(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-10
(45)【発行日】2025-02-19
(54)【発明の名称】可搬型の画像形成装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20250212BHJP
B41J 3/36 20060101ALI20250212BHJP
B41J 21/00 20060101ALI20250212BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20250212BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20250212BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20250212BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20250212BHJP
【FI】
B41J29/38 301
B41J3/36 Z
B41J21/00 Z
B41J29/00 Z
B41J29/38 201
G03G21/00 390
G06F3/12 322
G06F3/12 336
G06F3/12 338
G06F3/12 357
G06F3/12 378
G06F3/12 392
H04N1/00 127A
H04N1/00 127B
H04N1/00 838
(21)【出願番号】P 2021032356
(22)【出願日】2021-03-02
【審査請求日】2024-02-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】西崎 孝志
【審査官】大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-094733(JP,A)
【文献】特開2016-141077(JP,A)
【文献】特開2020-147028(JP,A)
【文献】特開2012-196849(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
B41J 3/36
B41J 21/00
B41J 29/00
G03G 21/00
G06F 3/12
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を形成する画像形成部と、
第1識別情報を記憶可能な記憶部と、
情報処理装置と通信可能な通信インタフェースと、
ユーザインタフェースと、
制御部と、
を備え
る画像形成装置であって、
前記制御部は、
前記第1識別情報を前記記憶部に記憶した状態において、第2識別情報及び形成すべき画像データを含む画像形成指示を、前記通信インタフェースを介して前記情報処理装置から取得する取得処理と、
前記取得処理において取得した前記第2識別情報と、前記記憶部に記憶されている前記第1識別情報とに基づいて、前記画像形成部による画像形成を許可するか否かを判断する判断処理と、
前記判断処理の結果、画像形成を許可すると判断した場合、前記画像データに基づいて前記画像形成部による画像形成を実行する画像形成処理と、
前記判断処理の結果、画像形成を許可しないと判断した場合、前記画像データに基づく画像形成を制限
し、且つ、前記画像形成装置の機能を制限する機能制限モードへ前記画像形成装置を移行させる制限処理と、
を実行
し、
前記機能制限モードは、
前記画像形成装置に記憶された連絡先情報を報知し、前記通信インタフェースの通信を有効化する前記ユーザインタフェースの操作及び電源を投入する前記ユーザインタフェースの操作を許可しつつ、他の前記ユーザインタフェースの操作を制限するモードである、可搬型の画像形成装置。
【請求項2】
画像を形成する画像形成部と、
第1識別情報を記憶可能な記憶部と、
情報処理装置と通信可能な通信インタフェースと、
ユーザインタフェースと、
制御部と、
を備える画像形成装置であって、
前記制御部は、
前記第1識別情報を前記記憶部に記憶した状態において、第2識別情報及び形成すべき画像データを含む画像形成指示を、前記通信インタフェースを介して前記情報処理装置から取得する取得処理と、
前記取得処理において取得した前記第2識別情報と、前記記憶部に記憶されている前記第1識別情報とに基づいて、前記画像形成部による画像形成を許可するか否かを判断する判断処理と、
前記判断処理の結果、画像形成を許可すると判断した場合、前記画像データに基づいて前記画像形成部による画像形成を実行する画像形成処理と、
前記判断処理の結果、画像形成を許可しないと判断した場合、前記画像データに基づく画像形成を制限し、且つ、前記画像形成装置の機能を制限する機能制限モードへ前記画像形成装置を移行させる制限処理と、
を実行し、
前記機能制限モードは、
前記通信インタフェースの通信を有効化する前記ユーザインタフェースの操作及び電源を投入する前記ユーザインタフェースの操作を許可しつつ、他の前記ユーザインタフェースの操作を制限するモードである、可搬型の画像形成装置。
【請求項3】
画像を形成する画像形成部と、
第1識別情報を記憶可能な記憶部と、
情報処理装置と通信可能な通信インタフェースと、
制御部と、
を備える画像形成装置であって、
前記制御部は、
前記第1識別情報を前記記憶部に記憶した状態において、第2識別情報及び形成すべき画像データを含む画像形成指示を、前記通信インタフェースを介して前記情報処理装置から取得する取得処理と、
前記取得処理において取得した前記第2識別情報と、前記記憶部に記憶されている前記第1識別情報とに基づいて、前記画像形成部による画像形成を許可するか否かを判断する判断処理と、
前記判断処理の結果、画像形成を許可すると判断した場合、前記画像データに基づいて前記画像形成部による画像形成を実行する画像形成処理と、
前記判断処理の結果、画像形成を許可しないと判断した場合、前記画像データに基づく画像形成を制限し、且つ、前記画像形成装置の機能を制限する機能制限モードへ前記画像形成装置を移行させる制限処理と、
を実行し、
前記機能制限モードは、
前記画像形成装置に記憶された連絡先情報を報知するモードである、可搬型の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第1識別情報が示す値と前記第2識別情報が示す値が一致した場合に、前記判断処理において画像形成を許可すると判断する、請求項1
から請求項3の何れか1項に記載の可搬型の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、
新たな前記画像形成指示を取得するごとに、新たな前記画像形成指示の前記取得処理において取得した前記第2識別情報に基づいた前記判断処理を実行する、請求項1
から請求項4の何れか1項に記載の可搬型の画像形成装置。
【請求項6】
前記記憶部は、
テンプレート及び前記テンプレートに付加可能なユーザ情報を記憶しており、
前記制御部は、
前記画像形成処理の前記画像データに基づく画像形成において、前記テンプレート及び前記ユーザ情報を用いた画像形成が実行可能である、請求項1から請求
項5の何れか1項に記載の可搬型の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記機能制限モードへ移行させた後に前記画像形成装置の電源がオフされ、その後、前記画像形成装置の電源がオンされた後も前記機能制限モードを維持する、
請求項1から請求項6の何れか1項に記載の可搬型の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記機能制限モードへ移行させた後、新たな前記画像形成指示を前記取得処理で取得した場合に、前記判断処理において前記画像形成部による画像形成を許可すると判断したことに基づいて、前記機能制限モードを解除する、請求
項1から請求項7の何れか1項に記載の可搬型の画像形成装置。
【請求項9】
前記情報処理装置は、
管理サーバと通信可能であり、
前記管理サーバは、
複数の前記画像形成装置の各々が有する前記第1識別情報を管理し、
前記制御部は、
前記機能制限モードにおいて、自装置と前記管理サーバとの通信を許可する一方、前記管理サーバへアクセスするアクセス先の変更を制限する、請求
項1から請求項8の何れか1項に記載の可搬型の画像形成装置。
【請求項10】
前記記憶部は、
テンプレート及び前記テンプレートに付加可能なユーザ情報を記憶しており、
前記制御部は、
前記機能制限モードにおいて、前記テンプレート及び前記ユーザ情報を用いたプレビュー画像を形成する前記画像形成指示を前記情報処理装置から取得した場合、前記プレビュー画像の形成を制限する、請求
項1から請求項9の何れか1項に記載の可搬型の画像形成装置。
【請求項11】
前記画像形成装置は、
管理サーバと通信可能であり、
前記管理サーバは、
複数の前記画像形成装置の各々が保有する前記第1識別情報を管理し、
前記制御部は、
前記第1識別情報を生成して前記管理サーバに登録する処理、又は前記管理サーバから取得した前記第1識別情報を自装置の前記記憶部に記憶する処理を実行する、請求項1から請求項10の何れか1項に記載の可搬型の画像形成装置。
【請求項12】
前記管理サーバは、
複数の前記情報処理装置と通信可能なサーバであり、複数の前記情報処理装置の各々の機能の制限、及び複数の前記情報処理装置の各々のデータの消去のうち、少なくとも一方が可能なサーバである、請求項11に記載の可搬型の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、可搬型の画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、可搬型の画像形成装置を管理する技術が種々提案されている。例えば、下記特許文献1には、可搬型のプリンタが備える充電池の劣化度を管理端末で管理する技術について記載されている。管理端末は、ユーザID及び劣化度の情報をプリンタから受信し、ユーザIDに基づいてユーザの使用時間等のデータを参照し、プリンタの使用に必要な電池電圧値を算出する。管理端末は、登録されている充電池のうち、算出した電池電圧値以上の電圧となる充電池を決定しユーザに報知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記した特許文献1のプリンタのように、可搬型のプリンタは、例えば、会社から出張先にユーザが持ち出した際に、紛失してしまう可能性がある。この場合、セキュリティ上の観点から、紛失したプリンタについて機能を制限することが望ましい。
