(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-10
(45)【発行日】2025-02-19
(54)【発明の名称】画像形成システム、画像形成装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20250212BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20250212BHJP
【FI】
H04N1/00 127Z
H04N1/00 350
B41J29/38 202
(21)【出願番号】P 2021009595
(22)【出願日】2021-01-25
【審査請求日】2024-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】平澤 由
(72)【発明者】
【氏名】谷本 智史
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-150450(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像形成装置を備える画像形成システムであって、
複数の前記画像形成装置の各々は、
画像形成処理を実行する画像形成部と、
画像形成に関する動作設定を含む設定情報を記憶する記憶部と、
前記設定情報に基づき動作する制御部と、
メディアインタフェースと、
ユーザインタフェースと、
を備え、
複数の前記画像形成装置の1つである第1画像形成装置の前記制御部は、
前記メディアインタフェースに記憶メディアが接続され、所定条件が成立したか否かを判断する第1判断処理と、
前記第1判断処理により前記所定条件が成立したと判断したことに基づいて、前記メディアインタフェースに接続された前記記憶メディアに前記設定情報が記憶されているか否かを判断する第2判断処理と、
前記第2判断処理により前記記憶メディアに前記設定情報が記憶されていないと判断したことに基づいて、データパスワードを前記ユーザインタフェースで受け付ける第1受付処理と、
前記第1受付処理で前記データパスワードを受け付けたことに基づいて、前記記憶部に記憶された情報であって前記画像形成に関する動作設定を含むことが可能である前記設定情報を、前記第1受付処理で受け付けた前記データパスワードで暗号化し、暗号化した前記設定情報を前記記憶メディアにエクスポートするエクスポート処理と、
を実行し、
前記第2判断処理は、
前記メディアインタフェースに接続された記憶メディアに、エクスポート設定情報が記憶されている場合に、前記記憶メディアに前記設定情報が記憶されていると判断する処理であり、前記エクスポート設定情報は、複数の前記画像形成装置の1つにおける前記エクスポート処理によりエクスポートされた前記設定情報であり、
複数の前記画像形成装置の1つである第2画像形成装置の前記制御部は、
前記第1判断処理と、
前記第2判断処理と、
前記第1画像形成装置の前記エクスポート処理によりエクスポートされた前記エクスポート設定情報を記憶した前記記憶メディアを接続されており、前記メディアインタフェースに接続された前記記憶メディアに前記エクスポート設定情報が記憶されていると前記第2判断処理によって判断したことに基づいて、前記データパスワードを前記ユーザインタフェースで受け付ける第2受付処理と、
前記第2受付処理で前記データパスワードを受け付けたことに基づいて、前記記憶メディアに記憶された前記エクスポート設定情報を、前記第2受付処理で受け付けた前記データパスワードで復号化し、復号化した前記エクスポート設定情報をインポートするインポート処理と、
を実行し、
前記インポート処理によるインポートの後は、前記インポート処理でインポートした前記
エクスポート設定情報を用いて各種処理を実行し、
前記第1画像形成装置は、
前記インポート処理を実行可能であり、
前記第2画像形成装置は、
前記エクスポート処理を実行可能である、画像形成システム。
【請求項2】
画像形成処理を実行する画像形成部と、
画像形成に関する動作設定を含む設定情報を記憶する記憶部と、
前記設定情報に基づき動作する制御部と、
メディアインタフェースと、
ユーザインタフェースと、
を備え、
前記制御部は、
前記メディアインタフェースに記憶メディアが接続され、所定条件が成立したか否かを判断する第1判断処理と、
前記第1判断処理により前記所定条件が成立したと判断したことに基づいて、前記メディアインタフェースに接続された前記記憶メディアに前記設定情報が記憶されているか否かを判断する第2判断処理と、
前記第2判断処理により前記記憶メディアに前記設定情報が記憶されていないと判断したことに基づいて、データパスワードを前記ユーザインタフェースで受け付ける第1受付処理と、
前記第1受付処理で前記データパスワードを受け付けたことに基づいて、前記記憶部に記憶された情報であって前記画像形成に関する動作設定を含むことが可能である前記設定情報を、前記第1受付処理で受け付けた前記データパスワードで暗号化し、暗号化した前記設定情報を前記記憶メディアにエクスポートするエクスポート処理と、
前記第2判断処理により前記記憶メディアに前記設定情報が記憶されていると判断したことに基づいて、前記データパスワードを前記ユーザインタフェースで受け付ける第2受付処理と、
前記第2受付処理で前記データパスワードを受け付けたことに基づいて、前記記憶メディアに記憶された前記設定情報を、前記第2受付処理で受け付けた前記データパスワードで復号化し、復号化した前記設定情報をインポートするインポート処理と、
を実行する、画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1判断処理において、前記ユーザインタフェースに対する所定の操作が行われている状態で、前記メディアインタフェースに前記記憶メディアが接続されたことを検出すると、前記所定条件が成立したと判断する、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記データパスワードを設定可能なエクスポート用指示情報が前記記憶メディアに記憶されているか否かを判断する第3判断処理と、
前記第3判断処理により前記エクスポート用指示情報が前記記憶メディアに記憶されていると判断したことに基づいて、前記記憶部に記憶された前記設定情報を、前記エクスポート用指示情報に設定された前記データパスワードで暗号化し、暗号化した前記設定情報を前記記憶メディアにエクスポートする第2エクスポート処理と、
を実行し、
前記第3判断処理により前記エクスポート用指示情報が前記記憶メディアに記憶されていないと判断したことに基づいて、前記第2判断処理を実行する請求項2又は請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記データパスワードを設定可能なインポート用指示情報が前記記憶メディアに記憶されているか否かを判断する第4判断処理と、
前記第4判断処理により前記インポート用指示情報が前記記憶メディアに記憶されていると判断したことに基づいて、前記記憶メディアに記憶された前記設定情報を、前記インポート用指示情報に設定された前記データパスワードで復号化し、復号化した前記設定情報をインポートする第2インポート処理と、
を実行し、
前記第4判断処理により前記インポート用指示情報が前記記憶メディアに記憶されていないと判断したことに基づいて、前記第2判断処理を実行する、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記第2判断処理により前記記憶メディアに前記設定情報が記憶されていないと判断した後から、前記エクスポート処理を開始するまでの間に、前記エクスポート処理が開始されることを報知する第1報知処理と、
前記第2判断処理により前記記憶メディアに前記設定情報が記憶されていると判断した後から、前記インポート処理を開始するまでの間に、前記インポート処理が開始されることを報知する第2報知処理と、
を実行し、
