(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-07
(45)【発行日】2025-02-18
(54)【発明の名称】エレベータドアのインターロック装置
(51)【国際特許分類】
B66B 13/20 20060101AFI20250210BHJP
【FI】
B66B13/20 B
(21)【出願番号】P 2024023941
(22)【出願日】2024-02-20
【審査請求日】2024-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】村田 裕貴
【審査官】今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】実開昭55-143277(JP,U)
【文献】特開昭48-011744(JP,A)
【文献】特開平03-297791(JP,A)
【文献】実開昭52-141773(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 13/00 - 13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータのかごドアと連動する乗場ドアをロックするインターロック装置であって、
前記乗場ドアをロックするインターロックと、
前記かごドアに設けられ、前記乗場ドアのロックを解除する係合部材と、を備え、
前記インターロックは、前記乗場ドアのロック状態とロック解除状態を取るロック機構と、前記ロック状態の前記ロック機構を係止する被係止部と、前記係合部材に係合されることにより前記ロック機構を前記ロック解除状態にして前記乗場ドアを開閉する被係合部と、前記被係合部を覆う第1カバーと、を含み、
前記第1カバーは、前記係合部材と干渉しない位置に配置され、
前記第1カバーは、前記被係合部に対して前記かごドア側に向かい合う側に配置されている、
エレベータドアのインターロック装置。
【請求項2】
前記被係合部は、前記係合部材が当接して前記ロック機構を前記ロック解除状態にするロック解除部材と、前記係合部材が当接して前記乗場ドアを開閉するドア開閉部材と、を含み、
前記乗場ドアの法線方向で見たときに、前記ロック解除部材および前記ドア開閉部材は、前記第1カバーから戸閉側に突出するとともに、第1カバーから戸開側に突出している、
請求項1に記載のエレベータドアのインターロック装置。
【請求項3】
前記第1カバーは、前記被係合部に対して前記かごドアに向かい合う側に配置された第1カバー本体部と、前記第1カバー本体部の上端部から前記乗場ドアに向かって延びる第1カバー上端部と、前記第1カバー本体部の下端部から前記乗場ドアに向かって延びる第1カバー下端部と、を含む、
請求項1または2に記載のエレベータドアのインターロック装置。
【請求項4】
前記インターロックは、前記第1カバーを前記乗場ドアに取り付けるための第1取付部材と、前記第1取付部材を前記乗場ドアに締結するための第1締結ボルトと、を含み、
前記第1取付部材は、前記第1カバーの前記乗場ドアの側の面に固定されている、
請求項1または2に記載のエレベータドアのインターロック装置。
【請求項5】
前記ロック機構は、前記乗場ドアに取り付けられたドアハンガーに揺動可能に設けられた、前記ロック状態において前記被係止部に係止される第1揺動レバーと、前記乗場ドアに揺動可能に設けられた第2揺動レバーと、前記第1揺動レバーと前記第2揺動レバーとを連結するリンク部材と、を含み、
前記被係合部は、前記第2揺動レバーに設けられている、
請求項1または2に記載のエレベータドアのインターロック装置。
【請求項6】
前記リンク部材は、前記被係合部に対して戸閉側に配置され、
前記インターロックは、前記乗場ドアの法線方向で見たときに、前記第1カバーに対して戸閉側に配置された第2カバーを含み、
前記第2カバーは、前記係合部材および前記リンク部材と干渉しない位置に配置されている、
請求項5に記載のエレベータドアのインターロック装置。
【請求項7】
前記第2カバーは、前記乗場ドアに対して前記かごドアに向かい合う側に配置された第2カバー本体部と、前記第2カバー本体部に対して戸閉側に配置されて、前記第2カバー本体部の側縁部から前記乗場ドアに向かって延びる第2カバー側縁部と、を含む、
請求項6に記載のエレベータドアのインターロック装置。
【請求項8】
前記インターロックは、前記第2カバーを前記乗場ドアに取り付けるための第2取付部材と、前記第2取付部材を前記乗場ドアに締結するための第2締結ボルトと、を含み、
前記第2取付部材は、前記第2カバーの前記乗場ドアの側の面に固定されている、
請求項6に記載のエレベータドアのインターロック装置。
【請求項9】
前記第2取付部材は、前記乗場ドアの法線方向で見たときに、前記第2カバーに重なり、
前記第2カバーは、前記第2締結ボルトを締結するための工具が挿入可能な作業孔を含む、
請求項8に記載のエレベータドアのインターロック装置。
【請求項10】
前記インターロックは、前記第2カバーを前記乗場ドアに取り付けるための第3取付部材と、前記第3取付部材を前記乗場ドアに締結するための第3締結ボルトと、を含み、
前記第3取付部材は、前記第2カバーの前記乗場ドアの側の面に固定され、
前記第3取付部材は、前記第3締結ボルトによって前記乗場ドアに締結された締結座を含み、
前記締結座は、前記乗場ドアの法線方向で見たときに、前記第2カバーから露出され、
前記第3締結ボルトのヘッドの高さは、前記第2締結ボルトのヘッドの高さよりも低い、
請求項8に記載のエレベータドアのインターロック装置。
【請求項11】
前記インターロックは、前記乗場ドアの法線方向で見たときに、前記第1カバーに対して戸開側に配置された第3カバーを含み、
前記第3カバーは、前記係合部材と干渉しない位置に配置されている、
請求項6に記載のエレベータドアのインターロック装置。
【請求項12】
前記第3カバーは、前記乗場ドアに対して前記かごドアに向かい合う側に配置された第3カバー本体部と、前記第3カバー本体部に対して戸開側に配置されて、前記第3カバー本体部の側縁部から前記乗場ドアに向かって延びる第3カバー側縁部と、を含む、
