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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-10
(45)【発行日】2025-02-19
(54)【発明の名称】配線モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/569 20210101AFI20250212BHJP
   H01G 4/228 20060101ALI20250212BHJP
   H01G 4/38 20060101ALI20250212BHJP
   H01G 11/10 20130101ALI20250212BHJP
   H01G 11/14 20130101ALI20250212BHJP
   H01G 11/76 20130101ALI20250212BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20250212BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20250212BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20250212BHJP
   H01M 50/284 20210101ALI20250212BHJP
   H01M 50/298 20210101ALI20250212BHJP
【FI】
H01M50/569
H01G4/228 J
H01G4/228 Z
H01G4/38 A
H01G11/10
H01G11/14
H01G11/76
H01M10/48 P
H01M10/48 301
H01M50/204 401D
H01M50/209
H01M50/284
H01M50/298
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021046125
(22)【出願日】2021-03-19
(65)【公開番号】P2022144921
(43)【公開日】2022-10-03
【審査請求日】2023-07-25
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松村 暢之
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 慎一
【審査官】上野 文城
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-013829(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0271642(US,A1)
【文献】特開2016-219218(JP,A)
【文献】特開2020-057700(JP,A)
【文献】特開2020-013655(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0151812(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/569
H01G 4/228
H01G 4/38
H01G 11/10
H01G 11/14
H01G 11/76
H01M 10/48
H01M 50/204
H01M 50/209
H01M 50/284
H01M 50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の蓄電素子の電極端子が前記複数の蓄電素子の並び方向に連なって二列に配列されており、二列の前記電極端子は前記並び方向に直交する離間方向に離間している前記複数の蓄電素子に取り付けられる配線モジュールであって、
可撓性を有し、片面にのみ複数の第1電圧検知線を備える第1基板と、
可撓性を有し、片面にのみ複数の第2電圧検知線を備える第2基板と、
コネクタと、を備え、
前記複数の第1電圧検知線は、奇数回折り返されており、
前記第1電圧検知線の一端は、金属小片およびバスバーを介して二列の前記電極端子のうち一方の列をなす前記電極端子に電気的に接続されており、
前記第1電圧検知線の他端は、前記第1電圧検知線を介して電気的に接続された前記電極端子の電位順に前記離間方向に並び、前記コネクタに電気的に接続されており、
前記複数の第2電圧検知線は、折り返されていないか、もしくは偶数回折り返されており、
前記第2電圧検知線の一端は、金属小片およびバスバーを介して同他方の列をなす前記電極端子に電気的に接続されており、
前記第2電圧検知線の他端は、前記第2電圧検知線を介して電気的に接続された前記電極端子の電位順に前記離間方向に並び、前記コネクタに電気的に接続されており、
前記第1電圧検知線及び前記第2電圧検知線は、前記コネクタに対して前記並び方向における同じ側から接続されている、配線モジュール。
【請求項2】
前記第1基板における前記第1電圧検知線の他端が配される面と前記第2基板における前記第2電圧検知線の他端が配される面とが、対向して配されている、請求項1に記載の配線モジュール。
【請求項3】
前記第1基板は、前記第1電圧検知線が配される面に複数のサーミスタ回路を備え、
前記複数のサーミスタ回路の一端は、共通のグランド電位に接続されており、
前記複数のサーミスタ回路の他端は、前記コネクタに接続され、前記グランド電位と、最も電位の低い前記電極端子に接続された前記第1電圧検知線の他端と、の間に配されている、請求項1または請求項2に記載の配線モジュール。
【請求項4】
前記コネクタは、前記第1電圧検知線の他端に接続される第1端子と、前記第2電圧検知線の他端に接続される第2端子と、を備え、
前記第1端子は、前記離間方向に一列に並んでおり、
