コア本体と前記ロータボディ間に画定される遠心分離空間の容積を変えられるようにしたことを特徴とするロータ。
【請求項2】
前記コア本体は円柱状であって、前記コア本体の外周面の周方向に等間隔で複数のフィン装着溝が形成され、
前記フィン装着溝は、前記ロータの回転軸と平行方向に前記コア本体の上端から下端まで連続して形成され、
前記フィンは、前記フィン装着溝に対応する形状の取付部と、前記フィン装着溝の開口面よりも径方向外側に突出する突出部により形成され、
前記突出部の周方向幅は、前記フィン装着溝の幅よりも大きくなるように形成されることを特徴とする請求項1に記載のロータ。
【請求項3】
前記突出部は、前記コア本体の外周面と接する内周面と、前記ロータボディの内周面と接する外周面を有して形成され、それぞれの前記フィンの外周面の面積は、前記フィン装着溝の開口面積よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載のロータ。
【請求項4】
遠心分離される試料は、前記ロータの回転中に回転軸方向における一方の側から前記ロータボディ内に注入され、他方の側から排出される構成であり、
前記ロータの分解時において、前記フィンと前記コア本体は前記ロータボディから取り外し可能とされることを特徴とする請求項3に記載のロータ。
【請求項5】
前記フィンの選択にかかわらず、前記ロータボディ内と前記コアとの空間(流路)の径方向の距離は一定であることを特徴とする請求項1に記載のロータ。
【請求項6】
前記コア本体と前記フィンは、合成樹脂製又は金属製であり、前記フィンの比重は前記コア本体の比重よりも小さくなるように構成されることを特徴とする請求項4に記載のロータ。
【請求項7】
前記フィンの密度は、1.2g/cm未満であり、
前記試料を前記ロータ内に流しながら遠心分離をおこなうと、前記フィンは、前記試料との密度差によって回転軸に近づく方向に移動することを特徴とする請求項6に記載のロータ。
【請求項8】
試料を分離するための円筒状のロータと、該ロータが収納される遠心室と、
前記ロータを回転させる駆動手段と、前記ロータの回転中に前記ロータに試料を連続的に供給および排出する試料ラインを備え、
前記ロータは、円筒形のロータボディと、前記ロータボディに配置することで前記試料の経路を形成するコア本体と、前記試料を分離するためであって前記ロータボディの内部を複数の空間に仕切るために前記コア本体に着脱可能とされる複数のフィンにより構成された遠心機において、
前記コア本体には前記フィンを取り付けるためのフィン装着溝が複数形成され、
前記フィンは、前記フィン装着溝に対応する形状の取付部と、前記フィン装着溝よりも径方向外側に突出する突出部を含んで形成され
周方向に見て前記突出部が前記フィン装着溝の形成範囲内に収まる第1のフィンと、前記突出部が前記フィン装着溝の形成範囲内から前記ロータの周方向に延在する第2のフィンを有し、
前記第1のフィン又は前記第2のフィンのいずれかを前記コア本体に装着することによって、前記コア本体と前記ロータボディとの間の遠心分離空間の容積を切り替えることを特徴とする遠心機
【請求項9】
前記第2のフィンの前記突出部は、外面が前記ロータボディの内径とほぼ等しい外径を有する円弧面を有し、前記突出部の内面が前記コア本体の外面に接触する円弧面にて形成され、前記第2のフィンの密度は、前記コア本体の密度よりも小さくなるように構成したことを特徴とする請求項8に記載の遠心機
【請求項10】
請求項1からのいずれか一項に記載の前記ロータと、該ロータが収納される遠心室と、前記ロータを駆動する駆動部と、前記ロータの回転中に前記ロータに試料を連続的に供給および排出する試料ラインと、を有することを特徴とする遠心機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータの回転中に試料を流して液体試料中の粒子をロータ内で遠心分離する遠心機に関する。
【背景技術】
【0002】
遠心機は、通常の重力場では沈降しないもしくは沈降しにくい粒子を遠心力によって分離するもので、分離対象には例えばウィルスや菌体などが含まれる。ウィルスや菌体は、薬品やワクチンなどの製造にとっては欠かせない原料であり、これらの製造過程において原料を分離精製する設備としていわゆる連続遠心分離機が広く使用される。連続遠心分離機は、高速回転するロータに、試料を連続的に供給可能とするための試料供給部を有する。試料供給部は、試料を供給するための送液ポンプを有し、制御装置による制御によってロータの回転中に試料をロータの流入口から内部に連続的に供給し、ロータの排出口から排出させる。
【0003】
遠心機においては、ロータを回転させるモータの回転速度(回転数:rpm)が定められ、ロータに試料が導入された状態で、定められた時間だけこの回転数でロータを回転させることにより、ロータ内部の試料に強い遠心力が加わる。この際の加速度(遠心加速度)は、重力加速度Gを単位として数万G以上となる場合もあり、ロータの回転速度を高速とするため、ロータは、真空排気されたロータ室に設けられる場合が多い。遠心分離処理後には、試料は密度に応じて分離される。
【0004】
こうした遠心機を用いて、例えばワクチンの原料となる試料を遠心分離処理する場合は、遠心分離を行った後に所望の密度に対応した部分が選択的に抽出される。このような連続遠心分離機の構成は、例えば特許文献1に記載されている。ここで図10を用いて特許文献1にて開示される従来のロータのコア本体331の形状を説明する。図10(A)は、コア本体331とフィン340の上面図である。特許文献1の連続遠心分離機では、ロータボディ311(符号は(B)参照)とコア本体部との間の固着を抑制する目的において、コア本体331とは別体にフィン340を別体式で構成し、各フィン340がコア本体331に装着されるようにした。フィン340を装着した後の形状は、特許文献1よりも従前の遠心機のロータコアの形状と同様の外観であり、コア本体にフィンが一体成形された形状と同じになる。コア本体331には、フィン装着溝337が形成される。フィン340は、フィン先端部342を有し、フィン基部341がフィン装着溝337に挿入するようにして取り付けられ、径方向にわずかに移動可能とした。
【0005】
図10(B)はロータが高速回転している時のフィン340の状態を示す図である。遠心分離処理時には、ロータボディ311が遠心力によってわずかに膨らむが、同時にフィン340も遠心力によって外側に移動するため、フィン先端部342の先端(径方向外周面)はロータボディ311の内面に当接した状態となる。このときのフィン340の可動範囲345は、例えば0.1mm~0.5mm程度である。フィン先端部342の先端部とロータボディ311の内面との間に沈殿物Pが入り込むことはなく、各遠心分離空間Sはフィン340によって密封された状態が維持され、分離空間S中の試料(液体)における乱流の発生が抑制される。
【0006】