請求項11に記載のエレベータドアのインターロック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施の形態は、エレベータドアのインターロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータの乗場に設けられた乗場ドアには、インターロックが設けられている。インターロックは、閉じられている乗場ドアが開かないように、乗場ドアをロックしている。乗りかごが着床した場合には、かごドアに設けられた係合ベーンがインターロックに係合して、乗場ドアのロック状態が解除される。このことにより、かごドアの開動作に連動して乗場ドアが開く。
【0003】
このようなインターロックには、昇降路内に存在する長尺物が接触して、破損が生じたり、誤作動が発生したりすることが考えられる。長尺物の例としては、テールコードが挙げられる。テールコードは、昇降路内に設置された制御盤と乗りかごとを接続している。テールコードには、電力供給を目的とする配線と、制御信号を送信する配線とが含まれている。テールコードは、乗りかごから昇降路の下部に垂れ下がっているため、乗りかごの昇降時にテールコードが揺れて、インターロック装置に接触する場合が考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開昭58-47792号公報
【文献】特開2021-91528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実施の形態は、昇降路に存在する長尺物のインターロックへの接触を防止できるとともに、インターロックが解錠されることを防止できるエレベータドアのインターロック装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施の形態によるエレベータドアのインターロック装置は、エレベータのかごドアと連動する乗場ドアをロックする装置である。インターロック装置は、乗場ドアをロックするインターロックと、かごドアに設けられ、乗場ドアのロックを解除する係合部材と、を備えている。インターロックは、乗場ドアのロック状態とロック解除状態を取るロック機構と、ロック状態のロック機構を係止する被係止部と、係合部材に係合されることによりロック機構をロック解除状態にして乗場ドアを開閉する被係合部と、被係合部を覆う第1カバーと、を含んでいる。第1カバーは、係合部材と干渉しない位置に配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1の実施の形態によるインターロック装置が適用されるエレベータドアの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すインターロック装置の従来の構成を説明するための図であって、ロック状態を示す図である。
【
図3】
図3は、
図2のインターロック装置のロック解除状態を示す図である。
【
図4】
図4は、第1の実施の形態によるインターロック装置を示す図である。
【
図7】
図7は、第2の実施の形態によるインターロック装置を示す図である。
【
図10】
図10(a)は、第2取付部材を第1ドアパネルに取り付けるための第2締結ボルトを示す図であり、
図10(b)は、第3取付部材を第1ドアパネルに取り付けるための第3締結ボルトを示す図である。
【
図11】
図11は、第3の実施の形態によるインターロック装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態におけるエレベータドアのインターロック装置について説明する。
【0009】
(第1の実施の形態)
まず、
図1~
図6を用いて、本発明の第1の実施の形態によるエレベータドアのインターロック装置について説明する。ここではまず、本実施の形態によるエレベータドアについて説明する。エレベータドアは、エレベータの乗場ドアに相当する。
【0010】
図1に示すように、乗場ドア1は、建屋の各階床に設けられた乗場に設置されている。乗場ドア1は、乗りかご(図示せず)の着床時に、乗りかごに設けられたかごドア(図示せず)と連動する。乗りかごには、かごドアを駆動する駆動装置(図示せず)が設けられており、この駆動装置によってかごドアが乗場ドア1と連動して開閉する。
【0011】
図1に示すように、本実施の形態においては、乗場ドア1は、第1ドアパネル2と、第2ドアパネル3と、を含んでいる。乗場ドア1は、両開き構造を有しており、第1ドアパネル2および第2ドアパネル3が互いに反対方向に移動するように構成されている。
【0012】
第1ドアパネル2および第2ドアパネル3の上方には、ヘッダーケース4が配置されている。ヘッダーケース4は、昇降路の壁面に固定されている。ヘッダーケース4には、横方向に延びるドアレール5が固定されている。第1ドアパネル2および第2ドアパネル3にはそれぞれ、ドアハンガー6が固定されている。各々のドアハンガー6は、ドアレール5上を転動可能なドアローラ7を含んでおり、第1ドアパネル2および第2ドアパネル3は、ドアレール5に沿って横方向に移動可能になっている。
【0013】
次に、本実施の形態によるエレベータドアのインターロック装置(以下、単にインターロック装置10と記す)について説明する。インターロック装置10は、乗りかごに設けられたかごドアと連動する両開き構造を有する乗場ドア1をロックするための装置である。
【0014】
図1および
図2に示すように、インターロック装置10は、インターロック11と、係合ベーン12A、12Bと、を備えている。
【0015】
係合ベーン12A、12Bは、係合部材の一例である。係合ベーン12A、12Bは、図示しないかごドアに取り付けられており、インターロック11に係合して乗場ドア1のロックを解除する。本実施の形態においては、かごドアに一対の係合ベーン12A、12Bが間隔を空けて取り付けられており、乗りかごが着床した乗場において、インターロック装置10の後述するロック解除ローラ19およびドア開閉ローラ20の両側に、係合ベーン12A、12Bが配置される。係合ベーン12Aと係合ベーン12Bとの間に間隔は可変になっている。乗場ドア1のロック状態では、係合ベーン12Aと係合ベーン12Bとの間の間隔は比較的広くなっている。乗場ドア1のロック解除状態では、係合ベーン12Aと係合ベーン12Bとの間の間隔は比較的狭くなっている。この際、ロック解除ローラ19およびドア開閉ローラ20には、戸閉側で係合ベーン12Aが当接するとともに戸開側で係合ベーン12Bが当接して、ロック解除ローラ19およびドア開閉ローラ20が、一対の係合ベーン12A、12Bで挟み込まれていてもよい。
