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特許7631605情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-07
(45)【発行日】2025-02-18
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 51/02 20220101AFI20250210BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20250210BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20250210BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20250210BHJP
   G06Q 30/0201 20230101ALI20250210BHJP
   H04L 51/07 20220101ALI20250210BHJP
【FI】
H04L51/02
G06Q50/10
G06F3/01 510
G06F3/16 650
G06Q30/0201
H04L51/07
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2024128228
(22)【出願日】2024-08-02
【審査請求日】2024-08-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 第30条第2項適用、令和6年3月13日 スマーター・リテイリング・フォーラム2024で発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 第30条第2項適用、令和6年4月23日 https://www.microsoft.com/ja-jp/industry/blog/retail/2024/04/23/smarter-retailing-forum-2024-event-report/で公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 第30条第2項適用、令和6年5月2日 https://diamond-rm.net/technology/ai/484447/で公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 第30条第2項適用、令和6年6月21日 Microsoft Retail Open Labで発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 第30条第2項適用、令和6年7月30日 https://www.microsoft.com/ja-jp/industry/blog/retail/2024/07/30/retail-open-lab-2024/で公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508342998
【氏名又は名称】株式会社セブン&アイ・ホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】伏見 一茂
(72)【発明者】
【氏名】野口 大輔
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 英隆
(72)【発明者】
【氏名】我妻 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】宮路 敬志
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 宏明
(72)【発明者】
【氏名】中田 拓希
(72)【発明者】
【氏名】秋田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】南▲崎▼ 貴之
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 真理
【審査官】吉田 歩
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-000314(JP,A)
【文献】公開!マーケター向け「ChatGPT汎用プロンプト」/note・深津貴之氏が尾原和啓氏に使い方を直伝,日経トレンディ,日経BP,2023年06月04日,No.508,2023.7月号,pp.41-43,特にp.43,第1段目参照。
【文献】碓井 誠,図解 セブン-イレブン流 サービス・イノベーションの条件,第1版,日経BP社,2010年04月15日,第164-166頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 51/02
H04L 51/07
G06Q 30/0201
G06Q 50/10
G06F 3/01
G06F 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費者の消費行動の履歴及び当該消費者の属性を示す消費行動データを複数のセグメントに分類する分類部と、
前記複数のセグメントに含まれる少なくとも一部のセグメントのそれぞれについて、当該セグメントに属する消費行動データと当該消費行動データから特定される消費者の特性とに基づき、当該セグメントを象徴するペルソナを生成するためのプロンプトを生成するプロンプト生成部と、
前記プロンプトを生成モデルに入力することにより、前記セグメントに対応するペルソナを生成するペルソナ生成部と、
を備え
前記プロンプト生成部は、前記複数のセグメントの中から、当該複数のセグメントのそれぞれについて特定されるターゲットとしての注力度合いが所定の条件を満たすセグメントを抽出し、抽出したセグメントのそれぞれについて、前記プロンプトを生成す
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロンプト生成部は、
前記複数のセグメントに含まれる少なくとも一部のセグメントのそれぞれについて、当該セグメントに属する消費行動データを用いて消費者の特性を特定し、
特定した特性に基づき前記プロンプトを生成する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記消費者の特性は、前記消費者の消費行動の傾向を示す情報を含む、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロンプト生成部は、
前記複数のセグメントに含まれる少なくとも一部のセグメントのそれぞれについて、当該セグメントに属する消費行動データと、当該消費行動データから特定される消費者の特性とに基づき、当該セグメントを象徴する消費者像を表すターゲット像定義データを生成し、