前記第2端子は、前記第1基板及び前記第2基板の対向方向について前記第1端子と異なる位置に配され、前記離間方向に一列に並んでいる、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の配線モジュール。
【請求項5】
前記コネクタは、前記第1電圧検知線の他端に接続される第1端子と、前記第2電圧検知線の他端に接続される第2端子と、を備え、
前記第1端子と前記第2端子とは、前記離間方向に一列に並んでおり、
前記第1端子と前記第2端子とは、前記離間方向について交互に配され、電位順に並んでいる、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の配線モジュール。
【請求項6】
前記第1基板及び前記第2基板を保護するプロテクタを備える、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の配線モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配線モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の蓄電素子に取り付けられる配線モジュールが知られている。配線モジュールは、可撓性基板に複数の電圧検知線が形成されている。複数の電圧検知線は、蓄電素子の電極端子にそれぞれ電気的に接続されている。複数の電圧検知線は機器に接続され、機器により蓄電素子の電圧が検知される。このような配線モジュールとして、例えば国際公開第2014/024452号(下記特許文献1)に記載のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2014/024452号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
蓄電素子においては、幅方向の両端部に、正極及び負極の電極端子が離れて形成されている場合がある。また複数の蓄電素子が直列接続されたり、並列接続されたりすることにより、電極端子の電位が蓄電素子ごとに複雑に異なる場合がある。すると、複数の蓄電素子に取り付けられた配線モジュールにおいて、各電極端子に接続された電圧検知線は、各電圧検知線が接続された電極端子の電位の順序と異なる順序で並ぶ場合がある(特許文献1の図4参照)。
【0005】
一方、蓄電素子の電圧を検知する機器の内部においては、電圧を検知する回路またはマイクロコンピュータの端子は、電位順に形成されている場合がある。そこで、電位と無関係に配された電圧検知線を、電位順に配列しなおすことが考えられる。
【0006】
可撓性基板において電圧検知線を電位順に配列するために、例えばジャンパ線を用いることが考えられる。しかしこの手法によると、部品点数の増大や配線の複雑化により、配線モジュールの製造コストを増大させる場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の配線モジュールは、複数の蓄電素子の電極端子が前記複数の蓄電素子の並び方向に連なって二列に配列されており、二列の前記電極端子は前記並び方向に直交する離間方向に離間している前記複数の蓄電素子に取り付けられる配線モジュールであって、可撓性を有し、片面にのみ複数の第1電圧検知線を備える第1基板と、可撓性を有し、片面にのみ複数の第2電圧検知線を備える第2基板と、コネクタと、を備え、前記複数の第1電圧検知線は、奇数回折り返されており、前記第1電圧検知線の一端は、二列の前記電極端子のうち一方の列をなす前記電極端子に電気的に接続されており、前記第1電圧検知線の他端は、前記第1電圧検知線を介して電気的に接続された前記電極端子の電位順に前記離間方向に並び、前記コネクタに電気的に接続されており、前記複数の第2電圧検知線は、折り返されていないか、もしくは偶数回折り返されており、前記第2電圧検知線の一端は、同他方の列をなす前記電極端子に電気的に接続されており、前記第2電圧検知線の他端は、前記第2電圧検知線を介して電気的に接続された前記電極端子の電位順に前記離間方向に並び、前記コネクタに電気的に接続されており、前記第1電圧検知線及び前記第2電圧検知線は、前記コネクタに対して前記並び方向における同じ側から接続されている、配線モジュールである。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、電位順に電圧検知線が配列された配線モジュールを低コストで提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態1にかかる蓄電モジュールの平面図である。
図2図2は、第2折り返し部で折り返されていない状態の第2基板の平面図である。
図3図3は、1つの第2折り返し部で山折りされた状態の第2基板の平面図である。
図4図4は、第2基板と複数の蓄電素子との接続について示す平面図である。
図5図5は、第1折り返し部で折り返されていない状態の第1基板の平面図である。
図6図6は、第1基板と複数の蓄電素子との接続について示す平面図である。
図7図7は、複数の蓄電素子の中間部に配された測温片周辺を示す蓄電モジュールの拡大平面図である。
図8図8は、図1のA-A断面の模式図である。
図9図9は、コネクタの背面視における模式図である。
図10図10は、実施形態2にかかるコネクタの背面視における模式図である。
図11図11は、実施形態3にかかる蓄電モジュールの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。
【0011】