【0005】
本願は、上記した課題を解決する技術を開示するものであり、紛失等に応じて機能を制限できる可搬型の画像形成装置及びプログラムを開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示される可搬型の画像形成装置は、画像を形成する画像形成部と、第1識別情報を記憶可能な記憶部と、情報処理装置と通信可能な通信インタフェースと、制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1識別情報を前記記憶部に記憶した状態において、第2識別情報及び形成すべき画像データを含む画像形成指示を、前記通信インタフェースを介して前記情報処理装置から取得する取得処理と、前記取得処理において取得した前記第2識別情報と、前記記憶部に記憶されている前記第1識別情報とに基づいて、前記画像形成部による画像形成を許可するか否かを判断する判断処理と、前記判断処理の結果、画像形成を許可すると判断した場合、前記画像データに基づいて前記画像形成部による画像形成を実行する画像形成処理と、前記判断処理の結果、画像形成を許可しないと判断した場合、前記画像データに基づく画像形成を制限する制限処理と、を実行する。
【0007】
また、本明細書に開示の内容は、可搬型の画像形成装置としての実施に限らず、例えば、情報処理装置のコンピュータで読み取り可能なプログラムとして実施しても有益である。
【発明の効果】
【0008】
上記構成の可搬型の画像形成装置、プログラムによれば、紛失等に応じて機能を制限できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係る印刷システムの概略構成図である。
【
図2】
図1に示す印刷システムのブロック図である。
【
図3】管理DBに記憶されたデータを示す図である。
【
図4】被管理ID記憶処理におけるプリンタ及びサーバの処理を示すシーケンス図である。
【
図5】プリンタが実行するID記憶処理を示すフローチャートである。
【
図6】別例のプリンタが実行するID記憶処理を示すフローチャートである。
【
図7】端末装置が、アプリケーションを実行して行なう起動処理を示すフローチャートである。
【
図8】印刷処理における端末装置及びプリンタの処理を示すシーケンス図である。
【
図9】端末装置が、アプリケーションを実行して行なう印刷処理を示すフローチャートである。
【
図10】プリンタが実行する印刷処理を示すフローチャートである。
【
図11】1台の端末装置で複数のプリンタを使用する状態を示す図である。
【
図12】プリンタが実行する起動処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本願に係わる可搬型の画像形成装置、プログラムを具体化した一実施形態である印刷システム10について図面を参照しつつ説明する。
図1は、印刷システム10の概略構成図であり、
図2は、印刷システム10のブロック図である。
図1及び
図2に示すように、印刷システム10は、サーバ11、管理PC13、複数の端末装置15、及び複数のプリンタ17を備えている。例えば、印刷システム10を利用する会社は、ユーザ(営業を担当する社員など)に端末装置15やプリンタ17を貸与する。ユーザは、端末装置15を操作することで、プリンタ17による印刷を実行することができる。また、サーバ11は、例えば、端末装置15を管理する管理サーバである。端末装置15やプリンタ17の管理者(会社のシステム管理者など)は、管理PC13を操作することで、サーバ11の管理機能を利用し、端末装置15の機能を制限することができる。また、サーバ11は、後述する被管理ID72でプリンタ17を管理する。プリンタ17は、端末装置15の被管理ID51と、自装置の被管理ID72とに応じて自装置の動作を変更する。
【0011】
詳述すると、サーバ11は、例えば、MDM(Mobile Device Management)サーバであり、管理対象である複数の端末装置15を一元的に管理するサーバでる。サーバ11は、サーバ制御部21、通信IF(インタフェースの略)22を備えている。サーバ制御部21等は、通信バス23を介して互いに通信可能となっている。通信IF22は、例えば、LANインタフェースであり、ネットワーク19に接続されている。ネットワーク19は、例えば、インターネットなどの広域ネットワーク、LANの他に、4G、5Gといった移動通信のネットワークを含んでいる。
【0012】
サーバ制御部21は、サーバ11を統括的に制御するものである。サーバ制御部21は、サーバ記憶部24及びサーバCPU25を備えている。サーバ記憶部24は、例えば、RAM、ROM、及びHDDを組み合わせて構成されている。サーバ記憶部24には、サーバプログラム27及び管理DB(データベースの略)28が記憶されている。サーバプログラム27は、サーバ11に各種処理を実行させるプログラムである。例えば、サーバ制御部21は、サーバCPU25でサーバプログラム27を実行することで、サーバ11に対するアクセスなどを制御する。また、サーバ制御部21は、サーバCPU25でサーバプログラム27を実行することで、管理PC13から取得した指示に基づいて、MDMの管理対象である端末装置15に対する機能の制限などを実行する。
【0013】
尚、以下の説明では、サーバCPU25でサーバプログラム27を実行するサーバ制御部21のことを、単に装置名やプログラム名で記載する場合がある。例えば、「サーバ11が通信IF22を介して管理PC13から指示を取得する」という記載は、「サーバ制御部21がサーバCPU25でサーバプログラム27を実行することで通信IF22を制御し、通信IF22を介して管理PC13から指示を取得する」ということを意味する。後述する管理プログラム38を実行する管理PC13、OSプログラム49やアプリケーション50を実行する端末装置15、プリンタプログラム71を実行するプリンタ17についても同様である。また、本願における「取得」とは、要求を必須とはしない概念で用いる。即ち、サーバ11が要求することなく指示を受信するという処理も、「サーバ11が指示を取得する」という概念に含まれる。
【0014】
管理DB28は、サーバ11によって管理されるプリンタ17に係わる情報を記憶している。本実施形態のサーバ11は、端末装置15の管理だけでなく、プリンタ17の管理も実行する。尚、サーバ11は、MDM機能を有さず、即ち、端末装置15を管理する機能を有さず、プリンタ17のみを管理するサーバでも良い。
【0015】
図3は、管理DB28に記憶されたデータの一例を示している。
図3に示すように、例えば、管理DB28には、管理対象のプリンタ17のプリンタID、被管理ID72、アプリIDが関連付けられて記憶されている。プリンタIDは、複数のプリンタ17を識別可能な情報であり、例えば、ベンダによって設定されるシリアル番号である。被管理ID72は、後述するように、プリンタ17に記憶される情報であり、例えば、プリンタ17によって生成され、サーバ11に登録される情報である。また、被管理ID72は、例えば、端末装置15のユーザによる入力操作によって端末装置15にも記憶される。以下の説明では、端末装置15の被管理IDを、プリンタ17の被管理ID72と区別するため、被管理ID51と称して説明する。被管理ID51,72は、印刷指示元の端末装置15が正規のユーザであるか確認するために使用される。被管理ID72は、例えば、プリンタ17の各々に付与されるユニークな情報であり、プリンタID(ベンダのシリアル番号など)から生成される情報である。尚、印刷システム10が、複数のベンダのプリンタ17が混在するシステムである場合、被管理ID72は、各ベンダのシリアル番号やプリンタ17のモデル名などを含む情報、あるいは、それらの情報から生成した情報でも良い。また、被管理ID72は、プリンタIDと同じ情報でも良い。また、被管理ID72は、複数の端末装置15やプリンタ17ごとに同じ情報、例えば、複数のプリンタ17を共用するグループごとに同じ情報でも良い。
【0016】
アプリIDは、後述する端末装置15のアプリケーションプログラム(以下、アプリケーションという)50を識別可能な情報であり、例えば、アプリケーション50ごとに異なる値が設定される。尚、サーバ11は、管理対象の端末装置15に係わるデータ(図示略)を備えており、端末装置15の紛失等に応じて、そのデータに基づいて端末装置15を特定し機能を制限する指示等を個別に送信することができる。
【0017】
次に、管理PC13について説明する。以下の、管理PC13、端末装置15、プリンタ17の説明では、上記したサーバ11と同様の内容については、適宜省略する。管理PC13は、例えば、ノート型やデスクトップ型のパーソナルコンピュータである。管理PC13は、CPU31、記憶部32、ユーザIF33、ディスプレイ34、通信IF35を備える。CPU31等は、通信バス37を介して互いに通信可能となっている。管理PC13は、記憶部32に記憶された管理プログラム38をCPU31で実行することで、各種処理を実行する。管理PC13は、ユーザIF33(マウスやキーボードなど)に対する操作入力に応じてディスプレイ34の表示内容を変更する。また、管理PC13は、通信IF35を介してネットワーク19に接続可能となっている。
【0018】