【0016】
インターロック11は、乗場ドア1をロックするように構成されている。より具体的には、インターロック11は、ロック機構13と、被係止部14と、被係合部15と、第1カバー30と、第1取付部材31と、第1締結ボルト32と、を含んでいる。
【0017】
ロック機構13は、乗場ドア1の第1ドアパネル2に設けられている。ロック機構13は、乗場ドア1のロック状態とロック解除状態とを取るように構成されている。
【0018】
ロック機構13は、第1揺動レバー16と、第2揺動レバー17と、リンク部材18と、を含んでいる。
【0019】
図1~
図3に示すように、第1揺動レバー16は、第1ドアパネル2に取り付けられたドアハンガー6に揺動可能に取り付けられている。第1揺動レバー16は、ロック状態において被係止部14に係止される。
図2および
図3に示すように、第1揺動レバー16は、揺動支点16aから第2ドアパネル3に向かう方向に延びるアーム16bを含んでいる。アーム16bの先端部に、下方に突出する突出部16cが設けられている。揺動支点16aには、第1揺動レバー16をドアハンガー6に揺動可能とするためのベアリング16dが取り付けられている。ベアリング16dは、アーム16bに対してかごドアに向かい合う側(
図2および
図3における紙面の手前側)に配置されている。
【0020】
第2揺動レバー17は、第1ドアパネル2に揺動可能に取り付けられている。第2揺動レバー17は、揺動支点17aから第2ドアパネル3に向かう方向に延びる第1アーム17bと、揺動支点17aから第1揺動レバー16に向かう方向(揺動支点17aから上方)に延びる第2アーム17cと、を含んでいる。第2アーム17cは、第1アーム17bとは異なる方向に延びている。
【0021】
リンク部材18は、第1揺動レバー16と第2揺動レバー17とを連結している。より具体的には、リンク部材18の一端は、第1揺動レバー16のアーム16bの中間部に連結されており、リンク部材18の他端は、第2揺動レバー17の第1アーム17bの先端部に連結されている。リンク部材18は、上下方向に延びている。このようにして、第1揺動レバー16および第2揺動レバー17は一体に揺動する。
【0022】
リンク部材18は、第1揺動レバー16の揺動支点16aおよび第2揺動レバー17の揺動支点17aに対して第2ドアパネル3の側(戸閉側、
図4における左側)に配置されている。リンク部材18は、被係合部15の後述するロック解除ローラ19およびドア開閉ローラ20に対して戸閉側に配置されている。
【0023】
リンク部材18は、第1ドアパネル2の法線方向(
図2および
図3における紙面の法線方向)において折り曲げられていてもよい。より具体的には、第2揺動レバー17は、第1揺動レバー16に対してかごドアに向かい合う側に配置されている。言い換えると、第1揺動レバー16は、第2揺動レバー17よりも
図2および
図3における紙面に対して奥まった位置に配置されており、第2揺動レバー17よりもかごドアから遠い位置に配置されている。このため、第1揺動レバー16と第2揺動レバー17を連結するリンク部材18は、第1ドアパネル2の法線方向に折れ曲がる部分を含んでいてもよい。
【0024】
被係止部14は、乗場ドア1の第2ドアパネル3に設けられている。より具体的には、被係止部14は、第2ドアパネル3に取り付けられたドアハンガー6に揺動可能に取り付けられている。被係止部14は、ロック状態のロック機構13を係止する。より具体的には、被係止部14は、第1揺動レバー16を係止し、乗場ドア1が開かないように第1揺動レバー16の揺動を防止するように構成されている。例えば、被係止部14は、第1揺動レバー16の先端部に設けられた上述の突出部16cが挿入可能な開口(図示せず)を含んでいてもよい。この開口に突出部16cが挿入されることにより、被係止部14が、第1揺動レバー16を係止する。
【0025】
被係合部15は、係合ベーン12A、12Bが係合可能に構成されている。被係合部15は、係合ベーン12A、12Bに係合されることにより、ロック機構13をロック解除状態にして乗場ドア1を開閉するように構成されている。被係合部15は、第2揺動レバー17に取り付けられていてもよい。
【0026】
被係合部15は、係合ベーン12A、12Bが当接してロック機構13をロック解除状態にするロック解除ローラ19と、係合ベーン12A、12Bが当接して乗場ドア1を開閉するドア開閉ローラ20と、を含んでいてもよい。ロック解除ローラ19は、ロック解除部材の一例であり、ドア開閉ローラ20は、ドア開閉部材の一例である。ロック解除ローラ19は、第2揺動レバー17の第2アーム17cに取り付けられている。ロック解除ローラ19は、第2揺動レバー17の揺動支点17aに対して第1揺動レバー16の側に配置されており、揺動支点17aよりも上方に配置されている。ドア開閉ローラ20は、第2揺動レバー17の揺動支点17aに配置されている。ロック解除ローラ19およびドア開閉ローラ20は、第2揺動レバー17に対してかごドアに向かい合う側に配置されている。ロック解除ローラ19およびドア開閉ローラ20は、同一の直径を有している。
【0027】
乗場ドア1を開く際には、
図2に示すように、一方の係合ベーン12Aがロック解除ローラ19に当接する。乗場ドア1のロック状態では、係合ベーン12Aと係合ベーン12Bとの間の間隔が比較的広くなっており、ロック解除ローラ19は、ドア開閉ローラ20に対して戸閉側に配置されているためである。このことにより、ロック状態で係合ベーン12A、12Bが被係合部15に係合する場合、係合ベーン12Aは、ドア開閉ローラ20には当接することなく、ロック解除ローラ19に当接する。この状態でかごドアの開動作が行われると、係合ベーン12Aはロック解除ローラ19を第2ドアパネル3とは反対側(戸開側、
図2における右側)に押し込み、第2揺動レバー17が、
図2における時計回り方向に回動する。この間、係合ベーン12Aと係合ベーン12Bとの間の間隔が徐々に狭くなる。
【0028】
第2揺動レバー17に連動して、第1揺動レバー16も、