この状態からロータの回転が停止した図10(C)の状態において、ロータボディ311は図10(B)の状態からわずかに収縮するが、この収縮の際にフィン340は、フィン先端部342がロータボディ311の内面と当接しながら内側に移動することになる。この結果、遠心分離処理時から処理終了時にかけて、フィン340の先端部とロータボディ311の内面とが接する状態が維持される。ロータの分解時において、フィン340は回転軸線方向(上下方向)で移動可能である。従って、遠心分離運転の終了後に、遠心分離空間S内において沈殿物Pが分離された後の試料(液体)を試料の導入と逆の手順で抜き取り、ロータを分解する。この分解時に、ロータの下側ロータカバー(図示せず)を取り外し、ロータボディ311にコア本体331が装着された状態で、ユーザはフィン340を下側に移動させてコア本体331からフィン340を抜き取ることができる。その後、コア本体331と上側ロータカバーを分離し、ロータを容易に分解することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2017-131873号公報
【文献】特開2006-43618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
連続遠心分離機では、製造用連続遠心分離の最適条件を求めるための予備試験を、実際の製造用連続遠心分離機の一部を変更してスケールダウンすることによって実現する場合がある。その場合、分離する試料(サンプル)量に応じて、コア又は遠心機を複数用意する必要があり、導入コストや、複数の遠心機の設置場所を準備する必要があった。また特許文献2の技術では、ロータボディの内部に収容される標準的なコア本体に加えて、小容量のコア本体を準備するようにしている。しかしながら、小容量のコア本体を準備することはコストアップの要因になる上に、小容量のコア本体を準備したとしても、少量の試料を分離するコア(予備試験用のコア)と、容量の多い試料を分離するコア(製造用のコア)とで、流路の半径方向の深さが異なっている場合では、試料の分離にかかる時間が異なってくるため、試料をロータ内に送り込む流量を調整する必要がある。また、少量の試料を分離するコア(予備試験用のコア)の運転条件をもとに、容量の多い試料を分離するコア(製造用のコア)で運転条件を計算によって求めるようにしているが、場合によっては運転条件の微調整が必要になり、最適な条件を求めるのに手間がかかっていた。
【0009】
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、その目的は、コア本体のフィン部を着脱可能に構成すると共に、装着するフィンの大きさによって遠心分離空間の容量を段階的に切り替え可能にした遠心機用のロータ、及びそれを用いた遠心機を提供することにある。
本発明の他の目的は、遠心運転条件を同じ状態を維持しつつ遠心分離空間の容量変更を可能とした遠心機用のロータ、及びそれを用いた遠心機を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、共通のロータボディと、共通のコア本体を用いながら簡易な手法にて遠心分離空間の容量の変更を可能とした遠心機用のロータ、及びそれを用いた遠心機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願において開示される発明のうち代表的な特徴を説明すれば次のとおりである。
本発明の一つの特徴によれば、柱状のコア本体と、コア本体の外周面から放射状に突出するようにコア本体に装着された複数のフィンと、を具備するコアと、コアを囲む筒状のロータボディとを備え、回転軸方向の両端側の間でコア本体とロータボディ内に試料が流される構成とされたロータが、回転軸の周りで回転する遠心機用のロータにおいて、フィンはコア本体に対して着脱可能であって、フィンとして、コア本体の外周面よりも径方向外側に突出する部分の周方向幅が異なるものを複数種準備した。ユーザは、ロータの分解時に、複数種のフィンのいずれかを選択してコア本体に装着することによって、コア本体とロータボディ間に画定される遠心分離空間Sの容積を、通常の大きさだけでなく、容積を小さくして小容量の遠心分離に対応できるようにした。ロータのコア本体は略円柱状であって、コア本体の外周面の周方向に等間隔で複数のフィン装着溝が形成される。フィン装着溝は、ロータの回転軸と平行方向にコア本体の上端から下端まで連続して形成される。このフィンは、フィン装着溝に対応する形状の取付部と、フィン装着溝の開口面よりも径方向外側に突出する突出部により形成され、突出部の周方向幅は、フィン装着溝の幅よりも大きくなるように形成される。
【0011】
本発明の他の特徴によれば、フィンの突出部は、コア本体の外周面と接する内周面と、ロータボディの内周面と接する外周面を有して形成され、フィンのそれぞれの外周面の面積は、フィン装着溝の開口面積よりも大きくなるように構成される。遠心機における遠心分離される試料は、ロータの回転中に回転軸方向における一方の側からロータボディ内に注入され、他方の側から排出される構成であり、ロータの分解時において、フィンとコア本体はロータボディから取り外し可能とされる。また、ユーザが選択したフィンにかかわらず、ロータボディ内とコアとの遠心分離空間Sの径方向の距離は一定であるので、フィンを変更しても試料に加わる遠心加速力などの変化がなく、遠心分離条件が一定に保たれる。尚、コア本体とフィンは、合成樹脂製又は金属製であり、フィンの密度はコア本体の密度よりも小さくなるように構成される。例えば、フィンの密度は、1.2g/cm未満として密度勾配液の最大密度よりも小さく設定すれば、試料をロータ内に流しながら遠心分離をおこなうと、フィンは、試料との密度差によって回転軸に近づく方向に移動する。
【0012】
本発明のさらに他の特徴によれば、試料を分離するための円筒状のロータと、該ロータが収納される遠心室と、ロータを回転させる駆動手段と、ロータの回転中にロータに試料を連続的に供給および排出する試料ラインを備えた遠心機用のロータにおいて、ロータは、円筒形のロータボディと、ロータボディに配置することで試料の経路を形成するコア本体と、試料を分離するためであってロータボディの内部を複数の空間に仕切るためにコア本体に着脱可能とされるフィンにより構成される。コア本体にはフィンを取り付けるためのフィン装着溝が形成される。フィンは、フィン装着溝に対応する形状の取付部と、フィン装着溝よりも径方向外側に突出する突出部を含んで形成され、突出部がフィン装着溝の形成範囲よりもロータの周方向に延在させることによって、コア本体とロータボディとの間の遠心分離空間の容積を変更することが可能となる。フィンの突出部は、外面がロータボディの内径とほぼ等しい外径を有する円弧面を有し、突出部の内面がロータボディの外面に接触する円弧面にて形成され、フィンの密度は、コア本体の密度よりも小さくなるように構成した。このようなロータを用いて、ロータを駆動する駆動部を有する連続遠心機を構成した。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ロータコアの本体部(コア本体)に、羽根部(フィン)を着脱できるように構成すると共に、通常の羽根部と、遠心分離空間を通常より小さくするための羽根部を準備した。