(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-10
(45)【発行日】2025-02-19
(54)【発明の名称】車両用パワーステアリング装置
(51)【国際特許分類】
B62D 5/04 20060101AFI20250212BHJP
【FI】
B62D5/04
(21)【出願番号】P 2021043101
(22)【出願日】2021-03-17
【審査請求日】2023-11-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000969
【氏名又は名称】弁理士法人中部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大野 浩平
(72)【発明者】
【氏名】高尾 淳子
(72)【発明者】
【氏名】川端 達也
【審査官】田邉 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-147200(JP,A)
【文献】特開昭58-170666(JP,A)
【文献】特開2008-056038(JP,A)
【文献】特開平01-156177(JP,A)
【文献】特開2019-038383(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0167939(US,A1)
【文献】特開2000-062630(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第04243824(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の一対の操舵輪を転舵する一対の転舵機構と、
前記一対の操舵輪を連結するとともに、前記一対の転舵機構を連結する連結機構とを含み、
前記一対の転舵機構が、
前記連結機構の一方の端部に連結して設けられ、軸線方向に延びた駆動軸と、前記駆動軸に係合させられた操舵操作部材とを備えた操作側転舵機構と、
前記連結機構の他方の端部に連結して設けられ、軸線方向に延びた駆動軸と、前記駆動軸に係合させられた電動アシスト装置とを備えた非操作側転舵機構とを含む車両用パワーステアリング装置であって、
前記操作側転舵機構が、前記一対の操舵輪の左方向の転舵と右方向の転舵とをそれぞれ制限する少なくとも2つの操作側ストッパを備え、
前記非操作側転舵機構が、
前記連結機構と前記駆動軸とを連結するリンク機構を含むとともに、前記一対の操舵輪の左方向と右方向とのいずれか一方向の転舵を制限する少なくとも1つの非操作側ストッパを含み、
前記一対の操舵輪が、前記非操作側転舵機構において、前記駆動軸が前記連結機構に近づく方向に移動させられた場合に、前記左方向と右方向との前記一方向に転舵し、前記駆動軸が前記連結機構から遠ざかる方向に移動させられた場合に、前記左方向と右方向との他方向に転舵するものであり、
前記リンク機構が、前記駆動軸が前記連結機構に近づく方向に移動させられた場合に撓められるリンク部材を含み、
前記少なくとも1つの非操作側ストッパが、前記リンク部材に当接可能であって、前記駆動軸の前記連結機構から遠ざかる方向の移動に伴う前記リンク部材の回動を制限するストッパを含まず、前記駆動軸の前記連結機構に近づく方向の移動に伴う前記リンク部材の回動を制限し、前記リンク部材の撓みを抑制する非操作側回動ストッパを含む車両用パワーステアリング装置。
【請求項2】
前記リンク機構が、前記リンク部材である第1リンク部材と、前記第1リンク部材に一端部において連結され、他端部において前記駆動軸に連結された第2リンク部材とを含み、
前記第1リンク部材が、概してL字状を成すものであり、一端部において前記連結機構に連結され、他端部において前記第2リンク部材の前記一端部に連結され、中間部がフリーな状態とされた請求項1に記載の車両用パワーステアリング装置。
【請求項3】
前記操作側転舵機構が、前記連結機構と前記駆動軸とを連結するリンク機構を備え、
前記少なくとも2つの操作側ストッパが、それぞれ、前記リンク機構を構成するリンク部材に当接可能であって、前記駆動軸の移動に伴う前記リンク部材の回動を制限する2つの操作側回動ストッパを含む請求項1
または2に記載の車両用パワーステアリング装置。
【請求項4】
前記操作側転舵機構が、前記連結機構と前記駆動軸とを連結するリンク機構を備え、
前記少なくとも2つの操作側ストッパが、前記駆動軸に当接可能であって、前記駆動軸の前記連結機構に近づく向きの移動を制限する操作側移動ストッパと、前記リンク機構を構成するリンク部材に当接可能であって、前記駆動軸の前記連結機構から離れる向きの移動に伴う前記リンク部材の回動を制限する操作側回動ストッパとを含む請求項
1または2に記載の車両用パワーステアリング装置。
【請求項5】
前記少なくとも2つの操作側ストッパが、それぞれ、前記駆動軸に当接可能であって、前記駆動軸の移動を制限する2つの操作側移動ストッパを含む請求項
1または2に記載の車両用パワーステアリング装置。
【請求項6】