次に、端末装置15について説明する。端末装置15は、本願の情報処理装置の一例であり、例えば、スマートフォンである。尚、本願の情報処理装置は、スマートフォンに限らず、タブレット端末やノートPCなどでも良い。端末装置15は、端末制御部41、第1通信IF43、第2通信IF44、タッチパネル45を備える。端末制御部41等は、通信バス46を介して互いに通信可能となっている。
【0019】
端末制御部41は、端末装置15を統括的に制御し、端末記憶部47及び端末CPU48を備えている。端末記憶部47は、例えば、RAM、ROM等を組み合わせて構成されている。端末記憶部47には、OSプログラム49、アプリケーション50が記憶されている。OSプログラム49は、端末装置15を統括的に制御するプログラムであり、アプリケーション50に基本的な機能やサービスを提供する。OSプログラム49は、例えば、Android(登録商標)OSやiOS(登録商標)である。また、端末装置15が例えばノートPCである場合、OSプログラム49は、Windows(登録商標)OSなどである。
【0020】
アプリケーション50は、例えば、プリンタ17のベンダから提供されるプログラムであり、OSプログラム49の機能等を利用して、プリンタ17に対する印刷指示の送信、プリンタ17の設定情報の取得、プリンタ17に対する設定指示の送信等を実行するプログラムである。端末制御部41は、OSプログラム49やアプリケーション50を端末CPU48で実行し、端末装置15の動作を制御する。
【0021】
従って、サーバ11のサーバプログラム27や管理PC13の管理プログラム38には、Android(登録商標)OS等で動作する端末装置15を制御可能なMDMに対応したプログラムが含まれている。例えば、管理者は、管理PC13を操作し、サーバ11のMDM機能を利用して、端末装置15に対する各種の制御を実行できる。ここでいう各種の制御とは、例えば、管理対象のそれぞれの端末装置15における通信機能等の機能の制限、端末装置15のデータの削除、初期化、画面ロック、紛失ロックなどの制限制御である。ここでいう画面ロックとは、例えば、パスワードや指紋等の認証情報を入力させる画面をタッチパネル45に表示させ、認証情報の認証が成立するまでの間、タッチパネル45などによる端末装置15の操作を禁止する制御である。また、紛失ロックとは、例えば、端末装置15の紛失際等に応じて、電源のオンオフ以外の全機能を停止等させる制御である。尚、サーバ11は、上記した機能の制限、データの削除、初期化、画面ロック、紛失ロックなどの制限制御のうち、少なくとも1つの制御が可能なサーバでも良い。
【0022】
また、サーバ11は、MDM機能に加え、MAM(Mobile Application Management)機能を備えている。サーバ11は、例えば、管理PC13からの指示に基づいて、端末装置15に対するアプリケーション50のインストール、インストール時のパラメータの設定などの制御が可能である。また、端末記憶部47には、被管理ID51が記憶される。端末記憶部47に被管理ID51を記憶する方法は、特に限定されないが、例えば、後述するように、ユーザの操作入力を受け付ける方法(
図7参照)を採用できる。あるいは、上記したMAM機能を利用して、アプリケーション50のインストール時に被管理ID51を端末記憶部47に記憶させる方法を採用しても良い。
【0023】
第1通信IF43は、例えば、Bluetooth(登録商標)、NFC等の近距離無線通信を実行可能な通信インタフェースである。端末装置15は、第1通信IF43を介してプリンタ17と通信可能であり、印刷指示等をプリンタ17に送信可能である。第2通信IF44は、例えば、4G、5G等の移動通信システムのネットワークとの通信や、Wi-Fi(登録商標)などの無線通信が可能な通信インタフェースである。端末装置15は、第2通信IF44を介してネットワーク19に接続される。端末装置15は、第2通信IF44を介してもプリンタ17と通信可能であり、印刷指示等をプリンタ17に送信可能である。尚、端末装置15を、ネットワーク19に有線で接続しても良い。また、上記した通信方式は、一例であり、適宜変更可能である。第1通信IF43は、例えば、Wi-Fi Allianceによって策定されたWFD(Wi-Fi Direct(登録商標)の略)方式により、プリンタ17と通信可能な構成でも良い。
【0024】
また、端末装置15は、タッチパネル45を介してユーザの操作入力を受け付ける。また、端末装置15は、各種情報をタッチパネル45に表示する。尚、端末装置15が備えるユーザIFは、タッチパネル45に限らず、タッチパネル45の他に、又は替えてボタンスイッチやスライドスイッチを備えても良い。
【0025】
次に、プリンタ17について説明する。プリンタ17は、例えば、持ち運び可能な可搬型の印刷装置であり、端末装置15との間で有線通信又は無線通信を介して取得した印刷ジョブの画像データをシート(感熱紙など)に印刷する。プリンタ17は、第1通信IF61、第2通信IF62、電源部63、印刷部64、ユーザIF65、プリンタ制御部67を備えている。第1通信IF61等は、通信バス68を介して互いに通信可能となっている。
【0026】
第1通信IF61は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を実行可能な通信インタフェースであり、端末装置15の第1通信IF43と通信する。第2通信IF62は、例えば、Wi-Fi(登録商標)などの無線LANや有線LANの通信が可能な通信インタフェースである。プリンタ17は、例えば、会社や出先のアクセスポイントに第2通信IF62を介して接続することで、ネットワーク19と接続できる。
【0027】
電源部63は、例えば、商用電源の電力からプリンタ17内の各装置へ供給する電力を生成する電源回路やバッテリを備えている。このため、プリンタ17は、商用電源に接続されていない状態でも、バッテリを電源として印刷動作等が可能となっている。尚、電源部63は、商用電源を利用可能な電源回路又はバッテリの一方のみを備える構成でも良い。また、本願の可搬型の画像形成装置としては、バッテリで駆動するプリンタ17に限らず、他の持ち運びが可能な画像形成装置、例えば、ラベルプリンタ、レシートプリンタ等でも良く、バッテリ駆動が可能なFAX装置、スキャナ装置でも良い。また、プリンタ17は、印刷機能、FAX機能、スキャナ機能、コピー機能のうち、複数の機能を備えても良い。
【0028】
印刷部64は、例えば、サーマルヘッド等を備え、ダイレクトサーマル方式によりシートに画像を印刷する。尚、印刷部64は、電子写真方式やインクジェット方式で印刷する構成でも良い。ユーザIF65は、例えば、タッチパネル、押しボタンスイッチ等であり、ユーザからの操作入力の受け付けや各種の情報の表示を行う。尚、プリンタ17は、タッチパネルを備えず、押しボタンスイッチやスライドスイッチなどのスイッチのみを備える構成でも良い。
【0029】
プリンタ制御部67は、プリンタ17を統括的に制御するものである。プリンタ制御部67は、プリンタ記憶部69及びプリンタCPU70を備えている。プリンタ記憶部69は、RAM、ROM等を組み合わせて構成されている。プリンタ記憶部69は、プリンタプログラム71、被管理ID72、連絡先情報73、テンプレートデータ74、個人情報75、モードフラグ76を記憶可能となっている。プリンタプログラム71は、例えば、プリンタ17の各部を統括的に制御するファームウェアである。プリンタ制御部67は、プリンタCPU70でプリンタプログラム71を実行し、印刷部64等を制御する。連絡先情報73は、例えば、プリンタ17の所有者(管理者や会社)の連絡先(住所、電話番号、メールアドレスなど)を示す情報である。例えば、管理者は、社員にプリンタ17を貸与する前に、ユーザIF65を操作してプリンタ記憶部69に連絡先情報73を記憶させる。
【0030】
テンプレートデータ74は、例えば、領収書や報告書などの定型的な書類を印刷する際に使用するテンプレートのデータや、会社のロゴなどの書類に定型的に使用するデータである。個人情報75は、例えば、テンプレートに挿入等するデータであり、プリンタ17のユーザの名前・所属、顧客名、顧客の住所などの情報である。プリンタ17は、例えば、印刷ジョブで指定されたテンプレートや個人情報を用いて印刷を実行する。あるいは、プリンタ17は、ユーザIF65に対する所定の操作に基づいて、予め設定されたテンプレートや個人情報を用いた印刷を実行する。
【0031】
モードフラグ76は、プリンタ17が紛失モードであるか否かを示すフラグ値である。プリンタ17は、モードフラグ76にONを示す値が設定されると、紛失モードへ移行する。また、プリンタ17は、モードフラグ76にOFFを示す値が設定されると、紛失モードをOFFした状態(以下、通常モードという)へ移行する。ここで、上記した端末装置15やプリンタ17は、可搬型の装置である。例えば、社員であるユーザは、端末装置15やプリンタ17を会社から持ち出して営業先で使用する。あるいは、会社でプリンタ17を使用する場合に限らず、イベントやお店など、プリンタ17を様々な場所で使用することが可能である。この場合、端末装置15やプリンタ17を出先等で紛失してしまう可能性がある。本実施形態の印刷システム10は、管理PC13からの指示に基づいて端末装置15の機能を制限することができる。
【0032】
また、プリンタ17を紛失した場合、プリンタ17を不正に使用され、シート等の消耗品が第三者に消費される、サーマルヘッド等の部品が使用によって劣化する、あるいは、個人情報75が印刷等によって漏洩する可能性がある。そこで、後述するように、プリンタ17は、被管理ID51,72に基づく判断結果に応じて紛失モードへ移行し、自装置の機能を制限する。詳細については後述するが、紛失モードに移行すると、プリンタ17は、ユーザIF65に対する操作等の機能を制限する。尚、プリンタ17は、通常モードにおいて、紛失モードにおける機能の制限等を実行せず、ユーザIF65による操作等を受け付ける状態となる。
【0033】
(被管理ID記憶処理)