生成したターゲット像定義データをテキスト形式の前記プロンプトに変換する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロンプト生成部は、前記複数のセグメントに含まれる少なくとも一部のセグメントのそれぞれについて、当該セグメントに属する消費行動データから特定される消費者の特性を表すデータを含むターゲット像定義データを生成する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロンプト生成部は、前記複数のセグメントに含まれる少なくとも一部のセグメントのそれぞれについて、当該セグメントに属する消費行動データと、当該消費行動データから特定される消費者の特性と、消費者又は消費者に提供するサービスに関して収集された収集データを記憶する記憶部に記憶された、当該セグメントに属する消費行動データに対応する収集データとに基づき、当該セグメントのプロンプトを生成する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
少なくとも1つのプロセッサが、消費者の消費行動の履歴及び当該消費者の属性を示す消費行動データを複数のセグメントに分類する分類処理と、
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記複数のセグメントに含まれる少なくとも一部のセグメントのそれぞれについて、当該セグメントに属する消費行動データと当該消費行動データから特定される消費者の特性とに基づき、当該セグメントを象徴するペルソナを生成するためのプロンプトを生成するプロンプト生成処理と、
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記プロンプトを生成モデルに入力することにより、前記セグメントに対応するペルソナを生成するペルソナ生成処理と、
を含み、
前記プロンプト生成処理において、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記複数のセグメントの中から、当該複数のセグメントのそれぞれについて特定されるターゲットとしての注力度合いが所定の条件を満たすセグメントを抽出し、抽出したセグメントのそれぞれについて、前記プロンプトを生成す
情報処理方法。
【請求項8】
前記ペルソナ生成部は、
前記ペルソナに対するユーザの発話内容を表す発話データをユーザ端末から受信し、
前記発話データを前記生成モデルに入力することにより、前記ユーザの発話に対する応答を生成し、
生成した応答を前記ユーザ端末に送信する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の情報処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、前記分類部、前記プロンプト生成部、及び前記ペルソナ生成部として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項に記載の情報処理装置と、前記ユーザ端末とを備え、
前記ユーザ端末は、
前記発話データを前記情報処理装置へ送信する発話データ送信部と、
前記応答を前記情報処理装置から受信し、受信した応答を出力装置に出力する出力制御部と、を備える
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペルソナを生成するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ペルソナを生成する技術が知られている。ペルソナは例えばマーケティングで活用される。ペルソナを生成する技術としては、例えば特許文献1に記載の技術が挙げられる。特許文献1には、ユーザ発話を受信するステップと、ユーザ発話をチャットボットのキャラクターに関する説明と関連した指示文を含むプロンプトに追加するステップと、プロンプトをエンコードするステップと、エンコードしたプロンプトを言語モデルに入力して、ユーザ発話に応答するチャットボット発話を生成するステップと、を含むペルソナチャットボット制御方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-210522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、ユーザ発話に応答するチャットボット発話を生成できるものの、消費者の実際の消費行動に倣ったペルソナを生成できないという問題がある。
【0005】
本発明の一態様は、消費者の実際の消費行動に倣ったペルソナを生成する技術を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理装置は、消費者の消費行動の履歴及び当該消費者の属性を示す消費行動データを複数のセグメントに分類する分類部と、前記複数のセグメントに含まれる少なくとも一部のセグメントのそれぞれについて、当該セグメントに属する消費行動データと当該消費行動データから特定される消費者の特性とに基づき、当該セグメントを象徴するペルソナを生成するためのプロンプトを生成するプロンプト生成部と、前記プロンプトを生成モデルに入力することにより、前記セグメントに対応するペルソナを生成するペルソナ生成部と、を備える。
【0007】
また、本発明の一態様に係る情報処理方法は、少なくとも1つのプロセッサが、消費者の消費行動の履歴及び当該消費者の属性を示す消費行動データを複数のセグメントに分類する分類処理と、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記複数のセグメントに含まれる少なくとも一部のセグメントのそれぞれについて、当該セグメントに属する消費行動データと当該消費行動データから特定される消費者の特性とに基づき、当該セグメントを象徴するペルソナを生成するためのプロンプトを生成するプロンプト生成処理と、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記プロンプトを生成モデルに入力することにより、前記セグメントに対応するペルソナを生成するペルソナ生成処理と、を含む。
【0008】
本発明の各態様に係る情報処理装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記情報処理装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記情報処理装置をコンピュータにて実現させる情報処理装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、消費者の実際の消費行動に倣ったペルソナを生成できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係るシステムの構成の一例を示すブロック図である。