前記第2エクスポート処理を実行する場合は、実行前に、前記第2エクスポート処理が開始されることを報知せずに実行を開始し、前記第2インポート処理を実行する場合は、実行前に、前記第2インポート処理が開始されることを報知せずに実行を開始する、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第2エクスポート処理及び前記第2インポート処理の各々は、
複数の処理を含み、
前記制御部は、
前記エクスポート用指示情報に基づいて、前記第2エクスポート処理に含まれる複数の処理の少なくとも1つの処理を実行し、
前記インポート用指示情報に基づいて、前記第2インポート処理に含まれる複数の処理の少なくとも1つの処理を実行する、請求項5又は請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記記憶部は、
前記画像形成装置のデバイスパスワードを記憶し、
前記制御部は、
前記第2判断処理により前記記憶メディアに前記設定情報が記憶されていないと判断したことに基づいて、前記デバイスパスワードを前記ユーザインタフェースで受け付け、受け付けた前記デバイスパスワードと、前記記憶部に記憶された前記デバイスパスワードが一致するか否かを判断する第1認証処理を実行し、
前記第1認証処理により前記デバイスパスワードが一致すると判断したことに基づいて、前記エクスポート処理を実行する、請求項2から請求項7の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記第2判断処理により前記記憶メディアに前記設定情報が記憶されていると判断したことに基づいて、前記デバイスパスワードを前記ユーザインタフェースで受け付け、受け付けた前記デバイスパスワードと、前記記憶部に記憶された前記デバイスパスワードが一致するか否かを判断する第2認証処理を実行し、
前記第2認証処理により前記デバイスパスワードが一致すると判断したことに基づいて、前記インポート処理を実行する、請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記第1認証処理において、前記デバイスパスワードが一致しないと判断したことに基づいて、
認証に失敗したことを示す失敗画面を表示し、
前記第2認証処理において、前記デバイスパスワードが一致しないと判断したことに基づいて、
認証に失敗したことを示す失敗画面を表示する、請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記記憶部は、
前記画像形成装置のデバイスパスワードを記憶し、
前記エクスポート用指示情報及び前記インポート用指示情報の各々は、
前記デバイスパスワードを設定可能であり、
前記制御部は、
前記第3判断処理により前記エクスポート用指示情報が前記記憶メディアに記憶されていると判断し、前記データパスワード及び前記デバイスパスワードの両方が前記エクスポート用指示情報に設定されていない場合、前記デバイスパスワードを前記ユーザインタフェースで受け付け、受け付けた前記デバイスパスワードと、前記記憶部に記憶された前記デバイスパスワードが一致するか否かを判断する第3認証処理を実行し、
前記第3認証処理により前記デバイスパスワードが一致すると判断したことに基づいて、前記第2エクスポート処理を実行する、請求項5から請求項7の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記第3判断処理により前記エクスポート用指示情報が前記記憶メディアに記憶されていると判断し、前記データパスワード及び前記デバイスパスワードの両方が前記エクスポート用指示情報に設定されている場合、前記エクスポート用指示情報の前記デバイスパスワードと、前記記憶部に記憶された前記デバイスパスワードが一致するか否かを判断する第4認証処理を実行し、
前記第4認証処理により前記デバイスパスワードが一致すると判断したことに基づいて、前記第2エクスポート処理を実行する、請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記制御部は、
前記第3判断処理により前記エクスポート用指示情報が前記記憶メディアに記憶されていると判断し、前記データパスワード及び前記デバイスパスワードの両方が前記エクスポート用指示情報に設定されていない場合、前記記憶メディアに前記設定情報が記憶されているか否かを判断する第5判断処理を実行し、
前記第5判断処理により前記記憶メディアに前記設定情報が記憶されていると判断したことに基づいて、前記第2エクスポート処理でエクスポートする前記設定情報で、前記記憶メディアに記憶されている前記設定情報を上書きし、
前記第5判断処理により前記記憶メディアに前記設定情報が記憶されていると判断した後、前記設定情報を上書きする前に、上書きすることを報知する上書き報知処理を実行し、
前記第3判断処理により前記エクスポート用指示情報が前記記憶メディアに記憶されていると判断し、前記データパスワード及び前記デバイスパスワードの両方が前記エクスポート用指示情報に設定されている場合、前記記憶メディアに記憶されている前記設定情報が記憶されていれば、前記第2エクスポート処理でエクスポートする前記設定情報で、前記記憶メディアに記憶されている前記設定情報を上書きし、且つ、前記設定情報を上書きする前に、上書きすることの報知を実施しない、請求項11又は請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記記憶部は、
前記画像形成装置のデバイスパスワードを記憶し、
前記インポート用指示情報は、
前記デバイスパスワードを設定可能であり、
前記制御部は、
前記第4判断処理により前記インポート用指示情報が前記記憶メディアに記憶されていると判断し、前記データパスワード及び前記デバイスパスワードの両方が前記インポート用指示情報に設定されていない場合、前記デバイスパスワードを前記ユーザインタフェースで受け付け、受け付けた前記デバイスパスワードと、前記記憶部に記憶された前記デバイスパスワードが一致するか否かを判断する第5認証処理を実行し、
前記第5認証処理により前記デバイスパスワードが一致すると判断したことに基づいて、前記第2インポート処理を実行する、請求項5から請求項7の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記制御部は、
前記第4判断処理により前記インポート用指示情報が前記記憶メディアに記憶されていると判断し、前記データパスワード及び前記デバイスパスワードの両方が前記インポート用指示情報に設定されている場合、前記インポート用指示情報の前記デバイスパスワードと、前記記憶部に記憶された前記デバイスパスワードが一致するか否かを判断する第6認証処理を実行し、
前記第6認証処理により前記デバイスパスワードが一致すると判断したことに基づいて、前記第2インポート処理を実行する、請求項14に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記制御部は、
前記第1受付処理における前記データパスワードの受け付けにおいて、前記エクスポート処理を行うための
エクスポート開始画面を表示し、
前記第2受付処理における前記データパスワードの受け付け処理において、前記インポート処理を行うための
インポート開始画面を表示する、請求項2から請求項15の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項17】
画像形成処理を実行する画像形成部と、画像形成に関する動作設定を含む設定情報を記憶する記憶部と、前記設定情報に基づき動作するコンピュータと、メディアインタフェースと、ユーザインタフェースと、を備える画像形成装置の前記コンピュータが読み取り可能なプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記メディアインタフェースに記憶メディアが接続され、所定条件が成立したか否かを判断する第1判断処理と、
