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特許7631714電子機器、電子辞書システム、情報処理システム、情報処理方法、およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-10
(45)【発行日】2025-02-19
(54)【発明の名称】電子機器、電子辞書システム、情報処理システム、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/9038 20190101AFI20250212BHJP
【FI】
G06F16/9038
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020157740
(22)【出願日】2020-09-18
(65)【公開番号】P2022051321
(43)【公開日】2022-03-31
【審査請求日】2023-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】植田 智明
【審査官】長 由紀子
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-134968(JP,A)
【文献】特開2020-057188(JP,A)
【文献】特開2019-185740(JP,A)
【文献】特開2004-005253(JP,A)
【文献】特開2004-062228(JP,A)
【文献】特開2018-159973(JP,A)
【文献】特開2006-099667(JP,A)
【文献】三條 知美、櫻井 彰人,トピックモデルによる検索クエリの分類に関する研究,電子情報通信学会技術研究報告,日本,一般社団法人電子情報通信学会,2015年09月03日,第115巻 第222号,pp.63-68
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備えた電子機器であって、
前記プロセッサは、
前記電子機器においてユーザが過去に検索した個々の語句もしくは文を含む検索履歴の情報と、各トピックに対応する代表語と、に基づいて特定される前記各トピックのうちの前記ユーザの関心度が相対的に高いトピックを示す情報を含む関心分野情報を取得する関心分野情報取得処理と、
語句の検索を指示するユーザの操作に応じて、その語句に対する複数の意味を辞書コンテンツデータから取得して表示部に表示させるに際し、前記関心分野情報に示される前記複数の意味それぞれが属するトピックの関心度に基づいて、前記複数の意味のうち優先して表示させる意味を決定する関心分野優先表示処理と、
を実行する電子機器
【請求項2】
前記関心分野情報取得処理は、前記検索履歴の情報をトピックモデルで解析して得られる情報に前記各トピックに対応する代表語と一致する語句が含まれる場合、当該代表語と対応するトピックに前記関心度を割り当て、前記各トピックの内の割り当てられた前記関心度が最も大きな割合を占めるトピック前記ユーザの関心度が相対的に高いトピックを示す情報とする前記関心分野情報を取得する処理であり、
前記関心分野優先表示処理は、前記複数の意味のうち、前記関心分野情報に示される相対的に関心度が高いトピックに属する意味が、ほかの相対的に関心度が低いトピックに属する意味よりも目立つように表示部に表示させる処理である、
請求項1に記載の電子機器
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記関心分野優先表示処理を実行するに際し、前記複数の意味のうち、前記関心分野情報に示される相対的に関心度が高いトピックに属する意味が、最上位に位置するよう表示させる、
請求項2に記載の電子機器
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記関心分野情報を基に前記電子機器への導入を推薦する辞書コンテンツを紹介するコンテンツ紹介情報を表示部に表示させる処理をさらに実行する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子機器
【請求項5】
電子機器とサーバ装置とが通信を行う情報処理システムであって、
前記電子機器は、
当該電子機器においてユーザが過去に検索した個々の語句もしくは文を含む検索履歴の情報を前記サーバ装置に送信する送信処理を実行するプロセッサを備え、
前記サーバ装置は、
前記電子機器から送信される前記検索履歴の情報を受信する受信処理と、前記検索履歴の情報と、各トピックに対応する代表語と、に基づいて特定される前記各トピックのうちの前記ユーザの関心度が相対的に高いトピックを示す情報を含む関心分野情報を取得する関心分野情報取得処理と、前記取得した関心分野情報を前記電子機器に送信する送信処理とを実行するプロセッサを備え、
前記電子機器のプロセッサはさらに、
前記サーバ装置から送信される前記関心分野情報を受信する受信処理と、語句の検索を指示するユーザの操作に応じて、その語句に対する複数の意味を辞書コンテンツデータから取得して表示部に表示させるに際し、前記関心分野情報に示される前記複数の意味それぞれが属するトピックの関心度に基づいて、前記複数の意味のうち優先して表示させる意味を決定する関心分野優先表示処理とを実行する、
情報処理システム。
【請求項6】
前記関心分野情報取得処理は、前記検索履歴の情報をトピックモデルで解析して得られる情報に、前記各トピックに対応する代表語と一致する語句が含まれる場合、当該代表語と対応するトピックに前記関心度を割り当て、前記各トピックの内の割り当てられた前記関心度が最も大きな割合を占めるトピック前記ユーザの関心度が相対的に高いトピックを示す情報とする前記関心分野情報を取得する処理であり、
前記関心分野優先表示処理は、前記複数の意味のうち、前記関心分野情報に示される相対的に関心度が高いトピックに属する意味が、ほかの相対的に関心度が低いトピックに属する意味よりも目立つように表示部に表示させる処理である、
請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記電子機器のプロセッサは、
前記関心分野優先表示処理を実行するに際し、前記複数の意味のうち、前記関心分野情報に示される相対的に関心度が高いトピックに属する意味が、最上位に位置するよう表示させる、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記サーバ装置のプロセッサは、
前記関心分野情報を基に前記電子機器への導入を推薦する辞書コンテンツの情報を導出して前記電子機器に送信する処理をさらに実行し、
前記電子機器のプロセッサは、前記サーバ装置から送信される情報を基に前記電子機器への導入を推薦する辞書コンテンツを紹介するコンテンツ紹介情報を表示部に表示させる処理をさらに実行する、
請求項5乃至7のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記電子機器のユーザが使用する携帯情報機器をさらに含み、
前記携帯情報機器は、
当該携帯情報機器においてユーザがウェブページ上で語句もしくは文を選択する操作に応じて、その選択した語句もしくは文の情報を前記電子機器の検索履歴の一部をなす情報として前記サーバ装置に送信する共に前記電子機器に送信すると処理を行う、
請求項5乃至7のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記携帯情報機器は、前記選択した語句もしくは文の情報を前記サーバ装置に送信するに際し、前記選択した語句もしくは文が記載されたページのURL(Uniform Resource Locator)の情報も併せて送信する処理を行う、
請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
電子機器とサーバ装置とが通信を行う情報処理システムに適用される情報処理方法であって、
前記電子機器により、
前記電子機器においてユーザが過去に検索した個々の語句もしくは文を含む検索履歴の情報を前記サーバ装置に送信する送信処理を行い、
前記サーバ装置により、
前記電子機器から送信される前記検索履歴の情報を受信する受信処理と、前記検索履歴の情報と、各トピックに対応する代表語と、に基づいて特定される前記各トピックのうちの前記ユーザの関心度が相対的に高いトピックを示す情報を含む関心分野情報を取得する関心分野情報取得処理と、取得した関心分野情報を前記電子機器に送信する送信処理とを行い、
前記電子機器により、
前記サーバ装置から送信される前記関心分野情報を受信する受信処理と、語句の検索を指示するユーザの操作に応じて、その語句に対する複数の意味を辞書コンテンツデータから取得して表示部に表示させるに際し、前記関心分野情報に示される前記複数の意味それぞれが属するトピックの関心度に基づいて、前記複数の意味のうち優先して表示させる意味を決定する関心分野優先表示処理とを行う、
情報処理方法。
【請求項12】
前記関心分野情報取得処理は、前記検索履歴の情報をトピックモデルで解析して得られる情報に、前記各トピックに対応する代表語と一致する語句が含まれる場合、当該代表語と対応するトピックに前記関心度を割り当て、前記各トピックの内の割り当てられた前記関心度が最も大きな割合を占めるトピック前記ユーザの関心度が相対的に高いトピックを示す情報とする前記関心分野情報を取得する処理であり、
前記関心分野優先表示処理は、前記複数の意味のうち、前記関心分野情報に示される相対的に関心度が高いトピックに属する意味が、ほかの相対的に関心度が低いトピックに属する意味よりも目立つように表示部に表示させる処理である、
請求項11に記載の情報処理方法。
【請求項13】
電子機器のプロセッサに、
当該電子機器においてユーザが過去に検索した個々の語句もしくは文を含む検索履歴の情報と、前記検索履歴の情報と、各トピックに対応する代表語と、に基づいて特定される前記各トピックのうちの前記ユーザの関心度が相対的に高いトピックを示す情報を含む関心分野情報を取得する関心分野情報取得処理と、
語句の検索を指示するユーザの操作に応じて、その語句に対する複数の意味を辞書コンテンツデータから取得して表示部に表示させるに際し、前記関心分野情報に示される前記複数の意味それぞれが属するトピックの関心度に基づいて、前記複数の意味のうち優先して表示させる意味を決定する関心トピック優先表示処理と、
を実行させるためのプログラム。
【請求項14】
前記関心分野情報取得処理は、前記検索履歴の情報をトピックモデルで解析して得られる情報に、前記各トピックに対応する代表語と一致する語句が含まれる場合、当該代表語と対応するトピックに前記関心度を割り当て、前記各トピックの内の割り当てられた前記関心度が最も大きな割合を占めるトピック前記ユーザの関心度が相対的に高いトピックを示す情報とする前記関心分野情報を取得する処理であり、
前記関心分野優先表示処理は、前記複数の意味のうち、前記関心分野情報に示される相対的に関心度が高いトピックに属する意味が、ほかの相対的に関心度が低いトピックに属する意味よりも目立つように表示部に表示させる処理である、
請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
親機の電子辞書と複数の子機の電子辞書とが通信を行う電子辞書システムであって、
前記親機の電子辞書は、
前記複数の子機の電子辞書においてユーザが過去に検索した個々の語句もしくは文を含む検索履歴の情報をトピックモデルで解析して得られる各種のトピックの中で最も大きな割合を占めるトピックをユーザにとって相対的に関心度が高い分野として示す情報を含む関心分野情報を取得する関心分野情報取得処理と、前記取得した関心分野情報を前記複数の子機の電子辞書に送信する送信処理とを実行するプロセッサを備え、