図2】実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図3】実施形態に係る消費行動データの具体例を示す図である。
図4】実施形態に係るユーザ端末の構成の一例を示すブロック図である。
図5】実施形態に係る情報処理方法の流れの一例を示すシーケンス図である。
図6】実施形態に係るプロンプトの一例を示す図である。
図7】実施形態に係るプロンプトの一例を示す図である。
図8】実施形態に係る入力画面の一例を示す図である。
図9】実施形態に係るプロンプトの一例を示す図である。
図10】実施形態に係るプロンプトの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔実施形態〕
[システム構成]
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るシステム1の構成の一例を示すブロック図である。システム1は、マーケティング等を支援するためのシステムである。システム1は、情報処理装置10及びユーザ端末20を備える。情報処理装置10及びユーザ端末20は、通信回線Nを介して通信可能に接続される。通信回線Nの具体的構成は本実施形態を限定するものではないが、通信回線Nは一例として、無線LAN(Local Area Network)、有線LAN、WAN(Wide Area Network)、公衆回線網、モバイルデータ通信網、又は、これらの組み合わせである。
【0012】
情報処理装置10は、マーケティング等を支援するための機能を有する装置であり、一例として汎用コンピュータである。ユーザ端末20は、システム1のユーザが利用する端末であり、例えば、ラップトップコンピュータ、タブレット端末又はスマートフォン等のパーソナルコンピュータである。システム1のユーザとしては例えば、商品又はサービスの企画及び開発を行う者、ブランディング又はマーケティングを行う者、顧客対応を行う者(例えば、コンタクトセンターの対応者)、が挙げられるが、これらに限定されない。
【0013】
[情報処理装置の構成]
図2は、情報処理装置10の構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置10は、制御部110、記憶部120、通信部130、入力部140及び出力部150を備える。制御部110は記憶部120に記憶されたコンピュータプログラムの命令を実行する。通信部130は、情報処理装置10の外部の装置と通信回線Nを介して通信する。通信部130は、制御部110から供給されたデータを他の装置に送信したり、他の装置から受信したデータを制御部110に供給したりする。
【0014】
<入力部・出力部>
入力部140は、情報処理装置10に対する入力を受け付けるための構成であり、一例として、キーボード、マウス、タッチパネル、カメラ、マイクロフォン等の入力装置を備える。また、入力部140は、例えばUSB(Universal Serial Bus)などのインタフェースを介して入力装置からのデータを受け付ける構成としてもよい。出力部150は、情報処理装置10からの出力を行うための構成であり、一例として、ディスプレイ、プリンタ、タッチパネル、スピーカ等の出力装置を備える。出力部150は、例えばUSBなどのインタフェースを備える構成とし、当該インタフェースを介して出力装置にデータを出力する構成としてもよい。
【0015】
<記憶部>
記憶部120は、制御部110が実行するコンピュータプログラムの命令を記憶する。また、記憶部120は、制御部110によって参照される各種の情報を記憶する。そのような情報の一例として、消費行動データ121、収集データ122、プロンプト123及び生成モデルM1が挙げられる。なお、記憶部120に生成モデルM1が記憶されているとは、生成モデルM1を規定するパラメータが記憶部120に記憶されていることをいう。
【0016】
(消費行動データ)
消費行動データ121は、消費者の消費行動の履歴及び当該消費者の属性を示すデータである。消費行動データは一例としていわゆるID-POSデータである。消費行動としては例えば、商品の購買、及び、役務の提供を受けることが挙げられる。消費者の属性としては例えば、消費者の性別、年齢、居住地域、家族構成、職業、年収、等が挙げられる。消費行動データ121は一例として、消費行動の内容を表すデータと、当該消費行動を行った消費者の属性を示すデータとが紐付けられたデータである。より具体的には、消費行動データ121は一例として、事前に会員登録を行った消費者の会員証に含まれるユーザ識別情報(2次元バーコード等)がPOS(Point of Sales)レジスタで読み取られ、読み取られたユーザ識別情報に対応する消費者の属性データと購入された商品に関するデータとが紐付けられることにより収集される。消費者の会員証は、例えば紙製の媒体であってもよく、また、専用のアプリケーションがスマートフォン等のユーザ端末に表示する表示画面であってもよい。
【0017】
図3は、消費行動データ121の具体例を示す図である。図3の例において、消費行動データ121は、「購買日時」、「商品」、「購買店舗」、「購買金額」、「性別」、「年代」、「アプリ利用ログ」、「顧客嗜好スコア」、「預金残高」、等のデータを含む。「購買日時」はその消費行動が行われた日時を示すデータである。「商品」は購買された商品を示すデータである。「購買店舗」は商品が購買された店舗を示すデータである。「購買金額」は購買された商品の金額を示すデータである。「性別」は商品を購買した消費者の性別を示すデータである。「年代」は商品を購買した消費者の年代を示す情報である。「アプリ利用ログ」は専用のアプリケーションの利用履歴を示すデータである。「顧客嗜好スコア」は、商品のカテゴリ毎の嗜好の度合いを表すデータである。「預金残高」は、商品を購入した消費者の預金残高を示すデータである。また、消費行動データ121に含まれるデータは上述した例に限定されず、消費行動データ121は例えば、消費行動を行った消費者の住所を示すデータを含んでもよい。
【0018】
消費行動データ121に含まれる消費者の属性(性別、年代、等)を示すデータは、例えば消費者の属性等を示す消費者データが記憶された消費者データベース(図示略)から読み出される。消費者データは一例として、消費者の名前、住所、年齢及び性別等のデータを含む。消費者データは一例として、消費者が専用のアプリケーションを用いて会員登録を行うためにユーザ端末に入力したデータである。
【0019】
(収集データ)