次に、上記した印刷システム10が実行する被管理ID記憶処理について、
図4~
図6を用いて説明する。
図4は、被管理ID記憶処理におけるプリンタ17とサーバ11の処理を示している。印刷システム10は、被管理ID記憶処理を実行することで、被管理ID72をプリンタ17に記憶し、サーバ11に登録する。尚、
図4は、後述するS23を実行する場合のシーケンスを示している。また、
図4において、ユーザによる操作を左下向きの矢印で示している。また、本明細書のシーケンス図、フローチャートは、基本的に、各プログラムに記述された命令に従ったCPU(サーバCPU25、CPU31、端末CPU48、プリンタCPU70)の処理を示す。即ち、以下の説明における「問い合わせ」、「判断」等の処理は、CPUの処理を表している。CPUによる処理は、プログラムを介したハードウェア制御も含む。また、本明細書中の「データ」とは、コンピュータに読取可能なビット列で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。
【0034】
図4のステップ(以下、単に「S」と記載する)11に示すように、例えば、プリンタ17の管理者やユーザは、ユーザIF65を操作してプリンタ17の電源を投入する。管理者等は、例えば、ユーザIF65を操作して、プリンタ17の第1通信IF61、第2通信IF62に対するネットワークの設定を実行し、端末装置15及びサーバ11と通信可能な状態にプリンタ17を設定する。
図5は、プリンタ17が実行するID記憶処理を示している。プリンタ17は、例えば、電源を投入され、サーバCPU25でサーバプログラム27を実行すると、
図5に示す処理を開始する。尚、プリンタ17は、ネットワークの設定が完了した時点から
図5の処理を開始しても良く、ネットワークの設定が完了し且つ電源が再度投入された後に
図5の処理を開始しても良い。
【0035】
プリンタ17は、
図5のS13において、サーバ11に被管理ID72を登録する必要があるか否か判断する。プリンタ17は、例えば、被管理ID72が登録されているかサーバ11へネットワーク19を介して問い合わせる処理を実行する(
図4のS15)。プリンタ17が問い合わせを行うサーバ11のアクセス先(URL等)は、管理者が予めプリンタ17に設定しても良く、ユーザIF65を用いて入力等しても良い。プリンタ17は、自装置のプリンタIDと、登録の確認を要求するデータをサーバ11へ送信する(S15)。
【0036】
サーバ11は、S15の問い合わせを取得すると、取得したプリンタIDに基づいて管理DB28を検索し(S17)、検索結果をプリンタ17へ応答する(S19)。サーバ11は、例えば、S17の検索の結果、プリンタIDが被管理ID72と関連付けて管理DB28に記憶されている場合、登録済みである旨の検索結果を応答する(S19)。また、サーバ11は、プリンタIDが登録されていない、あるいは、プリンタIDが登録されているが被管理ID72が登録されていない場合、未登録である旨の検索結果を応答する(S19)。
【0037】
尚、被管理ID72がサーバ11に登録済みであるか否かを確認する方法は、上記したサーバ11に問い合わせる方法に限らない。例えば、プリンタ17は、サーバ11へ登録が完了したか否かを示すフラグ値を記憶しても良い。このフラグ値は、例えば、初期値として、未完了であることを示す値が設定される。プリンタ17は、後述するサーバ11への登録処理(S25)が完了すると、このフラグ値を完了したことを示す値に変更する。これにより、プリンタ17は、S13においてフラグ値を判断することで、サーバ11への問い合わせを実行せずに、登録の有無を判断できる。
【0038】
プリンタ17は、S19で登録済みである旨の検索結果をサーバ11から取得すると、S13で否定判断し(S13:NO)、
図5に示す処理を終了する。また、プリンタ17は、サーバ11と通信できない場合、S13で否定判断しても良い(S13:NO)。これにより、ネットワーク19の障害等や、ネットワークの設定が未設定の場合に、被管理ID72の登録処理を実行せずに、プリンタ17を起動することができる。この場合、後述するように、プリンタ17は、印刷指示を受け付けた際に、被管理ID51,72の一致を判断せずに、印刷を実行する(
図10のS63:NO参照)。あるいは、例えば、プリンタ17が、被管理ID72を用いた印刷制御等を実行しない設定の場合、被管理ID72の登録が不要でると判断しても良い(S13:NO)。この場合にも、プリンタ17は、被管理ID51,72の一致を判断せずに、印刷を実行できる。また、プリンタ17は、被管理ID72をサーバ11に登録する必要があるか否かの指示を、ユーザIF65を介してユーザから受け付けても良い。
【0039】
一方、プリンタ17は、未登録である旨の検索結果をサーバ11から取得すると(S13:YES)、被管理ID72がプリンタ記憶部69に記憶されているか、即ち、被管理ID72を既に所持しているか否かを判断する(S21)。プリンタ17は、プリンタ記憶部69に被管理ID72が記憶されていない場合(S21:NO)、被管理ID72を生成し、プリンタ記憶部69に記憶する(S23)。被管理ID72の生成方法は、特に限定されないが、プリンタ17は、例えば、自装置のプリンタID(シリアル番号など)に所定の文字列等を組み合わせて、他のプリンタ17の被管理ID72と重複しない、即ち、ユニークな被管理ID72を生成する。また、プリンタ17は、ベンダ間でシリアル番号が重複する可能性がある場合、被管理ID72にベンダごとに異なる文字列を付加しても良い。尚、プリンタ17は、被管理ID72を生成せずに、ユーザから受け付けても良い。
【0040】
プリンタ17は、S23を実行すると、生成した被管理ID72をサーバ11へ登録する(S25)。プリンタ17は、ネットワーク19を介して、自装置のプリンタIDと、S23で生成した被管理ID72をサーバ11へ通知する(S25)。プリンタ17は、S25を実行すると、
図5に示す処理を終了する。
図4に示すように、サーバ11は、S25の通知を取得すると、取得したプリンタID及び被管理ID72を関連付けて管理DB28に登録する(S29)。サーバ11は、登録が完了すると、完了通知をプリンタ17へ応答する(S31)。これにより、被管理ID72のサーバ11への登録が完了する。
【0041】
また、プリンタ17は、S21において、被管理ID72がプリンタ記憶部69に記憶されていた場合(S21:YES)、既に記憶されている被管理ID72と、プリンタIDをサーバ11へ通知して登録する(S25)。例えば、被管理ID72をサーバ11に一度登録した後、管理者側で登録するサーバ11を別のサーバ11に変更した場合、被管理ID72がプリンタ17に記憶さているものの、変更後の新しいサーバ11の管理DB28には、被管理ID72が未登録の状態となる。このような場合、プリンタ17は、S21で肯定判断し(S21:YES)、既に所持している(変更前のサーバ11に登録していた)被管理ID72を、新しいサーバ11へ登録する。これにより、被管理ID72を登録するサーバ11の移行を行うことができる。
【0042】
(別例のID記憶処理)
尚、上記した
図5に示す被管理ID72の記憶方法は、一例である。
図6は、別例のプリンタ17によるID記憶処理を示している。上記した
図5の処理では、プリンタ17が被管理ID72を生成した。これに対し、
図6の処理では、サーバ11からプリンタ17へ被管理ID72を通知する。以下の説明では、
図5と同様の内容については、同一符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0043】
プリンタ17は、被管理IDがサーバ11に未登録であった場合(S13:YES)、サーバ11へ登録処理を実行する(S33)。プリンタ17は、例えば、プリンタIDを管理DB28へ登録してほしい旨を、サーバ11へ通知する。サーバ11は、プリンタ17から通知を取得すると、送信元のプリンタ17に対して被管理ID72を設定し、設定した被管理ID72をプリンタIDに関連付けて管理DB28へ記憶する。この場合、サーバ11は、例えば、既に管理DB28に登録済み(使用中)の被管理ID72とは異なる被管理ID72を生成し、ユニークな被管理ID72を設定しても良い。あるいは、管理者が、管理PC13やサーバ11を操作して、管理DB28に被管理ID72を設定しても良い。
【0044】
サーバ11は、設定した被管理ID72をプリンタ17へ応答する。プリンタ17は、S33を実行した後、サーバ11から被管理ID72を取得すると、取得した被管理ID72をプリンタ記憶部69に記憶し(S35)、
図6に示す処理を終了する。これにより、サーバ11から通知された被管理ID72をプリンタ17に記憶することができる。
【0045】
(アプリケーション50の起動処理)
次に、端末装置15が、アプリケーション50を実行して行なう起動処理について、
図7を用いて説明する。端末装置15は、例えば、アプリケーション50を実行する操作入力をタッチパネル45で受け付けると、
図7に示す処理を開始する。尚、以下の
図7、9の説明では、アプリケーション50を主体として記載する。例えば、「アプリケーション50が、被管理ID51が記憶済みか否かを判断する」という記載は、「アプリケーション50を実行する端末装置15が、アプリケーション50の制御に基づいて、被管理ID51が登録済みか否かを判断する」ということを意味する。
【0046】
まず、
図7のS37において、アプリケーション50は、被管理ID51が記憶済みか否かを判断する。アプリケーション50は、端末記憶部47に被管理ID51が記憶されている場合、S37で肯定判定し(S37:YES)、アプリケーション50を起動する処理を実行する(S39)。アプリケーション50は、
図7に示す処理を終了する。アプリケーション50は、起動した後、タッチパネル45の操作に基づいて印刷指示の受け付け処理や、プリンタ17に対する設定の変更処理等を実行する。アプリケーション50は、印刷指示を受け付けた場合、後述する