前記複数の子機の電子辞書は、
前記親機の電子辞書から送信される前記関心分野情報を受信する受信処理と、語句の検索を指示するユーザの操作に応じて、その語句に対する複数の意味を辞書コンテンツデータから取得して表示部に表示させるに際し、前記複数の意味のうち、前記関心分野情報に示される相対的に関心度が高い分野に属する意味が、ほかの相対的に関心度が低い意味よりも目立つように表示部に表示させる関心分野優先表示処理とを実行するプロセッサを備える、
電子辞書システム。
【請求項16】
複数の子機の電子辞書と通信する親機の電子辞書とサーバ装置とが通信を行う情報処理システムであって、
前記親機の電子辞書は、
前記複数の子機の電子辞書においてユーザが過去に検索した個々の語句もしくは文を含む検索履歴の情報を前記サーバ装置に送信する送信処理を実行するプロセッサを備え、
前記サーバ装置は、
前記親機の電子辞書から送信される前記検索履歴の情報を受信する受信処理と、前記複数の子機の電子辞書においてユーザが過去に検索した個々の語句もしくは文を含む検索履歴の情報をトピックモデルで解析して得られる各種のトピックの中で最も大きな割合を占めるトピックをユーザにとって相対的に関心度が高い分野として示す情報を含む関心分野情報を生成する関心分野情報生成処理と、前記生成した関心分野情報を前記親機の電子辞書に送信する送信処理とを実行するプロセッサを備え、
前記親機の電子辞書のプロセッサは、
前記サーバ装置から送信される前記関心分野情報を受信する受信処理と、前記受信した関心分野情報を前記複数の子機の電子辞書に送信する送信処理とを実行し、
前記複数の子機の電子辞書は、
前記親機の電子辞書から送信される前記関心分野情報を受信する受信処理と、語句の検索を指示するユーザの操作に応じて、その語句に対する複数の意味を辞書コンテンツデータから取得して表示部に表示させるに際し、前記複数の意味のうち、前記関心分野情報に示される相対的に関心度が高い分野に属する意味が、ほかの相対的に関心度が低い意味よりも目立つように表示部に表示させる関心分野優先表示処理とを実行するプロセッサを備える、
情報処理システム。
【請求項17】
前記サーバ装置のプロセッサは、
前記関心分野情報を基に前記親機の電子辞書もしくは前記子機の電子辞書への導入を推薦する辞書コンテンツの情報を導出して前記親機の電子辞書に送信する処理をさらに実行し、
前記親機の電子辞書のプロセッサは、前記サーバ装置から送信される情報を基に当該親機の電子辞書もしくは前記子機の電子辞書への導入を推薦する辞書コンテンツを紹介する情報を表示部に表示させる処理をさらに実行する、
請求項16に記載の情報処理システム。
【請求項18】
複数の子機の電子辞書と通信する親機の電子辞書とサーバ装置とが通信を行う情報処理システムに適用される情報処理方法であって、
前記親機の電子辞書により、
前記複数の子機の電子辞書においてユーザが過去に検索した個々の語句もしくは文を含む検索履歴の情報を前記サーバ装置に送信する送信処理を行い、
前記サーバ装置により、
前記親機の電子辞書から送信される前記検索履歴の情報を受信する受信処理と、前記複数の子機の電子辞書においてユーザが過去に検索した個々の語句もしくは文を含む検索履歴の情報をトピックモデルで解析して得られる各種のトピックの中で最も大きな割合を占めるトピックをユーザにとって相対的に関心度が高い分野として示す情報を含む関心分野情報を生成する関心分野情報生成処理と、生成した関心分野情報を前記親機の電子辞書に送信する送信処理とを行い、
前記親機の電子辞書により、
前記サーバ装置から送信される前記関心分野情報を受信する受信処理と、前記受信した関心分野情報を前記複数の子機の電子辞書に送信する送信処理とを行い、
前記複数の子機の電子辞書により、
前記親機の電子辞書から送信される前記関心分野情報を受信する受信処理と、語句の検索を指示するユーザの操作に応じて、その語句に対する複数の意味を辞書コンテンツデータから取得して表示部に表示させるに際し、前記複数の意味のうち、前記関心分野情報に示される相対的に関心度が高い分野に属する意味が、ほかの相対的に関心度が低い意味よりも目立つように表示部に表示させる関心分野優先表示処理とを行う、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、単語等の検索が可能な電子機器、電子辞書システム、情報処理システム、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子辞書で何かの単語を調べると、その単語の意味が表示部に表示される。単語は複数の意味を含むものが多く、例えばある電子辞書で「paper」を調べると、1番目に「紙」、2番目に「新聞」、3番目に「研究論文」…のように、この順序で上から下へ向けて複数の意味が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-219583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように電子辞書で何かの単語を調べると、その単語について複数の意味が表示されることがあるが、ユーザが求めている意味が上位に記載されているとは限らず、ユーザは知りたい意味をすぐに見つけられないこともある。そのような場合、ユーザは使い勝手がよくないと感じるかもしれない。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、単語等の検索の快適性を向上させることを可能にする電子機器、電子辞書システム、情報処理システム、情報処理方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電子機器は、プロセッサを備えた電子機器であって、前記プロセッサは、前記電子機器においてユーザが過去に検索した個々の語句もしくは文を含む検索履歴の情報と、各トピックに対応する代表語と、に基づいて特定される前記各トピックのうちの前記ユーザの関心度が相対的に高いトピックを示す情報を含む関心分野情報を取得する関心分野情報取得処理と、語句の検索を指示するユーザの操作に応じて、その語句に対する複数の意味を辞書コンテンツデータから取得して表示部に表示させるに際し、前記関心分野情報に示される前記複数の意味それぞれが属するトピックの関心度に基づいて、前記複数の意味のうち優先して表示させる意味を決定する関心分野優先表示処理と、を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の電子辞書の実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図。
図2】電子辞書10の外観構成の一例を示す図。
図3】電子辞書10の電子回路の構成の一例を示すブロック図。
図4】サーバ30の電子回路の構成の一例を示すブロック図。
図5】電子辞書10(もしくは電子辞書10-1,10-2,又は10-3)においてあらかじめトピック毎に設定される代表語の例を示す図。
図6】文書毎に検索履歴として蓄積される複数の単語の例を示す図。
図7図5に示される情報および図6に示される情報を用いて各文書に含まれる検索履歴の情報をトピックモデルで解析して抽出される複数のトピックの例を示す図。
図8】複数の文書について解析された各種のトピックの割合の例を示す図、及び、各種のトピックの割合を視覚的に把握しやすい形で表示した例を示す図。
図9】電子辞書で「paper」を検索したときにユーザの関心度が相対的に高い分野「学術」に属する意味がほかの相対的に関心度が低い意味よりも目立つように表示させる例を示す図。
図10】電子辞書で「かぶ」を検索したときにユーザの関心度が相対的に高い分野「経済」に属する意味がほかの相対的に関心度が低い意味よりも目立つように表示させる例を示す図。
図11】電子辞書10(もしくは電子辞書10-1,10-2,又は10-3)において行われる初期設定の動作の一例を示す図。
図12図11の動作で設定された設定情報を、電子辞書10(もしくは電子辞書10-1,10-2,又は10-3)がサーバ30に伝達する動作の一例を示す図。
図13】電子辞書10(もしくは電子辞書10-1,10-2,又は10-3)の履歴を含む文書をサーバ30に伝達する動作の一例を示す図。
図14】携帯情報機器11の動作の一例を示す図。
図15】親機として動作する電子辞書10の動作の一例を示す図。
図16】子機として動作する電子辞書10-1,10-2,10-3の動作の一例を示す図。
図17】サーバ30の動作の一例を示す図。
図18図17中のステップS73の詳細を示す図。
図19】電子辞書10がサーバ30から関心分野情報を取得して辞書の検索機能に反映させる動作の一例を示す図。
図20】電子辞書10が自身で関心分野情報を生成できる能力を備えている場合の電子辞書10の動作の一例を示す図。
図21】電子辞書10が単語検索時に関心分野情報に応じた検索結果を表示させる動作の一例を示す図。
図22】各種の単語の意味を管理する情報のデータフォーマットの例を示す図。
図23】サーバ30が生成した関心分野情報を利用してコンテンツ紹介情報を生成し電子辞書10へ送信する動作の一例を示す図。
図24】各種の辞書コンテンツを管理する辞書コンテンツ情報のデータフォーマットの一例を示す図。
図25】電子辞書10がサーバ30から送信されてくるコンテンツ紹介情報を利用した表示を行う動作の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0009】
<システムの構成>
図1は、本発明の電子辞書の実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【0010】
本システムには、情報機器としての電子辞書10、10-1,10-2,10-3、携帯情報機器(スマートフォン、タブレット端末等)11、ルータ20、およびサーバ30が含まれる。
【0011】
但し、本発明の実施に際して必ずしも図1中の全ての要素が必要とされるものではない。例えば、電子辞書10は使用するけれども携帯情報機器11は使用しない形態や、さらには電子辞書10-1,10-2,10-3も使用しない形態、さらにはルータ20やサーバ30も使用しない形態もあり得る。
【0012】
電子辞書10とサーバ30との通信は、例えば電子辞書10とルータ20とを接続する無線LAN(Wi-Fi)による無線通信Na、及び、ルータ20とサーバ30とを接続するインターネット回線の通信Nwにより行われる。
【0013】
電子辞書10と携帯情報機器11との通信は、例えばBluetooth(登録商標)による近距離無線通信Nbが使用される。電子辞書10と電子辞書10-1,10-2,10-3との通信には、例えばBluetooth(登録商標)による近距離無線通信Nc、もしくは無線LAN(Wi-Fi)による無線通信が使用される。
【0014】
図1には、情報機器類の使用形態として、少なくとも次に示す3種類の使用形態が表現されている。
【0015】
・電子辞書10を単独で使用する形態(1)
この使用形態(1)は、電子辞書10を単独で使用する形態である。この場合の電子辞書10は、携帯情報機器11や電子辞書10-1,10-2,10-3とは通信を行わずに切り離して使用される。
【0016】
この使用形態(1)においては、電子辞書10がルータ20を介してサーバ30と通信する。図1中の文書Daは、ユーザが電子辞書10で検索した単語(但し、単語以外の慣用句、連語、複合語等の語句の場合もあり得る。以下同様。)もしくは文を含む検索履歴を表している。図1中の円で囲った領域Aaは、サーバ30へ送信する検索履歴の情報の共有やサーバ30から送信されてくる各種の情報の共有を行う情報機器類が、電子辞書10のみであり、携帯情報機器11や複数の電子辞書10-1,10-2,10-3を含まないことを表している。