図2における時計回り方向に回動する。このことにより、
図3に示すように、第1揺動レバー16の突出部16cが、被係止部14から上方に持ち上がり、乗場ドア1のロック状態が解除される。
【0029】
かごドアの開動作が更に行われると、
図3に示すように、ロック解除ローラ19とドア開閉ローラ20が上下方向に整列するとともに、係合ベーン12Aと係合ベーン12Bとの間の間隔が比較的狭くなる。このことにより、係合ベーン12Aは、ロック解除ローラ19およびドア開閉ローラ20の両方に戸閉側で当接する。かごドアの開動作が更に行われると、係合ベーン12A、12Bは、ロック解除ローラ19およびドア開閉ローラ20を戸開側に押し込み、第1ドアパネル2は、
図3における右側に移動する。このことにより、第1ドアパネル2は開位置に達する。この際、係合ベーン12Bは、ロック解除ローラ19およびドア開閉ローラ20の両方に戸開側で当接していてもよい。第2ドアパネル3は第1ドアパネル2と連動して
図3における左側に移動し、開位置に達する。このようにして乗場ドア1が開く。係合ベーン12A、12Bは、被係合部15に係合している間、第1揺動レバー16のベアリング16dには当接しない。上述したように、第1揺動レバー16は、第2揺動レバー17よりもかごドアから遠い位置に配置されているためである。
【0030】
乗場ドア1を閉じる際には、他方の係合ベーン12Bが、上下方向に整列しているロック解除ローラ19およびドア開閉ローラ20に戸開側で当接し、ロック解除ローラ19およびドア開閉ローラ20を戸閉側に押し込む。このことにより、第1ドアパネル2は、
図3における左側に移動し、閉位置に達する。第2ドアパネル3は第1ドアパネル2と連動して
図3における右側に移動し、閉位置に達する。第1ドアパネル2が閉位置に達した後、係合ベーン12Aがさらに戸開側に移動することにより、第1揺動レバー16、第2揺動レバー17およびリンク部材18の自重により、第1揺動レバー16および第2揺動レバー17がそれぞれ
図2における反時計回り方向に回動する。このことにより、第1揺動レバー16の先端部に設けられた上述の突出部16cが、被係止部14の開口に挿入する。このようにして、ロック機構13が被係止部14に係止され、乗場ドア1が閉じるとともにロックされる。
【0031】
次に、本実施の形態による第1カバー30について、
図4~
図6を用いて説明する。
【0032】
図4および
図5に示すように、被係合部15を構成する第1カバー30は、ロック解除ローラ19およびドア開閉ローラ20を覆っている。第1カバー30は、ロック解除ローラ19およびドア開閉ローラ20に対してかごドアに向かい合う側に配置されている。第1カバー30の横方向両側に、係合ベーン12A、12Bが挿入可能な挿入空間SA、SBが形成されている。より具体的には、
図4における第1カバー30の左側に、一方の係合ベーン12Aが挿入可能な挿入空間SAが形成され、第1カバー30の右側に、他方の係合ベーン12Bが挿入可能な挿入空間SBが形成されている。
【0033】
図4~
図6に示すように、本実施の形態による第1カバー30は、第1カバー本体部30aと、第1カバー上端部30bと、第1カバー下端部30cと、を含んでいてもよい。
【0034】
第1カバー本体部30aは、被係合部15に対してかごドアに向かい合う側に配置されている。第1カバー本体部30aは、ロック解除ローラ19およびドア開閉ローラ20を覆っている。第1カバー本体部30aは、第1ドアパネル2に対向しており、平坦状に形成されていてもよい。
図5および
図6に示すように、第1カバー上端部30bは、第1カバー本体部30aの上端部から第1ドアパネル2に向かって延びている。第1カバー上端部30bは、第1カバー本体部30aに対して傾斜していてもよく、垂直になっていてもよい。第1カバー下端部30cは、第1カバー本体部30aの下端部から第1ドアパネル2に向かってに延びている。第1カバー下端部30cは、第1カバー本体部30aに対して傾斜していてもよく、垂直になっていてもよい。第1カバー30は、板金部品として一体に作製されていてもよい。
【0035】
図6に示すように、第1カバー上端部30bの上縁の一対の角部30pはそれぞれ、丸味を帯びていてもよい。あるいは、第1カバー上端部30bの角部30pのそれぞれは面取りされていてもよい。第1カバー下端部30cの下縁の一対の角部30qのそれぞれは、丸味を帯びていてもよい。あるいは、第1カバー下端部30cの角部30qのそれぞれは面取りされていてもよい。
【0036】
図5および
図6に示すように、第1取付部材31は、第1カバー30を第1ドアパネル2に取り付けるための部材である。第1取付部材31はそれぞれ、第1カバー30の第1ドアパネル2の側の面に固定されていてもよい。例えば、第1取付部材31は、第1カバー30に溶接されていてもよい。例えば、第1取付部材31は、上方から見たときにU字状に形成されていてもよい。第1カバー30は2つの第1取付部材31によって第1ドアパネル2に取り付けられていてもよく、この場合、第1取付部材31は、第1カバー本体部30aの上部および下部に配置されていてもよい。
【0037】
図6に示すように、第1取付部材31は、第1締結ボルト32によって第1ドアパネル2に締結された第1締結座31aを含んでいてもよい。第1締結座31aは、ボルト孔(図示せず)を含んでいてもよい。ボルト孔の平面形状は円形であってもよい。第1締結座31aは、第1ドアパネル2の法線方向で見たときに、第1カバー本体部30aに重なっていてもよい。
【0038】
第1締結ボルト32は、第1取付部材31を第1ドアパネル2に締結する。第1取付部材31の図示しないボルト孔に、第1締結ボルト32が挿入されて、第1取付部材31が第1ドアパネル2に締結されてもよい。
【0039】
図4に示すように、本実施の形態による第1カバー30は、係合ベーン12A、12Bと干渉しない位置に配置されている。より具体的には、第1ドアパネル2の法線方向で見たときに、ロック解除ローラ19およびドア開閉ローラ20は、第1カバー30の第1カバー本体部30aから戸閉側に突出している。このことにより、ロック状態で一方の係合ベーン12Aがロック解除ローラ19に戸閉側で当接した場合には、係合ベーン12Aが第1カバー30に接触することを防止できる。ロック解除状態で係合ベーン12Aがロック解除ローラ19およびドア開閉ローラ20に戸閉側で当接した場合においても、係合ベーン12Aが第1カバー30に当接することを防止できる。