前記第1判断処理により前記所定条件が成立したと判断したことに基づいて、前記メディアインタフェースに接続された前記記憶メディアに前記設定情報が記憶されているか否かを判断する第2判断処理と、
前記第2判断処理により前記記憶メディアに前記設定情報が記憶されていないと判断したことに基づいて、データパスワードを前記ユーザインタフェースで受け付ける第1受付処理と、
前記第1受付処理で前記データパスワードを受け付けたことに基づいて、前記記憶部に記憶された情報であって前記画像形成に関する動作設定を含むことが可能である前記設定情報を、前記第1受付処理で受け付けた前記データパスワードで暗号化し、暗号化した前記設定情報を前記記憶メディアにエクスポートするエクスポート処理と、
前記第2判断処理により前記記憶メディアに前記設定情報が記憶されていると判断したことに基づいて、前記データパスワードを前記ユーザインタフェースで受け付ける第2受付処理と、
前記第2受付処理で前記データパスワードを受け付けたことに基づいて、前記記憶メディアに記憶された前記設定情報を、前記第2受付処理で受け付けた前記データパスワードで復号化し、復号化した前記設定情報をインポートするインポート処理と、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、画像形成装置の設定情報の複製に係わる技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、USBメモリなどの記憶メディアに記憶された装置の設定情報を、自装置の設定情報としてインポートする画像形成装置が記載されている。特許文献1に記載の画像形成装置は、USBメモリから設定情報をインポートする場合、指示情報ファイルに記載されたパスワードに基づいてログイン認証を行う。画像形成装置は、ログイン認証に成功してログイン状態になると、指示情報ファイルに記載された書込み項目に基づいて設定情報をインポートする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の画像形成装置では、設定情報をインポートさせたい場合、指示情報ファイルにパスワードの情報を記載する必要がある。ユーザは、パスワードの情報を含む指示情報ファイルを、テキストデータ等で予め作成しUSBメモリに記憶させる必要であった。
【0005】
本願は、指示情報を用いずに設定情報を複製でき、ユーザビリティを向上できる画像形成システム、画像形成装置、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本願の画像形成装置は、画像形成部と、記憶部と、制御部と、メディアインタフェースと、ユーザインタフェースと、を備え、前記制御部は、前記メディアインタフェースに記憶メディアが接続され、所定条件が成立したか否かを判断する第1判断処理と、前記第1判断処理により前記所定条件が成立したと判断したことに基づいて、前記メディアインタフェースに接続された前記記憶メディアに前記設定情報が記憶されているか否かを判断する第2判断処理と、前記第2判断処理により前記記憶メディアに前記設定情報が記憶されていないと判断したことに基づいて、データパスワードを前記ユーザインタフェースで受け付ける第1受付処理と、前記第1受付処理で前記データパスワードを受け付けたことに基づいて、前記記憶部に記憶された情報であって前記画像形成に関する動作設定を含むことが可能である前記設定情報を、前記第1受付処理で受け付けた前記データパスワードで暗号化し、暗号化した前記設定情報を前記記憶メディアにエクスポートするエクスポート処理と、前記第2判断処理により前記記憶メディアに前記設定情報が記憶されていると判断したことに基づいて、前記データパスワードを前記ユーザインタフェースで受け付ける第2受付処理と、前記第2受付処理で前記データパスワードを受け付けたことに基づいて、前記記憶メディアに記憶された前記設定情報を、前記第2受付処理で受け付けた前記データパスワードで復号化し、復号化した前記設定情報をインポートするインポート処理と、を実行する。
【0007】
また、本願に開示の内容は、画像形成装置としての実施に限らず、各種の形態での実施が可能である。例えば、本願の開示の内容は、複数の画像形成装置を備える画像形成システム、画像形成装置のコンピュータで読み取り可能なプログラムとして実施しても有益である。
【発明の効果】
【0008】
本願に係る画像形成システム、画像形成装置、及びプログラムによれば、指示情報を用いずに設定情報を複製でき、ユーザビリティを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本願の一実施形態に係る印刷システムの概要を示す概念図である。
【
図3】インポート/エクスポート処理を示すフローチャートである。
【
図4】エクスポートテキストがある時のエクスポート処理のフローチャートである。
【
図5】インポートテキストがある時のインポート処理のフローチャートである。
【
図6】インポートテキストがない時のインポート処理のフローチャートである。
【
図7】エクスポートテキストがない時のエクスポート処理のフローチャートである。
【
図8】インポートテキスト、エクスポートテキストの内容を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本願に係わる画像形成システムを具体化した一実施形態である印刷システム1について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、印刷システム1の概要を概念的に示している。印刷システム1は、例えば、複数(図示例では2台)のMFP(Multi Function Peripheralの略)3を備え、複数のMFP3のうち、任意のMFP3から設定情報6を、設定ファイル7としてUSBメモリ5にエクスポートし、他のMFP3にインポートすることで、設定情報6を複数のMFP3に複製できる。説明の便宜上、設定情報6をエクスポートするMFP3を、MFP3A、インポートするMFP3を、MFP3Bと称する。また、複数のMFP3を総称する場合は、MFP3と記載する。MFP3A,3Bは、例えば、同一機種である。また、MFP3内に記憶されている設定情報を、設定情報6、設定ファイル7に記憶した設定情報を、設定情報6Aと称して説明する。
【0011】
図2に示すように、MFP3は、例えば、印刷機能、コピー機能、スキャナ機能、FAX機能を備える複合機である。MFP3は、メモリ11、CPU12、印刷部14、画像を読み取る画像読取部15、FAXを送受信するFAXIF(インタフェースの略)18、ユーザIF20、ネットワークIF21、USBIF23などを備えている。これらのCPU12等は、バス10で互いに接続されている。
【0012】
メモリ11は、例えば、RAM、ROM、不揮発性メモリ(EEPROMなど)を備えている。また、メモリ11は、HDD、NVRAM、フラッシュメモリ等を備えても良い。また、メモリ11は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non-transitoryな媒体である。non-transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。また、non-transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体である。しかし、この種の電気信号は、non-transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。
【0013】
また、メモリ11には、例えば、不揮発性の記憶領域にデバイスパスワードDVP1、設定情報6が記憶される。印刷部14は、例えば電子写真方式の印刷エンジンを有し、電子写真方式により印刷を実行する。尚、印刷エンジンは、インクジェットヘッド等を用いてインクジェット方式で印刷する構成であっても良い。
【0014】