ユーザは本体部に装着する羽根部を交換することで、分離空間の径方向の距離を変えることなく、遠心分離空間(分離室)の流路面積を変えることで分離空間(分離室)の体積を変えることができる。この結果、一度の遠心分離運転の処理容量の変化に柔軟に対応でき、例えば、小容量の試験的な連続遠心分離から、大容量の生産用の連続遠心分離までに対応できるので、コア本体や、ロータを複数準備しなくても済むことになる。また、ロータコアの本体部(コア本体)の径方向の寸法を変えることなく、羽根部の差替えだけで流路容積を変更できるので、遠心条件が同一のままで試料の容量変更にも柔軟に対応できる。このように、少量の実験用試料で最適な運転条件を導き、運転条件を変えることなく生産用の試料(大容量)を分離することができる。この結果、一度の遠心分離運転の処理容量の変化に柔軟に対応でき、例えば、試験的な分離から生産用の分離まで対応できるので、コアや連続遠心機本体を複数台準備しなくても済む。また、ロータコアの本体部(コア本体)の径方向の寸法を変えることなく、羽根部の差替えだけで流路面積を変更することができるので、試料の容量変更によって遠心条件が変わってしまう虞を排除できる。このように、少量の実験用試料で最適な運転条件を導き、運転条件を変えることなく生産用の試料(大容量)を分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施例に係る遠心機1の全体を示す斜視図である。
図2図1の遠心分離部100の詳細構造を示す断面図と、試料ラインの配管図である。
図3図1のロータ10の縦断面図である。
図4図3のA-A部の断面図であり、(A)はコア本体31に標準的なフィン40を取り付けた状態の断面図であり、(B)はコア本体31へ取り受けるフィン40又はフィン50の取り付け方法を説明するための図であり、(C)はコア本体31に小容量対応のフィン50を取り付けた状態のA-A部の断面図である。
図5】(A)は本実施例のコア本体31に、小容量対応のフィン50を取り付けた状態の上面図であり、(B)は(A)の部分拡大図であり、(C)はコア本体31に、中容量対応のフィン60を取り付けた状態の部分上面図である。
図6】(A)は図4で示した標準的なフィン40の全体形状を示す斜視図であり、(B)は図4で示した小容量用のフィン50の全体形状を示す斜視図であり、(C)は小容量用のフィン50にてロータを高速回転させた状態を説明するための水平断面図(模式図)である。
図7】本実施例の第1の変形例に係る小容量用のフィン70を示す図であり、(A)は水平断面図であり、(B)は全体を示す斜視図である。
図8】本実施例の第2の変形例に係る小容量用のフィン80を示す図であり、(A)は水平断面図であり、(B)は全体を示す斜視図である。
図9】本発明の第2の実施例に係るロータ10Aの鉛直断面図である。
図10】(A)は従来のロータのコア本体331の形状を示す上面図であり、(B)はロータが高速回転している時のフィン340の状態を示す図であり、(C)はロータが減速して停止する際のフィン340の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0015】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下の図において、同一の部分には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。また、本明細書においては、前後、上下の方向は図中に示す方向であるとして説明する。
【0016】
図1は、本実施例に係る遠心機(連続遠心分離機)1の全体を示す斜視図である。図1に示されるように遠心機1はロータ10の回転中において外部から試料をロータ10の内部に連続的に供給し、排出させることができるものであり、ワクチン製造工程などにおいて広く使用される。遠心機1は、遠心分離部100と制御装置部200の2つの主要部分から構成される。遠心分離部100と制御装置部200との間は配線・配管群250で接続される
【0017】
遠心分離部100は、遠心室となる円筒状のチャンバ101と、チャンバ101を支持するベース110と、チャンバ101の内部に出し入れ自由に収容されて高速回転するロータ10と、チャンバ101の上側に配置されてロータ10を吊り下げた状態でこれを回転駆動する駆動部130と、チャンバ101の下側に取り付けられる下側回転支持部140と、駆動部130を上下および前後方向に移動させるためのリフト160及びアーム161と、ロータ10に試料又は滅菌液を連続的に供給・排出する試料ライン(図2で後述)を有して構成される。ロータ10は、円筒形のロータボディ11と、ロータボディ11の上側にねじ込み式で取り付けられる上側ロータカバー19と、ロータボディ11の下側にねじ込み式で取り付けられる下側ロータカバー24を含んで構成される。下側ロータカバー24には、ロアシャフト141が接続され、これらにより高速回転する回転容器が構成される。
【0018】
ロータ10は高速で回転駆動されるため、運転時の大気との風損や摩擦熱による発熱を抑える目的で遠心分離運転中はチャンバ101の内部を減圧された状態に保たれる。ロータ10が収納されるチャンバ101の内部を減圧された状態にするために、チャンバ101内の空気を排出する図示しない排出口がチャンバ101の胴部に形成され、図示しない真空ポンプが接続される。チャンバ101は複数のボルト111でベース110に固定され、ベース110は複数のボルト112により床面に固定される。
【0019】
制御装置部200には、チャンバ101内部の遠心室全体を冷却するための図示しない冷却装置と、チャンバ101内部の遠心室を減圧された状態にするための図示しない真空ポンプと、ロータ10を所定の場所に移動させるリフト160及びアーム161を駆動する図示しないリフト駆動装置と、ロータ10を駆動制御する図示しない制御装置が収容される。制御装置は、図示しないマイクロコンピュータ、記憶装置を含んだ電子回路で構成され、ロータ10の回転制御を行うと共に、遠心機1に含まれる機器の全体の制御を行なう。制御装置部200の上部には、ユーザが情報を入力するための入力部と、ユーザへ運転状況等の表示を行う表示部の機能を兼ねた操作パネル205が配置される。操作パネル205としては、例えばタッチセンサ式の液晶ディスプレイ装置を用いることができ、図示しないスピーカー等の音声出力部も併せて設けられる。
【0020】
図2図1の遠心分離部100の詳細構造を示す断面図である。チャンバ101は、その内部に駆動部130に吊り下げられたロータ10が収容され、ロータ10の周囲を覆うようにエバポレータ(図示せず)が設置される。エバポレータは冷媒ガスを循環させる銅配管で構成され、これによってチャンバ101の内部を設定された温度で冷却する。
【0021】
駆動部130は、図示しないモータを含んで構成される。遠心分離を行なう際は、ロアシャフト141側から試料をロータ10の内部に注入し、ロータ10内に導入された試料は、後述するコア30によって高遠心力場(後述する遠心分離空間S)へ移動されて沈殿物と上清とに分離され、上清(廃液)は、アッパーシャフト131の試料通過孔から排出される。