前記操作側転舵機構が、さらに、前記駆動軸に係合させられた電動アシスト装置を備えた請求項
1ないし5のいずれか1つに記載の車両用パワーステアリング装置。
【請求項7】
車両の一対の操舵輪を転舵する一対の転舵機構と、
前記一対の操舵輪を連結するとともに、前記一対の転舵機構を連結する連結機構とを含み、
前記一対の転舵機構が、
前記連結機構の一方の端部に連結して設けられ、軸線方向に延びた駆動軸と、前記駆動軸に係合させられた操舵操作部材とを備えた操作側転舵機構と、
前記連結機構の他方の端部に連結して設けられ、軸線方向に延びた駆動軸と、前記駆動軸に係合させられた電動アシスト装置とを備えた非操作側転舵機構とを含む車両用パワーステアリング装置であって、
前記操作側転舵機構が、前記一対の操舵輪の左方向の転舵と右方向の転舵とをそれぞれ制限する少なくとも2つの操作側ストッパを備え、
前記非操作側転舵機構が、前記連結機構と前記駆動軸とを連結するリンク機構を含むとともに、前記一対の操舵輪の左方向と右方向とのいずれか一方向の転舵を制限する少なくとも1つの非操作側ストッパを含み、
前記一対の操舵輪が、前記非操作側転舵機構において、前記駆動軸が前記連結機構に近づく方向に移動させられた場合に、前記左方向と右方向との前記一方向に転舵し、前記駆動軸が前記連結機構から遠ざかる方向に移動させられた場合に、前記左方向と右方向との他方向に転舵するものであり、
前記リンク機構が、前記駆動軸が前記連結機構に近づく方向に移動させられた場合に撓められるリンク部材を含み、
前記少なくとも1つの非操作側ストッパが、前記駆動軸に当接可能であって、前記駆動軸の前記連結機構から遠ざかる方向の移動を制限するストッパを含まず、前記駆動軸の前記連結機構に近づく方向の移動を抑制する非操作側移動ストッパを含む車両用パワーステアリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に設けられたパワーステアリング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両の一対の操舵輪を転舵する一対の転舵機構と、一対の転舵機構を連結するとともに、一対の操舵輪を連結する連結機構とを含み、一対の転舵機構の一方が、操舵操作部材に加えられた操作トルクと電動アシストモータの駆動トルクとにより移動させられる駆動軸を備えた操作側転舵機構であり、一対の転舵機構の他方が、電動アシストモータの駆動トルクにより移動させられる駆動軸を備えた非操作側転舵機構である車両用パワーステアリング装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、運転者によって操作可能な操舵操作部材に、一対の操舵輪の転舵が制限されたことを良好に伝達可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る車両用パワーステアリング装置においては、操作側転舵機構に、一対の操舵輪の左方向と右方向との各々の転舵を制限する少なくとも2つのストッパが設けられる。そのため、一対の操舵輪の左方向と右方向との各々の転舵が制限されたことを、操舵操作部材に良好に伝達することが可能となる。なお、特許文献1には、一対の操舵輪の転舵を制限するストッパについての記載はない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】車両用パワーステアリング装置の基本的な構造を概念的に示す平面図である。
【
図2】上記車両用パワーステアリング装置の基本的な構造の要部を示す断面図である。
【
図4】本発明の実施例1に係る上記車両用パワーステアリング装置を概念的に示す平面図である。
【
図5】上記車両用パワーステアリング装置における作動状態(左方向転舵状態)を概念的に示す平面図である。
【
図6】上記車両用パワーステアリング装置における別の作動状態(右方向転舵状態)を概念的に示す平面図である。
【
図7】本発明の実施例2に係る車両用パワーステアリング装置を概念的に示す平面図である。
【
図8】上記車両用パワーステアリング装置における作動状態(左方向転舵状態)を概念的に示す平面図である。
【
図9】上記車両用パワーステアリング装置における別の作動状態(右方向転舵状態)を概念的に示す平面図である。
【
図10】本発明の実施例3に係る車両用パワーステアリング装置を概念的に示す平面図である。
【
図11】上記車両用パワーステアリング装置における作動状態(左方向転舵状態)を概念的に示す平面図である。
【
図12】上記車両用パワーステアリング装置における別の作動状態(右方向転舵状態)を概念的に示す平面図である。
【発明の実施形態】
【0007】
以下、本発明の一実施形態である車両用パワーステアリング装置の一例を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0008】
[車両用パワーステアリング装置の基本的な構造]
最初に、本発明に係る車両用パワーステアリング装置の基本的な構造について説明する。この車両用パワーステアリング装置の基本的な構造は、後に説明する複数の実施例に係る車両用ステアリング装置の共通の構造でもある。