【0017】
この使用形態(1)では、電子辞書10は、定期的に文書Daをルータ20経由でサーバ30に送信する。
【0018】
一方、サーバ30は、電子辞書10から送信されてくる文書Daを受信し、当該文書に含まれる検索履歴の情報をトピックモデルで解析することにより、ユーザが高い関心を抱くと推定されるトピック(即ち、分野)を示す情報(関心分野情報)を生成したり、この関心分野情報に基づいてユーザに別売コンテンツを紹介する情報(コンテンツ紹介情報)を生成したりし、生成した関心分野情報やコンテンツ紹介情報を電子辞書10に送信する。
【0019】
これにより、関心分野情報やコンテンツ紹介情報を生成することができない電子辞書10に対し、関心分野情報やコンテンツ紹介情報を提供することができる。
【0020】
電子辞書10は、サーバ30から送信されてくる関心分野情報やコンテンツ紹介情報を受信し、受信した関心分野情報に応じて電子辞書10の単語検索結果の中のユーザの関心度が相対的に高いと推定される部分を目立たせる表示を行ったり、受信したコンテンツ紹介情報に応じて未搭載の別売コンテンツの導入を薦める表示を行ったりする。
【0021】
なお、上記した関心分野情報やコンテンツ紹介情報を電子辞書10が自身で生成できる能力を備えている場合は、サーバ30へ文書Daを送信する処理やサーバ30から関心分野情報やコンテンツ紹介情報を受信する処理を省略することができる。
【0022】
この使用形態(1)は、電子辞書10における単語等の検索の快適性を向上させることを可能にする。
【0023】
・電子辞書10および携帯情報機器11を使用する形態(2)
この使用形態(2)は、電子辞書10および携帯情報機器11を使用する形態である。この使用形態(2)は、例えば上記使用形態(1)において更にユーザが携帯情報機器11を電子辞書10と連携させて使用するような場合に適用される。
【0024】
この使用形態(2)においては、電子辞書10のユーザが使用する携帯情報機器11が電子辞書10と通信すると共にサーバ30と通信する。図1中の文書Dbは、ユーザが携帯情報機器11でブラウザを通じてウェブページ上で選択した単語もしくは文を含むページを表している。図1中の楕円で囲った領域Abは、サーバ30へ送信する検索履歴の情報を共有する情報機器類が、電子辞書10および携帯情報機器11であることを表している。
【0025】
この使用形態(2)では、携帯情報機器11は、ユーザがウェブページ上で単語もしくは文を選択する操作に応じて、その選択した単語もしくは文の情報を電子辞書10の検索履歴の一部をなす情報としてサーバ30に送信する共に電子辞書10に送信すると処理を行う。
【0026】
これにより、サーバ30側ではより多くの検索履歴を解析に使用することができるため、より精度の高い関心分野情報を生成することができ、電子辞書10に対してより精度の高い関心分野情報を提供することができる。
【0027】
また、携帯情報機器11は、選択した単語もしくは文の情報をサーバに送信するに際し、選択した単語もしくは文が記載されたページのURL(Uniform Resource Locator)の情報も併せて送信する処理を行う。
【0028】
これにより、サーバ30側ではURLに示されるページも解析に使用することができるため、ユーザの関心度がより反映されたより精度の高い関心分野情報を生成することができ、電子辞書10に対してより精度の高い関心分野情報を提供することができる。
【0029】
一方、サーバ30は、電子辞書10から送信されてくる文書Daを受信し、当該文書に含まれる検索履歴の情報だけでなく、携帯情報機器11から送信されてくる情報およびURLに示されるページの情報をトピックモデルで解析することにより、ユーザが高い関心を抱くと推定されるトピック(即ち、分野)を示す情報(関心分野情報)を生成したり、この関心分野情報に基づいてユーザに別売コンテンツを紹介する情報(コンテンツ紹介情報)を生成したりし、生成した関心分野情報やコンテンツ紹介情報を電子辞書10に送信する。
【0030】
電子辞書10は、サーバ30から送信されてくる関心分野情報やコンテンツ紹介情報を受信し、受信した関心分野情報に応じて電子辞書10の単語検索結果の中のユーザの関心度が相対的に高いと推定される部分を目立たせる表示を行ったり、受信したコンテンツ紹介情報に応じて未搭載の別売コンテンツの導入を薦める表示を行ったりする。
【0031】
この使用形態(2)は、携帯情報機器11と電子辞書10との連携により、電子辞書10における単語等の検索の快適性をさらに向上させることを可能にする。
【0032】
・電子辞書10および電子辞書10-1,10-2,10-3を使用する形態(3)
この使用形態(3)は、電子辞書10および複数の電子辞書10-1,10-2,10-3を使用する形態である。この使用形態(3)は、例えば学校の教室での授業など、関心事が共通する複数のユーザが個々の電子辞書で同じ分野の単語を検索するような場合に適用される。
【0033】
この使用形態(3)においては、電子辞書10が親機、複数の電子辞書10-1,10-2,10-3が子機という関係となり、電子辞書10は、複数の電子辞書10-1,10-2,10-3と通信すると共にルータ20を介してサーバ30と通信する。
【0034】
図1中の文書Dcは、複数の電子辞書10-1,10-2,10-3のそれぞれのユーザが検索した単語もしくは文を含む検索履歴を表している。図1中の円で囲った領域Acは、サーバ30へ送信する検索履歴の情報の共有やサーバ30から送信されてくる各種の情報の共有を行う情報機器類が、複数の電子辞書10-1,10-2,10-3であることを表している。当該共有を行う情報機器類の中には、電子辞書10が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。
【0035】
この使用形態(3)では、電子辞書10は、定期的に文書Dcを複数の電子辞書10-1,10-2,10-3の各々から取得してルータ20経由でサーバ30に送信する。
【0036】
一方、サーバ30は、電子辞書10から送信されてくる個々の文書Dcに含まれる検索履歴の情報をトピックモデルで解析することにより、ユーザが高い関心を抱くと推定されるトピック(即ち、分野)を示す情報(関心分野情報)を生成したり、この関心分野情報に基づいてユーザに別売コンテンツを紹介する情報(コンテンツ紹介情報)を生成したりし、生成した関心分野情報やコンテンツ紹介情報を電子辞書10に送信する。
【0037】
電子辞書10は、サーバ30から送信されてくる関心分野情報やコンテンツ紹介情報を受信して複数の電子辞書10-1,10-2,10-3に転送する(もしくは、電子辞書10を経由せずに、サーバ30から送信される関心分野情報やコンテンツ紹介情報を複数の電子辞書10-1,10-2,10-3が受信する)。複数の電子辞書10-1,10-2,10-3は、受信した関心分野情報に応じて当該電子辞書の単語検索結果の中のユーザの関心度が相対的に高いと推定される部分を目立たせる表示を行ったり、受信したコンテンツ紹介情報に応じて未搭載の別売コンテンツの導入を薦める表示を行ったりする。
【0038】
なお、上記した関心分野情報やコンテンツ紹介情報を電子辞書10が自身で生成できる能力を備えている場合は、サーバ30へ文書Dcを送信する処理やサーバ30から関心分野情報やコンテンツ紹介情報を受信する処理を省略することができる。
【0039】
この使用形態(3)は、関心事が共通する複数のユーザに共通した関心分野情報やコンテンツ紹介情報を提供し、当該ユーザの電子辞書10-1,10-2,10-3における単語等の検索の快適性を向上させることを可能にする。
【0040】
<電子辞書10の構成>
図2は、電子辞書10の外観構成の一例を示す図である。また、図3は、電子辞書10の電子回路の構成の一例を示すブロック図である。なお、図2及び図3に示す構成は、複数の電子辞書10-1,10-2,10-3の各々にも適用される。
【0041】
電子辞書10は、以下に説明する専用の電子辞書として構成されるか、辞書検索機能を備えたタブレット型のPDA(personal digital assistants)、PC(personal computer)、携帯電話、電子ブック、携帯ゲーム機などとして構成される。
【0042】
電子辞書10は、その本体ケース10aと蓋体ケース12とがヒンジ部13を介して展開/閉塞可能な折り畳み型ケースを備えて構成される。折り畳み型ケースを展開した本体ケース10aには、[ホーム]キー14a、機能指定キー14b、文字入力キー14c、[決定]キー14d、[戻る]キー14e、カーソルキー14f、[シフト]キー14g、[履歴]キー14h、[復習支援]キー14i、などを含むキー入力部(キーボード)14、音声出力部(スピーカを含む)15、および音声入力部(マイクを含む)16が設けられる。
【0043】
また、蓋体ケース12には、タッチパネル式表示部(ディスプレイ)17が設けられる。タッチパネル式表示部17は、ユーザがペンや指などでタッチした位置を検出するタッチ位置検出装置と表示装置が一体となった構造であり、バックライト付きのカラー液晶表示画面に透明タッチパネルを重ねて構成される。
【0044】
タッチパネル式表示部17の表示エリアには、その中央に広いメイン表示エリア17Mと、右端に沿ったタッチキーエリア17Aと、下端に沿ったサブ表示エリア17Sとに分割されたエリアが設定される。
【0045】
タッチキーエリア17Aには、キー入力部14における一部のキーの押下操作や電子辞書10の一部の機能の指定操作を、タッチ操作により行うためのタッチキー([ホーム]キーBH、[戻る]キーBRなど)が表記されて設けられる。
【0046】
メイン表示エリア17Mには、ユーザ操作に基づき任意に選択された機能の実行に応じて、実行されている機能に関する情報が表示される。
【0047】
サブ表示エリア17Sには、ユーザ操作に基づき実行された単語の学習に関する機能の実行履歴に基づいて、過去にユーザが実行した機能で学習対象となった単語に関する情報が表示される。
【0048】
キー入力部14の[ホーム]キー14aは、電子辞書10のホーム画面であるメニュー画面GMをタッチパネル式表示部17のメイン表示エリア17Mに表示させるキーである。
【0049】
キー入力部14の機能指定キー14bは、各キーに沿って表記されている辞書コンテンツ([〇辞苑]など)、辞書コンテンツのカテゴリ([国語][古語][漢和][英和]など)、学習コンテンツ[コンテンツ一覧]、ツールの一つのカテゴリ[学習帳]を、それぞれ直接指定するためのキーである。
【0050】
また、キー入力部14のキーは、[シフト]キー14gが操作された後に続けて操作されることで、そのキーに沿って枠囲み無しで記載されたキー機能ではなく、枠囲みして記載されたキーとして機能できるようになっている。例えば、[シフト]キー14gの操作後に[決定]キー14dが操作(以下、[シフト]+[決定]キーと記す。)されると、登録対象として指定されているデータを登録する機能を起動させるための[登録]キーとなる。[シフト]+[削除]キーは[設定]キーとなる。
【0051】
キー入力部14の[履歴]キー14hは、検索履歴記憶エリア22eに記憶された過去に検索された単語の一覧を示す検索履歴画面をタッチパネル式表示部17のメイン表示エリア17Mに表示させるキーである。
【0052】
キー入力部14の[復習支援]キー14iは、過去に学習対象となった単語に関する情報を表示させるための選択基準を設定する復習支援モードの設定キーである。