図9の印刷処理を実行し、その際に、端末記憶部47に記憶している被管理ID51を使用する。
【0047】
また、アプリケーション50は、端末記憶部47に被管理ID51が記憶されていない場合(S37:NO)、被管理ID51を入力するための入力画面をタッチパネル45に表示する(S41)。アプリケーション50は、例えば、「プリンタ17に使用する被管理IDを入力して下さい」などのメッセージと、被管理ID51の入力欄をタッチパネル45に表示する。端末装置15を操作するユーザは、タッチパネル45を操作して、入力画面において、被管理ID51の入力を行う。尚、端末装置15を操作するユーザは、端末装置15やプリンタ17の使用者でも良く、管理者でも良い。
【0048】
例えば、管理者は、会社の各社員について、使用するプリンタ17や端末装置15を設定する。管理者は、プリンタ17の電源を入れ、被管理ID72をサーバ11へ登録する作業を行なう。上記したように、プリンタ17の電源が投入されると、プリンタ17が生成した被管理ID72がサーバ11の管理DB28に登録される(
図5のS25)。また、管理者は、管理PC13を操作して、各社員が使用するプリンタ17(プリンタID)及び被管理ID72を選択し、その社員が使用する端末装置15にインストールするアプリケーション50のアプリIDを管理DB28に登録する。これにより、プリンタID、被管理ID72、アプリIDが関連付けられる。管理者は、プリンタ17及び端末装置15を社員に貸与するとともに、端末装置15に登録すべき被管理ID51、即ち、貸与するプリンタ17のプリンタIDに対して管理DB28で関連付けられた被管理ID72を社員に教える。社員は、貸与された端末装置15を操作しアプリケーション50を実行した際に、上記した入力画面で(
図7のS41)、管理者から予め教えられた被管理ID51を入力する。
【0049】
アプリケーション50は、S41を実行した後、S41で表示した入力画面において被管理ID51が入力されたか否かを判断し(S43)、入力された場合(S43:YES)、入力された被管理ID51を端末記憶部47に記憶する(S45)。これにより、アプリケーション50は、S39で起動した後、S45で記憶した被管理ID51を用いて、貸与されたプリンタ17、即ち、被管理ID51と一致する被管理ID72を有するプリンタ17へ印刷指示を送信できる。
【0050】
また、アプリケーション50は、S43において、被管理ID51が入力されない場合(S43:NO)、起動処理を停止し(S47)、
図7に示す処理を終了する。アプリケーション50は、例えば、入力画面を表示して一定時間だけ被管理ID51の入力がない場合や、入力のキャンセル操作などが行なわれた場合、S43で否定判断する(S43:NO)。この場合、アプリケーション50は、起動されない状態となる。
【0051】
尚、被管理ID51を端末記憶部47に記憶する方法は、上記したユーザによる入力を行なう方法に限らない。例えば、サーバ11のMAM機能を利用し、サーバ11から端末装置15に対してアプリケーション50のインストールを指示する際に、被管理ID51を記憶させても良い。管理者は、管理PC13を操作し、サーバ11のMAM機能を利用して、アプリケーション50を端末装置15へインストールする際に、その端末装置15のユーザが使用するプリンタ17の被管理ID72を、被管理ID51として端末記憶部47に記憶させても良い。これにより、管理者は、各社員が使用する端末装置15へ、予めアプリケーション50と、その社員が使用するプリンタ17の被管理ID72を関連付けて記憶させることができる。
【0052】
また、上記した例では、プリンタ17が1台の場合について説明したが、複数台のプリンタ17の場合も同様に実施できる。例えば、アプリケーション50は、複数のプリンタ17が登録され、印刷指示を受け付ける際に、印刷指示を送信するプリンタ17の選択を受け付けても良い。この場合、アプリケーション50は、被管理ID51が一つも記憶されていない場合、S37で否定判断し(S37:NO)、プリンタ17の選択や被管理ID51の入力を受け付けても良い(S41)。また、アプリケーション50は、1つでも被管理ID51が記憶されていた場合、S37で肯定判断し(S37:YES)、起動しても良い(S39)。そして、アプリケーション50は、起動後、被管理ID51が登録されていないプリンタ17が選択された場合、使用する被管理ID51を受け付けても良い。あるいは、管理者は、端末装置15が使用する複数のプリンタ17について、各プリンタ17の被管理ID51を端末装置15に記憶させる制御を、MAM機能で実行しても良い。
【0053】
(印刷処理)
次に、上記した印刷システム10が実行する印刷処理について、
図8~
図10を用いて説明する。
図8は、印刷処理における端末装置15とプリンタ17の処理を示している。印刷システム10は、印刷処理を実行することで、端末装置15からプリンタ17に送信した印刷指示に基づいて、プリンタ17による印刷を実行する。
【0054】
図9は、端末装置15が実行する印刷処理を示している。端末装置15は、例えば、
図7のS39を実行し、アプリケーション50を起動した後、アプリケーション50において印刷指示を受け付ける。アプリケーション50は、例えば、タッチパネル45に対する所定の操作入力に基づいて、印刷の設定や印刷の実行指示を受け付ける受付画面を、タッチパネル45に表示する。アプリケーション50は、受付画面を表示した後、
図9のS51を実行し、印刷指示を受け付けた否かを判断する。
【0055】
アプリケーション50は、例えば、受付画面において、印刷を実行する操作を受け付けると、S51で肯定判断し(S51:YES)、S53を実行する。一方、アプリケーション50は、印刷をキャンセルする操作等を受付画面で受け付けると(S51:NO)、
図9に示す処理を終了する。この場合、印刷指示は送信されない。アプリケーション50は、印刷の受付画面を再度表示した際に、
図9に示す処理を開始する。
【0056】
S53において、アプリケーション50は、印刷ジョブを生成する。アプリケーション50は、受付画面で受け付けた印刷設定(用紙サイズ、印刷枚数、モノクロやカラーの設定など)に基づく印刷ジョブを生成する。アプリケーション50は、S53を実行した後、生成した印刷ジョブに被管理ID51を付与する(S55)。印刷ジョブには、例えば、ページ記述言語で記述された画像データが含まれている。アプリケーション50は、印刷ジョブに含まれる画像データにおける特定のバイト(byte)の位置、例えば、予め規定された画像データのヘッダの位置に被管理ID51の情報を設定する。尚、アプリケーション50は、ヘッダ以外の位置(画像データの最後等)に被管理ID51を設定しても良く、画像データに対して所定の演算や画像処理を実行することで被管理ID51が検出されるように、被管理ID51を画像データに設定しても良い。
【0057】
アプリケーション50は、S55で印刷ジョブに被管理ID51を付与した後、印刷ジョブの印刷を実行させる印刷指示をプリンタ17へ送信し(S57)、
図9の処理を終了する。これにより、被管理ID51を付与した印刷指示をプリンタ17に送信し、印刷させることができる。尚、端末装置15からプリンタ17への印刷指示(本願の画面形成指示の一例)において、被管理ID51を送信する方法は、上記した画像データに設定する方法に限らない。例えば、アプリケーション50は、印刷ジョブに設定する印刷パラメータの一つとして被管理ID51を設定しても良い。また、アプリケーション50は、印刷ジョブとは別のデータとして被管理ID51を送信しても良い。アプリケーション50は、印刷指示を送信する端末装置15とプリンタ17の通信セッションにおいて、印刷ジョブとは別のデータ(別のパケット等)で、被管理ID51をプリンタ17へ送信しても良い。即ち、印刷指示を送信する1つの通信セッション中の別パケットに被管理ID51を含めて送信しても良い。従って、本願における第2識別情報を含む画像形成指示を送信するとは、印刷指示の通信セッション中の別パケットで被管理ID51を送信する処理を含む概念である。
【0058】
次に、プリンタ17が実行する印刷処理について、
図10を用いて説明する。プリンタ17は、例えば、
図5に示すID記憶処理を実行した後、
図10に示す処理を開始する。まず、プリンタ17は、端末装置15から印刷指示を取得したか否かを判断する(S61)。プリンタ17は、印刷指示を取得しない場合(S61:NO)、
図10に示す処理を終了する。プリンタ17は、処理を終了した後、S61からの処理を再度実行する。これにより、プリンタ17は、起動中において、
図10に示す処理を繰り返し実行し、印刷指示の取得を判断する。
【0059】
プリンタ17は、端末装置15から印刷指示を取得すると(S61:YES)、プリンタ記憶部69に被管理ID72が記憶されているか、即ち、自装置が被管理ID72を所持しているか否かを判断する(S63)。プリンタ17は、被管理ID72がプリンタ記憶部69に記憶されていない場合(S63:NO)、取得した印刷ジョブに含まれる画像データの印刷を実行する(S65)。この場合、プリンタ17は、後述するS67以降の被管理ID72を用いた印刷の可否判断を実行せずに、取得した印刷ジョブの画像データを印刷する。プリンタ17は、例えば、画像データのヘッダに被管理ID51が設定されている場合、被管理ID51の情報を削除した後、画像データを印刷する。プリンタ17は、印刷が完了すると、印刷完了通知を、印刷指示の送信元の端末装置15へ通知する(
図8のS66)。プリンタ17は、
図10に示す処理を終了した後、S61からの処理を再度実行する。
【0060】
例えば、上記したように、
図5の処理を実行した際に、ネットワーク障害や第2通信IF62のネットワーク設定が未設定であるため、プリンタ17がサーバ11と通信できずに、被管理ID72をサーバ11へ登録する処理を実行できなかった場合(
