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7631920ログ保存システム、ログ保存方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-10
(45)【発行日】2025-02-19
(54)【発明の名称】ログ保存システム、ログ保存方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/34 20060101AFI20250212BHJP
   G06F 11/07 20060101ALI20250212BHJP
【FI】
G06F11/34 176
G06F11/07 178
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021039243
(22)【出願日】2021-03-11
(65)【公開番号】P2022139037
(43)【公開日】2022-09-26
【審査請求日】2024-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】井股 風太
【審査官】円子 英紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-091456(JP,A)
【文献】特開2007-241540(JP,A)
【文献】特開2006-158104(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/07
G06F 11/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1記憶媒体と、
前記第1記憶媒体より書き換え耐性が低い第2記憶媒体と、
電子機器を制御するメインシステムと、
前記メインシステムのログデータを前記第1記憶媒体に保存し、前記メインシステムから、前記ログデータのコピーを要求するログコピー通知が通知された場合、前記第1記憶媒体に記憶される前記ログデータを、前記第2記憶媒体にコピーするログ保存制御部と、
を備え
前記ログ保存制御部は、前記第2記憶媒体に記憶される前記ログデータの容量を検知し、検知した前記容量が予め設定された容量以上である場合、前記第2記憶媒体に記憶される前記ログデータを古い順に削除し、前記第2記憶媒体から前記ログデータを削除する前に、当該ログデータをファクシミリによって外部の解析用端末に転送する、ログ保存システム。
【請求項2】
第1記憶媒体と、
前記第1記憶媒体より書き換え耐性が低い第2記憶媒体と、
電子機器を制御するメインシステムと、
前記メインシステムのログデータを前記第1記憶媒体に保存し、前記メインシステムから、前記ログデータのコピーを要求するログコピー通知が通知された場合、前記第1記憶媒体に記憶される前記ログデータを、前記第2記憶媒体にコピーするログ保存制御部と、
不揮発性メモリと、
前記メインシステムの起動時に前記不揮発性メモリにフラグを書き込み、前記メインシステムのシャットダウン時に前記不揮発性メモリから前記フラグを消去するメモリ制御部と、
前記メインシステムの起動毎に、前記不揮発性メモリに前記フラグが保存されているか否かを判断し、前記不揮発性メモリに前記フラグが保存されていない場合、前記メインシステムの前回のシャットダウンが当該メインシステムからの指示によるものと判断し、前記不揮発性メモリに前記フラグが保存されている場合、前記メインシステムの前回のシャットダウンが当該メインシステムの指示によるものでないと判断する判断部と、
を備え、
前記ログ保存制御部は、前記メインシステムの前回のシャットダウンが当該メインシステムの指示によるものでないと判断された場合、前記第1記憶媒体に記憶される前記ログデータを前記第2記憶媒体にコピーする、ログ保存システム。
【請求項3】
第1記憶媒体と、
前記第1記憶媒体より書き換え耐性が低い第2記憶媒体と、
電子機器を制御するメインシステムと、
前記メインシステムのログデータを前記第1記憶媒体に保存し、前記メインシステムから、前記ログデータのコピーを要求するログコピー通知が通知された場合、前記第1記憶媒体に記憶される前記ログデータを、前記第2記憶媒体にコピーするログ保存制御部と、
を備え、
前記メインシステムは、前記第1記憶媒体から前記第2記憶媒体への前記ログデータのコピー後、当該メインシステムのシャットダウンが生じることを通知するシャットダウン通知を前記ログ保存制御部に通知し、前記シャットダウン通知後、前記第1記憶媒体から前記第2記憶媒体への前記ログデータのコピーの完了通知が通知されるまで、前記メインシステムのシャットダウンを停止し、前記完了通知が通知された後、前記メインシステムのシャットダウンを実行し、