【0053】
電子辞書10の電子回路は、図3に示すように、コンピュータの基本構成要素であるCPU(プロセッサ)21を備える。
【0054】
CPU21は、フラッシュROMなどの記憶部(ストレージ)22に予め記憶されたプログラム(検索処理プログラム22a、学習処理プログラム22b、および関心分野情報管理プログラム22fを含む)、あるいはメモリカードなどの外部記録媒体23から記録媒体読取部24により読み取られて記憶部22に記憶されたプログラム、あるいは通信ネットワークN上のサーバ30もしくは他のサーバから通信部25を介してダウンロードされ記憶部22に記憶されたプログラム、に従って回路各部の動作を制御する。
【0055】
CPU21には、データ及び制御バスを介して、記憶部22、記録媒体読取部24、通信部25を接続するほか、キー入力部14、音声出力部15、音声入力部16、タッチパネル式表示部17、を接続する。
【0056】
音声出力部15は、記憶部22に記憶されているかあるいは録音された音声データに基づく音声を出力する本体スピーカを備える。
【0057】
音声入力部16は、ユーザ等の音声を入力する本体マイクを備える。
【0058】
記憶部22は、プログラム(検索処理プログラム22a、学習処理プログラム22b、および関心分野情報管理プログラム22fを含む)を記憶するプログラム記憶エリアのほか、学習コンテンツ記憶エリア22c、辞書データ記憶エリア22d、検索履歴記憶エリア22e、および関心分野情報管理データ記憶エリア22gを備える。
【0059】
検索処理プログラム22aは、電子辞書10の全体の動作を司るシステムプログラム、通信部25を介して外部の電子機器と通信接続するためのプログラム、辞書データ記憶エリア22dに記憶されている各種の辞書コンテンツデータ(英和辞典/和英辞典/国語辞典/…)に基づいて単語等の検索を行うプログラムなどを含む。
【0060】
学習処理プログラム22bは、学習コンテンツ記憶エリア22cに記憶された各学習コンテンツに基づく学習処理を実行させるためのプログラムなどを含む。
【0061】
学習コンテンツ記憶エリア22cは、例えば、単語の語義を学習する単語学習コンテンツ22c1、単語に応じた文法を学習する文法学習コンテンツ22c2、単語の発音を学習する発音学習コンテンツ22c3、各種の語学検定試験の模擬テストを行なう模擬テストコンテンツ22c4など、様々な種類の学習を目的とした学習コンテンツデータを記憶する。
【0062】
辞書データ記憶エリア22dは、例えば、英和辞典、和英辞典、英英辞典、国語辞典などの各種の辞書コンテンツデータを記憶し、辞書コンテンツデータは、例えば、キー入力されるか、または表示画面上で指定される辞書検索の対象となる文字または文字列に基づいて、当該文字または文字列に対応する単語の説明情報を辞書検索して表示や音声により出力する機能を有する。
【0063】
なお、辞書コンテンツデータは、各種の辞書のそれぞれにおいて、見出し語である単語、単語の意味,内容を含む説明情報、単語を含む用例/成句/複合語などのテキストデータ、および当該テキストデータに対応する音声データを有する。
【0064】
検索履歴記憶エリア22eは、辞書データ記憶エリア22dに記憶された辞書コンテンツから見出し語検索や見出し語ジャンプ等の機能で検索した単語を検索履歴として記憶する。
【0065】
関心分野情報管理プログラム22fは、関心分野情報やコンテンツ紹介情報の取得や、取得した関心分野情報に応じて当該電子辞書のメイン表示エリア17Mにおいて単語検索結果の中のユーザの関心度が相対的に高いと推定される部分を目立たせる表示を行ったり、取得したコンテンツ紹介情報に応じて未搭載の別売コンテンツの導入を薦める表示を行ったりする処理を行う。
【0066】
特に、関心分野情報管理プログラム22fは、当該電子辞書10においてユーザが過去に検索した個々の語句もしくは文を含む検索履歴の情報をトピックモデルで解析して得られる各種のトピックの中で最も大きな割合を占めるトピックをユーザにとって相対的に関心度が高い分野として示す情報を含む関心分野情報を取得する関心分野情報取得処理を行う機能を備えると共に、語句の検索を指示するユーザの操作に応じて、その語句に対する複数の意味を辞書コンテンツデータから取得してメイン表示エリア17Mに表示させるに際し、上記複数の意味のうち、関心分野情報に示される相対的に関心度が高い分野に属する意味が、ほかの相対的に関心度が低い意味よりも目立つようにメイン表示エリア17Mに表示させる関心分野優先表示処理を行う機能を備えている。
【0067】
このような機能により、ユーザは求めていた意味をすぐに見つけることができ、使い勝手の良さを感じるため、単語等の検索の快適性を向上させることができる。
【0068】
また、関心分野情報管理プログラム22fは、関心分野情報を基に電子辞書10への導入を推薦する辞書コンテンツを紹介するコンテンツ紹介情報をメイン表示エリア17Mに表示させる処理をさらに実行する機能を備えている。
【0069】
このような機能により、ユーザは求めていた辞書コンテンツを容易に見つけることができ、その辞書コンテンツを購入して電子辞書に搭載するなどして、使い勝手をさらに良くし、単語等の検索の快適性をさらに向上させることができる。
【0070】
関心分野情報管理プログラム22fは、上述した使用形態(1)~(3)のいずれが適用されるかによって、実行する具体的な処理の内容が次のように異なる。
【0071】
・使用形態(1)が適用される場合
使用形態(1)が適用される場合は、関心分野情報管理プログラム22fは、定期的に電子辞書10の文書Daを、通信部25を介してルータ20経由でサーバ30に送信すると共に、サーバ30から送信されてくる関心分野情報やコンテンツ紹介情報を受信し、受信した関心分野情報に応じて電子辞書10の単語検索結果の中のユーザの関心度が相対的に高いと推定される部分を目立たせる表示を行ったり、受信したコンテンツ紹介情報に応じて未搭載の別売コンテンツの導入を薦める表示を行ったりする。但し、関心分野情報やコンテンツ紹介情報を電子辞書10が自身で生成できる能力を備えている場合は、サーバ30へ文書Daを送信する処理やサーバ30から関心分野情報やコンテンツ紹介情報を受信する処理は省略することができる。
【0072】
・使用形態(2)が適用される場合
使用形態(2)が適用される場合は、関心分野情報管理プログラム22fは、携帯情報機器11からユーザがウェブページ上で選択した単語もしくは文の情報が送信されてきた場合には、それを当該電子辞書の検索履歴の一部として別途保管する。検索履歴を含む文書をサーバ30に送信する処理や、サーバ30から送信されてくる関心分野情報やコンテンツ紹介情報を受信する処理、受信した関心分野情報に応じて電子辞書10の単語検索結果の中のユーザの関心度が相対的に高いと推定される部分を目立たせる表示を行ったり、受信したコンテンツ紹介情報に応じて未搭載の別売コンテンツの導入を薦める表示を行ったりする処理は、使用形態(1)の場合と同様となる。
【0073】
・使用形態(3)が適用される場合
使用形態(3)が適用される場合は、電子辞書10が親機と子機のいずれになるかによって、処理の内容が異なる。
【0074】
電子辞書10が親機となる場合は、関心分野情報管理プログラム22fは、定期的に文書Dcを、複数の子機の電子辞書10-1,10-2,10-3の各々から取得して、通信部25を介してルータ20経由でサーバ30に送信すると共に、サーバ30から送信されてくる関心分野情報やコンテンツ紹介情報を受信して複数の子機の電子辞書10-1,10-2,10-3に転送する。但し、関心分野情報やコンテンツ紹介情報を電子辞書10が自身で生成できる能力を備えている場合は、サーバ30へ文書Daを送信する処理やサーバ30から関心分野情報やコンテンツ紹介情報を受信する処理は省略することができる。
【0075】
電子辞書10が子機となる場合(即ち、複数の電子辞書10-1,10-2,10-3のいずれかとなる場合)は、当該子機は、定期的に文書Dcを親機の電子辞書10に送信すると共に、親機の電子辞書10から送信されてくる関心分野情報やコンテンツ紹介情報を受信し、受信した関心分野情報に応じて電子辞書10の単語検索結果の中のユーザの関心度が相対的に高いと推定される部分を目立たせる表示を行ったり、受信したコンテンツ紹介情報に応じて未搭載の別売コンテンツの導入を薦める表示を行ったりする。但し、関心分野情報やコンテンツ紹介情報を当該子機が自身で生成できる能力を備えている場合は、サーバ30へ文書Daを送信する処理やサーバ30から関心分野情報やコンテンツ紹介情報を受信する処理は省略することができる。
【0076】
関心分野情報管理データ記憶エリア22gは、関心分野情報管理プログラム22fの処理に関わる各種の情報を記憶する領域であり、例えばサーバ30に送信する検索履歴などの情報、サーバ30から受信した関心分野情報やコンテンツ紹介情報、関心分野情報やコンテンツ紹介情報に応じて該当する電子辞書のメイン表示エリア17Mに表示すべき情報などを記憶する。
【0077】
<サーバ30の構成>
図4は、サーバ30の電子回路の構成の一例を示すブロック図である。
【0078】
サーバ30は、例えば、ユーザが購入した電子辞書10内の各コンテンツを管理する機能を有し、その電子回路は、コンピュータの基本要素であるCPU(プロセッサ)31を備える。
【0079】
CPU31は、フラッシュROMなどの記憶部(ストレージ)32に予め記憶された管理サーバプログラム32a、あるいはCD-ROMなどの外部記録媒体33から記録媒体読取部34により読み取られて記憶部32に記憶されたプログラム32a、あるいは通信ネットワークN上の他のサーバから通信部35を介してダウンロードされ記憶部32に記憶されたプログラム32a、に従って回路各部の動作を制御する。
【0080】
管理サーバプログラム32aは、関心分野情報生成プログラムを含む。この関心分野情報生成プログラムは、電子辞書10から送信されてくる文書を受信し、当該文書に含まれる検索履歴の情報をトピックモデルで解析することにより、ユーザが高い関心を抱くと推定されるトピック(即ち、分野)を示す情報(関心分野情報)を生成したり、この関心分野情報に基づいてユーザに別売コンテンツを紹介する情報(コンテンツ紹介情報)を生成したりし、生成した関心分野情報やコンテンツ紹介情報を電子辞書10に送信する機能を有する。
【0081】
このような機能により、電子辞書10において生成することができない関心分野情報やコンテンツ紹介情報を電子辞書10に提供することが可能になる。
【0082】
CPU31には、データ及び制御バスを介して、記憶部32、記録媒体読取部34、通信部35を接続するほか、キー入力部36、表示部37を接続する。
【0083】
記憶部32は、管理サーバプログラム32aを記憶するプログラム記憶エリアのほか、電子辞書管理データ記憶エリア32b、辞書コンテンツデータ記憶エリア32c、および学習コンテンツデータ記憶エリア32d、などを含む。
【0084】
電子辞書管理データ記憶エリア32bは、上記関心分野情報生成プログラムの処理に関わる各種の情報を記憶する記憶エリアを含み、例えば電子辞書10から送信されてきた文書の情報、トピックモデルによる解析結果の情報、解析結果に基づいて生成された関心分野情報やコンテンツ紹介情報などが記憶される。
【0085】
辞書コンテンツデータ記憶エリア32cは、電子辞書10のユーザにとって購入可能な各種の辞書コンテンツ[A](国語1)32c1、[B](国語2)32c2、…のデータを記憶する。
【0086】
学習コンテンツデータ記憶エリア32dは、電子辞書10のユーザにとって購入可能な各種の学習コンテンツ[a](国語ドリル)32d1、[b](英語ドリル)32d2、…のデータを記憶する。