収集データ122は、消費者又は消費者に提供するサービスに関して収集されたデータである。収集データとしては例えば、消費者に対するインタビューの内容を示すデータ、及び、サービスについての調査結果を示すデータが挙げられる。消費者に対するインタビューの内容としては例えば、消費者が消費行動を行う店舗を選択する理由、消費行動を行う際に感じること、消費行動を行なう際に困ること、等のインタビューの回答が挙げられる。インタビューの回答としては例えば「身近にあるコンビニでなるべく全ての買い物を済ませたい」、「買い物に時間をかけたくない」、「何を買えばよいか迷ってしまうことが多い」、「できるだけ健康的なものを食べたい」、「カロリーが低いものを食べたい」といった意見が挙げられる。サービスについての調査結果としては例えば、各社のサービスの魅力、各社のサービスの認知度合い、等の調査結果が挙げられる。また、収集データは、NPS(Net Promoter Score)を含んでいてもよい。NPSは、企業や商品・サービスへの愛着度がどの程度あるかを数値化し、顧客ロイヤルティを測る指標である。また、収集データ122は、商品又は役務を提供する店舗が立地する地域の情報を示すデータを含んでいてもよい。
【0020】
(プロンプト)
プロンプト123は、後述するコンテンツ生成部13が生成モデルM1に入力する入力データである。プロンプト123としては例えば、テキスト、音声データ、画像データ、及びこれらの組み合わせが挙げられる。プロンプト123は一例として、ユーザが生成モデルM1を活用してペルソナと会話するために用いられる。本開示においてペルソナは生成モデルM1により生成される、ユーザ発話に応答するチャットボットである。また、本開示においてペルソナは、年齢、性別、居住地域、家族構成、職業、年収、価値観、ライフスタイル等が具体的に設定されたユーザモデルである。
【0021】
生成モデルM1に入力されるプロンプト123は一例として、後述するプロンプト生成部12が生成するプロンプトである。この場合、プロンプト123は一例として、生成モデルM1によりペルソナを生成するためのプロンプトである。また、プロンプト123は、ユーザ端末20から受信されるプロンプトであってもよい。この場合、プロンプト123は一例として、ペルソナに対する質問を表すテキストであってもよい。
【0022】
(生成モデル)
生成モデルM1は、機械学習により生成されたモデルであり、テキスト等のコンテンツを生成する。生成モデルM1の入力はプロンプト123であり、生成モデルM1の出力は、プロンプト123から生成されたコンテンツである。コンテンツとしては例えば、ペルソナの生成要求であるプロンプト123に対する応答であるテキスト、ペルソナへの質問を含むプロンプト123に対する回答を示すテキスト、が挙げられる。また、コンテンツは、テキストに限らず、画像データ又は音声データを含んでいてもよい。生成モデルM1としては例えば、ChatGPT(Chat Generative Pre-trained Transformer)、GPT-4(Generative Pre-trained Transformer 4)等の生成AI(generative artificial intelligence)、又は、当該生成AIを消費行動データ121及び収集データ122を用いてファインチューニングしたものが挙げられるがこれらに限定されない。
【0023】
<制御部>
制御部110は、分類部11、プロンプト生成部12及びコンテンツ生成部13を備える。制御部110の各部は、制御部110が記憶部120に記憶されたコンピュータプログラムの命令を読み出して実行することにより実現される。コンテンツ生成部13は、本開示に係るペルソナ生成部の一例である。
【0024】
(分類部)
分類部11は、消費行動データ121を複数のセグメントに分類する。本開示において、セグメントは、マーケティング等における各種施策のターゲットとすべき注力層を決定するために属性、購買回数、購入金額、購買店舗等から決定される分類結果である。より具体的には、複数のセグメントは一例として、消費行動データ121を購入回数及び購入金額等に基づき「優良顧客」、「第一層」、「第二層」、等の複数の層に分類した場合において、各層を消費者の属性に基づき更に分類したものである。ここで、「優良顧客」のユーザは一例として、月間購入金額2万円以上、月間購買回数16回以上のユーザである。「第一層」のユーザは一例として、月間購入金額が1万円未満かつ購買回数が1~6回のユーザである。「第二層」のユーザは一例として、月間購入金額が1万円以上2万円未満かつ月間購買回数が3~6回のユーザである。
【0025】
(プロンプト生成部)
プロンプト生成部12は、分類部11の分類により得られた複数のセグメントに含まれる少なくとも一部のセグメントのそれぞれについて、当該セグメントに属する消費行動データ121と当該消費行動データ121から特定される消費者の特性とに基づき、当該セグメントを象徴するペルソナを生成するためのプロンプト123を生成する。消費者の特性は一例として、消費者の消費行動の傾向を示す情報を含む。消費者の特性は一例として「「お得」に敏感でよくクーポンを使う」、「職場に行くことが増え、通勤途中にコンビニカフェを買う」、「職場近くのコンビニで昼ご飯をよく買う」、「帰宅途中に自宅の近くのスーパーでビールやデザートを買う」、「職場の近くの店舗を利用する」、「自宅の近くの店舗を利用する」、といった情報である。プロンプト生成部12は一例として、複数のセグメントに含まれる少なくとも一部のセグメントのそれぞれについて、当該セグメントに属する消費行動データを用いて消費者の特性を特定し、特定した特性を用いてプロンプト123を生成してもよい。
【0026】
プロンプト生成部12は、分類部11の分類により得られた複数のセグメントのすべてについてプロンプト123を生成してもよく、また、上記複数のセグメントのうちの一部のセグメントについてプロンプト123を生成してもよい。一部のセグメントについてプロンプト123を生成する場合、プロンプト生成部12は一例として、分類部11の分類により得られた複数のセグメントの中から、当該複数のセグメントのそれぞれについて特定されるターゲットとしての注力度合いが所定の条件を満たすセグメントを抽出し、抽出したセグメントのそれぞれについて、プロンプトを生成してもよい。ターゲットとしての注力度合いは、例えばユーザによりセグメント毎に設定される情報であってもよく、また、各セグメントに含まれる消費行動データ121の特徴(データ量、データ同士の類似度、等)に基づきプロンプト生成部12が特定する情報であってもよい。
【0027】
また、プロンプト生成部12は、消費行動データ121と消費者の特性とに加えて、収集データ122を用いてプロンプトを生成してもよい。この場合、換言すると、プロンプト生成部12は、上記複数のセグメントに含まれる少なくとも一部のセグメントのそれぞれについて、当該セグメントに属する消費行動データ121と、当該消費行動データ121から特定される消費者の特性と、記憶部120に記憶された、当該セグメントに属する消費行動データ121に対応する収集データ122とに基づき、当該セグメントのプロンプト123を生成する、ということもできる。