【0022】
モータは、上下方向に延びる中空の回転軸(アッパーシャフト131)を有し、アッパーシャフト131の下端側はナット132によって上側ロータカバー19が固定され、ロータ10は駆動部130から吊り下げられる形で回転する。下側ロータカバー24には回転軸部であるロアシャフト141がナット142によって取り付けられる。アッパーシャフト131とロアシャフト141のそれぞれの回転軸の中心には、上側通路および下側通路である貫通孔(試料通過孔)が貫通しており、これらの試料通過孔は、上側ロータカバー19および下側ロータカバー24のそれぞれに形成された試料通過孔に連通する。駆動部130に含まれるモータの駆動によってアッパーシャフト131が高速回転することにより、アッパーシャフト131に取り付けられるロータ10がロアシャフト141とともに高速回転する。ロータ10に付随して回転するロアシャフト141は、下側回転支持部140により軸支される。下側回転支持部140はベース110のチャンバ101と当接する位置に固定される。
【0023】
試料は試料タンク171から供給され、下側接続パイプ172、送液ポンプ173、質量流量計175、下側回転支持部140、ロアシャフト141を通ってロータ10の内部に流入する。試料タンク171に試料が入れられ、送液ポンプ173を稼働させて下側接続パイプ172からロアシャフト141を通ってロータ10への試料供給が開始されると、次第にロータ10内が試料によって満たされる。ロータ10内が試料で一杯になるとオーバーフローした液体がアッパーシャフト131、駆動部130を通過して上側接続パイプ182へと送出され、上清回収タンク181に排出される。これら試料のロータ10内部への注入は、図示しない制御装置によって送液ポンプ173を制御することで調整される。
【0024】
ロータ10の高速回転によって遠心分離され、分離された試料の上清は、アッパーシャフト131、駆動部130を通り、上側接続パイプ182に流れて質量流量計185を通過して上清回収タンク181に回収される。本実施例では、ロータ10の下側から試料を注入して、上側から上清を排出するように試料ラインを構成したので、下側接続パイプ172が試料の供給ラインとなり、上側接続パイプ182が上清の排出ラインとなる。下側接続パイプ172は試料タンク171から下側回転支持部140との間を接続するものであって、その経路中には送液ポンプ173と供給側の質量流量計175が設けられる。上側接続パイプ182は、駆動部130のアッパーシャフト131と上清回収タンク181の間を接続するものである。
【0025】
送液ポンプ173は、制御装置から電気的に送出又は停止の制御が行われる試料供給手段であって、例えばモータ駆動による流体ポンプである。質量流量計175としては、例えばインライン型のコリオリ式質量流量計を用いることができ、下側接続パイプ172に流れる試料の質量流量を測定して、その値に対応する信号を制御装置に出力する。質量流量計185は、上側接続パイプ182に流れる試料の質量流量を測定して、その値に対応する信号を制御装置に出力するものであって、質量流量計185と質量流量計175は同一の計測機を用いることができ、それら出力は制御装置に送出される。尚、試料ラインを構成する下側接続パイプ172や上側接続パイプ182の配管方法や、用いられる試料タンクや上清タンク等の配置や接続等は任意であり、遠心分離を行う試料によっては、上側接続パイプ182からロータ10に試料を供給し、下側接続パイプ172から廃液を回収するように構成するようにしても良い。
【0026】
図3図1に示すロータ10の縦断面図である。ロータ10は、ロータボディ11、コア本体31、フィン40、上側ロータカバー19、下側ロータカバー24によって主に構成される。円筒形のロータボディ11の内側であって、回転軸線A1と同軸となるように、円柱状のコア30が配置される。コア30はロータボディ11に対して軸方向に出し入れ可能に構成され、ロータボディ11の内部に注入された試料を高遠心力場に導入するためのものである。ロータボディ11の上側の開口付近には雌ねじ部12が形成され、上側ロータカバー19の開口付近には雄ねじ部22が形成され、雄ねじ部22と雌ねじ部12が螺合することにより、上側ロータカバー19はロータボディ11に対して固定される。上側ロータカバー19とロータボディ11の上側開口との間にはOリング13が介在される。同様にして、ロータボディ11の下側の開口付近には雌ねじ部14が形成され、下側ロータカバー24の開口付近には雄ねじ部28が形成され、雄ねじ部28と雌ねじ部14が螺合することにより、下側ロータカバー24はロータボディ11に対して固定される。下側ロータカバー24とロータボディ11の下側開口との間にはOリング15が介在される。このように、円筒形のロータボディ11の上側と下側が、ロータカバー(19、20)にて閉鎖されることにより上側ロータカバー19とロータボディ11の間、及び下側ロータカバー24とロータボディ11の間は密封される。
【0027】
上側ロータカバー19の回転軸線A1上には、上方に突出する円筒状の突起部20が形成される。突起部20の外周面には雄ねじ部20aが形成され、回転軸線A1上には上面から軸方向に延在する流路23aが形成される。流路23aは、アッパーシャフト131のナット132の内周側に形成される雌ねじと螺合することにより、ロータ10からアッパーシャフト131へ試料を連続的に排出させる試料通路を画定する。流路23aは、上側ロータカバー19に形成された凹部20bに開口し、流路23aの下側は、斜め放射状に分かれて分岐する4本の分岐路23b(図では2本しか見えない)に接続される。分岐路23bは、コア本体31の嵌合孔32と、嵌合軸21との接続部に開口する。
【0028】
下側ロータカバー24には、下方に突出する突起部25が回転軸線A1と同軸に形成される。突起部25の外周面には雄ねじ部25aが形成され、突起部25には下面から軸方向上に延在する流路27aが回転軸線A1と同軸に形成される。流路27aは、ロアシャフト141のナット142の内周側に形成される雌ねじと螺合することにより、ロアシャフト141からロータ10へ試料を連続的に注入させる試料循環通路を画定する。流路27aは、下側ロータカバー24に形成された凹部25bに開口し、上側部分であってロータ10の内部空間には、斜め放射状に4本に分岐する分岐路27bに接続する。分岐路27bは、コア本体31の嵌合孔35と、下側ロータカバー24に形成された嵌合軸26との接続面付近に開口する。
【0029】