ユーザIF20は、例えば、タッチパネルやキーを備える。本実施形態のユーザIF20は、ストップキー27を備える。ストップキー27は、MFP3の実行中の動作や処理を停止させるための指示を入力するためのキーである。ネットワークIF21は、例えば、LANインタフェースである。USBIF23は、USB規格に準拠したインタフェースであり、USBポート29を介して、USBメモリ5との間でデータを送受信する。
【0015】
メモリ11には、例えば、CPU12により実行される各種のプログラム30が、不揮発性の記憶領域に記憶されている。プログラム30は、例えば、MFP3の各部を統括的に制御するプログラムである。本実施形態では、主に、プログラム30に記述された命令に従ったCPU12の処理を示す。CPU12による処理は、ハードウェア制御も含む。即ち、以下の説明における「判断」、「エクスポート」等の処理は、CPU12の処理を表している。尚「取得」は要求を必須とはしない概念で用いる。即ち、CPU12が要求することなくデータを受信するという処理も、「CPU12がデータを取得する」という概念に含まれる。また、以下の説明では、CPU12でプログラム30を実行するMFP3のことを、単に装置名で記載する場合がある。例えば、「CPU12がUSBIF23を介してUSBメモリ5の設定ファイル7から設定情報6を読み取る」という記載は、「MFP3がCPU12でプログラム30を実行することでUSBIF23を制御し、USBIF23を介してUSBメモリ5の設定ファイル7から設定情報6を読み取る」ということを意味する場合がある。
【0016】
図3~
図7は、インポート/エクスポート処理の内容を示している。尚、
図3~
図7中の各処理の手順の説明において、ステップを「S」と表記する。CPU12は、例えば、電源を投入され、プログラム30を実行してシステムを起動すると、
図3~
図7の処理を開始する。
【0017】
まず、CPU12は、USBポート29にUSBメモリ5が装着されたことを検出すると(S11:YES)、ストップキー27が押下された状態であるか否かを判断する(S13)。CPU12は、ストップキー27が押下された状態でない場合(S13:NO)、
図3に示す処理を終了する。この場合、CPU12は、例えば、USBメモリ5を外部メモリとして使用し、データの読み込み処理や書き込み処理を実行する。例えば、ストップキー27を押下せずに、USBメモリ5を挿入すると、CPU12は、USBメモリ5に記憶された印字データの印刷や、スキャンしたデータをUSBメモリ5に記憶するなどの動作を実行する。
【0018】
CPU12は、ストップキー27が押下された状態である場合(S13:YES)、S15以降を実行することで、インポート処理又はエクスポート処理を実行する。従って、CPU12は、例えば、ストップキー27が押されたままUSBメモリ5が装着されると、インポート処理又はエクスポート処理を実行する。ストップキー27の操作は、所定条件の一例である。所定条件は、ストップキー27が押されたままUSBメモリ5が装着される、という条件に限らず、電源キーなど他のキーが押されたまま、複数のキーが同時押しされたまま、用紙トレイが開放されたまま、などの状態でUSBメモリ5が装着される、という条件でも良い。また、ストップキー27、他のキーの長押し、複数キーの同時押し、などが行われたあと、所定時間内にUSBメモリ5が装着される、という条件でも良い。ストップキー27や他のキーは、ハードウェアキーではなく、タッチパネルに表示されたソフトウェアキーでも良い。キーをボタンと称しても良い。
【0019】
CPU12は、S15において、USBメモリ5にエクスポートテキストが記憶されているか否かを判断する。エクスポートテキスト33は、例えば、「export.txt」(
図1参照)といった所定のファイル名で、テキスト形式で記憶される。CPU12は、S15において、USBメモリ5の中に、ファイル名が「export.txt」のファイルが存在した場合、エクスポートテキスト33が記憶されていると判断し(S15:YES)、S17を実行する。
【0020】
一方、CPU12は、エクスポートテキスト33が記憶されていない場合(S15:NO)、USBメモリ5にインポートテキスト34が記憶されているか否かを判断する(S19)。CPU12は、例えば、USBメモリ5の中に、ファイル名が「import.txt」(
図1参照)のファイルが記憶されていた場合(S19:YES)、S21を実行し、記憶されていない場合(S19:NO)、USBメモリ5に設定ファイル7が記憶されているか否かを判断する(S23)。CPU12は、例えば、USBメモリ5の中に、ファイル名が「Backup.bin」(
図1参照)のファイルが記憶されていた場合(S23:YES)、S25を実行し、記憶されていない場合(S23:NO)、S27を実行する。尚、「Backup.bin」は、後述するエクスポート処理で、他のMFP3がエクスポートした設定ファイル7である。また、CPU12は、S23の判断処理において、MFP3がエクスポートした「Backup.bin」だけでなく、PCアプリなど、他の手段で作成された、「Backup.bin」と同じ書式の設定ファイル、例えば「Setup.bin」というファイルも、設定ファイル7として判断する対象としても良い。後述する
図5のS79も同様である。また、エクスポートテキスト33などがUSBメモリ5内に記憶されているか否かを判断する方法は、特定のファイル名のファイルが記憶されているか否かを判断する方法に限らない。例えば、特定の拡張子のファイルが存在するかで判断しても良く、ファイル内に特定の文字列(export, import, Backupなど)が存在するかで判断しても良い。
【0021】
CPU12は、S17において、エクスポートテキスト33を用いたエクスポート処理(
図4)を実行する。
図4のS31において、CPU12は、エクスポートテキスト33にデバイスパスワード及びデータパスワード(以下、各パスワードという場合がある)の両方が記載されていないか判断する(S31)。
図8に示すように、エクスポートテキスト33には、デバイスパスワードDVP2と、データパスワードDTP2をテキスト形式で記載することができる。図示例では、デバイスパスワードDVP2として「admin」の文字列を、データパスワードDTP2として「abcdefg」の文字列を設定する指示が記載されている。
【0022】
図4のS31において、CPU12は、各パスワードDVP2,DTP2の両方がエクスポートテキスト33に記載されていない場合(S31:YES)、S33を実行する。S33において、CPU12は、USBメモリ5に設定ファイル7が記憶されている場合(S33:YES)、S37を実行し、記憶されていない場合(S33:NO)、S39を実行する。本実施例のCPU12は、USBメモリ5に設定ファイル7が記憶されている状態で、後述するS51のエクスポート処理を実行すると、USBメモリ5内の設定ファイル7の設定情報6Aを設定情報6で上書きする。このため、CPU12は、S37において、
図9に示すような上書きを確認するメッセージ37を付加したエクスポート開始画面39を、例えば、ユーザIF20のタッチパネルに表示する。CPU12は、エクスポート開始画面39のタイトル欄41に、「EXPORT」のようにエクスポート処理を開始することを示す文字を表示する。また、CPU12は、エクスポートの実行を確認するメッセージ43、YESを選択するアイコン44、NOを選択するアイコン45をエクスポート開始画面39に表示する。
【0023】
CPU12は、
図4のS37でエクスポート開始画面39を表示した後、エクスポート処理を実行する指示を受け付けたか否かを判断する(S41)。CPU12は、エクスポート開始画面39でYESのアイコン44を選択された場合(S41:YES)、S43を実行し、NOのアイコン45を選択された場合(S41:NO)、
図4に示す処理を終了し、
図3に示す処理を終了する。
【0024】
S39を実行する場合、設定ファイル7がUSBメモリ5に記憶されていないため、エクスポート処理で上書きされる虞がない。このため、S39では、CPU12は、例えば、