前記ログ保存制御部は、前記メインシステムから前記シャットダウン通知が通知された場合、前記第1記憶媒体から前記第2記憶媒体への前記ログデータのコピーが完了した後、前記完了通知を前記メインシステムに通知する、ログ保存システム。
【請求項4】
前記メインシステムは、当該メインシステムの異常を検出した場合に、前記ログコピー通知を前記ログ保存制御部に通知する、請求項1から3のいずれか一に記載のログ保存システム。
【請求項5】
前記メインシステムと前記ログ保存制御部とを備える集積回路、前記第1記憶媒体、および前記第2記憶媒体の電源回路に接続されるコンデンサをさらに備え、
前記コンデンサは、前記メインシステムの起動時に充電され、前記電源回路に異常が発生した場合に、前記集積回路、前記第1記憶媒体、および前記第2記憶媒体に電源を供給する、請求項1からのいずれか一に記載のログ保存システム。
【請求項6】
ログ保存システムで実行されるログ保存方法であって、
電子機器を制御するメインシステムのログデータを第1記憶媒体に保存する工程と、
前記メインシステムから、前記ログデータのコピーを要求するログコピー通知が通知された場合、前記第1記憶媒体に記憶される前記ログデータを、前記第1記憶媒体より書き換え耐性が低い第2記憶媒体にコピーする工程と、
前記第2記憶媒体に記憶される前記ログデータの容量を検知し、検知した前記容量が予め設定された容量以上である場合、前記第2記憶媒体に記憶される前記ログデータを古い順に削除し、前記第2記憶媒体から前記ログデータを削除する前に、当該ログデータをファクシミリによって外部の解析用端末に転送する工程と、
を含むログ保存方法。
【請求項7】
ログ保存システムで実行されるログ保存方法であって、
電子機器を制御するメインシステムのログデータを第1記憶媒体に保存する工程と、
前記メインシステムから、前記ログデータのコピーを要求するログコピー通知が通知された場合、前記第1記憶媒体に記憶される前記ログデータを、前記第1記憶媒体より書き換え耐性が低い第2記憶媒体にコピーする工程と、
前記メインシステムの起動時に不揮発性メモリにフラグを書き込み、前記メインシステムのシャットダウン時に前記不揮発性メモリから前記フラグを消去する工程と、
前記メインシステムの起動毎に、前記不揮発性メモリに前記フラグが保存されているか否かを判断し、前記不揮発性メモリに前記フラグが保存されていない場合、前記メインシステムの前回のシャットダウンが当該メインシステムからの指示によるものと判断し、前記不揮発性メモリに前記フラグが保存されている場合、前記メインシステムの前回のシャットダウンが当該メインシステムの指示によるものでないと判断する工程と、
前記メインシステムの前回のシャットダウンが当該メインシステムの指示によるものでないと判断された場合、前記第1記憶媒体に記憶される前記ログデータを前記第2記憶媒体にコピーする工程と、
を含むログ保存方法。
【請求項8】
電子機器を制御するメインシステムと、
前記メインシステムのログデータを第1記憶媒体に保存し、前記メインシステムから、前記ログデータのコピーを要求するログコピー通知が通知された場合、前記第1記憶媒体に記憶される前記ログデータを、前記第1記憶媒体より書き換え耐性が低い第2記憶媒体にコピーするログ保存制御部と、
を備えるログ保存システムで実行されるログ保存方法であって、
前記メインシステムが、前記第1記憶媒体から前記第2記憶媒体への前記ログデータのコピー後、当該メインシステムのシャットダウンが生じることを通知するシャットダウン通知を前記ログ保存制御部に通知し、前記シャットダウン通知後、前記第1記憶媒体から前記第2記憶媒体への前記ログデータのコピーの完了通知が通知されるまで、前記メインシステムのシャットダウンを停止し、前記完了通知が通知された後、前記メインシステムのシャットダウンを実行する工程と、
前記ログ保存制御部が、前記メインシステムから前記シャットダウン通知が通知された場合、前記第1記憶媒体から前記第2記憶媒体への前記ログデータのコピーが完了した後、前記完了通知を前記メインシステムに通知する工程と、
を含むログ保存方法。
【請求項9】
コンピュータを、
電子機器を制御するメインシステムのログデータを第1記憶媒体に保存し、前記メインシステムから、前記ログデータのコピーを要求するログコピー通知が通知された場合、前記第1記憶媒体に記憶される前記ログデータを、前記第1記憶媒体より書き換え耐性が低い第2記憶媒体にコピーするログ保存制御部、
として機能させ
前記ログ保存制御部は、前記第2記憶媒体に記憶される前記ログデータの容量を検知し、検知した前記容量が予め設定された容量以上である場合、前記第2記憶媒体に記憶される前記ログデータを古い順に削除し、前記第2記憶媒体から前記ログデータを削除する前に、当該ログデータをファクシミリによって外部の解析用端末に転送する、プログラム。