(1)本開示の配線モジュールは、複数の蓄電素子の電極端子が前記複数の蓄電素子の並び方向に連なって二列に配列されており、二列の前記電極端子は前記並び方向に直交する離間方向に離間している前記複数の蓄電素子に取り付けられる配線モジュールであって、可撓性を有し、片面にのみ複数の第1電圧検知線を備える第1基板と、可撓性を有し、片面にのみ複数の第2電圧検知線を備える第2基板と、コネクタと、を備え、前記複数の第1電圧検知線は、奇数回折り返されており、前記第1電圧検知線の一端は、二列の前記電極端子のうち一方の列をなす前記電極端子に電気的に接続されており、前記第1電圧検知線の他端は、前記第1電圧検知線を介して電気的に接続された前記電極端子の電位順に前記離間方向に並び、前記コネクタに電気的に接続されており、前記複数の第2電圧検知線は、折り返されていないか、もしくは偶数回折り返されており、前記第2電圧検知線の一端は、同他方の列をなす前記電極端子に電気的に接続されており、前記第2電圧検知線の他端は、前記第2電圧検知線を介して電気的に接続された前記電極端子の電位順に前記離間方向に並び、前記コネクタに電気的に接続されており、前記第1電圧検知線及び前記第2電圧検知線は、前記コネクタに対して前記並び方向における同じ側から接続されている。
【0012】
このような構成によると、第1基板は片面にのみ複数の第1電圧検知線を備え、第2基板は片面にのみ複数の第2電圧検知線を備えるので、第1基板及び第2基板として片面にのみ導電路が形成された可撓性基板を用いることができ、配線モジュールの製造コストを低減できる。複数の第1電圧検知線は奇数回折り返され、複数の第2電圧検知線は折り返されていないか、もしくは偶数回折り返されているので、第1電圧検知線の他端及び第2電圧検知線の他端を、それぞれが接続された電極端子の電位順に離間方向に並べることができる。
【0013】
(2)前記第1基板における前記第1電圧検知線の他端が配される面と前記第2基板における前記第2電圧検知線の他端が配される面とが、対向して配されていることが好ましい。
【0014】
このような構成によると、第1基板及び第2基板をコネクタに実装しやすい。
【0015】
(3)前記第1基板は、前記第1電圧検知線が配される面に複数のサーミスタ回路を備え、前記複数のサーミスタ回路の一端は、共通のグランド電位に接続されており、前記複数のサーミスタ回路の他端は、前記コネクタに接続され、前記グランド電位と、最も電位の低い前記電極端子に接続された前記第1電圧検知線の他端と、の間に配されていることが好ましい。
【0016】
このような構成によると、複数のサーミスタ回路は第1電圧検知線と同じ面に配されるから、第1基板として片面にのみ導電路が形成された可撓性基板を用いることができ、配線モジュールの製造コストを低減できる。また、複数のサーミスタ回路の他端の電位は、最も電位の低い第1電圧検知線の電位に比較的に近いため、複数のサーミスタ回路と第1電圧検知線との短絡を抑制することができる。
【0017】
(4)前記コネクタは、前記第1電圧検知線の他端に接続される第1端子と、前記第2電圧検知線の他端に接続される第2端子と、を備え、前記第1端子は、前記離間方向に一列に並んでおり、前記第2端子は、前記第1基板及び前記第2基板の対向方向について前記第1端子と異なる位置に配され、前記離間方向に一列に並んでいることが好ましい。
【0018】
このような構成によると、離間方向についてコネクタを小型化できる。
【0019】
(5)前記コネクタは、前記第1電圧検知線の他端に接続される第1端子と、前記第2電圧検知線の他端に接続される第2端子と、を備え、前記第1端子と前記第2端子とは、前記離間方向に一列に並んでおり、前記第1端子と前記第2端子とは、前記離間方向について交互に配され、電位順に並んでいることが好ましい。
【0020】
このような構成によると、第1基板及び第2基板の対向方向についてコネクタを小型化できる。
【0021】
(6)上記の配線モジュールは、前記第1基板及び前記第2基板を保護するプロテクタを備えることが好ましい。
【0022】
このような構成によると、第1基板及び第2基板を保護することができる。
【0023】
[本開示の実施形態の詳細]
以下に、本開示の実施形態について説明する。本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0024】
<実施形態1>
本開示の実施形態1について、図1から図9を参照しつつ説明する。本実施形態の配線モジュール20を備えた蓄電モジュール10は、例えば、電気自動車またはハイブリッド自動車などの車両を駆動するための電源として車両に搭載されるものである。以下の説明においては、矢線Zの示す方向を上方、矢線Xの示す方向を前方、矢線Yの示す方向を左方として説明する。なお、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材の符号を省略する場合がある。
【0025】
[蓄電素子]
図1に示すように、蓄電モジュール10においては、複数(本実施形態では12個)の蓄電素子11が前後方向(並び方向の一例)に並んでいる。蓄電素子11は長方形状をしている。蓄電素子11の内部には図示しない蓄電要素が収容されている。蓄電素子11は特に限定されず、二次電池でもよく、またキャパシタでもよい。本実施形態にかかる蓄電素子11は二次電池とされる。
【0026】
[電極端子]
図1に示すように、蓄電素子11の上面の左右両端部には、電極端子12が形成されている。電極端子12の一方は正極で、他方は負極である。複数の蓄電素子11において、電極端子12は、前後方向に連なって二列に配列されており、二列の電極端子12は、左右方向(離間方向の一例)に離間している。二列の電極端子12のうち一方の列をなすものは第1電極端子12Aとされ、複数の蓄電素子11の左側に配されている。二列の電極端子12のうち他方の列をなすものは第2電極端子12Bとされ、複数の蓄電素子11の右側に配されている。第1電極端子12Aには、接続バスバー13または出力バスバー14が電気的に接続されている。第2電極端子12Bには、接続バスバー13が電気的に接続されている。