コア30は中実の部材であって、下側ロータカバー24に設けられているコア固定用の図示されていないピンがロータ本体のピン孔34に挿入することで相対回転しないようにして固定される。また、コア30は、ロータボディ11の内部空間の径方向外側部分において、遠心分離運転に使用する分離空間Sを形成すると共に、周方向に区画された複数の分離空間S1~S6(符号は後述の図4を参照)を画定するための仕切り部材として機能する。本実施例のコア30は合成樹脂製であって、コア本体31の外周面から内側に窪むように形成されたフィン装着溝37に6つのフィン40が装着される。フィン装着溝37は、コア30の回転軸線A1方向の大きさと同じに形成され、回転軸線A1と平行方向に向けてコア本体の上端から下端まで連続的に、また、回転軸線A1方向の断面形状が、上下両端部付近を除いてほぼ同一断面形状にて形成される。フィン40の形状は図4及び図5を用いて後述する。
【0030】
図4は、図3のA-A部の断面図である。この断面位置では、コア本体31とフィン40は上面図に相当する。また、図3のA-A部では外周側は上側ロータカバー19が相当するが、断面形状が同じであるので、説明の都合上、コア本体31の外側にロータボディ11があるとして説明する。コア30は、円柱状のコア本体31と、回転軸線A1(中心軸)を中心とした径方向でコア本体31から外側に放射状に突出するように延伸する複数のフィン40で構成されている。これにより、図4に示されるように、ロータボディ11の内側には、6つのフィン40で分離された6つの分離空間S(S1~S6)が形成される。コア本体31の上面には、円環状の溝部23cと、溝部23cから径方向外側向けて直線状に延びる6本のガイド溝33が形成される。ガイド溝33は、上面31aを溝の幅とほぼ同じ深さの凹部として形成したものである。溝部23cの外周側において、ガイド溝33が形成される部分以外のコア30の上面31aは、上側ロータカバー19の内側壁面(下面)と良好に接触するので、ガイド溝33の凹部と上側ロータカバー19の下面により細長い流路を形成される。つまり、ガイド溝33は、ドーナツ状の空間となる溝部23cから分離空間S1~S6の上端付近を接続するための管路(流路)となる。
【0031】
上側ロータカバー19の回転軸線を含む領域の下面側には下側に突出する嵌合軸21(図3参照)が設けられる。コア本体31の上側には嵌合軸21と嵌合する嵌合孔32が設けられ、嵌合軸21と嵌合孔32を、嵌合させる。ここでは図示していないが、コア本体31の下端面にもガイド溝33と同様の6本のガイド溝38が形成される。それぞれのガイド溝38は、コア本体31の上面31aの形状と同一であり、6つの遠心分離空間S1~S6の下端部に接続される。下側ロータカバー24の上側には上側に突出する嵌合軸26(図3参照)が設けられ、コア本体31の下側に形成された嵌合孔35(図3参照)と嵌合する。このようにして、上側ロータカバー19、コア30(コア本体31)、下側ロータカバー24は連結するように固定され、駆動部130によってロータ10が一体に駆動される。
【0032】
以上のように、コア30とロータボディ11によって画定される遠心分離空間Sは、周方向(回転方向)に等間隔でフィン40が設けられるために、遠心分離空間Sが複数の空間S1~S6に区画されることにより、遠心分離される試料に乱流が発生することが抑制される。仮に、遠心分離空間S(S1~S6)を連続空間として、いわゆるドーナツ状の空間にすると、ロータ10の加減速時の加速や減速によって、試料が遠心分離空間S内で周方向に回って対流する虞が高くなる。その対流を防ぐために周方向に等間隔でフィン40が設けられ、遠心分離空間をS1~S6の6つに区画している。
【0033】
図4(B)は、コア本体31にフィン40又はフィン50のいずれかを取り付ける状態を示している。コア本体31の周方向の6箇所には、フィン装着溝37が形成される。フィン装着溝37はコア本体31の外周面から回転軸線A1方向に窪む溝であって、回転軸線A1と平行にコア本体31の上部から下部まで連続して形成される。フィン装着溝37には、壁面が平行、又は、ほぼ平行に形成された2つの側壁面37b、37cが形成される。2つの側壁面37b、37cの回転軸線A1に近い側に底面37dが形成され、底面37dと反対側がフィン装着溝37の開口面37aになっている。フィン装着溝37は、回転軸線A1を中心とした周方向で見た際に、隣接する2つのガイド溝33の径方向外側開口の中間位置に形成される。従って、ガイド溝33の数(=6)と、フィン装着溝37の数(=6)は同数となる。フィン40とフィン50は、いずれか一方がフィン装着溝37に装着される。フィン40は、従来と同じ形式のコアを実現するもので、コア本体31にフィン40が取り付けられた状態においては、コア本体と一体成形にて製造される従来形式のコアと同じ外観形状となる。この遠心機におけるコア30以外の構成は、従来のフィンまで一体化されたコアを有する遠心機1と同じである。このため、上記のコア30を、従来の遠心機1の一体型コア(図示せず)から変更することで、本願発明が実現できることになる。
【0034】
コア本体31は、合成樹脂の一体成形で製造され、例えば、変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE:modified Poly Phenylene Ether)にて製造される。フィン40も同様に、変性ポリフェニレンエーテル等の合成樹脂の一体成形で構成される。フィン40は、取付部41と突出部42の2つの部分を有する。取付部41は、コア本体31のフィン装着溝37内に嵌合される部位であり、フィン装着溝37の周方向幅とほぼ同じ幅(但し、フィン装着溝37に挿入できる程度にわずかに小さい幅)を有する。突出部42は、コア本体31の円筒形の外縁部から、径方向外側に突出する部位である。突出部42の断面形状は、取付部41から先端(径方向外側)に向かうにつれて周方向の厚さが小さくなる先細りの形状である。
【0035】
フィン50は、本発明の実施例において新たに準備されるフィンであり、フィン40と同様に、取付部51と突出部52により形成される。フィン50も変性ポリフェニレンエーテル等の合成樹脂の一体成形にて製造できる。取付部51の形状は、フィン40の取付部41の形状と同一であり、フィン装着溝37による窪み内に全体が挿入されるような形状である。突出部52は、コア本体31の外周面やフィン装着溝37の開口面37aから径方向外側に突出している部分であり、円筒形の遠心分離空間の一部を、角度にして約20度分だけ回転軸線A1と概ね平行に切り出したような形状である。突出部52の回転方向(周方向)の長さは、フィン装着溝37の幅よりも大きくなるように形成され、フィン50の外周面の面積は、フィン装着溝37の開口面37aの面積よりも十分大きくなる。
【0036】
突出部52によって遠心分離空間の一部が占められるために、利用できる遠心分離空間S11~S16の容積を小さくすることができる。フィン50を取り付ける際には、装着済みのフィン40をコア本体31からすべて取り外して、取り外されたフィン装着溝37に6つのフィン50を取り付ける。ここでは、異なるフィンを混在させてコア本体31に取り付けるのではなく、同一サイズのフィン(フィン40又はフィン50)を取り付けることが重要である。フィン40又は50によって画定される6つの遠心分離空間の容積を等しくする為である。フィン40又はフィン50は、取付部41、51をフィン装着溝37にはめ込むだけで良く、ネジ止め等の別の固定部材を用いた固定を行っていない。ここではフィン装着溝37にフィン40、50を装着した際に、取付部41、51とフィン装着溝37との間に隙間ができるだけ生じないようにし、かつ、ユーザの手作業による装着及び取外しが可能なような程度の微少な隙間が生じる程度にフィン40、50が形成される。