図5のS13:NO)や、プリンタ17が、被管理ID72を用いた印刷の可否判断を実行しない設定の場合(S13:NO)、プリンタ17は、被管理ID72をプリンタ記憶部69に記憶せずに起動する。その後、プリンタ17は、
図10のS61で印刷指示を取得すると(S61:YES)、S63で否定判断し(S63:NO)、印刷を実行する(S65)。これにより、ネットワーク障害や、第2通信IF62のネットワーク設定が未設定の場合でも、端末装置15から印刷指示を送信することで、プリンタ17に印刷を実行させることができる。尚、プリンタ17は、S63で否定判断した場合(S63:NO)、印刷を実行せずにエラー等を端末装置15へ通知しても良い。プリンタ17は、被管理ID72が未登録であるため印刷できないことを、端末装置15に報知しても良く、プリンタ17のユーザIF65で報知しても良い。
【0061】
プリンタ17は、S63において、被管理ID72がプリンタ記憶部69に記憶されている場合(S63:YES)、印刷指示で取得した被管理ID51と、プリンタ記憶部69に記憶された自装置が所持する被管理ID72とを比較する(S67)。プリンタ17は、画像データのヘッダから被管理ID51を取得し、2つの被管理ID51,72が一致するか否かを判断する(S69)。プリンタ17は、2つの被管理ID51,72が一致する場合、例えば、2つの被管理ID51,72が示す値が完全に一致する場合(S69:YES)、S71を実行し、一致しない場合(S69:NO)、S73を実行する。
【0062】
プリンタ17は、S73において、モードフラグ76にONを示す値を設定する。これにより、プリンタ17は、紛失モードへ移行する。また、プリンタ17は、紛失モードへ移行した後、ユーザIF65をロックする処理を行なう。プリンタ17は、ロック状態において、例えば、予め設定された認証情報(暗証番号など)が入力されるまでの間、電源のオン/オフ以外のユーザIF65の操作を禁止する。また、プリンタ17は、取得した印刷ジョブに基づく印刷を実行しないため、印刷指示の送信元の端末装置15へエラーを通知する(S73)。尚、プリンタ17は、送信元にエラーを通知しなくとも良い。
【0063】
ここで、出張先等でプリンタ17を紛失した場合、プリンタ17は、拾得者によって使用される可能性がある。拾得者は、例えば、アプリケーション50がインストールされた端末装置15を操作してプリンタ17へ印刷指示を送信する可能性がある。このような場合に、プリンタ17は、被管理ID72を所持する状態では、印刷指示の被管理ID51と、自装置の被管理ID72が一致しない場合、印刷を実行しない(S69:NO)。これにより、プリンタ17の不正な使用を抑制できる。
【0064】
また、紛失したプリンタ17を通常モードのままにすると、拾得者等によって使用される可能性がある。そこで、プリンタ17は、被管理ID72と一致しない被管理ID51の印刷指示を取得した場合、紛失モードへ移行して機能を制限する。従って、紛失モードは、例えば、拾得者等によるプリンタ17の不正な使用を抑制するために機能を制限するモードである。プリンタ17は、例えば、紛失モードへ移行すると、ユーザIF65を介した操作入力を制限する状態となる。プリンタ17は、紛失モードにおいて、電源をオン/オフするユーザIF65の操作、第1通信IF61、第2通信IF62の通信機能を有効化又は無効化するユーザIF65の操作を許可する一方、その他のユーザIF65の操作を制限する。ここでいう、その他のユーザIF65の操作とは、例えば、テスト印刷の操作、テンプレートデータ74の印刷操作、第1通信IF61のIPアドレスを変更する操作、登録済みのサーバ11のアクセス先(URL等)を変更する操作などである。
【0065】
通信機能を有効化又は無効化する操作を許可することで、例えば、ユーザは、プリンタ17を紛失した後に返却された場合、紛失モードのプリンタ17のユーザIF65のロックを解除して第2通信IF62の近距離無線通信等の通信機能を有効化することができる。プリンタ17は、後述するように、被管理ID51,72が一致する印刷指示を取得すると、紛失モードを解除する。このため、ユーザは、紛失モードにおいて、第2通信IF62等の通信機能を有効化する操作ができれば、近距離無線通信やWi-Fi Direct(登録商標)の無線通信を介して端末装置15からプリンタ17へ印刷指示を送信して紛失モードを解除できる。
【0066】
また、第1通信IF61のIPアドレスを変更するユーザIF65の操作を禁止すれば、紛失した後、ユーザに返却されるまでの間にIPアドレスが変更されることを抑制できる。その結果、ユーザに返却された際に、プリンタ17をネットワーク19等に接続して、端末装置15からプリンタ17へ印刷指示の送信等ができる。また、登録済みのサーバ11のアクセス先の変更を禁止すれば、例えば、プリンタ17の電源が投入されサーバ11へアクセスがあった場合に、サーバ11側でプリンタ17の電源が投入されたことを検出できる。従って、プリンタ17は、紛失モードにおいて、自装置とサーバ11との通信を許可しつつ、ユーザIF65の操作を制限し、アクセスするサーバ11の変更を制限する。尚、アクセスするサーバ11の変更を制限する方法は、ユーザIF65の操作を制限する方法に限らない。例えば、プリンタ17は、紛失モードにおいて、ユーザIF65の操作を許可する一方、自装置の通信設定(IPアドレスの設定)やアクセスするサーバ11の設定(URLやIPアドレスなど)の設定項目に対する変更を禁止しても良い。
【0067】
また、プリンタ17は、紛失モードにおいて、テンプレートデータ74や個人情報75を印刷するユーザIF65の操作を制限する。これにより、プリンタ17に記憶された個人情報75等が、第3者に見られることを抑制できる。また、プリンタ17は、印刷以外の方法でも、テンプレートデータ74や個人情報75を、ユーザから閲覧できない制御を実行する。例えば、プリンタ17は、紛失モードにおいて、テンプレートデータ74や個人情報75のプレビュー画像を形成する印刷指示を端末装置15から取得した場合、プレビュー画像の形成や、形成したプレビュー画像を端末装置15へ応答する処理を実行しない。また、プリンタ17は、紛失モードにおいて、テンプレートデータ74や個人情報75の情報をユーザIF65に表示する操作を、ユーザIF65で受け付けた場合、情報を表示しない。ここでいうプレビュー画像とは、例えば、シートに印刷した場合の印刷状態を予め確認できる画像である。尚、プリンタ17は、紛失モードにおいて、プレビュー画像の一部(テンプレートデータ74のみなど)の画像形成や表示を実行しても良い。また、プリンタ17は、紛失モードにおいて、プレビュー画像の形成や応答を実行しても良い。
【0068】
尚、上記した紛失モードにおける制御内容は一例である。例えば、プリンタ17は、紛失モードにおいて、第1通信IF61による近距離無線の実行を禁止しても良い。あるいは、プリンタ17は、紛失モードにおいて、ユーザIF65の表示を消しても良い。
【0069】
プリンタ17は、
図10のS73で紛失モードに移行すると、プリンタ記憶部69の連絡先情報73を印刷する(S75)。プリンタ17は、予めプリンタ17に設定された連絡先情報73の印刷を実行し(S75)、
図10に示す処理を終了する。これにより、紛失先でプリンタ17を拾得した人等に、プリンタ17の所有者の連絡先(住所、電話番号など)を印刷して教えることができる。所有者への連絡を拾得者等に促すことができ、紛失したプリンタ17が返却される確立を高めることができる。尚、連絡先情報73を報知する方法は、印刷する方法に限らない。プリンタ17は、ユーザIF65に連絡先情報73を表示しても良い。あるいは、プリンタ17は、連絡先情報73を、被管理ID51,72が一致しない端末装置15へ通知しても良い。
【0070】
一方、プリンタ17は、被管理ID51,72が一致した場合(S69:YES)、モードフラグ76にOFFを示す値を設定する(S71)。これにより、プリンタ17は、S71の実行前から紛失モードがOFFで通常モードであれば、通常モードを維持し、実行前に紛失モードであった場合、通常モードへ移行する。換言すれば、プリンタ17は、被管理ID51,72が一致する印刷指示を取得すれば(S69:YES)、紛失モードを解除する。
【0071】
また、プリンタ17は、S71において、ユーザIF65がロック状態であれば、ロックを解除する。これにより、認証等を必要とせずに、ユーザIF65を使用することができる。尚、プリンタ17は、S73において、ユーザIF65をロックしなくとも良い。この場合、プリンタ17は、S71でユーザIF65のロックを解除する処理を実行しなくとも良い。
【0072】
プリンタ17は、S71を実行した後、端末装置15から取得した印刷ジョブに含まれる画像データの印刷を実行する(S65)。プリンタ17は、画像データに含まれる被管理ID51を削除等して印刷する。これにより、被管理ID72と一致する被管理ID51を所持する端末装置15、即ち、正規のユーザだけがプリンタ17に対して印刷を実行させることができる。プリンタ17は、印刷が完了すると、印刷完了通知を、印刷指示の送信元の端末装置15へ通知する(
図8のS66)。上記したように、プリンタ17は、S69の判断結果に基づいて、印刷指示に基づく印刷の実行の可否を決定している。このため、プリンタ17は、S69で被管理ID51,72が一致するか否かを判断することで、印刷指示に基づく印刷を許可するか否かを判断していると言える。
【0073】
尚、プリンタ17は、S67、S69において、被管理ID51,72が完全に一致するか否かを判断した。しかしながら、被管理ID51,72に基づいて、紛失モードへの移行や印刷の実行の可否を判断する方法は、被管理ID51,72の一致を判断する方法に限らない。例えば、プリンタ17は、被管理ID51,72が完全に一致していなくとも、管理ID51の一部に、被管理ID72の値が設定されていた場合、S69で肯定判断しても良い。あるいは、プリンタ17は、端末装置15から送られてきた識別情報のハッシュ値を演算し、演算したハッシュ値とプリンタ17が記憶するハッシュ値が一致する場合、S69で肯定判断しても良い。また、端末装置15からプリンタ17へ送信する識別情報は暗号化された情報でも良い。そして、プリンタ17は、端末装置15から取得した識別情報を、自装置に記憶する復号化キーで復号化に成功した場合、S69で肯定判断しても良い。