【0027】
接続バスバー13及び出力バスバー14は、金属板材が所定の形状にプレス加工されてなる。金属板材を構成する金属としては、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等、任意の金属を選択できる。接続バスバー13及び出力バスバー14の表面には、図示しないメッキ層が形成されていてもよい。メッキ層を構成する金属としては、スズ、ニッケル、半田等、任意の金属を選択できる。
【0028】
図1に示すように、接続バスバー13は、前後方向に隣り合う電極端子12同士に跨った状態で電極端子12に接続される。出力バスバー14は、1つの電極端子12に接続されて外部機器へ電力を出力する。本実施形態における出力バスバー14は2つあって、最後部の蓄電素子11の第1電極端子12Aに接続されたものと、最前部の蓄電素子11の第1電極端子12Aに接続されたものと、を備える。本実施形態においては、5個の接続バスバー13が隣り合う第1電極端子12A同士を接続し、6個の接続バスバー13が隣り合う第2電極端子12B同士を接続している。これらの接続バスバー13により、複数の蓄電素子11は直列接続されている。
【0029】
出力バスバー14及び接続バスバー13と、電極端子12とは、半田付け、溶接、ボルト締結等の公知の手法により、電気的に接続することができる。
【0030】
図1において、接続バスバー13及び出力バスバー14に付された1から13までの番号は、接続バスバー13及び出力バスバー14が接続された蓄電素子11の電極端子12それぞれの、電位の順を示している。1が付された出力バスバー14に接続された電極端子12の電位が最も高く、1から13へ順に低くなっており、13が付された出力バスバー14に接続された電極端子12の電位が最も低い。
【0031】
図1に示すように、前後方向に並ぶ複数の蓄電素子11の左端部に配された出力バスバー14及び接続バスバー13に接続された第1電極端子12Aの電位の序列は、高い方から1,3,5,7,9,11,13となっている。複数の蓄電素子11の右端部に配された接続バスバー13に接続された第2電極端子12Bの電位の序列は、高い方から2,4,6,8,10,12となっている。
【0032】
蓄電モジュール10は、コネクタ37を介して、外部のECU(Electronic Control Unit)等に接続されている(図示せず)。ECUは、マイクロコンピュータ、素子等が搭載されたものであって、各蓄電素子11の電圧、電流、温度等の検知や、各蓄電素子11の充放電制御コントロール等を行うための機能を備えた周知の構成のものである。
【0033】
[配線モジュール]
図1に示すように、複数の蓄電素子11の上面には、配線モジュール20が載置されている。本実施形態にかかる配線モジュール20は、可撓性を有し、片面にのみ複数の第1電圧検知線23を備える第1基板21と、可撓性を有し、片面にのみ複数の第2電圧検知線24を備える第2基板22と、第1基板21及び第2基板22が接続されるコネクタ37と、を備える。以下では、ほぼ同様とされる第1基板21及び第2基板22の構成のうち、より簡素な第2基板22の構成についてまず説明し、その後、第1基板21の構成について説明する。
【0034】
[第2基板]
図2に示すように、第2基板22は、可撓性を有する絶縁性のシートの表面22Aにのみプリント配線技術により複数の第2電圧検知線24が形成されて構成されている。図3に示すように、第2基板22の裏面22Bには、導電路は設けられていない。なお、第2基板22の裏面22Bにおいて、第2基板22の表面22Aに配された第2電圧検知線24は破線で示している(第1基板21についても同様)。本実施形態の第2基板22は、フレキシブルプリント基板とされている。
【0035】
[第2電圧検知線、第2電圧検知線の一端]
図4に示すように、第2基板22には、複数(本実施形態では6つ)の第2電圧検知線24が形成されている。第2電圧検知線24の一端24Aは、第2電圧検知線24の後側の端部とされている。第2電圧検知線24の一端24Aは、前後方向に間隔を空けて第2基板22の右側に配されており、第2電極端子12Bに接続された接続バスバー13に電気的に接続されている。第2電圧検知線24と接続バスバー13とは、半田付け、溶接等、任意の手法により、電気的に接続することができる。本実施形態では、第2電圧検知線24と接続バスバー13とは、ニッケル等の金属小片15を介して接続されている。第2電圧検知線24の一端24Aと金属小片15とは半田付けにより接続され、接続バスバー13と金属小片15とは溶接により接続されている。
【0036】
[第2電圧検知線の他端]
図4に示すように、この第2電圧検知線24の前側の端部は、第2電圧検知線24の他端24Bとされている。第2電圧検知線24の他端24Bは、コネクタ37に電気的に接続されるようになっている(図8参照)。本実施形態においては、第2電圧検知線24とコネクタ37とは、半田付けにより接続されている。
【0037】
図4に示すように、第2基板22は、全体として前後方向に細長い形状をなし、前後方向にのびる配索部25と、第2基板22の前端部に配されるコネクタ装着部26と、複数の第2電圧検知線24が折り返されている第2折り返し部27A,27Bと、を備える。配索部25は、その大部分が複数の蓄電素子11の上面に載置されており、第2電圧検知線24のうち第2電極端子12Bに接続される第2電圧検知線24の一端24Aを備える。第2折り返し部27A,27Bより後側の配索部25において、複数の第2電圧検知線24は、概ね前後方向にのびており、左右方向に間隔を空けて並んでいる。
【0038】