【0087】
記憶部32は、各種の辞書コンテンツ32c1,32c2,…、各種の学習コンテンツ32d1,32d2,…以外にも、図示はしないが、図鑑、文学書、法律書など、ユーザにとって購入可能な多種多様なコンテンツを記憶する。
【0088】
なお、上述した管理サーバプログラム32aに備えられる関心分野情報生成プログラムの機能、および、電子辞書管理データ記憶エリア32bに記憶される、関心分野情報生成プログラムの処理に関わる各種の情報は、電子辞書10が搭載する能力があるのであれば、電子辞書10に搭載するように構成してもよい。その場合、電子辞書10は、関心分野情報管理プログラム22fが、関心分野情報生成プログラムの機能を備え、関心分野情報管理データ記憶エリア22gが、関心分野情報生成プログラムの処理に関わる各種の情報を記憶するように構成される。
【0089】
そのようにした場合、電子辞書10は、サーバ30に文書を送信したり、サーバ30から関心分野情報やコンテンツ紹介情報を受信したりする必要がなくなり、単独で関心分野情報やコンテンツ紹介情報を生成することが可能になる。
【0090】
<トピックモデルを用いた関心分野情報の生成>
次に、トピックモデルを用いて関心分野情報の生成する手法について説明する。
【0091】
図5は、電子辞書10(もしくは電子辞書10-1,10-2,又は10-3)においてあらかじめトピック毎に設定される代表語の例を示す図である。
【0092】
電子辞書10においては、前準備として、予めトピック毎に複数の代表語の設定が行われる。ここでいうトピックは、例えば「学術」、「経済」、「政治」、「ビジネス」、[古語]、「医学」など、当該電子辞書において単語の意味に対し分類されるカテゴリ(分野)に相当するものとする。代表語は、その分野において一般によく使用される代表的な用語を指す。
【0093】
ここでの設定は、基本的にはユーザが入力操作を行うことで実現される。但し、この例に限らず、例えば電子辞書10の出荷時に、トピック毎に複数の代表語が予め設定されていてもよく、また、これに加えて更にユーザがトピック毎に代表語の変更、追加、削除を行えるように構成されていてもよい。ここで設定された情報は、サーバ30に送信され、サーバ30の電子辞書管理データ記憶エリア32bに記憶され保管される。
【0094】
図6は、文書毎に検索履歴として蓄積される複数の単語の例を示す図である。
【0095】
文書Da,Db,Dcは、それぞれ、情報機器類の使用形態(1),(2),(3)において生成される文書であり、使用形態毎に、過去に検索された複数の単語の検索履歴を含む。このような検索履歴を含む文書Da,Db,Dcは、それぞれ、定期的にサーバ30に送信され、サーバ30の電子辞書管理データ記憶エリア32bに記憶され保管される。
【0096】
図7は、図5に示される情報および図6に示される情報を用いて各文書に含まれる検索履歴の情報をトピックモデルで解析して抽出される複数のトピックの例を示す図である。
【0097】
なお、トピックモデルは、一般に、文書をBoW(Bag of Word:順序を考慮しない単語集合)に分解した上で、その後の処理が実施される。その際、ストップワードと呼ばれる一般的な語句(冠詞のtheやa、日本語の助詞など)はノイズになってしまうため、通常は除外されるが、電子辞書においては冠詞や助詞を調べるということがあり得るため、除外することができない。これらも含めて処理を行うため、形態素解析等を併用し、例えばストップワードを品詞で区別するといった特殊処理を行うことが望ましい。
【0098】
対象の文書からトピックを抽出するためには、最初に、対象の文書に含まれる情報に対して、形態素解析等の前処理(形態素という最小単位への分割、品詞の割当て等)が行われ、その上で特徴ベクトル(計算機が扱えるように数値化または記号化した高次の情報)への変換が行われる。そして、変換後の情報に対して、例えばLDA(Latent Dirichlet allocation)によるトピックモデリングが実施され、トピックモデルに基づいて分類された各種の単語集合群が抽出される。単語集合群のうち、代表語に一致する語をもつ単語集合があればその単語集合に該当するトピックが割り当てられる(即ち、対象の文書からトピックが抽出される)。このような処理は、文書毎に実施される。
【0099】
図8(a)は、複数の文書について解析された各種のトピックの割合の例を示す図である。また、図8(b)は、図8(a)に示される各種のトピックの割合を視覚的に把握しやすい形で表示した例を示す図である。
【0100】
例えばサーバ30の電子辞書管理データ記憶エリア32b上で、図8(a)のように各種のトピックの割合を例えばカウント値で表現する所定のリスト(トピックリスト)を作成しておき、前述したように代表語に一致する語をもつ単語集合に割り当てられたトピックがあれば、トピックリスト上の各種のトピックのうち、該当するトピックに対して所定量のカウント値(例えば「1」)を加算する。このような処理は、文書毎に実施される。その結果、図8(b)に示されるように、各種のトピックの割合が定まり、ユーザが高い関心を抱くと推定される関心度の順位が決まる。図8(b)の例では、関心度の順位は「学術」が一位、「経済」が二位、「政治」が三位となっている。このように各種のトピックの関心度の割合や順位を示す情報(相対的に関心度が高いトピックを示す情報を含む)は、関心分野情報としてサーバ30から電子辞書10へ送信される。
【0101】
なお、図5図8は、理解を容易なものとするために単純化した例であり、これらの例に限定されることなく、例えばより多くの種類のトピックや代表語が含まれていてもよい。
【0102】
<関心分野情報に応じた単語検索結果の表示>
電子辞書10(もしくは電子辞書10-1,10-2,又は10-3)の関心分野情報管理プログラム22fは、前述したように、単語の検索を指示するユーザの操作に応じて、その単語に対する複数の意味を辞書コンテンツデータから取得してメイン表示エリア17Mに表示させるに際し、上記複数の意味のうち、関心分野情報に示される相対的に関心度が高い分野に属する意味が、ほかの相対的に関心度が低い意味よりも目立つようにメイン表示エリア17Mに表示させる関心分野優先表示処理を行う。
【0103】
例えば、この関心分野優先表示処理を実行するに際し、上記複数の意味のうち、関心分野情報に示される相対的に関心度が高い分野に属する意味が、最上位に位置するよう表示させてもよい。
【0104】
図9は、電子辞書で「paper」を検索したときにユーザの関心度が相対的に高い分野「学術」に属する意味がほかの相対的に関心度が低い意味よりも目立つように表示させる例を示す図である。また、図10は、電子辞書で「かぶ」を検索したときにユーザの関心度が相対的に高い分野「経済」に属する意味がほかの相対的に関心度が低い意味よりも目立つように表示させる例を示す図である。
【0105】
一般に、「paper」を検索したときには、図9の画面G11に示されるように、その意味が上から「1.紙」、「2.新聞」、「3.研究論文…」の順番で表示されるが、本実施形態では、画面G12に示されるように、ユーザの関心度が相対的に高い分野「学術」に属する意味「3.研究論文…」が、最上位に位置するよう表示される。
【0106】
図10の例の場合も同様であり、一般に、「かぶ」を検索したときには、画面G21に示されるように、ユーザの関心度が相対的に高い分野「学術」に属する意味「3.研究論文…」は、最上位に表示されないが、本実施形態では、画面G22に示されるように、最上位に位置するよう表示される。
【0107】
一般にユーザは最上位に位置する意味から順に読み始める傾向があることから、図9図10のように表示することにより、ユーザは特に意識することなく、求めていた意味をすぐに見つけることができ、ストレスのない快適な単語検索を実現できる。
【0108】
なお、ユーザの関心度が相対的に高い分野に属する意味を目立たせるためには、上記の例のように各種の意味の配置順を変える代わりに、図9の画面G11や図10のG21のように元の表示のとおり各種の意味の配置順を変えないまま、ユーザの関心度が相対的に高い分野「学術」に属する意味「3.研究論文…」が目立つようにその部分をハイライト表示する(例えば、特定色のマーカーを塗ったり、文字に色付けをしたり、あるいは文字を太字にしたりする)といった表示処理を行ってもよい。
【0109】
また、各種の意味の配置順を変える際には、上から関心度の高い順に各種の意味が配置されるように並び変えてもよい。
【0110】
<各部の動作の例>
図11は、電子辞書10(もしくは電子辞書10-1,10-2,又は10-3)において行われる初期設定の動作の一例を示す図である。この動作は、前述の使用形態(1)~(3)のいずれにも適用され得る。
【0111】
例えば電子辞書10のCPU21は、電子辞書10のメイン表示エリア17Mに、ユーザの関心度に基づく優先表示を有効にするか否かを問う画面を表示させる(ステップS11)。優先表示を有効にしない旨が指定された場合(ステップS11のNO)、特に何もせずに処理を終了する。優先表示を有効にする旨が指定された場合(ステップS11のYES)、優先表示をグループで行うか否かを問う画面を表示させる(ステップS12)。
【0112】
優先表示をグループで行うのではなく、ローカルで行う旨が指定された場合(ステップS12のNO)、優先表示をローカルで行う(当該電子辞書だけで行う)ことを示す設定情報を保管し(ステップS13)、各トピックの代表語の設定を行う画面を表示し、ユーザが必要な操作を行うと、各トピックの代表語の設定が行われ(ステップS14)、一連の処理が終了する。
【0113】
一方、優先表示をグループで行う旨が指定された場合(ステップS12のYES)、優先表示をグループで行う(当該グループを構成する他の電子辞書と優先表示を共有する)ことを示す設定情報を保管し(ステップS15)、各トピックの代表語の設定を行う画面を表示し、ユーザが必要な操作を行うと、各トピックの代表語の設定が行われ(ステップS16)、一連の処理が終了する。但し、ステップS16における各トピックの代表語の設定は、グループの中で権限を有するユーザだけが行えるように構成してもよい。
【0114】
図12は、図11の動作で設定された設定情報を、電子辞書10(もしくは電子辞書10-1,10-2,又は10-3)がサーバ30に伝達する動作の一例を示す図である。
【0115】
使用形態(1)や使用形態(2)の場合、電子辞書10のCPU21は、他の電子辞書から設定情報を受信しないが、使用形態(3)の場合は、他の電子辞書(例えば、電子辞書10-1,10-2,及び10-3)から各々の設定情報を受信する(ステップS21)。
【0116】
電子辞書10のCPU21は、自身の設定情報および他の電子辞書の設定情報を保管し(ステップS22)、それらの設定情報をサーバ30へ伝達し(ステップS23)、一連の処理を終了する。
【0117】
図13は、電子辞書10(もしくは電子辞書10-1,10-2,又は10-3)の履歴を含む文書をサーバ30に伝達する動作の一例を示す図である。この動作は、使用形態(1)~(3)のいずれにも適用され得るが、図13には使用形態(1)に適用した例が示されている。
【0118】
電子辞書10のCPU21は、例えば当該電子辞書が停止している夜間のある時刻に電子辞書10の検索履歴をサーバ30に送信する処理(オフ処理)を開始する(ステップS31)。
【0119】
ここで、電子辞書10のCPU21は、前回の送信を行ってから例えば24時間経過しているか否かを判定する(ステップS32)。
【0120】