【0074】
また、上記した印刷指示において、端末装置15が、複数のプリンタ17に印刷指示を送信可能な場合、端末装置15は、各プリンタ17のプリンタIDと、そのプリンタ17に記憶された被管理ID72と一致する被管理ID51とを関連付けて記憶しておき、印刷指示を送信する際に被管理ID51を使い分けても良い。
図11は、1台の端末装置15で複数のプリンタ17を使用する状態を示している。端末装置15の端末記憶部47には、例えば、複数のプリンタ17のプリンタIDと、そのプリンタ17が記憶する被管理ID72と一致する被管理ID51とが関連付けて記憶されている。この関連付けられたデータは、
図7に示すように、端末装置15のユーザから入力された被管理ID51と、その時点で選択されたプリンタ17とを関連付けて記憶したデータでも良い。例えば、ユーザは、新たなプリンタ17のセットアップ(通信設定など)をするごとに、入力画面でそのプリンタ17の被管理ID72を入力し、被管理ID51をプリンタIDに関連付けて記憶させても良い。あるいは、サーバ11が、MAM機能を利用して、複数のプリンタIDと被管理ID51を関連付けたデータを、アプリケーション50のインストール時等に端末記憶部47に記憶させても良い。
【0075】
端末装置15は、例えば、
図9のS51で説明した印刷設定を受け付ける受付画面において、印刷指示を送信するプリンタ17の選択を受け付けても良い。そして、端末装置15は、ユーザから印刷指示を受け付けた場合(S51:YES)、選択されたプリンタ17のプリンタIDに関連付けられた被管理ID51を印刷ジョブに付与し(S55)、プリンタ17へ送信する(S57)。
図11の例では、プリンタID3のプリンタ17が選択され、端末装置15が、プリンタID3に関連付けられた被管理ID3を印刷指示で送信する状態を示している。これにより、複数のプリンタ17であっても、各プリンタ17に対応した、即ち、プリンタ17に記憶された被管理ID72と一致する被管理ID51を送信して印刷を実行させることができる。
【0076】
(プリンタ17の起動処理)
次に、プリンタ17が実行する起動処理について、
図12を用いて説明する。プリンタ17は、例えば、
図12のS81において、電源が投入されたか否かを判断する。プリンタ17は、例えば、ユーザIF65の電源ボタンが操作されず、電源が投入されない状態では(S81:NO)、S81の処理を実行し、電源の投入を待機する状態となる。プリンタ17は、ユーザIF65の電源ボタンが操作され、電源が投入されると(S81:YES)、プリンタCPU70でプリンタプログラム71を実行し、プリンタ17のシステムを起動する(S83)。
【0077】
プリンタ17は、システムを起動すると、モードフラグ76がONを示す値であるか否かを判断する(S85)。プリンタ17は、モードフラグ76がOFFを示す値である場合(S85:NO)、即ち、通常モードである場合、
図12の処理を終了する。この場合、プリンタ17は、機能を制限しない通常モードで起動する。
【0078】
一方、プリンタ17は、モードフラグ76がONを示す値である場合(S85:YES)、
図10のS73と同様に、ユーザIF65をロックする(S86)。これにより、プリンタ17は、起動後、ユーザIF65を操作するためには認証番号等を入力する必要がある状態となる。プリンタ17は、連絡先情報73の印刷を実行し(S87)、
図12に示す処理を終了する。この場合、プリンタ17は、機能を制限する紛失モードで起動する。これにより、プリンタ17は、紛失モードである間は、電源を投入されるごとに、連絡先情報73の印刷を実行する。拾得者等に連絡をより確実に報知して、プリンタ17を早期に返却させることができる。尚、プリンタ17は、電源投入時に紛失モードである場合、S86のユーザIF65のロックを実行しなくとも良い。また、プリンタ17は、S87の連絡先情報73の印刷を実行しなくとも良い。また、プリンタ17は、電源投入時に紛失モードである場合、連絡先情報73をユーザIF65に表示しても良く、ランプの点灯やブザー音を鳴らしても良い。
【0079】
因みに、サーバ11は、管理サーバの一例である。端末装置15は、情報処理装置の一例である。プリンタ17は、可搬型の画像形成装置の一例である。端末記憶部47は、記憶部の一例である。端末CPU48は、コンピュータの一例である。アプリケーション50は、プログラムの一例である。被管理ID51は、第2識別情報の一例である。第1通信IF43、第2通信IF44、第1通信IF61及び第2通信IF62は、通信インタフェースの一例である。印刷部64は、画像形成部の一例である。プリンタ制御部67は、制御部の一例である。プリンタ記憶部69は、記憶部の一例である。被管理ID72は、第1識別情報の一例である。個人情報75は、ユーザ情報の一例である。S51は、取得処理の一例である。S69は、判断処理の一例である。S65は、画像形成処理の一例である。S73、S75は、制限処理の一例である。S57は、送信処理の一例である。S37は、判断処理の一例である。S41は、受付処理の一例である。
【0080】
(効果)上記した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態のプリンタ17は、被管理ID72をプリンタ記憶部69に記憶した状態において、被管理ID51を含む印刷指示(画像形成指示の一例)を、第1通信IF61や第2通信IF62を介して端末装置15から取得する(S51)。プリンタ17は、取得した被管理ID51と、プリンタ記憶部69の被管理ID72に基づいて、印刷部64による印刷(画像形成の一例)を許可するか否かを判断する(S69)。プリンタ17は、印刷を許可する場合(S69:YES)、印刷ジョブの画像データを印刷部64で印刷する(S65)。また、プリンタ17は、印刷を許可しない場合(S69:NO)、画像データの印刷を実行しない(S73、S75)。
【0081】
これによれば、プリンタ17は、印刷指示の取得前からプリンタ記憶部69に予め記憶している被管理ID72と、端末装置15から取得した被管理ID51に基づいて、印刷の実行の許可を判断する。このため、プリンタ17に記憶された被管理ID72を知っている、即ち、正規のユーザのみがプリンタ17に対して印刷を正常に実行させることができる。また、紛失等により、非正規のユーザから印刷指示を受けたとしても、印刷の実行を制限できる。プリンタ17の消耗品の利用、部品の劣化、プリンタ17に記憶されたテンプレートデータ74や個人情報75の漏洩の発生を抑制できる。
【0082】
(2)プリンタ17は、S69において、2つの被管理ID51,72が示す値が完全に一致する場合(S69:YES)、S65の印刷を許可する。これによれば、被管理ID51,72が一致した場合のみ印刷を許可することができ、被管理ID51,72が一致しない非正規ユーザ(例えば、拾得者等)が使用することを抑制できる。
【0083】
(3)プリンタ17は、新たな印刷指示を取得するごとに(S61:YES)、新たな印刷指示で取得した被管理ID51に基づいてS69の判断処理を実行する。これによれば、印刷指示を取得するごとに、新たに取得した印刷指示の被管理ID51による判断を実行する。例えば、被管理ID51,72が一致した場合に、一定時間だけ被管理ID51,72を確認せずに、取得した印刷指示の印刷を実行すると、被管理ID51を所有していない端末装置15からの印刷指示も印刷してしまう可能性がある。本実施形態のように、新たな印刷指示を取得するごとに被管理ID51,72の一致を毎回判断すれば、プリンタ17の不正な使用の発生をより確実に抑制できる。
【0084】
(4)プリンタ記憶部69には、テンプレートデータ74及びテンプレートデータ74に付加可能な個人情報75を記憶している。プリンタ17は、画像データに基づく印刷において、テンプレートデータ74及び個人情報75を用いた印刷が実行可能である。これによれば、被管理ID51,72の判断結果に基づいて印刷を制限することで、個人情報75等が漏洩することを抑制できる。従って、このようなテンプレートデータ74や個人情報75を記憶するプリンタ17において、被管理ID51,72に基づいて印刷を制限することは極めて有効である。
【0085】
(5)プリンタ17は、印刷を許可しないと判断した場合(S69:NO)、プリンタ17の機能を制限する紛失モード(機能制限モードの一例)へ移行する。これによれば、例えば、紛失等した後に、被管理ID51,72が一致しない端末装置15から印刷指示を受け付けた場合、その印刷指示を実行しないだけでなく、機能を制限する紛失モードへ移行できる。プリンタ17は、紛失モードにおいて、例えば、電源のオン/オフの操作等以外のユーザIF65への操作を禁止する。これにより、プリンタ17のIPアドレスの変更や登録済みのサーバ11のアクセス先の情報などの変更を抑制することができる。
【0086】
(6)プリンタ17は、紛失モードにおいて、連絡先情報73を印刷する(S75、S87)。これによれば、連絡先情報73を印刷して、拾得者等に連絡先を確認させ、プリンタ17が返却される確率を高めることができる。また、プリンタ17は、紛失モードにおいて、第1通信IF61等の通信(Bluetooth(登録商標)やWi-Fi Direct(登録商標)の通信機能)の有効化を行なうユーザIF65の操作を許可する。これによれば、紛失したプリンタ17がユーザに返却された際に、ユーザIF65を操作し、Bluetooth(登録商標)等の通信機能を有効化することができる。ユーザは、端末装置15から印刷指示を送信して紛失モードを解除し、通常モードで使用できる。また、プリンタ17は、紛失モードにおいて、電源を投入するユーザIF65の操作を許可する。これによれば、ユーザは、返却されたプリンタ17が紛失モードでも、電源を投入して紛失モードの解除等の操作をユーザIF65で行なうことができる。また、プリンタ17は、紛失モードにおいて、上記した操作以外のユーザIF65の操作を制限する。これによれば、ユーザIF65の操作を制限することで、テンプレートデータ74や個人情報75の印刷、プレビュー画像の表示、プリンタ17の設定情報の変更などを禁止することが可能となる。