車両用パワーステアリング装置の基本的な構造においては、
図1に示すように、車両の幅方向(左右方向)に隔たって設けられ、概して前後方向に延びた一対の転舵機構10,12と、一対の転舵機構10,12を連結するとともに、車両に設けられた一対の操舵輪(例えば、左右前輪)14L,14Rを連結する連結機構16とを含む。
【0009】
一対の転舵機構10,12は、連結機構16の前方に設けられる。本車両用パワーステアリング装置においては、一対の転舵機構10,12の一方である操作側転舵機構10は、車両の左側に設けられ、一対の転舵機構10,12の他方である非操作側転舵機構12は車両の右側に設けられる。
【0010】
操作側転舵機構10は、リンク機構18Lと駆動部20Lとを含む。駆動部20Lは、
図2,3に示すように、ハウジング21Lと、駆動軸としてラックバー22Lと、ラックバー22Lの歯に噛み合わされたピニオンギヤ24Lと、ピニオンギヤ24Lにステアリングシャフト26を介して取り付けられたステアリングホイール28と、電動アシスト装置31Lとを含む。
【0011】
電動アシスト装置31Lは、電動のアシストモータ(以下、単にアシストモータと称する)32Lと、アシストモータ32Lの出力軸と一体的に回転可能に取り付けられたウォームギヤ30Lと、ピニオンギヤ24Lに、ピニオンギヤ24Lと一体的に回転可能に設けられ、ピニオンギヤ24Lより大径な減速ギヤ34Lとを含む。減速ギヤ34Lには、ウォームギヤ30Lが噛み合わされる。
【0012】
ラックバー22Lは、車両の前後方向に軸線方向(
図2において、軸線hと平行な方向をいう)に延びたものであり、ハウジング21Lに、相対回転不能かつ軸線方向に相対移動可能に保持される。ラックバー22Lの前端部には、前側当接部36Lが設けられ、後端部には、後端側当接部としての機能を有するボールジョイント38Lが設けられる。それに対して、ハウジング21Lには、それぞれ、前側当接部36Lと当接可能な前側ストッパ40Lと、ボールジョイント38Lが当接可能な後側ストッパ42Lとが設けられる。
【0013】
リンク機構18Lは、概してL字形を成す第1リンク部材50Lと、概して直線状に延びた第2リンク部材54Lとを含む。第1リンク部材50Lは、互いに交差する方向(ほぼ直交する方向)に延びた第1アーム部51Lおよび第2アーム部52Lを含む。第1リンク部材50Lの一端部(第1アーム部51Lの端部)は、連結機構16の一端部に互いに相対回動可能に連結され、第1リンク部材50Lの他端部(第2アーム部52Lの端部)は、第2リンク部材54Lの一端部に互いに相対回動可能に連結される。第2リンク部材54Lの他端部は、ラックバー22Lにボールジョイント38Lを介して互いに相対回動可能に連結される。符号56L,56Rは、第2リンク部材54L,54Rの長さを調整する調整部を示す。
【0014】
車両用ステアリング装置の基本的な構造において、非操作側転舵機構12は、操作側転舵機構10に含まれるステアリングシャフト26、ステアリングホイール28を含まない。しかし、非操作側転舵機構12と操作側転舵機構10とで、その他の構成要素および構造は同じである。そのため、図面において、同じ構成要素について、添え字Lに代わって添え字Rを付して説明を省略する。
【0015】
連結機構16は、左右前輪14L,14Rのナックルアームに連結された一対のタイロッド60L,60Rと、一対のタイロッド60L,60Rを連結する連結ロッド62とを含む。一対の第1リンク部材50L,50Rの一端部(第1アーム部51L,51Rの端部)は、それぞれ、連結ロッド62の両端部に互いに相対回動可能に連結されるのである。
【0016】
なお、連結ロッド62が、左右前輪14L,14Rのナックルアームに連結され、一対の第1リンク部材50L、50Rの一端部がそれぞれタイロッド60L,60Rに連結されるようにすることもできる。
【0017】
アシストモータ32L,32Rには、それぞれ、コンピュータを主体とするモータECU70,72が図示しない駆動回路を介して接続される。モータECU70,72には、それぞれ、ステアリングホイール28に運転者によって加えられた操作トルクを検出するトルクセンサ74等が接続される。モータECU70,72は、それぞれ、トルクセンサ74によって検出された操作トルクに基づいてアシストモータ32L,32Rを制御する。例えば、モータECU70,72において、トルクセンサ74によって検出された操作トルクに基づいて目標アシスト力が取得されるとともに、アシストモータ32L,32Rに流れる電流が検出され、検出された電流に基づいてアシストモータ32L,32Rに加えられる負荷が取得され、実際に出力されたアシスト力が取得される。そして、実際に出力されたアシスト力が目標アシスト力に近づくように、アシストモータ32L,32Rが制御されるようにすることができる。
【0018】
操舵側転舵機構10に設けられるアシストモータ32Lと、非操舵側転舵機構12に設けられるアシストモータ32Rとは、同様に制御されても、異なる態様で制御されてもよい。
【0019】