24時間が経過している場合(ステップS32のYES)、送信用のURLを構築する(ステップS33)。但し、すでに送信用のURLが構築されている場合は、この処理は不要である。そして、電子辞書10のCPU21は、電子辞書10の検索履歴をサーバ30へ送信し(ステップS34)、送信完了を示すフラグを設定して保管し(ステップS35)、当該オフ処理を終了する(ステップS36)。
【0121】
ステップS32において、24時間が経過していない場合(ステップS32のNO)、何もせずに当該オフ処理を終了する(ステップS36)。
【0122】
図14は、携帯情報機器11の動作の一例を示す図である。この動作は、使用形態(2)に適用される。
【0123】
携帯情報機器11のプロセッサは、ユーザがウェブページ上で、ある文字列(単語もしくは文)を選択する操作を検知すると(ステップS41)、その選択された文字列の情報を電子辞書10に転送し(ステップS42)、その選択された文字列の情報を、選択元のページのURLと共にサーバ30へ送信する(ステップS43)。
【0124】
図15は、親機として動作する電子辞書10の動作の一例を示す図である。また、図16は、子機として動作する電子辞書10-1,10-2,10-3の動作の一例を示す図である。これらの動作は、使用形態(3)に適用される。
【0125】
図15において、電子辞書10のCPU21は、定期的に周辺の端末(他の電子辞書)をスキャンする。他の端末が存在すれば、接続のリクエストを送り、端末から固有IDを取得し、端末ごとにステップS52~S57の処理を実施する。
【0126】
最初に、電子辞書10のCPU21は、処理の対象となる総端末数を確認し、処理前の端末の数と、処理を終えた端末の数とを識別できるようにしておく(ステップS52)。
【0127】
対象の端末の固有IDを得ると(ステップS53)、それをサーバ30に送信し、対処の端末の検索履歴がサーバ30側で有効な状態で保管されているかどうかを問い合わせる(ステップS54)。
【0128】
有効でなければ(ステップS55のNO)、対象の端末に履歴送信リクエストを送り、対象の端末から検索履歴を収集し(ステップS56)、一方、有効であれば(ステップS55のYES)、特に何もしない。
【0129】
処理を終えた端末の数が総端末数に達すると(ステップS57)、全ての検索履歴をルータ20経由でサーバ30へ送信し(ステップS58)、一連の処理を終了する。
【0130】
図16において、電子辞書10の周辺の端末(例えば、電子辞書10-1,10-2,10-3)のCPU21は、電子辞書10から接続リクエストを受信すると(ステップS61)、自身の端末固有IDを取得し、電子辞書10に送信する(ステップS62)。
【0131】
ここで、電子辞書10のCPU21は、電子辞書10から履歴送信リクエストがあるか否かを判定する(ステップS63)。履歴送信リクエストが無い場合(ステップS63のNO)、特に何もせずに処理を終了する。一方、履歴送信リクエストがあった場合(ステップS63のYES)、設定情報から検索履歴の送信が許可されているか否かを判定する(ステップS64)。検索履歴の送信が許可されていない場合(ステップS64のNO)特に何もせずに処理を終了する。一方、検索履歴の送信が許可されている場合(ステップS64のYES)、その検索履歴を親機の電子辞書10へ送信し(ステップS65)、一連の処理を終了する。
【0132】
図17は、サーバ30の動作の一例を示す図である。また、図18は、図17中のステップS73の詳細を示す図である。ここでの動作は、前述の使用形態(1)~(3)のいずれにも適用され得る。
【0133】
図17において、サーバ30のCPU31は、電子辞書10から送信される複数の文書のデータを受信すると(ステップS71)、文書ごとにステップS72~S74の処理を実施する。最初に、処理の対象となる総文書数を確認し、処理前の文書の数と、処理を終えた文書の数とを識別できるようにしておき(ステップS72)、対象の文書からトピックを抽出する処理を実施する(ステップS73)。ステップS73の詳細を図18に示す。
【0134】
図18において、サーバ30のCPU31は、トピックの抽出対象となる文書を受信すると(ステップS81)、対象の文書に含まれる情報に対して、形態素解析等の前処理(形態素という最小単位への分割、品詞の割当て等)を行い(ステップS82)、その上で特徴ベクトル(計算機が扱えるように数値化または記号化した高次の情報)への変換を行う(ステップS83)。
【0135】
そして、サーバ30のCPU31は、変換後の情報に対して、例えばLDAによるトピックモデリングを実施し(ステップS84)、トピックモデルに基づいて分類された各種の単語集合群を抽出し(ステップS85)、単語集合群のうち、事前に設定した代表語に一致する語をもつ単語集合があればその単語集合に該当するトピックを割り当てる(ステップS86)。すなわち、対象の文書からトピックが抽出されることになる。このような処理は、文書毎に実施される。
【0136】
図17に戻り、処理を終えた文書の数が総文書数に達すると(ステップS74)、次に、文書ごとにステップS75~S78の処理を実施する。処理の対象となる総文書数を確認し、処理前の文書の数と、処理を終えた文書の数とを識別できるようにしておく(ステップS75)。
【0137】
サーバ30のCPU31は、例えば電子辞書管理データ記憶エリア32b上で、各種のトピックの割合を例えばカウント値で表現するトピックリストを作成しておき、代表語に一致する語をもつ単語集合に割り当てたトピックがあるか否かを判定する(ステップS76)。割り当てたトピックが無い場合は(ステップS76のNO)、特に何もしない。一方、割り当てたトピックがある場合(ステップS76のYES)、トピックリスト上の該当するトピックに対して所定量のカウント値を加算する(ステップS77)。このような処理は、文書毎に実施される。
【0138】
処理を終えた文書の数が総文書数に達すると(ステップS78)、サーバ30のCPU31は、トピックリスト上の各トピックのカウント値を基に、各種のトピックの関心度の割合や順位(相対的に関心度が高いトピックを示す情報を含む)を求め、それを関心分野情報として電子辞書管理データ記憶エリア32bに保存すると共に(ステップS79)、その関心分野情報を電子辞書10へ送信し(ステップS80)、一連の処理を終了する。
【0139】
図19は、電子辞書10がサーバ30から関心分野情報を取得して辞書の検索機能に反映させる動作の一例を示す図である。この動作は、前述の使用形態(1)~(3)のいずれにも適用され得る。
【0140】
使用形態(1)や使用形態(2)の場合、電子辞書10のCPU21は、サーバ30から送信されてくる関心分野情報を受信すると(ステップS91)、その関心分野情報を、当該電子辞書10の関心分野情報管理データ記憶エリア22gに保管する(ステップS92)。
【0141】
使用形態(3)の場合、電子辞書10のCPU21は、サーバ30から送信されてくる関心分野情報を受信すると(ステップS91)、その関心分野情報を子機の電子辞書10-1,10-2,10-3に転送する。これにより、子機の電子辞書10-1,10-2,10-3は、転送されてきた関心分野情報を、それぞれの関心分野情報管理データ記憶エリア22gに保管する(ステップS92)。
【0142】
図20は、電子辞書10が自身で関心分野情報を生成できる能力を備えている場合の電子辞書10の動作の一例を示す図である。
【0143】
電子辞書10のCPU21は、文書ごとに、対象の文書からトピックを抽出する処理を実施する(ステップS101)。ステップS101の詳細は、前述した図18のステップS81~S86の処理と同様となるため、その説明を省略する。
【0144】
次に、電子辞書10のCPU21は、文書ごとに、ステップS102及びS103の処理を実施する。例えば関心分野情報管理データ記憶エリア22g上で、各種のトピックの割合を例えばカウント値で表現するトピックリストを作成しておき、代表語に一致する語をもつ単語集合に割り当てたトピックがあるか否かを判定する(ステップS102)。割り当てたトピックが無い場合は(ステップS102のNO)、特に何もしない。一方、割り当てたトピックがある場合(ステップS102のYES)、トピックリスト上の該当するトピックに対して所定量のカウント値を加算する(ステップS103)。このような処理は、文書毎に実施される。
【0145】
次に、電子辞書10のCPU21は、トピックリスト上の各トピックのカウント値を基に、各種のトピックの関心度の割合や順位(相対的に関心度が高いトピックを示す情報を含む)を求め、それを関心分野情報として関心分野情報管理データ記憶エリア22gに保存し(ステップS79)、一連の処理を終了する。
【0146】
図21は、電子辞書10が単語検索時に関心分野情報に応じた検索結果を表示させる動作の一例を示す図である。この動作は、前述の使用形態(1)~(3)のいずれにも適用され得る。
【0147】
電子辞書10(もしくは電子辞書10-1,10-2,又は10-3)のCPU21は、単語の検索を指示するユーザの操作があるまで待機する(ステップS111)。
【0148】
単語の検索を指示するユーザの操作がなければ(ステップS111のNO)、メイン表示エリア17Mには検索用画面が表示されたままで変化しない(ステップS115)。一方、単語の検索を指示するユーザの操作があれば(ステップS111のYES)、電子辞書10のCPU21は、その単語の意味を管理する情報を辞書コンテンツデータから取得し、取得したデータから、その単語が複数の意味を持つものであるか否かを判定する(ステップS112)。
【0149】
ここで、単語の意味を管理する情報のデータフォーマットの一例を図22に示す。図22は、各種の英単語の意味を管理する情報のデータフォーマットの例を示す図である。このデータフォーマットの例では、単語毎に、「見出し語」、「意味の数」が管理されるほか、1つ目に意味に関する情報として、「意味1が属する分野」、「意味1発音記号」、「意味1品詞」、「意味1意味詳述」が管理され、その単語が複数の意味を持つ場合は、さらに、2つ目に意味に関する情報、場合によっては3つ目に意味に関する情報・・・が上記1つ目に意味に関する情報と同じ様式で管理される。
【0150】
例えば、その単語が単一の意味を持つのか複数の意味を持つのかは、「意味の数」から判定することができる。また、1つ目の意味が属する分野は、「意味1が属する分野」から判定することができる。2つ目の意味が属する分野は、「意味2が属する分野」から判定することができる。3つ目以降の意味についても同じように分野を判定することができる。
【0151】
ステップS112において、上記単語が複数の意味を持たず、単一の意味を持つものであれば(ステップS112のNO)、電子辞書10のCPU21は、通常通りにその単語の意味をメイン表示エリア17Mに表示させる(ステップS115)。一方、上記単語が複数の意味を持つものであれば(ステップS112のYES)、当該複数の意味の中に、関心分野情報(関心分野情報管理データ記憶エリア22gに保管された関心分野情報)に示される相対的に関心度が高い分野に属する意味が存在するか否かを判定する(ステップS113)。
【0152】
上記複数の意味の中に、相対的に関心度が高い分野に属する意味が存在しないのであれば(ステップS113のNO)、電子辞書10のCPU21は、通常通りにその単語の複数の意味をメイン表示エリア17Mに表示させる(ステップS115)。一方、上記複数の意味の中に、相対的に関心度が高い分野に属する意味が存在するのであれば(ステップS113のYES)、その単語の複数の意味のうち、相対的に関心度が高い分野に属する意味が、ほかの意味よりも目立つようにメイン表示エリア17Mに表示させる(ステップS114)。