図9の図示からメッセージ37を取り除いた(即ち、上書きを確認しない)エクスポート開始画面39を表示し、エクスポートの実行指示を確認する(S41)。
【0025】
CPU12は、S43において、デバイスパスワードDVP1の入力処理を実行する。デバイスパスワードDVP1は、例えば、MFP3へのログインを認証するためのパスワードである。ユーザは、例えば、ユーザIF20を操作してログイン認証に成功することで、MFP3の設定の変更等を行うことができる。
図10に示すように、CPU12は、デバイスパスワードDVP1の入力を受け付ける入力画面47を、ユーザIF20に表示させる。CPU12は、「DEVISEPASSWORD」などのデバイスパスワードを受け付ける画面であることを示すタイトル文字49を入力画面47の上部に表示する。また、CPU12は、デバイスパスワードを入力するための入力欄51、入力欄51に入力する英文字を選択する文字キー53を入力画面47に表示する。ユーザは、文字キー53を操作することで、所定の文字列を入力欄51に入力することができる。CPU12は、OKのアイコン55を選択されると、入力欄51に表示した文字列をデバイスパスワードとして受け付ける。
【0026】
CPU12は、入力画面47でデバイスパスワードを受け付けると、受け付けたデバイスパスワードが、メモリ11に記憶されたデバイスパスワードDVP1と一致した場合、認証に成功したとして(S45:YES)、S47を実行する。一方、CPU12は、受け付けたデバイスパスワードが、デバイスパスワードDVP1と一致しない場合(S45:NO)、エクスポート失敗画面をユーザIF20に表示し(S49)、
図4の処理を終了する。例えば、CPU12は、エクスポート処理を中止することを示すメッセージや、デバイスパスワードの認証に失敗ことを示すメッセージをエクスポート失敗画面に表示する。尚、メモリ11に記憶されているデバイスパスワードDVP1は、MFP3がベンダーからユーザへ出荷された時点で記憶されているパスワードである。出荷された時点で、全てのMFP3で同一のものが記憶されていても良く、MFP3A,3Bごとに異なるものが設定されていても良い。また、MFP3は、メモリ11に記憶されているデバイスパスワードDVP1の変更をユーザから受け付けても良い。
【0027】
尚、CPU12は、デバイスパスワードDVP1の認証に失敗した場合(S45:NO)、警告画面や入力画面47等を表示して再度デバイスパスワードDVP1を受付け、認証の確認を複数回実施しても良い。また、CPU12は、認証に失敗した場合に、一定時間だけ、認証や
図3の処理を開始しないなど、機能の一部を制限しても良い。
【0028】
S47において、CPU12は、データパスワードの入力処理を実行する。CPU12は、例えば、
図10の入力画面47のタイトル文字49に、「DEVICEPASSWORD」に代えて「Set DATAPASSWORD」の文字を設定し表示する。尚、以下の説明では、ユーザから受け付けるデータパスワードを、データパスワードDTP1と称する。
【0029】
CPU12は、例えば、S47において、データパスワードDTP1の入力を2回受付け、1回目と2回目のデータパスワードDTP1が一致すると、S51を実行する。エクスポート処理では、データパスワードDTP1を設定ファイル7の暗号化に用いる。もし、入力されたデータパスワードDTP1が誤っていると、設定ファイル7の復号化ができなくなってしまう。そのため、S47では、誤った入力をしていないか確認のため、データパスワードDTP1の入力を複数回受け付ける。尚、CPU12は、データパスワードDTP1の入力を1回だけ受け付けても良く、3回以上受け付けて一致するか確認しても良い。また、CPU12は、2回入力したデータパスワードDTP1が一致しなかった場合、エラーを報知して
図4の処理を終了しても良く、再度、データパスワードDTP1の入力を受け付けても良い。
【0030】
S51において、CPU12は、エクスポート処理を実行する。CPU12は、自装置の設定情報6を含む設定ファイル7A(
図11)を、S47で受け付けたデータパスワードDTP1で暗号化して、設定ファイル7としてUSBメモリ5へエクスポートする。
図11は、暗号化前の設定ファイル7Aの一例を示している。設定情報6は、印刷部14による印刷、画像読取部15によるスキャン、FAXIF18によるFAXの送受信など、画像形成に関する動作設定を含む設定の情報を含む。例えば、
図11に示すように、設定情報6は、MFP3の設置場所の情報、連絡先の情報、IPアドレス、メールサーバのIPアドレス、スキャン設定、コピー設定などの情報である。具体的には、例えば、スキャン設定として、スキャンした画像データの送信先のIPアドレス、スキャン時の解像度、片面又は両面のスキャンする面の設定、モノクロ又はカラースキャンの設定などを行うことができる。
【0031】
設定ファイル7Aは、例えば、JSON(JavaScript(登録商標) object notation)形式のファイルである。尚、
図11は、図面が煩雑となるのを避けるため、便宜的にJSON形式とは異なる表記としている。もちろん、設定情報6のデータ形式は、JSON形式に限らず、例えばCSV(Comma-Separated Values)形式等の他の形式であっても良い。暗号化後の設定ファイル7(Backup.bin)は、設定ファイル7A(Backup.json)をZIP、LZH等の圧縮方式で圧縮したデータを、データパスワードDTP1を用いて暗号化したものである。暗号方式としては、AES(Advanced Encryption Standard)、DES(Data Encryption Standard)等の暗号方式を採用できる。また、設定ファイル7の生成にあたって、圧縮処理を省略して暗号化処理のみを実施しても良く、圧縮及び暗号化処理をしなくとも良い。
【0032】
CPU12は、S51において、生成した設定ファイル7をUSBメモリ5に記憶する。CPU12は、仮に、既に、設定ファイル7がUSBメモリ5に記憶されていた場合、設定ファイル7を上書きする。CPU12は、USBメモリ5のエクスポートテキスト33を削除し(S53)、
図4の処理を終了する。
【0033】
一方、CPU12は、各パスワードDVP2,DTP2のうち、少なくとも一方が、
図8に示す所定の形式の文字列でエクスポートテキスト33に記載されている場合(S31:NO)、S35を実行する。CPU12は、S35において、USBメモリ5のエクスポートテキスト33内に各パスワードDVP2,DTP2の両方が記載されているか否かを判断する。CPU12は、両方が記載されていた場合(S35:YES)、エクスポートテキスト33のデバイスパスワードDVP2で認証を行う(S55)。CPU12は、デバイスパスワードDVP2がメモリ11のデバイスパスワードDVP1と一致すると(S55:YES)、S51を実行する。CPU12は、エクスポートテキスト33のデータパスワードDTP2で設定ファイル7Aを暗号化して設定ファイル7を生成しUSBメモリ5に記憶する。従って、エクスポートテキスト33に各パスワードDVP2,DTP2の両方が記載されていた場合、ユーザからの入力等を求めずに、認証、暗号化等を実行する。CPU12は、エクスポートテキスト33を削除する(S53)。これにより、テキスト形式(暗号化されていない平文)で各パスワードDVP2,DTP2が記載されたエクスポートテキスト33を、USBメモリ5から削除し、セキュリティを向上できる。尚、CPU12は、S53を実行しなくとも良い。また、CPU12は、エクスポートテキスト33内に各パスワードDVP2,DTP2の一方が記載されていない場合(S25:NO)や、デバイスパスワードDVP2による認証に失敗した場合(S55:NO)、S49を実行する。
【0034】
また、