【0037】
フィン40又はフィン50の装着及び取り外しは、ロータ10を分解してコア30をロータボディ11から分離させた際に行われる。フィン40、50のコア本体31への装着及び取り外しには、治具や工具は必要ない。よって、ユーザは、ロータ10の分解・洗浄時に、フィン40、50の脱着を容易に行うことができる。また、フィン40、フィン50が分離式であることは、ロータ10の洗浄時に有利である。
【0038】
図4(C)は、フィン40の代わりにフィン50を装着した状態を示す図であって、図4(A)に対応する図である。図4(A)、(C)で用いるコア本体31は同一のものである。フィン50の外周面は、ロータボディ11の内周の大きさ(内径)とほぼ等しい外径を有する円弧面にて形成され、ロータボディ11の内周壁面に対向するように接触する。図4(C)を見るとわかるように、遠心分離空間S11~S16の各容積は、図4(A)の遠心分離空間S1~S6の半分以下になるように大幅に減少する。フィン50の突出部52の周方向の大きさは任意に設定でき、その大きさによって遠心分離空間S11~S16の各容積が決定される。
【0039】
コア本体31は、フィン40又はフィン50のいずれか一方が取り付けられた後に、下側又は上側の開口からロータボディ11の内部に挿入される。従って、この挿入が可能なように、即ち、フィン50の外周面がロータボディ11の内周壁面を摺動するような程度の大きさとなるように、フィン50の形状を決定する。このような組み立て方法を採用することは、従来からのロータ10の分解及び組み立て方法と同じであり、コア30がさらにコア本体31とフィン40又は50に分解可能になっただけの違いであるので、ユーザにとっても扱いやすい。
【0040】
以上、本実施例ではフィン40の代わりにフィン50を装着することにより、図4(A)の遠心分離空間S1~S6の半分以下の小さい容積を有する遠心分離空間S11~S16を形成できた。遠心分離空間S11~S16は、周方向の長さが、遠心分離空間S1~S6よりも小さいものの、各遠心分離空間S11~S16が、径方向に放射状に形成されるガイド溝33の外側に形成される点と、遠心分離空間S11~S16の内周壁及び外周壁の回転軸線A1からの距離は、図4(A)に示す通常の遠心分離空間S1~S6と同一である。つまり、フィン40の突出部の周方向の長さを変更したフィン50を使用することで、分離空間S11~S16(遠心場)の径方向の寸法を変えることなく流路断面積を変えることができる。従って、フィン40を用いた遠心分離運転と、フィン50を用いた遠心分離空間では、同一回転数ならば、試料に印加される遠心加速度が同一となるため、試料容量に応じて分離条件を変えることなく少量の試料を用いて運転条件の最適化を迅速に行うことができる。フィン50の周方向に見た側壁は、内周側の占める角度θが、外側(55)の占める角度θよりも小さくなるように形成される。
【0041】
図5(A)は本実施例のコア本体31に、本実施例に係るフィン50を取り付けた状態の上面図であり、(B)は(A)の部分図である。フィン50の周方向に見た側壁となる端面54a、54bは、内周側の周方向に占める角度θが15度であるのに対して、外周側の周方向に占める角度θが20度となっている。つまり、遠心分離空間S11~S16は、内周側の距離D1が外周側の距離D2よりも小さい形状とされ、内側から外側に向かうにつれて遠心分離空間が水平面状で広がるように形成される。この遠心分離空間S11~S16の広がり形状は、大多数の試料を分離するに当たり有利である。尚、D、Dの大きさの選定は任意であり、D≦Dであれば好ましいものの、遠心分離を行う試料によっては、D>Dとなるように形成するほうが適切な場合もあり得る。
【0042】
図5(B)に示すフィン50は小容量対応のフィンである。フィン50は、外周面55の形状はロータボディ11の内周壁の形状と相似である。フィン50の内周面は、突出部52を挟んで回転方向一方側の内周面53a、他方側の内周面53bが形成されるが、内周面53a、53dは、コア本体31の外周面に良好に密着できるように、コア本体31の外周面と同形状、即ち、円弧面にて形成される。フィン50の端面54a、54bは、回転軸線A1を通る鉛直面に沿う形状では無く、外周側が広がるような所定の角度θ(図5(A)参照)が付けられる。
【0043】
図5(C)に示すフィン60は中容量対応のフィンであって、標準のフィン40よりは小容量で、小容量のフィン50よりは大容量である。フィン60の形状は、フィン50と同様の形状であり、取付部61と突出部62から形成され、突出部62の周方向に占める長さが突出部52と違う程度の差である。フィン60の外周面65の形状は、ロータボディ11の内周壁の形状と相似である。フィン60の内周面63a、63dは、コア本体31の外周面に良好に密着できるように、コア本体31の外周面と同形とされる。
【0044】
以上、フィン50、60は、フィン装着溝37に対応する形状の取付部51、61と、フィン装着溝37よりも径方向外側に突出する突出部52、62を含んで形成され、これら突出部52、62がフィン装着溝37の形成範囲よりもロータ10の周方向の双方に延在させるように形成することによって、コア本体31とロータボディ11との間の遠心分離空間Sの容積を変更することが可能となった。尚、本実施例では図5(B)、(C)の2つのフィン50、60の例を説明したが、図5(B)に示したフィン50の、突出部52の周方向をさらに延ばすか、又は、縮めることによって、フィン50よりも更に小さい遠心分離空間、又は、さらに大きい遠心分離空間を画定することも可能である。
【0045】
図6(A)は図4(A)で示した標準的なフィン40の全体形状を示す斜視図である。フィン40は、回転軸線A1方向(上下方向)に対して、コア本体31に対応する長さを有し、上下両端部を除いて上端から下端はほぼ同じ断面形状にて形成される。取付部41の上端面41aはコア本体31の上面31a(図4参照)と同様に平坦であり、回転軸線A1と垂直な面にて形成される。突出部42の上端は、径方向外側に向かうにつれて下がるような湾曲面42aとなるように形成される。つまり、湾曲面42aは、上側ロータカバー19の内壁面に沿った形状にて形成される。フィン40は上下対称の形状であり、どちらの端部をコア本体31の上側にしても装着できる。従って、図では見えないが取付部41の下端面と突出部42の下端面は、上端面41aと湾曲面42aに対して上下対称の形状にて形成される。
【0046】