以上のように構成された基本的な構造を成す車両用ステアリング装置に、複数のストッパが設けられる。複数のストッパにより、左右前輪14L,14Rの左方向、右方向の転舵が制限される。以下、複数の実施例の各々において、複数のストッパについて説明する。
【実施例1】
【0020】
実施例1に係る車両用ステアリング装置を
図4に示す。本車両用ステアリング装置は、操作側転舵機構10Xのリンク機構18Lの回動限度を制限する2つのストッパ部材80,82と、非操作側転舵機構12Xのリンク機構18Rの回動限度を制限する1つのストッパ部材84とを含む。
【0021】
ストッパ部材80,82は、車体側部材のリンク機構18Lの第1リンク部材50Lに対向する位置に、取り付けられる。
図4に示すように、ストッパ部材80,82は、第2アーム部52Lの両側(前側および後側)にそれぞれ取り付けられるのである。
【0022】
また、ストッパ部材84は、車体側部材のリンク機構18Rの第2アーム部52Lの後側に取り付けられる。ストッパ部材84は、ストッパ部材82とほぼ左右対称の位置に取り付けることができる。
なお、車体側部材とは、ボディまたはボディに取り付けられた部材であり、リンク機構18L,18Rの回動に伴って回動したり、ラックバー22L,22Rの移動に伴って移動したりすることがない部材をいう。
【0023】
図5に示すように、ステアリングホイール28が、左右前輪14L,14Rが左方向に転舵するように、操舵操作された場合には、操作側転舵機構10Xにおいて、ピニオンギヤ24Lには、ステアリングホイール28を介して加えられる操作トルクとアシストモータ32Lにより加えられるアシストトルクとが加えられる。それにより、ラックバー22Lが連結機構16に近づく方向(以下、後方と称する場合がある)へ移動させられ、リンク機構18Lが右方向に回動させられる。非操作側転舵機構12Xにおいて、ピニオンギヤ24Lは、アシストモータ32Rにより加えられるアシストトルクにより回転させられ、ラックバー22Rが連結機構16から遠ざかる方向(以下、前方と称する場合がある)へ移動させられ、リンク機構18Rが右方向に回動させられる。それにより、連結ロッド62が左方向へ移動させられ、左右前輪14L,14Rが左方向へ転舵される。
【0024】
そして、操作側転舵機構10Xにおいて、第1リンク部材50Lがストッパ部材82に当接すると、リンク機構18Lの右方向の回動が制限され、ラックバー22Lの後方への移動が制限される。連結ロッド62の左方向への移動が制限され、左右前輪14L,14Rの左方向への転舵が制限される。左右前輪14L,14Rは、それ以上、左方向に転舵することはない。左右前輪14L,14Rの左方向への転舵の限度が決まり、左方向の転舵角の最大値が決まる。
【0025】
このように、ステアリングホイール28を備えた操作側転舵機構10Xにおいて第1リンク部材50Lがストッパ部材82に当接する。そのため、そのことが、第2リンク部材54L,ラックバー22L,ピニオン24L、ステアリングシャフト26を介して良好にステアリングホイール28に伝達される。運転者は、左右前輪14L,14Rの転舵が制限されたことを良好に認識することができる。運転者は、それ以上のステアリングホイール28の操舵操作を終了すると考えられる。それにより、アシストモータ32L,32Rにおける無駄なエネルギの消費を抑制することができる。
【0026】
図6に示すように、ステアリングホイール28が、左右前輪14L,14Rが右方向に転舵されるように、操舵操作させられた場合には、操作側転舵機構10Xにおいて、運転者による操作トルクとアシストモータ32Lによるアシストトルクとにより、ピニオンギヤ24Lが回転させられ、ラックバー22Lが前方へ移動させられ、リンク機構18Lが左方向に回動させられる。非操作側転舵機構12Xにおいて、アシストモータ32Rによりラックバー22Rが後方へ移動させられ、それにより、リンク機構18Rが左方向に回動させられる。それにより、連結ロッド62が右方向へ移動させられ、左右前輪14L,14Rが右方向へ転舵される。
【0027】
また、操作側転舵機構10Xにおいて、第1リンク部材50Lがストッパ部材80に当接し、非操作側転舵機構12Xにおいて、第1リンク部材50Rがストッパ部材84に当接すると、リンク機構18L,18Rの左方向への回動が制限され、ラックバー22Lの前方への移動、ラックバー24Rの後方への移動が制限される。連結ロッド62の右方向の移動が制限され、左右前輪14L,14Rの右方向への転舵が制限される。左右前輪14L,14Rは、これ以上の右方向へ転舵することはない。左右前輪14L,14Rの右方向の転舵限度が決まり、右方向の転舵角の最大値が制限される。
【0028】
操作側転舵機構10Xにおいて、第1リンク部材50Lがストッパ部材80に当接するため、そのことがステアリングホイール28に良好に伝達され、運転者は、左右前輪14L,14Rの右方向の転舵が制限されたことを良好に認識することができる。運転者は、それ以上のステアリングホイール28の操舵操作を終了すると考えられる。それにより、アシストモータ32L,32Rにおいて消費されるエネルギを抑制することができる。