【請求項10】
コンピュータを、
電子機器を制御するメインシステムのログデータを第1記憶媒体に保存し、前記メインシステムから、前記ログデータのコピーを要求するログコピー通知が通知された場合、前記第1記憶媒体に記憶される前記ログデータを、前記第1記憶媒体より書き換え耐性が低い第2記憶媒体にコピーするログ保存制御部と、
前記メインシステムの起動時に不揮発性メモリにフラグを書き込み、前記メインシステムのシャットダウン時に前記不揮発性メモリから前記フラグを消去するメモリ制御部と、
前記メインシステムの起動毎に、前記不揮発性メモリに前記フラグが保存されているか否かを判断し、前記不揮発性メモリに前記フラグが保存されていない場合、前記メインシステムの前回のシャットダウンが当該メインシステムからの指示によるものと判断し、前記不揮発性メモリに前記フラグが保存されている場合、前記メインシステムの前回のシャットダウンが当該メインシステムの指示によるものでないと判断する判断部と、
して機能させ
前記ログ保存制御部は、前記メインシステムの前回のシャットダウンが当該メインシステムの指示によるものでないと判断された場合、前記第1記憶媒体に記憶される前記ログデータを前記第2記憶媒体にコピーする、プログラム。
【請求項11】
コンピュータを、
電子機器を制御するメインシステムのログデータを第1記憶媒体に保存し、前記メインシステムから、前記ログデータのコピーを要求するログコピー通知が通知された場合、前記第1記憶媒体に記憶される前記ログデータを、前記第1記憶媒体より書き換え耐性が低い第2記憶媒体にコピーするログ保存制御部、
として機能させ、
前記メインシステムは、前記第1記憶媒体から前記第2記憶媒体への前記ログデータのコピー後、当該メインシステムのシャットダウンが生じることを通知するシャットダウン通知を前記ログ保存制御部に通知し、前記シャットダウン通知後、前記第1記憶媒体から前記第2記憶媒体への前記ログデータのコピーの完了通知が通知されるまで、前記メインシステムのシャットダウンを停止し、前記完了通知が通知された後、前記メインシステムのシャットダウンを実行し、
前記ログ保存制御部は、前記メインシステムから前記シャットダウン通知が通知された場合、前記第1記憶媒体から前記第2記憶媒体への前記ログデータのコピーが完了した後、前記完了通知を前記メインシステムに通知する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ログ保存システム、ログ保存方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器を制御するメインシステムのログデータを、Nand型Flashメモリ等の記憶媒体に保存するログ保存システムが開発されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述のログ保存システムでは、記憶媒体に対してログデータが高頻度で書き込まれると、Nand型Flashメモリ等の書き換え耐性の低い記憶媒体の寿命が短くなる場合がある。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、メインシステムのログデータの記憶に要する記憶媒体の容量を抑制しつつ、メインシステムの障害発生時におけるログデータを記憶可能なログ保存システム、ログ保存方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、第1記憶媒体と、前記第1記憶媒体より書き換え耐性が低い第2記憶媒体と、電子機器を制御するメインシステムと、前記メインシステムのログデータを前記第1記憶媒体に保存し、前記メインシステムから、前記ログデータのコピーを要求するログコピー通知が通知された場合、前記第1記憶媒体に記憶される前記ログデータを、前記第2記憶媒体にコピーするログ保存制御部と、を備え、前記ログ保存制御部は、前記第2記憶媒体に記憶される前記ログデータの容量を検知し、検知した前記容量が予め設定された容量以上である場合、前記第2記憶媒体に記憶される前記ログデータを古い順に削除し、前記第2記憶媒体から前記ログデータを削除する前に、当該ログデータをファクシミリによって外部の解析用端末に転送する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、メインシステムのログデータの記憶に要する記憶媒体の容量を抑制しつつ、メインシステムの障害発生時におけるログデータを記憶可能とする、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本実施の形態にかかるログ保存システムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、本実施の形態にかかるログ保存システムにおけるログデータの保存処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、ログ保存システム、ログ保存方法、およびプログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0009】