図2に示す第2折り返し部27A,27Bで折り返されていない状態の第2基板22において、コネクタ装着部26は、配索部25の端部に配され、配索部25から突出するように凸状をなして設けられている。図2において、コネクタ装着部26に配される複数の第2電圧検知線24は、概ね左右方向にのび、前後方向に間隔を空けて並んでいる。コネクタ装着部26の右端部には、第2電圧検知線24の他端24Bが配されている。
【0039】
図2に示すように、配索部25のコネクタ装着部26に近い部分には、配索部25の左右方向における全幅にわたって2つの第2折り返し部27A,27Bが設けられている。第2折り返し部27Aは、配索部25がのびる方向に対して90°をなす折り目であり、第2折り返し部27Bは、配索部25がのびる方向に対して45°をなす折り目である。配索部25は、第2折り返し部27Aで山折りされ(図2及び図3参照)、第2折り返し部27Bで谷折りされている(図3及び図4参照)。ここで、山折りとは、折り目が、折り返される配索部25の外側にくるように配索部25を折り返すことであり、谷折りとは、折り目が、折り曲げられる配索部25の内側にくるように配索部25を折り返すことである。
【0040】
図4に示すように、複数の第2電圧検知線24は2つの第2折り返し部27A,27Bで折り返されており、第2電圧検知線24全体として2回折り返されている。これにより、第2電圧検知線24の他端24Bの配される面(第2基板22の表面22A)は、上側(紙面垂直方向手前側)とされている。また、第2折り返し部27Bは、配索部25がのびる方向に対して45°をなす折り目となっているため、コネクタ装着部26において、第2電圧検知線24は、概ね前後方向にのび、左右方向に間隔を空けて並んでいる。
【0041】
図4において、第2電圧検知線24の他端24Bに付された番号は、それぞれの第2電圧検知線24が接続されている接続バスバー13(第2電極端子12B)の電位を示している。第2電圧検知線24の他端24Bは、左方に向かうにつれて2,4,6,8,10,12と電位が低くなる順序で左右方向に並んで配されるようになっている。
【0042】
[第1基板]
図6に示すように、第1基板21は、第2基板22とほぼ同様に構成され、複数の第1電圧検知線23、配索部28、コネクタ装着部29、及び第1折り返し部30を備える。ただし、第1折り返し部30の構成は、第2折り返し部27A,27Bとは異なっている。また、第1基板21は、第2基板22に設けられない複数のサーミスタ回路31をさらに備える。複数のサーミスタ回路31は、蓄電素子11の温度を測定するための回路であって、第1電圧検知線23と同様に、第1基板21の表面21Aにのみプリント配線技術により形成されている。本実施形態の第1基板21は、フレキシブルプリント基板とされている。
【0043】
[第1電圧検知線、第1電圧検知線の一端、第1電圧検知線の他端]
図6に示すように、第1基板21には、複数(本実施形態では7つ)の第1電圧検知線23が形成されている。第1電圧検知線23の一端23Aは、第1電圧検知線23の後側の端部とされている。第1電圧検知線23の一端23Aは、前後方向に間隔を空けて第1基板21の左側に配されており、第1電極端子12Aに接続された接続バスバー13または出力バスバー14に金属小片15を介して電気的に接続されている。第1電圧検知線23の他端23Bは、第1電圧検知線23の前側の端部とされている。第1電圧検知線23の他端23Bは、コネクタ37に電気的に接続されるようになっている(図8参照)。
【0044】
[サーミスタ回路、サーミスタ回路の一端、サーミスタ回路の他端]
図6に示すように、第1基板21の表面21Aには、プリント配線技術により、複数(本実施形態では3つ)のサーミスタ回路31が形成されている。複数のサーミスタ回路31は、配索部28の右側に配されている。図7に示すように、サーミスタ回路31は、サーミスタ32と、サーミスタ32から共通のグランド電位に導出されるグランド導電路33と、サーミスタ32から導出され、グランド導電路33とは異なる測温導電路34と、を備える。図6に示すように、グランド導電路33の前側の端部はサーミスタ回路31の一端31Aとされ、測温導電路34の前側の端部はサーミスタ回路31の他端31Bとされている。
【0045】
図6に示すように、サーミスタ回路31においてサーミスタ32を含む回路の一部は、第1基板21に設けられる測温片35に配されている。測温片35は、配索部28の後部、前部、及びそれらの中間部に設けられている。測温片35は、配索部28に切り込みを入れて形成されており、蓄電素子11の左右中央部に向かって折り返されている。図5及び図7に示すように、詳細には、測温片35は、2つの測温片折り返し部36A,36Bを有し、測温片折り返し部36Aにおいて谷折りされ、測温片折り返し部36Bにおいて山折りされる。このように構成することで、図6に示すように、複数のサーミスタ回路31により、複数の蓄電素子11のうち最前部、最後部、及び中間部に配された蓄電素子11の上面の左右中央部付近の温度を測定することができる。
【0046】
図5に示す第1折り返し部30で折り返されていない状態の第1基板21において、コネクタ装着部29に配される複数の第1電圧検知線23及びサーミスタ回路31は、概ね左右方向にのび、前後方向に間隔を空けて並んでいる。コネクタ装着部29の右端部には、第1電圧検知線23の他端23B、サーミスタ回路31の一端31A、及びサーミスタ回路31の他端31Bが配されている。
【0047】
図5に示すように、配索部28のコネクタ装着部29に近い部分には、配索部28の左右方向における全幅にわたって1つの第1折り返し部30が設けられている。第1折り返し部30は、配索部28がのびる方向に対して45°をなす折り目である。図6に示すように、配索部28は、第1折り返し部30で山折りされる。
【0048】