【0040】
図4に示すように、第1ドアパネル2の法線方向で見たときに、ロック解除ローラ19およびドア開閉ローラ20は、第1カバー30の第1カバー本体部30aから戸開側に突出している。このことにより、他方の係合ベーン12Bがロック解除ローラ19およびドア開閉ローラ20に戸開側で当接した場合においても、係合ベーン12Bが第1カバー30に当接することを防止できる。
【0041】
このように本実施の形態によれば、インターロック11の被係合部15が第1カバー30により覆われている。このことにより、昇降路に存在するテールコードなどの長尺物がインターロック11の被係合部15に接触することを防止できる。また、第1カバー30が、係合ベーン12A、12Bと干渉しない位置に配置されている。このことにより、係合ベーン12A、12Bが第1カバー30に接触することを防止でき、インターロック11の機能を維持することができる。このため、インターロック11への長尺物の接触を防止できるとともに、インターロック11が解錠されることを防止できる。
【0042】
また、本実施の形態によれば、乗場ドア1の第1ドアパネル2の法線方向で見たときに、ロック解除ローラ19およびドア開閉ローラ20は、第1カバー30から戸閉側に突出している。このことにより、一方の係合ベーン12Aがロック解除ローラ19およびドア開閉ローラ20に戸閉側で当接した場合、係合ベーン12Aが第1カバー30に接触することを防止できる。また、ロック解除ローラ19およびドア開閉ローラ20は、第1カバー30から戸開側に突出している。このことにより、他方の係合ベーン12Bがロック解除ローラ19およびドア開閉ローラ20に戸開側で当接した場合、係合ベーン12Bが第1カバー30に接触することを防止できる。このため、インターロック11の機能を維持することができ、インターロック11が解錠されることを効果的に防止できる。
【0043】
また、本実施の形態によれば、第1カバー30は、第1カバー本体部30aと、第1カバー本体部30aの上端部から第1ドアパネル2に向かって延びる第1カバー上端部30bと、第1カバー本体部30aの下端部から第1ドアパネル2に向かって延びる第1カバー下端部30cと、を含んでいる。このことにより、昇降路に存在する長尺物が、上方から第1カバー30と第1ドアパネル2との間の空間に入り込むことを防止できるとともに、下方から第1カバー30と第1ドアパネル2との間の空間に入り込むことを防止できる。このため、長尺物がインターロック11の被係合部15に接触することを効果的に防止できる。
【0044】
また、本実施の形態によれば、インターロック11は、第1カバー30を第1ドアパネル2に取り付けるための第1取付部材31と、第1取付部材31を第1ドアパネル2に締結するための第1締結ボルト32と、を含んでいる。第1取付部材31は、第1カバー30の第1ドアパネル2の側の面に固定されている。このことにより、第1締結ボルト32を用いて第1取付部材31を第1ドアパネル2に締結することにより、第1カバー30を、第1ドアパネル2に容易に取り付けることができる。このため、第1カバー30の取り付け作業性を向上させることができる。
【0045】
また、本実施の形態によれば、ロック機構13は、第1揺動レバー16と、第2揺動レバー17と、第1揺動レバー16と第2揺動レバー17とを連結するリンク部材18と、を含み、被係合部15は、第2揺動レバー17に取り付けられている。このことにより、ロック機構13が、2つの揺動レバーで構成されている場合であっても、昇降路に存在する長尺物がインターロック11の被係合部15に接触することを防止できるとともに、インターロック11が解錠されることを防止できる。
【0046】
なお、上述した本実施の形態においては、図示しないかごドアに一対の係合ベーン12A、12Bが取り付けられて、乗場ドア1を開く際に一方の係合ベーン12Aが被係合部15に係合し、乗場ドア1を閉じる際に他方の係合ベーン12Bが被係合部15に係合する例について説明した。しかしながら、本実施の形態は、このことに限られることはない。例えば、かごドアには1つの係合ベーンが設けられて、乗場ドア1を開く際および閉じる際の両方で、被係合部15に係合してもよい。
【0047】
また、上述した本実施の形態においては、乗場ドア1が両開き構造を有している例について説明した。しかしながら、本実施の形態は、このことに限られることはない。例えば、乗場ドア1は、片開き構造を有していてもよい。この場合においても、上述した本実施の形態によるインターロック装置10を適用することができる。後述する第2の実施の形態および第3の実施の形態についても同様である。
【0048】
(第2の実施の形態)
次に、
図7~
図10を用いて、第2の実施の形態によるエレベータドアのインターロック装置について説明する。
【0049】
図7~
図10に示す第2の実施の形態においては、インターロックは、第2カバーを更に含む点が主に異なり、他の構成は、
図1~
図6に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、
図7~
図10において、
図1~
図6に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0050】
本実施の形態によるインターロック11は、第2カバー40と、第2取付部材41と、第2締結ボルト42と、第3取付部材43と、第3締結ボルト44と、を更に含んでいる。
【0051】
図7および
図8に示すように、第2カバー40は、第1ドアパネル2の法線方向で見たときに、第1カバー30に対して戸閉側(
図7における左側)に配置されている。
図7における第1カバー30の左側に、一方の係合ベーン12Aが挿入可能な挿入空間SAが形成されている。この挿入空間SAは、第1カバー30と第2カバー40との間に形成されている。
図7における第1カバー30の右側に、他方の係合ベーン12Bが挿入可能な挿入空間SBが形成されている。第2カバー40は、第1ドアパネル2の戸当り面に対して戸開側(
図7における右側)に配置されている。第2カバー40は、第1ドアパネル2から戸閉側にはみ出していない。
【0052】