【0029】
また、非操作側転舵機構12Xにおいて、第1リンク部材50Rがストッパ部材84に当接することにより、ラックバー22Rの後方への移動が制限される。
仮に、ストッパ部材84が設けられていない場合において、左右前輪14L,14Rの右方向の転舵が制限された後にもステアリングホイール28の操舵操作が行われた場合には、アシストモータ32L,32Rが操作トルクに基づいて制御され続ける。一方、ラックバー22Rはリンク機構18Rに連結されているため、アシストモータ32Rによりラックバー22Rが後方へ移動させられ、第2リンク部材54R,第1リンク部材50Rが撓められつつ、リンク機構18Rが強制的に回動させられる場合がある。また、ラックバー22R,第2リンク部材54R,第1リンク部材50R等に大きな負荷が加えられる。
【0030】
それに対して、ストッパ部材84によれば、第1リンク部材50Rがストッパ部材84に当接し、ラックバー22Rの後方への移動が制限される。それにより、第1リンク部材50R,第2リンク部材54Rが撓められつつ回動させられることを良好に回避することができる。
また、ストッパ部材84により、ピニオン24Rに近い位置において、第1リンク部材50Rの回動が制限される。その結果、アシストモータ32Rに加えられる負荷が急激に大きくなり、アシストモータ32Rの実際のアシスト力が目標アシスト力以上になる場合がある。それにより、アシストモータ32Rを停止したり、アシスト力を小さくしたりすることができ、その場合には、ラックバー22R、第2リンク部材54R等に加えられる負荷(例えば、曲げ応力等)を良好に抑制することができる。
【0031】
また、前述のように、第1リンク部材50Lがストッパ部材80に当接することにより、左右前輪14L,14Rの右方向の転舵が制限されたことが運転者に良好に伝達されるため、運転者は、ステアリングホイール28の、左右前輪14L,14Rが右方向に転舵する向きの操舵操作を終了すると考えられる。その意味においても、ラックバー22R等に加えられる曲げ応力を抑制し、寿命を長くすることができる。
【0032】
一方、第1リンク部材50L,50Rの回動を制限するストッパ部材80,82,84の位置は、調節し易い。そのため、第1リンク部材50Lがストッパ部材80に当接するのと同時に、第1リンク部材50Rがストッパ部材84に当接するように、ストッパ部材80,84の位置を調整することが可能である。
【0033】
なお、本実施例においては、操作側転舵機構10Xにおいて、前側当接部36Lが前側ストッパ40Lに当接する前、非操作側転舵機構12Xにおいて、ボールジョイント38Rが後側ストッパ42Rに当接する前に、第1リンク部材50Lがストッパ部材82に当接する。また、非操作側転舵機構12Xにおいて、前側当接部36Lが前側ストッパ40Lに当接する前、操作側転舵機構10Xにおいて、ボールジョイント38Lが後側ストッパ42に当接する前に、操作側転舵機構10Xにおいて第1リンク部材50Lがストッパ部材80に当接し、非操作側転舵機構12Xにおいて第1リンク部材50Rがストッパ部材84に当接する。そのため、実質的に、前側ストッパ40L,40R、後側ストッパ42L,42Rはストッパとして機能しない。したがって、前側ストッパ40L,40R、後側ストッパ42L,42Rは、不可欠ではないが、抜け止め防止として機能すると考えることができる。
【0034】
以上のことから、本実施例において、ストッパ部材80、82が操作側ストッパ、操作側回動ストッパに対応し、ストッパ部材84が非操作側ストッパ、非操作側回動ストッパに対応する。
【実施例2】
【0035】
実施例2に係る車両用パワーステアリング装置においては、操作側転舵機構10Yのラックバー22Lの移動が制限され、リンク機構18Rの回動が制限される。
【0036】
本車両用パワーステアリング装置おいては、
図7に示すように、左右前輪14L,14Rが中立位置にある状態、換言すると、車両が直進状態にある場合の左右前輪14L,14Rの状態(転舵角が0の状態であると考えることができる)の、操作側転舵機構10Yにおける、前側ストッパ40Lと前側当接部36Lとの間の距離L1aが、非操作側転舵機構12Yにおける、後側ストッパ42Rとボールジョイント38Rとの間の距離L2bより小さく(L1a<L2b)、操作側転舵機構10Yにおける、後側ストッパ42Lとボールジョイント38Lとの間の距離L1bが、非操作側転舵機構12Yにおける、前側ストッパ42Rと前側当接部36Rとの間の距離L2aより小さい(L1b<L2a)。そのため、非操作側転舵機構12Yにおいて、前側当接部36R、ボールジョイント38Rが、前側ストッパ40R,後側ストッパ42Rに当接することはない。
【0037】
また、非操作側転舵機構12Yにおいて、車体側部材の、リンク機構18Rの第1リンク部材50Rに対向する位置にストッパ部材98が設けられ、リンク機構18Rの回動が制限される。本実施例においては、ストッパ部材98は、第2アーム部52Rの後方、すなわち、操作側転舵機構10Yにおいて、ラックバー22Lのボールジョイント38Lが後側ストッパ42Lに当接すると同時に、非操作側転舵機構12Yにおいて、第1リンク部材50Rが当接する位置に、取り付けられる。