【0028】
(コンテンツ生成部)
コンテンツ生成部13は、生成モデルM1にプロンプト123を入力することにより、プロンプト123に対応するコンテンツを生成する。コンテンツ生成部13は一例として、プロンプト123を生成モデルM1に入力することにより、上記セグメントに対応するペルソナを生成する。また、コンテンツ生成部13は一例として、ユーザ端末20から受信した、ペルソナへの質問を表すプロンプト123を生成モデルM1に入力することにより、質問に対する回答を表すコンテンツを生成する。
【0029】
コンテンツ生成部13は、生成したコンテンツを、通信部130を介してユーザ端末20に送信することにより当該コンテンツを出力する。この場合、ユーザ端末は受信したコンテンツをディスプレイ等に表示する。本明細書では、コンテンツ生成部13がコンテンツをユーザ端末20に送信して当該コンテンツをユーザ端末20のディスプレイ等に表示させることを、「コンテンツ生成部13がコンテンツを表示する」ともいう。
【0030】
また、コンテンツ生成部13は、出力部150を介してディスプレイ等の出力装置にコンテンツを出力してもよい。また、コンテンツ生成部13は、情報処理装置10のユーザが指定した格納先(情報処理装置10内の記憶装置であってもよいし、情報処理装置10外の記憶装置であってもよい)にコンテンツを書き込むことによりコンテンツを出力してもよい。
【0031】
[ユーザ端末の構成]
図4は、ユーザ端末20の構成を示すブロック図である。ユーザ端末20は、制御部210、記憶部220、通信部230、入力部240、及び出力部250を備える。制御部210は記憶部220に記憶されたコンピュータプログラムの命令を実行する。記憶部220は、制御部210が実行するコンピュータプログラムの命令を記憶する。また、記憶部220は、制御部210によって参照される各種の情報を記憶する。通信部230は、ユーザ端末20の外部の装置と通信回線Nを介して通信する。
【0032】
<入力部・出力部>
入力部240は、ユーザ端末20に対する入力を受け付けるための構成であり、一例として、キーボード、マウス、タッチパネル、カメラ、マイクロフォン等の入力装置を備える。また、入力部240は、例えばUSBなどのインタフェースを介して入力装置からのデータを受け付ける構成としてもよい。出力部250は、ユーザ端末20からの出力を行うための構成であり、一例として、ディスプレイ、プリンタ、タッチパネル、スピーカ等の出力装置を備える。出力部250は、例えばUSBなどのインタフェースを備える構成とし、当該インタフェースを介して出力装置にデータを出力する構成としてもよい。
【0033】
<制御部>
制御部210は、アプリケーション実行部21を備える。アプリケーション実行部21は本開示に係る発話データ送信部及び出力制御部の一例である。アプリケーション実行部21は、制御部210が記憶部220に記憶されたアプリケーションプログラムの命令を読み出して実行することにより実現される。アプリケーション実行部21は、情報処理装置10から送信されてくるコンテンツを受信する処理や、ユーザによりプロンプトとして入力されたテキストを情報処理装置10に送信する処理等を実行する。アプリケーション実行部21により実装されるアプリケーションは例えば汎用のウェブブラウザであるが、これに限定されない。アプリケーション実行部21により実装されるアプリケーションは例えば、情報処理装置10と通信してコンテンツを受信するための専用のアプリケーションであってもよい。
【0034】
アプリケーション実行部21は一例として、ペルソナに対するユーザの発話内容を表す発話データを情報処理装置10へ送信する。また、アプリケーション実行部21は一例として、応答を前記情報処理装置から受信し、受信した応答を、ディスプレイ等の出力装置に出力する。
【0035】
[情報処理方法の流れ]
図5は、本実施形態に係る情報処理方法の流れの一例を示すシーケンス図である。ステップS11において、分類部11は、消費行動データ121を複数のセグメントに分類する。より具体的には、分類部11は一例として、消費行動データ121に含まれる購買回数、購入金額、及び消費者の属性等に基づき、消費行動データ121を複数のセグメントに分類する。ステップS11において、分類部11は、ユーザにより設定された分類条件に基づき消費行動データ121を分類してもよく、また、消費行動データ121の分析結果に基づき設定された分類条件に基づき消費行動データ121を分類してもよい。
【0036】
ステップS12において、プロンプト生成部12は、複数のセグメントに含まれる少なくとも一部のセグメントのそれぞれについて、当該セグメントに属する消費行動データ121を用いて消費者の特性を特定する。プロンプト生成部12は一例として、分類部11の分類により得られた複数のセグメントの中からターゲットとするセグメントを抽出し、抽出したセグメントのそれぞれについて、各セグメントに属する消費行動データの示す消費行動が行われた店舗の位置情報等に基づき、消費者の消費行動の傾向(職場近くの店舗を利用する、自宅の近くの店舗を利用する、等)を消費者の特性として特定する。また、ユーザが入力部240等を用いて各セグメントに対応する特性を示すデータを入力し、プロンプト生成部12が、入力されたデータに基づき、消費者の特性を特定してもよい。
【0037】
ステップS13において、プロンプト生成部12は、ターゲットとするセグメントについてターゲット像を定義する。より具体的には、プロンプト生成部12は一例として、複数のセグメントに含まれる少なくとも一部のセグメントのそれぞれについて、当該セグメントに属する消費行動データと、当該消費行動データから特定される消費者の特性と、当該セグメントに属する消費行動データに対応する収集データとに基づき、当該セグメントを象徴する消費者像を表すターゲット像定義データを生成する。ここで、ターゲット像定義データとは、ターゲットとするセグメントの消費者像を表すデータであり、テキスト、画像データ、音声データ、動画像データ、又はこれらの組み合わせである。ターゲット像定義データは例えば、「洋菓子を好む」といった消費者像を説明するテキストを含んでもよい。
【0038】
ターゲット像定義データは、セグメントに属する消費行動データから特定される消費者の特性を示すデータを含んでいてもよい。この場合、換言すると、プロンプト生成部12は、前記複数のセグメントに含まれる少なくとも一部のセグメントのそれぞれについて、当該セグメントに属する消費行動データから特定される消費者の特性を表すデータを含むターゲット像定義データを生成する。また、ターゲット像定義データは、セグメントの消費行動データを含んでいてもよく、また、当該消費行動データから特定される消費者の特性を示すデータを含んでいてもよい。また、セグメントに対応する収集データを含んでいてもよい。また、ターゲット像データは、消費行動データ又は収集データを統計して得られるデータを含んでいてもよい。また、ターゲット像定義データは、ユーザが入力部240等を用いて入力したデータを含んでいてもよい。