【0153】
図21においてS112の処理は省略することができる。すなわち単一の意味しか持たない単語であっても、ステップS113において相対的に関心度の高い分野に属する意味を持つ単語であれば目立たせる表示を実施し、そうでなければ通常の表示を実施すればよい。相対的に関心度が高い分野に属する単語を一番上に表示する処理であれば、表示する意味が一つしかないので通常表示と同じ結果となる。
【0154】
図21では、検索する辞書コンテンツが一つである場合を説明したが、同じ種類の辞書コンテンツが複数電子辞書10に含まれる場合がある(例えば異なる複数の出版社が出版した英和辞典)。この場合は複数の辞書に含まれる複数の意味のすべてを検索し、相対的に関心度の高い分野に属する辞書コンテンツの意味を目立たせるようにすればよい。このとき複数の辞書コンテンツのうち、2以上の辞書コンテンツの意味が同時に相対的に関心度の高い分野に属する場合が考えられるが、そのような場合は該当する2以上の辞書コンテンツのすべての意味を目立つように表示してよい。
【0155】
さらに図21では単語を検索する場合を説明したが、検索する語句は単語に限らず、慣用句、連語、複合語等、辞書で検索する語句であってよい。検索した語句が複数の意味を持つ場合は図21で説明した処理が適用される。
【0156】
図23は、サーバ30が生成した関心分野情報を利用してコンテンツ紹介情報を生成し電子辞書10へ送信する動作の一例を示す図である。また、図24は、図23の動作において参照される辞書コンテンツ情報のデータフォーマットの一例を示す図である。図25は、電子辞書10がサーバ30から送信されてくるコンテンツ紹介情報を利用した表示を行う動作の一例を示す図である。
【0157】
図23において、サーバ30のCPU31は、すでに生成した関心分野情報に示される各種のトピックの関心度の割合や順位を示す情報に基づき、電子辞書10への導入を推薦する辞書コンテンツ名(例えば、関心度が一位の辞書コンテンツ名、あるいは関心度が一位から三位までの辞書コンテンツ名)を、各種の辞書コンテンツを管理する辞書コンテンツ情報から導出する(ステップS121)。
【0158】
ここで、各種の辞書コンテンツを管理する辞書コンテンツ情報のデータフォーマットの一例を図24に示す。このデータフォーマットの例では、辞書コンテンツ毎に、「辞書コンテンツ名」、「コンテンツが属する分野」、「コンテンツ内容」などの情報が管理される。
【0159】
例えば、そのコンテンツがどの分野に属するのかは、「コンテンツが属する分野」から判定することができる。この「コンテンツが属する分野」が、ユーザの関心度が相対的に高い分野(トピック)である場合、サーバ30のCPU31は、該当するコンテンツをユーザに紹介すべくそのコンテンツ名を導出する。
【0160】
なお、その辞書コンテンツ情報から辞書コンテンツ名を導出する場合、サーバ30のCPU31は、例えば電子辞書管理データ記憶エリア32bに予め記憶されている、該当する電子辞書が既に搭載している辞書コンテンツ名などの情報を確認し、その電子辞書にとって未搭載の辞書コンテンツ名を導出する。
【0161】
サーバ30のCPU31は、導出した辞書コンテンツ名を含むコンテンツ紹介情報を電子辞書10に送信する(ステップS122)。
【0162】
図25において、電子辞書10のCPU21は、サーバ30から送信されてくるコンテンツ紹介情報を受信すると(ステップS131)、このコンテンツ紹介情報に基づき、導入を推薦する別売の辞書コンテンツなどを紹介する情報をメイン表示エリア17Mに表示させる(ステップS132)。
【0163】
<実施形態のまとめ>
実施形態においては、情報機器類の使用形態として、使用形態(1),(2),(3)を用途に応じて自由で適用することが可能である。
【0164】
使用形態(1)では、電子辞書10は、定期的に文書Daをルータ20経由でサーバ30に送信する。一方、サーバ30は、電子辞書10から送信されてくる文書Daを受信し、当該文書に含まれる検索履歴の情報をトピックモデルで解析することにより、ユーザが高い関心を抱くと推定されるトピック(即ち、分野)を示す情報(関心分野情報)を生成したり、この関心分野情報に基づいてユーザに別売コンテンツを紹介する情報(コンテンツ紹介情報)を生成したりし、生成した関心分野情報やコンテンツ紹介情報を電子辞書10に送信する。これにより、関心分野情報やコンテンツ紹介情報を生成することができない電子辞書10に対し、関心分野情報やコンテンツ紹介情報を提供することができる。よって、電子辞書10は、サーバ30から送信されてくる関心分野情報やコンテンツ紹介情報を受信し、受信した関心分野情報に応じて電子辞書10の単語検索結果の中のユーザの関心度が相対的に高いと推定される部分を目立たせる表示を行ったり、受信したコンテンツ紹介情報に応じて未搭載の別売コンテンツの導入を薦める表示を行ったりすることができる。
【0165】
この使用形態(1)は、電子辞書10における単語等の検索の快適性を向上させることを可能にする。
【0166】
また、使用形態(2)では、携帯情報機器11は、ユーザがウェブページ上で単語もしくは文を選択する操作に応じて、その選択した単語もしくは文の情報を電子辞書10の検索履歴の一部をなす情報としてサーバ30に送信する共に電子辞書10に送信すると処理を行う。これにより、サーバ30側ではより多くの検索履歴を解析に使用することができるため、より精度の高い関心分野情報を生成することができ、電子辞書10に対してより精度の高い関心分野情報を提供することができる。また、携帯情報機器11は、選択した単語もしくは文の情報をサーバに送信するに際し、選択した単語もしくは文が記載されたページのURLの情報も併せて送信する処理を行う。これにより、サーバ30側ではURLに示されるページも解析に使用することができるため、ユーザの関心度がより反映されたより精度の高い関心分野情報を生成することができ、電子辞書10に対してより精度の高い関心分野情報を提供することができる。
【0167】
この使用形態(2)は、携帯情報機器11と電子辞書10との連携により、電子辞書10における単語等の検索の快適性をさらに向上させることを可能にする。
【0168】
また、使用形態(3)では、電子辞書10は、定期的に文書Dcを複数の電子辞書10-1,10-2,10-3の各々から取得してルータ20経由でサーバ30に送信する。一方、サーバ30は、電子辞書10から送信されてくる個々の文書Dcに含まれる検索履歴の情報をトピックモデルで解析することにより、ユーザが高い関心を抱くと推定されるトピック(即ち、分野)を示す情報(関心分野情報)を生成したり、この関心分野情報に基づいてユーザに別売コンテンツを紹介する情報(コンテンツ紹介情報)を生成したりし、生成した関心分野情報やコンテンツ紹介情報を電子辞書10に送信する。これにより、電子辞書10は、サーバ30から送信されてくる関心分野情報やコンテンツ紹介情報を受信して複数の電子辞書10-1,10-2,10-3に転送する(もしくは、電子辞書10を経由せずに、サーバ30から送信される関心分野情報やコンテンツ紹介情報を複数の電子辞書10-1,10-2,10-3が受信する)。よって、複数の電子辞書10-1,10-2,10-3は、受信した関心分野情報に応じて当該電子辞書の単語検索結果の中のユーザの関心度が相対的に高いと推定される部分を目立たせる表示を行ったり、受信したコンテンツ紹介情報に応じて未搭載の別売コンテンツの導入を薦める表示を行ったりすることができる。
【0169】
この使用形態(3)は、関心事が共通する複数のユーザに共通した関心分野情報やコンテンツ紹介情報を提供し、当該ユーザの電子辞書10-1,10-2,10-3における単語等の検索の快適性を向上させることを可能にする。
【0170】
以上詳述したように実施形態によれば、電子辞書における単語等の検索の快適性を向上させることが可能になる。
【0171】
以上の実施形態において記載した各処理の手法、例えば図11図21図23図25のフローチャートに示す処理などの手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカードなど)、磁気ディスク(フロッピ(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD-ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの外部記録装置の媒体に格納して配布することができる。そして、各情報機器のコンピュータ(CPU)は、この外部記録装置の媒体に記録されたプログラムを記憶装置に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、各実施形態において説明した各種の機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0172】
また、各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク(N)上を伝送させることができ、この通信ネットワーク(N)に接続されたコンピュータ装置(プログラムサーバ)から、前記プログラムのデータを電子機器に取り込んで記憶装置に記憶させ、同じ機能を実現することもできる。
【0173】
本発明は、各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【0174】
以下に、本出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0175】
[付記1]
プロセッサを備えた電子辞書であって、
前記プロセッサは、
前記電子辞書においてユーザが過去に検索した個々の語句もしくは文を含む検索履歴の情報をトピックモデルで解析して得られる各種のトピックの中で最も大きな割合を占めるトピックをユーザにとって相対的に関心度が高い分野として示す情報を含む関心分野情報を取得する関心分野情報取得処理と、
語句の検索を指示するユーザの操作に応じて、その語句に対する複数の意味を辞書コンテンツデータから取得して表示部に表示させるに際し、前記複数の意味のうち、前記関心分野情報に示される相対的に関心度が高い分野に属する意味が、ほかの相対的に関心度が低い意味よりも目立つように表示部に表示させる関心分野優先表示処理と、
を実行する電子辞書。
【0176】
[付記2]
前記プロセッサは、
前記関心分野優先表示処理を実行するに際し、前記複数の意味のうち、前記関心分野情報に示される相対的に関心度が高い分野に属する意味が、最上位に位置するよう表示させる、
付記1に記載の電子辞書。
【0177】
[付記3]
前記プロセッサは、
前記関心分野情報を基に前記電子辞書への導入を推薦する辞書コンテンツを紹介するコンテンツ紹介情報を表示部に表示させる処理をさらに実行する、
付記1又は付記2に記載の電子辞書。
【0178】
[付記4]
電子辞書とサーバ装置とが通信を行う情報処理システムであって、
前記電子辞書は、
当該電子辞書においてユーザが過去に検索した個々の語句もしくは文を含む検索履歴の情報を前記サーバ装置に送信する送信処理を実行するプロセッサを備え、
前記サーバ装置は、
前記電子辞書から送信される前記検索履歴の情報を受信する受信処理と、前記検索履歴の情報をトピックモデルで解析して得られる各種のトピックの中で最も大きな割合を占めるトピックをユーザにとって相対的に関心度が高い分野として示す情報を含む関心分野情報を生成する関心分野情報生成処理と、前記生成した関心分野情報を前記電子辞書に送信する送信処理とを実行するプロセッサを備え、
前記電子辞書のプロセッサは、