図4に示す処理では、エクスポートテキスト33に各パスワードDVP2,DTP2の両方が記載されていない場合(S31:YES)、各パスワードDVP2,DTP2の入力を求めて認証やエクスポート処理を実行した。しかしながら、各パスワードDVP2,DTP2の一方のみが記載されていた場合に、記載のないパスワードの入力だけをユーザに求めて、認証やエクスポート処理を実行しても良い。例えば、CPU12は、デバイスパスワードDVP2が記憶されているか判断した後、データパスワードDTP2が記憶されているか順番に判断し、各判断に応じてパスワードの入力を求めても良い。
【0035】
また、S47の後にS51を実行する場合、各パスワードDVP2,DTP2の記載がないエクスポートテキスト33に基づいてエクスポート処理を実行している。
図8に示すように、エクスポートテキスト33や後述するインポートテキスト34には、各パスワードDVP2,DTP2の他に、エクスポート処理やインポート処理の処理内容を指示する指示情報35を記載できる。例えば、エクスポート処理やインポート処理には、複数の処理が含まれる。指示情報35としては、例えば、その複数の処理の少なくとも1つについて、設定ファイル7としてエクスポートする情報を選択する指示(図中のSELECT)、情報の一部をエクスポートしない除外の指示(図中のEXCEPTED)、エクスポートする情報を別の情報に置き換える指示(図中のREPLACED)などを設定することができる。インポートテキスト34についても同様に、インポートする情報の選択、除外、置換等が指示情報35で記載可能である。
【0036】
また、CPU12は、
図3のS21において、インポートテキスト34を用いたインポート処理(
図5)を実行する。尚、以下の説明では上記した
図4と同様の内容については、その説明を適宜省略する。
図5のS61において、CPU12は、USBメモリ5に記憶されたインポートテキスト34が暗号化されているか否かを判断する。後述するように、CPU12は、所定の条件に基づいて、USBメモリ5に記憶されたインポートテキスト34を、自装置のデバイスパスワードDVP1で暗号化する(S95)。このため、CPU12は、インポートテキスト34が暗号化されている場合(S61:YES)、メモリ11から読み出したデバイスパスワードDVP1を用いて復号化を実行し、復号化に成功したか否かを判断する(S63)。CPU12は、復号化に成功した場合(S63:YES)、S65を実行し、復号化に失敗した場合、インポート処理に失敗したことを示す画面を表示する(S67)。
【0037】
また、CPU12は、インポートテキスト34が暗号化されていない場合(S61:NO)、S65を実行する。CPU12は、インポートテキスト34(S63実行時は復号化後のテキスト)に、各パスワードDVP2,DTP2の両方が記載されていないか否かを判断する。CPU12は、両方のパスワードが記載されていない場合(S65:YES)、インポート処理を開始する画面をユーザIF20に表示する(S69)。CPU12は、例えば、
図9に示すエクスポート開始画面39において、タイトル欄41に「IMPORT」の文字を表示し、メッセージ37の表示を消去し、メッセージ43に「インポート処理を実行してもよろしかったですか?」の文字を表示した画面を、インポート開始画面として表示する。
【0038】
CPU12は、S69で表示したインポート開始画面のYESのアイコン44(
図9参照)を選択された場合(S71:YES)、S47と同様に、デバイスパスワードの入力を受け付け(S73)、NOのアイコン45を選択された場合(S71:NO)、
図5の処理を終了する。CPU12は、S73で受け付けたデバイスパスワードの認証に成功した場合(S75:YES)、データパスワードDTP1の入力を受け付け(S77)、認証に失敗した場合(S75:NO)、失敗画面を表示する(S67)。S77において、CPU12は、例えば、
図10に示す入力画面47と同様の画面を表示し、タイトル文字49に「DATAPASSWORD」の文字を表示する。
図4のS47では、「Set DATAPASSWORD」のタイトル文字49を表示したが、S77では、「Set」の文字をなくしたタイトル文字49を表示する。本実施例のMFP3は、同一の操作(ストップキー27の操作)に基づいて
図3以降のインポート/エクスポート処理を開始し、USBメモリ5に記憶されたデータに基づいて、インポート処理又はエクスポート処理を切り替える。一方、S47では、設定ファイル7の暗号化に用いる、即ち、暗号化で設定するデータパスワードDTP1を要求しているのに対し、S77では、後述する設定ファイル7の復号化に用いるデータパスワードDTP1を要求している。このため、同じ文字のタイトル文字49、例えば、「DATAPASSWORD」とだけ表示すると、ユーザにとって、エクスポート/インポート処理のどちらのデータパスワードDTP1を要求しているのか分かりにくくなる。そこで、本実施例のCPU12では、S47とS77で同一の画面構成としながら、タイトル文字49を変更した入力画面を表示することで、誤入力の発生を抑制するとともに、入力画面の表示処理の簡素化を図ることができる。
【0039】
また、CPU12は、S77において、例えば、データパスワードDTP1の入力を1回だけ受け付ける。これは、S47とは異なり、S77では、復号化に用いるデータパスワードDTP1を要求しているため、複数回入力を促してユーザに確認を要求する必要がないためである。尚、CPU12は、S77でデータパスワードDTP1の入力を複数回求めても良い。CPU12は、S77を実行するとS79を実行する。
【0040】
一方、CPU12は、S65で各パスワードDVP2,DTP2の少なくとも一方が記憶されている場合(S65:NO)、各パスワードDVP2,DTP2の両方がインポートテキスト34に記載されているか否かを判断し(S81)、一方のパスワードが記載されていなかった場合(S81:NO)、S67を実行する。CPU12は、両方のパスワードが記載されていた場合(S81:YES)、インポートテキスト34に記載されていたデバイスパスワードDVP2で認証を実行し(S85)、認証に成功すると(S85:YES)、S79を実行し、認証に失敗すると(S85:NO)、S67を実行する。
【0041】
S79において、CPU12は、USBメモリ5に設定ファイル7が記憶されているか否かを判断し、記憶されている場合(S79:YES)、S87を実行し、記憶されていない場合(S79:NO)、S67を実行する。CPU12は、S87において、データパスワードを用いて設定ファイル7を復号化し、復号化に成功したか否かを判断する。CPU12は、S77の後にS87を実行する場合は入力を受け付けたデータパスワードDTP1を復号化に用い、S81の後にS87を実行する場合はインポートテキスト34のデータパスワードDTP2を復号化に用いる。CPU12は、復号化に失敗した場合(S87:NO)、S67を実行する。尚、CPU12は、S67において、S75,S63、S81、S85、S79、S87のどの処理の次に実行されたかによって失敗画面の表示内容を変更しても良い(例えば、「復号化に失敗しました」、「認証に失敗しました」など)。
【0042】
一方、CPU12は、復号化に成功した場合(S87:YES)、インポート処理を実行する(S89)。CPU12は、設定ファイル7の設定情報6A(
図11の設置場所や連絡先の情報)を自装置にインポートする。インポートとは、例えば、設定ファイル7の設定情報6Aをメモリ11に設定情報6として記憶し、設定情報6を装置で利用できる状態にすることをいう。これにより、例えば、
図1に示すMFP3Aの設定情報6をエクスポートし、別のMFP3Bに設定をインポートし複製できる。また、エクスポートテキスト33と同様に、各パスワードDVP2,DTP2を記載しなくとも、インポートテキスト34の指示情報35(
図8参照)に、インポート処理における処理内容を指示することで、インポートする設定情報6の選択、置換等ができる。例えば、MFP3ごとに異なるIPアドレスがインポートテキスト34に記述されていると、CPU12は、設定情報6のうち、IPアドレスだけは、自装置向けにインポートテキスト34に記載された値をインポートする。
【0043】
CPU12は、S89又はS67を実行した後、S91を実行する。CPU12は、USBメモリ5のインポートテキスト34が暗号化されている場合(S91:YES)、