【0039】
ステップS14において、プロンプト生成部12は、ステップS13で生成されたターゲット像定義データを用いて、ペルソナを定義するペルソナ定義データを生成する。ペルソナ定義データは一例として、テキスト、画像データ、音声データ、動画像データ、又はこれらの組み合わせである。ペルソナ定義データは例えば、ターゲット像の定義の内容に加えて、「どういったクーポンがほしいか」といった情報を含む。ペルソナ定義データは一例として、ターゲット像定義データに含まれるデータに加えて、ユーザが入力部240等を用いて入力したデータを含む。
【0040】
ステップS15において、プロンプト生成部12は、ステップS14で生成されたペルソナ定義データを用いて、セグメントを象徴するペルソナを生成するためのプロンプト123を生成する。ペルソナ定義データはターゲット像定義データを用いて生成されるデータであり、ターゲット像定義データは、各セグメントに属する消費行動データ121と当該消費行動データ121から特定される消費者の特性とに基づき生成されたデータである。そのため、換言すると、プロンプト生成部12は、分類部11の分類により得られた複数のセグメントに含まれる少なくとも一部のセグメントのそれぞれについて、当該セグメントに属する消費行動データ121と当該消費行動データ121から特定される消費者の特性とに基づき、当該セグメントを象徴するペルソナを生成するためのプロンプト123を生成する、ということもできる。プロンプト生成部12は一例として、生成したターゲット像定義データをテキスト形式のプロンプト123に変換することによりプロンプト123を生成してもよい。
【0041】
ステップS16において、コンテンツ生成部13は、プロンプト123を生成モデルM1に入力することにより、セグメントに対応するペルソナを生成する。コンテンツ生成部13は、プロンプト123を生成モデルM1に入力して得られる、生成モデルM1から出力されるコンテンツを、ユーザ端末20に送信する。当該コンテンツは一例として、ペルソナを生成した旨を示すコンテンツであり、より具体的には例えば、「ターゲット像を理解しました」という旨のテキストを含む。また、コンテンツ生成部13は、生成モデルM1から出力されたコンテンツに加えて、生成モデルM1に入力したプロンプト123及びプロンプト123に対応するセグメントの特徴を表すデータをユーザ端末20に送信してもよい。ユーザ端末20は、情報処理装置10からコンテンツ等を受信し、受信したコンテンツ等をディスプレイ等に表示する。
【0042】
コンテンツ生成部13が生成するセグメント別のペルソナは一例として、「小学生の子どもがいる40-50代男性」、「フルタイムで働く、大学生の子どもがいる40-50代女性」といった特徴を有する。
【0043】
ステップS17において、アプリケーション実行部21は、ペルソナに対する質問の内容を表す発話データを入力するための入力画面をディスプレイに表示する。入力画面は、例えば後述する図8に例示する画面である。ユーザは、入力画面において、ペルソナに対する質問を表すテキストを入力する。
【0044】
ステップS18において、アプリケーション実行部21は、ユーザが入力したテキストである発話データを情報処理装置10へ送信する。コンテンツ生成部13は、ペルソナに対するユーザの発話内容を表す発話データをユーザ端末20から受信する。
【0045】
ステップS19において、コンテンツ生成部13は、受信した発話データを生成モデルM1に入力することにより、ユーザの発話に対する応答であるコンテンツを生成する。コンテンツ生成部13が発話データを生成モデルM1に入力することにより、生成モデルM1からは入力したテキストに対応するコンテンツが出力される。コンテンツ生成部13は、生成した応答であるコンテンツをユーザ端末20に送信する。ユーザ端末20は情報処理装置10からコンテンツを受信する。ステップS20において、アプリケーション実行部21は、受信したコンテンツである応答を出力する。アプリケーション実行部21は一例として、受信した応答をディスプレイに表示する。
【0046】
[プロンプトの具体例]
図6及び図7は、プロンプト123の一例を示す図である。図6及び図7の例において、プロンプト123は、テキスト123-1及びテキスト123-2を含む。テキスト123-1は、「あなたは{#役割}です。{#依頼}を実行してください。ただし{#参照}の内容を参照したうえで、必ず{#ルール}を守って回答してください。」といったテキストを含む。また、テキスト123-1は、{#役割}、{#依頼}、{#ルール}のそれぞれで参照されるテキストを含む。{#役割}として参照されるテキストとしては、「{#参照}で適宜された人物」というテキストを含む。
【0047】
また、図7の例において、テキスト123-2は、{#参照}として参照されるテキストを含む。より具体的には、テキスト123-2は、テキストT11、T12、T21、T22、T31、T32を含む。ただし、プロンプト123に含まれるテキストは図6及び図7に例示するテキストに限定されず、プロンプト123は他のテキストを含んでいてもよく、また、画像データ、音声データ、動画データ等の他のデータ形式のデータを含んでいてもよい。
【0048】
テキスト123-2は、「(1)ターゲット像概要」、「(2)ターゲット情報」、「(3)チャネル利用状況&価値観」、「(4)買い物に関するニーズ・インサイト・困りごと」等の項目を含む。「(1)ターゲット像概要」の項目は、そのセグメントに属する消費行動データに共通する特徴を含む。当該特徴は、一例として、セグメントの分類条件を表すものである。「(2)ターゲット情報」の項目は、ターゲットの具体的特徴を表す情報を含む。当該情報は一例として、家族構成、消費行動の傾向、等を表す。「(3)チャネル利用状況&価値観」の項目は、そのセグメントに属する消費者のチャネルの利用状況や価値観を表す情報を含む。「(4)買い物に関するニーズ・インサイト・困りごと」の項目は消費行動に関する消費者の考えを表す情報を含む。
【0049】
テキスト123-2に含まれるテキストのうち、テキストT11、T12は、そのセグメントの消費行動データ121に含まれるデータであり、特に、消費行動データ121の分類のために用いられたデータである。テキストT21、T22は、そのセグメントの消費行動データ121から特定された消費者の特性を表すデータである。テキストT31、T32は、そのセグメントに属する消費者に対応する収集データである。このように、プロンプトである図7に示すテキスト123-2は、そのセグメントに属する消費行動データ121、当該消費行動データから特定される消費者の特性、及びそのセグメントに属する消費者に対応する収集データ、に基づき生成される。