図1は、本実施の形態にかかるログ保存システムの構成の一例を示す図である。本実施の形態にかかるログ保存システムは、図1に示すように、集積回路1と、電源回路2と、コンデンサ3と、不揮発性メモリ4と、第1記憶媒体X1と、第2記憶媒体X2と、を備える。
【0010】
電源回路2は、集積回路1、第1記憶媒体X1、および第2記憶媒体X2に電源を供給する電源回路の一例である。本実施の形態では、電源回路2は、不揮発性メモリ4にも電源を供給する。コンデンサ3は、電源回路2に接続されるコンデンサの一例である。また、コンデンサ3は、集積回路1が有するメインシステム101の起動時に充電され、電源回路2に異常が発生した場合に、集積回路1、第1記憶媒体X1、および第2記憶媒体X2に電源を供給する。これにより、第1記憶媒体X1または第2記憶媒体X2へのログデータの書き込み中に電源回路2からの電源の供給が遮断された場合でも、第1記憶媒体X1および第2記憶媒体X2へのログデータの保存が完了するまで、集積回路1、第1記憶媒体X1、および第2記憶媒体X2への電源の供給を保持することができる。本実施の形態では、コンデンサ3は、電源回路2に異常が発生した場合、不揮発性メモリ4にも電源を供給する。
【0011】
第1記憶媒体X1は、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、MRAM(Magneto resistive Random Access Memory)等、書き換え耐性の高い記憶媒体であり、集積回路1が有するメインシステム101のログデータを記憶する第1記憶媒体の一例である。また、第1記憶媒体X1は、不揮発性メモリである。第2記憶媒体X2は、Nand型Flashメモリ等、第1記憶媒体X1より書き換え耐性の低い記憶媒体であり、メインシステム101において異常が発生した場合等に、当該メインシステム101のログデータを記憶する第2記憶媒体の一例である。また、第2記憶媒体X2は、不揮発性メモリである。不揮発性メモリ4は、メインシステム101の起動時にフラグを記憶する不揮発性メモリの一例である。
【0012】
集積回路1は、メインシステム101を備える。メインシステム101は、電子機器を制御するメインシステムの一例であり、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有する。そして、当該プロセッサが、当該ROMに記憶される各種プログラム(ログ保存プログラム等)を実行することにより、ログ保存制御部102a、メモリ制御部102b、判断部102c、メインシステム制御部102d等の各種機能を実現する。本実施の形態では、メインシステム101内に、ログ保存制御部102a、メモリ制御部102b、および判断部102cが設けられているが(言い換えると、メインシステム101内においてログ保存プログラムが実行されるが)、メインシステム101の外部装置内に、ログ保存制御部102a、メモリ制御部102b、および判断部102cが設けられていても良い。
【0013】
メインシステム制御部102dは、メインシステム101を制御する。本実施の形態では、メインシステム制御部102dは、メインシステム101の異常を検出し、当該異常を検出した場合に、ログコピー通知を、ログ保存制御部102aに通知する。ここで、ログコピー通知は、第1記憶媒体X1から第2記憶媒体X2へのログデータのコピーを要求するログコピー通知の一例である。
【0014】
また、メインシステム制御部102dは、シャットダウン通知をログ保存制御部102aに通知する。ここで、シャットダウン通知は、第1記憶媒体X1から第2記憶媒体X2へのログデータのコピー後、メインシステム101のシャットダウンが生じることを通知するシャットダウン通知の一例である。そして、メインシステム制御部102dは、シャットダウン通知後、ログ保存制御部102aからコピー完了通知が通知されるまで、メインシステム101のシャットダウンを停止し、コピー完了通知が通知された後、メインシステム101のシャットダウンを実行する。
【0015】