図6に示すように、複数の第1電圧検知線23は第1折り返し部30で折り返され、第1電圧検知線23全体として1回折り返されている。これにより、第1電圧検知線23の他端23Bの配される面(第1基板21の表面21A)は、下側(紙面垂直方向奥方側)とされている。換言すると、図6に図示されるコネクタ装着部29は、第1基板21の裏面21Bを上側(紙面垂直方向手前側)に向けている。複数のサーミスタ回路31についても同様に、コネクタ装着部29の下側の面に配される。また、第1折り返し部30は、配索部28がのびる方向に対して45°をなす折り目となっているため、コネクタ装着部29における第1電圧検知線23及びサーミスタ回路31は、概ね前後方向にのび、左右方向に間隔を空けて並んでいる。
【0049】
図6に示すように、第1電圧検知線23の他端23Bは、コネクタ装着部29の右端から詰めて配され、左方に向かうにつれて1,3,5,7,9,11,13と電位が低くなる順序で左右方向に並んで配されている。13が付された第1電圧検知線23の電位は、他の第1電圧検知線23及び第2電圧検知線24の電位と比較して最も低い。13が付された第1電圧検知線23の電位は、本実施形態にかかる蓄電モジュール10において基準となる電位であり、0Vでもよい。本実施形態にかかる蓄電モジュール10と、他の蓄電モジュール10とが直列接続された場合には、13が付された第1電圧検知線23の電位は、他の蓄電モジュール10との相対的な電位差に基づくので、0Vよりも大きくなる場合がある。
【0050】
図6に示すように、コネクタ装着部29の左端には、グランド電位に接続されるサーミスタ回路31の一端31Aが配されている。サーミスタ回路31の一端31Aには、グランド電位を示すGND(図9ではG)の符号が付されている。サーミスタ回路31の一端31Aの電位はグランド電位、すなわち0Vとなっている。サーミスタ回路31の一端31Aの右方には、サーミスタ回路31の他端31Bが配されている。サーミスタ回路31の他端31Bには、左から順に、C,B,Aの符号が付されており、それぞれ、複数の蓄電素子11の最前部、中間部、及び最後部に配されたサーミスタ32に対応している。サーミスタ回路31の他端31Bの電位は、サーミスタ32の抵抗値に基づいて定まる。
【0051】
図6に示すように、コネクタ装着部29において、A,B,Cの符号が付された複数のサーミスタ回路31の他端31Bは、GNDの符号が付されたサーミスタ回路31の一端31A(グランド電位)と、13が付された最も電位の低い第1電圧検知線23の他端23Bと、の間に配されている。サーミスタ回路31の他端31Bの電位と最も電位の低い第1電圧検知線23の他端23Bとは比較的に近い電位となっているから、サーミスタ回路31と第1電圧検知線23との短絡を抑制することができる。
【0052】
[コネクタ]
図8に示すように、第1基板21のコネクタ装着部29と第2基板22のコネクタ装着部26とは、コネクタ37に対して後側(並び方向における同じ側の一例)から接続されている。第1電圧検知線23の他端23Bが形成された第1基板21の表面21Aと、第2電圧検知線24の他端24Bが形成された第2基板22の表面22Aとは、上下方向(対向方向の一例)について互いに対向する配置とされている。
【0053】
図8に示すように、本実施形態のコネクタ37は、フレキシブルプリント基板用コネクタであって、第1基板21に接続される第1端子38と、第2基板22に接続される第2端子39と、第1端子38及び第2端子39を収容するハウジング42と、を備える。本実施形態では、第1端子38及び第2端子39は、雌端子とされている。第1端子38及び第2端子39は、図示しない相手コネクタの雄端子と接続される接続筒部40と、接続筒部40の後方に連なる基板接続部41と、を備える。第1端子38の基板接続部41は、第1電圧検知線23の他端23B、サーミスタ回路31の一端31A、またはサーミスタ回路31の他端31Bに半田付けにより接続されている。第2端子39の基板接続部41は、第2電圧検知線24の他端24Bに半田付けにより接続されている。
【0054】
ハウジング42は、例えば、図8に示すように、別体の上側ハウジング43と、下側ハウジング45と、これらの間に配される中間ハウジング44と、を備える。上側ハウジング43は、ハウジング42の上側の外面を構成し、下側ハウジング45は、ハウジング42の下側の外面を構成する。中間ハウジング44は、第1端子38及び第2端子39をハウジング42の内部に抜け止め係止する。詳細な説明は省略するが、コネクタ37は、例えば、上側ハウジング43と、予め第1端子38を半田付けした第1基板21と、中間ハウジング44と、予め第2端子39を半田付けした第2基板22と、下側ハウジング45と、を上下方向に積層して組み付けることにより、構成することができる。
【0055】
図9は、コネクタ37における第1端子38と第2端子39の配置を模式的に示すコネクタ37の背面図である。第1端子38及び第2端子39を示す四角枠の内側に付された1から13までの数字は、第1端子38または第2端子39の電位の順序を表し、図1において接続バスバー13または出力バスバー14に付された数字に対応している。同様に、図9において第1端子38に付されたG,C,B,Aの符号は、図6においてサーミスタ回路31の一端31A及びサーミスタ回路31の他端31Bに付されたGND,C,B,Aの符号に対応する。
【0056】
図9に示すように、第1端子38は、コネクタ37の上側において、左右方向に一列に電位の順序に従って並んでいる。第2端子39は、コネクタ37の下側において、左右方向に一列に電位の順序に従って並んでいる。このように、第1端子38及び第2端子39を上下方向にずらして配置し、コネクタ37を二段型とすることで、左右方向についてコネクタ37を小型化することができる。特に、配線モジュール20が適用される蓄電素子11の個数が多い場合には、第1電圧検知線23及び第2電圧検知線24の本数が多くなるため、コネクタ37のような二段型の構成が好ましい場合がある。