【0038】
例えば、左右前輪14L,14Rが左方向に転舵されるように、ステアリングホイール28が操舵操作された場合には、
図8に示すように、操作側転舵機構10Yにおいて、操作トルクとアシストモータ32Lによるアシストトルクとによりピニオンギヤ24Lが回転させられ、ラックバー22Lが後方に移動させられる。非操作側転舵機構12Yにおいて、アシストトルクによりピニオンギヤ24Rが回転させられ、ラックバー22Rが前方に移動させられる。リンク機構18L、18Rは、いずれも右方向に回動させられ、連結ロッド62が左方向へ移動させられ、左右前輪14L,14Rが左方向に転舵される。
【0039】
そして、操作側転舵機構10Yにおいて、前側当接部36Lが前側ストッパ40Lに当接するとラックバー22Lの後方への移動が制限され、リンク機構18Lの回動が制限される。連結ロッド62の左方向の移動が制限され、左右前輪14L,14Rの転舵が制限される。左右前輪14L,14Rは、これ以上左方向に転舵されることはない。このように、操作側転舵機構10Yにおいて、前側当接部36Lが前側ストッパ40Lに当接するため、左右前輪14L,14Rの左方向の転舵が制限されたことを良好にステアリングホイール28に伝えることができる。
【0040】
また、左右前輪14L,14Rが右方向に転舵されるように、ステアリングホイール28が操舵操作された場合には、
図9に示すように、操作側転舵機構10Yにおいて、操舵トルクとアシストモータ32Lによるアシストトルクとによりピニオンギヤ24Lが回転させられ、ラックバー22Lが前方へ移動させられる。非操作側転舵機構12Yにおいて、アシストモータ32Rによりピニオンギヤ24Rが回転させられ、ラックバー22Rが後方へ移動させられる。リンク機構18L、18Rが左方向に回動させられ、連結ロッド62が右方向へ移動させられ、左右前輪14L,14Rが右方向に転舵される。
【0041】
操作側転舵機構10Yにおいて、ボールジョイント38Lが後側ストッパ42Lに当接し、非操作側転舵機構12Yにおいて、第1リンク部材50Rがストッパ部材98に当接する。それにより、左右前輪14L,14Rの右方向への転舵が制限される。操作側転舵機構10Yにおいて、ボールジョイント38Lが後側ストッパ42Lに当接するため、左右前輪14L,14Rの右方向の転舵が制限されたことを良好にステアリングホイール28に伝えることができる。
【0042】
非操作側転舵機構12Yにおいて、第1リンク部材50Rがストッパ部材58Rに当接するため、ラックバー22Rの後方への移動が制限され、第1リンク部材50R,第2リンク部材54Rの撓みを制限し、リンク機構18Rの強制的な回動を制限することができる。また、ラックバー22R等に加えられる負荷を抑制することができる。
【0043】
一方、操作側転舵機構10Yにおいて、前側当接部36Lが前側ストッパ40Lに当接すると同時に、非操作側転舵機構12Yにおいて、ボールジョイント38Rが後側ストッパ40Rに当接し、操作側転舵機構10Yにおいて、ボールジョイント38Lが後側ストッパ42Lに当接すると同時に、非操作側転舵機構12Yにおいて、前側当接部36Rが前側ストッパ40Rに当接するように、前側ストッパ40L,40R,後側ストッパ42L,42Rの位置を決めることは、ラックバー22L,22Rのバラツキ等に起因して困難である。そのため、仮に、前側当接部36Lが前側ストッパ40Lに当接すると同時に、非操作側転舵機構12Yにおいて、ボールジョイント38Rが後側ストッパ40Rに当接し、操作側転舵機構10Yにおいて、ボールジョイント38Lが後側ストッパ42Lに当接すると同時に、非操作側転舵機構12Yにおいて、前側当接部36Rが前側ストッパ40Rに当接するように設定しても、これらの間にずれが生じ、左右前輪14L,14Rの左方向、右方向の転舵が制限される場合の転舵角を良好に決めることが困難となる。それに対して、左右前輪14L,14Rの転舵を制限するストッパを1つにした場合には、転舵が制限される場合の転舵角を良好に決めることができる。
【0044】
本実施例において、前側ストッパ40L、後側ストッパ42Lが、それぞれ、操作側ストッパ、操作側移動ストッパに対応し、ストッパ部材98が非操作側ストッパ、回動ストッパに対応する。
【実施例3】
【0045】
実施例3に係る車両用パワーステアリング装置においては、操作側転舵機構10Z、非操作側転舵機構12Zのラックバー22L、22Rの移動が制限され、リンク機構18Lの回動が制限される。
【0046】
図10に示すように、左右前輪14L,14Rが中立位置にある場合の、操作側転舵機構10Zにおける前側当接部36Lと前側ストッパ40Lとの間の距離L1cが、非操作側転舵機構12Zにおけるボールジョイント38Rと後側ストッパ42Rとの間の距離L2dより小さく(L1c<L2d)、非操作側転舵機構12Zにおける前側当接部36Rと前側ストッパ40Rとの間の距離L2cが、操作側転舵機構10Zにおけるボールジョイント38Lと後側ストッパ42Lとの間の距離L1dより小さい(L2c<L1d)。