【0087】
(7)プリンタ17は、紛失モードへ移行した後に電源がオフされ、その後、電源がオンされた後も紛失モードを維持する(
図12)。これにより、仮に、拾得者等がプリンタ17の電源を入り切りしても、紛失モードを維持することで、情報の漏洩や消耗品(部品)の消耗等を抑制できる。
【0088】
(8)プリンタ17は、紛失モードへ移行した後、新たな印刷指示を取得した場合に、被管理ID51,72が一致し印刷を許可する場合(S69:YES)、紛失モードを解除する(S71)。これによれば、社員等の正規のユーザは、紛失モードのプリンタ17が返却された場合に、端末装置15から印刷指示を送信することで、プリンタ17の紛失モードを解除し、通常モードでプリンタ17を使用できる。紛失モードを解除するための特別な操作が不要となる。
【0089】
(9)サーバ11は、複数のプリンタ17の各々が有する被管理ID72を管理DB28で管理する(
図3)。プリンタ17は、紛失モードにおいて、自装置とサーバ11との通信を許可する一方、ユーザIF65の操作を制限することで、サーバ11へアクセスするアクセス先の変更を制限する。これによれば、登録済みのサーバ11のアクセス先が変更されないことで、例えば、プリンタ17の電源が投入されサーバ11へアクセスがあった場合に、サーバ11側でプリンタ17の電源が投入されたことを検出できる。
【0090】
(10)また、プリンタ17は、紛失モードにおいて、テンプレートデータ74及び個人情報75を用いたプレビュー画像を形成する印刷指示を端末装置15から取得した場合、プレビュー画像の形成を実行しない。これによれば、印刷の制限だけでなく、テンプレートデータ74及び個人情報75を用いたプレビュー画像の形成も制限する。プリンタ17に記憶された個人情報75等が、拾得者等の第3者に見られることを抑制できる。
【0091】
(11)プリンタ17は、
図5に示す実施形態では、被管理ID72を生成してサーバ11に登録する(S23、S25)。これによれば、プリンタ17は、自装置のタイミングで(所定の条件が成立した場合などに)、被管理ID72を生成し登録できる。また、サーバ11が被管理ID72を生成する必要がなく、サーバ11の処理負荷を軽減できる。また、
図6の別例の実施形態では、プリンタ17は、サーバ11から取得した被管理ID72を自装置のプリンタ記憶部69に記憶する(S35)。これによれば、プリンタ17は、サーバ11から取得した被管理ID72を記憶及び使用することができる。プリンタ17が被管理ID72を生成する必要がなく、プリンタ17の処理負荷を軽減できる。また、サーバ11側で、使用中の被管理ID72を管理できる。
【0092】
(12)サーバ11は、MDM機能を有するサーバであり、管理対象の端末装置15のそれぞれにおける機能の制限及びデータの消去が可能となっている。これによれば、紛失等に応じて端末装置15の機能の制限やデータの消去を行うサーバ11において、端末装置15と一緒に使用されるプリンタ17の被管理ID72を管理することができる。
【0093】
(13)アプリケーション50は、被管理ID51及び画像データを含む印刷指示を、第1通信IF43又は第2通信IF44を介してプリンタ17へ送信する(S57)。アプリケーション50は、印刷指示を送信することで、送信した被管理ID51と、プリンタ17に記憶されている被管理ID72とに基づいた印刷の許可の判断を、プリンタ17に実行させる(
図10)。これによれば、プリンタ17は、印刷指示の取得前からプリンタ記憶部69に予め記憶している被管理ID72と、端末装置15から取得した被管理ID51に基づいて、印刷の実行の許可を判断させることができる。プリンタ17に記憶された被管理ID72を知っている、即ち、正規のユーザのみがプリンタ17に対して印刷を正常に実行させることができる。
【0094】
(14)アプリケーション50は、端末記憶部47に被管理ID51が記憶されているか否かを判断し(S37)、端末記憶部47に被管理ID51が記憶されていない場合(S37:NO)、被管理ID51を、端末装置15のユーザから受け付ける(S41)。これによれば、使用するプリンタ17の被管理ID72に合った被管理ID51を、ユーザが、端末装置15に記憶させ設定することができる。ユーザの実際の使用に合せて、被管理ID51の設定を行なうことができる。
【0095】
(15)サーバ11は、プリンタ17を識別するプリンタID(画像形成装置識別情報の一例)と、そのプリンタIDが示すプリンタ17の被管理ID72と、を関連付けて管理DB28で管理する。サーバ11は、例えば、MAM機能により、アプリケーション50を端末装置15にインストールする制御を端末装置15に対して実施し、インストールする際に、印刷指示を送信するプリンタ17に記憶されている被管理ID72を被管理ID51として端末記憶部47に記憶させる。これによれば、管理者は、社員等のユーザの各々が使用する端末装置15に対し、アプリケーション50をインストールする際に、ユーザが使用するプリンタ17の被管理ID72を被管理ID51として端末装置15に設定できる。端末装置15のユーザが、被管理ID51を設定する必要がなくなる。また、ユーザによる被管理ID51の入力ミスなどをなくすことができる。また、管理者は、管理PC13を操作することで、複数の端末装置15に対して、各端末装置15で使用するプリンタ17の被管理ID51を、一括でインストールすることができる。
【0096】
(16)
図11に示す例では、端末記憶部47には、複数の被管理ID51が、プリンタID(画像形成装置識別情報の一例)に関連付けて記憶されている。アプリケーション50は、印刷指示を送信する際に、送信先のプリンタ17を示すプリンタIDに関連付けられた被管理ID51を送信する。これによれば、複数のプリンタ17に対して、そのプリンタ17に対応する被管理ID51を送信し印刷を実行させることができる。被管理ID51を切り替えてプリンタ17を使い分けることができる。
【0097】
(17)アプリケーション50は、印刷指示の送信処理において、印刷指示に含まれる画像データの特定のバイト位置(データ位置の一例)に被管理ID51を設定する。これによれば、印刷ジョブの画像データに、被管理ID51を含めて送信することができる。
【0098】
(変形例)
以上、本願の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施形態の変形例を以下に列挙する。
例えば、上記した印刷システム10の構成は、一例である。例えば、印刷システム10は、端末装置15を管理するサーバ11(MDMサーバ)を備えなくとも良い。また、例えば、プリンタ17は、第1通信IF61又は第2通信IF62の一方を備える構成でも良い。また、端末装置15は、第1通信IF43又は第2通信IF44の一方を備える構成でも良い。1台のプリンタ17に複数台の端末装置15が通信可能な構成でも良く、1台のプリンタ17に1台の端末装置15のみが通信可能な構成でも良い。
また、本願の画像形成を制限する制限処理は、印刷の禁止に限らず、例えば、印刷指示に基づく一部の印刷の実施(トップページの印刷のみなど)でも良い。
また、プリンタ17は、個人情報75の印刷を実行しなくとも良い。
また、本願のユーザ情報は、個人情報75(ユーザの名前など)に限らず、会社名、社員ID、店舗名など、ユーザに係わる様々な情報を採用できる。
プリンタ17は、テンプレートデータ74や個人情報75を備えなくとも良い。
プリンタ17は、紛失モードを備えなくとも良い。
【0099】
上記実施形態では、プリンタ17は、被管理ID51,72が一致する印刷指示を取得すると(S69:YES)、紛失モードを解除したが(S71)、解除しなくとも良い。プリンタ17は、例えば、端末装置15や管理PC13から特定のコマンドを送信された場合に、紛失モードを解除する構成でも良い。
また、各プログラム(サーバプログラム27、管理プログラム38、OSプログラム49、アプリケーション50、プリンタプログラム71)を記憶する記憶部は、特に限定されず、各記憶部のROMやフラッシュメモリなどでも良い。また、各プログラムを記憶する記憶部は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体としては、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体を採用しても良い。
【0100】
本願の情報処理端末として、スマートフォンである端末装置15を採用したが、これに限らない。情報処理装置としては、デスクトップPC、ノートPC、タブレットPC等の端末を採用できる。
本願の可搬型の画像形成装置として、プリンタ17を採用したが、ラベルプリンタ、FAX装置などでも良い。FAX装置の場合、画像を読み取る読み取り部(スキャン部)は、本願の画像形成部の一例である。また、FAX装置に対する原稿のスキャン指示は、本願の画像形成指示の一例である。
【符号の説明】
【0101】
11 サーバ(管理サーバ)、15 端末装置(情報処理装置)、17 プリンタ(画像形成装置)、43 第1通信IF(通信インタフェース)、44 第2通信IF(通信インタフェース)、47 端末記憶部(記憶部)、48 端末CPU(コンピュータ)、50 アプリケーションプログラム(プログラム)、51 被管理ID(第2識別情報)、61 第1通信IF(通信インタフェース)、62 第2通信IF(通信インタフェース)、64 印刷部(画像形成部)、65 ユーザIF、67 プリンタ制御部(制御部)、69 プリンタ記憶部(記憶部)、72 被管理ID(第1識別情報)、77 個人情報(ユーザ情報)。