【0057】
図9において、左右方向において隣り合う第1端子38の中間の位置に、これらの中間の電位に接続される第2端子39が配されている。例えば、5,7が付された第1端子38の左右方向における中間の位置に、6が付された第2端子39が配されている。このように第1端子38と第2端子39を左右方向においてずらして配置することで、コネクタ37全体で(すなわち、上段と下段を合わせて)左右方向につづら折り状に電位の順序に従って第1端子38及び第2端子39を並べることができる。
【0058】
また、図9の配置とは異なり、第1端子38と第2端子39の配される左右方向における位置は揃っていてもよい(図示せず)。例えば、1が付された第1端子38と2が付された第2端子39とが、左右方向における同じ位置に配置され、3が付された第1端子38と4が付された第2端子39とが、左右方向における同じ位置に配置される構成としてもよい。
【0059】
[実施形態1の作用効果]
実施形態1によれば、以下の作用、効果を奏する。
実施形態1にかかる配線モジュール20は、複数の蓄電素子11の電極端子12が前後方向に連なって二列に配列されており、二列の電極端子12は左右方向に離間している複数の蓄電素子11に取り付けられる配線モジュール20であって、可撓性を有し、片面にのみ複数の第1電圧検知線23を備える第1基板21と、可撓性を有し、片面にのみ複数の第2電圧検知線24を備える第2基板22と、コネクタ37と、を備え、複数の第1電圧検知線23は、1回折り返されており、第1電圧検知線23の一端23Aは、二列の電極端子12のうち一方の列をなす第1電極端子12Aに電気的に接続されており、第1電圧検知線23の他端23Bは、第1電圧検知線23を介して電気的に接続された第1電極端子12Aの電位順に左右方向に並び、コネクタ37に電気的に接続されており、複数の第2電圧検知線24は、2回折り返されており、第2電圧検知線24の一端24Aは、同他方の列をなす第2電極端子12Bに電気的に接続されており、第2電圧検知線24の他端24Bは、第2電圧検知線24を介して電気的に接続された第2電極端子12Bの電位順に左右方向に並び、コネクタ37に電気的に接続されており、第1電圧検知線23及び第2電圧検知線24は、コネクタ37に対して後側から接続されている。
【0060】
上記の構成によれば、第1基板21は片面にのみ複数の第1電圧検知線23を備え、第2基板22は片面にのみ複数の第2電圧検知線24を備えるので、第1基板21及び第2基板22として片面にのみ導電路が形成された可撓性基板(フレキシブルプリント基板)を用いることができ、配線モジュール20の製造コストを低減できる。複数の第1電圧検知線23は1回折り返され、複数の第2電圧検知線24は2回折り返されているので、第1電圧検知線23の他端23B及び第2電圧検知線24の他端24Bを、それぞれが接続された電極端子12の電位順に左右方向に並べることができる。
【0061】
実施形態1では、第1基板21における第1電圧検知線23の他端23Bが配される面と第2基板22における第2電圧検知線24の他端24Bが配される面とが、対向して配されている。
【0062】
上記の構成によれば、第1基板21及び第2基板22をコネクタ37に実装しやすい。
【0063】
実施形態1では、第1基板21は、第1電圧検知線23が配される面に複数のサーミスタ回路31を備え、複数のサーミスタ回路31の一端31Aは、共通のグランド電位に接続されており、複数のサーミスタ回路31の他端31Bは、コネクタ37に接続され、グランド電位と、最も電位の低い電極端子12に接続された第1電圧検知線23の他端23Bと、の間に配されている。
【0064】
上記の構成によれば、複数のサーミスタ回路31は第1電圧検知線23と同じ面に配されるから、第1基板21として片面にのみ導電路が形成された可撓性基板(フレキシブルプリント基板)を用いることができ、配線モジュール20の製造コストを低減できる。また、複数のサーミスタ回路31の他端31Bの電位は、最も電位の低い第1電圧検知線23の電位に比較的に近いため、複数のサーミスタ回路31と第1電圧検知線23との短絡を抑制することができる。
【0065】
実施形態1では、コネクタ37は、第1電圧検知線23の他端23Bに接続される第1端子38と、第2電圧検知線24の他端24Bに接続される第2端子39と、を備え、第1端子38は、左右方向に一列に並んでおり、第2端子39は、上下方向について第1端子38と異なる位置に配され、左右方向に一列に並んでいる。
【0066】
上記の構成によれば、左右方向についてコネクタ37を小型化できる。
【0067】
<実施形態2>
本開示の実施形態2について、図10を参照しつつ説明する。実施形態2にかかる構成は、コネクタ137が一段型である点を除いて、実施形態1の構成と同様に構成されている。以下、実施形態1と同一の部材には実施形態1で用いた符号を付し、実施形態1と同一の構成、作用効果については説明を省略する。
【0068】
図10は、実施形態2にかかるコネクタ137における第1端子38と第2端子39の配置を模式的に示すコネクタ137の背面図である。実施形態1のコネクタ37(図8及び図9参照)とは異なり、コネクタ137は、第1端子38及び第2端子39を左右方向に一列に並べて構成されている。すなわち、コネクタ137は一段型とされている。一段型の配置を採用することで、上下方向についてコネクタ137を小型化することができる。特に、配線モジュール20が適用される蓄電素子11の個数が少ない場合には、第1電圧検知線23及び第2電圧検知線24の本数が少なくなるため、コネクタ137のような一段型の構成を採用できる場合がある。