【0047】
また、操作側転舵機構10Zにおいて、車体側部材の第1リンク部材50Lに対向する位置にストッパ部材108が設けられる。
【0048】
図11に示すように、左右前輪14L,14Rが左方向に転舵されるように、ステアリングホイール28が操舵操作された場合には、アシストモータ32L,32Rが作動させられ、ラックバー22Lが後方へ移動させられ、ラックバー22Rが前方へ移動させられる。リンク機構18L,18Rが右方向に回動させられ、連結ロッド62が左方向へ移動させられ、左右前輪14L,14Rが左方向へ転舵される。左右前輪14L,14Rの左方向への転舵は、操作側転舵機構10Zにおいて、前側当接部36Lが前側ストッパ40Lに当接することにより制限される。また、左右前輪14L,14Rの転舵が制限されたことを、ステアリングホイール28に良好に伝達することができる。
【0049】
また、左右前輪14L,14Rが右方向に転舵されるように、ステアリングホイール28が操舵操作された場合には、
図12に示すように、アシストモータ32L,32Rが作動させられ、ラックバー22Lが前方へ移動させられ、ラックバー22Rが後方へ移動させられる。リンク機構18L,18Rが左方向に回動させられ、連結ロッド62が右方向へ移動させられ、左右前輪14L,14Rが右方向へ転舵される。左右前輪14L,14Rの右方向への転舵は、非操作側転舵機構12Zにおいて、前側当接部36Rが前側ストッパ40Rに当接し、操作側転舵機構10Zにおいて、第1リンク部材50Lが第1ストッパ部材108に当接することによって制限される。
【0050】
操作側転舵機構10Zにおいて、第1リンク部材50Lが第1ストッパ部材108に当接するため、左右前輪14L,14Rが右方向の転舵が制限されたことを、ステアリングホイール28に良好に伝達することができる。
【0051】
また、ステアリングホイール28が左方向に操舵されても、右方向に操舵されても、前側当接部36L、36Rが前側ストッパ40L、40Rに当接する。その結果、左右前輪14L,14Rの転舵が制限された後に、アシストモータ32L,32Rが作動させられても、ラックバー22L,22Rが後方へ移動させられることを防止し、ラックバー22L,22R等に加えられる負荷を抑制することができる。
【0052】
本実施例において、前側ストッパ40Lが操作側ストッパ、操作側移動ストッパに対応し、ストッパ部材108が操作側ストッパ、操作側回動ストッパに対応する。また、前側ストッパ40Rが非操作側ストッパ、非操作側移動ストッパに対応する。
【0053】
なお、操作側転舵機構10を右側に設け、非操作側転舵機構12を左側に設けてもよい。また、操作側転舵機構10、非操作側転舵機構12は、連結機構16の後方に設けてもよい。
【0054】
さらに、操作側転舵機構10において、電動アシスト装置31Lを設けることは不可欠ではない。
また、モータECU70,72は、アシストモータ32Lと、アシストモータ32Rとに、共通に設けたり、操作トルクに加えて車両の走行速度等も考慮してアシストモータ32L,32Rを制御するようにしたりすること等ができる。その他、本発明は、上記実施例の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0055】
10:操作側転舵機構 12:非操作側転舵機構 16:連結機構 18L,18R:リンク機構 20R,20L:駆動部 22L,22R:ラックバー 24L,24R:ピニオンギヤ 28:ステアリングホイール 31L,31R:電動アシスト装置 32L,32R:アシストモータ 36L,36R:前側当接部 40L,40R:前側ストッパ 38L,38R:ボールジョイント 42L,42R:後側ストッパ 50L,50R:第1リンク部材 60L,60R:タイロッド 62:連結ロッド 80,82,84,98,108:ストッパ部材
【特許請求可能な発明】
【0056】
(1)車両の一対の操舵輪を転舵する一対の転舵機構と、
前記一対の操舵輪を連結するとともに、前記一対の転舵機構を連結する連結機構と
を含み、
前記一対の転舵機構が、
前記連結機構の一方の端部に連結して設けられ、軸線方向に延びた駆動軸と、前記駆動軸に係合させられた操舵操作部材とを備えた操作側転舵機構と、
前記連結機構の他方の端部に連結して設けられ、軸線方向に延びた駆動軸と、前記駆動軸に係合させられた電動アシスト装置とを備えた非操作側転舵機構と
を含む車両用パワーステアリング装置であって、
前記操作側転舵機構が、前記一対の操舵輪の左方向の転舵と右方向の転舵とをそれぞれ制限する少なくとも2つの操作側ストッパを備えた車両用パワーステアリング装置。
【0057】
操作側転舵機構には、少なくとも2つの操作側ストッパが設けられるが、3つ以上の操作側ストッパを設けてもよい。
【0058】
操作側転舵機構、非操作側転舵機構は、車両の左右方向に隔たって設けられる。操作側転舵機構を左側に、非操作側転舵機構を右側に設けても、操作側転舵機構を右側に、非操作側転舵機構を左側に設けてもよい。