図6(B)は、図4(C)で示した小容量の遠心分離空間S11~S16を形成するためのフィン50の全体形状を示す斜視図である。フィン50の回転軸線A1方向(上下方向)の長さは、フィン50と同じ長さであって、コア本体31の上下長と等しい。フィン50の回転軸線A1と直角な断面形状は、上下両端部を除いて上端から下端はほぼ同じ断面形状である。取付部51の上端面51aはコア本体31の上面31a(図4参照)と同様に平坦であり、回転軸線A1と垂直な面にて形成される。突出部52の上端部52aは、上側ロータカバー19の内壁面に沿うように、径方向外側に向かうにつれて下がるような湾曲面52aにて形成される。フィン50は上下対称の形状であり、どちらの端部をコア本体31の上側にしても装着できる。従って、図では見えないが取付部51の下端面と突出部52の下端面は、上端面51aと湾曲面52aに対して上下対称の形状にて形成される。
【0047】
図6(C)は小容量用のフィン50にてロータ10を高速回転させた時の状態を説明するための水平断面図である。遠心分離運転の回転開始時には、遠心分離空間S11~S16に密度勾配層が形成され、ロータ10を回転させながらさらに分離対象の試料が注入されるため、最終的には遠心分離空間S11~S16に試料にて満たされる。ロータ10を高速にて回転させると、ロータボディ11、コア本体31、フィン50にそれぞれ強い遠心荷重がかかる。この際、試料のうち、密度が重い成分は遠心分離空間S11~S16の外周側に分離され、軽い成分は遠心分離空間S11~S16の内周側に移動する。このような試料の遠心分離の際に、フィン50は遠心分離空間S11~S16に満たされた試料の密度との相対関係によって、外側に移動するか、内側に移動するかが決まってくる。つまり、ロータ10の回転時は、ロータ10内に供給される試料とフィン50の密度の関係によって、フィン50が内側又は外側のどちらに寄る(移動する)ことになる。
【0048】
本実施例では、フィン50と密度勾配液の密度(通常は密度が1~1.22程度)や試料に含まれる成分のうち最大のものの密度よりも軽くなるように形成する。このようにフィン50の密度をある範囲(ここでは、比重1.20未満)とすることで、ロータ10の高速回転中は、フィン50の突出部52に、試料から矢印57a~57bのような相対的な力が加わることになり、フィン50が内側のコア本体31に押しつけられる。また、ロータ10の高速回転中にはロータボディ11は強い遠心力によって外側にわずかに膨らむことも相まって、フィン50の突出部52とロータボディ11の内周面の間には隙間56ができてしまうが、本実施例ではこの状態の発生を許容する。矢印57a~57bのような遠心荷重が加わると、コア本体31の外周面と突出部52の内周面53a、53bが密着するため、フィン装着溝37と取付部51の間の隙間に試料が入り込むことを抑制できる。ロータ10の高速回転中に隙間56ができると、そこに分離される成分が入り込むこともありうる。尚、図6(C)の実際に隙間56は、通常目視では確認し難い程度の隙間なので、発明の理解の為に径方向の隙間が大きくなるように模式的に図示している。
【0049】
以上、本実施例ではコア本体31に装着されるフィン40、フィン50の周方向幅を変更したものを使用することで、遠心分離空間(遠心場)S1~S6、又は、S11~S16の径方向の寸法を変えることなく流路断面積を変えることができる。よって、運転条件を求めるために作成される少量の試料を使って試験運転を行うことができるので、遠心運転条件の最適化作業を迅速に行うことができる。さらに、少量の試料で運転条件を決められるので、試験運転後に廃棄する試料が少なくてすむ。また、突出部の周方向幅が異なる複数のフィンを準備しておくことで、多段階の遠心分離空間を有するロータ10を実現できた。
【0050】
次に、図7を用いて本発明の変形例を説明する。図7は本実施例の第1の変形例に係る小容量用のフィン70を示す図であり、(A)は水平断面図である。前述したようにフィン70の密度(単位:g/cm)を、密度勾配液の密度や試料に比べて所定の範囲内にすることによって、遠心分離時に図6(C)の矢印57a~57cのようにフィン50が内側のコア本体31に密着するように動作させることができる。この動作を確実にするために、フィン50全体の比重を、構成する材料固有の密度よりも小さくすることが重要となる場合がある。図7のフィン70では、合成樹脂の一体成形によって製造する点でフィン40、50、60と同じであるが、フィン70の内部空間の一部に空洞部76を形成して、コア本体31に装着された状態のフィン70の比重が、フィン50に比べて小さくなるように構成した。フィン70の外観形状、即ち外周面75の大きさ、突出部72の厚さT、内周面73a、73bの大きさ、端面74a、74bの位置や、端面74a、74bの接線に対する傾斜角度などは、フィン50と同じである。
【0051】
フィン70の空洞部76は、基準となるフィン50の外面と接するように形成される。ここでは空洞部76は、取付部71の内周面から径方向外側に延在し、開口76aから見た底部76bは、突出部72の内部に位置する。このように空洞部76を取付部71だけでなく突出部72に到達するように形成したので、空洞部76の占める部分の素材分だけフィン70を軽くすることができ、フィン70が占める体積に対して全体の質量を小さくする、即ち比重を小さくすることができた。空洞部76は、取付部71の周方向にみた幅Wに対して、W(但し、W<W)となるように形成される。空洞部76の開口76aは、コア本体31のフィン装着溝37によって閉鎖されるので、その内部に試料が流入することを防止できる。また、ロータ10の回転中は図6(C)で示すようにフィン70が径方向内側に向けて付勢されるので、空洞部76に試料が流入する虞も防止できる。
【0052】
図7(B)はフィン70の全体を示す斜視図である。空洞部76は軸方向に連続する形状であるが、上下の両端付近には形成されず、取付部上面71a近傍や、取付部下面71b近傍には形成されない。同様にして突出部上面72a近傍や突出部上面72b近傍にも空洞部76が形成されない。従って、フィン70を取り付けた状態のコア本体31は、外側に空洞部76が露出されない状態になる。このような空洞部76の形成は、フィン70の射出成形によって容易に製造可能である。
【0053】
図8は本実施例の第2の変形例に係る小容量用のフィン80を示す図であり、(A)は水平断面図である。フィン80は合成樹脂の一体成形品であり、内部に空洞部86が形成される。空洞部86は、射出成形時に突出部82の内部に形成されて、外部との空気や液体の出入りができないように形成される。取付部81の内部には空洞部86は配置されない。空洞部86の製造は、公知の合成樹脂のブロー成形技術を用いることができ、空洞部86と外周面85の厚さt、空洞部86と端面84a、84bとの厚さt、空洞部86と内周面83a、83bとの厚さtはほぼ一定になるように成形される。取付部82は中空でなく中実で形成されるので、フィン80の重心位置が、図7で示したフィン70に比べて回転軸線A1に近づくように形成できるので、遠心分離運転においては有利である。本変形例のフィン80は、空洞部86が外部に露出しないため、フィン80の取外し洗浄時に、空洞部86の存在を意識する必要が無く、フィン50と同様に容易に洗浄が可能となることである。
【0054】