【0069】
図10に示すように、コネクタ137において、第1端子38と第2端子39とは左右方向について交互に配されており、第1端子38及び第2端子39は左右方向に電位順に並べられている。すなわち、第1端子38及び第2端子39は、左方に向かうにつれて1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13と電位の低くなる順序で並べられている。
【0070】
[実施形態2の作用効果]
実施形態2によれば、以下の作用、効果を奏する。
実施形態2では、コネクタ137は、第1電圧検知線23の他端23Bに接続される第1端子38と、第2電圧検知線24の他端24Bに接続される第2端子39と、を備え、第1端子38と第2端子39とは、左右方向に一列に並んでおり、第1端子38と第2端子39とは、左右方向について交互に配され、電位順に並んでいる。
【0071】
上記の構成によれば、上下方向についてコネクタ137を小型化できる。
【0072】
<実施形態3>
本開示の実施形態3について、図11を参照しつつ説明する。実施形態3にかかる蓄電モジュール110の配線モジュール120は、プロテクタ50が設けられる点を除いて、実施形態1にかかる配線モジュール20と同様に構成されている。以下、実施形態1と同一の部材には実施形態1で用いた符号を付し、実施形態1と同一の構成、作用効果については説明を省略する。
【0073】
図11に示すように、プロテクタ50は、絶縁性の合成樹脂からなる板状の部材とされている。プロテクタ50は、第1基板21と、第2基板22と、コネクタ37と、を保持するようになっている。プロテクタ50による第1基板21、第2基板22、及びコネクタ37の保持については図示しないが、例えば、接着材による固定、係止構造による係止等を採用することができる。
【0074】
配線モジュール120はプロテクタ50を備えるため、各部材の保護が可能となる。プロテクタ50を備えない実施形態1の構成では、図1に示すように、第1基板21及び第2基板22のうち、複数の蓄電素子11より前側に延長された部分(以下、延長部22Eとする)は、外部に露出しているため、外部から力が加わったときに特に損傷しやすい。ところが、実施形態においては、図11に示すように、延長部22Eはプロテクタ50に保護され、外部に露出していない。したがって、外部からの力による延長部22Eの損傷を抑制することができる。また、プロテクタ50を設けることで、配線モジュール120の組み付けや搬送等も容易になる。
【0075】
[実施形態3の作用効果]
実施形態3によれば、以下の作用、効果を奏する。
実施形態3にかかる配線モジュール120は、第1基板21及び第2基板22を保護するプロテクタ50を備える。
【0076】
上記の構成によれば、第1基板21及び第2基板22を保護することができる。
【0077】
<他の実施形態>
(1)上記実施形態では、第1端子38及び第2端子39は雌端子であったが、これに限られることはなく、第1端子及び第2端子は雄端子でよい。
(2)上記実施形態では、第1基板21における第1電圧検知線23の他端23Bが配される面(表面21A)と第2基板22における第2電圧検知線24の他端24Bが配される面(表面22A)とが対向していたが、これに限られることはなく、第1基板の裏面と第2基板の裏面とが対向していてもよい。
(3)上記実施形態では、サーミスタ回路31が設けられたが、これに限られることはなく、サーミスタ回路は設けられなくてもよい。
(4)上記実施形態では、コネクタ37,137は、別体の上側ハウジング43、中間ハウジング44、及び下側ハウジング45と、第1端子38が接続された第1基板21と、第2端子39が接続された第2基板22と、を積層して組み付けられる構成としたが、これに限られることはない。例えば、一体成形されたハウジングに第1端子及び第2端子を組み付けてコネクタを構成した後、コネクタを第1基板及び第2基板に実装してもよい。
(5)上記実施形態では、第1基板21のコネクタ装着部29において第1端子38が接続される面と反対側の面(裏面21B)及び第2基板22のコネクタ装着部26において第2端子39が接続される面と反対側の面(裏面22B)には、補強板が貼り付けられなかったが、これに限られることはなく、コネクタ装着部の裏面に補強板を貼り付けてもよい。
(6)上記実施形態では、第1基板21及び第2基板22はフレキシブルプリント基板とされたが、これに限られることはなく、第1基板及び第2基板の、双方または一方はフレキシブルフラットケーブルでもよい。
【符号の説明】
【0078】
10,110: 蓄電モジュール
11: 蓄電素子
12: 電極端子
12A: 第1電極端子
12B: 第2電極端子
13: 接続バスバー
14: 出力バスバー
15: 金属小片
20,120: 配線モジュール
21: 第1基板
21A: 表面
22: 第2基板
22A: 表面
22B: 裏面
22E: 延長部
23: 第1電圧検知線
23A: 一端
23B: 他端
24: 第2電圧検知線
24A: 一端
24B: 他端
25: 配索部
26: コネクタ装着部
27A,27B: 第2折り返し部
28: 配索部
29: コネクタ装着部
30: 第1折り返し部
31: サーミスタ回路
31A: 一端
31B: 他端
32: サーミスタ
33: グランド導電路
34: 測温導電路
35: 測温片
36A,36B: 測温片折り返し部
37,137: コネクタ
38: 第1端子
39: 第2端子
40: 接続筒部
41: 基板接続部
42: ハウジング
43: 上側ハウジング
44: 中間ハウジング
45: 下側ハウジング
50: プロテクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11