【0050】
[入力画面の具体例]
図8は、ペルソナにインタビューを行うための入力画面の具体例を示す図である。ユーザ端末20のアプリケーション実行部21は、情報処理装置10から受信したコンテンツに基づき、図8に例示する画面をディスプレイに表示する。図8の例において、画面SC1は、テキストT41、T42、及びテキストボックスB43を含む。テキストT41は、インタビューの対象であるペルソナを説明するテキストであり、具体的には「40-50代男性「職場でも家の近くでも○○をよく使うオフィスワーカー」を対象としたインタビューができます」というテキストである。テキストT42は、ペルソナの生成に用いたプロンプト123を表すテキストである。テキストボックスB43は、ユーザがテキストを入力するためのコンポーネントである。
【0051】
ユーザがテキストボックスB43にペルソナへの質問をテキストで入力すると、ユーザ端末20は入力されたテキストが情報処理装置10へ送信する。情報処理装置10は受信したテキストを生成モデルM1に入力することにより得られる質問に対する回答をユーザ端末20へ送信する。ユーザ端末20は受信した応答をディスプレイ等に表示する。表示される応答を確認することにより、ユーザは、消費者の実際の消費行動に倣ったペルソナに対するインタビューの結果を、実在の消費者に実際にインタビューを行うことなく確認することができる。
【0052】
本実施形態により生成されるペルソナは、商品・サービスの企画・開発、ブランディング・マーケティング、お客様との応対研修(コンタクトセンター含む)、等の様々な業務で活用可能である。また、例えば生成したペルソナを擬似会議に参加させるといった活用も可能である。
【0053】
[プロンプトの他の例]
図9及び図10は、プロンプト123の他の例を示す図である。図9及び図10には、複数のペルソナを生成してペルソナ同士で対話させる場合のプロンプト123を例示している。図9及び図10の例において、プロンプト123は、テキスト123-3及びテキスト123-4を含む。テキスト123-3は、「あなたは{#役割}です。{#依頼}を実行してください。ただし{#参照}の内容を参照したうえで、必ず{#ルール}と{#注意事項}を守って{#形式}に従った回答をしてください」といったテキストを含む。また、テキスト123-3は、{#役割}、{#依頼}、{#ルール}のそれぞれで参照されるテキストを含む。{#役割}として参照されるテキストとしては、「{#参照}で適宜された人物3人組」というテキストを含む。また、{#参照}として参照されるテキストは、例えば図7に例示したテキスト123-2であるが、これに限定されない。また、図10の例において、テキスト123-4は、{#注意事項}として参照されるテキストを含む。
【0054】
<効果>
以上説明したように本実施形態によれば、情報処理装置10は、消費者の消費行動の履歴及び当該消費者の属性を示す消費行動データを複数のセグメントに分類し、複数のセグメントに含まれる少なくとも一部のセグメントのそれぞれについて、当該セグメントに属する消費行動データ121と当該消費行動データ121から特定される消費者の特性とに基づき、当該セグメントを象徴するペルソナを生成するためのプロンプト123を生成する。生成したプロンプト123を情報処理装置10が生成モデルM1に入力することにより、消費行動データを分類して得られた各セグメントのペルソナを生成することができる。
【0055】
[変形例]
上述した情報処理装置10の機能は、複数の装置により分担されて実装されてもよい。例えば、上述した情報処理装置10は、2以上の装置が通信ネットワークを介して接続されたシステムとして実現されてもよい。この場合、当該システムは一例として、分類部11及びプロンプト生成部12を備える第1の装置と、コンテンツ生成部13を備える第2の装置とを有するシステムであってもよい。この場合、第1の装置と第2の装置とが協働することにより情報処理装置10の機能が実現される。
【0056】
また、上述の実施形態では、生成モデルM1が情報処理装置10の記憶部120に記憶されている場合について説明したが、生成モデルM1は情報処理装置10以外の装置に記憶されていてもよい。この場合、情報処理装置10は、生成モデルM1が記憶された装置にプロンプトを送信し、送信したプロンプトの応答として当該装置から送信されてくる推論結果データを受信する。また、上述した情報処理装置10の機能の少なくとも一部がユーザ端末20に実装されてもよい。
【0057】
[ソフトウェアによる実現例]
情報処理装置10、ユーザ端末20(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に制御部110、210に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0058】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0059】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0060】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0061】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0062】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0063】
[まとめ]
本発明の態様1に係る情報処理装置は、消費者の消費行動の履歴及び当該消費者の属性を示す消費行動データを複数のセグメントに分類する分類部と、前記複数のセグメントに含まれる少なくとも一部のセグメントのそれぞれについて、当該セグメントに属する消費行動データと当該消費行動データから特定される消費者の特性とに基づき、当該セグメントを象徴するペルソナを生成するためのプロンプトを生成するプロンプト生成部と、前記プロンプトを生成モデルに入力することにより、前記セグメントに対応するペルソナを生成するペルソナ生成部と、を備える。
【0064】
上記の態様によれば、消費者の実際の消費行動に倣ったペルソナを生成できる。
【0065】
本発明の態様2に係る情報処理装置は、上記態様1に記載の情報処理装置において、前記プロンプト生成部は、前記複数のセグメントの中から、当該複数のセグメントのそれぞれについて特定されるターゲットとしての注力度合いが所定の条件を満たすセグメントを抽出し、抽出したセグメントのそれぞれについて、前記プロンプトを生成する。
【0066】