図8(B)はフィン80の全体を示す斜視図である。空洞部86は回転軸線A1方向に上端付近から下端付近まで連続する形状であるが、突出部上面82aや、突出部下面82bは壁面が形成され、空洞部86が閉鎖されているため、空洞部86内の空気が外部と連通することはない。
【0055】
以上、本実施例によれば、コア30の本体部(コア本体31)の径方向の寸法を変えることなく、羽根部(フィン50、60、70)の差替えだけで流路面積を変更することができる。尚、本発明の実施例では合成樹脂製のフィンを説明したが、合成樹脂製だけでなく、金属の一体成形で形成しても良い。連続遠心分離機においては、分離される試料に応じて、ロータ10の洗浄・消毒工程にて蒸気滅菌を用いる場合がある。蒸気滅菌では高温の蒸気をロータ10内に流すため、合成樹脂製よりも、チタン等の金属製にて製造した方が好ましい場合もある。その場合は、フィン50、60、70とコア本体31を、ともに金属にて製造すると良い。
【実施例2】
【0056】
次に図9を用いて本発明の第2の実施例に係るフィン50Aを説明する。図9は、本発明の第2の実施例に係るロータ10Aの鉛直断面図である。ロータ10Aは、ロータボディ11と、上側ロータカバー19と、下側ロータカバー24を有し、それらの内部にコア30Aが収容される。コア30Aは、コア本体31Aとフィン50Aにより構成される。フィン装着溝37、37Aはコア本体31の外周面において、回転軸線A1方向(上下方向)に渡って上端から下端まで連続して形成される。ここでは、フィン装着溝37の形状が回転軸線A1方向において同一ではなく、コア本体30Aの下側所定範囲(高さHの部分)において、第1の実施例のフィン装着溝37よりも溝の深さ(=コア本体の外周縁から、フィン装着溝37の内周面(底面)との距離)38bが徐々に深くなるように形成した。上側ロータカバー19、ロータボディ11、下側ロータカバー24は図3で示した第1の実施例と同じであって、同じ部品を用いる。コア本体31Aは、上側Hの範囲では、フィン装着溝37の溝の深さ(=コア本体の外周縁から、フィン装着溝37の溝の深さ)38aが一定である。一方、コア本体30Aの下側Hの所定範囲(本明細書では、この範囲を「テーパー形状部」と呼ぶ)においては、テーパー形状部の上端から下端に行くにつれて、フィン装着溝37Aの溝の深さ38bが徐々に大きくなるように形成した。コア本体31Aに装着されるフィン50Aの形状は、フィン装着溝37、37Aの形状に合わせて形成される。
【0057】
フィン50Aは、上側の高さHで示す部分においては、回転軸線A1と直交する断面形状は、図6(B)にて示したフィン50の断面形状と同じである。しかしながら、下側の高さHで示すテーパー形状部の断面形状では、突出部52の形状は同じであるものの、取付部51Aの形状はフィン装着溝37Aの溝の深さ38bに応じて回転軸線A1と直交方向に長くなっている。このようにフィン装着溝37Aをテーパー形状に形成し、フィン50Aもそれに対応した形状とすることによって、ロータボディ11内にコア本体31が設けられ、かつ、下側ロータカバー24が取り外されている状態において、フィン50Aをフィン装着溝37に対して下側から回転軸線A1方向上向きに移動させることで、フィン50Aを装着することができる。この際、フィン50Aの上端が上側ロータカバー19に当接することによって、フィン50Aのコア本体31に対する上下方向における位置が定まる。同様にして、コア本体31に装着されたフィン50Aを取り外す際には、コア本体31から下側にフィン50Aを引き出すことで取り外すことができる。第2の実施例では、下側からフィン50Aをコア本体31に装着する、あるいはフィン50Aをコア本体31から下側に向けて取り外すことが、特に容易となる。特に、フィン50Aを取り外す際に、ロータ10を完全に分解した状態にて取外しを行うだけでなく、取り外したロータ10の下側ロータカバー24だけを取り外した一部分解の状態でも6つのフィン50Aを取り外せるようになった。
【0058】
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、フィン40、50、60、70、80をネジでコア本体31にネジで固定するようにしても良い。さらに、ロータ10の重心位置が回転軸線上に位置するようにすれば、遠心分離空間を6区間から3区間又は2区間にできるようにフィン形状にしても良い。更に、フィン40、50、60、70、80の2種類を必要に応じて組み合わせて使用するようにしても良いが、このときロータボディ11に各種フィンを取り付けた時の重心位置が回転軸上に位置するように回転対称に配置することが重要である。
【符号の説明】
【0059】
1…遠心機、10,10A…ロータ、11…ロータボディ、12,14…雌ねじ部、13,15…Oリング、19…上側ロータカバー、20…突起部、20a…雄ねじ部、20b…凹部、21…嵌合軸、22…雄ねじ部、23a…流路、23b…分岐路、23c…溝部、24…下側ロータカバー、25…突起部、25a…雄ねじ部、25b…凹部、26…嵌合軸、27a…流路、27b…分岐路、28…雄ねじ部、30,30A…コア、31,31A…コア本体、31a…(コア本体の)上面、32…嵌合孔、33…ガイド溝、34…ピン孔、35…嵌合孔、37,37A…フィン装着溝、37a…開口面、37b,37c…側壁面、37d…底面、38…ガイド溝、38…(フィン装着溝の)深さ、40…フィン、41…取付部、41a…(取付部の)上端面、42…突出部、42a…湾曲面、50,50A…フィン、51…取付部、51a…取付部上端面、52…突出部、52a…上端部、53a,53b…内周面、54a,54b…端面、55…外周面、56…隙間、57a~57c…遠心荷重、60…フィン、61…取付部、62…突出部、63a,63b…内周面、64a,64b…端面、65…外周面、70…フィン、71…取付部、71a…取付部上端面、71b…取付部下端面、72…突出部、72a…突出部上面、73a,73b…内周面、74a,74b…端面、75…外周面、76…空洞部、76a…開口、76b…底部、80…フィン、81…取付部、82…突出部、82a…突出部上面、82b…突出部下面、84a,84b…端面、85…外周面、86…空洞部、100…遠心分離部、101…チャンバ、110…ベース、111…ボルト、112…ボルト、130…駆動部、131…アッパーシャフト、132…ナット、140…下側回転支持部、140a…ナット、141…ロアシャフト、142…ナット、160…リフト、161…アーム、171…試料タンク、172…下側接続パイプ、173…送液ポンプ、175…質量流量計、181…上清回収タンク、182…上側接続パイプ、185…質量流量計、200…制御装置部、205…操作パネル、250…配管群、311…ロータボディ、331…コア本体、337…フィン装着溝、340…フィン、341…フィン基部、342…フィン先端部、345…可動範囲、A1…回転軸線、S,S1~S6…分離空間(通常)、S11~S16…分離空間(縮小)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10