ログ保存制御部102aは、メインシステム101のログデータ(メインシステム101の動作記録)を第1記憶媒体X1に保存する。本実施の形態では、ログ保存制御部102aは、第1記憶媒体X1に対して、ログデータを、リングバッファ形式で保存する。また、ログ保存制御部102aは、メインシステム101(本実施の形態では、メインシステム制御部102d)から、ログコピー通知が通知された場合、第1記憶媒体X1に記憶されるログデータを、第2記憶媒体X2にコピーするログ保存制御部の一例である。これにより、メインシステム101において異常(障害)が発生した場合に、メインシステム101のログデータを、低耐久性メモリ(第2記憶媒体X2)に保存することにより、高価な高耐久性メモリ(第1記憶媒体X1)の容量を小さく抑えながら、低耐久性メモリの破損を防止することができる。その結果、メインシステム101のログデータの記憶に要する第1記憶媒体X1の容量を抑制しつつ、メインシステム101の障害発生時におけるログデータを記憶可能とする。
【0016】
また、ログ保存制御部102aは、第2記憶媒体X2に記憶されるログデータの容量を検知する。そして、ログ保存制御部102aは、検知したログデータの容量が、予め設定された容量以上である場合、第2記憶媒体X2に記憶されるログデータを古い順に削除する。これにより、第2記憶媒体X2に記憶されるログデータの容量を予め設定された容量以下に保つことができる。
【0017】
また、ログ保存制御部102aは、第2記憶媒体X2からログデータを削除する前に、当該ログデータを用紙に印刷することも可能である。これにより、第2記憶媒体X2からログデータが削除された後も、用紙に印刷されたログデータに基づいてメインシステム101の解析が可能となる。
【0018】
また、ログ保存制御部102aは、第2記憶媒体X2からログデータを削除する前に、当該ログデータをネットワーク経由でサーバに転送することも可能である。これにより、第2記憶媒体X2からログデータが削除された後も、サーバに蓄積されるログデータに基づいてメインシステム101の解析が可能となる。また、ログ保存制御部102aは、第2記憶媒体X2からログデータを削除する前に、当該ログデータをファクシミリによって外部の解析用端末に転送することも可能である。これにより、第2記憶媒体X2からログデータが削除された後も、外部の解析用端末から出力されるログデータに基づいてメインシステム101の解析が可能となる。
【0019】
また、ログ保存制御部102aは、後述する判断部102cによって、メインシステム101の前回のシャットダウンが当該メインシステム101(本実施の形態では、メインシステム制御部102d)の指示によるものでないと判断された場合、第1記憶媒体X1に記憶されるログデータを第2記憶媒体X2にコピーする。これにより、メインシステム101において想定外の異常が生じて当該メインシステム101がシャットダウンした場合でも、メインシステム101のログデータの解析が可能となる。
【0020】
また、ログ保存制御部102aは、メインシステム101(本実施の形態では、メインシステム制御部102d)からシャットダウン通知が通知された場合、第1記憶媒体X1から第2記憶媒体X2へのログデータのコピーが完了した後、コピー完了通知(完了通知の一例)をメインシステム101(本実施の形態では、メインシステム制御部102d)に通知する。これにより、第1記憶媒体X1から第2記憶媒体X2へのログデータのコピーの途中でメインシステム101のシャットダウンが実行されてしまい、第2記憶媒体X2へのログデータの保存が正常に行われなくなることを防止できる。
【0021】
メモリ制御部102bは、メインシステム101の起動時に不揮発性メモリ4にフラグを書き込む。また、メモリ制御部102bは、メインシステム101のシャットダウン時に不揮発性メモリ4からフラグを消去する。これにより、メインシステム101の起動時に不揮発性メモリ4にフラグが記憶されているか否かを確認することで、メインシステム101の前回のシャットダウンが当該メインシステム101の指示によるものであるか否かを判断可能となる。
【0022】
判断部102cは、メインシステム101の起動毎に、不揮発性メモリ4にフラグが保存されているか否かを判断する。そして、判断部102cは、不揮発性メモリ4にフラグが保存されていない場合、メインシステム101の前回のシャットダウンが当該メインシステム101(本実施の形態では、メインシステム制御部102d)からの指示によるものと判断する。一方、判断部102cは、不揮発性メモリ4にフラグが保存されている場合、メインシステム101の前回のシャットダウンが当該メインシステム101(本実施の形態では、メインシステム制御部102d)からの指示によるものでないと判断する。すなわち、判断部102cは、メインシステム101の前回のシャットダウンが意図しないものであると判断する。この場合、ログ保存制御部102aは、上述したように、第1記憶媒体X1に記憶されるログデータを第2記憶媒体X2にコピーする。これにより、メインシステム101において想定外の異常が生じて当該メインシステム101がシャットダウンした場合でも、メインシステム101のログデータの解析が可能となる。