【0059】
(2)前記操作側転舵機構が、前記連結機構と前記駆動軸とを連結するリンク機構を備え、
前記少なくとも2つの操作側ストッパが、それぞれ、前記リンク機構を構成するリンク部材に当接可能であって、前記駆動軸の移動に伴う前記リンク部材の回動を制限する2つの操作側回動ストッパを含む(1)項に記載の車両用パワーステアリング装置。
【0060】
(3)前記操作側転舵機構が、前記連結機構と前記駆動軸とを連結するリンク機構を備え、
前記少なくとも2つの操作側ストッパが、前記駆動軸に当接可能であって、前記駆動軸の前記連結機構に近づく向きの移動を制限する操作側移動ストッパと、前記リンク機構を構成するリンク部材に当接可能であって、前記駆動軸の前記連結機構から離れる向きの移動に伴う前記リンク部材の回動を制限する操作側回動ストッパとを含む(1)項に記載の車両用パワーステアリング装置。
【0061】
(4)前記少なくとも2つの操作側ストッパが、それぞれ、前記駆動軸に当接可能であって、前記駆動軸の移動を制限する2つの操作側移動ストッパを含む(1)項に記載の車両用パワーステアリング装置。
【0062】
(5)前記非操作側転舵機構が、前記一対の操舵輪の左方向と右方向とのいずれか一方向の転舵を制限する少なくとも1つの非操作側ストッパを備えた(1)項ないし(4)項のいずれか1つに記載の車両用パワーステアリング装置。
【0063】
非操作側転舵機構には、少なくとも1つの非操作側ストッパが設けられるが、2つ以上の非操作側ストッパを設けてもよい。本車両用ステアリング装置には、少なくとも3つのストッパが設けられる。
【0064】
非操作側ストッパは、2つの操作側ストッパのうちの1つと同時に、一対の操舵輪の転舵を制限するものであるが、転舵を制限する機能に加えて、駆動軸の移動を抑制する機能を有するものとすることができる。
【0065】
(6)前記非操作側転舵機構が、前記連結機構と前記駆動軸とを連結するリンク機構を備え、
前記少なくとも1つの非操作側ストッパが、前記リンク機構を構成するリンク部材に当接可能であって、前記駆動軸の前記連結機構に近づく方向の移動に伴う前記リンク部材の回動を制限する非操作側回動ストッパを含む(5)項に記載の車両用パワーステアリング装置。
【0066】
実施例1~3において、第1リンク部材50L,50Rがリンク部材に対応する。
【0067】
(7)前記少なくとも1つの非操作側ストッパが、前記駆動軸に当接可能であって、前記駆動軸の前記連結機構に近づく方向の移動を制限する非操作側移動ストッパを含む(5)項に記載の車両用パワーステアリング装置。
【0068】
(8)前記操作側転舵機構が、前記車両の右側と左側とのいずれか一方の側に設けられ、
前記非操作側転舵機構が、前記車両の右側と左側とのいずれか他方の側に設けられ、
前記少なくとも1つの非操作側ストッパが、前記一対の操舵輪の前記他方の側への転舵を制限するものである(5)項ないし(7)項のいずれか1つに記載の車両用パワーステアリング装置。
【0069】
(9)前記操作側転舵機構が、さらに、前記駆動軸に係合させられた電動アシスト装置を備えた(1)項ないし(8)項のいずれか1つに記載の車両用パワーステアリング装置。
【0070】
(10)前記連結機構が、前記一対の操舵輪の各々に連結された一対のタイロッドと、前記一対のタイロッドを連結する連結ロッドとを備えた(1)項ないし(9)項のいずれか1つに記載の車両用パワーステアリング装置。
【0071】
一対の転舵機構は、一対のタイロッドの各々に連結されたものであっても、連結ロッドに連結されたものであってもよい。
【0072】
(11)車両の左右方向に隔たって設けられ、一対の操舵輪を転舵する一対の転舵機構と、
前記一対の操舵輪を連結するとともに、前記一対の転舵機構を連結する連結機構と
を含み、
前記一対の転舵機構が、
前記車両の左右方向の一方の側に、前記連結機構の一方の端部に連結して設けられ、軸線方向に延びた駆動軸と、前記駆動軸に係合させられた操舵操作部材とを備えた操作側転舵機構と、
前記車両の左右方向の他方の側に、前記連結機構の他方の端部に連結して設けられ、軸線方向に延びた駆動軸と、前記駆動軸に係合させられた電動アシスト装置とを備えた非操作側転舵機構と
を含む車両用パワーステアリング装置であって、
前記一対の操舵輪が、前記左右方向の一方の側に転舵する場合に、前記一対の操舵輪の転舵を制限する少なくとも1つの第1ストッパと、
前記一対の操舵輪が、前記左右方向の他方の側に転舵する場合に、前記一対の操舵輪の転舵を制限する少なくとも2つの第2ストッパと
を含む車両用パワーステアリング装置。
【0073】
本項に記載のパワーステアリング装置には、(1)項ないし(10)項のいずれか1つに記載の特徴を採用することができる。
【0074】
少なくとも1つの第1ストッパのうちの1つは、操作側転舵機構に設けられた操作側ストッパであり、少なくとも2つの第2ストッパのうちの2つは、操作側転舵機構に設けられた操作側ストッパと非操作側転舵機構に設けられた非操作側ストッパとである。