上記の態様によれば、単なる年代別、特性別ではなく、ターゲットとしての注力度合いでペルソナをカテゴライズすることができる。
【0067】
本発明の態様3に係る情報処理装置は、上記態様1又は2に記載の情報処理装置において、前記プロンプト生成部は、前記複数のセグメントに含まれる少なくとも一部のセグメントのそれぞれについて、当該セグメントに属する消費行動データを用いて消費者の特性を特定し、特定した特性に基づき前記プロンプトを生成する。
【0068】
上記の態様によれば、消費行動データを分類して得られた複数のセグメントのそれぞれについて、各セグメントに属する消費行動データと当該消費行動データから特定される消費者の特性とを反映させたペルソナを生成できる。
【0069】
本発明の態様4に係る情報処理装置は、上記態様1から3のいずれか一つに記載の情報処理装置において、前記消費者の特性は、前記消費者の消費行動の傾向を示す情報を含む。
【0070】
上記の態様によれば、消費行動データを分類して得られた複数のセグメントのそれぞれについて、消費者の消費行動の履歴から特定される消費者の消費行動の傾向を反映したペルソナを生成することができる。
【0071】
本発明の態様5に係る情報処理装置は、上記態様1から4のいずれか一つに記載の情報処理装置において、前記プロンプト生成部は、前記複数のセグメントに含まれる少なくとも一部のセグメントのそれぞれについて、当該セグメントに属する消費行動データと、当該消費行動データから特定される消費者の特性とに基づき、当該セグメントを象徴する消費者像を表すターゲット像定義データを生成し、生成したターゲット像定義データをテキスト形式の前記プロンプトに変換する。
【0072】
上記の態様によれば、消費行動データを分類して得られた複数のセグメントのそれぞれについて、各セグメントに属する消費行動データと当該消費行動データから特定される消費者の特性とを反映させたペルソナを生成できる。
【0073】
本発明の態様6に係る情報処理装置は、上記態様5に記載の情報処理装置において、前記プロンプト生成部は、前記複数のセグメントに含まれる少なくとも一部のセグメントのそれぞれについて、当該セグメントに属する消費行動データから特定される消費者の特性を表すデータを含むターゲット像定義データを生成する。
【0074】
上記の態様によれば、消費行動データを分類して得られた複数のセグメントのそれぞれについて、各セグメントに属する消費行動データと当該消費行動データから特定される消費者の特性とを反映させたペルソナを生成できる。
【0075】
本発明の態様7に係る情報処理装置は、上記態様1から6のいずれか一つに記載の情報処理装置において、前記プロンプト生成部は、前記複数のセグメントに含まれる少なくとも一部のセグメントのそれぞれについて、当該セグメントに属する消費行動データと、当該消費行動データから特定される消費者の特性と、消費者又は消費者に提供するサービスに関して収集された収集データを記憶する記憶部に記憶された、当該セグメントに属する消費行動データに対応する収集データとに基づき、当該セグメントのプロンプトを生成する。
【0076】
上記の態様によれば、消費行動データを分類して得られた複数のセグメントのそれぞれについて、消費行動データだけでなく消費者又は消費者に提供するサービスに関して収集された収集データの情報を反映させたペルソナを生成できる。
【0077】
本発明の態様8に係る情報処理方法は、少なくとも1つのプロセッサが、消費者の消費行動の履歴及び当該消費者の属性を示す消費行動データを複数のセグメントに分類する分類処理と、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記複数のセグメントに含まれる少なくとも一部のセグメントのそれぞれについて、当該セグメントに属する消費行動データと当該消費行動データから特定される消費者の特性とに基づき、当該セグメントを象徴するペルソナを生成するためのプロンプトを生成するプロンプト生成処理と、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記プロンプトを生成モデルに入力することにより、前記セグメントに対応するペルソナを生成するペルソナ生成処理と、を含む。
【0078】
上記の態様によれば、消費者の実際の消費行動に倣ったペルソナを生成できる。
【0079】
本発明の態様9に係る情報処理装置は、上記態様1から7のいずれか一つに記載の情報処理装置において、前記ペルソナ生成部は、前記ペルソナに対するユーザの発話内容を表す発話データをユーザ端末から受信し、前記発話データを前記生成モデルに入力することにより、前記ユーザの発話に対する応答を生成し、生成した応答を前記ユーザ端末に送信する。
【0080】
上記の態様によれば、ユーザはユーザ端末を用いて消費者の実際の消費行動に倣ったペルソナと対話等を行うことができる。
【0081】
本発明の態様10に係るプログラムは、態様1から7、および9のいずれか一つに係る情報処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、前記分類部、前記プロンプト生成部、及び前記ペルソナ生成部として機能させる。
【0082】
上記の態様によれば、消費者の実際の消費行動に倣ったペルソナを生成できる。
【0083】
本発明の態様11に係る情報処理システムは、態様9に記載の情報処理装置と、前記ユーザ端末とを備え、前記ユーザ端末は、前記発話データを前記情報処理装置へ送信する発話データ送信部と、前記応答を前記情報処理装置から受信し、受信した応答を出力装置に出力する出力制御部と、を備える。
【0084】
上記の態様によれば、消費者の実際の消費行動に倣ったペルソナを生成できる。
【符号の説明】
【0085】
1 システム
10 情報処理装置
11 分類部
12 プロンプト生成部
13 コンテンツ生成部
20 ユーザ端末
21 アプリケーション実行部
110、210 制御部
120、220 記憶部
130、230 通信部
140、240 入力部
150、250 出力部
【要約】
【課題】消費者の実際の消費行動に倣ったペルソナを生成する技術を提供する。
【解決手段】情報処理装置(10)は、消費者の消費行動の履歴及び当該消費者の属性を示す消費行動データを複数のセグメントに分類する分類部(11)と、複数のセグメントに含まれる少なくとも一部のセグメントのそれぞれについて、当該セグメントに属する消費行動データと当該消費行動データから特定される消費者の特性とに基づき、当該セグメントを象徴するペルソナを生成するためのプロンプトを生成するプロンプト生成部(12)と、プロンプトを生成モデルに入力することにより、セグメントに対応するペルソナを生成するコンテンツ生成部(13)と、を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10