【0023】
図2は、本実施の形態にかかるログ保存システムにおけるログデータの保存処理の流れの一例を示すシーケンス図である。次に、図2を用いて、本実施の形態にかかるログ保存システムにおけるログデータの保存処理の流れの一例について説明する。
【0024】
メインシステム101が起動すると、ログ保存制御部102aは、第1記憶媒体X1へのメインシステム101のログデータの書き込みを開始する(ステップS201)。そして、ログ保存制御部102aは、予め設定された時間毎に、第1記憶媒体X1に対して、メインシステム101のログデータの上書きを行う(ステップS202)。
【0025】
その後、メインシステム制御部102dは、メインシステム101の異常の発生を検出した場合、シャットダウン通知およびログコピー通知をログ保存制御部102aに通知する(ステップS203)。ログ保存制御部102aは、メインシステム制御部102dからログコピー通知が通知されると、第1記憶媒体X1に対して、ログデータの読み出しを要求し(ステップS204)、第1記憶媒体X1からログデータを読み出す(ステップS205)。
【0026】
次いで、ログ保存制御部102aは、第1記憶媒体X1から読み出したログデータを第2記憶媒体X2にコピー(保存)する(ステップS206)。第2記憶媒体X2へのログデータのコピーが完了すると、ログ保存制御部102aは、メインシステム制御部102dに対してコピー完了通知を通知する(ステップS207)。
【0027】
その後、メインシステム101が再起動され、当該メインシステム101が通常動作に戻ると、ログ保存制御部102aは、再び、第1記憶媒体X1へのメインシステム101のログデータの書込み、および、予め設定された時間毎の第1記憶媒体X1に対するメインシステム101のログデータの上書きを行う(ステップS201、ステップS202)。これにより、メインシステム101において異常が発生した際のメインシステム101のログデータが第2記憶媒体X2に残っているため、当該第2記憶媒体X2に記憶されるログデータを用いてメインシステム101で発生した異常の解析が可能となる。
【0028】
このように、本実施の形態にかかるログ保存システムによれば、メインシステム101において異常(障害)が発生した場合に、メインシステム101のログデータを、低耐久性メモリ(第2記憶媒体X2)に保存することにより、高価な高耐久性メモリ(第1記憶媒体X1)の容量を小さく抑えながら、低耐久性メモリの破損を防止することができる。その結果、メインシステム101のログデータの記憶に要する第1記憶媒体X1の容量を抑制しつつ、メインシステム101の障害発生時におけるログデータを記憶可能とする。
【0029】
なお、本実施の形態のログ保存システムで実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施の形態のログ保存システムで実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0030】
さらに、本実施の形態のログ保存システムで実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態のログ保存システムで実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0031】
本実施の形態のログ保存システムで実行されるプログラムは、上述した各部(ログ保存制御部102a、メモリ制御部102b、判断部102c、メインシステム制御部102d等)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU等のプロセッサが上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、ログ保存制御部102a、メモリ制御部102b、判断部102c、メインシステム制御部102d等が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0032】
1 集積回路
2 電源回路
3 コンデンサ
101 メインシステム
102a ログ保存制御部
102b メモリ制御部
102c 判断部
102d メインシステム制御部
X1 第1記憶媒体
X2 第2記憶媒体
【先行技術文献】
【特許文献】
【0033】
【文献】特開2014-038435号公報
図1
図2