前記サーバ装置から送信される前記関心分野情報を受信する受信処理と、語句の検索を指示するユーザの操作に応じて、その語句に対する複数の意味を辞書コンテンツデータから取得して表示部に表示させるに際し、前記複数の意味のうち、前記関心分野情報に示される相対的に関心度が高い分野に属する意味が、ほかの相対的に関心度が低い意味よりも目立つように表示部に表示させる関心分野優先表示処理とを実行する、
情報処理システム。
【0179】
[付記5]
前記電子辞書のプロセッサは、
前記関心分野優先表示処理を実行するに際し、前記複数の意味のうち、前記関心分野情報に示される相対的に関心度が高い分野に属する意味が、最上位に位置するよう表示させる、
付記4に記載の情報処理システム。
【0180】
[付記6]
前記サーバ装置のプロセッサは、
前記関心分野情報を基に前記電子辞書への導入を推薦する辞書コンテンツの情報を導出して前記電子辞書に送信する処理をさらに実行し、
前記電子辞書のプロセッサは、前記サーバ装置から送信される情報を基に前記電子辞書への導入を推薦する辞書コンテンツを紹介するコンテンツ紹介情報を表示部に表示させる処理をさらに実行する、
付記4又は付記5に記載の情報処理システム。
【0181】
[付記7]
前記電子辞書のユーザが使用する携帯情報機器をさらに含み、
前記携帯情報機器は、
当該携帯情報機器においてユーザがウェブページ上で語句もしくは文を選択する操作に応じて、その選択した語句もしくは文の情報を前記電子辞書の検索履歴の一部をなす情報として前記サーバに送信する共に前記電子辞書に送信すると処理を行う、
付記4に記載の情報処理システム。
【0182】
[付記8]
前記携帯情報機器は、前記選択した語句もしくは文の情報を前記サーバに送信するに際し、前記選択した語句もしくは文が記載されたページのURL(Uniform Resource Locator)の情報も併せて送信する処理を行う、
付記7に記載の情報処理システム。
【0183】
[付記9]
電子辞書とサーバ装置とが通信を行う情報処理システムに適用される情報処理方法であって、
前記電子辞書により、
前記検索履歴の情報を前記サーバ装置に送信する送信処理を行い、
前記サーバ装置により、
前記電子辞書から送信される前記検索履歴の情報を受信する受信処理と、前記検索履歴の情報をトピックモデルで解析して得られる各種のトピックの中で最も大きな割合を占めるトピックをユーザにとって相対的に関心度が高い分野として示す情報を含む関心分野情報を生成する関心分野情報生成処理と、生成した関心分野情報を前記電子辞書に送信する送信処理とを行い、
前記電子辞書より、
前記サーバ装置から送信される前記関心分野情報を受信する受信処理と、語句の検索を指示するユーザの操作に応じて、その語句に対する複数の意味を辞書コンテンツデータから取得して表示部に表示させるに際し、前記複数の意味のうち、前記関心分野情報に示される相対的に関心度が高い分野に属する意味が、ほかの相対的に関心度が低い意味よりも目立つように表示部に表示させる関心分野優先表示処理とを行う、
情報処理方法。
【0184】
[付記10]
前記電子辞書のユーザが使用する携帯情報機器により、
当該携帯情報機器においてユーザがウェブページ上で語句もしくは文を選択する操作に応じて、その選択した語句もしくは文の情報を前記電子辞書の検索履歴の一部をなす情報として前記サーバに送信すると共に前記電子辞書に送信する処理を行う、
付記9に記載の情報処理方法。
【0185】
[付記11]
前記選択した語句もしくは文の情報を前記サーバに送信するに際し、前記選択した語句もしくは文が記載されたページのURL(Uniform Resource Locator)の情報も併せて送信する処理を行う、
付記10に記載の情報処理方法。
【0186】
[付記12]
電子辞書のプロセッサに、
当該電子辞書においてユーザが過去に検索した個々の語句もしくは文を含む検索履歴の情報をトピックモデルで解析して得られる各種のトピックの中で最も大きな割合を占めるトピックをユーザにとって相対的に関心度が高い分野として示す情報を含む関心分野情報を取得する関心分野情報取得処理と、
語句の検索を指示するユーザの操作に応じて、その語句に対する複数の意味を辞書コンテンツデータから取得して表示部に表示させるに際し、前記複数の意味のうち、前記関心分野情報に示される相対的に関心度が高い分野に属する意味が、ほかの相対的に関心度が低い意味よりも目立つように表示部に表示させる関心分野優先表示処理と、
を実行させるためのプログラム。
【0187】
[付記13]
親機の電子辞書と複数の子機の電子辞書とが通信を行う電子辞書システムであって、
前記親機の電子辞書は、
前記複数の子機の電子辞書においてユーザが過去に検索した個々の語句もしくは文を含む検索履歴の情報をトピックモデルで解析して得られる各種のトピックの中で最も大きな割合を占めるトピックをユーザにとって相対的に関心度が高い分野として示す情報を含む関心分野情報を取得する関心分野情報取得処理と、前記取得した関心分野情報を前記複数の子機の電子辞書に送信する送信処理とを実行するプロセッサを備え、
前記複数の子機の電子辞書は、
前記親機の電子辞書から送信される前記関心分野情報を受信する受信処理と、語句の検索を指示するユーザの操作に応じて、その語句に対する複数の意味を辞書コンテンツデータから取得して表示部に表示させるに際し、前記複数の意味のうち、前記関心分野情報に示される相対的に関心度が高い分野に属する意味が、ほかの相対的に関心度が低い意味よりも目立つように表示部に表示させる関心分野優先表示処理とを実行するプロセッサを備える、
電子辞書システム。
【0188】
[付記14]
前記複数の子機の電子辞書のプロセッサは、
前記関心分野優先表示処理を実行するに際し、前記複数の意味のうち、前記関心分野情報に示される相対的に関心度が高い分野に属する意味が、最上位に位置するよう表示させる、
付記13に記載の電子辞書システム。
【0189】
[付記15]
前記親機の電子辞書のプロセッサは、
前記関心分野情報を基に当該親機もしくは前記子機の電子辞書への導入を推薦する辞書コンテンツを紹介するコンテンツ紹介情報を表示部に表示させる処理をさらに実行する、
付記13又は付記14に記載の電子辞書システム。
【0190】
[付記16]
複数の子機の電子辞書と通信する親機の電子辞書とサーバ装置とが通信を行う情報処理システムであって、
前記親機の電子辞書は、
前記複数の子機の電子辞書においてユーザが過去に検索した個々の語句もしくは文を含む検索履歴の情報を前記サーバ装置に送信する送信処理を実行するプロセッサを備え、
前記サーバ装置は、
前記親機の電子辞書から送信される前記検索履歴の情報を受信する受信処理と、前記複数の子機の電子辞書においてユーザが過去に検索した個々の語句もしくは文を含む検索履歴の情報をトピックモデルで解析して得られる各種のトピックの中で最も大きな割合を占めるトピックをユーザにとって相対的に関心度が高い分野として示す情報を含む関心分野情報を生成する関心分野情報生成処理と、前記生成した関心分野情報を前記親機の電子辞書に送信する送信処理とを実行するプロセッサを備え、
前記親機の電子辞書のプロセッサは、
前記サーバ装置から送信される前記関心分野情報を受信する受信処理と、前記受信した関心分野情報を前記複数の子機の電子辞書に送信する送信処理とを実行し、
前記複数の子機の電子辞書は、
前記親機の電子辞書から送信される前記関心分野情報を受信する受信処理と、語句の検索を指示するユーザの操作に応じて、その語句に対する複数の意味を辞書コンテンツデータから取得して表示部に表示させるに際し、前記複数の意味のうち、前記関心分野情報に示される相対的に関心度が高い分野に属する意味が、ほかの相対的に関心度が低い意味よりも目立つように表示部に表示させる関心分野優先表示処理とを実行するプロセッサを備える、
情報処理システム。
【0191】
[付記17]
前記複数の子機の電子辞書のプロセッサは、
前記関心分野優先表示処理を実行するに際し、前記複数の意味のうち、前記関心分野情報に示される相対的に関心度が高い分野に属する意味が、最上位に位置するよう表示させる、
付記16記載の情報処理システム。
【0192】
[付記18]
前記サーバ装置のプロセッサは、
前記関心分野情報を基に前記親機の電子辞書もしくは前記子機の電子辞書への導入を推薦する辞書コンテンツの情報を導出して前記親機の電子辞書に送信する処理をさらに実行し、
前記親機の電子辞書のプロセッサは、前記サーバ装置から送信される情報を基に当該親機の電子辞書もしくは前記子機の電子辞書への導入を推薦する辞書コンテンツを紹介する情報を表示部に表示させる処理をさらに実行する、
付記16又は付記17に記載の情報処理システム。
【0193】
[付記19]
複数の子機の電子辞書と通信する親機の電子辞書とサーバ装置とが通信を行う情報処理システムに適用される情報処理方法であって、
前記親機の電子辞書により、
前記複数の子機の電子辞書においてユーザが過去に検索した個々の語句もしくは文を含む検索履歴の情報を前記サーバ装置に送信する送信処理を行い、
前記サーバ装置により、
前記親機の電子辞書から送信される前記検索履歴の情報を受信する受信処理と、前記複数の子機の電子辞書においてユーザが過去に検索した個々の語句もしくは文を含む検索履歴の情報をトピックモデルで解析して得られる各種のトピックの中で最も大きな割合を占めるトピックをユーザにとって相対的に関心度が高い分野として示す情報を含む関心分野情報を生成する関心分野情報生成処理と、生成した関心分野情報を前記親機の電子辞書に送信する送信処理とを行い、
前記親機の電子辞書により、
前記サーバ装置から送信される前記関心分野情報を受信する受信処理と、前記受信した関心分野情報を前記複数の子機の電子辞書に送信する送信処理とを行い、
前記複数の子機の電子辞書により、
前記親機の電子辞書から送信される前記関心分野情報を受信する受信処理と、語句の検索を指示するユーザの操作に応じて、その語句に対する複数の意味を辞書コンテンツデータから取得して表示部に表示させるに際し、前記複数の意味のうち、前記関心分野情報に示される相対的に関心度が高い分野に属する意味が、ほかの相対的に関心度が低い意味よりも目立つように表示部に表示させる関心分野優先表示処理とを行う、
情報処理方法。
【符号の説明】
【0194】
10…電子辞書
11…携帯情報機器
14…キー入力部(キーボード)
14a…[ホーム]キー
14b…機能指定キー
14c…文字入力キー
14d…[決定]キー
14e…[戻る]キー
14f…カーソルキー
14g…[シフト]キー
14h…[履歴]キー
14i…[復習支援]キー
15…音声出力部(スピーカ)
16…音声入力部(マイク)
17…タッチパネル式表示部(ディスプレイ)
17A…タッチキーエリア
17M…メイン表示エリア
17S…サブ表示エリア
20…ルータ
21…CPU(プロセッサ)
22…記憶部(ストレージ)
22a…検索処理プログラム
22b…学習処理プログラム
22c…学習コンテンツ記憶エリア
22c1…単語学習コンテンツ
22c2…文法学習コンテンツ
22c3…発音学習コンテンツ
22c4…模擬テストコンテンツ
22d…辞書データ記憶エリア
22e…検索履歴記憶エリア
22f…関心分野情報管理プログラム
22g…関心分野情報管理データ記憶エリア
23…外部記録媒体(ストレージ)
24…記録媒体読取部
25…通信部
30…サーバ
31…管理サーバのCPU(プロセッサ)
32…管理サーバの記憶部(ストレージ)
32a…管理サーバプログラム
32b…電子辞書管理データ記憶エリア
32c…辞書コンテンツデータ記憶エリア
32d…学習コンテンツデータ記憶エリア
35…管理サーバの通信部
N…通信ネットワーク(インターネット)
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