図5の処理を終了し、暗号化されていなかった場合(S91:NO)、各パスワードDVP2,DTP2の両方がインポートテキスト34に記載されていないか否かを判断する(S93)。CPU12は、各パスワードDVP2,DTP2の両方が記載されていない場合(S93:YES)、
図5の処理を終了する。また、CPU12は、各パスワードDVP2,DTP2の少なくとも一方が記載されている場合(S93:NO)、メモリ11のデバイスパスワードDVP1を用いてUSBメモリ5内のインポートテキスト34を暗号化し(S95)、
図5の処理を終了する。S95の暗号化方式等は特に限定されないが、CPU12は、例えば、S51と同様にデバイスパスワードDVP1を用いて暗号化、圧縮等する。これにより、インポートテキスト34に各パスワードDVP2,DTP2が暗号化されずに平文で記載されている場合に、暗号化して他のユーザから解読を困難できる。また、暗号化したインポートテキスト34を用いることで、同一のデバイスパスワードDVP1が設定されたMFP3に対してインポート処理を実行できる。尚、CPU12は、インポートテキスト34を暗号化しなくとも良く、各パスワードDVP2,DTP2の両方が記載されている場合のみ暗号化しても良い。
【0044】
また、CPU12は、
図3のS25において、インポートテキスト34を用いないインポート処理(
図6)を実行する。
図6において、CPU12は、S69と同様にインポート開始画面を表示し(S101)、インポート処理の実行を指示された場合(S103:YES)、
図10の入力画面47を表示してデバイスパスワードの入力処理を実行し(S105)、指示を受け付けなかった場合(S103:NO)、
図6の処理を終了する。CPU12は、S105で受け付けたデバイスパスワードによる認証に成功した場合(S107:YES)、入力画面を表示してデータパスワードDTP1の入力を1回だけ受付け(S111)、入力されたデータパスワードDTP1で設定ファイル7の復号化に成功したか判断する(S113)。CPU12は、S111において、
図5のS77と同様に、「Set」の文字を表示しない入力画面を表示する。CPU12は、復号化に成功した場合(S113:YES)、設定ファイル7に基づいてインポート処理を実行し(S115)、
図6の処理を終了する。尚、CPU12は、認証に失敗した場合(S107:NO)や、復号化に失敗した場合(S113:NO)、失敗画面を表示して(S109)、処理を終了する。
【0045】
また、CPU12は、
図3のS27において、エクスポートテキスト33を用いないエクスポート処理(
図7)を実行する。
図7に示すように、CPU12は、S37と同様に、上書き確認のある、
図9のエクスポート開始画面39を表示し(S121)、エクスポート処理の指示を受け付けた場合(S123:YES)、
図10の入力画面47を表示してデバイスパスワードの入力処理を実行し(S125)、指示を受け付けなかった場合(S123:NO)、
図7の処理を終了する。CPU12は、S125で受け付けたデバイスパスワードによる認証に成功した場合(S127:YES)、
図4のS47と同様に、入力画面を表示してデータパスワードDTP1の入力を受付け(S129)、入力されたデータパスワードDTP1で暗号化して設定ファイル7をエクスポートする(S131)。CPU12は、S129において、
図4のS47と同様に、「Set」の文字を表示した入力画面を表示し、確認のためデバイスパスワードDVP1の入力を2回受け付ける。CPU12は、S131のエクスポート処理を終了すると、
図7の処理を終了する。尚、CPU12は、認証に失敗した場合(S127:NO)、失敗画面を表示して(S133)、処理を終了する。
【0046】
因みに、印刷システム1は、画像形成システムの一例である。MFP3は、画像形成装置の一例である。MFP3Aは、第1画像形成装置の一例である。MFP3Bは、第2画像形成装置の一例である。USBメモリ5は、記憶メディアの一例である。メモリ11は、記憶部の一例である。CPU12は、制御部の一例である。印刷部14、画像読取部15、FAXIF18は、画像形成部の一例である。USBIF23は、メディアインタフェースの一例である。ストップキー27は、ユーザインタフェースの一例である。エクスポートテキスト33は、エクスポート用指示情報の一例である。インポートテキスト34は、インポート用指示情報の一例である。S11,S13は、第1判断処理の一例である。S23は、第2判断処理の一例である。S129は、第1受付処理の一例である。S131は、エクスポート処理の一例である。S111は、第2受付処理の一例である。S115は、インポート処理の一例である。S15は、第3判断処理の一例である。S51は、第2エクスポート処理の一例である。S19は、第4判断処理の一例である。S89は、第2インポート処理の一例である。S121は、第1報知処理の一例である。S101は、第2報知処理の一例である。S127は、第1認証処理の一例である。S107は、第2認証処理の一例である。S45は、第3認証処理の一例である。S55は、第4認証処理の一例である。S33は、第5判断処理の一例である。S37は、上書き報知処理の一例である。S75は、第5認証処理の一例である。S85は、第6認証処理の一例である。
【0047】
以上、上記した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)CPU12は、設定ファイル7が記憶されていない場合(S23:NO)、自装置の設定情報6を記載した設定ファイル7を、S129で受け付けたデータパスワードDTP1で暗号化しUSBメモリ5にエクスポートする(S131)。また、CPU12は、設定ファイル7が記憶されている場合(S23:YES)、USBメモリ5の設定ファイル7を、S111で受け付けたデータパスワードDTP1で復号化しインポートする(S115)。これによれば、インポートテキスト34やエクスポートテキスト33が記憶されていないUSBメモリ5が接続された場合でも、データパスワードDTP1を受け付けることで、設定ファイル7の有無に応じてインポート/エクスポート処理を実行することができる。パスワード等が記載されたインポートテキスト34等の指示情報35を用いずに設定情報6を別のMFP3に複製でき、ユーザビリティを向上できる。
【0048】
(2)CPU12は、ストップキー27の操作が行われている状態でUSBメモリ5が接続されたことを検出すると(S13:YES)、所定条件が成立したと判断する。これによれば、通常の操作では行なわない操作を、インポート/エクスポート処理を開始する操作条件に設定でき、インポート/エクスポート処理を開始させる誤操作の発生を抑制できる。
【0049】
(3)CPU12は、エクスポートテキスト33がUSBメモリ5に記憶されている場合(S15:YES)、メモリ11の設定情報6を、エクスポートテキスト33のデータパスワードDTP2で暗号化しUSBメモリ5にエクスポートする(S51)。また、CPU12は、エクスポートテキスト33が記憶されていない場合(S15:NO)、S23を実行する。これによれば、データパスワードDTP2や指示情報35等を記載したエクスポートテキスト33がUSBメモリ5に記憶されていた場合に、エクスポートテキスト33に基づくエクスポート処理(S51)を、S23の処理(エクスポートテキスト33を用いないエクスポート処理(S131)など)よりも優先的に実行させることができる。ユーザがエクスポートテキスト33で指示した処理を、エクスポート処理で優先的に実行でき、ユーザビリティを向上できる。
【0050】
(4)同様に、CPU12は、インポートテキスト34がUSBメモリ5に記憶されていた場合(S19:YES)、USBメモリ5の設定ファイル7を、インポートテキスト34のデータパスワードDTP2で復号化しインポートする。これによれば、インポートテキスト34がUSBメモリ5に記憶されていた場合に、インポートテキスト34に基づくインポート処理(S89)を、S23の処理(インポートテキスト34を用いないインポート処理(S115)など)よりも優先的に実行させることができる。