第2カバー40は、係合ベーン12A、12Bおよびリンク部材18と干渉しない位置に配置されている。本実施の形態による第2カバー40は、第2カバー本体部40aと、第2カバー上端部40bと、第2カバー下端部40cと、第2カバー側縁部40dと、を含んでいてもよい。
【0053】
第2カバー本体部40aは、第1ドアパネル2に対してかごドアに向かい合う側に配置されている。第2カバー本体部40aは、第1ドアパネル2に対向しており、平坦状に形成されていてもよい。第2カバー上端部40bは、第2カバー本体部40aの上端部から第1ドアパネル2に向かって延びている。第2カバー上端部40bは、第2カバー本体部40aに対して傾斜していてもよく、垂直になっていてもよい。第2カバー下端部40cは、第2カバー本体部40aの下端部から第1ドアパネル2に向かって延びている。第2カバー下端部40cは、第2カバー本体部40aに対して傾斜していてもよく、垂直になっていてもよい。第2カバー側縁部40dは、第2カバー本体部40aに対して第1カバー30とは反対側(戸閉側、
図7における左側)に配置されており、第2カバー本体部40aの側縁部から第1ドアパネル2に向かって延びている。第2カバー側縁部40dは、後述する第3カバー側縁部50dと同様に形成することができる。第2カバー40は、板金部品として一体に作製されていてもよい。第2カバー40は、後述する第3カバー50を左右反転した形状を有していてもよい。
【0054】
図8に示すように、第2カバー上端部40bの上縁の一対の角部40pはそれぞれ、丸味を帯びていてもよい。あるいは、第2カバー上端部40bの角部40pのそれぞれは面取りされていてもよい。一対の角部40pのうちの戸閉側の角部40pは、丸味を帯びていなくてもよく、面取りされていなくてもよい。第2カバー下端部40cの下縁の一対の角部40qのそれぞれは、丸味を帯びていてもよい。あるいは、第2カバー下端部40cの角部40qのそれぞれは面取りされていてもよい。一対の角部40qのうちの戸閉側の角部40qは、丸味を帯びていなくてもよく、面取りされていなくてもよい。
【0055】
図8に示すように、第2取付部材41は、第2カバー40を第1ドアパネル2に取り付けるための部材である。第2取付部材41は、第2カバー40の第1ドアパネル2の側の面に固定されていてもよい。例えば、第2取付部材41は、第2カバー40に溶接されていてもよい。例えば、第2取付部材41は、U字状に形成されていてもよい。第2取付部材41は、第2カバー本体部40aの上部に配置されていてもよい。
【0056】
図9に示すように、第2取付部材41は、第2締結ボルト42によって第1ドアパネル2に締結された第2締結座41aを含んでいてもよい。第2締結座41aは、ボルト孔41bを含んでいてもよい。ボルト孔41bは、第2締結座41aの下縁に延びて、U字状に形成されていてもよい。この場合、第2締結ボルト42を第1ドアパネル2のねじ孔(図示せず)に螺合させた後に、第2取付部材41の第2締結座41aを上方から差し込むことができ、第2取付部材41の取付作業性を向上させることができる。
【0057】
図9に示すように、第2取付部材41は、第1ドアパネル2の法線方向で見たときに第2カバー本体部40aに重なっていてもよい。第2締結座41aが、第2カバー本体部40aに重なっていてもよい。この場合、第2カバー40は、作業孔40eを含んでいてもよい。作業孔40eは、第2カバー本体部40aに形成されており、第2締結ボルト42を締結するための工具が挿入可能になっている。
【0058】
図8および
図9に示すように、第2締結ボルト42は、第2取付部材41を第1ドアパネル2に締結する。第2取付部材41のボルト孔41bに、第2締結ボルト42が挿入されて、第2取付部材41が第1ドアパネル2に締結されていてもよい。
【0059】
第3取付部材43は、第2カバー40を第1ドアパネル2に取り付けるための部材である。第3取付部材43は、第2カバー40の第1ドアパネル2の側の面に固定されていてもよい。例えば、第3取付部材43は、第2カバー40に溶接されていてもよい。例えば、第3取付部材43は、クランク状に形成されていてもよい。第3取付部材43は、第2カバー本体部40aの下部に配置されていてもよい。
【0060】
図7および
図8に示すように、第3取付部材43は、第3締結ボルト44によって第1ドアパネル2に締結された第3締結座43aを含んでいてもよい。第3締結座43aは、図示しないボルト孔を含んでいてもよい。ボルト孔の平面形状は円形であってもよい。第3締結座43aは、第1ドアパネル2の法線方向で見たときに、第2カバー40から露出されていてもよい。第3締結座43aは、第1カバー30と第2カバー40との間に配置されていてもよい。第3取付部材43のうち第3締結座43a以外の部分は、第2カバー40と重なっていてもよい。
【0061】
第3締結ボルト44は、第3取付部材43を第1ドアパネル2に締結する。第3取付部材43の図示しないボルト孔に、第3締結ボルト44が挿入されて、第3取付部材43が第1ドアパネル2に締結されていてもよい。
【0062】
図10(a)、(b)に示すように、第3締結ボルト44のヘッド44hの高さh1は、第2締結ボルト42のヘッド42hの高さh2よりも低くてもよい。第3締結ボルト44のヘッド44hの角部は、丸味を帯びていてもよい。あるいは、第3締結ボルト44のヘッド44hの角部は面取りされていてもよい。
【0063】
このように本実施の形態によれば、インターロック11は、第1ドアパネル2の法線方向で見たときに、第1カバー30に対して戸閉側に配置された第2カバー40を含んでいる。このことにより、昇降路に存在する長尺物が、戸開側から第1カバー30と第1ドアパネル2との間の空間に入り込むことを、第2カバー40が防止することができる。このため、長尺物がインターロック11の被係合部15に接触することをより一層防止できる。また、第2カバー40は、係合ベーン12A、12Bおよびリンク部材18と干渉しない位置に配置されている。このことにより、係合ベーン12A、12Bが第2カバー40に接触することを防止でき、インターロック11の機能を維持することができる。このため、インターロック11への長尺物の接触を防止できるとともに、インターロック11が解錠されることを防止できる。
【0064】
また、本実施の形態によれば、第2カバー40は、第2カバー本体部40aと、第2カバー本体部40aに対して戸閉側に配置されて、第2カバー本体部40aの側縁部から第1ドアパネル2に向かって延びる第2カバー側縁部40dと、を含んでいる。このことにより、昇降路に存在する長尺物が、戸閉側から第2カバー40と第1ドアパネル2との間の空間に入り込むことを防止できる。また、長尺物が、リンク部材18に接触することも防止できる。
【0065】
また、本実施の形態によれば、インターロック11は、第2カバー40を第1ドアパネル2に取り付けるための第2取付部材41と、第2取付部材41を第1ドアパネル2に締結するための第2締結ボルト42と、を含んでいる。第2取付部材41は、第2カバー40の第1ドアパネル2の側の面に固定されている。このことにより、第2締結ボルト42を用いて第2取付部材41を第1ドアパネル2に締結することにより、第2カバー40を、第1ドアパネル2に容易に取り付けることができる。このため、第2カバー40の取り付け作業性を向上させることができる。
【0066】
また、本実施の形態によれば、第2取付部材41は、第1ドアパネル2の法線方向で見たときに、第2カバー本体部40aに重なり、第2カバー本体部40aは、第3締結ボルト44を締結するための工具が挿入可能な作業孔40eを含んでいる。このことにより、第2取付部材41を第1ドアパネル2に取り付けるためのスペースが限られている場合であっても、第2取付部材41を第1ドアパネル2に容易に取り付けることができる。このため、第2カバー40の取り付け作業性を向上させることができる。
【0067】
また、本実施の形態によれば、インターロック11は、第2カバー40を第1ドアパネル2に取り付けるための第3取付部材43と、第3取付部材43を第1ドアパネル2に締結するための第3締結ボルト44と、を含んでいる。第3取付部材43は、第2カバー40の第1ドアパネル2の側の面に固定されている。第3取付部材43は、第3締結ボルト44によって第1ドアパネル2に締結された第3締結座43aを含み、第3締結座43aは、第1ドアパネル2の法線方向で見たときに、第2カバー40から露出されている。第3締結ボルト44のヘッド44hの高さは、第2締結ボルト42のヘッド42hの高さよりも低くなっている。このことにより、第2カバー40から露出された第3締結ボルト44に、昇降路に存在する長尺物が接触する可能性を低減することができる。このため、長尺物がインターロック11の被係合部15に接触することを防止できる。
【0068】
(第3の実施の形態)
次に、
図11および
図12を用いて、第3の実施の形態によるエレベータドアのインターロック装置について説明する。
【0069】
図11および
図12に示す第3の実施の形態においては、インターロックは、第3カバーを更に含む点が主に異なり、他の構成は、
図7~
図10に示す第2の実施の形態と略同一である。なお、
図11および
図12において、
図7~
図10に示す第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0070】
本実施の形態によるインターロック11は、第3カバー50と、第4取付部材51と、第4締結ボルト52と、第5取付部材53と、第5締結ボルト54と、を更に含んでいる。
【0071】
図11および
図12に示すように、第3カバー50は、第1ドアパネル2の法線方向で見たときに、第1カバー30に対して戸開側(
図11における右側)に配置されている。
図11における第1カバー30の左側に、一方の係合ベーン12Aが挿入可能な挿入空間SAが形成されている。この挿入空間SAは、第1カバー30と第2カバー40との間に形成されている。
図11における第1カバー30の右側に、他方の係合ベーン12Bが挿入可能な挿入空間SBが形成されている。この挿入空間SBは、第1カバー30と第3カバー50との間に形成されている。
【0072】
第3カバー50は、係合ベーン12A、12Bと干渉しない位置に配置されている。本実施の形態による第3カバー50は、第3カバー本体部50aと、第3カバー上端部50bと、第3カバー下端部50cと、第3カバー側縁部50dと、を含んでいてもよい。
【0073】
第3カバー本体部50aは、第1ドアパネル2に対してかごドアに向かい合う側に配置されている。第3カバー本体部50aは、第1ドアパネル2に対向しており、平坦状に形成されていてもよい。第3カバー上端部50bは、第3カバー本体部50aの上端部から第1ドアパネル2に向かって延びている。第3カバー上端部50bは、第3カバー本体部50aに対して傾斜していてもよく、垂直になっていてもよい。第3カバー下端部50cは、第3カバー本体部50aの下端部から第1ドアパネル2に向かって延びている。第3カバー下端部50cは、第3カバー本体部50aに対して傾斜していてもよく、垂直になっていてもよい。第3カバー側縁部50dは、第3カバー本体部50aに対して第1カバー30とは反対側(戸開側、
図11における右側)に配置されており、第3カバー本体部50aの側縁部から第1ドアパネル2に向かって延びている。第3カバー50は、板金部品として一体に作製されていてもよい。第3カバー50は、上述した第2カバー40を左右反転した形状を有していてもよい。
【0074】
図12に示すように、第3カバー上端部50bの上縁の一対の角部50pのそれぞれは、丸味を帯びていてもよい。あるいは、第3カバー上端部50bの角部50pのそれぞれは面取りされていてもよい。一対の角部50pのうちの戸開側の角部50pは、丸味を帯びていなくてもよく、面取りされていなくてもよい。第3カバー下端部50cの下縁の一対の角部50qのそれぞれは、丸味を帯びていてもよい。あるいは、第3カバー下端部50cの角部50qのそれぞれは面取りされていてもよい。一対の角部50qのうちの戸開側の角部50qは、丸味を帯びていなくてもよく、面取りされていなくてもよい。
【0075】
図12に示すように、第4取付部材51は、第3カバー50を第1ドアパネル2に取り付けるための部材である。第4取付部材51は、第3カバー50の第1ドアパネル2の側の面に固定されていてもよい。例えば、第4取付部材51は、第3カバー50に溶接されていてもよい。例えば、第4取付部材51は、U字状に形成されていてもよい。第4取付部材51は、第3カバー本体部50aの上部に配置されていてもよい。