【0051】
(5)CPU12は、S121において、エクスポート開始画面39をユーザIF20に表示し、S101において、インポート開始画面を表示する。また、S35の後のS51や、S81の後のS89を実行する際には、開始画面を表示せずに実行を開始する。これによれば、データパスワードDTP1等のパスワードの入力を求めずにインポート/エクスポート処理を実行する場合は、ユーザへの報知を実行せずに処理を開始できる。エクスポートテキスト33やインポートテキスト34が記憶されており、ユーザから意図的な指示がある場合は、迅速に処理を開始できる。
【0052】
(6)CPU12は、エクスポートテキスト33やインポートテキスト34に基づいて、インポート/エクスポート処理を実行する(S51,S89)。これによれば、エクスポートテキスト33等によって処理内容を、意図した内容に変更できる。
【0053】
(7)CPU12は、S125で受け付けたデバイスパスワードと、メモリ11のデバイスパスワードDVP1が一致した場合(S127:YES)、S131を実行する。これによれば、デバイスパスワードDVP1による認証を行なって、設定情報6の漏洩を抑制し、セキュリティを高めることができる。
【0054】
(8)CPU12は、S105で受け付けたデバイスパスワードと、デバイスパスワードDVP1が一致した場合(S107:YES)、S115を実行する。これによれば、デバイスパスワードDVP1による認証を行なって、MFP3の設定情報6が悪意のあるユーザに改ざんされるなどの不正な操作の発生を抑制し、セキュリティを高めることができる。
【0055】
(9)CPU12は、S107、S127の認証に失敗すると、S131,S115のインポート/エクスポート処理を実行しない。これによれば、設定情報6の漏洩や改ざんを抑制できる。尚、CPU12は、インポート処理やエクスポート処理の処理内容の一部を制限し実行しても良い。
【0056】
(10)CPU12は、各パスワードDVP2,DTP2の両方がエクスポートテキスト33に記載されていない場合(S31:YES)、S43で受け付けたデバイスパスワードによる認証を実行し(S45)、認証に成功した場合にS51を実行する。これによれば、エクスポート処理の実行におけるセキュリティを向上できる。
【0057】
(11)CPU12は、各パスワードDVP2,DTP2の両方がエクスポートテキスト33に設定されている場合(S35:YES)、エクスポートテキスト33のデバイスパスワードDVP2による認証を実行し、認証に成功すると(S55:YES)、S51を実行する。これによれば、エクスポート処理の実行におけるセキュリティを向上できる。
【0058】
(12)CPU12は、USBメモリ5に設定ファイル7が記憶されている場合(S33:YES)、設定ファイル7を上書きすることS37で報知する。一方、CPU12は、エクスポートテキスト33に各パスワードDVP2,DTP2の両方が記載されている場合、設定ファイル7の上書きを報知しない。これによれば、エクスポートテキスト33が存在するもののパスワードが記載されていない場合、設定ファイル7の上書きを実行することをユーザに注意喚起できる。一方、ユーザが各パスワードDVP2,DTP2を設定したエクスポートテキスト33をUSBメモリ5に記憶すれば、上書きの報知を実行せずに、エクスポート処理を迅速に実行できる。
【0059】
(13)CPU12は、各パスワードDVP2,DTP2の両方がインポートテキスト34に記載されていない場合(S65:YES)、デバイスパスワードを受け付け、受け付けたデバイスパスワードで認証を実行する(S75)。CPU12は、認証に成功した場合(S75:YES)、S89を実行する。これによれば、インポート処理の実行におけるセキュリティを向上できる。
【0060】
(14)CPU12は、各パスワードDVP2,DTP2の両方がインポートテキスト34に記載されている場合(S81:YES)、インポートテキスト34のデバイスパスワードDVP2で認証を実行する(S85)。CPU12は、認証に成功した場合(S85:YES)、S89を実行する。これによれば、インポート処理の実行におけるセキュリティを向上できる。
【0061】
(15)CPU12は、S129において、エクスポート処理を行うためのデータパスワードDTP1を受け付けていることを、入力画面47のタイトル文字49の「SET」の文字で表示し、S111において、「SET」の文字をなくすことでインポート処理を行うためのデータパスワードDTP1を受け付けていることを報知する。これによれば、データパスワードDTP1の受付け時に、インポート/エクスポート処理のどちらを実行するのかをユーザに報知できる。本実施形態では、ストップキー27を操作することで、インポート/エクスポート処理の何れかを実行できる。このため、ユーザは、操作が容易になる一方で、インポート/エクスポート処理を意図せず実行してしまう虞がある。そこで、データパスワードDTP1の入力画面を、インポート/エクスポート処理で異なる画面とすることで、ユーザの誤操作の発生を抑制できる。
【0062】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、
図3~
図7に示すフローチャートの処理の内容や順番は、一例であり、適宜変更可能である。CPU12は、
図3に示すように、S19よりも先にS15を実行して、インポート処理よりもエクスポート処理を優先したが、先にS19を実行して、インポート処理を優先しても良い。CPU12は、S125の後にS121,S123を実行しても良く、S105の後にS101、S103を実行しても良い。また、インポート処理やエクスポート処理の開始を報知する方法は、画面表示に係わらず、ランプの点灯や音声によるガイダンスでも良い。また、インポート処理やエクスポート処理の開始をユーザに報知しなくとも良い。CPU12は、デバイスパスワードDVP1を用いた認証を実行しなくとも良い。
【0063】
本願の画像形成装置は、MFP3に限らず、印刷機能のみを有するプリンタやスキャナ、コピー機であってもよい。また、画像形成装置としては、ラベルプリンタ、プロダクションプリンタ、刺繍ミシン、3Dプリンタ、レーザマーカ、工作機械なども採用できる。また、S47、S77、S111、S129などのデータパスワードDTP1の入力画面において、S37等のエクスポート処理やインポート処理の開始を報知しても良い。例えば、「インポート用にデータパスワードを受け付けます」などの表示を、データパスワードDTP1の入力画面に表示しても良い。また、本願の制御部は、CPU12に限らず、例えば、ASIC及びFPGAなどでも良い。また、本願のメディアインタフェースは、USBIF23に限らず、メモリカードスロット、IEEE1394など、各種のインタフェースを採用できる。また、メディアインタフェースとして、NFCインタフェース、Bluetooth(登録商標)インタフェース等の無線インタフェースを採用してもよい。また、記録メディアとしては、USBメモリ5に限らず、メモリカード、ポータブルHDD、ポータブルSSDを採用しても良い。また、CPU12は、インポートテキスト34の暗号化を実行したが(S95)、実行しなくとも良い。
【符号の説明】
【0064】
1 印刷システム(画像形成システム)、3 MFP(画像形成装置)、3A MFP(第1画像形成装置)、3B MFP(第2画像形成装置)、5 USBメモリ(記憶メディア)、6,6A 設定情報、11 メモリ(記憶部)、12 CPU(制御部)、14 印刷部(画像形成部)、15 画像読取部(画像形成部)、18 FAXIF(画像形成部)、20 ユーザIF、27 ストップキー(ユーザインタフェース)、23 USBIF(メディアインタフェース)、33 エクスポートテキスト(エクスポート用指示情報)、34 インポートテキスト(インポート用指示情報)、DTP1,DTP1 データパスワード、DVP1,DVP2 デバイスパスワード。