【0076】
図12に示すように、第4取付部材51は、第4締結ボルト52によって第1ドアパネル2に締結された第4締結座51aを含んでいてもよい。第4締結座51aは、図示しないボルト孔を含んでいてもよい。第4締結座51aのボルト孔は、
図9に示す第2締結座41aのボルト孔41bと同様にU字状に形成されていてもよい。
【0077】
図12に示すように、第4取付部材51は、第1ドアパネル2の法線方向で見たときに第3カバー本体部50aに重なっていてもよい。第4締結座51aが、第3カバー本体部50aに重なっていてもよい。この場合、第3カバー50は、作業孔50eを含んでいてもよい。作業孔50eは、第4締結ボルト52を締結するための工具が挿入可能になっている。
【0078】
図11および
図12に示すように、第4締結ボルト52は、第4取付部材51を第1ドアパネル2に締結する。第4取付部材51のボルト孔に、第4締結ボルト52が挿入されて、第4取付部材51が第1ドアパネル2に締結されていてもよい。
【0079】
第5取付部材53は、第3カバー50を第1ドアパネル2に取り付けるための部材である。第5取付部材53は、第3カバー50の第1ドアパネル2の側の面に固定されていてもよい。例えば、第5取付部材53は、第3カバー50に溶接されていてもよい。例えば、第5取付部材53は、クランク状に形成されていてもよい。第5取付部材53は、第3カバー本体部50aの下部に配置されていてもよい。
【0080】
図12に示すように、第5取付部材53は、第5締結ボルト54によって第1ドアパネル2に締結された第5締結座53aを含んでいてもよい。第5締結座53aは、図示しないボルト孔を含んでいてもよい。ボルト孔の平面形状は円形であってもよい。第5締結座53aは、第1ドアパネル2の法線方向で見たときに、第3カバー50から露出されていてもよい。第5締結座53aは、第1カバー30と第3カバー50との間に配置されている。第5取付部材53のうち第5締結座53a以外の部分は、第3カバー50と重なっていてもよい。
【0081】
第5締結ボルト54は、第5取付部材53を第1ドアパネル2に締結する。第5取付部材53の図示しないボルト孔に、第5締結ボルト54が挿入されて、第5取付部材53が第1ドアパネル2に締結されていてもよい。
【0082】
本実施の形態による第3カバー50は、上述した第2カバー40と左右対称に形成されていてもよい。しかしながら、第3カバー50は、第2カバー40と左右非対称に形成されていてもよい。第4取付部材51および第5取付部材53は、上述した第2取付部材41および第3取付部材43と左右対称に形成されていてもよい。しかしながら、第4取付部材51および第5取付部材53は、左右非対称に形成されていてもよい。
【0083】
図示しないが、上述した第2締結ボルト42および第3締結ボルト44と同様に、第5締結ボルト54のヘッドの高さは、第4締結ボルト52のヘッドの高さよりも低くてもよい。第5締結ボルト54のヘッドの角部は、第3締結ボルト44と同様に、丸味を帯びていてもよい。あるいは、第5締結ボルト54のヘッドの角部は面取りされていてもよい。
【0084】
このように本実施の形態によれば、インターロック11は、第1ドアパネル2の法線方向で見たときに、第1カバー30に対して戸開側に配置された第3カバー50を含んでいる。このことにより、昇降路に存在する長尺物が、戸開側から第1カバー30と第1ドアパネル2との間の空間に入り込むことを、第3カバー50が防止することができる。このため、長尺物がインターロック11の被係合部15に接触することをより一層防止できる。また、第3カバー50は、係合ベーン12A、12Bと干渉しない位置に配置されている。このことにより、係合ベーン12A、12Bが第3カバー50に接触することを防止でき、インターロック11の機能を維持することができる。このため、インターロック11への長尺物の接触を防止できるとともに、インターロック11が解錠されることを防止できる。
【0085】
また、本実施の形態によれば、第3カバー50は、第3カバー本体部50aと、第3カバー本体部50aに対して戸開側に配置されて、第3カバー本体部50aの側縁部から第1ドアパネル2に向かって延びる第3カバー側縁部50dと、を含んでいる。このことにより、昇降路に存在する長尺物が、戸開側から第3カバー50と第1ドアパネル2との間の空間に入り込むことを防止できる。
【0086】
以上述べた実施の形態によれば、昇降路に存在する長尺物のインターロック11への接触を防止できるとともに、インターロック11が解錠されることを防止できる。
【0087】
本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0088】
1:乗場ドア、2:第1ドアパネル、3:第2ドアパネル、10:インターロック装置、11:インターロック、12A、12B:係合ベーン、13:ロック機構、14:被係止部、15:被係合部、16:第1揺動レバー、17:第2揺動レバー、18:リンク部材、19:ロック解除ローラ、20:ドア開閉ローラ、30:第1カバー、30a:第1カバー本体部、30b:第1カバー上端部、30c:第1カバー下端部、31:第1取付部材、32:第1締結ボルト、40:第2カバー、40a:第2カバー本体部、40d:第2カバー側縁部、40e:作業孔、41:第2取付部材、42:第2締結ボルト、42h:ヘッド、43:第3取付部材、43a:第3締結座、44:第3締結ボルト、44h:ヘッド、50:第3カバー、50a:第3カバー本体部、50d:第3カバー側縁部、53:第5取付部材
【要約】
【課題】昇降路に存在する長尺物の接触を防止できるとともに、インターロックが解錠されることを防止できるエレベータドアのインターロック装置を提供する。
【解決手段】実施の形態によるエレベータドアのインターロック装置は、乗場ドアをロックするインターロックと、かごドアに設けられ、乗場ドアのロックを解除する係合部材と、を備えている。インターロックは、乗場ドアのロック状態とロック解除状態を取るロック機構と、ロック状態のロック機構を係止する被係止部と、係合部材に係合されることによりロック機構をロック解除状態にして乗場ドアを開閉する被係合部と、被係合部を覆う第1カバーと、を含んでいる。第1カバーは、係合部材と干渉しない位置に配置されている。
【選択図】
図4